(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025254
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/02 20060101AFI20250214BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20250214BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20250214BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20250214BHJP
【FI】
F21S8/02 400
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V17/00 155
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129854
(22)【出願日】2023-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 哲志
【テーマコード(参考)】
3K011
3K013
【Fターム(参考)】
3K011BA08
3K011BA09
3K011EA03
3K011EC05
3K011FA07
3K011GA02
3K013AA01
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA16
3K013EA01
3K013EA09
(57)【要約】
【課題】組立工数の低減が可能な照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具は、長尺状の光源と、光源が取り付けられる光源取付面部を有するフレームと、光源取付面部に取り付けられた光源を覆うカバーと、光源取付面部に固定され、カバーを保持するカバー保持具と、を備え、カバー保持具は、光源の一方の長辺部の側方で光源取付面部に締結部材で固定される板状の固定部を有し、光源は、光源の一方の長辺部が、締結部材により光源取付面部に固定されたカバー保持具の固定部と、光源取付面部と、の間に挟まれて固定部により光源取付面部に押圧されることにより光源取付面部に取り付けられているものである。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状の光源と、
前記光源が取り付けられる光源取付面部を有するフレームと、
前記光源取付面部に取り付けられた前記光源を覆うカバーと、
前記光源取付面部に固定され、前記カバーを保持するカバー保持具と、を備え、
前記カバー保持具は、前記光源の一方の長辺部の側方で前記光源取付面部に締結部材で固定される板状の固定部を有し、
前記光源は、
前記光源の前記一方の長辺部が、前記締結部材により前記光源取付面部に固定された前記カバー保持具の前記固定部と、前記光源取付面部と、の間に挟まれて前記固定部により前記光源取付面部に押圧されることにより前記光源取付面部に取り付けられている照明器具。
【請求項2】
前記カバー保持具の前記固定部は、前記光源の長手方向に沿って延びており、前記固定部において前記光源側の縁部から突出して前記光源の表面に重なる爪部を有し、
前記爪部は、前記カバー保持具が前記フレームに前記締結部材で締め付けられることにより弾性変形し、その弾性力が前記光源の前記表面に加わることで、前記光源が前記光源取付面部に押圧されている請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記爪部は、前記固定部において前記光源側の縁部に、前記長手方向に沿って複数設けられている請求項2記載の照明器具。
【請求項4】
前記光源取付面部に設けられ、前記光源に接触することで前記光源の前記光源取付面部における面方向の移動を規制する光源移動規制部を備えた請求項1~請求項3の何れか一項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記光源移動規制部は、前記光源の前記一方の長辺部に接触して前記光源の前記固定部に近づく方向への移動を規制する第1規制部を有する請求項4記載の照明器具。
【請求項6】
前記第1規制部は、前記カバー保持具の前記固定部と前記光源の前記一方の長辺部との間において前記爪部に重ならない位置に形成され、前記光源取付面部から突出する突部で構成されている請求項2に従属する請求項5記載の照明器具。
【請求項7】
前記光源移動規制部は、前記光源の他方の長辺部に接触して前記光源の前記固定部から離れる方向への移動を規制する第2規制部を有する請求項4記載の照明器具。
【請求項8】
前記第2規制部は、前記光源取付面部から切り起こされた切り起こし片で構成されている請求項7記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具に関し、更に詳しくは光源の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、長尺の光源と、光源が取り付けられる長尺のフレームと、フレームにおいて光源に接する光源取付面部から断面L字状に突出し、光源取付面部との間に光源の短手方向の両端部を挿入可能な空間を形成する一対の突出部と、を備えた照明器具がある(例えば特許文献1参照)。特許文献1の照明器具は、一対の突出部によって形成された空間に光源の両端部が挿入され、光源の両端部以外をねじで光源取付面部にねじ留めされることにより光源がフレームに固定されている。また、特許文献1の照明器具は、光源及びフレームを含む複数の構成部材を有し、これらの部材が互いにねじ留めされて組み立てられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の構成部材を組み立てて構成される照明器具は、組立工数の低減が求められている。特許文献1の照明器具は、光源を光源取付面部に固定するねじ等の締結部材を用いて光源が光源取付面部に固定されている。このように、特許文献1の照明器具は、締結部材を用いて光源を光源取付面部に固定するだけの工程が必要であり、組立工数の低減の観点で改善の余地があった。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためのもので、組立工数の低減が可能な照明器具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明器具は、長尺状の光源と、光源が取り付けられる光源取付面部を有するフレームと、光源取付面部に取り付けられた光源を覆うカバーと、光源取付面部に固定され、カバーを保持するカバー保持具と、を備え、カバー保持具は、光源の一方の長辺部の側方で光源取付面部に締結部材で固定される板状の固定部を有し、光源は、光源の一方の長辺部が、締結部材により光源取付面部に固定されたカバー保持具の固定部と、光源取付面部と、の間に挟まれて固定部により光源取付面部に押圧されることにより光源取付面部に取り付けられているものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る照明器具は、カバー保持具を有し、カバー保持具の固定部が締結部材によりフレームの光源取付面部に取り付けられた構成を有する。光源は長尺状であり、カバー保持具の固定部と、フレームの光源取付面部と、の間に光源の一方の長辺部が挟まれて光源取付面部に押圧されることにより、光源が光源取付面部に取り付けられている。このように、光源は、締結部材により光源取付面部に固定されたカバー保持具の固定部と、光源取付面部と、の間に挟まれて光源取付面部に取り付けられており、カバー保持具を光源取付面部に固定すると同時に光源を光源取付面部に取り付けることができる。このため、照明器具は、組立工数を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る照明器具と照明器具が取り付けられるシステム天井とを示す分解斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明器具をシステム天井に取り付けた状態を上面側から見た斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る照明器具の分解斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係る光源ユニットの分解斜視図である。
【
図5】実施の形態1に係る照明器具の光源ユニットからカバーを取り外した状態を下方側から見た図である。
【
図7】実施の形態1に係る光源ユニットの拡大部分断面図である。
【
図8】実施の形態1に係る光源ユニットのフレームに光源が載置された状態を示す図である。
【
図9】
図8の状態の組立物にカバー保持部が固定された状態を示す図である。
【
図10】
図9の状態の組立物にカバーを取り付ける状態を示す図である。
【
図11】
図10の状態の組立物にカバーが取り付けられて光源ユニットの組み立てが完了した状態を示す図である。
【
図12】
図11の光源ユニットを器具本体に取り付ける状態を示した図である。
【
図13】
図11の光源ユニットの器具本体への取り付けが完了した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る照明器具1の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本開示が限定されるものではない。また、
図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本開示を限定するものではない。方向を表す用語としては、例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」又は「後」等が挙げられる。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具1と照明器具1が取り付けられるシステム天井9とを示す分解斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る照明器具1をシステム天井9に取り付けた状態を上面側から見た斜視図である。
図3は、実施の形態1に係る照明器具1の分解斜視図である。
【0011】
照明器具1は、システム天井9に固定されるものである。システム天井9は、いわゆるTバー等の支持部材7が格子状に複数組み合わされて形成されている。システム天井9には、4本の支持部材7によって囲まれた天井開口8が形成されている。照明器具1は、システム天井9の天井開口8の下方から上方の天井裏空間に一旦、挿入された後、システム天井9に固定される。詳しくは、照明器具1は、天井裏空間に一旦、挿入された後、システム天井9に向けて下方に下ろされることで、照明器具1に設けられた後述の取付部材6が、
図2に示すようにシステム天井9の支持部材7に掛け留めされてシステム天井9に固定される。ここで、照明器具1の幅方向をX方向とし、照明器具1の奥行方向をY方向とし、照明器具1の高さ方向のうち天井側をZ1方向とし、照明器具1の高さ方向のうち床側をZ2方向とする。
【0012】
照明器具1は、器具本体2と、電源装置3と、光源ユニット4と、設備プレート5と、取付部材6と、を備えている。
【0013】
(器具本体2)
器具本体2は、システム天井9の天井開口8と同様の大きさを有しており、枠状を成している。器具本体2は、4つの側板21と、2つの仕切板26と、底板27と、を有している。
【0014】
(側板21)
側板21は、板状の部材である。2つの側板21は互いに対向する位置に配置され、残りの2つの側板21も互いに対向する位置に配置されており、4つの側板21によって矩形状の枠体が構成されている。なお、側板21の下端部には、外側に延びるフランジ22が設けられている。4つの側板21のうち、Y方向に対向する2つの側板21の外面には、照明器具1をシステム天井9に取り付けるための取付部材6が取り付けられている。取付部材6は、X方向に並んで2つ設けられている。照明器具1は、
図2に示すように取付部材6がシステム天井9の支持部材7に掛け留めされることでシステム天井9に固定されるようになっている。
【0015】
(仕切板26)
図1及び
図3に示すように、2つの仕切板26は、側板21と同様の長さを有しており、4つの側板21によって構成された矩形状の枠体の内部を3つの空間に仕切るものである。器具本体2内においてX方向の両側部の2つの空間は光源収容部2aとなっており、2つの光源収容部2aに囲まれた空間は設備収容部2bとなっている。光源収容部2aには、
図3に示すように電源装置3及び光源ユニット4が収容され、設備収容部2bには、例えばスピーカ又は非常灯といった設備部品(図示せず)が収容されている。
【0016】
(底板27)
図2に示すように、底板27は、4つの側板21の上端部を接続するものである。底板27のうち、光源収容部2aに該当する部分には、居室と天井裏空間との通気を行う空調リターンである換気用開口27aが形成されている。
【0017】
(電源装置3)
電源装置3は、器具本体2の光源収容部2aにおいて底板27に取り付けられる。電源装置3は、光源ユニット4に電源を供給するものであり、外部電源(図示せず)に接続されている。
【0018】
(光源ユニット4)
光源ユニット4は、電源装置3から供給される電源によって点灯するものであり、光源収容部2aに収容される。光源ユニット4は、フレーム41と、カバー42と、端板部43と、取付部44と、を有している。フレーム41は、光源ユニット4の外郭を構成する長尺状の部材であり、後述の光源40(
図4参照)が取り付けられるものである。端板部43は、フレーム41のY方向の両端部を覆う部材である。取付部44は、端板部43に設けられ、器具本体2の側板21にねじ等を用いて取り付けられている。光源ユニット4は、取付部44により器具本体2に取り付けられる。
【0019】
(設備プレート5)
設備プレート5は、矩形状をなしている板状の部材である。設備プレート5は、器具本体2の設備収容部2bに取り付けられ、設備収容部2bに収容される設備部材を覆うものである。
【0020】
(光源ユニット4の詳細な構成)
図4は、実施の形態1に係る光源ユニット4の分解斜視図である。
図5は、実施の形態1に係る照明器具1の光源ユニット4からカバー42を取り外した状態を下方側から見た図である。
図6は、
図5の点線で囲った部分の拡大図である。
図7は、実施の形態1に係る光源ユニット4の拡大部分断面図である。
【0021】
光源ユニット4は、上述したように、フレーム41と、カバー42と、端板部43と、取付部44と、を有する。光源ユニット4は更に、光源40と、カバー保持具45と、を有する。
【0022】
(光源40)
光源40は、発光素子40aと、発光素子40aが表面401に実装される基板40bと、を有しており、全体として長尺状に構成されている。図示の例では、光源40がX方向に離間して2つ設けられた例を示しているが、1つでもよい。光源40は、X方向を短手方向、Y方向を長手方向とする長尺状である。発光素子40aは、電力供給により発光する。
【0023】
発光素子40aは、例えば発光ダイオード(Light Emitting Diode;以下、LEDと称す)素子であり、基板40bの実装面である表面401に、長手方向であるY方向に沿って、列状又は千鳥状等に実装されている。発光素子40aは、固体レーザ(Solid State Laser)、半導体レーザ(Semiconductor Laser)、有機EL(Electro Luminescence)、無機EL等を用いてもよい。基板40bは、ガラス-エポキシ基板(FR-4)、ガラス-コンポジット基板(CEM-3)、紙エポキシ基板(FR-3)、紙フェノール基板(XPC)、金属ベース基板等が用いられる。
【0024】
光源40は、以下に詳述するが基板40bの一方の長辺部40b1が、フレーム41の後述の光源取付面部41aとカバー保持具45の後述の固定部45aとの間に挟まれて固定部45aにより光源取付面部41aに押圧されることにより光源取付面部41aに取り付けられる。
【0025】
(フレーム41)
フレーム41は、光源ユニット4の外郭を構成する長尺状の部材である。フレーム41は、Y方向に長尺状であり、光源40が取り付けられる矩形板状の光源取付面部41aと、光源取付面部41aの短手方向であるX方向の両端縁からZ2方向に延びる矩形板状の一対の側面部41bと、を有している。フレーム41は、光源取付面部41aと一対の側面部41bとが一体化されて形成されている。フレーム41は、例えば板金部材で構成されている。
【0026】
光源取付面部41aは、光源40が取り付けられる取付領域の周囲に、光源40に接触して光源40の光源取付面部41aにおける面方向の移動を規制する光源移動規制部10を有する。光源移動規制部10は、第1規制部41a1と、第2規制部41a2と、を有する。
【0027】
第1規制部41a1は、
図6に示すように光源40の基板40bにおいて短手方向(X方向)の一方の長辺部40b1の縁に接触して、短手方向の一方側への光源40の移動を規制する部分である。光源取付面部41aにおいて、基板40bの長辺部40b1の側方には後述のカバー保持具45の固定部45aが固定されるため、第1規制部41a1は、固定部45aへ近づく方向への光源40の移動を規制する部分ともいえる。第1規制部41a1は、フレーム41の板面からZ2方向に突出するように、例えばエンボス加工により形成された突部で構成されている。図示の例では、第1規制部41a1は、
図4に示すようにY方向に間隔を空けて3つ形成された例を示しているが、個数は3つに限定されたものではなく、2つでもよいし、4つ以上でもよい。また、第1規制部41a1は長辺部40b1の縁に接触する突部に限定するものではなく、長辺部40b1に接触して上記の機能を有する構成を有するものであればよい。
【0028】
第2規制部41a2は、光源40の基板40bにおいて短手方向(X方向)の他方の長辺部40b2に接触して、短手方向の他方側への光源40の移動を規制する部分である。第2規制部41a2は、固定部45aから離れる方向への光源40の移動を規制する部分ともいえる。第2規制部41a2は、光源取付面部41aの板面から切り起こされた切り起こし片で構成されている。
図7に示すように、切り起こし片で形成された第2規制部41a2は、光源取付面部41aの板面からZ2方向に延びた後、基板40bの表面401にZ方向に対向する方向に延びて形成されている。
【0029】
切り起こし片で形成された第2規制部41a2は、Z2方向に延びた部分が、光源取付面部41aの取付領域に取り付けられた基板40bの長辺部40b2の縁に接触するように、光源取付面部41aにおける形成位置が調整されている。第2規制部41a2は長辺部40b2の縁に接触する切り起こし片に限定するものではなく、長辺部40b2に接触して上記の機能を有する構成を有するものであればよい。
【0030】
光源取付面部41aは更に、カバー保持具45を固定するための第1固定孔41a3を有する。第1固定孔41a3は、Y方向に間隔を空けて複数形成されている。
【0031】
(カバー42)
カバー42は、矩形状をなしている板状の部材である。カバー42は、フレーム41の光源取付面部41aに取り付けられた光源40を覆うものである。カバー42は、X方向を短手方向、Y方向を長手方向とする長尺状である。カバー42は、透光性のカバーで、例えばアクリルなどの樹脂材料で形成されている。
【0032】
(カバー保持具45)
カバー保持具45は、フレーム41に固定され、カバー42を保持するものである。カバー保持具45は、カバー42のX方向の両端部を保持するように、X方向に離間して一対、設けられる。カバー保持具45は、固定部45aと、当接部45bと、隙間形成部45cと、を有する。カバー保持具45は、例えば板金部材を折り曲げることによって形成することができる。カバー保持具45は、以下に詳述するが、光源40をフレーム41の光源取付面部41aに取り付ける取付部材としても機能するものである。カバー保持具45は2つあるため、図示の例では2つのカバー保持具45で2つの光源40をフレーム41の光源取付面部41aに取り付ける構成としているが、この限りではない。
【0033】
固定部45aは、フレーム41の光源取付面部41aに固定される部分であり、長板状に構成されている。固定部45aは、光源40の一方の長辺部40b1の側方で光源取付面部41aに固定される部分である。固定部45aは、光源40の長手方向であるY方向に延びる長板状の長板部45a1と、長板部45a1の光源40側の縁部45a11から突出する爪部45a2と、を有する。
【0034】
長板部45a1は、締結部材11によって光源取付面部41aに固定される部分である。締結部材11は、
図7に示すようにねじ11aとナット11bとを有する。締結部材11は、ねじ11aとナット11bとを有する構成に限られず、ねじ11aのみで構成されてもよいし、ボルトで構成されてもよい。第2固定孔45a3は、Y方向に間隔を空けて複数形成されている。長板部45a1は、締結部材11が挿入される第2固定孔45a3を有する。第2固定孔45a3は、フレーム41に形成された第1固定孔41a3に対応する位置に形成されている。
【0035】
爪部45a2は、カバー保持具45がフレーム41に締結部材11で固定される際に弾性変形し、光源40を光源取付面部41aに押圧する部分である。爪部45a2は、カバー保持具45が光源取付面部41aに固定された状態において、爪部45a2の少なくとも先端部が光源40の表面401に重なるように構成されている。爪部45a2は、カバー保持具45が光源取付面部41aに固定される前の状態において、長板部45a1と面一に形成されている。
【0036】
爪部45a2は、Y方向に間隔を空けて複数形成されている。爪部45a2は、カバー保持具45が光源取付面部41aに固定された状態において、光源取付面部41aに設けられた第1規制部41a1と重ならない位置に形成されている。逆にいえば、第1規制部41a1は、光源取付面部41aにおいて、光源取付面部41aに固定されたカバー保持具45の爪部45a2に重ならない位置、詳しくは、
図6に示すように固定部45aと光源40の一方の長辺部40b1との間において爪部45a2に重ならない位置に形成されている。
【0037】
当接部45bは、固定部45aにおいて光源40とは反対側の縁部からZ2方向に垂直に延びる長板状に形成されている。当接部45bは、Y方向の長さが固定部45aのY方向の長さよりも長く形成されている。当接部45bは、Y方向の両端部45b1が内側に垂直に折り曲げられている。当接部45bは、カバー保持具45が光源取付面部41aに固定された状態においてフレーム41の側面部41b及び端板部43に当接する。
【0038】
隙間形成部45cは、当接部45bの下端部から内側に垂直に延びる長板状に形成されている。
図7に示すように、隙間形成部45cは、カバー保持具45が光源取付面部41aに固定された状態においてフレーム41のフランジ部41b1から離間する。隙間形成部45cは、フレーム41のフランジ部41b1との間に、カバー42を挿入保持する隙間を形成する。
【0039】
次に、上記構成の光源ユニット4の組立手順について説明する。
【0040】
図8~
図13は、実施の形態1に係る光源ユニット4の組み立て手順の説明図である。
図8は、実施の形態1に係る光源ユニット4のフレーム41に光源40が載置された状態を示す図である。
図9は、
図8の状態の組立物にカバー保持具45が固定された状態を示す図である。
図10は、
図9の状態の組立物にカバー42を取り付ける状態を示す図である。
図11は、
図10の状態の組立物にカバー42が取り付けられて光源ユニット4の組み立てが完了した状態を示す図である。
図12は、
図11の光源ユニット4を器具本体2に取り付ける状態を示した図である。
図13は、
図11の光源ユニット4の器具本体2への取り付けが完了した状態を示す図である。
【0041】
組立作業者は、
図8に示すようにフレーム41を設置時の姿勢とは上下逆にし、光源40を光源取付面部41aに載置する。この際、組立作業者は、
図8の矢印で示すように光源40を第2規制部41a2に向かってスライドさせ、第2規制部41a2に突き当てる。この状態において、光源40は、基板40bの長辺部40b2の縁が第2規制部41a2に当接すると共に、基板40bの長辺部40b1の縁が第1規制部41a1に当接して、X方向の移動が規制される。
【0042】
次に、組立作業者は、
図9に示すように、カバー保持具45をフレーム41に固定する。詳しくは、フレーム41の第1固定孔41a3にカバー保持具45の第2固定孔45a3が対向するようにカバー保持具45をフレーム41の光源取付面部41a上に載置する。カバー保持具45がフレーム41の光源取付面部41a上に載置された状態において、カバー保持具45の当接部45bがフレーム41の側面部41bに当接する。そして、締結部材11を用いてカバー保持具45をフレーム41の光源取付面部41aに締め付け固定する。具体的には、
図9の点線矢印に示すようにねじ11aを第1固定孔41a3及び第2固定孔45a3に通し、
図7に示すように軸部の先端側からナット11bを締め付けることで、カバー保持具45をフレーム41の光源取付面部41aに締め付け固定する。
【0043】
ここで、カバー保持具45が締結部材11を用いてフレーム41の光源取付面部41aに締め付け固定されると、光源40の表面401に当接している爪部45a2が、長板部45a1との接続部分を支点に弾性変形する。この弾性力が光源40の表面401に加わることで、光源40は光源取付面部41aに押圧されて光源取付面部41aに取り付けられる。なお、上記では、爪部45a2が長板部45a1に面一であるとしたが、長板部45a1に対して予めやや傾斜しており、カバー保持具45が締結部材11を用いて締め付け固定されることで更に傾斜し、爪部45a2の弾性力が光源40の表面401に加わる構成としてもよい。
【0044】
そして、組立作業者は、
図10に示すようにY方向の一方の端部(
図10の手前側の端部)に、端板部43と取付部44とをねじ留めする。次に、カバー保持具45の隙間形成部45cとフレーム41のフランジ部41b1との間に形成された隙間に、Y方向の他方の端部(
図10の奥側の端部)側からカバー42を
図10の矢印方向にスライドさせてカバー42を装着する。カバー42の装着後、フレーム41のY方向の他方の端部に端板部43と取付部44とをねじ留めする。以上により、
図11に示すように光源ユニット4の組み立てが完了する。
【0045】
そして、組立作業者は、
図12に示すように光源ユニット4を器具本体2の光源収容部2aに収容し、光源収容部2a内の電線を配線、結線したのち、ねじ13を用いて取付部44を器具本体2にねじ留めする。これにより、光源ユニット4が器具本体2に固定される。
【0046】
なお、上記の組み立て手順では、器具本体2を
図1に示した設置状態の姿勢と上下逆さにして組み立てる方法を例示したが、これに限定されない。
【0047】
従来の照明器具では、光源を光源取付面部にねじを用いて固定するだけの工程が必要であった。これに対し、照明器具1は、カバー保持具45を光源取付面部41aに固定すると同時に光源40を光源取付面部41aに固定できる。このため、照明器具1は、組立工数を低減できる。
【0048】
また、仮に、光源40とカバー保持具45とを別々に光源取付面部41aに固定する構造とした場合、光源40を固定するための締結部材と、カバー保持具45を固定するための締結部材と、がそれぞれ必要になる。この構造では、光源40を固定するための締結部材と、カバー保持具45を固定するための締結部材と、がそれぞれ必要になることで、材料費の増加を招く。これに対し、照明器具1は、カバー保持具45を固定する締結部材11を用いて光源40も一緒に光源取付面部41aに固定できるため、光源40とカバー保持具45とを別々に光源取付面部41aに固定する構造に比べて材料費の低減が可能である。
【0049】
また、光源40を光源取付面部41aに取り付ける方法として、接着剤を使用する方法が考えられる。しかし、接着剤を用いる方法では、専用の加工設備が必要であり、加工費が増加する。これに対し、照明器具1は、締結部材11を用いた固定であるため、専用の加工設備が不要であり、加工費を低減できる。
【0050】
また、実施の形態1の照明器具1は、光源40が光源取付面部41aに押圧されて光源取付面部41aに取り付けられるため、光源40の熱が、光源取付面部41aとの接触面を介してフレーム41全体に伝達されて放熱される。このため、実施の形態1の照明器具1は、放熱性を高めることができる。
【0051】
以上説明したように、実施の形態1の照明器具1は、長尺状の光源40と、光源40が取り付けられる光源取付面部41aを有するフレーム41と、光源取付面部41aに取り付けられた光源40を覆うカバー42と、光源取付面部41aに固定され、カバー42を保持するカバー保持具45と、を備える。カバー保持具45は、光源40の一方の長辺部40b1の側方で光源取付面部41aに締結部材11で固定される板状の固定部45aを有する。光源40は、光源40の一方の長辺部40b1が、光源取付面部41aとカバー保持具45の固定部45aとの間に挟まれて固定部45aにより光源取付面部41aに押圧されることにより光源取付面部41aに取り付けられている。
【0052】
上記構成により、照明器具1は、締結部材11により光源取付面部41aに固定されたカバー保持具45によって、光源40が光源取付面部41aに取り付けられている。言い換えれば、照明器具1は、カバー保持具45を光源取付面部41aに固定する締結部材11を用いて光源40を光源取付面部41aに固定できる。このため、照明器具1は、カバー保持具45を光源取付面部41aに固定すると同時に光源40を光源取付面部41aに固定できるため、組立工数を低減できる。
【0053】
カバー保持具45の固定部45aは、光源40の長手方向に沿って延びており、固定部45aにおいて光源40側の縁部45a11から突出して光源40の表面401に重なる爪部45a2を有する。爪部45a2は、カバー保持具45がフレーム41にねじ11aで締め付けられることにより弾性変形し、その弾性力が光源40の表面401に加わることで、光源40が光源取付面部41aに押圧されている。
【0054】
上記構成により、照明器具1は、カバー保持具45を光源取付面部41aに固定すると同時に光源40を光源取付面部41aに固定できるため、組立工数を低減できる。
【0055】
爪部45a2は、固定部45aにおいて光源40側の縁部45a11に、長手方向に沿って複数設けられている。
【0056】
照明器具は、複数の爪部45a2によって光源40を強固に光源取付面部41aに取り付けることができる。
【0057】
照明器具1は、光源取付面部41aに設けられ、光源40に接触して光源40の光源取付面部41aにおける面方向の移動を規制する光源移動規制部10を備えている。
【0058】
上記構成により、照明器具1は、光源取付面部41aに対する光源40の位置決めを行うことができる。
【0059】
光源移動規制部10は、光源40の一方の長辺部40b1に接触して光源40の固定部45aに近づく方向への移動を規制する第1規制部41a1と、光源40の他方の長辺部40b1に接触して光源40の固定部45aから離れる方向への移動を規制する第2規制部41a2と、を有する。
【0060】
照明器具1は、第1規制部41a1と第2規制部41a2とにより、光源取付面部41aに対する光源40の位置決めを行うことができる。
【0061】
第1規制部41a1は、カバー保持具45の固定部45aと光源40の一方の長辺部40b1との間において爪部45a2に重ならない位置に形成され、光源取付面部41aから突出する突部である。第2規制部41a2は、光源取付面部41aから切り起こされた切り起こし片である。
【0062】
照明器具1は、第1規制部41a1として突部を用いることができ、第2規制部41a2として切り起こし片を用いることができる。
【0063】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
長尺状の光源と、
前記光源が取り付けられる光源取付面部を有するフレームと、
前記光源取付面部に取り付けられた前記光源を覆うカバーと、
前記光源取付面部に固定され、前記カバーを保持するカバー保持具と、を備え、
前記カバー保持具は、前記光源の一方の長辺部の側方で前記光源取付面部に締結部材で固定される板状の固定部を有し、
前記光源は、
前記光源の前記一方の長辺部が、前記締結部材により前記光源取付面部に固定された前記カバー保持具の前記固定部と、前記光源取付面部と、の間に挟まれて前記固定部により前記光源取付面部に押圧されることにより前記光源取付面部に取り付けられている照明器具。
(付記2)
前記カバー保持具の前記固定部は、前記光源の長手方向に沿って延びており、前記固定部において前記光源側の縁部から突出して前記光源の表面に重なる爪部を有し、
前記爪部は、前記カバー保持具が前記フレームに前記締結部材で締め付けられることにより弾性変形し、その弾性力が前記光源の前記表面に加わることで、前記光源が前記光源取付面部に押圧されている付記1記載の照明器具。
(付記3)
前記爪部は、前記固定部において前記光源側の縁部に、前記長手方向に沿って複数設けられている付記2記載の照明器具。
(付記4)
前記光源取付面部に設けられ、前記光源に接触することで前記光源の前記光源取付面部における面方向の移動を規制する光源移動規制部を備えた付記1~付記3の何れか一つに記載の照明器具。
(付記5)
前記光源移動規制部は、前記光源の前記一方の長辺部に接触して前記光源の前記固定部に近づく方向への移動を規制する第1規制部を有する付記4記載の照明器具。
(付記6)
前記第1規制部は、前記カバー保持具の前記固定部と前記光源の前記一方の長辺部との間において前記爪部に重ならない位置に形成され、前記光源取付面部から突出する突部である付記2に従属する付記5記載の照明器具。
(付記7)
前記光源移動規制部は、前記光源の他方の長辺部に接触して前記光源の前記固定部から離れる方向への移動を規制する第2規制部を有する付記4又は付記5記載の照明器具。
(付記8)
前記第2規制部は、前記光源取付面部から切り起こされた切り起こし片で構成されている付記7記載の照明器具。
【符号の説明】
【0064】
1 照明器具、2 器具本体、2a 光源収容部、2b 設備収容部、3 電源装置、4 光源ユニット、5 設備プレート、6 取付部材、7 支持部材、8 天井開口、9 システム天井、10 光源移動規制部、11 締結部材、11a ねじ、11b ナット、13 ねじ、21 側板、22 フランジ、26 仕切板、27 底板、27a 換気用開口、40 光源、40a 発光素子、40b 基板、40b1 長辺部、40b2 長辺部、41 フレーム、41a 光源取付面部、41a1 第1規制部、41a2 第2規制部、41a3 第1固定孔、41b 側面部、41b1 フランジ部、42 カバー、43 端板部、44 取付部、45 カバー保持具、45a 固定部、45a1 長板部、45a11 縁部、45a2 爪部、45a3 第2固定孔、45b 当接部、45b1 両端部、45c 隙間形成部、401 表面。