IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コイズミ照明株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-給電装置、電気機器、及び照明装置 図1
  • 特開-給電装置、電気機器、及び照明装置 図2
  • 特開-給電装置、電気機器、及び照明装置 図3
  • 特開-給電装置、電気機器、及び照明装置 図4
  • 特開-給電装置、電気機器、及び照明装置 図5
  • 特開-給電装置、電気機器、及び照明装置 図6
  • 特開-給電装置、電気機器、及び照明装置 図7
  • 特開-給電装置、電気機器、及び照明装置 図8
  • 特開-給電装置、電気機器、及び照明装置 図9
  • 特開-給電装置、電気機器、及び照明装置 図10
  • 特開-給電装置、電気機器、及び照明装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025266
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】給電装置、電気機器、及び照明装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/10 20160101AFI20250214BHJP
   F21S 9/04 20060101ALI20250214BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20250214BHJP
【FI】
H02J50/10
F21S9/04
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129885
(22)【出願日】2023-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 宏治
(57)【要約】
【課題】金属板が過剰に加熱されることを抑制できる給電装置を提供する。
【解決手段】給電装100は、載置部111と、給電部120とを備える。載置部111は、電気機器200が載置される。給電部120は、電気機器200の受電部250に電力を供給する。載置部111は、第1部分151と、第2部分152とを含む。第1部分151は、給電部120の近傍に配置され、断面視において、第1部分151の表面から給電部120までの距離が第1距離L1となる部分を示す。第2部分152は、断面視において、第2部分152の表面から給電部120までの距離が第2距離L2となる部分を示す。第1距離L1は、第2距離L2より長い。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器が載置される載置部と、
前記電気機器の受電部に電力を供給する給電部と
を備え、
前記載置部は、第1部分と、第2部分とを含み、
前記第1部分は、前記給電部の近傍に配置され、断面視において、前記第1部分の表面から前記給電部までの距離が第1距離となる部分を示し、
前記第2部分は、断面視において、前記第2部分の表面から前記給電部までの距離が第2距離となる部分を示し、
前記第1距離は、前記第2距離より長い、給電装置。
【請求項2】
前記第1部分は、前記給電部と第1方向に重なり、
前記第1方向は、前記給電部から前記載置部に向かう方向を示す、請求項1に記載の給電装置。
【請求項3】
前記第1部分は、前記第1方向に前記載置部から突出する突出部を有し、
前記突出部は、前記載置部から着脱可能である、請求項2に記載の給電装置。
【請求項4】
前記第1部分は、前記第1方向に前記載置部から突出する突出部を有し、
前記突出部は、環形状を有する、請求項2に記載の給電装置。
【請求項5】
前記第1部分は、前記給電部の外縁の近傍に位置する、請求項3または請求項4に記載の給電装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の給電装置と
前記給電部から電力が伝送される受電部と
を備える、電気機器。
【請求項7】
前記電気機器は、前記載置部と接触する底部を有し、
前記底部は、前記第1方向に窪む窪み部を有し、
前記電気機器が前記載置部に載置される場合、前記第1部分は前記窪み部に挿通される、請求項6に記載の電気機器。
【請求項8】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の給電装置と、
光を出射する光源部を備える照明装置と
を備え、
前記照明装置は、
前記給電部から電力が伝送される受電部と、
前記光源部と前記受電部とが固定される筐体と
を備え、
前記筐体は、前記載置部と接触する底部を有し、
前記底部は、前記第1方向に窪む窪み部を有し、
前記照明装置が前記載置部に載置される場合、前記第1部分は前記窪み部に挿通される、照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電装置、電気機器、及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の非接触給電式電気器具は、給電コイルを内蔵した給電台と、給電コイルから無接触受電する受電コイルを内蔵した加熱容器とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7006871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の非接触給電式電気器具では、給電台の給電コイル上に金属板が載置された場合、金属板が過剰に加熱されることがある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、給電コイル上に金属板が載置された場合、金属板が過剰に加熱されることを抑制できる給電装置、電気機器、及び照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の給電装置は、載置部と、給電部とを備える。前記載置部は、電気機器が載置される。前記給電部は、前記電気機器の受電部に電力を供給する。前記載置部は、第1部分と、第2部分とを含む。前記第1部分は、前記給電部の近傍に配置され、断面視において、前記第1部分の表面から前記給電部までの距離が第1距離となる部分を示す。前記第2部分は、断面視において、前記第2部分の表面から前記給電部までの距離が第2距離となる部分を示す。前記第1距離は、前記第2距離より長い。
【0007】
本発明の給電装置によれば、前記第1部分は、前記給電部と第1方向に重なることが好ましい。前記第1方向は、前記給電部から前記載置部に向かう方向を示す。
【0008】
本発明の給電装置によれば、前記第1部分は、前記第1方向に前記載置部から突出する突出部を有することが好ましい。前記突出部は、前記載置部から着脱可能であることが好ましい。
【0009】
本発明の給電装置によれば、前記第1部分は、前記第1方向に前記載置部から突出する突出部を有することが好ましい。前記突出部は、環形状を有することが好ましい。
【0010】
本発明の給電装置によれば、前記第1部分は、前記給電部の外縁の近傍に位置することが好ましい。
【0011】
本発明の電気機器は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の給電装置と、受電部とを備えることが好ましい。前記受電部は、前記給電部から電力が伝送されることが好ましい。
【0012】
本発明の前記電気機器は、前記載置部と接触する底部を有することが好ましい。前記底部は、前記第1方向に窪む窪み部を有することが好ましい。前記電気機器が前記載置部に載置される場合、前記第1部分は前記窪み部に挿通されることが好ましい。
【0013】
本発明の照明装置は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の給電装置と、照明装置とを備える。前記照明装置は、光を出射する光源部を備える。前記照明装置は、受電部と、筐体とを備える。前記受電部は、前記給電部から電力が伝送される。前記筐体は、前記光源部と前記受電部とが固定される。前記筐体は、前記載置部と接触する底部を有する。前記底部は、前記第1方向に窪む窪み部を有する。前記照明装置が前記載置部に載置される場合、前記第1部分は前記窪み部に挿通される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の給電装置、電気機器、及び照明装置によれば、給電コイル上に金属板が載置された場合、金属板が過剰に加熱されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る照明システムを示す図である。
図2】本実施形態に係る照明システムの給電装置を示す図である。
図3】本実施形態に係る照明システムの断面を示す図である。
図4】本実施形態に係る照明システムの電気回路を示す図である。
図5】本実施形態に係る照明システムの給電装置を示す図である。
図6】金属板の温度上昇を示す表である。
図7】本実施形態の変形例1に係る照明システムを示す図である。
図8】本実施形態の変更例1に係る給電装置を示す図である。
図9図7に示す給電装置のIX-IX断面を示す図である。
図10】本実施形態の変形例2に係る照明システムを示す図である。
図11】本実施形態の変形例2に係る照明システムを示す別の図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0017】
本発明の実施形態に係る照明システム1について、図1から図4を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る照明システム1を示す図である。図2は、本実施形態の照明システム1の給電装置100を示す図である。図3は、本実施形態に係る照明システム1の断面を示す図である。
【0018】
図1に示すように、照明システム1は、照明装置200と、給電装置100とを備える。
【0019】
照明装置200は、光を出射する。照明装置200は、給電装置100に載置される。照明装置200は、「電気機器」の一例に相当する。照明装置200は、給電装置100から分離可能である。照明装置200は、給電装置100から電力が供給される。
【0020】
図1及び図3に示すように、照明装置200は、筐体202、光源部221、拡散部材225、及び、セード201を備える。
【0021】
筐体202は、図3を参照して説明する受電部250を収容する。筐体202には、光源部221、拡散部材225、及び、セード201が固定される。
【0022】
図3に示すように、光源部221は、光を出射する。光源部221は、光源222、及び、光源基板223を含む。光源222は、例えば、発光素子である。光源222は、光源基板223の実装面に実装される。本実施形態では、光源222は、COB(Chip on Board)タイプにより構成されている。なお、光源222は、SMD(Surface Mount Device)タイプであってもよい。
【0023】
光源基板223は、薄板形状である。光源基板223は、環状の薄板であってもよい。なお、光源基板223は、円板状の薄板であってもよい。光源基板223は、筐体202に固定される。また、3次元的に任意の装置形状に合わせてLEDパッケージが実装されてもよい。
【0024】
拡散部材225は、光源222から照射される指向性の高い光を広範囲に拡散させる機能や、配向角を拡張する機能を有する。また、光源部221に埃が付着することを防止する。拡散部材225は、筐体202に固定される。拡散部材225は、半球状である。
【0025】
拡散部材225は、光源部221を覆う。具体的には、拡散部材225は、光源部221の照射面側を覆う。拡散部材225は、光源部221からの光を透過させる。また、拡散部材225は、光源部221からの光を反射及び拡散させる。拡散部材225は、例えば、半透明の樹脂で形成される。
【0026】
セード201は、光源部221からの光を透過させる。具体的には、セード201は、拡散部材225を通過した光を透過させる。セード201は、光源部221からの光を透過させる際に、光を拡散させることが好ましい。これにより、セード201の外部からは、光源部221が点状ではなく面状に点灯しているように見える。
【0027】
セード201は、筐体202の上方に配置される。セード201は、球状である。なお、本実施形態におけるセード201の形状は、一例であって、半球形状、有底円筒形状、ドーム形状、有底角筒形状であってもよい。
【0028】
セード201は、例えば、透光性を有する弾性部材で形成される。弾性部材は、例えば、シリコーンゴムである。よって、セード201は、可撓性を有する。このため、セード201をぶつけたとしても割れることを抑制できる。つまり、誤って、人とセード201が接触してもセード201が割れることを抑制できる。また、セード201は、樹脂で形成されてもよい。例えば、セード201は、透光性を有する半透明のアクリル系樹脂素材で形成される。なお、セード201は、必ずしもシリコーンゴムである必要性はなく、透明なガラスや、和紙のような紙でもよいし、これらの材料の組み合わせであってもよい。
【0029】
引き続き、図1から図3を参照して、給電装置100を説明する。図1に示すように、給電装置100は、筐体101、配線102、及び、コネクター103を含む。図1図2とに示すように、給電装置100は机の天板に埋め込まれる。
【0030】
筐体101は、給電装置100の構成物を収容する。筐体101は、机の一部である。
【0031】
配線102は、コネクター103から電力を伝送する。コネクター103は、外部電源に接続される。外部電源は、例えば、直流電源または、交流電源である。
【0032】
次に図1図4を参照して、照明装置200と、給電装置100とを更に詳しく説明する。図3は、本実施形態に係る照明システム1の断面を示す図である。図4は、本実施形態に係る照明システム1の電気回路を示す図である。図5は、本実施形態に係る照明システム1の給電装置100を示す図である。
【0033】
図3に示すように、照明装置200は、受電部250を更に備える。受電部250は、給電装置100から電力を受電する。受電部250は、給電装置100から無線で給電される。
【0034】
図3図4とに示すように、受電部250は、受電コイル252と、コンデンサ251、平滑用コンデンサ253、整流回路256、ジャイロセンサ257、制御部258と、LED回路259を含む。
【0035】
受電コイル252は、給電コイル122と磁気結合する。受電コイル252は、電磁誘導により、電力が伝導される。
【0036】
整流回路256は、受電側の出力を整流して直流電圧を生成する。平滑用コンデンサ253は、整流回路256が出力した電力を平滑化する。ジャイロセンサ257は、照明装置200の角速度を検出する。ジャイロセンサ257が検出した検出値は、制御部258へ送られる。
【0037】
制御部258は、LED回路259を制御する。制御部258は記憶部を含む。記憶部は、記憶装置であり、コンピュータープログラム及びデータを記憶する。記憶装置は、半導体メモリーのような主記憶装置及び補助記憶装置を含む。制御部258は、MCU(Micro-Control Unit)のようなコンピューターを含む。コンピューターは、プロセッサー及び記憶部を含む。プロセッサーは、記憶部に記憶されたコンピュータープログラムを実行して、各種処理を実行する。
【0038】
制御部258は、PWM(Pulse Width Modulation)信号を生成する。制御部258は、PWM信号のデューティ比を変化させることにより、光源222から出射される光の光量を変化させる。具体的には、制御部258は、ジャイロセンサ257から出力される検出値に基づいて、PWM信号のデューティ比を変化させる。制御部258は、生成したPWM信号をLED回路259に伝達する。LED回路259は、PWM信号に基づいて、光源222を駆動(点灯、消灯、調光)する。
【0039】
給電装置100は、照明装置200に電力を供給する。給電装置100は、照明装置200の受電部250に電力を伝送する。図3に示すように、給電装置100は、給電部120を更に備える。
【0040】
給電部120は、照明装置200の受電部250に電力を供給する。給電部120は、給電コイル122、AC/DCアダプタ123、及び、インバータ回路124を含む。
【0041】
AC/DCアダプタ123は、商用電源からの交流電圧を、直流電圧に変換する。インバータ回路124には、直流電圧が印加される。インバータ回路124は、電圧と周波数を変更する。インバータ回路124は、周波数を高周波に変更する。
【0042】
給電コイル122は、受電コイルと磁気結合する。
【0043】
図5に示すように、筐体101は、載置部111を有する。載置部111は、照明装置200が載置される。載置部111は、筐体101の天板である。また、載置部111は、机の天板の一部を兼ねる。また、机の天板が筐体101の載置部111を形成してもよい。
【0044】
載置部111は、第1部分151と、第2部分152とを含む。第1部分151は、給電部120の近傍に配置される。図4に示すように、第1部分151は、断面視において、第1距離L1となる部分である。第1距離L1は、載置部111の表面から給電部120までの距離を示す。つまり、第1距離L1は、第1部分151の表面から給電部120までの距離を示す。第1部分151の表面は、例えば、第1部分151の頂点部である。
【0045】
第2部分152は、給電部120の近傍に配置される。図4に示すように、第2部分152は、断面視において、第2距離L2となる部分である。第2距離L2は、第2部分152の表面から給電部120までの距離を示す。第1距離L1は、第2距離L2より長い。
【0046】
上記のような点について、本実施形態では、第1部分151が第2部分152よりも長いため、第1部分151は載置部111の表面から突出する。よって、第1部分151上に金属板(金属製品)が載置された場合に、金属板を給電部120から遠ざけることができる。したがって、金属板が第1部分151と重なる場合、給電部120から金属板を離隔させることができる。よって、給電部120で発生した磁束が金属板に影響を与え難い。つまり、金属板に渦電流が発生することを抑制できる。この結果、渦電流により、金属板が過剰に加熱されることを抑制できる。
【0047】
例えば、給電装置の給電部が机の天板に埋め込まれている場合、給電装置の給電部の位置を目視によって認識することが困難である。このため、金属板を誤って給電部の上に載置することがある。給電装置上に金属板が載置された場合に、給電部で発生した磁束が金属板に影響を与え、金属板が加熱される可能性がある。
【0048】
しかし、図1及び図2に示すように、本実施形態では、給電装置100が机の天板に埋め込まれていても、第1部分151が載置部111の表面から突出するため、給電装置100の給電部120の位置を目視によって認識することが容易である。よって、給電部120の上に金属板を載置することを抑制できる。
【0049】
なお、金属板とは、金属製の製品を含む広い概念であり、例えば、食缶・鍋・金属プレス製品・作業工具・バネ・ねじ等などの機械部品や比較的小型の最終製品等を含む概念である。また、給電装置100の給電部120上に金属板が載置された場合とは、金属製品の金属部分が給電装置100の給電部120上に載置された状態を示す概念である。
【0050】
また、第1距離L1は、断面視において、第1部分151の頂点部から給電部120の給電コイル122の電線までの距離であってもよい。また、第2距離L2は、断面視において、第2部分152から給電部120の給電コイル122の電線までの距離であってもよい。
【0051】
第1部分151は、給電部120と第1方向D1に重なる。第1方向D1は、給電部120から載置部111に向かう方向を示す。したがって、給電部120の上方には第1部分151が配置される。つまり、金属板は、第1部分151を介して載置部111に載置される。よって、金属板と給電部120とが離隔する。この結果、給電部120で発生した磁束が金属板に与える影響を低減させることができる。
【0052】
また、第1部分151は、第1方向D1に給電部120の給電コイル122と重なってもよい。例えば、給電コイル122が円盤形状である場合、第1部分151は、第1方向D1に給電コイル122と重なる。具体的には、第1部分151は、円盤形状の給電コイル122の中心部分と第1方向D1に重なる。なお、本実施形態では、給電コイル122は、環形状を有してもよい。
【0053】
第1部分151は、突出部115を有する。突出部115は、第1方向D1に載置部111から突出する。突出部115は、載置部111から着脱可能である。したがって、突出部115を取り外すことで載置部111を平坦にできる。この結果、載置部111に付着した埃等を清掃することが容易となる。
【0054】
また、突出部115により、突出部115が配置されている部分が照明装置200を載置する部分であることを使用者に知らせることができる。また、突出部115が目印になるため、給電可能な位置に照明装置200を載置するように、使用者を促すことができる。また、突出部115を着脱できるため、給電装置100を収容箱などに収容する際に、コンパクトに給電装置100を収容できる。また、突出部115は、給電コイル122の中心に配置されることが好ましい。
【0055】
突出部115は、載置部111と同じ材料で形成されていてもよいし、載置部111と異なる材料で形成されていてもよい。つまり、突出部115は、載置部111と一体で形成されていてもよい。突出部115と載置部111とが一体で形成される場合、照明システム1を製造する際の部品点数が削減される。また、載置部111と異なる材料で突出部115が形成される場合は、突出部115はシリコーン樹脂で形成される。また、突出部115は、突起形状を有する。突起形状は、例えば、柱形状、円錐形状、柱形状、角錐形状、及び、星型形状であってもよい。なお、載置部111と異なる材料で突出部115が形成される場合は、突出部115は、接着剤などで載置部111に取り付けられる。
【0056】
第2部分152は、第1方向D1に給電部120と重なる。具体的には、第2部分152は、第1方向D1に給電部120の給電コイル122と重なる位置に配置される。
【0057】
次に図1図3を参照して、照明装置200の筐体202を詳しく説明する。筐体202は、受電部250を収容することが可能であればどのような形状であってもよい。筐体202の形状の一例としては、筐体202は、有底筒形状を有する。具体的には、筐体202は有底円筒形状を有する。なお、筐体202は、有底四角筒形状であってもよい。なお、上記のように、筐体202の形状の一例を示したが、筐体202は、四角形に限らず、多角形状であってもよいし、楕円形状や、手作業により変形可能な不定形状(特に形状が定まっていない形状)であってもよい。更に具体的には、筐体202は、固定部204と、側壁部205と、底部206とを含む。
【0058】
図3に示すように、固定部204は、光源基板223を固定する。また、固定部204は、拡散部材225を固定する。更に、固定部204はセード201を固定する。固定部204は、薄板形状を有する。
【0059】
側壁部205は、固定部204と、底部206との間に位置する。側壁部205は、固定部204の外縁から底部206の外縁までを接続する。
【0060】
底部206は、固定部204と対向する。底部206は薄板形状を有する。底部206は、載置部111と接触する。底部206は、第1方向D1に窪む窪み部260を有する。照明装置200が載置部111に載置される場合、窪み部260には、第1部分151が挿通される。
【0061】
したがって、載置部111に載置された照明装置200が給電可能な位置からズレることを抑制できる。この結果、照明装置200への給電が途切れることを抑制できる。また、底部206の窪み部260に突出部115が進入するため、載置部111に突出部115があっても、照明装置200を載置部111に載置できる。
【0062】
また、窪み部260は、受電コイル252の中心に配置される。このため、窪み部260の空間に突出部115が進入することで、給電コイル122の中心と受電コイル252の中心とが合致する。よって、給電の効率を向上できる。
【0063】
なお窪み部260は、突出部115の形状に対応する。つまり、突出部115が円錐形状であれば、窪み部260も円錐形状に窪む。また、突出部115が角錐形状であれば、窪み部260も角錐形状に窪む。突出部115と窪み部260とが角錐形状の場合、照明装置200の給電装置100に対する角度を、所定の角度ごとに回転させることが可能となる。
【0064】
次に、図6を参照して、給電部120に金属板が配置された場合の金属板の温度上昇について説明する。図5は、金属板の温度上昇を示す表Gである。表Gの横軸は、時間を示す。具体的には、表Gの時間は、金属板が給電部120と重なる位置に配置された時から経過した時間を示す。表Gの縦軸は、温度を示す。表Gでは、実験結果P1~実験結果P4が示される。実験結果P1~実験結果P4は、室温が22度の状況で実験された。また、載置部111の厚みは、「5mm」である。つまり、第1部分151の第1距離L1は、載置部111の厚みと突出部115の長さとの合計となる。なお、第2距離L2は、載置部111の厚みと同様である。つまり、第2距離L2は、「5mm」である。
【0065】
表Gの1点鎖線は、実験結果P1を示す。実験結果P1の第1距離L1は、「5mm」である。つまり、給電部120と金属板とが5mmだけ離隔している。実験結果P1において、金属板が給電部120と重なる位置に配置された時から10分経過した金属板の温度は「22度」から「62度」に上昇した。また、金属板が給電部120と重なる位置に配置された時から20分経過した金属板の温度は「66度」に上昇した。更に、金属板が給電部120と重なる位置に配置された時から30分経過した金属板の温度は「67度」に上昇した。なお、30分後から60分後までの金属板の温度は「67度」で維持された。
【0066】
表Gの鎖線は、実験結果P2を示す。実験結果P2の第1距離L1は、「7mm」である。つまり、給電部120から金属板までの距離が「7mm」だけ離隔している。実験結果P2において、金属板が給電部120と重なる位置に配置された時から10分経過した金属板の温度は「22度」から「52度」に上昇した。また、金属板が給電部120と重なる位置に配置された時から20分経過した金属板の温度は「58度」に上昇した。なお、30分後から60分後までの金属板の温度は「60度」で維持された。
【0067】
表Gの2点鎖線は、実験結果P3を示す。実験結果P3の第1距離L1は、「8mm」である。つまり、給電部120から金属板までの距離が「8mm」だけ離隔している。実験結果P3において、金属板が給電部120と重なる位置に配置された時から10分経過した金属板の温度は「22度」から「48度」に上昇した。また、金属板が給電部120と重なる位置に配置された時から20分経過した金属板の温度は「52度」に上昇した。なお、30分後から60分後までの金属板の温度は「52度」で維持された。
【0068】
表Gの実線は、実験結果P4を示す。実験結果P4の第1距離L1は、「10mm」である。つまり、給電部120から金属板までの距離が「10mm」だけ離隔している。実験結果P4において、金属板が給電部120と重なる位置に配置された時から10分経過した金属板の温度は「22度」から「38度」に上昇した。また、金属板が給電部120と重なる位置に配置された時から20分経過した金属板の温度は「42度」に上昇した。なお、30分後から60分後までの金属板の温度は「42度」で維持された。
【0069】
図6に示すように、金属板と給電部120とが離隔すればするほど、金属板の温度の上昇は小さくなった。つまり第1距離L1が大きくなればなるほど、金属板が過剰に加熱されることを抑制できる。つまり、金属板が加熱されても、使用者が素手で触れることが可能な温度となる。
【0070】
以下、本開示の実施形態の変形例について説明する。以下の説明において、本実施形態において説明した部材と実質的に共通の機能を有する部材を共通の符号で参照し、本実施形態における説明を援用するものとする。変形例においては、本実施形態と異なる部分のみを説明し、その他の部分は、本実施形態の説明を援用するものとする。
【0071】
[変形例1]
図7は、本実施形態の変形例1に係る照明システム1を示す図である。図8は、本実施形態の変形例1に係る給電装置100を示す図である。図9は、図8に示す給電装置100のIX-IX断面を示す図である。変形例1は、複数の第1部分151を有する点で、本実施形態と異なる。
【0072】
図7に示すように、本実施形態の変形例1の第1部分151は、複数の第1部分151を有する。複数の第1部分151は、第1部分151Aと、第1部分151Bとを含む。第1部分151Aは、給電部120と第1方向D1に重なる。第1部分151Aは、第1部分151Bの内側に位置する。第1部分151Aは、突出部115Aを有する。
【0073】
第1部分151Bは、給電部120の外縁の近傍に位置する。金属板が第1部分151Bと重なる場合、給電部120から金属板を離隔させることができる。この結果、金属板に与える磁束の影響を低減させることができる。つまり、金属板が加熱されることを更に抑制できる。
【0074】
給電部120の外縁の近傍は、給電コイル122の中心と異なる位置を示す。具体的には、給電部120の外縁の近傍は、給電部120の外縁と重なる位置、給電部120の外縁の外側、及び、給電部120の外縁の内側を示す。
【0075】
具体的には、第1部分151Bは、第1方向D1に載置部111から突出する突出部115Bを有する。図8に示すように、突出部115Bは、環形状を有する。したがって、給電部120を囲むように、突出部115Bが配置される。この結果、環状に配置された突出部115Bの内側に金属板が進入することを抑制できる。また、突出部115Bと重なる位置に金属板が配置されたとしても、突出部115Bに金属板が載置されていれば給電部120から金属板を離隔できる。この結果、金属板に与える磁束の影響を更に低減できる。
【0076】
なお、環形状は、一部が欠けた環形状であってもよい。また、突出部115Bは、突出部115Aと同様の形状であってもよい。例えば、突出部115Aが円柱形状の場合、突出部115Bは円柱形状であってもよい。
【0077】
また、変形例1では、載置部111に突出部115Aと突出部115Bとが配置される。したがって、金属板は、突出部115Aと突出部115Bとに支持される。つまり、金属板が傾斜した状態で支持されにくい。
【0078】
金属板が傾斜する場合、例えば、突出部115Aに支持されている部分と、突出部115Aとに支持されていない部分とで、給電部120から金属板までの距離が異なる。つまり、給電部120までの距離が近ければ近いほど、磁束の影響を受け、金属板が加熱されやすい。しかし、突出部115Aと突出部115Bとによって、金属板が支持されることで、金属板は傾斜せず、給電部120と離隔した状態となる。よって、金属板に与える磁束の影響を更に低減できる。
【0079】
また、図9に示すように、第1部分151Aと第1部分151Bとは、第1距離L1となる部分である。
【0080】
また、図7に示すように、変形例1の照明装置200の筐体202の底部206は、複数の窪み部260を有する。複数の窪み部260は、窪み部260Aと、窪み部260Bとを含む。
【0081】
窪み部260Aには、第1部分151Aが挿通される。窪み部260Bには、第1部分151Bが挿通される。窪み部260Bは、底部206から側壁部205に亘って形成される。
【0082】
[変形例2]
図10は、本実施形態の変形例2に係る照明システム1を示す図である。図11は、本実施形態の変形例1に係る給電装置100を示す別の図である。変形例2は、給電装置100が机に載置される点で、本実施形態と異なる。
【0083】
図10図11とに示すように、本実施形態の給電装置100は、机の天板に載置される。つまり、給電装置100と机とは、別体となる。よって、給電装置100を使用者の任意の位置に移動させることが可能となる。この結果、照明装置200の使用者の任意の位置へ移動させることが可能となる。
【0084】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の速度、材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、金属板が過剰に加熱されることを抑制できる給電装置を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0086】
100 :給電装置
101 :筐体
111 :載置部
115 :突出部
115A :突出部
115B :突出部
120 :給電部
151 :第1部分
151A :第1部分
151B :第1部分
152 :第2部分
200 :照明装置
202 :筐体
206 :底部
221 :光源部
222 :光源
250 :受電部
260 :窪み部
260A :窪み部
260B :窪み部
D1 :第1方向
L1 :第1距離
L2 :第2距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11