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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025292
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】多関節ロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 9/06 20060101AFI20250214BHJP
【FI】
B25J9/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129936
(22)【出願日】2023-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】立田 典久
(72)【発明者】
【氏名】山本 雅人
(72)【発明者】
【氏名】川田 拓哉
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707BS13
3C707CT05
3C707CV08
3C707CW08
3C707CX01
3C707CX03
3C707HS27
3C707HT25
(57)【要約】
【課題】多関節ロボットの関節の支持強度を高める。
【解決手段】多関節ロボット1は、第1軸(軸Ax1)が伸びる方向に並ぶ第1支持部(支持部23)と第1動作部(第1端311)とを有する第1関節(関節JT1)と、第1本体(本体411)と、第1シャフト(シャフト421)と、を有しかつ、第1本体が、第1動作部を基準にして第1支持部とは逆側に位置する第1アクチュエータ(アクチュエータ41)と、第1関節に直列でかつ第1関節に支持された第2関節(関節JT2)であって、第2支持部(第2端312)と第2動作部(第1端321)とを有する第2関節と、第2本体(本体421)と、第2シャフト(シャフト422)と、を有しかつ、第1軸又は第2軸(軸Ax2)が伸びる方向について、第2シャフトの突出する向きが第1シャフトの突出する向きとは逆である第2アクチュエータ(アクチュエータ42)と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平な第1軸が伸びる方向に並ぶ第1支持部と第1動作部とを有しかつ、前記第1動作部が、前記第1軸を中心に、前記第1支持部に対し相対回転する第1関節と、
第1本体と、前記第1本体から突出すると共に前記第1関節に接続された第1シャフトと、を有しかつ、前記第1シャフトを通じて前記第1関節を動かす第1アクチュエータであって、前記第1本体が、前記第1動作部を基準にして前記第1支持部とは逆側に位置する第1アクチュエータと、
前記第1関節に直列でかつ前記第1関節に支持された第2関節であって、第2支持部と前記第2支持部に支持された第2動作部とを有しかつ、前記第1軸に平行な第2軸を中心に、前記第2動作部が前記第2支持部に対し相対回転する第2関節と、
第2本体と、前記第2本体から突出すると共に前記第2関節に接続された第2シャフトと、を有しかつ、前記第2シャフトを通じて前記第2関節を動かす第2アクチュエータであって、前記第1軸又は前記第2軸が伸びる方向について、前記第2シャフトの突出する向きが前記第1シャフトの突出する向きとは逆である第2アクチュエータと、
を備える、多関節ロボット。
【請求項2】
請求項1に記載の多関節ロボットにおいて、
前記第1本体は、前記第1軸又は前記第2軸が伸びる方向について、前記第1関節を基準にした第1側に位置し、
前記第2本体は、前記第1軸又は前記第2軸が伸びる方向について、前記第2関節を基準にした、前記第1側とは逆の第2側に位置する、多関節ロボット。
【請求項3】
請求項2に記載の多関節ロボットにおいて、
前記第1動作部は、前記第1本体を支持する、多関節ロボット。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の多関節ロボットにおいて、
前記第2支持部は、前記第2本体を支持する、多関節ロボット。
【請求項5】
請求項1に記載の多関節ロボットにおいて、
前記第1関節及び前記第2関節に直列でかつ、前記第1関節に支持された第3関節であって、第3支持部と前記第3支持部に支持された第3動作部とを有しかつ、前記第1軸に平行な第3軸を中心に、前記第3動作部が前記第3支持部に対し相対回転する第3関節と、
第3本体と、前記第3本体から突出すると共に前記第3関節に接続された第3シャフトと、を有しかつ、前記第3シャフトを通じて前記第3関節を動かす第3アクチュエータと、をさらに備える、多関節ロボット。
【請求項6】
請求項5に記載の多関節ロボットにおいて、
前記第3シャフトの突出する向きは、前記第1軸、前記第2軸、又は、前記第3軸が伸びる方向について、前記第1シャフトの突出する向きとは逆でかつ、前記第2シャフトの突出する向きと同じである、多関節ロボット。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の多関節ロボットにおいて、
前記第1軸に直交する第4軸を中心に旋回する第4関節であるベースと、
前記第1関節を介して、前記ベースに連結された第1リンクと、
前記第2関節を介して、前記第1リンクに連結された第2リンクと、
前記第3関節を介して、前記第2リンクに連結された第3リンクと、
前記第3リンクを前記第1軸に直交する第5軸を中心に回転させる第5関節と、
前記第3リンクに連結された第4リンクと、
前記第3リンクと前記第4リンクとの間に介在しかつ、前記第1軸に平行な第6軸を中心に、前記第4リンクを前記第3リンクに対し相対回転させる第6関節と、
前記第4リンクを前記第1軸に直交する第7軸を中心に回転させる第7関節と、をさらに備える、多関節ロボット。
【請求項8】
請求項7に記載の多関節ロボットにおいて、
物品を保持するハンドであって、前記第4リンクに支持されたハンドをさらに備える、多関節ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示する技術は、多関節ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来の多関節ロボットが記載されている。従来の多関節ロボットは、7関節ロボットである。従来の多関節ロボットは、直列に接続された第一腕部、第二腕部及び第三腕部を備えている。第一腕部のアクチュエータは、水平な軸線まわりに第一腕部を揺動し、第二腕部のアクチュエータは、水平な軸線まわりに第二腕部を揺動し、第三腕部のアクチュエータは、水平な軸線まわりに第三腕部を揺動する。三つのアクチュエータは、第一腕部及び第二腕部を基準にして、水平な軸線に沿う方向における同じ側に位置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5975129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の関節が直列につながった多関節ロボットでは、特定の関節が他の一つ又は複数の関節を支持するため、前記特定の関節の支持強度が高くされる。例えば一般的な6軸の多関節ロボットは、旋回部に接続された第一腕部と、第一腕部に接続された第二腕部とを備えている。旋回部と第一腕部とを接続する特定の関節は、第一腕部と第二腕部とを接続する第2の関節を支持するため、支持強度が高くされる。
【0005】
前記従来の多関節ロボットにおいて旋回部と第一腕部とを接続する関節には、一般的な6軸の多関節ロボットの関節よりも高い支持強度が要求される。なぜなら、従来の多関節ロボットの、腕部及びアクチュエータの数は、一般的な6軸の多関節ロボットよりも多いからである。
【0006】
従来の多関節ロボットの前記関節は、旋回部の接続部と、接続部に支持された第一腕部の基端部とを有している。アクチュエータは、接続部に固定されている。接続部にはアクチュエータが固定されているため、関節の支持強度を高めるために接続部を大きくすることは難しい。残念ながら、前記従来の多関節ロボットでは、関節の支持強度を高めることができない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここに開示する技術は、多関節ロボットに関する。多関節ロボットは、
水平な第1軸が伸びる方向に並ぶ第1支持部と第1動作部とを有しかつ、前記第1動作部が、前記第1軸を中心に、前記第1支持部に対し相対回転する第1関節と、
第1本体と、前記第1本体から突出すると共に前記第1関節に接続された第1シャフトと、を有しかつ、前記第1シャフトを通じて前記第1関節を動かす第1アクチュエータであって、前記第1本体が、前記第1動作部を基準にして前記第1支持部とは逆側に位置する第1アクチュエータと、
前記第1関節に直列でかつ前記第1関節に支持された第2関節であって、第2支持部と前記第2支持部に支持された第2動作部とを有しかつ、前記第1軸に平行な第2軸を中心に、前記第2動作部が前記第2支持部に対し相対回転する第2関節と、
第2本体と、前記第2本体から突出すると共に前記第2関節に接続された第2シャフトと、を有しかつ、前記第2シャフトを通じて前記第2関節を動かす第2アクチュエータであって、前記第1軸又は前記第2軸が伸びる方向について、前記第2シャフトの突出する向きが前記第1シャフトの突出する向きとは逆である第2アクチュエータと、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
前記多関節ロボットの第1関節は、第1アクチュエータを直接支持しないため、高い支持強度を持つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、多関節ロボットの背面図である。
図2図2は、多関節ロボットの側面図である。
図3図3は、第1乃至第3関節と第1乃至第3アクチュエータとを拡大して示す、多関節ロボットを背後から観た部分断面図である。
図4図4は、変形例に係る多関節ロボットを背後から観た部分断面図である。
図5図5は、変形例に係る多関節ロボットを背後から観た部分断面図である。
図6図6は、変形例に係る多関節ロボットを背後から観た部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、多関節ロボットの実施形態について、図面を参照しながら説明する。ここで説明する多関節ロボットは例示である。
【0011】
(多関節ロボットの全体構造)
図1は、多関節ロボット1を示している。図1は、多関節ロボット1の背面図である。図2は、多関節ロボット1の側面図である。多関節ロボット1は、垂直多関節ロボットである。多関節ロボット1は、関節JT1-JT7を備えた7軸のロボットである。
【0012】
多関節ロボット1は、例えば物流分野において用いられる。具体的に、多関節ロボット1は、トラックの荷台又はコンテナへ物品を積んだり、トラックの荷台又はコンテナから物品を降ろしたりする。図1又は図2において、多関節ロボット1は、床100に設置されている。床100は、例えばトラックの荷台の床である。多関節ロボット1は、台車に載せられて、台車によって移動される場合もある。尚、多関節ロボット1の用途は、物流用途に限定されない。多関節ロボット1は、様々な分野において利用できる。
【0013】
多関節ロボット1は、ベース21を備えている。尚、ベース21は、多関節ロボット1の必須の要素ではない。ベース21は、ベース本体22を有している。ベース本体22は、平らな上面を有している。ベース21は、支持部23を有している。支持部23は、ベース本体22の上面に固定されている。
【0014】
多関節ロボット1は、第1リンク31を備えている。関節JT1は、第1リンク31とベース21とを連結している。第1リンク31は、第1端311と第2端312とを有するアームである。第1リンク31の第1端311が、ベース21の支持部23に連結されている。関節JT1は、第1端311と支持部23とを有している。第1リンク31は、軸Ax1を中心に、ベース21に対し相対回転する。軸Ax1は、水平な軸であって、床100に平行な軸である。
【0015】
多関節ロボット1は、第2リンク32を備えている。関節JT2は、第2リンク32と第1リンク31とを連結している。第2リンク32は、第1端321と第2端322とを有するアームである。第2リンク32の第1端321が、第1リンク31の第2端312に連結されている。関節JT2は、第2リンク32の第1端321と第1リンク31の第2端312とを有している。第2リンク32は、軸Ax2を中心に、第1リンク31に対し相対回転する。第2軸Ax2は、第1軸Ax1に平行な軸である。
【0016】
多関節ロボット1は、第3リンク33を備えている。尚、第3リンク33は、多関節ロボット1の必須の要素ではない。関節JT3は、第3リンク33と第2リンク32とを連結している。第3リンク33は、第1端331と第2端332とを有している。第3リンク33の第1端331が、第2リンク32の第2端322に連結されている。関節JT3は、第3リンク33の第1端331と第2リンク32の第2端322とを有している。第3リンク33は、軸Ax3を中心に、第2リンク32に対し相対回転する。軸Ax3は、軸Ax1及び軸Ax2に平行な軸である。
【0017】
ベース21は、軸Ax4を中心に旋回する。軸Ax4は、床100に垂直な軸であって、軸Ax1に直交する軸である。ベース21は、関節JT4である。関節JT4は、ベース21を、軸Ax4を中心に旋回させる。ベース21の旋回に伴い、第1リンク31、第2リンク32、及び、第3リンク33は、軸Ax4を中心に旋回する。
【0018】
関節JT5は、第3リンク33を、軸Ax5を中心に回転させる。軸Ax5は、軸Ax1に直交する軸である。
【0019】
多関節ロボット1は、第4リンク34を備えている。尚、第4リンク34は、多関節ロボット1の必須の要素ではない。関節JT6は、第4リンク34と第3リンク33とを連結している。関節JT6は、第4リンク34を、軸Ax6を中心に、第3リンク33に対し相対回転させる。軸Ax6は、軸Ax1に平行な軸である。
【0020】
関節JT7は、第4リンク34を、軸Ax7を中心に回転させる。軸Ax7は、軸Ax1に直交する軸である。
【0021】
多関節ロボット1は、エンドエフェクタとしてのハンド11を備えている。ハンド11は、物品を保持する。尚、物品を保持するハンド11は、多関節ロボット1の必須の要素ではない。多関節ロボット1のエンドエフェクタは、多関節ロボット1の用途に応じて選択される。
【0022】
多関節ロボット1は、関節JT8を備えている。多関節ロボット1は、8軸のロボットと呼ぶことができる。多関節ロボット1は、第2ベース35を備えている。第2ベース35は、床100とベース21との間に介在している。ベース21と第2ベース35とは、水平方向に位置がずれている。尚、第2ベース35と区別するために、以下において、ベース21を第1ベース21と呼ぶ場合がある。
【0023】
関節JT8は、第2ベース35を、軸Ax8を中心に旋回させる。軸Ax8は、軸Ax4に平行な軸であって、軸Ax1に直交する軸である。
【0024】
多関節ロボット1は、水平リンク36を備えている。水平リンク36は、水平方向に伸びている。水平リンク36の第1端は、第2ベース35に固定されている。第2ベース35が旋回すると、水平リンク36は、軸Ax8を中心に回転する。水平リンク36の第2端には、第1ベース21が固定されている。水平リンク36及び第2ベース35は、7軸の多関節ロボット1を支持している。水平リンク36が回転すると、7軸の多関節ロボット1の位置が変わる。
【0025】
尚、第2ベース35及び水平リンク36は、多関節ロボット1の必須の要素ではない。
【0026】
多関節ロボット1は、アクチュエータを備えている。アクチュエータは、関節を動かす動力源である。アクチュエータは、例えば電気モータである。電気モータは、例えばサーボモータである。電気モータは、ステップモータであってもよい。
【0027】
図1又は図2は、多関節ロボット1が備えているアクチュエータのうちの、アクチュエータ41、アクチュエータ42、アクチュエータ43、アクチュエータ44、アクチュエータ45、及び、アクチュエータ46を示している。
【0028】
アクチュエータ41は、関節JT1に接続されている。アクチュエータ41は、関節JT1を動かす。アクチュエータ42は、関節JT2に接続されている。アクチュエータ42は、関節JT2を動かす。アクチュエータ43は、関節JT3に接続されている。アクチュエータ43は、関節JT3を動かす。尚、アクチュエータ43は、多関節ロボット1の必須の要素ではない。
【0029】
アクチュエータ44は、関節JT4に接続されている。アクチュエータ44は、関節JT4を動かす。アクチュエータ45は、関節JT5に接続されている。アクチュエータ45は、関節JT5を動かす。アクチュエータ46は、関節JT8に接続されている。アクチュエータ46は、関節JT8を動かす。尚、アクチュエータ44、アクチュエータ45、及び、アクチュエータ46は、多関節ロボット1の必須の要素ではない。
【0030】
アクチュエータは、コントローラに電気的に接続されかつ、コントローラからの制御信号を受ける。コントローラは、プロセッサ、メモリ、及び、インタフェースを少なくとも備えたコンピュータである。アクチュエータは、制御信号に従って動作する。アクチュエータの動作によって、多関節ロボット1は作業を行う。
【0031】
(アクチュエータの配置)
図3を参照しながら、アクチュエータ41、アクチュエータ42、及び、アクチュエータ43の配置を説明する。図3は、多関節ロボット1を背後から観た場合の部分断面図である。多関節ロボット1の関節JT1、関節JT2、及び、関節JT3は、直列につながっている。関節JT1は、関節JT2及び関節JT3を支持している。関節JT2は、関節JT3を支持している。
【0032】
関節JT1は、前述したように、第1リンク31の第1端311と第1ベース21の支持部23とを有している。第1端311と支持部23とは、軸Ax1が伸びる方向に並んでいる。支持部23は、第1リンク31が軸Ax1を中心に回転するよう、第1端311を支持している。
【0033】
アクチュエータ41は、本体411とシャフト412とを有している。シャフト412は、本体411から、軸Ax1が伸びる方向に突出している。シャフト412は、電気モータのロータであって、アクチュエータ41の出力シャフトである。尚、以下で説明するアクチュエータ42及びアクチュエータ43の構造は、アクチュエータ41と同じである。
【0034】
シャフト412は、関節JT1に接続されている。より詳細に、図3の例において、シャフト412は、軸Ax1と同軸であり、減速機413を介して、関節JT1に接続されている。減速機413は、アクチュエータ41の出力を減速した上で、関節JT1に出力する。減速機413は、例えば遊星歯車機構である。但し、減速機413は、遊星歯車機構に限定されない。尚、以下で説明する減速機423及び減速機433も、減速機413と同じである。
【0035】
第1リンク31は、本体411を支持している。より詳細に、本体411は、軸Ax1が伸びる方向について、第1端311を基準にして支持部23とは逆側に位置している。本体411は、第1端311から、軸Ax1が伸びる方向に突出している。本体411は、第1端311に固定されている。第1リンク31が回転すると、本体411は第1リンク31と共に、軸Ax1を中心に回転する。
【0036】
関節JT2は、前述したように、第2リンク32の第1端321と第1リンク31の第2端312とを有している。第1端321と第2端312とは、軸Ax2が伸びる方向に並んでいる。第2端312は、第2リンク32が軸Ax2を中心に回転するよう、第1端321を支持している。
【0037】
アクチュエータ42は、本体421とシャフト422とを有している。シャフト422は、本体421から、軸Ax2が伸びる方向に突出している。
【0038】
シャフト422は、軸Ax2と同軸であり、減速機423を介して、関節JT2に接続されている。ここで、軸Ax1又は軸Ax2が伸びる方向について、シャフト422の突出する向きは、シャフト412の突出する向きとは逆である。つまり、シャフト412は、図3における紙面右から左へ突出し、シャフト422は、図3における紙面左から右へ突出している。
【0039】
第1リンク31は、本体421を支持している。より詳細に、本体421は、軸Ax2が伸びる方向について、第2端312を基準にして第1端321とは逆側に位置している。換言すれば、第1リンク31を基準にして、アクチュエータ41とアクチュエータ42とは、互いに逆側に位置している。図3において、アクチュエータ41は、第1リンク31の右側に位置し、アクチュエータ42は、第1リンク31の左側に位置している。本体421は、第2端312から、軸Ax2が伸びる方向に突出している。本体421は、第2端312に固定されている。
【0040】
関節JT3は、前述したように、第3リンク33の第1端331と第2リンク32の第2端322とを有している。第1端331と第2端322とは、軸Ax3が伸びる方向に並んでいる。第2端322は、第3リンク33が軸Ax3を中心に回転するよう、第1端331を支持している。
【0041】
アクチュエータ43は、本体431とシャフト432とを有している。シャフト432は、本体431から、軸Ax3が伸びる方向に突出している。
【0042】
シャフト432は、軸Ax3と同軸であり、減速機433を介して、関節JT3に接続されている。ここで、軸Ax1、軸Ax2又は軸Ax3が伸びる方向について、シャフト432の突出する向きは、シャフト412の突出する向きとは逆でかつ、シャフト422の突出する向きと同じである。
【0043】
第3リンク33は、本体431を支持している。より詳細に、本体431は、軸Ax3が伸びる方向について、第1端331を基準にして第2端322とは逆側に位置している。第2リンク32を基準にして、アクチュエータ42とアクチュエータ43とは、同じ側に位置している。第1リンク31及び第2リンク32を基準にして、アクチュエータ41とアクチュエータ43とは、互いに逆側に位置している。本体431は、第1端331から、軸Ax3が伸びる方向に突出している。
【0044】
(作用効果)
多関節ロボット1は、7軸の垂直多関節ロボットである。7軸の多関節ロボット1は、姿勢の自由度が高いため、トラックの荷台といった狭い空間において、物品を、効率的に搬送できる。多関節ロボット1は、第2ベース35を備えた8軸の多関節ロボットでもある。8軸の多関節ロボット1は、姿勢の自由度がさらに高いため、狭い空間において、物品を、より一層効率的に搬送できる。
【0045】
多関節ロボット1の関節JT1には、高い支持強度が求められる。関節JT1は、関節JT1に直列につながる関節JT2、関節JT3、アクチュエータ42及びアクチュエータ43を少なくとも支持しているためである。また、多関節ロボット1は7軸の垂直多関節ロボットであるため、一般的な6軸の垂直多関節ロボットよりも関節の数及びアクチュエータの数が多い。関節JT1には、より高い支持強度が求められる。
【0046】
尚、関節JT1が関節JT2及び関節JT3を支持していることは、関節JT1が関節JT2及び関節JT3よりも第1ベース21に近いと言い換えてもよい。関節JT2及び関節JT3は、関節JT1よりも上方に位置していると言い換えてもよい。
【0047】
アクチュエータ41は、第1リンク31の第1端311を基準にして第1ベース21の支持部23とは逆側に位置している。第1端311は、アクチュエータ41を支持している。支持部23は、アクチュエータ41を直接支持しない。図3に示すように、支持部23がアクチュエータ41を直接支持しないから、アクチュエータ41の影響を受けずに支持部23の厚みt1を分厚くすることができる。厚みt1は、より詳細には、軸Ax1が伸びる方向の厚みt1である。支持部23の厚みt1が分厚いから、関節JT1は、必要な強度を持つことができる。
【0048】
複数の関節が直列につながる多関節ロボットにおいて、複数のアクチュエータは、リンクを基準にして同じ側に位置することが、従来の設計思想において一般的である。多関節ロボット1のアクチュエータ41は、第1リンク31を基準にして支持部23とは逆側に位置している。従来の設計思想に従えば、図3に仮想線によって示すように、アクチュエータ420及びアクチュエータ430は、第1リンク31及び第2リンク32を基準にしてアクチュエータ41と同じ側に位置することになる。ところが、アクチュエータ41と同じ側に位置するアクチュエータ420及びアクチュエータ430は、旋回半径r1を増大させる。尚、ここでいう旋回半径は、多関節ロボット1の旋回軸である軸Ax4からアクチュエータの端までの、軸Ax4に直交する方向の距離とする。旋回半径r1の増大は、多関節ロボット1の軸Ax4回りのモーメントを大きくする。また、旋回半径r1の増大は、多関節ロボットのサイズを大きくするから、狭い空間において作業を行うロボットにとって不利である。
【0049】
これに対し、多関節ロボット1において、アクチュエータ42の向きは、アクチュエータ41に対して逆である。つまり、シャフト422の突出する向きが、シャフト412の突出する向きとは逆である。アクチュエータ42の向きの反転に伴い、アクチュエータ42は、第1リンク31を基準にしてアクチュエータ41とは逆側に位置している。アクチュエータ41の逆側に位置するアクチュエータ42は、旋回半径r2を小さくする。第1ベース21から離れて位置するアクチュエータ42の旋回半径r2が小さいことは、多関節ロボット1の軸Ax4回りのモーメントを小さくする上で有効である。尚、アクチュエータ41の旋回半径は相対的大きい。しかし、アクチュエータ41は、第1ベース21に近いため、旋回半径が大きいことに起因する不都合は、実質的にない。
【0050】
多関節ロボット1は、関節JT1、アクチュエータ41、関節JT2、及び、アクチュエータ42の位置関係により、(a)関節の支持強度の向上、及び、(b)旋回半径の縮小が得られる。図3の多関節ロボット1において、関節JT1は、水平な第1軸が伸びる方向に並ぶ第1支持部と第1動作部とを有する第1関節に相当する。第1軸は軸Ax1であり、第1支持部は支持部23であり、第1動作部は第1端311である。アクチュエータ41は、本体411が、第1動作部を基準にして第1支持部とは逆側に位置する第1アクチュエータに相当する。関節JT2は、第1関節に直列で第1関節に支持される第2関節に相当する。第2関節の第2軸は軸Ax2であり、第2支持部は第2端312であり、第2動作部は第1端321である。アクチュエータ42は、シャフトの突出する向きが、第1シャフトの突出する向きとは逆である第2アクチュエータに相当する。ここにおいて第1シャフトは、アクチュエータ41のシャフト412である。
【0051】
多関節ロボット1において、アクチュエータ43の向きも、アクチュエータ41に対して逆向きである。アクチュエータ43の向きは、アクチュエータ42と同じ向きである。つまり、シャフト432の突出する向きがシャフト412の突出する向きとは逆であって、シャフト422の突出する向きと同じである。アクチュエータ43は、第1リンク31及び第2リンク32を基準にしてアクチュエータ41とは逆側に位置している。アクチュエータ43も、旋回半径r2を小さくする。第1ベース21からさらに離れて位置するアクチュエータ43の旋回半径r2が小さいことは、多関節ロボット1の軸Ax4回りのモーメントを小さくする上で有効である。図3の多関節ロボット1において、関節JT3は、第1関節及び第2関節に直列でかつ、第1関節に支持された第3関節に相当する。第3関節の第3軸は軸Ax3であり、第3支持部は第2端322であり、第3動作部は第1端331である。アクチュエータ43は、シャフトの突出する向きが、第1シャフトの突出する向きとは逆でかつ、第2シャフトの突出する向きと同じである第3アクチュエータに相当する。ここにおいて第1シャフトは、アクチュエータ41のシャフト412であり、第2シャフトは、アクチュエータ42のシャフト422である。
【0052】
アクチュエータ42及びアクチュエータ43の旋回半径r2の縮小は、多関節ロボット1のサイズを小さくする。多関節ロボット1は、狭い空間における使用に有利である。
【0053】
尚、図3の多関節ロボット1において、軸Ax4の位置は、アクチュエータ42及びアクチュエータ43と交差する位置である。軸Ax4の位置は、この位置に限定されない。
【0054】
尚、図3の多関節ロボット1において、アクチュエータ41、アクチュエータ42及びアクチュエータ43のうちの、アクチュエータ41とアクチュエータ43との位置関係についてのみ着目すれば、関節JT1は第1関節に相当し、アクチュエータ41は第1アクチュエータに相当する。関節JT3は、第1関節に直列で第1関節に支持される第2関節に相当し、アクチュエータ43は、シャフトの突出する向きが第1シャフトの突出する向きとは逆である第2アクチュエータに相当する。ここにおいて第1シャフトは、アクチュエータ41のシャフト412である。多関節ロボット1は、関節JT1、アクチュエータ41、関節JT3、及び、アクチュエータ43の位置関係により、(a)関節の支持強度の向上、及び、(b)旋回半径の縮小が得られる。
【0055】
(変形例1)
図4は、アクチュエータ43の位置に関する変形例を示している。アクチュエータ43の向きは、アクチュエータ41と同じ向きである。アクチュエータ43の向きは、アクチュエータ42に対して逆向きである。つまり、シャフト432の突出する向きがシャフト412の突出する向きと同じであって、シャフト422の突出する向きとは逆である。
【0056】
アクチュエータ43は、第1リンク31及び第2リンク32を基準にしてアクチュエータ41と同じ側に位置している。第2リンク32の第2端322は、本体431を支持している。本体431は、第2端322から、軸Ax3が伸びる方向に突出している。アクチュエータ43の旋回半径は相対的に大きい。但し、関節JT3のアクチュエータ43は、アクチュエータ41又はアクチュエータ42と比較して小型又は軽量である。関節JT3は、多関節ロボット1において、関節JT1及び関節JT2よりも先端側の関節であるためである。多関節ロボット1に対する、アクチュエータ43の旋回半径が大きいことの影響は限定的である。
【0057】
変形例1の多関節ロボット1は、関節JT1、アクチュエータ41、関節JT2、及び、アクチュエータ42の位置関係により、前述した(a)関節の支持強度の向上、及び、(b)旋回半径の縮小が得られる。関節JT1は第1関節に相当し、アクチュエータ41は第1アクチュエータに相当する。関節JT2は第2関節に相当し、アクチュエータ42は第2アクチュエータに相当する。
【0058】
(変形例2)
図5は、アクチュエータ42の位置に関する変形例を示している。アクチュエータ42の向きは、アクチュエータ41と同じ向きである。アクチュエータ42の向きは、アクチュエータ43に対して逆向きである。つまり、シャフト422の突出する向きがシャフト412の突出する向きと同じであって、シャフト432の突出する向きとは逆である。
【0059】
アクチュエータ42は、第1リンク31を基準にしてアクチュエータ41と同じ側に位置している。第2リンク32の第1端321は、本体421を支持している。本体421は、第1端321から、軸Ax2が伸びる方向に突出している。
【0060】
第2リンク32の第1端321は、アクチュエータ42を支持している。関節JT2において、第1端321を支持する第1リンク31の第2端312は、アクチュエータ42を直接支持しない。第2端312の厚みt2を分厚くすることができる。関節JT3及びアクチュエータ43を少なくとも支持する関節JT2は、必要な強度を持つことができる。
【0061】
アクチュエータ43は、第1リンク31及び第2リンク32を基準にしてアクチュエータ41及びアクチュエータ42とは逆側に位置している。アクチュエータ43は旋回半径r2を小さくする。多関節ロボット1の軸Ax4回りのモーメントは小さい。
【0062】
変形例2の多関節ロボット1において、アクチュエータ41、アクチュエータ42及びアクチュエータ43のうちの、アクチュエータ42とアクチュエータ43との位置関係についてのみ着目すれば、関節JT2は、水平な第1軸が伸びる方向に並ぶ第1支持部と第1動作部とを有する第1関節に相当する。第1軸は軸Ax2であり、第1支持部は第2端312であり、第1動作部は第1端321である。アクチュエータ42は、本体421が、第1動作部を基準にして第1支持部とは逆側に位置する第1アクチュエータに相当する。関節JT3は、第1関節に直列で第1関節に支持される第2関節に相当し、アクチュエータ43は、シャフトの突出する向きが第1シャフトの突出する向きとは逆である第2アクチュエータに相当する。ここにおいて第1シャフトは、アクチュエータ42のシャフト422である。変形例2の多関節ロボット1は、関節JT2、アクチュエータ42、関節JT3、及び、アクチュエータ43との位置関係により、前述した(a)関節の支持強度の向上、及び、(b)旋回半径の縮小が得られる。
【0063】
尚、変形例2において、アクチュエータ41の向きは、図5に仮想的に示すように反転させてもよい。アクチュエータ41の本体411は、第1ベース21の支持部23に支持されてもよい。
【0064】
また、変形例2の多関節ロボット1において、アクチュエータ41、アクチュエータ42及びアクチュエータ43のうちの、アクチュエータ41とアクチュエータ43との位置関係についてのみ着目すれば、関節JT1は第1関節に相当し、アクチュエータ41は第1アクチュエータに相当する。関節JT3は、第1関節に直列で第1関節に支持される第2関節に相当し、アクチュエータ43は、シャフトの突出する向きが第1シャフトの突出する向きとは逆である第2アクチュエータに相当する。ここにおいて第1シャフトは、アクチュエータ41のシャフト412である。変形例2の多関節ロボット1は、関節JT1、アクチュエータ42、関節JT3、及び、アクチュエータ43との位置関係により、前述した(a)関節の支持強度の向上、及び、(b)旋回半径の縮小が得られる。
【0065】
(変形例3)
図6は、多関節ロボットの関節の数に関する変形例を示している。多関節ロボット10は、6軸の垂直多関節ロボットであってもよい。多関節ロボット10は、図3の多関節ロボット1と比較して、第2リンク32及びアクチュエータ42を省略している。関節JT3は、第1リンク310の第2端312と第3リンク33の第1端331とを連結している。関節JT3は、第2端312と第1端331とを有している。
【0066】
変形例3の多関節ロボット10において、関節JT1は、第1関節に相当し、アクチュエータ41は、本体411が、第1動作部である第1端311を基準にして第1支持部である支持部23とは逆側に位置する第1アクチュエータに相当する。関節JT3は、関節JT1に直列で関節JT1に支持される第2関節に相当し、アクチュエータ43は、シャフトの突出する向きが第1シャフトの突出する向きとは逆である第2アクチュエータに相当する。ここにおいて第1シャフトは、アクチュエータ41のシャフト412である。変形例3の多関節ロボット10は、関節JT1、アクチュエータ41、関節JT3、及び、アクチュエータ43との位置関係により、前述した(a)関節の支持強度の向上、及び、(b)旋回半径r3の縮小が得られる。
【0067】
(まとめ)
(1) ここに開示する多関節ロボット1、10は、
水平な第1軸Ax1、Ax2が伸びる方向に並ぶ第1支持部23、312と第1動作部311、321とを有しかつ、前記第1動作部311、321が、前記第1軸Ax1、Ax2を中心に、前記第1支持部23、312に対し相対回転する第1関節JT1、JT2と、
第1本体411、421と、前記第1本体411、421から突出すると共に前記第1関節JT1、JT2に接続された第1シャフト412、422と、を有しかつ、前記第1シャフト412、422を通じて前記第1関節JT1、JT2を動かす第1アクチュエータ41、42であって、前記第1本体411、421が、前記第1動作部311、321を基準にして前記第1支持部23、312とは逆側に位置する第1アクチュエータ41、42と、
前記第1関節JT1、JT2に直列でかつ前記第1関節JT1、JT2に支持された第2関節JT2、JT3であって、第2支持部312、322と前記第2支持部312、322に支持された第2動作部321、331とを有しかつ、前記第1軸Ax1、Ax2に平行な第2軸Ax2、Ax3を中心に、前記第2動作部321、331が前記第2支持部312、322に対し相対回転する第2関節JT2、JT3と、
第2本体421、431と、前記第2本体421、431から突出すると共に前記第2関節JT2、JT3に接続された第2シャフト422、432と、を有しかつ、前記第2シャフト422、432を通じて前記第2関節JT2、JT3を動かす第2アクチュエータ42、43であって、前記第1軸Ax1、Ax2又は前記第2軸Ax2、Ax3が伸びる方向について、前記第2シャフト422、432の突出する向きが前記第1シャフト412、422の突出する向きとは逆である第2アクチュエータ42、43と、
を備える。
【0068】
第1支持部23、312が、第1アクチュエータ41、42を直接支持しないため、第1支持部23、312の厚みt1、t2を分厚くすることができる。第1関節JT1、JT2は、高い支持強度を持つことができる。
【0069】
直列につながった第1関節JT1、JT2と第2関節JT2、JT3とにおいて、第2アクチュエータ42、43の向きが、第1アクチュエータ41、42に対して逆向きであるため、旋回半径r2、r3が小さい。小さい旋回半径r2、r3は、多関節ロボット1、10において生じるモーメントを小さくする。また、小さい旋回半径r2、r3は、多関節ロボット1、10のサイズを小さくする。
【0070】
(2) 前記(1)に記載の多関節ロボット1、10において、
前記第1本体411、421は、前記第1軸Ax1、Ax2又は前記第2軸Ax2、Ax3が伸びる方向について、前記第1関節JT1、JT2を基準にした第1側に位置し、
前記第2本体421、431は、前記第1軸Ax1、Ax2又は前記第2軸Ax2、Ax3が伸びる方向について、前記第2関節JT2、JT3を基準にした、前記第1側とは逆の第2側に位置する、としてもよい。
【0071】
第1アクチュエータ41、42と、第2アクチュエータ42、43とは、第1関節JT1、JT2又は第2関節JT2、JT3を基準にして、互いに逆側に位置するから、多関節ロボット1、10の旋回半径r2、r3を小さくできる。
【0072】
(3) 前記(2)に記載の多関節ロボット1、10において、
前記第1動作部311、321は、前記第1本体411、421を支持する、としてもよい。
【0073】
第1支持部23、312が第1本体411、421を直接支持しないことは、第1支持部23、312の支持強度の向上を可能にする。
【0074】
(4) 前記(2)又は(3)に記載の多関節ロボット1、10において、
前記第2支持部312は、前記第2本体421を支持する、としてもよい。
【0075】
第2支持部312が第2本体421を支持することは、多関節ロボット1、10の旋回半径r2の縮小に有利である。
【0076】
(5) 前記(1)乃至(4)のいずれか一に記載の多関節ロボット1、10は、
前記第1関節JT1及び前記第2関節JT2に直列でかつ、前記第1関節JT1に支持された第3関節JT3であって、第3支持部322と前記第3支持部322に支持された第3動作部331とを有しかつ、前記第1軸Ax1、Ax2に平行な第3軸Ax3を中心に、前記第3動作部331が前記第3支持部322に対し相対回転する第3関節JT3と、
第3本体431と、前記第3本体431から突出すると共に前記第3関節JT3に接続された第3シャフト432と、を有しかつ、前記第3シャフト432を通じて前記第3関節JT3を動かす第3アクチュエータ43と、をさらに備える、としてもよい。
【0077】
関節の数の増加は、多関節ロボット1、10の姿勢の自由度を高める。多関節ロボット1、10は、狭い空間における作業に有利である。
【0078】
(6) 前記(5)に記載の多関節ロボット1、10において、
前記第3シャフト432の突出する向きは、前記第1軸Ax1、前記第2軸Ax2、又は、前記第3軸Ax3が伸びる方向について、前記第1シャフト412の突出する向きとは逆でかつ、前記第2シャフト422の突出する向きと同じである、としてもよい。
【0079】
第2アクチュエータ42及び第3アクチュエータ43の両方が、第1アクチュエータ41とは逆向きであることにより、多関節ロボット1、10の旋回半径r2を小さくできる。
【0080】
(7) 前記(5)又は(6)に記載の多関節ロボット1は、
前記第1軸Ax1に直交する第4軸Ax4を中心に旋回する第4関節JT4であるベース21と、
前記第1関節JT1を介して、前記ベース21に連結された第1リンク31と、
前記第2関節JT2を介して、前記第1リンク31に連結された第2リンク32と、
前記第3関節JT3を介して、前記第2リンク32に連結された第3リンク33と、
前記第3リンク33を前記第1軸Ax1に直交する第5軸Ax5を中心に回転させる第5関節JT5と、
前記第3リンク33に連結された第4リンク34と、
前記第3リンク33と前記第4リンク34との間に介在しかつ、前記第1軸Ax1に平行な第6軸Ax6を中心に、前記第4リンク34を前記第3リンク33に対し相対回転させる第6関節JT6と、
前記第4リンク34を前記第1軸Ax1に直交する第7軸Ax7を中心に回転させる第7関節JT7と、をさらに備える、としてもよい。
【0081】
多関節ロボット1は、7軸の垂直多関節ロボットであってもよい。7軸の垂直多関節ロボットは、狭い空間における作業を効率的に行うことができる。
【0082】
(8) 前記(7)に記載の多関節ロボット1は、
物品を保持するハンド11であって、前記第4リンク34に支持されたハンド11をさらに備える、としてもよい。
【0083】
多関節ロボット1は、物流分野における利用に適している。
【符号の説明】
【0084】
1 多関節ロボット
10 多関節ロボット
11 ハンド
21 ベース
23 支持部(第1支持部)
31 第1リンク
311 第1端(第1動作部)
312 第2端(第1支持部、第2支持部)
32 第2リンク
321 第1端(第1動作部、第2動作部)
322 第2端(第2支持部、第3支持部)
33 第3リンク
331 第1端(第2動作部、第3動作部)
34 第4リンク
35 第2ベース
36 水平リンク
310 第1リンク
41 アクチュエータ(第1アクチュエータ)
411 本体(第1本体)
412 シャフト(第1シャフト)
42 アクチュエータ(第1アクチュエータ、第2アクチュエータ)
421 本体(第1本体、第2本体)
422 シャフト(第1シャフト、第2シャフト)
43 アクチュエータ(第2アクチュエータ、第3アクチュエータ)
431 本体(第2本体、第3本体)
432 シャフト(第2シャフト、第3シャフト)
Ax1 軸(第1軸)
Ax2 軸(第1軸、第2軸)
Ax3 軸(第2軸、第3軸)
Ax4 軸
Ax5 軸
Ax6 軸
Ax7 軸
Ax8 軸
JT1 関節(第1関節)
JT2 関節(第1関節、第2関節)
JT3 関節(第2関節、第3関節)
JT4 関節
JT5 関節
JT6 関節
JT7 関節
JT8 関節
図1
図2
図3
図4
図5
図6