(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025304
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20250214BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20250214BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20250214BHJP
A63F 13/426 20140101ALI20250214BHJP
A63F 13/2145 20140101ALI20250214BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20250214BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/55
A63F13/52
A63F13/426
A63F13/2145
A63F13/53
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129957
(22)【出願日】2023-08-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和5年2月27日にhttps://twitter.com/wcat_project/status/1630100422995382277?s=46&t=rNwCZ2hPBjchcZFvQ4N_UAのウェブサイトにて公開 令和5年2月27日にhttps://www.youtube.com/watch?v=xRpLdZHsY3A(現在は非公開)のウェブサイトにて公開
(71)【出願人】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100126620
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 豪
(72)【発明者】
【氏名】長尾 遼太郎
(57)【要約】
【課題】ユーザの利便性を向上させ、ユーザの興趣低下を防止する。
【解決手段】プログラムは、プレイヤの所定の操作に基づいて、操作対象として選択されているプレイヤオブジェクトに対して、第1のアクションおよび第2のアクションを実行させる。第1のアクションを実行させる操作がなされた場合に、当該操作がなされた際に選択されていたプレイヤオブジェクトを、対象オブジェクトに含まれる他のオブジェクトに変更する。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間内で制御される複数のオブジェクトである対象オブジェクトの中からプレイヤの操作対象とするプレイヤオブジェクトを一又は複数選択する選択手段と、
プレイヤの所定の操作に基づいて、操作対象として選択されているプレイヤオブジェクトに対して、第1のアクションおよび第2のアクションを少なくとも含む、所定のアクションを実行させる実行手段と、
前記第1のアクションを実行させる操作がなされた場合に、当該操作がなされた際に選択されていたプレイヤオブジェクトを、前記対象オブジェクトに含まれる他のオブジェクトに変更する変更手段と、してコンピュータを機能させるプログラム。
【請求項2】
前記仮想空間をプレイヤに視認可能に表示する表示手段と、してコンピュータを機能させ、
前記第1のアクションを実行させる操作は、前記表示手段に表示される第1画像に対する入力操作である請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第1画像が、前記表示手段における任意の位置を長押し操作することによって表示されるように制御する請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記長押し操作に応じて前記第2のアクションに供する第2画像を前記表示手段に表示させることが可能であるとともに、前記長押し操作がなされた任意の位置から前記第1画像および前記第2画像に向かって延びるエフェクト画像を表示することが可能である請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2のアクションを実行させる操作がなされた場合に、当該操作がなされた際に選択されていたプレイヤオブジェクトを前記他のオブジェクトに変更することなく、当該プレイヤオブジェクトに当該第2のアクションを実行させる請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
仮想空間内で制御される複数のオブジェクトである対象オブジェクトの中からプレイヤの操作対象とするプレイヤオブジェクトを一又は複数選択する選択手段と、
プレイヤの所定の操作に基づいて、操作対象として選択されているプレイヤオブジェクトに対して、第1のアクションおよび第2のアクションを少なくとも含む、所定のアクションを実行させる実行手段と、
前記第1のアクションを実行させる操作がなされた場合に、当該操作がなされた際に選択されていたプレイヤオブジェクトを、前記対象オブジェクトに含まれる他のオブジェクトに変更する変更手段と、を備えた情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、タッチパネル(タッチディスプレイ)上での直感的な操作を許容するような操作制御を実現したゲームプログラムが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のようなゲームプログラムでは、オブジェクトの移動操作に関する操作性は向上するものの、その他の操作に関するユーザ(プレイヤ)の利便性に応えられるものではなく、ユーザのゲームに対するプレイ意欲を減退させてしまうことに繋がり、ユーザの興趣低下を招く一因となっていた。
【0005】
本発明は、ユーザの操作に対する利便性を向上させ、ユーザの興趣低下を防止可能なプログラム及び情報処理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
【0007】
本発明に係るプログラムは、仮想空間内で制御される複数のオブジェクトである対象オブジェクトの中からプレイヤの操作対象とするプレイヤオブジェクトを一又は複数選択する選択手段と、プレイヤの所定の操作に基づいて、操作対象として選択されているプレイヤオブジェクトに対して、第1のアクションおよび第2のアクションを少なくとも含む、所定のアクションを実行させる実行手段と、前記第1のアクションを実行させる操作がなされた場合に、当該操作がなされた際に選択されていたプレイヤオブジェクトを、前記対象オブジェクトに含まれる他のオブジェクトに変更する変更手段と、してコンピュータを機能させる。
【0008】
前記プログラムは、前記仮想空間をプレイヤに視認可能に表示する表示手段と、してコンピュータを機能させ、前記第1のアクションを実行させる操作は、前記表示手段に表示される第1画像に対する入力操作であるようにしてもよい。
【0009】
前記プログラムは、前記第1画像が、前記表示手段における任意の位置を長押し操作することによって表示されるように制御するようにしてもよい。
【0010】
前記プログラムは、前記長押し操作に応じて前記第2のアクションに供する第2画像を前記表示手段に表示させることが可能であるとともに、前記長押し操作がなされた任意の位置から前記第1画像および前記第2画像に向かって延びるエフェクト画像を表示することが可能であるようにしてもよい。
【0011】
前記プログラムは、前記第2のアクションを実行させる操作がなされた場合に、当該操作がなされた際に選択されていたプレイヤオブジェクトを前記他のオブジェクトに変更することなく、当該プレイヤオブジェクトに当該第2のアクションを実行させるようにしてもよい。
【0012】
本発明に係る情報処理システムは、仮想空間内で制御される複数のオブジェクトである対象オブジェクトの中からプレイヤの操作対象とするプレイヤオブジェクトを一又は複数選択する選択手段と、プレイヤの所定の操作に基づいて、操作対象として選択されているプレイヤオブジェクトに対して、第1のアクションおよび第2のアクションを少なくとも含む、所定のアクションを実行させる実行手段と、前記第1のアクションを実行させる操作がなされた場合に、当該操作がなされた際に選択されていたプレイヤオブジェクトを、前記対象オブジェクトに含まれる他のオブジェクトに変更する変更手段と、を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るプログラム及び情報処理システムによれば、ユーザの利便性を向上させ、ユーザの興趣低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】情報処理システムの全体構成の説明図である。
【
図2】サーバおよびユーザ端末のハードウェア構成の説明図である。
【
図3】サーバ及びユーザ端末の機能的構成の説明図である。
【
図5】クエスト選択画面の一例を示す説明図である。
【
図6】クエスト中の画面の一例を示す説明図である。
【
図7】クエスト中の画面における操作の一例を示す説明図である。
【
図8】クエスト中の画面における操作の一例を示す説明図である。
【
図9】タッグキャラについて説明する説明図である。
【
図10A】操作対象切り替え時の一例を示す説明図である。
【
図10B】操作対象切り替え時の一例を示す説明図である。
【
図10C】操作対象切り替え時の一例を示す説明図である。
【
図11A】操作対象切り替え時の別例を示す説明図である。
【
図11B】操作対象切り替え時の別例を示す説明図である。
【
図11C】操作対象切り替え時の別例を示す説明図である。
【
図12】操作対象切替処理の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態は本発明を説明するための一態様に過ぎず、また、本実施形態において示す数値等も一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。さらに、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能や構成を備える要素については極力同一の符号を付して重複する説明を省略し、本発明と直接関係しない要素については図示を省略する。
【0016】
(情報処理システムSの構成)
本実施形態に係る情報処理システムSは、
図1に示すように、サーバ100とユーザ端末200とがネットワーク300により接続されることで構築された、いわゆるクライアントサーバシステムである。本実施形態では、情報処理システムSによりゲームが提供される場合について説明する。
【0017】
本実施形態に係る情報処理システムSは、サーバ100及びユーザ端末200が協働しゲームを提供する情報処理装置として機能する。サーバ100及びユーザ端末200では、ゲームにおける各種機能の実行やゲームの進行に関する制御がそれぞれ分担されており、サーバ100とユーザ端末200とが協働することにより、上記の各種機能やゲームが実行される。
【0018】
サーバ100は、ネットワーク300を介して複数のユーザ端末200と相互に通信可能に接続される。各ユーザ端末200は、ネットワーク300を介してサーバ100と種々の情報を送受信可能である。また、各ユーザ端末200は、ネットワーク300やサーバ100を介して他のユーザ端末200と種々の情報を送受信可能である。サーバ100は、ユーザ端末200によりゲームをプレイするユーザ(以下、プレイヤともいう)ごとに種々の情報(たとえば、ユーザの情報)を記憶し、また、ゲームに関する種々の情報を記憶可能である。また、サーバ100は、ユーザ端末200による入力操作に基づき、記憶されている情報の更新や、ユーザ端末200に対する画像や各種情報の送信(ダウンロード)等の処理を実行可能である。なお、各ユーザ端末200は、自身が備える無線通信機能により、ネットワーク300やサーバ100を介することなく直接、ユーザ端末200同士で種々の情報を送受信可能であってもよい。
【0019】
ネットワーク300は、インターネット、携帯電話網、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、専用回線等で構成されている。サーバ100とユーザ端末200とは、ネットワーク300を介して無線又は有線で接続される。
【0020】
(サーバ100のハードウェア構成)
サーバ100は、
図2に示すように、CPU(Central Processhing Unit)110、メモリ120、記憶部130、通信部140、入力部150,出力部160、入出力インターフェース170等を有している。以下では、サーバ100のCPU110、メモリ120、記憶部130、通信部140、入力部150、出力部160、入力インターフェース170をそれぞれ、サーバCPU110、サーバメモリ120、サーバ記憶部130、サーバ通信部140、サーバ入力部150、サーバ出力部160、サーバ入出力インターフェース170ともいうものとする。
【0021】
サーバCPU110は、サーバメモリ120に記憶されているプログラムやデータに従って、ゲームにおける各種機能の実行やゲームの進行等の各種処理を行う。
【0022】
サーバメモリ120は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成され、ゲームにおける各種機能の実行やゲームの進行等の処理に用いられる各種プログラムやデータを記憶する。サーバCPU110及びサーバメモリ120は、図示せぬサーバ内部バスを介して互いに接続されている。
【0023】
サーバ記憶部130は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等で構成され、各種プログラムやデータを記憶する。サーバ記憶部130に記憶されたプログラムやデータは、サーバCPU110によってサーバメモリ120に読み出される(ロードされる)。
【0024】
サーバ通信部140は、通信インターフェース等で構成され、ネットワーク300を介してユーザ端末200との間で各種データやプログラム等の情報を送受信する。サーバ100においては、サーバ通信部140によりユーザ端末200から各種情報を受信し、受信した各種情報がサーバメモリ120又はサーバ記憶部130に記憶される。また、サーバCPU110により実行された各種処理の結果に関する情報等が、サーバ通信部140によりユーザ端末200に送信される。
【0025】
サーバ入力部150は、キーボード、マウス等で構成される。サーバ入力部150による入力操作に基づき、サーバメモリ120やサーバ記憶部130への各種プログラムやデータの記憶、記憶している各種プログラムやデータの更新(アップデート)等の各種処理が実行される。
【0026】
サーバ出力部160は、文字や画像等を表示可能なディスプレイ、音声を出力可能なスピーカ等で構成される。サーバ入力部150による入力操作に基づき実行された各種処理の内容は、サーバ出力部160により出力される。
【0027】
そして、サーバ記憶部130、サーバ通信部140、サーバ入力部150、サーバ出力部160は、サーバ入出力インターフェース170に接続され、サーバ入出力インターフェース170は、図示せぬサーバ内部バスに接続されている。
【0028】
(ユーザ端末200のハードウェア構成)
ユーザ端末200としては、例えば、スマートフォン、タブレット、携帯電話、パーソナルコンピュータ、携帯ゲーム機、店舗や家庭に設置される据え置き型ゲーム機等が挙げられる。本実施形態では、ユーザ端末200としてスマートフォンが用いられる場合について説明する。
【0029】
ユーザ端末200は、
図2に示すように、CPU210、メモリ220、記憶部230、通信部240、入力部250,出力部260、入出力インターフェース270等を有している。以下では、ユーザ端末200のCPU210、メモリ220、記憶部230、通信部240、入力部250、出力部260、入出力インターフェース270をそれぞれ、端末CPU210、端末メモリ220、端末記憶部230、端末通信部240、端末入力部250、端末出力部260、端末入出力インターフェース270ともいうものとする。
【0030】
なお、端末CPU210、端末メモリ220、端末記憶部230、端末通信部240、端末入力部250、端末出力部260、図示せぬ端末内部バス、端末入出力インターフェース270はそれぞれ、サーバCPU110、サーバメモリ120、サーバ記憶部130、サーバ通信部140、サーバ入力部150、サーバ出力部160、サーバ内部バス170、サーバ入出力インターフェース170と実質的に同様の構成及び機能であるため、一部を除き、詳細な説明を省略する。
【0031】
ユーザ端末200においては、端末CPU210及び端末メモリ220が図示せぬ端末内部バスを介して互いに接続され、端末記憶部230、端末通信部240、端末入力部250、端末出力部260が端末入出力インターフェース270に接続され、端末入出力インターフェース270が図示せぬ端末内部バスに接続されている。そして、ユーザ端末200においても、端末メモリ220に記憶されているプログラムやデータに従って、ゲームにおける各種機能の実行やゲームの進行等の各種処理を行う。また、ユーザ端末200においては、端末通信部240によりサーバ100から各種情報を受信し、受信した各種情報が端末メモリ220又は端末記憶部230に記憶される。また、端末CPU210により実行された各種処理の結果に関する情報等が、端末通信部240によりサーバ100に送信される。
【0032】
端末入力部250は、例えば、ユーザ端末200に対する操作を入力可能なタッチパネル、キーボード、マウス、コントローラ、物理ボタン等で構成され、ユーザ端末200自体に搭載されたものであっても、ユーザ端末200とは別個に設けられ接続ケーブル等によりユーザ端末200に接続されるものであってもよい。また、端末入力部250は、音声入力が可能なマイク、ユーザ端末200の傾き、移動、振動等を検出し検出した情報を入力可能な加速度センサであってもよい。本実施形態では、ユーザ端末200が、端末入力部250及び端末出力部260の両方の機能を兼ねるタッチパネル262を備えている。
【0033】
(情報処理システムSの機能的構成)
次に、情報処理システムSの機能的構成について、
図3を参照して説明する。サーバ100のサーバメモリ120やユーザ端末200の端末メモリ220には、上記したゲームを実行するためのプログラムやゲームに関する各種の情報、ユーザに関する情報、ゲームデータ等が記憶されている。サーバ100のサーバCPU110は、記憶されている各プログラムを実行させることで、データ送受信部182、記憶処理部184、ゲーム制御部186として機能させる。また、ユーザ端末200の端末CPU210は、記憶されている各プログラムを実行させることで、ユーザ端末200を、データ送受信部280、記憶処理部282、操作制御部284、ゲーム制御部286、画面制御部288として機能させる。
【0034】
なお、これらは一例として挙げた機能部であり、サーバ100やユーザ端末200は、上記以外にも種々の機能部を備えている。また、各機能部はサーバ100又はユーザ端末のいずれに設けられていてもよいし、同一の役割を果たす機能部がサーバ100及びユーザ端末200のいずれにも重複して設けられていてもよい。
【0035】
サーバ100のデータ送受信部182及びユーザ端末200のデータ送受信部280はいずれも、サーバ100とユーザ端末200との間で各種情報やデータを送受信する。例えば、サーバ100のデータ送受信部182は、アプリケーション起動時に、ゲームにログインするためのログイン情報をユーザ端末200から受信すると、当該ログイン情報に対応するユーザに関する情報(例えば、アカウント名等)、ゲームに関する情報(使用キャラクタ、仲間キャラクタ、所持アイテムや所持通貨、所持している装備品、仲間にしているモンスター等に関する情報やゲームの進行情報等)、ゲームデータ(仮想空間(ゲーム空間)を構築するために必要な各種設定情報等のデータ等)をユーザ端末200に送信する。
【0036】
サーバ100の記憶処理部は、ユーザ端末200から受信した各種情報やデータをサーバ記憶部130に記憶させる。
【0037】
ユーザ端末200の記憶処理部282は、サーバ100から受信した各種情報やデータを端末メモリ220や端末記憶部230に記憶させる。
【0038】
ユーザ端末200の操作制御部284は、タッチパネル262を介して端末入力部250により入力されたプレイヤの操作を受け付けて制御する。操作制御部284は、プレイヤの操作位置および操作方向から入力操作の種類を検出する。例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作、フリック操作、ピンチイン・アウト操作等が挙げられる。また、長押しやタッチオフ操作も検出可能となっている。
【0039】
サーバ100のゲーム制御部186及びユーザ端末200のゲーム制御部286はいずれも、ゲーム全体の進行を制御する。以下、各制御の具体例についてゲーム制御部286における制御を中心に説明する。なお、ゲーム制御部286で行う制御をサーバ100のゲーム制御部186で行ってもよいことはいうまでもない。
【0040】
ゲーム制御部286は、ゲームデータに基づいてゲーム空間(仮想空間)としての仮想フィールドを構築し、プレイヤキャラ(パーティキャラクタ含む)、NPC、敵モンスター等の各キャラクタオブジェクトや、木々や山、石や岩等の自然物を模したオブジェクトや、村や町、廃墟や遺跡、ダンジョンやダンジョン内のギミック等を含む各種の建造物・構造物を含む構造オブジェクトを配置する。ゲーム制御部286は、ゲーム空間やゲーム空間に配置されたこれらのオブジェクトを制御する。例えば、ゲーム空間内の天候、昼夜等を変化させたり、オブジェクトに所定の行動をとらせたり、色、形状等を変化させたりする。
【0041】
ゲーム制御部286は、操作制御部284が検出した入力操作をプレイヤからの指示としてゲームを進行させる。例えば、各種のアイコンへのタッチ操作やタップ操作を「決定」「選択」操作と判断して、対応する処理をしたり、タッチパネル262への所定位置へのタッチ操作やタップ操作(長押し等含む)を「攻撃」操作と判断してプレイヤキャラに攻撃動作をさせる処理をしたり、ドラッグ操作やスワイプ操作を「移動」操作と判断して、プレイヤキャラを移動させる処理をしたりする。なお、これらの操作を組み合わせて所望の動作に対応させる処理を行ってもよい。
【0042】
ゲーム制御部286は、ゲーム空間を撮像する仮想カメラを制御する。具体的には、仮想カメラの位置や向き、角度を規定してプレイヤに視認させるゲーム空間の領域を、視認領域として定義する。ゲーム制御部286は、定義されたゲーム空間の領域とこの領域内に配置される各種のオブジェクトを表示するように画面制御部288に指示を送る。ゲーム制御部286は、仮想カメラを調整しプレイヤキャラの動作・移動に追従するよう視認領域を更新制御する。なお、仮想カメラの位置や向き、角度はプレイヤの操作に応じて任意に調整可能としてもよい。
【0043】
ユーザ端末200の画面制御部288は、端末メモリ220や端末記憶部230に記憶された各種データに基づき、タッチパネル262に表示される各種画面を制御する。画面制御部288は、ゲーム制御部286の指示に応じた画像を生成しタッチパネル262に表示する。画面制御部288は、視認領域に重畳して、アイコン、ボタン、ステータス表示、メニュー画面、ゲーム空間のマップ等のゲームの操作やゲームの情報の表示に供するUI(User Interface)を表示する。
【0044】
(情報処理システムSにより提供されるゲームの概要および制御処理)
本実施形態に係る情報処理システムSにより提供されるゲームは、例えば、野山や河川、海などの自然物や各種建物等の人工物が構築された仮想フィールド(ゲーム空間)内を、ユーザが操作するプレイヤキャラとその仲間となるパーティキャラとで協力しながら各種のクエスト(サブストーリー)やエピソード(メインストーリー)、その他イベントやミッションをクリアしてストーリーを進めていくアクションRPGゲームとなっている。
【0045】
以下、本実施形態に係る構成を上記ゲームに適用した場合を例として説明する。なお、以下の記載において「クエスト」には、上記したエピソードやイベント、メインストーリー、サブストーリーの他、ミッションやイベント等、ゲームプレイの対象となる事象を包含する概念の総称として説明する場合がある。
【0046】
ゲームを初めて実行するにあたり、ユーザは、専用のゲームアプリケーションを予めユーザ端末200にインストールすると共に、サーバ100にユーザの登録(例えば、ユーザID、ゲームで使用するプレイヤ名等の情報の登録)等を行う。その後、上記アプリケーションを起動すると、ゲーム制御部286は、サーバ100に記憶されている各種データを受信し、画面制御部288に対して、ゲームに係る画像を表示するように指示する。画面制御部288は、ゲーム制御部286からの指示を受け、対応する画像を生成し、表示する。
【0047】
図4は、ポータルステージPSがタッチパネル262に表示されている状態を示している。
【0048】
画面制御部288は、ゲーム制御部286からの指示を受けポータルステージPSをタッチパネル262に表示する。ポータルステージPSには、
図4に示すように、各種のアイコン10、20、30が表示される。ポータルステージPSは、ゲームをプレイするにあたってプレイヤがパーティ編成を行ったり、各種の装備、スキル等の設定を行ったりするポータルとしてのステージとなっており、いわゆるアウトゲームとして機能する。また、図示せぬショップや訓練所等の施設への導線を設け、これらの各施設を利用できるようにしたり、NPC(Non Player Character)等を配置して、プレイヤキャラPとの会話を楽しめるようにしたりすることもできる。
【0049】
ここで、本実施形態におけるアウトゲームとは、いわゆるインゲーム以外のゲーム全般のことをいい、主にはプレイヤがインゲームを開始するための準備を整えたり、クエストに係る情報を事前に集めたりするパートのことを指す。一方、インゲームとはクエストやミッション、イベント、エピソードなどプレイヤがプレイして設定された目的を果たすことでクリアとなるようなゲームの核となるパートを指す。一般的に、プレイヤはこのアウトゲームとインゲームとを交互にプレイしてゲームを進めていくこととなる。
【0050】
アイコン10は、タウン用のアイコンとなっている。ゲーム制御部286は、アイコン10がタップ操作されたことに応じて図示せぬタウン画面を表示するよう制御する。タウン画面は、プレイヤが任意の建造物等を建てて、いわゆる町作りを行えるようになっており、このタウンを発展させていく(レベルを上げていく)ことでプレイヤにとっての恩恵が諸々付与されるようになっている。
【0051】
アイコン20は、パーティ用のアイコンとなっている。ゲーム制御部286は、アイコン20がタップ操作されたことに応じて、図示せぬパーティ画面を表示するよう制御する。パーティ画面においては、クエストに参加するパーティキャラ、助っ人キャラを選択可能となっている。本ゲームにおいては、プレイヤキャラ1体と、最大3体のパーティキャラと、1体の助っ人キャラを指定し、合わせて最大5体のパーティを編成してクエストに参加できるようになっている。なお、本実施形態においては、クエストで操作できるのはプレイヤキャラとして画面上に表示されている1体(後述するタッグキャラ等のように複数体で「1体」扱いの場合は「1体」として扱われるキャラ分を含む)のみとなっており、助っ人キャラについては操作することはできないようになっている。また、本ゲームにおけるキャラクタは武器やアクセサリ等の装備品を身に着けることで攻撃力や防御力の向上、各種の追加効果を得られるようになっており、パーティ画面においては、パーティキャラの装備品の着脱を行えるようになっている。また、本ゲームにおけるキャラクタには、各種の特殊スキルを設定可能な場合があり、パーティ画面においては、これらのスキルの着脱についても設定可能となっている。
【0052】
アイコン30は、クエスト用のアイコンとなっている。ゲーム制御部286は、アイコン30がタップ操作されたことに応じて、
図5に示すようなクエスト選択画面32を表示するように制御する。
【0053】
クエスト選択画面32には、現在、プレイすることが可能なクエスト(サブストーリー)やメインストーリーがリスト形式で表示される。具体的には、第1クエスト表示部34、第2クエスト表示部36、第3クエスト表示部38、第4クエスト表示部40の各クエスト表示部と、戻るボタン42が表示される。プレイヤはこのクエスト選択画面32において、各クエスト表示部のいずれかをタップ操作することにより、対応するクエストを開始することが可能となっている。
【0054】
クエスト(サブストーリー)は、メインストーリーを進めるうえで必ずしも必要ではないものの、有益な装備品や素材等を獲得できたり、プレイヤキャラPやその仲間キャラクタ、その他NPC等のサブストーリー等が展開されたりするようになっている。なお、一部のクエストをクリアすることが、メインストーリー(エピソード)を進める上で必須の条件となるようにしてもよい。
【0055】
メインストーリーは、本ゲームのメインの物語となっており、例えば、第1章から第10章までの章立てで段階的に進行するようになっている。なお、クエストおよびエピソードはいわゆるインゲームとして機能する。
【0056】
図5に示すように、各クエスト表示部に表示される内容はメインストーリーを表示する場合と、クエスト等を表示する場合とで異なっている。以下、メインストーリーを表示する場合の例として、第1クエスト表示部34を例に説明し、クエストを表示する場合の例として、第2クエスト表示部36を例に説明する。
【0057】
第1クエスト表示部34は、属性表示34a、ステータス表示34b、タイトル表示34cを含んでいる。
【0058】
属性表示34aは、各クエスト表示部の属性を示しており、メインストーリーに関するものであれば「Story」と表示され、クエストに関するものであれば「Quest」と表示される。第1クエスト表示部34の属性表示34aにおいては、「Story」の表示となっており、第1クエスト表示部34の属性がメインストーリーに関するものであることが分かるようになっている。
【0059】
ステータス表示34bは、各クエスト表示部の状況を示しており、一回でもクリアしたことがあれば「Cleared!」と表示され、新たに追加されたものであれば「New!」と表示される。第1クエスト表示部34のステータス表示34bにおいては、「New!」の表示となっており、第1クエスト表示部34の状況としては、新たに追加されたメインストーリーであることが分かるようになっている。
【0060】
タイトル表示34cは、各クエスト表示部のメインストーリーやクエストのタイトル名が表示される。第1クエスト表示部34のタイトル表示34cにおいては、メインストーリーの「第2話」にあたる「悠久の果てに」という題名に対応するものであることが分かるようになっている。
【0061】
第2クエスト表示部36は、属性表示36a、ステータス表示36b、タイトル表示36c、条件表示36dを含んでいる。
【0062】
属性表示36aについては、属性表示34aと同様である。つまり、第2クエスト表示部36の属性表示36aにおいては、「Quest」の表示となっており、第2クエスト表示部36の属性がクエストに関するものであることが分かるようになっている。
【0063】
ステータス表示36bについては、ステータス表示34bと同様である。つまり、第2クエスト表示部のステータス表示36bにおいては、「Cleared!」の表示となっており、第2クエスト表示部36の状況としては、既に一回以上クリアされたクエストであることがわかるようになっている。
【0064】
タイトル表示36cについては、タイトル表示34cと同様である。つまり、第2クエスト表示部36のタイトル表示36cにおいては、「絶体絶命」という題名に対応するものであることがわかるようになっている。
【0065】
条件表示36dにおいては、各クエスト表示部に表示される属性が「Quest」の表示となる場合に、そのクエストのクリア条件が表示される。第2クエスト表示部36の条件表示36dにおいては。「ボスの撃破」と表示されているため、第2クエスト表示部36に対応するクエストは「ボス」を「撃破」することで達成される旨が分かるようになっている。
【0066】
なお、属性表示34a、36a、38a、40aにおいては、「Story」や「Quest」以外の属性、例えば、「Event」や「Mission」等を表示するものであってもよい。また、各クエスト表示部に表示する内容として、クエストの難易度や難易度ごとのクリア有無を表示したり、得られる報酬を表示したりしてもよい。
【0067】
戻るボタン42は、クエスト選択画面32の下方に表示され、現在表示されている画面を一つ前の画面に戻す際に操作されるものである。ゲーム制御部286は、戻るボタン42がタップ操作されたことに応じて、現在の画面の直前に表示されていた画面を表示するよう制御する。
【0068】
次に、
図6~8を用いてインゲーム中の画面MGについて説明する。
【0069】
画面MGには、プレイヤキャラP、バーチャルパッド50、UI表示部60が表示される。
【0070】
プレイヤキャラPは、現在プレイヤが操作しているキャラクタである。
図6においてはキャラAが表示されている。
【0071】
キャラAが画面MGに表示されている状態で、タッチパネル262上の操作領域をプレイヤがタップ操作したことを検出すると、ゲーム制御部286は、プレイヤキャラPに攻撃アクションを行わせるように制御する。具体的には装備している武器で攻撃するアクションを行わせる。また、一定間隔で連続してタップ操作が検出された場合には、それぞれの攻撃アクションを一連の連携攻撃(いわゆるコンボ攻撃)となるように制御してもよい。
【0072】
バーチャルパッド50は、タッチパネル262上の操作領域をプレイヤが一定時間タッチ操作していることを検出することにより、その検出位置Oを中心として画面上に表示される略円形状の仮想的な操作領域である。ゲーム制御部286は、タッチ操作が検出され続けている状態で検出位置Oの座標から、他の座標に検出位置が移動したと判断した場合(いわゆるドラッグ操作が行われていると判断した場合)に、移動した検出位置に基づく方向にプレイヤキャラPを移動制御する。また、ゲーム制御部286は、検出位置Oから移動した座標に向かって先細りとなるような形状にバーチャルパッド50の表示を変化させるよう画面制御部288を制御する。
【0073】
例えば、
図7に示すように、検出位置Oから矢印Yの方向に検出位置が移動した場合には、プレイヤキャラAを矢印Xの方向に移動制御するとともに、バーチャルパッド50の形状を、検出位置Oから矢印Yの方向に向かってあたかも引き延ばしたかのような形状へと変化させる。これによりプレイヤは直感的に自身が操作している操作方向を把握することができるようになっている。なお、バーチャルパッド50は、タッチパネル262上の操作領域内であればいずれにおいても表示可能となっているが、プレイヤの視認性の向上や、誤操作の防止の観点からUI表示部60、後述するSPゲージ70、HPゲージ72等の表示には重複しないようにしてもよい。また、バーチャルパッド50は、プレイヤのタッチ操作を検出したときに、当該検出したタッチパネル262の位置に表示され、プレイヤのタッチ操作が検出されなくなった場合に非表示とするようになっているが、タッチパネル262上の所定の位置に常時表示されるようにしてもよい。
【0074】
ゲーム制御部286は、タッチパネル262上の操作領域をプレイヤがタッチ操作したことを検出してから一定時間以上の所定時間、座標の移動を検出しなかった場合(いわゆる長押し操作を検出した場合)には、
図8に示すような第1スキルボタン51、第2スキルボタン52を表示するよう制御する。
【0075】
第1スキルボタン51は、スキル1に対応しており、第1検出領域51a、エフェクト部51bを含み、第2スキルボタン52は、スキル2に対応しており、第2検出領域52a、エフェクト部52bを含んでいる。
【0076】
ゲーム制御部286は、タッチパネル262上の操作領域において、長押し操作が解除されることなく第1検出領域51aまたは第2検出領域52aへの移動が検出された場合には検出した領域に対応したスキルを発動するように制御する。
【0077】
ここで、スキルとは、プレイヤキャラPとして選択されているキャラクタに応じて設定された固有の技のようなものであり、多くは、敵に対して通常の攻撃よりも多くのダメージを与えることができる必殺技を繰り出したりするものとなっている。なお、このようなものに限られず、必殺技の他(もしくは必殺技と併せて)、自身や仲間キャラクタのSPやHPの回復やステータスアップ等のバフ効果を付与したり、敵キャラクタのステータスダウン等のデバフ効果を付与したりするものであってもよく、その他何らかの形でプレイヤが有利となるような効果を付与するものであればよい。
【0078】
UI表示部60は、第1キャラアイコン62、第2キャラアイコン64、第3キャラアイコン66、第4キャラアイコン68、SPゲージ70、HPゲージ72を含む。
【0079】
第1キャラアイコン62、第2キャラアイコン64、第3キャラアイコン66、第4キャラアイコン68には、プレイヤがアウトゲームにおいて編成したパーティキャラがそれぞれ表示されている。ゲーム制御部286は、各キャラアイコンのいずれかがプレイヤによりタップ操作されたことを検出すると、タップ操作されたキャラアイコンに応じたパーティキャラをプレイヤキャラPとして画面MGに表示するように制御する。すなわち、プレイヤは、プレイヤキャラPとなる1体と、最大3体の控えキャラとのいずれかとを任意に切り替えながらゲームをプレイすることができるようになっている。なお、図示していないが画面MGにはプレイヤキャラPの他に助っ人キャラが表示される場合もある。この助っ人キャラは、いわゆるNPCとして、控えキャラの他に設定可能になっている。この助っ人キャラは、控えキャラのようにプレイヤキャラPとして切り替えできない(プレイヤが操作することはできない)ものの、プレイヤキャラPの行動の助けとなるようにゲーム制御部286によって自律的に制御され、武器やスキルで敵を攻撃したり、プレイヤキャラPを含むパーティキャラに対して回復効果や補助効果のあるスキルを使用したりする。なお、キャラアイコンに表示されるパーティキャラは原則一人のキャラクタとなっているが、後述するように複数人のキャラクタがセットで一人のキャラ扱いとなる場合には、キャラアイコン内に複数人表示される場合がある。
【0080】
SPゲージ70は、スキルを発動するために必要なスキルポイント(本明細書では、SPともいう)の残量を表示している。ゲーム制御部286は、プレイヤキャラPがスキルを発動するとスキルに対応したSP分をSP残量から減算し、併せてSPゲージ70を短く表示させる。また、SPが回復するような事象(例えば、敵に攻撃を当てる等)が起こると回復したSP分をSP残量に加算し、併せてSPゲージ70を長く表示するよう制御する。
【0081】
HPゲージ72は、プレイヤキャラのヒットポイント(本明細書では、HPともいう)の残量を表示している。ゲーム制御部286は、プレイヤキャラPが敵からの攻撃を受けた場合やダンジョン等のギミック等によってダメージを受けた場合等に、ダメージ値を算出し、算出したHP分をHP残量から減算するとともに、HPゲージ72を短く表示させる。また、HPが回復するような事象(例えば、HP回復効果のあるスキル発動等)が起こると回復したHP分をHP残量に加算し、HPゲージ72を長く表示するよう制御する。
【0082】
図9を用いて複数人のキャラクタがセットで一人のキャラ扱いとなる場合を説明する。
【0083】
図9においては、キャラAが、男性キャラクタのP1と女性キャラクタのP2とがセットで一人のキャラ扱いとされた、いわゆるタッグキャラとなっている。セットとなる人数は2人に限られず、3人以上であってもよい。
【0084】
男性キャラクタのP1(以下、単にP1ともいう)は、主に攻撃的な役割を担っており、そのスキルも敵に大ダメージを与えるような攻撃系のスキルとなっている。具体的には、P1のスキル1は、2種類の攻撃技を組み合わせたものとなっており攻撃技1の後に攻撃技2による攻撃を行うように構成されている。また、P1のスキル2は、高威力の必殺技による攻撃を行うように構成されている。ただし、スキル2の使用には、所定量のSPの消費の他、所定量のHPが消費されるようになっており、連続して使用すると自ら危険を招く可能性が高くなっている。
【0085】
女性キャラクタのP2(以下、単にP2ともいう)は、主に回復・補助的な役割を担っており、そのスキルは、HPの回復やバフ効果の付与に重きをおいた内容となっている。具体的には、P2のスキル1およびスキル2はいずれも、2種類の攻撃技を組み合わせたものとなっており攻撃技1の後に攻撃技2による攻撃を行うように構成されている。なお、二人の異なるキャラクタであるとはいえ、セットで一人のキャラ扱いとなっており、SPおよびHPも二人で共通のものとなっている。そのため、P1を操作している際に減少したHPは、P2にキャラクタを切り替えたとしても減少したままとなる。
【0086】
タッグキャラにおいて、ユーザはP1またはP2のいずれか一方しか操作することができず、P1およびP2を同時に操作することはできない。例えば、P1を操作している場合には、P2はゲーム制御部286によっていわゆるCOMプレイヤキャラとして独自に行動するよう制御される。なお、独自とはいっても、P1の行動に追随するように制御されており、P1が
図9中の矢印X方向に移動すればP2もこれに追随するように矢印X方向に移動し、P1が所定の敵に対して攻撃を行えば、P2も当該敵に対して攻撃を行うように制御されている。
【0087】
プレイヤはこのようなタッグキャラを使用することで、役割(キャラの特性)の異なるP1とP2を局面に応じて切り替えながらプレイすることが可能となり、より戦略性に富んだゲームを楽しむことが可能となっている。
【0088】
一方で、P1とP2を切り替える操作を億劫に感じるプレイヤも少なからず存在している。例えば、切り替え操作用のアイコンを用意し、当該アイコンへのタップ操作の検出に応じて操作対象を切り替えるようにした場合、操作が複雑化するのに加え、表示領域(例えば、本実施例でいう画面MG)の圧迫にも繋がり、改善が望まれていた。また、折角のタッグキャラである点を活用した演出の見せ方や攻撃のバリエーションについても更なる向上の余地が存在していた。
【0089】
【0090】
まず、P1が操作対象となっている場合で説明する。
【0091】
図10Aは、P1が操作対象となっている場合にタッチパネル262を長押し操作して、第1スキルボタン51、第2スキルボタン52を表示させ、第1スキルボタン51の第1検出領域51aに向かって(図中の矢印Zの方向)ドラッグ操作した状態を模式的に表している。また、実際にはP1のスキル1は攻撃技1および2の組み合わせとなっているが、今般の説明においてはまとめて一つの攻撃技として説明する。
【0092】
ゲーム制御部286は、第1検出領域51aへのドラッグ操作を検出するとスキル1を発動する制御を行う。ゲーム制御部286は、画面制御部288に、P1が敵オブジェクトQに対してスキル1で攻撃する画像表示を行うよう指示をする。その後、
図10Bに示すようにP2によるスキル1を発動する制御を並行して実行する。ゲーム制御部286は、画面制御部288に、P2が敵オブジェクトQに対してスキル1で攻撃する画像表示を行うよう指示をする。そして、ゲーム制御部286は、
図10Cに示すように操作対象をP2へと切り替える制御を実行する。
【0093】
つまり、本例によれば、P1のスキル1を実行することにより、P2に操作対象が切り替わるようになっている。換言すれば、P1のスキルの発動に併せて操作対象の切り替えが実行させるようになっている。このような構成とした本例によれば、操作対象の切り替えを行う手間を軽減するとともに、表示領域を圧迫することもなくなりプレイヤの操作性の向上に寄与し、もってゲームに対する興趣を向上させることが可能となる。また、操作対象の切り替えの実行の際には、P1のスキル1、P2のスキル1が連続して(並行して)発動し、あたかも一連の連続技(連携技)のような態様で発動するようにしているため、タッグキャラならではの演出態様を実現することができ、演出効果に対するプレイヤの関心を高めることが可能となり、プレイヤの興趣を向上させることが可能となっている。
なお、
図10Aの状態で、第2スキルボタン52の第2検出領域52aへのドラッグ操作が検出された場合には操作対象の切り替えが行われないようになっている。この場合、P1のスキル2の発動後に続けてP2のスキル2が発動されるだけで、そのままP1が操作対象となったままとなる。つまり、発動するスキルに応じて操作対象が変化するか否かをプレイヤが選択可能となっている。
【0094】
次に、P2が操作対象となっている場合を説明する。
【0095】
図11Aは、P2が操作対象となっている場合に、タッチパネル262を長押し操作して、第1スキルボタン51、第2スキルボタン52を表示させ、第2スキルボタン52の第2検出領域52aに向かって(図中の矢印Zの方向)ドラッグ操作した状態を模式的に表している。なお、P1の場合と同様、実際にはP2のスキル2は攻撃技1および2の組み合わせとなっているが、今般の説明においてはまとめて一つの攻撃技として説明する。
【0096】
ゲーム制御部286は、第2検出領域52aへのドラッグ操作を検出するとスキル2を発動する制御を行う。ゲーム制御部286は、画面制御部288に、P2が敵オブジェクトQに対してスキル2で攻撃する画像表示を行うよう指示をする。その後、
図11Bに示すようにP1によるスキル2を発動する制御を並行して実行する。ゲーム制御部286は、画面制御部288に、P1が敵オブジェクトQに対してスキル2で攻撃する画像表示を行うよう指示をする。そして、ゲーム制御部286は、
図11Cに示すように操作対象をP1へと切り替える制御を実行する。
【0097】
P2が操作対象となっている場合においても、P2のスキル2を実行することにより、P1に操作対象が切り替わるようになっている。換言すれば、P2のスキルの発動に併せて操作対象の切り替えが実行させるようになっている。また、操作対象の切り替えの実行の際には、P1が操作対象となっている場合と同様、P2のスキル2、P1のスキル2が連続(並行)して発動し、あたかも一連の連続技(連携技)のような態様で発動するようになっているため、タッグキャラならではの演出態様を実現することができ、演出効果に対するプレイヤの関心を高めることが可能となり、プレイヤの興趣を向上させることが可能となっている。なお、
図11Aの状態で、第1スキルボタン51の第1検出領域51aへのドラッグ操作が検出された場合には操作対象の切り替えが行われないようになっている。この場合、P2のスキル1の発動後に続けてP1のスキル1が発動されるだけで、P2が操作対象となったままとなる。つまり、発動するスキルに応じて操作対象が変化するか否かをプレイヤが選択可能となっている。
【0098】
次に、本実施形態に係る処理のフローを、
図12を参照して説明する。ここでは、上記したスキルの発動とともに操作対象が切り替わる処理を中心に説明し、その他の処理については説明を省略する。
【0099】
まず、ステップ100において、ゲーム制御部286は、操作対象がP1であるか否かを判定する(ステップS100)。
【0100】
操作対象がP1である場合には(ステップS100でY)、ステップS200に進む。
【0101】
操作対象がP1でない場合には(ステップS100でN)、ステップS800に進む。
【0102】
ステップS200において、ゲーム制御部286は、スキル1の操作であるか否かを判定する(ステップS200)。
【0103】
スキル1の操作である場合には(ステップS200でY)、ゲーム制御部286は、P1のスキル1の前半部分(攻撃技1)の実行を開始し、ステップS400に進む。
【0104】
スキル1の操作でない場合には(ステップS200でN)、処理を抜ける。なお特に図示していないが、この場合には、操作対象が切り替わることなく、P1のスキル2が実行されるとともにP2のスキル2が実行される。
【0105】
ステップS400において、ゲーム制御部286は、操作対象をP1からP2へ変更し、ステップS500に進む。
【0106】
ステップS500において、ゲーム制御部286は、P2のスキル1の前半部分(攻撃技1)の実行を開始し、ステップS600に進む。
【0107】
ステップS600において、ゲーム制御部286は、P1のスキル1の後半部分(攻撃技2)の実行を開始し、ステップS700に進む。
【0108】
ステップS700において、ゲーム制御部286は、P2のスキル1の後半部分(攻撃技2)の実行を開始し、処理を抜ける。
【0109】
ステップS800において、ゲーム制御部286は、スキル2の操作であるか否かを判定する(ステップS800)。
【0110】
スキル2の操作である場合には(ステップS800でY)、ゲーム制御部286は、P2のスキル2の前半部分(攻撃技1)の実行を開始し、ステップS900に進む。
【0111】
スキル2の操作でない場合には(ステップS800でN)、処理を抜ける。なお特に図示していないが、この場合には、操作対象が切り替わることなく、P1のスキル1が実行されるとともにP2のスキル1が実行される。
【0112】
ステップS900において、ゲーム制御部286は、P2のスキル2の前半部分(攻撃技1)の実行を開始し、ステップS1000に進む。
【0113】
ステップS1000において、ゲーム制御部286は、操作対象をP2からP1へ変更し、ステップS1100に進む。
【0114】
ステップS1100において、ゲーム制御部286は、P1のスキル2の実行を開始し、ステップS1200に進む。
【0115】
ステップS1200において、ゲーム制御部286は、P2のスキル2の後半部分(攻撃技2)の実行を開始し、処理を抜ける。
【0116】
(変形例)
以下、本実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、SPが回復するような事象として、敵に攻撃を当てることを例示したが、これに限定されるものではない。例えば、時間の経過とともに徐々に、または一気に回復するようにしてもよいし、攻撃を受けたこと、または、ダメージを一定量受けたことなどを契機として回復する等、特定の条件を満たした場合に回復するようにしてもよい。なお、SPがスキル発動のために必要な条件を満たしていない場合においても、第1スキルボタン51および第2スキルボタン52は表示されるが、それぞれのボタンに重畳して「SP不足」等の表示がなされており、第1検出領域51a、第2検出領域52aに向かってドラッグ操作を行ってもスキルが発動することはない。すなわち、SPが必要量ない場合には操作対象を切り替えることができないこととなる。
【0117】
また、通常の単数キャラクタとタッグキャラ等含め複数の集団を一のキャラクタとして扱う集団キャラクタとの間で、スキルの発動条件を異ならせたり(一方に比べて他方が簡単に発動できる等)、SPの回復条件を異ならせたり(一方に比べて他方が簡単に回復できる等)してもよい。また、単数キャラクタはスキル発動時のバフ効果やデバフ効果を優遇するようにし、集団キャラクタは上記効果を発動させない、もしくは、低廉な効果とする等してもよい。
【0118】
また、上記実施形態では、SPを消費するスキル発動操作でタッグキャラクタのそれぞれが攻撃を行うようにしたが、SP以外の特別なポイントが一定数溜まることでタッグキャラクタによる攻撃ができるようにしてもよい。その場合、タッグキャラクタが一斉に攻撃をするような新たな態様による攻撃を行ってもよいし、スキル発動操作とは別の操作(例えば、長押しからタッチオフするような操作)で発動するようにしてもよい。
【0119】
また、上記実施形態においては、P1のスキル2は、1種類の必殺技による攻撃として前半・後半の別がないものとしたが、これに限定されない。例えば、P1のスキル2についても前半の攻撃と後半の攻撃とに分けてもよい。また、P2のスキル1、スキル2のいずれも前半・後半の別あるものとしたが、いずれかのスキルを1種類の必殺技による攻撃に替えてもよい。また、スキルの組み合わせ数も2種理類に限らず3種類以上の組み合わせであってもよい。また、上記を適宜組み合わせて設定するものであっても当然よい。
【0120】
また、上記実施形態においては、操作対象切替処理の中で、各キャラクタのスキル発動を行うフローとしたがこれに限定されるものではない。例えば、各キャラクタのスキル発動のフローの中で、操作対象を切り替える処理を行うフローであってもよい。また、一のスキル発動につき、操作対象が1回切り替わるようにしたが、一のスキル発動で複数回操作対象が切り替わるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、所定のスキルの発動に併せて操作対象をも切り替わるようにしていたがこれに限定されるものではない。例えば、タッグキャラにおける操作対象をスキルの発動とは関係なく切り替えられるようにしてもよい。
【0121】
上記実施形態、上記変形例における各処理は、サーバ100及びユーザ端末の少なくともいずれかで実行されればよく、その実行タイミングや実行する装置も特に限定されない。また、サーバ100の機能は、1機のサーバ100が全て備えるようにしてもよいし、複数機のサーバ100に分散して備えるようにしてもよい。
【0122】
上記実施形態、上記変形例では、ユーザ端末200としてスマートフォンが用いられ、ユーザ端末200にインストールした専用のアプリケーションによりゲームを実行できるようになっていたが、ユーザ端末200の種類やゲームを実行するためのツールはこれに限定されるものではない。例えば、ユーザ端末200としてパーソナルコンピュータを用いてもよいし、一般的なWebブラウザによりゲームを実行できるようにしてもよい。
【0123】
上記実施形態、上記変形例では、スマートフォンのタッチパネル262に対するタップ等の操作により、各種情報の入力や選択の処理を実行できるようになっていたが、これらの処理を行うための操作態様は上記内容に限定されるものではない。例えば、ユーザ端末200としてパーソナルコンピュータを用いる場合には、マウスによるクリック、ドラッグ、ドロップ等の操作により上記処理を実行できるようにしてもよい。
【0124】
上記実施形態、上記変形例における処理を実行するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶され、記憶媒体として提供されてもよい。また、上記実施形態、上記他の形態、上記変形例は、クライアントサーバ方式の情報処理システムSではなく、上記プログラムを記憶しており、情報処理システムSと同様の処理を単体で実行可能な情報処理装置としてもよいし、各機能及びフローチャートに示すステップを実現する情報処理方法としてもよい。
【符号の説明】
【0125】
S 情報処理システム
51 第1スキルボタン
52 第2スキルボタン
100 サーバ
200 ユーザ端末
286 ゲーム制御部
288 画面制御部