(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002532
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】特装車の管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20241226BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20241226BHJP
B60P 3/22 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
G06Q10/06
H04M11/00 301
B60P3/22 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102770
(22)【出願日】2023-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾原 歩希
(72)【発明者】
【氏名】三浦 裕太郎
【テーマコード(参考)】
5K201
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5K201BA02
5K201CB10
5K201EC06
5K201ED05
5K201EF10
5L010AA06
5L049AA06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】登録された特装車の稼働状況を管理し、未登録の特装車を容易、かつ、確実に登録する特装車の管理システムを提供する。
【解決手段】特装車の管理システムは、制御装置96を備えるメータパネル9を有した特装車、特装車の車両識別情報が記憶された車両管理サーバ102及び車両管理サーバ102に車両識別情報を登録可能な携帯端末装置104を備える。携帯端末装置104は、制御装置96及び車両管理サーバ102と無線通信を行う通信手段104a、特装車の一覧を表示可能な表示手段104b並びに表示手段104bに表示された特装車の一覧の中から選択された特定の特装車の車両識別情報を車両管理サーバ102に登録可能な演算手段104cを有し、演算手段104cは、車両管理サーバ102から登録済の特装車の車両識別情報を取得し、当該車両識別情報に基づき、未登録の特装車のみを選択して特装車の一覧として表示する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録された特装車の稼働状況を管理する特装車の管理システムであって、
搭載された作業装置を制御する制御装置を有した特装車と、
登録された特装車を識別するための車両識別情報が記憶された車両管理サーバと、
前記車両管理サーバに対して特装車の車両識別情報を登録可能な携帯端末装置とを備え、
前記携帯端末装置は、
前記制御装置及び前記車両管理サーバと無線通信を行う通信手段と、
前記通信手段を介して無線通信する候補となる特装車の一覧を表示可能な表示手段と、
前記表示手段に前記特装車の一覧を表示させ、前記特装車の一覧の中から選択された特定の特装車の制御装置、及び前記車両管理サーバと前記通信手段を介して無線通信を行い、当該特定の特装車の車両識別情報を前記車両管理サーバに登録可能な演算手段とを有し、
前記演算手段は、
前記車両管理サーバから登録済の特装車の車両識別情報を取得し、当該登録済の特装車の車両識別情報に基づき、未登録の特装車のみを選択して、前記表示手段に前記特装車の一覧として表示する、
ことを特徴とする特装車の管理システム。
【請求項2】
登録された特装車の稼働状況を管理する特装車の管理システムであって、
搭載された作業装置を制御する制御装置を有した特装車と、
登録された特装車を識別するための車両識別情報が記憶された車両管理サーバと、
前記車両管理サーバに対して特装車の車両識別情報を登録可能な携帯端末装置とを備え、
前記携帯端末装置は、
前記制御装置及び前記車両管理サーバと通信可能な通信手段と、
前記通信手段を介して前記制御装置及び前記車両管理サーバと通信し、当該制御装置を有した未登録の特装車の車両識別情報を前記車両管理サーバに登録可能な演算手段とを有し、
前記演算手段は、
前記未登録の特装車が、前記携帯端末装置と前記制御装置との間で連携して実行される特定の機能を有しているか否かの情報を、当該制御装置から取得し、
前記未登録の特装車が前記特定の機能を有していない場合、前記車両管理サーバに対して当該未登録の特装車の識別情報の登録を行わない、
ことを特徴とする特装車の管理システム。
【請求項3】
登録された特装車の稼働状況を管理する特装車の管理システムであって、
搭載された作業装置を制御する制御装置を有した特装車と、
登録された特装車を識別するための車両識別情報が記憶された車両管理サーバと、
前記車両管理サーバに対して特装車の車両識別情報を登録可能な携帯端末装置とを備え、
前記携帯端末装置は、
前記制御装置及び前記車両管理サーバと無線通信を行う通信手段と、
前記通信手段を介して無線通信する候補となる特装車の一覧を表示可能な表示手段と、
前記表示手段に前記特装車の一覧を表示させ、前記特装車の一覧の中から選択された特定の特装車の制御装置、及び前記車両管理サーバと前記通信手段を介して無線通信を行い、当該特定の特装車の車両識別情報を前記車両管理サーバに登録可能な演算手段とを有し、
前記車両管理サーバは、
前記携帯端末装置より、当該携帯端末装置と無線通信可能な前記制御装置を有した特装車の車両識別情報を取得し、
取得した特装車の車両識別情報の中から未登録の特装車のみを選択して再び携帯端末装置に送信し、
前記未登録の特装車の車両識別情報を受信した前記携帯端末装置は、
前記演算手段によって、当該未登録の特装車の車両識別情報を、前記表示手段に前記特装車の一覧として表示する、
ことを特徴とする特装車の管理システム。
【請求項4】
登録された特装車の稼働状況を管理する特装車の管理システムであって、
搭載された作業装置を制御する制御装置を有した特装車と、
登録された特装車を識別するための車両識別情報が記憶された車両管理サーバと、
前記車両管理サーバに対して特装車の車両識別情報を登録可能な携帯端末装置とを備え、
前記携帯端末装置は、
前記制御装置及び前記車両管理サーバと通信可能な通信手段と、
前記通信手段を介して前記制御装置及び前記車両管理サーバと通信し、当該制御装置を有した未登録の特装車の車両識別情報を前記車両管理サーバに登録可能な演算手段とを有し、
前記車両管理サーバは、
前記携帯端末装置を介して、前記未登録の特装車が、前記携帯端末装置と前記制御装置との間で連携して実行される特定の機能を有しているか否かの情報を、当該制御装置から取得し、
前記未登録の特装車が前記特定の機能を有していない場合、当該未登録の特装車の識別情報の登録を行わない、
ことを特徴とする特装車の管理システム。
【請求項5】
前記特装車は、
運搬物である粉粒体を積込み可能なタンクと、
前記タンク内に圧縮空気を供給可能なコンプレッサと、
前記タンクと前記コンプレッサとを連通し、前記コンプレッサより前記タンクに圧縮空気を供給可能な配管とを備える粉粒体運搬車であり、
前記携帯端末装置は、
前記表示手段によって、
前記車両管理サーバに登録された前記特装車における、少なくとも前記タンクの内圧、前記コンプレッサの回転数、及び前記配管の内圧を表示可能である、
ことを特徴とする、請求項1~請求項4の何れか一項に記載の特装車の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特装車の管理システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、予め登録された特装車の稼動情報を取得し、当該稼動情報に基づき特装車の稼働状況を管理するための、特装車の管理システムが知られている(例えば、「特許文献1」を参照)。
上記管理システムは一般的に、登録された特装車の稼動情報等を記憶する特装車管理サーバ(車両管理サーバ)と、当該車両管理サーバより特装車の作業装置における稼動情報を取得して管理する管理者端末装置とを備え、前記車両管理サーバは、各特装車を識別するための識別子(車両識別情報)が記憶された登録車両データ記憶手段と、当該車両識別情報と対応付けて、各々の特装車の作業装置における稼動情報を記憶する稼動データ記憶手段とを有している。
また、上記管理システムは、各特装車に設けられ、且つ当該特装車の作業装置を制御する制御装置と、当該制御装置及び前記車両管理サーバと無線通信可能な携帯装置(携帯端末装置)とを備えている。
【0003】
そして、上記携帯端末装置は、前記制御装置と通信して各特装車の作業装置の稼動情報を取得する。
また、上記携帯端末装置は、前記車両管理サーバと通信し、特装車の登録の有無を照合した後、当該特装車の制御装置から取得した稼動情報を送信する。
【0004】
一方、特装車の作業装置における稼動情報を収集するべく、当該特装車の制御装置に携帯端末装置を無線接続する際の技術として、例えば、携帯端末装置の表示画面において、周囲に存在する無線接続可能な特装車の一覧を表示させ、当該一覧より選択された特装車の制御装置に対して、携帯端末装置を無線接続する技術が知られている(例えば、「特許文献2」を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-190719号公報
【特許文献2】特開2020-127192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した特装車の管理システムにおいて、携帯端末装置を用いて新規の特装車を車両管理サーバに登録する場合、登録する特装車の制御装置に携帯端末装置を無線接続して、当該特装車の車両識別情報を取得し、取得した車両識別情報を車両管理サーバに送信する。
ここで、車両管理サーバに登録する特装車の制御装置に携帯端末装置を無線接続する際、前述した特許文献2に示されるように、周囲に存在する無線接続可能な全ての特装車が、接続候補として携帯端末装置の表示画面に一覧表示される場合、様々な不都合が生じ得ることがあり、特装車の登録作業を行う際の技術については、未だ改善する余地が残されていた。
【0007】
本発明は、以上に示した現状の問題点に鑑みてなされたものであり、登録された特装車の稼働状況を管理する特装車の管理システムであって、未登録の特装車の登録作業を改善することができる特装車の管理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、本発明の態様1に係る特装車の管理システムは、登録された特装車の稼働状況を管理する特装車の管理システムであって、搭載された作業装置を制御する制御装置を有した特装車と、登録された特装車を識別するための車両識別情報が記憶された車両管理サーバと、前記車両管理サーバに対して特装車の車両識別情報を登録可能な携帯端末装置とを備え、前記携帯端末装置は、前記制御装置及び前記車両管理サーバと無線通信を行う通信手段と、前記通信手段を介して無線通信する候補となる特装車の一覧を表示可能な表示手段と、前記表示手段に前記特装車の一覧を表示させ、前記特装車の一覧の中から選択された特定の特装車の制御装置、及び前記車両管理サーバと前記通信手段を介して無線通信を行い、当該特定の特装車の車両識別情報を前記車両管理サーバに登録可能な演算手段とを有し、前記演算手段は、前記車両管理サーバから登録済の特装車の車両識別情報を取得し、当該登録済の特装車の車両識別情報に基づき、未登録の特装車のみを選択して、前記表示手段に前記特装車の一覧として表示することを特徴とする。
このような構成を有することにより、未登録の特装車の車両識別情報を車両管理サーバに登録する際、車両管理サーバにおける登録及び未登録の違いに関らず、携帯端末装置と無線通信可能な制御装置を有した特装車が周囲に複数台存在する場合であっても、予め登録済の特装車を除いた未登録の特装車のみの一覧が表示手段によって表示されるため、誤って登録済の特装車を選択してしまうのを防止することができる。
また、表示手段によって表示される特装車の一覧においては、登録済の特装車が予め除かれているため、リストとして挙がる特装車の台数(選択肢)も少なくなり、車両管理サーバに登録する所望の特装車を、当該特装車の一覧から容易に探し出すことができる。
従って、本発明に係る特装車の管理システムによれば、より容易且つ確実に、未登録の特装車の車両識別情報を車両管理サーバに登録することができる。
【0010】
また、本発明の態様2に係る特装車の管理システムは、登録された特装車の稼働状況を管理する特装車の管理システムであって、搭載された作業装置を制御する制御装置を有した特装車と、登録された特装車を識別するための車両識別情報が記憶された車両管理サーバと、前記車両管理サーバに対して特装車の車両識別情報を登録可能な携帯端末装置とを備え、前記携帯端末装置は、前記制御装置及び前記車両管理サーバと通信可能な通信手段と、前記通信手段を介して前記制御装置及び前記車両管理サーバと通信し、当該制御装置を有した未登録の特装車の車両識別情報を前記車両管理サーバに登録可能な演算手段とを有し、前記演算手段は、前記未登録の特装車が、前記携帯端末装置と前記制御装置との間で連携して実行される特定の機能を有しているか否かの情報を、当該制御装置から取得し、前記未登録の特装車が前記特定の機能を有していない場合、前記車両管理サーバに対して当該未登録の特装車の識別情報の登録を行わないことを特徴とする。
このような構成を有することにより、本発明に係る特装車の管理システムにおいては、携帯端末装置と、特装車が有する制御装置との間で連携して実行される特定の機能が備えられていない特装車については、車両管理サーバに始めから登録されないため、例えば、当該特定の機能を期待して、車両管理サーバに登録された特装車を使用する作業者が、当該特定の機能を利用できずに困惑するようなこともない。
即ち、本発明に係る特装車の管理システムによれば、より容易且つ確実に、特定の機能を有した未登録の特装車の車両識別情報を車両管理サーバに登録することができる。
【0011】
また、本発明の態様3に係る特装車の管理システムは、登録された特装車の稼働状況を管理する特装車の管理システムであって、搭載された作業装置を制御する制御装置を有した特装車と、登録された特装車を識別するための車両識別情報が記憶された車両管理サーバと、前記車両管理サーバに対して特装車の車両識別情報を登録可能な携帯端末装置とを備え、前記携帯端末装置は、前記制御装置及び前記車両管理サーバと無線通信を行う通信手段と、前記通信手段を介して無線通信する候補となる特装車の一覧を表示可能な表示手段と、前記表示手段に前記特装車の一覧を表示させ、前記特装車の一覧の中から選択された特定の特装車の制御装置、及び前記車両管理サーバと前記通信手段を介して無線通信を行い、当該特定の特装車の車両識別情報を前記車両管理サーバに登録可能な演算手段とを有し、前記車両管理サーバは、前記携帯端末装置より、当該携帯端末装置と無線通信可能な前記制御装置を有した特装車の車両識別情報を取得し、取得した特装車の車両識別情報の中から未登録の特装車のみを選択して再び携帯端末装置に送信し、前記未登録の特装車の車両識別情報を受信した前記携帯端末装置は、前記演算手段によって、当該未登録の特装車の車両識別情報を、前記表示手段に前記特装車の一覧として表示することを特徴とする。
このような構成を有することにより、上述した態様1と同様に、未登録の特装車の車両識別情報を車両管理サーバに登録する際、車両管理サーバにおける登録及び未登録の違いに関らず、携帯端末装置と無線通信可能な制御装置を有した特装車が周囲に複数台存在する場合であっても、予め登録済の特装車を除いた未登録の特装車のみの一覧が表示手段によって表示されるため、誤って登録済の特装車を選択してしまうのを防止することができる。
また、表示手段によって表示される特装車の一覧においては、登録済の特装車が予め除かれているため、リストとして挙がる特装車の台数(選択肢)も少なくなり、車両管理サーバに登録する所望の特装車を、当該特装車の一覧から容易に探し出すことができる。
従って、本発明に係る特装車の管理システムによれば、より容易且つ確実に、未登録の特装車の車両識別情報を車両管理サーバに登録することができる。
【0012】
また、本発明の態様4に係る特装車の管理システムは、登録された特装車の稼働状況を管理する特装車の管理システムであって、搭載された作業装置を制御する制御装置を有した特装車と、登録された特装車を識別するための車両識別情報が記憶された車両管理サーバと、前記車両管理サーバに対して特装車の車両識別情報を登録可能な携帯端末装置とを備え、前記携帯端末装置は、前記制御装置及び前記車両管理サーバと通信可能な通信手段と、前記通信手段を介して前記制御装置及び前記車両管理サーバと通信し、当該制御装置を有した未登録の特装車の車両識別情報を前記車両管理サーバに登録可能な演算手段とを有し、前記車両管理サーバは、前記携帯端末装置を介して、前記未登録の特装車が、前記携帯端末装置と前記制御装置との間で連携して実行される特定の機能を有しているか否かの情報を、当該制御装置から取得し、前記未登録の特装車が前記特定の機能を有していない場合、当該未登録の特装車の識別情報の登録を行わないことを特徴とする。
このような構成を有することにより、上述した態様2と同様に、本発明に係る特装車の管理システムにおいては、携帯端末装置と、特装車が有する制御装置との間で連携して実行される特定の機能が備えられていない特装車については、車両管理サーバに始めから登録されないため、例えば、当該特定の機能を期待して、車両管理サーバに登録された特装車を使用する作業者が、当該特定の機能を利用できずに困惑するようなこともない。
即ち、本発明に係る特装車の管理システムによれば、より容易且つ確実に、特定の機能を有した未登録の特装車の車両識別情報を車両管理サーバに登録することができる。
【0013】
また、本発明の態様5に係る特装車の管理システムは、上記態様1~上記態様4の何れかの態様において、前記特装車は、運搬物である粉粒体を積込み可能なタンクと、前記タンク内に圧縮空気を供給可能なコンプレッサと、前記タンクと前記コンプレッサとを連通し、前記コンプレッサより前記タンクに圧縮空気を供給可能な配管とを備える粉粒体運搬車であり、前記携帯端末装置は、前記表示手段によって、前記車両管理サーバに登録された前記特装車における、少なくとも前記タンクの内圧、前記コンプレッサの回転数、及び前記配管の内圧を表示可能であることを特徴とする。
このような構成を有することにより、例えば、タンク、コンプレッサ、及び配管等からなる作業装置を操作するメータパネルが、粉粒体運搬車の前後方向中央部付近に配置されており、当該メータパネルを操作しつつ、粉粒体運搬車の後部付近にて粉粒体の排出作業を行う場合のように、メータパネルに表示されるタンクの内圧、コンプレッサの回転数、及び配管の内圧を確認し難い状況下であっても、携帯端末装置の表示画面によって、これらタンクの内圧、コンプレッサの回転数、及び配管の内圧を容易に確認することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明に係る特装車の管理システムによれば、未登録の特装車をより容易且つ確実に登録できるように、改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る特装車の管理システムの全体的な構成を示したブロック図である。
【
図2】特装車の全体的な構成を示した側面図である。
【
図4】メータパネルを制御する制御装置の構成を示したブロック図である。
【
図5】積込み及び荷卸し作業を実施する際の特装車の状態を示した図であって、(a)は積込み作業を実施する際の特装車の状態を示した側面図であり、(b)は荷卸し作業を実施する際の特装車の状態を示した側面図である。
【
図6】メータパネルのメータ画面が表示された携帯端末装置の表示手段を説明するための図である。
【
図7】特装車の登録作業を行う場合の手順を経時的に示したフローチャートである。
【
図8】特装車の登録作業を行う場合において、登録する特装車と無線接続する際の携帯端末装置における表示手段の画面を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の一実施形態について、
図1乃至
図8を用いて説明する。
なお、以下の説明においては便宜上、
図2及び
図7中に示す矢印の方向によって、特装車1の前後方向、及び上下方向を規定して記述する。
【0017】
[特装車の管理システム101の全体構成]
先ず、本発明を具現化する特装車の管理システム101の全体構成について、
図1及び
図4を用いて説明する。
【0018】
本実施形態における特装車の管理システム101(以下、単に「管理システム101」と記載する)は、予め登録された特装車1(
図2を参照)の稼動情報を取得して、当該稼動情報に基づき特装車1の稼働状況を管理するためのシステムである。
管理システム101は、
図1に示すように、主に、登録された特装車1と、当該特装車1の稼動情報等が記憶された車両管理サーバ102と、当該特装車1の稼働状況を管理するための管理者端末装置103と、車両管理サーバ102に対して新規の特装車1を登録するとともに、登録された特装車1の稼動情報を当該車両管理サーバ102に送信する携帯端末装置104とを備える。
【0019】
なお、上記特装車1の構成の詳細については、後述する。
【0020】
車両管理サーバ102は、ROM(Read Only Memory)・RAM(Random Access Memory)・HDD(Hard Disk Drive)等からなる、登録車両データ記憶手段102a及び稼動データ記憶手段102b等を有している。
【0021】
登録車両データ記憶手段102aには、登録された1または2以上の特装車1を各々識別するための識別子(車両識別情報)が記憶されている。当該車両識別情報については、例えば、各特装車1に対して個別に付与された製造番号を採用することができる。
また、稼動データ記憶手段102bには、上記車両識別情報に対応付けて、各特装車1に搭載された作業装置8(
図2を参照)の稼動情報が記憶されている。当該稼動情報については、例えば、作業装置8の稼働時間や稼動回数(具体的には、後述するPTO7の稼働時間、及び粉粒体の積込み回数や排出回数など)の他、車両の登録番号、車両の型式、及び次回の車検日などを採用することができる。
【0022】
なお、稼動データ記憶手段102bに記憶される稼動情報は、携帯端末装置104による無線通信によって送られてくる。
【0023】
管理者端末装置103は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により構成される演算手段103aや、ROM(Read Only Memory)・RAM(Random Access Memory)・HDD(Hard Disk Drive)等からなる記憶手段103bや、モニター等からなる表示手段103cなどを有したパーソナルコンピュータによって構成されている。
また、記憶手段103bには、登録された特装車1の管理状況を管理するためのプログラム等が予め格納されている。
【0024】
そして、管理者端末装置103は、インターネットWを介して、車両管理サーバ102と無線接続可能に構成されており、管理者は、管理者端末装置103を用いて、当該車両管理サーバ102に記憶されている特装車1の稼動情報を無線通信によって取得し、取得した稼動情報に基づき、特装車1の稼動状況を管理する。
【0025】
なお、管理者端末装置103は、本実施形態のように、インターネットWを介して車両管理サーバ102と無線接続可能とする構成に限定されるものではなく、例えば、LANケーブル等を介して車両管理サーバ102と有線接続可能とする構成であってもよい。
【0026】
携帯端末装置104は、例えば本実施形態においては、スマートフォンによって構成されており、インターネットWを介して車両管理サーバ102と無線接続可能に構成されるとともに、後述するように、近距離無線通信(NFC)によって、各特装車1に搭載された制御装置96と各々無線接続可能に構成されている。
【0027】
なお、携帯端末装置104の構成については、本実施形態に限定されるものではなく、例えば、携帯電話や、タブレット式のコンピュータや、ノート型のコンピュータなど、他の汎用的な携帯式の端末装置によって構成されていてもよい。
【0028】
携帯端末装置104は、
図4に示すように、車両管理サーバ102及び制御装置96と無線通信を行う通信手段104aと、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等からなり、文字、図形、及び/または画像等を表示する表示手段104bと、CPU(Central Processing Unit)により構成される演算手段104cと、ROM(Read Only Memory)・RAM(Random Access Memory)・HDD(Hard Disk Drive)等からなる記憶手段104dとを有している。
【0029】
携帯端末装置104には、所定のアプリケーションプログラムが予めダウンロードしてインストールされており、記憶手段104dに格納されている。
そして、携帯端末装置104は、記憶手段104dより上記プログラムを読み出して、演算手段104cによって所定の演算処理を実行することにより、車両管理サーバ102に対して新規の特装車1の車両識別情報を登録するとともに、登録された特装車1の稼動情報を当該車両管理サーバ102に送信する。
また、携帯端末装置104は、上記プログラムに基づき所定の演算処理を実行することにより、制御装置96と連携して後述する誤納品防止システムを実行するとともに、稼働中の作業装置8の状態(具体的には、後述するタンク4の内圧、コンプレッサ5の回転数、及びコンプレッサ配管6の内圧)を表示手段104bによって表示する。
【0030】
以上のような構成からなる管理システム101において、作業者は、周囲に存在する複数の特装車1・1・・・のうち、所望の特装車1に搭載された制御装置96に携帯端末装置104を無線接続して当該特装車1を稼働させ、所定作業(本実施形態においては、後述するように、粉粒体運搬車による粉粒体の積込み作業及び荷卸し作業)を実施する。
ここで、上記所望の特装車1が、管理システム101に未登録であった場合、作業者は、後述する登録手順(
図5を参照)に従い、当該特装車1の車両識別情報を管理システム101に一旦登録した後、当該特装車1を稼働させ、上記所定作業を実施する。
【0031】
そして、作業者は、携帯端末装置104を用いて、上記特装車1の稼動情報を制御装置96から取得し、取得した稼動情報を車両管理サーバ102に送信する。
また、携帯端末装置104より稼動情報を取得した車両管理サーバ102は、当該稼動情報を稼動データ記憶手段102b(
図1を参照)に記憶する。
【0032】
[特装車1の全体構成]
次に、前述した管理システム101を用いて稼働状況を管理する、特装車1の全体構成について、
図2及び
図4を用いて説明する。
【0033】
本実施形態における特装車1は、例えば、特殊な運搬物である粉粒体を運搬する粉粒体運搬車であって、積込み側のサイロS1(
図7(a)を参照)より粉粒体を積み込んで運搬し、荷卸し側のサイロS2(
図7(b)を参照)に当該粉粒体を排出して荷卸しする作業車両である。
【0034】
ここで、特装車1によって運搬される粉粒体としては、例えば、バラセメントや炭酸カルシウムや石灰等の鉱産物、ポリ塩化ビニルやポリプロピレン等の樹脂ペレット、或いは、砂糖や小麦粉等の食品原料などのような、粉状または細かい粒状のものを挙げることができる。
本実施形態における特装車1は、例えばバラセメントのような、複数の種類が存在する鉱産物を、運搬物である粉粒体とするものである。
【0035】
なお、特装車1の構成については、本実施形態に限定されるものではなく、例えば、タンクローリ、塵芥車、荷受台昇降装置付き車両、コンクリートポンプ車、脱着ボディ車、または車両運搬車等、何れのものであってもよい。
【0036】
図2において、特装車1は、主に、進行方向(本実施形態においては、前後方向)に延びる車体2と、走行用駆動源であるエンジン3(
図4を参照)と、車体2の上面に搭載され、運搬物である粉粒体を積込み可能(収容可能)なタンク4と、タンク4内に圧縮空気を供給可能なコンプレッサ5と、タンク4とコンプレッサ5とを連通し、コンプレッサ5よりタンク4に圧縮空気を供給可能なコンプレッサ配管6と、コンプレッサ5に対してエンジン3の駆動力を伝達及び遮断可能なPTO7(
図4を参照)とを備える。
なお、上記コンプレッサ配管6は、本発明に係る配管の一例である。
【0037】
タンク4及びコンプレッサ5は、特装車1に搭載された架装物(作業装置8)を構成し、エンジン3の駆動力によってコンプレッサ5が駆動されることにより稼働される。
また、PTO7は、
図4に示すように、エンジン3とコンプレッサ5とを連結する駆動連結機構部(図示せず)の間に設けられ、コンプレッサ5にエンジン3の駆動力を伝達する伝達状態と、コンプレッサ5へのエンジン3の駆動力の伝達を遮断する遮断状態とを切替え可能に構成されている。
【0038】
そして、
図2に示すように、特装車1には、搭載された作業装置8の状態(タンク4の内圧、コンプレッサ5の回転数、及びコンプレッサ配管6の内圧)などを表示するとともに、当該作業装置8を制御する制御装置76が内装されたメータパネル9が備えられており、当該メータパネル9は、車体2の上面の側方に配置されている。
なお、メータパネル9の構成の詳細については、後述する。
【0039】
タンク4は、前後方向に延びる略中空円筒形状のタンク本体41、タンク本体41の上部において前後方向に離間して固設される複数(本実施形態においては3個)のマンホール形成筒42・42・42、及びタンク本体41の後端下部に設けられる円環状の排出口形成体43などを備える。
また、排出口形成体43の内周側には、タンク本体41の内側と外側とを連通する排出口(図示せず)が設けられており、タンク4は、当該排出口を開閉可能な略円錐テーパ状のハッチ44などを備えている。
【0040】
そして、ハッチ44の突出端部には、排出管45が後方に延びるようにして接続されており、当該ハッチ44の内部空間を介して、排出管45は、上記排出口と連通されている。つまり、排出管45は、タンク本体41の内部と連通されている。
【0041】
各マンホール形成筒42は、その内周部を介して、タンク本体41内への粉粒体の投入や、当該タンク本体41のメンテナンスを行うためのマンホールを構成するとともに、マンホール蓋46によって適宜開閉可能な構成となっている。
【0042】
排出管45は、ハッチ44とともに、剛性の高い鋼材によって形成されている。
排出管45の一端部(ハッチ44側の端部)には、例えばバタフライ弁等からなる開閉弁47が設けられており、タンク本体41の外部において、付属の操作レバー47aを用いて、開閉弁47の開閉操作を適宜実行可能な構成となっている。
【0043】
そして、排出管45は、例えば特装車1が走行状態である平常時においては、開閉弁47が閉弁状態に操作されて閉塞される。
また、排出管45は、タンク本体41から粉粒体を排出する排出時においては、開閉弁47が開弁状態に操作されて開放される。
【0044】
なお、上記排出時において、排出管45の他端部(ハッチ44側との反対側の端部)には、例えばデリバリーホースからなる排出ホース10の一端部が着脱可能に接続されるとともに、当該排出ホース10の他端部は、荷卸し側のサイロS2に接続される。
【0045】
車体2の後端部には、軸方向を水平方向(本実施形態においては、左右方向)とするタンク用回動支軸21が設けられており、タンク本体41は、後端部における、ハッチ44に対して前側且つ下側において、当該タンク用回動支軸21を中心にして、後斜め上方に向かって傾動、即ちダンプするように、車体2と揺動可能に連結されている。
【0046】
また、車体2の前端部において、当該車体2の上面と、タンク本体41の前端部との間には、例えばテレスコ(登録商標)ピック式のリフトシリンダからなる傾動用アクチュエータ11が介装されており、当該傾動用アクチュエータ11が伸長することにより、タンク本体41が後斜め上方に向かって傾動(ダンプ)するように構成されている。
なお、車体2の適所には、傾動用アクチュエータ11に対して作動油圧を適宜供給可能な、油圧ポンプを含む油圧供給系(図示せず)が搭載されている。
【0047】
さらに、車体2の適所(本実施形態においては、車体2の前後方向中途部、且つ下部)には、タンク本体41の内部、及び排出管45の内部に圧縮空気を各々供給する、コンプレッサ5が搭載される。
また、コンプレッサ5と、タンク本体41及び排出管45とは、コンプレッサ5から後方に向かって延びるコンプレッサ配管6、並びに、当該コンプレッサ配管6の下流側(即ち、圧縮空気の流動方向の下流側)に設けられるエゼクタ配管52及びエア配管53によって連通されており、上記コンプレッサ配管6は、図示せぬ支持部材等を介して、車体2より支持されている。
【0048】
具体的には、コンプレッサ配管6は、下流側の端部において二股に分岐しており、一方の分岐部(以下、「第1分岐部6a」と記載する)が、エゼクタ配管52の上流側(即ち、圧縮空気の流動方向の上流側)の端部と接続されるとともに、他方の分岐部(以下、「第2分岐部6b」と記載する)が、エア配管53の上流側の端部と接続されている。
【0049】
そして、エゼクタ配管52の下流側の端部は、排出管45と接続されるとともに、エア配管53の下流側の端部は、タンク本体41と接続される。
これにより、コンプレッサ5と、タンク本体41及び排出管45とは、コンプレッサ配管6、エゼクタ配管52、及びエア配管53によって、圧縮空気を供給可能に連通される。
即ち、コンプレッサ配管6は、エア配管53とともに、タンク4とコンプレッサ5とを連通し、当該コンプレッサ5よりタンク4に圧縮空気を供給可能である。
【0050】
なお、エゼクタ配管52の上流側には、コンプレッサ配管6から当該エゼクタ配管52の下流側へと向かう、圧縮空気の流動のみを許容する第1チェック弁54が、設けられている。
また、エア配管53の上流側には、コンプレッサ配管6から当該エア配管53の下流側へと向かう、圧縮空気の流動のみを許容する第2チェック弁55が、設けられている。
【0051】
排出口形成体43の上端部には、軸方向を水平方向(本実施形態においては、左右方向)とするハッチ用回動支軸48が設けられており、ハッチ44は、当該ハッチ用回動支軸48を介して、排出口形成体43と揺動可能に連結されるとともに、ハッチ用回動支軸48を中心として後斜め上方に向かって揺動することにより、排出口形成体43の内周側に設けられる、図示せぬ排出口を開放可能な構成となっている。
【0052】
また、排出口形成体43の周縁部には、複数のクランプ手段(図示せず)が各々等間隔に離間して配置されており、ハッチ44は、これらのクランプ手段によって、排出口形成体43に保持されることにより、上記排出口を確実に閉塞可能な構成となっている。
なお、上記のクランプ手段としては、例えば、粉粒体運搬車のハッチを保持するのに一般的に用いられる、従来周知のワンタッチ式のクランプ手段などを採用することができる。
【0053】
上記のハッチ用回動支軸48は、排出口形成体43の側端部(右端部または左端部)、或いは下端部等に設けられていてもよく、ハッチ44は、ハッチ用回動支軸48を中心として側方(右側または左側)、或いは後斜め下方に向かって揺動することにより、上記排出口を開放可能な構成としてもよい。
また、ハッチ44は、上記のクランプ手段やハッチ用回動支軸48を有すことなく、例えば複数のボルト等からなる締結部材を介して、排出口形成体43に対して着脱可能に、固定される構成としてもよい。
【0054】
エゼクタ配管52は、下流側に向かって圧縮空気を流動させ、排出管45内に当該圧縮空気を噴射することにより、当該排出管45からの粉粒体の排出作業を、助勢、及び促進させるものであり、その下流側の端部が、排出管45側に向って傾斜し、当該排出管45の周壁に挿入されることにより、排出管45の内部と連通する連通孔(図示せず)を形成する。
【0055】
なお、エゼクタ配管52は、図示しないが、可撓性を有するホース部材からなる中間配管部、並びに当該中間配管部の上流側の端部と接続される上流側配管部、及び下流側の端部と接続される下流側配管部などにより構成され、当該上流側配管部を介して、コンプレッサ配管6の第1分岐部6aと接続されるとともに、当該下流側配管部を介して、排出管45と接続される。
また、上記の上流側配管及び下流側配管は、剛性の高い鋼材によって形成されており、例えば、ワンタッチ操作でロック及びロック解除が可能な従来周知のカップリングからなるジョイント部材(図示せぬ)によって、上記の中間部材と着脱可能に接続される。
【0056】
一方、エア配管53は、下流側の端部が、タンク本体41の後端部の下部側に向って傾斜し、当該タンク本体41の周壁に挿入されることにより、タンク本体41の内部と連通する連通孔(図示せず)を形成するとともに、当該タンク本体41に固定(例えば溶接)される。
【0057】
ここで、タンク本体41の内部において、その内側壁下部には、エア配管53から流入された圧縮空気をタンク本体41内の前側へと導くための第1空気通路41aが、前後方向に長く伸びる扁平な空間部として画設されている。
また、タンク本体41の底部には、第1空気通路41aの側壁41a1によって支持されるようにして、通気性を有する板状のキャンバス41bが、略水平姿勢の状態で架設されている。
【0058】
そして、上記キャンバス41bと、タンク本体41の底面との間には、第2空気通路41cが、前後方向に長く延びる扁平な空間部として画設されており、第1空気通路41aと第2空気通路41cとは、側壁41a1の前部に設けられた複数の貫通孔41a2・41a2・・・を介して、互いに連通されている。
【0059】
このような内部構成からなるタンク本体41において、コンプレッサ配管6及びエア配管53を介して、コンプレッサ5から当該タンク本体41の後端部に圧縮空気が供給されると、供給された圧縮空気は、第1空気通路41a内を流動してタンク本体41の前側へと導かれ、複数の貫通孔41a2・41a2・・・を介して、第2空気通路41c内に流入された後、再び第2空気通路41c内を流動してタンク本体41の後側へと導かれるとともに、キャンバス41bの略全面を通して、タンク本体41内にて上方に向かって噴出される。
これにより、キャンバス41bを通して吹き上がり噴出する圧縮空気によって、タンク本体41の内部は加圧されることとなり、タンク本体41内に貯溜された粉粒体を排出管45側へ排出する際において、キャンバス41b上に存在する当該粉粒体の、タンク本体41の後方側へのスライド流動が助勢、及び促進され、排出管45側に向って粉粒体を効率よく排出できるようになっている。
【0060】
なお、上記のエゼクタ配管52と同様に、エア配管53は、図示しないが、可撓性を有するホース部材からなる中間配管部、並びに当該中間配管部の上流側の端部と接続される上流側配管部、及び下流側の端部と接続される下流側配管部などにより構成され、当該上流側配管部を介して、コンプレッサ配管6の第2分岐部6bと接続されるとともに、当該下流側配管部を介して、タンク本体41の後端部の下部側と接続される。
また、上記の上流側配管及び下流側配管は、剛性の高い鋼材によって形成されており、例えば、ワンタッチ操作でロック及びロック解除が可能な従来周知のカップリングからなるジョイント部材(図示せぬ)によって、上記の中間部材と着脱可能に接続される。
【0061】
[メータパネル9の構成]
次に、メータパネル9の構成について、
図3乃至
図6を用いて説明する。
メータパネル9は、特装車1(
図2を参照)において、タンク4及びコンプレッサ5によって構成される作業装置8を操作する際に用いられるものであり、当該作業装置8の状態(タンク4の内圧、コンプレッサ5の回転数、及びコンプレッサ配管6の内圧)などを表示するとともに、当該作業装置8の動作を制御する。
また、メータパネル9は、コンプレッサ5の回転数の上限値及び下限値のうち、少なくとも一方を設定する際に用いられるものである。
【0062】
メータパネル9は、例えば
図3に示すように、表示画面である液晶画面91と、当該液晶画面91の側方において上から順に配置されるメインスイッチ92、回転数調整スイッチ93、画面切り替えスイッチ94、及び確認スイッチ95と、メータパネル9の作動を制御する制御装置96(
図4を参照)などを備える。
【0063】
液晶画面91は、画面切り替えスイッチ94によってメータ画面に切替えられることにより、作業装置8の状態、即ちタンク本体41内の圧力計の計測値(内圧)、コンプレッサ配管6内の圧力計の測定値(内圧)、及びエンジン3(
図4を参照)の駆動力によって駆動されるコンプレッサ5の回転数を表示する。
また、液晶画面91は、画面切り替えスイッチ94によってメンテナンス画面に切替えられることにより、コンプレッサ5の通算稼働時間、本日のコンプレッサ5の稼働時間、コンプレッサ5の温度、及びエラー表示やエラー履歴などを表示する。
【0064】
なお、後述するように、液晶画面91に表示される上記作業装置8の状態(タンク4の内圧、コンプレッサ5の回転数、及びコンプレッサ配管6の内圧)については、前述した携帯端末装置104の表示手段104b(
図4を参照)によっても表示可能である。
【0065】
メインスイッチ92は、上側または下側に操作レバーを傾倒すことによりON状態またはOFF状態に切替わるとともに、当該状態を維持する、オルタネイト動作型のトグルスイッチによって構成されている。
【0066】
本実施形態においては、メインスイッチ92の操作レバーを上側に傾倒すると、回転数調整スイッチ93を用いてコンプレッサ5の回転数を調整可能な状態(ON状態)に切替わるとともに、その後、次の操作(操作レバーを下側に傾倒する操作)が行われるまで、当該状態を維持する。
また、メインスイッチ92の操作レバーを下側に傾倒すると、回転数調整スイッチ93を用いてコンプレッサ5の回転数を調整不可能な状態(OFF状態)に切替わるとともに、その後、次の操作(操作レバーを上側に傾倒する操作)が行われるまで、当該状態を維持する。
【0067】
回転数調整スイッチ93は、非操作時においては、水平姿勢となるニュートラル位置にて付勢された状態(OFF状態)に、操作レバーが常に復帰するようになっており、操作時においては、上側または下側に操作レバーを傾倒している間に限り、コンプレッサ5の回転数を調整するON状態に切替わる、モーメンタリ動作型のトグルスイッチによって構成されている。
【0068】
本実施形態においては、回転数調整スイッチ93の操作レバーを上側に傾倒すると、コンプレッサ5の回転数が増加する。
また、回転数調整スイッチ93の操作レバーを下側に傾倒すると、コンプレッサ5の回転数が減少する。
なお、コンプレッサ5の回転数を、連続して大幅に変更する(増加させる、または減少させる)場合には、操作レバーを上側または下側に傾倒させた状態を保持することで、行うことができる。
【0069】
画面切り替えスイッチ94は、非操作時においては、水平姿勢となるニュートラル位置にて付勢された状態(OFF状態)に、操作レバーが常に復帰するようになっており、操作時においては、上側に操作レバーを傾倒することにより、液晶画面91の表示内容を切替えるON状態となる、モーメンタリ動作型のトグルスイッチによって構成されている。
【0070】
本実施形態においては、画面切り替えスイッチ94の操作レバーを上側に傾倒する度に、作業装置8の状態(タンク本体41やコンプレッサ配管6の内部の圧力、及びコンプレッサ5の回転数など)を表示するメータ画面と、コンプレッサ5の回転数を調整する際に表示されるメンテナンス画面とに、表示画面が交互に切替わる。
【0071】
確認スイッチ95は、非操作時においては、下側に傾倒した姿勢となるニュートラル位置にて付勢された状態(OFF状態)に、操作レバーが常に復帰するようになっており、操作時においては、上側に操作レバーを傾倒してオン操作することにより、液晶画面91を点灯させるON状態となる、モーメンタリ動作型のトグルスイッチによって構成されている。
【0072】
本実施形態においては、例えば、タンク4に粉粒体を投入する積込み作業時や、特装車1のメンテナンス作業時などのように、エンジン3の駆動が停止している場合、確認スイッチ95の操作レバーを上側に傾倒することにより液晶画面91を点灯させ、その後、所定時間の経過を待って当該液晶画面91を消灯するようになっている。
また、上記所定時間の経過を待たずに、一旦ニュートラル位置に復帰した操作レバーを再び上側に傾倒すると、液晶画面91を強制的に消灯するようになっている。
【0073】
一方、例えば、タンク4より粉粒体を排出する荷受け作業時などのように、エンジン3が駆動しており、後述するPTOスイッチ13(
図4を参照)がオン操作されている場合には、確認スイッチ95の操作レバーがニュートラル位置に復帰した後においても、上記所定時間の経過に関わらず、継続して液晶画面91を点灯させるようになっている。
また、例えば特装車1の走行時などのように、エンジン3が駆動しており、PTOスイッチ13がオフ操作されている場合には、確認スイッチ95の操作レバーを上側に傾倒している間に限り、液晶画面91を継続して点灯させるようになっている。
【0074】
なお、本実施形態における確認スイッチ95は、モーメンタリ動作型のトグルスイッチにより構成されているが、これに限定されることはなく、例えば、オルタネイト動作型のトグルスイッチにより構成されていてもよい。
【0075】
制御装置96は、メータパネル9の作動を制御するCPU(Central Processing Unit)として機能するものである。
また、制御装置96は、メータパネル9になされた各種操作に基づき、特装車1に搭載された作業装置8の稼働を制御する。
さらに、制御装置96は、前述したように、近距離無線通信(NFC)によって、携帯端末装置104と無線接続可能に構成されており、作業装置8の稼動情報を当該携帯端末装置104に送信する。
【0076】
なお、制御装置96と携帯端末装置104との間の通信については、例えば、LPWA(Low Power Wire Area)、Bluetooth(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)等、様々な通信規格を採用することができる。
【0077】
制御装置96は、
図4に示すように、上述した液晶画面91、メインスイッチ92、回転数調整スイッチ93、画面切り替えスイッチ94、及び確認スイッチ95と電気的に接続されている。
また、制御装置96は、ワイヤハーネス97(
図3を参照)等を介して、メータパネル9の外部に配置されるキースイッチ12、PTOスイッチ13、及び供給電源(図示せず)と電気的に接続されている。
【0078】
ここで、キースイッチ12は、エンジン3が駆動状態となるON状態と、エンジン3が停止状態となるOFF状態とを切替え操作するためのスイッチである。
キースイッチ12は、一般的に、エンジン3が停止状態であり、且つ運転席内の電装機器が非通電状態である停止モード、エンジン3が停止状態であり、且つ運転席内の電装機器が通電状態であるアクセサリーモード、及びエンジン3が駆動状態であり、且つ運転席内の電装機器が通電状態である運転モードからなる3種類のモードに切替え可能である。
【0079】
なお、本実施形態において、「エンジン3がON状態に切替わる」とは、「エンジン3が運転モードに切替わる」ことを意味し、「エンジン3がOFF状態に切替わる」とは、「エンジン3が停止モード、またはアクセサリーモードに切替わる」ことを意味する。
【0080】
また、PTOスイッチ13は、オン操作することにより、PTO7の状態を、エンジン3の駆動力をコンプレッサ5に伝達する伝達状態に切替え、またオフ操作することにより、コンプレッサ5への当該駆動力の伝達を遮断する遮断状態に切替えることを可能とするスイッチである。
【0081】
さらに、供給電源(図示せず)は、特装車1に搭載されるバッテリであって、確認スイッチ95等を介して、制御装置96と電気的に接続されるとともに、当該制御装置96を介して、液晶画面91に電力を供給する。
【0082】
そして、制御装置96は、所定の各種プログラムが予め格納された記憶部96aと、当該記憶部96aから所定のプログラムを読み出して各種演算処理を実行する演算部96bとを備えており、キースイッチ12、PTOスイッチ13、及び各種スイッチ92~95を操作することにより入力される指示信号(電気信号)に基づき、メータパネル9に所定の作動を実行させて、特装車1に搭載された作業装置8の稼働を制御する。
また、制御装置96は、作業装置8が稼働するのに応じて、当該作業装置8の稼動情報を携帯端末装置104に送信する。
【0083】
ところで、制御装置96の記憶部96aに記憶される上記所定の各種プログラムにおいて、作業装置8の稼働を制御するためのプログラムについては、誤納品防止システムの実行に対応した新たなバージョンのプログラムと、当該システムの実行に対応していない従来のバージョンのプログラムとが混在しており、各特装車1に搭載されたメータパネル9の制御装置96(より具体的には、記憶部96a)には、何れか一方のバージョンのプログラムが格納されている。
【0084】
ここで、上記誤納品防止システムは、携帯端末装置104と制御装置96との間で連携して実行される特定の機能であって、ある種類の粉粒体が貯溜されている積込み側のサイロS1内より、当該粉粒体をタンク4内に積み込んで運搬し、その後、別の種類の粉粒体が貯溜されている荷卸し側のサイロS2内に誤って荷卸しする、いわゆる誤納品を防止するための機能である。
【0085】
具体的には、
図5(a)に示すように、積込み側のサイロS1には、積込み側QRコード(登録商標)Q1が予め配置されており、当該積込み側QRコード(登録商標)Q1には、サイロS1に貯溜された粉粒体の種別情報が記憶されている。
そして、作業者は、携帯端末装置104を用いて積込み側QRコード(登録商標)Q1を読み込み、取得した種別情報(以下、適宜「積込み側種別情報」と記載)を制御装置96に送信して記憶部96a(
図4を参照)に一時的に記憶させた後、積込み側のサイロS1からタンク4内に粉粒体を積み込む。
【0086】
一方、
図5(b)に示すように、荷卸し側のサイロS2には、荷卸し側QRコード(登録商標)Q2が予め配置されており、当該荷卸し側QRコード(登録商標)Q2には、サイロS2に貯溜され得る粉粒体の種別情報が記憶されている。
そして、作業者は、携帯端末装置104を用いて荷卸し側QRコード(登録商標)Q2を読み込み、取得した種別情報(以下、適宜「荷卸し側種別情報」と記載)を制御装置96に送信する。
【0087】
携帯端末装置104より荷卸し側種別情報を受信した制御装置96は、一時的に記憶していた積込み側種別情報を読み出し、当該積込み側種別情報と荷卸し側種別情報との間で、粉粒体の種別が一致するか否かを判断する。
その結果、一致する場合には、回転数調整スイッチ93による操作によって、コンプレッサ5の回転数を所望の回転数まで上昇させることを許可して、タンク4に積み込まれた粉粒体をサイロS2に排出するのを可能とする。
また、一致しない場合には、回転数調整スイッチ93による操作によって、コンプレッサ5の回転数が所望の回転数まで上昇するのを禁止し、所定の設定圧力からなる圧縮空気によって、タンク4に積み込まれた粉粒体をサイロS2に排出するのを不能とする。
【0088】
なお、上述した誤納品防止システムは、携帯端末装置104と制御装置96との間で連携して実行される特定の機能の一例であって、これに限定されるものではない。
例えば、携帯端末装置104による無線通信によって制御装置96を操作して、作業装置8を稼働させるシステムや、携帯端末装置104からの指示信号に基づき、制御装置96によって特装車1におけるセンサ系統の異常の有無を車両側にて診断し、当該診断結果を再び携帯端末装置104に送信する診断システムなど、何れのような特定の機能であってもよい。
【0089】
また、上記所定の各種プログラムにおいて、上述した誤納品防止システムの実行に対応済、または未対応の違いに関らず、本実施形態においては、制御装置96に携帯端末装置104を無線接続した状態において、液晶画面91に表示される画面の一つである上記メータ画面と略同等の画面を、当該携帯端末装置104の表示手段104b(
図4を参照)に表示可能となっている。
【0090】
具体的には、
図6に示すように、携帯端末装置104は、制御装置96と無線接続された状態において、表示手段104bによって表示される画面を適宜選択することにより、例えば、特装車1の製造番号L1、当該特装車1に搭載された作業装置8による作業時間L2、及び当該作業装置8のコンプレッサ回転数L3を表示するとともに、作業装置8におけるタンク4の内圧M1、コンプレッサ5の回転数M2、及びコンプレッサ配管6の内圧M3を表示する。
【0091】
なお、液晶画面91(
図3を参照)における上記メータ画面と同様に、タンク4の内圧M1、及びコンプレッサ配管6の内圧M3については、回転メータを模したアニメーション図形、及び数値によって表示され、コンプレッサ5の回転数M2については、デジタルメータを模したアニメーション図形によって表示される。
【0092】
このように、本実施形態において、携帯端末装置104は、表示手段104bによって、車両管理サーバ102(
図1を参照)に登録された特装車1における、少なくともタンク4の内圧M1、コンプレッサ5の回転数M2、及びコンプレッサ配管6の内圧M3を表示可能に構成されている。
【0093】
このような構成を有することにより、例えば、タンク4、コンプレッサ5、及びコンプレッサ配管6等からなる作業装置8を操作するメータパネル9が、特装車1の前後方向中央部付近に配置されており、当該メータパネル9を操作しつつ、特装車1の後部付近にて粉粒体の排出作業を行う場合のように、メータパネル9の液晶画面91に表示されるタンク4の内圧、コンプレッサ5の回転数、及びコンプレッサ配管6の内圧を確認し難い状況下であっても、携帯端末装置104の表示手段104bによって、これらタンク4の内圧、コンプレッサ5の回転数、及びコンプレッサ配管6の内圧を容易に確認することができる。
【0094】
なお、本実施形態においては、メータパネル9の液晶画面91によってデジタル表示される上記メータ画面に基づき、タンク4の内圧M1、コンプレッサ5の回転数M2、及びコンプレッサ配管6の内圧M3を、携帯端末装置104の表示手段104bに表示することとしているが、これに限定されるものではない。
例えば、各種のアナログメータによる測定値に基づき、タンク4の内圧M1、コンプレッサ5の回転数M2、及びコンプレッサ配管6の内圧M3を、携帯端末装置104の表示手段104bに表示することとしてもよい。
この場合、各種のアナログメータの測定値を、携帯端末装置104の表示手段104bに表示する際は、各々の測定値を受信した後に、当該測定値をデフォルメ化して表示することとしてもよい。
【0095】
また、携帯端末装置104においては、特装車1に搭載された作業装置8を遠隔操作可能とする機能を、さらに備えることとしてもよい。
この場合、表示手段104bに表示されたタンク4の内圧M1、コンプレッサ5の回転数M2、及びコンプレッサ配管6の内圧M3を視認しながら、特装車1の後部付近にて粉粒体の排出作業を行うことができる。
【0096】
[特装車1の登録手順]
次に、前述した管理システム101において、新規の特装車1の車両識別情報を車両管理サーバ102に登録する登録作業を行う場合の手順について、
図4、
図7、及び
図8を用いて説明する。
【0097】
図4及び
図7において、先ず始めに、作業者は、携帯端末装置104にインストールされた所定のプログラムを起動し、表示手段104bに表示された複数のメニューの中から、特装車1を登録するための車両登録メニューを選択する(ステップS01)。
【0098】
車両登録メニューが選択されると、演算手段104cは、直ちに車両管理サーバ102との無線通信を実行し、当該車両管理サーバ102に登録されている全ての特装車1の車両識別情報(以下、適宜「登録済車両識別情報」と記載)を取得する(ステップS02)。
また、演算手段104cは、作業者の周囲に存在し、携帯端末装置104と無線通信可能な制御装置96を備える、全ての特装車1の車両識別情報(以下、適宜「接続可能車両識別情報」と記載)を把握する(ステップS03)。
【0099】
そして、演算手段104cは、上述した登録済車両識別情報と接続可能車両識別情報との間で比較演算を実行し、接続可能車両識別情報から登録済車両識別情報を除いた、特装車1の車両識別情報(以下、適宜「未登録車両識別情報」と記載)の一覧を、表示手段104bに表示させる(ステップS04)。
換言すると、携帯端末装置104の表示手段104bは、通信手段104aを介して無線通信する候補となる特装車1の一覧を表示可能であり、演算手段104cは、登録済の特装車1の車両識別情報(登録済車両識別情報)に基づき、未登録の特装車1のみを選択して、表示手段104bに特装車1の一覧として表示する。
【0100】
具体的には、
図8に示すように、例えば、携帯端末装置104を操作する作業者の周囲において、当該携帯端末装置104と無線通信可能な制御装置96(
図4を参照)を備える、未登録の2台の特装車1A・1Bと、登録済の2台の特装車1C・1Dとが存在している場合、携帯端末装置104の表示手段104bには、特装車1Aの車両識別情報である「登録番号:神戸123あ456、製造番号:12J345678N」、及び特装車1Bの車両識別情報である「登録番号:神戸345あ678、製造番号:12J456789N」のみが表示される。
【0101】
図4及び
図7において、未登録車両識別情報の一覧が表示手段104bに表示されると、演算手段104cは、当該一覧の中から登録する特装車1が選択されたか否かを判断する(ステップS05)。
【0102】
その結果、登録する特装車が未だ選択されていないと判断した場合(NO判定)、演算手段104cは、再び上記ステップS05を繰り返す。
【0103】
一方、登録する特装車1が選択されたと判断した場合(YES判定)、演算手段104cは、当該特装車1に備えられた制御装置96との無線接続を開始する(ステップS06)。
【0104】
制御装置96との無線接続を開始すると、演算手段104cは、直ちに、当該制御装置96の記憶部96aに記憶される所定の各種プログラムのバージョン情報、即ち、前述した特定の機能(本実施形態においては、誤納品防止システム)を有しているか否かの情報を、制御装置96から取得する(ステップS07)。
【0105】
その後、演算手段104cは、取得した所定の各種プログラムのバージョン情報に基づき、登録する特装車1が、上記特定の機能を有しているか否かを判断する(ステップS08)。
【0106】
その結果、登録する特装車1が、上記特定の機能を有していないと判断した場合(NO判定)、演算手段104cは、「登録不可」の旨を表示手段104bに表示し(ステップS09)、車両管理サーバ102に対して当該特装車1の識別情報の登録を行うことなく、新規の特装車1の登録作業を終了する。
【0107】
一方、登録する特装車1が、上記特定の機能を有していると判断した場合(YES判定)、演算手段104cは、当該特装車1の選択を確定するための車両登録ボタン(図示せず)を表示手段104bに表示し、当該特装車1の選択が確定したか否かを判断する(ステップS10)。
【0108】
その結果、上記車両登録ボタンが未だクリックされておらず、特装車1の選択が確定していないと判断した場合(NO判定)、演算手段104cは、再び上記ステップS10を繰り返す。
【0109】
一方、上記車両登録ボタンがクリックされ、特装車1の選択が確定していると判断した場合(YES判定)、演算手段104cは、上記未登録車両識別情報の一覧の中から選択された特定の特装車1(即ち、登録する特装車1)の制御装置96、及び車両管理サーバ102と、通信手段104aを介して無線通信を行い、当該特装車1の車両識別情報を、車両管理サーバ102に送信する(ステップS11)。
【0110】
その後、携帯端末装置104より車両識別情報を受信した車両管理サーバ102は、当該車両識別情報を登録車両データ記憶手段102aに記憶する。
これにより、前述した管理システム101において、上記特定の特装車1の車両識別情報が車両管理サーバ102に登録され、新規の特装車1の登録作業における一連の手順が終了する。
【0111】
以上のように、本実施形態における特装車の管理システム101は、登録された特装車1の稼働状況を管理する特装車の管理システムであって、搭載された作業装置8を制御する制御装置96を有した特装車1と、登録された特装車1を識別するための車両識別情報が記憶された車両管理サーバ102と、車両管理サーバ102に対して特装車1の車両識別情報を登録可能な携帯端末装置104とを備えている。
【0112】
携帯端末装置104は、制御装置96及び車両管理サーバ102と無線通信を行う通信手段104aと、通信手段104aを介して無線通信する候補となる特装車1の一覧を表示可能な表示手段104bと、表示手段104bに特装車1の一覧を表示させ、特装車1の一覧の中から選択された特定の特装車1の制御装置96、及び車両管理サーバ102と通信手段104aを介して無線通信を行い、当該特定の特装車1の車両識別情報を車両管理サーバ102に登録可能な演算手段103aとを有している。
【0113】
そして、演算手段103aは、車両管理サーバ102から登録済の特装車1の車両識別情報(登録済車両識別情報)を取得し(ステップS02)、当該登録済の特装車1の車両識別情報に基づき、未登録の特装車のみを選択して、前記表示手段104bに前記特装車1の一覧として表示する(ステップS04)構成となっている。
【0114】
ここで、従来の特装車の管理システムにおいては、車両管理サーバ102に登録する特装車1の制御装置96に携帯端末装置104を無線接続する際、周囲に存在する無線接続可能な全ての特装車1が、接続候補として携帯端末装置104の表示手段104bに一覧表示されるものもあり、この場合、表示された特装車1の中には、既に車両管理サーバ102に登録済みの特装車1も含まれているため、誤って登録済みの特装車1を選択して無線接続してしまい、特装車1の登録作業をはじめからやり直すこととなったり、或いは、表示手段104bに表示された特装車1の一覧において、リストとして挙がる特装車1の台数(選択肢)が膨大となり、登録する特装車1を探し出すのに手間がかかるなどして、特装車1の登録作業が煩雑となる要因となっていた。
【0115】
本実施形態における特装車の管理システム101においては、上記のような構成を有することにより、未登録の特装車1の車両識別情報(未登録車両識別情報)を車両管理サーバ102に登録する際、車両管理サーバ102における登録及び未登録の違いに関らず、携帯端末装置104と無線通信可能な制御装置96を有した特装車1が周囲に複数台存在する場合であっても、予め登録済の特装車1を除いた未登録の特装車1のみの一覧が表示手段104bによって表示されるため、誤って登録済の特装車1を選択してしまうのを防止することができる。
【0116】
また、表示手段104bによって表示される特装車1の一覧においては、登録済の特装車1が予め除かれているため、リストとして挙がる特装車1の台数(選択肢)も少なくなり、車両管理サーバ102に登録する所望の特装車1を、当該特装車1の一覧から容易に探し出すことができる。
従って、本実施形態における特装車の管理システム101によれば、より容易且つ確実に、未登録の特装車1の車両識別情報を車両管理サーバ102に登録することができる。
【0117】
また、本実施形態における特装車の管理システム101において、携帯端末装置104は、制御装置96及び車両管理サーバ102と通信可能な通信手段104aと、通信手段104aを介して制御装置96及び車両管理サーバ102と通信し、当該制御装置96を有した未登録の特装車1の車両識別情報(未登録車両識別情報)を車両管理サーバ102に登録可能な演算手段103aとを有している。
【0118】
そして、演算手段103aは、未登録の特装車1が、携帯端末装置104と制御装置96との間で連携して実行される特定の機能(本実施形態においては、誤納品防止システム)を有しているか否かの情報を、制御装置96から取得し(ステップS07)、当該未登録の特装車1が上記特定の機能を有していない場合、車両管理サーバ102に対して当該未登録の特装車1の識別情報の登録を行わない(ステップS08)構成となっている。
【0119】
なお、当該構成における特装車の管理システム101においては、特装車1に搭載された制御装置96と、携帯端末装置104との接続方法について、本実施形態のように、近距離無線通信(NFC)による無線接続に限定されるものではなく、例えば、LANケーブル等の有線ケーブルによる有線接続としてもよい。
【0120】
ここで、前述したように、特装車の管理システム101に登録可能な特装車1によっては、携帯端末装置104と、特装車1が有する制御装置96との間で連携して実行される特定の機能(誤納品防止システム)が備えられたものある。
このような特定の機能を備えた特装車1に限定して、当該管理システム101によって管理する場合、従来の特装車の管理システムにおいては、車両管理サーバ102に登録する特装車1の制御装置96に携帯端末装置104を無線接続する際に、当該特定の機能が備えられているか否かに関らず、周囲に存在する無線接続可能な全ての特装車1を登録可能であるため、誤って、特定の機能を備えていない特装車1が登録されることもある。
その結果、例えば、上記特定の機能を期待して、車両管理サーバ102に登録された特装車1を使用する作業者が、当該特定の機能を利用できずに困惑してしまう虞がある。
【0121】
本実施形態における特装車の管理システム101においては、上記のような構成を有することにより、携帯端末装置104と、特装車1が有する制御装置96との間で連携して実行される特定の機能が備えられていない特装車1については、車両管理サーバ102に始めから登録されないため、例えば、当該特定の機能を期待して、車両管理サーバ102に登録された特装車1を使用する作業者が、当該特定の機能を利用できずに困惑するようなこともない。
即ち、本実施形態における特装車の管理システム101によれば、より容易且つ確実に、特定の機能を有した未登録の特装車1の車両識別情報(未登録車両識別情報)を車両管理サーバ102に登録することができる。
【0122】
以上、本発明を具現化する一実施形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、及び範囲内の全ての変更を含む。
【0123】
例えば、前述した特装車の管理システム101においては、新規の特装車1の車両識別情報を車両管理サーバ102に登録する際、携帯端末装置104の演算手段104cによって、未登録車両識別情報を選択し、表示手段104bに特装車1の一覧として表示する(ステップS04)構成となっているが、これに限定されるものではなく、当該未登録車両識別情報の選択については、車両管理サーバ102によって実行される構成としてもよい。
即ち、特装車の管理システム101の第1別実施形態として、車両管理サーバ102は、携帯端末装置104より、当該携帯端末装置104と無線通信可能な制御装置96を有した特装車1の車両識別情報(接続可能車両識別情報)を取得し、取得した特装車1の車両識別情報(接続可能車両識別情報)の中から未登録の特装車1のみを選択して再び携帯端末装置104に送信し、未登録の特装車1の車両識別情報(未登録車両識別情報)を受信した携帯端末装置104は、演算手段104cによって、当該未登録の特装車1の車両識別情報(未登録車両識別情報)を、表示手段104bに前記特装車1の一覧として表示する構成としてもよい。
【0124】
また、前述した特装車の管理システム101においては、新規の特装車1の車両識別情報を車両管理サーバ102に登録する際、携帯端末装置104の演算手段104cによって、登録する特装車1が、特定の機能を有しているか否かを判断しステップS08)、特定の機能を有していない場合には、車両管理サーバ102に登録しないこととしているが、これに限定されるものではなく、当該特定の機能を有しているか否かの判断については、車両管理サーバ102によって実行される構成としてもよい。
即ち、特装車の管理システム101の第2別実施形態として、車両管理サーバ102は、携帯端末装置104を介して、未登録の特装車1が、携帯端末装置104と制御装置96との間で連携して実行される特定の機能(誤納品防止システム)を有しているか否かの情報を、制御装置96から取得し、当該未登録の特装車1が上記特定の機能を有していない場合、当該未登録の特装車1の識別情報の登録を行わない構成としてもよい。
【符号の説明】
【0125】
1 特装車
101 特装車の管理システム
102 車両管理サーバ
104 携帯端末装置
104a 通信手段
104b 表示手段
104c 演算手段
4 タンク
5 コンプレッサ
6 コンプレッサ配管(配管)
8 作業装置
96 制御装置