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特開2025-25329情報管理装置、情報管理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025329
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】情報管理装置、情報管理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20250214BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20250214BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20250214BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20250214BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130001
(22)【出願日】2023-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】井上 大輔
(72)【発明者】
【氏名】竹林 諒
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181DD07
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181MB02
(57)【要約】
【課題】利用者の納得感を向上させること。
【解決手段】車両が取得した情報または前記車両に搭載された機器が取得した前記車両の走行に応じて変化する車両情報を取得する取得部と、前記車両情報と、予め設定された判定基準とに基づいて、前記車両のドライバの運転を評価する評価部と、前記評価の結果を示す情報を前記ドライバまたは所定の利用者である対象利用者の端末装置に提供し、前記端末装置から前記対象利用者が入力した前記評価の結果に対するフィードバック情報を取得する情報処理部と、を備える情報管理装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が取得した情報または前記車両に搭載された機器が取得した前記車両の走行に応じて変化する車両情報を取得する取得部と、
前記車両情報と、予め設定された判定基準とに基づいて、前記車両のドライバの運転を評価する評価部と、
前記評価の結果を示す情報を前記ドライバまたは所定の利用者である対象利用者の端末装置に提供し、前記端末装置から前記対象利用者が入力した前記評価の結果に対するフィードバック情報を取得する情報処理部と、
を備える情報管理装置。
【請求項2】
前記フィードバック情報に応じて、フィードバックされた評価に用いた前記判定基準を修正する修正部を備える、
請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項3】
前記対象利用者のうち、信頼度が高い対象利用者のフィードバック情報を、前記信頼度が低い対象利用者のフィードバック情報よりも重視して、前記判定基準を修正するか否かを決定する修正部を備える、
請求項1または2に記載の情報管理装置。
【請求項4】
前記車両情報は、前記車両の挙動を示す情報、前記車両に対するドライバの操作を示す情報、及び前記車両または前記機器に搭載された撮像部が撮像した画像を含む、
請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項5】
前記車両情報は、前記車両の位置情報を含み、
前記判定基準は、位置情報ごとに対応付けられた判定基準であり、
前記評価部は、前記車両情報の位置情報に対応する前記判定基準を用いて前記ドライバを評価する、
請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項6】
前記フィードバック情報に応じて、フィードバックされた評価に用いた前記判定基準を修正する修正部を備え、
前記修正部は、所定の前記位置情報に対応する前記評価に誤りがあることを示すフィードバック情報を取得したことに応じて、フィードバックされた評価に用いた前記位置情報に対応する前記判定基準を修正する、
請求項5に記載の情報管理装置。
【請求項7】
前記修正部は、特定のフィードバック情報を閾値以上取得した場合、前記特定のフィードバック情報に対応する前記評価に用いた前記判定基準を修正し、
前記特定のフィードバック情報は、異なる前記対象利用者から送信されたフィードバック情報であって、同じ前記位置情報の前記判定基準を用いた前記評価に誤りがあることを示すフィードバック情報である、
請求項6に記載の情報管理装置。
【請求項8】
前記判定基準は、右折時または左折時に方向指示器を旋回方向に応じた態様で点滅させなかったことであり、
前記特定のフィードバック情報は、前記方向指示器の点滅が必要でない右折時または左折時に前記方向指示器を点滅させなかったフィードバック情報である、
請求項7に記載の情報管理装置。
【請求項9】
前記評価部は、前記判定基準が修正された後、修正前の判定基準を用いて評価を行い、
前記修正部は、前記修正前の判定基準を用いた評価に対して判定を行って、前記対象利用者の前記修正前の判定基準に対応する位置情報における評価が閾値を超え、前記閾値を超える評価を所定回数以上カウントした場合、前記判定基準を修正前の判定基準に戻して、戻した前記判定基準を前記評価部に利用させる、
請求項6に記載の情報管理装置。
【請求項10】
前記修正部は、前記対象利用者の同じ位置情報における評価が閾値以下であり、前記閾値以下の評価を所定回数以上カウントした場合、前記閾値以下の評価に対応する判定基準を修正する、
請求項6に記載の情報管理装置。
【請求項11】
前記修正部は、前記フィードバック情報に応じて、前記判定基準の修正を行うことを促す情報を表示部に表示させ、前記表示に応じて管理者が操作部を操作して、前記判定基準を修正した場合、前記判定基準を修正する、
請求項6から10のうちいずれか1項に記載の情報管理装置。
【請求項12】
コンピュータが、
車両が取得した情報または前記車両に搭載された機器が取得した前記車両の走行に応じて変化する車両情報を取得し、
前記車両情報と、予め設定された判定基準とに基づいて、前記車両のドライバの運転を評価し、
前記評価の結果を示す情報を前記ドライバまたは所定の利用者である対象利用者の端末装置に提供し、前記端末装置から前記対象利用者が入力した前記評価の結果に対するフィードバック情報を取得する、
情報管理方法。
【請求項13】
コンピュータに、
車両が取得した情報または前記車両に搭載された機器が取得した前記車両の走行に応じて変化する車両情報を取得させ、
前記車両情報と、予め設定された判定基準とに基づいて、前記車両のドライバの運転を評価させ、
前記評価の結果を示す情報を前記ドライバまたは所定の利用者である対象利用者の端末装置に提供し、前記端末装置から前記対象利用者が入力した前記評価の結果に対するフィードバック情報を取得させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報管理装置、情報管理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転中に交通違反が生じたと判定したとき、判定した交通違反と、判定したときの運転中の運転者の状態とを対応付けて収集し、収集した交通違反および運転者の状態と、現在の運転者の状態とに基づいて、事前に交通違反を注意喚起する報知制御装置が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-197342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、利用者からのフィードバックについては考慮されていなかった。このため、利用者の納得感が低いことがあった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、利用者の納得感を向上させることができる情報管理装置、情報管理方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る情報管理装置、情報管理方法、およびプログラムは、以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様に係る情報管理装置は、車両が取得した情報または前記車両に搭載された機器が取得した前記車両の走行に応じて変化する車両情報を取得する取得部と、前記車両情報と、予め設定された判定基準とに基づいて、前記車両のドライバの運転を評価する評価部と、前記評価の結果を示す情報を前記ドライバまたは所定の利用者である対象利用者の端末装置に提供し、前記端末装置から前記対象利用者が入力した前記評価の結果に対するフィードバック情報を取得する情報処理部と、を備える。
【0007】
(2):上記(1)の態様において、前記フィードバック情報に応じて、フィードバックされた評価に用いた前記判定基準を修正する修正部を備える。
【0008】
(3):上記(1)または(2)の態様において、前記対象利用者のうち、信頼度が高い対象利用者のフィードバック情報を、前記信頼度が低い対象利用者のフィードバック情報よりも重視して、前記判定基準を修正するか否かを決定する修正部を備える。
【0009】
(4):上記(1)の態様において、前記車両情報は、前記車両の挙動を示す情報、前記車両に対するドライバの操作を示す情報、及び前記車両または前記機器に搭載された撮像部が撮像した画像を含む。
【0010】
(5):上記(1)の態様において、前記車両情報は、前記車両の位置情報を含み、前記判定基準は、位置情報ごとに対応付けられた判定基準であり、前記評価部は、前記車両情報の位置情報に対応する前記判定基準を用いて前記ドライバを評価する。
【0011】
(6):上記(5)の態様において、前記フィードバック情報に応じて、フィードバックされた評価に用いた前記判定基準を修正する修正部を備え、前記修正部は、所定の前記位置情報に対応する前記評価に誤りがあることを示すフィードバック情報を取得したことに応じて、フィードバックされた評価に用いた前記位置情報に対応する前記判定基準を修正する。
【0012】
(7):上記(6)の態様において、前記修正部は、特定のフィードバック情報を閾値以上取得した場合、前記特定のフィードバック情報に対応する前記評価に用いた前記判定基準を修正し、前記特定のフィードバック情報は、異なる前記対象利用者から送信されたフィードバック情報であって、同じ前記位置情報の前記判定基準を用いた前記評価に誤りがあることを示すフィードバック情報である。
【0013】
(8):上記(7)の態様において、前記判定基準は、右折時または左折時に方向指示器を旋回方向に応じた態様で点滅させなかったことであり、前記特定のフィードバック情報は、前記方向指示器の点滅が必要でない右折時または左折時に前記方向指示器を点滅させなかったフィードバック情報である。
【0014】
(9):上記(6)の態様において、前記評価部は、前記判定基準が修正された後、修正前の判定基準を用いて評価を行い、前記修正部は、前記修正前の判定基準を用いた評価に対して判定を行って、前記対象利用者の前記修正前の判定基準に対応する位置情報における評価が閾値を超え、前記閾値を超える評価を所定回数以上カウントした場合、前記判定基準を修正前の判定基準に戻して、戻した前記判定基準を前記評価部に利用させる。
【0015】
(10):上記(6)の態様において、前記修正部は、前記対象利用者の同じ位置情報における評価が閾値以下であり、前記閾値以下の評価を所定回数以上カウントした場合、前記閾値以下の評価に対応する判定基準を修正する。
【0016】
(11):上記(6)から(10)のいずれかの態様において、前記修正部は、前記フィードバック情報に応じて、前記判定基準の修正を行うことを促す情報を表示部に表示させ、前記表示に応じて管理者が操作部を操作して、前記判定基準を修正した場合、前記判定基準を修正する。
【0017】
(12):本発明の他の態様に係る情報管理方法は、コンピュータが、車両が取得した情報または前記車両に搭載された機器が取得した前記車両の走行に応じて変化する車両情報を取得し、
前記車両情報と、予め設定された判定基準とに基づいて、前記車両のドライバの運転を評価し、前記評価の結果を示す情報を前記ドライバまたは所定の利用者である対象利用者の端末装置に提供し、前記端末装置から前記対象利用者が入力した前記評価の結果に対するフィードバック情報を取得する。
【0018】
(13):本発明の他の態様に係るプログラムは、コンピュータに、車両が取得した情報または前記車両に搭載された機器が取得した前記車両の走行に応じて変化する車両情報を取得させ、前記車両情報と、予め設定された判定基準とに基づいて、前記車両のドライバの運転を評価させ、前記評価の結果を示す情報を前記ドライバまたは所定の利用者である対象利用者の端末装置に提供し、前記端末装置から前記対象利用者が入力した前記評価の結果に対するフィードバック情報を取得させる。
【発明の効果】
【0019】
上記(1)-(13)の態様によれば、情報管理装置、情報管理方法、またはプログラムは、利用者の納得感を向上させることができる。情報管理装置、情報管理方法、またはプログラムは、コストを抑えた仕組みで利用者の納得感を向上させることができる。
【0020】
上記(2)の態様によれば、情報管理装置は、フィードバックにより判定基準を修正するため、より適切な判定基準を用いた評価を行うことができる。
【0021】
上記(3)の態様によれば、情報管理装置は、対象利用者の信頼度を用いて判定基準を修正するため、より精度よく判定基準を修正することができる。
【0022】
上記(9)の態様によれば、情報管理装置は、判定基準を修正した後、条件を満たした場合に判定基準を元に戻す。情報管理装置100は、道路の環境や状況などが変化したことに応じて判定基準を元に戻すことができるため、より道路の環境や状況に応じた判定基準を用いた評価を行うことができる。
【0023】
上記(10)の態様によれば、情報管理装置は、複数の車両の行動に基づいて判定基準を修正することでより道路の環境や状況に応じた判定基準を用いた評価を行うことができる。
【0024】
上記(11)の態様によれば、情報管理装置は、修正を促す情報を表示部に表示させ、管理者の操作に応じて判定基準を修正することで、管理者の利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】情報管理システム1の構成図である。
図2】情報管理装置100の機能構成の一例を示す図である。
図3】車両情報192の一例を示す図である。
図4】判定基準情報194の一例を示す図である。
図5】判定が正しい場合の場面の一例を示す図である。
図6】判定が正しくない場合の場面の一例を示す図である。
図7】フィードバック情報を受け付けるコンテンツCの一例を示す図である。
図8】情報管理システム1により実行される処理の流れの一例を示す図である。
図9】情報管理装置100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャート(1)である。
図10】判定基準の修正について説明するための図である。
図11】誤判定がされる場面(1)について説明するための図である。
図12】誤判定がされる場面(2)について説明するための図である。
図13】判定基準を戻す処理について説明するための図である。
図14】信頼度情報198の内容の一例を示す図である。
図15】情報管理装置100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャート(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照し、本発明の情報管理装置、情報管理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。
【0027】
[概要]
本実施形態の情報管理装置、情報管理方法、およびプログラムは、高齢者や運転に慣れていないドライバの運転を監視し、運転を評価するものである。評価の結果は、ドライバまたはドライバに関連する者である対象利用者の端末装置に提供される。対象利用者は、評価に対して、フィードバック情報を返すことができる。これにより、ドライバの納得感が向上する。更に、対象利用者は、評価を確認し、フィードバックを行うことができるため、メタ認知機能を強化することができる。
【0028】
本実施形態の情報管理装置は、車両が取得した情報または前記車両に搭載された機器が取得した前記車両の走行に応じて変化する車両情報を取得する取得部と、前記車両情報と、予め設定された判定基準とに基づいて、前記車両のドライバの運転を評価する評価部と、前記評価の結果を示す情報を前記ドライバまたは所定の利用者である対象利用者の端末装置に提供し、前記端末装置から前記対象利用者が入力した前記評価の結果に対するフィードバック情報を取得する情報処理部と、を備える。
【0029】
前記車両情報は、前記車両の挙動を示す情報、前記車両に対するドライバの操作を示す情報、及び前記車両または前記機器に搭載された撮像部が撮像した画像を含む。車両の挙動を示す情報は、加速度、速度、旋回度合など種々の情報を含む。車両情報は、上記の情報のうち一部の情報であってもよい。
【0030】
上記のように、対象利用者は、評価に対するフィードバックを行うことができるため、対象利用者の納得感が向上する。
【0031】
また、情報管理装置は、前記フィードバック情報に応じて、前記フィードバックされた評価に用いた前記判定基準を修正する修正部を備える。修正とは、判定基準を改めることであり、判定基準の全部または一部を削除することや、判定基準の一部または全部を変更することなどである。情報管理装置は、上記のように対象利用者からの評価に対するフィードバック情報に応じて判定基準を修正することで、より実際の環境に適した判定基準を用いて評価を行うことができる。
【0032】
[機能構成]
図1は、情報管理システム1の構成図である。情報管理システムは、例えば、車両10と、端末装置20と、情報管理装置100とを備える。
【0033】
[車両]
車両10は、情報管理装置100と通信する対象の車両10である。車両10は、例えば、二輪や三輪、四輪等の車両である。なお、情報管理システム1は、車両10に代えて、車両10に搭載された他の装置や、ドライバが車両10に取り付けたスマートフォンなどの端末装置が利用されてもよい。この端末装置は、例えば、車両10または車両10に搭載された車載機器と無線通信または有線通信して車両10から各種情報(車両情報)を取得する装置で有ってもよい。また、本実施形態は、車両に代えて車両以外の移動体に適用されてもよい。
【0034】
[端末装置]
端末装置20は、例えばスマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等の通信機能および入出力機能、プロセッサにより各種処理を実行可能なコンピュータ装置である。端末装置20は、情報管理システム1で利用されるアプリケーションプログラムが搭載され、アプリケーションプログラムを端末装置20のCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサが実行することで、各種処理を実行してもよい。
【0035】
[情報管理装置]
図2は、情報管理装置100の機能構成の一例を示す図である。情報管理装置100は、例えば、通信部110、取得部120、認識処理部130、評価部140、情報処理部150、修正部160、および記憶部190を備える。通信部110および記憶部190以外の構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。なお、情報管理装置100が有する機能の一部または全部は、車両10または端末装置20に搭載されていてもよい。
【0036】
記憶部190には、車両情報192、判定基準情報194、フィードバック情報(FB情報)196、信頼度情報198が格納される。これららの情報の詳細については後述する。
【0037】
通信部110は、通信インターフェースである。通信部110は、ネットワークNWを介して車両10および端末装置20と通信する。
【0038】
取得部120は、車両10から車両情報(後述)を所定時間ごとに取得する。認識処理部130は、例えば、車両情報192に含まれる画像を解析して画像に含まれる物体および物体が示す情報を認識する。認識処理部130は、例えば、画像から道路標識および道路標識の意味を認識する。道路標識の意味とは、例えば、道路標識が示す法定速度などである。認識処理部130は、例えば、画像から前走車両などの周辺車両や、道路区画線、信号の状態などを認識する。
【0039】
評価部140は、車両情報192と、予め設定された判定基準(後述)とに基づいて、車両10のドライバの運転を評価する。評価部140は、所定の区間または所定の時間におけるドライバの運転の良し悪しを評価したり、スコアを導出したりする。評価部140は、例えば、判定基準を満たさないような運転が行われるほど、高い評価またはスコアを導出する。
【0040】
情報処理部150は、評価の結果を示す情報をドライバまたは所定の利用者(またはドライバの家族や、知人など)である対象利用者の端末装置20に提供し、端末装置20から対象利用者が入力した評価の結果に対するフィードバック情報を取得する。
【0041】
修正部160は、フィードバック情報に応じて、フィードバックされた評価に用いた判定基準を修正する。
【0042】
[車両情報]
図3は、車両情報192の一例を示す図である。車両情報192は、例えば、利用者IDまたは車両IDに対して、車両10の位置情報や、車両の挙動を示す情報(速度や、加速度、操舵角、ヨーレイトなど)、操作情報(ドライバの操作を示す情報)、指示器情報、画像、センシング情報などが対応付けられた情報である。操作情報は、ドライバの操作に関する情報であるアクセルペダルやブレーキペダル、ステアリングホイールなどに対する操作態様(例えば操舵度合)、その他の車両の機器、操作子に対する操作態様である。指示器情報は、方向指示器の作動状態を示す情報である。画像は、車両10に搭載された車両10の周辺を撮像する撮像部により撮像された画像である。センシング情報は、車両10に搭載されたレーダ装置やLIDARなどが検知した情報である。車両情報192において、上記の情報のうち一部の情報は省略されてもよい。
【0043】
[判定基準情報]
図4は、判定基準情報194の一例を示す図である。判定基準情報194は、例えば、複数の判定基準を含む。判定基準は、車両10が交通法規に違反する基準や、マナーに反する基準などである。判定基準は、例えば、車両10が道路区画線外を走行したことや、車両10が法定速度を超えて走行したことなどである。この判定は、車両10が得た画像から得られた情報(道路標識、道路区画線)と、車両10の位置とに基づいて行われる。
【0044】
例えば、認識処理部130が、所定のアルゴリズムに基づいて、実際の車両10の位置を仮想的に画像に重畳させて、車両10が道路区画線外を走行しているかを判定する。例えば所定時間継続して車両10が道路区画線外を走行した場合、または所定時間において閾値以上の回数、車両10が道路区画線外を走行した場合、評価部140は、判定基準を満たしたと判定する。
【0045】
例えば、認識処理部130が、画像の道路標識の意味を認識する。車両10が道路標識の規則に反する行動を行った場合、評価部140は、判定基準を満たすと判定する。例えば、車両10が、道路標識を示す法定速度を超える速度で所定時間以上走行した場合、評価部140は、判定基準を満たしたと判定する。
【0046】
なお、認識処理部130が画像から信号の状態を認識し、車両10が信号の状態に応じた行動とは異なる行動を行った場合、評価部140は、判定基準を満たすと判定してもよい。信号の状態に応じた行動とは異なる行動とは、例えば、青信号になってもスムーズに発進しないことなどである。認識処理部130が画像から前走車両の位置を認識し、車両10が前走車両と十分に車間距離を開けていない場合、評価部140は、判定基準を満たすと判定してもよい。
【0047】
判定基準は、位置情報ごとに対応付けられた判定基準であり、車両情報192は、車両10の位置情報を含み、評価部140は、車両情報192の位置情報に対応する判定基準を用いてドライバを評価する。評価部140は、予め設定された領域において、操舵角が基準を満たし、且つ方向指示器が操舵角に応じて点滅しなかった場合、判定基準を満たすと判定してもよい。例えば、交差点やT字路などで、方向指示器を点滅させずに右折または左折が行われた場合、評価部140は、判定基準を満たすと判定する。より具体的には、予め規定された右折または左折するような態様で操作角が変化して、変化に応じて方向指示器が点滅した場合は、右折時または左折時に適切に方向指示器が作動して右折または左折が行われたと判定され、予め規定された右折または左折するような態様で操作角が変化して、変化に応じて方向指示器が点滅しなかった場合は、右折時または左折時に適切に方向指示器が作動せずに右折または左折が行われたと判定される。
【0048】
なお、上記の例では、予め設定された領域(位置情報)が、判定基準に含まれるものとして説明したが、予め設定された領域(位置情報)は判定基準から除外されてもよい。この場合、評価部140は、操舵角の変化と、方向指示器の作動状態とが設定された基準を満たす場合(例えば操舵角の変化に応じて方向指示器が作動しなかった場合)、判定基準を満たすと判定してもよい。
【0049】
また、判定基準において、操舵角が基準を満たす条件は省略されてもよい。この場合、領域A(例えば所定の交差点など)において方向指示器が点滅しなかった場合、判定基準を満たさないと判定される。
【0050】
[コストおよび誤判定について]ここで、上記のような判定を行う場合、詳細な道路の形状や道路の構造などが記憶された高精度地図情報を利用しようとすると、コストが掛かる。高精度地図情報は、比較的に頻繁に更新され、更新ごとに高精度地図情報をアップロードするとコストが掛かる。
【0051】
本実施形態では、コストを掛けずに精度よく判定を行う情報管理システム1を提供する。本実施形態では、高精度地図情報などの地図情報を利用せずに、精度よく運転を評価することができる。
【0052】
地図情報を利用せずに、評価部140が、判定基準を満たさないと判定した場合、本実施形態では、判定が正しい場合もあるが、判定が誤っている場合がある。例えば、ドライバが方向指示器を点滅させなかった場合について説明する。図5は、判定が正しい場合の場面の一例を示す図である。図5に示すように、車両10が方向指示器を点滅させずに交差点を右折した場合、評価部140は、判定基準を満たすと判定する。この場合、正しい判定がされる。
【0053】
図6は、判定が正しくない場合の場面の一例を示す図である。図6に示すように、車両10が方向指示器を点滅させずに道なりに走行した場合、評価部140は、車両10が方向指示器を点滅させずに右折にしたため判定基準を満たすと判定する。このように、本実施形態では、誤判定がされることがある。
【0054】
上記のように、本実施形態では、誤判定が生じる可能性があるため、情報管理装置100は、判定の結果、および判定の結果に対するフィードバック情報を受け付けるコンテンツを端末装置20に提供する。図7は、フィードバック情報を受け付けるコンテンツCの一例を示す図である。コンテンツCは、例えば、方向指示器を点滅させなかった理由の問い合わせや、方向指示器を点滅させなかった地図情報における車両10の位置などの情報を含む。
【0055】
例えば、以下の(1)から(3)を提供し、利用者は端末装置20を操作して(1)から(3)を選択して、送信ボタンを操作すると、選択した理由が情報管理装置100に送信される。
(1)必要と知りながら、作動させなかった。
(2)見落としていた。
(3)指示器が不要な場所であった(誤判定であった)。
【0056】
例えば、対象利用者は、評価に対して、例えば上記の(3)のような意見を言うことができる。送信された情報は、情報管理装置100に蓄積されて、判定基準の修正に活用される。このように対象利用者はフィードバックを行うことができるため、対象利用者の納得感が向上する。判定基準の修正の処理の詳細については後述する。
【0057】
[シーケンス図]
図8は、情報管理システム1により実行される処理の流れの一例を示す図である。まず、車両10が、車両情報を取得し(ステップS100)、取得した車両情報を情報管理装置100に送信する(ステップS102)。次に、情報管理装置100は、送信された車両情報を記憶部190に車両情報192として記憶させる(ステップS104)。次に、情報管理装置100は、車両情報192と、判定基準とに基づいて、ドライバの運転を評価する(ステップS106)。次に、情報管理装置100は、評価の結果を端末装置20に送信する(ステップS108)。
【0058】
次に、端末装置20は、評価の結果およびフィードバック情報を受け付けるためのコンテンツを表示部に表示させる(ステップS110)。次に、端末装置20は、利用者による操作に応じたフィードバック情報を受け付け、受け付けたフィードバック情報を情報管理装置100に送信する(ステップS112)。次に、情報管理装置100は、送信されたフィードバック情報であるFB情報196を記憶部190に記憶させる(ステップS114)。このように情報管理装置100は、フィードバック情報を受け付け、フィードバック情報を蓄積および管理する。
【0059】
[判定基準の修正に関するフローチャート(1)]
修正部160は、所定の位置情報に対応する評価に誤りがあることを示すフィードバック情報を取得したことに応じて、フィードバックされた評価に用いた位置情報に対応する判定基準を修正する。例えば、修正部160は、特定のフィードバック情報を閾値以上取得した場合、特定のフィードバック情報に対応する評価に用いた前記判定基準を修正する。特定のフィードバック情報は、異なる前記対象利用者から送信されたフィードバック情報であって、同じ位置情報(例えば図4の領域A)の判定基準を用いた評価に誤りがあることを示すフィードバック情報である。
【0060】
図9は、情報管理装置100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャート(1)である。まず、修正部160は、誤判定の情報を蓄積する(ステップS200)。誤判定の情報は、例えば、図7の(3)のフィードバック情報である。次に、修正部160は、同一の誤判定の結果が閾値以上蓄積されたか否かを判定する(ステップS202)。同一の誤判定の結果とは、同じ場所(領域)における同じ誤判定の結果である。同一の誤判定の結果が閾値以上蓄積されていない場合、ステップS204はスキップされ、本フローチャートの1ルーチンの処理が終了する。同一の誤判定の結果が閾値以上蓄積された場合、修正部160は、判定基準を修正する(ステップS204)。これにより、本フローチャートの1ルーチンの処理が終了する。
【0061】
なお、上記の例では、修正部160は、同一の誤判定の結果が閾値以上である否かを判定するものとしたが、これに代えて、1つのフィードバック情報を得た場合に判定基準を変更してもよい。
【0062】
図10は、判定基準の修正について説明するための図である。修正部160は、上記のようにステップS202の判定が肯定的である場合、例えば、領域Aにおいて操舵角が基準を満たし、且つ方向指示器が操舵角に応じて点滅しなかったことの判定基準10を削除する。このように、評価に対して、方向指示器の点滅が必要でない右折時または左折時に方向指示器を点滅させなかったフィードバック情報が閾値以上蓄積された場合、修正部160は、右折時または左折時に方向指示器を旋回方向に応じた態様で点滅させないことに関する判定基準を削除する。これにより、誤判定が生じる判定基準は削除され、誤判定が抑制される。
【0063】
なお、上記の例では、方向指示器に関する判定基準を削除する例について説明したが、これに代えて他の判定基準についても同様に削除がされてもよい。例えば、道路標識に従って車両の走行に関する判定基準が削除されてもよい。図11は、誤判定がされる場面(1)について説明するための図である。例えば、車両10が道路R1を走行し、道路R1と並行に道路R2が存在しているものとする。道路R1の法定速度は60km/hであり、道路R2の法定速度は30km/hであるものとする。道路R1の法定速度を示す標識は、道路R2の法定速度を示す標識よりも、車両10から遠い位置に設置されているものとする。この場合、情報管理装置100は、道路R1の法定速度は30km/hであると認識し、車両10が30km/hを超える速度で道路R1を走行している場合、速度超過として判断して評価を低くすることがある。このような法定速度に関する判定基準に対する誤判定がされ、フィードバックがされた場合、この領域の法定速度に関する判定基準は削除されてもよい。
【0064】
例えば、道路区画線外の車両の走行に関する判定基準が削除されてもよい。図12は、誤判定がされる場面(2)について説明するための図である。例えば、車両10が走行する車線において道路工事RCがされており、車両10が道路区画線外を走行することが適切である状況である場合であっても、車両10が道路区画線外を走行すると、判定基準を満たすとして評価が低くなることがある。このような道路区画線と車両10の走行位置とに関する判定基準に対する誤判定がされ、フィードバックがされた場合、この領域の道路区画線と車両10の走行位置とに関する判定基準は削除されてもよい。
【0065】
上記の例では、道路工事の例について説明したが、これに加えて(または代えて)、他の動的に環境が変化するような場面でも同様の処理がされてもよい。動的に環境が変化するような場面とは、例えば、新たに標識が設置された場面や、標識の内容が変更された場面、時間または時期ごとに中央線や速度、走行に関する規制の内容が変化する場面、道路の構造が変化した場面など種々の動的な変化の場面である。このような場面において、フィードバック情報を受け付け、フィードバックに応じて判定基準を削除など修正されてもよい。
【0066】
上記の例では、判定基準が削除されるものとして説明したが、これに代えて(加えて)判定基準は変更されてもよい。例えば、上記の図12の例において、車両10が道路区画線外を走行した場合に判定基準を満たすとする条件が緩和されてもよい。修正部160は、例えば、所定時間、車両10が道路区画線外を走行することが許容される判定基準に修正してもよい。上記とは異なる判定基準についても、判定基準の内容に応じた変更がされてもよい。
【0067】
上記のように、修正部160が、利用者のフィードバック情報に基づいて判定基準を変更するため、誤判定を抑制することができる。
【0068】
[修正した判定基準を元の判定基準に戻す処理]
評価部140は、判定基準が修正された後、修正前の判定基準を用いて評価を行う。修正部160は、修正前の判定基準を用いた評価に対して、以下のように判定を行う。修正部60は、対象利用者の修正前の判定基準に対応する位置情報における評価(例えばスコア)が閾値を超え、閾値を超える評価を所定回数以上カウントした場合、判定基準を修正前の判定基準に戻して、戻した判定基準を評価部140に利用させる。上記の例において異なる対象利用者の評価の数が閾値との比較対象とされてもよい。
【0069】
図13は、判定基準を戻す処理について説明するための図である。例えば、図13に示すように道路区画線外の走行に関する判定基準1が削除された場合(正規の判定基準から削除された場合)であっても、評価部140は、判定基準1を用いた評価を継続する。この評価結果は、対象利用者に提供されない評価結果である。修正部160は、閾値を超える判定基準1の評価結果(閾値を超えるスコアの評価結果)が所定数を超えた場合、判定基準1を正規の判定基準に戻す。この場合、道路工事が終了していることが想定されるためである。
【0070】
上記のように、修正部160が、道路の状況に応じて修正した判定基準を元の判定基準に戻すことにより、道路の状況に応じた判定基準を設定することができる。
【0071】
[信頼度を利用した処理]
修正部160は、対象利用者のうち、信頼度が高い対象利用者のフィードバック情報を、信頼度が低い対象利用者のフィードバック情報よりも重視して判定基準を修正するか否かを決定してもよい。例えば、修正部160は、信頼度情報198を参照して、判定基準を修正するか否かを決定してもよい。
【0072】
図14は、信頼度情報198の内容の一例を示す図である。信頼度情報198は、例えば、利用者ID(または車両ID)に対して、評価のスコア、信頼度、フィードバック情報の重みが付与された情報である。信頼度は、例えば、過去の評価のスコアや、フィードバック情報の適切度合などに基づいて導出された指標である。例えば、過去の評価のスコアが高いほど高い信頼性が設定され、フィードバック情報が適切であったほど高い信頼度が設定される。例えば、適切な誤判定のフィードバック情報を行った対象利用者の信頼度は高く設定される。例えば、管理者は、誤判定のフィードバック情報を精査して、適切なフィードバックを行った対象利用者に対して高い信頼度を設定する。上記のように、優良なドライバに対しては高い信頼度が設定される。
【0073】
例えば、信頼度が高いほど、高いフィードバック情報の重みが付与される。修正部160は、図9の処理で、同じフィードバック情報が閾値以上蓄積した場合、判定基準の修正を行うものとした。この処理において、フィードバック情報に対して重みを加味する。例えば、信頼度が高い対象利用者のフィードバック情報は2倍でカウントされたり、信頼度の低い対象利用者のフィードバック情報はカウント対象外とされたりする。
【0074】
上記のように、修正部160は、信頼度を用いた判定基準の修正を判定することにより、より精度よく判定基準の要否を判定することができる。
【0075】
[判定基準の修正に関するフローチャート(2)]
図15は、情報管理装置100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャート(2)である。まず、修正部160は、評価部140の評価の結果を取得する(ステップS300)。次に、修正部160は、同一の場所で判定基準を満たす評価が閾値以上行われたか否かを判定する(ステップS302)。同一の場所で判定基準を満たす評価が閾値以上行われなかった場合、ステップS304はスキップされ、本フローチャートの1ルーチンの処理が終了する。同一の場所で判定基準を満たす評価が閾値以上行われた場合、修正部160は、判定基準を修正する(ステップS204)。これにより、本フローチャートの1ルーチンの処理が終了する。
【0076】
例えば、領域Aにおいて判定基準を満たす評価が閾値以上された場合、判定基準を満たす車両の挙動は、誤判定である可能性があるため、修正部160は、判定基準を削除する。閾値以上とは、例えば、判定基準を満たす評価が閾値以上であり、且つ、判定基準を満たさない評価および判定基準を満たす評価とのうち判定基準を満たす評価の割合が閾値以上であることであってもよい。
【0077】
上記のように、情報管理装置100は、複数の車両10の挙動を参照して、道路の状況に応じて適切に判定基準を修正することができる。
【0078】
なお、図15の処理においても、前述した図13で説明したように、評価部140および修正部160が、以下の処理を行って判定基準を元に戻してもよい。評価部140は、判定基準が修正された後、修正前の判定基準を用いて評価を行う。修正部160は、修正前の判定基準を用いた評価に対して判定を行って、対象利用者の修正前の判定基準に対応する位置情報における評価が閾値を超え、閾値を超える評価を所定回数以上カウントした場合、判定基準を修正前の判定基準に戻して、戻した判定基準を評価部140に利用させる。
【0079】
上記のように、修正部160が、道路の状況に応じて修正した判定基準を元の判定基準に戻すことにより、道路の状況に応じた判定基準を設定することができる。
【0080】
上記の例では、修正部160が、自動で判定基準を修正するものとしたが、これに代えて(または加えて)、フィードバック情報に応じて判定基準を修正すると決定した場合、判定基準の修正を行うことを促す情報を表示部170に表示させてもよい。管理者が、表示部170を参照して判定基準を修正した場合、修正部160が判定基準を修正してもよい。このように、修正部160は、管理者の操作に応じて判定基準を修正してもよい。
【0081】
上記のように、情報管理装置100は、評価に対するフィードバック情報を受け付け、必要に応じて受け付けたフィードバック情報に応じて判定基準を修正する。例えば、本実施形態では、高精度地図情報などの情報を利用しなくても、上述した各処理により適切にドライバの運転を評価することができる。情報管理装置100は、例えば、時間または期間に応じて道路の環境が変化したり、判定基準が適切でなかったりして、評価が適切でなくても、フィードバック情報を受け付けることで、対象利用者の納得感が向上する。情報管理装置100は、更に、フィードバック情報により判定基準を修正することで、よりよいサービスを対象利用者に提供することができる。本実施形態の情報管理装置100は、購入や更新などにコストが掛かる高精度地図情報を利用しなくても、よりよいサービスを対象利用者に提供することができる。
【0082】
また、上記のように高齢者などの対象利用者は、評価を確認して、フィードバックを行うことができるため、自身の運転を振り返ったり、メタ認知の訓練を行ったりすることができる。
【0083】
以上説明した実施形態によれば、車両が取得した情報または前記車両に搭載された機器が取得した前記車両の走行に応じて変化する車両情報を取得する取得部120と、前記車両情報と、予め設定された判定基準とに基づいて、前記車両のドライバの運転を評価する評価部140と、前記評価の結果を示す情報を前記ドライバまたは所定の利用者である対象利用者の端末装置に提供し、前記端末装置から前記対象利用者が入力した前記評価の結果に対するフィードバック情報を取得する情報処理部150と、を備えることにより、利用者の納得感を向上させることができる。
【0084】
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
コンピュータによって読み込み可能な命令(computer-readable instructions)を格納する記憶媒体(storage medium)と、
前記記憶媒体に接続されたプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記コンピュータによって読み込み可能な命令を実行することにより(the processor executing the computer-readable instructions to:)
車両が取得した情報または前記車両に搭載された機器が取得した前記車両の走行に応じて変化する車両情報を取得し、
前記車両情報と、予め設定された判定基準とに基づいて、前記車両のドライバの運転を評価し、
前記評価の結果を示す情報を前記ドライバまたは所定の利用者である対象利用者の端末装置に提供し、前記端末装置から前記対象利用者が入力した前記評価の結果に対するフィードバック情報を取得する処理を実行する、
情報処理装置。
【0085】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0086】
1 情報管理システム
10 車両
20 端末装置
120 取得部
130 認識処理部
140 評価部
150 情報処理部
160 修正部
170 表示部
180 操作部
190 記憶部
192 車両情報
194 判定基準情報
196 FB情報
198 信頼度情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15