(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025350
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】電磁接触器
(51)【国際特許分類】
H01H 50/02 20060101AFI20250214BHJP
H01H 50/08 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
H01H50/02 C
H01H50/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130043
(22)【出願日】2023-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】508296738
【氏名又は名称】富士電機機器制御株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】羽澤 耕明
(72)【発明者】
【氏名】高谷 幸悦
(57)【要約】
【課題】動作表示部保護機能及び充電部保護機能を同時に備えることができるとともに、動作表示部保護機能のみを備えることができる電磁接触器を提供する。
【解決手段】筐体4に設けた開口部9は、筐体に連結した第1保護カバー25で覆われている。また、筐体2Bに設けた電源側及び負荷側の端子部6a,6bは、第1保護カバーに連結した平板形状の第2保護カバー30で覆われている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の内部に接点機構及び電磁石装置が配置され、前記筐体に、電源側及び負荷側の端子部と開口部が形成されており、前記接点機構の接点支えに設けた動作表示部が前記電磁石装置のオン・オフ駆動により前記開口部の内部で出没する電磁接触器において、
前記開口部を覆う第1保護カバーが、前記筐体に着脱自在に装着されており、
前記第1保護カバーに、前記電源側及び前記負荷側の端子部を覆う平板形状の第2保護カバーを連結するカバー連結部を設けたことを特徴とする電磁接触器。
【請求項2】
前記第1保護カバーに前記第2保護カバーを、カバー連結部を介して連結したことを特徴とする請求項1記載の電磁接触器。
【請求項3】
前記第1保護カバーは、前記開口部に嵌まり込んで閉塞する板状のカバー本体と、前記カバー本体から前記開口部の内部に挿入される少なくとも一対の脚部と、前記一対の脚部に形成されて前記開口部の筐体係合部に係合する爪部と、を備えていることを特徴とする請求項1記載の電磁接触器。
【請求項4】
前記カバー連結部は、前記第1保護カバーに形成した第1連結穴と、前記第2保護カバーに形成した第2連結穴と、互いに対応させた前記第1連結穴及び前記第2連結穴に押し込むプッシュリベットと、で構成されていることを特徴とする請求項2記載の電磁接触器。
【請求項5】
前記カバー連結部は、前記第1保護カバー及び前記第2保護カバーの一方に形成した連結穴と、前記第1保護カバー及び前記第2保護カバーの他方に形成されて前記連結穴に挿入された突起部であり、前記連結穴から突出している頭部をかしめるかしめ部と、で構成されていることを特徴とする請求項2記載の電磁接触器。
【請求項6】
前記カバー連結部は、前記第1保護カバー及び前記第2保護カバーの一方に形成した篏合突起部と、前記第1保護カバー及び前記第2保護カバーの他方に形成されて前記篏合突起部が嵌り込む篏合穴部とを備えたスナップフィット機構であることを特徴とする請求項2記載の電磁接触器。
【請求項7】
前記カバー連結部は、さらに、前記第1保護カバー及び前記第2保護カバーの一方に形成したボスと、前記第1保護カバー及び前記第2保護カバーの他方に形成した前記ボスが嵌り込むボス穴と、を備えていることを特徴とする請求項6に記載の電磁接触器。
【請求項8】
前記一対の脚部の前記一対の爪部は互いに対向する内向き爪部として形成されて前記筐体係合部に係合しているとともに、
前記一対の内向き爪部が前記筐体係合部に対する係合が解除されるように前記カバー本体を変形させて前記一対の脚部が互いに離間する方向に移動させる係合解除部が設けられていることを特徴とする請求項3記載の電磁接触器。
【請求項9】
前記第1保護カバーには、当該第1保護カバーに重なった状態で配置されている前記第2保護カバーを前記筐体側に押し付ける押し付け部が設けられていることを特徴とする請求項2記載の電磁接触器。
【請求項10】
前記第2保護カバーには、少なくとも前記電源側の端子部に対向する位置に、検電挿入穴が形成されていることを特徴とする請求項2から請求項8の何れか1項に記載の電磁接触器。
【請求項11】
前記第1保護カバー及び前記第2保護カバーは、透明性を有する材料で形成されていることを特徴とする請求項2から請求項8の何れか1項に記載の電磁接触器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作表示部或いは端子部を保護する保護カバーを着脱自在に設けた電磁接触器に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁接触器の頂部カバーには、一次側及び二次側の端子部が設けられているとともに、一次側及び二次側の端子部の間には開口部が形成されている。電磁接触器の筐体内部には電磁石ユニットの可動鉄心に固定された接点機構の接点支えが配置されており、この接点支えの動作凸部が開口部に出没することで、動作表示部として機能する。
【0003】
特許文献1の電磁接触器は、動作表示部の開口部を覆う第1保護カバー(動作表示保護カバー)が頂部カバーに着脱自在に装着されており、開口部から筐体内部の接点機構への塵埃の侵入防止、或いは、接点機構の接点支えの動作表示部の誤操作などを防止する動作表示部保護機能を有する。
【0004】
また、特許文献2の電磁接触器は、一次側及び二次側の端子部を覆う第2保護カバー(充電部保護カバー)が頂部カバーの開口部の周縁に着脱自在に装着されており、一次側及び二次側の端子部に対する感電を防止する充電部保護機能を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5-290705号公報
【特許文献2】特開2000-113791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1、2に示したように、従来の電磁接触器は第1保護カバー及び第2保護カバーの一方を装着するものであり、動作表示部保護機能及び充電部保護機能を同時に備えることができない。
【0007】
そこで、本発明は、動作表示部保護機能及び充電部保護機能を同時に備えることができるとともに、動作表示部保護機能のみを備えることができる電磁接触器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る電磁接触器は、筐体内部に接点機構及び電磁石装置が配置され、接点機構を覆う筐体に、電源側及び負荷側の端子部と開口部が形成されており、接点機構の接点支えに設けた動作表示部が電磁石装置のオン・オフ駆動により開口部の内部で出没する電磁接触器において、筐体に、前記開口部を覆う第1保護カバーが着脱自在に装着されており、第1保護カバーに、前記電源側及び前記負荷側の端子部を覆う平板形状の第2保護カバーを連結するカバー連結部が設けられている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の電磁接触器は、筐体に第1保護カバーを装着し、第1保護カバーに電源側及び前記負荷側の端子部を覆う第2保護カバーが連結されていることで、開口部から筐体内部の接点機構への塵埃の侵入防止、或いは、接点機構の動作表示部の誤操作などを防止する動作表示部保護機能と、一次側及び二次側の端子部に対する感電を防止する充電部保護機能とを同時に備えることができるとともに、筐体に第1保護カバーのみを装着することで、動作表示部保護機能のみを備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る第1実施形態において電磁接触器に第1保護カバー及び第2保護カバーが装着される状態を示す展開斜視図である。
【
図5】第1実施形態において使用される第1保護カバーの形状を示す斜視図である。
【
図6】第1実施形態において電磁接触器に第1保護カバー及び第2保護カバーを装着した状態を示す要部断面図である。
【
図7】第1実施形態において電磁接触器に第1保護カバー及び第2保護カバーを装着した状態を示す斜視図である。
【
図8】本発明に係る第2実施形態で使用する第1保護カバーの形状を示す斜視図である。
【
図9】第2実施形態において電磁接触器に第1保護カバー及び第2保護カバーを装着した状態を示す斜視図である。
【
図10】第2実施形態において電磁接触器に第1保護カバー及び第2保護カバーを装着した状態を示す要部断面図である。
【
図11】本発明に係る第3実施形態で使用する第1保護カバーの形状を示す斜視図である。
【
図12】第3実施形態において電磁接触器に第1保護カバー及び第2保護カバーを装着した状態を示す斜視図である。
【
図13】第3実施形態において電磁接触器に第1保護カバー及び第2保護カバーを装着した状態を示す要部断面図である。
【
図14】本発明に係る第4実施形態で使用する第1保護カバーの形状を示す斜視図である。
【
図15】第4実施形態において電磁接触器に第1保護カバー及び第2保護カバーを装着した状態を示す斜視図である。
【
図16】第4実施形態において第1保護カバー及び第2保護カバーの連結状態を示す簡略断面図である。
【
図17】本発明に係る第5実施形態で使用する第1保護カバーの形状を示す斜視図である。
【
図18】第5実施形態において電磁接触器に第1保護カバー及び第2保護カバーを装着した状態を示す斜視図である。
【
図19】第5実施形態において第1保護カバー及び第2保護カバーの連結状態を示す簡略断面図である。
【
図20】本発明に係る第6実施形態で使用する第1保護カバーの形状を示す斜視図である。
【
図21】第6実施形態で使用する第2保護カバーの形状を示す平面図である。
【
図22】第6実施形態において電磁接触器に第1保護カバー及び第2保護カバーを装着した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0012】
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0013】
なお、以下の説明で記載されている「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」等の方向を示す用語は、添付図面の方向を参照して用いられている。
[第1実施形態]
【0014】
本発明に係る第1実施形態の電磁接触器1は、
図1に示すように、電気絶縁性を有する合成樹脂で形成した第1フレーム2Aと第2フレーム2Bとで筐体が構成されている。第1フレーム2Aは有底角筒状体であり、後端の四隅に取付け板部3が形成されている。第2フレーム2Bは後端が開口した角筒体であり、前端に後述する接点機構10を覆う消弧カバー4が着脱自在に装着されている。
図2に示すように、第2フレーム2Bの上側には、電源側端子6a,6b,6c,6d及びコイル端子部8が形成されている。第2フレーム2Bの下側には、負荷側端子7a,7b,7c,7dが形成されている。電磁接触器1は、図示しないが、取付け板部3に貫通した固定ねじを、壁に取付けた配電盤などに固定することで配電盤内に配置される。
【0015】
図3は電磁接触器1の内部構造を示すものであり、第2フレーム2Bに内装された接点機構10と、第1フレーム2Aに内装され、接点機構10をオン・オフ駆動する電磁石装置である電磁石ユニット12と、を備えている。電磁石ユニット12は、第1フレーム2Aの底側に配置された固定鉄心13と、固定鉄心13の接極面13aに接極面14aが対向して配置された可動鉄心14と、固定鉄心13の中央突出部13bに挿通されて配置された電磁コイル15と、電磁コイル15の前側と可動鉄心14との間に配置した復帰バネ16と、を備えている。電磁コイル15は、ボビン21と、ボビン21の円筒部に巻き付けられている巻線22とを有している。
【0016】
接点機構10は、第2フレーム2Bに固定されて左右方向に並べて配置されている複数組の電源側固定接触子18a及び負荷側固定接触子18bと、第2フレーム2Bの内部に前後方向に移動自在に装着されている接点支え19と、接点支え19に支持され、複数組の電源側固定接触子18aの固定接点18a1及び複数組の負荷側固定接触子18bの固定接点18b1に可動接点20a,20bが接離可能となるように前後方向に移動する複数の可動接触子20と、を備えている。
【0017】
図1に示すように、第2フレーム2Bに装着されている消弧カバー4には、四角形状の開口部9が形成されている。開口部9の内側には、動作表示部である動作表示部23と、一対のフレーム凸部24a,24bが配置されている。
【0018】
動作表示部23は、
図4に示すように、接点支え19の上部に一体に形成されており、電磁接触器1の開閉動作時の接点支え19の前後方向の移動で開口部9に向けて出没し、電磁接触器1の動作表示部として機能する。なお、電磁接触器1の開動作時の動作表示部23は、開口部9より外側(消弧カバー4より前側)には突出しない位置に移動する。一対のフレーム凸部24a,24bは、
図4に示すように、動作表示部23に対して左右方向に離間して第2フレーム2Bに一体に形成されている。一方のフレーム凸部24aは、先端が右側に屈曲して第1係合凹部24a1が形成されている。他方のフレーム凸部24bも、先端が左側に屈曲して第1係合凹部24b1が形成されている。また、
図4に示すように、開口部9を形成している右側及び左側の内壁4a、4bには、第2係合凹部4a1、4b1が形成されている。
【0019】
次に、
図1の符号25は、電磁接触器1の開口部9を覆う第1保護カバーであり、
図1の符号30は、電源側端子6a,6b,6c,6d及び負荷側端子7a,7b,7c,7dを前側から覆う第2保護カバーである。
【0020】
第1保護カバー25は電気絶縁性を有する透明性の合成樹脂で形成されており、
図5(a),(b)に示すように、消弧カバー4に形成した開口部9と略同一の四角形状平板であるカバー本体26と、カバー本体26の互いに対向する2辺から互いに平行に延在する一対の脚部27a,27bと、一対の脚部27a,27bの先端の外向き(互いに対向しない方向)に形成されている外向き爪部27a1,27b1と、カバー本体26に形成した一対の第1連結穴28a,28aと、を備えている。
【0021】
また、第2保護カバー30も、電気絶縁性を有する透明性の合成樹脂で形成した長方形板であり、
図1に示すように、長手方向の中央部に、第1保護カバー25の第1連結穴28a,28aと同一径の一対の第2連結穴31a,31bが形成され、長手方向の一方側に4個の検電挿入穴32a~32dが形成されている。
【0022】
なお、本発明に係る筐体が第2フレーム2B及び消弧カバーに対応し、本発明に係る筐体係合部が内壁4a、4bの第2係合凹部4a1、4b1に対応し、本発明に係る第1連結穴が第1連結穴28a,28bに対応し、本発明に係る第2連結穴が第2連結穴31a,31bに対応し、本発明に係るカバー連結部が、第1連結穴28a,28b、第2連結穴31a,31b及びプッシュリベット33に対応している。
【0023】
第1保護カバー25の一対の脚部27a,27bを消弧カバー4の開口部9に挿入していく。一対の脚部27a,27bは、外向き爪部27a1,27b1が消弧カバー4の内壁4a,4bに摺動することで左右方向の内側に弾性変形し、外向き爪部27a1,27b1が内壁4a,4bの第2係合凹部4a1、4b1に嵌まり込んだときに弾性復帰する(
図6参照)。これにより、カバー本体26が開口部9を閉塞した状態で第1保護カバー25が消弧カバー4に装着される。
【0024】
次いで、カバー本体26の第1連結穴28a,28aに第2連結穴31a,31bを対応させた状態で、第2保護カバー30を第1保護カバー25上に配置する。この際、第2保護カバー30の検電挿入穴32a~32dが電源側端子6a,6b,6c,6dに前側から対向する。
【0025】
そして、
図1で示すプッシュリベット33を、第2連結穴31a,31b及び第1連結穴28a,28bに押し込むことで、第1保護カバー25を介して第2保護カバー30を電磁接触器1に装着する。
【0026】
本実施形態によると、第2保護カバー30が、電源側端子6a,6b,6c,6d及び負荷側端子7a,7b,7c,7d及び開口部9の全てを前側から覆っているので、開口部9から接点機構10への塵埃の侵入防止、或いは、接点機構10の動作表示部23の誤操作などを防止する動作表示部保護機能と、電源側端子6a,6b,6c,6d及び負荷側端子7a,7b,7c,7dに対する使用者の感電を確実に防止することができる充電部保護機能とを同時に備えることができる。
【0027】
また、第2保護カバー30を第1保護カバー25から取り外すことで、第1保護カバー25のみが消弧カバー4の開口部9を閉塞するので、動作表示部保護機能のみを備えることができる。
【0028】
また、第1保護カバー25の外向き爪部27a1,27b1を消弧カバー4の内壁4a,4bの第2係合凹部4a1、4b1に嵌め込むことで、第1保護カバー25を容易に消弧カバー4の開口部9に装着することができるとともに、第1保護カバー25の第2連結穴31a,31b及び第2保護カバー30の第1連結穴28a,28bにプッシュリベット33を押し込むことで、第2保護カバー30を容易に第1保護カバー25に装着することができる。そして、上記のように装着されていることで、電磁接触器1の開閉衝撃による振動が伝達しても、消弧カバー4が第1保護カバー25を強固に保持することができ、第1保護カバー25が第2保護カバー30を強固に保持することができる。
【0029】
さらに、電源側端子6a,6b,6c,6dの電圧測定を行う際には、第2保護カバー30を電磁接触器1に装着した状態で、検電挿入穴32a~32dから電源側端子6a,6b,6c,6dにテスターを挿入して電圧測定を行うことができるので、シーケンス制御回路のチェック作業などを容易に行うことができる。
【0030】
さらにまた、第1保護カバー25及び第2保護カバー30を、透明性を有する合成樹脂で形成したことで、動作表示部として機能する開口部9に出没する動作表示部23の動きを目視で容易に確認することができる。
[第2実施形態]
【0031】
次に、
図8から
図10は、第2実施形態の電磁接触器1に装着される第1保護カバー40及び第2保護カバー45を示している。なお、電磁接触器1は、
図1から
図7で示した第1実施形態と同一構成なので、同一符号を付して説明は省略する。また、第1実施形態と同一構成の部材には同一符号を付して説明は省略する。
【0032】
第1保護カバー40は、電気絶縁性を有する透明性の合成樹脂で形成されており、
図8(a),(b)に示すように、電磁接触器1の消弧カバー4に形成した開口部9と略同一の四角形状平板であるカバー本体41と、カバー本体41の互いに対向する2辺から互いに平行に延在する一対の脚部42a,42bと、一対の脚部42a,42bの先端の内向き(互いに対向する方向)に形成されている内向き爪部42a1,42b1と、一対の脚部42a,42bに対して逆側のカバー本体41から互いに平行に突出している一対の突出部43a,43bと、カバー本体41に形成した一対の第1連結穴44a,44bと、を備えている。
【0033】
第2保護カバー45は、電気絶縁性を有する透明性の合成樹脂で形成した長方形板であり、
図9に示すように、第1実施形態と同様に長手方向の中央部に一対のプッシュリベット33が通過する一対の第2連通穴が形成されているとともに、これら第2連通穴を間に挟んだ位置に一対のスリット46a,46bが形成されている。また、第2保護カバー45の上側には、4個の検電挿入穴32a~32dが形成されている。
【0034】
次に、電磁接触器1に第1保護カバー40及び第2保護カバー45を装着する手順について、
図10を参照して説明する。
【0035】
第1保護カバー40の一対の脚部42a,42bを消弧カバー4の開口部9に挿入していく。一対の脚部42a,42bは、内向き爪部42a1,42b1が一対のフレーム凸部24a,24bに摺動することで左右方向の外側に弾性変形し、内向き爪部42a1,42b1が第1係合凹部24a1、24b1に嵌まり込んだときに、一対の脚部42a,42bが弾性復帰する。これにより、カバー本体41が開口部9を閉塞した状態で第1保護カバー40が消弧カバー4に装着される。
【0036】
次いで、一対の突出部43a,43bを一対のスリット46a,46bに挿入した状態で、カバー本体41の第1連結穴44a,44aに第2連通穴(不図示)を対応させ、第2保護カバー45を第1保護カバー40上に配置する。この際、第2保護カバー45の検電挿入穴32a~32dが電源側端子6a,6b,6c,6dに前側から対向する。そして、プッシュリベット33を、第2連結穴及び第1連結穴44a,44bに押し込むことで、第1保護カバー40を介して第2保護カバー45を電磁接触器1に装着する。
【0037】
ここで、
図10に示すように、一対の突出部43a,43bの先端側を互いが近接する左右方向の内側(矢印B1,B2方向)に変形させると、カバー本体41が変形することで一対の脚部42a,42bが左右方向の外側に移動し、内向き爪部42a1,42b1の第1係合凹部24a1、24b1に対する嵌まり込みが解除されるので、第1保護カバー40を消弧カバー4から取り外すことが可能となる。
【0038】
なお、本発明に係る筐体係合部が一対のフレーム凸部24a,24bの第1係合凹部24a1、24b1に対応し、本発明に係るカバー連結部が、第1連結穴44a,44b、及び第2保護カバー45に形成した第2連結穴及びプッシュリベット33に対応、本発明に係る係合解除部が一対の突出部43a,43bに対応している。
【0039】
本実施形態によると、第2保護カバー45が、電源側端子6a,6b,6c,6d、負荷側端子7a,7b,7c,7d及び開口部9の全てを前側から覆っているので、開口部9から接点機構10への塵埃の侵入防止、或いは、接点機構10の動作表示部23の誤操作などを防止する動作表示部保護機能と、電源側端子6a,6b,6c,6d及び負荷側端子7a,7b,7c,7dに対する使用者の感電を確実に防止することができる充電部保護機能とを同時に備えることができる。
【0040】
また、第2保護カバー45を第1保護カバー40から取り外すことで、第1保護カバー40のみが消弧カバー4の開口部9を閉塞することで、動作表示部保護機能のみを備えることができる。
【0041】
また、第1保護カバー40の内向き爪部42a1,42b1を第2係合凹部4a1、4b1に嵌め込むことで、第1保護カバー40を容易に消弧カバー4の開口部9に装着することができるとともに、第1保護カバー40の第2連結穴44a,44b及び第2保護カバー45の連結穴にプッシュリベット33を押し込むことで、第2保護カバー45を容易に第1保護カバー40に装着することができる。そして、上記のように装着されていることで、電磁接触器1の開閉衝撃による振動が伝達しても、消弧カバー4が第1保護カバー40を強固に保持することができ、第1保護カバー40が第2保護カバー45を強固に保持することができる。
【0042】
また、第1保護カバー40の突出部43a,43bを左右方向の内側に変形させると、内向き爪部42a1,42b1の第1係合凹部24a1、24b1に対する嵌まり込みが解除されるので、第1保護カバー40を消弧カバー4から容易に取り外すことができる。
【0043】
また、電源側端子6a,6b,6c,6dの電圧測定を行う際には、第2保護カバー45を電磁接触器1に装着した状態で、検電挿入穴32a~32dから電源側端子6a,6b,6c,6dにテスターを挿入して電圧測定を行うことができるので、シーケンス制御回路のチェック作業などを容易に行うことができる。
【0044】
さらにまた、第1保護カバー40及び第2保護カバー45を、透明性を有する合成樹脂で形成したことで、動作表示部として機能する開口部9に出没する動作表示部23の動きを目視で容易に確認することができる。
[第3実施形態]
【0045】
次に、
図11から
図13は、第3実施形態の電磁接触器1に装着される第1保護カバー50及び第2保護カバー55を示している。
【0046】
第1保護カバー50は、電気絶縁性を有する透明性の合成樹脂で形成されており、
図11(a)~(c)に示すように、電磁接触器1の消弧カバー4に形成した開口部9と略同一の四角形状平板であるカバー本体51と、カバー本体51の互いに対向する2辺から互いに平行に延在する一対の脚部52a,52bと、一対の脚部52a,52bの先端の内向きに形成されている内向き爪部52a1,52b1と、一対の脚部52a,52bに対して逆側のカバー本体51の四隅から互いに平行に突出している4個の突起部53と、を備えている。
【0047】
第2保護カバー55は、電気絶縁性を有する透明性の合成樹脂で形成した長方形板であり、
図12に示すように、長手方向の中央部に、第1保護カバー40の4個の突起部53が通過する4箇所の連結穴56が形成されている。また、第2保護カバー55の上側には、4個の検電挿入穴32a~32dが形成されている。
【0048】
第1保護カバー50は、一対の脚部52a,52bを消弧カバー4の開口部9に挿入していき、内向き爪部52a1,52b1を第1係合凹部24a1、24b1に係合させて、カバー本体51が開口部9を閉塞した状態で消弧カバー4に装着される。
【0049】
また、第1保護カバー50の4個の突起部53を4箇所の連結穴56に挿入した状態で、第2保護カバー55を第1保護カバー50上に配置し、連結穴56から突出している4個の突起部53の頭部をかしめることでかしめ部53aを形成する。このかしめ部53aを形成することで、第2保護カバー55が、第1保護カバー50に固定される。この際、第2保護カバー55の検電挿入穴32a~32dが電源側端子6a,6b,6c,6dに前側から対向する。
【0050】
なお、本発明に係るカバー連結部が、第1保護カバー50の突起部53、第2保護カバー55の連結穴56及び、かしめ部53aに対応している。
【0051】
本実施形態によると、第2保護カバー55が、電源側端子6a,6b,6c,6d、負荷側端子7a,7b,7c,7d及び開口部9の全てを前側から覆っているので、開口部9から接点機構10への塵埃の侵入防止、或いは、接点機構10の動作表示部23の誤操作などを防止する動作表示部保護機能と、電源側端子6a,6b,6c,6d及び負荷側端子7a,7b,7c,7dに対する使用者の感電を確実に防止することができる充電部保護機能とを同時に備えることができる。
【0052】
また、第1保護カバー50の4個の突起部53の頭部をかしめず、第2保護カバー55を第1保護カバー50に固定しない場合には、第1保護カバー50のみが消弧カバー4の開口部9を閉塞することで、動作表示部保護機能のみを備えることができる。
【0053】
また、第1保護カバー50の内向き爪部52a1,52b1を第1係合凹部24a1、24b1に嵌め込むことで、第1保護カバー50を容易に消弧カバー4の開口部9に装着することができるとともに、電磁接触器1の開閉衝撃による振動が伝達しても、消弧カバー4が第1保護カバー50を強固に保持することができる。また、第1保護カバー50の4個の突起部53を4箇所の連結穴56に挿入し、連結穴56から突出している突起部53の頭部をかしめてかしめ部53aを形成することとで、電磁接触器1の開閉衝撃による振動が伝達しても、第1保護カバー50が第2保護カバー55を強固に保持することができる。
【0054】
また、電源側端子6a,6b,6c,6dの電圧測定を行う際には、第2保護カバー55を電磁接触器1に装着した状態で、検電挿入穴32a~32dから電源側端子6a,6b,6c,6dにテスターを挿入して電圧測定を行うことができるので、シーケンス制御回路のチェック作業などを容易に行うことができる。
【0055】
さらに、第1保護カバー50及び第2保護カバー55を、透明性を有する合成樹脂で形成したことで、動作表示部として機能する開口部9に出没する動作表示部23の動きを目視で容易に確認することができる。
[第4実施形態]
【0056】
次に、
図14から
図16は、第4実施形態の電磁接触器1に装着される第1保護カバー60及び第2保護カバー65を示している。
【0057】
第1保護カバー60は、電気絶縁性を有する透明性の合成樹脂で形成されており、
図14(a)~(c)に示すように、電磁接触器1の消弧カバー4に形成した開口部9と略同一の四角形状平板であるカバー本体61と、カバー本体61の互いに対向する2辺から互いに平行に延在する一対の脚部62a,62bと、一対の脚部62a,62bの先端の内向きに形成されている内向き爪部62a1,62b1と、一対の脚部62a,62bに対して逆側のカバー本体61から突出して一対のスナップフィット機構67a,67bを構成する一対の嵌合突起部68a,68bと、を備えている。
【0058】
第2保護カバー65は、電気絶縁性を有する透明性の合成樹脂で形成した長方形板であり、
図15に示すように、長手方向の中央部に、前述したスナップフィット機構67a,67bを構成する一対の嵌合穴部66a,66bが形成されており、上側には、4個の検電挿入穴32a~32dが形成されている。
【0059】
第1保護カバー60は、一対の脚部62a,62bを消弧カバー4の開口部9に挿入していき、内向き爪部62a1,62b1を、第3実施形態の
図13で示した第1係合凹部24a1、24b1に係合させることで、カバー本体61が開口部9を閉塞した状態で消弧カバー4に装着される。
【0060】
そして、
図16に示すように、第2保護カバー65の嵌合穴部66a,66bに第1保護カバー60の嵌合突起部68a,68bを挿入し、嵌合突起部68a,68bの爪部68a1,68b1を嵌合穴部66a,66bの周縁に係合することで、第2保護カバー65が第1保護カバー60にスナップフィット結合で固定される。
【0061】
なお、本発明に係るカバー連結部が、嵌合突起部68a,68b及び嵌合穴部66a,66bからなるスナップフィット機構67a,67bである。
【0062】
本実施形態も、第2保護カバー65が、電源側端子6a,6b,6c,6d、負荷側端子7a,7b,7c,7d及び開口部9の全てを前側から覆っているので、開口部9から接点機構10への塵埃の侵入防止、或いは、接点機構10の動作表示部23の誤操作などを防止する動作表示部保護機能と、電源側端子6a,6b,6c,6d及び負荷側端子7a,7b,7c,7dに対する使用者の感電を確実に防止することができる充電部保護機能とを同時に備えることができる。
【0063】
また、第1保護カバー60の嵌合突起部68a,68bと第2保護カバー65の嵌合穴部66a,66bとをスナップフィット結合せず、第2保護カバー65を第1保護カバー60に固定しない場合には、第1保護カバー60のみが消弧カバー4の開口部9を閉塞することで、動作表示部保護機能のみを備えることができる。
【0064】
また、第1保護カバー60の内向き爪部62a1,62b1を第1係合凹部24a1、24b1に嵌め込むことで、第1保護カバー60を容易に消弧カバー4の開口部9に装着することができるとともに、電磁接触器1の開閉衝撃による振動が伝達しても、消弧カバー4が第1保護カバー60を強固に保持することができる。また、第1保護カバー60及び第2保護カバー65が一対のスナップフィット機構67a,67bでスナップフィット結合されているので、第2保護カバー65を容易に第1保護カバー60に装着することができ、電磁接触器1の開閉衝撃による振動が伝達しても、第1保護カバー60に第2保護カバー65を強固に保持することができるとともに、第1保護カバー60から第2保護カバー65を容易に取り外すことができる。
【0065】
また、電源側端子6a,6b,6c,6dの電圧測定を行う際には、第2保護カバー65を電磁接触器1に装着した状態で、検電挿入穴32a~32dから電源側端子6a,6b,6c,6dにテスターを挿入して電圧測定を行うことができるので、シーケンス制御回路のチェック作業などを容易に行うことができる。
【0066】
さらに、第1保護カバー60及び第2保護カバー65を、透明性を有する合成樹脂で形成したことで、動作表示部として機能する開口部9に出没する動作表示部23の動きを目視で容易に確認することができる。
[第5実施形態]
【0067】
次に、
図17から
図19は、第5実施形態の電磁接触器1に装着される第1保護カバー70及び第2保護カバー75を示している。本実施形態は、第4実施形態の第1保護カバー60及び第2保護カバー65の変形例であり、第4実施形態と同一構成の部材には同一符号を付して説明は省略する。
【0068】
第1保護カバー70は、
図17に示すように、一対の脚部62a,62bに対して逆側のカバー本体61から突出して、スナップフィット機構67a,67bを構成する一対の嵌合突起部68a,68bの間に、円柱形状のボス71が突出して形成されている。
【0069】
第2保護カバー75は、
図18に示すように、スナップフィット機構67a,67bを構成する一対の嵌合穴部66a,66bの左右方向の間にボス穴76が形成されている。
【0070】
第1保護カバー70は、一対の脚部62a,62bを消弧カバー4の開口部9に挿入していき、内向き爪部62a1,62b1を、第3実施形態の
図13で示した第1係合凹部24a1、24b1に係合させることで、カバー本体61が開口部9を閉塞した状態で消弧カバー4に装着される。
【0071】
また、
図19に示すように、第2保護カバー75の嵌合穴部66a,66bに第1保護カバー70の嵌合突起部68a,68bを挿入し、第2保護カバー75のボス穴76に第1保護カバー70のボス71を挿入する。そして、嵌合突起部68a,68bの爪部68a1,68b1を嵌合穴部66a,66bの周縁に係合し、ボス71がボス穴76に嵌まり込むことで、第2保護カバー75が第1保護カバー70に固定される。
【0072】
なお、本発明に係るカバー連結部が、嵌合突起部68a,68b及び嵌合穴部66a,66bからなるスナップフィット機構67a,67bと、第2保護カバー75のボス穴76及び第1保護カバー70のボス71が対応している。
【0073】
本実施形態も、第2保護カバー75が、電源側端子6a,6b,6c,6d、負荷側端子7a,7b,7c,7d及び開口部9の全てを前側から覆っているので、開口部9から接点機構10への塵埃の侵入防止、或いは、接点機構10の動作表示部23の誤操作などを防止する動作表示部保護機能と、電源側端子6a,6b,6c,6d及び負荷側端子7a,7b,7c,7dに対する使用者の感電を確実に防止することができる充電部保護機能とを同時に備えることができる。
【0074】
また、第2保護カバー75を第1保護カバー70に固定しない場合には、第1保護カバー70のみが消弧カバー4の開口部9を閉塞することで、動作表示部保護機能のみを備えることができる。
【0075】
また、第1保護カバー70及び第2保護カバー75が一対のスナップフィット機構67a,67bでスナップフィット結合されているとともに、第1保護カバー70のボス71が第2保護カバー75のボス穴76に嵌まり込んでいるので、第2保護カバー75を容易に第1保護カバー70に装着することができるとともに、電磁接触器1の開閉衝撃による振動が伝達しても、第1保護カバー70に第2保護カバー75を強固に保持することができる。
【0076】
また、電源側端子6a,6b,6c,6dの電圧測定を行う際には、第2保護カバー75を電磁接触器1に装着した状態で、検電挿入穴32a~32dから電源側端子6a,6b,6c,6dにテスターを挿入して電圧測定を行うことができるので、シーケンス制御回路のチェック作業などを容易に行うことができる。
【0077】
さらに、第1保護カバー70及び第2保護カバー75を、透明性を有する合成樹脂で形成したことで、動作表示部として機能する開口部9に出没する動作表示部23の動きを目視で容易に確認することができる。
[第6実施形態]
【0078】
次に、
図20から
図23は、第6実施形態の電磁接触器1に装着される第1保護カバー80及び第2保護カバー85を示している。
【0079】
第1保護カバー80は、電気絶縁性を有する透明性の合成樹脂で形成した部材であり、
図20(a),(b)に示すように、電磁接触器1の消弧カバー4に形成した開口部9と略同一の四角形状平板であるカバー本体81と、カバー本体81の互いに対向する2辺から互いに平行に延在する一対の脚部82a,82bと、一対の脚部82a,82bの先端の内向きに形成されている内向き爪部82a1,82b1と、一対の脚部82a,82bに対して逆側のカバー本体81から突出して一対のスナップフィット機構87a,87bを構成する一対の嵌合突起部88a,88bと、一対の嵌合突起部88a,88bの間で突出している円筒形状のボス83と、前述したカバー本体81の互いに対向する2辺との間のカバー本体81の1辺側において嵌合突起部88a,88b及びボス83と同一方向に段差状に突出している段差突出部84と、を備えている。
【0080】
第2保護カバー85は、電気絶縁性を有する透明性の合成樹脂で形成した長方形板であり、
図21に示すように、長手方向の中央部に、スナップフィット機構87a,87bを構成する一対の嵌合穴部86a,86bが形成されており、一対の嵌合穴部86a,86bの間にボス穴89が形成されている。また、第2保護カバー85の長手方向の一端側には4個の検電挿入穴32a~32dが形成されており、長手方向の他端側の一対の嵌合穴部86a,86b及びボス穴89の近くには、第1保護カバー80の段差突出部84が内部に入り込む開口部90が形成されている。
【0081】
第1保護カバー80は、一対の脚部82a,82bを消弧カバー4の開口部9に挿入していき、内向き爪部82a1,82b1を、第3実施形態の
図13で示した第1係合凹部24a1、24b1に係合させることで、カバー本体81が開口部9を閉塞した状態で消弧カバー4に装着される。
【0082】
また、
図22に示すように、第2保護カバー85の嵌合穴部86a,86bに第1保護カバー80の嵌合突起部88a,88bを挿入し、第2保護カバー85のボス穴89に第1保護カバー80のボス83を挿入する。この際、第2保護カバー85の開口部90に、第1保護カバー80の段差突出部84を第2保護カバー85の裏面側(第1保護カバー80に当接する面側)から挿入する。これにより、嵌合突起部88a,88bの爪部88a1,88b1が嵌合穴部86a,86bの周縁に係合し、ボス83がボス穴89に嵌まり込むことで、第2保護カバー85が第1保護カバー80に固定される。ここで、
図23に示すように、第2保護カバー85の開口係合部91に挿入した第1保護カバー80の段差突出部84の端部は、開口係合部91の周縁に前側から当接する。
本実施形態では、段差突出部84を設けたことで、接点開閉時の開閉衝撃による第2保護カバー85の前後方向の移動を抑えることができ、第2保護カバー85が第1保護カバー80から外れにくくなる。
【0083】
なお、本発明に係る押し付け部が、第1保護カバー80の段差突出部84と、第2保護カバー85の開口部90に対応している。
【0084】
本実施形態も、第2保護カバー85が、電源側端子6a,6b,6c,6d、負荷側端子7a,7b,7c,7d及び開口部9の全てを前側から覆っているので、開口部9から接点機構10への塵埃の侵入防止、或いは、接点機構10の動作表示部23の誤操作などを防止する動作表示部保護機能と、電源側端子6a,6b,6c,6d及び負荷側端子7a,7b,7c,7dに対する使用者の感電を確実に防止することができる充電部保護機能とを同時に備えることができる。
【0085】
また、第2保護カバー85を第1保護カバー80に固定しない場合には、第1保護カバー80のみが消弧カバー4の開口部9を閉塞することで、動作表示部保護機能のみを備えることができる。
【0086】
また、第1保護カバー80及び第2保護カバー85が一対のスナップフィット機構87a,87bでスナップフィット結合され、第1保護カバー80のボス83が第2保護カバー75のボス穴89に嵌まり込み、第1保護カバー80の段差突出部84の端部が、第2保護カバー85の開口係合部91の周縁に前側から当接しているので、電磁接触器1の開閉衝撃による振動が伝達しても、第1保護カバー80に第2保護カバー85を強固に保持することができる。
【0087】
また、電源側端子6a,6b,6c,6dの電圧測定を行う際には、第2保護カバー85を電磁接触器1に装着した状態で、検電挿入穴32a~32dから電源側端子6a,6b,6c,6dにテスターを挿入して電圧測定を行うことができるので、シーケンス制御回路のチェック作業などを容易に行うことができる。
【0088】
さらに、第1保護カバー80及び第2保護カバー85を、透明性を有する合成樹脂で形成したことで、動作表示部として機能する開口部9に出没する動作表示部23の動きを目視で容易に確認することができる。
【符号の説明】
【0089】
1 電磁接触器
2A 第1フレーム
2B 第2フレーム
3 取付け板部
4 消弧カバー
4a、4b 内壁
4a1、4b1 第2係合凹部
6a,6b,6c,6d 電源側端子
7a,7b,7c,7d 電源側端子
8 コイル端子部
9 開口部
10 接点機構
12 電磁石ユニット
13 固定鉄心
13a 接極面
14 可動鉄心
14a 接極面
15 電磁コイル
16 復帰バネ
18a 電源側固定接触子
18a1 固定接点
18b 負荷側固定接触子
18b1 固定接点
19 接点支え
20 可動接触子
20a,20b 可動接点
21 ボビン
22 巻線
23 動作表示部
24a,24b 一対のフレーム凸部
24a1、24b1 第1係合凹部
25 第1保護カバー
26 カバー本体
27a,27b 脚部
27a1,27b1 外向き爪部
28a,28b 第1連結穴
30 第2保護カバー
31a,31b 第2連結穴
32a~32d 検電挿入穴
33 プッシュリベット
40 第1保護カバー
45 第2保護カバー
41 カバー本体
42a,42b 脚部
42a1,42b1 内向き爪部
43a,43b 突出部
44a,44b 第1連結穴
46a,46b スリット
50 第1保護カバー
51 カバー本体
52a,52b 脚部
52a1,52b1 内向き爪部
53 突起部
53a かしめ部
55 第2保護カバー
56 連結穴
60 第1保護カバー
65 第2保護カバー
61 カバー本体
62a,62b 脚部
62a1,62b1 内向き爪部
66a,66b 嵌合穴部
67a,67b スナップフィット機構
68a,68b 嵌合突起部
68a1,68b1 爪部
70 第1保護カバー
71 ボス
75 第2保護カバー
76 ボス穴
80 第1保護カバー
81 カバー本体
82a,82b 脚部
82a1,82b1 内向き爪部
83 ボス
84 段差突出部
85 第2保護カバー
86a,86b 嵌合穴部
87a,87b スナップフィット機構
88a,88b 嵌合突起部
88a1,88b1 爪部
89 ボス穴
90 開口部
91 開口係合部