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特開2025-25359プリンタ及びプリンタに使用される回転軸印刷メディア保護カバー
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  • 特開-プリンタ及びプリンタに使用される回転軸印刷メディア保護カバー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025359
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】プリンタ及びプリンタに使用される回転軸印刷メディア保護カバー
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20250214BHJP
   B41J 29/13 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
B41J2/01 109
B41J2/01 305
B41J29/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130054
(22)【出願日】2023-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】324012246
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(74)【代理人】
【識別番号】100192533
【弁理士】
【氏名又は名称】奈良 如紘
(72)【発明者】
【氏名】山下 翔平
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 昭洋
【テーマコード(参考)】
2C056
2C061
【Fターム(参考)】
2C056EA16
2C056EA20
2C056EA24
2C056FB01
2C056FB04
2C056FB09
2C056HA29
2C056HA37
2C056HA44
2C056HA60
2C056JA01
2C056JB04
2C056KC01
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AR01
2C061AS06
2C061BB03
2C061BB04
2C061BB05
2C061BB10
2C061BB35
2C061CC05
2C061CC09
(57)【要約】
【課題】回転軸印刷用のメディアのサイズ(小径~大径、短尺~長尺)や印刷範囲に合わせて簡単に加工・組立ができるとともに、立体物支持体へ簡単に固定・着脱ができる低コストの回転軸印刷メディア保護カバーを有するプリンタを提供すること。
【解決手段】プリンタ(10)は、回転軸印刷メディア保護カバー(40)が、立体物(30)の液体吐出領域に対向するように形成された開口部(43)が形成されると共に立体物(30)を覆い、板状部材を折り曲げて形成可能である。回転軸印刷メディア保護カバー(40)は、上面部(42)と、前側面部(51)と、後側面部(61)と、左脚部(71)と、右脚部(81)と、を備えている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を搭載する設置台と、
前記設置台に対して、主走査方向に相対的に移動しつつ液体を記録媒体に吐出するヘッドと、
前記記録媒体が立体物である場合に、前記設置台上に設けられ、前記立体物を前記ヘッドに対して回転可能に支持する立体物支持体と、
立体物の液体吐出領域に対向するように形成された開口部が形成されると共に前記立体物を覆う回転軸印刷メディア保護カバーにおいて、
前記立体物は、円筒形状または円柱形状であり、その軸が前記立体物支持体の前記回転軸に沿って配置され、回転しながら外周面の上方側に印刷されるものであり、
前記回転軸印刷メディア保護カバーは、
前記開口部が形成される矩形状の上面部と、この上面部の前側の縁に第1折り線を介して接続され下方に折り曲げ可能な前側面部と、前記上面部の後側の縁に第2折り線を介して接続され下方に折り曲げ可能な後側面部と、前記上面部の左側の縁に第3折り線を介して接続され下方に折り曲げ可能な左脚部と、前記上面部の右側の縁に第4折り線を介して接続され下方に折り曲げ可能な右脚部と、を備え、板状部材で構成されると共に前記上面部、前記前側面部、前記後側面部、前記左脚部及び前記右脚部を折り曲げて組み立て可能に構成されており、
少なくとも前記左脚部及び前記右脚部又は前側面部及び後側面部の少なくともいずれか一方における上下方向の長さが立体物支持体の高さ以上に設定されていることを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
前記回転軸印刷メディア保護カバーは、
前記前側面部及び前記後側面部の上下方向の長さが、前記左脚部及び前記右脚部の上下方向の長さよりも短く形成され、
前記左脚部及び前記右脚部のみが前記設置台に当接し、前記前側面部及び前記後側面部と前記設置台の間は空洞となる請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記回転軸印刷メディア保護カバーは、
前記左脚部及び前記右脚部又は前側面部及び後側面部の少なくともいずれか一方には、高さ調整用の目安線が複数設けられ、
前記左脚部及び前記右脚部又は前側面部及び後側面部の少なくともいずれか一方は、前記目安線を切断することで高さ調整可能である請求項1に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記回転軸印刷メディア保護カバーは、
前記上面部に、前記立体物の直径に応じて前記開口部の大きさを調整するための開口部用の目安線が複数設けられている請求項1に記載のプリンタ。
【請求項5】
前記左脚部及び前記右脚部には、差し込み爪又は差し込み孔が形成され、
前記前側面部及び前記後側面部には、差し込み孔又は差し込み爪が形成され、
前記差し込み爪を前記差し込み孔に差し込むことで前記回転軸印刷メディア保護カバーが組み立てられる請求項1から請求項4のいずれか1項記載のプリンタ。
【請求項6】
記録媒体を搭載する設置台と、前記設置台に対して、主走査方向に相対的に移動しつつ液体を記録媒体に吐出するヘッドと、前記記録媒体が立体物である場合に、前記設置台上に設けられ、前記立体物を前記ヘッドに対して回転可能に支持する立体物支持体と、とを有するプリンタに使用され、立体物の液体吐出領域に対向するように形成された開口部が形成されると共に前記立体物を覆う回転軸印刷メディア保護カバーおいて、
前記立体物は、円筒形状または円柱形状であり、その軸が前記立体物支持体の前記回転軸に沿って配置され、回転しながら外周面の上方側に印刷されるものであり、
前記回転軸印刷メディア保護カバーは、
前記開口部が形成される矩形状の上面部と、この上面部の前側の縁に第1折り線を介して接続され下方に折り曲げ可能な前側面部と、前記上面部の後側の縁に第2折り線を介して接続され下方に折り曲げ可能な後側面部と、前記上面部の左側の縁に第3折り線を介して接続され下方に折り曲げ可能な左脚部と、前記上面部の右側の縁に第4折り線を介して接続され下方に折り曲げ可能な右脚部と、を備え、板状部材を折り曲げて組み立て可能に構成されており、
少なくとも前記左脚部及び前記右脚部又は前側面部及び後側面部の少なくともいずれか一方における上下方向の長さが立体物支持体の高さ以上に設定されていることを特徴とする回転軸印刷メディア保護カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ内の設置台の立体物支持体にセットされた回転軸印刷用のメディアを保護する回転軸印刷メディア保護カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタには、装置内部の設置台に回転軸を有する立体物支持体が設けられ、この立体物支持体に回転軸印刷用のメディアをセットして印刷するものがある。このような立体物支持体に回転軸印刷用のメディアをセットして印刷するプリンタとして特許文献1に記載された技術が知られている。
【0003】
特許文献1に開示された液体吐出装置は、ステージと、移動方向に移動しつつ液体を立体形状被印刷物に吐出するヘッドと、ヘッドを支持し移動方向と交差する交差方向にステージに対する相対移動を行うヘッド支持体と、ステージ上に設けられ立体形状被印刷物を支持し立体形状被印刷物を回転させる被印刷物支持体と、被印刷物支持体を支持する枠部と、枠部に嵌め込まれ立体形状被印刷物の液体吐出領域に対向するように形成された穴部を有するカバー部材と、を有する。
【0004】
カバー部材によれば、吐出されたUVインクがミストとなって拡散したとしても、円筒形状被印刷物や円筒形状物支持体が汚れることを抑止することが可能となる。
【0005】
ところで、円筒形状被印刷物は常に同じサイズ(直径)という訳ではなく、異なるサイズの円筒形状被印刷物に印刷することがある。この場合、円筒形状被印刷物のサイズに応じて、カバー部材のサイズも変更する必要が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6202159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1による液体吐出装置のように、カバー部材を枠部に嵌め込む構造の場合、カバー部材の枠部への嵌め込みに手間がかかる。また、円筒形状被印刷物のサイズが変わるとカバー部材に円筒形状被印刷物が当たってしまい印刷できない。これに対処するには、円筒形状被印刷物のサイズに応じてカバー部材のサイズを変更するだけでなく、カバー部材の枠部への嵌め込み部分も合わせる必要があるため、嵌め込み精度を有するサイズの異なるカバー部材を複数用意する必要が生じて部品コストが高くなる。
【0008】
本発明は、回転軸印刷用のメディアのサイズ(小径~大径、短尺~長尺)や印刷範囲に合わせて簡単に加工・組立ができるとともに、立体物支持体へ簡単に固定・着脱ができる低コストの回転軸印刷メディア保護カバーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示によれば、プリンタ内の設置台に回転軸を有する立体物支持体が設けられ、この立体物支持体にセットされた回転軸印刷用のメディアを保護する回転軸印刷メディア保護カバーにおいて、
前記メディアは、円筒形状または円柱形状であり、その軸が前記立体物支持体の前記回転軸に沿って配置され、回転しながら外周面の上方側に印刷されるものであり、
前記回転軸印刷メディア保護カバーは、板材を折り曲げて形成されたものであり、
前記メディアの上方側が露出するように開口部が形成された矩形状の上面部と、この上面部の前側の縁に第1折り線を介して接続され下方に折り曲げられた前側面部と、前記上面部の後側の縁に第2折り線を介して接続され下方に折り曲げられた後側面部と、前記上面部の左側の縁に第3折り線を介して接続され下方に折り曲げられた左脚部と、前記上面部の右側の縁に第4折り線を介して接続され下方に折り曲げられた右脚部と、を備え、
少なくとも前記左脚部及び前記右脚部を前記設置台に設置することを特徴とする回転軸印刷メディア保護カバーが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、印刷面以外のメディア全体への印刷時のミストの付着を抑制できる。メディア内部を通過する紫外線ランプ(UVランプ)反射光を遮断し、このUVランプ反射光によるヘッドノズルへの反射光量の増加によるインク吐出不良を防止できる。回転軸印刷用のメディアのサイズ(小径~大径、短尺~長尺)や印刷範囲に合わせて簡単に加工・組立ができるとともに、立体物支持体へ簡単に固定・着脱ができる低コストの回転軸印刷メディア保護カバーを提供することができる。回転軸印刷メディア保護カバーは、立体物支持体を囲って設置台に直接置くだけなので、設置台への固定・着脱ともに簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例による回転軸印刷メディア保護カバーの展開図である。
図2】実施例による組み立てた状態の回転軸印刷メディア保護カバーの斜視図である。
図3】組み立てた回転軸印刷メディア保護カバーを立体物支持体及び設置台に取り付けた状態の斜視図である。
図4図3の回転軸印刷メディア保護カバーを立体物支持体及び設置台に取り付けた状態の透視斜視図である。
図5図3の回転軸印刷メディア保護カバーを立体物支持体及び設置台に取り付けた状態の平面図である。
図6図3の回転軸印刷メディア保護カバーを立体物支持体及び設置台に取り付けた状態の正面図である。
図7】実施例による別態様の回転軸印刷メディア保護カバーを立体物支持体及び設置台に取り付けた状態の説明図である。
図8】実施例による回転軸印刷メディア保護カバーの目安線を説明するための展開図である。
図9】実施例による回転軸印刷メディア保護カバーの作用図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、説明中、左右とはプリンタに対面した状態を基準として左右、前後とはプリンタによる紙の送り方向を基準として前後を指す。
【0013】
<実施例>
(プリンタ10について)
図3図6を参照する。プリンタ10は、紙等からなるメディアにカラー画像を形成可能なUV式のプリンタ(UVプリンタ)である。UVプリンタとは、紫外線を照射させることで硬化するUVインクを使用したプリンタのことである。
【0014】
プリンタ10は、外形を構成するケースと、このケースに形成された開口部を開閉可能に覆う開閉メインカバーと、ケース内に設けられた設置台11と、この設置台11に設けられ円筒形状のメディア30を支持する立体物支持体20と、この立体物支持体20にセットされた回転軸印刷用のメディア30を保護する回転軸印刷メディア保護カバー40と、を備える。
【0015】
また、プリンタ10は、設置台11の上方において左右幅方向に伸びるレールと、このレール上に移動可能に設けられたキャリッジと、それぞれ異なる色のインクが充填されたインクカートリッジと、これらのインクカートリッジからインクを送液可能に接続されたインクチューブと、これらのインクチューブに接続されていると共にキャリッジに収納されているヘッド(インクヘッド)と、キャリッジに設けられた紫外線を照射するUVランプと、インクヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス装置と、キャリッジ等を制御する制御装置と、を備える。
【0016】
なお、メンテナンス装置は、インクヘッドのノズル面を払拭するワイプ装置と、インクの吐出面側を保護するキャップ装置と、を含む。
【0017】
プリンタ10は、キャリッジを移動させながら、ヘッドの下方を通過するメディア30に印刷を行う。なお、UVプリンタは、UVランプから紫外線をUVインクに照射して硬化させることで印刷を行うものであり、様々な素材に印刷でき、樹脂、木材、皮革など、硬度の高い素材から柔軟性の高い素材まで様々な素材に印刷ができる。
【0018】
(立体物支持体20について)
立体物支持体20は、横長に形成された本体部21と、この本体部21の長手方向に沿って設けられ円筒形状に形成されたメディア30を回転可能に支持する回転軸22と、本体部21に設けられこの本体部21を設置台に着脱可能に固定する固定部23と、を備える。
【0019】
(メディア30について)
メディア30は、円筒形状または円柱形状の被印刷物であり、その軸が立体物支持体20の回転軸22に沿って配置され、回転しながら外周面の上方側に印刷されるものである。また、材質は、普通紙などの紙類、ポリ塩化ビニル、ポリエステル等の樹脂類、アルミニウム材、鉄材等の金属類であってもよく、様々な材料で構成された部材が可能である。以下、立体形状のメディア30を立体物30ということもある。
【0020】
(ヘッド、インクカートリッジおよびインクについて)
インクカートリッジは、シアンインクが充填されたシアンカートリッジと、マゼンダインクが充填されたマゼンダカートリッジと、イエローインクが充填されたイエローカートリッジと、ブラックインクが充填されたブラックカートリッジ等からなる。なお、インクカートリッジを構成するカートリッジの数や色は任意に選択することができる。
【0021】
(回転軸印刷メディア保護カバー40について)
図1図6を参照する。回転軸印刷メディア保護カバー40は、板材41を折り曲げて形成されたものである。板材41は合成樹脂製であり、紫外線(UV)を通さない素材で構成されている。なお、実施例では、板材41を合成樹脂製としたが、これに限定されず、金属製、紙製などでもよく、さらには紫外線を透過する素材で構成されていても差し支えない。
【0022】
回転軸印刷メディア保護カバー40は、メディア30の上方側が露出するように矩形状の開口部43が形成された矩形状の上面部42と、この上面部42の前側の縁に第1折り線52を介して接続され下方に折り曲げられた前側面部51と、上面部42の後側の縁に第2折り線62を介して接続され下方に折り曲げられた後側面部61と、上面部42の左側の縁に第3折り線72を介して接続され下方に折り曲げられた左脚部71と、上面部42の右側の縁に第4折り線82を介して接続され下方に折り曲げられた右脚部81と、を備える。
【0023】
左脚部71は、前側の縁に第5折り線74を介して内側に折り曲げられる左脚前折り部73と、後側の縁に第6折り線76を介して内側に折り曲げられる左脚後折り部75と、左脚前折り部73に設けられた差し込み爪77と、左脚後折り部75に設けられた差し込み爪77と、を備える。
【0024】
右脚部81は、前側の縁に第7折り線84を介して内側に折り曲げられる右脚前折り部83と、後側の縁に第8折り線86を介して内側に折り曲げられる右脚後折り部85と、右脚前折り部83に設けられた差し込み爪87と、右脚後折り部85に設けられた差し込み爪87と、右脚前折り部83に第9折り線94を介して内方に折り曲げられる右脚前補強部93と、右脚後折り部85に第10折り線96を介して内方に折り曲げられる右脚後補強部95と、を備える。
【0025】
前側面部51は、左右端部に差し込み孔53、53が設けられ、左右の差し込み爪77、87をそれぞれ左右の差し込み孔53、53に差し込むことで組み立てられる。
【0026】
後側面部61は、左右端部に差し込み孔63、63が設けられ、左右の差し込み爪77、87をそれぞれ左右の差し込み孔63、63に差し込むことで箱型に組み立てられる。
【0027】
組み立てられた回転軸印刷メディア保護カバー40は、少なくとも左脚部71及び右脚部81が設置台11に設置される。回転軸印刷メディア保護カバー40は、立体物支持体20を囲って設置台11に直接置くだけなので、位置合わせ不要で横長の開口部43からメディア30が出ていればよく、設置台11への固定・着脱ともに簡単に行うことができる。
【0028】
前側面部51の上下方向の長さL2及び後側面部61の上下方向の長さL3は、左脚部71の上下方向の長さL1及び右脚部81の上下方向の長さL1よりも短く形成されている。左脚部71及び右脚部81のみが設置台11に当接し、前側面部51及び後側面部61と設置台11の間は空洞54、64となる。この空洞54、64から、メディア30が回転軸印刷メディア保護カバー40内に配置されているか否かを確認することができる。
【0029】
(別態様の回転軸印刷メディア保護カバー40について)
図7を参照する。図7は別態様の回転軸印刷メディア保護カバー40を立体物支持体20及び設置台11に取り付けた状態の説明図であり、別態様の回転軸印刷メディア保護カバー40は、前側面部51の右の縁に折り目線を介して右脚部81の表面に折り曲げられる折り曲げ部55と、この折り曲げ部55に設けられる差し込み爪56と、後側面部61の右の縁に折り目線を介して右脚部81の表面に折り曲げられる折り曲げ部65と、この折り曲げ部65に設けられる差し込み爪66と、を備える。
【0030】
右脚部81には、差し込み爪56、66がそれぞれ差し込まれる差し込み孔88が形成されている。
【0031】
また、第1折り線52、第2折り線62、第3折り線72、第4折り線82、第5折り線74、第6折り線76、第7折り線84、第8折り線86、第9折り線94及び第10折り線96は、脆弱に形成されている。具体的には、折り線部分が板材41の他の部分よりも厚みが小さくなるよう、切れ込み又はプレス加工が施されている。なお、折り線部分は、切れ込み及びプレス加工がされているものに限定されず、単に目印となる線が描かれているものであってもよい。
【0032】
(目安線79、89について)
図8を参照する。回転軸印刷メディア保護カバー40において、左脚部71には、高さ調整用の目安線79が複数設けられている。また、右脚部81には、高さ調整用の目安線89が複数設けられている。左脚部71及び右脚部81は、目安線79、89を切断することで容易に高さ(長さL1)を調整することができる。
【0033】
(実施例のプリンタ10の作用について)
図8に併せて図9を参照する。図9(A)は、立体物支持体20に小さい直径D1のメディア30Aをセットした場合の回転軸印刷メディア保護カバー40Aを示す。図9(B)は、立体物支持体20に大きい直径D2のメディア30Bをセットした場合の回転軸印刷メディア保護カバー40Bを示す。直径D1よりも直径D2が大きい。この場合、回転軸印刷メディア保護カバー40Aの高さH1よりも、回転軸印刷メディア保護カバー40Bの高さH2の方が高い。図8に示した目安線79、89が設けられた回転軸印刷メディア保護カバー40であれば、目安線79、89を切断して容易に高さH1、H2を調整することができる。
【0034】
以上に説明したプリンタ10についてまとめる。
図1図9を参照する。第1に、設置台11に搭載するされる記録媒体30には、設置台11に対して、主走査方向に相対的に移動しつつヘッドによりUVインクが吐出される。プリンタ10は、記録媒体30が立体物30である場合に、立体物30が立体物支持体20によりヘッドに対して回転可能に支持され、インクの吐出領域に対向するように開口部43が形成され回転軸印刷メディア保護カバー40を備えている。立体物30は、円筒形状または円柱形状であり、その軸が立体物支持体20の回転軸に沿って配置され、回転しながら外周面の上方側に印刷されるものである。回転軸印刷メディア保護カバー40は、開口部43が形成される矩形状の上面部42と、この上面部42の前側の縁に第1折り線52を介して接続され下方に折り曲げ可能な前側面部51と、上面部42の後側の縁に第2折り線62を介して接続され下方に折り曲げ可能な後側面部61と、上面部42の左側の縁に第3折り線72を介して接続され下方に折り曲げ可能な左脚部71と、上面部42の右側の縁に第4折り線82を介して接続され下方に折り曲げ可能な右脚部81と、を備え、板状部材で構成されると共に、上面部42、前側面部51、後側面部61、左脚部71及び右脚部81を折り曲げて組み立て可能に構成されている。少なくとも前側面部51及び後側面部61、又は、左脚部71及び右脚部81の少なくともいずれか一方における上下方向の長さが立体物支持体20の高さ以上に設定されている。
【0035】
設置台11に搭載される記録媒体30には、設置台11に対して、主走査方向に相対的に移動しつつヘッドによりUVインクが吐出される。記録媒体30が立体物30である場合に、立体物30は、立体物支持体20によりヘッドに対して回転可能に支持されると共に、開口部43がインクの吐出領域に対向するように形成される回転軸印刷メディア保護カバー40により覆われる。回転軸印刷メディア保護カバー40は、開口部43が形成される矩形状の上面部42と、上面部の各縁に各折り線を介して接続される前側面部51、後側面部61、右脚部81及び左脚部71とが板状部材で構成されており、これら各部を折り曲げて組み立てられる。回転軸印刷メディア保護カバー40は、前側面部51及び後側面部61、又は、左脚部71及び右脚部81の少なくともいずれか一方における上下方向の長さが、立体物支持体20の高さ以上に設定されているので、回転軸印刷メディア保護カバー40を設置台11に置くことで、立体物支持体20を囲うことができる。回転軸印刷メディア保護カバー40により、立体物支持体20を囲うことで、印刷面以外のメディア30全体への印刷時のミストの付着を抑制できる。さらに、メディア30内部を通過する紫外線ランプ(UVランプ)反射光を遮断し、このUVランプ反射光によるヘッドノズルへの反射光量の増加によるインク吐出不良を防止できる。さらに、回転軸印刷用のメディア30のサイズ(小径~大径、短尺~長尺)や印刷範囲に合わせて開口部43の大きさや、前側面部51及び後側面部61、又は、左脚部71及び右脚部81の長さを加工することで、様々なサイズに対応でき、板状部材であるため加工・組立が容易である。さらに、回転軸印刷メディア保護カバー40は、立体物支持体20を囲って設置台11に直接置くだけなので、設置台11への固定・着脱ともに簡単に行うことができる。
【0036】
第2に、第1のプリンタ10であって、回転軸印刷メディア保護カバー40は、前側面部51及び後側面部61の上下方向の長さが、左脚部71及び右脚部81の上下方向の長さよりも短く形成され、左脚部71及び右脚部81のみが設置台11に当接し、前側面部51及び後側面部61と設置台11の間は空洞54、64となる。
【0037】
メディア30のサイズに応じて回転軸印刷メディア保護カバー40のサイズ調整が必要となるところ、前側面部51及び後側面部61の上下方向の長さは、左脚部71及び右脚部81の上下方向の長さはよりも短く形成されており、左脚部71及び右脚部81のみが設置台11に当接し、前側面部51及び後側面部61と設置台11の間は空洞54、64となるので、左脚部71及び右脚部81のみ適切な長さにカットすることで回転軸印刷メディア保護カバー40のサイズ調整を容易に行うことができる。
【0038】
図8図9を参照する。第3に、第1または第2のプリンタ10であって、回転軸印刷メディア保護カバー40は、左脚部71及び右脚部81又は前側面部51及び後側面部61の少なくともいずれか一方に、高さ調整用の目安線が設けられ、左脚部71及び右脚部81又は前側面部51及び後側面部61の少なくともいずれか一方は、目安線79、89を切断することで高さ調整可能である。
【0039】
印刷するメディア30のサイズ(直径)毎の加工目安として目安線(掛線)が引いてあり、回転軸印刷メディア保護カバー40を容易に目的のサイズへ加工することができる。
【0040】
第4に、第1乃至第3いずれかのプリンタ10であって、回転軸印刷メディア保護カバー40であって、上面部42には、立体物30の直径に応じて開口部43の大きさを調整するための開口部用の目安線が設けられていてもよい。容易に開口部43を任意の大きさに調整することが可能となる。
【0041】
図1図7を参照する。第5に、第1乃至第4いずれかのプリンタ10であって、回転軸印刷メディア保護カバー40は、左脚部71及び右脚部81に、差し込み爪77、87又は差し込み孔88が形成され、前側面部51及び後側面部61に、差し込み孔53、63又は差し込み爪56、66が形成され、差し込み爪56、66、77、87を差し込み孔53、63、88に差し込むことで組み立てられる。
【0042】
回転軸印刷メディア保護カバー40は、板材41の折り曲げ、差し込みにより接着剤を必要とせず、容易に組立が可能となる。
【0043】
尚、実施例では、目安線79、89を左脚部71及び右脚部81にのみ設けたが、これに限定されず、目安線を上面部42の開口部43に相当する部分に形成してもよい。これにより、開口部43の目安線をカットすることでメディア30のサイズに応じた開口部43を簡単に形成することができる。
【0044】
また、実施例では、回転軸印刷メディア保護カバー40は、立体物支持体20を囲って設置台11に置くだけとし、位置合わせ不要で横長の開口部43からメディア30が出ていればよいとしたが、立体物支持体20の形状に合わせて、例えば、回転軸印刷メディア保護カバー40の右脚部81の角を立体物支持体20の角に合わせて設置すれば、開口部43の位置がメディア30の位置に合うように設定してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の回転軸印刷メディア保護カバーは、立体物支持体にセットされた回転軸印刷用のメディアを保護する回転軸印刷メディア保護カバーに好適である。
【符号の説明】
【0046】
10…プリンタ
11…設置台
20…立体物支持体
21…本体部
22…回転軸
30…メディア(被印刷物(立体物))
40、40A、40B…回転軸印刷メディア保護カバー
41…板材
42…上面部
43…開口部
51…前側面部
52…第1折り線
53、63…差し込み孔
54、64…空洞
61…後側面部
62…第2折り線
71…左脚部
72…第3折り線
77、87…差し込み爪
79、89…目安線
81…右脚部
82…第4折り線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9