(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025378
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】容器処理システム
(51)【国際特許分類】
B65G 47/52 20060101AFI20250214BHJP
【FI】
B65G47/52 101Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130099
(22)【出願日】2023-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】花岡 裕也
(72)【発明者】
【氏名】嘉屋 考時
【テーマコード(参考)】
3F044
【Fターム(参考)】
3F044AA07
3F044AB06
3F044AB08
3F044AB37
3F044CA01
3F044CB01
3F044CD04
3F044CE01
3F044CE07
3F044CF02
(57)【要約】
【課題】リジェクトされた容器を確実に回収箱内に回収するとともに、より少ない自動搬送機で回収箱を所定位置へ移送可能な容器処理システムを提供する。
【解決手段】容器処理システムは、容器搬送経路の所定位置に配置されたリジェクト手段によってリジェクトされた容器Vを受け取る排出シュート40と、排出シュート40を介して排出される容器Vを回収する回収箱42と、回収箱42を移動する自動搬送機50とを備える。排出シュート40の下流端にリジェクトされた容器Vを貯留する貯留部52を形成する。リジェクトされた容器Vを回収箱42へ排出するか、貯留部52へ貯留するかを切り替える可能とする。回収箱42に収容された容器Vの収容量が所定量になると、自動搬送機50より回収箱42を所定の容器破棄位置へ移動させ、回収箱42が移動中の時は容器Vを貯留部52へ貯留する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を搬送する搬送手段を備え、容器を搬送しながら所定の処理を行う容器処理システムにおいて、
前記搬送手段の所定位置に配置されたリジェクト手段と、
前記リジェクト手段によって前記搬送手段からリジェクトされた容器を受け取る排出手段と、
前記排出手段の下流に設けられ、前記排出手段から排出される容器を収容する回収箱と、
前記回収箱と係合可能に設けられた自動搬送機と、
前記自動搬送機を制御する制御手段と、
前記回収箱に収容される容器の収容量を検出する検出手段とを備え、
前記排出手段の下流端にリジェクトされた容器を貯留する貯留部を形成するとともに、リジェクトされた容器を前記回収箱へ排出するか、前記貯留部へ貯留するかを切り替える操作手段を設け、
前記制御手段は、前記回収箱に収容された容器の収容量が所定量になると、前記自動搬送機を前記回収箱に係合させ、前記自動搬送機によって前記回収箱を所定の容器破棄位置へ移動させるとともに、前記回収箱が移動中の時は前記操作手段を制御して、リジェクトされる容器を前記貯留部へ貯留させるようにしたことを特徴とする容器処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される容器の良否に応じて不良品を回収する容器処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば飲料の製造ラインでは、ブロー成形機の後、検査ホイールの後、エアリンサの途中、キャッパの後、ラベラの後などに、不良品と判別されラインからリジェクトされた容器を回収する回収箱が各々設置されている。回収箱が満杯になったか否かは作業者の目視により確認され、手作業により空の回収箱が満杯の回収箱と置き換えられる。満杯の回収箱は、作業者により所定の容器破棄位置へ移動され、回収箱内の容器は同位置において払い出される。
【0003】
一方、近年では無人化や省人化の目的から回収箱を自動で回収することが検討され、作業者の代わりにAGV(automatic guides vehicle)やAMR(autonomous mobile robot)といった自動搬送機により回収箱を移動することが考えられている。例えば特許文献1には自動搬送機により医療器材の供給・回収を行うシステムが開示されており、物品の供給や回収に自動搬送機を採用することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、飲料を製造する容器充填システムにおいては、不良容器が発生した場合、排出シュートを介して回収箱に容器を落下させることで正規の搬送ラインから不良容器を回収している。そのため満杯となった回収箱を自動搬送機を用いて回収する場合、自動搬送機によって回収箱を移動している間に容器がリジェクトされると、排出シュートの出口から容器がばらまかれてしまう。回収箱と自動搬送機を2セット用意して交互に入れ替えながら使用することも考えらるが自動搬送機を多く配置しなければならずコストが増大する。
【0006】
本発明は、リジェクトされた容器を確実に回収箱内に回収するとともに、より少ない自動搬送機で回収箱を所定位置へ移送可能な容器処理システムを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の発明である容器処理システムは、容器を搬送する搬送手段を備え、容器を搬送しながら所定の処理を行う容器処理システムにおいて、前記搬送手段の所定位置に配置されたリジェクト手段と、前記リジェクト手段によって前記搬送手段からリジェクトされた容器を受け取る排出手段と、前記排出手段の下流に設けられ、前記排出手段から排出される容器を収容する回収箱と、前記回収箱と係合可能に設けられた自動搬送機と、前記自動搬送機を制御する制御手段と、前記回収箱に収容される容器の収容量を検出する検出手段とを備え、前記排出手段の下流端にリジェクトされた容器を貯留する貯留部を形成するとともに、リジェクトされた容器を前記回収箱へ排出するか、前記貯留部へ貯留するかを切り替える操作手段を設け、前記制御手段は、前記回収箱に収容された容器の収容量が所定量になると、前記自動搬送機を前記回収箱に係合させ、前記自動搬送機によって前記回収箱を所定の容器破棄位置へ移動させるとともに、前記回収箱が移動中の時は前記操作手段を制御して、リジェクトされる容器を前記貯留部へ貯留させるようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、リジェクトされた容器を確実に回収箱内に回収するとともに、より少ない自動搬送機で回収箱を所定位置へ移送可能な容器処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態である容器処理システムの全体の配置を示す平面図である。
【
図2】第1実施形態の貯留部の構成を示す縦断面図である。
【
図3】収容体が昇降機により収容位置まで下降された第1実施形態の貯留部の構成を示す縦断面図である。
【
図4】第1実施形態の容器処理システムにおける自動搬送機を用いた回収箱の交換処理の様子を時系列に示す斜視図である。
【
図5】第2実施形態の容器処理システムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態である容器処理システムの全体の配置を示す平面図である。
【0011】
本実施形態の容器処理システム10は、例えば成型チャンバ12においてブロー成型された容器Vを、順次検査チャンバ14、殺菌/エアリンスチャンバ16、水リンスチャンバ18、充填チャンバ20、キャッピングチャンバ22を経由してホイール(搬送手段)により搬送し、排出コンベヤ24により容器Vを下流側へと排出する。
【0012】
成型チャンバ12内には、容器Vのブロー成型を行うホイール式のブロー成型機12Aが配置される。成型チャンバ12には、パリソン用シュート26Aからパリソンが供給され、成型チャンバ12に供給されたパリソンは、複数のパリソン供給ホイール26B、パリソン予熱搬送装置26C、ブロー成型供給ホイール26Dを介してブロー成型機12Aへと搬送される。ブロー成型機12Aではパリソンにエアが吹き込まれ、容器Vが形成される。ブロー成型機12において成型された容器Vは、ブロー成型排出ホイール26Eを介して、検査チャンバ14内の第1リジェクトホイール(搬送手段、リジェクト手段)28Aに受け渡される。
【0013】
第1リジェクトホイール28Aに受け渡された容器Vは、検査供給ホイール28Bを介して検査ホイール14Aに受け渡される。第1リジェクトホイール28Aは、何等かのトラブルによりブロー成型機12Aを一旦停止し、その後復帰させた際にブロー成型機14Aから第1リジェクトホイール28Aの区間に残っている容器V(温度が低下して殺菌不可能となった容器)をリジェクトするホイールである。後述するように、排出される容器Vは第1リジェクトホイール28Aに隣接する第1排出シュート(排出手段)40Aを介して第1回収箱42Aに回収される。
【0014】
第1リジェクトホイール28Aは、外周に沿って配置される複数の機械式グリッパ29により容器Vのネック部を把持し搬送する。第1リジェクトホイール28Aのグリッパは例えばバネ27により常時閉じる方向に付勢されており、これによりグリッパ29と協働するカムフォロア29Aがカム29Bに押し当てられる。グリッパ29は、グリッパ29とともにカム29Bに沿って走行するカムフォロア29Aの揺動により開閉される。なお、第1リジェクトホイール28Aの機械式グリッパ29の構成は、
図2に示される第2リジェクトホイール28Cの機械式グリッパ29の構成と同様である(
図2参照)。
【0015】
第1リジェクトホイール28Aのカムは、運転モード(通常運転/リジェクト運転モード)に合わせて、検査供給ホイール28Bへの容器受渡位置と、第1排出シュート40Aへのリジェクト位置において、その位置が切替可能(進退可能)とされる。通常運転モードでは、容器受渡位置にあるカム29Bが例えばエアシリンダ31により前進される(
図2参照)。これにより容器受渡位置においてグリッパが開放され、容器Vは検査供給ホイール28Bへと受け渡される。
【0016】
一方、リジェクト運転モードでは、容器受渡位置にあるカム29Bが後退され、リジェクト位置のカム29Bは前進される。これにより容器Vは容器受渡位置において検査供給ホイール28Bへと受け渡されず、リジェクト位置まで搬送される。そしてリジェクト位置においてグリッパ29が開放されて容器Vが第1シュート40Aを介して第1回収箱42Aへと排出される(リジェクト手段)。
【0017】
検査ホイール14Aでは、例えばカメラ等の検査装置を用いて成型された容器Vの良否が判定される。すなわち、通常運転モードにおいて検査ホイール14Aへと受け渡された容器Vは、検査装置による検査を経て第2リジェクトホイール(搬送手段、リジェクト手段)28Cに受け渡される。検査装置において、不良と判定された容器Vは、第2リジェクトホイール28Cのリジェクト位置において第2排出シュート(排出手段)40Bを介して第2回収箱42Bへと排出される。一方、検査ホイール14Aの検査において問題がないと判定された容器Vは、第2リジェクトホイール28Cの容器受渡位置において中間ホイール28Dへと受け渡され、同ホイールを介して殺菌/エアリンサチャンバ16内の殺菌供給ホイール30Aに受け渡される。
【0018】
なお、第2リジェクトホイール28Cのグリッパの機構は第1リジェクトホイール28Aと略同様の機構で構成されるが、第2リジェクトホイール28Cでは第2リジェクトホイール28Cのリジェクト位置においてのみカム位置が切替可能(進退可能)である。すなわち不良とされる容器Vを把持するグリッパ29がリジェクト位置を通過するときのみ、リジェクト位置のカム29Bが前進され、グリッパ29が開放される。一方、第2リジェクトホイール28Cの容器受渡位置では、全てのグリッパ29がカム29Bにより開放される。
【0019】
殺菌/エアリンサチャンバ16内には、殺菌ホイール16Aとエアリンサ(搬送手段、リジェクト手段)16Bが配置される。殺菌供給ホイール30Aに受け渡された容器Vは、まず殺菌ホイール16Aに受け渡され、殺菌剤を容器Vに吹き付ける殺菌処理が施される。殺菌処理が完了した容器Vは、殺菌供給ホイール30Aからエアリンサ供給ホイール30Bを介してホイール式のエアリンサ16Bへと受け渡される。エアリンサ16Bでは容器Vに加熱エアを吹き付けて殺菌剤の乾燥が行われる。その後、容器Vは、水リンサ供給ホイール32を介して水リンサチャンバ18内に配置されるホイール式の水リンサ18Aへと受け渡される。
【0020】
また、エアリンサ16Bには、隣接して第3排出シュート40Cが配置され、第3排出シュート40Cから排出される容器Vは第3回収箱42Cにおいて回収される。エアリンサ16Bからの容器Vの排出は、第1リジェクトホイール28Aから排出コンベヤ24までの間(第1リジェクトホイール28Aからキャッピングチャンバ22)で発生した問題により、容器処理システム10が緊急停止された場合に利用され、殺菌不良があると判断される容器Vがリジェクトされる。
【0021】
エアリンサ16Bのグリッパは、例えば常時閉じる方向に付勢される板バネ式のグリッパであり、エアリンサ16Bの第3排出シュート(排出手段)40Cへのリジェクト位置には、例えば容器Vの胴部と係合可能なガイド部材(リジェクト手段)が進退動可能に配置される。第1リジェクトホイール28Aからエアリンサ16Bまでの殺菌不良があると判断される容器Vを排出する際には、ガイド部材が容器Vの搬送経路に前進させた状態で各ホイールが駆動され、エアリンサ16Bのグリッパに保持される容器Vがガイド部材により引き落とされ第3排出シュート40Cを介して第3回収箱42Cに回収される。
【0022】
水リンサ18Aでは容器Vに洗浄液を吹き付けて洗浄が行われる。洗浄が完了した容器Vは、フィラ供給ホイール34を介してフィラチャンバ20内に配置されるホイール式のフィラ(充填装置)20Aに受け渡される。フィラ20Aでは、容器Vに例えば液体が充填され、充填が完了した容器Vは、キャッパ供給ホイール36Aを介してキャッピングチャンバ22内に配置されるホイール式のキャッパ22Aに受け渡される。キャッパ22Aにおいてキャップが装着された容器Vは、キャッパ排出ホイール36Bおよび排出ホイール36Cを介してキャッピングチャンバ22から下流側の装置へと容器Vを搬送する排出コンベヤ24へと受け渡される。
【0023】
また、排出コンベヤ24の途中には、その片側にエアシリンダ44Aによりプッシャ44Bを排出コンベヤ24の搬送路上に進退する排出装置(リジェクト手段)44が設けられ、排出コンベヤ24の反対側には、プッシャ44Bにより押し出された容器Vを回収する第4回収箱42Dが配置される。
【0024】
なお、容器処理システム10の各ホイールの運転や、第1、第2リジェクトホイール28A、28Cのカムの進退、エアリンサ16Bのガイド部材の進退、および排出装置44のエアシリンダ44Aの駆動等は、容器処理システムコントローラ46によって制御される。また、容器処理システム10では、リジェクト手段が設けられたホイールの各グリッパの位置や、それぞれのリジェクト手段の動作が容器処理システムコントローラ46によって把握される。すなわち各リジェクト位置において容器Vが何本リジェクトされたかが容器処理システムコントローラ46によって把握される(カウント手段)。また、排出装置44ではプッシャ44Bを前進させて容器Vをリジェクトした数を計数することで、容器処理システムコントローラ46は、同位置において排出された容器Vの数を把握することができる(カウント手段)。
【0025】
図1では、例示的に4カ所に回収箱42A~42Dを配置した構成を示したが、回収箱が配置される箇所の数は任意である。また、本実施形態の容器処理システム10は図示はしていないが、排出コンベヤ24の下流にはラベラやケーサーなどの処理装置やコンベヤが配置されており、回収箱はシステム全体で数十カ所ほど配置されている。各回収箱に貯留される容器Vの数は、上述したように容器処理システムコントローラ46によって常時把握される。
【0026】
本実施形態の容器処理システム10では、各位置に配置された全ての回収箱の回収にAGVなどの自動搬送機50が用いられる。本実施形態では複数台(容器処理システム10全体に配置されている回収箱よりも少ない台数)の自動搬送機50が用いられ、各自動搬送機50は例えば自動搬送機待機エリアA1に待機しており、自動搬送機コントローラ(制御手段)48によって制御される。
【0027】
例えば、容器処理システムコントローラ46において、第3回収箱42Cに貯留されている容器Vが限界貯留量の90%となったという信号が第3回収箱42Cに対応するカウント手段から入力されると、容器処理システムコントローラ46は、自動搬送機コントローラ48に第3回収箱42Cの回収を指令する。自動搬送機コントローラ48は回収指令を受けると、各自動搬送機50の位置をチェックして最適な位置にある自動搬送機50に第3回収箱42Cへ移動するよう指令する。
【0028】
自動搬送機50によって回収された回収箱42は、リジェクト容器破棄エリア(容器破棄位置)A2へ移動される。リジェクト容器破棄エリアA2では作業者が排出された容器Vを空容器と実容器に分別し、それぞれに対応したエリアに容器Vを回収する。また、回収箱待機エリアA3には空の回収箱42(42A、42B、42C、42D)が待機しており、自動搬送機50は、回収された第3回収箱42Cに替えて、空の回収箱42を回収箱待機エリアA3から第3排出シュート40Cの出口位置に移動する。なお、回収容器Vで一杯になった第3回収箱42Cをリジェクト容器破棄エリアA2へと移動する自動搬送機50と、空の回収箱42を回収箱待機エリアA3から第3排出シュート40Cの出口位置に移動する自動搬送機50は同じ装置であってもよいが、それぞれ別の自動搬送機50を用いて移動を並行して行ってもよい。
【0029】
前述したように、回収箱42を交換している間、すなわち排出シュート40の出口位置に回収箱42が設置されていない状態でも容器Vは排出される可能性がある。その場合、排出された容器Vは排出シュート40の出口位置の床にばら撒かれてしまう。そのため本実施形態の容器処理システム10では、排出シュート40の下流端に容器Vを一時的に貯留する貯留部52が設けられる。
【0030】
図2は、第1実施形態の貯留部52の構成を示す縦断面図である。なお、
図2では、1例として第2リジェクトホイール28Cの貯留部52の縦断面図を示すが、他の排出シュート40(40A、40C)や貯留部52の構成は、排出シュートを用いた他のリジェクト手段においても同様である。
【0031】
図2に示されるように、各排出シュート40は出口側に向けて下降するように配置され、その内部には、投入された容器Vの移動を補助するための複数のエアノズル51が搬送経路に沿って設けられる。排出シュート40の下流端は、検査チャンバ14の外壁54を連通し、開口部54Aを通して外壁54の外側に配置された貯留部52に接続される。貯留部52は外側筐体56を有し、その内部には外側筐体56内を昇降可能な収容体58と、収容体58を昇降するエアシリンダなどの昇降機(操作手段)60が配置される。
【0032】
外側筐体56の背面側(外壁54側)には排出シュート40の出口が接続される供給口56Aが設けられ、外側筐体56の正面側(外壁54の反対側)には、隣接して配置される第2回収箱42に容器Vを排出する排出口56Bが設けられる。供給口56Aは排出口56Bよりも高い位置に設けられ、排出口56Bの下辺は第2回収箱42Bの上辺高さと略同じ高さに位置する。
【0033】
収容体58は、底面58Aとこれを覆う内側筐体58Bとから構成される。内側筐体58Bの各側壁は外側筐体56の各内壁に沿って配置され、底面58Aは供給口56Aから排出口56Bに向けて傾いて配置される。底面58Aの傾きは、昇降機60により収容体58が排出位置にまで上昇されているとき、底面58Aの一端が供給口56Aの下辺高さに略一致し、他端が排出口56Bの下辺高さに略一致する。この傾きは例えば排出シュート40の傾きに略一致する。
【0034】
内側筐体58Bには、排出位置において外側筐体56の排出口56Bに対面する位置に排出口56Bと略同じ大きさの排出口59Bが設けられる。また、内側筐体58Bの供給口56A側には、供給口59Aが設けられる。供給口59Aは、収容体58が昇降しても供給口56Aが常に収容体58と連通するように、縦長に形成される。
【0035】
第2回収箱42Bが排出口56Bに隣接して配置されている間、収容体58は排出位置にあり、第2排出シュート40Bに投入された容器Vは供給口56A、59Aを通して収容体58内へと吐き出され、底面58A上をスライドして排出口59B、56Bを通して第2回収箱42Bに投入される。
【0036】
カウント手段により第2回収箱42Bに収容された容器Vが所定数(所定量)以上(一杯)になると、自動搬送機コントローラ48からの指令により、最適位置にある自動搬送機50が一杯となった第2回収箱42Bをリジェクト容器破棄エリアA2へと移動する。
【0037】
回収箱42は、例えば4隅にそれぞれ車輪が設けられた牽引台車の上部を回収箱としたもので、底面下にはスリットを有するガイド43が設けられた構造である。一方、自動搬送機50は、天面にプレート50Aが固定された構造である。回収箱42を牽引する際、自動搬送機50は回収箱42の下に潜り込んでプレート50Aをガイド43のスリットに差し込み、図示しない電磁ロック式ピンをプレート50Aおよびガイド43に貫通させて電磁ロックをかけることで回収箱42に係合する(
図3参照)。なお、係合を解除する場合には電磁ロックを解除してプレート50Aがガイド43のスリットから抜き取られる。
【0038】
図3は、収容体58が昇降機60により収容位置まで下降された貯留部52の構成を示す縦断面図である。
図3に示されるように、リジェクトされた容器Vが一杯になった第2回収箱42Bは、自動搬送機50によりリジェクト容器破棄エリアA2へと移動されている。そのため新たな空の回収箱42が自動搬送機50により運ばれてくるまでの間に容器Vが第2排出シュート40Bを通して排出されると、排出された容器Vが床にばら撒かれてしまう。
【0039】
このような問題に対処するため、本実施形態の貯留部52は、第2回収箱42Bが移動される直前に、収容体58を収容位置にまで下降させる。
図3に示されるように、収容体58が収容位置まで下降されると、内側筐体58Bの排出口59Bが外側筐体56の内側に下降され、内側筐体58Bの側壁が外側筐体56の排出口56Bを閉塞する。一方、第2排出シュート40Bは、内側筐体58Bの供給口59Aにより収容体58内への連通を維持する。これにより第2排出シュート40Bにリジェクトされた容器Vは、貯留部52において収容位置にまで下降された収容体58内に貯留される。
【0040】
図4(a)~(d)は、本実施形態の容器処理システム10における自動搬送機50を用いた回収箱42の交換処理の様子を時系列に示す斜視図である。なお、
図4(a)~(d)において外側筐体56やチャンバ外壁の一部は取り外した状態で示される。
【0041】
図4(a)では、リジェクトされた容器Vが貯留部52に隣接して所定位置に配置された回収箱42で回収される状態が示される。このとき収容体58は排出位置にあり、排出シュート40にリジェクトされた容器Vは、収容体58の底面58A上を滑り降り、排出口59B、56Bを通して回収箱42に貯留される。カウント手段により回収箱42の貯留された容器Vの収容数(収容量)が所定数(所定量)以上であると判断されると、
図4(b)に示されるように、収容体58は収容位置にまで下降され、自動搬送機50が回収箱42の下に入り込み回収箱42と係合する。
【0042】
その後、容器Vが一杯となった回収箱42は自動搬送機50に牽引されてリジェクト容器破棄エリアA2へと移動され、
図4(c)に示されるように、貯留部52に隣接する所定位置に回収箱42が配置されていない状態において、排出シュート40に排出された容器Vは、貯留部52において収容位置にまで下降された収容体58に投入され、貯留される。また、
図4(d)には、自動搬送機50により空の回収箱42が所定位置に設置された直後の状態が示される。空の回収箱42が新たにセットされると、貯留部52の収容体58が排出位置にまで持ち上げられ、収容体58に収容された容器Vが空の回収箱42へと排出される。その後、リジェクトされた容器Vは排出シュート40および貯留部52の底面58A上をスライドして、置き換えられた回収箱42に直接投入される。
【0043】
以上のように、第1実施形態の容器処理システムによれば、回収箱が所定位置に設置されていない場合にも、貯留部においてリジェクトされた容器を収容できるので、容器を確実に回収箱内に回収するとともに、より少ない自動搬送機で回収箱を所定エリアとの間で移送可能である。
【0044】
図5は、第2実施形態の容器処理システム62の斜視図である。第2実施形態の容器処理システム62は、排出シュート40の下流端に設けられる貯留部の構成が第1実施形態の貯留部52と異なるが、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。したがって、同一の構成に関しては同一参照符号を用い、その説明を省略する。
【0045】
第2実施形態の容器処理システム62では、排出シュート40の下流端に貯留部64としてターンテーブル66を配置する。ターンテーブル66は、排出シュート40の出口高さよりも僅かに低い位置において若干斜めに配置された回転軸66Aの周りに回転する円板状の回転盤であり、後述する開口部68Bに対向する箇所が最下端となるように斜めに回転する。ターンテーブル66の周りには、排出シュート40との連結部を除く略全周に亘ってターンテーブル66を取り囲むようにサイドガイド68が設けられる。
【0046】
サイドガイド68の一部は開閉扉68Aとして構成され、不図示のエアシリンダなどの開閉機構(操作手段)により外側に向けて開閉可能である。すなわち、
図5(a)のように開閉扉68Aを開くとサイドガイド68には開口部68Bが形成され、容器Vは開口部68Bから排出可能であり、
図5(b)のように開閉扉68Aを閉めると容器Vはサイドガイド68内のターンテーブル66上に貯留可能である。
【0047】
また、ターンテーブル66上には、回転軸66Aを中心に放射状に複数のバー66Bが一体的に設けられる。開閉扉68Aの下方に回収箱42を配置した状態で開閉扉68Aを開放すると、バー66Bとの係合によりターンテーブル66上を回転搬送される容器Vは、遠心力により開口部68Bから外側に排出され、回収箱42内へと落下する。
【0048】
図5(a)には、開閉扉68Aが開かれ排出シュート40からの容器Vが回収箱42にて回収される様子が示される。また、
図5(b)には、開閉扉68Aが閉じられ、貯留部64を構成するターンテーブル66上に排出シュート40からの容器Vが貯留される様子が示される。このとき、空の回収箱42が自動搬送機50により貯留部64に隣接する所定位置に向けて牽引されている。
【0049】
以上のように、第2実施形態の容器処理システムにおいても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0050】
なお、本実施形態では、回収箱として自動搬送機と係合可能な牽引台車を例に説明を行ったが、回収箱は車輪を備えない構成でもよく、その場合には自動搬送機の天面にリフト機構を設け、回収箱を下方から持ち上げて移動してもよい。
【0051】
また、本実施形態では、回収箱に投入された容器の量をカウント手段により排出容器の数を計数することで検出したが、回収箱に投入された容器の量を検出する手段(検出手段)は、カウント手段に限定されるものではなく、例えば貯留された容器の重量や、貯留された容器の高さなどにより検出(推定も含む)されてもよい。更に、本実施形態では排出手段として排出シュートを用いたが、排出手段はこれに限るものではなく、モータによって駆動されるベルトコンベヤなどを排出シュートに代えて採用しても良い。
【符号の説明】
【0052】
10 物品処理システム
16B エアリンサ(搬送手段、リジェクト手段)
28A、28C 第1、第2リジェクトホイール(搬送手段、リジェクト手段)
40、40A~40C 排出シュート(排出手段)
42、42A~42C 回収箱
46 容器処理システムコントローラ(検出手段)
48 自動搬送機コントローラ(制御手段)
50 自動搬送機
52、64 貯留部
60 昇降機(操作手段)
A2 リジェクト容器破棄エリア(容器破棄位置)
V 容器