(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025467
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】車両用シャシフレーム
(51)【国際特許分類】
B62D 21/02 20060101AFI20250214BHJP
B60K 1/04 20190101ALI20250214BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20250214BHJP
【FI】
B62D21/02 A
B60K1/04 Z
B60L50/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130252
(22)【出願日】2023-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】521537852
【氏名又は名称】ダイムラー トラック エージー
(74)【代理人】
【識別番号】110003937
【氏名又は名称】弁理士法人前川知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】アマラシンフ スーウイン インヅューラ
(72)【発明者】
【氏名】保坂 博志
【テーマコード(参考)】
3D203
3D235
5H125
【Fターム(参考)】
3D203AA13
3D203AA31
3D203BA03
3D203BA08
3D203CA25
3D203DB05
3D235AA06
3D235BB03
3D235BB43
3D235CC12
3D235CC14
3D235DD37
3D235FF02
3D235FF06
3D235FF07
5H125AA01
5H125AA20
5H125AB01
5H125AC12
5H125FF30
(57)【要約】
【課題】車両における車載機器を車両に対する側突から保護すると共に、省スペース化して車両へ搭載する車両用シャシフレームを提供する。
【解決手段】車両の左右に配設されるとともに、前記車両の前後方向に延在する一対のサイドレールと、一対のサイドレールを連結するクロスメンバと、クロスメンバの下方において一対のサイドレールを連結するとともに、前記車両の車載機器を搭載するクロスプレートと、を備える車両用シャシフレーム。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の左右に配設されるとともに、前記車両の前後方向に延在する一対のサイドレールと、
前記一対のサイドレールを連結するクロスメンバと、
前記クロスメンバの下方において前記一対のサイドレールを連結するとともに、前記車両の車載機器を搭載するクロスプレートと、を備える車両用シャシフレーム。
【請求項2】
前記一対のサイドレールのそれぞれは、上側フランジ部、下側フランジ部、前記上側フランジ部と前記下側フランジ部との間に位置するウェブ部を有し、車幅方向内側に開口した断面構造をなし、
前記クロスプレートは、前記一対のサイドレールに支持される一対の支持部と、前記一対の支持部の間に設けられ、前記車載機器が組み付けられる台座部とを備え、
前記一対の支持部は、前記一対のサイドレールの前記ウェブ部に取り付けられる、請求項1記載の車両用シャシフレーム。
【請求項3】
前記一対のサイドレールのそれぞれは、上側フランジ部と、下側フランジ部と、前記上側フランジ部と前記下側フランジ部との間に位置するウェブ部を有して、車幅方向内側に開口する断面構造をなし、
前記クロスプレートは、前記一対のサイドレールに支持される一対の支持部と、前記一対の支持部の間に設けられ、前記車載機器が組み付けられる台座部とを備え、
前記一対の支持部は、前記一対のサイドレールの前記下側フランジ部に取り付けられる、請求項1記載の車両用シャシフレーム。
【請求項4】
前記一対の支持部のそれぞれは、第1鉛直部と、前記第1鉛直部よりも下方に位置する第2鉛直部と、前記第1鉛直部と前記第2鉛直部の間に位置する水平部とを有するクランク形状をなし、前記第1鉛直部は、前記ウェブ部に支持され、前記第2鉛直部は、前記台座部が取り付けられる、請求項2記載の車両用シャシフレーム。
【請求項5】
前記一対の支持部のそれぞれは、水平部、前記水平部よりも下方に位置する鉛直部を有するL字形状をなし、前記水平部は、前記下側フランジ部に支持され、前記鉛直部は、前記台座部が取り付けられる、請求項3記載の車両用シャシフレーム。
【請求項6】
前記車両は、前記車両を駆動する電動モータと、前記電動モータに電力を供給する走行用の動力源としてバッテリを備えた電動車両であって、
前記クロスプレートは、前記バッテリの近傍に配置されており、前記バッテリの補機を前記車載機器として搭載する、請求項1記載の車両用シャシフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シャシフレームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境負荷低減の観点から、トラック等の商用車の分野においても下記特許文献1で開示されるような電動トラックや、燃料電池トラック等の電動車両の開発が行われている。
【0003】
このような電動車両では、航続距離を長く確保できるようバッテリの容量増大が望まれており、このような要求に対応するためにバッテリの搭載スペースを拡大する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、バッテリの搭載スペースを拡大すると、補機などの車載機器の搭載スペースの確保が困難とされる。そのため、例えば、ラダーフレーム構造のシャシフレームを備えた車両では、補機をサイドレールの車幅方向外側に配置されることがある。このような場合、車両の側方から物体(他車両等)が衝突(いわゆる側突)した場合、補機の損傷や漏電等のリスクを低減する対策が求められる。
【0006】
本発明は上記課題を鑑みて成されたものであり、車両における車載機器を車両に対する側突から保護すると共に、省スペース化して車両へ搭載する車両用シャシフレームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様、又は適用例として実現することができる。
【0008】
(1)本適用例に係る車両用シャシフレームは、車両の左右に配設されるとともに、前記車両の前後方向に延在する一対のサイドレールと、前記一対のサイドレールを連結するクロスメンバと、前記クロスメンバの下方において前記一対のサイドレールを連結するとともに、前記車両の車載機器を搭載するクロスプレートと、を備える。
【0009】
本適用例によれば、クロスメンバ、及びクロスプレートは、車幅方向に延在し、一対のサイドレールを連結するため、車両に対する側突が生じた場合、一対のサイドレール、クロスメンバ、及びクロスプレートの剛性に基づく抗力が車幅方向外側に作用し、車両用シャシフレームの変形が抑制される。特に、クロスプレートは、クロスメンバの下方に位置するため、車両に対する側突が生じた場合、一対のサイドレールのうち、車幅方向において、クロスプレートと重なる箇所の周辺では、一対のサイドレール、クロスメンバ、及びそのクロスプレートの剛性に基づく抗力が車幅方向外側により強く作用し、その周辺は、車幅方向内側への変形がより抑制される。これにより、車両に対する側突が生じた場合であっても、クロスプレートに搭載される車載機器をその側突から保護することができる。また、クロスプレートがクロスメンバの下方に位置し、そのクロスプレートに車載機器が搭載されることから、クロスメンバの下方に係るスペースに車載機器を配置することで、車両用シャシフレームの水平方向の省スペース化を図りつつ、その車載機器を保護することができる。
【0010】
(2)上記(1)の適用例に係る車両用シャシフレームにおいて、前記一対のサイドレールのそれぞれは、上側フランジ部、下側フランジ部、前記上側フランジ部と前記下側フランジ部との間に位置するウェブ部を有し、車幅方向内側に開口した断面構造をなし、前記クロスプレートは、前記一対のサイドレールに支持される一対の支持部と、前記一対の支持部の間に設けられ、前記車載機器が組み付けられる台座部とを備え、前記一対の支持部は、前記一対のサイドレールの前記ウェブ部に取り付けられる。
【0011】
したがって、一対のサイドレールに支持される一対の支持部と、一対の支持部の間に設けられ、車載機器が組み付けられる台座部を備えたクロスプレートによって、クロスプレートの抗力を車幅方向外側に作用させることができる。また、サイドレールの中で比較的高い剛性を有し面積の大きいウェブ部にクロスプレートの支持部が支持されるため、サイドレールでクロスプレート及び高重量の車載機器を安定的に支持することができる。
【0012】
(3)上記(1)の適用例に係る車両用シャシフレームにおいて、前記一対のサイドレールのそれぞれは、上側フランジ部、下側フランジ部、前記上側フランジ部と前記下側フランジ部との間に位置するウェブ部を有し、車幅方向内側に開口した断面構造をなし、前記クロスプレートは、前記一対のサイドレールに支持される一対の支持部と、前記一対の支持部の間に設けられ、前記車載機器が組み付けられる台座部とを備え、前記一対の支持部は、前記一対のサイドレールの前記下側フランジ部に取り付けられる。
【0013】
したがって、一対のサイドレールに支持される一対の支持部と、一対の支持部の間に設けられ、車載機器が組み付けられる台座部を備えたクロスプレートによって、クロスプレートの抗力を車幅方向外側に作用させることができる。また、サイドレールの下側フランジ部にクロスプレートの支持部が支持されるため、サイドレールにクロスプレート及び高重量の車載機器を安定的に支持することができる。
【0014】
(4)上記(2)の適用例に係る車両用シャシフレームにおいて、前記一対の支持部のそれぞれは、第1鉛直部と、前記第1鉛直部よりも下方に設けられる第2鉛直部と、前記第1鉛直部と前記第2鉛直部との間に位置する水平部とを有するクランク形状をなし、前記第1鉛直部は、前記ウェブ部に支持され、前記第2鉛直部は、前記台座部が取り付けられる。
【0015】
このように一対の支持部がクランク形状をなし、第1鉛直部がサイドレールの中で比較的高い剛性を有し面積の大きいウェブ部に支持される。このことから、クロスプレートの剛性に基づく抗力が車幅方向外側に作用し、車両に対する側突が生じたとき、車両用シャシフレームの変形が抑制される。また、第1鉛直部よりも下方に位置する第2鉛直部に台座部が取り付けられているので、車両の上下方向における車載機器の搭載スペースを大きくすることができる。
【0016】
(5)上記(3)の適用例に係る車両用シャシフレームにおいて、前記一対の支持部のそれぞれは、水平部と、前記水平部よりも下方に位置する鉛直部を有するL字形状をなし、前記水平部は、前記下側フランジ部に支持され、前記鉛直部は、前記台座部が取り付けられる。
【0017】
このように、一対の支持部がL字形状をなし、第1鉛直部が下側フランジ部に支持される。このことから、クロスプレートの剛性に基づく抗力が車幅方向外側に作用し、車両に対する側突が生じたとき、車両用シャシフレームの変形が抑制される。また、水平部よりも下方に位置する第2鉛直部に台座部が取り付けられているので、車両の上下方向における車載機器の搭載スペースを大きくすることができる。
【0018】
(6)上記(1)の適用例に係る車両用シャシフレームにおいて、前記車両は、前記車両を駆動する電動モータと、前記電動モータに電力を供給するバッテリを備えた電動車両であって、前記クロスプレートは、前記バッテリの近傍に配置されており、前記バッテリの補機を前記車載機器として搭載する。
【0019】
これによれば、バッテリと、そのバッテリの補機とが近傍に配置されるため、これらを、短く、且つ途中位置に接続箇所が存在しないケーブルで接続し、漏電を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】第1実施形態の車両、及び車体フレームの構成を示す概略図である。
【
図2】第1実施形態のクロスメンバ、及びクロスプレートの周辺を示す概略斜視図である。
【
図3】第1実施形態のクロスプレートの構成を示す概略斜視図である。
【
図4】第1実施形態のクロスプレートの構成を示す概略斜視図である。
【
図5】第1実施形態の一対のサイドレール、及びクロスプレートの構成を示す概略断面図である。
【
図6】第2実施形態の一対のサイドレール、及びクロスプレートの構成を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
1.車両、及び車体フレームの構成
初めに、
図1を参照して、第1実施形態の車両10、及び車体フレーム20の具体的な構成について説明する。
図1は、第1実施形態の車両10、及び車体フレーム20の構成を示す概略図である。
【0022】
なお、以下の記載において、車両10の車長方向をX方向、又は前後方向と記載することがある。また、以下の記載において、車両10の車高方向をZ方向、上下方向、又は鉛直方向と記載することがある。さらに、以下の記載において、車両10の車幅方向をY方向、又は左右方向と記載することがある。
【0023】
また、以下の記載において、水平面をXY平面として記載することがある。また、以下の記載において、車両10の車長方向、及び車高方向を含む平面をXZ平面として記載することがある。さらに、以下の記載において、車両10の車幅方向、及び車高方向を含む平面をYZ平面として記載することがある。
【0024】
さらに、以下の記載において、左右対称の一対の部品については、車両10の右側の部品の符号にRを付し、車両10の左側の部品の符号にLを付すことで区別することがある。
【0025】
車両10は、バッテリ40に蓄えられる電力を駆動力として利用する電動車両であって、電動車両には、電気自動車(EV:Electric Vehicle)、ハイブリッド電気自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)、プラグインハイブリッド車(PHV:Plug-in Hybrid Vehicle)、及び燃料電池車(FCV:Fuel Cell Vehicle)等が該当する。
【0026】
車両10は、具体的に、電気自動車のトラックであり、車体フレーム20は、例えば、トラック等の大型車両に適用されるラダーフレーム構造のシャシフレームである。車体フレーム20は、左右一対のサイドレール22R、22L、及び複数のクロスメンバ24等を含む。
【0027】
一対のサイドレール22R、22Lは、右サイドレール22R、及び左サイドレール22Lを含み、これらは、車長方向に延在している。また、一対のサイドレール22R、22Lは、車幅方向に互いに離間しつつ、互いに平行である。
【0028】
複数のクロスメンバ24は、車幅方向に延在し、一対のサイドレール22R、22Lを連結する。複数のクロスメンバ24は、前部クロスメンバ24a、第1中央クロスメンバ24b、第2中央クロスメンバ24c、及び後部クロスメンバ24dを含む。
【0029】
具体的に、前部クロスメンバ24aは、一対のサイドレール22R、22Lの前側端部を連結している。
【0030】
第1中央クロスメンバ24b、及び第2中央クロスメンバ24cは、一対のサイドレール22R、22Lの途中位置を連結している。なお、第1中央クロスメンバ24bは、第2中央クロスメンバ24cよりも前方に位置する。
【0031】
後部クロスメンバ24dは、一対のサイドレール22R、22Lの後側端部を連結している。
【0032】
ここで、一対のサイドレール22R、22L、前部クロスメンバ24a、及び第1中央クロスメンバ24bにより区画された領域を、第1領域R1とする。
【0033】
また、一対のサイドレール22R、22L、第1中央クロスメンバ24b、及び第2中央クロスメンバ24cにより区画された領域を、第2領域R2とする。
【0034】
さらに、一対のサイドレール22R、22L、第2中央クロスメンバ24c、及び後部クロスメンバ24dにより区画された領域を第3領域R3とする。
【0035】
車体フレーム20は、車両10の各種コンポーネントを支持している。具体的に、車体フレーム20は、各種領域に搭載されるコンポーネントや、その車体フレーム20の外周に搭載されるコンポーネントを支持する。
【0036】
図示は省略するが、第1領域R1には、例えば、ステアリングホイール(図示は省略)からの操舵力がステアリングシャフト30等を介して、前輪32R、32Lに伝達する伝達機構(図示は省略)が搭載される。なお、前輪32R、32Lは、従動輪であって、車体フレーム20に懸架されている。
【0037】
第2領域R2には、バッテリ40、及び制御ユニット42が搭載される。バッテリ40は、車両10の走行駆動に用いる高電圧の二次電池である。バッテリ40の例として、リチウムイオンバッテリやニッケル水素電池等の高電圧バッテリモジュールが挙げられる。バッテリ40は、複数のバッテリパックがバッテリケース内に収容され、車体フレーム20に支持されている。
【0038】
また、バッテリ40は、制御ユニット42を介して、少なくとも駆動ユニット50と電気的に接続される。
【0039】
制御ユニット42は、車両10の各種コンポーネントの動作を制御、及び監視する。制御ユニット42には、例えば、コンピュータとして機能するECU(Electronic Control Unit)、及び電力分配器として機能するPDU(Power Distribution Unit)等が含まれる。制御ユニット42は、例えば、バッテリ40の状態を監視する。また、例えば、制御ユニット42は、そのバッテリ40の電力を各供給先に適宜分配するよう制御する。
【0040】
第3領域R3には、駆動ユニット50が搭載される。駆動ユニット50は、インバータ52、電動モータ(電動機)54、ギヤボックス56、及び差動装置58等を含み、駆動ユニット50は、これらが一体的に構成されている。
【0041】
インバータ52は、電動モータ54と電気的に接続され、その電動モータ54は、ギヤボックス56と機械的に連結されている。さらに、ギヤボックス56は、差動装置58と機械的に連結されている。
【0042】
インバータ52は、バッテリ40側から入力される直流電力を所定周波数の交流電力に変換し、その交流電力を電動モータ54側に出力する。実質的に駆動源である電動モータ54は、インバータ52側から入力される電力を駆動力(回転力)に変換し、ギヤボックス56側に出力する。
【0043】
ギヤボックス56は、複数のギヤを備える減速機構であって、電動モータ54側から入力される回転を所定のギヤ比で変換し、差動装置58側に出力する。差動装置58は、ギヤボックス56側から入力される駆動力を左右のドライブシャフト60R、60Lのそれぞれに分配する。
【0044】
ドライブシャフト60Rは、駆動ユニット50と、右後輪62Rとを機械的に連結させ、ドライブシャフト60Lは、駆動ユニット50と、左後輪62Lとを機械的に連結させる。
【0045】
つまり、駆動ユニット50によれば、バッテリ40からその駆動ユニット50に供給される電力が駆動力に変換され、その駆動力は、ドライブシャフト60R、60Lを介して、後輪62R、62Lに伝達される。また、このことから、後輪62R、62Lは、駆動輪である。なお、後輪62R、62Lは、車体フレーム20に懸架されている。
【0046】
図2は、第1実施形態のクロスメンバ24、及びクロスプレート70の周辺を示す概略斜視図である。
図3、及び
図4は、第1実施形態のクロスプレート70の構成を示す概略斜視図である。
図2は、具体的に、第1中央クロスメンバ24b、及びクロスプレート70の周辺を示す概略斜視図である。また、
図3は、
図2から一対のサイドレール22R、22L、及び第1中央クロスメンバの24bを省略した図でもある。さらに、
図4は、
図3に車載機器80を追加で図示した図でもある。次に、
図2~
図4を参照して、第1実施形態のクロスプレート70について説明する。
【0047】
車両10の車体フレーム20には、一対のサイドレール22R、22L等の他、クロスプレート70も含まれる。クロスプレート70は、第1中央クロスメンバ24bと同様に、車幅方向に延在し、第1中央クロスメンバ24bの下方において、一対のサイドレール22R、22Lを連結する。
【0048】
クロスプレート70には、
図4に示すように、車載機器80が搭載される。車載機器80は、例えば、補機であって、バッテリ40や駆動ユニット50の電動モータ54などに電気的または機械的に接続される機器である。
【0049】
本実施形態では、車載機器80として、熱交換器80a、PTCヒータ80b、コンプレッサ80c、ウォータポンプ80dなどバッテリ40のクーリング回路に使用される補機、及びマフラー80eが搭載される。
【0050】
なお、車載機器80は、クロスプレート70の上方側だけに搭載されてもよいし、クロスプレート70の下方側だけに搭載されてもよいし、その両方に搭載されてもよい。
【0051】
2.サイドレール、クロスメンバ及びクロスプレートの構成
次に、
図2~
図5を参照して、第1実施形態の一対のサイドレール22R、22L、クロスメンバ24及びクロスプレート70の具体的な構成について説明する。
図5は、第1実施形態における一対のサイドレール22R、22L、クロスメンバ24及びクロスプレート70の構成を示す概略断面図である。また、
図5は、切断線A-A(
図1参照)に沿って、車体フレーム20を切断し、車両10の後方側から切断面を見た場合の図でもある。すなわち、
図5に示す、クロスメンバ24は、第1中央クロスメンバ24bである。
【0052】
図5に示すように、右サイドレール22Rは、具体的に、上側フランジ部22Ra、下側フランジ部22Rb、及びウェブ部22Rcを備え、これらは、一体的に構成されている。
【0053】
下側フランジ部22Rbは、上側フランジ部22Raの下方において、上側フランジ部22Raと対向している。
【0054】
また、ウェブ部22Rcは、上側フランジ部22Raと、下側フランジ部22Rbとの間において、鉛直方向に延在し、上側フランジ部22Raと、下側フランジ部22Rbとを連結させる。
【0055】
ウェブ部22Rcの車幅方向に係る長さ(つまり板厚)は、上側フランジ部22Ra、及び下側フランジ部22Rbの車幅方向に係る長さよりも短い。そのため、上側フランジ部22Ra、下側フランジ部22Rb、及びウェブ部22Rcによれば、開口部22Rdが形成され、その開口部22Rdは、車幅方向内側に向けられる。
【0056】
図5に示す例では、右サイドレール22Rのウェブ部22Rcは、上側フランジ部22Raと、下側フランジ部22Rbとの間において、車幅方向外側端部に位置し、右サイドレール22Rの断面はコ字形状とされる。
【0057】
また、左サイドレール22Lは、具体的に、上側フランジ部22La、下側フランジ部22Lb、及びウェブ部22Lcを備え、これらは、一体的に構成されている。
【0058】
下側フランジ部22Lbは、上側フランジ部22Laの下方において、上側フランジ部22Laと対向している。
【0059】
また、ウェブ部22Lcは、上側フランジ部22Laと、下側フランジ部22Lbとの間において、鉛直方向に延在し、上側フランジ部22Laと、下側フランジ部22Lbとを連結させる。
【0060】
ウェブ部Lcの車幅方向に係る長さ(つまり板厚)は、上側フランジ部22La、及び下側フランジ部22Lbの車幅方向に係る長さよりも短い。そのため、上側フランジ部22La、下側フランジ部22Lb、及びウェブ部22Lcによれば、開口部22Ldが形成され、その開口部22Ldは、車幅方向内側に向けられる。
【0061】
図5に示す例では、左サイドレール22Lのウェブ部22Lcは、上側フランジ部22Laと、下側フランジ部22Lbとの間において、車幅方向外側端部に位置し、左サイドレール22Lの断面はコ字状とされる。
【0062】
各クロスメンバ24は、それぞれ同様の構成をなしている。例えば、第1中央クロスメンバ24bは、
図2、及び
図5に示すように、左右一対の上部接続部25R、25L、主部26、及び左右一対の下部接続部27R、27Lを有する。
【0063】
上部接続部25Rは、主部26の端部上面と連結され、車両前後方向に延びる上面視T字状の上側水平部25Rhと、上側水平部25Rhの車幅方向外側端部から右サイドレール22Rのウェブ部22Rcに沿って下方に延びる上側鉛直部25Rv有している。
【0064】
上部接続部25Lは、主部26の端部上面と連結され、車両前後方向に延びる上面視T字状の上側水平部25Lhと、上側水平部25Lhの車幅方向外側端部から左サイドレール22Lのウェブ部22Lcに沿って下方に延びる上側鉛直部25Lvとを有している。
【0065】
主部26は、車幅方向に延び、下方に開口した断面ハット形状をなしている。下部接続部27Rは、主部26端部下面と連結され、車両前後方向に延びた上面視T字状の下部水平部27Rhと、下部水平部27Rhの車幅方向外側端部から右サイドレール22Rのウェブ部22Rcに沿って下方に延びる下部鉛直部27Rvとを有している。
【0066】
下部接続部27Lは、主部26端部下面と連結され、車両前後方向に延びた上面視T字状の下部水平部27Lhと、下部水平部27Lhの車幅方向外側端部から左サイドレール22Lのウェブ部22Lcに沿って下方に延びる下部鉛直部27Lvとを有している。
【0067】
クロスプレート70は、具体的に、左右一対の支持部となる右支持部72R、左支持部72L、及び台座部74を備える。
【0068】
右支持部72Rは、右サイドレール22Rの開口部22Rdの内面、具体的には、右サイドレール22Rのウェブ部22Rcの内面に、固定具90R(例えば、ボルトとナット)を用いて取り付けられている。つまり、右支持部72Rは、貫通孔に固定具90Rを介して、右サイドレール22Rのウェブ部22Rcの内面に支持されている。
【0069】
また、右支持部72Rは、断面クランク形状のプレート部材である。クランク形状は、少なくとも2回折り加工が施された段付き形状である。
【0070】
具体的に、右支持部72Rは、第1鉛直部72Ra、第2鉛直部72Rb、及び水平部72Rcを備え、これらは、一体的に構成されている。
【0071】
第1鉛直部72Raは、ウェブ部22Rcの内面上において、鉛直方向に延び、貫通孔に固定具90Rを介して、クロスメンバの下部鉛直面を挟みつつ、そのウェブ部22Rcの内面に支持される。
【0072】
水平部72Rcは、第1鉛直部72Raと第2鉛直部72Rbの間に設けられており、下側フランジ部22Rbの内面上において、第1鉛直部72Raの下方端部から車幅方向内側に延びる。
【0073】
第2鉛直部72Rbは、水平部72Rcの車幅方向内側端部から鉛直方向下側に延びる。つまり、第2鉛直部72Rbは、第1鉛直部72Raよりも車幅方向内側、且つ第1鉛直部72Raよりも下方に位置する。
【0074】
これらのことから、右支持部72Rは、その一部が開口部22Rdの内面、具体的には、ウェブ部22Rcの内面、及び下側フランジ部22Rbの内面に沿うクランク形状であるとも言える。
【0075】
左支持部72Lは、左サイドレール22Lの開口部22Ldの内面、具体的には、左サイドレール22Lのウェブ部22Lcの内面に、固定具90Lを用いて取り付けられている。つまり、左支持部72Lは、貫通孔に固定具90Lを介して、左サイドレール22Lのウェブ部22Lcの内面に支持されている。
【0076】
また、左支持部72Lは、右支持部72Rと同様に断面クランク形状のプレート部材である。具体的に、左支持部72Lは、第1鉛直部72La、第2鉛直部72Lb、及び水平部72Lcを備え、これらは、一体的に構成されている。
【0077】
第1鉛直部72Laは、ウェブ部22Lcの内面上において、鉛直方向に延び、貫通孔に固定具90Lを介して、クロスメンバの下部鉛直面を挟みつつ、そのウェブ部22Lcの内面に支持される。つまり、第2鉛直部72Lbは、固定具90Lを介して、ウェブ部22Lcの内面に支持される。
【0078】
水平部72Lcは、第1鉛直部72Laと第2鉛直部72Lbの間に設けられており、下側フランジ部22Lbの内面上において、第1鉛直部72Raの下方端部から車幅方向内側に延びる。
【0079】
第2鉛直部72Lbは、水平部72Lcの車幅方向内側端部から鉛直方向下側に延びる。つまり、第2鉛直部72Lbは、第1鉛直部72Laよりも車幅方向内側、且つ第1鉛直部72Laよりも下方に位置する。
【0080】
これらのことから、左支持部72Lは、その一部が開口部22Ldの内面、具体的には、ウェブ部22Lcの内面、及び下側フランジ部22Lbの内面に沿うクランク形状であるとも言える。
【0081】
台座部74は、車幅方向に延び、一対の支持部72R、72Lを連結する。具体的に、台座部74の右側端部が右支持部72Rの第2鉛直部72Rbに取り付けられ、台座部74の左側端部が左支持部72Lの第2鉛直部72Lbに取り付けられる。なお、車載機器80は、具体的に、クロスプレート70の台座部74に搭載される。
【0082】
第1実施形態の車体フレーム20では、複数のクロスメンバ24、及びクロスプレート70は、車幅方向に延在し、一対のサイドレール22R、22Lを連結する。そのため、車両10に対する車幅方向の外側から内側への衝突(側突)が生じた場合、一対のサイドレール22R、22L、複数のクロスメンバ24、及びクロスプレート70の剛性に基づく抗力が車幅方向外側に作用し、車体フレーム20の車幅方向内側への変形が抑制される。
【0083】
特に、クロスプレート70は、クロスメンバ24の下方に位置する。そのため、車両10に対する車幅方向の外側から内側への衝突(側突)が生じた場合、一対のサイドレール22R、22Lのうち、車幅方向において、クロスプレート70と重なる箇所の周辺では、一対のサイドレール22R、22L、クロスメンバ24、及びそのクロスプレート70の剛性に基づく抗力が車幅方向外側により強く作用し、その周辺は、車幅方向内側への変形がより抑制される。
【0084】
これらのことから、第1実施形態の車体フレーム20では、車両10に対する側突が生じた場合であっても、クロスプレート70に搭載される車載機器80をその側突から保護することができる。
【0085】
また、クロスプレート70がクロスメンバ24の下方に位置し、そのクロスプレート70に車載機器80が搭載されることから、クロスメンバ24の下方に係るスペースに車載機器80を配置することで、車体フレーム20の水平方向の省スペース化を図ることができる。
【0086】
なお、クロスメンバ24の剛性も利用する観点から、クロスプレート70は、クロスメンバ24の下方において、クロスメンバ24と近い位置に配置される方が好ましい。
【0087】
また、第1実施形態のクロスプレート70では、右支持部72R、及び左支持部72Lは、クランク形状であり、右支持部72Rが右サイドレール22Rのウェブ部22Rcの内面に支持され、左支持部72Lが左サイドレール22Lのウェブ部22Lcの内面に支持され、台座部74が、一対の支持部72R、72Lの間で、これらを連結する。
【0088】
そのため、一対の支持部72R、72Lと、これらの間に設けられ、車載機器80が組み付けられる台座部74とを備えたクロスプレート70で、そのクロスプレート70の抗力を車幅方向外側に作用させることができる。
【0089】
さらに、第1実施形態では、各サイドレールの比較的高い剛性を有し面積の大きいウェブ部22Rc、22Lcに、クロスプレート70が支持されるため、一対のサイドレール22R、22Lでクロスプレート70、及び高重量の車載機器80を安定的に支持することができる。
【0090】
第1実施形態のクロスプレート70では、具体的に、右支持部72Rの第1鉛直部72Raが右サイドレール22Rのウェブ部22Rcの内面に支持され、左支持部72Lの第1鉛直部72Laが左サイドレール22Lのウェブ部22Lcの内面に支持され、右支持部72Rの第2鉛直部72Rb、及び左支持部72Lの第2鉛直部72Lbに台座部74が取り付けられる。
【0091】
このように、第1実施形態のクロスプレート70では、第1鉛直部72Ra、72Laよりも下方に位置する第2鉛直部72Rb、72Lbに台座部74が取り付けられているので、車両10の上下方向における車載機器80の搭載スペースを大きくすることができる。
【0092】
さらに、本実施形態ではクロスプレート70の一対の支持部72R、72Lは、クロスメンバ24の下部接続部27R、27Lと一体的に接続されている。これにより、クロスメンバ、サイドフレーム、クロスプレートが一体となって閉断面を形成することとなり、より強固に車載機器80を保護することができる。
【0093】
また、第1実施形態の車体フレーム20では、クロスプレート70は、バッテリ40の近傍に配置され、バッテリ40の補機が車載機器80を搭載する。
【0094】
バッテリ40と、そのバッテリ40の補機との距離が遠い場合、これらを接続するケーブルの距離も長くなるため、そのケーブルの損傷する可能性が高くなる。また、バッテリ40と、そのバッテリ40の補機とを接続するケーブルが損傷した場合、漏電が生じる可能性がある。
【0095】
また、バッテリ40と、そのバッテリ40の補機との距離が遠い場合、これらを接続するケーブルとして、途中位置にコネクタ等の接続箇所を有するケーブルが用いられることもある。この場合、ケーブルの途中位置の接続箇所から漏電する可能性がある。
【0096】
第1実施形態では、バッテリ40と、そのバッテリ40の補機とが近傍に配置されるため、これらを、短く、且つ途中位置にコネクタ等の接続箇所が存在しないケーブルで接続し、ケーブルの損傷に伴う漏電、及びケーブルの途中位置の接続箇所からの漏電のリスクを低減することができる。
【0097】
3.第2実施形態
第2実施形態では、クロスプレート70の構成を変更したこと以外は、第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態と重複する説明は省略する。
図6は、第2実施形態の一対のサイドレール22R、22L、及びクロスプレート70の構成を示す概略断面図である。また、
図6は、第2実施形態において、切断線A-A(
図1参照)に沿って、車体フレーム20を切断し、車両10の後方側から切断面を見た場合の図でもある。
【0098】
一対の支持部72R、72Lの形状は、上記実施形態に限られるものではない。
図6は、変形例の一対のサイドレール22R、22L、及びクロスプレート70の構成を示す概略断面図である。また、
図6は、第2実施形態において、切断線A-A(
図1参照)に沿って、車体フレーム20を切断し、車両10の後方側から切断面を見た場合の図でもある。
【0099】
第2実施形態では、右支持部72Rから第1鉛直部72Raが省略され、その右支持部72Rは、L字形状のプレート部材とされる。また、右支持部72Rは、右サイドレール22Rの下側フランジ部22Rbの内面に、固定具90Rを用いて取り付けられている。つまり、右支持部72Rは、固定具90Rを介して、右サイドレール22Rの下側フランジ部22Rbの内面に支持されている。
【0100】
具体的に、右支持部72Rの水平部72Rcは、右サイドレール22Rの下側フランジ部22Rbの内面に、固定具90Rを用いて取り付けられている。つまり、右支持部72Rの水平部72Rcは、固定具90Rを介して、右サイドレール22Rの下側フランジ部22Rbの内面に支持されている。
【0101】
これらのことから、第2実施形態の右支持部72Rは、その一部が開口部22Ldの内面、具体的には、下側フランジ部22Rbの内面に沿うL字形状であるとも言える。
【0102】
また、第2実施形態では、左支持部72Lから第1鉛直部72Laが省略され、その左支持部72Lは、L字形状のプレート部材とされる。また、左支持部72Lは、左サイドレール22Lの下側フランジ部22Lbの内面に、固定具90Lを用いて取り付けられている。つまり、左支持部72Lは、固定具90Lを介して、左サイドレール22Lの下側フランジ部22Lbの内面に支持されている。
【0103】
具体的に、左支持部72Lの水平部72Lcは、左サイドレール22Lの下側フランジ部22Lbの内面に、固定具90Lを用いて取り付けられている。つまり、左支持部72Lの水平部72Lcは、固定具90Lを介して、左サイドレール22Lの下側フランジ部22Lbの内面に支持されている。
【0104】
これらのことから、第2実施形態の左支持部72Lは、その一部が開口部22Ldの内面、具体的には、下側フランジ部22Lbの内面に沿うL字形状であるとも言える。
【0105】
第2実施形態のクロスプレート70では、右支持部72R、及び左支持部72Lは、L字形状であり、右支持部72Rが右サイドレール22Rの下側フランジ部22Rbの内面に支持され、左支持部72Lが左サイドレール22Lの下側フランジ部22Lbの内面に支持され、台座部74が、一対の支持部72R、72Lの間で、これらを連結する。
【0106】
そのため、一対の支持部72R、72Lと、これらの間に設けられ、車載機器80が組み付けられる台座部74とを備えたクロスプレート70で、そのクロスプレート70の抗力を車幅方向外側に作用させることができる。
【0107】
さらに、第2実施形態では、各サイドレールの下側フランジ部22Rb、22Lbに、クロスプレート70が支持されるため、一対のサイドレール22R、22Lでクロスプレート70、及び高重量の車載機器80を安定的に支持することができる。
【0108】
第2実施形態のクロスプレート70では、具体的に、右支持部72Rの水平部72Rcが右サイドレール22Rの下側フランジ部22Rbの内面に支持され、左支持部72Lの水平部72Lcが左サイドレール22Lの下側フランジ部22Lbの内面に支持され、右支持部72Rの第2鉛直部72Rb、及び左支持部72Lの第2鉛直部72Lbに台座部74が取り付けられる。
【0109】
このように、第2実施形態のクロスプレート70では、水平部72Rc、72Lcよりも下方に位置する第2鉛直部72Rb、72Lbに台座部74が取り付けられているので、車両10の上下方向における車載機器80の搭載スペースを大きくすることができる。
【0110】
また、第2実施形態では、各支持部は、L字形状とされ、右サイドレール22Rの下側フランジ部22Rbの内面、及び左サイドレール22Lの下側フランジ部22Lbの内面に支持されることから、最小限の構成でクロスプレート70を一対のサイドレール22R、22Lに支持させることができる。
【0111】
これらことから、第2実施形態の車体フレーム20では、より省スペース化を図りつつ、車両10に対する側突が生じた場合であっても、クロスプレート70に搭載される車載機器80をその側突から確実に保護することができる。
【0112】
なお、各実施形態で示した具体的な構成は、一例であり、本発明の態様は、各実施形態に示した構成に限定されるものではない。
【0113】
例えば、右サイドレール22Rのウェブ部22Rcは、上側フランジ部22Raと、下側フランジ部22Rbとの間において、車幅方向中央に位置し、右サイドレール22Rの断面はI字形状とされてもよい。
【0114】
また、例えば、左サイドレール22Lのウェブ部22Lcは、上側フランジ部22Laと、下側フランジ部22Lbとの間において、車幅方向中央に位置し、左サイドレール22Lの断面はI字形状とされてもよい。
【0115】
例えば、クロスプレート70の一対の支持部72R、72Lは、複数のプレートが連結されることで構成されてもよい。
【0116】
また、例えば、右支持部72Rは、固定具90Rを用いることなく、右サイドレール22Rの内面に支持され、左支持部72Lは、固定具90Lを用いることなく、左サイドレール22Lの内面に支持されてもよい。
【0117】
さらに、例えば、右支持部72Rは、右サイドレール22Rの内面と一体的に構成され、左支持部72Lは、左サイドレール22Lの内面と一体的に構成されてもよい。
【0118】
さらにまた、例えば、クロスプレート70は、第1中央クロスメンバ24b以外のクロスメンバ24の下方に設けられてもよい。
【0119】
車体フレーム20としての機能を果たすのであれば、クロスメンバ24の数や、位置は変更されてもよい。
【0120】
また、例えば、車両10が燃料電池車である場合、その車両10は、水素タンクや、燃料電池システムをさらに備える。この燃料電池システムは、水素タンクから供給される水素、及び外部の空気を利用して発電するシステムであって、例えば、第1領域R1に搭載される。さらに、この場合、この燃料電池システムに電気的または機械的に接続される、エアコンプレッサ、水素供給装置(レギュレータやチェックバルブなど)、冷媒回路内のウォータポンプやラジエータなどの車載機器80がクロスプレート70に搭載される。
【0121】
また、このような場合、水素タンク、燃料電池システム、及びこれらに関連する車載機器80を互いに近傍に配置し、これらを、短く、且つ途中位置にコネクタ等の接続箇所が存在しないパイプで接続し、パイプの損傷に伴う漏水、及びパイプの途中位置の接続箇所からの漏水を防止する。
【0122】
また、第1実施形態では、クランク形状の右支持部72Rは、第2実施形態と同様に、下側フランジ部22Rbの内面に、固定具90Rを用いて取り付けられてもよい。クランク形状の左支持部72Lについても、第2実施形態と同様に、下側フランジ部22Lbの内面に、固定具90Lを用いて取り付けられてもよい。
【0123】
また、このような場合、一対のサイドレール22R、22Lでクロスプレート70、及び高重量の車載機器80を安定的に支持することができる。
【符号の説明】
【0124】
10 車両
20 車体フレーム
22R 右サイドレール
22L 左サイドレール
22Ra 上側フランジ部
22Rb 下側フランジ部
22Rc ウェブ部
22Rd 開口部
22La 上側フランジ部
22Lb 下側フランジ部
22Lc ウェブ部
22Ld 開口部
24 クロスメンバ
40 バッテリ
54 電動モータ
70 クロスプレート
72R 右支持部
72Ra 第1鉛直部
72Rb 第2鉛直部
72Rc 水平部
72L 左支持部
72La 第1鉛直部
72Lb 第2鉛直部
72Lc 水平部
74 台座部
80 車載機器