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  • 特開-酸素吸入装置 図1
  • 特開-酸素吸入装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025470
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】酸素吸入装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/00 20060101AFI20250214BHJP
   C01B 13/02 20060101ALI20250214BHJP
   A61M 16/06 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
A61M16/00 305B
C01B13/02 Z
A61M16/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130262
(22)【出願日】2023-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】517038523
【氏名又は名称】VIGO MEDICAL株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103724
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 正夫
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 凱星
(72)【発明者】
【氏名】鈴木暢晃
(72)【発明者】
【氏名】蛭田恵一
(72)【発明者】
【氏名】米澤福男
【テーマコード(参考)】
4G042
【Fターム(参考)】
4G042BA28
4G042BB02
4G042BC02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】身体に装着でき、かつ、バイタルのデータや、酸素吸入具の吐出関連データを一括して出力することができる酸素吸入装置を提供すること。
【解決手段】酸素吸入装置(1)は首に装着されており、首の後ろ側に位置する後部(2a)、首の右側に位置する右側のサイド部(2b)と首の左側に位置する左側のサイド部(2c)とを具備している首掛け部材(2)、この首掛け部材に内蔵される酸素発生器、サイド部に設けられ、酸素発生器からの酸素を吐出する酸素吸入具(7)、首掛け部材の後部に設けられたバイタルセンサー(6)、酸素吸入具の吐出関連データとバイタルセンサーの検出値とを出力する首掛け部材に内蔵されるデータ出力装置および、首掛け部材に内蔵される電源を備えている。この電源が、酸素発生器、バイタルセンサーおよびデータ出力装置に電気を供給する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
首に装着される酸素吸入装置であって、
首の後ろ側に位置する後部、首の右側に位置する右側のサイド部と首の左側に位置する左側のサイド部とを具備している首掛け部材、
この首掛け部材に内蔵される酸素発生器、
前記サイド部に設けられ、酸素発生器からの酸素を吐出する酸素吸入具、
前記首掛け部材の後部に設けられたバイタルセンサー、
前記酸素吸入具の吐出関連データと前記バイタルセンサーの検出値とを出力する首掛け部材に内蔵されるデータ出力装置および、
前記首掛け部材に内蔵される電源を備え、
この電源が、前記酸素発生器、バイタルセンサーおよびデータ出力装置に電気を供給することを特徴とする酸素吸入装置。
【請求項2】
前記酸素吸入具が、屈曲自在であるとともに曲げるとその位置を保持できるフレキシブルチューブの先端に酸素吐出ノズルを具備しており、
この酸素吸入具が、酸素吸入時には前記サイド部から突出しており、不使用時には前記サイド部に収納可能であることを特徴とする請求項1記載の酸素吸入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイタルを計測するとともに、身体に装着される酸素吸入装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この様な酸素吸入装置は、たとえば、特開2019-165896号公報(特許文献1)に記載されており、耳に装着される酸素吸入具がバイタルを計測している。
【0003】
しかしながら、酸素吸入具とは別体の酸素供給装置から、酸素が酸素吸入具に供給されており、部品点数が増大するとともに、酸素吸入具と酸素供給装置とを接続させるためのチューブやコードなどが必要となる。
【0004】
すると、酸素吸入装置を身体に装着する作業が複雑化するとともに、手間がかかることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-165896号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、酸素吸入具と酸素発生器とを一体化し、かつ、如何にして身体に装着するかである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の酸素吸入装置(1)は首に装着されており、
首の後ろ側に位置する後部(2a)、首の右側に位置する右側のサイド部(2b)と首の左側に位置する左側のサイド部(2c)とを具備している首掛け部材(2)、
この首掛け部材に内蔵される酸素発生器(3)、
前記サイド部に設けられ、酸素発生器からの酸素を吐出する酸素吸入具(7)、
前記首掛け部材の後部に設けられたバイタルセンサー(6)、
前記酸素吸入具の吐出関連データと前記バイタルセンサーの検出値とを出力する首掛け部材に内蔵されるデータ出力装置(5)および、
前記首掛け部材に内蔵される電源を備え、
この電源が、前記酸素発生器、バイタルセンサーおよびデータ出力装置に電気を供給する。
【0008】
また、酸素吸入具が、屈曲自在であるとともに曲げるとその位置を保持できるフレキシブルチューブ(7a)の先端に酸素吐出ノズル(7b)を具備しており、この酸素吸入具が、酸素吸入時には前記サイド部から突出しており、不使用時にはサイド部に収納可能である場合がある。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、酸素吸入装置の首掛け部材には、酸素吸入具、酸素発生器やバイタルセンサーが設けられており、酸素発生器が酸素吸入具とは別体に形成されたものと比して、チューブや接続配線の量が減り、構造が簡単にできる。また、身体への装着も容易となる。そして、特開2019-165896号公報のものにおいて、酸素発生器を小型化して一体化しても、耳に引っ掛けることになり、身体にかなりの負担がかかる。一方、本発明によれば、首に引っ掛けられているので、荷重は首や肩にかかり、耳に引っ掛けた場合に比して、身体に負担がかかりにくい。しかも、酸素吸入装置のデータ出力装置は、酸素吸入具の吐出関連データとバイタルセンサーの検出値との両者を出力することができるので、データの管理も容易となる。
【0010】
また、酸素吸入具が、不使用時にはサイド部に収納可能である場合には、バイタルを計測しながら、酸素吸入具7に邪魔にされずに、化粧したり、ヘアードライヤーをかけたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は本発明における酸素吸入装置の実施の一形態の概略の斜視図である。
図2図2は制御回路のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
身体に装着でき、かつ、バイタルのデータや、酸素吸入具の吐出関連データを一括して出力することができる酸素吸入装置を提供するという目的を、首掛け部材に酸素発生器やバイタルセンサーなどを配置することで実現した。
【実施例0013】
次に、本発明における酸素吸入装置の一実施例について、図1および図2を用いて説明する。図1は本発明における酸素吸入装置の実施の一形態の概略の斜視図である。図2は制御回路のブロック図である。
【0014】
酸素吸入装置1は首に装着され、その首掛け部材2が首に引っ掛けられる。馬蹄形状の首掛け部材2は、首の後ろ側に位置する後部2a、首の右側に位置する右側のサイド部2bと首の左側に位置する左側のサイド部2cとを具備している。この首掛け部材2には、電源である電池(図示しない)、酸素発生器3、制御装置4、データ出力装置5や酸素吸入具駆動装置8などが内蔵されている。首掛け部材2の後部2aには、血圧、脈拍、SpO2、体温などを検出するバイタルセンサー6が設けられている。右側のサイド部2bには、酸素吸入具7が設けられている。また、左側のサイド部2cには、バイタル計測スイッチ11、酸素発生器スイッチ12や酸素吸入具作動スイッチ13が設けられている。
【0015】
酸素吸入具7は、酸素発生器3からの酸素が流れるフレキシブルチューブ7aと、そのフレキシブルチューブ7aの先端に設けられた酸素吐出ノズル7bを具備している。フレキシブルチューブ7aは、マイクロホンや照明のスタンド用として幅広く使われており、屈曲自在であるとともに曲げるとその位置を保持できる。酸素吸入時には、図1において実線で図示するように、右側のサイド部2bの端部から突出している酸素吸入位置になる。そして、不使用時には、破線で図示するように、サイド部2bに収納されている収納位置になる。酸素発生器3は、破線で図示された収納位置の酸素吸入具7の右側(図1においては奥側)に配置されている。
【0016】
そして、マイコンなどで構成される制御装置4には、酸素発生器3、バイタルセンサー6、データ出力装置5、酸素吸入具駆動装置8、バイタル計測スイッチ11、酸素発生器スイッチ12および酸素吸入具作動スイッチ13が入出力可能に接続されている。
【0017】
この様に構成されている酸素吸入装置1を使用する際には、まず始めに、スマホで酸素吸入装置1のデータ出力装置5からの信号を送受信可能にするために、初期設定を行う必要がある。すなわち、データ出力装置5からの信号は個人情報であるため、初期設定された特定のスマホのみが送受信可能である。なお、スマホを使用しない場合や、データ出力装置5からの信号が不要な場合は、初期設定を割愛することも可能である。
【0018】
初期設定が完了すると、酸素吸入装置1を首にかけて装着する。バイタル計測スイッチ11や酸素発生器スイッチ12を押すと、バイタルセンサー6や酸素発生器3が稼働する。バイタルセンサー6や酸素発生器3からの信号は、データ出力装置5により外部に送信される。また、酸素吸入具作動スイッチ13を押すと、酸素吸入具駆動装置8が稼働し、収納されていた酸素吸入具7がサイド部2bの端部から押し出され、酸素吸入位置になる。再度、酸素吸入具作動スイッチ13を押すと、酸素吸入具駆動装置8が稼働し、酸素吸入位置の酸素吸入具7を引き込んで、サイド部2bに収納される収納位置になる。
【0019】
前述の様に、首掛け部材2には、酸素吸入具7、酸素発生器3やバイタルセンサー6が設けられており、酸素発生器が酸素吸入具とは別体に形成されたものと比して、チューブや接続配線の量が減り、構造が簡単にできる。また、身体への装着も容易となる。酸素吸入装置1のデータ出力装置5は、酸素吸入具7の吐出関連データと前記バイタルセンサー6の検出値との両者を出力することができるので、スマホなどの初期設定が、一括してでき利便性が高まるとともに、IDやパスワードなどの管理も容易となる。
【0020】
また、酸素吸入具7が、不使用時には首掛け部材2のサイド部2bに収納可能であるので、バイタルを計測しながら、酸素吸入具7に邪魔にされずに、化粧したり、ヘアードライヤーをかけたりすることができる。たとえば、酸素吸入具7が出たままだと、ヘアードライヤーで吹き上げられた長い髪が、酸素吸入具7に絡みつくおそれがある。
【0021】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例を下記に例示する。
(1)酸素発生器は、空気中の酸素を濃縮するものであり、ゼオライト、中空糸膜、平膜、化学式など適宜選択可能である。例えば、首掛け部材の外郭を通気性部材で構成し、その内側にガス分離膜を張り、ポンプで首掛け部材の内部の空気を吸い込んで、酸素吸入具に、ガス分離膜で濃縮された濃縮酸素を供給することも可能である。また、酸素発生器としては特許第6860197号などが知られている。
【0022】
(2)酸素吸入具は、フレキシブルチューブと、そのフレキシブルチューブ先端に設けられた酸素吐出ノズルを具備しているが、その構成は適宜変更可能で、酸素マスクやカニューラなどを採用することも可能である。また、フレキシブルチューブは、屈曲自在であるとともに曲げるとその位置を保持でき、かつ、酸素を流すことができるならば、その構造は適宜変更可能である。また、酸素吸入具や酸素発生器の設置位置は、適宜変更可能である。
【0023】
(3)バイタルセンサーは、バイタル(血圧、脈拍、SpO2、体温など)を検出するものであり、適宜選択可能である。
(4)酸素吸入具は、不使用時には首掛け部材に収納可能であるが、その構造や収納方法などは適宜選択可能である。また、酸素吸入位置に移動したり、収納位置に移動したりするが、自動でも手動でも可能である。また、収納されないように構成することも可能である。
【0024】
(5)首掛け部材は、首に掛けることができればよく、その形状や構造は適宜変更可能である。例えば、首の前側に位置する部材を具備することも可能である。
(6)データ出力装置は、酸素吸入具の吐出関連データを出力するが、酸素吸入具の吐出関連データは、酸素吸入具からの吐出量であることも可能であるが、酸素吸入具の吐出に関連する酸素発生器の稼働時間であったり、酸素発生器の酸素発生量であることも可能である。
【0025】
(7)電源は、首掛け部材に内蔵されているが、外部からも給電できるように構成することも可能である。
(8)酸素吸入装置1のデータ出力装置5の出力先は、スマホ以外でも可能である。たとえば、リモコン、パソコン、サーバーや表示装置などでも可能である。また、データ出力装置は、他のデータも入出力可能に構成することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0026】
酸素吸入具と酸素発生器とを一体化して一部品として身体に装着する酸素吸入装置に適用することが最適である。
【符号の説明】
【0027】
1 酸素吸入装置
2 首掛け部材
2a 首掛け部材の後部
2b 首掛け部材の右側のサイド部
2c 首掛け部材の左側のサイド部
3 酸素発生器
5 データ出力装置
6 バイタルセンサー
7 酸素吸入具
7a フレキシブルチューブ
7b 酸素吐出ノズル
図1
図2