(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025473
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】検出装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/1172 20160101AFI20250214BHJP
A61B 5/1171 20160101ALI20250214BHJP
A61B 5/02 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
A61B5/1172
A61B5/1171 100
A61B5/02 310B
A61B5/02 310F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130265
(22)【出願日】2023-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】多田 正浩
(72)【発明者】
【氏名】フ ジャンハオ
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
【Fターム(参考)】
4C017AA10
4C017AC28
4C038FF01
4C038FF05
4C038FG01
4C038VA04
4C038VA07
4C038VB13
4C038VC02
4C038VC05
(57)【要約】
【課題】リング状の筐体の小型化を可能としかつ利便性を向上させることが可能な検出装置を提供する。
【解決手段】検出装置1は、光源50、光センサ6、制御回路10、第1電源回路及び第1電池8を有し、第1電池8を充電器からの電力で充電するリング状の筐体200と、着脱機器を筐体200の外部に着脱自在に装着し、着脱機器から第1電池8に充電可能な端子部250と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源、光センサ、制御回路、第1電源回路及び第1電池を有し、前記第1電池を充電器からの電力で充電するリング状の筐体と、
着脱機器を前記筐体の外部に着脱自在に装着し、前記着脱機器から前記第1電池に充電可能な端子部と、
を備える検出装置。
【請求項2】
前記端子部に装着された前記着脱機器を備え、
前記着脱機器は、第2電池と第2電源回路とを備え、
前記着脱機器の前記第2電池と前記筐体の前記第1電池とは、前記着脱機器が前記端子部に装着されると、第2電源回路を介して互いに充電可能になっている
請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記着脱機器は、前記第2電池に外部コイルから受電を行うための第2コイルを備える
請求項2に記載の検出装置。
【請求項4】
前記着脱機器は、前記端子部に装着された場合に、前記筐体の前記制御回路が制御可能な発光素子及びハプティクスの少なくとも1つを備える
請求項2に記載の検出装置。
【請求項5】
前記光源は、可視光、近赤外光、赤外光の少なくとも1つを照射し、
前記制御回路は、前記光センサが検出した情報に基づいて、前記筐体が接触する生体に関する情報を検出する
請求項4に記載の検出装置。
【請求項6】
前記筐体は、温度センサ及び加速度センサの少なくとも1つを有する
請求項5に記載の検出装置。
【請求項7】
前記着脱機器の前記発光素子及び前記ハプティクスの少なくとも1つは、前記第2電池の状態を通知する
請求項6に記載の検出装置。
【請求項8】
前記筐体の前記第1電池を前記筐体の外部から無線充電可能な前記充電器を備える
請求項7に記載の検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人体から生体に関する情報を検出する装置が知られている。例えば、特許文献1には、指輪型の認証デバイスがアンテナを備え、アクセス対象から送信される電波によって認証デバイスを給電することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リング状の従来装置は、例えばセンサ、光源、電池、コントローラ、アンテナ等の電子機器を1つの筐体に組み込んでいるため、リング状の筐体のサイズが大きく、装着性が悪いという問題がある。また、リング状の従来装置は、充電器にセットしている間、機能を使用できないため、生体に関する情報の取得が途切れるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、リング状の筐体の小型化を可能としかつ利便性を向上させることが可能な検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の検出装置は、光源、光センサ、制御回路、第1電源回路及び第1電池を有し、前記第1電池を充電器からの電力で充電するリング状の筐体と、着脱機器を前記筐体の外部に着脱自在に装着し、前記着脱機器から前記第1電池に充電可能な端子部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る検出装置の内側に指を収めた状態の外観例を示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る検出装置の着脱機器の取り外し例を示す模式図である。
【
図3】
図3は、
図2に示すA-A断面における断面模式図である。
【
図4】
図4は、検出装置の構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、検出装置に着脱自在の着脱機器の一例を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、検出装置と充電器との充電例を説明するための図である。
【
図7】
図7は、充電器の構成例を示す構成図である。
【
図8】
図8は、検出装置の充電例を説明するための図である。
【
図9】
図9は、検出装置の動作例を説明するための図である。
【
図10】
図10は、複数の充電器を備える充電台の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
本明細書及び特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0010】
(実施形態)
[検出装置の構成例]
図1は、実施形態に係る検出装置の内側に指を収めた状態の外観例を示す模式図である。
図2は、実施形態に係る検出装置の着脱機器の取り外し例を示す模式図である。
図3は、
図2に示すA-A断面における断面模式図である。
図3は、
図2の検出装置1を中空部の中心を通る中心線に直交する面で切断した断面を示している。
図4は、検出装置の構成例を示すブロック図である。
図5は、検出装置に着脱自在の着脱機器の一例を示す斜視図である。
【0011】
図1及び
図2に示す検出装置1は、人体に着脱自在な指輪型のデバイスであり、人体の指Fgに装着される。指Fgは、拇指、示指、中指、薬指、小指等を含む。人体は、検出装置1が本人確認を行う被認証者である。検出装置1は、装着された指Fgから生体に関する生体情報を検出できる。指Fgは、測定対象の一例である。測定対象は、生体または生体の一部であり、測定対象物である。検出装置1は、指輪又はリストバンドとすることで、ユーザが携帯しやすくしている。以下の説明では、検出装置1は、指輪として使用されることを想定している。
【0012】
図2に示すように、検出装置1は、リング状の筐体200と、着脱自在の着脱機器500を筐体200に保持する端子部250と、端子部250に保持された着脱機器500と、を備える。本実施形態では、検出装置1は、筐体200が指Fgに装着された場合、着脱機器500が筐体2000に装着された第1状態(
図1参照)と、着脱機器500が筐体2000から取り外された第2状態(
図2参照)と、を有する。検出装置1は、第1状態と第2状態とで使用することができる。着脱機器500は、検出装置1の機能を補足し、検出装置1を充電可能なガジェットとして機能する。
【0013】
筐体200は、中空部201に指Fgが挿入され、指Fgに接触した状態で装着される。筐体200は、内周面210が透光性の部材によって形成されており、内部に収容している光源50が発光した光を内周面210から中空部201に向かって出射可能な構成になっている。筐体200は、外周面220が金属、非透過性の合成樹脂等の部材によって形成されており、内部に収容している光源50が発光した光を外周面220から外部へ出射不能な構成になっている。筐体200は、光センサ6を内周面210から露出させる構成としてもよいし、内周面210の近傍に収容する構成としてもよい。
【0014】
端子部250は、筐体200の外周面220から突出する円柱状の凸状に形成されている。本実施形態では、筐体200は、着脱機器500の外面と接触可能なように、外周面220の一部を平坦化した接触部230が形成されている。端子部250は、筐体200の接触部230の中央部分から突出する突起として形成されている。これにより、検出装置1は、筐体200と着脱機器500との接触面積を増加させているので、端子部250を大型化させることなく、装着時の筐体200と着脱機器500との安定感を向上させることができる。
【0015】
図3に示すように、筐体200は、温度センサ3と、加速度センサ4と、メモリ5と、光センサ6と、通信回路7と、第1電池8と、制御回路10と、光源50と、コネクタ251と、を有する。これらの各部は、フレキシブル基板20に実装されている。これらの各部は、フレキシブル基板20を介して、相互に信号を授受することができる。筐体200は、温度センサ3、加速度センサ4、メモリ5、光センサ6、通信回路7、第1電池8、制御回路10及び光源50を内部に収容している。
【0016】
光源50は、複数種類のLED(Light Emitting Diode)を用いることができる。本実施形態では、光源50は、赤色LED51と、近赤外LED52と、緑色LED53と、を有する。赤色LED51は、赤色光を出力する。近赤外LED52は、近赤外光を出力する。緑色LED53は、緑色光を出力する。光源50は、図示しないLEDドライバ54によって赤色LED51と近赤外LED52と緑色LED53とを駆動し、発光させる。
【0017】
光センサ6は、光源50によって照射した光が指Fg等で反射した光、直接入射する光等を検出する。光センサ6は、有機フォトダイオード(OPD:Organic Photodiode)である。光センサ6は、赤色LED51、近赤外LED52及び緑色LED53から出力されて中空部201に挿入されている指Fgを通過した光を入力とする。光センサ6は、入力される光の強度の変化を検出する。光センサ6は、例えば、有機フォトダイオード(OPD:Organic Photodiode)であり、照射される光に応じた電気信号を出力する。
【0018】
赤色LED51が点灯し、近赤外LED52および緑色LED53が点灯していない場合、指を通過した赤色光が光センサ6に入力される。近赤外LED52が点灯し、赤色LED51および緑色LED53が点灯していない場合、指を通過した近赤外光が光センサ6に入力される。緑色LED53が点灯し、赤色LED51および近赤外LED52が点灯していない場合、指を通過した緑色光が光センサ6に入力される。
【0019】
光源50から出射された光は、指Fg等の被検出体の表面で反射されて光センサ6に入射する。これにより、検出装置1は、指Fg等の表面の凹凸の形状を検出することで指紋を検出することができる。あるいは、光源50から出射された光は、指Fg等の内部で反射し又は指Fg等を透過して光センサ6に入射してもよい。これにより、検出装置1は、指Fg等の内部の生体に関する情報を検出できる。生体に関する情報とは、例えば、指や掌の脈波、脈拍、血管像等である。すなわち、検出装置1は、指紋を検出する指紋検出装置や、静脈などの血管パターンを検出する静脈検出装置として構成されてもよい。
【0020】
温度センサ3は、指Fgが中空部201に挿入されている場合、該指Fgの温度を検出する。温度センサ3は、指Fgが中空部201に挿入されていない場合、筐体200の周囲環境の温度を検出する。温度センサ3は、検出した温度を示す情報を制御回路10に供給する。
【0021】
加速度センサ4は、検出装置1に与えられる加速度を検出する。加速度センサ4は、検出した加速度を示す情報を制御回路10に供給する。加速度の検出値は、検出装置1の装着者の体動による影響を除去するために用いることができる。
【0022】
通信回路7は、図示しない近距離無線通信用のアンテナを有する。通信回路7は、検出装置1と他の装置との間の信号の授受を行う。通信回路7は、検出装置100の各部において測定したデータなどを他の装置に送信することができる。また、通信回路7は、他の装置が送信したデータなどを受信することができる。他の装置は、例えば、検出装置100の使用者が持っているスマートフォン、タブレットなどの携帯端末である。スマートフォン、タブレットなどの携帯端末は、表示画面を有する。検出装置1からデータを画面に表示することによって、検出装置1の使用者は、検出装置1から受信したデータを確認することができる。
【0023】
第1電池8は、例えば、二次電池である。第1電池8は、充電と放電を繰り返して使用可能な化学電池である。第1電池8は、例えば、蓄電池、充電池等を含む。第1電池8は、例えば、Qi(ワイヤレス給電の国際標準規格)に対応している。第1電池8は、蓄電された電力を検出装置1において電力を必要とする各部等に供給できる。第1電池8は、温度センサ3、加速度センサ4、光センサ6、通信回路7、制御回路10及び複数の光源50の各部と電気的に接続されており、各部に電力を供給する。
【0024】
制御回路10は、検出装置1の各部を制御する。制御回路10は、例えばマイクロコントローラなどのIC(Integrated Circuit)である。制御回路10は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)等のPLD(Programmable Logic Device)であっても良い。
【0025】
図4に示すように、制御回路10は、脈波測定回路11と、温度測定回路12と、加速度測定回路13と、電源回路14と、CPU(Central Processing Unit)15と、を有する。これらは、バスBによって接続されており、バスBを介して相互にデータを授受できる。制御回路10は、メモリ5及び通信回路7と電気的に接続されている。
【0026】
メモリ5は、各種のデータを記憶する記憶部である。メモリ5は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等を含む態様であっても良い。メモリ5は、制御回路10で用いる各種情報を記憶する。メモリ5は、制御回路10に含まれてもよい。
【0027】
脈波測定回路11は、LEDドライバ54及び光センサ6に接続されている。脈波測定回路11は、光センサ6の検出データに基づいて、脈拍周波数、血中酸素濃度などを測定する。LEDドライバ54は、赤色LED51と、近赤外LED52と、緑色LED53とを駆動し、発光させる。
【0028】
温度測定回路12は、温度センサ3と電気的に接続されている。温度測定回路12は、温度センサ3から温度データを取得する。
【0029】
加速度測定回路13は、加速度センサ4と電気的に接続されている。加速度測定回路13は、加速度センサ4から加速度データを取得する。
【0030】
電源回路14は、バッテリドライバ81に接続されている。バッテリドライバ81は、第1電池8及びコイル9と電気的に接続されている。コイル9は、第1電池8を充電するための充電用コイルであり、筐体200の内周面210に沿って巻かれた巻線を有する。筐体200は、コイル9を内周面210の近傍に収容し、筐体200を磁界が通る構成になっている。コイル9は、図示しない整流回路と電気的に接続されており、充電器等の送電コイルに接近した際に磁気結合し、送電コイルからの電磁界を受けて、電流に変換する。コイル9は、NFC(Near Field Communication)アンテナと共有化し、空間の電磁波を捉えてエネルギーを吸収してもよい。電源回路14は、第1電池8の充電を制御するとともに、第1電池8による電力を各部に供給する。
【0031】
CPU18は、制御回路10内の各部を制御する制御部である。CPU18は、所定のプログラムを実行することにより、脈波速度、血圧、脈拍周波数などの生体情報を測定または算出する。
【0032】
CPU18は、脈波測定回路11、温度測定回路12及び加速度測定回路13に制御信号を供給して検出動作を制御する、CPU18は、各回路の測定結果、該測定結果に基づく生体に関する情報等をメモリ5に記憶する。CPU18は、光源50の制御信号をLEDドライバ54に供給して、光源50の点灯又は非点灯を制御する。
【0033】
図3に示すように、コネクタ251は、筐体200の端子部250に設けられ、筐体200に装着された着脱機器500と電気的に接続される。コネクタ251は、着脱機器500との間で、データ、電力等の授受に用いられる。コネクタ251は、例えば、4重同心電極等を用いることができる。
【0034】
図5に示すように、端子部250は、表面250Aの中央付近にコネクタ251を配置し、コネクタ251を囲繞するように磁石252を配置している。端子部250は、表面250Aから筐体200に向かう側壁253にネジ山が形成されている。コネクタ251は、着脱機器500から供給される電力を電源回路14に供給することで、着脱機器500からの第1電池8への充電を実現する。コネクタ251は、電源回路14からの電力を着脱機器500へ供給する。これにより、検出装置1は、筐体200と着脱機器500との相互給電が可能な構成になっている。
【0035】
着脱機器500は、筐体200に着脱自在の第2筐体510を有する。第2筐体510は、例えば、合成樹脂、金属等によって直方体状に形成されている。第2筐体510は、筐体200の端子部250が嵌め込まれる円柱状の凹部511が形成されている。着脱機器500は、凹部511の底面512の中央付近にコネクタ514を配置し、コネクタ514を囲繞するように磁石515を配置している。コネクタ514は、例えば、ポゴピンコネクタであり、ピンがプランジャー、スプリング、バレル等を有する。コネクタ514は、電源回路540と電気的に接続されており、外部からの電力を電源回路540に供給することで、第2電池520を充電する。第2筐体510は、筐体200の端子部250の側壁253のネジ山と螺合するネジ溝が側面513に形成されている。着脱機器500は、筐体200に対して着脱する場合、側面513と端子部250の側壁253とを嵌め合わせて回転しながら、筐体200からの取り外し方向または筐体200への取り付け方向に移動する。この場合、コネクタ514は、コネクタ251と同心円状の溝に沿って回転する。着脱機器500の凹部511は、筐体200の端子部250が嵌め込まれると、端子部250のコネクタ251とコネクタ514とが電気的に接続され、端子部250の磁石252と磁石515とが引き寄せ合う。検出装置1は、筐体200の端子部250と着脱機器500の凹部511とを螺合することで、装着時の筐体200と着脱機器500との強度を向上させている。
【0036】
図2に示すように、第2筐体510は、第2電池520と、第2コイル530と、電源回路540と、発光素子550と、ハプティクス560と、を備える。これらの各部は、図示しない基板に実装されて収容されている。これらの各部は、着脱機器500が筐体200に装着された場合、筐体200の制御回路10と電気的に接続され、制御回路10の制御によって動作可能な構成になっている。
【0037】
第2電池520は、例えば、リチウムイオン電池であり、着脱機器500の各部に電力を供給する。第2電池520は、着脱機器500が筐体200に装着された場合、着脱機器500の第1電池8の充電に用いる電力を供給する。あるいは、第2電池520は、筐体200から供給される電力で充電される。第2電池520は、受電用の第2コイル530が電気的に接続されており、送電コイルに接近した際に第2コイル530を磁気融合させ、送電コイルからの電磁界を受けて変換された電流で充電可能な構成になっている。
【0038】
電源回路540は、第2電池520及び第2コイル530と電気的に接続されている。第2コイル530は、充電器から充電するための充電用コイルであり、第2筐体510の表面に沿って巻かれた巻線を有する。第2筐体510は、第2コイル530を内周面210の近傍に収容し、第2筐体510を磁界が通る構成になっている。第2コイル530は、図示しない整流回路と電気的に接続されており、充電器等の送電コイルに接近した際に磁気結合し、送電コイルからの電磁界を受けて、電流に変換する。第2コイル530は、NFCアンテナと共有化し、空間の電磁波を捉えてエネルギーを吸収してもよい。電源回路540は、第2電池520の充電を制御するとともに、第2電池520による電力を各部に供給する。
【0039】
発光素子550は、第2筐体510の表面、内部等に配置され、検出装置1の各種情報を通知可能なLEDである。発光素子550は、筐体200の制御回路10の制御によってアラートを通知する。発光素子550は、第2筐体510に複数設けられてもよい。
【0040】
ハプティクス560は、第2筐体510の内部に配置され、第2筐体510に振動等を与えることで、着脱機器500が装着された筐体200を振動させる。ハプティクス560は、筐体200の制御回路10によって振動の開始、終了が制御される。これにより、検出装置1は、筐体200に振動させるための構成を設けることなく、装着された指Fgに振動等の間隔を伝達することができる。
【0041】
本実施形態では、発光素子550及びハプティクス560は、検出装置1の通知機能を筐体200の外部で実現している。これにより、検出装置1は、通知するための構成を筐体200に設ける必要がないので、筐体200の小型化に貢献することができる。
【0042】
着脱機器500は、第2電池520と第2コイル530と発光素子550とハプティクス560とを有する第2筐体510と、リング状の筐体200の外周面220に第2筐体510を着脱自在に装着される凹部511(装着部)とを備え、凹部511を介して筐体200の第1電池8を第2電池520の電力によって充電するガジェットとして提供することができる。
【0043】
図6は、検出装置1と充電器700との充電例を説明するための図である。本実施形態では、検出装置1は、筐体200の第1電池8を筐体200の外部から無線充電可能な充電器700を備えてもよい。
図6の場面C1に示すように、検出装置1は、着脱機器500が装着された第1状態で、充電器700から第1電池8を充電できる。
図6の場面C2に示すように、検出装置1は、着脱機器500が装着されていない第2状態で、充電器700から第1電池8を充電できる。充電器700は、検出装置1の筐体200の内径よりも若干小さな外径の円柱状の第3筐体701に形成されている。充電器700は、内部の第3コイル710が検出装置1のコイル9と対向するように、検出装置1を係止して位置付ける、図示しない係止部が第3筐体701の外周に形成されている。
【0044】
図7は、充電器700の構成例を示す構成図である。
図7に示すように、充電器700は、検出装置1のコイル9に電力を供給可能な第3コイル710と、第3コイル710に電力を供給可能な電源720と、を備える。第3コイル710と電源720とは、駆動回路711を介して電気的に接続されている。第3コイル710は、共振型のコイルであり、電源720からの駆動電圧により動作する。電源720は、交流電源である。充電器700は、第3コイル710と受電側の接近した筐体200のコイル9とを磁気結合させることで、ワイヤレスで電力を供給する装置である。
【0045】
以上、本実施形態に係る検出装置1の構成例について説明した。なお、
図1乃至
図7を用いて説明した上記の構成はあくまで一例であり、本実施形態に係る検出装置1の構成は係る例に限定されない。本実施形態に係る検出装置1の構成は、仕様や運用に応じて柔軟に変形可能である。
【0046】
[検出装置のシステム構成例]
図8は、検出装置1の充電例を説明するための図である。
図8では、実践矢印が給電、破線矢印がデータ通信を示している。
図8に示すように、検出装置1は、着脱機器500と、充電器700とを備える。
【0047】
検出装置1は、筐体200の第1電池8から温度センサ3、加速度センサ4、メモリ5、光センサ6、通信回路7、制御回路10、脈波測定回路11、温度測定回路12、加速度測定回路13及び光源50等に電力を供給する。筐体200の制御回路10は、脈波測定回路11、温度測定回路12、加速度測定回路13等とデータ通信が可能になっている。検出装置1は、着脱機器500の第2電池520から発光素子550、ハプティクス560等に電力を供給する。
【0048】
充電器700は、複数の第3コイル710と、電源720と、複数の接触端子730と、電源制御回路740と、を備える。複数の第3コイル710は、筐体200のコイル9及び着脱機器500の第2コイル530の各々に対応するように配置されている。複数の第3コイル710は、駆動回路711と電気的に接続されており、駆動回路711によって電源720からの駆動電圧により動作する。複数の接触端子730は、着脱機器500のコネクタ514等に接触可能なように配置されている。複数の接触端子730は、電源回路731と電気的に接続されており、電源回路731によって電源720からの電力を供給する。
【0049】
検出装置1は、筐体200の制御回路10と着脱機器500とが第1インタフェース810を用いて相互給電及びデータ通信が可能になっている。検出装置1は、筐体200及び着脱機器500の各々と充電器700とが第2インタフェース820を用いて充電可能な構成になっている。
【0050】
筐体200の制御回路10は、コネクタ251を介して、筐体200に装着された着脱機器500の発光素子550、ハプティクス560等とのデータ通信によって制御を行うことが可能になっている。
【0051】
筐体200は、コイル9と充電器700の第3コイル710とを磁気結合させることで、ワイヤレスで電力が供給可能な構成になっている。筐体200は、コネクタ251と着脱機器500のコネクタ514とを電気的に接続することで、コネクタ251を介して着脱機器500から電力が供給され、かつ着脱機器500に電力を供給することが可能な構成になっている。
【0052】
例えば、
図1に示したように、検出装置1は、筐体200に着脱機器500が装着され、充電器700に筐体200が固定されていない場合、コネクタ251を介して着脱機器500から供給される電力によって第1電池8を充電することができる。
【0053】
例えば、
図6の場面C1に示したように、検出装置1は、筐体200に着脱機器500が装着され、充電器700に筐体200が固定されている場合、コイル9と充電器700の第3コイル710との磁気結合によるワイヤレスの電力で第1電池8を充電する。この場合、検出装置1は、着脱機器500の第2電池520の残量が判定閾値以下になっている場合、筐体200の制御回路10によって第1電池8または充電器700からの電力を着脱機器500に供給する。これにより、検出装置1は、着脱機器500の第2電池520を筐体200からの電力によって充電することができる。
【0054】
例えば、
図6の場面C2に示したように、検出装置1は、筐体200に着脱機器500が装着されていない状態で、充電器700に筐体200が固定されている場合、コイル9と充電器700の第3コイル710との磁気結合によるワイヤレスの電力で第1電池8を充電する。
【0055】
[検出装置の動作例]
図9は、検出装置1の動作例を説明するための図である。
図9では、検出装置1における筐体200と着脱機器500の基本構成の動作期間を示している。基本構成は、筐体200が光源50、光センサ6、加速度センサ4、温度センサ3、制御回路10及び第1電池8を含み、着脱機器500が発光素子550、ハプティクス560及び第2電池520を含んでいる。
【0056】
図9に示すように、検出装置1は、筐体200の第1電池8の電力で、緑色LED53を所定時間点灯させ、その後、赤色LED51及び近赤外LED52を所定時間点灯させ、各点灯による光を光センサ6で測定する測定期間M1,M2,M3,M4,M5,M6を定期的に実行する。
図9に示す一例では、測定期間M1,M2,M3は、着脱機器500を筐体200に装着した状態の期間P1で実行されている。測定期間M4,M5は、着脱機器500を筐体200から取り外して充電し、筐体200のみを指Fgに装着した状態の期間P2で実行されている。測定期間M6は、充電後の着脱機器500を筐体200に装着した状態の期間P3で実行されている。
【0057】
検出装置1は、筐体200の第1電池8の電力で、加速度センサ4及び制御回路10を常時動作させ、温度センサ3を定期的に動作させる測定期間M1,M2,M3,M4,M5,M6を順次実行させる。検出装置1は、筐体200の第1電池8から実行対象の各部に電力を給電する。
【0058】
検出装置1は、着脱機器500が筐体200に装着されている期間P1及び期間P3では、着脱機器500の第2電池520が発光素子550及びハプティクス560あるいは筐体200の第1電池8に対して給電可能な状態になっている。
【0059】
期間P1では、検出装置1は、測定期間M2の測定結果に基づいて制御回路10がSpO2の低下を感知し、生体異常を通知する通知情報を着脱機器500の発光素子550及びハプティクス560に送信することで、発光素子550が点灯し、ハプティクス560が振動する。これにより、検出装置1は、着脱機器500の発光素子550の点灯及びハプティクス560の振動によって生体異常を利用者に通知する。
【0060】
その後、検出装置1は、測定期間M3が終了し、制御回路10が着脱機器500の第2電池520の低電量を検出すると、低電量を通知するための通知情報を発光素子550に送信することで、発光素子550が点滅する。低電量は、電池の電力の残量が所定値以下であることを意味する。これにより、検出装置1は、着脱機器500の発光素子550の点滅によって着脱機器500の第2電池520が低電量であることを、利用者に認識させることができる。
【0061】
期間P2では、利用者が筐体200から着脱機器500を取り外し、充電器700を用いて着脱機器500の第2電池520を充電している。この場合、検出装置1は、着脱機器500が取り外された状態の筐体200が測定期間M4,M5に定期的な測定を実行する。その後、着脱機器500の充電が完了すると、検出装置1は、筐体200に着脱機器500が装着される。検出装置1は、制御回路10が着脱機器500の第2電池520の満充電を検出すると、満充電量を通知するための通知情報を発光素子550に送信することで、発光素子550が点灯する。これにより、検出装置1は、筐体200に装着した着脱機器500の発光素子550の点灯によって着脱機器500の第2電池520が満充電であることを、利用者に認識させることができる。なお、検出装置1は、装着された着脱機器500の第2電池520の電力で筐体200の第1電池8を充電してもよい。
【0062】
その後、検出装置1は、期間P2から期間P3に移行する。期間P3では、検出装置1は、期間P1と同様に、筐体200の第1電池8の電力で、緑色LED53を所定時間点灯させ、その後、赤色LED51及び近赤外LED52を所定時間点灯させ、各点灯による光を光センサ6で測定する測定期間M6を実行し、その後も定期的に測定を繰り返す。
【0063】
以上により、検出装置1は、光源50、光センサ6、制御回路10、電源回路14(第1電源回路)及び第1電池8を有し、第1電池8を充電器700からの電力で充電するリング状の筐体200と、着脱機器500を筐体200の外部に着脱自在に装着し、着脱機器500から第1電池8に充電可能な端子部250と、を備える。これにより、検出装置1は、充電器700を用いて筐体200の第1電池8を充電でき、かつ、筐体200の外部に装着した着脱機器500から第1電池8を充電できるので、筐体200を装着した状態での充電が可能となり、筐体200に収容する第1電池8の小型化を図ることができる。検出装置1は、筐体200と着脱機器500との両方に電池を分担させることができるので、筐体200の薄型化が可能となり、装着性を向上させることができる。検出装置1は、着脱機器500を取り外した状態でも使用可能なので、連続的な使用を可能にすることができる。その結果、検出装置1は、リング状の筐体200の小型化を可能としかつ利便性を向上させることできる。
【0064】
検出装置1は、着脱機器500が第2電池520と電源回路540(第2電源回路)とを備え、着脱機器500の第2電池520と筐体200の第1電池8とは、着脱機器500が端子部250に装着されると、着脱機器500の電源回路540を介して互いに充電可能になっている。これにより、検出装置1は、筐体200の外部に装着した着脱機器500から第1電池8を充電でき、かつ第1電池8から着脱機器500の第2電池520を充電できる。その結果、検出装置1は、筐体200の第1電池8を充電する際に着脱機器500の第2電池520も充電できるので、利便性を向上させることができる。
【0065】
検出装置1は、着脱機器500が第2電池520に充電器の第3コイル710(外部コイル)から受電を行うための第2コイル530を備える。これにより、検出装置1は、着脱機器500を単体で無線充電できるので、筐体200を指Fgから取り外し機会をより一層減少させることができる。その結果、検出装置1は、利用者に筐体200を長時間にわたって装着させることが可能となり、充電のために筐体200を取り外す期間を減少させることができる。
【0066】
検出装置1は、着脱機器500が筐体200の端子部250に装着された場合に、筐体200の制御回路10が制御可能な発光素子550及びハプティクス560の少なくとも1つを着脱機器500が備える。これにより、検出装置1は、発光素子550及びハプティクス560の少なくとも1つを筐体200に収容する必要がないので、筐体200の小型化を図ることができる。その結果、検出装置1は、筐体200を小型化して装着性を向上させ、かつ装置における機能を充実させることができる。
【0067】
検出装置1は、光源50が可視光、近赤外光、赤外光の少なくとも1つを照射し、光センサ6が検出した情報に基づいて、筐体200が接触する生体に関する情報を制御回路10が検出する。これにより、検出装置1は、筐体200を長時間にわたって装着させることができるので、検出した生体に関する情報の途切れを抑制することができる。
【0068】
検出装置1は、筐体200が温度センサ3及び加速度センサ4の少なくとも1つを有する。これにより、検出装置1は、筐体200を長時間にわたって装着させることができるので、検出した温度、加速度等に関する情報の途切れを抑制することができる。
【0069】
検出装置1は、着脱機器500の発光素子550及びハプティクス560の少なくとも1つが着脱機器500の第2電池520の状態を通知する。これにより、検出装置1は、第2電池520の状態を通知することで、第2電池520を迅速に充電することができる。
【0070】
検出装置1は、筐体200の第1電池8を筐体200の外部から無線充電可能な充電器700を備える。これにより、検出装置1は、筐体200が小型化されても、充電器700によって第1電池8を無線充電できるので、利便性の低下を抑制することができる。
【0071】
[実施形態の変形例]
図10は、複数の充電器を備える充電台の一例を示す斜視図である。
図11は、
図10に示すB-B断面における断面模式図である。
図10及び
図11に示すように、充電台800は、円盤状に形成されており、複数の充電器700、充電器700A、及び充電器700Bを備えている。
図10に示す一例では、充電台800は、上述した2つの充電器700と、3つの充電器700Aと、2つの充電器700Bとを備えている。
【0072】
充電器700Aは、検出装置1に着脱自在の着脱機器500A、500B、500Cに対して非接触で充電する。着脱機器500A、500B、500Cは、着脱機器500と同一の構成になっており、第2筐体510の形状のみが異なっている。着脱機器500Aは、筐体の形状が半球体になっている。着脱機器500Bは、筐体の形状が多面体になっている。着脱機器500Cは、筐体の形状が楕円体になっている。
図10及び
図11に示すように、複数の充電器700Aの各々は、着脱機器500A、500B、500C等が嵌め込まれる凹部700A1と、凹部700A1の底部に設けられた第3コイル710と、を備える。第3コイル710は、上述した電源720と電気的に接続されている。複数の充電器700Aの各々は、第3コイル710と凹部700A1に嵌め込まれた着脱機器500A、500B、500C等の第2コイル530とを磁気結合させることで、ワイヤレスで電力を供給する装置である。
【0073】
図10に示すように、充電器700Bは、検出装置1に着脱自在の着脱機器500D、500Eに対してコネクタを介して充電する。着脱機器500D、500Eは、着脱機器500と同一の構成になっており、第2筐体510の形状のみが異なっている。着脱機器500Dは、筐体の形状が角錐になっている。着脱機器500Eは、筐体の形状が立方体になっている。
図10及び
図11に示すように、複数の充電器700Bの各々は、凸状に形成されており、上述した接触端子730を備え、電源720からの電力が接触端子730に供給される。複数の充電器700Bの各々は、着脱機器500D、500Eのコネクタ514と接触端子730とを接触させることで、電力を着脱機器500D、500E等に供給する装置である。
【0074】
充電台800は、充電方式が異なる充電器700、充電器700A、及び充電器700Bを複数設けることで、検出装置1の筐体200の第1電池8と様々な形状の複数の着脱機器500、500A、500B、500C、500D、500E等を充電することができる。これにより、検出装置1は、様々な形状の着脱機器500等を用いることができるので、商品価値を向上させることができる。
【0075】
上述した実施形態では、検出装置1が着脱機器500と充電器700とを備える構成について説明したが、これに限定されない。検出装置1は、着脱機器500及び充電器700のいずれか1つを備える構成としてもよい。検出装置1は、筐体200の構成を有する装置と、着脱機器500と、充電器700とを備えるシステムとしてもよい。
【0076】
上述した各実施形態は、各構成要素を適宜組み合わせることが可能である。また、本実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0077】
1 検出装置
3 温度センサ
4 加速度センサ
5 メモリ
6 光センサ
7 通信回路
8 第1電池
10 制御回路
11 脈波測定回路
12 温度測定回路
13 加速度測定回路
14 電源回路
15 CPU
50 光源
200 筐体
201 中空部
210 内周面
220 外周面
230 接触部
250 端子部
251 コネクタ
252 磁石
500 着脱機器
510 第2筐体
511 凹部
512 底面
514 コネクタ
520 第2電池
530 第2コイル
540 電源回路
550 発光素子
560 ハプティクス
700 充電器
710 第3コイル
720 電源
730 接触端子
740 電源制御回路
810 第1インタフェース
820 第2インタフェース
Fg 指