(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025530
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】ホルダー付き袋容器
(51)【国際特許分類】
B65D 77/06 20060101AFI20250214BHJP
B65D 33/38 20060101ALI20250214BHJP
B65D 30/18 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
B65D77/06 E
B65D33/38
B65D30/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130367
(22)【出願日】2023-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】柴▲崎▼ 雅教
【テーマコード(参考)】
3E064
3E067
【Fターム(参考)】
3E064AB03
3E064BA17
3E064BA22
3E064BA24
3E064BA26
3E064BA30
3E064BA36
3E064BA39
3E064BA54
3E064BB03
3E064BC08
3E064BC18
3E064EA12
3E064EA30
3E064FA04
3E064HM01
3E064HN65
3E064HU10
3E067AA03
3E067AC01
3E067BA05C
3E067BA12B
3E067BB01C
3E067BB02C
3E067BB12B
3E067BB14B
3E067BB14C
3E067BB15B
3E067BB16B
3E067BB16C
3E067BB25B
3E067BC03C
3E067BC07B
3E067CA04
3E067CA24
3E067EB27
3E067EE40
3E067FA04
3E067FB16
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】ホルダーの取り付けが容易なホルダー付き袋容器を提供する。
【解決手段】ホルダー付き袋容器(1)では、袋容器(10)は、胴部(11)と、天マチ(12)及び底マチ(13)と、天マチ(12)に設けられたスパウト(14)と、を備え、ホルダー(20A)は、袋容器(10)を収容する、筒状の本体(21A)と、本体(21A)の上側開口縁(25a)に設けられ、上側開口縁(25a)に沿って折り曲げられる、スパウト(14)の形状に対応した切欠き部(23)を有するフラップ(22)と、を備え、フラップ(22)は、上側開口縁(25a)に沿って本体(21A)に対して鋭角に折り曲げられ、本体(21A)に収容された袋容器(10)のスパウト(14)に切欠き部(23)が当接した状態でスパウト(14)を支持する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋容器と、該袋容器を支持するホルダーとを備えたホルダー付き袋容器であって、
前記袋容器は、
胴部と、
前記胴部の上部及び下部に設けられた天マチ及び底マチと、
前記天マチに設けられたスパウトと、を備え、
前記ホルダーは、
前記袋容器を収容する、筒状の本体と、
前記本体の上側開口縁に設けられ、該上側開口縁に沿って折り曲げられる、前記スパウトの形状に対応した切欠き部を有するフラップと、を備え、
前記フラップは、前記上側開口縁に沿って前記本体に対して鋭角に折り曲げられ、前記本体に収容された前記袋容器の前記スパウトに前記切欠き部が当接した状態で前記スパウトを支持する、ホルダー付き袋容器。
【請求項2】
前記袋容器は、前記胴部の外縁から上方に延びた上襟部を有し、
前記スパウトは、前記袋容器の内容物を注出するノズルの外周にフランジを有し、
前記フランジは、前記上襟部の上端よりも低い位置に設けられており、
前記フラップは、前記フランジの下面にて前記スパウトを支持する、請求項1に記載のホルダー付き袋容器。
【請求項3】
前記フラップは、該フラップを第1領域と第2領域とに区分する折目線を有し、
前記フラップが前記上側開口縁に沿って折り曲げられた状態において、前記第1領域は前記上襟部側に位置し、前記第2領域は前記スパウト側に位置し、
前記上襟部の延びる方向に対してなす角度は、前記第1領域が前記第2領域よりも小さい、請求項2に記載のホルダー付き袋容器。
【請求項4】
前記切欠き部は、該切欠き部の内縁に設けられた、該内縁に沿って折り曲げられる爪部を有し、
前記爪部は、折り曲げられた状態で前記フランジの下面にて前記スパウトを支持する、請求項2または3に記載のホルダー付き袋容器。
【請求項5】
前記袋容器は、前記胴部の外縁から下方に延びた下襟部を有し、
前記ホルダーは、前記本体の下側開口縁に設けられた、前記下襟部の下端を載置可能な底面を備え、
前記底面は、前記底マチと前記下襟部とにより形成される空間の方向に方向付けられており、前記底マチに当接する、請求項1から3の何れか1項に記載のホルダー付き袋容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ホルダー付き袋容器に関する。
【背景技術】
【0002】
スパウトを有する袋容器と、該袋容器を直立状態で使用するために用いられるホルダーが知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載されたホルダーは、内容液が充填された袋容器の注出口を支持して保持するホルダーであって、筒状の本体と、前記本体の一端開口部の周縁部に連設され、周縁部の一部に沿って折り曲げられて天面部を形成する2つのフラップ部と、を備える。該フラップ部は、天面部を貫通する孔が設けられている。孔は、天面部を形成したときに、袋容器の注出口の外周面に設けられたフランジが挿通不可能である。孔は、フランジよりも下部に設けられた被保持部が挿通可能な大きさの保持用孔を形成するための第1領域と、天面部を形成する前に、フランジが挿通可能な大きさの挿通孔を形成するための第2領域と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたホルダーは、複数のフラップに形成された孔それぞれに袋容器のスパウトを挿通する必要があることから、その手間が煩雑になるという問題がある。
【0006】
本開示は、ホルダーの取り付けが容易なホルダー付き袋容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係るホルダー付き袋容器は、袋容器と、該袋容器を支持するホルダーとを備えたホルダー付き袋容器であって、袋容器は、胴部と、前記胴部の上部及び下部に設けられた天マチ及び底マチと、前記天マチに設けられたスパウトと、を備え、ホルダーは、前記袋容器を収容する、筒状の本体と、前記本体の上側開口縁に設けられ、該上側開口縁に沿って折り曲げられる、前記スパウトの形状に対応した切欠き部を有するフラップと、を備え、前記フラップは、前記上側開口縁に沿って前記本体に対して鋭角に折り曲げられ、前記本体に収容された前記袋容器の前記スパウトに前記切欠き部が当接した状態で前記スパウトを支持する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、ホルダーの取り付けが容易なホルダー付き袋容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一態様に係るホルダー付き袋容器を構成する袋容器の一例を示す概略図である。
【
図2】本開示の一態様に係るホルダー付き袋容器を構成するホルダーの具体例を示す図である。
【
図3】本開示の一態様に係るホルダーの展開構成の一例を示す図である。
【
図4】本開示の一態様に係るホルダー付き袋容器の構成を示す図である。
【
図5】フラップが折り曲げられていないときの、ホルダー付き袋容器の上部の構成例を示す図である。
【
図6】フラップが折り曲げられたときの、ホルダー付き袋容器の上部の構成例を示す図である。
【
図7】本開示の一態様に係るホルダー付き袋容器の下部の構成例を示す図である。
【
図8】本開示の一態様に係るホルダー付き袋容器の上部の構成例を示す図である。
【
図9】本開示の一態様に係るホルダー付き袋容器の上部の構成例を示す図である。
【
図10】本開示の一態様に係るホルダー付き袋容器のフラップの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の一実施形態について、
図1等を参照しながら詳細に説明する。説明の便宜のため、袋容器10及びホルダー20を説明した後で、容器10及びホルダー20を備えるホルダー付き袋容器1の構成と動作等について説明する。
【0011】
(袋容器)
図1は、本開示の一態様に係るホルダー付き袋容器1を構成する袋容器10の一例を示す概略図である。
図1の符号101は、袋容器10を正面斜め上から見た図である。符号102は、袋容器10の底面図を示す。
図1において、XYZ座標が記載されている。X軸は、袋容器10の幅方向を示す。Y軸は、袋容器10の厚み方向を示す。Z軸は、袋容器10の高さ方向を示す。Z軸において、重力方向を下方向、その反対方向を上方向とする。また、以降の説明において「下限値XXX~上限値YYY」で表される数値範囲は、下限値XXX以上上限値YYY以下を意味する。
【0012】
袋容器10は、収容物を収容する軟包材容器であり、例えば、化粧品、洗剤、シャンプー、リンス、医薬品又は食品類を収納する。
図1は、収容物が袋容器10に収納された状態を示す。袋容器10はシート材により構成されており、シート材は、正面シート、背面シート、底面シート、及び天面シートを含む。袋容器10は、これらのシートの周縁部同士が互いにヒートシール等により接合されてなる。これらのシート材は、互いに接合される前には一枚のシートとして構成されてよい。
【0013】
シート材は、基材フィルムに最内面となるヒートシール性のシーラント層を積層した複層フィルムが使用できる。これらは一般的な軟包材用フィルム等が使用できる。基材フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリプロピレンやポリエチレン等のオレフィン系樹脂等からなる延伸フィルムが例示できる。シーラント層としては、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン系樹脂からなるフィルム、又は押出しラミネート層が例示できる。また、中間層としてエチレンビニルアルコール共重合体や、アルミニウムホイル、透明蒸着フィルム等のガスバリアー層や各種補強フィルム等を積層したものでもよい。袋容器10は後述するホルダー20に収容して使用される。そのため、基材フィルム及び/又はシーラント層を比較的柔軟なポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂のみで作成した所謂モノマテリアル材料で形成することによりリサイクルし易くしてもよい。
【0014】
袋容器10は、胴部11と、胴部11の上部及び下部に設けられた天マチ12及び底マチ13と、天マチ12に設けられたスパウト14と、を備える。胴部11は、主として、正面シート及び背面シートにより構成されている。天マチ12は、天面シートにより構成されている。底マチ13は、底面シートにより構成されている。
【0015】
また、袋容器10は、胴部11の外縁から上方に延びた上襟部15と、胴部11の外縁から下方に延びた下襟部16とを有する。上襟部15は、胴部11を構成する正面シート及び背面シートと天面シートとの接合部である。上襟部15を形成する接合部のシール幅(上襟部15高さに相当)は、後述するホルダー20のフラップ22に対応する位置において3mm~10mmであってよい。
【0016】
下襟部16は、胴部11を構成する正面シート及び背面シートと底面シートとの接合部である。下襟部16を形成する接合部のシール幅は、中央部分で3mm~10mmであってよい。袋容器10は、上襟部15及び/又は下襟部16を有していなくてもよいが、以下では、袋容器10は、上襟部15及び下襟部16を有しているものとして説明する。
【0017】
また、袋容器10は、サイドシール部18を備える。サイドシール部18は、胴部11を構成する、正面シートと背面シートとの接合部である。サイドシール部18を形成する接合部のシール幅は3mm~10mmであってよい。
【0018】
スパウト14は、天マチ12に位置する。スパウト14は、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂等の樹脂成型品であってよいし、他の材料から形成されていてもよい。スパウト14は、ノズル又はポンプ等のディスペンサーを取り付け可能な形状を有していてよい。スパウト14は、キャップ17が着脱可能に取り付けられてよい。スパウト14については、
図5及び
図6を参照して改めて説明する。
【0019】
袋容器10は、その一例が
図1により示されているが、その形状、素材、及び/又は、XYZ方向の長さなどは内容物等に応じて適宜に変更されてよい。
【0020】
(ホルダー)
次に、袋容器10を収容するホルダー20を
図2により説明する。
図2は、本開示の一態様に係るホルダー付き袋容器1を構成するホルダー20の具体例を示す図である。
図2の符号201は、ホルダー20の一例であるホルダー20Aの斜視図を示す。
図2の符号202は、ホルダー20の他の一例であるホルダー20Bの斜視図を示す。
【0021】
図2において、XYZ座標が記載されている。X軸は、ホルダー20A(20B)の幅方向を示す。Y軸は、ホルダー20A(20B)の厚み方向を示す。Z軸は、ホルダー20A(20B)の高さ方向を示す。Z軸において、重力方向を下方向、その反対方向を上方向とする。
【0022】
図2の符号201に示す図を参照して、ホルダー20Aは、袋容器10を収容する、筒状の本体21Aと、本体21Aの上側開口縁25aに設けられ、上側開口縁25aに沿って折り曲げられるフラップ22と、を備える。フラップ22は、本体21Aの上側開口縁25aに設けられ、上側開口縁25aに沿って折り曲げ可能に構成されている。フラップ22は、上側開口縁25aに沿って鋭角に折り曲げられると、本体21Aに収容された袋容器10(不図示)のスパウト14にフラップ22が当接した状態でスパウト14を支持する(詳細は後述)。また、ホルダー20Aは、本体21Aの下側開口縁25bに設けられた、袋容器10の下襟部16(不図示)の下端を載置可能な底面26を備える。
図2の例において、底面26は、底面26a及び底面26bにより構成される。
【0023】
ホルダー20Aは、筒状の本体21Aを有する。本体21Aは、薄板状材料(シート材)から一体に形成されてよい。本体21Aは、例えば、合成樹脂製の薄板状シート材料、又は、紙製の薄板状のシート材料、プラスチックダンボール等であってよい。合成樹脂製の薄板状シート材料としては、厚さ0.2mm~1.0mmのポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等であってよく、透明、半透明、白色や着色したシートであってよい。紙製の薄板状シート材料としては、板紙(例えばカードA,カードB等)、コートボール紙等の坪量260g/平方メートル~450g/平方メートルであってよい。シート材には、印刷や金属箔転写等で表示や加飾が施されてもよく、不透明な紙製の場合には、一部に切り欠き孔を設けて収容した袋容器を視認できるようにしてもよい。
【0024】
本体21Aは、一枚のシート材から形成されてよい。その一例を
図3により説明する。
図3は、
図2の符号201に示すホルダー20Aの展開構成の一例を示す図である。
【0025】
図3を参照して、一例として、ホルダー20Aは、一枚のシート材から形成される。ホルダー20Aは、本体21Aの複数の側面を構成する、
図3のX軸方向に連接した側面SF1~側面SF5を有する。ホルダー20Aは、側面SF1と側面SF5とが互いに接着されて、筒状の本体21Aをなす。
【0026】
側面SF2は、
図3のZ軸方向の下端において底面26bと連接する。側面SF4は、Z軸方向の下端において底面26aと連接する。底面26bは、X軸方向に延びる折目線26bkを有し、折目線26bkよりもZ軸下側が底面26aと接着する。
【0027】
側面SF2は、破線L1及び/又は破線L2により示される折目線を有してもよい。側面SF2が破線L1及び破線L2に示す折目線を有する場合、本体21Aは、XY平面で切断した断面が六角形となる(
図2の符号201参照)。側面SF2が破線L1及び破線L2に示す折目線を有しない場合、本体21Aは、XY平面で切断した断面が六角形とならず、側面SF2に相当する側面が湾曲面となる。このように断面六角形又は側面SF2に相当する側面が湾曲面となる形状は、袋容器10のサイドシール部18を正面側又は背面側に折り曲げて隙間を少なくして収納しやすくし(
図5、
図6参照)、収納した状態でホルダー20の胴部(側面部分)を手で握り易くするため好ましい。なお、ホルダー20のシート材に形成される各折り曲げ位置に形成される折目線は、押し罫線、ミシン目罫線、ハーフカット罫線等の折り曲げ罫線であってよい。
【0028】
このように、本開示に係るホルダー20は種々の形状により実現されうる。
【0029】
続いて、
図2の符号201に示す図を参照して、フラップ22は、スパウト14の形状に対応した切欠き部23を有する。切欠き部23は、切欠き部23の内縁23aに設けられた、内縁23aに沿って折り曲げられる爪部24を有する。ここで、「内縁23aに沿って折り曲げられる」とは、内縁23aにおいて折り曲げられる、又は、内縁23aから爪部24側に0.5mm~2mm入り込んだ位置において内縁23aと平行又は非平行に折り曲げられることを言う。
【0030】
切欠き部23は、断面の外縁形状が円形であるスパウト14の形状に対応して内縁23aが半円状またはU字状などに湾曲又は屈曲した形状にする。スパウト14の断面の外縁形状が四角形の場合には、切欠き部23の内縁23aは、スパウト14の四角形に対応した四角形等の形状を有してよい。このように、切欠き部23は、スパウト14の形状に対応した種々の形状を有してよい。
【0031】
爪部24は、
図2の例では、2つ設けられている。爪部24は、切欠き部23の湾曲する内縁23aの一端部側及び他端部側にそれぞれ設けられている。爪部24が折り曲げられる前の2つの爪部24の先端部の間隔は、スパウト14の外周上における、爪部24とスパウト14との接触位置の間隔よりも小さい。そのため、爪部24は、フラップ22がスパウト14に当接したときに折り曲げられ、爪部24の先端でスパウト14を支持する。
【0032】
爪部24は、必ずしも、切欠き部23の内縁23aの一端部及び他端部の近傍に設けられていなくてよい。爪部24は、フラップ22がスパウト14に当接したときにスパウト14を支持するように、切欠き部23の内縁23aの適宜の位置に設けられてよい。
【0033】
切欠き部23は、フラップ22がスパウト14に当接したときにスパウト14を支持できるのであれば、爪部24を有していなくてよい。あるいは、切欠き部23は、フラップ22がスパウト14に当接したときにスパウト14を支持できるのであれば、1または3以上の複数の爪部24を有してよい。その一例については
図9を参照して後述する。
【0034】
図2の符号201に示すように、ホルダー20Aは、本体21Aの下側開口縁25bに底面26を備える。底面26は、袋容器10の下襟部16の下端を載置可能に構成されている(詳細は後述。)。底面26は、底面26a及び底面26bにより構成される。底面26bは、折目線26bkを有し、折目線26bkを境界とした先端側が底面26aと接着する。底面26については
図7を参照して後述する。なお、本開示に係るホルダーは、必ずしも底面を備えていなくてもよい。
【0035】
図2の符号202に示すホルダー20Bは、XY平面で切断した断面が四角形となる本体21Bを備える。ホルダー20Bは、本体形状を除き、
図2の符号201に示すホルダー20Aと同じ構成であってよい。そのため、ホルダー20Bについての詳細説明は省略する。
【0036】
本開示に係るホルダー20は、筒状の本体の断面形状が六角形、四角形、さらには、円形、楕円形、多角形など、種々の構成で実現されてよい。ホルダー20は、好ましくは、
図3を参照して説明した、断面多角形となる形状(例えば、破線L1、L2による折目を有する断面六角形)、又は、片側湾曲面を有する形状(破線L1及び破線L2を有しないことにより側面SF2のみを湾曲面とする形状)を有する。また、ホルダー20は、好ましくは、非湾曲面にフラップが設けられる。これにより、ホルダー20は、袋容器10のサイドシール部18を正面側又は背面側に折り曲げて隙間を少なくして収納しやすくでき、袋容器10を収納した状態でホルダー胴部(側面部分)を手で握り易くなる。
【0037】
以上、袋容器10及びホルダー20について説明した。次に袋容器10及びホルダー20を備えるホルダー付き袋容器1を
図4により説明する。
【0038】
(ホルダー付き容器)
図4は、本開示の一態様に係るホルダー付き袋容器1の構成を示す図であり、フラップ22が折り曲げられる前のホルダー付き袋容器1を示す。
図4の符号401は、ホルダー20Aが使用された場合を示す。
図4の符号402は、ホルダー20Bが使用された場合を示す。
【0039】
図4の符号401に示す図を参照して、ホルダー付き袋容器1は袋容器10及びホルダー20Aを備え、袋容器10がホルダー20Aに収容される。フラップ22が折り曲げられる前のホルダー20Aに対して、袋容器10が上側開口縁25a側から本体21Aの内部に挿入される。例えば、袋容器10は、下襟部16の下端が底面26に当接するまで本体21Aの内部に押し込まれる。
【0040】
図4の符号402に示す図を参照して、ホルダー付き袋容器1は袋容器10及びホルダー20Bを備え、袋容器10がホルダー20Bに収容されている。他の構成は、符号401を参照して説明した構成と同じであってよいため、その他の説明は省略する。
【0041】
(ホルダー付き容器の上部の構成例)
次に、ホルダー付き袋容器1の上部の構成と動作を
図5及び
図6により説明する。
図5は、フラップ22が折り曲げられていないときの、ホルダー付き袋容器1の上部の構成例を示す図である。
図6は、フラップ22が折り曲げられたときの、ホルダー付き袋容器1の上部の構成例を示す図である。
【0042】
図5の符号501及び
図6の符号601に示す図は、ホルダー付き袋容器1の上面図である。
図5の符号502及び
図6の符号602に示す図は、ホルダー付き袋容器1の正面図(一部断面図)である。
図5の符号503及び
図6の符号603に示す図は、ホルダー付き袋容器1の側面図(一部断面図)である。
【0043】
(スパウト)
最初に、スパウト14について説明する。
図5及び
図6に示すように、スパウト14は、天マチ12に位置する。スパウト14は、胴部11の内部空間と連通し、該内部空間に収納された内容物を外部へ排出するための排出部として機能する。スパウト14は、袋容器10の内容物の外部への漏洩を防ぐキャップ17が着脱可能に取り付けられる。
【0044】
スパウト14は、第1フランジ14Aと、第2フランジ14Bと、ノズル14Cと、台座フランジ14Dと、を備える。第1フランジ14A、第2フランジ14B、ノズル14C、及び台座フランジ14Dは、射出成型等により一体に形成されてよい。
【0045】
第1フランジ14A及び第2フランジ14Bは、袋容器10の内容物を注出する筒状のノズルCの外壁面上を環状に形成されている。第1フランジ14A及び第2フランジ14Bは、ノズル14Cの外壁面からノズル14Cの径方向外側に向かって延在する。第1フランジ14A及び第2フランジ14Bは、例えば、袋容器10の生産又は袋容器10への収納物の充填工程等で袋容器10の運搬又は位置決めで支持するために設けられている。第1フランジ14A及び第2フランジ14Bは、例えば、1mm~2mm程度の厚みを有する。
【0046】
第1フランジ14Aは、第2フランジ14Bよりも上側に位置する。ノズルCにキャップ17が取り付けられたとき、第1フランジ14Aの上面とキャップ17の下端とが近接当接してよい。
【0047】
スパウト14は、第1フランジ14A及び第2フランジ14Bの何れか一方のみを有してよい。以下では、スパウト14は、第1フランジ14A及び第2フランジ14Bを有し、第2フランジ14Bの下面においてフラップ22に支持されるものとして説明する。
【0048】
台座フランジ14Dは、ノズルCの下端部からノズル14Cの径方向外側に向かって延在する。台座フランジ14Dは、上面視で、図示する例では円形であるが、矩形、多角形、又は楕円形などの他の形状であってもよい。台座フランジ14Dは、可撓性を有するように、他の部分より薄く設計されてよい。一例として、台座フランジ14Dは、0.3mm~1.2mm程度の厚みを有する。
【0049】
台座フランジ14Dは、袋容器10の天マチ12に形成された開口の周縁において袋容器10と接合する。台座フランジ14Dと天マチ12との接合は、ヒートシール、超音波シール、又は接着剤等が使用されてよい。台座フランジ14Dが袋容器10と接合するのは、台座フランジ14Dの上面及び下面の何れであってもよい。
【0050】
図5の符号503に示す図にはT1及びT2が記載されている。T1は、台座フランジ14Dの上面(あるいは、台座フランジ14Dの上面に接合された天面シート)から上襟部15の上端までの長さを示す。T2は、台座フランジ14Dの上面(あるいは、台座フランジ14Dの上面に接合された天面シート)から第2フランジ14Bの下面までの長さを示す。このとき、T1>T2となる。T1は、3.0mm~10.0mmであってよく、T2との寸法差は、1.0mm以上であってよく、特に2.0mm以上が好ましい。つまり、ホルダー付き袋容器1では、第2フランジ14B(の下面)は、上襟部15の上端よりも低い位置に設けられている。
【0051】
なお、スパウト14が第1フランジ14Aの下面においてフラップ22に支持される場合には、第1フランジ14A(の下面)は、上襟部15の上端よりも低い位置に設けられる。スパウト14が第1フランジ14A及び第2フランジ14Bの何れか一方のみを有する場合には、その一つのフランジ(の下面)は、上襟部15の上端よりも低い位置に設けられる。袋容器10が上襟部15を有していない場合には、第1フランジ14A(の下面)は、フラップ22の折り曲げ位置よりも低い位置に設けられる。
【0052】
(フラップ)
次に、フラップ22の構成と動作を説明する。
図5の符号501に示す図を参照して、フラップ22は、フラップ22の外縁を構成する一つの辺22Sが上側開口縁25aの一辺の少なくとも一部を構成するように上側開口縁25aに設けられている。
図5の符号503に示す図にはMが記載されている。Mはフラップ22が折り曲げられることを示し、フラップ22は、上側開口縁25aに沿って設けられた折目線で鋭角に折り曲げられる。鋭角とは、フラップ22とホルダー20Aの起立方向(Z軸方向)との角度であって、上襟部15が位置する側の角度(
図6の符号603に示す角度θ1)が90度未満となることをいう。
【0053】
ここで、袋容器10の上襟部15及び下襟部16がそれぞれ上下方向に立った状態において、ホルダー20のフラップ22に対応する位置の上襟部15の上端から下襟部16の下端までの高さを「袋容器10の高さ」と定義する。このとき、ホルダー20は、フラップ22が設けられた上側開口縁25aから本体21Aの下端までの高さが袋容器10の高さよりも1mm~2mm高い構成であってよい。この構成によれば、ホルダー20は、袋容器10を本体21Aに収容し、フラップ22を折り曲げたときに、袋容器10の全体(上襟部15の上端まで)を覆うことができる。また、ホルダー20は、上側開口縁25a又は上側開口縁25aの近傍にフラップ22の折り曲げ位置を設けることにより、フラップ22を折り曲げ易くできる。
【0054】
なお、フラップ22が折り曲げられる位置は、上襟部15の上端の1mm以上上側であってよく、例えば、1.0mm~10.0mm上側である。従って、「上側開口縁25aに沿って折り曲げられる」とは、上側開口縁25aにおいて折り曲げられる場合に加え、上襟部15の上端の1mm以上上側であって、上側開口縁25aと平行又は非平行に折り曲げられる場合を含みうる。
【0055】
図5の符号501に示す図を参照して、フラップ22は、フラップ22を第1領域A1と第2領域A2とに区分する折目線22Kを有する。フラップ22が上側開口縁25aに沿って折り曲げられた状態において、第1領域A1は上襟部15側に位置し、第2領域A2はスパウト14側に位置する。
【0056】
続いて、フラップ22が、上側開口縁25aに沿って鋭角に折り曲げられ、本体21Aに収容された袋容器10のスパウト14に切欠き部23が当接した状態でスパウト14を支持する動作を説明する。
【0057】
図5の符号503に示す図を参照して、袋容器10が本体21Aに収容されたとき、フラップ22はZ軸上方向を向いており、スパウト14と当接していない。このとき、フラップ22は、2つの爪部24を含め、面一(略面一)であるものとする。
【0058】
次に、袋容器10が本体21Aに収容された後にフラップ22がスパウト14の方向に折り曲げられていくと、爪部24は、キャップ17及び/又はスパウト14と接触する。これにより、爪部24は、Z軸上方向を向くように折り曲げられる。さらにフラップ22が人手又は押し込み治具によりZ軸下方に押し込まれていくと、爪部24は、Z軸上方向を向いた状態で第2フランジ14Bの下面に到達する。その時点でZ軸下方へのフラップ22の押し込みを終了する。このとき、折り曲げられる前の2つの爪部24の先端部の間隔は、スパウト14の外周上における、爪部24とスパウト14との接触位置の間隔よりも小さい。そのため、爪部24は、Z軸上方向を向いた状態のままで第2フランジ14Bの下面とノズル14Cの外周面を支持する(
図6参照)。
【0059】
このとき、
図6の符号603に示す図を参照して、フラップ22は折目線22Kを境に折り曲げられている。具体的には、上襟部15側に位置する第1領域A1は、上襟部15が延びる方向(Z軸方向)に対して角度θ1をなす。スパウト14側に位置する第2領域A2は、上襟部15が延びる方向(Z軸方向)に対して角度θ2をなす。そして、角度θ1は角度θ2よりも小さい。
【0060】
フラップ22が折目線22Kを境に折り曲げられている状態は次のようにも説明できる。
図5の符号501に示す図には位置23P及びS1が記載されている。位置23Pは、切欠き部23の湾曲した内縁23aの最下点を示す。S1は、フラップ22が折り曲げられていないときの、位置23Pから辺22S(フラップ22の折り曲げ位置)までの長さを示す。また、
図6の符号601に示す図にはS2が記載されている。S2は、フラップ22が折り曲げられて、スパウト14に当接してスパウト14を支持したときの、位置23Pから辺22S(フラップ22の折り曲げ位置)までの上面視での長さを示す。S1>S2であるときに、フラップ22が折目線22Kを境に折り曲げられていると言える。
【0061】
フラップ22は、折目線22Kを有することにより、角度θ1を小さくでき、後述の作用効果を得やすくなる。ただし、フラップ22は折目線22Kを有していなくてもよく、一例として、フラップ22は、S1>S2となるように下方に凸状に湾曲し、スパウト14に当接して支持することができる(
図8参照)。
【0062】
以上の構成によれば、ホルダー付き袋容器1では、フラップ22の切欠き部23をスパウト14に当接させるという簡単な動作によってホルダー20を袋容器10に取り付けることができる。このとき、フラップ22は、上側開口縁25aに沿って鋭角に折り曲げられる。そのため、袋容器10は上方へ移動しにくくなり、ホルダー20から袋容器10を抜け難くできるという効果も得られる。
【0063】
さらに、フラップ22に折目線22Kを設け、前述の角度θ1を角度θ2よりも小さくすることにより、ホルダー20に取り付けられた袋容器10を上方へ移動しにくくでき、ホルダー20から袋容器10を抜け難くできる。これにより、本開示に係るホルダー付き袋容器1では、ホルダー20は袋容器10をより安定して支持できる。
【0064】
なお、フラップ22は、上襟部15の側面に当接するほど、つまり角度θ1が0(ゼロ)に近づく程度にまで折り曲げられてもよい。この構成によれば、さらに、ホルダー20に保持された袋容器10を上方へ移動しにくくでき、ホルダー20から袋容器10を抜け難くする効果をより高めることができる。
【0065】
また、上襟部15の上端と第2フランジ14Bの下面とがZ軸方向において同じ高さであっても、フラップ22が爪部24を有している場合には、爪部24がZ方向上向きに方向づけられる分だけフラップ22の先端位置が下がり、角度θ1は鋭角となる。それゆえ、袋容器10は上方へ移動しにくくなり、ホルダー20から袋容器10を抜け難くできるという効果が得られる。ホルダー20の上側開口縁25aのフラップ22を設けていない部分にも、商品の販売促進表示等を設ける突出片や、商品を吊下げ展示可能にする吊下げ孔等を有する吊下げ片を設ける等してもよい。これらの突出片や吊下げ片は、商品使用時に切除可能に切り取り線を設けてもよい。
【0066】
(ホルダー付き袋容器の下部の構成例)
次に、ホルダー付き袋容器1の下部の構成例を
図7により説明する。
図7は、ホルダー付き袋容器1の下部の構成例を示す図である。
図7の符号701は、ホルダー付き袋容器1の底面図を示す。
図7の符号702は、ホルダー付き袋容器1の下部正面図(一部断面図)を示す。
図7の符号703は、ホルダー付き袋容器1の下部側面図(一部断面図)を示す。
【0067】
ホルダー20Aは、本体21Aの下側開口縁25bに設けられた、袋容器10の下襟部16の下端を載置可能な底面26を備える。底面26は、底面26a及び底面26bにより構成される。
【0068】
図7の符号702に示す図を参照して、底面26bは、折目線26bkを有し、折目線26bkを境とした先端側が底面26aと接着されている。底面26は、底マチ13と下襟部16とにより形成される空間Sの方向に方向付けられており、接着された先端部26cが底マチ13に当接する。底面26a及び底面26bは矩形状であり、X軸方向の幅は空間Sの内部に収まる。
【0069】
以上の構成によれば、ホルダー付き袋容器1は、袋容器10内の内容物が減少したときに、底面26の先端部26cが底マチ13の一方の下襟部16近くに当接した状態で空間Sの内部に収まることから、胴部11の正面シートと背面シートとの間隔を狭くなりにくくできる。これにより、空間Sの収縮が抑制されて、ホルダー付き袋容器1は、袋容器10内の内容物の量に拘わらず、自立性を高めることができる。
【0070】
なお、ホルダー付き袋容器1は、
図7の形状とは異なる底面を有してよい。
【0071】
(変形例1)
次に、本開示に係るホルダー付き袋容器の変形例を
図8により説明する。
図8は、本開示に係るホルダー付き袋容器80の上部の構成例を示す図である。
図8の符号801は、フラップ82が折り曲げられる前のホルダー付き袋容器80の上面図を示す。
図8の符号802は、ホルダー付き袋容器80の上部側面図(一部断面図)を示す。以下では、ホルダー付き袋容器1とホルダー付き袋容器80との相違点であるフラップ82に絞って説明する。
【0072】
ホルダー付き袋容器80のフラップ82は、切欠き部83と、2つの爪部84と、を備える。ホルダー付き袋容器1のフラップ22は折目線22K(
図5参照)を有しているのに対して、ホルダー付き袋容器80のフラップ82は折目線を有していない。
【0073】
図8の符号802に示す図を参照して、フラップ82は、折目線を有していないが、上側開口縁25aに沿って袋容器10側に鋭角に折り曲げられ、爪部84によって第2フランジ14Bの下面を支持できる。従って、ホルダー付き袋容器80は、袋容器10を上方へ移動しにくくでき、それゆえ、ホルダー20から袋容器10を抜け難くできる。
図5及び
図6を参照して説明したS1、S2を用いて説明すると、ホルダー付き袋容器80は、S1>S2となるようにフラップ82が下方に凸状に湾曲し、スパウト14に当接し支持することが好ましい。
【0074】
(変形例2)
次に、本開示に係るホルダー付き袋容器の他の変形例を
図9により説明する。
図9は、本開示に係るホルダー付き袋容器90の上部の構成例を示す図である。
図9の符号901は、フラップ92が折り曲げられる前のホルダー付き袋容器90の上面図を示す。
図9の符号902は、ホルダー付き袋容器90の上部側面図(一部断面図)を示す。以下では、ホルダー付き袋容器1とホルダー付き袋容器90との相違点であるフラップ92に絞って説明する。
【0075】
ホルダー付き袋容器90のフラップ92は、切欠き部93と、4つの爪部94と、を備え、ホルダー付き袋容器1のフラップ22と爪部の数が相違する。フラップ92が上側開口縁25aに沿って鋭角に折り曲げられていくと、爪部94は、キャップ17及び/又はスパウト14と接触する。これにより、爪部94は、Z軸上方向を向くように折り曲げられる。さらにフラップ92が人手又は押し込み治具によりZ軸下方に押し込まれていくと、爪部94は、Z軸上方向を向いた状態で第2フランジ14Bの下面に到達する。その時点でZ軸下方へのフラップ92の押し込みを終了する。このとき、折り曲げられる前の2つの爪部94の先端部の間隔は、スパウト14の外周上における、爪部94とスパウト14との接触位置の間隔よりも小さい。そのため、爪部94は、Z軸上方向を向いた状態のままで第2フランジ14Bの下面とノズル14Cの外周面を支持する(
図9の符号902参照)。
【0076】
以上の構成によれば、ホルダー付き袋容器90は、前述したホルダー付き袋容器1と同様の効果を奏することができる。
図9ではフラップが4つの爪部を有する構成を例示したが、本開示に係るホルダー付き袋容器では、爪部の数は、3つ又は5つにするなど適宜の数に変更可能である。
【0077】
なお、爪部の折り曲げ線は、フラップの切欠き部を形成する円弧に沿って形成されてもよいが、円弧にほぼ沿って直線状に形成されてもよく、また、これらの構成に限定されない。爪部の折り曲げ線は、スパウトのフランジを通過しやすい位置及び/又は方向に形成されてもよい。また、爪部の切欠き部を形成する円弧は、半円に限定されず、半円よりも大きい(例えば円周の60%~70%)又は小さい形状に形成されてよく、円弧ではなくU字状であってもよい。
【0078】
(変形例3)
次に、本開示に係るホルダー付き袋容器の他の変形例を
図10により説明する。
図10は、本開示に係るホルダー付き袋容器100のフラップ102の構成例を示す図である。以下では、ホルダー付き袋容器1とホルダー付き袋容器100との相違点であるフラップ102に絞って説明する。
【0079】
図10に示すように、フラップ102は、第1フラップ102Aと、第1フラップ102Aと2つの折目線100Kを介して連接する第2フラップ102Bと、で構成されている。
【0080】
第1フラップ102Aは、本体21Aの上側開口縁25aに設けられ、上側開口縁25aに沿って折り曲げ可能に構成されている。第1フラップ102Aは、スパウト14(不図示)の形状に対応した切欠き部103を有する。切欠き部103は、切欠き部103の内縁103aに設けられた、内縁103aに沿って折り曲げられる2つの爪部104を有する。第1フラップ102Aは、折目線102Kを備えており、第1領域A1及び第2領域A2を有する。第1フラップ102Aは、ホルダー付き袋容器1のフラップ22と同一の形状であってよい。
【0081】
第2フラップ102Bは、2つの折目線100Kを介して第1フラップ102Aと連接し、折目線100Kに沿って折り曲げ可能に構成されている。第2フラップ102Bは、スパウト14(不図示)の形状に対応した切欠き部105を有する。第2フラップ102Bを折目線100Kに沿って折り曲げたとき、第1フラップ102Aの切欠き部103と第2フラップ102Bの切欠き部105とは、互いの内縁103aと内縁105aとがそれぞれ略重なるように形成されている。
【0082】
ホルダー付き袋容器100では、フラップ102は次のように使用される。袋容器10がホルダー20Aに収容された後に、第2フラップ102Bを折目線102Kに沿って折り曲げる。続いて、その状態でフラップ102をスパウト14の方向に折り曲げていく。爪部104は、キャップ17(不図示)及び/又はスパウト14(不図示)と接触する。これにより、爪部104は、Z軸上方向を向くように折り曲げられる。さらにフラップ102が人手又は押し込み治具によりZ軸下方に押し込まれていくと、爪部104は、Z軸上方向を向いた状態で第2フランジ14B(不図示)の下面に到達する。その時点でZ軸下方へのフラップ102の押し込みを終了する。このとき、折り曲げられる前の2つの爪部104の先端部の間隔は、スパウト14の外周上における、爪部104とスパウト14との接触位置の間隔よりも小さい。そのため、爪部104は、Z軸上方向を向いた状態のままで第2フランジ14Bの下面とノズル14Cの外周面を支持する。
【0083】
以上の構成によれば、ホルダー付き袋容器100では、フラップ102は、第1フラップ102Aと第2フラップ102Bとを重ね合わせて使用される。これにより、フラップ102は、重ね合わせた2つのフラップでスパウト14を保持することになり、スパウト14の保持力を高めることができる。
【0084】
なお、第2フラップ102Bを折目線102Kに沿って折り曲げたとき、第2フラップ102Bの先端は、折目線102Kの近傍まで、好ましくは上襟部15の近傍まで延在する。これにより、ホルダー付き袋容器100は、ホルダー20から袋容器10をさらに抜け難くできるという効果を得ることができる。
【0085】
〔まとめ〕
本開示の態様1に係るホルダー付き袋容器は、袋容器と、該袋容器を支持するホルダーとを備えたホルダー付き袋容器であって、前記袋容器は、胴部と、前記胴部の上部及び下部に設けられた天マチ及び底マチと、前記天マチに設けられたスパウトと、を備え、前記ホルダーは、前記袋容器を収容する、筒状の本体と、前記本体の上側開口縁に設けられ、該上側開口縁に沿って折り曲げられる、前記スパウトの形状に対応した切欠き部を有するフラップと、を備え、前記フラップは、前記上側開口縁に沿って前記本体に対して鋭角に折り曲げられ、前記本体に収容された前記袋容器の前記スパウトに前記切欠き部が当接した状態で前記スパウトを支持する。
【0086】
前記構成によれば、態様1に係るホルダー付き袋容器は、フラップの切欠き部にスパウトを支持させるという簡単な動作によってホルダーを袋容器に取り付けることができる。このとき、フラップは、上側開口縁に沿って鋭角に折り曲げられる。そのため、袋容器は上方へ移動しにくくなり、ホルダーから袋容器を抜け難くできるという効果も得られる。
【0087】
本開示の態様2に係るホルダー付き袋容器は、態様1において、前記袋容器は、前記胴部の外縁から上方に延びた上襟部を有し、前記スパウトは、前記袋容器の内容物を注出するノズルの外周にフランジを有し、前記フランジは、前記上襟部の上端よりも低い位置に設けられており、前記フラップは、前記フランジの下面にて前記スパウトを支持する。
【0088】
前記構成によれば、態様2に係るホルダー付き袋容器では、フラップが、上襟部から上側開口縁に沿って鋭角に折り曲げられる。具体的には、フラップは、上襟部の上端よりも低い位置に設けられたフランジの下面にてスパウトを支持する。そのため、袋容器は上方へ移動しにくくなり、ホルダーから袋容器を抜け難くできる。
【0089】
本開示の態様3に係るホルダー付き袋容器は、態様1または2において、前記フラップは、該フラップを第1領域と第2領域とに区分する折目線を有し、前記フラップが前記上側開口縁に沿って折り曲げられた状態において、前記第1領域は前記上襟部側に位置し、前記第2領域は前記スパウト側に位置し、前記上襟部の延びる方向に対してなす角度は、前記第1領域が前記第2領域よりも小さい。
【0090】
前記構成によれば、態様3に係るホルダー付き袋容器では、さらに袋容器は上方へ移動しにくくなり、ホルダーから袋容器を抜け難くできる。これにより、態様3に係るホルダー付き袋容器では、ホルダーは袋容器をより安定して支持できる。
【0091】
本開示の態様4に係るホルダー付き袋容器は、態様1から3の何れかにおいて、前記切欠き部は、該切欠き部の内縁に設けられた、該内縁に沿って折り曲げられる爪部を有し、前記爪部は、折り曲げられた状態で前記フランジの下面にて前記スパウトを支持する。
【0092】
前記構成によれば、態様4に係るホルダー付き袋容器では、フラップを折り曲げてスパウトに切欠き部を当接させるとき、爪部は、袋容器(フランジなど)に接触することにより上方へ折り曲がり、フランジの下方へと通過しやすくなる。その後、爪部は、折れ曲った先端でフランジ下の内方を支持する。
【0093】
以上によれば、態様4に係るホルダー付き袋容器は、ホルダーから袋容器を抜け難くでき、かつ、爪部によって袋容器を安定して支持できる。
【0094】
本開示の態様5に係るホルダー付き袋容器は、態様1から4の何れかにおいて、前記袋容器は、前記胴部の外縁から下方に延びた下襟部を有し、前記ホルダーは、前記本体の下側開口縁に設けられた、前記下襟部の下端を載置可能な底面を備え、前記底面は、前記底マチと前記下襟部とにより形成される空間の方向に方向付けられており、前記底マチに当接する。
【0095】
一般に、袋容器では、内容物が減少してくると、底マチの中央折り目が折れ曲がる。そして、胴部の正面シートと背面シートとの間隔が狭くなり、袋容器底部の自立性が損なわれる。
【0096】
これに対して、態様5に係るホルダー付き袋容器は、下襟部の下端を載置可能な底面を有する。さらに、底面は、底マチと下襟部とにより形成される空間の方向に方向付けられており、前記底マチに当接する。
【0097】
これにより、態様5に係るホルダー付き袋容器は、内容物が減少した場合であっても、胴部の正面シートと背面シートとの間隔が狭くなりにくくできる。その結果、態様5に係るホルダー付き袋容器では、底マチと下襟部とにより形成される空間の収縮が規制され、ホルダー付き袋容器の自立性を高めることができる。
【0098】
本開示に係るホルダーは、胴部と、前記胴部の上部及び下部に設けられた天マチ及び底マチと、前記天マチに設けられたスパウトと、を備えた袋容器を支持するように構成されており、前記袋容器を収容する、筒状の本体と、前記本体の上側開口縁に設けられ、該上側開口縁に沿って折り曲げられる、前記スパウトの形状に対応した切欠き部を有するフラップと、を備え、前記フラップは、前記上側開口縁に沿って鋭角に折り曲げられ、前記本体に収容された前記袋容器の前記スパウトに前記切欠き部が当接した状態で前記スパウトを支持する。
【0099】
前記の構成によれば、本開示に係るホルダーは、フラップの切欠き部をスパウトに当接させるという簡単な動作によってホルダーを袋容器に取り付けることができる。
【0100】
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。さらに、それぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0101】
1、80、90、100 ホルダー付き袋容器
10 袋容器
11 胴部
12 天マチ
13 底マチ
14 スパウト
14A 第1フランジ
14B 第2フランジ
14C ノズル
14D 台座フランジ
15 上襟部
16 下襟部
17 キャップ
18 サイドシール部
20、20A、20B ホルダー
21A、21B 本体
22、82、92、102 フラップ
22K、26bk、100K、102K 折目線
23P 位置
24、84、94、104 爪部
25a 上側開口縁
25b 下側開口縁
26、26a、26b 底面
102A 第1フラップ
102B 第2フラップ
A1 第1領域
A2 第2領域