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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025563
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
   A01D 34/68 20060101AFI20250214BHJP
   A01D 43/063 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
A01D34/68 K
A01D43/063 115
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130423
(22)【出願日】2023-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 智陽
(72)【発明者】
【氏名】野尻 裕士
【テーマコード(参考)】
2B083
【Fターム(参考)】
2B083AA02
2B083BA18
2B083CA09
2B083CA27
2B083DA03
2B083FA06
2B083FA14
2B083FA16
2B083FA17
2B083HA24
2B083HA60
(57)【要約】
【課題】収容部が対象物で満杯になったことをユーザに知らせるための新規な技術を提供する。
【解決手段】対象物を収集する作業機を開示する。作業機は、対象物が通過する収集通路と、収集通路に接続されており、対象物を収容する収容部と、収集通路に配置される発光部と、一端が収集通路に配置され、他端が作業機の外部に露出している導光部であって、発光部から照射される光を一端から他端に導く導光部と、を備えている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を収集する作業機であって、
前記対象物が通過する収集通路と、
前記収集通路に接続されており、前記対象物を収容する収容部と、
前記収集通路に配置される発光部と、
一端が前記収集通路に配置され、他端が前記作業機の外部に露出している導光部であって、前記発光部から照射される光を前記一端から前記他端に導く前記導光部と、
を備える、作業機。
【請求項2】
前記発光部、及び、前記導光部の前記一端のうちの少なくとも一方が、前記収集通路の下流端の近傍に設けられている、請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記発光部は、前記発光部が配置される前記収集通路の第1の面と面一である、請求項1又は2に記載の作業機。
【請求項4】
前記導光部の前記一端は、前記導光部の前記一端が配置される前記収集通路の第2の面と面一である、請求項1から3のいずれか一項に記載の作業機。
【請求項5】
前記作業機は、芝刈機であって、
前記芝刈機は、さらに、
前記収集通路と、前記収集通路に連通する内側空間を画定する外壁部と、を有するデッキと、
前記内側空間に収容され、上下方向に延びる軸方向周りに回転して芝を刈り取る刈刃と、を含み、
前記外壁部は、略円筒形状を有しており、
前記収集通路は、前記外壁部の接線方向に略平行になるように、前記外壁部に接続される第1壁部と、前記接線方向及び前記上下方向に直交する特定方向において、前記第1壁部の反対側に位置する第2壁部と、を有しており、
前記発光部、及び、前記導光部の前記一端のうちの少なくとも一方が、前記特定方向における前記第1壁部と前記第2壁部との中央部よりも前記第1壁部に近い位置に配置されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、対象物を収集する作業機が開示されている。この作業機は、対象物が通過する収集通路と、収集通路に接続されており、対象物を収容する収容部と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-000127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
対象物を収集する作業機では、収容部が対象物で満杯になった状態で作業を続けることは望ましくない。このため、収容部が対象物で満杯になったことをユーザに知らせることが望ましい。
【0005】
本明細書では、収容部が対象物で満杯になったことをユーザに知らせるための新規な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される作業機は、対象物を収集する。前記作業機は、前記対象物が通過する収集通路と、前記収集通路に接続されており、前記対象物を収容する収容部と、前記収集通路に配置される発光部と、一端が前記収集通路に配置され、他端が前記作業機の外部に露出している導光部であって、前記発光部から照射される光を前記一端から前記他端に導く前記導光部と、を備えてもよい。
【0007】
上記の構成によると、収集通路を通過した対象物が収容部に到達する。収容部が対象物で満杯になっていない場合、対象物が収容部に到達するため、対象物が収集通路に溜まることがない。このため、発光部から照射される光が、導光部の一端に届く。導光部の一端に届いた光は、導光部の他端に導かれる。ユーザは、導光部の他端の光を見ることで、収容部が対象物で満杯になっていないことを知ることができる。一方、収容部が対象物で満杯になった場合、対象物が収集通路に溜まっていく。対象物が収集通路に溜まっていくことで、発光部から照射される光が導光部の一端に届かなくなる。この場合、導光部の他端に光が届かなくなる。ユーザは、導光部の他端に光が届かなくなった場合に、収容部が対象物で満杯になったことを知ることができる。従って、収容部が収集された対象物で満杯になったことをユーザに知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例に係る芝刈機2の右面図である。
図2】実施例に係る芝刈機2を左方下方前方から見た斜視図である。
図3】実施例に係る芝刈機2の右断面図である。
図4】実施例に係る芝刈機2の後断面図である。
図5】実施例に係る芝刈機2の集草通路28に係る部分を左方上方後方から見た斜視図である。
図6】実施例に係る芝刈機2の集草ユニット8が芝で満杯になっている状態を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して以下に詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、開示された追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された作業機を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0010】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、以下の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、特許請求の範囲に記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0011】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0012】
1つ又はそれ以上の実施形態において、作業機は、対象物を収集する。前記作業機は、前記対象物が通過する収集通路と、前記収集通路に接続されており、前記対象物を収容する収容部と、前記収集通路に配置される発光部と、一端が前記収集通路に配置され、他端が前記作業機の外部に露出している導光部であって、前記発光部から照射される光を前記一端から前記他端に導く前記導光部と、を備えてもよい。
【0013】
1つ又はそれ以上の実施形態において、前記発光部、及び、前記導光部の前記一端のうちの少なくとも一方が、前記収集通路の下流端の近傍に設けられていてもよい。
【0014】
収容部が対象物で満杯になった場合、対象物は、収集通路の下流端から溜まっていく。上記の構成によると、発光部、及び、導光部の一端のうちの少なくとも一方が、収集通路の下流端から比較的に離れた位置に配置されている構成と比較して、収容部が対象物で満杯になった後に、早期に発光部の光が導光部の一端に届かなくなる。従って、収容部が対象物で満杯になったことを早期にユーザに知らせることができる。
【0015】
1つ又はそれ以上の実施形態において、前記発光部は、前記発光部が配置される前記収集通路の第1の面と面一であってもよい。
【0016】
収集通路から収容部に向かって空気が流れることによって対象物が収容部に送り込まれる構成を想定する。このような構成において、仮に、発光部が収集通路の第1の面から収集通路の内側に突出している場合、発光部によって、収集通路を流れる空気の流れが阻害される。この場合、作業機によって対象物を収集する能力が低下し得る。上記の構成によると、発光部が収集通路の第1の面と面一であるために、発光部によって収集通路を流れる空気の流れが阻害されない。従って、作業機によって対象物を収集する能力が低下することを抑制することができる。
【0017】
1つ又はそれ以上の実施形態において、前記導光部の前記一端は、前記導光部の前記一端が配置される前記収集通路の第2の面と面一であってもよい。
【0018】
収集通路から収容部に向かって空気が流れることによって対象物が収容部に送り込まれる構成を想定する。このような構成において、仮に、導光部の一端が収集通路の第2の面から収集通路の内側に突出している場合、導光部の一端によって、収集通路を流れる空気の流れが阻害される。この場合、作業機によって対象物を収集する能力が低下し得る。上記の構成によると、導光部の一端が収集通路の第2の面と面一であるために、導光部の一端によって収集通路を流れる空気の流れが阻害されない。従って、作業機によって対象物を収集する能力が低下することを抑制することができる。
【0019】
1つ又はそれ以上の実施形態において、前記作業機は、芝刈機であってもよい。前記芝刈機は、さらに、前記収集通路と、前記収集通路に連通する内側空間を画定する外壁部と、を有するデッキと、前記内側空間に収容され、上下方向に延びる軸周りに回転して芝を刈り取る刈刃と、を含み、前記外壁部は、略円筒形状を有しており、前記収集通路は、前記外壁部の接線方向に略平行になるように、前記外壁部に接続される第1壁部と、前記接線方向及び前記上下方向に直交する特定方向において、前記第1壁部の反対側に位置する第2壁部と、を有しており、前記発光部、及び、前記導光部の前記一端のうちの少なくとも一方が、前記特定方向における前記第1壁部と前記第2壁部との中央部よりも前記第1壁部に近い位置に配置されていてもよい。
【0020】
刈刃が上下方向に延びる軸周りに回転している場合、デッキの内側空間には、上下方向に延びる軸周りに流れる空気の流れが発生する。そして、デッキの内側空間において、外壁部近傍を流れる空気の速度は、その内側を流れる空気の速度よりも速くなる。収集通路の第1壁部が、外壁部の接線方向に略平行になるように、外壁部に接続されているために、第1壁部の近傍には、外壁部の近傍を流れていた空気が流入する。一方、第2壁部の近傍には、内側空間において外壁部の近傍よりも内側を流れていた空気が流入する。このため、第1壁部側を流れる空気の速度は、第2壁部側を流れる空気の速度よりも速くなる。雨が降った後などにおいては、濡れた芝が刈り取られる。濡れた芝は、乾いた芝よりも、収集通路に付着しやすい。第2壁部側を流れる空気の速度が第1壁部側を流れる空気の速度よりも遅いために、第2壁部側には第1壁部側と比較して濡れた芝が付着しやすい。発光部、及び、導光部の一端のうちの少なくとも一方が、特定方向における第1壁部と第2壁部との中央部よりも第2壁部に近い位置に配置されている場合を想定する。この場合、収容部が芝で満杯になる前に、第2壁部側に付着する芝が多くなり、発光部から照射される光が導光部の一端に届かなくなり得る。上記の構成によると、発光部、及び、導光部の一端のうちの少なくとも一方が、特定方向における第1壁部と第2壁部との中央部よりも第1壁部に近い位置に配置されている。第1壁部側を流れる空気の速度は、第2壁部側を流れる空気の速度よりも速い。このため、第1壁部側には第2壁部側と比較して濡れた芝が付着しにくい。従って、収容部が芝で満杯になる前に、発光部から照射される光が導光部の一端に届かなくなることを抑制することができる。
【0021】
(実施例)
図1に示すように、芝刈機2は、本体ユニット4と、ハンドルユニット6と、集草ユニット8と、を備えている。本体ユニット4は、前方右側、後方右側、前方左側(図2参照)、及び、後方左側(図2参照)に、地面に接地する車輪10を備えている。集草ユニット8は、本体ユニット4の後部に着脱可能に取付けられている。ハンドルユニット6は、本体ユニット4の後方上部に接続されている。ユーザが芝刈機2の後方に立ち、ハンドルユニット6の上部を両手で把持して前方へ押し出すことで、車輪10が回転して本体ユニット4が地面に沿って前方へ向けて移動する。
【0022】
本体ユニット4は、デッキ20と、カウル22と、検知ユニット24と、を備えている。デッキ20は、車輪10の車軸(図示省略)を回転可能に支持する。カウル22は、デッキ20の中央上部に取り付けられている。
【0023】
デッキ20は、刈刃カバー26と、刈刃カバー26に接続される集草通路28(図2参照)と、を備えている。図2に示すように、刈刃カバー26の下面側は、地面に向けて開口している。刈刃カバー26の円筒側壁26Aは、略円筒形状を有している。図3に示すように、刈刃カバー26は、デッキ20の内側空間30を画定する。刈刃カバー26は、後述する刈刃34を上方及び側方(水平方向)から取り囲んでいる。
【0024】
デッキ20の内側空間30には、駆動軸32と、刈刃34と、送風ファン36と、が収容されている。駆動軸32は、上下方向に沿って配置されている。刈刃34は、駆動軸32の下端に固定されており、駆動軸32から、駆動軸32に直交する方向(本実施例では水平方向)に延びている。刈刃34の刃先34Aには、フィン34Bが設けられている。図4に示すように、フィン34Bは、刃先34Aから外側に延びている。フィン34Bは、刃先34Aから離れる側が上方になるように傾斜している。送風ファン36は、刈刃34よりも上方で駆動軸32に固定されている。送風ファン36は、後述するモータ60を冷却する空気の流れを生成する。内側空間30は、集草通路28(図2)に連通している。
【0025】
図4に示すように、集草通路28は、本体ユニット4の後方に向けて開口する。集草通路28は、上壁28Aと、右壁28Bと、下壁28Cと、左壁28Dと、を備えている。上壁28Aの下面、右壁28Bの左面、下壁28Cの上面、及び、左壁28Dの右面は、平坦である。図2に示すように、右壁28Bは、刈刃カバー26の円筒側壁26Aの接線方向に略平行になるように、刈刃カバー26に接続されている。即ち、右壁28Bは、刈刃カバー26の円筒側壁26Aと滑らかに接続されている。左壁28Dは、刈刃カバー26の円筒側壁26Aの接線方向に略垂直になるように、刈刃カバー26に接続されている。本体ユニット4の後部に集草ユニット8が取り付けられると、デッキ20の内側空間30は、集草通路28を介して集草ユニット8に連通する。
【0026】
図4の検知ユニット24は、集草ユニット8が芝で満杯になったことを検知する。検知ユニット24は、LED40と、導光部42と、を備えている。導光部42は、例えば、アクリルからなる。LED40は、集草通路28の下壁28Cの上面と面一になるように集草通路28の下壁28Cに取付けられている。LED40は、左右方向における右壁28Bと左壁28Dとの中央部よりも右壁28Bに近い位置に配置されている。LED40は、右壁28Bの近傍に配置されている。また、図5に示すように、LED40は、下壁28Cの後端よりもわずかに前方に配置されている。即ち、LED40は、下壁28Cの後端の近傍に配置されている。LED40は、芝刈機2の電源がONされている間、常時点灯するように構成されている。なお、LED40の中心位置と右壁28Bの左面との間の距離は、例えば、20mm~40mmであり、LED40の中心位置と下壁28Cの後端との間の距離は、例えば、20mm~40mmである。
【0027】
図5に示すように、導光部42は、右壁28Bの後端よりもわずかに前方に配置されている。即ち、導光部42は、右壁28Bの後端の近傍に配置されている。LED40及び導光部42の前後方向の位置は略同じである。図4に示すように、導光部42は、その一端42Aが、集草通路28の右壁28Bの左面と面一になるように集草通路28の右壁28Bに取付けられている。導光部42は、集草通路28の右壁28Bから右方に延びた後、上方に向けて屈曲している。導光部42は、一端42A以外の部分が、芝刈機2の外部に露出している。導光部42の一端42Aは、LED40から照射される光が届く位置に配置されている。本実施例では、LED40の上面の中心位置と導光部42の一端42Aの中心位置との間の距離Lは約20~30mmである。なお、導光部42の一端42Aの中心位置と右壁28Bの下端との間の距離は、例えば、10mm~30mmであり、導光部42の一端42Aの中心位置と下壁28Cの後端との間の距離は、例えば、20mm~40mmである。導光部42の他端42B(上端)にはインジケータ44が設けられている。インジケータ44の色は、例えば、赤である。なお、変形例では、インジケータ44の色は、緑、青であってもよい。図1に示すように、インジケータ44は、デッキ20の上端よりも上方に配置されている。インジケータ44は、ユーザが、後述するグリップ74を把持している状態において視認可能な位置に配置されている。LED40から照射される光がインジケータ44に到達するとインジケータ44が発光する。
【0028】
図3に示すように、デッキ20の上面には、略円形状の開口20Aが設けられている。カウル22は、略円筒形状に下方に突出するスカート部22Aを備えている。カウル22は、スカート部22Aが開口20Aを貫通するように、デッキ20の上面側に固定されている。カウル22は、モータ60と、バッテリ62と、制御基板64と、を収容している。モータ60は、例えばブラシレスモータである。変形例では、モータ60はブラシ付モータであってもよい。モータ60は、駆動軸32を回転させる。駆動軸32は、デッキ20の内側空間30に配置された刈刃34及び送風ファン36と、カウル22に配置されたモータ60と、を連結している。バッテリ62は、カウル22のバッテリ取付部22Bに着脱可能に取付けられている。バッテリ62は、例えばリチウムイオン電池等の二次電池である。カウル22には、バッテリ取付部22Bに取付けられたバッテリ62の外側を覆う開閉式のバッテリカバー66が設けられている。制御基板64は、バッテリ62からモータ60に供給される電力を制御することで、モータ60の動作を制御する。
【0029】
図1に示すように、ハンドルユニット6は、デッキ20の後方上部に連結されており、後方上方に延びる略U字形状の下側フレーム70と、下側フレーム70の後方上部に連結されている上側フレーム72と、を備えている。上側フレーム72は、後方上方に延びた後、前方上方に向けて屈曲する略U字形状を有している。上側フレーム72は、ユーザが把持するグリップ74と、グリップ74よりも前方側に配置されたスイッチレバー76と、グリップ74よりも右方下方で上側フレーム72に固定された右側保持部80と、グリップ74よりも左方下方で上側フレーム72に固定された左側保持部82(図2参照)と、を備えている。スイッチレバー76は、左右方向に延びる回動軸周りに回動可能に、右側保持部80及び左側保持部82に支持されている。スイッチレバー76は、バネ(図示省略)によって、グリップ74から離反する方向に付勢されている。ユーザは、グリップ74を把持した状態で、グリップ74を把持した手の指でスイッチレバー76を引くことができる。スイッチレバー76が引かれると、制御基板64(図3参照)は、モータ60を回転させる。スイッチレバー76が初期の位置に戻ると、制御基板64(図3参照)は、モータ60の回転を停止させる。
【0030】
図2図4を参照して、刈刃34によって刈り取られた芝が集草ユニット8に送られる流れについて説明する。ユーザによって図1のスイッチレバー76が引き操作されると、制御基板64(図3参照)はモータ60(図3参照)を回転させる。図3のモータ60が回転すると、駆動軸32、及び、刈刃34が回転する。刈刃34が回転することによって、地面の芝が刈り取られる。刈刃34が回転することによって、刈刃34のフィン34Bも回転する。これにより、刈刃カバー26の円筒側壁26Aの下面からデッキ20の内側空間30に向けた空気の流れが生じる。また、図2に示すように、内側空間30において、刈刃カバー26の円筒側壁26Aに沿った円周方向の空気の流れが生じる。なお、径方向外側を流れる空気の速度V1は、径方向内側を流れる空気の速度V2よりも速い。刈刃34によって刈り取られた芝は、フィン34Bの回転による空気の流れによって吸い上げられて、デッキ20の内側空間30、及び、集草通路28(図4参照)を介して、集草ユニット8に送られる。なお、芝は、集草通路28を前方から後方に通過する。このため、集草通路28の前端が上流端に対応し、集草通路28の後端が下流端に対応する。このようにして、刈刃34によって刈り取られた芝が集草ユニット8に送り込まれる。
【0031】
図2図4を参照して、図4の検知ユニット24によって、集草ユニット8が刈り取られた芝で満杯になったことを検知する方法について説明する。ここで、「満杯」とは、刈刃34のフィン34Bの回転によって生じる空気の流れを利用して、芝を集草ユニット8に送り込めなくなっていることをいう。即ち、図6のように、集草ユニット8が芝で一杯になっていない場合も、「満杯」に相当し得る。満杯に対応する芝の量は、刈刃34によって刈り取られる芝の重さ、フィン34Bの回転によって生じる空気の量等によって変化する。以下では、集草ユニット8が芝で満杯になっている状態のことを「満杯状態」と記載する。
【0032】
上述のように、ユーザによって図1のスイッチレバー76が引き操作されることによって、駆動軸32、刈刃34、及び、刈刃34のフィン34B(図3参照)が回転する。これにより、図2に示すように、刈刃34によって刈り取られた芝が、フィン34Bの回転による空気の流れによって吸い上げられて、デッキ20の内側空間30、及び、集草通路28(図4参照)を介して、集草ユニット8に送られる。集草ユニット8が満杯状態でない場合、フィン34Bの回転による空気の流れによって吸い上げられた芝は、集草ユニット8に送られる。このため、芝が集草通路28(図4参照)に溜まらない。上述のように、図4の検知ユニット24のLED40は、芝刈機2の電源がONされている間、常時点灯するように構成されている。刈り取られた芝が集草通路28に溜まらないために、LED40上に芝が溜まらない。このため、LED40から照射される光が、導光部42の一端42Aに届く。従って、インジケータ44が発光する。
【0033】
一方、図6のように、集草ユニット8が満杯状態になると、芝を集草ユニット8に送り込むことができなくなる。この場合、芝が集草通路28の下壁28Cに溜まっていく。即ち、芝が検知ユニット24のLED40上に溜まっていく。LED40上に溜まった芝の量が多くなると、LED40から照射される光が導光部42の一端42Aに届かなくなる。この結果、インジケータ44が消灯する。このようにして、集草ユニット8が満杯状態になったことが検知される。そして、ユーザは、インジケータ44が消灯する場合に、集草ユニット8が満杯になったと判断することができる。
【0034】
1つ又はそれ以上の実施形態において、図1の芝刈機2(「作業機」の一例)は、芝(「対象物」の一例)を収集する。図4に示すように、芝刈機2は、芝が通過する集草通路28(「収集通路」の一例)と、集草通路28に接続されており、芝を収容する集草ユニット8(「収容部」に一例)と、集草通路28に配置されるLED40(「発光部」の一例)と、一端42Aが集草通路28に配置され、他端42Bが芝刈機2の外部に露出している導光部42であって、LED40から照射される光を一端42Aから他端42Bに導く導光部42と、を備えている。
【0035】
上記の構成によると、集草通路28を通過した芝が集草ユニット8に到達する。集草ユニット8が芝で満杯になっていない場合、芝が集草ユニット8に到達するため、芝が集草通路28に溜まることがない。このため、LED40から照射される光が、導光部42の一端42Aに届く。導光部42の一端42Aに届いた光は、導光部42の他端42Bに導かれる。ユーザは、導光部42の他端42Bの光を見ることで、集草ユニット8が芝で満杯になっていないことを知ることができる。一方、集草ユニット8が芝で満杯になった場合、芝が集草通路28に溜まっていく。芝が集草通路28に溜まっていくことで、LED40から照射される光が導光部42の一端42Aに届かなくなる。この場合、導光部42の他端42Bに光が届かなくなる。即ち、導光部42の他端42Bが消灯する。ユーザは、導光部42の他端42Bに光が届かなくなった場合に、集草ユニット8が芝で満杯になったことを知ることができる。従って、集草ユニット8が芝で満杯になったことをユーザに知らせることができる。
【0036】
また、雨が降った後等においては、濡れた芝が刈り取られる。濡れた芝は、乾いた芝よりも、集草通路28に付着しやすい。このため、集草ユニット8が芝で満杯になっていない状態においても、集草通路28に芝が溜まっていくことがある。集草通路28に芝が溜まることによって、集草通路28を流れる空気の流れが阻害される。この場合、芝刈機2によって芝を収集する能力が低下し得る。上記の構成によると、集草ユニット8が芝で満杯になっていない状態において、集草通路28に芝が溜まっている場合にも、LED40から照射される光が導光部42の一端42Aに届かなくなる。従って、集草通路28に芝が溜まっていることをユーザに知らせることができる。
【0037】
1つ又はそれ以上の実施形態において、図5に示すように、LED40、及び、導光部42の一端42Aが、集草通路28の後端(「下流端」の一例)の近傍に設けられている。
【0038】
集草ユニット8が芝で満杯になった場合、芝は、集草通路28の後端から溜まっていく。上記の構成によると、LED40、及び、導光部42の一端42Aのうちの少なくとも一方が、集草通路28の後端から比較的に離れた位置に配置されている構成と比較して、集草ユニット8が芝で満杯になった後に、早期にLED40の光が導光部42の一端42Aに届かなくなる。従って、集草ユニット8が芝で満杯になったことをユーザに早期に知らせることができる。
【0039】
1つ又はそれ以上の実施形態において、図4に示すように、LED40は、LED40が配置される集草通路28の下壁28Cの上面(「第1の面」の一例)と面一である。
【0040】
仮に、LED40が集草通路28の下壁28Cから集草通路28の内側に突出している場合、LED40によって、集草通路28を流れる空気の流れが阻害される。この場合、芝刈機2によって芝を収集する能力が低下し得る。上記の構成によると、LED40が集草通路28の下壁28Cの上面と面一であるために、LED40によって集草通路28を流れる空気の流れが阻害されない。従って、芝刈機2によって芝を収集する能力が低下することを抑制することができる。
【0041】
1つ又はそれ以上の実施形態において、図4に示すように、導光部42の一端42Aは、導光部42の一端42Aが配置される集草通路28の右壁28Bの左面(「第2の面」の一例)と面一である。
【0042】
仮に、導光部42の一端42Aが集草通路28の右壁28Bから集草通路28の内側に突出している場合、導光部42の一端42Aによって、集草通路28を流れる空気の流れが阻害される。この場合、芝刈機2によって芝を収集する能力が低下し得る。上記の構成によると、導光部42の一端42Aが集草通路28の右壁28Bの左面と面一であるために、導光部42の一端42Aによって集草通路28を流れる空気の流れが阻害されない。従って、芝刈機2によって芝を収集する能力が低下することを抑制することができる。
【0043】
1つ又はそれ以上の実施形態において、図3に示すように、芝刈機2は、さらに、集草通路28と、集草通路28に連通する内側空間30を画定する刈刃カバー26(「外壁部」の一例)と、を有するデッキ20と、内側空間30に収容され、上下方向に延びる軸周りに回転して芝を刈り取る刈刃34と、を含んでいる。図2に示すように、刈刃カバー26は、芝刈機2を下方から見たときに略円筒形状を有している。集草通路28は、刈刃カバー26の接線方向に略平行になるように、刈刃カバー26に接続される右壁28B(「第1壁部」の一例)と、左右方向(「特定方向」の一例)において、右壁28Bの反対側に位置する左壁28D(「第2壁部」の一例)と、を有している。LED40、及び、導光部42の一端42Aのうちの少なくとも一方が、左右方向における右壁28Bと左壁28Dとの中央部よりも右壁28Bに近い位置に配置されている。
【0044】
図3に示すように、刈刃34が、上下方向に延びる軸周りに回転している場合、デッキ20の内側空間には、上下方向に延びる軸周りに流れる空気の流れが発生する。そして、内側空間30において、刈刃カバー26の近傍を流れる空気の速度V1は、その内側を流れる空気の速度V2よりも速くなる。集草通路28の右壁28Bが、刈刃カバー26の円筒側壁26Aの接線方向に略平行になるように、円筒側壁26Aに接続されているために、右壁28Bの近傍には、円筒側壁26Aの近傍を流れていた空気が流入する。一方、左壁28Dの近傍には、内側空間30において円筒側壁26Aの近傍よりも内側を流れていた空気が流入する。このため、右壁28B側を流れる空気の速度は、左壁28D側を流れる空気の速度よりも速くなる。上述のように、濡れた芝は、乾いた芝よりも、集草通路28に付着しやすい。左壁28D側を流れる空気の速度が右壁28B側を流れる空気の速度よりも遅いために、左壁28D側には右壁28B側と比較して濡れた芝が付着しやすい。LED40、及び、導光部42の一端42Aのうちの少なくとも一方が、左右方向における右壁28Bと左壁28Dとの中央部よりも左壁28Dに近い位置に配置されている場合を想定する。この場合、集草ユニット8が芝で満杯になる前に、左壁28Dに付着する芝が多くなり、LED40から照射される光が導光部42の一端42Aに届かなくなり得る。上記の構成によると、LED40、及び、導光部42の一端42Aが、左右方向における右壁28Bと左壁28Dとの中央部よりも右壁28Bに近い位置に配置されている。右壁28B側を流れる空気の速度は、左壁28D側を流れる空気の速度よりも速い。このため、右壁28B側には、左壁28D側と比較して、濡れた芝が付着しにくい。従って、集草ユニット8が芝で満杯になる前に、LED40から照射される光が導光部42の一端42Aに届かなくなることを抑制することができる。
【0045】
(第1変形例)「作業機」は、芝刈機2に限定されず、掃除機、集塵機、スカリファイヤ等であってもよい。掃除機、集塵機が「作業機」の一例である場合、埃が「対象物」の一例である。スカリファイヤが「作業機」の一例である場合、芝が「対象物」の一例である。
【0046】
(第2変形例)導光部42の一端42Aが、集草通路28の下壁28Cに配置され、LED40が、集草通路28の右壁28Bに配置されていてもよい。別の変形例では、LED40が、集草通路28の上壁28A、右壁28B、下壁28C、及び、左壁28Dのいずれかに配置されており、導光部42の一端42Aが、LED40が配置されている壁とは異なる壁に配置されていてもよい。
【0047】
(第3変形例)LED40の前後方向の位置と導光部42の一端42Aの前後方向の位置とが異なっていてもよい。
【0048】
(第4変形例)LED40及び導光部42の一端42Aのうちの少なくとも一方が、集草通路28の後端よりも前端に近い位置に配置されていてもよい。
【0049】
(第5変形例)LED40が、集草通路28の下壁28Cの上面から集草通路28の内側に突出していてもよい。
【0050】
(第6変形例)導光部42の一端42Aが、集草通路28の右壁28Bの左面から集草通路28の内側に突出していてもよい。
【0051】
(第7変形例)LED40が、集草通路28の右壁28Bよりも左壁28Dに近い位置に配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0052】
2 :芝刈機
4 :本体ユニット
6 :ハンドルユニット
8 :集草ユニット
10 :車輪
20 :デッキ
20A :開口
22 :カウル
22A :スカート部
22B :バッテリ取付部
24 :検知ユニット
26 :刈刃カバー
28 :集草通路
28A :上壁
28B :右壁
28C :下壁
28D :左壁
30 :内側空間
32 :駆動軸
34 :刈刃
34A :刃先
34B :フィン
36 :送風ファン
40 :LED
42 :導光部
42A :一端
42B :他端
44 :インジケータ
60 :モータ
62 :バッテリ
64 :制御基板
66 :バッテリカバー
70 :下側フレーム
72 :上側フレーム
74 :グリップ
76 :スイッチレバー
80 :右側保持部
82 :左側保持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6