(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025570
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】電池
(51)【国際特許分類】
H01M 4/66 20060101AFI20250214BHJP
【FI】
H01M4/66 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130437
(22)【出願日】2023-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐野 雄一
(72)【発明者】
【氏名】三田 洋樹
【テーマコード(参考)】
5H017
【Fターム(参考)】
5H017AA03
5H017CC01
5H017DD01
5H017DD05
5H017EE01
5H017HH00
5H017HH03
(57)【要約】
【課題】チウムイオン二次電池において、負極活物質と集電体との密着性を向上させること。
【解決手段】電池1は、負極集電体50と、負極集電体50に配置される負極活物質40と、を備える。負極集電体50は、モリブデンを含有し、負極活物質40と重なる金属層51と、負極活物質40と金属層51との間において金属層51の表面を部分的に覆う酸化膜層52と、負極活物質40と金属層51との間において、酸化膜層52で覆われていない金属層51の表面にあり、ケイ素を含有する複数の第1突起部53と、酸化膜層52の表面にあり、ケイ素を含有する複数の第2突起部54と、を備える。複数の第1突起部53の高さは、複数の第2突起部54の高さよりも高い。複数の第1突起部53において互いに隣り合う2つの第1突起部53の高さは、互いに異なる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集電体と、
前記集電体に配置される負極活物質と、を備え、
前記集電体は、
モリブデンを含有し、前記負極活物質と重なる金属層と、
前記負極活物質と前記金属層との間において前記金属層の表面を部分的に覆う酸化膜層と、
前記負極活物質と前記金属層との間において、前記酸化膜層で覆われていない前記金属層の表面にあり、ケイ素を含有する複数の第1突起部と、
前記酸化膜層の表面にあり、ケイ素を含有する複数の第2突起部と、を備え、
前記複数の第1突起部の高さは、前記複数の第2突起部の高さよりも高く、
前記複数の第1突起部において互いに隣り合う2つの第1突起部の高さは、互いに異なる、
電池。
【請求項2】
前記2つの第1突起部の高さの比率は、0.74未満である、
請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記2つの第1突起部の高さの比率は、0.04以上である、
請求項1に記載の電池。
【請求項4】
前記2つの第1突起部によって構成される1組の第1突起部の単位面積あたり個数は、0.4×105(個/mm2)以上1.1×105(個/mm2)以下である、
請求項1に記載の電池。
【請求項5】
前記第1突起部および前記第2突起部のケイ素は、アモルファスである、
請求項1に記載の電池。
【請求項6】
前記金属層は、モリブデンのみによって形成されている、
請求項1に記載の電池。
【請求項7】
前記負極活物質には、ケイ素が用いられる、
請求項1に記載の電池。
【請求項8】
硫化物系固体電解質をさらに備える、
請求項1に記載の電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電池に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、集電体の上にMo(モリブデン)を含有する中間層を形成し、中間層の上に薄膜を堆積させたリチウム二次電池用電極が開示されている。薄膜は、リチウムイオンを吸蔵および放出する活物質(例えばシリコン(ケイ素))によって形成される。集電体の材料は、例えば銅である。中間層によって銅が薄膜中に過剰に拡散することが抑制される。これにより、充放電サイクル寿命特性の低下を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の薄膜の材料として用いられているケイ素は、電池容量の向上のために負極活物質に用いられることがある。しかしながら、負極活物質にケイ素を用いた場合、充放電時に薄膜の体積変化が比較的大きく、負極活物質と集電体との密着性が低下する可能性がある。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、負極活物質と集電体との密着性を向上させることができる電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の電池は、集電体と、前記集電体に配置される負極活物質と、を備え、前記集電体は、モリブデンを含有し、前記負極活物質と重なる金属層と、前記負極活物質と前記金属層との間において前記金属層の表面を部分的に覆う酸化膜層と、前記負極活物質と前記金属層との間において、前記酸化膜層で覆われていない前記金属層の表面にあり、ケイ素を含有する複数の第1突起部と、前記酸化膜層の表面にあり、ケイ素を含有する複数の第2突起部と、を備え、前記複数の第1突起部の高さは、前記複数の第2突起部の高さよりも高く、前記複数の第1突起部において互いに隣り合う2つの第1突起部の高さは、互いに異なる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、電池において、負極活物質と集電体との密着性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る電池の構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、負極集電体の構成を示す模式図である。
【
図4】
図4は、互いに隣り合う2つの第1突起部の高さが等しい状態を示す図である。
【
図5】
図5は、所望のアンカー効果を有する集電体の表面の拡大図である。
【
図7】
図7は、互いに隣り合う2つの第1突起部によって構成される1組の第1突起部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本開示が限定されるものではない。各実施の形態は例示であり、異なる実施の形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせが可能であることは言うまでもない。
【0010】
図1は、本開示の実施形態に係る電池1の構成を示す模式図である。電池1は、二次電池である。電池1は、具体的には、リチウム電池である。電池1は、全固体電池である。電池1は、正極集電体10、正極活物質20、固体電解質30、負極活物質40、および、負極集電体50を備える。負極集電体50は、「集電体」に相当する。
【0011】
正極集電体10は、導体層であり、例えば金属である。具体的には、正極集電体10の材料として、アルミニウム箔などを用いることができる。正極集電体10には、正極活物質20が配置される。
【0012】
正極活物質20には、リチウムイオンを含む金属酸化物が用いられる。正極活物質20は、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウムなどである。
【0013】
固体電解質30は、正極活物質20および負極活物質40によって挟まれる。固体電解質30は、焼結体である。固体電解質の材料は、正極活物質20と負極活物質40との間でイオンが移動可能な材料であれば、特に限定されない。固体電解質の材料は、例えば硫化物であり、Li6PS5Cl、Li3PS4、Li4SnS4等が用いられる。つまり、固体電解質30は、硫化物系固体電解質である。硫化物で形成された固体電解質30は、熱成形性に優れるので、正極活物質20の活物質との良好な接合界面を形成できる。
【0014】
負極活物質40には、ケイ素(シリコン)が用いられる。負極活物質40がケイ素である場合、電池1の充放電時において負極活物質40の体積変化は比較的大きい。負極活物質40は、負極集電体50に配置される。
【0015】
図2は、負極集電体50の構成を示す模式図である。負極集電体50は、金属層51、酸化膜層52、複数の第1突起部53、および、複数の第2突起部54を備える。
【0016】
金属層51は、モリブデンを含有する。本実施形態において、金属層51は、モリブデンのみによって形成されている。モリブデンは、比較的高い耐硫黄性を有する。つまり、金属層51は、固体電解質30に対して比較的高い耐性を有する。金属層51は、負極活物質40と重なる。金属層51において負極活物質40と対向する表面(以下、対向面51aと称する)は、酸化膜層52によって部分的に覆われている。換言すれば、金属層51の対向面51aは、酸化膜層52に覆われている被覆部51b、および、酸化膜層52に覆われていない露出部51cを有する。酸化膜層52は、負極活物質40と金属層51との間において、金属層51の表面(対向面51a)を部分的に覆う。
【0017】
このように、金属層51の対向面51aが部分的に酸化膜層52によって覆われている状態は、金属層51の対向面51aの全体が自然酸化膜で覆われている状態から、例えばサンドブラスト加工によって自然酸化膜が部分的に削られることで形成される。つまり、酸化膜層52は、金属層51の対向面51aに形成される自然酸化膜の一部である。
【0018】
複数の第1突起部53は、露出部51cにある。換言すれば、複数の第1突起部53は、負極活物質40と金属層51との間において、酸化膜層52で覆われていない金属層51の表面(対向面51a)にある。また、複数の第2突起部54は、酸化膜層52の表面にある。第1突起部53および第2突起部54は、ケイ素を含有する。ケイ素の線膨張係数(およそ2.6×10-6(1/K)とモリブデンの線膨張係数(およそ5.2×10-6(1/K))との差は極めて小さい。よって、第1突起部53と対向面51aとが温度変化によって剥離することが抑制される。
【0019】
また、第1突起部53および第2突起部54のケイ素は、アモルファスである。第1突起部53および第2突起部54のケイ素(アモルファスシリコン)について、ラマン分光法によって観測されるスペクトルのピークは、480cm-1以上490cm-1以下である。アモルファスシリコンの密度は、結晶構造を有するケイ素の密度よりも低い。よって、第1突起部53および第2突起部54がリチウムイオンを吸収したときに、第1突起部53および第2突起部54の膨張が抑制される。なお、第1突起部53および第2突起部54のケイ素は、結晶構造を有するケイ素でもよい。
【0020】
第1突起部53および第2突起部54は、上記のように自然酸化膜が部分的に削られた金属層51に対して、例えば蒸着によってケイ素が堆積することで形成される。
【0021】
具体的には、対向面51aの露出部51cおよび酸化膜層52の表面に堆積したケイ素が結晶核を形成しながら成長することで、第1突起部53および第2突起部54が形成される。対向面51aの露出部51cは活性であり、ケイ素は、露出部51cでマイグレーションせずに結晶核を形成する。一方、酸化膜層52の表面は、露出部51cよりも化学的に安定しており、ケイ素は、酸化膜層52の表面でマイグレーションしながら結晶核を形成する。よって、露出部51cでのケイ素の成長は、酸化膜層52の表面でのケイ素の成長よりも早い。したがって、複数の第1突起部53の高さは、複数の第2突起部54の高さよりも高くなる。第1突起部53の高さおよび複数の第2突起部54の高さは、およそ3μm以上6μm以下である。
【0022】
負極活物質40が負極集電体50に配置されている状態において、複数の第1突起部53は、負極活物質40に食い込むことでアンカー効果を発揮する。よって、充放電時に負極活物質40の体積が変化しても負極集電体50が負極活物質40から剥離することが抑制される。したがって、負極集電体50と負極活物質40との密着性を向上させることができる。これにより、充放電サイクル寿命特性を向上させることができる。
【0023】
図3は、
図2に示す負極集電体50の部分拡大図である。複数の第1突起部53において互いに隣り合う2つの第1突起部53の高さは、互いに異なる。互いに隣り合う2つの第1突起部53の高さが互いに異なる場合、2つの第1突起部53の高さが等しい場合と比べて、次に説明するように第1突起部53が露出部51cから剥離することが抑制される。
【0024】
図4は、互いに隣り合う2つの第1突起部53の高さが等しい状態を示す図である。互いに隣り合う2つの第1突起部53は、互いに接続している。
図4に示すように、互いに隣り合う2つの第1突起部53が接続している部分の上端を接続点Sとする。充放電時に負極活物質40が体積変化した場合、2つの第1突起部53それぞれに負極活物質40から力が作用する。
【0025】
負極活物質40から作用する力によって接続点Sに生じるモーメントは、2つの第1突起部53の高さが互いに異なる場合よりも、2つの第1突起部53の高さが互いに等しい場合の方が高くなる。つまり、2つの第1突起部53の高さが互いに等しい場合、2つの第1突起部53の高さが互いに異なる場合よりも、負極活物質40の体積変化によって、接続点Sから亀裂が生じやすい。この亀裂によって、いわゆるリークパスが形成されると、電池容量が低下する。
【0026】
このように、複数の第1突起部53において互いに隣り合う2つの第1突起部53の高さが異なることで、リークパスの形成および電池容量の低下が抑制される。すなわち、2つの第1突起部53の高さの比率Rhは、1未満である(比率Rh<1)。比率Rhは、2つの第1突起部53のうち高さが低い第1突起部53の高さ(HL:
図3参照)を、高さが高い第1突起部53の高さ(HH:
図3参照)で除算した値である(比率Rh=HL/HH)。
【0027】
また、第1突起部53の高さは、第1突起部53の製造工程(例えば蒸着)で残留する応力(以下、残留応力と称する)によって、高くなる可能性がある。互いに隣り合う2つの第1突起部53うち高さが低い第1突起部53の高さが高くなると、互いに隣り合う2つの第1突起部53の高さが等しくなる可能性がある。よって、2つの第1突起部53の高さの関係は、2つの第1突起部53のうち高さが低い第1突起部53の高さが高くなっても、2つの第1突起部53の高さが異なることが望ましい。
【0028】
残留応力の全部が対向面51aに沿う方向に作用すると仮定した場合、ケイ素のポアソン比(0.26)に基づいて第1突起部53の高さが大きくなる。2つの第1突起部53のうち高さが高い第1突起部53の高さ(HH)を「1」とした場合、2つの第1突起部53のうち高さが低い第1突起部53の高さ(HL)を「0.74(=1-0.26)」より小さくすれば(HL<0.74)、高さが低い第1突起部53の高さ(HL)は、残留応力によって高くなっても「1」より小さい(すなわち、HL+0.26<1)。つまり、高さが低い第1突起部53の高さが残留応力によって高くなっても、2つの第1突起部53の高さは互いに異なる。よって、2つの第1突起部53の高さの比率Rhは、0.74未満である(比率Rh(=HL/HH)<0.74)。
【0029】
また、第1突起部53が所望のアンカー効果を発揮するために、2つの第1突起部53の高さの比率Rhは、0.04以上であることが望ましい。このことは、所望のアンカー効果を有する集電体Bの表面および所望のアンカー効果を有さない集電体の表面を観察することで導出される。
【0030】
図5は、所望のアンカー効果を有する集電体Bの表面の拡大図である。
図6は、
図5に示す集電体Bの断面形状を示す図である。
図5,6に示す集電体Bの材料は、銅である。アンカー効果は、集電体Bの材料によらず集電体Bの表面の形状によって定まる。よって、本実施形態の第1突起部53の材料がケイ素であっても、
図5,6の集電体Bの表面の観察結果は適用可能である。
【0031】
図5,6に示す集電体Bにおいて、集電体Bの表面は凹凸状であり、互いに隣り合う2つの突起部Tの高さの比率は0.04以上である。一方、所望のアンカー効果を有さない集電体(不図示)において、集電体の表面は凹凸状であり、互いに隣り合う2つの突起部の高さの比率は0.025以上である。よって、互いに隣り合う2つの突起部Tの高さの比率が0.04以上である場合、所望のアンカー効果が発揮される。したがって、負極集電体50において、2つの第1突起部53の高さの比率Rhは、0.04以上である(Rh≧0.04)。
【0032】
図7は、互いに隣り合う2つの第1突起部53によって構成される1組の第1突起部Cを示す図である。
図7は、1組の第1突起部Cの単位面積あたりの個数が1つである状態を示している。
図7に示す対向面51aは、1辺の長さを単位長さaとする矩形状である。つまり、
図7に示す対向面51aの面積は、単位面積に相当する。
【0033】
互いに隣り合う2つの第1突起部53によって構成される1組の第1突起部Cの単位面積あたりの個数は、0.4×105(個/mm2)以上1.1×105(個/mm2)以下であることが望ましい。このことは、所望のアンカー効果を有する集電体Bの表面および所望のアンカー効果を有さない集電体の表面を観察することで導出される。
【0034】
具体的には、
図6に示すアンカー効果を有する集電体Bにおいて、2つの突起部Tによって構成される1組の突起部Ctの一方向のピッチPは、3~5μmである。つまり、集電体Bの平面視において、1辺の長さを3~5μmとする矩形状の領域に1組の突起部Ctが1つある。換言すれば、1組の突起部Ctの単位面積あたりの個数は、0.4×10
5(個/mm
2)以上1.1×10
5(個/mm
2)以下である。
【0035】
一方、アンカー効果を有さない集電体において、2つの突起部によって構成される1組の突起部の一方向のピッチは、1~5μmである。つまり、1組の突起部の単位面積あたりの個数は、0.4×105(個/mm2)未満である場合がある。よって、1組の突起部Ctの単位面積あたりの個数が0.4×105(個/mm2)以上1.1×105(個/mm2)以下である場合、所望のアンカー効果が発揮される。したがって、負極集電体50において、1組の第1突起部Cの単位面積あたりの個数は、0.4×105(個/mm2)以上1.1×105(個/mm2)以下である。
【0036】
上記のように、比率Rh、および、1組の第1突起部Cの単位面積あたり個数を定めることで、負極集電体50は、所望のアンカー効果を確実に有する。よって、第1突起部53が金属層51から剥離することが確実に抑制され、かつ、負極集電体50と負極活物質40との密着性を確実に向上させることができる。
【0037】
また、酸化膜層52の表面において第2突起部54が形成されていない部位においても、リチウムイオンが吸収される。よって、酸化膜層52は、電池容量の向上に寄与する。
【0038】
図2に示すように、酸化膜層52は、第1突起部53の周囲にある。また、酸化膜層52は、リチウムイオンを吸収したときに膨張する。よって、酸化膜層52が膨張すると、第1突起部53は、対向面51aに沿う方向に押圧され、高さ方向に沿って延びる。これにより、アンカー効果がさらに向上する。
【0039】
なお、上記した実施の形態および変形例は、本開示の理解を容易にするためのものであり、本開示を限定して解釈するためのものではない。本開示は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本開示にはその等価物も含まれる。
【0040】
例えば、固体電解質30は、酸化物系固体電解質でもよい。また、電池1は、固体電解質30に代えて、液状の電解質を備えてもよい。
【0041】
また、負極活物質40は、炭素系材料およびチタン酸リチウムでもよい。また、金属層51は、モリブデン以外の金属(例えば、タングステンおよびマグネシウムなど)を含有してもよい。金属層51は、他の金属(例えばステンレス)によって形成される他の金属層の表面に積層されてもよい。
【0042】
なお、電池1は、リチウム電池以外の二次電池でもよいし、一次電池でもよい。
【0043】
なお、本開示は、以下のような構成の組み合わせであってもよい。
【0044】
(1)
集電体と、
前記集電体に配置される負極活物質と、を備え、
前記集電体は、
モリブデンを含有し、前記負極活物質と重なる金属層と、
前記負極活物質と前記金属層との間において前記金属層の表面を部分的に覆う酸化膜層と、
前記負極活物質と前記金属層との間において、前記酸化膜層で覆われていない前記金属層の表面にあり、ケイ素を含有する複数の第1突起部と、
前記酸化膜層の表面にあり、ケイ素を含有する複数の第2突起部と、を備え、
前記複数の第1突起部の高さは、前記複数の第2突起部の高さよりも高く、
前記複数の第1突起部において互いに隣り合う2つの第1突起部の高さは、互いに異なる、
電池。
【0045】
(2)
前記2つの第1突起部の高さの比率は、0.74未満である、
(1)に記載の電池。
【0046】
(3)
前記2つの第1突起部の高さの比率は、0.04以上である、
(1)または(2)に記載の電池。
【0047】
(4)
前記2つの第1突起部によって構成される1組の第1突起部の単位面積あたり個数は、0.4×105(個/mm2)以上1.1×105(個/mm2)以下である、
(1)から(3)のいずれか1つに記載の電池。
【0048】
(5)
前記第1突起部および前記第2突起部のケイ素は、アモルファスである、
(1)から(4)のいずれか1つの記載の電池。
【0049】
(6)
前記金属層は、モリブデンのみによって形成されている、
(1)から(5)のいずれか1つの記載の電池。
【0050】
(7)
前記負極活物質には、ケイ素が用いられる、
(1)から(6)のいずれか1つに記載の電池。
【0051】
(8)
硫化物系固体電解質をさらに備える、
(1)から(7)のいずれか1つに記載の電池。
【符号の説明】
【0052】
1 電池
40 負極活物質
50 負極集電体(集電体)
51 金属層
51a 対向面
51c 露出部
52 酸化膜層
53 第1突起部
54 第2突起部
C 1組の第1突起部
Rh 比率