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2025-25598通信端末、基地局、通信システム、通信制御方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025598
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】通信端末、基地局、通信システム、通信制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/28 20090101AFI20250214BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20250214BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20250214BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
H04W16/28
H04W88/02 140
H04W64/00
H04B7/06 956
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130491
(22)【出願日】2023-08-09
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和3年度、国立研究開発法人情報通信研究機構「革新的情報通信技術研究開発委託研究/Beyond 5G研究開発促進事業/次世代の5次元モバイルインフラ技術の研究開発」産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昂平
(72)【発明者】
【氏名】小野 真和
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD20
5K067EE02
5K067EE10
5K067KK02
(57)【要約】
【課題】アンテナ指向性を通信に適した設定にするまでの時間を短縮させることできる通信端末を実現する。
【解決手段】通信端末(1)は、アンテナ部(11)の指向性を第1の指向性に制御して、基地局から基地局の位置を示す情報を取得する情報取得部(12)と、指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、基地局と通信を行う通信制御部(13)と、を備え、通信制御部(13)は、基地局と通信端末(1)との相対位置、および、通信端末(1)の移動速度に基づいて第2の指向性を決定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指向性を制御可能なアンテナ部と、
前記アンテナ部の指向性を第1の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して基地局から前記基地局の位置を示す情報を取得する情報取得手段と、
前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して前記基地局と通信を行う通信制御手段と、を備え、
前記通信制御手段は、前記情報に基づく前記基地局と当該通信端末との相対位置、および、当該通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定する、
通信端末。
【請求項2】
前記通信制御手段は、前記基地局と当該通信端末との相対位置、および、当該通信端末の移動速度が少なくとも入力され、前記第2の指向性を出力するように学習された学習モデルを用いて、前記第2の指向性を決定する、
請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
前記通信制御手段は、前記基地局と当該通信端末との相対位置、当該通信端末の移動速度、および、場所ごとの電波状況を示す電波マップに基づいて、前記第2の指向性を決定する、
請求項1に記載の通信端末。
【請求項4】
当該通信端末の所定の時間後の移動先を推測する推測手段をさらに備え、
前記通信制御手段は、前記電波マップを参照し、前記推測手段が推測した移動先の電波状況に基づいて、前記所定の時間後の前記第2の指向性を決定する、
請求項3に記載の通信端末。
【請求項5】
前記電波マップは、当該通信端末の電波状況と、当該通信端末とは異なる1または複数の他の通信端末の電波状況とが反映された電波マップである、
請求項3または4に記載の通信端末。
【請求項6】
前記通信制御手段は、前記基地局と当該通信端末との相対位置、および、当該通信端末の移動速度に基づいて、前記通信の通信方式を決定する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の通信端末。
【請求項7】
指向性を制御可能なアンテナ部を備える通信端末から、前記通信端末が当該基地局と通信している場合における前記アンテナ部の第1の指向性、前記通信端末の位置、および前記通信端末の移動速度を示す情報を取得する情報取得手段と、
前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して当該基地局と通信を行うよう前記通信端末に指示する指示手段と、を備え、
前記指示手段は、前記情報に基づく当該基地局と前記通信端末との相対位置、および、前記通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定する、
基地局。
【請求項8】
前記指示手段は、前記第1の指向性、当該基地局と前記通信端末との相対位置、および、前記通信端末の移動速度が少なくとも入力され、前記第2の指向性を出力するように学習された学習モデルを用いて、前記第2の指向性を決定する、
請求項7に記載の基地局。
【請求項9】
前記指示手段は、前記第1の指向性、当該基地局と前記通信端末との相対位置、前記通信端末の移動速度、および、場所ごとの電波状況を示す電波マップに基づいて、前記第2の指向性を決定する、
請求項7に記載の基地局。
【請求項10】
前記情報に基づく当該基地局と当該通信端末との相対位置、および、前記通信端末の移動速度に基づいて、前記通信の通信方式を決定する通信制御手段、をさらに備える、
請求項7から9の何れか1項に記載の基地局。
【請求項11】
電波マップを更新する更新手段をさらに備え、
前記情報取得手段はさらに、前記通信端末から当該通信端末の位置と受信電力とを示す情報を取得し、
前記更新手段は、前記通信端末の位置と受信電力とを示す情報に基づいて電波マップを更新する、
請求項7または8に記載の基地局。
【請求項12】
通信端末と基地局とを備える通信システムであって、
前記通信端末は、
指向性を制御可能なアンテナ部と、
前記アンテナ部の指向性を第1の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して基地局から前記基地局の位置を示す情報を取得する情報取得手段と、
前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して前記基地局と通信を行う通信制御手段と、を備え、
前記通信制御手段は、前記情報に基づく前記基地局と当該通信端末との相対位置、および、当該通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定し、
前記基地局は、当該基地局の位置を示す情報を前記通信端末に出力する情報出力手段を備える、
通信システム。
【請求項13】
通信端末と基地局とを備える通信システムであって、
前記通信端末は、
指向性を制御可能なアンテナ部と、
当該通信端末が前記基地局と通信している場合における前記アンテナ部の第1の指向性、当該通信端末の位置、および当該通信端末の移動速度を示す情報を前記基地局に出力する情報出力手段と、
前記基地局からの指示を受け付ける受付手段と、
前記指示に従って前記アンテナ部の指向性を制御し、前記アンテナ部を介して前記基地局と通信を行う通信制御手段と、を備え、
前記基地局は、
前記通信端末から、前記情報を取得する情報取得手段と、
前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して当該基地局と通信を行うよう前記通信端末に指示する指示手段と、を備え、
前記指示手段は、前記情報に基づく当該基地局と前記通信端末との相対位置、および、前記通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定する、
通信システム。
【請求項14】
指向性を制御可能なアンテナ部を備える通信端末が、
前記アンテナ部の指向性を第1の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して基地局から前記基地局の位置を示す情報を取得することと、
前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して前記基地局と通信を行うことと、を含み、
前記通信を行うことにおいて、前記情報に基づく前記基地局と当該通信端末との相対位置、および、当該通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定する、
通信制御方法。
【請求項15】
コンピュータに、
アンテナ部の指向性を第1の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して基地局から前記基地局の位置を示す情報を取得する情報取得処理と、
前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して前記基地局と通信を行う通信制御処理と、を実行させ、
前記通信制御処理において、前記情報に基づく前記基地局と当該通信端末との相対位置、および、当該通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定する、
プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信端末、基地局、通信システム、通信制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
指向性を制御可能なアンテナを備える端末が、指向性を変更しながら基地局と通信する技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、アンテナ指向性を広い範囲から徐々に狭くしていくことにより応答可能な無線通信端末を絞り込む無線通信装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-188886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の無線通信装置は、アンテナ指向性を徐々に狭くしていく。そのため、当該無線通信装置においては、無線通信端末との通信が確立した後、当該無線通信端末との通信を切断することなく、かつ通信速度が速いアンテナ指向性に設定するまで、時間が掛かる。すなわち、当該無線通信装置においては、通信端末のアンテナ指向性を通信に適した設定にするまで時間が掛かるという問題があった。
【0006】
本開示は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その一例示的目的は、通信端末のアンテナ指向性を通信に適した設定にするまでの時間を短縮させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一例示的側面に係る通信端末装置は、指向性を制御可能なアンテナ部と、前記アンテナ部の指向性を第1の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して基地局から前記基地局の位置を示す情報を取得する情報取得手段と、前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して前記基地局と通信を行う通信制御手段と、を備え、前記通信制御手段は、前記情報に基づく前記基地局と当該通信端末との相対位置、および、当該通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定する。
【0008】
本開示の一例示的側面に係る基地局は、指向性を制御可能なアンテナ部を備える通信端末から、前記通信端末が当該基地局と通信している場合における前記アンテナ部の第1の指向性、前記通信端末の位置、および前記通信端末の移動速度を示す情報を取得する情報取得手段と、前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して当該基地局と通信を行うよう前記通信端末に指示する指示手段と、を備え、前記指示手段は、前記情報に基づく当該基地局と前記通信端末との相対位置、および、前記通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定する。
【0009】
本開示の一例示的側面に係る通信システムは、通信端末と基地局とを備える通信システムであって、前記通信端末は、指向性を制御可能なアンテナ部と、前記アンテナ部の指向性を第1の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して基地局から前記基地局の位置を示す情報を取得する情報取得手段と、前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して前記基地局と通信を行う通信制御手段と、を備え、前記通信制御手段は、前記情報に基づく前記基地局と当該通信端末との相対位置、および、当該通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定し、前記基地局は、当該基地局の位置を示す情報を前記通信端末に出力する情報出力手段を備える。
【0010】
本開示の一例示的側面に係る通信システムは、通信端末と基地局とを備える通信システムであって、前記通信端末は、指向性を制御可能なアンテナ部と、当該通信端末が前記基地局と通信している場合における前記アンテナ部の第1の指向性、当該通信端末の位置、および当該通信端末の移動速度を示す情報を前記基地局に出力する情報出力手段と、前記基地局からの指示を受け付ける受付手段と、前記指示に従って前記アンテナ部の指向性を制御し、前記アンテナ部を介して前記基地局と通信を行う通信制御手段と、を備え、前記基地局は、前記通信端末から、前記情報を取得する情報取得手段と、前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して当該基地局と通信を行うよう前記通信端末に指示する指示手段と、を備え、前記指示手段は、前記情報に基づく当該基地局と前記通信端末との相対位置、および、前記通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定する。
【0011】
本開示の一例示的側面に係る通信制御方法は、指向性を制御可能なアンテナ部を備える通信端末が、前記アンテナ部の指向性を第1の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して基地局から前記基地局の位置を示す情報を取得することと、前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して前記基地局と通信を行うことと、を含み、前記通信を行うことにおいて、前記情報に基づく前記基地局と当該通信端末との相対位置、および、当該通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定する。
【0012】
本開示の一例示的側面に係るプログラムは、コンピュータに、アンテナ部の指向性を第1の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して基地局から前記基地局の位置を示す情報を取得する情報取得処理と、前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して前記基地局と通信を行う通信制御処理と、を実行させ、前記通信制御処理において、前記情報に基づく前記基地局と当該通信端末との相対位置、および、当該通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定する、プログラム。
【発明の効果】
【0013】
本開示の一例示的側面によれば、通信端末のアンテナ指向性を通信に適した設定にするまでの時間を短縮させることができるという一例示的効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示に係る通信端末の構成を示すブロック図である。
図2】本開示に係る通信制御方法の流れを示すフロー図である。
図3】本開示に係る基地局の構成を示すブロック図である。
図4】本開示に係る通信制御方法の流れを示すフロー図である。
図5】本開示に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
図6】本開示に係る通信制御方法の流れを示すフロー図である。
図7】本開示に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
図8】本開示に係る通信制御方法の流れを示すフロー図である。
図9】本開示に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
図10】本開示に係る通信システムにおける通信方式の一例を示す図である。
図11】本開示に係る通信制御方法の流れを示すフロー図である。
図12】本開示に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
図13】本開示に係る通信システムにおける通信方式の一例を示す図である。
図14】本開示に係る通信制御方法の流れを示すフロー図である。
図15】本開示に係る通信端末および基地局として機能するコンピュータの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を例示する。ただし、本発明は、以下に示す各例示的実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、以下に示す各例示的実施形態において採用される技術的手段を適宜組み合わせることにより得られる実施形態についても、本発明の範疇に含まれ得る。また、以下に示す各例示的実施形態において採用される技術的手段の一部を適宜省略することにより得られる実施形態についても、本発明の範疇に含まれ得る。また、以下に示す各例示的実施形態において言及する効果は、その例示的実施形態において期待される効果の一例であり、本発明の外延を規定するものではない。すなわち、以下に示す各例示的実施形態において言及する効果を奏さない実施形態についても、本発明の範疇に含まれ得る。
【0016】
〔第1の例示的実施形態〕
本発明の実施形態の一例である第1の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本例示的実施形態は、後述する各例示的実施形態の基本となる形態である。なお、本例示的実施形態において採用する各技術的手段の適用範囲は、本例示的実施形態に限定されない。すなわち、本例示的実施形態において採用する各技術的手段は、特段の技術的支障が生じない範囲で、本開示に含まれる他の例示的実施形態においても採用可能である。また、本例示的実施形態を説明するために参照する図面に示される各技術的手段も、特段の技術的支障が生じない範囲で、本開示に含まれる他の例示的実施形態においても採用可能である。
【0017】
(通信端末1の構成)
通信端末1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、通信端末1の構成を示すブロック図である。通信端末1は、図1に示すように、アンテナ部11、情報取得部12、および通信制御部13を備えている。情報取得部12および通信制御部13は、それぞれ本例示的実施形態において、情報取得手段および通信制御手段を実現する構成である。
【0018】
アンテナ部11は、1以上のアンテナを含み、指向性を制御可能なように構成されている。一例として、アンテナ部11は多素子アンテナである。
【0019】
情報取得部12は、アンテナ部11の指向性を第1の指向性に制御して、アンテナ部11を介して基地局から基地局の位置を示す情報を取得する。第1の指向性は限定されないが、一例として、基地局と通信を確立可能な指向性のうち、最も広い指向性が挙げられる。
【0020】
通信制御部13は、アンテナ部11の指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、アンテナ部11を介して基地局と通信を行う。具体的には、通信制御部13は、情報取得部12が取得した情報に基づく基地局と通信端末1との相対位置、および通信端末1の移動速度に基づいて第2の指向性を決定する。例えば、通信制御部13は、第2の指向性の主方向を、上述の相対位置に対応する通信端末1から基地局に向かう方向になるように決定してよい。また、通信制御部13は、第2の指向性の広さ(例えば、ビーム半値幅)を、第1の指向性よりも狭く、通信端末1の移動速度を考慮して基地局と通信を確立可能な指向性のうち、許容される最も狭い指向性に決定してよい。例えば、通信端末1の移動速度が遅いほど、第2の指向性を狭くしてよい。
【0021】
(通信端末1の効果)
以上のように、通信端末1においては、指向性を制御可能なアンテナ部11と、アンテナ部11の指向性を第1の指向性に制御して、アンテナ部11を介して基地局から基地局の位置を示す情報を取得する情報取得部12と、アンテナ部11の指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、アンテナ部11を介して基地局と通信を行う通信制御部13とを備える構成が採用されている。また、通信制御部13は、情報取得部12が取得した情報に基づく基地局と通信端末1との相対位置、および通信端末の移動速度に基づいて第2の指向性を決定する。このため、通信端末1によれば、アンテナ指向性を通信に適した設定にするまでの時間を短縮させることができるという効果が得られる。
【0022】
(通信制御方法S1の流れ)
指向性を制御可能なアンテナ部11を備える通信端末1が実行する通信制御方法S1の流れについて、図2を参照して説明する。図2は、通信制御方法S1の流れを示すフロー図である。通信制御方法S1は、図2に示すように、情報取得処理S11および通信制御処理S12を含んでいる。
【0023】
(ステップS11)
ステップS11において、情報取得部12は、アンテナ部11の指向性を第1の指向性に制御して、アンテナ部11を介して基地局から基地局の位置を示す情報を取得する。
【0024】
(ステップS12)
ステップS12において、通信制御部13は、アンテナ部11の指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、アンテナ部11を介して基地局と通信を行う。具体的には、ステップS12において通信制御部13は、情報取得部12が取得した情報に基づく基地局と通信端末1との相対位置、および通信端末の移動速度に基づいて第2の指向性を決定する。
【0025】
(通信制御方法S1の効果)
以上のように、指向性を制御可能なアンテナ部11を備える通信端末1が実行する通信制御方法S1においては、情報取得部12が、アンテナ部11の指向性を第1の指向性に制御して、アンテナ部11を介して基地局から基地局の位置を示す情報を取得するステップS11と、通信制御部13が、アンテナ部11の指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、アンテナ部11を介して基地局と通信を行うステップS12とを含む構成が採用されている。また、ステップS12において、通信制御部13は、情報取得部12が取得した情報に基づく基地局と通信端末1との相対位置、および通信端末の移動速度に基づいて第2の指向性を決定する。このため、通信制御方法S1によれば、上述の通信端末1と同様の効果が得られる。
【0026】
(基地局2の構成)
基地局2の構成について、図3を参照して説明する。図3は、基地局2の構成を示すブロック図である。基地局2は、図3に示すように、情報取得部21および指示部22を備えている。情報取得部21および指示部22は、それぞれ本例示的実施形態において、情報取得手段および指示手段を実現する構成である。
【0027】
情報取得部21は、指向性を制御可能なアンテナ部を備える通信端末から、通信端末が基地局2と通信している場合におけるアンテナ部の第1の指向性、通信端末の位置、および通信端末の移動速度を示す情報を取得する。
【0028】
指示部22は、通信端末のアンテナ部の指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、アンテナ部を介して基地局2と通信を行うよう通信端末に指示する。具体的には、指示部22は、情報取得部21が取得した情報に基づく基地局2と通信端末との相対位置、および、通信端末の移動速度に基づいて第2の指向性を決定する。
【0029】
(基地局2の効果)
以上のように、基地局2においては、指向性を制御可能なアンテナ部を備える通信端末から、通信端末が基地局2と通信している場合におけるアンテナ部の第1の指向性、通信端末の位置、および通信端末の移動速度を示す情報を取得する情報取得部21と、アンテナ部の指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、アンテナ部を介して基地局2と通信を行うよう通信端末に指示する指示部22とを備える構成が採用されている。また、指示部22は、情報取得部21が取得した情報に基づく基地局2と通信端末との相対位置、および、通信端末の移動速度に基づいて第2の指向性を決定する。このため、基地局2によれば、上述の通信端末1と同様の効果が得られる。
【0030】
(通信制御方法S2の流れ)
基地局が実行する通信制御方法S2の流れについて、図4を参照して説明する。図4は、通信制御方法S2の流れを示すフロー図である。通信制御方法S2は、図4に示すように、情報取得処理S21および指示処理S22を含んでいる。
【0031】
(ステップS21)
ステップS21において、情報取得部21は、指向性を制御可能なアンテナ部を備える通信端末から、通信端末が基地局2と通信している場合におけるアンテナ部の第1の指向性、通信端末の位置、および通信端末の移動速度を示す情報を取得する。
【0032】
(ステップS22)
ステップS22において、指示部22は、アンテナ部の指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、アンテナ部を介して基地局2と通信を行うよう通信端末に指示する。具体的には、ステップS22において指示部22は、情報取得部21が取得した情報に基づく基地局2と通信端末との相対位置、および、通信端末の移動速度に基づいて第2の指向性を決定する。
【0033】
(通信制御方法S2の効果)
以上のように、通信制御方法S2においては、情報取得部21が、指向性を制御可能なアンテナ部を備える通信端末から、通信端末が基地局2と通信している場合におけるアンテナ部の第1の指向性、通信端末の位置、および通信端末の移動速度を示す情報を取得するステップS21と、指示部22が、アンテナ部の指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、アンテナ部を介して基地局2と通信を行うよう通信端末に指示するステップS22と、を含む構成が採用されている。また、ステップS22において指示部22は、情報取得部21が取得した情報に基づく基地局2と通信端末との相対位置、および、通信端末の移動速度に基づいて第2の指向性を決定する。このため、通信制御方法S2によれば、上述の通信端末1と同様の効果が得られる。
【0034】
(通信システム100の構成)
通信システム100の構成について、図5を参照して説明する。図5は、通信システム100の構成を示すブロック図である。通信システム100は、図5に示すように、通信端末3と基地局4と、を備えている。
【0035】
通信端末3は、図5に示すように、アンテナ部31、情報取得部32、および通信制御部33を備えている。情報取得部32および通信制御部33は、それぞれ本例示的実施形態において、情報取得手段および通信制御手段を実現する構成である。
【0036】
アンテナ部31は、指向性を制御可能なアンテナである。
【0037】
情報取得部32は、指向性を第1の指向性に制御して、アンテナ部31を介して基地局4から基地局4の位置を示す情報を取得する。
【0038】
通信制御部33は、アンテナ部31の指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、アンテナ部31を介して基地局4と通信を行う。具体的には、通信制御部33は、情報取得部32が取得した情報に基づく基地局4と通信端末3との相対位置、および、通信端末3の移動速度に基づいて第2の指向性を決定する。
【0039】
基地局4は、図5に示すように、情報出力部41を備えている。情報出力部41は、本例示的実施形態において、情報出力手段を実現する構成である。
【0040】
情報出力部41は、基地局4の位置を示す情報を通信端末3に出力する。
【0041】
(通信システム100の効果)
以上のように、通信システム100においては、通信端末3および基地局4を備える構成が採用されている。
【0042】
通信端末3は、指向性を制御可能なアンテナ部31と、アンテナ部31の指向性を第1の指向性に制御して、アンテナ部31を介して基地局4から基地局4の位置を示す情報を取得する情報取得部32と、アンテナ部31の指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、アンテナ部31を介して基地局4と通信を行う通信制御部33とを備える構成が採用されている。また、通信制御部33は、情報取得部32が取得した情報に基づく基地局4と通信端末3との相対位置、および、通信端末3の移動速度に基づいて第2の指向性を決定する。
【0043】
基地局4は、基地局4の位置を示す情報を通信端末3に出力する情報出力部41を備える構成が採用されている。
【0044】
このため、通信システム100によれば、上述の通信端末1と同様の効果が得られる。
【0045】
(通信制御方法S100の流れ)
通信制御方法S100の流れについて、図6を参照して説明する。図6は、通信制御方法S100の流れを示すフロー図である。通信制御方法S100は、図6に示すように、情報出力処理S101と、情報取得処理S102と、通信制御処理S103と、を含んでいる。
【0046】
(ステップS101)
ステップS101において、基地局4の情報出力部41は、基地局4の位置を示す情報を通信端末3に出力する。
【0047】
(ステップS102)
ステップS102において、指向性を制御可能なアンテナ部31を備える通信端末3の情報取得部32は、アンテナ部31の指向性を第1の指向性に制御して、アンテナ部31を介して基地局4から基地局4の位置を示す情報を取得する。
【0048】
(ステップS103)
ステップS103において、通信制御部33は、アンテナ部31の指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、アンテナ部31を介して基地局4と通信を行う。具体的には、ステップS103において、通信制御部33は、情報取得部32が取得した情報に基づく基地局4と通信端末3との相対位置、および、通信端末3の移動速度に基づいて第2の指向性を決定する。
【0049】
(通信制御方法S100の効果)
以上のように、通信制御方法S100においては、基地局4の情報出力部41が、基地局4の位置を示す情報を通信端末3に出力するステップS101を含む構成が採用されている。
【0050】
また、通信制御方法S100においては、指向性を制御可能なアンテナ部31を備える通信端末3の情報取得部32が、アンテナ部31の指向性を第1の指向性に制御して、アンテナ部31を介して基地局4から基地局4の位置を示す情報を取得するステップS102と、通信制御部33が、アンテナ部31の指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、アンテナ部31を介して基地局4と通信を行うステップS103と、を含む構成が採用されている。また、ステップS103において、通信制御部33は、情報取得部32が取得した情報に基づく基地局4と通信端末3との相対位置、および、通信端末3の移動速度に基づいて第2の指向性を決定する。
【0051】
このため、通信制御方法S100によれば、上述の通信端末1と同様の効果が得られる。
【0052】
(通信システム200の構成)
通信システム200の構成について、図7を参照して説明する。図7は、通信システム200の構成を示すブロック図である。通信システム200は、図7に示すように、通信端末5と基地局6とを備えている。
【0053】
通信端末5は、図7に示すように、アンテナ部51、情報出力部52、受付部53、および通信制御部54を備えている。情報出力部52、受付部53、および通信制御部54は、それぞれ本例示的実施形態において、情報出力手段、受付手段、および通信制御手段を実現する構成である。
【0054】
アンテナ部51は、指向性を制御可能なアンテナである。
【0055】
情報出力部52は、通信端末5が基地局6と通信している場合におけるアンテナ部51の第1の指向性、通信端末5の位置、および通信端末5の移動速度を示す情報を基地局6に出力する。
【0056】
受付部53は、基地局6からの指示を受け付ける。
【0057】
通信制御部54は、受付部53が受け付けた指示に従ってアンテナ部51の指向性を制御し、アンテナ部51を介して基地局6と通信を行う。
【0058】
基地局6は、図7に示すように、情報取得部61および指示部62を備えている。情報取得部61および指示部62は、それぞれ本例示的実施形態において、情報取得手段および指示手段を実現する構成である。
【0059】
情報取得部61は、通信端末5から、第1の指向性、通信端末5の位置、および通信端末5の移動速度を示す情報を取得する。
【0060】
指示部62は、アンテナ部51の指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、アンテナ部51を介して基地局6と通信を行うよう通信端末5に指示する。具体的には、指示部62は、情報取得部61が取得した情報に基づく基地局6と通信端末5との相対位置、および、通信端末5の移動速度に基づいて第2の指向性を決定する。
【0061】
(通信システム200の効果)
以上のように、通信システム200においては、通信端末5および基地局6を備える構成が採用されている。
【0062】
通信端末5は、指向性を制御可能なアンテナ部51と、通信端末5が基地局6と通信している場合におけるアンテナ部51の第1の指向性、通信端末5の位置、および通信端末5の移動速度を示す情報を基地局6に出力する情報出力部52と、基地局6からの指示を受け付ける受付部53と、受付部53が受け付けた指示に従ってアンテナ部51の指向性を制御し、アンテナ部51を介して基地局6と通信を行う通信制御部54を備える構成が採用されている。
【0063】
基地局6は、通信端末5から、第1の指向性、通信端末5の位置、および通信端末5の移動速度を示す情報を取得する情報取得部61と、アンテナ部51の指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、アンテナ部51を介して基地局6と通信を行うよう通信端末5に指示する指示部62を備える構成が採用されている。また、指示部62は、情報取得部61が取得した情報に基づく基地局6と通信端末5との相対位置、および、通信端末5の移動速度に基づいて第2の指向性を決定する。
【0064】
このため、通信システム200によれば、上述の通信端末1と同様の効果が得られる。
【0065】
(通信制御方法S200の流れ)
通信制御方法S200の流れについて、図8を参照して説明する。図8は、通信制御方法S200の流れを示すフロー図である。通信制御方法S200は、図8に示すように、情報出力処理S201、情報取得処理S202、指示処理S203、受付処理S204、および通信制御処理S205を含んでいる。
【0066】
(ステップS201)
ステップS201において、指向性を制御可能な通信端末5の情報出力部52は、通信端末5が基地局6と通信している場合におけるアンテナ部51の第1の指向性、通信端末5の位置、および通信端末5の移動速度を示す情報を基地局6に出力する。
【0067】
(ステップS202)
ステップS202において、基地局6の情報取得部61は、通信端末5から、第1の指向性、通信端末5の位置、および通信端末5の移動速度を示す情報を取得する。
【0068】
(ステップS203)
ステップS203において、指示部62は、アンテナ部51の指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、アンテナ部51を介して基地局6と通信を行うよう通信端末5に指示する。具体的には、ステップS203において、指示部62は、情報取得部61が取得した情報に基づく基地局6と通信端末5との相対位置、および、通信端末5の移動速度に基づいて第2の指向性を決定する。
【0069】
(ステップS204)
ステップS204において、受付部53は、基地局6からの指示を受け付ける。
【0070】
(ステップS205)
ステップS205において、通信制御部54は、受付部53が受け付けた指示に従ってアンテナ部51の指向性を制御し、アンテナ部51を介して基地局6と通信を行う。
【0071】
(通信制御方法S200の効果)
以上のように、通信制御方法S200においては、指向性を制御可能な通信端末5の情報出力部52が、通信端末5が基地局6と通信している場合におけるアンテナ部51の第1の指向性、通信端末5の位置、および通信端末5の移動速度を示す情報を基地局6に出力するステップS201を含む構成が採用されている。
【0072】
また、通信制御方法S200においては、基地局6の情報取得部61が、通信端末5から、第1の指向性、通信端末5の位置、および通信端末5の移動速度を示す情報を取得するステップS202と、指示部62が、アンテナ部51の指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、アンテナ部51を介して基地局6と通信を行うよう通信端末5に指示するステップS203とを含む構成が採用されている。また、ステップS203において、指示部62は、情報取得部61が取得した情報に基づく基地局6と通信端末5との相対位置、および、通信端末5の移動速度に基づいて第2の指向性を決定する。
【0073】
また、通信制御方法S200においては、通信端末5の受付部53が、基地局6からの指示を受け付けるステップS204と、通信制御部54が、受付部53が受け付けた指示に従ってアンテナ部51の指向性を制御し、アンテナ部51を介して基地局6と通信を行うステップS205とを含む構成が採用されている。
【0074】
このため、通信制御方法S200によれば、上述の通信端末1と同様の効果が得られる。
【0075】
〔第2の例示的実施形態〕
本発明の実施形態の一例である第2の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。上述した例示的実施形態にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。なお、本例示的実施形態において採用する各技術的手段の適用範囲は、本例示的実施形態に限定されない。すなわち、本例示的実施形態において採用する各技術的手段は、特段の技術的支障が生じない範囲で、本開示に含まれる他の例示的実施形態においても採用可能である。また、本例示的実施形態を説明するために参照する各図面に示される各技術的手段は、特段の技術的支障が生じない範囲で、本開示に含まれる他の例示的実施形態においても採用可能である。
【0076】
(通信システム110の構成)
通信システム110の構成について、図9を参照して説明する。図9は、通信システム110の構成を示すブロック図である。
【0077】
通信システム110は、図9に示すように、通信端末3Aおよび基地局4Aを備えている。通信システム110では、通信端末3Aと基地局4Aとは、互いに無線通信によってデータを送受信可能である。また、図9では、通信端末3Aおよび基地局4Aはそれぞれ1つであるが、通信システム110に含まれる通信端末3Aおよび基地局4Aの数は限定されず、複数の通信端末3Aおよび基地局4Aが含まれる構成であってもよい。
【0078】
(通信システム110の概要)
通信システム110の概要について、図10を参照して説明する。図10は、通信システム110の概要を示す図である。
【0079】
通信端末3Aは、指向性を制御可能なアンテナ部(後述するアンテナ部31)を備えている。また、図10に示す通信端末3Aと基地局4Aとは、変調方式の一例として、64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、16QAM、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、BPSK(Binary Phase Shift Keying)の何れかを用いて通信を行う。
【0080】
通信端末3Aはまず、図10の上側に示すように、アンテナ部の指向性を広い指向性(一例として、最も広い指向性)に制御して、基地局4Aとの通信確立を試みる。当該構成により、通信端末3Aは、基地局4Aを容易に発見することができる。
【0081】
また、通信端末3Aが基地局4Aとの通信確立を試みる場合、通信端末3Aと基地局4Aとの通信は、図10の上側に示すように、変調多値数の小さい変調方式(換言すると、通達距離の長い変調方式、図10では、一例としてBPSK)を用いる。当該構成により、通信端末3Aと基地局4Aとが容易に通信を確立することができる。また、通信端末3Aと基地局4Aとが通信を確立した場合における通信端末3Aのアンテナ部の指向性を、第1の指向性と称する。第1の指向性については、上述した通りである。
【0082】
通信端末3Aと基地局4Aとが通信を確立すると、図10の上側に示すように、基地局4Aは、基地局4Aの位置を示す情報を通信端末3Aに出力する。通信端末3Aは、基地局4Aの位置を示す情報を取得すると、図10の下側に示すように、当該情報および通信端末3Aの移動速度に基づき、アンテナ部の指向性を第1の指向性よりも狭い指向性に制御して、基地局4Aと通信を行う。当該構成において、通信端末3Aにおける第1の指向性よりも狭い指向性を、第2の指向性と称する。第2の指向性については、上述した通りである。
【0083】
また、通信端末3Aが第2の指向性にて基地局4Aと通信する場合、図10の下側に示すように、通信端末3Aと基地局4Aとの通信は、変調多値数の大きい変調方式(換言すると、スループットが高くなる変調方式、図10では、一例として64QAM)を用いる。当該構成により、通信端末3Aと基地局4Aとの通信において、高いスループットを達成することができる。
【0084】
(通信端末3Aの構成)
通信端末3Aは、図9に示すように、通信端末3が備えるアンテナ部31に加えて、制御部37、および記憶部38を備えている。
【0085】
アンテナ部31は、上述したように、指向性を制御可能なアンテナ部である。アンテナ部31の具体例として、多素子アンテナが挙げられるが、これに限定されない。通信端末3Aは、アンテナ部31を介して基地局4Aと無線通信を行う。
【0086】
記憶部38は、制御部37が参照するデータが保存されている。記憶部38に格納されているデータの一例として、場所ごとの電波状況を示す電波マップおよび地図が挙げられるが、これに限定されない。電波状況の一例として、受信電力が挙げられるが、これに限定されない。記憶部38の例として、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、または、これらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0087】
(制御部37)
制御部37は、通信端末3Aが備える各構成要素を制御する。また、制御部37は、図9に示すように、情報取得部32A、通信制御部33A、推測部34、更新部35、および出力部36を備えている。情報取得部32A、通信制御部33A、推測部34、および更新部35は、それぞれ本例示的実施形態において、情報取得手段、通信制御手段、推測手段、および更新手段を実現する構成である。
【0088】
情報取得部32Aは、アンテナ部31を制御して、基地局4Aから情報を取得する。一例として、情報取得部32Aは、アンテナ部31の指向性を第1の指向性に制御して、アンテナ部31を介して基地局4Aから基地局4Aの位置を示す情報を取得する。他の例として、情報取得部32Aは、基地局4Aから電波マップを取得する。
【0089】
通信制御部33Aは、基地局4Aとの通信を制御する。一例として、通信制御部33Aは、アンテナ部31の指向性を第1の指向性に制御して、アンテナ部31を介して基地局4Aとの通信を確立する。
【0090】
また、通信制御部33Aは、アンテナ部31の指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、アンテナ部31を介して基地局4Aと通信を行う。より具体的には、通信制御部33Aは、情報取得部32Aが取得した情報に基づく基地局4Aと通信端末3Aとの相対位置、および、通信端末3Aの移動速度に基づいて第2の指向性を決定する。通信制御部33Aは、通信端末3Aの移動速度を、図9には図示しないセンサから取得した情報に基づき、算出してもよい。
【0091】
さらに、通信制御部33Aは、基地局4Aと通信端末3Aとの相対位置、および、通信端末3Aの移動速度に加えて、通信端末3Aの姿勢に基づいて、第2の指向性を決定してもよい。一例として、通信端末3Aの姿勢が、所定の方向の電波を受信できない姿勢であった場合、通信制御部33Aは、当該所定の方向とは異なる方向の基地局4Aとの通信を行う。
【0092】
また、通信制御部33Aは、基地局4Aと通信端末3Aとの相対位置、および、通信端末3Aの移動速度に基づいて、アンテナ部31を介した基地局4A通信の通信方式を決定する。通信方式の例として、変調方式(例えば、64QAM、16QAM、QPSK、BPSK)、および誤り訂正率が挙げられるが、これらに限定されない。通信制御部33Aが実行する処理について、後述する。
【0093】
推測部34は、通信端末3Aの所定の時間後の移動先を推測する。一例として、推測部34は、通信端末3Aの移動速度、記憶部38に格納されている地図、および通信端末3Aの位置を示す情報を参照して、通信端末3Aの所定の時間後の移動先を推測する方法が挙げられる。通信端末3Aの位置を示す情報の一例として、GPS(Global Positioning System)信号が挙げられる。
【0094】
例えば、通信端末3Aの位置が道路沿いの場合、推測部34は、通信端末3Aの移動速度にて当該道路沿いを所定の時間移動した場合の位置を、通信端末3Aの所定の時間後の移動先として推測する。
【0095】
更新部35は、記憶部38に格納されている電波マップを更新する。一例として、更新部35は、電波マップにおいて、通信端末3Aが現在存在する位置に、通信端末3Aの現在の受信電力を関連付けることにより、電波マップを更新する。他の例として、更新部35は、記憶部38に格納されている電波マップを、情報取得部32Aが基地局4Aから取得した電波マップに更新する。
【0096】
また、更新部35は、電波マップにおける位置と、通信端末3Aの設定とを関連付けてもよい。一例として、更新部35は、電波マップにおける位置と、当該位置において通信端末3Aが基地局4Aと通信している通信方式とを、関連付けてもよい。他の例として、更新部35は、電波マップにおける位置と、当該位置において通信端末3Aが基地局4Aと通信できなかった通信方式とを、関連付けてもよい。
【0097】
出力部36は、基地局4Aに情報を出力する。一例として、出力部36は、通信端末3Aが現在存在する位置と、通信端末3Aの現在の受信電力と示す情報を、基地局4Aに出力する。
【0098】
(基地局4Aの構成)
基地局4Aは、制御部44、アンテナ部45、および記憶部46を備えている。
【0099】
アンテナ部45は、通信端末3Aと無線通信するためのアンテナである。基地局4Aは、アンテナ部45を介して通信端末3Aと無線通信を行う。
【0100】
記憶部46は、制御部44が参照するデータが保存されている。記憶部46に格納されているデータの一例として、基地局4Aの位置を示す情報、および上述した電波マップが挙げられる。記憶部46の例として、フラッシュメモリ、HDD、SSD、または、これらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
(制御部44)
制御部44は、基地局4Aが備える各構成要素を制御する。また、制御部44は、図9に示すように、情報出力部41A、通信制御部42、および更新部43を備えている。情報出力部41A、通信制御部42、および更新部43は、それぞれ本例示的実施形態において、情報出力手段、通信制御手段、および更新手段を実現する構成である。
【0102】
情報出力部41Aは、通信端末3Aに情報を出力する。一例として、情報出力部41Aは、基地局4Aの位置を示す情報を通信端末3Aに出力する。他の例として、記憶部46に格納されている電波マップを通信端末3Aに出力する。
【0103】
通信制御部42は、通信端末3Aとの通信を制御する。一例として、通信制御部42は、アンテナ部45を介して通信端末3Aとの通信を確立する。
【0104】
また、通信制御部42は、アンテナ部45を介した通信端末3Aとの通信の通信方式を決定する。一例として、通信制御部42は、通信端末3Aからチャネルの状態に関する情報を取得し、当該情報に基づいて通信方式を決定する。通信制御部42が通信方式を決定する処理について、後述する。
【0105】
更新部43は、記憶部46に格納されている電波マップを更新する。一例として、更新部43は、通信端末3Aが現在存在する位置と、通信端末3Aの現在の受信電力とを示す情報を通信端末3Aから取得する。また、更新部43は、電波マップにおいて、取得した情報が示す位置における受信電力を、取得した情報が示す受信電力に更新する。
【0106】
また、更新部43は、複数の通信端末3Aのそれぞれから、通信端末3Aが現在存在する位置と、通信端末3Aの現在の受信電力とを示す情報を取得してもよい。この場合、電波マップは、或る通信端末3Aにとって、当該或る通信端末3Aの電波状況と、当該或る通信端末3Aとは異なる1または複数の他の通信端末3Aの電波状況とが反映された電波マップとなる。当該構成により、更新部43は、複数の通信端末3Aの電波状況を反映した電波マップを作成することができる。
【0107】
(通信制御部33Aが第2の指向性を決定する処理の例1)
通信制御部33Aが第2の指向性を決定する処理の一例として、通信制御部33Aは、基地局4Aと通信端末3Aとの相対位置、および、通信端末3Aの移動速度が少なくとも入力され、第2の指向性を出力するように学習された学習モデルを用いて、第2の指向性を決定する処理が挙げられる。
【0108】
当該学習モデルは、過去の通信状況を教師データとして学習させることにより生成される。一例として、当該学習モデルは、過去の基地局4Aと通信端末3Aとの相対位置、および、通信端末3Aの移動速度、ならびに第2の指向性を組とした教師データとして学習する。当該学習モデルの一例として、CNN(Convolutional Neural Network)が挙げられる。
【0109】
このように、通信制御部33Aは、学習モデルを用いて第2の指向性を決定することにより、好適に第2の指向性を決定することができる。換言すると、通信制御部33Aは、第1の指向性から徐々に指向性を広くして第2の指向性を決定することなく、好適な第2の指向性を決定することができる。そのため、通信制御部33Aは、通信端末3Aのアンテナ指向性を通信に適した設定にするまでの時間を短縮させることができる。
【0110】
(通信制御部33Aが第2の指向性を決定する処理の例2)
通信制御部33Aが第2の指向性を決定する処理の他の例として、通信制御部33Aは、基地局4Aと通信端末3Aとの相対位置、通信端末3Aの移動速度、および、記憶部38に格納されている電波マップであって、場所ごとの電波状況を示す電波マップに基づいて、第2の指向性を決定する処理が挙げられる。当該構成における電波マップは、通信端末3Aが生成した電波マップであってもよい、基地局4Aから取得した電波マップであってもよい。通信制御部33Aが基地局4Aから取得した電波マップを用いる場合、通信制御部33Aは、他の通信端末3Aの電波状況も参照することができる。
【0111】
当該構成の一例として、通信端末3Aの移動速度が0の場合(換言すると、通信端末3Aが移動していない場合)を想定する。この場合、通信制御部33は、基地局4Aと通信端末3Aとの相対位置から、通信端末3Aが位置する領域の電波状況を、電波マップから取得する。次に、通信制御部33は、通信端末3Aが位置する領域の電波状況から、当該電波状況において基地局4Aと通信を確立可能な指向性であって、最も狭い指向性を、第2の指向性として決定する。
【0112】
このように、通信制御部33Aは、電波マップに基づいて第2の指向性を決定することにより、好適に第2の指向性を決定することができる。換言すると、通信制御部33Aは、第1の指向性から徐々に指向性を広くして第2の指向性を決定することなく、好適な第2の指向性を決定することができる。そのため、通信制御部33Aは、通信端末3Aのアンテナ指向性を通信に適した設定にするまでの時間を短縮させることができる。
【0113】
当該構成の他の例として、通信端末3Aの移動速度が0以外の場合(換言すると、通信端末3Aが移動している場合)を想定する。この場合、通信制御部33は、推測部34が推測した、通信端末3Aの所定の時間後の移動先を示す情報を取得する。次に、通信制御部33は、推測部34が推測した通信端末3Aの移動先の領域の電波状況を、電波マップから取得する。続いて、通信制御部33は、電波マップを参照し、推測部34が推測した通信端末3Aの移動先の領域の電波状況に基づいて、当該電波状況において基地局4Aと通信を確立可能な指向性であって、最も狭い指向性を、所定時間後の第2の指向性として決定する。
【0114】
このように、通信制御部33Aは、通信端末3Aが移動している場合であっても、移動先における第2の指向性を好適に決定することができる。
【0115】
(通信制御部33Aが第2の指向性を決定する処理の例3)
通信制御部33Aが第2の指向性を決定する処理のさらに他の例として、通信制御部33Aは、基地局4Aと通信端末3Aとの相対位置、および、通信端末3Aの移動速度に基づいて、第2の指向性を決定する処理が挙げられる。
【0116】
一例として、通信制御部33Aは、第2の指向性の主方向が、相対位置に対応する通信端末3Aから基地局4Aに向かう方向になるように、第2の指向性の主方向を決定する。
【0117】
他の例として、通信制御部33Aは、通信端末3Aの移動速度に応じて、第2の指向性の広さ(例えば、ビーム半値幅)を決定する。例えば、通信端末3Aの移動速度が所定の値よりも大きい場合(通信端末3Aの移動速度が速い場合)を想定する。この場合、通信制御部33Aは、第1の指向性よりも狭く、通信端末3Aと基地局4Aとが通信を確立可能な指向性のうち、最も広い指向性を第2の指向性として決定する。他の例として、通信端末3Aの移動速度が所定の値以下の場合(通信端末3Aの移動速度が遅い場合)を想定する。この場合、通信制御部33Aは、第1の指向性よりも狭く、通信端末3Aと基地局4Aとが通信を確立可能な指向性のうち、最も狭い指向性を第2の指向性として決定する。
【0118】
(通信制御部33Aが通信方式を決定する処理の例1)
上述したように、通信方式は、通信端末3Aの通信制御部33Aが決定してもよいし、基地局4Aの通信制御部42が決定してもよい。ここでは、通信端末3Aの通信制御部33Aが通信方式を決定する処理の一例について説明する。
【0119】
例えば、基地局4Aが適応的に複数の変調方式および誤り訂正率から選択して通信する場合、通信端末3Aの通信制御部33Aは、基地局4Aと通信端末3Aとの相対位置から、基地局4Aまでの距離を算出する。通信制御部33Aは、算出した距離および通信端末3Aの移動速度に基づき、変調方式および誤り訂正率を決定する。
【0120】
一例として、通信制御部33Aは、通信端末3Aの移動速度が0の場合(換言すると、通信端末3Aが移動していない場合)、算出した距離に応じた変調方式および誤り訂正率を決定する。例えば、通信制御部33Aは、算出した距離が長いほど、変調多値数の小さい変調方式(換言すると、通信速度の遅い変調方式)および高い誤り訂正率に決定する。一方、通信制御部33Aは、算出した距離が短いほど、変調多値数の大きい変調方式(換言すると、通信速度の速い変調方式)および低い誤り訂正率に決定する。
【0121】
他の例として、通信制御部33Aは、通信端末3Aの移動速度が0以外の場合(換言すると、通信端末3Aが移動している場合)、推測部34が推測した、通信端末3Aの所定の時間後の移動先を示す情報を取得する。次に、通信制御部33は、推測部34が推測した通信端末3Aの移動先の領域の電波状況を、電波マップから取得する。続いて、通信制御部33は、電波マップを参照し、変調方式および誤り訂正率を決定する。例えば、通信制御部33は、推測部34が推測した通信端末3Aの移動先の領域の電波状況が悪い(例えば、受信電力が所定の閾値よりも低い)場合、変調多値数の小さい変調方式および高い誤り訂正率に決定する。一方、通信制御部33は、推測部34が推測した通信端末3Aの移動先の領域の電波状況が良い(例えば、受信電力が所定の閾値以上)場合、変調多値数の大きい変調方式および低い誤り訂正率に決定する。
【0122】
さらに他の例として、通信制御部33Aは、算出した距離および移動速度が少なくとも入力され、通信方式を出力するように学習された学習モデルを用いて、通信方式を決定してもよい。
【0123】
このように、通信端末3Aの通信制御部33Aは、通信端末3Aと基地局4Aとの通信の通信方式を決定する。そのため、通信制御部33Aは、基地局4Aが適応的に複数の変調方式および誤り訂正率から選択して通信する場合に、適切な変調方式および誤り訂正率を選択することができる。
【0124】
(通信制御部33Aが通信方式を決定する処理の例2)
通信制御部33Aは、基地局4Aとの通信品質をモニタする構成であってもよい。当該構成において、通信制御部33Aは、電波状況に応じて、変調方式および誤り訂正率を決定する。通信品質の一例として、受信電力が挙げられるが、これに限定されない。
【0125】
例えば、通信制御部33Aは、基地局4Aとの電波状況が所定の期間、閾値以下であった場合、変調多値数の小さい変調方式および高い誤り訂正率に決定する。すなわち、通信制御部33Aは、基地局4Aとの通信品質が所定の期間、閾値以下であった場合、基地局4Aとの通信方式を、低速で安定した通信を行う通信方式に決定する。この場合、通信制御部33Aは、低速で安定した通信を行う通信方式に決定した後、所定の間隔毎に、高速な通信を行う通信方式に徐々に通信方式を変更してもよい。
【0126】
(通信制御部42が通信方式を決定する処理の一例)
ここでは、基地局4Aの通信制御部42が通信方式を決定する処理の一例について説明する。
【0127】
一例として、通信制御部42は、通信端末3Aからチャネルの状態に関する情報を取得し、当該情報に基づいて通信方式を決定する。例えば、通信制御部42は、通信端末3Aから取得した情報が、閾値以下の通信品質を示す場合、変調多値数の小さい変調方式および高い誤り訂正率に決定する。一方、通信制御部42は、通信端末3Aから取得した情報が、閾値より大きい通信品質を示す場合、変調多値数の小さい変調方式および高い誤り訂正率に決定する。
【0128】
このように、基地局4Aの通信制御部42は、通信端末3Aと基地局4Aとの通信の通信方式を決定する。そのため、通信制御部42は、通信端末3Aと基地局4Aとは、好適な通信方式を用いて通信することができる。
【0129】
(通信制御方法S110の流れ)
通信システム110において実行される通信制御方法S110の流れについて、図11を参照して説明する。図11は、通信制御方法S110の流れを示すフロー図である。
【0130】
(ステップS111)
ステップS111において、通信端末3Aの通信制御部33Aは、アンテナ部31の指向性を第1の指向性に制御して、アンテナ部31を介して基地局4Aとの通信を確立する。
【0131】
(ステップS112)
ステップS112において、基地局4Aの通信制御部42は、アンテナ部45を介して通信端末3Aとの通信を確立する。
【0132】
(ステップS113)
ステップS113において、情報出力部41Aは、基地局4Aの位置を示す情報を通信端末3Aに出力する。
【0133】
(ステップS114)
ステップS114において、情報取得部32Aは、アンテナ部31の指向性を第1の指向性に制御して、アンテナ部31を介して基地局4Aの位置を示す情報を基地局4Aから取得する。
【0134】
(ステップS115)
ステップS115において、通信制御部33Aは、基地局4Aの位置に基づく基地局4Aと通信端末3Aとの相対位置、および通信端末3Aの移動速度に基づいて、アンテナ部31の指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、アンテナ部31を介して基地局4Aと通信を行う。
【0135】
(通信システム110の効果)
以上のように、通信端末3Aおよび基地局4Aを備える通信システム110においては、通信端末3Aは、基地局4Aから取得した、基地局4Aの位置を示す情報に基づく基地局4Aと通信端末3Aとの相対位置、および、通信端末3Aの移動速度に基づいて第2の指向性を決定する。
【0136】
このため、通信システム110においては、第1の指向性から徐々に指向性を広くして第2の指向性を決定することなく、好適な第2の指向性が決定される。したがって、通信システム110においては、通信端末3Aのアンテナ指向性を通信に適した設定にするまでの時間を短縮させることができるという効果が得られる。
【0137】
〔第3の例示的実施形態〕
本発明の実施形態の一例である第3の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。上述した例示的実施形態にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。なお、本例示的実施形態において採用する各技術的手段の適用範囲は、本例示的実施形態に限定されない。すなわち、本例示的実施形態において採用する各技術的手段は、特段の技術的支障が生じない範囲で、本開示に含まれる他の例示的実施形態においても採用可能である。また、本例示的実施形態を説明するために参照する各図面に示される各技術的手段は、特段の技術的支障が生じない範囲で、本開示に含まれる他の例示的実施形態においても採用可能である。
【0138】
(通信システム210の構成)
通信システム210の構成について、図12を参照して説明する。図12は、通信システム210の構成を示すブロック図である。
【0139】
通信システム210は、図12に示すように、通信端末5Aおよび基地局6Aを備えている。通信システム210では、上述した通信システム110と同様、通信端末5Aと基地局6Aとは、互いに無線通信によってデータを送受信可能である。また、通信システム210に含まれる通信端末5Aおよび基地局6Aの数は限定されず、複数の通信端末5Aおよび基地局6Aが含まれる構成であってもよい。
【0140】
(通信システム210の概要)
通信システム210の概要について、図13を参照して説明する。図13は、通信システム210の概要を示す図である。
【0141】
通信端末5Aは、指向性を制御可能なアンテナ部(後述するアンテナ部51)を備えている。また、図13に示す通信端末5Aと基地局6Aとは、変調方式の一例として、64QAM、16QAM、QPSK、BPSKの何れかを用いて通信を行う。
【0142】
通信端末5Aはまず、図13の上側に示すように、アンテナ部の指向性を広い指向性(一例として、最も広い指向性)に制御して、基地局6Aとの通信確立を試みる。当該構成により、通信端末5Aは、基地局6Aを容易に発見することができる。
【0143】
また、通信端末5Aが基地局6Aとの通信確立を試みる場合、通信端末5Aと基地局6Aとの通信は、図13の上側に示すように、変調多値数の小さい変調方式(換言すると、通達距離の長い変調方式、図13では、一例としてBPSK)を用いる。当該構成により、通信端末5Aと基地局6Aとが容易に通信を確立することができる。また、上述の実施形態と同様、通信端末5Aと基地局6Aとが通信を確立した場合における通信端末5Aのアンテナの指向性を、第1の指向性と称する。
【0144】
通信端末5Aと基地局6Aとが通信を確立すると、図13の上側に示すように、通信端末5Aは、第1の指向性、通信端末5Aの位置、および通信端末5Aの移動速度を示す情報を基地局6Aに出力する。基地局6Aは、第1の指向性、通信端末5Aの位置、および通信端末5Aの移動速度を示す情報を取得すると、通信端末5Aに指示をする。一例として、基地局6Aは、アンテナ部の指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、基地局6Aと通信を行うよう通信端末5Aに指示する。通信端末5Aは、基地局6Aからの指示に基づき、アンテナ部の指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、基地局4Aと通信を行う。
【0145】
また、通信端末5Aが第2の指向性にて基地局6Aと通信する場合、図13の下側に示すように、通信端末5Aと基地局6Aとの通信は、変調多値数の大きい変調方式(換言すると、スループットが高くなる変調方式、図13では、一例として64QAM)を用いる。当該構成により、通信端末5Aと基地局6Aとの通信において、高いスループットを達成することができる。
【0146】
(通信端末5Aの構成)
通信端末5Aは、図12に示すように、通信端末5が備えるアンテナ部51に加えて、制御部57、および記憶部58を備えている。
【0147】
アンテナ部51は、上述したように、指向性を制御可能なアンテナ部である。アンテナ部51の具体例として、多素子アンテナが挙げられるが、これに限定されない。通信端末5Aは、アンテナ部51を介して基地局6Aと無線通信を行う。
【0148】
記憶部58は、制御部57が参照するデータが保存されている。記憶部58に格納されているデータおよび例については、上述した記憶部38と同様である。
【0149】
(制御部57)
制御部57は、通信端末5Aが備える各構成要素を制御する。また、制御部57は、図12に示すように、情報出力部52A、受付部53A、および通信制御部54Aを備えている。情報出力部52A、受付部53A、および通信制御部54Aは、それぞれ本例示的実施形態において、情報出力手段、受付手段、および通信制御手段を実現する構成である。
【0150】
情報出力部52Aは、基地局6Aに情報を出力する。一例として、情報出力部52Aは、通信端末5Aが基地局6Aと通信している場合におけるアンテナ部51の第1の指向性、通信端末5Aの位置、および通信端末5Aの移動速度を示す情報を基地局6Aに出力する。他の例として、情報出力部52Aは、通信端末5Aが現在存在する位置と、通信端末5Aの現在の受信電力と示す情報を、基地局6Aに出力する。通信端末5Aの位置を示す情報の一例として、GPS信号が挙げられる。また、通信端末5Aの移動速度は、図12には図示しないセンサから取得した情報に基づき、算出されてもよい。
【0151】
受付部53Aは、基地局6Aからの指示を受け付ける。一例として、受付部53Aは、アンテナ部51の指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、アンテナ部51を介して基地局6Aと通信を行う指示を受け付ける。
【0152】
通信制御部54Aは、基地局6Aとの通信を制御する。一例として、通信制御部54Aは、受付部53Aが受け付けた指示に従って、アンテナ部51を制御する。例えば、受付部53Aが受け付けた指示が、アンテナ部51の指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、アンテナ部51を介して基地局6Aと通信を行う指示であった場合を想定する。この場合、通信制御部54Aは、アンテナ部51の指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、アンテナ部51を介して基地局6Aと通信を行う。
【0153】
(基地局6Aの構成)
基地局6Aは、制御部66、アンテナ部67、および記憶部68を備えている。
【0154】
アンテナ部67は、通信端末5Aと無線通信するためのアンテナである。基地局6Aは、アンテナ部67を介して通信端末5Aと無線通信を行う。
【0155】
記憶部68は、制御部66が参照するデータが保存されている。記憶部68に格納されているデータの一例として、通信端末5Aから取得した情報、基地局6Aの位置を示す情報、および電波マップが挙げられる。記憶部68の例として、フラッシュメモリ、HDD、SSD、または、これらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0156】
(制御部66)
制御部66は、基地局6Aが備える各構成要素を制御する。また、制御部66は、図12に示すように、情報取得部61A、指示部62A、通信制御部63、推測部64、および更新部65を備えている。情報取得部61A、指示部62A、通信制御部63、および更新部65は、それぞれ本例示的実施形態において、情報取得手段、指示手段、通信制御手段、および更新手段を実現する構成である。
【0157】
情報取得部61Aは、通信端末5Aから情報を取得する。一例として、情報取得部61Aは、通信端末5Aから、第1の指向性、通信端末5Aの位置、および通信端末5Aの移動速度を示す情報を取得する。また、情報取得部61Aは、通信端末5Aが現在存在する位置と、通信端末5Aの現在の受信電力とを示す情報を通信端末5Aから取得する。
【0158】
指示部62Aは、通信端末5Aに指示をする。一例として、指示部62Aは、アンテナ部51の指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、アンテナ部51を介して基地局6Aと通信を行うよう通信端末5Aに指示する。指示部62Aが実行する処理の例について、後述する。
【0159】
通信制御部63は、上述した通信制御部42と同様、通信端末5Aとの通信を制御する。一例として、通信制御部63は、情報取得部61Aが取得した情報に基づく基地局6Aと通信端末5Aとの相対位置、および、通信端末5Aの移動速度に基づいて、通信端末5Aと基地局6Aとの通信の通信方式を決定する。通信方式については、上述した通りである。
【0160】
推測部64は、上述した推測部34と同様、通信端末5Aの所定の時間後の移動先を推測する。推測部64が通信端末5Aの所定の時間後の移動先を推測する例は、上述した通りである。
【0161】
更新部65は、上述した更新部43と同様、記憶部46に格納されている電波マップを更新する。更新部65が電波マップを更新する例として、上述した例と同様、更新部65はまず、情報取得部61Aが通信端末5Aから取得した、通信端末5Aの位置と受信電力とを示す情報を取得する。そして、更新部65は、通信端末5Aの位置と受信電力とを示す情報に基づいて電波マップを更新する。当該構成により、更新部65は、通信端末3Aの電波状況を反映した電波マップを作成することができる。
【0162】
(指示部62Aが第2の指向性を決定する処理の例1)
指示部62Aが第2の指向性を決定する処理の一例として、指示部62Aは、第1の指向性、基地局6Aと通信端末5Aとの相対位置、および、通信端末5Aの移動速度が少なくとも入力され、第2の指向性を出力するように学習された学習モデルを用いて、第2の指向性を決定する処理が挙げられる。
【0163】
当該学習モデルは、過去の通信状況を教師データとして学習させることにより生成される。一例として、当該学習モデルは、過去の第1の指向性、過去の基地局6Aと通信端末5Aとの相対位置、および、通信端末5Aの移動速度、ならびに第2の指向性を組とした教師データとして学習する。当該学習モデルの一例として、CNNが挙げられる。
【0164】
このように、指示部62Aは、学習モデルを用いて第2の指向性を決定することにより、好適に第2の指向性を決定することができる。換言すると、指示部62Aは、第1の指向性から徐々に指向性を広くして第2の指向性を決定することなく、好適な第2の指向性を決定することができる。そのため、指示部62Aは、通信端末5Aのアンテナ指向性を通信に適した設定にするまでの時間を短縮させることができる。
【0165】
(指示部62Aが第2の指向性を決定する処理の例2)
指示部62Aが第2の指向性を決定する処理の他の例として、指示部62Aは、第1の指向性、基地局6Aと通信端末5Aとの相対位置、通信端末5Aの移動速度、および、記憶部46に格納されている電波マップであって、場所ごとの電波状況を示す電波マップに基づいて、第2の指向性を決定する処理が挙げられる。
【0166】
当該構成の一例として、通信端末5Aの移動速度が0の場合(換言すると、通信端末5Aが移動していない場合)を想定する。この場合、指示部62Aは、通信端末5Aが位置する領域の電波状況を、電波マップから取得する。次に、指示部62Aは、通信端末5Aが位置する領域の電波状況から、第1の指向性よりも狭く、当該電波状況において基地局6Aと通信を確立可能な指向性であって、最も狭い指向性を、第2の指向性として決定する。
【0167】
当該構成の他の例として、通信端末5Aの移動速度が0以外の場合(換言すると、通信端末5Aが移動している場合)を想定する。この場合、指示部62Aは、推測部64が推測した、通信端末5Aの所定の時間後の移動先を示す情報を取得する。次に、指示部62Aは、推測部64が推測した通信端末5Aの移動先の領域の電波状況を、電波マップから取得する。続いて、指示部62Aは、電波マップを参照し、推測部64が推測した通信端末5Aの移動先の領域の電波状況に基づいて、第1の指向性よりも狭く、当該電波状況において基地局6Aと通信を確立可能な指向性であって、最も狭い指向性を、所定時間後の第2の指向性として決定する。
【0168】
このように、指示部62Aは、電波マップに基づいて第2の指向性を決定することにより、好適に第2の指向性を決定することができる。換言すると、指示部62Aは、第1の指向性から徐々に指向性を広くして第2の指向性を決定することなく、好適な第2の指向性を決定することができる。そのため、指示部62Aは、通信端末5Aのアンテナ指向性を通信に適した設定にするまでの時間を短縮させることができる。
【0169】
(通信制御方法S210の流れ)
通信システム210において実行される通信制御方法S210の流れについて、図14を参照して説明する。図14は、通信制御方法S210の流れを示すフロー図である。
【0170】
(ステップS211)
ステップS211において、通信端末5Aの通信制御部54Aは、アンテナ部51の指向性を第1の指向性に制御して、アンテナ部51を介して基地局6Aとの通信を確立する。
【0171】
(ステップS212)
ステップS212において、基地局6Aの通信制御部63は、アンテナ部67を介して通信端末5Aとの通信を確立する。
【0172】
(ステップS213)
ステップS213において、通信端末5Aの情報出力部52Aは、通信端末5Aが基地局6Aと通信している場合におけるアンテナ部51の第1の指向性、通信端末5Aの位置、および通信端末5Aの移動速度を示す情報を基地局6Aに出力する。
【0173】
(ステップS214)
ステップS214において、基地局6Aの情報取得部61Aは、通信端末5Aが基地局6Aと通信している場合におけるアンテナ部51の第1の指向性、通信端末5Aの位置、および通信端末5Aの移動速度を示す情報を通信端末5Aから取得する。
【0174】
(ステップS215)
ステップS215において、指示部62Aは、通信端末5Aの位置に基づく基地局6Aと通信端末5Aとの相対位置、および通信端末5Aの移動速度に基づいて、アンテナ部51の指向性を第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、アンテナ部51を介して基地局6Aと通信を行うよう通信端末5Aに指示する。
【0175】
(ステップS216)
ステップS216において、通信端末5Aの受付部53Aは、基地局6Aからの指示を受け付ける。
【0176】
(ステップS217)
ステップS217において、通信制御部54Aは、受付部53Aが受け付けた指示に従ってアンテナ部51の指向性を制御し、アンテナ部51を介して基地局6Aと通信を行う。
【0177】
(通信システム210の効果)
以上のように、通信端末5Aおよび基地局6Aを備える通信システム210においては、基地局4Aは、通信端末5Aから取得した、第1の指向性、通信端末5Aの位置、および通信端末5Aの移動速度を示す情報に基づいて第2の指向性を決定する。
【0178】
このため、通信システム210においては、第1の指向性から徐々に指向性を広くして第2の指向性を決定することなく、好適な第2の指向性が決定される。したがって、通信システム210においては、通信端末5Aのアンテナ指向性を通信に適した設定にするまでの時間を短縮させることができるという効果が得られる。
【0179】
〔ソフトウェアによる実現例〕
通信端末1、3、3A、5、5A、基地局2、4、4A、6、6A(以下、「上記各装置」とも記載する)の一部又は全部の機能は、集積回路(ICチップ)等のハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0180】
後者の場合、上記各装置は、例えば、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータによって実現される。このようなコンピュータの一例(以下、コンピュータCと記載する)を図15に示す。図15は、上記各装置として機能するコンピュータCのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0181】
コンピュータCは、少なくとも1つのプロセッサC1と、少なくとも1つのメモリC2と、を備えている。メモリC2には、コンピュータCを上記各装置として動作させるためのプログラムPが記録されている。コンピュータCにおいて、プロセッサC1は、プログラムPをメモリC2から読み取って実行することにより、上記各装置の各機能が実現される。
【0182】
プロセッサC1としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、TPU(Tensor Processing Unit)、量子プロセッサ、マイクロコントローラ、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。メモリC2としては、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。
【0183】
なお、コンピュータCは、プログラムPを実行時に展開したり、各種データを一時的に記憶したりするためのRAM(Random Access Memory)を更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、他の装置との間でデータを送受信するための通信インタフェースを更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、キーボードやマウス、ディスプレイやプリンタなどの入出力機器を接続するための入出力インタフェースを更に備えていてもよい。
【0184】
また、プログラムPは、コンピュータCが読み取り可能な、一時的でない有形の記録媒体Mに記録することができる。このような記録媒体Mとしては、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、又はプログラマブルな論理回路などを用いることができる。コンピュータCは、このような記録媒体Mを介してプログラムPを取得することができる。また、プログラムPは、伝送媒体を介して伝送することができる。このような伝送媒体としては、例えば、通信ネットワーク、又は放送波などを用いることができる。コンピュータCは、このような伝送媒体を介してプログラムPを取得することもできる。
【0185】
〔付記事項1〕
本開示には、以下の各付記に記載の技術が含まれる。ただし、本発明は、以下の各付記に記載の技術に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。
【0186】
(付記1)
指向性を制御可能なアンテナ部と、前記アンテナ部の指向性を第1の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して基地局から前記基地局の位置を示す情報を取得する情報取得手段と、前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して前記基地局と通信を行う通信制御手段と、を備え、前記通信制御手段は、前記情報に基づく前記基地局と当該通信端末との相対位置、および、当該通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定する、通信端末。
【0187】
(付記2)
前記通信制御手段は、前記基地局と当該通信端末との相対位置、および、当該通信端末の移動速度が少なくとも入力され、前記第2の指向性を出力するように学習された学習モデルを用いて、前記第2の指向性を決定する、付記1に記載の通信端末。
【0188】
(付記3)
前記通信制御手段は、前記基地局と当該通信端末との相対位置、当該通信端末の移動速度、および、場所ごとの電波状況を示す電波マップに基づいて、前記第2の指向性を決定する、付記1に記載の通信端末。
【0189】
(付記4)
当該通信端末の所定の時間後の移動先を推測する推測手段をさらに備え、前記通信制御手段は、前記電波マップを参照し、前記推測手段が推測した移動先の電波状況に基づいて、前記所定の時間後の前記第2の指向性を決定する、付記3に記載の通信端末。
【0190】
(付記5)
前記電波マップは、当該通信端末の電波状況と、当該通信端末とは異なる1または複数の他の通信端末の電波状況とが反映された電波マップである、付記3または4に記載の通信端末。
【0191】
(付記6)
前記通信制御手段は、前記基地局と当該通信端末との相対位置、および、当該通信端末の移動速度に基づいて、前記通信の通信方式を決定する、付記1~4のいずれか一項に記載の通信端末。
【0192】
(付記7)
指向性を制御可能なアンテナ部を備える通信端末から、前記通信端末が当該基地局と通信している場合における前記アンテナ部の第1の指向性、前記通信端末の位置、および前記通信端末の移動速度を示す情報を取得する情報取得手段と、前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して当該基地局と通信を行うよう前記通信端末に指示する指示手段と、を備え、前記指示手段は、前記情報に基づく当該基地局と前記通信端末との相対位置、および、前記通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定する、基地局。
【0193】
(付記8)
前記指示手段は、前記第1の指向性、当該基地局と前記通信端末との相対位置、および、前記通信端末の移動速度が少なくとも入力され、前記第2の指向性を出力するように学習された学習モデルを用いて、前記第2の指向性を決定する、付記7に記載の基地局。
【0194】
(付記9)
前記指示手段は、前記第1の指向性、当該基地局と前記通信端末との相対位置、前記通信端末の移動速度、および、場所ごとの電波状況を示す電波マップに基づいて、前記第2の指向性を決定する、付記7に記載の基地局。
【0195】
(付記10)
前記情報に基づく当該基地局と当該通信端末との相対位置、および、前記通信端末の移動速度に基づいて、前記通信の通信方式を決定する通信制御手段、をさらに備える、付記7から9の何れか1項に記載の基地局。
【0196】
(付記11)
電波マップを更新する更新手段をさらに備え、前記情報取得手段はさらに、前記通信端末から当該通信端末の位置と受信電力とを示す情報を取得し、前記更新手段は、前記通信端末の位置と受信電力とを示す情報に基づいて電波マップを更新する、付記7または8に記載の基地局。
【0197】
(付記12)
通信端末と基地局とを備える通信システムであって、前記通信端末は、指向性を制御可能なアンテナ部と、前記アンテナ部の指向性を第1の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して基地局から前記基地局の位置を示す情報を取得する情報取得手段と、前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して前記基地局と通信を行う通信制御手段と、を備え、前記通信制御手段は、前記情報に基づく前記基地局と当該通信端末との相対位置、および、当該通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定し、前記基地局は、当該基地局の位置を示す情報を前記通信端末に出力する情報出力手段を備える、通信システム。
【0198】
(付記13)
通信端末と基地局とを備える通信システムであって、前記通信端末は、指向性を制御可能なアンテナ部と、当該通信端末が前記基地局と通信している場合における前記アンテナ部の第1の指向性、当該通信端末の位置、および当該通信端末の移動速度を示す情報を前記基地局に出力する情報出力手段と、前記基地局からの指示を受け付ける受付手段と、前記指示に従って前記アンテナ部の指向性を制御し、前記アンテナ部を介して前記基地局と通信を行う通信制御手段と、を備え、前記基地局は、前記通信端末から、前記情報を取得する情報取得手段と、前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して当該基地局と通信を行うよう前記通信端末に指示する指示手段と、を備え、前記指示手段は、前記情報に基づく当該基地局と前記通信端末との相対位置、および、前記通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定する、通信システム。
【0199】
(付記14)
指向性を制御可能なアンテナ部を備える通信端末が、前記アンテナ部の指向性を第1の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して基地局から前記基地局の位置を示す情報を取得することと、前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して前記基地局と通信を行うことと、を含み、前記通信を行うことにおいて、前記情報に基づく前記基地局と当該通信端末との相対位置、および、当該通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定する、通信制御方法。
【0200】
(付記15)
コンピュータに、アンテナ部の指向性を第1の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して基地局から前記基地局の位置を示す情報を取得する情報取得処理と、前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して前記基地局と通信を行う通信制御処理と、を実行させ、前記通信制御処理において、前記情報に基づく前記基地局と当該通信端末との相対位置、および、当該通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定する、プログラム。
【0201】
(付記16)
基地局が、指向性を制御可能なアンテナ部を備える通信端末から、前記通信端末が当該基地局と通信している場合における前記アンテナ部の第1の指向性、前記通信端末の位置、および前記通信端末の移動速度を示す情報を取得することと、前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して当該基地局と通信を行うよう前記通信端末に指示することと、を含み、前記指示することにおいて、前記情報に基づく当該基地局と前記通信端末との相対位置、および、前記通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定する、通信制御方法。
【0202】
(付記17)
コンピュータに、指向性を制御可能なアンテナ部を備える通信端末から、前記通信端末が当該基地局と通信している場合における前記アンテナ部の第1の指向性、前記通信端末の位置、および前記通信端末の移動速度を示す情報を取得する情報取得処理と、前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して当該基地局と通信を行うよう前記通信端末に指示する指示処理と、を実行させ、前記指示処理において、前記情報に基づく当該基地局と前記通信端末との相対位置、および、前記通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定する、プログラム。
【0203】
(付記18)
通信端末と基地局とを備える通信システムが実行する通信制御方法であって、前記基地局が、当該基地局の位置を示す情報を前記通信端末に出力することと、指向性を制御可能なアンテナ部を備える前記通信端末が、前記アンテナ部の指向性を第1の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して基地局から前記基地局の位置を示す情報を取得することと、前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して前記基地局と通信を行うことと、を含み、前記前記基地局と通信を行うことにおいて、前記情報に基づく前記基地局と当該通信端末との相対位置、および、当該通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定する、通信制御方法。
【0204】
(付記19)
通信端末と基地局とを備える通信システムが実行する通信制御方法であって、指向性を制御可能なアンテナ部を備える前記通信端末が、当該通信端末が前記基地局と通信している場合における前記アンテナ部の第1の指向性、当該通信端末の位置、および当該通信端末の移動速度を示す情報を前記基地局に出力することと、前記基地局が、前記通信端末から、前記情報を取得することと、前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して当該基地局と通信を行うよう前記通信端末に指示することと、前記通信端末が、前記基地局からの指示を受け付けることと、前記指示に従って前記アンテナ部の指向性を制御し、前記アンテナ部を介して前記基地局と通信を行うことと、を含み、前記指示することにおいて、前記情報に基づく当該基地局と前記通信端末との相対位置、および、前記通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定する、通信制御方法。
【0205】
〔付記事項2〕
本開示には、以下の各付記に記載の技術が含まれる。ただし、本発明は、以下の各付記に記載の技術に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。
【0206】
(付記1)
指向性を制御可能なアンテナ部と、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記アンテナ部の指向性を第1の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して基地局から前記基地局の位置を示す情報を取得する情報取得処理と、前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して前記基地局と通信を行う通信制御処理と、を実行し、前記通信制御処理において、前記情報に基づく前記基地局と当該通信端末との相対位置、および、当該通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定する、通信端末。
【0207】
(付記2)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記通信制御処理において、前記基地局と当該通信端末との相対位置、および、当該通信端末の移動速度が少なくとも入力され、前記第2の指向性を出力するように学習された学習モデルを用いて、前記第2の指向性を決定する、付記1に記載の通信端末。
【0208】
(付記3)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記通信制御処理において、前記基地局と当該通信端末との相対位置、当該通信端末の移動速度、および、場所ごとの電波状況を示す電波マップに基づいて、前記第2の指向性を決定する、付記1に記載の通信端末。
【0209】
(付記4)
前記少なくとも1つのプロセッサは、当該通信端末の所定の時間後の移動先を推測する推測処理をさらに実行し、前記通信制御処理において、前記電波マップを参照し、前記推測手段が推測した移動先の電波状況に基づいて、前記所定の時間後の前記第2の指向性を決定する、付記3に記載の通信端末。
【0210】
(付記5)
前記電波マップは、当該通信端末の電波状況と、当該通信端末とは異なる1または複数の他の通信端末の電波状況とが反映された電波マップである、付記3または4に記載の通信端末。
【0211】
(付記6)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記通信制御処理において、前記基地局と当該通信端末との相対位置、および、当該通信端末の移動速度に基づいて、前記通信の通信方式を決定する、付記1~4のいずれか一項に記載の通信端末。
【0212】
(付記7)
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記少なくとも1つのプロセッサは、指向性を制御可能なアンテナ部を備える通信端末から、前記通信端末が当該基地局と通信している場合における前記アンテナ部の第1の指向性、前記通信端末の位置、および前記通信端末の移動速度を示す情報を取得する情報取得処理と、前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して当該基地局と通信を行うよう前記通信端末に指示する指示処理と、を実行し、前記指示処理において、前記情報に基づく当該基地局と前記通信端末との相対位置、および、前記通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定する、基地局。
【0213】
(付記8)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記指示処理において、前記第1の指向性、当該基地局と前記通信端末との相対位置、および、前記通信端末の移動速度が少なくとも入力され、前記第2の指向性を出力するように学習された学習モデルを用いて、前記第2の指向性を決定する、付記7に記載の基地局。
【0214】
(付記9)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記指示処理において、前記第1の指向性、当該基地局と前記通信端末との相対位置、前記通信端末の移動速度、および、場所ごとの電波状況を示す電波マップに基づいて、前記第2の指向性を決定する、付記7に記載の基地局。
【0215】
(付記10)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記情報に基づく当該基地局と当該通信端末との相対位置、および、前記通信端末の移動速度に基づいて、前記通信の通信方式を決定する通信制御処理、をさらに実行する、付記7から9の何れかに記載の基地局。
【0216】
(付記11)
前記少なくとも1つのプロセッサは、電波マップを更新する更新処理をさらに実行し、前記情報取得処理においてさらに、前記通信端末から当該通信端末の位置と受信電力とを示す情報を取得し、前記更新処理において、前記通信端末の位置と受信電力とを示す情報に基づいて電波マップを更新する、付記7から9の何れかに記載の基地局。
【0217】
(付記12)
通信端末と基地局とを備える通信システムであって、前記通信端末は、指向性を制御可能なアンテナ部と、少なくとも1つのプロセッサとを備え、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記アンテナ部の指向性を第1の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して基地局から前記基地局の位置を示す情報を取得する情報取得処理と、前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して前記基地局と通信を行う通信制御処理と、を実行し、前記通信制御処理において、前記情報に基づく前記基地局と当該通信端末との相対位置、および、当該通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定し、前記基地局は、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記少なくとも1つのプロセッサは、当該基地局の位置を示す情報を前記通信端末に出力する情報出力処理を実行する、通信システム。
【0218】
(付記13)
通信端末と基地局とを備える通信システムであって、前記通信端末は、指向性を制御可能なアンテナ部と、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記少なくとも1つのプロセッサは、当該通信端末が前記基地局と通信している場合における前記アンテナ部の第1の指向性、当該通信端末の位置、および当該通信端末の移動速度を示す情報を前記基地局に出力する情報出力処理と、前記基地局からの指示を受け付ける受付処理と、前記指示に従って前記アンテナ部の指向性を制御し、前記アンテナ部を介して前記基地局と通信を行う通信制御処理と、を実行し、前記基地局は、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記通信端末から、前記情報を取得する情報取得処理と、前記アンテナ部の指向性を前記第1の指向性よりも狭い第2の指向性に制御して、前記アンテナ部を介して当該基地局と通信を行うよう前記通信端末に指示する指示処理と、を実行し、前記指示処理において、前記情報に基づく当該基地局と前記通信端末との相対位置、および、前記通信端末の移動速度に基づいて前記第2の指向性を決定する、通信システム。
【符号の説明】
【0219】
1、3、3A、5、5A 通信端末
2、4、4A、6、6A 基地局
11、31、45、51、67 アンテナ部
12、21、32、32A、61、61A 情報取得部
22、62、62A 指示部
34、64 推測部
35、43、65 更新部
36 出力部
37、44、57、66 制御部
38、46、58、68 記憶部
41、41A、52、52A 情報出力部
53、53A 受付部
100、110、200、210 通信システム

図1
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