(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025630
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】物品取付具、物品取付セット、スマートフォンケース及び物品の取付け方法
(51)【国際特許分類】
A45C 13/10 20060101AFI20250214BHJP
A45C 11/00 20060101ALI20250214BHJP
H04M 1/11 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
A45C13/10 Z
A45C11/00 E
H04M1/11 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130545
(22)【出願日】2023-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】519126332
【氏名又は名称】株式会社はちみつクリエイト
(74)【代理人】
【識別番号】100139996
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 洋子
(72)【発明者】
【氏名】田中 義之
【テーマコード(参考)】
3B045
5K023
【Fターム(参考)】
3B045BA26
3B045CE07
3B045DA22
3B045DA31
3B045DA44
3B045DA45
5K023AA07
5K023MM03
5K023MM25
5K023PP02
5K023PP12
(57)【要約】
【課題】 物品と、スマートフォンとを一体的に持ち運ぶことのできる物品取付具、物品取付セット及び物品取付具を備えるスマートフォンケース、並びに物品の取付け方法を提供すること。
【解決手段】
スマートフォンの背面部を被覆するスマートフォンケースの外面部に物品を取り付けるための物品取付具であり、上記物品取付具は、一方の面が、上記スマートフォンケースの外面部に配置される板状の本体部と、当該本体部の他方の面に設けられる複数の留め具と、を備え、上記複数の留め具は、n行n列(nは2以上の自然数)で隣り合う留め具同士の間隔が等しくなるように設けられ、上記複数の留め具が、当該複数の留め具に対応するよう物品に設けられる他の複数の留め具に留められることにより、スマートフォンケースの外面部に物品が取り付けられる、物品取付具。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマートフォンの背面部を被覆するスマートフォンケースの外面部に物品を取り付けるための物品取付具であり、
上記物品取付具は、
一方の面が、上記スマートフォンケースの外面部に配置される板状の本体部と、
当該本体部の他方の面に設けられる複数の留め具と、を備え、
上記複数の留め具は、n行n列(nは2以上の自然数)で隣り合う留め具同士の間隔が等しくなるように設けられ、
上記複数の留め具が、当該複数の留め具に対応するよう物品に設けられる他の複数の留め具に留められることにより、スマートフォンケースの外面部に物品が取り付けられる、物品取付具。
【請求項2】
スマートフォンの背面部を被覆するスマートフォンケースの外面部に物品を取り付けるための物品取付セットであって、
上記物品取付セットは、
一方の面が、上記スマートフォンケースの外面部に取り外し可能に配置される板状の本体部と、当該本体部の他方の面に設けられる複数の留め具と、を備える物品取付具と、
上記複数の留め具に対応するよう物品に設けられる他の複数の留め具と、を備え、
上記複数の留め具は、n行n列(nは2以上の自然数)で隣り合う留め具同士の間隔が等しくなるように設けられ、
上記複数の留め具が、上記他の複数の留め具に留められることにより、スマートフォンケースの外面部に物品が取り付けられる、物品取付セット。
【請求項3】
スマートフォンの背面部を被覆するスマートフォンケースであって、
上記スマートフォンケースは、スマートフォンケースの外面部に物品を取り付けるための物品取付具を備え、
上記物品取付具は、
一方の面が、上記スマートフォンケースの外面部に取り外し可能に配置される板状の本体部と、
上記本体部の他方の面に設けられる複数の留め具と、を備え、
上記複数の留め具は、n行n列(nは2以上の自然数)で隣り合う留め具同士の間隔が等しくなるように設けられ、
上記複数の留め具が、当該複数の留め具に対応するよう物品に設けられる他の複数の留め具に留められることにより、スマートフォンケースの外面部に物品が取り付けられる、スマートフォンケース。
【請求項4】
スマートフォンの背面部を被覆するスマートフォンケースに物品を取り付ける方法であって、
上記スマートフォンケースの外面部に、他方の面に複数の留め具が設けられた板状の物品取付具の一方の面を取り外し可能に配置するステップと、
上記複数の留め具に対応するよう物品に設けられた他の複数の留め具に、上記複数の留め具を留めるステップと、を備え、
上記複数の留め具は、n行n列(nは2以上の自然数)となるように設けられる、スマートフォンケースへの物品の取付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォンの背面部を被覆するスマートフォンケースに着脱可能に物品を取付けることのできる物品取付具、物品取付セット及び物品取付具を備えるスマートフォンケース、並びに物品の取付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォンの保護、携帯性・運搬性・機能性の向上または見栄え向上のために種々のスマートフォンケースが提供されている。例えば、定期券、クレジットカードまたは名刺を収納できる手帳のような見開きタイプのものや、ストラップを取付けることのできるもの等が挙げられる。
【0003】
特許文献1には、スマートフォンや手帳などの携帯可能物を、布などの固定対象物に固定する手段において、磁石につく金属を取り付けた該携帯可能物と、該固定対象物に取り付け可能な固定具から成り、該固定具は該携帯可能物と該固定対象物の間に形成される第1の部分、および固定対象物の外側に形成される第2の部分より構成され、該第1の部分または該第2の部分が磁石により構成され、該磁石の磁力により、該固定具と該固定対象物、および該固定具と該携帯可能物を固定させる固定具が開示されている。
【0004】
特許文献2には、スマートフォンを取り付けるベース部及びベース部に取り付けたスマートフォンを覆うカバー部を有するケース基材を、スマートフォンの機種に応じて製造する工程と、製造されたケース基材を、スマートフォンの機種に応じて作製されたカメラ穴の打抜型を用いて打ち抜くことで、ケース基材にカメラ穴を形成する工程と、カメラ穴が形成されたケース基材のベース部にスマートフォンを保持する保持部材を取り付ける工程とを備えていることを特徴とする手帳型スマートフォンケースの製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-19735号公報
【特許文献2】特開2022-24512号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電子マネー機能付き定期券、クレジットカード、キャッシュカード等をスマートフォンケースに収納して持ち歩くユーザは、増加傾向にある。しかし、スマートフォンケースに収納できるカード数は少ない。また、一般的なスマートフォンケースの容量は小さく、カード類に加え、紙幣及び硬貨をスマートフォンケースに収納することは難しい。そのため、カードケースや財布といった物品と、スマートフォンとは、別々に持ち歩くことが一般的である。
【0007】
特許文献1に開示されたものは、スマートフォンや手帳などの携帯可能物が、布等の固定対象物から落下することを防止するものである。また、特許文献2に開示されたものは、手帳型のスマートフォンケースである。
即ち、特許文献1及び2に開示されたものは、カードケースや財布といった物品と、スマートフォンとを一体的に持ち運びできるようにすることを想定したものではない。また、特許文献1及び2には、そのような思想や発想は、開示されていない。
【0008】
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、カードケースや財布といった物品と、スマートフォンとを一体的に持ち運ぶことのできる物品取付具、物品取付セット及び物品取付具を備えるスマートフォンケース、並びに物品の取付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の構成を有する。
【0010】
(1)スマートフォンの背面部を被覆するスマートフォンケースの外面部に物品を取り付けるための物品取付具であり、上記物品取付具は、一方の面が、上記スマートフォンケースの外面部に配置される板状の本体部と、当該本体部の他方の面に設けられる複数の留め具と、を備え、上記複数の留め具は、n行n列(nは2以上の自然数)で隣り合う留め具同士の間隔が等しくなるように設けられ、上記複数の留め具が、当該複数の留め具に対応するよう物品に設けられる他の複数の留め具に留められることにより、スマートフォンケースの外面部に物品が取り付けられる、物品取付具。
【0011】
(2)スマートフォンの背面部を被覆するスマートフォンケースの外面部に物品を取り付けるための物品取付セットであって、上記物品取付セットは、一方の面が、上記スマートフォンケースの外面部に取り外し可能に配置される板状の本体部と、当該本体部の他方の面に設けられる複数の留め具と、を備える物品取付具と、上記複数の留め具に対応するよう物品に設けられる他の複数の留め具と、を備え、上記複数の留め具は、n行n列(nは2以上の自然数)で隣り合う留め具同士の間隔が等しくなるように設けられ、上記複数の留め具が、上記他の複数の留め具に留められることにより、スマートフォンケースの外面部に物品が取り付けられる、物品取付セット。
【0012】
(3)スマートフォンの背面部を被覆するスマートフォンケースであって、上記スマートフォンケースは、スマートフォンケースの外面部に物品を取り付けるための物品取付具を備え、上記物品取付具は、一方の面が、上記スマートフォンケースの外面部に取り外し可能に配置される板状の本体部と、上記本体部の他方の面に設けられる複数の留め具と、を備え、上記複数の留め具は、n行n列(nは2以上の自然数)で隣り合う留め具同士の間隔が等しくなるように設けられ、上記複数の留め具が、当該複数の留め具に対応するよう物品に設けられる他の複数の留め具に留められることにより、スマートフォンケースの外面部に物品が取り付けられる、スマートフォンケース。
【0013】
(4)スマートフォンの背面部を被覆するスマートフォンケースに物品を取り付ける方法であって、上記スマートフォンケースの外面部に、他方の面に複数の留め具が設けられた板状の物品取付具の一方の面を取り外し可能に配置するステップと、上記複数の留め具に対応するよう物品に設けられた他の複数の留め具に、上記複数の留め具を留めるステップと、を備え、上記複数の留め具は、n行n列(nは2以上の自然数)となるように設けられる、スマートフォンケースへの物品の取付け方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、カードケースや財布等の物品と、スマートフォンとを容易に一体的に持ち運ぶことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1の実施形態に係わる物品取付具を模式的に示す正面図である。
【
図2】第1の実施形態に係わり、
図2(a)は、物品取付具を模式的に示す右側面図であり、
図2(b)は、物品取付具を模式的に示す左側面図である。
【
図3】第1の実施形態に係わり、スマートフォンケースに物品取付具を配置した状態を示す正面図である。
【
図4】第1の実施形態に係わり、他の複数の留め具を有する物品を模式的に示す正面図である。
【
図5】第1の実施形態に係わり、スマートフォンケースを装着したスマートフォンに物品取付具を介して物品を取付けた状態を模式的に示す正面図である。
【
図6】第1の実施形態に係わり、
図6(a)は、スマートフォンケースを装着したスマートフォンに物品取付具を介して物品を取付けた状態を模式的に示す右側面図であり、
図6(b)は、スマートフォンケースを装着したスマートフォンに物品取付具を介して物品を取付けた状態を模式的に示す左側面図である。
【
図7】第2の実施形態に係わり、
図7(a)は、他の複数の留め具を備える基台部を模式的に示す正面図であり、
図7(b)は、基台部を模式的に示す右側面図であり、
図7(c)は、基台部を模式的に示す左側面図であり、
図7(d)は、基台部を備える物品を模式的に示す正面図である。
【
図8】第2の実施形態に係わり、スマートフォンケースを装着したスマートフォンに物品取付具を介して物品を取付けた状態を模式的に示す正面図である。
【
図9】第2の実施形態に係わり、
図9(a)は、スマートフォンケースを装着したスマートフォンに物品取付具を介して物品を取付けた状態を模式的に示す右側面図であり、
図9(b)は、スマートフォンケースを装着したスマートフォンに物品取付具を介して物品を取付けた状態を模式的に示す左側面図である。
【
図10】第3の実施形態に係わり、
図10(a)は、物品取付具を模式的に示す正面図であり、
図10(b)は、バンドを通した状態の物品取付具を模式的に示す平面図であり、
図10(c)は、スマートフォンケースに物品取付具を取り付けた状態を模式的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態につき、図を参照して説明する。
【0017】
1.第1の実施形態
【0018】
(物品取付具の構成)
本実施形態の物品取付具(以下「取付具」)10は、スマートフォン20の少なくとも背面部を被覆するスマートフォンケース(以下「ケース」)30の外面部30aへの物品40の取付けに用いられるものである。取付具10は、板状の本体部120と、本体部120の他方の面(正面部)120aに設けられる留め具162a,162b,162c,162dとを有する。
図1から
図3は、取付具10の正面部120aを正面とする正面図、右側面図及び左側面図である。
【0019】
(本体部の構成)
本体部120の形状は、正面視四角形状(四角板状)である。また、本体部120は、樹脂からなる。
本体部120の正面視の大きさは、ケース30の外面部30aからはみ出さない範囲で調整される。例えば、本体部120の長辺を3cm以上7cm以下、3cm以上6cm以下とし、本体部120の短辺を2.5cm以上6cm以下、2.5cm以上5cm以下とすることができる。ただし、上記長辺及び短辺は、上記範囲に限定されるものではない。また、本体部120の厚みは、例えば、0.1mm以上5mm以下、0.5mm以上3mm以下、1mm以上2mm以下とすることができる。ただし、上記厚みは、上記範囲に限定されるものではない。
本体部120の正面部120aには、留め具162a,162b,162c,162dが設けられている。
また、本体部120の他方の面(背面部)120bには、背面部120bをケース30の外面部30aに配置(接着)するための接着層(両面接着テープ片122)が設けられている。なお、両面接着テープ片122の粘着力は、留め具162a,162b,162c,162dを他の留め具164a,164b,164c,164dから外す際には、取付具10がケース30から脱離せず、且つ、一定以上の力で取付具10をケース30から外方に引っ張った際には、取付具10がケース30から離脱する程度に調整することが好ましい。
【0020】
(留め具の構成)
留め具162a,162b,162c,162dは、金属製のスナップボタンの凸状パーツであり、2列2行となるように、本体部120の背面部120bに設けられる。
列方向及び行方向に隣り合う各留め具同士の間隔S1、即ち、留め具162aと162bの間隔、留め具162cと162dの間隔、留め具162aと162cの間隔及び留め具162bと162dの間隔は、等しい。また、間隔S1は、0.5cm以上1.5cm以下である。ただし、間隔S1は、上記範囲に限定されるものではない。また、留め具162a,162b,162c,162dの大きさは、特に限定されず、例えば、直径(Φ1)0.5cm以上2cm以下、0.5cm以上1cm以下とすることができる。ただし、上記大きさは、これに限定されるものではない。
留め具162a,162b,162c,162dは、物品40に設けられる他の留め具164a、164b,164c,164dに夫々留められるよう構成されている。
留め具162a,162b,162c,162dは、例えば、接着剤からなる接着層(図示せず)を介して、またはプライヤー等の道具を用いることにより、本体部120の背面部120bに設けられる。ただし、背面部120bに留め具162a,162b,162c,162dを設ける方法は、これに限定されるものではない。
【0021】
(物品の構成)
物品40は、ケース30に取り付けることのできる小物類、例えば、少なくとも一部が平坦状であるカードケース、小銭入れ、たばこケース、または財布等である。物品40の平坦部42の表面部42aには、留め具162a,162b,162c,162dに対応する、他の留め具164a、164b,164c,164dが設けられている。
図4は、表面部42aを正面とする正面図である。
取付具10を介してケース30に物品40を取り付けた際の外観を考慮すると、物品40の大きさは、取付具10よりも大きいことが望ましい。
【0022】
(他の留め具の構成)
他の留め具164a、164b,164c,164dは、金属製のスナップボタンの凹状パーツであり、留め具162a,162b,162c,162dに対応するように、物品40の表面部42aに設けられる。具体的には、他の留め具164a、164b,164c,164dは、2列2行となるように、且つ、行方向及び列方向に隣り合う各他の留め具同士の間隔S2、即ち、他の留め具164aと164bの間隔、他の留め具164cと164dの間隔、他の留め具164aと164cの間隔及び留め具164bと164dの間隔が、上述した隣り合う留め具同士の間隔S1と同じとなるように調整される。
他の留め具164a、164b,164c,164dの大きさは、留め具162a,162b,162c,162dと同等であることが望ましく、直径(Φ2)0.5cm以上2cm以下、0.5cm以上1cm以下とすることができる。
他の留め具164a、164b,164c,164dは、例えば、接着剤からなる接着層(図示せず)を介して、またはプライヤー等の道具を用いることにより、物品40の表面部42aに設けられる。ただし、表面部42aに他の留め具164a、164b,164c,164dを設ける方法は、これに限定されるものではない。
【0023】
(物品取付具の機能・作用)
本体部120の背面部120bがケース30の外面部30aに接着され、また、留め具162a,162b,162c,162dが、物品40の他の留め具164a、164b,164c,164dに夫々留められることにより、物品40は、取付具10を介してケース30に取り付けられる。
また、留め具162a,162b,162c,162dが、他の留め具164a、164b,164c,164dから外されると、物品40は、ケース30から取り外される。なお、両面接着テープ片122の粘着力を調整することで、取付具10を一定以上の力でケース30から外方に引っ張った場合に、取付具10をケース30から取り外すことができる。
【0024】
(物品取付セットの構成・機能・作用)
本実施形態の物品取付具セットは、取付具10と、物品40に設けられる他の留め具164a、164b,164c,164dとを備える。取付具10、物品40及び他の留め具164a、164b,164c,164dの構成・機能・作用は、上述した夫々の構成・機能・作用と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0025】
(スマートフォンケースの構成・機能)
本実施形態のケースは、取付具10を備えるケース30である(
図3参照)。ケース30は、例えば、樹脂製である。取付具10は、本体部120の背面部120bに設けられた両面接着テープ片122を介して、ケース30の外面部30aに取り付けられる。取付具10及びケース30の構成・機能・作用は、上述した夫々の構成・機能・作用と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0026】
(物品の取付方法)
以下、取付具10を用いて、ケース30に物品40を取り付ける方法を説明する。
【0027】
取付具10をケース30に取り付ける。具体的には、取付具10の本体部120の背面部120bを、ケース30の外面部30aの所望の位置に、両面接着テープ片122を介して接着する。
【0028】
次に、取付具10の本体部120に設けられている留め具162a,162b,162c,162dを、物品40に設けられている他の留め具164a、164b,164c,164dに夫々留める。具体的には、留め具162aに他の留め具164aを、留め具162bに他の留め具164bを、留め具162cに他の留め具164cを、留め具162dに他の留め具164dを夫々留める。これにより、物品40は、取付具10を介してケース30に取り付けられる。
そして、物品40が取り付けられたケース30が、スマートフォン20に装着されると、物品40がスマートフォン20に取り付けられた状態となる(
図5及び
図6参照。
図5及び
図6は、ケース30の外面部30aを正面とする正面図、右側面図及び左側面図である)。なお、スマートフォン20を予めケース30に装着しておいてもよい。
【0029】
なお、スマートフォン20(ケース30)から物品40を外したい場合は、留め具162a,162b,162c,162dを、他の留め具164a、164b,164c,164dから外せばよい。
【0030】
再度、物品40をスマートフォン20(ケース30)に取り付ける場合は、上述した処理、即ち、留め具162a,162b,162c,162dを、他の留め具164a、164b,164c,164dに夫々留めればよい。
なお、先に留め具162a,162b,162c,162dを、他の留め具164a、164b,164c,164dに夫々留め、次いで(物品40が取り付けられた)取付具10をケース30に取り付けてもよい。
【0031】
(効果)
上記実施形態によれば、取付具10の本体部120の背面部120bをカバー30に接着し、また、本体部120の正面部120aに設けられる留め具162a,162b,162c,162dを、物品40に設けられる他の留め具164a、164b,164c,164dに留めるだけで、取付具10を介して、カバー30に物品40を取り付けることができる。また、カバー30をスマートフォン20に装着すれば、スマートフォン20と物品40とを安定的に一緒に持ち運ぶことができる。また、他の留め具164a、164b,164c,164dから留め具162a,162b,162c,162dを外せば、容易にスマートフォン20(ケース30)から物品40を取り外すことができる。
なお、留め具162a,162b,162c,162dは、行方向及び列方向に隣り合う各留め具同士の間隔S1が等しくなるよう設けられるため、スマートフォン20及び物品40の持ち運びに際し、留め具162a,162b,162c,162dは、他の留め具164a、164b,164c,164dから外れにくくなる。
【0032】
また、上記実施形態によれば、物品40以外の物品に設けられる他の留め具に留め具162a,162b,162c,162dを留めることにより、スマートフォン20(ケース30)に他の物品を容易に取り付けることができる。即ち、ケース30を交換せずとも、スマートフォン20(ケース30)に様々な物品を取り付けることができる。
【0033】
また、上記実施形態によれば、スマートフォン20(ケース30)に物品40を取り付けた状態では、取付具10の本体部120の正面部120aは、物品40で隠れ、且つ、本体部120の背面部120bは、スマートフォン20で隠れる。そのため、取付具10は、スマートフォン20側からも物品40側からも視認されず、全体の見栄えを向上させることができる。
【0034】
また、取付具10は、本体部120の背面部120bに設けられる両面接着テープ片122の粘着力を調整することにより、一定以上の力で取付具10をケース30から外方に引っ張った際、取付具10をケース30から離脱させることができる。この場合、例えば、ケース30から離脱させた取付具10の本体部120の背面部120bに別の両面接着テープ片を設けることにより、ケース30以外のケースに取付具10を取り付けることが可能となる。これにより、例えば、ケースが破損したり、スマートフォンの買い替えにより使用するケースのサイズが変わった場合にも、容易に他のケースに取付具10を取り付けることができる。即ち、取付具10を取り付けるケースの取り換えを容易に行うことができる。
【0035】
2.第2の実施形態
次に、第2の実施形態について、
図7から
図9を用いて説明する。なお、第2の実施形態において、構成及び機能が第1の実施形態と同じである要素については、第1の実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0036】
(物品取付具の構成)
本実施形態の取付具10は、板状の本体部120と、本体部120の正面部120aに設けられる留め具162a,162b,162c,162dとを有する。
【0037】
(留め具の構成)
留め具162a,162b,162c,162dは、物品50に設けられる他の留め具166a、166b,166c,166dに夫々留められるよう構成されている。
【0038】
(物品の構成)
物品50は、ケース30に取り付けることのできる小物類、例えば、少なくとも一部が平坦状であるカードケース、小銭入れ、たばこケース、または財布等である。物品50の平坦部52の表面部52aには、基台部54が設けられる。
取付具10を介してケース30に物品50を取り付けた際の外観を考慮すると、物品50の大きさは、取付具10よりも大きいことが望ましい。
【0039】
(基台部)
基台部54の形状は、正面視四角状(四角板状)である。また、基台部54は、合成皮革からなる。なお、
図7は、基台部54の正面部54aを正面とする正面図、右側面図及び左側面図である。
基台部54の正面視の大きさは、物品50からはみ出さない範囲で調整される。例えば、基台部54の長辺を3cm以上7cm以下、3cm以上6cm以下とし、基台部54の短辺を2.5cm以上6cm以下、2.5cm以上5cm以下とすることができる。ただし、上記長辺及び短辺は、上記範囲に限定されるものではない。また、基台部54の厚みは、例えば、0.1mm以上5mm以下、0.5mm以上3mm以下、1mm以上2mm以下とすることができる。ただし、上記厚みは、上記範囲に限定されるものではない。
基台部54の正面部54aには、他の留め具166a、166b,166c,166dが設けられている。
また、基台部54は、背面部54bが物品50の平坦部52の表面部52aと接するよう、物品50に取り付けられる。物品50への基台部54の取り付け方法としては、基台部54を物品50の平坦部52に縫い付ける方法等が挙げられる。
【0040】
(他の留め具の構成)
他の留め具166a、166b,166c,166dは、金属製のスナップボタンの凹状パーツであり、留め具162a,162b,162c,162dに対応するように、基台部の正面部54aに設けられる。具体的には、他の留め具166a、166b,166c,166dは、2列2行となるように、且つ、列方向及び行方向に隣り合う隣り合う各他の留め具同士の間隔S3、即ち、他の留め具166aと166bの間隔、他の留め具166cと166dの間隔、他の留め具166aと166cの間隔及び留め具164bと164dの間隔が、上述した間隔S1と同じとなるように調整される。
他の留め具166a、166b,166c,166dの大きさは、留め具162a,162b,162c,162dと同等であることが望ましく、直径(Φ2)0.5cm以上2cm以下、0.5cm以上1cm以下とすることができる。
他の留め具166a、166b,166c,166dは、例えば、接着剤からなる接着層(図示せず)を介して、またはプライヤー等の道具を用いることにより、基台部54の正面部54aに設けられる。ただし、正面部54aに他の留め具166a、166b,166c,166dを設ける方法は、これらの方法に限定されるものではない。
【0041】
(物品取付具の機能・作用)
本体部120の背面部120bがケース30の外面部30aに接着され、また、留め具162a,162b,162c,162dが、物品50に設けられる基台部54の他の留め具166a、166b,166c,166dに夫々留められることにより、物品50は、取付具10を介してケース30に取り付けられる。
また、留め具162a,162b,162c,162dが、他の留め具166a、166b,166c,166dから外されると、物品50は、ケース30から取り外される。なお、両面接着テープ片122の粘着力を調整することで、取付具10を一定以上の力でケース30から外方に引っ張った場合に、取付具10をケース30から取り外すことができる。
【0042】
(物品取付セットの構成・機能・作用)
本実施形態の物品取付具セットは、取付具10と、物品50に設けられる基台部54の他の留め具166a、166b,166c,166dとを備える。取付具10、物品50及び他の留め具166a、166b,166c,166dの構成・機能・作用は、上述した夫々の構成・機能・作用と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0043】
(物品の取付方法)
以下、取付具10を用いて、ケース30の外面部30aに物品50を取り付ける方法を説明する。
【0044】
取付具10をケース30に取り付ける。具体的には、取付具10の本体部120の背面部120bを、ケース30の外面部30aの所望の位置に、接着剤からなる接着層を介して接着する。
【0045】
次に、基台部54を物品50に設ける。具体的には、基台部54を、物品50の平坦部52の表面部52aの所望の位置に縫い付ける。
【0046】
次に、取付具10の本体部120に設けられている留め具162a,162b,162c,162dを、基台部54に設けられている他の留め具166a、166b,166c,166dに夫々留める。具体的には、留め具162aに他の留め具166aを、留め具162bに他の留め具166bを、留め具162cに他の留め具166cを、留め具162dに他の留め具166dを夫々留める。 これにより、物品50は、取付具10を介してケース30に取り付けられる。
そして、物品50が取り付けられたケース30が、スマートフォン20に装着されると、スマートフォン20に物品50を取り付けた状態となる(
図8及び
図9参照。
図8及び
図9は、ケース30の外面部30aを正面とする正面図、右側面図及び左側面図である)。なお、スマートフォン20を予めケース30に装着しておいてもよい。
【0047】
なお、スマートフォン20(ケース30)から物品50を外したい場合は、留め具162a,162b,162c,162dを、他の留め具166a、166b,166c,166dから外せばよい。
【0048】
再度、物品50をスマートフォン20(ケース30)に取り付ける場合は、上述した処理、即ち、留め具162a,162b,162c,162dを、他の留め具166a、166b,166c,166dに夫々留めればよい。
なお、先に留め具162a,162b,162c,162dを、他の留め具166a、166b,166c,166dに夫々留め、次いで(物品50が取り付けられた)取付具10をケース30に取り付けてもよい。
【0049】
(効果)
上記実施形態によれば、取付具10の本体部120の背面部120bをカバー30に接着し、また、本体部120の正面部120aに設けられる留め具162a,162b,162c,162dを、物品50の基台部54に設けられる他の留め具166a、166b,166c,166dに留めるだけで、取付具10を介して、カバー30に物品50を取り付けることができる。また、カバー30をスマートフォン20に装着すれば、スマートフォン20と物品50とを安定的に一緒に持ち運ぶことができる。
また、他の留め具166a、166b,166c,166dから留め具162a,162b,162c,162dを外せば、容易にスマートフォン20(ケース30)から物品50を取り外すことができる。
なお、留め具162a,162b,162c,162dは、行方向及び列方向に隣り合う各留め具同士の間隔S1が等しくなるよう設けられるため、スマートフォン20及び物品40の持ち運びに際し、留め具162a,162b,162c,162dは、他の留め具166a、166b,166c,166dから外れにくくなる。
【0050】
また、上記実施形態によれば、物品50以外の物品に設けられた他の留め具に留め具162a,162b,162c,162dを留めることにより、スマートフォン20(ケース30)に他の物品を容易に取り付けることができる。即ち、ケース30を交換せずとも、スマートフォン20(ケース30)に様々な物品を取り付けることができる。
【0051】
また、上記実施形態によれば、スマートフォン20(ケース30)に物品50を取り付けた状態では、取付具10の本体部120の正面部120aは、物品50で隠れ、且つ、本体部120の背面部120bは、スマートフォン20で隠れる。そのため、取付具10は、スマートフォン20側からも物品50側からも視認されず、全体の見栄えを向上させることができる。
【0052】
また、取付具10は、本体部120の背面部120bに設けられる両面接着テープ片122の粘着力を調整することにより、一定以上の力で取付具10をケース30から外方に引っ張った際、取付具10をケース30から離脱させることができる。この場合、例えば、ケース30から離脱させた取付具10の本体部120の背面部120bに別の両面接着テープ片を設けることにより、ケース30以外のケースに取付具10を取り付けることが可能となる。これにより、例えば、ケースが破損したり、スマートフォンの買い替えにより使用するケースのサイズが変わった場合にも、容易に他のケースに取付具10を取り付けることができる。即ち、取付具10を取り付けるケースの取り換えを容易に行うことができる。
【0053】
(第3の実施形態)
また、第3の実施形態として、
図10に示すように、本体部220の両端部にそれぞれ孔部222a,222bを設けた物品取付具20としてもよい。
本体部220は、正面部220aに留め具262a,262b,262c,262dを有し、また、本体部220の正面部220aから背面部220bを貫通する孔部222を有する。なお、本体部220の構成は、孔部222a,222bを有すること及び両面接着テープ片122を有さないこと以外は、本体部120の構成と同じである。また、留め具262a,262b,262c,262dの構成は、留め具162a,162b,162c,162dの構成と同じである。
そして、物品取付具20をケース30に取り付ける方法としては、本体部220の孔部222a,222bに長さ調整機構232を有するバンド230を通し、本体部220の背面部220bがケース30の表面部30aに接するよう(表面部30aに配置されるよう)にして、物品取付具20及びバンド230全体で形成されたリングでケース30を保持する方法を採用できる。
なお、本体部220に設けられる孔部222a,222bの位置、数は、
図10の態様に限定されない。また、バンド230は、孔部222a,222bに通すことができ、また、物品取付具20とリングを形成できるものであればよく、バンド230の材質、長さ、幅、厚み及び形状等は、特に限定されない。また、長さ調整機構232は、バンド230の長さを調整できるものであればよく、その態様は、特に限定されない。
【0054】
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、例えば、以下の変形例とすることも可能である。
【0055】
(物品取付具の変形例)
本体部の形状は、板状であればよく、例えば、正面視で円状、楕円状、多角状または星型状等でもよい。
また、本体部の素材は、背面部をケースの外面部に配置することができ、且つ、正面部に複数の留め具を設けることができるものであれば、樹脂以外でもよい。本体部の素材は、例えば、皮革、合成皮革、金属、木、繊維(布、不織布等)、またはこれらの組み合わせ等ででもよい。
また、ケースの外面部に本体部の背面部を配置する方法として、背面部に接着層を設ける以外の方法を用いてもよい。例えば、複数の留め具のうち、1の留め具と他の留め具との隙間に紐を通し、この紐でケース及び取付具とを保持する方法を用いることができる。なお、本体部の背面部に接着層を設ける方法において、設けられる接着層は、背面部をケースの外面部に接着できるものであれば、両面接着テープ片以外でもよい。
また、複数の留め具は、他の複数の留め具に留められるものであればよく、例えば、マグネット留め具、ハトメ・カシメ等を用いることができる。また、複数の留め具の素材は、金属以外、例えば、プラスチックでもよい。また、本体部の素材によっては、複数の留め具を本体部に縫い付けるようにしてもよい。
また、複数の留め具の数は、4つ以上でもよい。即ち、n列n行(nは、2以上の自然数)となるように設けられればよく、その数は限定されない。
【0056】
(他の複数の留め具の変形例)
他の複数の留め具は、複数の留め具に留められるものであればよく、例えば、マグネット留め具、ハトメ・カシメ等を用いることができる。また、留め具の素材は、金属以外、例えば、プラスチックでもよい。また、物品の素材によっては、他の複数の留め具を物品に縫い付けるようにしてもよい。
また、他の複数の留め具の数は、複数の留め具を他の複数の留め具に留めることができるのであれば、複数の留め具と同数でなくともよい。
【0057】
(ケースの変形例)
ケースの素材は、ケースの外面部に取付具の本体部の背面部を接着(配置)できるのであれば、樹脂以外でもよい。
【0058】
(基台部の変形例)
基台部の形状は、板状であればよく、例えば、正面視で円状、楕円状、多角状または星型状等でもよい。
また、基台部の素材は、正面部に他の複数の留め具を設けることができるものであれば、合成皮革以外でもよい。基台部の素材は、例えば、皮革、樹脂、木、金属、繊維(布、不織布等)、またはこれらの組み合わせ等でもよい。
また、基台部と物品とを接合する方法は、例えば、基台部の背面部に、物品の平坦部の表面部と接着するための接着層(両面接着テープ片)を設ける方法であってもよい。基台部の背面部に設ける両面接着テープ片の粘着力は、複数の留め具を他の複数の留め具から外す際には、取付具がケースから脱離しない程度に調整することが好ましい。また、基台部の背面部に接着層を設ける場合、背面部を物品の平坦部の表面部に接着できるものであれば、両面接着テープ片以外でもよい。なお、この場合、一定以上の力で基台部を物品から外方に引っ張った際、基台部を物品から離脱させるようにしてもよい。これにより、例えば、物品から離脱させた基台部の背面部に別の両面接着テープ片を設けることにより、他の物品に基台部を取り付けることが可能となる。また、基台部を離脱させた物品は、他の留め具がない状態となるため、物品の使い勝手がよくなる。
【符号の説明】
【0059】
10 …スマートフォンケース用物品取付具(取付具)
20 …スマートフォン
20a …背面部
30 …スマートフォンケース(ケース)
30a …外面部
40,50 …物品
120 …本体部