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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025651
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 21/35 20060101AFI20250214BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20250214BHJP
   F21V 21/34 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
F21V21/35
F21S2/00 230
F21V21/34 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130633
(22)【出願日】2023-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】大森 章裕
(72)【発明者】
【氏名】岩▲瀬▼ 和宏
(57)【要約】      (修正有)
【課題】汎用プラグを用いた場合であっても、照明装置と配線ダクトとの密着性および意匠性を向上させた照明装置を提供すること。
【解決手段】配線ダクトへの取付構造を備えない照明器具に取り付けられる配線ダクト用アダプタを介して配線ダクトに取り付けられる照明装置であって、電気機器である長尺の照明器具と、照明器具に取り付けられる配線ダクト用アダプタと、を備え、アダプタ本体は、収容部に下部が収容される本体部と、本体部の上面に設けられ、配線ダクトの下面に形成されたダクト側開口部に挿入されるガイド部と、本体部の上面に設けられ、配線ダクトに取り付けられるとともに電気的に接続されるプラグである接続部、および、収容部の一側面の開口よりも外側に突出するように配置され、接続部に連結されて接続部を配線ダクトに対して着脱させる回動可能な操作部を有するロック機構部と、を備えるものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線ダクトへの取付構造を備えない照明器具に取り付けられる配線ダクト用アダプタを介して前記配線ダクトに取り付けられる照明装置であって、
電気機器である長尺の前記照明器具と、
前記照明器具に取り付けられる前記配線ダクト用アダプタと、を備え、
前記照明器具は、
天板部、前記天板部の幅方向の両側に設けられた側板部、および、前記天板部から少なくとも一方の前記側板部にかけて形成された開口部を有する器具本体と、
前記器具本体の下面側に着脱可能に取り付けられ、光を出射する光源ユニットと、を備え、
前記配線ダクト用アダプタは、
アダプタ本体と、
上面および少なくとも一側面が開口した箱体形状を有し、前記アダプタ本体を収容する収容部、および、前記収容部の開口縁部に設けられた保護部を有する保護部材と、を備え、
前記アダプタ本体は、
前記収容部に下部が収容される本体部と、
前記本体部の上面に設けられ、前記配線ダクトの下面に形成されたダクト側開口部に挿入されるガイド部と、
前記本体部の上面に設けられ、前記配線ダクトに取り付けられるとともに電気的に接続されるプラグである接続部、および、前記収容部の一側面の開口よりも外側に突出するように配置され、前記接続部に連結されて前記接続部を前記配線ダクトに対して着脱させる回動可能な操作部を有するロック機構部と、を備え、
前記器具本体の前記開口部には前記配線ダクト用アダプタの下部が収容されており、かつ、前記器具本体の前記開口部の縁部は、前記保護部で覆われている
照明装置。
【請求項2】
前記収容部は、平面視して長方形状を有し、
前記保護部は、
前記収容部の短手方向の一方の側面を下方に折り曲げて形成された第一保護部と、
前記収容部の短手方向の他方の側面の上端から外側に延びた第二保護部と、
前記収容部の長手方向の両方の側面の上端から外側に延びた一対の第三保護部と、を備え、
前記開口部の縁部は、前記第一保護部、前記第二保護部、および、前記第三保護部で覆われている
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記収容部の長手方向の一方の側面は、
前記操作部が一定量以上回動する際に干渉する
請求項1または2に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配線ダクトに取り付けられる照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、配線ダクトへの取付構造を備えた照明装置がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の照明装置は、光を出射し、光源ユニットとして機能する第1ユニットと、第1ユニットに取り付けられ、天井面などの設置面に設置された配線ダクト(レール部)に取り付けられる第2ユニットとを備える。また、第2ユニットは、配線ダクトへの取付構造としてプラグ部を有し、プラグ部の連結部が配線ダクト(レール部)に連結されることで、照明装置が配線ダクトに取り付けられる。
【0003】
特許文献1では、第2ユニットと一体となったプラグ部によって照明装置を配線ダクトに密着させているが、プラグ部はその照明装置に対する専用品(専用プラグ)であるため、製造時にそれ専用の金型が必要となり、製造コストの増加に繋がってしまう。そこで、配線ダクトへの取付構造を備えない照明器具に取り付けられ、複数の照明器具と共通の汎用プラグを用いることが考えられる(例えば、特許文献2参照)。このように、専用プラグの代わりに汎用プラグを用いることで、製造時にそれ専用の金型が不要となり、製造コストを下げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-174778号公報
【特許文献2】特開2022-52284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2では、汎用プラグが照明器具の本体の上面側である天板部に取り付けられる構造となっており、照明装置を配線ダクトに取り付けた場合、照明装置と配線ダクトとの間に大きな隙間が空いて密着性が低下し、照明装置の配線ダクトの設置面からの突出量も多いことから意匠性も低下してしまうという課題があった。
【0006】
本開示は、以上のような課題を解決するためになされたもので、汎用プラグを用いた場合であっても、照明装置と配線ダクトとの密着性および意匠性を向上させた照明装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る照明装置は、配線ダクトへの取付構造を備えない照明器具に取り付けられる配線ダクト用アダプタを介して前記配線ダクトに取り付けられる照明装置であって、電気機器である長尺の前記照明器具と、前記照明器具に取り付けられる前記配線ダクト用アダプタと、を備え、前記照明器具は、天板部、前記天板部の幅方向の両側に設けられた側板部、および、前記天板部から少なくとも一方の前記側板部にかけて形成された開口部を有する器具本体と、前記器具本体の下面側に着脱可能に取り付けられ、光を出射する光源ユニットと、を備え、前記配線ダクト用アダプタは、アダプタ本体と、上面および少なくとも一側面が開口した箱体形状を有し、前記アダプタ本体を収容する収容部、および、前記収容部の開口縁部に設けられた保護部を有する保護部材と、を備え、前記アダプタ本体は、前記収容部に下部が収容される本体部と、前記本体部の上面に設けられ、前記配線ダクトの下面に形成されたダクト側開口部に挿入されるガイド部と、前記本体部の上面に設けられ、前記配線ダクトに取り付けられるとともに電気的に接続されるプラグである接続部、および、前記収容部の一側面の開口よりも外側に突出するように配置され、前記接続部に連結されて前記接続部を前記配線ダクトに対して着脱させる回動可能な操作部を有するロック機構部と、を備え、前記器具本体の前記開口部には前記配線ダクト用アダプタの下部が収容されており、かつ、前記器具本体の前記開口部の縁部は、前記保護部で覆われているものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る照明装置によれば、器具本体の開口部に汎用プラグである配線ダクト用アダプタの下部が収容されており、かつ、器具本体の開口部の縁部は、保護部材の保護部で覆われている。このように、配線ダクト用アダプタのダクト側開口部に挿入されない部分である下部が器具本体の開口部に収容されるため、照明装置を配線ダクトに取り付けた際に、照明装置と配線ダクトとの間の隙間が無くなり密着性を向上させることができるため、照明装置の配線ダクトの設置面からの突出量も少ないことから意匠性を向上させることができる。さらに、器具本体の開口部の縁部にバリが発生していたとしても保護部材の保護部によって覆われるので、操作部の回動操作時にバリに接触することを防ぐことができ、また、バリが外側から見えないため意匠性を向上させることができる。つまり、本開示に係る照明装置によれば、汎用プラグを用いた場合であっても、照明装置と配線ダクトとの密着性および意匠性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る照明装置が配線ダクトに取り付けられている様子を示す正面図である。
図2】実施の形態1に係る照明装置が配線ダクトに取り付けられている様子を示す分解斜視図である。
図3】実施の形態1に係る照明装置が配線ダクトに取り付けられている様子を示す側面の断面図である。
図4】実施の形態1に係る照明装置の斜視図である。
図5】実施の形態1に係る配線ダクト用アダプタの斜視図である。
図6】実施の形態1に係る配線ダクト用アダプタの分解斜視図である。
図7】実施の形態1に係る配線ダクト用アダプタを照明器具に取り付ける様子を部分的に示す分解斜視図である。
図8】実施の形態1に係る照明装置の操作部の回動操作前の状態を部分的に示す斜視図である。
図9】実施の形態1に係る照明装置の操作部の回動操作後の状態を部分的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本開示が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明装置20が配線ダクト10に取り付けられている様子を示す正面図である。図2は、実施の形態1に係る照明装置20が配線ダクト10に取り付けられている様子を示す分解斜視図である。図3は、実施の形態1に係る照明装置20が配線ダクト10に取り付けられている様子を示す側面の断面図である。図4は、実施の形態1に係る照明装置20の斜視図である。以下、実施の形態1に係る照明装置20について、図1図4を参照して説明する。なお、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本開示を限定するものではない。これらの方向を示す用語は、特に明示しない限り、照明装置20を前面側(正面側)から見た場合の方向を意味している。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。
【0012】
実施の形態1に係る照明装置20は、配線ダクト用アダプタ22を介して配線ダクト(ライティングダクト)10の長手方向の任意の位置に取り付けられるとともに電気的に接続されて使用される。
【0013】
配線ダクト10は、レール状に長尺に設けられており、天井面などの設置面に設置され、長手方向の任意の位置に電気機器などを取り付けるとともに電気的に接続して使用可能としている。
【0014】
配線ダクト10は、ダクト本体11、このダクト本体11内の長手方向に交差する短手方向である幅方向の両側に設けられた一対の絶縁体12、およびこれら絶縁体12にそれぞれ取り付けられた一対の導体13を備えている。
【0015】
ダクト本体11は、例えばアルミニウムなどの金属製で、略四角形の中空状に設けられている。ダクト本体11の下部中央には、ダクト側開口部11aが長手方向に沿って設けられている。ダクト本体11の下部には、ダクト側開口部11aの両側に支持縁部11bが設けられている。ダクト本体11の下部のダクト側開口部11aの一側には、下方に突出し接地側の極性を示す極性用突起11cが設けられている。
【0016】
一対の絶縁体12は、導体13を支持し、ダクト本体11内でダクト側開口部11aの両側に長手方向に沿って配置されている。
【0017】
一対の導体13は、金属板によって構成され、一対の絶縁体12によりダクト本体11内でダクト側開口部11aの両側に互いに対向して配置されている。そして、一対の導体13には、外部電源からの交流電力または直流電力などの所定の外部電力が通電される。
【0018】
照明装置20は、配線ダクト10の長手方向の任意の位置に取り付けられるとともに電気的に接続されて使用される。照明装置20は、長尺に形成され、長手方向に交差する短手方向である幅方向の幅寸法が高さ方向の高さ寸法に比べて小さいスリム形照明装置である。照明装置20は、配線ダクト10に対して複数の照明装置20が長手方向に沿って連続して配置されることでライン光源を構成するのに対応している。照明装置20は、電気機器であり、配線ダクト10への取付構造を備えない照明器具21と、この照明器具21に取り付けられ、照明器具21を配線ダクト10に取り付けて使用可能とする配線ダクト用アダプタ22とを備えている。
【0019】
照明器具21は、例えば2フィート、4フィート、あるいは8フィートの長さを有する長尺形照明器具である。照明器具21は、発光領域が長手方向に沿ってライン状に連続するベースライトなどである。
【0020】
照明器具21は、器具本体25と、この器具本体25の下面側に着脱可能に取り付けられ、光を出射する光源ユニット(光源バー)26と、器具本体25の下面側に取り付けられた電源装置等の制御部80と、を備えている。
【0021】
器具本体25は、金属板によって形成されており、上面を構成する天板部27、この天板部27の幅方向の両側に設けられた側板部28、および、天板部27の長手方向の両端に設けられた端板部29を有している。端板部29には、電源線を引き込むための配線孔および天井面に取り付けるための取付孔である孔30が設けられている。また、天板部27から一方の側板部28にかけて、配線ダクト用アダプタ22が配置される開口部31が複数箇所であって例えば3箇所設けられている。また、天板部27には、開口部31の長手方向の両側に一対のネジ孔27a(後述する図7参照)が複数箇所であって例えば3箇所設けられている。なお、開口部31は、照明器具21の器具本体25の天板部27から両方の側板部28にかけて設けられていてもよい。
【0022】
光源ユニット26は、シャーシ32、このシャーシ32の下面に配置された発光モジュール34、および、発光モジュール34を覆ってシャーシ32に取り付けられた透光性カバー33などを備えている。発光モジュール34は、基板35、および、この基板35に実装された複数の発光素子36を有している。透光性カバー33は、上面が開口し、少なくとも発光素子36に対向する領域が透光性を有している。
【0023】
制御部80は、電源装置であり、外部から供給される電力から発光素子36を点灯させる電力に変換して、発光素子36に供給する。実施の形態1では、制御部80は、器具本体25の下面側に、ネジ(図示は省略)等の固定部材を用いて取り付けられた状態で、発光素子36等とともに透光性カバー33に収容されている。制御部80は、器具本体25および光源ユニット26のうちいずれに設けられていてもよい。
【0024】
照明器具21は、天井面に取り付けるための天井取付構造である取付孔(孔30)を備えているが、配線ダクト10への取付構造を備えていない一般照明器具である。
【0025】
また、配線ダクト用アダプタ22は、汎用プラグであり、配線ダクト10への取付構造を備えない一般照明器具である照明器具21の器具本体25の天板部27から一方の側板部28にかけて設けられた平面視して略長方形状の開口部31に取り付けられ、この照明器具21を配線ダクト10に取り付けて使用可能とするものである。配線ダクト用アダプタ22は、照明器具21が長尺な場合、照明器具21の長手方向の複数個所であって例えば3箇所に取り付けられ、配線ダクト10に着脱可能に取り付けられるとともに電気的に接続され、配線ダクト10からの電力を照明器具21に供給する。なお、配線ダクト用アダプタ22が取り付けられる数は3箇所に限定されず、2箇所以下あるいは4箇所以上でもよい。
【0026】
図5は、実施の形態1に係る配線ダクト用アダプタ22の斜視図である。図6は、実施の形態1に係る配線ダクト用アダプタ22の分解斜視図である。図7は、実施の形態1に係る配線ダクト用アダプタ22を照明器具21に取り付ける様子を部分的に示す分解斜視図である。図8は、実施の形態1に係る照明装置20の操作部61の回動操作前の状態を部分的に示す斜視図である。図9は、実施の形態1に係る照明装置20の操作部61の回動操作後の状態を部分的に示す斜視図である。
【0027】
図5および図6に示すように、配線ダクト用アダプタ22は、アダプタ本体40と、保護部材50とを備えている。アダプタ本体40は、平面視して略長方形状を有し、保護部材50に下部が収容され、挿通孔41aが形成された本体部41と、ロック機構部43と、平面視して略長方形状を有し、本体部41の上面42から突出したガイド部44と、本体部41の長手方向の一方の側面45の下端から外側に突出し、挿通孔46aが形成された突出部46とを有している。保護部材50は、上面および一側面が開口した略箱体形状を有し、アダプタ本体40を収容する収容部51と、収容部51の開口縁部に設けられた保護部70とを備えている。なお、開口部31が、照明器具21の器具本体25の天板部27から両方の側板部28にかけて設けられている場合、収容部51は、上面および対向する一対の側面が開口している。収容部51は、挿通孔52a、52bおよび挿入孔57が形成された底面52と、短手方向の一方の側面に形成された側面開口部59と、短手方向の他方の側面53と、長手方向の両方の側面54とを有している。保護部70は、収容部51の短手方向の一方の側面を下方に折り曲げて形成された第一保護部71と、収容部51の短手方向の他方の側面53の上端から外側に延びた第二保護部72と、収容部51の長手方向の両方の側面54の上端から外側に延びた一対の第三保護部73とを有している。また、第三保護部73には、挿通孔73aが形成されている。
【0028】
ロック機構部43は、本体部41の上面42に設けられ、配線ダクト10に取り付けられるとともに電気的に接続されるプラグである接続部60と、この接続部60を配線ダクト10に対して着脱させる操作部61とを有している。
【0029】
接続部60は、配線ダクト10に対しての接続位置(図8に示す位置)と、配線ダクト10に対しての接続解除位置(図9に示す位置であり図8に示す接続位置から時計回り方向に90°回動した位置)との間で回動可能に設けられている。
【0030】
接続部60は、上部側に設けられたプラグ部63と、プラグ部63の側面から突出する一対の係止部64および一対の端子65とを有している。プラグ部63は、配線ダクト10のダクト側開口部11aの幅よりも小さい幅に設けられ、配線ダクト10のダクト側開口部11aに挿入可能とされている。一対の係止部64は、プラグ部63と同じ幅で、プラグ部63から反対向きに突出されており、接続解除位置にて配線ダクト10のダクト側開口部11aに挿入可能とするとともに、接続位置への回動により配線ダクト10の支持縁部11bに係止可能とする。一対の端子65は、プラグ部63と同じ幅で、一対の係止部64と同じ方向に突出されており、接続解除位置にて配線ダクト10のダクト側開口部11aに挿入可能とするとともに、接続位置への回動により配線ダクト10の一対の導体13に接触して電気的に接続可能とする。
【0031】
操作部61は、レバー状に設けられ、接続部60に連結されて接続部60と一体に回動可能としている。操作部61は、収容部51の短手方向の一方の側面に形成された側面開口部59よりも外側に突出するように配置されている。そして、操作部61を側面開口部59に沿って(収容部51の長手方向に沿って)移動するように回動操作をすることにより、接続部60が接続位置と接続解除位置との間で回動し、配線ダクト10の一対の支持縁部11bに対して接続部60の一対の係止部64が着脱されるとともに、配線ダクト10内の一対の導体13に対して接続部60の一対の端子65が着脱される。
【0032】
ガイド部44は、アダプタ本体40の長手方向に沿って上方に突出している。ガイド部44は、配線ダクト10のダクト側開口部11aに挿入され、配線ダクト10に対して配線ダクト用アダプタ22を位置決めする。
【0033】
アダプタ本体40の突出部46が収容部51の挿入孔57に挿入され、アダプタ本体40が収容部51の底面52上に配置された状態で、アダプタ本体40の突出部46の挿通孔46aと収容部51の底面52の挿通孔52a、および、アダプタ本体40の本体部41の挿通孔41aと収容部51の底面52の挿通孔52bが、それぞれ重なるようになっており、それら孔を挿通したボルト81をナット(図示せず)に取り付けることにより、アダプタ本体40と保護部材50とが固定される。なお、ナットを用いずにボルト81が挿通孔52a、52bに直接取り付けられる構成としてもよい。
【0034】
また、図7に示すように、配線ダクト用アダプタ22の下部が照明器具21の器具本体25の開口部31に配置された状態で、一対の第三保護部73の挿通孔73aと天板部27の一対のネジ孔27aとが重なるようになっており、それら孔を挿通したボルト83をナット82に取り付けることにより、配線ダクト用アダプタ22と照明器具21とが固定される。
【0035】
なお、実施の形態1に係る配線ダクト用アダプタ22では、照明装置20の組み立てである総組み立て前の事前組み立て時にアダプタ本体40を保護部材50に取り付けることができる。このように、事前組み立て時にアダプタ本体40が保護部材50に取り付けられた配線ダクト用アダプタ22を総組み立て時に照明器具21に取り付けることで、総組み立て時にアダプタ本体40を保護部材50に取り付けた後で配線ダクト用アダプタ22を照明器具21に取り付ける場合に比べて、組み立て性を向上させることができる。
【0036】
ここで、照明器具21の器具本体25の開口部31は、製造時にプレス加工を行うことによって設けられるが、その際に開口部31の縁部にバリが発生することがある。そこで、収容部51の開口縁部に第一保護部71、第二保護部72、および、第三保護部73を設けることで、配線ダクト用アダプタ22のアダプタ本体40を照明器具21の器具本体25の開口部31に配置して取り付けた際に、第一保護部71、第二保護部72、および、第三保護部73で開口部31の四つの各縁部が覆われる。そのため、開口部31の縁部にバリが発生していたとしても保護部材50の保護部70によって覆われるので、操作部61の回動操作時にバリに接触することを防ぐことができ、また、バリが外側から見えないため意匠性を向上させることができる。
【0037】
また、配線ダクト用アダプタ22と照明器具21とが固定された状態で、配線ダクト用アダプタ22のダクト側開口部11aに挿入されない部分である下部が照明器具21の器具本体25の開口部31に収容されるため、照明器具21を配線ダクト10に取り付けた際に、照明器具21と配線ダクト10との間の隙間が無くなり密着性を向上させることができるため、照明装置20の配線ダクト10の設置面からの突出量も少ないことから意匠性を向上させることができる。
【0038】
また、操作部61の回動操作時に一定量以上回動させると操作部61が収容部51の長手方向の一方の側面54と干渉し、それ以上回動しないようになっている。つまり、収容部51の長手方向の一方の側面54がストッパーとしての役割を果たす。そのため、操作部61が必要以上に回動することを防止し、破損を防止することができる。
【0039】
以上、実施の形態1に照明装置20は、配線ダクト10への取付構造を備えない照明器具21に取り付けられる配線ダクト用アダプタ22を介して配線ダクト10に取り付けられる照明装置20であって、電気機器である長尺の照明器具21と、照明器具21に取り付けられる配線ダクト用アダプタ22と、を備え、照明器具21は、天板部27、天板部27の幅方向の両側に設けられた側板部28、および、天板部27から少なくとも一方の側板部28にかけて形成された開口部31を有する器具本体25と、器具本体25の下面側に着脱可能に取り付けられ、光を出射する光源ユニット26と、を備え、配線ダクト用アダプタ22は、アダプタ本体40と、上面および少なくとも一側面が開口した箱体形状を有し、アダプタ本体40を収容する収容部51、および、収容部51の開口縁部に設けられた保護部70を有する保護部材50と、を備え、アダプタ本体40は、収容部51に下部が収容される本体部41と、本体部41の上面42に設けられ、配線ダクト10の下面に形成されたダクト側開口部11aに挿入されるガイド部44と、本体部41の上面42に設けられ、配線ダクト10に取り付けられるとともに電気的に接続されるプラグである接続部60、および、収容部51の一側面の開口よりも外側に突出するように配置され、接続部60に連結されて接続部60を配線ダクト10に対して着脱させる回動可能な操作部61を有するロック機構部43と、を備え、器具本体25の開口部31には配線ダクト用アダプタ22の下部が収容されており、かつ、器具本体25の開口部31の縁部は、保護部70で覆われているものである。
【0040】
実施の形態1に係る照明装置20によれば、器具本体25の開口部31に汎用プラグである配線ダクト用アダプタ22の下部が収容されており、かつ、器具本体25の開口部31の縁部は、保護部材50の保護部70で覆われている。このように、配線ダクト用アダプタ22のダクト側開口部11aに挿入されない部分である下部が器具本体25の開口部31に収容されるため、照明装置20を配線ダクト10に取り付けた際に、照明装置20と配線ダクト10との間の隙間が無くなり密着性を向上させることができるため、照明装置20の配線ダクト10の設置面からの突出量も少ないことから意匠性を向上させることができる。さらに、器具本体25の開口部31の縁部にバリが発生していたとしても保護部材50の保護部70によって覆われるので、操作部61の回動操作時にバリに接触することを防ぐことができ、また、バリが外側から見えないため意匠性を向上させることができる。つまり、実施の形態1に係る照明装置20によれば、汎用プラグを用いた場合であっても、照明装置20と配線ダクト10との密着性および意匠性を向上させることができる。
【0041】
また、実施の形態1に係る照明装置20において、収容部51の長手方向の一方の側面54は、操作部61が一定量以上回動する際に干渉するものである。
【0042】
実施の形態1に係る照明装置20によれば、操作部61の回動操作時に一定量以上回動させると操作部61が収容部51の長手方向の一方の側面54と干渉し、それ以上回動しないようになっている。つまり、収容部51の長手方向の一方の側面54がストッパーとしての役割を果たす。そのため、操作部61が必要以上に回動することを防止し、破損を防止することができる。
【符号の説明】
【0043】
10 配線ダクト、11 ダクト本体、11a ダクト側開口部、11b 支持縁部、11c 極性用突起、12 絶縁体、13 導体、20 照明装置、21 照明器具、22 配線ダクト用アダプタ、25 器具本体、26 光源ユニット、27 天板部、27a ネジ孔、28 側板部、29 端板部、30 孔、31 開口部、32 シャーシ、33 透光性カバー、34 発光モジュール、35 基板、36 発光素子、40 アダプタ本体、41 本体部、41a 挿通孔、42 上面、43 ロック機構部、44 ガイド部、45 側面、46 突出部、46a 挿通孔、50 保護部材、51 収容部、52 底面、52a 挿通孔、52b 挿通孔、53 側面、54 側面、57 挿入孔、59 側面開口部、60 接続部、61 操作部、63 プラグ部、64 係止部、65 端子、70 保護部、71 第一保護部、72 第二保護部、73 第三保護部、73a 挿通孔、80 制御部、81 ボルト、82 ナット、83 ボルト。
図1
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図9