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2025-25681提案装置、提案方法、および提案プログラム
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  • -提案装置、提案方法、および提案プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025681
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】提案装置、提案方法、および提案プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20250214BHJP
   G16H 20/00 20180101ALI20250214BHJP
【FI】
G06Q30/06
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130705
(22)【出願日】2023-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】大塚 成
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L030BB72
5L049BB72
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】店舗を利用した顧客による、当該店舗で取り扱う商品と異なるサービスまたは商品の利用を促進したい。
【解決手段】
提案装置は、店舗における、健康に関する商品の購買履歴を取得する取得手段と、購買履歴に基づいて、顧客の健康状態を推定する推定手段と、推定結果に応じて、店舗で取り扱う商品と異なり、顧客に対して提案するサービスまたは商品を特定する特定手段と、特定したサービスまたは商品に関するインセンティブを決定する決定手段と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗における、健康に関する商品の購買履歴を取得する取得手段と、
前記購買履歴に基づいて、顧客の健康状態を推定する推定手段と、
推定結果に応じて、前記店舗で取り扱う商品と異なり、前記顧客に対して提案するサービスまたは商品を特定する特定手段と、
特定した前記サービスまたは前記商品に関するインセンティブを決定する決定手段と、
を備える提案装置。
【請求項2】
前記店舗で取り扱う商品と異なり、前記顧客に対して提案するサービスまたは商品とは、前記顧客が前記健康に関する商品の購入をした前記店舗とは異なる業種の店舗が取り扱う、前記顧客の健康状態に適した前記サービスまたは前記商品である
請求項1に記載の提案装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記顧客の身体情報、行動履歴、または医療機関での診断結果のうち少なくともいずれか1つをさらに取得し、
前記推定手段は、前記身体情報、前記行動履歴、または前記診断結果のうち少なくともいずれか1つと、前記購買履歴と、に基づいて、前記顧客の健康状態を推定する
請求項1に記載の提案装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記顧客が前記店舗に設置された計測機器で測定した前記身体情報を取得する
請求項3に記載の提案装置。
【請求項5】
前記インセンティブを通知する通知手段をさらに備え、
前記決定手段は、前記顧客が前記サービスまたは前記商品を利用した場合に、前記店舗に対する前記インセンティブを決定し、
前記通知手段は、前記インセンティブを前記店舗に対して通知する
請求項1に記載の提案装置。
【請求項6】
前記インセンティブを通知する通知手段をさらに備え、
前記決定手段は、前記取得手段が前記計測機器から前記身体情報を取得した場合に、前記顧客に対する前記インセンティブを決定し、
前記通知手段は、前記インセンティブを前記顧客に対して通知する
請求項4に記載の提案装置。
【請求項7】
前記推定手段は、前記顧客の健康状態として、前記顧客の健康に関する習慣を推定し、
前記特定手段は、前記顧客が購入する習慣がある商品の専門店が取り扱う前記商品または前記サービスを特定する
請求項1に記載の提案装置。
【請求項8】
前記推定手段は、前記顧客の健康状態として、前記顧客の健康に対する意識を推定し、
前記特定手段は、前記顧客が気にかけていると推定された身体の部位または疾病の改善につながる前記商品または前記サービスを特定する
請求項1に記載の提案装置。
【請求項9】
店舗における、健康に関する商品の購買履歴を取得し、
前記購買履歴に基づいて、顧客の健康状態を推定し、
推定結果に応じて、前記店舗で取り扱う商品と異なり、前記顧客に対して提案するサービスまたは商品を特定し、
特定した前記サービスまたは前記商品に関するインセンティブを決定する、
提案方法。
【請求項10】
コンピュータに、
店舗における、健康に関する商品の購買履歴を取得し、
前記購買履歴に基づいて、顧客の健康状態を推定し、
推定結果に応じて、前記店舗で取り扱う商品と異なり、前記顧客に対して提案するサービスまたは商品を特定し、
特定した前記サービスまたは前記商品に関するインセンティブを決定する、
処理を実行させる提案プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、提案装置、提案方法、および提案プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
小売店舗、例えば、ドラッグストアは、顧客による健康に関する商品の購買履歴を取得することが可能である。
【0003】
特許文献1には、対象顧客の購買履歴から予測された健康症状の程度を示す健康情報と共に、健康症状に適合するサービス及び/又は製品を対象顧客に提案する情報処理装置に関する発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第7220822号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
顧客が利用する店舗で取り扱う商品と異なるサービスまたは商品を、顧客に対して提案することで、提案されたサービスまたは商品を扱う店舗への集客が可能となる。そして、提案されたサービスまたは商品を扱う店舗の収益向上が可能となる。
【0006】
本開示の目的は、提案されたサービスまたは商品を扱う店舗へ集客し、当該店舗の収益向上が可能となる、提案装置、提案方法、及び提案プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様において、提案装置は、店舗における、健康に関する商品の購買履歴を取得する取得手段と、購買履歴に基づいて、顧客の健康状態を推定する推定手段と、推定結果に応じて、店舗で取り扱う商品と異なり、顧客に対して提案するサービスまたは商品を特定する特定手段と、特定したサービスまたは商品に関するインセンティブを決定する決定手段と、を備える。
【0008】
本開示の一態様において、提案方法は、店舗における、健康に関する商品の購買履歴を取得し、購買履歴に基づいて、顧客の健康状態を推定し、推定結果に応じて、店舗で取り扱う商品と異なり、顧客に対して提案するサービスまたは商品を特定し、特定したサービスまたは商品に関するインセンティブを決定する。
【0009】
本開示の一態様において、提案プログラムは、コンピュータに、店舗における、健康に関する商品の購買履歴を取得し、購買履歴に基づいて、顧客の健康状態を推定し、推定結果に応じて、店舗で取り扱う商品と異なり、顧客に対して提案するサービスまたは商品を特定し、特定したサービスまたは商品に関するインセンティブを決定する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、提案されたサービスまたは商品を扱う店舗へ集客し、当該店舗の収益向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示に係る提案装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2】本開示に係る顧客端末の画面表示の一例である。
図3】本開示に係る提案装置の処理動作の一例を示すフローチャートである。
図4】本開示に係る提案装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
本開示に係る提案装置11は、店舗を利用する顧客に対して、サービスまたは商品を提案する。ここで、店舗とは、例えば、ドラッグストアである。店舗はこれに限られない。店舗は、健康に関する商品を扱う店舗であればよい。以下の説明において、店舗はドラッグストアであるとして説明する。
【0014】
図1は本開示に係る提案装置11の構成の一例を示すブロック図である。図1を参照すると、提案装置11は取得部111、推定部112、特定部113、及び決定部114を備える。提案装置11は、さらに通知部115を備えていてもよい。
【0015】
取得部111は、店舗における、健康に関する商品の購買履歴を取得する取得手段の一態様である。取得部111は、顧客が購入した健康に関する商品の情報を取得する。
【0016】
健康に関する商品とは、顧客が健康を回復、維持、または増進のために使用する商品である。健康に関する商品には、例えば、医薬品、医薬部外品、日用品、サプリメント、健康食品、特定保健用商品、栄養機能食品が含まれる。ほかにも、健康に関する商品には、例えば、ボディケア商品、オーラルケア商品、ベビー用品、または衛生用品が含まれていてもよい。また、健康に関する商品には、例えば、化粧品、ヘアケア商品、スキンケア商品などの美容に関する商品が含まれていてもよい。
【0017】
次に、取得部111が健康に関する商品の購買履歴を取得する方法を説明する。購買履歴は、例えば、データベース(不図示)に保存されている。そして、提案装置11は、データベースと有線または無線のネットワークで接続されている。そこで、取得部111は購買履歴をデータベースから取得する。
【0018】
このとき購買履歴は、顧客ごとにデータベースに保存されている。そこで、取得部111は、例えば、顧客を特定する情報を得た場合、当該顧客の購買履歴を取得することが可能である。顧客を特定する情報とは、例えば、ドラッグストアのポイントカードに紐づけられて登録された個人情報である。ほかにも、顧客が利用する顧客端末(不図示)にドラッグストアのアプリをインストールしている場合には、アプリを介して登録された個人情報も、顧客を特定する情報の一つである。
【0019】
ほかにも、取得部111は、顧客端末から購買履歴を取得してもよい。顧客端末は、例えば、スマートフォンまたはウェアラブル端末である。提案装置11は、顧客端末と有線または無線のネットワークで接続可能である。取得部111は、顧客端末と接続した場合に、顧客端末から、その顧客端末を所有する顧客の購買履歴を取得することが可能である。
【0020】
取得部111は、顧客の購買履歴に加えて、顧客の身体情報、行動履歴、または医療機関での診断結果のうち少なくともいずれか1つをさらに取得してもよい。身体情報とは、顧客の身体状態を表す数値である。身体情報は、例えば、体温、心拍数、呼吸数、血圧、または血中酸素濃度を含む。身体情報はこれらに限られない。ほかにも、例えば、身体情報は、身長、体重を含んでもよい。取得部111は、ドラッグストアに設置された計測機器で顧客が測定した身体情報を、当該測定機器から取得することができる。計測機器とは、例えば、血圧計や体温計である。また、取得部111は、身体情報を顧客端末から取得することが可能である。さらに、取得部111は、身体情報を顧客の登録によって取得することが可能である。身体情報の取得方法はこれらに限られない。
【0021】
顧客の行動履歴とは、例えば、ドラッグストア内における顧客の行動履歴である。ドラッグストア内における顧客の行動履歴に含まれる行動とは、例えば、ドラッグストア内での動線、商品を手に取る動作、または棚の商品を見比べて悩む動作である。ドラッグストア内における顧客の行動履歴に含まれる動作はこれらに限られない。ドラッグストア内における顧客の行動履歴は、ほかにも、顧客の歩き方などの顧客の動きの特徴を含んでもよい。取得部111は、ドラッグストア内における顧客の行動履歴を、例えば、ドラッグストア内に設置されたカメラを用いて取得することができる。
【0022】
さらに、顧客の行動履歴は、ドラッグストア以外の場所における行動履歴を含んでもよい。取得部111は、ドラッグストア以外の場所における行動履歴として、例えば、顧客が訪れた場所、または顧客の運動状況を取得することができる。取得部111は、ドラッグストア以外の場所での行動履歴を、例えば、顧客端末から取得することができる。
【0023】
医療機関での診断結果とは、顧客が医療機関において診断された疾病または傷害の結果である。診断結果には、例えば、疾病または傷害の名称、状態、または治療内容が含まれる。ドラッグストアが調剤を行っている場合には、取得部111は、医療機関での診断結果を、例えば、処方箋から取得することが可能である。また、取得部111は、例えば、医療機関での診断結果を、顧客の登録によって取得することが可能である。
【0024】
推定部112は、購買履歴に基づいて、顧客の健康状態を推定する推定手段の一態様である。推定部112は、取得部111が取得した購買履歴に基づいて、顧客の健康状態を推定する。
【0025】
推定部112は、例えば、顧客が購入した商品と、推定される健康状態が対応付けられたテーブルを用いて、顧客の健康状態を推定することが可能である。また、推定部112は、顧客の購買履歴を基に、推定モデルを用いて顧客の健康状態を推定してもよい。
【0026】
取得部111が、購買履歴に加えて、顧客の身体情報、行動履歴、または医療機関での診断結果のうち少なくともいずれか1つをさらに取得する場合には、推定部112は、身体情報、行動履歴、または診断結果のうち少なくともいずれか1つと、購買履歴と、に基づいて、顧客の健康状態を推定することが可能である。
【0027】
ここで、顧客の健康状態とは、顧客の身体の状態である。具体的に、健康状態とは例えば、疾病又は傷害の有無または状態である。ほかにも、健康状態には、疾病や傷害と診断はされていないが、顧客が異常を感じている状態も含まれる。健康状態には、例えば、顧客が髪または肌の状態を気にしている状態を含んでもよい。
【0028】
また、顧客の健康状態には、健康に対する意識を含んでもよい。健康に対する意識には、例えば、顧客が気にかけている身体の部位または疾病を含んでもよい。具体的には、顧客が高血圧を気にしている場合、または顧客が肌の乾燥を気にしている場合が一例としてあげられる。ほかにも、健康に対する意識には、顧客が健康に関する商品を購入する際の傾向や健康に関する商品に対するこだわり、健康に関する商品の購入頻度を含んでもよい。顧客が健康に関する商品を選ぶ際の傾向の例としては、値段、効果、品質、量、製造会社があげられる。
【0029】
さらに、健康に対する意識には、健康に関する習慣を含んでもよい。健康に関する習慣とは、例えば、食事習慣または運動習慣である。具体的には、健康に関する習慣とは、健康食品の定期的な摂取や継続的なランニングの実施が含まれる。また、健康に関する習慣には、特定の商品を購入する習慣も含まれる。顧客の健康状態には、顧客が健康であることも含まれる。
【0030】
取得部111が、購買履歴に加えて、顧客の身体情報、行動履歴、または医療機関での診断結果のうち少なくともいずれか1つをさらに取得する場合の、推定部112による推定方法を説明する。推定部112は、例えば、顧客が購入した商品及び顧客の身体情報、行動履歴、または医療機関での診断結果のうち少なくともいずれか1つと、推定される健康状態とが対応付けられたテーブルを用いて、顧客の健康状態を推定することが可能である。また、推定部112は、顧客の購買履歴及び顧客の身体情報、行動履歴、または医療機関での診断結果のうち少なくともいずれか1つを基に、推定モデルを用いて顧客の健康状態を推定してもよい。
【0031】
特定部113は、推定結果に応じて、店舗で取り扱う商品と異なり、顧客に対して提案するサービスまたは商品を特定する特定手段の一態様である。
【0032】
店舗で取り扱う商品と異なり、顧客に対して提案するサービスまたは商品は、店舗で普段取り扱っている商品以外のサービスまたは商品である。また、提案するサービスまたは商品は、顧客の健康状態に適したサービスまたは商品である。そして、提案するサービスまたは商品は、例えば、顧客が健康に関する商品の購入をした店舗とは異なる業種の店舗が取り扱うサービスまたは商品である。具体的には、ドラッグストアとは異なる業種の店舗が取り扱うサービスまたは商品である。
【0033】
特定部113は、推定部112による推定結果に応じて、顧客の健康状態に適したサービスまたは商品を、提案する商品またはサービスとして特定する。特定部113は、例えば、推定された顧客の健康状態と、提案する商品またはサービスが対応付けられたテーブルを用いて、提案する商品またはサービスを特定することが可能である。また、特定部113は、推定された顧客の健康状態を基に、推定モデルを用いて提案する商品またはサービスを特定してもよい。
【0034】
例えば、推定部112が顧客の健康状態として、疾病又は傷害の有無または状態が推定された場合には、特定部113は、疾病や障害の状態改善につながるサービスまたは商品を、提案する商品またはサービスとして特定する。また、推定部112によって顧客が異常を感じている状態を推定された場合にも、特定部113は、疾病や障害の状態改善につながるサービスまたは商品を、提案する商品またはサービスとして特定する。
【0035】
具体例として、顧客が腰に異常を感じている、つまり腰痛を感じていることを、推定部112が購買履歴から推定した場合を説明する。この場合、特定部113は、例えば、整体を受けることを提案することが可能である。また、購買履歴および診断結果から顧客が高血圧であると推定された場合には、特定部113は、高血圧の人向けの食事を提供している定食屋を、提案する商品またはサービスとして特定してもよい。ほかにも、購買履歴および身体情報から顧客が高血圧であると推定された場合には、特定部113は、高血圧の人向けの食事を提供している定食屋を、提案する商品またはサービスとして特定してもよい。
【0036】
推定部112によって、顧客が髪または肌の状態を気にしている状態であることを推定した場合には、特定部113は、髪または肌の状態の改善、維持、または増進につながるサービスまたは商品を、提案する商品またはサービスとして特定してもよい。具体的に、顧客の購買履歴に髪の乾燥を軽減するシャンプーに含まれる場合、推定部112は顧客が髪の乾燥を気にしていると推定できる。また、顧客が髪の乾燥を気にしていると推定された場合には、特定部113は、例えば、美容院で受けられるトリートメントのサービスを、提案する商品またはサービスとして特定してもよい。ほかにも、顧客が髪の乾燥を気にしていると推定された場合には、特定部113は、例えば、家電量販店が扱うドライヤーを、提案する商品またはサービスとして特定してもよい。ほかにも、顧客の購買履歴に肌に優しい成分を使用した商品が含まれる場合には、推定部112は、顧客が神の状態を気にしていることが推定できる。肌の状態を気にしていることが推定された場合に、特定部113は、皮膚科や美容外科などの病院の受診やスキンケア商品のサブスクリプションサービスを、提案する商品またはサービスとして特定することが可能である。
【0037】
推定部112によって、顧客が気にかけている身体の部位または疾病が推定された場合を説明する。このとき、特定部113は、顧客が気にかけていると推定された身体の部位または疾病の改善につながるサービスまたは商品を、提案する商品またはサービスとして特定することが可能である。例えば、顧客の購買履歴に腹部の脂肪燃焼に関する健康食品や医薬品が含まれている場合には、顧客は腹部の脂肪を気にしていると推定される。その場合には、特定部113は、脂肪の減少に効果的な食事を、提案する商品またはサービスとして特定することが可能である。また、特定部113は、提案する商品またはサービスとして、事務の会員プランを特定することも可能である。特に、顧客が特定の身体の部位を気にかけていると推定された場合には、特定部113は、特定の部位に特化したトレーニングが可能なパーソナルトレーニングのサービスを提案する商品またはサービスとして特定してもよい。
【0038】
ほかにも、例えば、顧客のドラッグストア内の行動履歴として、虫刺され用医薬品または防虫商品の棚付近で商品を悩んでいる行動が取得され、購買履歴に虫刺され用医薬品が含まれている場合を説明する。この場合には、推定部112は、顧客が虫に刺されることまたは虫に刺されたことを気にかけていることが推定される。そこで、特定部113は、皮膚科の受診を、提案する商品またはサービスとして特定することが可能である。ほかにも、特定部113は、例えば、インテリア用品の店舗が扱う蚊帳を、提案する商品またはサービスとして特定することも可能である。
【0039】
さらに、推定部112が顧客の健康状態として、顧客が健康に関する商品を選ぶ際の傾向が推定された場合を説明する。この場合には、特定部113は、顧客の傾向に応じたサービスまたは商品を提案する商品またはサービスとして特定することが可能である。例えば、ドラッグストアに陳列されている同一カテゴリの商品の中で、高額な商品が購買履歴に含まれている場合、推定部112は、顧客が高額な商品を購入する傾向があると推定することができる。この場合、特定部113は、高額なサービスまたは商品を、提案する商品またはサービスとして特定することが可能である。一方、同一カテゴリの商品の中で、安価な商品を購入する傾向がある顧客に対しては、高額なサービスまたは商品の提案は適していない場合がある。
【0040】
また、推定部112によって、健康に関する商品に対するこだわりが推定された場合には、特定部113は、顧客のこだわりに応じたサービスまたは商品を、提案する商品またはサービスとして特定することが可能である。例えば、ドラッグストアに複数種類のシャンプーが陳列されている場合に、複数種類の中で高額ではあるが、特定の成分が使用されたシャンプーが、購買履歴に含まれている場合、推定部112は、顧客が、ヘアケアに関しては価格よりも商品の質にこだわりがあると推定できる。そこで、特定部113は、高品質な施術を受けることが可能である美容院のメニューを、提案する商品またはサービスとして特定することが可能である。
【0041】
推定部112によって、健康に関する習慣が推定された場合には、特定部113は、その習慣に応じたサービスまたは商品を、提案する商品またはサービスとして特定することが可能である。例えば、購買履歴から、オーガニックの化粧品を購入している顧客に対しては、特定部113は、オーガニックの食品を使用した食事を、提案する商品またはサービスとして特定するが可能である。また、特定部113は、オーガニック食品を専門的に扱うスーパーの商品を、提案する商品またはサービスとして特定することも可能である。ほかにも、健康に関する習慣として、運動習慣が推定された場合には、特定部113は、例えば、運動に使用する靴やウェアを提案する商品またはサービスとして特定してもよい。また、特定部113は、顧客が習慣としている運動についてパーソナルトレーニングを受けることができるサービスを、提案する商品またはサービスとして特定してもよい。
【0042】
ほかにも、購買履歴から特定の商品を購入する習慣が推定された場合には、特定部113は、その商品を取り扱う専門店のサービスまたは商品を、提案する商品またはサービスとして特定することが可能である。具体的には、顧客がサプリメントを頻繁に購入している場合には、特定部113は、サプリメントの専門店の商品を、提案する商品またはサービスとして特定することが可能である。取り扱うサプリメントの種類や価格が、ドラッグストアと専門店とでは異なる場合がある。そのため、専門店で取り扱うサプリメントの購入を促すことが可能である。また、特定部113は、サプリメントのサブスクリプションサービスを、提案する商品またはサービスとして特定することも可能である。
【0043】
ほかにも、購買履歴からプロテインを頻繁に購入しており、さらに、ドラッグストア以外の場所での行動履歴として頻繁にジムに通っている顧客に対して、特定部113は、プロテインの専門店を提案する商品またはサービスとして特定することが可能である。専門店とドラッグストアでは取り扱うプロテインの種類、成分比率、価格などが異なる場合がある。そのため、専門店で取り扱うプロテインの購入を促すことが可能である。
【0044】
ほかにも、購買履歴から、顧客が住環境を意識していると推測された場合に、特定部113は、購買履歴に含まれる掃除用品に関するサービスまたは商品を、提案する商品またはサービスとして特定することができる。例えば、浴室に関連する掃除用品の購買履歴から、特定部113は、家事代行サービスを提案する商品またはサービスとして特定することができる。ほかにも、特定部113は、掃除用家電を提案する商品またはサービスとして特定することができる。
【0045】
ほかにも、購買履歴に含まれる食品から、特定部113は、その食品を使用したレシピを、提案する商品またはサービスとして特定してもよい。また、特定部113は、購買履歴に組まれる食材の調理に使用する家電を、提案する商品またはサービスとして特定してもよい。
【0046】
特定部113は、特定部113が特定した商品を扱う店舗が複数ある場合に、例えば、ドラッグストアから一番近い店舗を提案する商品またはサービスを扱う店舗として特定することが可能である。また、特定部113は、特定部113が特定した商品を扱う店舗が複数ある場合に、例えば、それぞれの店舗の位置情報及び顧客の自宅または職場の位置情報に基づいて、顧客の自宅または職場から一番近い店舗を提案する商品またはサービスとして特定してもよい。
【0047】
ほかにも、提案するサービスまたは商品は、顧客が健康に関する商品の購入をした店舗とは異なる業種が取り扱うサービスまたは商品であって、顧客が健康に関する商品の購入をした店舗で一時的に取り扱っているサービスまたは商品であってもよい。つまり、提案するサービスまたは商品は、ドラッグストアとは異なる業種が取り扱うサービスまたは商品であって、顧客が健康に関する商品の購入をしたドラッグストアで一時的に取り扱っているサービスまたは商品であってもよい。具体的には、ドラッグストアで、一時的に家電を取り扱っている場合には、特定部113は、ドラッグストアで一時的に扱っている家電を、提案する商品またはサービスとして特定してもよい。
【0048】
決定部114は、特定したサービスまたは商品に関するインセンティブを決定する決定手段の一態様である。決定部114は、インセンティブを提供するか否かを決定することが可能である。つまり、決定部114は、インセンティブを提供しないことを決定してもよい。
【0049】
そして、決定部114がインセンティブを提供することを決定した場合には、決定部114は、インセンティブを提供する対象、及びインセンティブの内容を決定する。決定部114は、インセンティブを提供する対象として、顧客または店舗に対してインセンティブを提供することを決定してもよい。また、決定部114は、顧客及び店舗に対してインセンティブを提供することを決定してもよい。
【0050】
決定部114は、インセンティブを提供する対象を、例えば、提案するサービスまたは商品に応じて決定してもよい。つまり、提案するサービスまたは商品の価格が所定の価格以上の場合には、決定部114は、インセンティブを提供する対象を店舗及び顧客と決定してもよい。また、特定したサービスまたは商品を扱う店舗がドラッグストアから所定距離以上離れている場合には、決定部114は、インセンティブを提供する対象を顧客と決定してもよい。顧客にインセンティブを提供することで、顧客はドラッグストアから遠い店舗を利用する可能性が高まる場合がある。このとき、決定部114は、インセンティブを提供する対象を、顧客および店舗と決定してもよい。
【0051】
また、決定部114は、インセンティブを提供する対象を、例えば、顧客の購買履歴に応じて決定してもよい。例えば、取得部111が所定期間以上の購買履歴を取得可能な顧客は長期間ドラッグストアを利用している顧客である場合がある。そのため、決定部114は、取得部111が所定期間以上の購買履歴を取得可能な顧客を、インセンティブの提供対象として決定する。一方、所定期間以下の購買履歴を取得可能な顧客は、決定部114により決定されたインセンティブの提供対象に含まれなくてもよい。
【0052】
決定部114は、例えば、特定部113が特定した顧客がサービスまたは商品を利用した場合に、インセンティブを決定する。また、決定部114は、例えば、顧客がドラッグストアで商品を購入した場合に、インセンティブを決定してもよい。さらに、決定部114は、取得部111が計測機器から身体情報を取得した場合に、顧客に対するインセンティブを決定することも可能である。決定部114がインセンティブを決定するタイミングがこれらに限られない。ほかにも、決定部114は、例えば、ドラッグストアにおいて、顧客の処方箋を受け付けた場合に、インセンティブを決定してもよい。
【0053】
さらに、決定部114は、インセンティブの内容を決定する。決定部114は、インセンティブの内容として、インセンティブの形式または額を決定することが可能である。インセンティブの形式は、クーポンでもよいし、ポイントでもよい。また、決定部114は、インセンティブとして、顧客にキャッシュバックを行うことを決定してもよい。インセンティブの形式および額は、インセンティブを提供する対象に応じて異なってもよい。
【0054】
また、インセンティブの形式は、決定部114がインセンティブを決定するタイミングによって異なってもよい。顧客に対するインセンティブは、提案されたサービスまたは商品の割引が受けられるクーポンであってもよいし、提案されたサービスまたは商品の購入に使用できるポイントであってもよい。ほかにも、提案されたサービスまたは商品を顧客が利用した場合に、インセンティブを提供する場合には、インセンティブは、例えば、ドラッグストアで使用できるクーポンまたはポイントであってもよい。
【0055】
インセンティブの額についても、決定部114がインセンティブを決定するタイミングによって異なってもよい。つまり、顧客が提案されたサービスまたは商品を利用した場合に決定されるインセンティブと、計測機器によって身体情報が取得された場合に決定されるインセンティブとが異なってもよい。
【0056】
インセンティブの形式および額は、特定部113が提案するサービスまたは商品に応じて異なってもよい。例えば、決定部114は、提案するサービスまたは商品の価格に比例したインセンティブの額を決定してもよい。また、決定部114は、特定部113が提案するものがサービスであるか商品であるかによって、インセンティブの形式を異ならせることも可能である。インセンティブは上記の例に限られない。
【0057】
提案装置11は、さらに通知部115を備えていてもよい。
【0058】
通知部115は、インセンティブを通知する通知手段の一態様である。通知部115は、決定部114が決定したインセンティブを通知する。また、通知部115は、特定部113が特定したサービスまたは商品に関する情報を通知する。通知部115は、決定部114が顧客に対するインセンティブを決定した場合には、顧客に対してインセンティブを通知する。また、通知部115は、決定部114が店舗に対するインセンティブを決定した場合には、店舗に対してインセンティブを通知する。
【0059】
顧客に対するインセンティブの通知は、例えば、顧客が利用する端末に対して行われる。具体的には、通知部115は端末に対して、提案するサービスまたは商品の情報を含んだ通知をすることで、サービスまたは商品を提案することが可能である。また、例えば、ドラッグストアのアプリが端末にインストールされている場合には、特定部113は、アプリを介して、顧客にサービスまたは商品を提案することができる。ここで、顧客が利用する端末とは、スマートフォン、タブレット、またはパーソナルコンピュータが例として挙げられる。ほかにもドラッグストアに設置された計測機器を顧客が利用している場合には、通知部115は、計測機器に対してインセンティブを通知することも可能である。顧客は、自身が利用する端末を通して、提供されたインセンティブを確認することが可能である。
【0060】
顧客に対して通知されるインセンティブは、ほかにも、商品を購入したレシートに表示する形式で通知されていてもよい。このとき、レシートは印刷された紙のレシートでもよいし、電子レシートでもよい。
【0061】
通知部115によるサービスまたは商品に関する情報の通知方法は、特定部113によるサービスまたは商品の提案と同様の方法でもよいし、異なる方法でもよい。
【0062】
図2には、顧客端末の画面表示の一例を示す。図2を参照すると、顧客端末の画面には、提案されたサービスまたは商品に関する情報が表示されている。端末の画面に表示された地図上に、特定部113が特定したサービスまたは商品を扱う店舗の位置情報が表示されている。また、提案装置11が通知部115を備える場合に、顧客端末の画面には、地図上に表示された商品の購入に使用できるクーポンが、インセンティブとして表示されている。特定されたサービスまたは商品に関する情報及びインセンティブの表示方法はこれに限られない。地図上に表示されるサービスまたは商品を扱う店舗は複数であってもよいし、1つであってもよい。また、顧客端末の画面には、特定されたサービスまたは商品に関する情報とともに、顧客の健康状態に関する情報が表示されていてもよい。
【0063】
次に、図3を参照して、提案装置11の処理動作を説明する。図3は、本開示に係る提案装置の処理動作の一例を示すフローチャートである。図3において、提案装置11は、取得部111、推定部112、特定部113、及び決定部114を備える。
【0064】
ステップS101において、取得部111は、健康に関する商品の購買履歴を取得する。次にステップS102において、推定部112は、購買履歴に基づいて、顧客の健康状態を推定する。そして、ステップS103において、特定部113は、店舗で取り扱う商品と異なり、顧客に対して提案するサービスまたは商品を提案する。ステップS104において、決定部114は、インセンティブを決定する。そして、提案装置11は、動作を終了する。
【0065】
提案装置11が通知部115を備える場合には、ステップS104の動作の後に、通知部115は、インセンティブを通知する。そして、提案装置11は動作を終了する。
【0066】
取得部111が、購買履歴に加えて、顧客の身体情報、行動履歴、または医療機関での診断結果のうち少なくともいずれか1つをさらに取得する場合には、ステップS101において、取得部111は、購買履歴に加えて、顧客の身体情報、行動履歴、または医療機関での診断結果のうち少なくともいずれか1つをさらに取得する。そして、ステップS102において、推定部112は、身体情報、行動履歴、または診断結果のうち少なくともいずれか1つと、購買履歴と、に基づいて、顧客の健康状態を推定する。そして、提案装置11が通知部115を備えない場合には、提案装置11はステップS103、ステップS104の動作を行う。そして、提案装置11は動作を終了する。また、提案装置11が通知部115を備える場合には、ステップS103、ステップS104の動作の後に、通知部115は、インセンティブを通知する。そして、提案装置11は動作を終了する。
【0067】
本実施形態において、提案装置11は、店舗における、健康に関する商品の購買履歴を取得する取得部111と、購買履歴に基づいて、顧客の健康状態を推定する推定部112と、推定結果に応じて、店舗で取り扱う商品と異なり、顧客に対して提案するサービスまたは商品を提案する特定部113と、特定したサービスまたは商品に関するインセンティブを決定する決定部114と、を備える。この構成により、特定部113は、店舗で健康に関する商品を購入した顧客に対して、当該店舗で取り扱う商品と異なるサービスまたは商品を提案することができる。ここで、店舗とは、例えば、ドラッグストアである。ドラッグストアは、健康に関する商品の購買履歴が取得できる場合がある。そこで、提案装置11によって、ドラッグストアを利用する顧客を、ドラッグストアからほかの店舗に送客することが可能となる。そして、決定部114がインセンティブを決定する。決定部114は、顧客に対するインセンティブを決定することが可能である。そのため、顧客が、提案されたサービスまたは商品を利用する可能性が高まる場合がある。また、決定部114は、店舗に対するインセンティブを決定することが可能である。そのため、店舗において、当該店舗が取り扱う商品と異なるサービスまたは商品を提案することが、店舗の収益につながる。その結果、店舗を利用した顧客による、当該店舗で取り扱う商品と異なるサービスまたは商品の利用を促進することが可能である。
【0068】
本実施形態に係る提案装置11において、店舗で取り扱う商品と異なり、提案するサービスまたは商品が、顧客が健康に関する商品の購入をした店舗とは異なる業種の店舗が取り扱う、顧客の健康状態に適したサービスまたは商品である。特定部113は、顧客が健康に関する商品の購入をした店舗とは異なる業種の店舗が取り扱うサービスまたは商品を特定する。この構成により、異なる業種間で連携して、顧客の利用を促すことが可能である。また、特定部113は、顧客の健康状態に適したサービスまたは商品を、顧客に対して特定する。そのため、顧客は自分の健康状態に適したサービスまたは商品を把握することが可能である。その結果、提案装置11は、顧客の健康状態を改善、維持、または増進することが可能である。
【0069】
本実施形態において、提案装置11は、取得部111が、顧客の身体情報、行動履歴、または医療機関での診断結果のうち少なくともいずれか1つをさらに取得し、推定部112は、身体情報、行動履歴、または診断結果のうち少なくともいずれか1つと、購買履歴と、に基づいて、顧客の健康状態を推定する。この構成により、提案装置11は、顧客の健康状態をより適切に推定することが可能である。その結果、提案装置11は顧客の健康状態に応じたサービスまたは商品を提案することができ、顧客の健康状態を改善、維持、または増進することが可能である。
【0070】
本実施形態において、提案装置11は、取得部111が、顧客が店舗に設置された計測機器で測定した身体情報を取得する。この構成によって、提案装置11は、店舗に訪れた顧客の身体情報を取得することが可能である。その結果、提案装置11は、店舗に訪れた顧客に対して、サービスまたは商品を提案することができる。顧客にとっては、店舗を訪れて身体情報の測定をすることが可能となる。さらに、顧客は、自分の健康状態に応じたサービスまたは商品の提案を受けることが可能である。その結果、顧客は、店舗に訪れることによって得られる恩恵が大きくなる。そのため、顧客による店舗の利用を促進することが可能である。さらに、提案装置11は、取得部111が、顧客の店舗内における動線を、行動履歴として取得してもよい。この構成により、提案装置11は、店舗内における顧客の行動にも基づき、健康状態を推定することが可能である。店舗内における顧客の行動には、顧客の購買に対する意識や、購入商品の希望が表れている。そのため、顧客の行動に基づいて健康状態を推定することで、提案装置11は、適切なサービスまたは商品を顧客に提案することが可能である。また、顧客は、店舗に訪れることで、店舗内の行動から自身の健康状態に応じたサービスまたは商品の提案を受けることができる。その結果、提案装置11によって、顧客の利便性向上につながる。さらに、提案装置11は、取得部111が、診断結果を、顧客の処方箋から取得することも可能である。ドラッグストアには、処方箋を受け付け、薬の調剤を行っている店舗がある。そのため、提案装置11は、顧客が持参した処方箋から、診断結果を取得することが可能である。提案装置11は、顧客の診断結果を取得することで、顧客の健康状態に応じたサービスまたは商品の提案が可能である。顧客は処方された薬を受け取るために店舗を利用する際に、自身の健康状態に応じたサービスまたは商品の提案を受けることができる。そのため、提案装置11は、顧客による店舗の利用の促進につながる。
【0071】
本実施形態において、提案装置11は、インセンティブを通知する通知部115をさらに備える。そして、決定部114は、顧客がサービスまたは商品を利用した場合に、店舗に対するインセンティブを決定し、通知部115は、インセンティブを店舗に対して通知する。提案装置11は、店舗で取り扱う商品と異なるサービスまたは商品を提案する。そこで、提案装置11が店舗に対してインセンティブを提供することで、サービスまたは商品の提案を行うことの恩恵を、店舗設けることが可能となる。また、提案装置11は、顧客がサービスまたは商品を利用した場合に店舗に対するインセンティブを決定する。そのため、店舗は顧客の利用状況に応じたインセンティブを得ることができる。顧客の利用状況に応じたインセンティブを得られることで、店舗におけるサービスまたは商品の提案が活発になり、店舗間の送客が可能となる。
【0072】
本実施形態において、提案装置11は、インセンティブを通知する通知部115をさらに備える。そして、決定部114が、取得部111が計測機器から身体情報を取得した場合に、決定部114は、顧客に対するインセンティブを決定する。そして、通知部115は、インセンティブを顧客に対して通知する。この構成により、顧客は提案されたサービスまたは商品を積極的に利用する場合がある。その結果、店舗間の送客が可能となる。また、顧客の健康状態に応じたサービスまたは商品を顧客が積極的に利用をすることで、顧客の健康状態を改善、維持、または増進することが可能である。
【0073】
本実施形態において、提案装置11は、推定部112が、顧客の健康状態として、顧客の健康に関する習慣を推定し、特定部113が、顧客が購入する習慣がある商品の専門店が取り扱う商品またはサービスを特定する。店舗とは例えば、ドラッグストアであるが、ドラッグストアで取り扱う商品と、専門店で取り扱う商品とでは、価格、種類、また製造会社が異なる場合がある。そのため、顧客に対して、専門店で扱うサービスまたは商品を提案することで、顧客の健康状態により適したサービスまたは商品を提案することができる場合がある。また、顧客は、サービスまたは商品の提案を受けることで、利用するサービスまたは商品の選択肢が増える。その結果、より自分に適したサービスまたは商品を利用でき、満足度が向上する。また、顧客の利便性も向上する。
【0074】
本実施形態において、提案装置11は、推定部112が、顧客の健康状態として、顧客の健康に対する意識を推定し、特定部113が、顧客が気にかけていると推定された身体の部位または疾病の改善につながる商品またはサービスを特定する。顧客は、自分が気にしている部位や疾病に適したサービスまたは商品を知らない場合がある。その場合には、提案装置11がサービスまたは商品を提案することで、顧客は健康状態に適したサービスまたは商品を利用することが可能となる。また、提案装置11がサービスまたは商品を提案することで、顧客が利用するサービスまたは商品の選択肢が増える場合がある。その結果、顧客は健康状態により適したサービスまたは商品を利用することができる。その結果、顧客の健康状態を改善、維持、または増進することが可能である。
【0075】
[ハードウェア構成例]
図4は、本開示における提案装置21のハードウェア構成例を示す図である。提案装置21はコンピュータで実現される。
【0076】
提案装置21は、プロセッサ211、ROM(Read Only Memory)212、RAM(Random Access Memory)213、プログラムを格納するハードディスク等の記憶装置214、データの入出力を行う入出力インターフェース215、ネットワーク接続用の通信インターフェース216を含む。各構成部は、バス217を介して接続されている。
【0077】
プロセッサ211は、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータの全体を制御する。プロセッサ211は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)などがあげられる。プロセッサは、例えば、ROM212、記憶装置214などに記憶されたプログラムをロードする。そして、プロセッサ211は、プログラムにコーディングされている各処理を実行する。プロセッサ211は、プログラムに基づいて図示したフローチャートにおける処理または命令を実行してもよい。
【0078】
ROM212はアプリケーションプログラム、各実施の形態に係るプログラムなどを記憶する。また、RAM213は、プロセッサ211のワークエリアとして使用される。
【0079】
記憶装置214は、例えば、フラッシュメモリなどの半導体メモリ、HDD(Hard Disk Driver)などがあげられる。記憶装置214は例えばOS(Operating System)のプログラム、アプリケーションプログラム、各実施形態に係るプログラム、などを記憶する。
【0080】
入出力インターフェース215は、周辺機器(不図示)に接続される。接続方法は有線であっても無線であってもよい。
【0081】
通信インターフェース216は、無線または有線の通信回線を通じて、LAN(Local Network)、WAN(Wide Area Network)などの通信ネットワーク(不図示)に接続される。なお、通信ネットワークは複数の通信ネットワークによって構成されてもよい。これにより、コンピュータは通信ネットワークを介して外部の装置に接続される。
【0082】
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。そして、各実施の形態は、適宜他の実施の形態と組み合わせることができる。
【0083】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0084】
(付記1)
店舗における、健康に関する商品の購買履歴を取得する取得手段と、
前記購買履歴に基づいて、顧客の健康状態を推定する推定手段と、
推定結果に応じて、前記店舗で取り扱う商品と異なり、顧客に対して提案するサービスまたは商品を特定する特定手段と、
特定した前記サービスまたは前記商品に関するインセンティブを決定する決定手段と、
を備える提案装置。
【0085】
(付記2)
前記店舗で取り扱う商品と異なり、前記顧客に対して提案するサービスまたは商品とは、前記顧客が前記健康に関する商品の購入をした前記店舗とは異なる業種の企業が取り扱う、前記顧客の健康状態に適した前記サービスまたは前記商品である
付記1に記載の提案装置。
【0086】
(付記3)
前記店舗で取り扱う商品と異なり、前記顧客に対して提案するサービスまたは商品とは、前記顧客が前記健康に関する商品の購入をした前記店舗とは異なる業種の店舗が取り扱う、前記顧客の健康状態に適した前記サービスまたは前記商品である
付記1に記載の提案装置。
【0087】
(付記4)
前記取得手段は、前記顧客の身体情報、行動履歴、または医療機関での診断結果のうち少なくともいずれか1つをさらに取得し、
前記推定手段は、前記身体情報、前記行動履歴、または前記診断結果のうち少なくともいずれか1つと、前記購買履歴と、に基づいて、前記顧客の健康状態を推定する
付記1から3のいずれか1つに記載の提案装置。
【0088】
(付記5)
前記取得手段は、前記身体情報を前記店舗に設置された計測機器から取得する
付記4に記載の提案装置。
【0089】
(付記6)
前記取得手段は、前記顧客の前記店舗内における動線を、前記行動履歴として取得する
付記4に記載の提案装置。
【0090】
(付記7)
前記取得手段は、前記診断結果を、前記顧客の処方箋から取得する
付記4に記載の提案装置。
【0091】
(付記8)
前記決定手段は、前記顧客が前記サービスまたは前記商品を利用した場合に、前記店舗に対する前記インセンティブを決定する
付記1から7のいずれか1つに記載の提案装置。
【0092】
(付記9)
前記決定手段は、前記取得手段が前記計測機器から前記身体情報を取得した場合に、前記顧客に対する前記インセンティブを決定する
付記4から8のいずれか1つに記載の提案装置。
【0093】
(付記10)
前記インセンティブを前記顧客または前記店舗に対して通知する通知手段をさらに備える
付記1から9のいずれか1つに記載の提案装置。
【0094】
(付記11)
前記推定手段は、前記顧客の健康状態として、前記顧客の健康に関する習慣を推定し、
前記特定手段は、前記顧客が購入する習慣がある商品の専門店が取り扱う前記商品または前記サービスを特定する
付記1から10のいずれか1つに記載の提案装置。
【0095】
(付記12)
前記推定手段は、前記顧客の健康状態として、前記顧客の健康に対する意識を推定し、
前記特定手段は、前記顧客が気にかけていると推定された身体の部位または疾病の改善につながる前記商品または前記サービスを特定する
付記1から11のいずれか1つに記載の提案装置。
【0096】
(付記13)
店舗における、健康に関する商品の購買履歴を取得し、
前記購買履歴に基づいて、顧客の健康状態を推定し、
推定結果に応じて、前記店舗で取り扱う商品と異なり、前記顧客に対して提案するサービスまたは商品を特定し、
特定した前記サービスまたは前記商品に関するインセンティブを決定する、
提案方法。
【0097】
(付記14)
前記店舗で取り扱う商品と異なり、前記顧客に対して提案するサービスまたは商品とは、前記顧客が前記健康に関する商品の購入をした前記店舗とは異なる業種の企業が取り扱う、前記顧客の健康状態に適した前記サービスまたは前記商品である
付記13に記載の提案方法。
【0098】
(付記15)
前記店舗で取り扱う商品と異なり、前記顧客に対して提案するサービスまたは商品とは、前記顧客が前記健康に関する商品の購入をした前記店舗とは異なる業種の店舗が取り扱う、前記顧客の健康状態に適した前記サービスまたは前記商品である
付記13に記載の提案方法。
【0099】
(付記16)
前記顧客の身体情報、行動履歴、または医療機関での診断結果のうち少なくともいずれか1つをさらに取得し、
前記身体情報、前記行動履歴、または前記診断結果のうち少なくともいずれか1つと、前記購買履歴と、に基づいて、前記顧客の健康状態を推定する
付記13から15のいずれか1つに記載の提案方法。
【0100】
(付記17)
前記身体情報を前記店舗に設置された計測機器から取得する
付記16に記載の提案方法。
【0101】
(付記18)
前記顧客の前記店舗内における動線を、前記行動履歴として取得する
付記16に記載の提案方法。
【0102】
(付記19)
前記診断結果を、前記顧客の処方箋から取得する
付記16に記載の提案方法。
【0103】
(付記20)
前記顧客が前記サービスまたは前記商品を利用した場合に、前記店舗に対する前記インセンティブを決定する
付記13から19のいずれか1つに記載の提案方法。
【0104】
(付記21)
前記取得手段が前記計測機器から前記身体情報を取得した場合に、前記顧客に対する前記インセンティブを決定する
付記16から20のいずれか1つに記載の提案方法。
【0105】
(付記22)
前記インセンティブを前記顧客または前記店舗に対して通知する
付記13から21のいずれか1つに記載の提案方法。
【0106】
(付記23)
前記顧客の健康状態として、前記顧客の健康に関する習慣を推定し、
前記顧客が購入する習慣がある商品の専門店が取り扱う前記商品または前記サービスを特定する
付記13から22のいずれか1つに記載の提案方法。
【0107】
(付記24)
前記顧客の健康状態として、前記顧客の健康に対する意識を推定し、
前記顧客が気にかけてと推定された身体の部位または疾病の改善につながる前記商品または前記サービスを特定する
付記13から23のいずれか1つに記載の提案方法。
【0108】
(付記25)
コンピュータに、
店舗における、健康に関する商品の購買履歴を取得し、
前記購買履歴に基づいて、顧客の健康状態を推定し、
推定結果に応じて、前記店舗で取り扱う商品と異なり、前記顧客に対して提案するサービスまたは商品を特定し、
特定した前記サービスまたは前記商品に関するインセンティブを決定する、
処理を実行させる提案プログラム。
【0109】
(付記26)
前記店舗で取り扱う商品と異なり、前記顧客に対して提案するサービスまたは商品とは、前記顧客が前記健康に関する商品の購入をした前記店舗とは異なる業種の企業が取り扱う、前記顧客の健康状態に適した前記サービスまたは前記商品である
付記25に記載の提案プログラム。
【0110】
(付記27)
前記店舗で取り扱う商品と異なり、前記顧客に対して提案するサービスまたは商品とは、前記顧客が前記健康に関する商品の購入をした前記店舗とは異なる業種の店舗が取り扱う、前記顧客の健康状態に適した前記サービスまたは前記商品である
付記25に記載の提案プログラム。
【0111】
(付記28)
前記顧客の身体情報、行動履歴、または医療機関での診断結果のうち少なくともいずれか1つをさらに取得し、
前記身体情報、前記行動履歴、または前記診断結果のうち少なくともいずれか1つと、前記購買履歴と、に基づいて、前記顧客の健康状態を推定する
付記25から27のいずれか1つに記載の提案プログラム。
【0112】
(付記29)
前記身体情報を前記店舗に設置された計測機器から取得する
付記28に記載の提案プログラム。
【0113】
(付記30)
前記顧客の前記店舗内における動線を、前記行動履歴として取得する
付記28に記載の提案プログラム。
【0114】
(付記31)
前記診断結果を、前記顧客の処方箋から取得する
付記28に記載の提案プログラム。
【0115】
(付記32)
前記顧客が前記サービスまたは前記商品を利用した場合に、前記店舗に対する前記インセンティブを決定する
付記25から31のいずれか1つに記載の提案プログラム。
【0116】
(付記33)
前記取得手段が前記計測機器から前記身体情報を取得した場合に、前記顧客に対する前記インセンティブを決定する
付記28から32のいずれか1つに記載の提案プログラム。
【0117】
(付記34)
前記インセンティブを前記顧客または前記店舗に対して通知する
付記25から33のいずれか1つに記載の提案プログラム。
【0118】
(付記35)
前記顧客の健康状態として、前記顧客の健康に関する習慣を推定し、
前記顧客が購入する習慣がある商品の専門店が取り扱う前記商品または前記サービスを特定する
付記25から34のいずれか1つに記載の提案プログラム。
【0119】
(付記36)
前記顧客の健康状態として、前記顧客の健康に対する意識を推定し、
前記顧客が気にかけていると推定された身体の部位または疾病の改善につながる前記商品または前記サービスを特定する
付記25から35のいずれか1つに記載の提案プログラム。
【符号の説明】
【0120】
11、21 提案装置
111 取得部
112 推定部
113 特定部
114 決定部
115 通知部
211 プロセッサ
212 ROM
213 RAM
214 記憶装置
215 入出力インターフェース
216 通信インターフェース
217 バス
図1
図2
図3
図4