(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025693
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】インターホンシステム
(51)【国際特許分類】
H04M 9/00 20060101AFI20250214BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20250214BHJP
【FI】
H04M9/00 B
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130733
(22)【出願日】2023-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】521385541
【氏名又は名称】田中 実
(72)【発明者】
【氏名】田中 実
【テーマコード(参考)】
5K038
5L049
【Fターム(参考)】
5K038AA06
5K038DD12
5K038FF01
5K038GG03
5L049AA21
(57)【要約】
【課題】訪問者の訪問回数に関わらず、居住者にとって好ましくない訪問者への応対を回避し、安心して訪問者への応答ができること。
【解決手段】居住者により操作される親機と訪問者によって操作させる子機とからなるインターホンシステムにおいて、前記居住者により予め登録された少なくとも1人の登録者に関する情報であって、前記登録者であることを特定する登録者情報を記憶する記憶部と、前記訪問者を検知する検知装置によって検知された前記訪問者に関する訪問者情報を生成する生成部と、前記訪問者情報と前記登録者情報とを照合する照合部と、前記照合部による照合結果に応じて、前記子機に備えられる出力装置に、前記訪問者の要件を確認するための訪問確認情報を出力させる制御部とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住者により操作される親機と訪問者によって操作させる子機とからなるインターホンシステムにおいて、
前記居住者により予め登録された少なくとも1人の登録者に関する情報であって、前記登録者であることを特定する登録者情報を記憶する記憶部と、
前記訪問者を検知する検知装置によって検知された前記訪問者に関する訪問者情報を生成する生成部と、
前記訪問者情報と前記登録者情報とを照合する照合部と、
前記照合部による照合結果に応じて、前記子機に備えられる出力装置に、前記訪問者の要件を確認するための訪問確認情報を出力させる制御部とを有することを特徴とするインターホンシステム。
【請求項2】
前記記憶部は、前記登録者情報として、前記居住者にとって好ましい登録者に関する第1の登録者情報と、前記居住者にとって好ましくない登録者に関する第2の登録者情報との少なくともいずれかを記憶することを特徴とする請求項1に記載のインターホンシステム。
【請求項3】
記記憶部は、前記登録者情報として、前記居住者にとって好ましい登録者に関する第1の登録者情報を記憶し、
前記制御部は、前記照合部による照合の結果、前記訪問者情報と前記第1の登録者情報とが一致しない場合には、前記出力装置に前記訪問確認情報を出力させること、を特徴とする請求項1に記載のインターホンシステム。
【請求項4】
前記子機は、前記訪問者を撮像する撮像部をさらに有し、
前記制御部は、前記照合部による照合の結果、前記訪問者情報と前記第1の登録者情報とが一致しない場合には、前記撮像部に前記訪問者を撮像させることを特徴とする請求項2又は3に記載のインターホンシステム。
【請求項5】
前記記憶部は、前記登録者情報として、前記居住者にとって好ましい登録者に関する第1の登録者情報を記憶し、
前記制御部は、前記照合部による照合の結果、前記訪問者情報と前記第2の登録者情報とが一致する場合に場合に、前記出力装置に前記訪問確認情報を出力させないこと、を特徴とする請求項1に記載のインターホンシステム。
【請求項6】
前記記憶部は、前記登録者の顔部位の画像データに関する情報を前記登録者情報として記憶し、
前記生成部は、前記訪問者の顔部位の画像データに関する情報を前記訪問者情報として生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインターホンシステム。
【請求項7】
前記検知部によって前記訪問者が検知された場合に、前記居住者に対して、訪問検知に関する訪問検知情報を通知する通知部をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインターホンシステム。
【請求項8】
前記通知部は、前記照合部による照合結果を含む前記訪問検知情報を通知することを特徴とする請求項7に記載のインターホンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅等への訪問者に応対するインターホンシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から住宅等への来訪があった場合に、居住者が屋外にいる訪問者の要件などを確認する手段としてインターホンシステムが活用されており、さまざま機能が追加され進化している。
【0003】
近年は、防犯等の観点から、好ましくない訪問者を撮像して画像登録しておき、次回訪問時の訪問者の画像と登録された画像とを照合し、一致する場合にはインターホンによる応答を制限するといった技術が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【0005】
特許文献1のような技術では、訪問販売など居住者が好ましくないと考える訪問者があった場合に不用意に応対してしまう機会を減らすことが期待できるが、未だ画像登録されていない初めての訪問者である場合には、依然応対する手間がかかるなど、居住者にとって望まない事態が発生するという課題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑み、訪問者の訪問回数に関わらず、居住者にとって好ましくない訪問者への応対を回避し、安心して訪問者への応答ができるインターホンシステムを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一態様に係るインターホンシステムは、居住者により操作される親機と訪問者によって操作させる子機とからなるインターホンシステムであって、前記居住者により予め登録された少なくとも1人の登録者に関する情報であって、前記登録者であることを特定する登録者情報を記憶する記憶部と、前記訪問者を検知する検知部と、前記検知部によって検知された前記訪問者に関する訪問者情報を生成する生成部と、前記訪問者情報と前記登録者情報とを照合する照合部と、前記照合部による照合結果に応じて、前記子機に備えられる出力装置に、前記訪問者の要件を確認するための訪問確認情報を出力させる制御部とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の構成によれば、居住者にとって好ましい訪問者あるいは好ましくない訪問者などの情報を予め登録しておくことで、訪問回数に関わらず好ましくない訪問者への応対を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態に係るインターホンシステムの構成に関する概略図である。
【
図2】本実施の形態に係るインターホンシステムを構成する子機の構成を示す概略図である。
【
図3】本実施の形態に係るサーバを構成する子機の構成を示す概略図である。
【
図4】訪問確認情報をディスプレイに表示させる表示例を示す図である。
【
図5】本実施の形態に係るインターホンシステムの処理フローを示す図である。
【
図6】本実施の形態に係るインターホンシステムの他の処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係るインターホンシステムについて詳細に説明する。
【0011】
(インターホンシステムの構成)
図1は、本実施の形態に係るインターホンシステム1の構成に関する概略図である。インターホンシステム1は、戸建てや集合住宅などの住居Hに居住する居住者と、居住者を訪問しようとする訪問者との通話等のコミュニケーションを実現するシステムである。
【0012】
図1に示すように、本実施の形態に係るインターホンシステム1は、親機10と、子機20と、サーバ30と、ユーザ端末40とを有しており、各装置は、ネットワークWを介して接続されている。
【0013】
親機10は、住居Hの中に設置されており、屋外の訪問者とのコミュニケーションを実現する装置である。親機10は、訪問者の音声を出力するスピーカ、訪問者に対して発話するマイク、訪問者の映像等を表示するディスプレイ、各種操作を行うための操作機能などを有する。親機10の構成はこれに限られず、訪問者とのコミュニケーションや訪問者の様子を確認するために必要なその他の機能が備えられていてもよい。なお親機10は住居の中に設定されている態様に限られず、居住者が携帯しながら操作が行える携帯型端末でもよく、後述するユーザ端末40が親機10として機能してもよい。
【0014】
子機20は、住居Hに隣接する屋外に設置されており、住居H内の居住者とのコミュニケーションを実現する装置である。子機20は、通信部21と、操作受付部22と、音声処理部23と、検知部24と、撮像部25と、制御部26とを有している。
【0015】
通信部21は、子機20が外部の装置と通信するための処理を実行する。
【0016】
操作受付部22は、センシティブ・デバイス221やディスプレイ222の入力装置に対する訪問者などの操作者の入力操作を受け付ける処理を実行する。
【0017】
音声処理部23は、音声の入力および出力に関する処理を実行する。音声処理部23は、マイク231とスピーカ232を有する。マイク231は、訪問者の音声などを集音し、集音された音声信号は、親機10、サーバ30、ユーザ端末40等に送信される。スピーカは、親機10を介して集音される居住者の音声を出力する。
【0018】
呼出部24は、訪問者があった場合に訪問者によって行われる、居住者に対する呼出要求の処理を実行する。呼出部24による呼出要求は、後述するサーバ30を構成する検知部33による訪問者の検知の起点となるものである。したがって、呼出部24による呼出要求が実行された場合に即座に親機10に対して訪問者があったことを示す通知(訪問検知通知)は行われない。しかし、呼出部24による呼出要求が実行された場合に、検知部33による訪問者の検知が実行されると同時に親機10やユーザ端末40に対して訪問検知通知を通知する設定をすることもできる。
【0019】
撮像部25は、訪問者の画像または映像を撮像するための処理を実行する。撮像部25は、例えば、カメラやビデオなどの撮像装置を有し、カメラの前に立つ訪問者の姿を撮像する。撮像部25によって撮像される訪問者の撮像範囲は適宜設定される。
【0020】
制御部26は、予め記憶されるプログラムに含まれる命令を実行することにより、子機20の動作を制御する処理を実行する。制御部26は、例えば、子機20に予めインストールされているアプリケーションである。制御部26は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部181と、送受信部182と、通知制御部183と、データ処理部184として機能する。
【0021】
サーバ30は、親機10、子機20、ユーザ端末40と無線通信等で接続されており、インターホンシステム1の各種動作の制御、各種情報の管理などを行う。サーバ30は、通信部31と、記憶部32と、検知部33と、生成部34と、照合部35と、制御部36と、撮像部37と、通知部38とを有している、
【0022】
通信部31は、サーバ30が外部の装置と通信するための処理を実行する。
【0023】
記憶部32は、住居Hに住居する居住者により予め登録された少なくとも1人の登録者に関する情報(以下、登録者情報という)を記憶する。
【0024】
記憶部32への登録者情報の記憶は、例えば、親機10、ユーザ端末40を使用した登録者情報の登録操作により行うことができる。例えば居住者は、ユーザ端末40を使用して、ユーザ端末40に保存される人物が写った画像データに基づき、記憶部32へ登録者情報を記憶させる操作を行う。このように居住者は、訪問可能性のある人物に関する情報を登録者情報として記憶部32に記憶させておくことで、初めて訪問する訪問者に対してもインターホンシステム1の動作を適用させることができる。記憶部32への登録者情報の記憶は、後述する子機20に備えられるカメラ・ビデオなどの撮像装置(撮像部25)によって撮像される訪問者の画像データに基づき記憶されてもよい。これにより、予め記憶される登録者情報に含まれていなかった訪問者に関する情報も記憶部32に記憶されるので、居住者が想定していなかった訪問者などに対してもインターホンシステム1の動作を適用させることができる。
【0025】
記憶部32に記憶される登録者情報には、訪問の可能性がある対象人物に関する情報、例えば、対象人物の氏名に関する情報、対象人物の会社名などの所属に関する情報、対象人物の居住者との関係に関する情報、対象人物の顔などの画像データに関する情報、対象人物の音声に関する情報などが含まれる。登録者情報は、例えば、居住者が保有するユーザ端末40からの登録操作によって記憶部32に記憶される。なお登録者情報が画像データに関する情報を含む場合、対象人物の顔に関する画像データだけではなく、対象人物の服装や姿勢などの特徴を表す画像データを服もこともできる。例えば、登録者情報として、配送業者特有のユニフォームに関する画像データや警察官の制服に関する画像データを含めることができる。
【0026】
また記憶部32に記憶される登録者情報には、属性に関する情報を含めることができる。属性に関する情報としては例えば、家族、親戚、親しい友人、配送・宅配業者、セールス・勧誘などに関する情報が含まれる。
【0027】
登録者情報は、居住者にとって好ましい訪問者であるか否かによってグループ分けなどの分類を設定することができる。例えば、居住者にとって好ましい訪問者(家族、親戚、親しい友人など)に該当する登録者情報を第1のグループ(第1の登録者情報)とし、居住者にとって好ましくない訪問者(訪問販売などのセールスを行う人物、宗教などの勧誘を行う人物など)に該当する登録者情報を第2のグループ(第2の登録者情報)として記憶部32に記憶させることができる。このようなグループ分けは、属性に関する情報に基づいて行ってもよく、個々の登録者情報に基づいて行ってもよい。なお、このようなグループ設定はあくまで例示であり、さまざまな条件に基づき登録者情報を分類することができる。
【0028】
記憶部32は、さらに訪問者に対して訪問の要件を確認するための情報である訪問確認情報を記憶する。記憶部32への訪問確認情報の記憶は、例えば、親機10、ユーザ端末40を使用した訪問確認情報の登録操作により行うことができる。
【0029】
訪問確認情報は、訪問者に対して訪問用件を確認するためのメッセージに関する情報、具体的な訪問用件に関する情報などが含まれる。具体的な訪問用件に関する情報とは、訪問者が居住者に対して通知する訪問理由を表した情報であり、例えば、「セールス・勧誘など」、「荷物の宅配・郵便物の配送」、「アポイントメントによる訪問」、「町内会関連による訪問」、「その他理由による訪問」が当該情報として含まれる。このような情報は、制御部36が子機20に備えられる出力装置(ディスプレイ222)に出力させる情報として使用される。
【0030】
訪問確認情報は、例えば
図4に示すような態様で出力装置(ディスプレイ222)に出力・表示される。ディスプレイ222の画面2220には、訪問者に対して訪問用件を確認するための情報を表示する表示枠2221と、訪問者によって選択される複数の具体的な訪問理由を表示する表示枠2222が設けられている。表示枠2222には、「セールス・勧誘など」を訪問理由とする情報2222A、「荷物の宅配・郵便物の配送」を訪問理由とする情報2222B、「アポイントメントによる訪問」を訪問理由とする情報2222C、「町内会関連による訪問」を訪問理由とする情報2222Dおよび「その他理由による訪問」を訪問理由とする情報2222Eが選択的に表示されている。訪問者は、これら5つの訪問理由とする情報から、該当する情報の1つにタッチすることで選択する。
【0031】
検知部33は、訪問者を検知する処理を実行する。検知部33による訪問者の検知は、さまざまな条件に基づき実行することができる。例えば検知部33は、子機20に備えられる呼出しボタン(呼出部24)が押されたことにより、訪問者を検知することができる。また例えば検知部33は、子機20から所定の距離範囲内に一定時間以上留まる人物がいた場合に訪問者とみなして検知することができる。この場合には、子機20に人感センサーなどが備えられ、当該人感センサーにより訪問者の検知を実現することができる。検知する条件は、これらに限られずさまざまな条件を設定することができる。
【0032】
生成部34は、検知部によって検知された訪問者に関する訪問者情報を生成する処理を実行する。生成部33によって生成される訪問者情報としては、例えば、訪問者の顔などの画像データに関する情報、訪問者の音声に関する情報、訪問者の氏名や所属に関する情報などが含まれる。訪問者の顔などの画像データに関する情報の生成は、例えば、子機20に備えられるカメラ・ビデオなどの撮像装置(撮像部25)による訪問者の撮像により実現される。訪問者の音声に関する情報の生成は、例えば、上記撮像装置や子機20に備えられるマイクなどの集音装置(音声処理部23)による訪問者の音声の集音により実現される。訪問者の氏名や所属に関する情報の生成は、例えば、上記撮像装置(撮像部25)や集音装置(音声処理部23)によって集音される訪問者の音声により実現される。
【0033】
照合部35は、記憶部32に記憶された登録者情報と、生成部34によって生成された訪問者情報とを照合する処理を実行する。照合部35による照合処理は、訪問者が登録者情報として登録された登録者と一致するか否かを判定するために実行される。例えば照合部35は、登録者情報として記憶された登録者の顔などの画像データに関する情報と訪問者情報として生成された訪問者の顔などの画像データに関する情報とが一致するか否かを照合する。これ以外にも照合部35は、登録者の音声に関する情報と訪問者の音声に関する情報とが一致するか否かを照合すること、登録者の氏名や所属などに関する情報と訪問者の氏名や所属などに関する情報とが一致するか否かを照合すること、などを実行することができる。
【0034】
制御部36は、照合部35による照合結果に応じて、子機に備えられる出力装置(ディスプレイ222)に、訪問者の要件を確認するための訪問確認情報を出力させる処理を実行する。
【0035】
例えば記憶部32において登録者情報として、居住者にとって好ましい訪問者に該当する第1の登録者情報と、居住者にとって好ましくない訪問者に該当する第2の登録者情報が記憶されている場合において、制御部36は、照合部35による照合の結果、訪問者情報が第1の登録者情報と一致しない場合、あるいは訪問者情報が第2の登録者情報と一致する場合には、子機20の出力装置(ディスプレイ222)に訪問確認情報を出力させる処理を実行することができる。このような処理を行うことによって、訪問者が居住者にとって好ましくない訪問者である場合、あるいは好ましい訪問者であるか否かが判断できない訪問者である場合に訪問用件を確認して防犯等に役立てることができる。
【0036】
また制御部36は、照合部35による照合の結果、訪問者情報が第1の登録者情報と一致する場合には、出力装置(ディスプレイ222)に訪問確認情報を出力させない処理を実行することができる。このような処理を行うことで、居住者にとって好ましい訪問者に対して、要件を確認する手間を省略し、速やかに訪問者に応対することができる。
【0037】
また制御部36は、照合部35による照合の結果、訪問者情報が第1の登録者情報と一致しない場合、あるいは訪問者情報が第2の登録者情報と一致する場合には、子機20の撮像部25に訪問者を撮像させる処理を実行することができる。このような処理を行うことで、訪問者が居住者にとって好ましくない訪問者である場合、あるいは好ましい訪問者であるか否かが判断できない訪問者である場合に当該訪問者を撮像しておくことで防犯等に役立てることができる。またこの場合、訪問者が未登録である場合には未登録の訪問者を撮像することで撮像データを登録者情報として活用することができる。
【0038】
通知部37は、検知部33によって訪問者が検知された場合に、居住者に対して訪問検知に関する訪問検知情報を通知する処理を実行する。具体的に通知部37は、訪問者が子機20の呼出しボタン(呼出部24)を押したことに応答して検知部33が訪問者を検知することにより、親機10に対して訪問検知情報を通知する。親機10に対する訪問検知情報の通知は、例えば、呼び出し音などの音声によって行われる。また通知部37は、親機10への通知だけでなく、居住者が保有するユーザ端末40に対して通知することができる。ユーザ端末40に対する訪問検知情報の通知は、例えば、電子メール、SMS(ショートメッセージ)などによる通知のほか、専用のアプリケーションを介した通知などによって行われる。
【0039】
通知部37が通知する訪問検知情報には、単なる音声情報だけでなく、訪問者に関する情報を含めることができる。また訪問検知情報には、照合部35による照合結果に関する情報を含めることができる。また訪問検知情報には、照合部35が訪問者情報と登録者情報とを照合することができた場合に、登録者情報の属性に関する情報を含めることができる。
【0040】
ユーザ端末40は、住宅Hの居住者が保有する端末装置であり、居住者の操作によってインターホンシステムに関わる各種操作を行うことができる装置である。居住者は、ユーザ端末40を使用して、記憶部32に登録者情報を記憶させるために登録者情報を登録する操作を行うことができる。また居住者は、ユーザ端末40を使用して、訪問者に訪問理由を確認するための訪問確認情報を記憶部32に記憶させるために訪問確認情報を登録する操作を行うことができる。このような情報登録の操作は、例えば専用のアプリケーションやブラウザサービスによって実現することができる。
【0041】
また居住者は、ユーザ端末40を使用して、訪問者があった場合に訪問検知情報を受信することができる。例えば、ユーザ端末40への訪問検知情報の通知は親機10への通知と連動させることができ、親機10へ通知と同時にユーザ端末40へも訪問検知情報が通知される。しかしこれに限らず、親機10へ訪問検知情報を通知する代わりに、ユーザ端末40へ訪問検知情報が通知される態様にも適用される。また、ユーザ端末40が親機10として機能し、親機10へのとして、ユーザ端末40へ訪問検知情報が通知される態様にも適用される。このような情報通知は、例えば専用のアプリケーションやブラウザサービスによって実現することができる。
【0042】
(インターホンシステムの処理フローの説明)
図5を用いて 本実施の形態に係るインターホンシステムにより実行される処理フローの一例について説明する。下記処理フローは本実施の形態における一例であり、これに限られるものではない。
【0043】
まず、住宅Hの居住者を訪問する訪問者が子機20の呼出しボタンを押すことにより、検知部33が訪問者を検知する(ステップS10)。
【0044】
検知部33が訪問者を検知すると、子機20に備えられる撮像装置(撮像部25)により訪問者を撮像し、生成部34が撮像された訪問者の画像データに基づく訪問者情報を生成する(ステップS12)。
【0045】
次に照合部35が生成された訪問者情報と、記憶部32に記憶される登録者情報とを照合する(ステップS13)。記憶部32には、登録者情報として、居住者にとって好ましくない訪問者に該当する登録者情報である第1の登録者情報と、居住者にとって好ましい訪問者に該当する登録者情報である第2の登録者情報が記憶されている。
【0046】
ステップS14において、照合部35による照合の結果、訪問者情報が第1の登録者情報と一致しない場合には、制御部36が子機20に備えられる出力装置(ディスプレイ222)に訪問確認情報を出力させる(ステップS15)。訪問確認情報は、
図4に示す態様で、5つの訪問理由とする情報が選択式でディスプレイ222に出力・表示される。
【0047】
訪問確認情報がディスプレイ222に出力・表示されると、訪問者から訪問理由とする情報(訪問理由情報)を受け付ける(ステップS16)。具体的には、訪問者が5つの訪問理由とする情報の中から1つの情報(例えば「荷物の宅配・郵便物の配送」)をタッチすることで、訪問理由情報として受け付ける。
【0048】
訪問理由情報が受け付けられると、通知部37が親機10に対して訪問検知情報を通知し(ステップS17)、処理を終了する。通知部37による訪問検知情報の通知はユーザ端末40に対しても行うことできる。
【0049】
一方、ステップS14における照合部35による照合の結果、訪問者情報が第1の登録者情報と一致する場合には、通知部37が親機10に対して訪問検知情報を通知する(ステップS17)。通知部37による訪問検知情報の通知はユーザ端末40に対しても行うことできる。
【0050】
図6を用いて、インターホンシステムの他の処理フローの例について説明する。この処理は、訪問者が第1の登録者として登録されていない場合に、訪問者を撮像するフローである。
【0051】
図6におけるステップS21~S24の処理フローは、
図5におけるステップS11~S14の処理フローと同じである。
【0052】
ステップS24において、照合部35による照合の結果、訪問者情報が第1の登録者情報と一致しない場合には、制御部36が子機20に備えられる撮像装置(撮像部25)に訪問者を撮像させる(ステップS25)。
【0053】
一方、ステップS24において、照合部35による照合の結果、訪問者情報が第1の登録者情報と一致する場合には、制御部36は撮像装置(撮像部25)に訪問者を撮像させる処理は実行せず、処理をフローを終了する。
【0054】
本実施の形態に係るインターホンシステムの構成によれば、居住者にとって好ましい訪問者を登録者情報として登録しておき、訪問者があった場合に訪問者情報と登録者情報を照合することにより、居住者にとって好ましい訪問者ではない場合には訪問用件を確認する処理を行うので、居住者が無用に応答することを回避することができる。特に、登録者情報を予め登録しておくことで、訪問者が初めての訪問である場合でも、居住者が無用に応答することを回避することができる。
【0055】
本発明に係るインターホンシステムは、上記実施の形態に示した構成に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においていかなる構成も採用することができる。
【0056】
上記実施の形態においては、照合部35が訪問者情報と記憶部32に記憶される第1の登録者情報とを照合し、照合の結果、訪問者情報が第1の登録者情報と一致しない場合に、制御部36が子機20に備えられる出力装置(ディスプレイ222)に訪問確認情報を出力させる処理の例を示した。しかし、これに限られず、記憶部32が居住者にとって好ましい訪問者に該当する登録者情報である第2の登録者情報を記憶しており、照合部35が訪問確認情報と第2の登録者情報とを照合し、照合の結果、訪問者情報が第2の登録者情報と一致する場合に、制御部36が子機20に備えられる出力装置(ディスプレイ222)に訪問確認情報を出力させる処理を実行することができる。
【0057】
上記実施の形態においては、照合部35が訪問者情報と記憶部32に記憶される第1の登録者情報とを照合し、照合の結果、訪問者情報が第1の登録者情報と一致しない場合に、、制御部36が子機20に備えられる撮像装置(撮像部25)に訪問者を撮像させる処理の例を示した。しかし、これに限られず、記憶部32が居住者にとって好ましい訪問者に該当する登録者情報である第2の登録者情報を記憶しており、照合部35が訪問確認情報と第2の登録者情報とを照合し、照合の結果、訪問者情報が第2の登録者情報と一致する場合に、制御部36が子機20に備えられる撮像装置(撮像部25)に訪問者を撮像させる処理を実行することができる。
【0058】
上記実施の形態においては、訪問者に訪問用件を確認するために子機20に備えられるディスプレイ222に出力する訪問確認情報として、「セールス・勧誘など」、「荷物の宅配・郵便物の配送」、「アポイントメントによる訪問」、「町内会関連による訪問」および「その他理由による訪問」を選択的に表示した訪問理由を表す情報が含まれる例を示したが、これに限られず、これら以外の訪問理由を表す情報を含めることができる。
【0059】
上記実施の形態においては、主に戸建ての住居Hに居住する居住者と、居住者を訪問しようとする訪問者との通話等のコミュニケーションを実現するインターホンシステムを例にとって説明してきたが、集合住宅に居住する居住者と、居住者を訪問しようとする訪問者との通話等のコミュニケーションを実現するインターホンシステムにおいても適用されることは言うまでもない。この場合、 訪問者が集合住宅の共有スペースに設置される子機20に訪問先の居住者が居住する部屋番号を入力し、子機20に設置される呼出しボタンを押すことにより、検知部33が訪問者を検知することができる。
【符号の説明】
【0060】
1:インターホンシステム、10:親機、20:子機、21:通信部、22:操作受付部、23:音声処理部、24:呼出部、25:撮像部、30:サーバ、31:通信部、32:記憶部、33:検知部、34:生成部、35:照合部、36:制御部、37:通知部、40:ユーザ端末、W:ネットワーク、H:住居