(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025697
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】開口部建材
(51)【国際特許分類】
E06B 5/16 20060101AFI20250214BHJP
【FI】
E06B5/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130740
(22)【出願日】2023-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】草開 常徳
(72)【発明者】
【氏名】米道 貴広
【テーマコード(参考)】
2E239
【Fターム(参考)】
2E239CA04
2E239CA23
2E239CA33
2E239CA46
2E239CA67
(57)【要約】
【課題】 防火性能の向上した開口部建材の提供。
【解決手段】 形材5とガラス間口構成材11とガラス12とを備え、形材5は、ガラス間口構成材11を保持する溝13を有し、ガラス間口構成材11は、金属製で、ガラス間口14を有し、形材5の溝13に保持してあり、ガラス12は、ガラス間口構成材11のガラス間口14にガラス支持材15で支持してある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
形材とガラス間口構成材とガラスとを備え、形材は、ガラス間口構成材を保持する溝を有し、ガラス間口構成材は、金属製で、ガラス間口を有し、形材の溝に保持してあり、ガラスは、ガラス間口構成材のガラス間口にガラス支持材で支持してあることを特徴とする開口部建材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の開口部に設けられる開口部建材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、建物の開口部に設けられる開口部建材において、防火性能の向上が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、防火性能の向上した開口部建材の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による開口部建材は、形材とガラス間口構成材とガラスとを備え、形材は、ガラス間口構成材を保持する溝を有し、ガラス間口構成材は、金属製で、ガラス間口を有し、形材の溝に保持してあり、ガラスは、ガラス間口構成材のガラス間口にガラス支持材で支持してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
請求項1記載の発明による開口部建材は、形材とガラス間口構成材とガラスとを備え、形材は、ガラス間口構成材を保持する溝を有し、ガラス間口構成材は、金属製で、ガラス間口を有し、形材の溝に保持してあり、ガラスは、ガラス間口構成材のガラス間口にガラス支持材で支持してあることで、火災時に形材が火災の熱で溶けても、金属製のガラス間口構成材は残ってガラスが外れるのを防止できるので、防火性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】内窓の左右の内障子の突合せ部を拡大して示す横断面図である。
【
図2】本発明の開口部建材の一実施形態を示す室内側正面図である。
【
図5】(a)は、内障子の突合せ框の中空部内に設けられる外側補強材の平面図と正面図であり、(b)は、同中空部内に設けられる内側補強材の平面図と正面図である。
【
図6】内窓の左右の内障子の突合せ部を拡大して示す横断面図であって、室外側で火災が発生したときの状態を示す。
【
図7】(a)は内障子の突合せ框の中空部内に設けられる補強材の平面図と正面図、(b)は同補強材の平面図と側面図であって、室外側で火災が発生したときの状態を示す。
【
図8】(a)は外側補強材と内側補強材をねじ止めして一体化した比較例の補強材の平面図と正面図、(b)は同補強材の平面図と側面図であって、室外側で火災が発生したときの状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1~4は、本発明の開口部建材の一実施形態を示しており、
図2,3,4に示すように、建物の躯体開口部に設置される外窓17の室内側に設置される内窓16に適用したものである。
【0008】
外窓17は、障子4枚建てのサッシで、
図3,4に示すように、上枠18と下枠19と左右の縦枠20,20とを枠組みして構成され、躯体開口部に固定された枠21と、枠21内の室外側の左右両側部にスライド開閉自在に設けられた左右一対の外障子22,22と、枠21内の室内側の中央部に突合せられてスライド開閉自在に設けられた左右一対の内障子23,23とを備えている。
【0009】
内窓16も、障子4枚建てのサッシであり、
図2,3,4に示すように、外窓17の枠21の室内側に設けられた額縁24と床板25とで囲まれた開口部26の内周側面に上枠27と下枠28と左右の縦枠29,29を取付けて構成した枠30と、枠30内の室外側の左右両側部にスライド開閉自在に設けられた左右一対の外障子31,31と、枠30内の室内側の中央部に突合せられてスライド開閉自在に設けられた左右一対の内障子32,32とを備えている。
内窓16は、枠30と障子31,32の框が基本的に樹脂で形成された断熱性能の高いものとなっている。また、障子31,32の框の中空部内などに金属製の補強材を適宜配置することで、防火性能を備えるものとなっている。本内窓16は、特に左右の内障子32,32の突合せ部分に特徴があり、以下、この部分について詳しく説明する。
【0010】
内障子32は、
図3,4に示すように、上框33と下框34と突合せ框(開口部建材構成材)1a,1bと召合せ框35とを枠組みし、その枠内にガラス12を組み込んで構成してある。ガラス12は、耐熱強化ガラス等の防火ガラスを使用している。
突合せ框1a,1bは、
図1に示すように、樹脂形材よりなる突合せ框本体(形材)5と金属製の補強材6と金属製のガラス間口構成材11とを有している。
突合せ框本体5は、略矩形断面の中空部36と、内周側に向けて開口する溝13を有しており、中空部36内に補強材6が設けてあり、溝13内にガラス間口構成材11が保持してある。
【0011】
補強材6は、スチールなどの金属で形成したものであり、
図1に示すように、室外側及び室内側の見付壁7a,7bと見込壁8とを有する略コ字型断面の外側補強材6aと、室外側及び室内側の見付壁9a,9bと見込壁10とを有する略コ字型断面の内側補強材6bとからなり、外側補強材6aの室外側及び室内側の見付壁7a,7bの内側に内側補強材6bの室外側及び室内側の見付壁9a,9bがそれぞれ位置するように両補強材6a,6bを抱き合わせ、中空部37を形成してある。外側補強材6aの室外側及び室内側の見付壁7a,7bと、内側補強材6bの室外側及び室内側の見付壁9a,9bとの間には、若干の隙間62が形成されている。
【0012】
外側補強材6aの室外側及び室内側の見付壁7a,7bと、内側補強材6bの室外側及び室内側の見付壁9a,9bとは、上下左右に相対移動可能な状態で係止させてある。具体的には、外側補強材6aの室外側及び室内側の見付壁7a,7bには、
図5(a)に示すように、雌ねじ孔38が上下方向に間隔をおいて形成してあり、この雌ねじ孔38に外側からねじ39が螺入して取付けられる(
図1参照)。内側補強材6bの室外側及び室内側の見付壁9a,9bには、
図5(b)に示すように、前記雌ねじ孔38と同じ高さ位置に、ねじ39の径に対して上下方向及び左右方向に余裕のある大きさの長孔40が形成してあり、該長孔40にねじ39が挿通されており(
図1参照)、長孔40内でねじ39が移動することで、外側補強材6aの室外側及び室内側の見付壁7a,7bと内側補強材6bの室外側及び室内側の見付壁9a,9bとが相対移動可能となっている。
図5に示す例では、長孔40は左右方向に長い長孔となっている。
【0013】
図1に示すように、外側補強材6aは、見込壁8が、ガラス間口構成材11とともに突合せ框本体5の内周側壁41に内周側からのねじ42で固定されている(見込壁8には、ねじ42が螺入する雌ねじ孔が形成されている)。外側補強材6aの見込壁8と突合せ框本体5の内周側壁41との間には、加熱発泡材43が設けてある。
室内側から見て左側(以後、左側、右側は、室内側から見ての左側、右側をいう)の突合せ框1aの突合せ框本体5の中空部36内に設けられる内側補強材6bは、見込壁10が、後述する隙間隠し部材2とともに突合せ框本体5の外周側壁44に外周側からのねじ45で固定されている(見込壁10には、ねじ45が螺入する雌ねじ孔が形成されている)。内側補強材6bの見込壁10と突合せ框本体5の外周側壁44との間には、加熱発泡材46が設けてある。
一方、右側の突合せ框1bの突合せ框本体5の中空部36内に設けられる内側補強材6bは、見込壁10が突合せ框本体5の外周側壁44にねじで固定されていない。内側補強材6bの見込壁10と突合せ框本体5の外周側壁44との間には、加熱発泡材46が設けてある。
【0014】
ガラス間口構成材11は、
図1に示すように、アルミニウム合金の押出形材で略コ字型断面に形成してあり、ガラス12の端部を呑み込むガラス間口14を有している。ガラス間口構成材11の室外側及び室内側の壁47,47には、内周側端より外周側に入った位置に突条48が内側に突出して形成してあり、該突条48に係止してグレージングチャンネル(ガラス支持材)15がガラス間口14内に保持され、グレージングチャンネル15でガラス12が支持されている。ガラス間口構成材11の室外側及び室内側の壁47,47は、グレージングチャンネル15より内周側に突出しており、これによりグレージングチャンネル15は室内側及び室内側から見て見えないようにガラス間口14内に隠れている。
ガラス間口構成材11のガラス間口14の内部には、グレージングチャンネル15より奥側に加熱発泡材49が設けてある。加熱発泡材49は、ガラス間口構成材11の室外側及び室内側の壁47,47の内側面に取付けてある。
ガラス間口構成材11の室外側及び室内側の壁47,47の内周側端には、外側に向けて突出する突条50を有し、該突条50は突合せ框本体5の室外側壁及び室内側壁の内周側端と内外周方向の同じ位置にあって、該突条50により突合せ框本体5の溝13とガラス間口構成材11との隙間を隠してある。
ガラス間口構成材11は、突合せ框本体5の溝13に内周側から挿入し、内周側からのねじ42で突合せ框本体5の内周側壁41に固定してある(実質的には、ガラス間口構成材11は、外側補強材6aの見込壁8にねじ42で締結されている。)。
【0015】
互いに突き合せられる左右の突合せ框1a,1bの間には、
図1に示すように、隙間隠し部材2が設けてあり、隙間隠し部材2により左右の突合せ框1a,1bの間の隙間51を隠してある。
隙間隠し部材2は、アルミニウム合金の押出形材で室外側及び室内側の見付壁3a,3bと見込壁4とを有する略H型断面に形成してあり、左右の突合せ框1a,1bの室外側の見付面61aが室外側の見付壁3aに対向し、左右の突合せ框1a,1bの室内側の見付面61bが室内側の見付壁3bに対向している。室外側及び室内側の見付壁3a,3bは、樹脂製のカバー52を取付けて外面を覆ってある。
隙間隠し部材2は、室外側の見付壁3aの見込壁4より右側の室内側面と見込壁4の右側面とにまたがって当接する補強材53と、室外側の見付壁3aの見込壁4より左側の室内側面と見込壁4の左側面とにまたがって当接する補強材54を有している。補強材53,54は、ステンレス等のアルミよりも熱に強い金属で形成してある。隙間隠し部材2は、見込壁4を補強材53,54で挟んだ状態で左側の突合せ框(一方の突合せ框)1aの戸先面60に外周側からのねじ45で固定してある。右側の補強材53のねじ45が挿通される孔は、加熱発泡材55で塞いである。
右側の補強材53の右側面には、ゴム質のタイト材56が設けてあり、右側の突合せ框(他方の突合せ框)1bの戸先面57がタイト材56を介して隙間隠し部材2の見込壁4に当接している。
また、隙間隠し部材2は、室外側の見付壁3aの見込壁4より左側の室内側面と、室内側の見付壁3bの左右両側の室外側面とに、それぞれ加熱発泡材58a,58b,58cが設けてある。
【0016】
図6は、室外側で火災が発生したときの状態を示している。同図に示すように、隙間隠し部材2の樹脂で形成された室外側のカバー52と、樹脂製の左右の突合せ框本体5,5の室外側の壁59は、火災の熱で溶けてなくなるが、隙間隠し部材2の室外側及び室内側の見付壁3a,3bが左右の突合せ框1a,1bの間の隙間51を隠しており、尚且つ隙間隠し部材2の室外側の見付壁3aと左側の突合せ框1aの室外側の見付面61aとの隙間が加熱発泡材58aで塞がれ、隙間隠し部材2の室内側の見付壁3bと左右の突合せ框1a,1bの室内側の見付面61bとの隙間が加熱発泡材58b,58cで塞がれ、右側の突合せ框1bの戸先面57と隙間隠し部材2の見込壁4との隙間が加熱発泡材55で塞がれるため、左右の突合せ框1a,1bの間から火炎が貫通するのを防止することができる。
【0017】
また、樹脂製の突合せ框本体5の室外側の壁59がなくなっても、突合せ框本体5の中空部36内に金属製の補強材6が設けてあるため、該補強材6によって火炎の貫通を防止することができる。
補強材6は、加熱面側(図示の例では室外側)が長手方向に熱伸びすることで、加熱面側に膨らむように反りが生じる。仮に、比較例
図8(a)に示すように、外側補強材6aの室外側及び室内側の見付壁7a,7bと内側補強材6bの室外側及び室内側の見付壁9a,9bとがねじ39で動かないように固定してあったとすると、外側補強材6aの加熱面側の見付壁7aと内側補強材6bの加熱面側の見付壁9aとがほぼ同じ温度の高温に熱せられ、外側補強材6aの加熱面側の見付壁7aと内側補強材6bの加熱面側の見付壁9aが熱伸びするのに伴い、比較例
図8(b)に示すように、外側補強材6aと内側補強材6bが一体となって同じような形で加熱面側に反るため、反りXが大きくなる。
これに対し、本内窓16の突合せ框1a,1b内部の補強材6は、
図7(a)に示すように、外側補強材6aの室外側及び室内側の見付壁7a,7bと、内側補強材6bの室外側及び室内側の見付壁9a,9bとが、ねじ39と長孔40とにより、上下左右に相対移動可能な状態で係止させてあり、外側補強材6aの室外側及び室内側の見付壁7a,7bと内側補強材6bの室外側及び室内側の見付壁9a,9bとが固定されていないため、
図7(b)に示すように、外側補強材6aは加熱面側の見付壁7aが高温に熱せられて熱伸びすることで加熱面側に反ろうとするが、内側補強材6bの加熱面側の見付壁9aは、外側補強材6aの見付壁7aで火炎から保護されているため温度があまり上がらないため、内側補強材6bは加熱面側にほとんど反らずに、外側補強材6aの反りを抑える働きをする。結果として、補強材6の反りXが小さくなる。
このように、補強材6の反りXが小さくなることで、左右の突合せ框1a,1bの間や、突合せ框1a,1bとガラス12の間等に隙間が生じにくくなり、防火性能が向上する。
【0018】
また本内窓16は、
図6に示すように、突合せ框本体5の室外側の壁59がなくなっても、ガラス間口構成材11が残ることで、突合せ框1a,1bとガラス12の間から火炎が貫通するのを防止することができる。さらに、ガラス間口14内に設けられた加熱発泡材49が膨張してガラス間口14内の空間を埋めることで、ガラス間口14から火炎が貫通するのを防止することができる。ガラス間口構成材11は、突合せ框本体5の中空部36内に設けた補強材6にねじ42で固定してあるので、火災時にも脱落することがなく、ガラス12を安定して保持できる。
【0019】
以上に述べたように本開口部建材(内窓)16は、互いに突合せられる一方及び他方の突合せ框1a,1bと、隙間隠し部材2とを備え、隙間隠し部材2は、室外側及び室内側の見付壁3a,3bと見込壁4を有し、見込壁4は、一方の突合せ框(左側の突合せ框)1aの戸先面60に固定してあり、他方の突合せ框(右側の突合せ框)1bの室外側及び室内側の見付面61a,61bが隙間隠し部材2の見付壁3a,3bに対向し、他方の突合せ框1bの戸先面57が隙間隠し部材2の見込壁4に当接していることで(
図1,6参照)、火災時に一方及び他方の突合せ框1a,1bの間を火炎が貫通するのを防ぐことができるので、防火性能が向上する。
本開口部建材16は、一方の突合せ框1aの室外側及び室内側の見付面61a,61bが隙間隠し部材2の見付壁3a,3bに対向していることで、一方の突合せ框1aの見付面61a,61bも隙間隠し部材2で保護できるため、防火性能が一層向上する。
本開口部建材16は、一方及び他方の突合せ框1a,1bは樹脂製であり、隙間隠し部材2は見付壁3a,3bと見込壁4がアルミ製であり、見付壁3a,3bを樹脂製のカバー52で覆ってあることで、断熱性能と防火性能を両立できる。
隙間隠し部材2は、室外側又は/及び室内側の見付壁3a,3bと見込壁4とにまたがって当接する補強材53,54を有することで、隙間隠し部材2の溶融や変形を防止して、防火性能を向上できる。
隙間隠し部材2は、室内外何れか一方側の見付壁3aと見込壁4とにまたがって当接する補強材53,54を有するとともに、他方側の見付壁3bと突合せ框1a,1bとの間に加熱発泡材58b,58cを有することで、隙間隠し部材2の溶融や変形を防止すると共に、隙間隠し部材2の他方側の見付壁3bと突合せ框1a,1bとの隙間からの火炎の貫通を防止して、防火性能を向上できる。
【0020】
本開口部建材(内窓)16は、形材(突合せ框本体)5と、形材5の中空部36内に設けた補強材6とからなる開口部建材構成材(突合せ框)1a,1bを備え、補強材6は、室外側及び室内側の見付壁7a,7b,9a,9bと見込壁8,10とを有する略コ字型断面の外側補強材6aと内側補強材6bを抱き合わせて中空部37を形成してあり、外側補強材6aの見込壁8を形材5の壁(内周側壁)41に固定してあり、外側補強材6aの見付壁7a,7bと内側補強材6bの見付壁9a,9bとが相対移動可能な状態で配置してあることで(
図1,7参照)、火災時において開口部建材構成材1a,1bの反りを抑えることができるので、防火性能が向上する。
本開口部建材16は、内側補強材6bの室外側及び室内側の見付壁9a,9bがそれぞれ外側補強材6aの室外側及び室内側の見付壁7a,7bの内側に位置していることで、内側補強材6bで外側補強材6aの反りを抑制し、開口部建材構成材1a,1bの反りを効果的に抑えられる。
外側補強材6aの見付壁7a,7bと内側補強材6bの見付壁9a,9bとが相対移動可能な状態で係止させてあると、外側補強材6aと内側補強材6bを一体化した状態で形材5の中空部36内に設置することができるので、組立性が向上する。
【0021】
本開口部建材(内窓)16は、形材(突合せ框本体)5とガラス間口構成材11とガラス12とを備え、形材5は、ガラス間口構成材11を保持する溝13を有し、ガラス間口構成材11は、金属製で、ガラス間口14を有し、形材5の溝13に保持してあり、ガラス12は、ガラス間口構成材11のガラス間口14にガラス支持材(グレージングチャンネル)15で支持してあることで(
図1,6参照)、火災時に形材5が火災の熱で溶けても、金属製のガラス間口構成材11は残ってガラス12が外れるのを防止できるので、防火性能が向上する。
本開口部建材16は、ガラス間口構成材11の室外側及び室内側の壁47,47がガラス支持材15より内周側に突出していることで、火災時にガラス支持材15を火炎から保護することができ、平常時にはガラス支持材15が露出しないため意匠性が良い。
本開口部建材16は、ガラス間口14のガラス支持材15より奥側に加熱発泡材49を有するので、火災時にガラス間口14を通じて火炎が貫通するのを防止できる。
本開口部建材16は、形材5は樹脂製であり、ガラス間口構成材11はアルミ製であることで、断熱性能と防火性能を両立できる。
ガラス支持材15は、ガラス間口構成材11の室外側の壁47と室内側の壁47の対向する面間に保持されているので、ガラス12を安定して保持できる。
ガラス間口構成材15は、形材5の中空部36内に設けた補強材6と締結してあるので、火災時にもガラス間口構成材15が脱落することがなく、ガラス12を安定して保持できる。
【0022】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。形材及びガラス間口構成材の断面形状や材質は、適宜変更することができる。ガラス支持材は、グレージングチャンネルに限らず、ゴム製のビードや湿式のシール材等であってもよい。本発明は、内窓に限らず、屋外に面して設置される窓に適用することもできる。
【符号の説明】
【0023】
1a,1b 突合せ框(開口部建材構成材)
2 隙間隠し部材
3a,3b 見付壁
4 見込壁
5 突合せ框本体(形材)
6 補強材
6a 外側補強材
6b 内側補強材
7a,7b 見付壁
8 見込壁
9a,9b 見付壁
10 見込壁
11 ガラス間口構成材
12 ガラス
13 溝
14 ガラス間口
15 グレージングチャンネル(ガラス支持材)
16 内窓(開口部建材)