(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025724
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】レンズ駆動装置及びカメラモジュール
(51)【国際特許分類】
G02B 7/04 20210101AFI20250214BHJP
G02B 7/08 20210101ALI20250214BHJP
G03B 5/00 20210101ALI20250214BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20250214BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20250214BHJP
H04N 23/57 20230101ALI20250214BHJP
【FI】
G02B7/04 E
G02B7/08 A
G03B5/00 J
G03B30/00
H04N23/50
H04N23/57
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130796
(22)【出願日】2023-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】長田 寛志
(72)【発明者】
【氏名】前田 征宣
【テーマコード(参考)】
2H044
2K005
5C122
【Fターム(参考)】
2H044BE02
2H044BE10
2H044BE17
2H044DA01
2H044DA03
2H044DC02
2K005BA53
2K005CA02
2K005CA23
2K005CA34
2K005CA45
2K005CA57
5C122DA01
5C122EA27
5C122EA41
5C122FB03
5C122FB08
5C122FB23
5C122FC00
5C122GE05
5C122GE07
5C122GE11
5C122HA82
(57)【要約】
【課題】手振れ補正用の形状記憶合金ワイヤに流れる電流が撮像素子に与える影響を抑制すること。
【解決手段】レンズ駆動装置101は、固定側部材FBと、撮像素子ISに対向して配置されるレンズ体LSを保持可能な筒状部12を有するレンズ保持部材2と、固定側部材FBに対してレンズ体LSの光軸方向と交差する方向に移動可能であるとともに、レンズ保持部材2の外側に設けられる支持部材3と、支持部材3に対してレンズ保持部材2を光軸方向へ移動させる第1駆動部DM1と、固定側部材FBに対して光軸方向と交差する方向に支持部材3を移動させる複数の上側形状記憶合金ワイヤSAUを有して構成される第2駆動部DM2と、を備える。上側形状記憶合金ワイヤSAUは、第1駆動部DM1よりも被写体側に配置されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定側部材と、
撮像素子に対向して配置されるレンズ体を保持可能な筒状部を有するレンズ保持部材と、
前記固定側部材に対して前記レンズ体の光軸方向と交差する方向に移動可能であるとともに、前記レンズ保持部材の外側に設けられる支持部材と、
前記支持部材に対して前記レンズ保持部材を光軸方向へ移動させる第1駆動部と、
前記固定側部材に対して光軸方向と交差する方向に前記支持部材を移動させる複数の形状記憶合金ワイヤを有して構成される第2駆動部と、を備えたレンズ駆動装置であって、
前記形状記憶合金ワイヤは、前記第1駆動部よりも被写体側に配置されている、
ことを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項2】
複数の前記形状記憶合金ワイヤのそれぞれは、光軸方向に沿った平面視において、前記レンズ保持部材の前記筒状部の外側に配置されており、一端が前記固定側部材に設けられた金属板で形成される固定側金属部材に固定され、他端が前記支持部材に設けられた金属板で形成される可動側金属部材に固定されている、
請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項3】
複数の前記形状記憶合金ワイヤは、光軸方向に沿った平面視において、前記レンズ保持部材の前記筒状部を囲むように配置された四本の前記形状記憶合金ワイヤを含み、
四つの前記形状記憶合金ワイヤのそれぞれは、一端が前記固定側部材に設けられた金属板で形成される固定側金属部材に固定され、他端が前記支持部材に設けられた金属板で形成される可動側金属部材に固定されており、
前記固定側金属部材及び前記可動側金属部材のそれぞれの板面は、光軸に略垂直となっている、
請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項4】
前記固定側金属部材及び前記可動側金属部材を含む八つの金属部材は、第1形状を有する四つの第1形状金属部材と第2形状を有する四つの第2形状金属部材とによって構成されており、
前記形状記憶合金ワイヤは、前記第1形状金属部材と前記第2形状金属部材との間に設けられている、
請求項3に記載のレンズ駆動装置。
【請求項5】
前記固定側部材は、複数の導電部材が埋設された固定支持部材を含み、
複数の前記導電部材は、前記固定側金属部材と導通する前記導電部材を含み、
前記固定支持部材は、前記支持部材の被写体側に配置される基部と、前記基部の外周部から下方に延びる複数の脚部と、を有し、
複数の前記形状記憶合金ワイヤの少なくとも一部は、前記基部の上側に配置されている、
請求項2に記載のレンズ駆動装置。
【請求項6】
前記固定側部材は、前記固定支持部材が収容される筐体を含み、
前記固定側金属部材と導通する前記導電部材は、前記基部から露出し前記固定側金属部材に接続される接合面部と、前記筐体の外部に露出する外部端子部と、前記接合面部と前記外部端子部との間に設けられ前記固定支持部材の内部に埋設される引き回し部とを有し、
前記外部端子部は、前記脚部の下部から露出している、
請求項5に記載のレンズ駆動装置。
【請求項7】
複数の前記導電部材は、前記可動側金属部材に導通する前記導電部材を含み、
前記可動側金属部材に導通する前記導電部材の一部は、前記脚部の下部から露出する前記外部端子部を構成している、
請求項6に記載のレンズ駆動装置。
【請求項8】
前記固定側部材は、光軸方向に垂直な方向への前記支持部材の移動を案内する外側案内部を有し、
前記支持部材は、前記外側案内部と摺動して前記外側案内部に案内される外側被案内部を有し、
前記外側案内部及び前記外側被案内部の一方は、前記外側案内部及び前記外側被案内部の他方に向かって突出する複数の突出部を有し、
前記外側案内部及び前記外側被案内部の他方と前記突出部とが互いに引き合う力を作用させる外側付勢手段を更に含む、
請求項1乃至請求項5の何れかに記載のレンズ駆動装置。
【請求項9】
前記外側付勢手段は、前記支持部材に設けられた磁石と前記固定側部材を構成する磁性金属部材とによって構成される、
請求項8に記載のレンズ駆動装置。
【請求項10】
前記固定側部材は、前記支持部材を収容可能な筐体を有し、
前記筐体の少なくとも一部は、磁性を有する金属によって形成されており、
前記磁性金属部材は、前記筐体の少なくとも一部によって構成されている、
請求項9に記載のレンズ駆動装置。
【請求項11】
前記突出部は、前記支持部材に設けられ、
前記外側案内部は金属板によって構成されている、
請求項8に記載のレンズ駆動装置。
【請求項12】
前記第1駆動部は、前記支持部材に対して光軸方向に前記レンズ保持部材を移動させる複数の別の形状記憶合金ワイヤを有して構成される、
請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項13】
請求項1に記載のレンズ駆動装置と、
前記レンズ保持部材によって保持される前記レンズ体と、
前記レンズ体に対向するように配置される撮像素子と、を有する、
カメラモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レンズ駆動装置及びカメラモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電磁駆動機構を用いて自動焦点調整機能を実現し、且つ、形状記憶合金ワイヤを用いて手振れ補正機能を実現するレンズ駆動装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の装置では、手振れ補正用の形状記憶合金ワイヤが、自動焦点調整用の電磁駆動機構よりも、イメージセンサ(撮像素子)に近い位置に配置されている。この配置は、形状記憶合金ワイヤに流れる電流によって生じる電場が撮像素子に対する画像ノイズとなって影響を与えてしまうおそれがある。
【0005】
そのため、手振れ補正用の形状記憶合金ワイヤに流れる電流が撮像素子に与える影響を抑制することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係るレンズ駆動装置は、固定側部材と、撮像素子に対向して配置されるレンズ体を保持可能な筒状部を有するレンズ保持部材と、前記固定側部材に対して前記レンズ体の光軸方向と交差する方向に移動可能であるとともに、前記レンズ保持部材の外側に設けられる支持部材と、前記支持部材に対して前記レンズ保持部材を光軸方向へ移動させる第1駆動部と、前記固定側部材に対して光軸方向と交差する方向に前記支持部材を移動させる複数の形状記憶合金ワイヤを有して構成される第2駆動部と、を備えたレンズ駆動装置であって、前記形状記憶合金ワイヤは、前記第1駆動部よりも被写体側に配置されている。
【発明の効果】
【0007】
上述のレンズ駆動装置は、手振れ補正用の形状記憶合金ワイヤに流れる電流が撮像素子に与える影響を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施形態に係るカメラモジュールの斜視図である。
【
図2】本開示の実施形態に係るレンズ駆動装置の分解斜視図である。
【
図3】本開示の実施形態に係るレンズ駆動装置の本体部の分解斜視図である。
【
図13】可動側金属部材、固定側金属部材、及び上側形状記憶合金ワイヤの配置図である。
【
図14】レンズ側金属部材、支持側金属部材、及び下側形状記憶合金ワイヤの配置図である。
【
図15】可動側金属部材、固定側金属部材、上側形状記憶合金ワイヤ、及びレンズ保持部材の上面図である。
【
図16】可動側金属部材、固定側金属部材、可撓性金属部材、上側導電部材、及び上側形状記憶合金ワイヤの斜視図である。
【
図17】支持側金属部材、レンズ側金属部材、上側導電部材、下側導電部材、及び下側形状記憶合金ワイヤの斜視図である。
【
図18】第1下側ワイヤを流れる電流の経路の一例を示す図である。
【
図19】第2下側ワイヤを流れる電流の経路の一例を示す図である。
【
図20】第3下側ワイヤを流れる電流の経路の一例を示す図である。
【
図21】第4下側ワイヤを流れる電流の経路の一例を示す図である。
【
図22】レンズ保持部材、支持側金属部材、レンズ側金属部材、案内部材、第1磁性部材、第2磁性部材、ヨーク、及び下側形状記憶合金ワイヤの配置図である。
【
図23】レンズ保持部材、支持部材、支持側金属部材、レンズ側金属部材、案内部材、第1磁性部材、第2磁性部材、及び下側形状記憶合金ワイヤの正面図である。
【
図24】磁石が取り付けられた支持部材の下面図である。
【
図25】下側カバー部材及び支持部材の斜視断面図である。
【
図26】本開示の別の実施形態に係るレンズ駆動装置の分解斜視図である。
【
図27】本開示の別の実施形態に係るレンズ駆動装置の本体部の分解斜視図である。
【
図28】可動側金属部材、固定側金属部材、可撓性金属部材、上側導電部材、及び上側形状記憶合金ワイヤの斜視図である。
【
図29】支持側金属部材、レンズ側金属部材、上側導電部材、下側導電部材、及び下側形状記憶合金ワイヤの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態に係るレンズ駆動装置101及びカメラモジュールCMについて図面を参照して説明する。
図1は、カメラモジュールCMの斜視図である。
図2は、カメラモジュールCMを構成するレンズ駆動装置101の分解斜視図である。
図3は、レンズ駆動装置101を構成する本体部MNの分解斜視図である。
【0010】
図1において、X1は三次元直交座標系を構成するX軸の一方向を表し、X2はX軸の他方向を表す。また、Y1は三次元直交座標系を構成するY軸の一方向を表し、Y2はY軸の他方向を表す。同様に、Z1は三次元直交座標系を構成するZ軸の一方向を表し、Z2はZ軸の他方向を表す。
図1では、レンズ駆動装置101のX1側はレンズ駆動装置101の前側(正面側)に相当し、レンズ駆動装置101のX2側はレンズ駆動装置101の後側(背面側)に相当する。また、レンズ駆動装置101のY1側はレンズ駆動装置101の左側に相当し、レンズ駆動装置101のY2側はレンズ駆動装置101の右側に相当する。また、レンズ駆動装置101のZ1側はレンズ駆動装置101の上側(被写体側)に相当し、レンズ駆動装置101のZ2側はレンズ駆動装置101の下側(撮像素子側)に相当する。他の図においても同様である。
【0011】
カメラモジュールCMは、
図1に示すように、レンズ駆動装置101と、レンズ保持部材2に装着されるレンズ体LSと、不図示の外部基板に対してレンズ体LSに対向するように実装される撮像素子ISとを含む。レンズ体LSは、少なくとも1枚のレンズを含む筒状のレンズバレルであり、光軸OAを有する。図示例では、略直方体形状の外形を有するレンズ駆動装置101は、撮像素子ISが実装される外部基板の上に取り付けられている。撮像素子ISは、不図示のセンサホルダを介してレンズ駆動装置101の下面に取り付けられていてもよい。
【0012】
具体的には、レンズ駆動装置101は、
図1及び
図2に示すように、固定側部材FBとしてのカバー部材4を含む。カバー部材4は、上側カバー部材4U及び下側カバー部材4Lを含む。また、カバー部材4は、
図2に示すように、収納部4Sを定める箱状の外形を有する。また、カバー部材4は、各部材を覆う筐体HSとして機能するように構成されている。本実施形態では、カバー部材4は、磁性金属で形成されている。そのため、カバー部材4は、電磁シールドとしても機能する。特に、下側カバー部材4Lは、レンズ駆動装置101が発生させる電場が撮像素子ISに対する画像ノイズとなるのを抑制する電磁場シールドとして機能するように構成されている。また、図示例では、下側カバー部材4Lは、後述の外側付勢手段ENを構成できるように磁性金属で形成されているが、上側カバー部材4Uは、非磁性金属で形成されていてもよい。
【0013】
図示例では、上側カバー部材4Uは、矩形筒状の第1外周壁部4Aと、第1外周壁部4Aの上端(Z1側の端)と連続するように設けられた矩形環状且つ平板状の天板部4Bと、を有する。天板部4Bの中央には、円形の開口4Kが形成されている。第1外周壁部4Aは、第1側板部4A1~第4側板部4A4を含む。第1側板部4A1と第3側板部4A3とは互いに対向し、第2側板部4A2と第4側板部4A4とは互いに対向している。そして、第1側板部4A1及び第3側板部4A3は、第2側板部4A2及び第4側板部4A4に対して垂直に延びている。
【0014】
同様に、下側カバー部材4Lは、
図2に示すように、矩形筒状の第2外周壁部4Cと、第2外周壁部4Cの下端(Z2側の端)と連続するように設けられた矩形環状且つ平板状の底板部4Dと、を有する。底板部4Dの中央には、円形の開口4Mが形成されている。第2外周壁部4Cは、第1側板部4C1~第4側板部4C4を含む。第1側板部4C1と第3側板部4C3とは互いに対向し、第2側板部4C2と第4側板部4C4とは互いに対向している。そして、第1側板部4C1及び第3側板部4C3は、第2側板部4C2及び第4側板部4C4に対して垂直に延びている。
【0015】
上側カバー部材4Uは、
図1に示すように、接着剤によって下側カバー部材4Lに接合されている。具体的には、第1外周壁部4Aは、第2外周壁部4Cの一部を覆うように配置されている。そして、筐体HSとして機能するカバー部材4内には、
図2に示すように、本体部MNが収容されている。
【0016】
本体部MNは、
図3に示すように、固定支持部材1、レンズ保持部材2、支持部材3、金属部材5、可撓性金属部材6、案内部材7、磁石8、第1磁性部材9、第2磁性部材10、ヨーク11、導電部材CN、及び形状記憶合金ワイヤSAを含む。また、レンズ保持部材2及び支持部材3は可動側部材MBを構成している。
【0017】
固定支持部材1は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を用いた射出成形によって形成される。本実施形態では、固定支持部材1は、
図3に示すように、平面視で略矩形状の輪郭を有し、中央に開口1Kを有する。具体的には、固定支持部材1は、円形の開口1Kを囲むように配置される略矩形環状の基部1Bと、基部1Bの外周部から下方に延びるように形成された脚部1Dとを含む。脚部1Dは、第1脚部1D1~第4脚部1D4を含む。図示例では、第1脚部1D1及び第2脚部1D2は、光軸OAを挟んでX軸方向において互いに対向するように配置されている。第3脚部1D3及び第4脚部1D4は、光軸OAを挟んでY軸方向において互いに対向するように配置されている。
【0018】
レンズ保持部材2は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することによって形成され、レンズ体LSを保持可能な上下方向に貫通する開口2Kを有するように構成されている。具体的には、レンズ保持部材2は、
図3に示すように、光軸OAに沿って延びるように形成された筒状部12と、筒状部12から径方向外側に突出するように形成された台座部2Dとを含む。図示例では、レンズ体LSは、筒状部12の内周面に接着剤で固定されるように構成されている。筒状部12の内周面には、筒状部12の内周面とレンズ体LSとの間で接着剤が広がるように螺旋溝が形成されていてもよい。
【0019】
台座部2Dは、第1台座部2D1及び第2台座部2D2を含む。第1台座部2D1及び第2台座部2D2は、光軸OAを挟んで互いに反対側に位置するように配置されている。二つの台座部2Dのそれぞれには、レンズ側金属部材5Lが取り付けられる。
【0020】
支持部材3は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することによって形成される。本実施形態では、支持部材3は、平面視で略矩形状の輪郭を有し、中央に開口3Kを有する。具体的には、支持部材3は、
図3に示すように、円形の開口3Kを囲むように配置される略矩形環状の部材である。
【0021】
形状記憶合金ワイヤSAは、形状記憶アクチュエータの一例であり、可動側部材MBを駆動する駆動部DMを構成する。図示例では、形状記憶合金ワイヤSAは、上側形状記憶合金ワイヤSAU及び下側形状記憶合金ワイヤSADを含む。そして、上側形状記憶合金ワイヤSAUは、第1上側ワイヤSAU1~第4上側ワイヤSAU4を含み、下側形状記憶合金ワイヤSADは、第1下側ワイヤSAD1~第4下側ワイヤSAD4を含む。形状記憶合金ワイヤSAは、電流が流れると温度が上昇し、その温度の上昇に応じて収縮する。駆動部DMは、形状記憶合金ワイヤSAの収縮を利用して可動側部材MBを動かすことができる。図示例では、駆動部DMは、支持部材3に対してレンズ保持部材2を光軸方向へ移動させる第1駆動部DM1と、固定側部材FBに対して光軸方向と垂直な方向に支持部材3を移動させる第2駆動部DM2と、を含む。なお、光軸方向は、レンズ体LSの光軸OAの方向、及び、光軸OAに平行な方向を含む。第1駆動部DM1は、下側形状記憶合金ワイヤSADによって構成され、第2駆動部DM2は、上側形状記憶合金ワイヤSAUによって構成される。
【0022】
可撓性金属部材6は、固定支持部材1と支持部材3とを繋ぐ導電性の連結部材を構成している。本実施形態では、可撓性金属部材6は、例えば、銅合金、チタン銅系合金(チタン銅)、又は銅ニッケル合金(ニッケルすず銅)等を主な材料とした金属板から作製されている。なお、可撓性金属部材6は、固定支持部材1に関して支持部材3を弾性的に支持可能な弾性支持部材として機能するように構成されていてもよい。
【0023】
図示例では、可撓性金属部材6は、固定支持部材1に固定される基礎固定部6Nと、支持部材3に固定される支持固定部6Eと、基礎固定部6Nと支持固定部6Eとを繋ぐ可撓性腕部6Gとを有する。そして、基礎固定部6Nは、第1基礎固定部6N1及び第2基礎固定部6N2を含み、支持固定部6Eは、第1支持固定部6E1、第2支持固定部6E2、及び、平面視で略円形の第3支持固定部6E3を含む。また、可撓性腕部6Gは、第1基礎固定部6N1と第3支持固定部6E3とを繋ぐ第1可撓性腕部6G1と、第2基礎固定部6N2と第3支持固定部6E3とを繋ぐ第2可撓性腕部6G2とを含む。
【0024】
金属部材5は、形状記憶合金ワイヤSAの端部が固定されるように構成されている。本実施形態では、金属部材5は、非磁性金属で形成され、第1金属部材としての支持側金属部材5S、第2金属部材としてのレンズ側金属部材5L、第3金属部材としての固定側金属部材5F、及び、第4金属部材としての可動側金属部材5Mを含む。支持側金属部材5Sは、支持部材3の側面に固定されるように構成され、レンズ側金属部材5Lは、レンズ保持部材2の台座部2Dに固定されるように構成され、固定側金属部材5Fは、固定支持部材1の上面に固定されるように構成され、可動側金属部材5Mは、支持部材3の上面に固定されるように構成されている。
【0025】
より具体的には、支持側金属部材5Sは、支持側ターミナルプレートとも称され、第1支持側ターミナルプレート5S1~第4支持側ターミナルプレート5S4を含む。レンズ側金属部材5Lは、レンズ側ターミナルプレートとも称され、第1レンズ側ターミナルプレート5L1及び第2レンズ側ターミナルプレート5L2を含む。固定側金属部材5Fは、固定側ターミナルプレートとも称され、第1固定側ターミナルプレート5F1~第4固定側ターミナルプレート5F4を含む。可動側金属部材5Mは、可動側ターミナルプレートとも称され、第1可動側ターミナルプレート5M1~第4可動側ターミナルプレート5M4を含む。
【0026】
第1下側ワイヤSAD1~第4下側ワイヤSAD4のそれぞれは、一端が圧着又は溶接等により支持側金属部材5Sに固着され、且つ、他端が圧着又は溶接等によりレンズ側金属部材5Lに固着されている。そして、第1下側ワイヤSAD1~第4下側ワイヤSAD4のそれぞれは、電流が流れたときに、下側カバー部材4Lの第2外周壁部4Cの内面に沿って真っ直ぐに張られるように配置され、支持部材3に対してレンズ保持部材2を光軸方向に移動可能に支持できるように構成されている。
【0027】
第1上側ワイヤSAU1~第4上側ワイヤSAU4のそれぞれは、一端が圧着又は溶接等により固定側金属部材5Fに固着され、且つ、他端が圧着又は溶接等により可動側金属部材5Mに固着されている。そして、第1上側ワイヤSAU1~第4上側ワイヤSAU4のそれぞれは、電流が流れたときに、上側カバー部材4Uの天板部4Bの下面に沿って真っ直ぐに張られるように配置され、固定支持部材1に対して支持部材3を光軸OAに垂直な方向に移動可能に支持できるように構成されている。
【0028】
案内部材7は、レンズ保持部材2の光軸方向への移動を案内する案内部である内側案内部IGの一例であり、支持部材3に取り付けられている。内側案内部IGにおける「内側」は、レンズ駆動装置101において、後述の外側案内部EGよりも内側の位置(レンズ駆動装置101の中心に近い位置)に配置される案内部であることを意味する。但し、内側案内部IGは、外側案内部EGよりも外側に配置されてもよい。図示例では、案内部材7は、金属で形成され、半円柱状の上半部分及び円柱状の下半部分を含む略円柱体の部分を含む。また、案内部材7は、支持部材3の左後部に取り付けられる後側案内部材7Bと、支持部材3の右前部に取り付けられる前側案内部材7Fとを含む。なお、案内部材7は、略円柱体の部分の代わりに、一又は複数の略半球体の部分を含んでいてもよい。また、案内部材7は、合成樹脂で形成されていてもよい。この場合、案内部材7は、合成樹脂で形成された支持部材3に一体化されていてもよい。
【0029】
レンズ保持部材2は、案内部材7を受け入れる溝部2Vを有する。溝部2Vは、内側案内部IGとしての案内部材7によって案内される内側被案内部IGDを構成する。具体的には、支持部材3に固定された案内部材7は、光軸方向に移動しようとするレンズ保持部材2を案内する内側案内部IGを構成し、レンズ保持部材2に形成された、案内部材7を受け入れる溝部2Vは、内側案内部IGによって案内される内側被案内部IGDを構成する。図示例では、溝部2Vは、レンズ保持部材2の左後部に形成される後側溝部2VBと、レンズ保持部材2の右前部に形成される前側溝部2VFとを含む。
【0030】
磁石8は、固定側部材FBと支持部材3とが互いに引き合う力を作用させる付勢手段としての外側付勢手段ENを構成する部材の一例であり、支持部材3に取り付けられている。外側付勢手段ENにおける「外側」は、レンズ駆動装置101において、後述の内側付勢手段INよりも外側(レンズ駆動装置101の中心から遠い位置)に配置される付勢手段であることを意味する。但し、外側付勢手段ENは、内側付勢手段INよりも内側に配置されていてもよい。図示例では、磁石8は、二極着磁された略直方体状の磁石であり、磁性金属で形成された下側カバー部材4Lの底板部4Dと協働して固定側部材FBと支持部材3とが互いに引き合う力を作用させる外側付勢手段ENを構成する。すなわち、外側付勢手段ENは、支持部材3に固定された磁石8と固定側部材FBとしての下側カバー部材4Lの底板部4Dとの間に作用する磁気力(引力)を利用し、固定側部材FBと支持部材3とが互いに引き合う力を発生させる。この場合、下側カバー部材4Lの底板部4Dは、光軸方向に垂直な方向に移動しようとする支持部材3を案内する外側案内部EGを構成し、支持部材3の一部(後述の突出部3S)は、外側案内部EGによって案内される外側被案内部EGDを構成する。また、磁石8は、支持部材3の右後部に取り付けられる後側磁石8Bと、支持部材3の左前部に取り付けられる前側磁石8Fとを含む。
【0031】
第1磁性部材9は、レンズ保持部材2と支持部材3とが互いに押し合う或いは引き合う力を作用させる付勢手段である内側付勢手段INを構成する部材の一例であり、支持部材3に取り付けられている。図示例では、第1磁性部材9は、二極着磁された六角柱状(略半八角柱状)(
図12の中央図を参照)の磁石であり、第2磁性部材10と協働して支持部材3とレンズ保持部材2とが互いに引き合う力を作用させる内側付勢手段INを構成する。すなわち、内側付勢手段INは、支持部材3に固定された第1磁性部材9とレンズ保持部材2に固定された第2磁性部材10との間に作用する磁気力(引力)を利用し、支持部材3とレンズ保持部材2とが互いに引き合う力を発生させる。また、第1磁性部材9は、支持部材3の左後部に取り付けられる第1後側磁性部材9Bと、支持部材3の右前部に取り付けられる第1前側磁性部材9F(
図12の中央図を参照)とを含む。
【0032】
第2磁性部材10は、内側付勢手段INを構成する部材の別の一例であり、レンズ保持部材2に取り付けられている。図示例では、第2磁性部材10は、二極着磁された略直方体状の磁石であり、第1磁性部材9と協働して内側付勢手段INを構成する。また、第2磁性部材10は、僅かな隙間を隔てて支持部材3に取り付けられた第1磁性部材9と対向するように、レンズ保持部材2に固定されている。また、第2磁性部材10は、レンズ保持部材2の左後部に取り付けられる第2後側磁性部材10B(
図8の下図を参照)と、レンズ保持部材2の右前部に取り付けられる第2前側磁性部材10Fとを含む。
【0033】
ヨーク11は、第2磁性部材10が発生させる磁力線の経路を制御する部材であり、第2磁性部材10とともにレンズ保持部材2に取り付けられている。図示例では、ヨーク11は、
図7に示すように、略直方体状の第2磁性部材10の一部を覆う略U字状の形状を有する。また、ヨーク11は、レンズ保持部材2の左後部に取り付けられる後側ヨーク11Bと、レンズ保持部材2の右前部に取り付けられる前側ヨーク11Fとを含む。なお、ヨーク11は、省略されてもよい。
【0034】
図示例では、第1磁性部材9及び第2磁性部材10は、何れも磁石であるが、内側付勢手段INを構成するには、少なくとも一方が磁石であればよい。第1磁性部材9と第2磁性部材10との間に磁気的な引力を発生させることができるためである。また、図示例では、第1磁性部材9及び第2磁性部材10は、第1磁性部材9と第2磁性部材10との間に磁気的な引力を発生させることができるように配置されているが、第1磁性部材9と第2磁性部材10との間に磁気的な斥力(反発力)を発生させることができるように配置されていてもよい。
【0035】
導電部材CNは、電気を通すための部材であり、鉄等の磁性金属或いは銅合金等の非磁性金属で形成されている。図示例では、導電部材CNは、
図3に示すように、上側導電部材CU及び下側導電部材CDを含む。上側導電部材CUは、固定支持部材1に埋設される導電部材である。下側導電部材CDは、固定支持部材1、レンズ保持部材2、及び支持部材3のそれぞれの下面に取り付けられる導電部材である。
【0036】
次に、
図4~
図6を参照し、固定側部材FBとしての固定支持部材1の詳細について説明する。
図4は、上側導電部材CUが埋設されるとともに、固定側金属部材5F及び下側導電部材CDが取り付けられる固定支持部材1の斜視図である。具体的には、
図4の上図(ブロック矢印よりも上にある図)は、固定側金属部材5F、固定支持部材1、上側導電部材CU、及び下側導電部材CDの斜視図であり、
図4の下図(ブロック矢印よりも下にある図)は、上側導電部材CUが埋設され、且つ、固定側金属部材5F及び下側導電部材CDが取り付けられた固定支持部材1の斜視図である。なお、固定支持部材1には、可撓性金属部材6も取り付けられるが、
図4では、明瞭化のため、可撓性金属部材6の図示が省略されている。
図5は、上側導電部材CUが埋設された固定支持部材1の上面図である。具体的には、
図5の上図は、固定側金属部材5Fが取り付けられていない状態の固定支持部材1の上面図であり、
図5の下図は、固定側金属部材5Fが取り付けられた状態の固定支持部材1の上面図である。
図6は、上側導電部材CUが埋設された固定支持部材1の下面図である。具体的には、
図6の上図は、可撓性金属部材6及び下側導電部材CDが取り付けられていない状態の固定支持部材1の下面図であり、
図6の中央図は、可撓性金属部材6が取り付けられた状態の固定支持部材1の下面図であり、
図6の下図は、下側導電部材CDが更に取り付けられた状態の固定支持部材1の下面図である。なお、明瞭化のため、
図5の上図では、上側導電部材CUにドットパターンが付され、
図5の下図では、固定側金属部材5Fにドットパターンが付されている。また、
図6の上図では、上側導電部材CUにドットパターンが付され、
図6の中央図では、可撓性金属部材6にドットパターンが付され、
図6の下図では、下側導電部材CDにドットパターンが付されている。
【0037】
図4に示すように、固定支持部材1には、上側導電部材CUがインサート成形によって埋め込まれている。本実施形態では、上側導電部材CUは、第1上側導電部材CU1~第10上側導電部材CU10を含む。具体的には、上側導電部材CUは、固定支持部材1の表面に露出する接合面部CSと、固定支持部材1の脚部1Dの下部から露出して下方に延びる外部端子部TMと、接合面部CSと外部端子部TMとの間に設けられ固定支持部材1の内部に埋設される引き回し部RTとを有する。より具体的には、第1上側導電部材CU1~第10上側導電部材CU10は、それぞれ、第1接合面部CS1~第10接合面部CS10、第1外部端子部TM1~第10外部端子部TM10、第1引き回し部RT1~第10引き回し部RT10を有する。なお、
図4では、明瞭化のため、第10上側導電部材CU10に関してのみ、符号「CS10」、「RT10」、「TM10」の前に、その上位の符号「CS」、「RT」、「TM」が付されている。また、符号「RT1」~符号「RT9」の図示は省略されている。
【0038】
下側導電部材CDは、固定支持部材1の下面に取り付けられる導電部材であり、第1下側導電部材CD1~第5下側導電部材CD5を含む。
【0039】
図示例では、固定側金属部材5Fは、
図5の下図に示すように、固定支持部材1の上面に固定されている。具体的には、固定支持部材1の基部1Bの上面には、
図5の上図に示すように、第1接合面部CS1~第4接合面部CS4が露出している。
【0040】
より具体的には、固定側金属部材5Fのそれぞれには、
図5に示すように、固定支持部材1の基部1Bの上面から上方に突出するように形成された円柱状の二つの凸部1Pが挿通される二つの第1貫通孔5H1が形成されている。図示例では、固定支持部材1と固定側金属部材5Fのそれぞれとの接合は、二つの第1貫通孔5H1に挿通された二つの凸部1Pに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。但し、固定支持部材1と固定側金属部材5Fとの接合は、接着剤によって実現されてもよい。
【0041】
また、固定側金属部材5Fのそれぞれには、
図5の下図に示すように、中央部に第2貫通孔5H2が形成されている。第2貫通孔5H2は、固定側金属部材5Fのそれぞれと上側導電部材CUの接合面部CSとを接合する際に利用される。図示例では、固定側金属部材5Fのそれぞれと上側導電部材CUとの接合は、レーザ溶接によって実現される。但し、固定側金属部材5Fのそれぞれと上側導電部材CUとの接合は、半田又は導電性接着剤によって実現されてもよい。
【0042】
より具体的には、第1固定側ターミナルプレート5F1~第4固定側ターミナルプレート5F4は、それぞれ、基部1Bの上に載置されて接合され、且つ、基部1Bの上面に露出している第1接合面部CS1~第4接合面部CS4にレーザ溶接によって接合される。
【0043】
可撓性金属部材6の第1基礎固定部6N1及び第2基礎固定部6N2のそれぞれには、
図6の中央図に示すように、第1貫通孔6H1と第2貫通孔6H2とが形成されている。第1貫通孔6H1は、基礎固定部6Nと固定支持部材1とを接合する際に利用される。図示例では、基礎固定部6Nと固定支持部材1との接合は、第1貫通孔6H1に挿通された凸部1Qに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。図示例では、凸部1Qは、
図6の上図に示すように、固定支持部材1の基部1Bの下面から下方に突出するように形成された円柱状の部分である。但し、基礎固定部6Nと固定支持部材1との接合は、接着剤によって実現されてもよい。第2貫通孔6H2は、基礎固定部6Nと固定支持部材1に埋設されている上側導電部材CUとを接合する際に利用される。図示例では、基礎固定部6Nと上側導電部材CUとの接合は、レーザ溶接によって実現される。基礎固定部6Nと上側導電部材CUとの接合は、半田又は導電性接着剤によって実現されてもよい。
【0044】
具体的には、
図6に示すように、第1基礎固定部6N1及び第2基礎固定部6N2のそれぞれと固定支持部材1との接合は、第1貫通孔6H1に挿通された凸部1Qに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。また、第1基礎固定部6N1と第5上側導電部材CU5の第5接合面部CS5との接合(溶接)は、第2貫通孔6H2にレーザを照射することによって実現される。なお、第2基礎固定部6N2に形成された第2貫通孔6H2は、上側導電部材CUと接合されていない。
【0045】
下側導電部材CD(第1下側導電部材CD1~第5下側導電部材CD5)のそれぞれには、
図6の下図に示すように、第1貫通孔H1と第2貫通孔H2とが形成されている。第1貫通孔H1は、下側導電部材CDと固定支持部材1とを接合する際に利用される。図示例では、下側導電部材CDと固定支持部材1との接合は、第1貫通孔H1に挿通された凸部1Rに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。図示例では、凸部1Rは、
図6の上図に示すように、固定支持部材1の脚部1Dの下面から下方に突出するように形成された円柱状の部分である。但し、下側導電部材CDと固定支持部材1との接合は、接着剤によって実現されてもよい。第2貫通孔H2は、下側導電部材CDと固定支持部材1に埋設されている上側導電部材CUとを接合する際に利用される。図示例では、下側導電部材CDと上側導電部材CUとの接合は、レーザ溶接によって実現される。下側導電部材CDと上側導電部材CUとの接合は、半田又は導電性接着剤によって実現されてもよい。
【0046】
具体的には、
図6に示すように、第1下側導電部材CD1~第5下側導電部材CD5のそれぞれと固定支持部材1との接合は、第1貫通孔H1に挿通された凸部1Rに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。また、第1下側導電部材CD1と第6上側導電部材CU6の第6接合面部CS6との接合(溶接)は、第2貫通孔H2にレーザを照射することによって実現される。第2下側導電部材CD2と第7上側導電部材CU7の第7接合面部CS7との接合(溶接)、第3下側導電部材CD3と第8上側導電部材CU8の第8接合面部CS8との接合(溶接)、第4下側導電部材CD4と第9上側導電部材CU9の第9接合面部CS9との接合(溶接)、並びに、第5下側導電部材CD5と第10上側導電部材CU10の第10接合面部CS10との接合(溶接)についても同様である。
【0047】
次に、
図7~
図9を参照し、可動側部材MBとしてのレンズ保持部材2の詳細について説明する。
図7は、レンズ側金属部材5L、第2磁性部材10、ヨーク11、及び、第5下側導電部材CD5が取り付けられるレンズ保持部材2の斜視図である。具体的には、
図7の上図(ブロック矢印よりも上にある図)は、レンズ保持部材2、レンズ側金属部材5L、第2磁性部材10、ヨーク11、及び、第5下側導電部材CD5の斜視図であり、
図7の下図(ブロック矢印よりも下にある図)は、レンズ側金属部材5L、第2磁性部材10、ヨーク11、及び、第5下側導電部材CD5が取り付けられたレンズ保持部材2の斜視図である。
図8は、レンズ保持部材2の上面図である。具体的には、
図8の上図は、他の部材が取り付けられていない状態のレンズ保持部材2の上面図であり、
図8の下図は、レンズ側金属部材5L、第2磁性部材10、及びヨーク11が取り付けられた状態のレンズ保持部材2の上面図である。
図9は、レンズ保持部材2の下面図である。具体的には、
図9の上図は、他の部材が取り付けられていない状態のレンズ保持部材2の下面図であり、
図9の中央図は、レンズ側金属部材5Lが取り付けられた状態のレンズ保持部材2の下面図であり、
図9の下図は、第5下側導電部材CD5が更に取り付けられた状態のレンズ保持部材2の下面図である。なお、明瞭化のため、
図8の下図では、レンズ側金属部材5L、第2磁性部材10、及びヨーク11にドットパターンが付され、
図9の中央図では、レンズ側金属部材5Lにドットパターンが付され、
図9の下図では、レンズ側金属部材5L及び第5下側導電部材CD5にドットパターンが付されている。
【0048】
図7に示すように、レンズ保持部材2の台座部2Dには、レンズ側金属部材5Lが取り付けられる側面が形成されている。図示例では、
図8の下図に示すように、第1レンズ側ターミナルプレート5L1は、第1台座部2D1の前面に固定され、第2レンズ側ターミナルプレート5L2は、第2台座部2D2の後面に固定されている。
【0049】
具体的には、レンズ保持部材2とレンズ側金属部材5Lのそれぞれとの接合は、第3貫通孔5H3に挿通された不図示の凸部(台座部2Dの側面に形成された凸部)に接着剤を塗布することによって実現される。但し、レンズ保持部材2とレンズ側金属部材5Lのそれぞれとの接合は、他の方法によって実現されてもよい。例えば、凸部が形成されていない台座部2Dの側面にレンズ側金属部材5Lが接着固定されていてもよい。
【0050】
また、レンズ保持部材2の台座部2Dには、第2磁性部材10及びヨーク11を受け入れるための凹部2Rが形成されている。図示例では、
図8の上図に示すように、凹部2Rは、第1台座部2D1の右端部に形成された、第2前側磁性部材10F及び前側ヨーク11Fを受け入れるための第1凹部2R1と、第2台座部2D2の左端部に形成された、第2後側磁性部材10B及び後側ヨーク11Bを受け入れるための第2凹部2R2とを含む。そして、第1凹部2R1及び第2凹部2R2のそれぞれは、第2磁性部材10に接着剤によって取り付けられたヨーク11を受け入れる幅広部分WPと、第2磁性部材10のみを受け入れる幅狭部分NPとを有する。第1凹部2R1の幅狭部分NPは、第1前側磁性部材9Fによって右方に引き寄せられる第2前側磁性部材10F及び前側ヨーク11Fが右方に抜け落ちてしまうのを防止する抜け止め機構を構成している。同様に、第2凹部2R2の幅狭部分NPは、第1後側磁性部材9Bによって左方に引き寄せられる第2後側磁性部材10B及び後側ヨーク11Bが左方に抜け落ちてしまうのを防止する抜け止め機構を構成している。
【0051】
また、レンズ側金属部材5Lには、
図9の中央図に示すように、接合面部CTが形成されている。接合面部CTは、レンズ側金属部材5Lと第5下側導電部材CD5とを接合する際に利用される。具体的には、第1レンズ側ターミナルプレート5L1は、第1接合面部CT1を有し、第2レンズ側ターミナルプレート5L2は、第2接合面部CT2を有する。
【0052】
また、第5下側導電部材CD5には、
図9の下図に示すように、第3貫通孔H3と第4貫通孔H4とが形成されている。第3貫通孔H3は、第5下側導電部材CD5とレンズ保持部材2とを接合する際に利用される。図示例では、第5下側導電部材CD5とレンズ保持部材2との接合は、第3貫通孔H3に挿通された凸部2Pに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。図示例では、凸部2Pは、
図9の上図に示すように、レンズ保持部材2の筒状部12の下面から下方に突出するように形成された円柱状の部分である。但し、第5下側導電部材CD5とレンズ保持部材2との接合は、接着剤によって実現されてもよい。
【0053】
第4貫通孔H4は、第5下側導電部材CD5とレンズ側金属部材5Lとを接合する際に利用される。図示例では、第5下側導電部材CD5とレンズ側金属部材5Lとの接合は、レーザ溶接によって実現される。但し、第5下側導電部材CD5とレンズ側金属部材5Lとの接合は、半田又は導電性接着剤によって実現されてもよい。
【0054】
具体的には、
図9に示すように、第5下側導電部材CD5と第1レンズ側ターミナルプレート5L1の第1接合面部CT1との接合(溶接)は、第4貫通孔H4にレーザを照射することによって実現される。第5下側導電部材CD5と第2レンズ側ターミナルプレート5L2の第2接合面部CT2との接合(溶接)についても同様である。
【0055】
次に、
図10~
図12を参照し、可動側部材MBとしての支持部材3の詳細について説明する。
図10は、可動側金属部材5M、支持側金属部材5S、可撓性金属部材6、案内部材7、磁石8、第1磁性部材9、及び、下側導電部材CDが取り付けられる支持部材3の斜視図である。具体的には、
図10の上図(ブロック矢印よりも上にある図)は、支持部材3、可動側金属部材5M、支持側金属部材5S、可撓性金属部材6、案内部材7、磁石8、第1磁性部材9、及び、下側導電部材CDの斜視図であり、
図10の下図(ブロック矢印よりも下にある図)は、可動側金属部材5M、支持側金属部材5S、可撓性金属部材6、案内部材7、磁石8、第1磁性部材9、及び、下側導電部材CDが取り付けられた支持部材3の斜視図である。
図11は、支持部材3の上面図である。具体的には、
図11の上図は、他の部材が取り付けられていない状態の支持部材3の上面図であり、
図11の中央図は、可撓性金属部材6が取り付けられた状態の支持部材3の上面図であり、
図11の下図は、可動側金属部材5M、支持側金属部材5S、及び案内部材7が更に取り付けられた状態の支持部材3の上面図である。
図12は、支持部材3の下面図である。具体的には、
図12の上図は、他の部材が取り付けられていない状態の支持部材3の下面図であり、
図12の中央図は、支持側金属部材5S、案内部材7、磁石8、及び第1磁性部材9が取り付けられた状態の支持部材3の下面図であり、
図12の下図は、更に下側導電部材CDが取り付けられた状態の支持部材3の下面図である。なお、明瞭化のため、
図11の中央図では、可撓性金属部材6にドットパターンが付され、
図11の下図では、可動側金属部材5M、支持側金属部材5S、及び案内部材7にドットパターンが付され、
図12の中央図では、支持側金属部材5S、案内部材7、磁石8、及び第1磁性部材9にドットパターンが付され、
図12の下図では、下側導電部材CDにドットパターンが付されている。
【0056】
可撓性金属部材6の支持固定部6Eにおける第3支持固定部6E3には、
図11の中央図に示すように、第3貫通孔6H3が形成されている。第3貫通孔6H3は、第3支持固定部6E3と支持部材3とを接合する際に利用される。図示例では、第3支持固定部6E3と支持部材3との接合は、第3貫通孔6H3に挿通された凸部3Qに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。図示例では、凸部3Qは、
図11の上図に示すように、支持部材3の上面から上方に突出するように形成された円柱状の部分である。但し、第3支持固定部6E3と支持部材3との接合は、接着剤によって実現されてもよい。
【0057】
可撓性金属部材6の支持固定部6Eにおける第1支持固定部6E1及び第2支持固定部6E2のそれぞれには、
図11の中央図に示すように、支持部材3の上面から上方に突出するように形成された円柱状の二つの凸部3Pが挿通される二つの第1貫通孔6H1が形成されている。また、可動側金属部材5Mのそれぞれには、
図11の下図に示すように、二つの凸部3Pが挿通される二つの第1貫通孔5H1が形成されている。図示例では、支持部材3と可動側金属部材5Mと支持固定部6Eとの接合は、第1貫通孔5H1及び第1貫通孔6H1のそれぞれに挿通された凸部3Pに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。但し、支持部材3と可動側金属部材5Mと支持固定部6Eとの接合は、接着剤によって実現されてもよい。
【0058】
具体的には、
図11に示すように、第1支持固定部6E1と第1可動側ターミナルプレート5M1及び第2可動側ターミナルプレート5M2と支持部材3との接合は、第1貫通孔5H1及び第1貫通孔6H1のそれぞれに挿通された凸部3Pに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。同様に、第2支持固定部6E2と第3可動側ターミナルプレート5M3及び第4可動側ターミナルプレート5M4と支持部材3との接合は、第1貫通孔5H1及び第1貫通孔6H1のそれぞれに挿通された凸部3Pに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。
【0059】
また、可動側金属部材5Mのそれぞれには、
図11の下図に示すように、中央部に第2貫通孔5H2が形成されている。第2貫通孔5H2は、可動側金属部材5Mと可撓性金属部材6の支持固定部6Eとを接合する際に利用される。図示例では、可動側金属部材5Mと支持固定部6Eとの接合(レーザ溶接)は、第2貫通孔5H2にレーザを照射することによって実現される。但し、可動側金属部材5Mと支持固定部6Eとの接合(レーザ溶接)は、半田又は導電性接着剤によって実現されてもよい。
【0060】
より具体的には、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第2可動側ターミナルプレート5M2のそれぞれと第1支持固定部6E1との接合(レーザ溶接)は、第2貫通孔5H2にレーザを照射することによって実現される。第3可動側ターミナルプレート5M3及び第4可動側ターミナルプレート5M4のそれぞれと第2支持固定部6E2との接合(レーザ溶接)についても同様である。
【0061】
また、支持部材3の下面には、
図12の上図に示すように、案内部材7を受け入れるための溝部3Tと、磁石8を受け入れるための凹部3Uと、第1磁性部材9を受け入れるための凹部3Wとが形成されている。図示例では、
図12の上図に示すように、溝部3Tは、支持部材3の右前部に形成された、前側案内部材7Fを受け入れるための第1溝部3T1と、支持部材3の左後部に形成された、後側案内部材7Bを受け入れるための第2溝部3T2とを含む。また、凹部3Uは、支持部材3の左前部に形成された、前側磁石8Fを受け入れるための第1凹部3U1と、支持部材3の右後部に形成された、後側磁石8Bを受け入れるための第2凹部3U2とを含む。また、凹部3Wは、支持部材3の右前部に形成された、第1前側磁性部材9Fを受け入れるための第1凹部3W1と、支持部材3の左後部に形成された、第1後側磁性部材9Bを受け入れるための第2凹部3W2とを含む。そして、第1凹部3W1及び第2凹部3W2のそれぞれは、六角柱状(略半八角柱状)の第1磁性部材9を受け入れるための幅広部分WPと幅狭部分NPとを有する。第1凹部3W1の幅狭部分NPは、第2前側磁性部材10F(
図8の下図を参照)によって左方に引き寄せられる第1前側磁性部材9Fが左方に抜け落ちてしまうのを防止する抜け止め機構を構成している。同様に、第2凹部3W2の幅狭部分NPは、第2後側磁性部材10B(
図8の下図を参照)によって右方に引き寄せられる第1後側磁性部材9Bが右方に抜け落ちてしまうのを防止する抜け止め機構を構成している。なお、案内部材7、磁石8、及び第1磁性部材9は、接着剤によって支持部材3に固定されている。
【0062】
また、下側導電部材CDには、
図12の下図に示すように、第5貫通孔H5と第6貫通孔H6とが形成されている。第5貫通孔H5は、下側導電部材CDと支持部材3とを接合する際に利用される。図示例では、下側導電部材CDと支持部材3との接合は、第5貫通孔H5に挿通された凸部3Rに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。図示例では、凸部3Rは、
図12の上図に示すように、支持部材3の下面から下方に突出するように形成された円柱状の部分である。但し、下側導電部材CDと支持部材3との接合は、接着剤によって実現されてもよい。
【0063】
第6貫通孔H6は、下側導電部材CDと支持側金属部材5Sとを接合する際に利用される。図示例では、下側導電部材CDと支持側金属部材5Sとの接合(レーザ溶接)は、第6貫通孔H6にレーザを照射することによって実現される。但し、下側導電部材CDと支持側金属部材5Sとの接合は、半田又は導電性接着剤によって実現されてもよい。
【0064】
具体的には、
図12に示すように、第1下側導電部材CD1と第1支持側ターミナルプレート5S1との接合(溶接)は、第6貫通孔H6にレーザを照射することによって実現される。第2下側導電部材CD2と第2支持側ターミナルプレート5S2との接合(溶接)、第3下側導電部材CD3と第3支持側ターミナルプレート5S3との接合(溶接)、及び、第4下側導電部材CD4と第4支持側ターミナルプレート5S4との接合(溶接)についても同様である。
【0065】
次に、
図13を参照し、金属部材5に取り付けられる上側形状記憶合金ワイヤSAUについて説明する。
図13は、第1可動側ターミナルプレート5M1、第1固定側ターミナルプレート5F1、及び第1上側ワイヤSAU1の配置例を示す図である。具体的には、
図13の上図は、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第1固定側ターミナルプレート5F1のそれぞれに取り付けられた第1上側ワイヤSAU1を上側(Z1側)から見たときの図であり、
図13の下図は、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第1固定側ターミナルプレート5F1のそれぞれに取り付けられた第1上側ワイヤSAU1を前側(X1側)から見たときの図である。なお、
図13に示す各部材の位置関係は、レンズ駆動装置101が組み立てられ且つ上側形状記憶合金ワイヤSAUに電流が供給された状態にあるときの位置関係に対応している。そして、
図13では、明瞭化のため、他の部材の図示が省略されている。また、
図13を参照する以下の説明は、第1上側ワイヤSAU1に関するが、第2上側ワイヤSAU2~第4上側ワイヤSAU4についても同様に適用され得る。
【0066】
具体的には、第1上側ワイヤSAU1の一端は、第1固定側ターミナルプレート5F1の保持部J1のところで第1固定側ターミナルプレート5F1に固定され、第1上側ワイヤSAU1の他端は、第1可動側ターミナルプレート5M1の保持部J2のところで第1可動側ターミナルプレート5M1に固定されている。
【0067】
保持部J1は、第1固定側ターミナルプレート5F1の一部を折り曲げることによって形成されている。具体的には、第1固定側ターミナルプレート5F1の一部は、第1上側ワイヤSAU1の端部(一端)を挟み込んだ状態で折り曲げられることにより保持部J1を形成している。そして、第1上側ワイヤSAU1の端部(一端)は、溶接によって保持部J1に固定されている。保持部J2についても同様である。
【0068】
このように、第1固定側ターミナルプレート5F1~第4固定側ターミナルプレート5F4には、それぞれ、第1上側ワイヤSAU1~第4上側ワイヤSAU4の一端が固定され、第1可動側ターミナルプレート5M1~第4可動側ターミナルプレート5M4には、それぞれ、第1上側ワイヤSAU1~第4上側ワイヤSAU4の他端が固定されている。そして、第1固定側ターミナルプレート5F1~第4固定側ターミナルプレート5F4が取り付けられる固定支持部材1は、ワイヤ支持部材として機能するように構成され、第1可動側ターミナルプレート5M1~第4可動側ターミナルプレート5M4が取り付けられる支持部材3は、可動側部材MBとして機能するように構成されている。この構成により、支持部材3は、第1上側ワイヤSAU1~第4上側ワイヤSAU4及び固定支持部材1により、少なくとも光軸OAに垂直な方向であるX軸方向及びY軸方向に移動可能な状態で支持される。
【0069】
次に、
図14を参照し、金属部材5に取り付けられる下側形状記憶合金ワイヤSADについて説明する。
図14は、第1レンズ側ターミナルプレート5L1、第1支持側ターミナルプレート5S1、第2支持側ターミナルプレート5S2、第1下側ワイヤSAD1、及び第2下側ワイヤSAD2の配置例を示す図である。具体的には、
図14の上図は、第1レンズ側ターミナルプレート5L1及び第1支持側ターミナルプレート5S1のそれぞれに取り付けられた第1下側ワイヤSAD1、並びに、第1レンズ側ターミナルプレート5L1及び第2支持側ターミナルプレート5S2のそれぞれに取り付けられた第2下側ワイヤSAD2を上側(Z1側)から見たときの図であり、
図14の下図は、第1レンズ側ターミナルプレート5L1及び第1支持側ターミナルプレート5S1のそれぞれに取り付けられた第1下側ワイヤSAD1、並びに、第1レンズ側ターミナルプレート5L1及び第2支持側ターミナルプレート5S2のそれぞれに取り付けられた第2下側ワイヤSAD2を前側(X1側)から見たときの図である。なお、
図14に示す各部材の位置関係は、レンズ駆動装置101が組み立てられ且つ下側形状記憶合金ワイヤSADに電流が供給された状態にあるときの位置関係に対応している。そして、
図14では、明瞭化のため、他の部材の図示が省略されている。また、
図14を参照する以下の説明は、第1下側ワイヤSAD1及び第2下側ワイヤSAD2の組み合わせに関するが、第3下側ワイヤSAD3及び第4下側ワイヤSAD4の組み合わせについても同様に適用され得る。
【0070】
具体的には、第1下側ワイヤSAD1の一端は、第1支持側ターミナルプレート5S1の保持部J11のところで第1支持側ターミナルプレート5S1に固定され、第1下側ワイヤSAD1の他端は、第1レンズ側ターミナルプレート5L1の保持部J12のところで第1レンズ側ターミナルプレート5L1の上端部に固定されている。また、第2下側ワイヤSAD2の一端は、第2支持側ターミナルプレート5S2の保持部J13のところで第2支持側ターミナルプレート5S2に固定され、第2下側ワイヤSAD2の他端は、第1レンズ側ターミナルプレート5L1の保持部J14のところで第1レンズ側ターミナルプレート5L1の下端部に固定されている。
【0071】
保持部J11は、第1支持側ターミナルプレート5S1の一部を折り曲げることによって形成されている。具体的には、第1支持側ターミナルプレート5S1の一部は、第1下側ワイヤSAD1の端部(一端)を挟み込んだ状態で折り曲げられることにより保持部J11を形成している。そして、第1下側ワイヤSAD1の端部(一端)は、溶接によって保持部J11に固定されている。保持部J12~保持部J14についても同様である。
【0072】
このように、第1支持側ターミナルプレート5S1~第4支持側ターミナルプレート5S4には、それぞれ、第1下側ワイヤSAD1~第4下側ワイヤSAD4の一端が固定され、第1レンズ側ターミナルプレート5L1には、第1下側ワイヤSAD1及び第2下側ワイヤSAD2のそれぞれの他端が固定され、第2レンズ側ターミナルプレート5L2には、第3下側ワイヤSAD3及び第4下側ワイヤSAD4のそれぞれの他端が固定されている。そして、第1支持側ターミナルプレート5S1~第4支持側ターミナルプレート5S4が取り付けられる支持部材3は、ワイヤ支持部材として機能するように構成され、第1レンズ側ターミナルプレート5L1及び第2レンズ側ターミナルプレート5L2が取り付けられるレンズ保持部材2は、可動側部材MBとして機能するように構成されている。この構成により、レンズ保持部材2は、第1下側ワイヤSAD1~第4下側ワイヤSAD4及び支持部材3により、少なくとも光軸OAに平行な方向であるZ軸方向に移動可能な状態で支持される。なお、支持側金属部材5Sには、レンズ側金属部材5Lと同様に、支持側金属部材5Sを支持部材3の側面に固定する際に利用される第3貫通孔5H3が形成されている。支持部材3と支持側金属部材5Sとを接合する接着剤は、第3貫通孔5H3を介して塗布されてもよい。
【0073】
次に、
図15を参照し、固定側金属部材5F、可動側金属部材5M、上側形状記憶合金ワイヤSAU、及びレンズ保持部材2の位置関係について説明する。
図15は、固定側金属部材5F、可動側金属部材5M、上側形状記憶合金ワイヤSAU、及びレンズ保持部材2の上面図である。
図15では、明瞭化のため、レンズ保持部材2にドットパターンが付されている。
【0074】
上側形状記憶合金ワイヤSAUは、
図15に示すように、光軸方向に沿った平面視において、レンズ保持部材2の筒状部12を囲むように配置された第1上側ワイヤSAU1~第4上側ワイヤSAU4を含む。第1上側ワイヤSAU1は、一端が第1固定側ターミナルプレート5F1に固定され、他端が第1可動側ターミナルプレート5M1に固定されている。同様に、第2上側ワイヤSAU2は、一端が第2固定側ターミナルプレート5F2に固定され、他端が第2可動側ターミナルプレート5M2に固定されている。また、第3上側ワイヤSAU3は、一端が第3固定側ターミナルプレート5F3に固定され、他端が第3可動側ターミナルプレート5M3に固定されている。また、第4上側ワイヤSAU4は、一端が第4固定側ターミナルプレート5F4に固定され、他端が第4可動側ターミナルプレート5M4に固定されている。
【0075】
このように上側形状記憶合金ワイヤSAUは、四つの固定側金属部材5Fと、四つの可動側金属部材5Mとによって支持されている。別の観点から見ると、上側形状記憶合金ワイヤSAUは、四つの第1形状金属部材5Aと、四つの第2形状金属部材5Bとによって支持されている。四つの第1形状金属部材5Aは、同じ形状を有する同一部品であり、第1固定側ターミナルプレート5F1、第2可動側ターミナルプレート5M2、第3固定側ターミナルプレート5F3、及び、第4可動側ターミナルプレート5M4を含む。同様に、四つの第2形状金属部材5Bは、同じ形状を有する同一部品であり、第1可動側ターミナルプレート5M1、第2固定側ターミナルプレート5F2、第3可動側ターミナルプレート5M3、及び、第4固定側ターミナルプレート5F4を含む。
【0076】
隣り合う第1形状金属部材5Aと第2形状金属部材5Bとは、
図15に示すように、光軸OAと交差する破線に関して線対称となる形状を有する。そして、第1上側ワイヤSAU1~第4上側ワイヤSAU4のそれぞれは、四つの第1形状金属部材5Aのうちの一つと四つの第2形状金属部材5Bのうちの一つとの間に設けられている。
【0077】
次に、
図16を参照し、上側形状記憶合金ワイヤSAUを流れる電流の経路について説明する。
図16は、金属部材5(第1固定側ターミナルプレート5F1~第4固定側ターミナルプレート5F4及び第1可動側ターミナルプレート5M1~第4可動側ターミナルプレート5M4)、可撓性金属部材6、上側導電部材CU(第1上側導電部材CU1~第5上側導電部材CU5)、並びに、上側形状記憶合金ワイヤSAU(第1上側ワイヤSAU1~第4上側ワイヤSAU4)の斜視図であり、金属部材5、可撓性金属部材6、上側導電部材CU、及び、上側形状記憶合金ワイヤSAUの位置関係を示している。
【0078】
具体的には、第1上側導電部材CU1が高電位に接続され、第5上側導電部材CU5が低電位に接続されると、電流は、第1上側導電部材CU1、第1固定側ターミナルプレート5F1、第1上側ワイヤSAU1、第1可動側ターミナルプレート5M1、並びに、可撓性金属部材6(第1支持固定部6E1、第3支持固定部6E3、第1可撓性腕部6G1、及び第1基礎固定部6N1)を通って第5上側導電部材CU5に流れる。
【0079】
また、第2上側導電部材CU2が高電位に接続され、第5上側導電部材CU5が低電位に接続されると、電流は、第2上側導電部材CU2、第2固定側ターミナルプレート5F2、第2上側ワイヤSAU2、第2可動側ターミナルプレート5M2、並びに、可撓性金属部材6(第1支持固定部6E1、第3支持固定部6E3、第1可撓性腕部6G1、及び第1基礎固定部6N1)を通って第5上側導電部材CU5に流れる。
【0080】
また、第3上側導電部材CU3が高電位に接続され、第5上側導電部材CU5が低電位に接続されると、電流は、第3上側導電部材CU3、第3固定側ターミナルプレート5F3、第3上側ワイヤSAU3、第3可動側ターミナルプレート5M3、並びに、可撓性金属部材6(第2支持固定部6E2、第3支持固定部6E3、第1可撓性腕部6G1、及び第1基礎固定部6N1)を通って第5上側導電部材CU5に流れる。
【0081】
また、第4上側導電部材CU4が高電位に接続され、第5上側導電部材CU5が低電位に接続されると、電流は、第4上側導電部材CU4、第4固定側ターミナルプレート5F4、第4上側ワイヤSAU4、第4可動側ターミナルプレート5M4、並びに、可撓性金属部材6(第2支持固定部6E2、第3支持固定部6E3、第1可撓性腕部6G1、及び第1基礎固定部6N1)を通って第5上側導電部材CU5に流れる。
【0082】
上述のようなレンズ駆動装置101の外部にある不図示の制御装置は、例えば、第1上側導電部材CU1~第5上側導電部材CU5のそれぞれに印加される電圧を制御することにより、第1上側ワイヤSAU1~第4上側ワイヤSAU4のそれぞれを流れる電流を制御して第1上側ワイヤSAU1~第4上側ワイヤSAU4のそれぞれの収縮を個別に制御できる。なお、制御装置は、レンズ駆動装置101内に配置されていてもよい。また、制御装置は、レンズ駆動装置101の構成要素であってもよい。
【0083】
制御装置は、例えば、第2駆動部DM2としての上側形状記憶合金ワイヤSAUの収縮による光軸OAに垂直な方向に沿った駆動力を利用し、撮像素子ISのZ1側(被写体側)において、光軸OAに垂直な方向に沿ってレンズ保持部材2を移動させてもよい。そして、このようにレンズ保持部材2を移動させることにより、制御装置は、レンズ調整機能の一つである手振れ補正機能を実現してもよい。
【0084】
次に、
図17~
図21を参照し、下側形状記憶合金ワイヤSADを流れる電流の経路について説明する。
図17は、金属部材5(第1支持側ターミナルプレート5S1~第4支持側ターミナルプレート5S4、第1レンズ側ターミナルプレート5L1、及び第2レンズ側ターミナルプレート5L2)、上側導電部材CU(第6上側導電部材CU6~第10上側導電部材CU10)、下側導電部材CD、並びに、下側形状記憶合金ワイヤSAD(第1下側ワイヤSAD1~第4下側ワイヤSAD4)の斜視図であり、金属部材5、上側導電部材CU、下側導電部材CD、及び、下側形状記憶合金ワイヤSADの位置関係を示している。
図18~
図21のそれぞれは、
図17に示す構成の一部の斜視図である。具体的には、
図18は、第1下側ワイヤSAD1に関する部分の斜視図であり、
図19は、第2下側ワイヤSAD2に関する部分の斜視図であり、
図20は、第3下側ワイヤSAD3に関する部分の斜視図であり、
図21は、第4下側ワイヤSAD4に関する部分の斜視図である。
【0085】
具体的には、
図18は、第6上側導電部材CU6が高電位に接続され、第10上側導電部材CU10が低電位に接続されたときに第1下側ワイヤSAD1を流れる電流の経路の一例を示す。第6上側導電部材CU6が高電位に接続され、第10上側導電部材CU10が低電位に接続されると、電流は、
図18の矢印で示すように、第6上側導電部材CU6、第1下側導電部材CD1、第1支持側ターミナルプレート5S1、第1下側ワイヤSAD1、第1レンズ側ターミナルプレート5L1、及び、第5下側導電部材CD5を通って第10上側導電部材CU10に流れる。
【0086】
また、
図19は、第7上側導電部材CU7が高電位に接続され、第10上側導電部材CU10が低電位に接続されたときに第2下側ワイヤSAD2を流れる電流の経路の一例を示す。第7上側導電部材CU7が高電位に接続され、第10上側導電部材CU10が低電位に接続されると、電流は、
図19の矢印で示すように、第7上側導電部材CU7、第2下側導電部材CD2、第2支持側ターミナルプレート5S2、第2下側ワイヤSAD2、第1レンズ側ターミナルプレート5L1、及び、第5下側導電部材CD5を通って第10上側導電部材CU10に流れる。
【0087】
また、
図20は、第8上側導電部材CU8が高電位に接続され、第10上側導電部材CU10が低電位に接続されたときに第3下側ワイヤSAD3を流れる電流の経路の一例を示す。第8上側導電部材CU8が高電位に接続され、第10上側導電部材CU10が低電位に接続されると、電流は、
図20の矢印で示すように、第8上側導電部材CU8、第3下側導電部材CD3、第3支持側ターミナルプレート5S3、第3下側ワイヤSAD3、第2レンズ側ターミナルプレート5L2、及び、第5下側導電部材CD5を通って第10上側導電部材CU10に流れる。
【0088】
また、
図21は、第9上側導電部材CU9が高電位に接続され、第10上側導電部材CU10が低電位に接続されたときに第4下側ワイヤSAD4を流れる電流の経路の一例を示す。第9上側導電部材CU9が高電位に接続され、第10上側導電部材CU10が低電位に接続されると、電流は、
図21の矢印で示すように、第9上側導電部材CU9、第4下側導電部材CD4、第4支持側ターミナルプレート5S4、第4下側ワイヤSAD4、第2レンズ側ターミナルプレート5L2、及び、第5下側導電部材CD5を通って第10上側導電部材CU10に流れる。
【0089】
制御装置は、例えば、第6上側導電部材CU6~第10上側導電部材CU10のそれぞれに印加される電圧を制御することにより、第1下側ワイヤSAD1~第4下側ワイヤSAD4のそれぞれを流れる電流を制御して第1下側ワイヤSAD1~第4下側ワイヤSAD4のそれぞれの収縮を個別に制御できる。
【0090】
制御装置は、例えば、第1駆動部DM1としての下側形状記憶合金ワイヤSADの収縮による光軸OAに平行な方向に沿った駆動力を利用し、撮像素子ISのZ1側(被写体側)において、光軸OAに平行な方向に沿ってレンズ保持部材2を移動させてもよい。そして、このようにレンズ保持部材2を移動させることにより、制御装置は、レンズ調整機能の一つである自動焦点調整機能を実現してもよい。具体的には、制御装置は、撮像素子ISから離れる方向にレンズ保持部材2を移動させてマクロ撮影を可能にし、撮像素子ISに近づく方向にレンズ保持部材2を移動させて無限遠撮影を可能にしてもよい。
【0091】
また、制御装置は、形状記憶合金ワイヤSAの抵抗値を検出するセンサの出力に基づいて形状記憶合金ワイヤSAの長さ(収縮量)を検出することにより、形状記憶合金ワイヤSAを流れる電流をフィードバック制御できるように構成されていてもよい。
【0092】
次に、
図22及び
図23を参照し、レンズ保持部材2と支持部材3とが互いに押し合う或いは引き合うような力を作用させる付勢手段である内側付勢手段IN、及び、内側案内部IGによって案内される内側被案内部IGDと内側案内部IGとの関係について説明する。
【0093】
図22は、レンズ保持部材2、支持側金属部材5S、レンズ側金属部材5L、案内部材7、第1磁性部材9、第2磁性部材10、ヨーク11、及び下側形状記憶合金ワイヤSADの配置図である。具体的には、
図22の上図は、レンズ保持部材2、支持側金属部材5S、レンズ側金属部材5L、案内部材7、第1磁性部材9、第2磁性部材10、ヨーク11、及び下側形状記憶合金ワイヤSADの上面図であり、
図22の下図は、支持側金属部材5S、レンズ側金属部材5L、前側案内部材7F、第1前側磁性部材9F、第2前側磁性部材10F、前側ヨーク11F、第1下側ワイヤSAD1、及び第2下側ワイヤSAD2の正面図である。なお、
図22では、明瞭化のため、案内部材7、第1磁性部材9、第2磁性部材10、及びヨーク11にドットパターンが付されている。
【0094】
図23は、レンズ保持部材2、支持部材3、支持側金属部材5S、レンズ側金属部材5L、案内部材7、第1磁性部材9、第2磁性部材10、及び下側形状記憶合金ワイヤSADの正面図である。具体的には、
図23の上図は、上述の実施形態に係るレンズ駆動装置101における内側付勢手段INの構成例を示し、
図23の下図は、内側付勢手段INの別の構成例を示す。より具体的には、
図23の上図における内側付勢手段INは、第1磁性部材9と第2磁性部材10との間に作用する磁気的な引力を利用するように構成されており、
図23の下図における内側付勢手段INは、第1磁性部材9と第2磁性部材10との間に作用する磁気的な斥力を利用するように構成されている。なお、
図23では、明瞭化のため、レンズ保持部材2、支持部材3、及び案内部材7にはドットパターンが付され、磁石としての第1磁性部材9及び第2磁性部材10のN極部分、S極部分には、それぞれ、クロスパターン、斜線パターンが付されている。また、
図23では、各部材は模式的に表されており、各部材に作用する力の向き及び大きさが矢印で表されている。また、
図23では、便宜上、Z軸方向が鉛直方向に対応し、Y軸方向が水平方向に対応している。
【0095】
具体的には、
図23の上図におけるブロック矢印は、第1下側ワイヤSAD1の収縮力F1が第2下側ワイヤSAD2の収縮力F2よりも大きい場合にレンズ保持部材2が下方に移動する様子を表している。
【0096】
より具体的には、
図23の上図は、第1下側ワイヤSAD1の収縮力F1が下向きの鉛直成分F1zと左向きの水平成分F1xとに分解され、第2下側ワイヤSAD2の収縮力F2が上向きの鉛直成分F2zと左向きの水平成分F2xとに分解されることを示している。また、
図23の上図は、第1前側磁性部材9Fと第2前側磁性部材10Fとの間に作用する磁気的な引力F3により、第2前側磁性部材10Fが固定されたレンズ保持部材2が右方に引っ張られる様子を表している。また、
図23の上図は、右方に引っ張られたレンズ保持部材2の前側溝部2VFと前側案内部材7Fとの間に右向きの接触力Fxが作用している様子を表している。接触力Fxは、収縮力F1の左向きの水平成分F1xと、収縮力F2の左向きの水平成分F2xと、右向きの引力F3との合力に相当する。静止摩擦力μFxは、前側溝部2VFと前側案内部材7Fとの間の静止摩擦係数μを接触力Fxに乗じることによって導き出される力であり、第1駆動部DM1(下側形状記憶合金ワイヤSAD)による駆動力Fzの大きさが静止摩擦力μFxの大きさを上回ると、レンズ保持部材2は鉛直方向(Z軸方向)に移動する。駆動力Fzは、収縮力F1の下向きの鉛直成分F1zと、収縮力F2の上向きの鉛直成分F2zとの合力に相当する。
図23の上図は、下向きの駆動力Fzが静止摩擦力μFxを上回ったためにレンズ保持部材2が下方に移動する様子を表している。レンズ保持部材2が上方に移動する場合の力のかかり方は、収縮力F1が収縮力F2よりも小さくなることを除き、レンズ保持部材2が下方に移動する場合の力のかかり方と同様である。
【0097】
また、第1磁性部材9と第2磁性部材10との間に作用する磁気的な斥力を利用する場合についても同様である。具体的には、
図23の下図におけるブロック矢印は、第1下側ワイヤSAD1の収縮力F1が第2下側ワイヤSAD2の収縮力F2よりも大きい場合にレンズ保持部材2が下方に移動する様子を表している。より具体的には、
図23の下図は、第1前側磁性部材9Fと第2前側磁性部材10Fとの間に作用する磁気的な斥力F4により、第2前側磁性部材10Fが固定されたレンズ保持部材2が右方に押し出される様子を表している。収縮力F1、収縮力F2、接触力Fx、及び駆動力Fzのかかり方は、
図23の上図の場合と同様である。
【0098】
上述の構成により、制御装置は、第1下側ワイヤSAD1~第4下側ワイヤSAD4のそれぞれに個別に電流を流して第1下側ワイヤSAD1~第4下側ワイヤSAD4のそれぞれの収縮を個別に制御することにより、Z軸方向にレンズ保持部材2を移動させることができる。また、この構成は、第1下側ワイヤSAD1~第4下側ワイヤSAD4のそれぞれに対する電流の供給が中断されて駆動力Fz(収縮力F1及び収縮力F2)が消失した場合であっても、Z軸方向におけるレンズ保持部材2の位置を保持できるという効果をもたらす。接触力Fxは、駆動力Fzが消失する前よりも、収縮力F1の水平成分F1xと収縮力F2の水平成分F2xとが消失した分だけ大きくなって引力F3に略等しくなるためである。すなわち、引力F3によって右方に引っ張られるレンズ保持部材2の前側溝部2VFは、前側案内部材7Fに押し付けられて接触力Fxを生じさせるためであり、その接触力Fxに基づく静止摩擦力μFxは、第1駆動部DM1による駆動力Fz(=0)よりも大きいためである。
【0099】
次に、
図24及び
図25を参照し、外側案内部EGと外側被案内部EGDと外側付勢手段ENとの関係について説明する。
図24は、外側付勢手段ENを構成する磁石8が取り付けられた支持部材3の下面図である。なお、
図24では、明瞭化のため、支持部材3の凹部3U(
図12の上図を参照)に収容され且つ接着剤等で固定される磁石8にドットパターンが付されている。
【0100】
支持部材3の下面には、
図24に示すように、下方に突出する突出部3Sが形成されている。図示例では、突出部3Sは、外側案内部EGとして機能する下側カバー部材4Lの底板部4Dによって案内される外側被案内部EGDを構成する部分であり、第1突出部3S1~第4突出部3S4を含む。
【0101】
具体的には、第1突出部3S1~第4突出部3S4のそれぞれは同じ突出量を有し、下側カバー部材4Lの底板部4Dに同時に接触して底板部4Dの上を摺動できるように構成されている。また、第1突出部3S1~第4突出部3S4のそれぞれは、支持部材3の四つの角部のうちの一つに対応するように配置されている。また、第1突出部3S1~第4突出部3S4のそれぞれは、光軸OAからの距離が互いに等しくなるように配置されている。但し、突出部3Sの数は、三つであってもよく、五つ以上であってもよい。また、底板部4Dに同時に接触できるのであれば、第1突出部3S1~第4突出部3S4のそれぞれの突出量は互いに異なっていてもよい。また、第1突出部3S1~第4突出部3S4のそれぞれは、光軸OAからの距離が互いに異なるように配置されてもよい。
【0102】
また、支持部材3は、
図25に示すように、下側カバー部材4Lの底板部4Dと突出部3Sとが接触した状態で、磁石8が底板部4Dから所定の距離だけ離れて配置されるように構成されている。
【0103】
図25は、支持部材3を収容する下側カバー部材4Lの斜視断面図である。具体的には、
図25の最も上の図は、第3突出部3S3及び第4突出部3S4の断面を含む図であり、
図25の上から二番目の図は、第1突出部3S1及び前側磁石8Fの断面を含む図であり、
図25の上から三番目の図は、第3突出部3S3及び後側磁石8Bの断面を含む図であり、
図25の最も下の図は、第1突出部3S1及び第2突出部3S2の断面を含む図である。
【0104】
より具体的には、支持部材3は、
図25の上から二番目の図に示すように、底板部4Dと前側磁石8Fとが距離GP1だけ離れて配置され、且つ、
図25の上から三番目の図に示すように、底板部4Dと後側磁石8Bとが距離GP2だけ離れて配置されるように構成されている。
【0105】
また、図示例では、支持部材3は、距離GP1と距離GP2とが同じになるように構成されているが、距離GP1と距離GP2とが互いに異なるように構成されていてもよい。また、磁石8の数は、一つであってもよく、三つ以上であってもよい。
【0106】
この構成により、外側付勢手段ENを構成する磁石8と下側カバー部材4Lの底板部4Dとは、支持部材3と下側カバー部材4Lとを接触させた状態で、下側カバー部材4Lに対して光軸方向に垂直な方向に支持部材3を移動させることができる。支持部材3は、支持部材3に取り付けられた磁石8の磁力によって下側カバー部材4Lの底板部4D側に引き付けられるためである。
【0107】
次に、
図26及び
図27を参照し、本開示の実施形態に係るレンズ駆動装置101の別の構成例であるレンズ駆動装置101Aについて説明する。
図26は、カメラモジュールCMを構成するレンズ駆動装置101Aの分解斜視図であり、
図2に対応している。
図27は、レンズ駆動装置101Aを構成する本体部MNの分解斜視図であり、
図3に対応している。
【0108】
レンズ駆動装置101Aは、
図27に示すように、第1駆動部DM1がスパイラル機構を利用してレンズ保持部材2を光軸方向に移動させる点で、レンズ駆動装置101と異なる。なお、レンズ駆動装置101では、第1駆動部DM1は、レンズ保持部材2に形成された溝部2Vと案内部材7とで構成されるスライド機構を利用してレンズ保持部材2を光軸方向に移動させている。
【0109】
具体的には、スパイラル機構は、典型的には、国際公開第2021/240165号に開示されるような機構である。より具体的には、スパイラル機構は、レンズ保持部材2に形成された溝部2V、支持部材3に形成された溝部3V、及び、溝部2Vと溝部3Vとの間に配置されるボールで構成される機構である。
【0110】
図示例では、レンズ駆動装置101Aは、
図27に示すように、内側案内部IGとして機能する案内部材7が三つのボール(第1ボール71~第3ボール73)で構成されている点で、レンズ駆動装置101と異なる。なお、レンズ駆動装置101では、内側案内部IG(案内部材7)は、
図3に示すように、二つの略円柱体の後側案内部材7B及び前側案内部材7Fで構成されている。三つのボールは、金属製であってもよく、合成樹脂製であってもよく、セラミック製であってもよい。
【0111】
また、レンズ駆動装置101Aは、
図27に示すように、支持部材3に形成された光軸方向に対して斜めに延びる三つの溝部3V(
図27では一つのみが見えている)と、レンズ保持部材2に形成された光軸方向に対して斜めに延びる三つの溝部2Vとが内側被案内部IGDとして機能する点で、レンズ駆動装置101と異なる。なお、レンズ駆動装置101では、内側被案内部IGDは、
図3に示すように、レンズ保持部材2に形成された二つの溝部2Vで構成されている。
【0112】
第1ボール71~第3ボール73のそれぞれは、レンズ保持部材2に形成された溝部2Vと支持部材3に形成された溝部3Vとの間に挟まれて溝部2Vと溝部3Vとの間で斜めに移動できるように配置されている。
【0113】
そのため、図示例では、制御装置は、第1下側ワイヤSAD1を収縮させることにより、光軸回りでレンズ保持部材2を平面視で反時計回りに回転させながら上方(Z1方向)に移動させることができ、第2下側ワイヤSAD2を収縮させることによって光軸回りでレンズ保持部材2を平面視で時計回りに回転させながら下方(Z2方向)に移動させることができる。
【0114】
次に、
図28を参照し、レンズ駆動装置101Aを構成する上側形状記憶合金ワイヤSAUを流れる電流の経路について説明する。
図28は、金属部材5(第1固定側ターミナルプレート5F1~第4固定側ターミナルプレート5F4及び第1可動側ターミナルプレート5M1~第4可動側ターミナルプレート5M4)、可撓性金属部材6、上側導電部材CU(第1上側導電部材CU1~第5上側導電部材CU5)、並びに、上側形状記憶合金ワイヤSAU(第1上側ワイヤSAU1~第4上側ワイヤSAU4)の斜視図であり、
図16に対応している。
【0115】
具体的には、第1上側導電部材CU1が高電位に接続され、第5上側導電部材CU5が低電位に接続されると、電流は、第1上側導電部材CU1、第1固定側ターミナルプレート5F1、第1上側ワイヤSAU1、第1可動側ターミナルプレート5M1、並びに、可撓性金属部材6(第1支持固定部6E1、第3支持固定部6E3、第1可撓性腕部6G1、及び第1基礎固定部6N1)を通って第5上側導電部材CU5に流れる。
【0116】
第2上側導電部材CU2が高電位に接続され、第5上側導電部材CU5が低電位に接続されると、電流は、第2上側導電部材CU2、第2固定側ターミナルプレート5F2、第2上側ワイヤSAU2、第2可動側ターミナルプレート5M2、並びに、可撓性金属部材6(第1支持固定部6E1、第3支持固定部6E3、第1可撓性腕部6G1、及び第1基礎固定部6N1)を通って第5上側導電部材CU5に流れる。
【0117】
また、第3上側導電部材CU3が高電位に接続され、第5上側導電部材CU5が低電位に接続されると、電流は、第3上側導電部材CU3、第3固定側ターミナルプレート5F3、第3上側ワイヤSAU3、第3可動側ターミナルプレート5M3、並びに、可撓性金属部材6(第2支持固定部6E2、第3支持固定部6E3、第1可撓性腕部6G1、及び第1基礎固定部6N1)を通って第5上側導電部材CU5に流れる。
【0118】
また、第4上側導電部材CU4が高電位に接続され、第5上側導電部材CU5が低電位に接続されると、電流は、第4上側導電部材CU4、第4固定側ターミナルプレート5F4、第4上側ワイヤSAU4、第4可動側ターミナルプレート5M4、並びに、可撓性金属部材6(第2支持固定部6E2、第3支持固定部6E3、第1可撓性腕部6G1、及び第1基礎固定部6N1)を通って第5上側導電部材CU5に流れる。
【0119】
次に、
図29を参照し、レンズ駆動装置101Aを構成する下側形状記憶合金ワイヤSADを流れる電流の経路について説明する。
図29は、金属部材5(第1支持側ターミナルプレート5S1、第2支持側ターミナルプレート5S2、第1レンズ側ターミナルプレート5L1、及び第2レンズ側ターミナルプレート5L2)、上側導電部材CU(第6上側導電部材CU6、第7上側導電部材CU7、及び、第10上側導電部材CU10)、下側導電部材CD(第1下側導電部材CD1~第3下側導電部材CD3)、並びに、下側形状記憶合金ワイヤSAD(第1下側ワイヤSAD1及び第2下側ワイヤSAD2)の斜視図であり、
図17に対応している。
【0120】
具体的には、第6上側導電部材CU6が高電位に接続され、第10上側導電部材CU10が低電位に接続されると、電流は、第6上側導電部材CU6、第1下側導電部材CD1、第1支持側ターミナルプレート5S1、第1下側ワイヤSAD1、第1レンズ側ターミナルプレート5L1、及び、第3下側導電部材CD3を通って第10上側導電部材CU10に流れる。
【0121】
また、第7上側導電部材CU7が高電位に接続され、第10上側導電部材CU10が低電位に接続されると、電流は、第7上側導電部材CU7、第2下側導電部材CD2、第2支持側ターミナルプレート5S2、第2下側ワイヤSAD2、第2レンズ側ターミナルプレート5L2、及び、第3下側導電部材CD3を通って第10上側導電部材CU10に流れる。
【0122】
次に、
図30を参照し、レンズ駆動装置101Aを構成する外側付勢手段EN、外側案内部EG、及び外側被案内部EGDについて説明する。
図30は、支持部材3の斜視図である。具体的には、
図30の上図は、磁石8が取り付けられた状態の支持部材3の斜視図であり、
図30の中央図は、可撓性金属部材6が更に取り付けられた状態の支持部材3の斜視図であり、
図30の下図は、上側導電部材CU(第3上側導電部材CU3及び第5上側導電部材CU5)が更に取り付けられた状態の支持部材3の斜視図である。なお、明瞭化のため、
図30の上図では、磁石8にドットパターンが付され、
図30の中央図では、可撓性金属部材6にドットパターンが付され、
図30の下図では、上側導電部材CU(第3上側導電部材CU3及び第5上側導電部材CU5)にドットパターンが付されている。
【0123】
具体的には、レンズ駆動装置101Aは、磁性金属で形成された上側カバー部材4Uの天板部4Bが外側付勢手段ENとして機能する点で、下側カバー部材4Lの底板部4Dが外側付勢手段ENとして機能するレンズ駆動装置101と異なる。
【0124】
また、レンズ駆動装置101Aは、
図30の上図に示すように、外側被案内部EGDとして機能する突出部3Sが支持部材3の上面に形成されている点でレンズ駆動装置101と異なる。なお、レンズ駆動装置101では、外側被案内部EGDとして機能する突出部3Sは、支持部材3の下面に形成されている。
【0125】
また、レンズ駆動装置101Aは、
図30の中央図に示すように可撓性金属部材6の基礎固定部6Nが外側案内部EGとして機能する点、及び、
図30の下図に示すように上側導電部材CUの露出部EXが外側案内部EGとして機能する点でレンズ駆動装置101と異なる。露出部EXは、上側導電部材CUの一部であり、接合面部CSとは別に、固定支持部材1の下面に露出するように形成されている。なお、レンズ駆動装置101は、下側カバー部材4Lの底板部4Dが外側案内部EGとして機能するように構成されている。
【0126】
具体的には、レンズ駆動装置101Aでは、第1外側被案内部EGD1として機能する支持部材3の第1突出部3S1は、第1外側案内部EG1として機能する可撓性金属部材6の第2基礎固定部6N2と接触する。また、第2外側被案内部EGD2として機能する支持部材3の第2突出部3S2は、第2外側案内部EG2として機能する第3上側導電部材CU3の第3露出部EX3と接触する。また、第3外側被案内部EGD3として機能する支持部材3の第3突出部3S3は、第3外側案内部EG3として機能する可撓性金属部材6の第1基礎固定部6N1と接触する。また、第4外側被案内部EGD4として機能する支持部材3の第4突出部3S4は、第4外側案内部EG4として機能する第5上側導電部材CU5の第5露出部EX5と接触する。
【0127】
この構成により、外側付勢手段ENを構成する磁石8と上側カバー部材4Uの天板部4Bとは、支持部材3と上側カバー部材4Uとを互いに引き寄せ合うことにより、支持部材3と可撓性金属部材6及び上側導電部材CUのそれぞれとを接触させた状態で、上側カバー部材4Uに対して光軸方向に垂直な方向に支持部材3を移動させることができる。
【0128】
上述のように、本開示の実施形態に係るレンズ駆動装置101は、
図3に示すように、支持部材3と、レンズ体LSを配置可能な筒状部12を有し、支持部材3に対して光軸方向へ移動可能なレンズ保持部材2と、支持部材3とレンズ保持部材2との間に設けられ、レンズ保持部材2を光軸方向へ移動させる複数の形状記憶合金ワイヤSA(下側形状記憶合金ワイヤSAD)と、を備える。支持部材3は、レンズ保持部材2の光軸方向への移動を案内する内側案内部IG(案内部材7)と、第1磁性部材9と、を有する。レンズ保持部材2は、内側案内部IG(案内部材7)と摺動して内側案内部IG(案内部材7)に案内される内側被案内部IGD(溝部2V)と、光軸方向と交差する方向において第1磁性部材9から離れた位置に配置される第2磁性部材10と、を有する。第1磁性部材9及び第2磁性部材10は、少なくとも一方が磁石によって構成されており、第1磁性部材9と第2磁性部材10との間に生じる磁気力によって光軸方向と交差する方向において内側案内部IG(案内部材7)と内側被案内部IGD(溝部2V)とが互いを押し合う力を作用させ、レンズ保持部材2の光軸方向における位置に関わらず、内側案内部IG(案内部材7)と内側被案内部IGD(溝部2V)とが接触した状態となるように配置されている。
【0129】
この構成により、レンズ駆動装置101は、省電力化を実現できる。支持部材3(内側案内部IG(案内部材7))とレンズ保持部材2(内側被案内部IGD(溝部2V))との間で接触力(摩擦力)が作用するため、レンズ駆動装置101は、形状記憶合金ワイヤSA(下側形状記憶合金ワイヤSAD)に電流を流さなくとも、或いは、少ない電流を流すことで、レンズ保持部材2の位置を保持できるためである。
【0130】
また、形状記憶合金ワイヤSA(下側形状記憶合金ワイヤSAD)は、
図23の上図に示すように、形状記憶合金ワイヤSA(下側形状記憶合金ワイヤSAD)に電流が流れていない場合に比べ、形状記憶合金ワイヤSA(下側形状記憶合金ワイヤSAD)に電流が流れた場合に、内側案内部IG(案内部材7)と内側被案内部IGD(溝部2V)とが互いを押し合う力(摩擦力)を小さくするように収縮してもよい。
【0131】
この構成により、レンズ駆動装置101は、光軸方向におけるレンズ保持部材2の移動の際には、内側案内部IG(案内部材7)と内側被案内部IGD(溝部2V)との間の接触力(摩擦力)を小さくできるので、非通電時の接触力(摩擦力)を高めてレンズ保持部材2の位置を維持しやすくできる。
【0132】
また、形状記憶合金ワイヤSA(下側形状記憶合金ワイヤSAD)は、
図23の上図に示すように、支持部材3に支持される一端部がレンズ保持部材2に支持される他端部よりも光軸方向において低い位置に配置される第1ワイヤ(第1下側ワイヤSAD1)と、支持部材3に支持される一端部がレンズ保持部材2に支持される他端部よりも光軸方向において高い位置に配置される第2ワイヤ(第2下側ワイヤSAD2)と、を含んでいてもよい。この場合、第1ワイヤ(第1下側ワイヤSAD1)及び第2ワイヤ(第2下側ワイヤSAD2)のそれぞれは、支持部材3に設けられた第1金属部材(支持側金属部材5S)に一端部が固定されるとともに、レンズ保持部材2に設けられた第2金属部材(レンズ側金属部材5L)に他端部が固定されていてもよい。そして、第1ワイヤ(第1下側ワイヤSAD1)及び第2ワイヤ(第2下側ワイヤSAD2)のそれぞれは、光軸方向と交差する方向(Y軸方向)において、一端部が第1金属部材(支持側金属部材5S)に固定される位置が、他端部が第2金属部材(レンズ側金属部材5L)に固定される位置よりも、内側案内部IG(案内部材7)から離れた位置となるように配置されていてもよい。
【0133】
この構成により、レンズ駆動装置101は、第1下側ワイヤSAD1と第2下側ワイヤSAD2とによって、レンズ保持部材2を容易に上下動させることができる。また、レンズ駆動装置101は、通電時に、内側案内部IG(案内部材7)と内側被案内部IGD(溝部2V)との間の接触力(摩擦力)を効果的に小さくすることができる。
【0134】
また、第2磁性部材10と内側被案内部IGD(溝部2V)とは、
図22の上図に示すように、レンズ保持部材2における隣り合う位置に設けられていてもよい。ここで、「隣り合う」は、好ましくは、Y軸方向における第2磁性部材10(第2前側磁性部材10F)と内側被案内部IGD(溝部2V(前側溝部2VF))との間の距離DS1が下側形状記憶合金ワイヤSADの長さの半分より小さいことを意味し、より好ましくは、光軸方向における内側被案内部IGD(溝部2V)の長さDS2(
図7参照)よりも小さいことを意味する。内側案内部IG(案内部材7)の回りでのレンズ保持部材2の回転を抑制するためである。
【0135】
この構成により、レンズ駆動装置101は、内側案内部IG(案内部材7)と内側被案内部IGD(溝部2V)とが互いに押し合う力を高めることができる。
【0136】
また、第1磁性部材9及び第2磁性部材10は、何れも磁石によって構成されていてもよい。この場合、第1磁性部材9と第2磁性部材10との間に生じる磁気力は、引力であってもよい。
【0137】
この構成は、第1磁性部材9及び第2磁性部材10の何れか一方が磁石でない構成に比べ、レンズ保持部材2と支持部材3とが互いに引き合う力を大きくすることができるという効果をもたらす。
【0138】
また、第1磁性部材9は、
図12に示すように、抜け止め構造を介して支持部材3に取り付けられていてもよく、第2磁性部材10は、
図8に示すように、抜け止め構造を介してレンズ保持部材2に取り付けられていてもよい。
【0139】
この構成は、第1磁性部材9と第2磁性部材10との間に生じる磁気力が作用する方向における第1磁性部材9及び第2磁性部材10のそれぞれの抜け落ちを抑制できるという効果をもたらす。
【0140】
また、内側案内部IG(案内部材7)は、
図22の上図に示すように、内側被案内部IGD(溝部2V)側に突出する曲面状の凸状部を有していてもよい。この場合、内側被案内部IGD(溝部2V)は、
図22の上図に示すように、凸状部を受け入れ可能な凹状部を有していてもよい。図示例では、案内部材7は、溝部2V側に突出する略円柱体の凸状部を有し、溝部2Vは、その略円柱体の凸状部を受け入れ可能な凹状部を有する。
【0141】
この構成は、内側案内部IG(案内部材7)がレンズ保持部材2に設けられ、内側被案内部IGDが支持部材3に設けられる構成に比べ、レンズ駆動装置101を小型化しやすいという効果をもたらす。内側案内部IG(案内部材7)は、望ましくは、光軸方向における長さが、内側被案内部IGDの長さよりも大きくなるように構成されるためである。
【0142】
また、支持部材3は、
図12の中央図に示すように、二つの内側案内部IG(後側案内部材7B及び前側案内部材7F)を有していてもよい。この場合、レンズ保持部材2は、
図22の上図に示すように、二つの内側被案内部IGD(後側溝部2VB及び前側溝部2VF)を有していてもよい。この場合、二つの内側被案内部IGD(後側溝部2VB及び前側溝部2VF)は、一方がV字溝(案内部材7を二箇所で受ける溝)となり、他方がU字溝(案内部材7を一箇所で受ける溝)となるように構成されていてもよい。図示例では、後側溝部2VBはV字溝であり、前側溝部2VFはU字溝である。
【0143】
この構成は、支持部材3が一つの内側案内部IGを有し、レンズ保持部材2が一つの内側被案内部IGDを有する構成に比べ、光軸方向にレンズ保持部材2を移動させる際のレンズ保持部材2の姿勢を安定化させることができるという効果をもたらす。
【0144】
また、二つの内側案内部IG(後側案内部材7B及び前側案内部材7F)は、
図22の上図に示すように、光軸OAを挟んで対向するように配置されていてもよい。この場合、二つの内側被案内部IGD(後側溝部2VB及び前側溝部2VF)は、光軸OAを挟んで対向するように配置されていてもよい。
【0145】
この構成は、二つの内側案内部IGがより近接して配置される構成に比べ、光軸方向にレンズ保持部材2を移動させる際のレンズ保持部材2の姿勢を安定化させることができるという効果をもたらす。
【0146】
また、一本の第1ワイヤ(第1下側ワイヤSAD1)と一本の第2ワイヤ(第2下側ワイヤSAD2)とは、
図22の下図に示すように、光軸方向に垂直な方向から見た側面視において交差するように配置されてワイヤ対を構成していてもよい。この場合、形状記憶合金ワイヤSAは、
図22の上図に示すように、二つのワイヤ対を含んでいてもよい。そして、一方のワイヤ対(第1下側ワイヤSAD1及び第2下側ワイヤSAD2)と他方のワイヤ対(第3下側ワイヤSAD3及び第4下側ワイヤSAD4)とは、光軸OAを挟んで対向するように配置されていてもよい。
【0147】
この構成は、第1駆動部DM1が一つのワイヤ対によって実現される構成に比べ、光軸方向にレンズ保持部材2を移動させる際のレンズ保持部材2の姿勢を安定化させることができるという効果をもたらす。また、この構成は、第1駆動部DM1が一つのワイヤ対によって実現される構成に比べ、第1駆動部DM1による駆動力を大きくできるという効果をもたらす。
【0148】
また、レンズ駆動装置101は、
図25に示すように、光軸方向に垂直な方向(X軸方向及びY軸方向)に支持部材3を案内する平坦な外側案内部EG(底板部4D)を有する固定側部材FB(下側カバー部材4L)と、支持部材3を光軸方向に垂直な方向(X軸方向及びY軸方向)へ移動させる駆動部DM(第2駆動部DM2)と、を備えていてもよい。
【0149】
この構成は、平坦な外側案内部EGのない構成に比べ、光軸方向に垂直な方向に支持部材3を移動させる際の支持部材3の姿勢を安定化させることができるという効果をもたらす。
【0150】
また、本開示の実施形態に係るレンズ駆動装置101は、
図3に示すように、固定側部材FBと、撮像素子ISに対向して配置されるレンズ体LSを保持可能な筒状部12を有するレンズ保持部材2と、固定側部材FBに対してレンズ体LSの光軸方向と交差する方向(X軸方向及びY軸方向)に移動可能であるとともに、レンズ保持部材2の外側に設けられる支持部材3と、支持部材3に対してレンズ保持部材2を光軸方向へ移動させる第1駆動部DM1と、固定側部材FBに対して光軸方向と交差する方向(X軸方向及びY軸方向)に支持部材3を移動させる複数の形状記憶合金ワイヤSAとしての複数の上側形状記憶合金ワイヤSAUを有して構成される第2駆動部DM2と、を備える。そして、上側形状記憶合金ワイヤSAUは、第1駆動部DM1よりも被写体側に配置されている。
【0151】
この構成により、レンズ駆動装置101は、第2駆動部DM2を構成する上側形状記憶合金ワイヤSAUを撮像素子ISから離すことができるため、手振れ補正用の形状記憶合金ワイヤSA(上側形状記憶合金ワイヤSAU)に流れる電流が撮像素子ISに与える影響を抑制できる。
【0152】
また、複数の上側形状記憶合金ワイヤSAUのそれぞれは、
図15に示すように、光軸方向に沿った平面視において、レンズ保持部材2の筒状部12の外側に配置されていてもよい。この場合、複数の上側形状記憶合金ワイヤSAUのそれぞれは、一端が固定側部材FB(固定支持部材1)に設けられた金属板で形成される固定側金属部材5Fに固定され、他端が支持部材3に設けられた金属板で形成される可動側金属部材5Mに固定されていてもよい。
【0153】
この構成は、固定側金属部材5F及び可動側金属部材5Mによって上側形状記憶合金ワイヤSAUを簡単な構成で取り付けることができるようになるという効果をもたらす。
【0154】
具体的には、複数の上側形状記憶合金ワイヤSAUは、
図15に示すように、光軸方向に沿った平面視において、レンズ保持部材2の筒状部12を囲むように配置された四本の上側形状記憶合金ワイヤSAU(第1上側ワイヤSAU1~第4上側ワイヤSAU4)を含んでいてもよい。この場合、四つの上側形状記憶合金ワイヤSAUのそれぞれは、一端が固定側部材FBに設けられた金属板で形成される固定側金属部材5Fに固定され、他端が支持部材3に設けられた金属板で形成される可動側金属部材5Mに固定されていてもよい。そして、固定側金属部材5F及び可動側金属部材5Mのそれぞれの板面は、
図13の下図に示すように、光軸OAに略垂直となっていてもよい。
【0155】
この構成は、上側からの固定側金属部材5F及び可動側金属部材5Mのそれぞれの固定支持部材1又は支持部材3への取り付けを可能にするため、レンズ駆動装置101の生産性(組み立て性)を高めることができるという効果をもたらす。また、この構成は、レンズ駆動装置101の光軸方向における寸法の小型化、すなわち、レンズ駆動装置101の低背化を実現できるという効果をもたらす。
【0156】
また、固定側金属部材5F及び可動側金属部材5Mを含む八つの金属部材5(第1固定側ターミナルプレート5F1~第4固定側ターミナルプレート5F4及び第1可動側ターミナルプレート5M1~第4可動側ターミナルプレート5M4)は、
図15に示すように、第1形状を有する四つの第1形状金属部材5Aと第2形状を有する四つの第2形状金属部材5Bとによって構成されていてもよい。そして、上側形状記憶合金ワイヤSAUは、第1形状金属部材5Aと第2形状金属部材5Bとの間に設けられていてもよい。
【0157】
この構成は、第1形状金属部材5Aと第2形状金属部材5Bとの間に上側形状記憶合金ワイヤSAUが固定されたユニットが一種類だけ準備されれば第2駆動部DM2の組み立てが可能になるため、レンズ駆動装置101の生産性(組み立て性)を高めることができるという効果をもたらす。また、この構成では、第1形状金属部材5Aは同じ金型を用いて大量生産され、第2形状金属部材5Bも同じ金型を用いて大量生産される。そのため、この構成は、第1形状金属部材5A及び第2形状金属部材5Bのそれぞれに関する部品間のバラツキを抑制できるという効果をもたらす。
【0158】
また、固定側部材FBは、
図4に示すように、複数の導電部材CN(上側導電部材CUとしての第1上側導電部材CU1~第10上側導電部材CU10)が埋設された固定支持部材1を含んでいてもよい。この場合、複数の導電部材CNは、
図5に示すように、固定側金属部材5Fと導通する導電部材CN(第1上側導電部材CU1~第4上側導電部材CU4)を含んでいてもよい。また、固定支持部材1は、
図4に示すように、支持部材3の被写体側(Z1側)に配置される基部1Bと、基部1Bの外周部から下方に延びる複数の脚部1Dと、を有していてもよい。そして、
図3に示すように、複数の形状記憶合金ワイヤSAの少なくとも一部(第1上側ワイヤSAU1~第4上側ワイヤSAU4)は、基部1Bの被写体側である上側に配置されていてもよい。
【0159】
この構成は、上側形状記憶合金ワイヤSAUと上側導電部材CUとの接触を抑制できるという効果をもたらす。
【0160】
また、固定側部材FBは、
図2に示すように、固定支持部材1が収容される筐体HSを含んでいてもよい。そして、固定側金属部材5Fと導通する導電部材CN(第1上側導電部材CU1~第4上側導電部材CU4)は、
図4及び
図5の上図に示すように、基部1Bから露出し固定側金属部材5Fに接続される接合面部CS(第1接合面部CS1~第4接合面部CS4)と、筐体HSの外部に露出する外部端子部TMと、接合面部CSと外部端子部TMとの間に設けられ固定支持部材1の内部に埋設される引き回し部RTとを有していてもよい。そして、外部端子部TMは、脚部1Dの下部から露出していてもよい。
【0161】
この構成では、比較的長い引き回し部RTが固定支持部材1に埋設されている。そのため、この構成は、隣り合う上側導電部材CU同士の不所望な接触、又は、上側導電部材CUと上側形状記憶合金ワイヤSAUとの不所望な接触を抑制できるという効果をもたらす。
【0162】
また、複数の導電部材CNは、
図16に示すように、可動側金属部材5M(第1可動側ターミナルプレート5M1~第4可動側ターミナルプレート5M4)に導通する導電部材CN(第5上側導電部材CU5)を含んでいてもよい。この場合、第5上側導電部材CU5の一部は、
図4に示すように、脚部1D(第2脚部1D2)の下部から露出する外部端子部TM(第5外部端子部TM5)を構成していてもよい。
【0163】
この構成は、可動側金属部材5Mに通じる導電路が容易に設けられるようになるという効果をもたらす。
【0164】
また、固定側部材FB(下側カバー部材4L)は、
図25に示すように、光軸方向に垂直な方向(X軸方向及びY軸方向)への支持部材3の移動を案内する外側案内部EG(底板部4D)を有していてもよい。この場合、支持部材3は、外側案内部EG(底板部4D)と摺動して外側案内部EG(底板部4D)に案内される外側被案内部EGD(突出部3S)を有していてもよい。そして、外側案内部EG及び外側被案内部EGDの一方(支持部材3の一部)は、
図25に示すように、外側案内部EG及び外側被案内部EGDの他方(下側カバー部材4Lの底板部4D)に向かって突出する複数の突出部3Sを有していてもよい。この場合、レンズ駆動装置101は、外側案内部EG及び外側被案内部EGDの他方(底板部4D)と突出部3Sとが互いに引き合う力を作用させる外側付勢手段ENを更に含んでいてもよい。
【0165】
この構成により、レンズ駆動装置101は、支持部材3の移動を安定的に案内できる。なお、図示例では、複数の突出部3Sは、外側被案内部EGDとしての支持部材3の一部に形成されているが、外側案内部EGとして機能する下側カバー部材4Lに形成されていてもよい。この場合、支持部材3における、下側カバー部材4Lに形成された突出部と接触する部分は平坦となるように形成されていてもよい。
【0166】
また、外側付勢手段ENは、
図25に示すように、支持部材3に設けられた磁石8と固定側部材FBを構成する磁性金属部材(下側カバー部材4L)とによって構成されていてもよい。
【0167】
この構成は、可動側部材MBと固定側部材FBとが互いに押し合う力を磁気力によって容易に生成できるようになるという効果をもたらす。
【0168】
また、固定側部材FBは、
図2に示すように、支持部材3を収容可能な筐体HSを有していてもよい。この場合、筐体HSの少なくとも一部(下側カバー部材4Lの底板部4D)は、磁性を有する金属によって形成されていてもよい。そして、外側付勢手段ENを構成する磁性金属部材は、筐体HSの少なくとも一部(下側カバー部材4Lの底板部4D)によって構成されていてもよい。
【0169】
この構成は、外側付勢手段ENを構成する部品が別途用意される場合に比べ、部品点数の増加を抑制できるという効果をもたらす。筐体HSの一部が外側付勢手段ENとして利用されるためである。
【0170】
また、突出部3Sは、
図25に示すように、支持部材3に設けられていてもよい。そして、外側案内部EG(下側カバー部材4Lの底板部4D)は金属板によって構成されていてもよい。
【0171】
この構成は、外側案内部EGが合成樹脂等の金属板以外の材料で構成される場合に比べ、レンズ駆動装置101の耐久性を高めることができるという効果をもたらす。
【0172】
また、第1駆動部DM1は、
図3に示すように、支持部材3に対して光軸方向にレンズ保持部材2を移動させる複数の別の形状記憶合金ワイヤとしての下側形状記憶合金ワイヤSADを有して構成されていてもよい。
【0173】
この構成は、第1駆動部DM1がボイスコイルモータ等の他の駆動手段を利用する場合に比べ、レンズ駆動装置101の軽量化を実現できるという効果をもたらす。
【0174】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形及び置換等が適用され得る。また、上述の実施形態を参照して説明された特徴のそれぞれは、技術的に矛盾しない限り、適宜に組み合わされてもよい。
【0175】
例えば、上述の実施形態では、内側案内部IGと内側被案内部IGDとの接触は、金属と合成樹脂との接触によって実現されているが、金属同士の接触、又は、合成樹脂同士の接触で実現されてもよい。
【符号の説明】
【0176】
1・・・固定支持部材 1B・・・基部 1D・・・脚部 1D1・・・第1脚部 1D2・・・第2脚部 1D3・・・第3脚部 1D4・・・第4脚部 1K・・・開口 1P、1Q、1R・・・凸部 2・・・レンズ保持部材 2D・・・台座部 2D1・・・第1台座部 2D2・・・第2台座部 2K・・・開口 2P・・・凸部 2Q・・・凸部 2R・・・凹部 2R1・・・第1凹部 2R2・・・第2凹部 2V・・・溝部 2VB・・・後側溝部 2VF・・・前側溝部 3・・・支持部材 3K・・・開口 3P・・・凸部 3Q・・・凸部 3R・・・凸部 3S・・・突出部 3S1・・・第1突出部 3S2・・・第2突出部 3S3・・・第3突出部 3S4・・・第4突出部 3T・・・溝部 3T1・・・第1溝部 3T2・・・第2溝部 3U・・・凹部 3U1・・・第1凹部 3U2・・・第2凹部 3V・・・溝部 3W・・・凹部 3W1・・・第1凹部 3W2・・・第2凹部 4・・・カバー部材 4A・・・第1外周壁部 4A1・・・第1側板部 4A2・・・第2側板部 4A3・・・第3側板部 4A4・・・第4側板部 4B・・・天板部 4C・・・第2外周壁部 4C1・・・第1側板部 4C2・・・第2側板部 4C3・・・第3側板部 4C4・・・第4側板部 4D・・・底板部 4K・・・開口 4L・・・下側カバー部材 4M・・・開口 4S・・・収納部 4U・・・上側カバー部材 5・・・金属部材 5A・・・第1形状金属部材 5B・・・第2形状金属部材 5F・・・固定側金属部材 5F1・・・第1固定側ターミナルプレート 5F2・・・第2固定側ターミナルプレート 5F3・・・第3固定側ターミナルプレート 5F4・・・第4固定側ターミナルプレート 5H1・・・第1貫通孔 5H2・・・第2貫通孔 5H3・・・第3貫通孔 5L・・・レンズ側金属部材 5L1・・・第1レンズ側ターミナルプレート 5L2・・・第2レンズ側ターミナルプレート 5M・・・可動側金属部材 5M1・・・第1可動側ターミナルプレート 5M2・・・第2可動側ターミナルプレート 5M3・・・第3可動側ターミナルプレート 5M4・・・第4可動側ターミナルプレート 5S・・・支持側金属部材 5S1・・・第1支持側ターミナルプレート 5S2・・・第2支持側ターミナルプレート 5S3・・・第3支持側ターミナルプレート 5S4・・・第4支持側ターミナルプレート 6・・・可撓性金属部材 6E・・・支持固定部 6E1・・・第1支持固定部 6E2・・・第2支持固定部 6E3・・・第3支持固定部 6G・・・可撓性腕部 6G1・・・第1可撓性腕部 6G2・・・第2可撓性腕部 6H1・・・第1貫通孔 6H2・・・第2貫通孔 6H3・・・第3貫通孔 6N・・・基礎固定部 6N1・・・第1基礎固定部 6N2・・・第2基礎固定部 7・・・案内部材 7B・・・後側案内部材 7F・・・前側案内部材 8・・・磁石 8B・・・後側磁石 8F・・・前側磁石 9・・・第1磁性部材 9B・・・第1後側磁性部材 9F・・・第1前側磁性部材 10・・・第2磁性部材 10B・・・第2後側磁性部材 10F・・・第2前側磁性部材 11・・・ヨーク 11B・・・後側ヨーク 11F・・・前側ヨーク 12・・・筒状部 71・・・第1ボール 72・・・第2ボール 73・・・第3ボール 101、101A・・・レンズ駆動装置 CD・・・下側導電部材 CD1・・・第1下側導電部材 CD2・・・第2下側導電部材 CD3・・・第3下側導電部材 CD4・・・第4下側導電部材 CD5・・・第5下側導電部材 CM・・・カメラモジュール CN・・・導電部材 CS・・・接合面部 CS1・・・第1接合面部 CS2・・・第2接合面部 CS3・・・第3接合面部 CS4・・・第4接合面部 CS5・・・第5接合面部 CS6・・・第6接合面部 CS7・・・第7接合面部 CS8・・・第8接合面部 CS9・・・第9接合面部 CS10・・・第10接合面部 CT・・・接合面部 CT1・・・第1接合面部 CT2・・・第2接合面部 CU・・・上側導電部材 CU1・・・第1上側導電部材 CU2・・・第2上側導電部材 CU3・・・第3上側導電部材 CU4・・・第4上側導電部材 CU5・・・第5上側導電部材 CU6・・・第6上側導電部材 CU7・・・第7上側導電部材 CU8・・・第8上側導電部材 CU9・・・第9上側導電部材 CU10・・・第10上側導電部材 DM・・・駆動部 DM1・・・第1駆動部 DM2・・・第2駆動部 EG・・・外側案内部 EG1・・・第1外側案内部 EG2・・・第2外側案内部 EG3・・・第3外側案内部 EG4・・・第4外側案内部 EGD・・・外側被案内部 EN・・・外側付勢手段 EX・・・露出部 EX3・・・第3露出部 EX5・・・第5露出部 FB・・・固定側部材 H1・・・第1貫通孔 H2・・・第2貫通孔 H3・・・第3貫通孔 H4・・・第4貫通孔 H5・・・第5貫通孔 H6・・・第6貫通孔 HS・・・筐体 IG・・・内側案内部 IGD・・・内側被案内部 IN・・・内側付勢手段 IS・・・撮像素子 J1、J2、J11~J14・・・保持部 LS・・・レンズ体 MB・・・可動側部材 MN・・・本体部 NP・・・幅狭部分 OA・・・光軸 RT・・・引き回し部 RT10・・・第10引き回し部 SA・・・形状記憶合金ワイヤ SAD・・・下側形状記憶合金ワイヤ SAD1・・・第1下側ワイヤ SAD2・・・第2下側ワイヤ SAD3・・・第3下側ワイヤ SAD4・・・第4下側ワイヤ SAU・・・上側形状記憶合金ワイヤ SAU1・・・第1上側ワイヤ SAU2・・・第2上側ワイヤ SAU3・・・第3上側ワイヤ SAU4・・・第4上側ワイヤ TM・・・外部端子部 TM1・・・第1外部端子部 TM2・・・第2外部端子部 TM3・・・第3外部端子部 TM4・・・第4外部端子部 TM5・・・第5外部端子部 TM6・・・第6外部端子部 TM7・・・第7外部端子部 TM8・・・第8外部端子部 TM9・・・第9外部端子部 TM10・・・第10外部端子部 WP・・・幅広部分