IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝エレベータ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-エレベータシステム 図1
  • 特開-エレベータシステム 図2
  • 特開-エレベータシステム 図3
  • 特開-エレベータシステム 図4A
  • 特開-エレベータシステム 図4B
  • 特開-エレベータシステム 図5
  • 特開-エレベータシステム 図6
  • 特開-エレベータシステム 図7
  • 特開-エレベータシステム 図8
  • 特開-エレベータシステム 図9
  • 特開-エレベータシステム 図10
  • 特開-エレベータシステム 図11
  • 特開-エレベータシステム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025857
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】エレベータシステム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/43 20240101AFI20250214BHJP
   B66B 1/14 20060101ALI20250214BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
G05D1/02 T
G05D1/02 K
B66B1/14 E
B66B3/00 L
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023131048
(22)【出願日】2023-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】千葉 貴博
(72)【発明者】
【氏名】菅野 豊明
(72)【発明者】
【氏名】曽根 祐輝
(72)【発明者】
【氏名】西田 岳人
(72)【発明者】
【氏名】玉置 伸
(72)【発明者】
【氏名】清水 和洋
【テーマコード(参考)】
3F303
3F502
5H301
【Fターム(参考)】
3F303CB24
3F303CB31
3F303DB11
3F303DB12
3F303DC22
3F303DC25
3F502HC07
3F502JA08
3F502JA52
3F502KA02
3F502KA19
3F502MA48
5H301AA02
5H301CC03
5H301CC06
5H301FF06
5H301FF15
5H301GG08
5H301KK03
5H301QQ02
(57)【要約】
【課題】ロボットが現在位置として認識している位置座標と実際の位置とのずれを補正して、乗りかごにスムーズに乗降できるようにしたエレベータシステムを提供する。
【解決手段】一実施形態に係るエレベータシステムのロボットは、予め与えられたマップ上におけるロボットの位置を示す位置座標を検出する位置検出手段と、ロボットに備えられたカメラを通じて、乗りかご内あるいは乗りかごの出入口付近の乗場の任意の箇所で2次元コードの情報を読み取るコード読取り手段と、コード読取り手段によって読み取られた2次元コードの情報と、カメラで捉えられた2次元コードの形状とに基づいて、位置検出手段によって検出された位置座標と実際の位置とのずれを補正する位置補正手段と、移動制御手段は、位置補正手段によって補正された位置座標に基づいて、ロボットが乗りかごを乗降するときの移動を制御する移動制御手段とを具備する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律走行型のロボットの移動とエレベータの乗りかごの運転とを連動させたエレベータシステムにおいて、
前記ロボットは、
予め与えられたマップ上における前記ロボットの位置を示す位置座標を検出する位置検出手段と、
前記ロボットに備えられたカメラを通じて、前記乗りかご内あるいは前記乗りかごの出入口付近の乗場の任意の箇所で2次元コードの情報を読み取るコード読取り手段と、
前記コード読取り手段によって読み取られた前記2次元コードの情報と、前記カメラで捉えられた前記2次元コードの形状とに基づいて、前記位置検出手段によって検出された前記位置座標と実際の位置とのずれを補正する位置補正手段と、
前記位置補正手段によって補正された前記位置座標に基づいて、前記ロボットが前記乗りかごを乗降するときの移動を制御する移動制御手段と
を具備したエレベータシステム。
【請求項2】
前記2次元コードの情報には、前記2次元コードの設置場所を示す第1のコード情報を含み、
前記位置補正手段は、
前記第1のコード情報に基づいて、前記ロボットが前記乗りかご内、または、前記乗場のどの場所にいるのかを判断し、前記ロボットのいる場所から見える前記2次元コードの形状に基づいて、前記位置座標と前記実際の位置とのずれをなくす方向に前記ロボットを移動させる
請求項1記載のエレベータシステム。
【請求項3】
前記2次元コードの情報には、前記2次元コードの設置場所付近に存在する前記エレベータの構造物のサイズや位置を示す第2のコード情報を含み、
前記移動制御手段は、
前記第2のコード情報に基づいて、前記エレベータの構造物のサイズや位置を前記ロボットの移動制御に反映させる、
請求項1記載のエレベータシステム。
【請求項4】
前記2次元コードの情報には、利用者が所定のサイトにアクセスするための第3のコード情報を含む、
請求項1記載のエレベータシステム。
【請求項5】
前記2次元コードは、プロジェクタによって前記乗りかご内あるいは前記乗場に投影される、
請求項1記載のエレベータシステム。
【請求項6】
前記2次元コードは、前記乗りかご内あるいは前記乗場に設置されたモニタに表示される、
請求項1記載のエレベータシステム。
【請求項7】
前記エレベータは、
前記乗りかご内における利用者の乗車位置を検出する乗車位置検出手段と、
前記乗車位置検出手段によって検出された前記利用者の乗車位置を示す第4のコード情報を含む前記2次元コードを生成する生成手段とを具備し、
前記エレベータは、前記生成手段によって生成された前記2次元コードを、前記プロジェクタによって前記乗りかご内あるいは前記乗場に投影する
請求項5記載のエレベータシステム。
【請求項8】
前記エレベータは、
前記乗りかご内における利用者の乗車位置を検出する乗車位置検出手段と、
前記乗車位置検出手段によって検出された前記利用者の乗車位置を示す第4のコード情報を含む前記2次元コードを生成する生成手段とを具備し、
前記エレベータは、前記生成手段によって生成された前記2次元コードを、前記モニタに表示する
請求項6記載のエレベータシステム。
【請求項9】
前記移動制御手段は、
前記第4のコード情報に基づいて、前記利用者の乗車位置を判断し、前記ロボットを前記乗りかご内の空いているスペースに移動させる
請求項7または8記載のエレベータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エレベータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
建物内において、荷物の運搬やフロアの清掃等を行う自律走行型のロボットが知られている。ロボットは、目的地等が入力されると、障害物を避けながら目的地まで移動し、各種作業を行う。このようなロボットは、エレベータと連動することで、エレベータを利用して各階に移動することができる。
【0003】
ロボットには、予め建物内の移動経路を示すマップが記憶されている。ロボットは、例えばカメラや距離センサ等を用いて、マップ上で自分の現在位置を示す位置座標を把握しながら、目的地に向かって自律的に走行する。しかし、センサ精度などが原因で、マップ上でロボットが現在位置として認識している位置座標と実際の位置との間にずれが生じ、一時停止や走行不能となることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6801719号公報
【特許文献2】特開2019-023848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ロボットが現在位置として認識している位置座標と実際の位置とがずれた状態で移動していると、例えばロボットがエレベータの乗場に来たときに、乗りかごのドアにぶつかるなどして、スムーズに乗りかごに乗車できない可能性がある。降車時も同様であり、ドアにぶつかるなどして、スムーズに乗りかごから降車できない可能性がある。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ロボットが現在位置として認識している位置座標と実際の位置とのずれを補正して、乗りかごにスムーズに乗降できるようにしたエレベータシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係るエレベータシステムは、自律走行型のロボットの移動とエレベータの乗りかごの運転とを連動させる。前記ロボットは、位置検出手段と、コード読取り手段と、位置補正手段と、移動制御手段とを具備する。前記位置検出手段は、予め与えられたマップ上における前記ロボットの位置を示す位置座標を検出する。前記コード読取り手段は、前記ロボットに備えられたカメラを通じて、前記乗りかご内あるいは前記乗りかごの出入口付近の乗場の任意の箇所で2次元コードの情報を読み取る。前記位置補正手段は、前記コード読取り手段によって読み取られた前記2次元コードの情報と、前記カメラで捉えられた前記2次元コードの形状とに基づいて、前記位置検出手段によって検出された前記位置座標と実際の位置とのずれを補正する。前記移動制御手段は、前記位置補正手段によって補正された前記位置座標に基づいて、前記ロボットが前記乗りかごを乗降するときの移動を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係るエレベータシステムの構成を概略的に示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係るエレベータ制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、第1実施形態に係るロボットの機能構成の一例を示すブロック図である。
図4A図4Aは、第1実施形態に係る2次元コードを用いたロボットの位置補正の方法について説明するための図である。
図4B図4Bは、第1実施形態に係る2次元コードを用いたロボットの位置補正の方法について説明するための図である。
図5図5は、第1実施形態に係るシステムの具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、第1実施形態に係る2次元コードを正面から見た場合の形状について説明するための図である。
図7図7は、第1実施形態に係る2次元コードを正面から見た場合の形状について説明するための図である。
図8図8は、第1実施形態に係る2次元コードを正面から見た場合の形状について説明するための図である。
図9図9は、第1実施形態に係る2次元コードを正面から見た場合の形状について説明するための図である。
図10図10は、第1実施形態に係る乗りかご内の各箇所に2次元コードを設置した例を示す図である。
図11図11は、第1実施形態に係る乗場の各箇所に2次元コードを設置した例を示す図である。
図12図12は、第2実施形態に係るエレベータ制御装置の機能構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、各実施形態について説明する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について説明する。
【0010】
なお、開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に相当し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施形態に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
【0011】
図1は本実施形態に係るエレベータシステムの構成を概略的に示す図である。
エレベータ制御装置11は、建物14の最上部の機械室等に設置され、乗りかご12を含むエレベータ全体の制御を行う。なお、機械室を持たないマシンルームレスタイプのエレベータでは、エレベータ制御装置11が昇降路16内に設けられる。
【0012】
乗りかご12は、エレベータ制御装置11の制御の下で、図示せぬ巻上機の駆動によりロープ15を介して昇降路16内を昇降動作する。なお、図1では1つの乗りかご12が記載されているが、建物14には複数の乗りかごがあってもよい。この乗りかご12内には、利用者がかご呼びを登録するためのボタン等が配置されたかご操作盤20が設置されている。「かご呼び」とは、かご室内に設けられた行先呼びボタンの操作により登録される呼びの信号のことであり、行先階の情報を含む。
【0013】
ここで、乗りかご12内に2次元コード60が設けられている。2次元コード60は、例えばQRコード(登録商標)であり、2次元の形態で表記された情報を有する。本実施形態において、この2次元コード60には、ロボット13の位置を補正するための情報として、2次元コード60の設置場所を示す第1のコード情報(以下、コード設置情報と表記)と、設置場所付近のエレベータの構造物に関する第2のコード情報(以下、エレベータ構造情報と表記)が含まれている。エレベータ構造情報には、乗りかご12のサイズ、間口の位置とサイズ、シルの位置とサイズ、三方枠の位置とサイズなどが含まれる。2次元コード60は、例えばシール素材の矩形シート上に印刷され、乗りかご12内の任意の箇所に貼り付け等により設けられる。
【0014】
一方、各階の乗場17a,17b,17c,17d…には、乗場呼びボタン18a,18b,18c,18d…がそれぞれ設置されている。乗場呼びボタン18a,18b,18c,18d…は、利用者が乗場呼びを登録するためのボタンである。なお、「乗場呼び」とは、各階の乗場に設置された乗場呼びボタンの操作により登録される呼びの信号のことであり、登録階と行先方向の情報を含む。
【0015】
エレベータ制御装置11は、通信ネットワーク10を介してエレベータサーバ100に接続されている。エレベータサーバ100は、エレベータ制御装置11とは独立して任意の場所に設置されている。エレベータサーバ100は、各物件のエレベータ毎に設置されたエレベータ制御装置の各々と接続され、これらのエレベータ制御装置を通じて各エレベータの運転状態を監視している。本実施形態では、エレベータサーバ100は、ロボット13の移動を管理しているロボットサーバ200とも通信ネットワーク10を介して接続されている。
【0016】
ロボットサーバ200は、建物14内を自律的に走行するロボット13を管理するために、建物14内あるいは任意の場所に設置されている。ロボットサーバ200は、ロボット13と通信可能に接続され、ロボット13に対して、目的地や目的地までの経路を指示する信号を送信する。本実施形態においては、ロボット13がエレベータを利用して他の階に移動できるように、ロボット13から後述する移動要求信号を受信し、当該移動要求信号をエレベータサーバ100に送信する。なお、以下の説明において、ロボットサーバ200は1台のロボット13を管理しているものとして説明するが、複数のロボットをそれぞれ管理していてもよい。
【0017】
ロボット13は、荷物の運搬やフロアの清掃等を行う自律移動型ロボットである。ロボット13には、センサ31、カメラ32、通信装置33が備えられている。
【0018】
センサ31としては、例えばレーザ距離センサ(Laser Range Finder)や超音波距離センサ、LIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)などが用いられる。ロボット13は、センサ31により障害物との距離を検出し、当該障害物を避けながら移動する。また、ロボット13は、予め建物内のマップ(地図情報)を保持しており、移動中にセンサ31によって検出されるロボット13の周囲に存在する壁や柱などの環境情報と、マップ上に表記されている壁や柱などの環境情報とを照らし合わせることで、ロボット13のマップ上の現在位置を把握することができる。
【0019】
カメラ32は、ロボット13の任意の箇所に前方に向けて設置されている。ロボット13は、このカメラ32を通じて、2次元コードの情報を読取り、マップ上で現在位置として認識している位置座標と実際の位置とのずれを補正する。なお、カメラ32は、2次元コード60の読み取りだけでなく、ロボット13の周囲の環境情報を検出するため、センサ31と組み合わせて使用されるものであってもよい。
【0020】
通信装置33は、ロボット13の移動を管理しているロボットサーバ200と無線通信を行う。ロボット13は、ロボットサーバ200から目的地や移動経路の指示を受け取り、この指示に基づいて建物14内を移動し、各種作業を行う。
【0021】
ロボット13は、ロボットサーバ200及びエレベータサーバ100を介してエレベータ制御装置11と連携することによって、建物14の各階に移動する。
【0022】
具体的には、エレベータを利用して他の階に移動する際、ロボット13は、ロボットサーバ200に移動要求信号を送信する。移動要求信号には、ロボット13の識別情報(ロボットID)と、ロボット13がいる建物の情報(物件情報)と、乗車階及び行先階の情報とが含まれる。この移動要求信号は、ロボットサーバ200からエレベータサーバ100に転送される。エレベータサーバ100は、この移動要求信号に含まれるロボットIDと物件情報に基づいて、制御対象とするロボット13とそのロボット13がいる建物を特定し、当該建物に設置されたエレベータ制御装置(ここでは、建物14のエレベータ制御装置11)に対し、ロボット13の乗車階及び行先階の情報を送信する。これにより、エレベータ制御装置11は、ロボット13の乗車階を乗場呼びとして登録し、乗りかご12をロボット13の乗車階に応答させる。また、エレベータ制御装置11は、ロボット13の行先階をかご呼びとして登録し、ロボット13を乗りかご12に乗車させて、その行先階に移動させる。
【0023】
なお、各乗場17a,17b,17c,17d…に無線装置を設置しておき、ロボット13はこの無線装置を介してエレベータ制御装置11に直接移動要求信号を送信することでも良い。一方、上述したようにロボットサーバ200及びエレベータサーバ100を用いることで、乗場に無線装置を設置する必要がなく、多くの建物にシステムを導入する場合の機器のコストを抑えることができる。
【0024】
図2はエレベータ制御装置11の機能構成の一例を示すブロック図である。
エレベータ制御装置11には、ロボット13と連動したエレベータシステムを実現するための機能構成として、制御部41、通信部42、I/F(インターフェイス)部43a,43b、記憶部44が備えられている。
【0025】
制御部41は、CPUからなり、所定のプログラムの起動により呼び(乗場呼び/かご呼び)の応答制御や乗りかご12の速度制御などを行う。この制御部41には、例えば、戸開閉制御部41a、運転制御部41bが備えられている。
【0026】
戸開閉制御部41aは、乗りかご12のかごドアの開閉を制御する。なお、動力源(ドアモータ)は乗りかご12側にあり、各乗場17a,17b,17c,17d…に設置されたドア(乗場ドア)は、かごドアに追従して開閉するだけである。以下の説明においては、かごドアを戸開している時には乗場ドアも戸開しており、かごドアが戸閉しているときには乗場ドアも戸閉しているものとする。
【0027】
運転制御部41bは、乗りかご12の運転を制御する。詳しくは、運転制御部41bは、各階の乗場呼びボタン18a,18b,18c,18d…の操作によって登録された利用者の乗場呼びに乗りかご12を応答させ、かご操作盤20の操作によって登録された利用者の行先階に向けて移動させる。また、ロボット13から移動要求信号が送られてきた場合には、運転制御部41bは、当該移動要求信号に含まれるロボット13の乗車階と行先階に乗りかご12を移動させる。
【0028】
通信部42は、エレベータサーバ100に対するデータの通信制御を行う。この通信部42は、例えば図示しないコントローラを介してエレベータサーバ100と接続され、エレベータサーバ100に対して各種情報を送信するとともに、ロボット13からロボットサーバ200を介して送信される移動要求信号を受信する。
【0029】
I/F部43aは、乗りかご用のインターフェイスである。このI/F部43aは、乗りかご12内に設けられたかご操作盤20上の各種ボタンの信号の入力処理や表示器に表示するデータの出力処理等を行う。
【0030】
I/F部43bは、乗場用のインターフェイスである。このI/F部43bは、図1に示した乗場呼びボタン18a,18b,18c,18d…の信号の入力処理や、図示せぬ乗場表示器に表示するデータの出力処理等を行う。
【0031】
記憶部44は、ROMやRAMなどからなり、制御プログラムなど、制御部41の処理に必要な各種データを記憶している。例えば、制御プログラムやエレベータの仕様データ(かごサイズ等)についてROMに記憶される。また、処理アルゴリズムによっては、起動時にROMからデータを一旦読み出して、RAMに保存することで、処理時間の短縮化を図ることもある。この記憶部44は、呼び管理テーブル44aとロボット管理テーブル44bを有する。
【0032】
呼び管理テーブル44aは、利用者の乗場呼びやかご呼びの情報を管理するとともに、ロボット13の移動要求信号に含まれる乗車階及び行先階の情報を管理する。なお、建物14内に複数台のロボットが存在する場合、呼び管理テーブル44aは、これらのロボットに与えられたロボットIDと対応付けて、各ロボットの登録階及び行先階の情報を管理する。
【0033】
ロボット管理テーブル44bは、エレベータを利用するロボット13の管理情報を記憶している。この管理情報には、例えばロボット13に与えられたロボットIDや、ロボット13の縦方向・横方向・高さ方向のサイズ情報が含まれる。
【0034】
図3は、ロボット13の機能構成の一例を示すブロック図である。
ロボット13には、図1に示したセンサ31、カメラ32、通信装置33の他に、制御部51、操作部52、表示部53、記憶部54、駆動部55等が備えられている。
【0035】
制御部51は、CPUからなり、所定のプログラムの起動により、エレベータを利用して建物14の各階を含む所定領域内を自律移動するための制御を行う。制御部51は、位置検出部51a、コード読取り部51b、位置補正部51c、移動制御部51dを備える。
【0036】
位置検出部51aは、予め与えられた建物14内のマップ上におけるロボット13のxy方向の位置座標を検出する。詳しくは、位置検出部51aは、センサ31によって環境情報として検出される建物の構造物(壁、柱等)と、マップ上に表記されている建物の構造物とを照らし合わせることによって、マップ上のロボット13の位置座標を検出する。もしくは、位置検出部51aは、所定の基準点からのロボット13の移動方向と移動量(モータの回転量)に基づいて、マップ上のロボット13の位置座標を検出してもよい。なお、建物内のマップは、ロボット13の管理者から与えられてもよいし、ロボットサーバ200から与えられることでもよい。もしくは、建物内のマップは、予めロボット13が建物14内を移動しながら、環境情報を取得することによって、ロボット13が自ら作成したものであってもよい。
【0037】
コード読取り部51bは、カメラ32で撮影された2次元コード60の画像を解析し、当該2次元コード60の情報として記録されていたコード設置情報と、エレベータ構造情報とを読み取る。
【0038】
位置補正部51cは、コード読取り部51bによって読み取られた2次元コード60の情報と、ロボット13の現在位置から見た(捉えた)ときの2次元コード60の形状とに基づいて、マップ上でロボット13が現在位置として認識している位置座標と実際の位置とのずれを補正する。「2次元コード60の形状」とは、具体的には2次元コード60が印刷されたシートの形状、あるいは、2次元コード60を形成する画像全体の形状を含む。2次元コード60の形状は、カメラ32によって撮像された2次元コード60の画像を解析処理することによって得られる。なお、位置補正部51cの具体的な処理については、図5を用いて後述する。
【0039】
移動制御部51dは、位置補正部51cによって補正された位置座標に基づいて、ロボット13が乗りかご12から乗降するときの移動を制御する。詳しくは、移動制御部51dは、2次元コード60から得られるエレベータ構造物ドア、三方枠等の位置を確認し、ロボット13がエレベータ構造物に接触しないように、乗りかご12に乗車もしくは降車させる。
【0040】
操作部52は、例えばロボット13の管理者による目的地の変更や電源のON/OFF等の入力操作を行う部分である。表示部53は、各種データの表示を行う。記憶部54には、予めプログラム、マップ、及びロボット13の移動経路等が記憶されている。駆動部55は、ロボット13の底部に設置された車輪を駆動するためのモータなどを含む。
【0041】
なお、図示していないが、エレベータサーバ100は、一般的なコンピュータの構成として、制御部、記憶部、通信部等を備える。制御部は、ハードウェアプロセッサ(CPU)からなり、各エレベータ制御装置に制御されているエレベータの異常を検出する処理を行う。記憶部は、ROM,RAM等のメモリデバイスからなり、制御部の処理に必要な各種データやプログラムを記憶している。通信部は、所定の通信プロトコルを有する通信デバイスからなり、エレベータ制御装置11やロボットサーバ200との間の通信処理を行う。また、ロボットサーバ200の構成についても図示していないが、エレベータサーバ100と同様であり、一般的なコンピュータの構成として制御部、記憶部、通信部等を備えている。
【0042】
ここで、図4Aを参照して、2次元コード60を用いたロボット13の位置補正の方法について説明する。図4Aは、ロボット13が任意の階の乗場17dに来たときの様子を示している。乗りかご12がロボット13からの呼び(移動要求信号)に応答して、戸開した状態で待機している。
【0043】
いま、ロボット13がマップ上で乗りかご12の出入口正面の位置Pの座標を現在位置として認識しているものとする。乗りかご12の出入口正面の位置Pは、ロボット13が乗りかご12に乗車するときの位置(乗車位置)として予め定められており、乗りかご12のシル22の中央から当該シル22の垂直方向(シル22の短手方向)に乗場17dに向けて所定の距離だけ離れた位置である。ロボット13が乗りかご12に乗車する場合、ロボット13のセンサ31によって検出している現在位置を位置Pに合わせて移動する。しかし、センサ精度が低いなどの理由で、位置Pから少しずれた位置Paを位置Pとして誤認識してしまうことがある。
【0044】
このように、ロボット13が現在位置として認識している位置座標と実際の位置Pとがずれた状態にあると、乗りかご12に乗車するときに三方枠21bにぶつかるなどして、スムーズに乗車できない可能性がある。乗りかご12から降車するときも同様であり、乗りかご12の間口にぶつかるなどして、スムーズに降車できない可能性がある。
【0045】
そこで、本実施形態では、乗りかご12内の出入口手前の床面23、具体的にはシル22の手前の床面23に、2次元コード60を設けている。上述したように、2次元コード60には、ロボット13の位置を補正するための情報(コード設置情報とエレベータ構造情報)が記録されている。この2次元コード60の情報とロボット13の現在位置から見たときの2次元コード60の形状に基づいて、ロボット13がマップ上の現在位置として認識している位置座標と実際の位置とのずれをなくす方向にロボット13を移動させ、その移動後の位置を正しい位置座標として補正する。これにより、ロボット13は、三方枠21bなどにぶつからずに乗りかご12にスムーズに乗車することができる。
【0046】
以下に、図5のフローチャートを参照して、本システムの具体的な処理手順の一例について、(a)ロボット13側の処理と、(b)エレベータ制御装置11側の処理に分けて説明する。図5(a)は、ロボット13の処理手順を示し、図5(b)は、エレベータ制御装置11の処理手順を示す。なお、図1に示したように、ロボット13とエレベータ制御装置11は、ロボットサーバ200とエレベータサーバ100を介して信号のやり取りを行っている。
【0047】
(a)ロボット13側の処理
図5(a)を参照してロボット13の処理手順の一例を説明する。なお、図5(a)のフローチャートで示されている処理は、ロボット13に備えられた制御部51によって実行される。
【0048】
ロボット13が建物14内のマップに自分の現在位置を照らし合わせながら、エレベータの乗場に行き、そこから乗りかご12に乗車して他の階に移動する場合を想定する。
制御部51の位置検出部51aによって、上記マップ上でロボット13が任意の階の乗場に到着したことが検出されると(ステップS11のYES)、他階へ移動するための移動要求信号がロボットサーバ200に送信される(ステップS12)。移動要求信号には、上述したように、現在の階(乗車階)及びロボット13の目的地のある階(行先階)が含まれる。以下の説明では、ロボット13は、例えば4階の乗場17d(図1参照)に到着したものとして説明する。
【0049】
上記移動要求信号に応答して、乗りかご12が4階の乗場17dに到着して戸開すると、ロボット13は、乗りかご12の戸開をセンサ31によって検出する(ステップS13)。なお、乗りかご12が4階の乗場17dに到着して戸開したときに、エレベータ制御装置11からエレベータサーバ100及びロボットサーバ200を介して乗りかご12の4階の到着と戸開をロボット13に信号によって知らせることでもよい。
【0050】
乗りかご12が戸開すると、ロボット13は、カメラ32の画像から乗りかご12内に2次元コード60が設けられているか否かを判断する(ステップS14)。乗りかご12内に2次元コード60が設けられていた場合(ステップS14のYES)、ロボット13のコード読取り部51bによって、この2次元コード60の情報を読み取り、当該情報に含まれているコード設置情報及びエレベータ構造情報を取得する(ステップS15)。
【0051】
コード設置情報には、2次元コード60が乗りかご12内のどこに設置されているかが示されている。エレベータ構造情報には、乗りかご12のサイズ、間口の位置とサイズ、シルの位置とサイズ、乗場17dの三方枠の位置とサイズなどが示されている。これらの情報は、ロボット13の位置補正処理(ステップS16~S19)で用いられる。
【0052】
(位置補正処理)
まず、位置補正部51cは、ロボット13が2次元コード60に対して左右どちらの方向にいるか(2次元コード60とロボット13との位置関係)を検出する(ステップS16)。
【0053】
図6は、2次元コード60の一例を示す図である。2次元コード60は、例えばQRコードであり、4つの角部のうちの3つの角部に「ファインダーパターン(切り出しシンボル)」と呼ばれる矩形状のマークM1,M2,M3が付されている。カメラ32を通して2次元コード60の画像を読み取ったときのマークM1,M2,M3の配置から、2次元コード60の設置されている向きを把握することができる。
【0054】
図6(a)は2次元コード60を上から見た場合の形状を表している。2次元コード60を上から見ると、4つの角部が90度、上辺usと下辺ds、左辺lsと右辺rsが平行な矩形となる。また、左辺ls=下辺dsの正方形である。
【0055】
図6(b)は、ロボット13の現在位置(実際の位置)から見た場合の2次元コード60の形状を表している。例えば、ロボット13が図4Aのような位置Paにいて、カメラ32を通して乗りかご12内の床面23に設けられた2次元コード60を見た場合、画像上の2次元コード60の形状が、上辺us<下辺dsの矩形となる。
【0056】
ここで、ロボット13は、センサ31によって、2次元コード60の上辺us付近のマークM1,M2の各々とロボット13との距離を検出する。その結果、マークM2よりもマークM1の方がロボット13との距離が近い場合、ロボット13が2次元コード60のマークM1側、つまり左辺ls側にいると判断できる。一方、マークM1よりもマークM2の方がロボット13との距離が近い場合には、ロボット13が2次元コード60のマークM2側、つまり右辺rs側にいると判断できる。
【0057】
次に、位置補正部51cは、ロボット13の現在位置から見たときの2次元コード60の形状を検出し、この形状が2次元コード60を正面から見た場合の形状に合致するように、ロボット13を移動させる(ステップS17)。
【0058】
ここで、図7図9を参照して、「2次元コード60を正面から見た場合の形状」について具体的に説明する。
図7は、ロボット13と2次元コード60との位置関係を模式的に示す図である。図中のD1~D4は、乗りかご12の出入口の中心位置近くを「正面」としたときに、その正面にロボット13が向かう方向を表している。この例では、乗りかご12内の床面23のシル22の中央手前に、2次元コード60が設置されている。
【0059】
いま、ロボット13がP1で示される位置にいて、そこからD1の方向に移動しながら、「正面」に近づいていく場合を想定して説明する。
図8に示すように、ロボット13の移動に伴い、ロボット13から見える2次元コード60の形状が変化する。図8(a)は、ロボット13が位置P1にいるときに見える2次元コード60の形状である。ロボット13が位置P1からD1の方向に移動すると、「正面」に近づくに連れて、2次元コード60の形状が(a)→(b)→(c)→(d)のように変化する。そして、ロボット13が「正面」に来たとき、つまり、乗りかご12の出入口の中心位置近くに来たときに、ロボット13から見える2次元コード60の形状は、図8の(d)のように、上辺usと下辺dsが平行、かつ、左辺lsと右辺rsが同じ長さを有する台形となる。
【0060】
この様子をより詳しく説明する。図9に示すように、2次元コード60の上辺usと下辺dsに着目すると、ロボット13が位置P1から2次元コード60を見た場合、上辺usは左上がりとなる。ロボット13が位置P1から2次元コード60の正面に近づくに連れて、us1→us2→us3→us4のように、左上がりの傾きが小さくなり、徐々に長くなるように見える。
【0061】
一方、2次元コード60の下辺dsについては、ロボット13が2次元コード60の正面に近づくに連れて、ds1→ds2→ds3→ds4のように、右上がりの傾きが小さくなり、徐々に長くなるように見える。
【0062】
ロボット13が正面まで来ると、上辺us及び下辺dsが水平方向に平行となる。このとき、上辺usよりも下辺dsの方がロボット13に近いので、下辺dsが上辺usに比べて長く見える。
【0063】
次に、左辺ls及び右辺rsに着目して説明する。
ロボット13が位置P1から2次元コード60を見た場合、右辺rsは右に傾いた状態に見える。ロボット13が位置P1から2次元コード60の正面に近づくに連れて、rs1→rs2→rs3→rs4のように、右に傾いた状態から左方向に傾き、徐々に長くなるように見える。一方、2次元コード60の左辺lsについても、ロボット13が2次元コード60の正面に近づくに連れて、ls1→ls2→ls3→ls4のように、右に傾いた状態から左方向に傾き、徐々に長くなるように見える。ロボット13が正面まで来ると、左辺lsと右辺rsが等しい台形を形成することになる。
【0064】
ロボット13が位置P2からD2の方向に移動する場合、位置P3からD3の方向に移動する場合、位置P4からD4の方向に移動する場合においても同様であり、ロボット13が2次元コード60の正面に近づくにしたがって、2次元コード60の上辺us及び下辺dsが平行となり、左辺ls及び右辺rsが等しい長さとなる。
【0065】
このように、ロボット13から見える2次元コード60の形状が、上辺us及び下辺dsが平行で、左辺ls及び右辺rsが等しい長さ(つまり、2次元コード60を正面から見た場合の形状)となる位置にロボット13を移動させれば、その位置が2次元コード60の正面の位置と判断できる。したがって、その位置を基準にして、ロボット13を予め定められた乗車位置(図4Aの位置P)まで移動させ、その移動した位置でロボット13が認識している位置座標を予め定められた位置(図4Aの位置P)に合わせることで、ロボット13が認識している位置座標と実際の位置とのずれを補正できる。
【0066】
図5に戻って、ロボット13から見える2次元コード60の形状が予め定められた形状、つまり、正面から見た場合の形状と合致したとき(ステップS18のYES)、位置補正部51cは、2次元コード60のコード設置情報から得られる2次元コード60の設置場所を基準にして、ロボット13を予め定められた位置(図4Aの位置P)まで移動させる。位置補正部51cは、ロボット13が現在位置として認識している位置座標を上記位置(図4Aの位置P)に補正する(ステップS19)。
【0067】
具体的に説明すると、2次元コード60からコード設置情報として、2次元コード60の下辺dsの中央がシル22の中央(乗りかご12の出入口の正面)であることが読み取られたものとする。また、ロボット13は、ステップS17の処理により、位置Pb(図4A参照)に移動したものとする。
【0068】
まず、2次元コード60の正面にいるロボット13から2次元コード60までの距離(La)を算出する(図4A参照)。この距離Laは、例えば、乗場17dの床面からロボット13のセンサ31までの高さをLb、センサ31から2次元コード60の下辺dsまでの距離をLcとしたとき、次のピタゴラスの定理に当てはめることで求められる。
La+Lb=Lc
このように得られた距離Laが、所定の距離Ldとなるように、ロボット13を垂直方向(シル22の短手方向)に移動させる。距離Ldは、予め定められた位置Pから2次元コード60までの垂直方向の距離であり、2次元コード60の設置位置に応じて変わる。なお、距離Ldは、コード設置情報として2次元コード60から読み取られる。
【0069】
なお、2次元コード60が壁面等に設置されている場合でも、ロボット13と2次元コード60の設置位置との関係に基づいて、ロボット13から2次元コード60までの距離Laが距離Ldとなるように、ロボット13を垂直方向に移動させる。
【0070】
これにより、ロボット13が位置Pに移動したことになる。したがって、ロボット13が現在位置として把握しているマップ上の位置座標を予め定められた位置Pに合わせることで、ロボット13が認識している位置座標と実際の位置とのずれを補正することができる。また、ステップS19で説明した処理は一例であり、その他の計算処理でロボット13の実際の位置とマップ上の位置座標とのずれを補正してもよい。
【0071】
ここでは、2次元コード60がシル22の中央に設置されているものとして説明した。上述したように、2次元コード60がシル22の中央に設置されている場合には、垂直方向の移動で位置ずれを補正して、速やかに乗りかご12に乗車することができる。
【0072】
一方、図4Bに示すように、2次元コード60がシル22の中央よりもずれた位置に設置されていた場合は、垂直方向の移動に加え、ロボット13を水平方向(シル22の長手方向)に移動させる手順が必要となる。詳しくは、2次元コード60のコード設置情報から、2次元コード60の下辺dsの中央とシル22の中央との水平方向の距離Leを読み取り、ロボット13から2次元コード60までの距離Laが距離Ldとなるように、ロボット13を垂直方向に移動させた後、水平方向に上記距離Leだけ移動させる。
【0073】
その後、移動制御部51dは、補正後の位置座標に基づいて、ロボット13を乗りかご12に乗車させる(ステップS20)。この時、移動制御部51dは、2次元コード60からエレベータ構造情報とした得られる乗りかご12のサイズ、間口の位置とサイズ、シルの位置とサイズ、三方枠の位置とサイズなどを参照し、ロボット13がエレベータ構造物にぶつからないように、駆動部55を制御しながら、ロボット13を乗りかご12にスムーズに乗車させる。
【0074】
なお、例えば乗りかご12内の利用者や荷物等により、2次元コード60を読み取ることができなかった場合(ステップS14のNO)、その時点でロボット13の動作が止まってしまうことを防ぐため、上述した位置補正処理を実行せずに、現在検出されている位置座標に従ってロボット13の移動を制御し、乗りかご12に乗車させるものとする(ステップS20)。
【0075】
ロボット13が乗りかご12に乗車すると、乗車が完了したことを示す信号(乗車完了信号)がロボットサーバ200及びエレベータサーバ100を介してエレベータ制御装置11に送信され(ステップS21)、ここでの処理を終了する。
【0076】
(b)エレベータ制御装置11側の処理
次に、図5(b)を参照して、エレベータ制御装置11の処理について説明する。なお、図5(b)のフローチャートで示されている処理は、エレベータ制御装置11に備えられた制御部41によって実行される。
いま、ロボット13からロボットサーバ200及びエレベータサーバ100を介してエレベータ制御装置11に移動要求信号が送られて来たとする。この移動要求信号には、乗車階及び行先階の情報が含まれている。エレベータ制御装置11の制御部41は、この移動要求信号を呼び登録として受信し(ステップA11のYES)、運転制御部41bを通じて乗りかご12をロボット13の乗車階に乗りかご12を応答させる(ステップA12)。
【0077】
乗りかご12がロボット13の乗車階に到着すると、戸開閉制御部41aによってその乗車階の乗場で乗りかご12が戸開する(ステップA13)。このとき、エレベータ制御装置11からエレベータサーバ100及びロボットサーバ200を介して、乗りかご12がロボット13の乗車階に到着して戸開したことをロボット13に知らせるようにしてもよい。
【0078】
また、エレベータ制御装置11は、ロボット13からロボットサーバ200及びエレベータサーバ100を介して乗車完了信号を受信すると(ステップA14のYES)、戸開閉制御部41aを通じて乗りかご12を戸閉する(ステップA15)。乗りかご12の戸閉後、運転制御部41bは、当該乗りかご12をロボット13の行先階に向けて出発させる(ステップA16)。
【0079】
なお、図5では、ロボット13が乗りかご12に乗車する場合について説明したが、ロボット13が乗りかご12から降車する場合においても同様である。すなわち、ロボット13の行先階に到着すると、乗りかご12内に設置された2次元コード60の形状と、2次元コード60から読み取られるコード設置情報及びエレベータ構造情報とに基づいて、ロボット13が検出しているマップ上の位置座標と実際の位置とのずれを補正する。この補正後の位置座標に基づいてロボット13の移動を制御し、乗りかご12から降車させる。
【0080】
このように本実施形態によれば、エレベータの乗りかご12内に設けられた2次元コード60情報と形状からロボット13のマップ上の位置座標と実際の位置とのずれが補正される。したがって、この補正後の位置座標に基づいてロボット13の移動を制御することで、ロボット13がエレベータを利用して他の階に移動する際に、乗場の三方枠等にぶつかることなく、スムーズに乗りかご12に乗車あるいは降車することができる。
【0081】
また、2次元コード60にコード設置情報やエレベータの構造物に関する情報を記録しておくことで、ロボット13がこれらの情報を記憶しておかなくとも、2次元コード60を読み取るだけで、これらの情報を得て、位置補正処理に用いることができる。物件が変わっても同様である。すなわち、物件毎にコード設置情報やエレベータの構造物に関する情報をロボット13に事前に記憶させておく必要はなく、現場にて2次元コード60を読み取るだけで、これらの情報を得て位置補正処理を行うことができる。
【0082】
さらに、2次元コード60は、例えばシール等、安価かつ容易に任意の場所に設置することができるため、設置に関わるコストや作業時間を削減することができる。
【0083】
なお、2次元コード60の場所設置は、乗りかご12内の出入口手前の床面23に限らない。図10は2次元コード60の設置例を示す図であり、かごドアパネル25a、25b、乗場ドアパネル24a、24bが開いている場合の乗りかご12内の状態を示している。
【0084】
図10の例では、乗りかご12の出入口手前の床面23に2次元コード60a、シル22上に2次元コード60b、背面27に2次元コード60cが設置されている。また、乗りかご12内の正面柱26aに設置されたかご操作盤20上の表示器20aや、乗りかご12の背面27に設置されたモニタ72に、2次元コード60e、60dを表示することでもよい。乗りかご12の床面23の2次元コード60aや、背面27の2次元コード60cについては、例えば乗りかご12内に設置されるプロジェクタによって、投影されることでも良い。これらの2次元コード60a,60b,60c,60d,60eのうち、少なくとも1つ設置されていればよい。
【0085】
また、2次元コード60は、各階の乗場17a,17b,17c,17d…に設置されていてもよい。図11は、乗場17aの各箇所に2次元コード60を設置した例を示す図である。
【0086】
図11の例では、右側の乗場ドアパネル24bに2次元コード60f、乗場17aの床面に2次元コード60g、三方枠21に2次元コード60hが設置されている。なお、2次元コード60fは、左側の乗場ドアパネル24aに設置されてもよい。また、乗場17aに設置されたモニタ74に2次元コード60iが表示されていてもよい。乗場ドアパネル24bの2次元コード60f、乗場17aの床面の2次元コード60g、三方枠21の2次元コード60hについては、例えば乗場17aに設置されるプロジェクタによって、投影されることでも良い。これらの2次元コード60f,60g,60h,60iのうち、少なくとも1つ設置されていればよい。
【0087】
要するに、2次元コード60は、ロボット13が乗りかご12に乗車あるいは降車する際に、2次元コード60の正面に向かって移動できる場所であれば、どこに設置されていてもよい。また、2次元コード60を複数個所に設置しておくことで、例えば汚れ等で読み取れない2次元コードがあったとしても、他の2次元コードを読み取ることによって、ロボット13が検出しているマップ上の位置座標とロボット13の実際の位置とのずれを補正することができる。
【0088】
ロボット13の移動経路上に各箇所に2次元コード60を設置しておき、ロボット13がこれらの箇所を通過する毎に位置補正を行う構成としても良い。
【0089】
また、2次元コード60には、ロボット13が位置補正で用いる情報(コード設置情報及びエレベータ構造物の情報)に加えて、利用者がエレベータで利用できるサイトの情報を含めても良い。
【0090】
「利用者がエレベータで利用できるサイトの情報」とは、例えば利用者が携帯端末を用いて呼び登録を行うためのアプリケーションを提供しているサイトの情報である。具体的には、このサイトにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を利用者用の情報(第3のコード情報)として2次元コード60に含めておく。これにより、利用者は事前に上記アプリケーションをダウンロードしておかなくとも、乗場に来た時に自分の携帯端末で2次元コード60を読み取るだけで、上記アプリケーションをダウンロードして使うことができる。
【0091】
なお、2次元コード60にロボット用の情報と利用者の情報を含めておく場合、利用者の携帯端末では利用者の情報、ロボット13はロボット用の情報を選択的に読み取れるようにしておくことが好ましい。
【0092】
例えば、「https://ドメイン名/コード設置情報/エレベータ構造物の情報」といった情報が2次元コード60に記録されている場合、前半の「https://ドメイン名」は利用者の情報として利用者の携帯端末で読み取れるようにしておき、後半の「コード設置情報/エレベータ構造物の情報」はロボット用の情報としてロボット13が読み取れるようにしておく。これにより、同一の2次元コード60によって、ロボット13だけでなく、利用者にも情報を提供することができる。
【0093】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。
【0094】
第2実施形態では、エレベータ制御装置11が2次元コード60を投影あるいは表示する構成において、ロボット13が乗りかご12に乗車する際に、利用者の乗車位置を当該2次元コード60に含めて投影あるいは表示するようにしたものである。
【0095】
図12は、第2実施形態に係るエレベータ制御装置11の機能構成の一例を示す図である。なお、図2を用いて上述した第1実施形態と同様の部分については同一符号を付し、ここでは第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
【0096】
第2実施形態において、エレベータの乗りかご12には、カメラ71、モニタ72、及びプロジェクタ73が設置されている。カメラ71は、超広角カメラ等であり、乗りかご12内全体を撮影できるように、例えば乗りかご12の天井付近に設置されている。モニタ72は、かご操作盤20上の表示器や、広告等を表示するためのディスプレイであり、エレベータ制御装置11の制御によって各種映像や画像を表示する。本実施形態においては、モニタ72には、2次元コード60が表示される。プロジェクタ73は、エレベータ制御装置11の制御によって、乗りかご12内の所定の箇所(例えば、乗りかご12内の床面又は壁面等)に2次元コード60を投影できるように設置されている。
【0097】
また、各階の乗場17a,17b,17c,17d…には、モニタ74及びプロジェクタ75が設置されている。なお、図11の例では、乗場17aのみを記載しているが、他の乗場17b,17c,17d…についても同様である。モニタ74は、乗りかご12の現在の階床等が表示されるディスプレイであり、エレベータ制御装置11の制御によって各種映像や画像を表示する。本実施形態においては、モニタ74には、2次元コード60が表示される。プロジェクタ75は、エレベータ制御装置11の制御によって、乗場17a,17b,17c,17d…の所定の箇所(例えば、乗場17a,17b,17c,17d…の床面又は三方枠、乗場ドア等)に2次元コード60を投影できるように設置されている。
【0098】
エレベータ制御装置11の制御部41は、第1実施形態と同様の戸開閉制御部41a及び運転制御部41bに加えて、乗車位置検出部41c及び生成部41dが備えられている。
乗車位置検出部41cは、乗りかご12内に設置されたカメラ71の画像(映像)を解析処理し、乗りかご12内における利用者の乗車位置を検出する。このときの乗車位置の情報は、例えば乗りかご12に対して利用者がどの位置にいるかを示す座標位置である。
【0099】
生成部41dは、上記第1実施形態で説明したロボット用の情報としてコード設置情報(第1のコード情報)とエレベータ構造情報(第2のコード情報)を含む2次元コード60を生成する。コード設置情報とエレベータ構造情報は、予め記憶部44に記憶されており、2次元コード60を投影あるいは表示するときに、生成部41dによって記憶部44から読み出される。生成部41dは、このコード設置情報とエレベータ構造情報を所定の方法によりコード化して、2次元コード60として生成する。なお、このときに利用者用の情報として、所定のサイトにアクセスするための情報(第3のコード情報)を2次元コード60に含めてもよい。
【0100】
ここで、第2実施形態では、生成部41dは、ロボット13が乗りかご12に乗車する際に、乗車位置検出部41cによって検出された利用者の乗車位置を示す情報を第4のコード情報として当該2次元コード60に含めて生成する機能を有する。
【0101】
生成部41dによって生成された2次元コード60は、I/F部43a及びI/F部43bを介して、乗りかご12内のモニタ72及び乗場17a,17b,17c,17d…のモニタ74に表示される。また、生成部41dによって生成された2次元コード60は、I/F部43a及びI/F部43bを介して、乗りかご12内のプロジェクタ73及び各乗場17a,17b,17c,17d…のプロジェクタ75によって所定の位置に投影される。
【0102】
このような構成において、通常は、コード設置情報とエレベータ構造情報を有する2次元コード60がエレベータ制御装置11(生成部41d)によって生成されて、乗りかご12内や各階の乗場17a,17b,17c,17d…に投影あるいは表示される。ロボット13は、この2次元コード60の情報と形状とに基づいて位置補正処理を行うことは上記第1実施形態と同様である。
【0103】
ここで、ロボット13から送信された乗車要求信号に応答した乗りかご12が乗場に到着する直前に、乗車位置検出部41cによって、当該乗りかご12内の利用者の乗車位置が検出される。生成部41dは、この乗車位置検出部41cによって検出された利用者の乗車位置を示す情報(以下、乗車位置情報)を含んだ2次元コード60を生成し、再度、乗りかご12内や各階の乗場17a,17b,17c,17d…に投影あるいは表示する。
【0104】
これにより、乗りかご12が戸開したときに、ロボット13は、2次元コード60から読み取った乗車位置情報から利用者の乗車位置を判断して、乗りかご12内の空いているスペースにスムーズに乗車することができる。
【0105】
このように第2実施形態によれば、ロボット13が乗りかご12に乗車する際に、乗車位置情報を含んだ2次元コード60が投影あるいは表示される。したがって、例えばロボット13のセンサ31では乗りかご12内の利用者の乗車位置を正しく検知できない場合であっても、2次元コード60を読み取るだけで、利用者の乗車位置を判断してスムーズに乗車できる。
【0106】
なお、ロボット13の行先階に到着してロボット13の降車が完了するまで、生成部41dは、当該乗りかご12内の利用者の乗車位置情報を含んだ2次元コード60を逐次生成し、乗りかご12内に投影あるいは表示してもよい。これにより、ロボット13は、降車する際にも、2次元コード60から読み取った乗車位置情報から利用者の乗車位置を判断して、乗りかご12内の空いているスペースから降車するようにスムーズに降車することができる。
【0107】
また、上述した説明ではモニタ72、74、プロジェクタ73、75のすべてにおいて2次元コード60を表示又は投影させることについて説明したが、モニタ72、74、プロジェクタ73、75のうち少なくとも1つに2次元コード60を表示又は投影させればよい。
【0108】
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、ロボットが現在位置として認識している位置座標と実際の位置とのずれを補正して、乗りかごにスムーズに乗降できるエレベータシステムを提供することができる。
【0109】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0110】
10…通信ネットワーク、11…エレベータ制御装置、13…ロボット、14…建物、15…ロープ、16…昇降路、17a~17d…乗場、18a~18d…乗場呼びボタン、19…モニタ、20…かご操作盤、20a…表示器、21…三方枠、22…シル、23…床面、24a、24b…乗場ドアパネル、25a、25b…かごドアパネル、26a…正面柱、27…背面、31…センサ、32…カメラ、33…通信装置、41…制御部、41a…戸開閉制御部、41b…運転制御部、41c…乗車位置検出部、41d…生成部、42…通信部、43a、43b…I/F部、44…記憶部、44a…呼び管理テーブル、44b…ロボット管理テーブル、51…制御部、51a…位置検出部、51b…コード読取り部、51c…位置補正部、51d…移動制御部、52…操作部、53…表示部、54…記憶部、55…駆動部、60…2次元コード。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-12-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律走行型のロボットの移動とエレベータの乗りかごの運転とを連動させたエレベータシステムにおいて、
前記ロボットは、
予め与えられたマップ上における前記ロボットの位置を示す位置座標を検出する位置検出手段と、
前記ロボットに備えられたカメラを通じて、前記乗りかご内あるいは前記乗りかごの出入口付近の乗場の任意の箇所で2次元コードの情報を読み取るコード読取り手段と、
前記コード読取り手段によって読み取られた前記2次元コードの情報と、前記カメラで捉えられた前記2次元コードの形状とに基づいて、前記位置検出手段によって検出された前記位置座標と実際の位置とのずれを補正する位置補正手段と、
前記位置補正手段によって補正された前記位置座標に基づいて、前記ロボットが前記乗りかごを乗降するときの移動を制御する移動制御手段と
を具備し
前記2次元コードの情報には、前記2次元コードの設置場所を示す第1のコード情報を含み、
前記位置補正手段は、
前記第1のコード情報に基づいて、前記ロボットが前記乗りかご内、または、前記乗場のどの場所にいるのかを判断し、前記ロボットのいる場所から見える前記2次元コードの形状に基づいて、前記ロボットを前記2次元コードの正面に移動させる、
エレベータシステム。
【請求項2】
前記2次元コードの情報には、前記2次元コードの設置場所付近に存在する前記エレベータの構造物のサイズや位置を示す第2のコード情報を含み、
前記移動制御手段は、
前記第2のコード情報に基づいて、前記エレベータの構造物のサイズや位置を前記ロボットの移動制御に反映させる、
請求項1記載のエレベータシステム。
【請求項3】
前記2次元コードの情報には、利用者が所定のサイトにアクセスするための第3のコード情報を含む、
請求項1記載のエレベータシステム。
【請求項4】
前記2次元コードは、プロジェクタによって前記乗りかご内あるいは前記乗場に投影される、
請求項1記載のエレベータシステム。
【請求項5】
前記2次元コードは、前記乗りかご内あるいは前記乗場に設置されたモニタに表示される、
請求項1記載のエレベータシステム。
【請求項6】
前記エレベータは、
前記乗りかご内における利用者の乗車位置を検出する乗車位置検出手段と、
前記乗車位置検出手段によって検出された前記利用者の乗車位置を示す第4のコード情報を含む前記2次元コードを生成する生成手段とを具備し、
前記エレベータは、前記生成手段によって生成された前記2次元コードを、前記プロジェクタによって前記乗りかご内あるいは前記乗場に投影する
請求項記載のエレベータシステム。
【請求項7】
前記エレベータは、
前記乗りかご内における利用者の乗車位置を検出する乗車位置検出手段と、
前記乗車位置検出手段によって検出された前記利用者の乗車位置を示す第4のコード情報を含む前記2次元コードを生成する生成手段とを具備し、
前記エレベータは、前記生成手段によって生成された前記2次元コードを、前記モニタに表示する
請求項記載のエレベータシステム。
【請求項8】
前記移動制御手段は、
前記第4のコード情報に基づいて、前記利用者の乗車位置を判断し、前記ロボットを前記乗りかご内の空いているスペースに移動させる
請求項または記載のエレベータシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
一実施形態に係るエレベータシステムは、自律走行型のロボットの移動とエレベータの乗りかごの運転とを連動させる。前記ロボットは、位置検出手段と、コード読取り手段と、位置補正手段と、移動制御手段とを具備する。前記位置検出手段は、予め与えられたマップ上における前記ロボットの位置を示す位置座標を検出する。前記コード読取り手段は、前記ロボットに備えられたカメラを通じて、前記乗りかご内あるいは前記乗りかごの出入口付近の乗場の任意の箇所で2次元コードの情報を読み取る。前記位置補正手段は、前記コード読取り手段によって読み取られた前記2次元コードの情報と、前記カメラで捉えられた前記2次元コードの形状とに基づいて、前記位置検出手段によって検出された前記位置座標と実際の位置とのずれを補正する。前記移動制御手段は、前記位置補正手段によって補正された前記位置座標に基づいて、前記ロボットが前記乗りかごを乗降するときの移動を制御する。前記2次元コードの情報には、前記2次元コードの設置場所を示す第1のコード情報を含む。前記位置補正手段は、前記第1のコード情報に基づいて、前記ロボットが前記乗りかご内、または、前記乗場のどの場所にいるのかを判断し、前記ロボットのいる場所から見える前記2次元コードの形状に基づいて、前記ロボットを前記2次元コードの正面に移動させる。