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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025858
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】制御装置、中継局及び制御方法
(51)【国際特許分類】
H04W 24/00 20090101AFI20250214BHJP
H04W 16/26 20090101ALI20250214BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20250214BHJP
H04B 17/336 20150101ALI20250214BHJP
H04B 7/15 20060101ALI20250214BHJP
【ＦＩ】
H04W24/00
H04W16/26
H04W76/10
H04B17/336
H04B7/15
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023131050
(22)【出願日】2023-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】301022471
【氏名又は名称】国立研究開発法人情報通信研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】滝沢 賢一
【テーマコード（参考）】
5K067
5K072
【Ｆターム（参考）】
5K067AA03
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
5K067EE16
5K067GG01
5K067HH22
5K072BB22
5K072BB25
5K072DD11
5K072DD16
5K072EE02
5K072GG01
5K072GG11
(57)【要約】
【課題】非再生中継を利用する場合に適切に通信を実施すること。
【解決手段】本開示の一態様に係る制御装置は、中継局を介した基地局と第１の端末局との間の非再生中継による干渉が懸念される第２の端末局を特定する制御部と、前記非再生中継が行われるタイミングにおいて、前記基地局から前記第２の端末局に受信される信号の受信信号対干渉雑音電力比（Signal to Interference plus Noise Ratio（ＳＩＮＲ））に関連する第１の条件が満たされる場合に、前記中継局に対して前記非再生中継の停止を通知する通信部と、を有する。
【選択図】図６
【解決手段】本開示の一態様に係る制御装置は、中継局を介した基地局と第１の端末局との間の非再生中継による干渉が懸念される第２の端末局を特定する制御部と、前記非再生中継が行われるタイミングにおいて、前記基地局から前記第２の端末局に受信される信号の受信信号対干渉雑音電力比（Signal to Interference plus Noise Ratio（ＳＩＮＲ））に関連する第１の条件が満たされる場合に、前記中継局に対して前記非再生中継の停止を通知する通信部と、を有する。
【選択図】図６
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中継局を介した基地局と第１の端末局との間の非再生中継による干渉が懸念される第２の端末局を特定する制御部と、
前記非再生中継が行われるタイミングにおいて、前記基地局から前記第２の端末局に受信される信号の受信信号対干渉雑音電力比（Signal to Interference plus Noise Ratio（ＳＩＮＲ））に関連する第１の条件が満たされる場合に、前記中継局に対して前記非再生中継の停止を通知する通信部と、を有する制御装置。
前記非再生中継が行われるタイミングにおいて、前記基地局から前記第２の端末局に受信される信号の受信信号対干渉雑音電力比（Signal to Interference plus Noise Ratio（ＳＩＮＲ））に関連する第１の条件が満たされる場合に、前記中継局に対して前記非再生中継の停止を通知する通信部と、を有する制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記非再生中継が行われるタイミングの想定される前記受信ＳＩＮＲの最悪値に基づいて、前記第２の端末局を特定する請求項１に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記受信ＳＩＮＲの最悪値を、前記第２の端末局における前記非再生中継に起因する想定される干渉雑音電力の最大値に基づいて算出する請求項２に記載の制御装置。
【請求項4】
前記第１の条件は、前記非再生中継が行われるタイミングの想定される前記受信ＳＩＮＲと、所望ＳＩＮＲ及び第１のマージンと、に基づく請求項１に記載の制御装置。
【請求項5】
前記通信部は、前記非再生中継が停止されている場合、かつ、前記非再生中継が仮に行われるとしたときの想定される前記受信ＳＩＮＲに関連する第２の条件が満たされる場合に、前記中継局に対して前記非再生中継の再開を通知する請求項４に記載の制御装置。
【請求項6】
前記第２の条件は、前記非再生中継が仮に行われるとしたときの想定される前記受信ＳＩＮＲと、所望ＳＩＮＲ及び第２のマージンと、に基づく請求項５に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記受信ＳＩＮＲを、前記第２の端末局における前記非再生中継に起因する想定される干渉雑音電力に基づいて算出する請求項４から請求項６のいずれかに記載の制御装置。
【請求項8】
前記第１の条件は、前記第２の端末局から報告される受信品質情報に基づいて算出される前記受信ＳＩＮＲと、所望ＳＩＮＲ及び第１のマージンと、に基づく請求項１に記載の制御装置。
【請求項9】
中継局であって、
前記中継局を介した基地局と第１の端末局との間の非再生中継による干渉が懸念される第２の端末局に関する情報を受信する通信部と、
前記非再生中継が行われるタイミングにおいて、前記基地局から前記第２の端末局に受信される信号の受信信号対干渉雑音電力比（Signal to Interference plus Noise Ratio（ＳＩＮＲ））に関連する第１の条件が満たされる場合に、前記非再生中継の停止を決定する制御部と、を有する中継局。
前記中継局を介した基地局と第１の端末局との間の非再生中継による干渉が懸念される第２の端末局に関する情報を受信する通信部と、
前記非再生中継が行われるタイミングにおいて、前記基地局から前記第２の端末局に受信される信号の受信信号対干渉雑音電力比（Signal to Interference plus Noise Ratio（ＳＩＮＲ））に関連する第１の条件が満たされる場合に、前記非再生中継の停止を決定する制御部と、を有する中継局。
【請求項10】
前記第２の端末局は、前記非再生中継が行われるタイミングの想定される前記受信ＳＩＮＲの最悪値に基づいて特定される請求項９に記載の中継局。
【請求項11】
前記受信ＳＩＮＲの最悪値は、前記第２の端末局における前記非再生中継に起因する想定される干渉雑音電力の最大値に基づいて算出される請求項１０に記載の中継局。
【請求項12】
前記第１の条件は、前記非再生中継が行われるタイミングの想定される前記受信ＳＩＮＲと、所望ＳＩＮＲ及び第１のマージンと、に基づく請求項９に記載の中継局。
【請求項13】
前記制御部は、前記非再生中継が停止されている場合、かつ、前記非再生中継が仮に行われるとしたときの想定される前記受信ＳＩＮＲに関連する第２の条件が満たされる場合に、前記非再生中継の再開を決定する請求項１２に記載の中継局。
【請求項14】
前記第２の条件は、前記非再生中継が仮に行われるとしたときの想定される前記受信ＳＩＮＲと、所望ＳＩＮＲ及び第２のマージンと、に基づく請求項１３に記載の中継局。
【請求項15】
前記受信ＳＩＮＲは、前記第２の端末局における前記非再生中継に起因する想定される干渉雑音電力に基づいて算出される請求項１２から請求項１４のいずれかに記載の中継局。
【請求項16】
中継局を介した基地局と第１の端末局との間の非再生中継による干渉が懸念される第２の端末局を特定するステップと、
前記非再生中継が行われるタイミングにおいて、前記基地局から前記第２の端末局に受信される信号の受信信号対干渉雑音電力比（Signal to Interference plus Noise Ratio（ＳＩＮＲ））に関連する第１の条件が満たされる場合に、前記中継局に対して前記非再生中継の停止を通知するステップと、を有する制御装置の制御方法。
前記非再生中継が行われるタイミングにおいて、前記基地局から前記第２の端末局に受信される信号の受信信号対干渉雑音電力比（Signal to Interference plus Noise Ratio（ＳＩＮＲ））に関連する第１の条件が満たされる場合に、前記中継局に対して前記非再生中継の停止を通知するステップと、を有する制御装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動通信システムにおける制御装置、中継局及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムの標準化プロジェクトである3rd Generation Partnership Project（３ＧＰＰ（登録商標））におけるNew Radio（ＮＲ）技術仕様について、低遅延の中継技術として、非再生中継が導入されている（例えば、非特許文献１）。非再生中継は、中継局で復調及び復号を行わないため、低遅延での中継が可能である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP TS 38.106 V18.1.0(2023-06)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非再生中継を行っている場合、中継を使用しない端末局が当該非再生中継から干渉を受けて通信品質が劣化したり、通信スループットが低下したりするおそれがある。
【0005】
そこで、本開示は、非再生中継を利用する場合に適切に通信を実施できる制御装置、中継局及び制御方法を提供することを目的の１つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る制御装置は、中継局を介した基地局と第１の端末局との間の非再生中継による干渉が懸念される第２の端末局を特定する制御部と、前記非再生中継が行われるタイミングにおいて、前記基地局から前記第２の端末局に受信される信号の受信信号対干渉雑音電力比（Signal to Interference plus Noise Ratio（ＳＩＮＲ））に関連する第１の条件が満たされる場合に、前記中継局に対して前記非再生中継の停止を通知する通信部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、非再生中継を利用する場合に適切に通信を実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の符号を付することによって、重複説明が省略され得る。
【0010】
本開示において、「Ａ／Ｂ」及び「Ａ及びＢの少なくとも一方」は、互いに読み替えられてもよい。また、本開示において、「Ａ／Ｂ／Ｃ」は、「Ａ、Ｂ及びＣの少なくとも１つ」を意味してもよい。
【0011】
＜システムの構成＞
図１は、本開示の一実施形態に係るシステムの概略的な構成の一例を示す図である。システム１は、制御装置１０、基地局（base station）２０、中継局（relay station）３０及び端末局４０を含む。システム１は、無線通信システム、情報通信システムなどと呼ばれてもよい。
図１は、本開示の一実施形態に係るシステムの概略的な構成の一例を示す図である。システム１は、制御装置１０、基地局（base station）２０、中継局（relay station）３０及び端末局４０を含む。システム１は、無線通信システム、情報通信システムなどと呼ばれてもよい。
【0012】
例えば、システム１は、３ＧＰＰの技術仕様書（Technical Specification（ＴＳ））に準拠したシステムである。より具体的には、例えば、システム１は、5th generation mobile communication system（５Ｇ）又はNew Radio（ＮＲ）のＴＳに準拠したシステムである。
【0013】
なお、システム１は、この例に限定されず、Long Term Evolution（ＬＴＥ）、LTE-Advanced（ＬＴＥ－Ａ）、4th generation mobile communication system（４Ｇ）、5th generation mobile communication system（５Ｇ）、6th generation mobile communication system（６Ｇ）、xth generation mobile communication system（ｘＧ（ｘは、例えば整数、小数））、New Radio（ＮＲ）、Global System for Mobile communications（ＧＳＭ（登録商標））、ＣＤＭＡ２０００、Ultra Mobile Broadband（ＵＭＢ）、ＩＥＥＥ ８０２．１１（Ｗｉ－Ｆｉ（登録商標））、ＩＥＥＥ ８０２．１６（ＷｉＭＡＸ（登録商標））、ＩＥＥＥ ８０２．２０、Ultra-WideBand（ＵＷＢ）、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）、その他の無線通信方法を利用するシステム、及び、これらに基づいて拡張、修正、作成又は規定された次世代システムなどを含んでもよい。
【0014】
システム１においては、基地局２０に向かう（受信する）／端末局４０から出る（送信される）通信リンクが上りリンク（uplink（ＵＬ））と呼ばれてもよく、基地局２０から出る（送信される）／端末局４０に向かう（受信する）通信リンクが下りリンク（downlink（ＤＬ））と呼ばれてもよい。
【0015】
制御装置１０は、基地局２０が接続されるコアネットワーク上の装置であってもよい。制御装置１０は、ネットワークノードと呼ばれてもよく、ネットワーク機能（Network Functions（ＮＦ））を提供してもよい。当該ＮＦは、例えば、Access and Mobility management Function（ＡＭＦ）、Application Function（ＡＦ）、Data Network（ＤＮ）、Location Management Function（ＬＭＦ）、保守運用管理（Operation、Administration and Maintenance（Management）（ＯＡＭ））、Session Management Function（ＳＭＦ）、Unified Data Management（ＵＤＭ）、User Plane Function（ＵＰＦ）などの少なくとも１つであってもよい。
【0016】
コアネットワークは、例えば、光ファイバー網を含む。本開示において、ネットワーク及びコアネットワークは互いに読み替えられてもよい。
【0017】
制御装置１０は、基地局２０、中継局３０及び端末局４０の少なくとも１つを制御し、基地局２０／中継局３０と端末局４０との通信サービスを提供するための制御を行ってもよい。なお、制御装置１０は、基地局２０に含まれてもよい。
【0018】
基地局２０は、端末局４０に無線アクセスネットワーク（Radio Access Network（ＲＡＮ））を提供する。無線アクセスネットワークでの無線通信が可能なエリアは、セルとも呼ばれる。基地局２０は、例えば、ｇＮＢである。ｇＮＢは、ユーザ装置（User Equipment（ＵＥ））に対するＮＲユーザプレーン及び制御プレーンプロトコル終端（NR user plane and control plane protocol terminations towards the UE）を提供し、ＮＧインターフェースを介して５Ｇコアネットワーク（5G Core Network（５ＧＣ））に接続されるノードである。基地局１００は、ｅｎ－ｇＮＢであってもよい。ｅｎ－ｇＮＢは、ＵＥに対するＮＲユーザプレーン及び制御プレーンプロトコル終端を提供し、E-UTRA-NR Dual Connectivity（ＥＮ－ＤＣ）においてセカンダリノードとして動作するノードである。
【0019】
中継局３０は、基地局２０及び端末局４０との間の通信に対して非再生中継を実施する。非再生中継においては、被中継信号の復調／復号が行われないため、スロットタイミングが変わらない程度の遅延で通信を中継することができる。本開示において、非再生中継は、復調／復号処理を伴わない中継（転送）、基地局及び端末局間のＵＬ／ＤＬ無線信号の増幅及び転送、リピートなどを意味してもよい。なお、本開示において、中継、転送、リピート、送信などは、互いに読み替えられてもよい。
【0020】
中継局３０は、Radio Frequency（ＲＦ）リピータ、ネットワーク制御リピータ（Network-Controlled Repeater（ＮＣＲ））、Integrated Access and Backhaul（ＩＡＢ）、その他のリピータであってもよい。中継局３０は、例えば、小型基地局、移動基地局、リレー基地局などと呼ばれてもよい。
【0021】
例えば、ＮＣＲは、ＮＣＲ－Mobile Termination（ＮＣＲ－ＭＴ）及びＮＣＲ－Forwarding（ＮＣＲ－Ｆｗｄ）を含んでもよい。ＮＣＲ－ＭＴは、コントロールリンクを介して基地局２０との通信を行う（例えば、設定／制御情報を受信する、要求／報告を送信する）ことができる。ＮＣＲ－Ｆｗｄは、（基地局２０との）バックホールリンクから（端末局４０との）アクセスリンクへの中継／増幅と、アクセスリンクからバックホールリンクへの中継／増幅を行うことによって、基地局２０及び端末局４０の間の通信の中継を行うことができる。
【0022】
中継局３０は、複数の端末局４０に対して、異なる周波数リソースを用いて非再生中継を行ってもよいし、同じ周波数リソースを用いて非再生中継を行ってもよい。中継局３０は、複数の端末局４０に対する非再生中継信号を、周波数分割多重（frequency division multiplexing（ＦＤＭ））、時分割多重（time division multiplexing（ＴＤＭ））、空間分割多重（space division multiplexing（ＳＤＭ））及びその他の多重方法を用いて送信してもよい。
【0023】
１つ以上の中継局３０は、各端末局４０が使用するリソース（例えば、周波数／時間リソース、リソースブロック（Resource Block（ＲＢ）））の情報を共有してもよい。当該情報は、中継局３０間で通知されてもよいし、基地局２０から中継局３０に通知されてもよい。
【0024】
端末局４０は、上述のセルにおいて無線アクセスネットワークに接続し、ＵＥに該当する。端末局４０は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末などの携帯端末（移動通信端末）であってもよいし、固定通信端末であってもよい。各端末局４０は、基地局２０が送信する制御信号を直接受信できてもよいし、中継局３０を介して受信できてもよい。
【0025】
本開示において、非再生中継通信を適用される端末局（言い換えると、中継局３０を介して基地局２０と通信する端末局）は端末局４０ａと記載し、非再生中継通信を適用されない端末局（言い換えると、中継局３０を介さずに基地局２０と通信する端末局）は端末局４０ｂとも記載する。単に端末局４０と表記した場合は、端末局４０ａ及び端末局４０ｂの両方を含んでもよい。非再生中継対象の端末局（端末局４０ａ）は、第１の端末局と呼ばれてもよい。非再生中継対象でない端末局（端末局４０ｂ）は、第２の端末局と呼ばれてもよい。
【0026】
なお、基地局２０、中継局３０、端末局４０などは、それぞれ、設置位置が固定される固定局を含んでもよいし、移動局を含んでもよい。
【0027】
ＤＬ通信における非再生中継信号は、中継局３０から端末局４０に送信される信号に該当してもよい。ＵＬ通信における非再生中継信号は、中継局３０から基地局２０に送信される信号に該当してもよい。
【0028】
なお、システム１においては、ＵＬ通信及びＤＬ通信を同じ周波数チャネルにおいて実施するＴＤＭ又は時分割複信（Time Division Duplex（ＴＤＤ））が用いられてもよい。また、システム１において、スロット／フレームのタイミングは全局間で同期していてもよい（整列していてもよい）。
【0029】
また、システム１において、ＵＬ通信及びＤＬ通信の少なくとも一方には、サイクリックプレフィックス直交周波数分割多重（Cyclic Prefix-Orthogonal Frequency Division Multiplexing（ＣＰ－ＯＦＤＭ））（又はマルチキャリア波形）が用いられてもよいし、離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重（Discrete Fourier Transform-Spread-Orthogonal Frequency Division Multiplexing（ＤＦＴ－ｓ－ＯＦＤＭ））（又はシングルキャリア波形）が用いられてもよい。システム１においてはその他の波形（例えば、Filtered OFDM（Ｆ－ＯＦＤＭ））がＵＬ／ＤＬ通信に用いられてもよい。
【0030】
＜各装置の構成＞
本開示の実施形態に係る各装置（制御装置１０、基地局２０、中継局３０、端末局４０）の構成の例を説明する。
本開示の実施形態に係る各装置（制御装置１０、基地局２０、中継局３０、端末局４０）の構成の例を説明する。
【0031】
（機能構成）
図２は、本開示の一実施形態に係る各装置の概略的な機能構成の一例を示す図である。例えば、制御装置１０は、制御部１１０、通信部１２０、入出力部１３０及び記憶部１４０を備える。
図２は、本開示の一実施形態に係る各装置の概略的な機能構成の一例を示す図である。例えば、制御装置１０は、制御部１１０、通信部１２０、入出力部１３０及び記憶部１４０を備える。
【0032】
なお、基地局２０、中継局３０、端末局４０も同様な機能構成を有してもよい。このため、図２においては、各装置に対応する機能ブロックの符号として、各装置を示す符号の最も大きい桁の数字（例えば、基地局２０であれば「２０」の最も大きい桁の「２」）を「１」と置換した符号も示されている。以下では制御装置１０に関する機能ブロックの説明を行うが、他の装置についても同様の説明となることが理解される。
【0033】
本例では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、各装置は、他の処理に必要な他の機能ブロックも有してもよい。また、一部の機能ブロックを含まない構成としてもよい。
【0034】
制御部１１０は、制御装置１０の制御を実施し、様々な機能を提供する。例えば、制御部１１０は、通信部１２０を介した他の装置との通信を制御してもよい。また、制御部１１０は、通信部１２０を介して受信される情報に基づいて、処理に必要な情報を取得してもよい。制御部１１０は、処理部と呼ばれてもよい。
【0035】
通信部１２０は、ネットワークを介した他の装置との通信（送信／受信）を行う。通信部１２０は、受信した信号から得られた情報を制御部１１０に出力してもよいし、制御部１１０から入力された情報を信号に変換して送信してもよい。通信部１２０は、送信部、受信部、送受信部などと呼ばれてもよい。
【0036】
入出力部１３０は、ユーザからの操作により入力を受け付ける入力部を含んでもよい。入力部は、所定の機器、記憶媒体などと接続され、データの入力を受け付けてもよい。入力部は、入力結果を例えば制御部１１０に出力してもよい。
【0037】
また、入出力部１３０は、ユーザに対して知覚できる形式でデータ、コンテンツなどの出力を行う出力部を含んでもよい。出力部は、画像を表示する表示部、音声を出力する音声出力部などを含んで構成されてもよい。
【0038】
記憶部１４０は、制御装置１０が処理に利用する様々な情報を記憶（保持）する。制御部１１０は、記憶部１４０に対してデータの読み書きを指示してもよい。
【0039】
（ハードウェア構成）
図３は、本開示の一実施形態に係る各装置の概略的なハードウェア構成の一例を示す図である。各装置は、アンテナ５１０、Radio Frequency（ＲＦ）回路５２０、プロセッサ５３０、ネットワークインターフェース５４０、入力装置／出力装置５５０、メモリ５６０及びストレージ５７０を備える。
図３は、本開示の一実施形態に係る各装置の概略的なハードウェア構成の一例を示す図である。各装置は、アンテナ５１０、Radio Frequency（ＲＦ）回路５２０、プロセッサ５３０、ネットワークインターフェース５４０、入力装置／出力装置５５０、メモリ５６０及びストレージ５７０を備える。
【0040】
なお、各装置のハードウェア構成は、図３に示した各要素を１つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の要素を含まずに構成されてもよい。例えば、中継局３０、端末局４０は、ネットワークインターフェース５４０を有しなくてもよい。
【0041】
アンテナ５１０は、信号を電波に変換し、当該電波を空間に放射する。また、アンテナ５１０は、空間における電波を受信し、当該電波を信号に変換する。アンテナ５１０は、送信アンテナ及び受信アンテナを含んでもよく、又は、送受信用の単一のアンテナを含んでもよい。アンテナ５１０は、指向性アンテナを含んでもよいし、複数のアンテナ素子を含んでもよい。
【0042】
アンテナ５１０は、複数搭載されてもよい。例えば、中継局３０は、制御部３１０が制御に関する通知を受信するために、中継用回線に利用するアンテナとは独立したアンテナを有してもよい。
【0043】
ＲＦ回路５２０は、アンテナ５１０を介して送受信される信号のアナログ処理を行う。ＲＦ回路５２０は、フィルタ（例えば、高周波フィルタ、ローパスフィルタ）、増幅器、変調器、周波数シンセサイザ、アナログ－デジタル変換回路、デジタル－アナログ変換回路、逆高速フーリエ変換（Inverse Fast Fourier Transform（ＩＦＦＴ））処理回路などを含んでもよい。
【0044】
ＲＦ回路５２０は、受信した無線周波数帯の信号に対して、増幅、フィルタ処理、ベースバンド信号への復調などを行い、プロセッサ５３０に出力してもよい。ＲＦ回路５２０は、プロセッサ５３０から入力されるベースバンド信号に対して、無線周波数帯への変調、フィルタ処理、増幅などを行い、無線周波数帯の信号を、送受信アンテナ５１０を介して送信してもよい。なお、ＲＦ回路５２０は、物理レイヤの処理（例えば物理レイヤの下位機能の処理）を実施してもよく、アナログビームフォーミング処理、デジタルビームフォーミング処理などのビームフォーミング処理を実施してもよい。
【0045】
プロセッサ５３０は、装置全体を制御してもよい。プロセッサ５３０は、プログラム（プログラムコード）、ソフトウェア（ソフトウェアモジュール）、データなどを、ストレージ５７０からメモリ５６０に読み出し、これらに従って各種の処理を実行してもよい。プロセッサ５３０は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置（Central Processing Unit（ＣＰＵ））によって構成されてもよい。また、プロセッサ５３０は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ（Digital Signal Processor（ＤＳＰ））、ＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit）、ＰＬＤ（Programmable Logic Device）、ＦＰＧＡ（Field Programmable Gate Array）などを含んでもよい。
【0046】
プロセッサ５３０は、アンテナ５１０及びＲＦ回路５２０を介して送受信される信号のデジタル処理を行ってもよい。当該デジタル処理は、物理レイヤの処理（例えば物理レイヤの上位機能の処理）、Medium Access Control（ＭＡＣ）レイヤ以上のレイヤの処理、変調、復調、符号化、復号、スクランブリングなどの処理を含んでもよい。プロセッサ５３０は、ネットワークインターフェース５４０を介して送受信される信号の処理も行う。
【0047】
プロセッサ５３０は、複数のプロセッサを含んでもよく、又は、単一のプロセッサであってもよい。当該複数のプロセッサは、上記デジタル処理を行うベースバンドプロセッサと、他の処理（例えば、全体の制御）を行う１つ以上のプロセッサとを含んでもよい。
【0048】
ネットワークインターフェース５４０は、例えばネットワークアダプタであり、有線で外部ネットワークと接続され、信号の送受信を行ってもよい。
【0049】
なお、ＲＦ回路５２０／ベースバンドプロセッサ／ネットワークインターフェース５４０は、一体となった構成であってもよい。ＲＦ回路５２０／ベースバンドプロセッサ／ネットワークインターフェース５４０は、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなど呼ばれてもよい。
【0050】
入力装置／出力装置５５０は、外部からの入力を受け付ける入力装置（例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど）、外部への出力を実施する出力装置（例えば、ディスプレイ、スピーカー、Light Emitting Diode（ＬＥＤ）ランプなど）、これらが一体となった装置（例えば、タッチパネル）などを含む。
【0051】
メモリ５６０は、コンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体であり、プロセッサ５３０により実行されるプログラム、当該プログラムに関するパラメータ、及び、その他の様々な情報を記憶する。メモリ５６０は、ＲＯＭ（read only memory）、ＥＰＲＯＭ（erasable programmable read only memory）、ＥＥＰＲＯＭ（electrically erasable programmable read only memory）、ＲＡＭ（random access memory）及びフラッシュメモリの少なくとも１つを含んでもよい。メモリ５６０の全部又は一部は、プロセッサ５３０内に含まれていてもよい。メモリ５６０は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ（主記憶装置）などと呼ばれてもよい。
【0052】
ストレージ５７０は、コンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体であり、様々な情報を記憶する。ストレージ５７０は、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー（登録商標）ディスク、光磁気ディスク（例えば、コンパクトディスク（Compact Disc ROM（ＣＤ－ＲＯＭ））、デジタル多用途ディスク、Ｂｌｕ－ｒａｙ（登録商標）ディスク）、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ（Hard Disc Drive（ＨＤＤ））、スマートカード、フラッシュメモリデバイス（例えば、Solid State Drive（ＳＳＤ））などの少なくとも１つを含んでもよい。ストレージ５７０は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0053】
また、プロセッサ５３０、メモリ５６０などの各装置は、情報を通信するためのバスによって接続されてもよい。装置内で単一のバスが用いられてもよいし、装置間ごとに異なるバスが用いられてもよい。
【0054】
制御部Ｘ１０（Ｘ＝１、２、３、４。以下同様）は、プロセッサ５３０によって実装されてもよい。通信部Ｘ２０は、アンテナ５１０／ＲＦ回路５２０／ネットワークインターフェース５４０によって実装されてもよい。入出力部Ｘ３０は、入力装置／出力装置５５０によって実装されてもよい。記憶部Ｘ４０は、メモリ５６０／ストレージ５７０によって実装されてもよい。
【0055】
（基地局のハードウェア構成のバリエーション）
基地局（ＲＡＮ）の通信処理機能は、無線ユニット（Radio Unit（ＲＵ））と分散ユニット（Distributed Unit（ＤＵ））及び中央ユニット（Central Unit（ＣＵ））の３つの要素に分離されてもよい。ＲＵは、ＲＦ処理及び物理レイヤの下位機能を実現する。ＤＵは、物理レイヤの上位機能、ＭＡＣレイヤの機能及びRadio Link Control（ＲＬＣ）レイヤの機能を実現する。ＣＵは、Packet Data Convergence Protocol（ＰＤＣＰ）レイヤ、Service Data Adaptation Protocol（ＳＤＡＰ）及びRadio Resource Control（ＲＲＣ）レイヤの機能を実現する。
基地局（ＲＡＮ）の通信処理機能は、無線ユニット（Radio Unit（ＲＵ））と分散ユニット（Distributed Unit（ＤＵ））及び中央ユニット（Central Unit（ＣＵ））の３つの要素に分離されてもよい。ＲＵは、ＲＦ処理及び物理レイヤの下位機能を実現する。ＤＵは、物理レイヤの上位機能、ＭＡＣレイヤの機能及びRadio Link Control（ＲＬＣ）レイヤの機能を実現する。ＣＵは、Packet Data Convergence Protocol（ＰＤＣＰ）レイヤ、Service Data Adaptation Protocol（ＳＤＡＰ）及びRadio Resource Control（ＲＲＣ）レイヤの機能を実現する。
【0056】
図４Ａ及び４Ｂは、本開示の一実施形態に係る基地局のハードウェア構成のバリエーションの一例を示す図である。本例では、簡単のため図３で説明した要素のうちアンテナ５１０、ＲＦ回路５２０、プロセッサ５３０のみを図示するが、その他の要素はプロセッサ５３０が具備される装置に含まれてもよい。
【0057】
図４Ａでは、１つの基地局２０がアンテナ５１０、ＲＦ回路５２０及びプロセッサ５３０を含む。この基地局２０は、ＲＵ及びＤＵ／ＣＵが一体となった構成を有している。
【0058】
図４Ｂでは、１つの基地局２０ａがアンテナ５１０及びＲＦ回路５２０のみを含み、もう１つの基地局２０ｂがプロセッサ５３０を含み、これらの基地局が光ファイバー回線などによって接続されている。前者の基地局２０ａはＲＵのみを有するため、子局、分散基地局などと呼ばれてもよい。後者の基地局２０ｂはＤＵ／ＣＵのみを有するため、親局、中央基地局などと呼ばれてもよい。
【0059】
なお、ＲＵ／ＤＵの基地局とＣＵの基地局とが接続されてもよいし、ＲＵの基地局、ＤＵの基地局及びＣＵの基地局が接続されてもよい。
【0060】
本開示において、基地局２０は、図４ＡのようなＲＵ、ＤＵ及びＣＵの機能を全て実現する１つの基地局（ノード）を含んでもよいし、図４ＢのようなＲＵ、ＤＵ及びＣＵの機能のうち一部の機能をそれぞれが実現する複数の基地局（ノード）を含んでもよい。例えば、基地局２０は、分散基地局２０ａ及び中央基地局２０ｂから構成される基地局を意味してもよい。
【0061】
＜課題分析＞
図５Ａ－５Ｄは、非再生中継にかかる課題の一例を示す図である。図５Ａ及び５Ｃは、図１の一部を抜粋した図に相当する。なお、本例では、基地局２０から端末局４０ｂに送信される信号の周波数リソースと、中継局３０から端末局４０ａに送信される非再生中継信号の周波数リソースと、がずれている（又は重複しない）と想定する。
図５Ａ－５Ｄは、非再生中継にかかる課題の一例を示す図である。図５Ａ及び５Ｃは、図１の一部を抜粋した図に相当する。なお、本例では、基地局２０から端末局４０ｂに送信される信号の周波数リソースと、中継局３０から端末局４０ａに送信される非再生中継信号の周波数リソースと、がずれている（又は重複しない）と想定する。
【0062】
端末局４０ｂの受信信号対干渉雑音電力比（Signal to Interference plus Noise Ratio（ＳＩＮＲ））は、端末局４０の受信信号の電力レベルＰに対する干渉電力レベルＩ及び雑音レベルＮの比率（＝Ｐ／（Ｉ＋Ｎ））によって求められる。なお、本開示において、各レベルの単位はデシベルミリワット（decibel-milliwatts（ｄＢｍ））、ｄＢなどであってもよい。
【0063】
【0064】
一方で、図５Ｃのように、システム１において中継局３０が非再生中継を行っている場合、例えばＤＬにおける非再生中継では、被中継信号だけでなく雑音などの不要信号をも増幅するため、図５Ｄに示されるとおり、端末局４０ａに対する非再生中継信号の周波数リソースの外側の周波数領域に、非再生中継信号のせいで干渉が発生する。したがって、図５Ｃにおける端末局４０ｂの受信ＳＩＮＲは、図５Ａのケースよりも小さくなっている。
【0065】
以上説明したとおり、中継を使用しない端末局４０ｂは、中継局３０を用いる非再生中継から干渉を受けて通信品質が劣化したり、通信スループットが低下したりするおそれがある。
【0066】
そこで、本発明者は、非再生中継を利用しない端末局に対して比較的大きな干渉源となり得る中継局の非再生中継を停止／再開することを着想した。本開示の一態様では、下りリンク回線における非再生中継において、干渉が懸念される端末局（非再生中継無し）を、中継局の送信スペクトルマスクをもとに特定する。その後、当該端末局において干渉が生じる場合（例えば、当該端末局の受信ＳＩＮＲが許容値以上となる場合）に、非再生中継を停止する。また、非再生中継停止中において非再生中継を仮に再開しても、上記端末局において干渉が生じないと判断される場合、非再生中継を再開する。
【0067】
＜動作例＞
以下、本開示の実施形態に係る各装置の動作の例を説明する。以下で説明する通信方法（無線通信方法、制御方法）は、上述のシステム１において適用されてもよい。
以下、本開示の実施形態に係る各装置の動作の例を説明する。以下で説明する通信方法（無線通信方法、制御方法）は、上述のシステム１において適用されてもよい。
【0068】
なお、本開示の以下の説明において、参照符号は省略されることがある。例えば、以下の説明における制御装置は、制御装置１０を意味してもよい。
【0069】
以下の説明／図面では、基地局をＢＳ、中継局をＲ、端末局をＵＥと略記することがある。また、受信（受信信号）に関するパラメータであることを下付き文字のＲＸを付して表すことがある。また、送信（送信信号）に関するパラメータであることを下付き文字のＴＸを付して表すことがある。
【0070】
以下の説明における各装置は、装置の中の１つ以上の機能ブロック（例えば、制御部１１０、通信部１２０）又はハードウェア構成（例えば、ＲＦ回路５２０、プロセッサ５３０）と互いに読み替えられてもよい。
【0071】
本開示の一実施形態において、ある端末局４０に対して中継局３０が中継局として機能するか（非再生中継を行うか）否かは、制御装置１０／基地局２０／中継局３０が選択してもよい。中継局３０は、半固定的に／半永続的に、非再生中継を行ってもよい。なお、中継局３０は、基地局２０／制御装置１０からの非再生中継の停止の指示があるか、非再生中継を開始してから又は特定のタイミングから一定時間が経過する場合、当該非再生中継を停止してもよい。なお、停止は、完了、終了などと互いに読み替えられてもよい。
【0072】
（第１の制御フロー）
図６は、本開示の一実施形態にかかる第１の制御フローの一例を示す図である。第１の制御フローでは、制御装置が非再生中継の停止／再開を判断する。
図６は、本開示の一実施形態にかかる第１の制御フローの一例を示す図である。第１の制御フローでは、制御装置が非再生中継の停止／再開を判断する。
【0073】
ステップＳ１０１において、制御装置は、中継局が非再生中継を行う場合に干渉が懸念される端末局（端末局４０ｂ）を特定する。干渉が懸念される端末局ＵＥｉ（ｉは、例えば整数）は、上記非再生中継が行われるタイミングにおける受信ＳＩＮＲに関する情報に基づいて決定されてもよい。
【0074】
上記受信ＳＩＮＲに関する情報は、例えば、ＵＥｉについて推定（想定）される受信ＳＩＮＲ（想定受信ＳＩＮＲと呼ばれてもよい）の最悪値γＲＸ，ｍｉｎ
ＵＥｉであってもよい。制御装置は、中継局が非再生中継を行う場合に干渉が懸念される端末局を、γＲＸ，ｍｉｎ
ＵＥｉ≦γＲＥＱ
ＵＥｉを満たす端末局ＵＥｉであると判断してもよい。
【0075】
ここで、γＲＥＱ
ＵＥｉは、判断のための閾値であり、要求ＳＩＮＲ（required SINR）と呼ばれてもよい。γＲＥＱ
ＵＥｉは、ＵＥｉごとに異なってもよいし、いくつかのＵＥｉにおいて共通であってもよい。γＲＥＱ
ＵＥｉは、ＵＥｉの位置、ＵＥｉの想定受信信号電力、の想定受信信号品質、基地局が端末局ＵＥｉとの通信で利用し得る変調及び符号化方式（Modulation and Coding Scheme（ＭＣＳ））などの少なくとも１つに基づいて判断されてもよい。当該利用し得るＭＣＳは、物理下りリンク共有チャネル（Physical Downlink Shared Channel（ＰＤＳＣＨ））のために下りリンク制御情報（Downlink Control Information（ＤＣＩ））を用いて端末局ＵＥｉに指示可能な特定の（例えば、最大又は最小の）又は所望の符号化率に該当するＭＣＳであってもよい。
【0076】
言い換えると、上記干渉が懸念される端末局は、非再生中継が行われる場合における、基地局からの信号の想定受信ＳＩＮＲの最悪値が閾値（要求ＳＩＮＲ）以下となる端末局に該当してもよい。
【0077】
γＲＸ，ｍｉｎ
ＵＥｉは、端末局ＵＥｉの想定受信信号電力、想定受信干渉電力、想定雑音電力などの少なくとも１つに基づいて算出されてもよい。例えば、γＲＸ，ｍｉｎ
ＵＥｉは、以下の式１、２によって算出されてもよい。
【0078】
【数1】
【0079】
ここで、ＰＴＸ
ＢＳは基地局における端末局ＵＥｉへの送信信号の送信電力、ＬＢＳ→ＵＥｉ，ｐｒｅは基地局と端末局ＵＥｉとの間の想定伝搬損失（パスロス）、ＰＩＮ，ｍａｘ
ＵＥｉは端末局ＵＥｉにおける非再生中継信号に起因する想定干渉雑音電力の最大値である。また、ＰＴＸ，ｍａｘ
Ｒは中継局における送信電力の最大値、ＬＳＩ
Ｒは中継局の受信アンテナと送信アンテナとの間の伝搬損失、ＤＵＥｉは非再生中継信号の特定のスペクトルマスクから得られる値、ＰＮ
ＵＥｉは端末局ＵＥｉの雑音電力である。
【0080】
つまり、式１において、ＰＴＸ
ＢＳ－ＬＢＳ→ＵＥｉ，ｐｒｅが端末局ＵＥｉの想定受信信号電力に関連し、ＰＴＸ，ｍａｘ
Ｒ－ＬＳＩ
Ｒ－ＤＵＥｉが端末局ＵＥｉの想定受信干渉電力（伝搬損失最小かつ中継電力最大の場合）に関連し、ＰＮ
ＵＥｉが端末局ＵＥｉの想定雑音電力に関連する。
【0081】
図７は、γＲＸ，ｍｉｎ
ＵＥｉの算出のためのパラメータの一例を示す図である。端末局ＵＥｉにおける、基地局からの想定受信信号と、中継局の非再生中継信号のスペクトルマスクと、が示されている。式１、２からγＲＸ，ｍｉｎ
ＵＥｉが導出できることがわかる。
【0082】
図８は、ＤＵＥｉの値の一例を示す図である。非再生中継信号の送信スペクトルマスクは、周波数に依存して値が変動する。これは、非再生中継信号は、非再生中継に用いる周波数リソースから遠ざかると電力が弱まっていくためである。ＤＵＥｉは、周波数に依存してどれくらい非再生中継信号の電力が弱くなるかを示してもよい。
【0083】
あるリソースブロックｂ及び非再生中継に用いるリソースブロックｂＲ→ＵＥ（Ｒ）の周波数差分をΔｆ（ｂ、ｂＲ→ＵＥ（Ｒ））とおくと、Δｆ（ｂ、ｂＲ→ＵＥ（Ｒ））＝ｆｃ（ｂ）－ｆｃ（ｂＲ→ＵＥ（Ｒ））で求められてもよい。ここで、ｆｃ（ｂ）はリソースブロックｂの中心周波数であり、ｆｃ（ｂＲ→ＵＥ（Ｒ））はリソースブロックｂＲ→ＵＥ（Ｒ）の中心周波数である。
【0084】
図８に示されるのはＤＵＥｉ＝ＤＵＥｉ（Δｆ（ｂ、ｂＲ→ＵＥ（Ｒ）））であり、ＤＵＥｉ（Δｆ（ｂＲ→ＵＥ（Ｒ）、ｂＲ→ＵＥ（Ｒ）））＝ＤＵＥｉ（０）＝０となっている。
【0085】
なお、制御装置は、ＰＴＸ
ＢＳ、ＬＢＳ→ＵＥｉ，ｐｒｅ及びＰＴＸ，ｍａｘ
Ｒについて、値を知っていてもよい（予め記憶していてもよい）。制御装置は、ＰＴＸ
ＢＳを、基地局からの報告に基づいて判断してもよい（例えば、報告された値、又は報告される情報によって示される値であると判断してもよい）。制御装置は、ＬＳＩ
Ｒ／ＰＴＸ，ｍａｘ
ＢＳを、中継局からの報告に基づいて判断してもよい（例えば、報告された値、又は報告される情報によって示される値であると判断してもよい）。ＬＢＳ→ＵＥｉ，ｐｒｅは、基地局／端末局における過去の測定結果（具体的には、後述するＬＢＳ→ＵＥｉ）から導出されてもよい。
【0086】
制御装置は、ＤＵＥｉについて、上記特定のスペクトルマスクは代表的なスペクトルマスクであると判断してもよいし、端末局ＵＥｉからの測定結果の報告に基づいて判断してもよい。また、制御装置は、ＰＮ
ＵＥｉについて、代表的な（又は特定の）雑音電力であると判断してもよいし、端末局ＵＥｉからの測定結果の報告に基づいて判断してもよい。代表的なスペクトルマスク又は電力は、規格において予め定められてもよい（例えば、規格における要求スペクトルマスク又は要求電力値であってもよい）。なお、ＰＩＮ
ＵＥｉは複数の端末局ＵＥｉについて同じ（例えば、ＰＩＮ
ＵＥ０＝ＰＩＮ
ＵＥ１）であってもよいし、端末局ごとに異なってもよい。
【0087】
ステップＳ１０２において、制御装置は、中継局に対して、特定の端末局（端末局４０ａ。ＵＥ（Ｒ）と呼ばれてもよい）との通信において、半固定的なスロット割り当てによって非再生中継を行うことを指示する。この指示は、使用する周波数リソース（サブキャリア、リソースブロックなど）、時間リソース（例えば、タイミング、周期、ある時間を基準とするオフセットなど）、電力リソース（例えば、中継電力値として、絶対値又はある電力を基準とする相対値）などの少なくとも１つに関する情報（設定情報）を含んでもよい。
【0088】
ステップＳ１０３において、ステップＳ１０２において指示された中継局は、上記特定の端末局に関して非再生中継による中継通信を実施する。
【0089】
なお、中継局は、ステップＳ１０１において干渉が懸念されることが特定された端末局ＵＥｉに関する情報を、基地局（／制御装置）から通知されてもよい（例えば制御回線を介して）。当該情報は、端末局ＵＥｉを特定するための情報（例えば、ＵＥ識別子、無線ネットワーク一時識別子（Radio Network Temporary Identifier（ＲＮＴＩ）））を含んでもよいし、ＵＥｉの伝搬損失を計測することを指示する情報を含んでもよい。例えば、中継局は、ＵＥｉの伝搬損失を計測することを指示する情報を、基地局（／制御装置）から通知される場合、端末局ＵＥｉと中継局との間の伝搬損失であるＬＵＥｉ→Ｒを計測（測定）し、基地局（／制御装置）に報告してもよい。
【0090】
ステップＳ１０４において、制御装置は、中継局からの非再生中継と同じタイミングにおいて基地局からの信号を受信する（又はし得る）端末局ＵＥｉにおける想定受信ＳＩＮＲであるγＲＸ，
ＵＥｉを算出する。なお、端末局ＵＥｉは、非再生中継の直接の対象である上記特定の端末局とは異なる。
【0091】
γＲＸ
ＵＥｉは、端末局ＵＥｉの想定受信信号電力、想定受信干渉電力、想定雑音電力などの少なくとも１つに基づいて算出されてもよい。例えば、γＲＸ
ＵＥｉは、以下の式３－６に基づいて算出されてもよい。
【0092】
【数2】
【0093】
ここで、ＬＢＳ→ＵＥｉは基地局と端末局ＵＥｉとの間の伝搬損失、ＰＩＮ
ＵＥｉは端末局ＵＥｉにおける非再生中継信号に起因する想定干渉雑音電力である。また、ＰＴＸ
Ｒは中継局における送信電力、ＬＲ→ＵＥｉは中継局と端末局ＵＥｉとの間の伝搬損失、γＴＸ
Ｒは中継局から端末局ＵＥｉへの送信信号のＳＩＮＲである。さらに、γＲＸ
Ｒは中継局における基地局からの受信信号のＳＩＮＲであり、ＮＦＴＸ
Ｒは中継局の雑音指数（Noise Figure（ＮＦ））である。雑音指数は、入力信号対雑音電力比（Signal to Noise Ratio（ＳＮＲ））に対する出力ＳＮＲの比（＝入力ＳＮＲ／出力ＳＮＲ）に該当してもよい。また、ＬＢＳ→Ｒは基地局と中継局との間の伝搬損失、ＰＮ
Ｒは中継局における雑音電力である。
【0094】
図９は、γＲＸ
ＵＥｉの算出のためのパラメータの一例を示す図である。端末局ＵＥｉにおける、基地局からの（直接の）受信信号と、中継局から上記特定の端末局に非再生中継される信号の受信信号と、が示されている。式３－６からγＲＸ
ＵＥｉが導出できることがわかる。
【0095】
基地局は、中継局から送信される参照信号（Reference Signal（ＲＳ））に基づいて、中継局から基地局への伝搬損失ＬＲ→ＢＳを測定してもよい。基地局は、端末局ＵＥｉから送信される参照信号に基づいて、中継局から基地局への伝搬損失ＬＵＥｉ→ＢＳを測定してもよい。基地局は、これらの測定結果に関する情報を制御装置に通知してもよい。
【0096】
中継局は、端末局ＵＥｉから送信される参照信号に基づいて、端末局ＵＥｉから中継局への伝搬損失ＬＵＥｉ→Ｒを測定してもよい。中継局は、この測定結果に関する情報を、基地局を介して又は介さずに制御装置に通知してもよい。
【0097】
ＴＤＭが用いられる場合、ＬＢＳ→Ｒ＝ＬＲ→ＢＳであり、ＬＢＳ→ＵＥｉ＝ＬＵＥｉ→ＢＳであり、ＬＲ→ＵＥｉ＝ＬＵＥｉ→Ｒであると想定されてもよい。この場合、制御装置は、基地局／中継局から通知されるＬＲ→ＢＳ，ＬＵＥｉ→ＢＳ，ＬＵＥｉ→Ｒに関する情報に基づいて、式３－６において利用されるＬＢＳ→Ｒ，ＬＢＳ→ＵＥｉ，ＬＲ→ＵＥｉを導出してもよい。
【0098】
なお、制御装置は、基地局を介して、中継局／端末局ＵＥｉに対して、ＲＳ設定情報を通知してもよい。当該ＲＳ設定情報は、測定すべきＲＢの情報、ＲＳの送信タイミング（例えば、周期、あるタイミングからの時間オフセット）などの情報を含んでもよい。
【0099】
また、端末局ＵＥｉに通知されるＲＳ設定情報は、中継局にも通知されてもよい。この場合、中継局は端末局ＵＥｉから送信されるＲＳを適切に受信できる。
【0100】
なお、制御装置は、ＰＴＸ
Ｒを、中継局からの報告に基づいて判断してもよい（例えば、報告された値、又は報告される情報によって示される値であると判断してもよい）。制御装置は、ＰＮ
Ｒ
、ＮＦＴＸ
Ｒについて、それぞれ代表値（又は特定の値）であると判断してもよい。代表値は、規格において予め定められてもよい（例えば、規格における要求値であってもよい）。制御装置は、ＰＮ
Ｒを、端末局ＵＥｉからの測定結果の報告に基づいて判断してもよい。
【0101】
また、ステップＳ１０４において、制御装置は、端末局ＵＥｉにおける基地局からの受信信号の所望ＳＩＮＲであるγＤＥＳＩＲＥＤ
ＵＥｉを算出する。例えば、制御装置は、基地局が端末局ＵＥｉとの通信で利用する変調及び符号化方式（Modulation and Coding Scheme（ＭＣＳ））に基づいてγＤＥＳＩＲＥＤ
ＵＥｉを算出してもよい。制御装置は、当該ＭＣＳに関する情報を、基地局から通知されてもよい。当該ＭＣＳに関する情報は、ＰＤＳＣＨのためにＤＣＩを用いて端末局ＵＥｉに指示されるＭＣＳ（又はＭＣＳインデックス）であってもよい。
【0102】
ステップＳ１０５において、制御装置は、ステップＳ１０４で算出されたγＲＸ，
ＵＥｉ及びγＤＥＳＩＲＥＤ
ＵＥｉに基づいて、中継局の上記特定の端末局に対する非再生中継を停止するか否かを判断してもよい。例えば、制御装置は、停止条件（例えば、γＲＸ，
ＵＥｉ≦γＤＥＳＩＲＥＤ
ＵＥｉ＋Ｍ０
ＵＥｉ）が満たされる場合、中継局の非再生中継を停止すると判断してもよい。ここで、Ｍ０
ＵＥｉは端末局ＵＥｉについての停止条件のためのマージン（第１のマージン）であってもよく、正の値、０、負の値の少なくとも１つに該当してもよい。なお、本開示において、マージンは、オフセット、シフトなどと互いに読み替えられてもよい。
【0103】
中継局の非再生中継を停止すると判断された場合（ステップＳ１０５－Ｙｅｓ）、ステップＳ１０６において、制御装置は、中継局／端末局ＵＥｉに対して、上記特定の端末局に対する非再生中継の停止を通知してもよい。中継局は、非再生中継の停止の通知に応じて対応する非再生中継を停止してもよい。
【0104】
ステップＳ１０７において、制御装置は、ステップＳ１０６によって非再生中継が停止された中継局が仮に非再生中継を行った場合の、端末局ＵＥｉにおける想定受信ＳＩＮＲであるγＲＸ，
ＵＥｉを算出する。また、制御装置は、端末局ＵＥｉにおける基地局からの受信信号の所望ＳＩＮＲであるγＤＥＳＩＲＥＤ
ＵＥｉを算出する。これらの算出は、ステップＳ１０４と同様に実施されてもよい。
【0105】
ステップＳ１０８において、制御装置は、ステップＳ１０７で算出されたγＲＸ，
ＵＥｉ及びγＤＥＳＩＲＥＤ
ＵＥｉに基づいて、中継局の上記特定の端末局に対する非再生中継を再開するか否かを判断してもよい。例えば、制御装置は、再開条件であるγＲＸ，
ＵＥｉ≧γＤＥＳＩＲＥＤ
ＵＥｉ＋Ｍ１
ＵＥｉが満たされる場合、中継局の非再生中継を再開すると判断してもよい。ここで、Ｍ１
ＵＥｉは端末局ＵＥｉについての再開条件のためのマージン（第１のマージン）であってもよく、正の値、０、負の値の少なくとも１つに該当してもよい。なお、Ｍ１
ＵＥｉはＭ０
ＵＥｉより大きくてもよいし、同じでもよいし、小さくてもよい。
【0106】
Ｍ０
ＵＥｉ、Ｍ１
ＵＥｉなどは、上記特定の端末局に対する通信の優先度／トラフィック量、上記特定の端末局の位置、端末局ＵＥｉに対する通信の優先度／トラフィック量、端末局ＵＥｉの位置などの少なくとも１つに基づいて決定されてもよい。例えば、これらの少なくとも１つに基づいて、Ｍ０
ＵＥｉ及びＭ１
ＵＥｉの大小関係が決定されてもよい。
【0107】
中継局の非再生中継を再開すると判断された場合（ステップＳ１０８－Ｙｅｓ）、制御装置は、中継局／端末局ＵＥｉに対して、上記特定の端末局に対する非再生中継の再開を通知してもよい。中継局は、非再生中継の再開の通知に応じて対応する非再生中継を再開してもよい（ステップＳ１０３に戻る）。
【0108】
なお、中継局３０は、上記フローとは別に基地局２０／制御装置１０からの非再生中継の停止の指示があるか、非再生中継を開始してから又は特定のタイミングから一定時間が経過する場合、当該非再生中継を停止してもよい。
【0109】
本開示において、停止条件は第１の条件と呼ばれてもよいし、再開条件は第２の条件と呼ばれてもよい。なお、停止条件／再開条件は、予め規格において定められてもよいし、他の装置（例えば、基地局、ＮＦのノード）から通知されてもよいし、自身の能力に基づいて決定されてもよい。
【0110】
以上説明した第１の制御フローによれば、ある端末局に対する非再生中継に起因する別の端末局における干渉を考慮して、制御装置が好適に当該非再生中継の停止／再開を制御できる。
【0111】
（第２の制御フロー）
図１０は、本開示の一実施形態にかかる第２の制御フローの一例を示す図である。第２の制御フローは、中継局自身が非再生中継の停止／再開を判断する点が第１の制御フローと異なる。以下では、第１の制御フローと同様であって良いステップについては、繰り返し説明しない。例えば、ステップＳ２０１－Ｓ２０３は、それぞれステップＳ１０１－Ｓ１０３と同じであってもよい。
図１０は、本開示の一実施形態にかかる第２の制御フローの一例を示す図である。第２の制御フローは、中継局自身が非再生中継の停止／再開を判断する点が第１の制御フローと異なる。以下では、第１の制御フローと同様であって良いステップについては、繰り返し説明しない。例えば、ステップＳ２０１－Ｓ２０３は、それぞれステップＳ１０１－Ｓ１０３と同じであってもよい。
【0112】
ステップＳ２０４において、中継局は、端末局ＵＥｉにおける想定受信ＳＩＮＲであるγＲＸ，
ＵＥｉを算出する。例えば、γＲＸ
ＵＥｉは、上述の以下の式３－６に基づいて算出されてもよい。γＲＸ
ＵＥｉの算出のために用いられる情報の取得について以下で説明する。
【0113】
制御装置は、ＰＴＸ
ＢＳ、導出したＬＢＳ→Ｒ及びＬＢＳ→ＵＥｉ、算出したγＤＥＳＩＲＥＤ
ＵＥｉ、などを、中継局に通知してもよい。なお、これら全てが通知される必要はないし、例えば一部の情報は予め中継局に記憶されていてもよい。
【0114】
基地局は、中継局から送信される参照信号に基づいて、中継局から基地局への伝搬損失ＬＲ→ＢＳを測定してもよい。基地局は、端末局ＵＥｉから送信される参照信号に基づいて、中継局から基地局への伝搬損失ＬＵＥ→ＢＳを測定してもよい。基地局は、これらの測定結果に関する情報を制御装置に通知してもよい。
【0115】
なお、γＲＸ
Ｒは、式６に基づいて算出されてもよいし、制御装置（基地局）からの通知信号／参照信号に基づいて測定されてもよい。
【0116】
中継局は、ＰＮ
ＵＥｉ
、ＰＮ
Ｒ
、ＮＦＴＸ
Ｒなどについて、それぞれ代表値（又は特定の値）であると判断してもよい。代表値は、規格において予め定められてもよい（例えば、規格における要求値であってもよい）。制御装置は、ＰＮ
Ｒを、端末局ＵＥｉからの測定結果の報告に基づいて判断してもよい。
【0117】
中継局は、ＬＲ→ＵＥｉ＝ＬＵＥｉ→Ｒであると想定し、測定したＬＵＥｉ→ＲからＬＲ→ＵＥｉを導出してもよい。
【0118】
中継局は、以上説明した制御装置から通知される値、代表値、自身が測定／導出した値などに基づいてγＲＸ，
ＵＥｉを算出する。
【0119】
ステップＳ２０５において、中継局は、ステップＳ２０４で算出されたγＲＸ，
ＵＥｉ及びγＤＥＳＩＲＥＤ
ＵＥｉに基づいて、上記特定の端末局に対する非再生中継を停止するか否かを判断してもよい。例えば、中継局は、停止条件であるγＲＸ，
ＵＥｉ≦γＤＥＳＩＲＥＤ
ＵＥｉ＋Ｍ０
ＵＥｉが満たされる場合、当該中継局の非再生中継を停止すると判断してもよい。Ｍ０
ＵＥｉは、制御装置から通知されてもよいし、予め中継局に記憶されていてもよい。
【0120】
中継局の非再生中継を停止すると判断された場合（ステップＳ２０５－Ｙｅｓ）、ステップＳ２０６において、中継局は、上記特定の端末局に対する非再生中継を停止する。中継局は、制御装置／端末局ＵＥｉに対して、上記特定の端末局に対する非再生中継の停止を通知してもよい。制御装置は、非再生中継の停止の通知に基づいて、上記中継局の非再生中継に関する周波数リソース割り当てを更新／制御してもよい。例えば、制御装置は、上記中継局の非再生中継に利用する周波数リソースを、端末局ＵＥｉへの干渉が少なくなると期待される周波数リソースに変更し、ステップＳ１０２に戻って、特定の端末局との通信において変更された当該周波数リソースを用いて非再生中継を行うための指示を、上記中継局に対して送信してもよい。
【0121】
ステップＳ２０７において、中継局は、自中継局が仮に非再生中継を行った場合の、端末局ＵＥｉにおける想定受信ＳＩＮＲであるγＲＸ，
ＵＥｉを算出する。また、中継局は、端末局ＵＥｉにおける基地局からの受信信号の所望ＳＩＮＲであるγＤＥＳＩＲＥＤ
ＵＥｉを算出する。これらの算出は、ステップＳ２０４と同様に実施されてもよい。
【0122】
ステップＳ２０８において、中継局は、ステップＳ２０７で算出されたγＲＸ，
ＵＥｉ及びγＤＥＳＩＲＥＤ
ＵＥｉに基づいて、自中継局の上記特定の端末局に対する非再生中継を再開するか否かを判断してもよい。例えば、中継局は、再開条件であるγＲＸ，
ＵＥｉ≧γＤＥＳＩＲＥＤ
ＵＥｉ＋Ｍ１
ＵＥｉが満たされる場合、上記非再生中継を再開すると判断してもよい。ここで、Ｍ１
ＵＥｉは、制御装置から通知されてもよいし、予め中継局に記憶されていてもよい。
【0123】
非再生中継を再開すると判断された場合（ステップＳ２０８－Ｙｅｓ）、中継局は、非再生中継を再開してもよい（ステップＳ２０３に戻る）。また、中継局は、制御装置／端末局ＵＥｉに対して、上記特定の端末局に対する非再生中継の再開を通知してもよい。
【0124】
以上説明した第２の制御フローによれば、ある端末局に対する非再生中継に起因する別の端末局における干渉を考慮して、中継局が好適に当該非再生中継の停止／再開を制御できる。
【0125】
（第３の制御フロー）
図１１は、本開示の一実施形態にかかる第３の制御フローの一例を示す図である。第３の制御フローは、端末局からの受信品質情報に基づいて非再生中継の停止／再開を判断する点が第１、第２の制御フローと異なる。以下では、第１の制御フローと同様であって良いステップについては、繰り返し説明しない。例えば、ステップＳ３０１－Ｓ３０３、Ｓ３０５－Ｓ３０６は、それぞれステップＳ１０１－Ｓ１０３、Ｓ１０５－Ｓ１０６と同じであってもよい。
図１１は、本開示の一実施形態にかかる第３の制御フローの一例を示す図である。第３の制御フローは、端末局からの受信品質情報に基づいて非再生中継の停止／再開を判断する点が第１、第２の制御フローと異なる。以下では、第１の制御フローと同様であって良いステップについては、繰り返し説明しない。例えば、ステップＳ３０１－Ｓ３０３、Ｓ３０５－Ｓ３０６は、それぞれステップＳ１０１－Ｓ１０３、Ｓ１０５－Ｓ１０６と同じであってもよい。
【0126】
なお、第２の制御フローに基づいて、図１１の制御装置関連の処理を中継局関連の処理に置き換え、端末局からの受信品質情報に基づいて中継局が非再生中継の停止／再開を判断するように構成してもよい。
【0127】
ステップＳ３０４において、制御装置は、端末局ＵＥｉにおける受信ＳＩＮＲであるγＲＸ，
ＵＥｉを、端末局ＵＥｉから報告される受信品質情報に基づいて算出する。
【0128】
例えば、上記受信品質情報がＳＳ－ＳＩＮＲ／ＣＳＩ－ＳＩＮＲである場合、ＳＳ－ＳＩＮＲ／ＣＳＩ－ＳＩＮＲとして報告される値は、０以上１２７以下の整数値であってもよい。また、基地局は、図１２に示すＳＳ－ＳＩＮＲ測定レポートマッピング（３ＧＰＰ ＴＳ ３８．１３３のＴａｂｌｅ １０．１．１６．１－１と同じ）に基づいて、測定された品質を特定してもよい。例えば、ＳＳ－ＳＩＮＲ＝０が報告された場合、基地局は、測定されたＳＩＮＲ（＝γＲＸ，
ＵＥｉ）は－２３ｄＢ未満であると判断してもよい。
【0129】
なお、γＲＸ，
ＵＥｉ＝（報告された値／２）－２３［ｄＢ］であると求められてもよい。例えば、ＳＳ－ＳＩＮＲ＝０が報告された場合、基地局は、測定されたＳＩＮＲ（＝γＲＸ，
ＵＥｉ）＝－２３ｄＢであると判断してもよい。
【0130】
なお、上記の「１２７」、「－２３」などの数字は別の数字で読み替えられてもよい。
【0131】
なお、上記受信品質情報は、受信電力（例えば、Reference Signal Received Power（ＲＳＲＰ））、受信品質（例えば、Reference Signal Received Quality（ＲＳＲＱ）、ＳＩＮＲ、ＳＮＲ）、信号強度（例えば、Received Signal Strength Indicator（ＲＳＳＩ））、チャネル状態情報（Channel State Information Reference Signal（ＣＳＩ））、リンク品質指示子（Link Quality Indicator（ＬＱＩ））などの少なくとも１つを含んでもよい。
【0132】
また、ステップＳ３０４において、ステップＳ１０４と同様に制御装置は、端末局ＵＥｉにおける基地局からの受信信号の所望ＳＩＮＲであるγＤＥＳＩＲＥＤ
ＵＥｉを算出する。
【0133】
ステップＳ３０７において、制御装置は、ステップＳ３０６によって非再生中継が停止された中継局が仮に非再生中継を行った場合の、端末局ＵＥｉにおける想定受信ＳＩＮＲであるγＲＸ，
ＵＥｉ，１を算出する。γＲＸ
ＵＥｉ，１は、端末局ＵＥｉの想定受信信号電力、想定受信干渉電力、想定雑音電力などの少なくとも１つに基づいて算出されてもよい。例えば、γＲＸ
ＵＥｉ，１は、以下の式７－８に基づいて算出されてもよい。
【0134】
【数3】
【0135】
ここで、γＲＸ
ＵＥｉ，０は、非再生中継の使用がない（又は非再生中継が行われていない）タイミングでの端末局ＵＥｉにおける受信ＳＩＮＲである。ステップＳ３０７において、制御装置は、端末局ＵＥｉにおける受信ＳＩＮＲであるγＲＸ，
ＵＥｉ，０を、ステップＳ３０４と同様に、端末局ＵＥｉから報告される受信品質情報に基づいて算出してもよい。なお、式７のγＲＸ
ＵＥｉ，０と式８のγＲＸ
ＵＥｉ，０とは、測定タイミングが同じでもよいし、異なってもよい。例えば、式８のγＲＸ
ＵＥｉ，０はステップＳ３０６によって非再生中継が停止された直後に（又は最初に）端末局ＵＥｉから報告される受信品質情報に基づいて算出されてもよい。また、式７のγＲＸ
ＵＥｉ，０は、式８についての上述する受信品質情報より後に報告される受信品質情報に基づいて算出されてもよい。一方、γＲＸ，
ＵＥｉは、ステップＳ３０４において算出された値であってもよい。ＩＲ→ＵＥｉは、中継局の非再生中継が端末局ＵＥｉに与える想定受信干渉電力（干渉量）である。
【0136】
図１３は、ＩＲ→ＵＥｉの算出のためのパラメータの一例を示す図である。端末局ＵＥｉにおける、基地局からの（直接の）受信信号と、中継局から上記特定の端末局に非再生中継される信号の受信信号と、が示されている。なお、γＲＸ
ＵＥｉ，０の測定時においては、中継局から上記特定の端末局に非再生中継される信号の受信信号は存在しない。式８からＩＲ→ＵＥｉが導出できることがわかる。
【0137】
図１４は、γＲＸ
ＵＥｉ，１の算出のためのパラメータの一例を示す図である。端末局ＵＥｉにおける、基地局からの（直接の）受信信号と、中継局から上記特定の端末局に非再生中継される信号の受信信号と、が示されている。式７－８からγＲＸ
ＵＥｉ，１が導出できることがわかる。
【0138】
また、制御装置は、端末局ＵＥｉにおける基地局からの受信信号の所望ＳＩＮＲであるγＤＥＳＩＲＥＤ
ＵＥｉを算出する。この算出は、ステップＳ３０４と同様に実施されてもよい。
【0139】
ステップＳ３０８において、制御装置は、ステップＳ３０７で算出されたγＲＸ，
ＵＥｉ，１及びγＤＥＳＩＲＥＤ
ＵＥｉに基づいて、中継局の上記特定の端末局に対する非再生中継を再開するか否かを判断してもよい。例えば、制御装置は、再開条件であるγＲＸ，
ＵＥｉ，１≧γＤＥＳＩＲＥＤ
ＵＥｉ＋Ｍ１
ＵＥｉが満たされる場合、中継局の非再生中継を再開すると判断してもよい。
【0140】
中継局の非再生中継を再開すると判断された場合（ステップＳ３０８－Ｙｅｓ）、制御装置は、中継局／端末局ＵＥｉに対して、上記特定の端末局に対する非再生中継の再開を通知してもよい。中継局は、非再生中継の再開の通知に応じて対応する非再生中継を再開してもよい（ステップＳ３０３に戻る）。
【0141】
以上説明した第３の制御フローによれば、ある端末局に対する非再生中継に起因する別の端末局における干渉を考慮して、制御装置が好適に当該非再生中継の停止／再開を制御できる。
【0142】
（停止／再開の判断のバリエーション）
ステップＳ１０５、Ｓ１０８などで示したような、中継局における非再生中継の停止／再開に関するｎ（ｎは整数）番目の判断結果をＤＵＥｉ Ｒ（ｎ）∈｛０、１｝（例えば、０＝停止、１＝再開）とおくと、以下のような判断のバリエーションがある：（１）毎回の結果をそのまま適用（利用）する、（２）移動平均、（３）スイッチアンドステイ、（４）一定期間で同じ判断の回数が閾値以上になれば実際に適用。
ステップＳ１０５、Ｓ１０８などで示したような、中継局における非再生中継の停止／再開に関するｎ（ｎは整数）番目の判断結果をＤＵＥｉ Ｒ（ｎ）∈｛０、１｝（例えば、０＝停止、１＝再開）とおくと、以下のような判断のバリエーションがある：（１）毎回の結果をそのまま適用（利用）する、（２）移動平均、（３）スイッチアンドステイ、（４）一定期間で同じ判断の回数が閾値以上になれば実際に適用。
【0143】
上記（１）の場合、ＤＵＥｉ
Ｒ（ｎ）＝ＤＵＥｉ
Ｒ（ｎ）である。
【0144】
上記（２）の場合、例えば移動平均ウィンドウＷＭＡ（ウィンドウ長＝Ｌｗ）を利用して移動平均をとる。この場合、ＤＵＥｉ
Ｒ（ｎ）＝ＷＭＡ（ＤＵＥｉ
Ｒ（ｎ－Ｌｗ＋１：ｎ））であってもよく、ＷＭＡ（ＤＵＥｉ
Ｒ（ｎ－Ｌｗ＋１：ｎ））は下記式９で求められてもよい。ＤＵＥｉ
Ｒ（ｎ－Ｌｗ＋１：ｎ）は、ＤＵＥｉ
Ｒ（ｎ－Ｌｗ＋１）、…、ＤＵＥｉ
Ｒ（ｎ）を意味してもよい。
【0145】
【数4】
【0146】
なお、ａｉはウェイトであり、判断からの経過時間に基づいて変動してもよい。例えば、ａｉは、ｉが大きいほど（ｎに近いほど）、大きい値としてもよい。この場合、より最近の判断結果を重く扱うことができる。なお、式９における「０．５」は、他の実数値であてもよい。
【0147】
上記（３）の場合、下記式１０に示すように、過去Ｌｓｓ回の判断結果であるＤＵＥｉ
Ｒ（ｎ－Ｌｓｓ：ｎ－１）が全て、現時点の判断ＤＵＥｉ
Ｒ（ｎ）と異なる場合には、次回の判断ＤＵＥｉ
Ｒ（ｎ＋１）は強制的に過去Ｌｓｓ回の判断結果と同じにする。つまり、ｎ番目の判断で一旦非再生中継の停止／再開を切り替えるが、ｎ＋１の判断では以前の状態に戻す。
【0148】
【数5】
【0149】
上記（４）の場合、期間Ｔ内において同じ判断結果（現状態から変わる判断）が閾値Ｘ回以上発生した場合に、実際にその判断結果を有効なものとして扱い、そうでなければ非再生中継の状態は維持する。
【0150】
上記（１）－（４）のいずれを用いるか、及び、Ｌｗ，「他の実数値」、Ｌｓｓ、Ｔ、Ｘなどの値は、予め定められてもよいし、他の装置から与えられてもよいし、移動局の通信品質などに基づいて決定されてもよい。
【0151】
（制御フローのバリエーション）
上述の制御フローでは、中継局が１つかつ非再生中継が１つの端末局だけに送信されるケースを例示したが、本開示の適用範囲はこれに限られない。中継局が複数の場合、１つの中継局から非再生中継が複数の端末局に送信される場合、などにも、上述の第１／第２／第３の制御フローを変形して適用することができる。
上述の制御フローでは、中継局が１つかつ非再生中継が１つの端末局だけに送信されるケースを例示したが、本開示の適用範囲はこれに限られない。中継局が複数の場合、１つの中継局から非再生中継が複数の端末局に送信される場合、などにも、上述の第１／第２／第３の制御フローを変形して適用することができる。
【0152】
例えば、中継局が複数の場合、ステップＳ１０１において、ＰＩＮ，ｍａｘ
ＵＥｉは、式２の代わりに以下の式１１を用いて算出されてもよい。
【0153】
【数6】
【0154】
ここで、ＮＲは非再生中継を実施しようとしている中継局数、ＰＴＸ，ｍａｘ
Ｒｊは中継局Ｒｊにおける送信電力の最大値、ＬＳＩ
Ｒｊは中継局Ｒｊの受信アンテナと送信アンテナとの間の伝搬損失、ＤＵＥｉ
Ｒｊは中継局Ｒｊの非再生中継信号の特定のスペクトルマスクから得られる値である。ＰＴＸ，ｍａｘ
Ｒｊ、ＬＳＩ
Ｒｊ、ＤＵＥｉ
Ｒｊは、それぞれ第１の制御フローで説明した、ＰＴＸ，ｍａｘ
Ｒ、ＬＳＩ
Ｒ、ＤＵＥｉと同様に取得／特定されてもよい。
【0155】
図１５は、中継局Ｒ１とＲ２が非再生中継を実施しようとしている場合のγＲＸ，ｍｉｎ
ＵＥｉの算出のためのパラメータの一例を示す図である。本例では、ＰＴＸ，ｍａｘ
Ｒ１＝ＰＴＸ，ｍａｘ
Ｒ２＝ＰＴＸ，ｍａｘ
Ｒと想定している。式１、１１からγＲＸ，ｍｉｎ
ＵＥｉが導出できることがわかる。
【0156】
なお、同じ端末局に対して、複数の中継局が非再生中継を行ってもよい。例えば、複数の中継局が同じ周波数を用いて、同じ端末局に対して非再生中継を行ってもよい。
【0157】
中継局が複数の場合、ステップＳ１０２以降のステップについての中継局は、当該複数の中継局のそれぞれで読み替えられればよい。例えば、ステップＳ１０２、Ｓ１０３において、制御装置は、当該複数の中継局に対して非再生中継の指示を行い、当該複数の中継局は非再生中継を実施する。
【0158】
中継局が複数の場合、ステップＳ１０４、Ｓ１０７において、ＰＩＮ
ＵＥｉは、式４－６の代わりに以下の式１２－１４を用いて算出されてもよい。
【0159】
【数7】
【0160】
ここで、ＰＴＸ
Ｒｊは中継局Ｒｊにおける送信電力、ＬＲｊ→ＵＥｉは中継局Ｒｊと端末局ＵＥｉとの間の伝搬損失、γＴＸ
Ｒｊは中継局Ｒｊから端末局ＵＥｉへの送信信号のＳＩＮＲである。さらに、γＲＸ
Ｒｊは中継局Ｒｊにおける基地局からの受信信号のＳＩＮＲであり、ＮＦＴＸ
Ｒｊは中継局ＲｊのＮＦである。また、ＬＢＳ→Ｒｊは基地局と中継局Ｒｊとの間の伝搬損失、ＰＮ
Ｒｊは中継局Ｒｊにおける雑音電力である。
【0161】
図１６は、中継局Ｒ１とＲ２が非再生中継を実施する場合のγＲＸ
ＵＥｉの算出のためのパラメータの一例を示す図である。式３、１２－１４からγＲＸ
ＵＥｉが導出できることがわかる。
【0162】
なお、ステップＳ１０６、ステップＳ１０８－Ｙｅｓなどにおいて、非再生中継の停止／再開は、ＮＲ個の中継局全てを対象としてもよいし、ＮＲ個の中継局のうち特定の中継局のみを対象としてもよい。後者の場合、特定の中継局以外の非再生中継通信を継続することができ、それらを受信する端末局の通信品質を確保できる。例えば、ＮＲ個の中継局のうち、非再生中継の停止の対象は、停止条件（例えば、γＲＸ，
ＵＥｉ≦γＤＥＳＩＲＥＤ
ＵＥｉ＋Ｍ０
ＵＥｉ）が満たされなくなるまで、端末局ＵＥｉに与える干渉が大きい方から順に選択されてもよい（選択された中継局の干渉はγＲＸ，
ＵＥｉから除いていく）。
【0163】
なお、１つの中継局から非再生中継が複数の端末局に送信される場合についても、ここまでの述べた中継局が複数の場合と同様に、それぞれの送信信号などを考慮して同様の制御フローが実現できることは、当業者であれば当然理解できる。
【0164】
以上説明した制御フローのバリエーションによれば、複数の中継局／端末局の非再生中継に起因する別の端末局における干渉を考慮して、制御装置／中継局が好適に当該非再生中継の停止／再開を制御できる。
【0165】
＜補足＞
本開示において、停止／再開される非再生中継は、下りリンク通信を想定するが、これに限られず、上りリンク通信だけが停止／再開されてもよいし、上りリンク通信及び下りリンク通信の両方が停止／再開されてもよい。
本開示において、停止／再開される非再生中継は、下りリンク通信を想定するが、これに限られず、上りリンク通信だけが停止／再開されてもよいし、上りリンク通信及び下りリンク通信の両方が停止／再開されてもよい。
【0166】
本開示において、基地局２０から端末局４０ｂに送信される信号の周波数リソースと、中継局３０から端末局４０ａに送信される非再生中継信号の周波数リソースと、は、重複しなくてもよいし、一部又は全部が重複してもよい。
【0167】
本開示において、非再生中継の停止／再開の通知は、非再生中継の停止／再開を明示的に示す情報の通知であってもよいし、暗示的に示す情報／信号の通知であってもよい。
【0168】
本開示において、上述した制御フローの非再生中継の停止／再開は、ＳＩＮＲに基づいて制御される例を示したが、これに限られない。上述した制御フローのＳＩＮＲは、任意の受信電力／受信品質／信号強度に関するメトリック、ＣＳＩ、ＬＱＩなどのいずれか又はこれらの組み合わせと互いに読み替えられてもよい。
【0169】
本開示において、測定結果（ＳＩＮＲなど）は、特定のレイヤ（例えば、レイヤ１（Layer 1）、レイヤ３（Layer 3））における測定結果に該当してもよい。例えば、任意の測定結果は、レイヤ１（Ｌ１－）、レイヤ３（Ｌ３－）などを付された測定結果と互いに読み替えられてもよい。
【0170】
本開示において、リソースブロック（Resource Block（ＲＢ））、サブキャリア、リソースエレメント、サブバンド、リソースブロックグループ、物理ＲＢ（Physical RB（ＰＲＢ））、共通ＲＢ（Common RB（ＣＲＢ））、仮想ＲＢ（Virtual RB（ＶＲＢ））、リソースブロックセット、周波数帯、帯域幅、周波数帯域幅、周波数バンド、周波数レンジ、周波数リソース、周波数ドメインリソース、などと互いに読み替えられてもよい。
【0171】
本開示において示した数式は、任意の係数／変数／項に対して任意の値との所定の演算（例えば、加算、減算、乗算、除算）を適用した数式と互いに読み替えられてもよい。また、本開示において示した数式は、任意の係数／変数／項が削除された数式と互いに読み替えられてもよい。
【0172】
本開示において、基地局／中継局／端末局における測定は、参照信号、同期信号（Synchronization Signal（ＳＳ））、チャネルの少なくとも１つに基づいて実施されてもよい。本開示において、非再生中継が停止／終了している場合であっても、基地局／中継局／端末局における測定は実施されてもよい（測定のための参照信号／同期信号／チャネルも送信されてもよい）。
【0173】
参照信号としては、下りリンク参照信号（Downlink Reference Signal（ＤＬ－ＲＳ））、上りリンク参照信号（Uplink Reference Signal（ＵＬ－ＲＳ））などが用いられてもよい。
【0174】
上りリンクチャネルは、物理上りリンク共有チャネル（Physical Uplink Shared Channel（ＰＵＳＣＨ））、物理上りリンク制御チャネル（Physical Uplink Control Channel（ＰＵＣＣＨ））、物理ランダムアクセスチャネル（Physical Random Access Channel（ＰＲＡＣＨ））などであってもよい。
【0175】
下りリンクチャネルは、物理下りリンク共有チャネル（Physical Downlink Shared Channel（ＰＤＳＣＨ））、物理下りリンク制御チャネル（Physical Downlink Control Channel（ＰＤＣＣＨ））、物理ブロードキャストチャネル（Physical Broadcast Channel（ＰＢＣＨ））などであってもよい。
【0176】
ＤＬ－ＲＳは、チャネル状態情報参照信号（Channel State Information Reference Signal（ＣＳＩ－ＲＳ））、復調用参照信号（DeModulation Reference Signal（ＤＭＲＳ））、位置決定参照信号（Positioning Reference Signal（ＰＲＳ））、位相トラッキング参照信号（Phase Tracking Reference Signal（ＰＴＲＳ））、セル固有参照信号（Cell-specific Reference Signal（ＣＲＳ））などであってもよい。
【0177】
なお、ＣＳＩ－ＲＳは、ノンゼロパワー（Non Zero Power（ＮＺＰ））ＣＳＩ－ＲＳ、干渉測定用のＮＺＰ ＣＳＩ－ＲＳ、ＣＳＩ－干渉測定（Interference Measurement（ＩＭ））、ゼロパワー（Zero Power（ＺＰ））ＣＳＩ－ＲＳなどと互いに読み替えられてもよい。
【0178】
ＵＬ－ＲＳは、測定用参照信号（Sounding Reference Signal（ＳＲＳ））、復調用参照信号（ＤＭＲＳ）、ＰＲＳ、ＰＴＲＳなどであってもよい。
【0179】
なお、ＤＭＲＳはユーザ端末固有参照信号（UE-specific Reference Signal）と呼ばれてもよく、チャネルごとに異なるＤＭＲＳが用いられてもよい（例えば、ＰＵＳＣＨ ＤＭＲＳ、ＰＵＣＣＨ ＤＭＲＳ、ＰＤＳＣＨ ＤＭＲＳ、ＰＤＣＣＨ ＤＭＲＳ、ＰＢＣＨ ＤＭＲＳなどが用いられてもよい）。
【0180】
同期信号は、例えば、プライマリ同期信号（Primary Synchronization Signal（ＰＳＳ））及びセカンダリ同期信号（Secondary Synchronization Signal（ＳＳＳ））の少なくとも１つであってもよい。ＳＳ（ＰＳＳ、ＳＳＳ）及びＰＢＣＨ（及びＰＢＣＨ ＤＭＲＳ）を含む信号ブロックは、ＳＳ／ＰＢＣＨブロック、SS Block（ＳＳＢ）などと呼ばれてもよい。なお、ＳＳ、ＳＳＢなども、参照信号と呼ばれてもよい。
【0181】
（各実施形態の適用について）
上述の実施形態の少なくとも１つは、特定の条件を満たす場合に適用されてもよい。当該特定の条件は、規格において規定されてもよいし、上位レイヤシグナリング／物理レイヤシグナリングを用いて任意の装置に通知されてもよい。
上述の実施形態の少なくとも１つは、特定の条件を満たす場合に適用されてもよい。当該特定の条件は、規格において規定されてもよいし、上位レイヤシグナリング／物理レイヤシグナリングを用いて任意の装置に通知されてもよい。
【0182】
また、上述の実施形態の少なくとも１つは、任意の装置が上位レイヤシグナリング／物理レイヤシグナリングによって、上述の実施形態に関連する特定の情報（又は上述の実施形態の動作を実施すること）を設定／アクティベート／トリガされた場合に適用されてもよい。例えば、当該特定の情報は、ＳＩＮＲに基づく非再生中継の停止／再開制御を有効化することを示す情報、特定のリリース（例えば、Ｒｅｌ．１８／１９）向けの任意のＲＲＣパラメータなどであってもよい。
【0183】
＜変形例＞
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0184】
本開示において、装置、回路、デバイス、部（section）、ユニットなどの文言は、互いに読み替えることができる。
【0185】
本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスによって指示されてもよい。
【0186】
本開示においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式などは、本開示において明示的に開示したものと異なってもよい。
【0187】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0188】
入出力された情報、信号などは、特定の場所（例えば、メモリ）に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
【0189】
本開示において説明した任意の情報（例えば、任意のパラメータ／変数に関する情報）は、本開示中の任意の装置間で通知されてもよい。また、本開示において、情報の通知は、本開示において説明した態様／実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。
【0190】
例えば、本開示における情報の通知は、物理レイヤシグナリング（例えば、下りリンク制御情報（Downlink Control Information（ＤＣＩ））、上りリンク制御情報（Uplink Control Information（ＵＣＩ）））、上位レイヤシグナリング（例えば、Radio Resource Control（ＲＲＣ）シグナリング、ブロードキャスト情報（マスタ情報ブロック（Master Information Block（ＭＩＢ））、システム情報ブロック（System Information Block（ＳＩＢ））など）、Medium Access Control（ＭＡＣ）シグナリング）、特定のインターフェース（Ｘ２インターフェース、Ｓ１インターフェース、ＮＧインターフェースなど）のシグナリング、その他の信号／チャネル（例えば、参照信号）又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
【0191】
なお、物理レイヤシグナリングは、Layer 1／Layer 2（Ｌ１／Ｌ２）制御情報（Ｌ１／Ｌ２制御信号）、Ｌ１制御情報（Ｌ１制御信号）などと呼ばれてもよい。また、ＲＲＣシグナリングは、ＲＲＣメッセージと呼ばれてもよく、例えば、ＲＲＣ接続セットアップ（RRC Connection Setup）メッセージ、ＲＲＣ接続再構成（RRC Connection Reconfiguration）メッセージなどであってもよい。また、ＭＡＣシグナリングは、例えば、ＭＡＣ制御要素（ＭＡＣ Control Element（ＣＥ））を用いて通知されてもよい。
【0192】
また、所定の情報の通知（例えば、「Ｘであること」の通知）は、明示的な通知に限られず、暗示的に（例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって）行われてもよい。
【0193】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0194】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術（同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線（Digital Subscriber Line（ＤＳＬ））など）及び無線技術（赤外線、マイクロ波など）の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0195】
本開示においては、「基地局（Base Station（ＢＳ））」、「無線基地局」、「中継局」、「固定局（fixed station）」、「ＮｏｄｅＢ」、「ｅＮＢ（ｅＮｏｄｅＢ）」、「ｇＮＢ（ｇＮｏｄｅＢ）」、「アクセスポイント（access point）」、「送信ポイント（Transmission Point（ＴＰ））」、「受信ポイント（Reception Point（ＲＰ））」、「送受信ポイント（Transmission/Reception Point（ＴＲＰ））」、「パネル」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0196】
本開示においては、「移動局（Mobile Station（ＭＳ））」、「ユーザ端末（user terminal）」、「ユーザ機器（User Equipment（ＵＥ））」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0197】
本開示における任意の装置は、センサなどのInternet of Things（ＩｏＴ）機器であってもよい。
【0198】
本開示における任意の装置は、送信装置、受信装置、無線通信装置などと呼ばれてもよい。本開示における任意の装置は、移動可能な物体である移動体（moving object）に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、例えば、車両、輸送車両、自動車、自動二輪車、自転車、コネクテッドカー、ショベルカー、ブルドーザー、ホイールローダー、ダンプトラック、フォークリフト、列車、バス、リヤカー、人力車、船舶（ship and other watercraft）、飛行機、ロケット、人工衛星、ドローン、マルチコプター、クアッドコプター、気球及びこれらに搭載される物を含み、またこれらに限られない。また、当該移動体は、自律走行／自動運転してもよい。
【0199】
本開示において説明した各態様／実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本開示において説明した各態様／実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0200】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0201】
本開示において使用する「第１の」、「第２の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、２つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第１及び第２の要素の参照は、２つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第１の要素が第２の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0202】
本開示において使用する「接続された（connected）」、「結合された（coupled）」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、２又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された２つの要素間に１又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的であっても、論理的であっても、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。要素間の結合又は接続は、有線及び無線の少なくとも一方を介した接続であってもよい。
【0203】
本開示において、「ＡとＢが異なる」という用語は、「ＡとＢが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「ＡとＢがそれぞれＣと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0204】
本開示において、「含む（include）」、「含んでいる（including）」及びこれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える（comprising）」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は（or）」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0205】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳によって冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0206】
本開示において、「決定」、「判断」、「判定」、「選択」、「計算」、「算出」、「処理」、「導出」、「探索」、「確認」、「想定」、「期待」などに関する文言は、互いに読み替えられてもよい。
【0207】
本開示において、「以下」、「未満」、「以上」、「より多い」、「と等しい」などは、互いに読み替えられてもよい。また、本開示において、「良い」、「悪い」、「大きい」、「小さい」、「高い」、「低い」、「早い」、「遅い」、「広い」、「狭い」、などを意味する文言は、原級、比較級及び最上級に限らず互いに読み替えられてもよい。また、本開示において、「良い」、「悪い」、「大きい」、「小さい」、「高い」、「低い」、「早い」、「遅い」、「広い」、「狭い」などを意味する文言は、「ｉ番目に」（ｉは任意の整数）を付けた表現として、原級、比較級及び最上級に限らず互いに読み替えられてもよい（例えば、「最高」は「ｉ番目に最高」と互いに読み替えられてもよい）。
【0208】
本開示において、「の（of）」、「のための（for）」、「に関する（regarding）」、「に関係する（related to）」、「に関連付けられる（associated with）」などは、互いに読み替えられてもよい。
【0209】
以上、本開示に係る発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示に係る発明が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に係る発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。
【0210】
＜付記＞
本開示の一実施形態に関して、以下の発明を付記する。
［付記１］
中継局を介した基地局と第１の端末局との間の非再生中継による干渉が懸念される第２の端末局を特定する制御部と、
前記非再生中継が行われるタイミングにおいて、前記基地局から前記第２の端末局に受信される信号の受信信号対干渉雑音電力比（Signal to Interference plus Noise Ratio（ＳＩＮＲ））に関連する第１の条件が満たされる場合に、前記中継局に対して前記非再生中継の停止を通知する通信部と、を有する制御装置。
［付記２］
前記制御部は、前記非再生中継が行われるタイミングの想定される前記受信ＳＩＮＲの最悪値に基づいて、前記第２の端末局を特定する付記１に記載の制御装置。
［付記３］
前記制御部は、前記受信ＳＩＮＲの最悪値を、前記第２の端末局における前記非再生中継に起因する想定される干渉雑音電力の最大値に基づいて算出する付記２に記載の制御装置。
［付記４］
前記第１の条件は、前記非再生中継が行われるタイミングの想定される前記受信ＳＩＮＲと、所望ＳＩＮＲ及び第１のマージンと、に基づく付記１から付記３のいずれかに記載の制御装置。
［付記５］
前記通信部は、前記非再生中継が停止されている場合、かつ、前記非再生中継が仮に行われるとしたときの想定される前記受信ＳＩＮＲに関連する第２の条件が満たされる場合に、前記中継局に対して前記非再生中継の再開を通知する付記４に記載の制御装置。
［付記６］
前記第２の条件は、前記非再生中継が仮に行われるとしたときの想定される前記受信ＳＩＮＲと、所望ＳＩＮＲ及び第２のマージンと、に基づく付記５に記載の制御装置。
［付記７］
前記制御部は、前記受信ＳＩＮＲを、前記第２の端末局における前記非再生中継に起因する想定される干渉雑音電力に基づいて算出する付記４から付記６のいずれかに記載の制御装置。
［付記８］
前記第１の条件は、前記第２の端末局から報告される受信品質情報に基づいて算出される前記受信ＳＩＮＲと、所望ＳＩＮＲ及び第１のマージンと、に基づく付記１に記載の制御装置。
［付記９］
中継局であって、
前記中継局を介した基地局と第１の端末局との間の非再生中継による干渉が懸念される第２の端末局に関する情報を受信する通信部と、
前記非再生中継が行われるタイミングにおいて、前記基地局から前記第２の端末局に受信される信号の受信信号対干渉雑音電力比（Signal to Interference plus Noise Ratio（ＳＩＮＲ））に関連する第１の条件が満たされる場合に、前記非再生中継の停止を決定する制御部と、を有する中継局。
［付記１０］
前記第２の端末局は、前記非再生中継が行われるタイミングの想定される前記受信ＳＩＮＲの最悪値に基づいて特定される付記９に記載の中継局。
［付記１１］
前記受信ＳＩＮＲの最悪値は、前記第２の端末局における前記非再生中継に起因する想定される干渉雑音電力の最大値に基づいて算出される付記１０に記載の中継局。
［付記１２］
前記第１の条件は、前記非再生中継が行われるタイミングの想定される前記受信ＳＩＮＲと、所望ＳＩＮＲ及び第１のマージンと、に基づく付記９から付記１１のいずれかに記載の中継局。
［付記１３］
前記制御部は、前記非再生中継が停止されている場合、かつ、前記非再生中継が仮に行われるとしたときの想定される前記受信ＳＩＮＲに関連する第２の条件が満たされる場合に、前記非再生中継の再開を決定する付記１２に記載の中継局。
［付記１４］
前記第２の条件は、前記非再生中継が仮に行われるとしたときの想定される前記受信ＳＩＮＲと、所望ＳＩＮＲ及び第２のマージンと、に基づく付記１３に記載の中継局。
［付記１５］
前記受信ＳＩＮＲは、前記第２の端末局における前記非再生中継に起因する想定される干渉雑音電力に基づいて算出される付記１２から付記１４のいずれかに記載の中継局。
［付記１６］
中継局を介した基地局と第１の端末局との間の非再生中継による干渉が懸念される第２の端末局を特定するステップと、
前記非再生中継が行われるタイミングにおいて、前記基地局から前記第２の端末局に受信される信号の受信信号対干渉雑音電力比（Signal to Interference plus Noise Ratio（ＳＩＮＲ））に関連する第１の条件が満たされる場合に、前記中継局に対して前記非再生中継の停止を通知するステップと、を有する制御装置の制御方法。
本開示の一実施形態に関して、以下の発明を付記する。
［付記１］
中継局を介した基地局と第１の端末局との間の非再生中継による干渉が懸念される第２の端末局を特定する制御部と、
前記非再生中継が行われるタイミングにおいて、前記基地局から前記第２の端末局に受信される信号の受信信号対干渉雑音電力比（Signal to Interference plus Noise Ratio（ＳＩＮＲ））に関連する第１の条件が満たされる場合に、前記中継局に対して前記非再生中継の停止を通知する通信部と、を有する制御装置。
［付記２］
前記制御部は、前記非再生中継が行われるタイミングの想定される前記受信ＳＩＮＲの最悪値に基づいて、前記第２の端末局を特定する付記１に記載の制御装置。
［付記３］
前記制御部は、前記受信ＳＩＮＲの最悪値を、前記第２の端末局における前記非再生中継に起因する想定される干渉雑音電力の最大値に基づいて算出する付記２に記載の制御装置。
［付記４］
前記第１の条件は、前記非再生中継が行われるタイミングの想定される前記受信ＳＩＮＲと、所望ＳＩＮＲ及び第１のマージンと、に基づく付記１から付記３のいずれかに記載の制御装置。
［付記５］
前記通信部は、前記非再生中継が停止されている場合、かつ、前記非再生中継が仮に行われるとしたときの想定される前記受信ＳＩＮＲに関連する第２の条件が満たされる場合に、前記中継局に対して前記非再生中継の再開を通知する付記４に記載の制御装置。
［付記６］
前記第２の条件は、前記非再生中継が仮に行われるとしたときの想定される前記受信ＳＩＮＲと、所望ＳＩＮＲ及び第２のマージンと、に基づく付記５に記載の制御装置。
［付記７］
前記制御部は、前記受信ＳＩＮＲを、前記第２の端末局における前記非再生中継に起因する想定される干渉雑音電力に基づいて算出する付記４から付記６のいずれかに記載の制御装置。
［付記８］
前記第１の条件は、前記第２の端末局から報告される受信品質情報に基づいて算出される前記受信ＳＩＮＲと、所望ＳＩＮＲ及び第１のマージンと、に基づく付記１に記載の制御装置。
［付記９］
中継局であって、
前記中継局を介した基地局と第１の端末局との間の非再生中継による干渉が懸念される第２の端末局に関する情報を受信する通信部と、
前記非再生中継が行われるタイミングにおいて、前記基地局から前記第２の端末局に受信される信号の受信信号対干渉雑音電力比（Signal to Interference plus Noise Ratio（ＳＩＮＲ））に関連する第１の条件が満たされる場合に、前記非再生中継の停止を決定する制御部と、を有する中継局。
［付記１０］
前記第２の端末局は、前記非再生中継が行われるタイミングの想定される前記受信ＳＩＮＲの最悪値に基づいて特定される付記９に記載の中継局。
［付記１１］
前記受信ＳＩＮＲの最悪値は、前記第２の端末局における前記非再生中継に起因する想定される干渉雑音電力の最大値に基づいて算出される付記１０に記載の中継局。
［付記１２］
前記第１の条件は、前記非再生中継が行われるタイミングの想定される前記受信ＳＩＮＲと、所望ＳＩＮＲ及び第１のマージンと、に基づく付記９から付記１１のいずれかに記載の中継局。
［付記１３］
前記制御部は、前記非再生中継が停止されている場合、かつ、前記非再生中継が仮に行われるとしたときの想定される前記受信ＳＩＮＲに関連する第２の条件が満たされる場合に、前記非再生中継の再開を決定する付記１２に記載の中継局。
［付記１４］
前記第２の条件は、前記非再生中継が仮に行われるとしたときの想定される前記受信ＳＩＮＲと、所望ＳＩＮＲ及び第２のマージンと、に基づく付記１３に記載の中継局。
［付記１５］
前記受信ＳＩＮＲは、前記第２の端末局における前記非再生中継に起因する想定される干渉雑音電力に基づいて算出される付記１２から付記１４のいずれかに記載の中継局。
［付記１６］
中継局を介した基地局と第１の端末局との間の非再生中継による干渉が懸念される第２の端末局を特定するステップと、
前記非再生中継が行われるタイミングにおいて、前記基地局から前記第２の端末局に受信される信号の受信信号対干渉雑音電力比（Signal to Interference plus Noise Ratio（ＳＩＮＲ））に関連する第１の条件が満たされる場合に、前記中継局に対して前記非再生中継の停止を通知するステップと、を有する制御装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】