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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025859
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】制御装置、中継局及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/0453 20230101AFI20250214BHJP
   H04W 16/26 20090101ALI20250214BHJP
【FI】
H04W72/0453
H04W16/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023131051
(22)【出願日】2023-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】301022471
【氏名又は名称】国立研究開発法人情報通信研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】滝沢 賢一
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA03
5K067CC02
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
5K067EE16
(57)【要約】
【課題】非再生中継を利用する場合に適切に通信を実施すること。
【解決手段】本開示の一態様に係る制御装置は、中継局から基地局への上りリンク非再生中継通信を第1の周波数リソースにおいて行い、前記中継局から第1の端末局への下りリンク非再生中継通信を第2の周波数リソースにおいて行う場合に、前記基地局と第2の端末局との間の第3の周波数リソースを用いる通信に対する干渉を最小化するように、周波数リソース候補から前記第1の周波数リソース及び前記第2の周波数リソースを選定する制御部と、選定した前記第1の周波数リソースに関する情報を前記中継局に送信し、選定した前記第2の周波数リソースに関する情報を前記第1の端末局に送信する通信部と、を有する。
【選択図】図7

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中継局から基地局への上りリンク非再生中継通信を第1の周波数リソースにおいて行い、前記中継局から第1の端末局への下りリンク非再生中継通信を第2の周波数リソースにおいて行う場合に、前記基地局と第2の端末局との間の第3の周波数リソースを用いる通信に対する干渉を最小化するように、周波数リソース候補から前記第1の周波数リソース及び前記第2の周波数リソースを選定する制御部と、
選定した前記第1の周波数リソースに関する情報を前記中継局に送信し、選定した前記第2の周波数リソースに関する情報を前記第1の端末局に送信する通信部と、を有する制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記干渉を、前記第1の周波数リソースにおける前記上りリンク非再生中継通信の前記基地局における受信電力と、前記第3の周波数リソース及び前記第1の周波数リソースの差分に基づく干渉レベルと、前記第2の周波数リソースにおける前記下りリンク非再生中継通信の前記第1の端末局における受信電力と、前前記第3の周波数リソース及び前記第2の周波数リソースの差分に基づく干渉レベルと、に基づいて算出する請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記上りリンク非再生中継通信の受信信号対干渉雑音電力比(Signal to Interference plus Noise Ratio(SINR))に関連する第1の条件が満たされるという制約に基づいて、前記干渉を最小化する請求項1又は請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記下りリンク非再生中継通信の受信信号対干渉雑音電力比(Signal to Interference plus Noise Ratio(SINR))に関連する第2の条件が満たされるという制約に基づいて、前記干渉を最小化する請求項1又は請求項2に記載の制御装置。
【請求項5】
中継局であって、
前記中継局から基地局への上りリンク非再生中継通信を第1の周波数リソースにおいて行い、前記中継局から第1の端末局への下りリンク非再生中継通信を第2の周波数リソースにおいて行う場合に、前記基地局と第2の端末局との間の第3の周波数リソースを用いる通信に対する干渉を最小化するように、周波数リソース候補から前記第1の周波数リソース及び前記第2の周波数リソースを選定する制御部と、
選定した前記第1の周波数リソースに関する情報を前記基地局に送信し、選定した前記第2の周波数リソースに関する情報を前記第1の端末局に送信する通信部と、を有する中継局。
【請求項6】
前記制御部は、前記干渉を、前記第1の周波数リソースにおける前記上りリンク非再生中継通信の前記基地局における受信電力と、前記第3の周波数リソース及び前記第1の周波数リソースの差分に基づく干渉レベルと、前記第2の周波数リソースにおける前記下りリンク非再生中継通信の前記第1の端末局における受信電力と、前前記第3の周波数リソース及び前記第2の周波数リソースの差分に基づく干渉レベルと、に基づいて算出する請求項5に記載の中継局。
【請求項7】
前記制御部は、前記上りリンク非再生中継通信の受信信号対干渉雑音電力比(Signal to Interference plus Noise Ratio(SINR))に関連する第1の条件が満たされるという制約に基づいて、前記干渉を最小化する請求項5又は請求項6に記載の中継局。
【請求項8】
前記制御部は、前記下りリンク非再生中継通信の受信信号対干渉雑音電力比(Signal to Interference plus Noise Ratio(SINR))に関連する第2の条件が満たされるという制約に基づいて、前記干渉を最小化する請求項5又は請求項6に記載の中継局。
【請求項9】
中継局から基地局への上りリンク非再生中継通信を第1の周波数リソースにおいて行い、前記中継局から第1の端末局への下りリンク非再生中継通信を第2の周波数リソースにおいて行う場合に、前記基地局と第2の端末局との間の第3の周波数リソースを用いる通信に対する干渉を最小化するように、周波数リソース候補から前記第1の周波数リソース及び前記第2の周波数リソースを選定するステップと、
選定した前記第1の周波数リソースに関する情報を前記中継局に送信し、選定した前記第2の周波数リソースに関する情報を前記第1の端末局に送信するステップと、を有する制御装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動通信システムにおける制御装置、中継局及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムの標準化プロジェクトである3rd Generation Partnership Project(3GPP(登録商標))におけるNew Radio(NR)技術仕様について、低遅延の中継技術として、非再生中継が導入されている(例えば、非特許文献1)。非再生中継は、中継局で復調及び復号を行わないため、低遅延での中継が可能である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP TS 38.106 V18.1.0(2023-06)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非再生中継を行っている場合、中継を使用しない端末局が当該非再生中継から干渉を受けて通信品質が劣化したり、通信スループットが低下したりするおそれがある。
【0005】
そこで、本開示は、非再生中継を利用する場合に適切に通信を実施できる制御装置、中継局及び制御方法を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る制御装置は、中継局から基地局への上りリンク非再生中継通信を第1の周波数リソースにおいて行い、前記中継局から第1の端末局への下りリンク非再生中継通信を第2の周波数リソースにおいて行う場合に、前記基地局と第2の端末局との間の第3の周波数リソースを用いる通信に対する干渉を最小化するように、周波数リソース候補から前記第1の周波数リソース及び前記第2の周波数リソースを選定する制御部と、選定した前記第1の周波数リソースに関する情報を前記中継局に送信し、選定した前記第2の周波数リソースに関する情報を前記第1の端末局に送信する通信部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、非再生中継を利用する場合に適切に通信を実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示の一実施形態に係るシステムの概略的な構成の一例を示す図である。
図2図2は、本開示の一実施形態に係る各装置の概略的な機能構成の一例を示す図である。
図3図3は、本開示の一実施形態に係る各装置の概略的なハードウェア構成の一例を示す図である。
図4図4A及び4Bは、本開示の一実施形態に係る基地局のハードウェア構成のバリエーションの一例を示す図である。
図5図5A-5Dは、非再生中継にかかる課題の一例を示す図である。
図6図6A及び6Bは、非再生中継にかかる干渉が問題になるケースと問題にならないケースの一例を示す図である。
図7図7は、本開示の一実施形態にかかる中継周波数選定の第1の制御シーケンスの一例を示す図である。
図8図8は、D(Δf)の値の一例を示す図である。
図9図9は、本開示の一実施形態にかかる第2の制御シーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の符号を付することによって、重複説明が省略され得る。
【0010】
本開示において、「A/B」及び「A及びBの少なくとも一方」は、互いに読み替えられてもよい。また、本開示において、「A/B/C」は、「A、B及びCの少なくとも1つ」を意味してもよい。
【0011】
<システムの構成>
図1は、本開示の一実施形態に係るシステムの概略的な構成の一例を示す図である。システム1は、制御装置10、基地局(base station)20、中継局(relay station)30及び端末局40を含む。システム1は、無線通信システム、情報通信システム、制御システムなどと呼ばれてもよい。
【0012】
例えば、システム1は、3GPPの技術仕様書(Technical Specification(TS))に準拠したシステムである。より具体的には、例えば、システム1は、5th generation mobile communication system(5G)又はNew Radio(NR)のTSに準拠したシステムである。
【0013】
なお、システム1は、この例に限定されず、Long Term Evolution(LTE)、LTE-Advanced(LTE-A)、4th generation mobile communication system(4G)、5th generation mobile communication system(5G)、6th generation mobile communication system(6G)、xth generation mobile communication system(xG(xは、例えば整数、小数))、New Radio(NR)、Global System for Mobile communications(GSM(登録商標))、CDMA2000、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、Ultra-WideBand(UWB)、Bluetooth(登録商標)、その他の無線通信方法を利用するシステム、及び、これらに基づいて拡張、修正、作成又は規定された次世代システムなどを含んでもよい。
【0014】
システム1においては、基地局20に向かう(受信する)/端末局40から出る(送信される)通信リンクが上りリンク(uplink(UL))と呼ばれてもよく、基地局20から出る(送信される)/端末局40に向かう(受信する)通信リンクが下りリンク(downlink(DL))と呼ばれてもよい。
【0015】
制御装置10は、基地局20が接続されるコアネットワーク上の装置であってもよい。制御装置10は、ネットワークノードと呼ばれてもよく、ネットワーク機能(Network Functions(NF))を提供してもよい。当該NFは、例えば、Access and Mobility management Function(AMF)、Application Function(AF)、Data Network(DN)、Location Management Function(LMF)、保守運用管理(Operation、Administration and Maintenance(Management)(OAM))、Session Management Function(SMF)、Unified Data Management(UDM)、User Plane Function(UPF)などの少なくとも1つであってもよい。
【0016】
コアネットワークは、例えば、光ファイバー網を含む。本開示において、ネットワーク及びコアネットワークは互いに読み替えられてもよい。
【0017】
制御装置10は、基地局20、中継局30及び端末局40の少なくとも1つを制御し、基地局20/中継局30と端末局40との通信サービスを提供するための制御を行ってもよい。なお、制御装置10は、基地局20に含まれてもよい。
【0018】
基地局20は、端末局40に無線アクセスネットワーク(Radio Access Network(RAN))を提供する。無線アクセスネットワークでの無線通信が可能なエリアは、セルとも呼ばれる。基地局20は、例えば、gNBである。gNBは、ユーザ装置(User Equipment(UE))に対するNRユーザプレーン及び制御プレーンプロトコル終端(NR user plane and control plane protocol terminations towards the UE)を提供し、NGインターフェースを介して5Gコアネットワーク(5G Core Network(5GC))に接続されるノードである。基地局100は、en-gNBであってもよい。en-gNBは、UEに対するNRユーザプレーン及び制御プレーンプロトコル終端を提供し、E-UTRA-NR Dual Connectivity(EN-DC)においてセカンダリノードとして動作するノードである。
【0019】
中継局30は、基地局20及び端末局40との間の通信に対して非再生中継を実施する。非再生中継においては、被中継信号の復調/復号が行われないため、スロットタイミングが変わらない程度の遅延で通信を中継することができる。本開示において、非再生中継は、復調/復号処理を伴わない中継(転送)、基地局及び端末局間のUL/DL無線信号の増幅及び転送、リピートなどを意味してもよい。なお、本開示において、中継、転送、リピート、送信などは、互いに読み替えられてもよい。
【0020】
中継局30は、Radio Frequency(RF)リピータ、ネットワーク制御リピータ(Network-Controlled Repeater(NCR))、Integrated Access and Backhaul(IAB)、その他のリピータであってもよい。中継局30は、例えば、小型基地局、移動基地局、リレー基地局などと呼ばれてもよい。
【0021】
例えば、NCRは、NCR-Mobile Termination(NCR-MT)及びNCR-Forwarding(NCR-Fwd)を含んでもよい。NCR-MTは、コントロールリンクを介して基地局20との通信を行う(例えば、設定/制御情報を受信する、要求/報告を送信する)ことができる。NCR-Fwdは、(基地局20との)バックホールリンクから(端末局40との)アクセスリンクへの中継/増幅と、アクセスリンクからバックホールリンクへの中継/増幅を行うことによって、基地局20及び端末局40の間の通信の中継を行うことができる。
【0022】
中継局30は、複数の端末局40に対して、異なる周波数リソースを用いて非再生中継を行ってもよいし、同じ周波数リソースを用いて非再生中継を行ってもよい。中継局30は、複数の端末局40に対する非再生中継信号を、周波数分割多重(frequency division multiplexing(FDM))、時分割多重(time division multiplexing(TDM))、空間分割多重(space division multiplexing(SDM))及びその他の多重方法を用いて送信してもよい。
【0023】
1つ以上の中継局30は、各端末局40が使用するリソース(例えば、周波数/時間リソース、リソースブロック(Resource Block(RB)))の情報を共有してもよい。当該情報は、中継局30間で通知されてもよいし、基地局20から中継局30に通知されてもよい。
【0024】
端末局40は、上述のセルにおいて無線アクセスネットワークに接続し、UEに該当する。端末局40は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末などの携帯端末(移動通信端末)であってもよいし、固定通信端末であってもよい。各端末局40は、基地局20が送信する制御信号を直接受信できてもよいし、中継局30を介して受信できてもよい。
【0025】
本開示において、非再生中継通信を適用される端末局(言い換えると、中継局30を介して基地局20と通信する端末局)は端末局40aと記載し、非再生中継通信を適用されない端末局(言い換えると、中継局30を介さずに基地局20と通信する端末局)は端末局40bとも記載する。単に端末局40と表記した場合は、端末局40a及び端末局40bの両方を含んでもよい。非再生中継対象の端末局(端末局40a)は、第1の端末局と呼ばれてもよい。非再生中継対象でない端末局(端末局40b)は、第2の端末局と呼ばれてもよい。
【0026】
なお、基地局20、中継局30、端末局40などは、それぞれ、設置位置が固定される固定局を含んでもよいし、移動局を含んでもよい。
【0027】
DL通信における非再生中継信号は、中継局30から端末局40に送信される信号に該当してもよい。UL通信における非再生中継信号は、中継局30から基地局20に送信される信号に該当してもよい。
【0028】
なお、システム1においては、UL通信及びDL通信を同じ周波数チャネルにおいて実施するTDM又は時分割複信(Time Division Duplex(TDD))が用いられてもよい。また、システム1において、スロット/フレームのタイミングは全局間で同期していてもよい(整列していてもよい)。
【0029】
また、システム1において、UL通信及びDL通信の少なくとも一方には、サイクリックプレフィックス直交周波数分割多重(Cyclic Prefix-Orthogonal Frequency Division Multiplexing(CP-OFDM))(又はマルチキャリア波形)が用いられてもよいし、離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重(Discrete Fourier Transform-Spread-Orthogonal Frequency Division Multiplexing(DFT-s-OFDM))(又はシングルキャリア波形)が用いられてもよい。システム1においてはその他の波形(例えば、Filtered OFDM(F-OFDM))がUL/DL通信に用いられてもよい。
【0030】
<各装置の構成>
本開示の実施形態に係る各装置(制御装置10、基地局20、中継局30、端末局40)の構成の例を説明する。
【0031】
(機能構成)
図2は、本開示の一実施形態に係る各装置の概略的な機能構成の一例を示す図である。例えば、制御装置10は、制御部110、通信部120、入出力部130及び記憶部140を備える。
【0032】
なお、基地局20、中継局30、端末局40も同様な機能構成を有してもよい。このため、図2においては、各装置に対応する機能ブロックの符号として、各装置を示す符号の最も大きい桁の数字(例えば、基地局20であれば「20」の最も大きい桁の「2」)を「1」と置換した符号も示されている。以下では制御装置10に関する機能ブロックの説明を行うが、他の装置についても同様の説明となることが理解される。
【0033】
本例では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、各装置は、他の処理に必要な他の機能ブロックも有してもよい。また、一部の機能ブロックを含まない構成としてもよい。
【0034】
制御部110は、制御装置10の制御を実施し、様々な機能を提供する。例えば、制御部110は、通信部120を介した他の装置との通信を制御してもよい。また、制御部110は、通信部120を介して受信される情報に基づいて、処理に必要な情報を取得してもよい。制御部110は、処理部と呼ばれてもよい。
【0035】
通信部120は、ネットワークを介した他の装置との通信(送信/受信)を行う。通信部120は、受信した信号から得られた情報を制御部110に出力してもよいし、制御部110から入力された情報を信号に変換して送信してもよい。通信部120は、送信部、受信部、送受信部などと呼ばれてもよい。
【0036】
入出力部130は、ユーザからの操作により入力を受け付ける入力部を含んでもよい。入力部は、所定の機器、記憶媒体などと接続され、データの入力を受け付けてもよい。入力部は、入力結果を例えば制御部110に出力してもよい。
【0037】
また、入出力部130は、ユーザに対して知覚できる形式でデータ、コンテンツなどの出力を行う出力部を含んでもよい。出力部は、画像を表示する表示部、音声を出力する音声出力部などを含んで構成されてもよい。
【0038】
記憶部140は、制御装置10が処理に利用する様々な情報を記憶(保持)する。制御部110は、記憶部140に対してデータの読み書きを指示してもよい。
【0039】
(ハードウェア構成)
図3は、本開示の一実施形態に係る各装置の概略的なハードウェア構成の一例を示す図である。各装置は、アンテナ510、Radio Frequency(RF)回路520、プロセッサ530、ネットワークインターフェース540、入力装置/出力装置550、メモリ560及びストレージ570を備える。
【0040】
なお、各装置のハードウェア構成は、図3に示した各要素を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の要素を含まずに構成されてもよい。例えば、中継局30、端末局40は、ネットワークインターフェース540を有しなくてもよい。
【0041】
アンテナ510は、信号を電波に変換し、当該電波を空間に放射する。また、アンテナ510は、空間における電波を受信し、当該電波を信号に変換する。アンテナ510は、送信アンテナ及び受信アンテナを含んでもよく、又は、送受信用の単一のアンテナを含んでもよい。アンテナ510は、指向性アンテナを含んでもよいし、複数のアンテナ素子を含んでもよい。
【0042】
アンテナ510は、複数搭載されてもよい。例えば、中継局30は、制御部310が制御に関する通知を受信するために、中継用回線に利用するアンテナとは独立したアンテナを有してもよい。
【0043】
RF回路520は、アンテナ510を介して送受信される信号のアナログ処理を行う。RF回路520は、フィルタ(例えば、高周波フィルタ、ローパスフィルタ)、増幅器、変調器、周波数シンセサイザ、アナログ-デジタル変換回路、デジタル-アナログ変換回路、逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform(IFFT))処理回路などを含んでもよい。
【0044】
RF回路520は、受信した無線周波数帯の信号に対して、増幅、フィルタ処理、ベースバンド信号への復調などを行い、プロセッサ530に出力してもよい。RF回路520は、プロセッサ530から入力されるベースバンド信号に対して、無線周波数帯への変調、フィルタ処理、増幅などを行い、無線周波数帯の信号を、送受信アンテナ510を介して送信してもよい。なお、RF回路520は、物理レイヤの処理(例えば物理レイヤの下位機能の処理)を実施してもよく、アナログビームフォーミング処理、デジタルビームフォーミング処理などのビームフォーミング処理を実施してもよい。
【0045】
プロセッサ530は、装置全体を制御してもよい。プロセッサ530は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェア(ソフトウェアモジュール)、データなどを、ストレージ570からメモリ560に読み出し、これらに従って各種の処理を実行してもよい。プロセッサ530は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(Central Processing Unit(CPU))によって構成されてもよい。また、プロセッサ530は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor(DSP))、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを含んでもよい。
【0046】
プロセッサ530は、アンテナ510及びRF回路520を介して送受信される信号のデジタル処理を行ってもよい。当該デジタル処理は、物理レイヤの処理(例えば物理レイヤの上位機能の処理)、Medium Access Control(MAC)レイヤ以上のレイヤの処理、変調、復調、符号化、復号、スクランブリングなどの処理を含んでもよい。プロセッサ530は、ネットワークインターフェース540を介して送受信される信号の処理も行う。
【0047】
プロセッサ530は、複数のプロセッサを含んでもよく、又は、単一のプロセッサであってもよい。当該複数のプロセッサは、上記デジタル処理を行うベースバンドプロセッサと、他の処理(例えば、全体の制御)を行う1つ以上のプロセッサとを含んでもよい。
【0048】
ネットワークインターフェース540は、例えばネットワークアダプタであり、有線で外部ネットワークと接続され、信号の送受信を行ってもよい。
【0049】
なお、RF回路520/ベースバンドプロセッサ/ネットワークインターフェース540は、一体となった構成であってもよい。RF回路520/ベースバンドプロセッサ/ネットワークインターフェース540は、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなど呼ばれてもよい。
【0050】
入力装置/出力装置550は、外部からの入力を受け付ける入力装置(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)、外部への出力を実施する出力装置(例えば、ディスプレイ、スピーカー、Light Emitting Diode(LED)ランプなど)、これらが一体となった装置(例えば、タッチパネル)などを含む。
【0051】
メモリ560は、コンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体であり、プロセッサ530により実行されるプログラム、当該プログラムに関するパラメータ、及び、その他の様々な情報を記憶する。メモリ560は、ROM(read only memory)、EPROM(erasable programmable read only memory)、EEPROM(electrically erasable programmable read only memory)、RAM(random access memory)及びフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでもよい。メモリ560の全部又は一部は、プロセッサ530内に含まれていてもよい。メモリ560は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。
【0052】
ストレージ570は、コンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体であり、様々な情報を記憶する。ストレージ570は、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(Compact Disc ROM(CD-ROM))、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ(Hard Disc Drive(HDD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、Solid State Drive(SSD))などの少なくとも1つを含んでもよい。ストレージ570は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0053】
また、プロセッサ530、メモリ560などの各装置は、情報を通信するためのバスによって接続されてもよい。装置内で単一のバスが用いられてもよいし、装置間ごとに異なるバスが用いられてもよい。
【0054】
制御部X10(X=1、2、3、4。以下同様)は、プロセッサ530によって実装されてもよい。通信部X20は、アンテナ510/RF回路520/ネットワークインターフェース540によって実装されてもよい。入出力部X30は、入力装置/出力装置550によって実装されてもよい。記憶部X40は、メモリ560/ストレージ570によって実装されてもよい。
【0055】
(基地局のハードウェア構成のバリエーション)
基地局(RAN)の通信処理機能は、無線ユニット(Radio Unit(RU))と分散ユニット(Distributed Unit(DU))及び中央ユニット(Central Unit(CU))の3つの要素に分離されてもよい。RUは、RF処理及び物理レイヤの下位機能を実現する。DUは、物理レイヤの上位機能、MACレイヤの機能及びRadio Link Control(RLC)レイヤの機能を実現する。CUは、Packet Data Convergence Protocol(PDCP)レイヤ、Service Data Adaptation Protocol(SDAP)及びRadio Resource Control(RRC)レイヤの機能を実現する。
【0056】
図4A及び4Bは、本開示の一実施形態に係る基地局のハードウェア構成のバリエーションの一例を示す図である。本例では、簡単のため図3で説明した要素のうちアンテナ510、RF回路520、プロセッサ530のみを図示するが、その他の要素はプロセッサ530が具備される装置に含まれてもよい。
【0057】
図4Aでは、1つの基地局20がアンテナ510、RF回路520及びプロセッサ530を含む。この基地局20は、RU及びDU/CUが一体となった構成を有している。
【0058】
図4Bでは、1つの基地局20aがアンテナ510及びRF回路520のみを含み、もう1つの基地局20bがプロセッサ530を含み、これらの基地局が光ファイバー回線などによって接続されている。前者の基地局20aはRUのみを有するため、子局、分散基地局などと呼ばれてもよい。後者の基地局20bはDU/CUのみを有するため、親局、中央基地局などと呼ばれてもよい。
【0059】
なお、RU/DUの基地局とCUの基地局とが接続されてもよいし、RUの基地局、DUの基地局及びCUの基地局が接続されてもよい。
【0060】
本開示において、基地局20は、図4AのようなRU、DU及びCUの機能を全て実現する1つの基地局(ノード)を含んでもよいし、図4BのようなRU、DU及びCUの機能のうち一部の機能をそれぞれが実現する複数の基地局(ノード)を含んでもよい。例えば、基地局20は、分散基地局20a及び中央基地局20bから構成される基地局を意味してもよい。
【0061】
<課題分析>
図5A-5Dは、非再生中継にかかる課題の一例を示す図である。図5A及び5Cは、図1の一部を抜粋した図に相当する。なお、本例では、基地局20から端末局40bに送信される信号の周波数リソースと、中継局30から端末局40aに送信される非再生中継信号の周波数リソースと、がずれている(又は重複しない)と想定する。
【0062】
端末局40bの受信信号対干渉雑音電力比(Signal to Interference plus Noise Ratio(SINR))は、端末局40の受信信号の電力レベルPに対する干渉電力レベルI及び雑音レベルNの比率(=P/(I+N))によって求められる。なお、本開示において、各レベルの単位はデシベルミリワット(decibel-milliwatts(dBm))、dBなどであってもよい。
【0063】
図5Aのように、システム1において中継局30が非再生中継を行っていない(又はそもそも存在しない)場合、端末局40bが受ける干渉はないため、端末局40bの受信SINRは図5Bに示されるとおりとなる。
【0064】
一方で、図5Cのように、システム1において中継局30が非再生中継を行っている場合、例えばDLにおける非再生中継では、被中継信号だけでなく雑音などの不要信号をも増幅するため、図5Dに示されるとおり、端末局40aに対する非再生中継信号の周波数リソースの外側の周波数領域に、非再生中継信号のせいで干渉が発生する。したがって、図5Cにおける端末局40bの受信SINRは、図5Aのケースよりも小さくなっている。
【0065】
以上説明したとおり、中継を使用しない端末局40bは、中継局30を用いる非再生中継から干渉を受けて通信品質が劣化したり、通信スループットが低下したりするおそれがある。
【0066】
一方で、本発明者は、中継に用いる周波数リソースによっては非再生中継の干渉を許容範囲内に抑えられることがあることに着目した。図6A及び6Bは、非再生中継にかかる干渉が問題になるケースと問題にならないケースの一例を示す図である。本例は図5Dと類似するが、40bの要求SINRが示されている点と非再生中継が実施される周波数バンドが示されている点が異なる。なお、要求SINRは、通信のために好ましい(又は最低限要求される)SINRに該当してもよく、許容SINRなどと呼ばれてもよい。
【0067】
図6Aにおいては、周波数バンド#1における端末局40bの要求SINRは比較的大きく、非再生中継の干渉を受けた端末局40bの受信SINRよりも要求SINRの方が大きい。この場合、非再生中継が実施されると端末局40bの通信品質が担保できないため、周波数バンド#1において非再生中継を実施しないことが好ましい。
【0068】
図6Bにおいては、周波数バンド#2における端末局40bの要求SINRは比較的小さく、非再生中継の干渉を受けた端末局40bの受信SINRよりも要求SINRの方が小さい。この場合、非再生中継が実施されても端末局40bの通信品質が担保できるため、周波数バンド#2において非再生中継を実施してもよい。
【0069】
以上を鑑みて、本発明者は、非再生中継後の周波数選定規範として、非再生中継回線の通信品質を維持しつつ、同じタイミングで行われる通信への与干渉の最小化を採用し、与干渉量の計算を簡易に行う手法を見出した。
【0070】
<動作例>
以下、本開示の実施形態に係る各装置の動作の例を説明する。以下で説明する通信方法(無線通信方法、制御方法)は、上述のシステム1において適用されてもよい。
【0071】
なお、本開示の以下の説明において、参照符号は省略されることがある。例えば、以下の説明における制御装置は、制御装置10を意味してもよい。
【0072】
以下の説明/図面では、基地局をBS、中継局をR、非再生中継対象の端末局をUE(R)、非再生中継対象でない端末局をUEと略記することがある。また、受信(受信信号)に関するパラメータであることを下付き文字の「RX」を付して表すことがある。また、送信(送信信号)に関するパラメータであることを下付き文字の「TX」を付して表すことがある。
【0073】
また、装置Xが受信(/送信)するときのパラメータであることを下付き文字の「X,RX(/TX)」を付して表すことがある。また、装置YからZに送信される信号についてのパラメータであることを上付き文字の「Y→Z」又は下付き文字の「Y→Z」を付して表すことがある。さらに、リソースブロックbに依存するパラメータであることを「(b)」を付して表すことがある。例えば、PR,RX UE→R(b)は、端末局UEから中継局Rに対してリソースブロックbを用いて送信される信号の、中継局Rにおける受信電力(例えば、RSRP)を意味する。
【0074】
以下の説明における各装置は、装置の中の1つ以上の機能ブロック(例えば、制御部110、通信部120)又はハードウェア構成(例えば、RF回路520、プロセッサ530)と互いに読み替えられてもよい。
【0075】
本開示の一実施形態において、ある端末局40に対して中継局30が中継局として機能するか(非再生中継を行うか)否かは、制御装置10/基地局20/中継局30が選択してもよい。中継局30は、半固定的に/半永続的に、非再生中継を行ってもよい。なお、中継局30は、基地局20/制御装置10からの非再生中継の停止の指示があるか、非再生中継を開始してから又は特定のタイミングから一定時間が経過する場合、当該非再生中継を停止してもよい。なお、停止は、完了、終了などと互いに読み替えられてもよい。
【0076】
(第1の制御シーケンス)
図7は、本開示の一実施形態にかかる中継周波数選定の第1の制御シーケンスの一例を示す図である。第1の制御シーケンスでは、制御装置が非再生中継の中継周波数(中継周波数リソース)を選定(判断)する。なお、本開示において、図示されるステップは、一部が省略されてもよいし、実施される順番が変わってもよい。
【0077】
ステップS101において、制御装置は、基地局BSを介して、中継局R、端末局UE(R)及び端末局UEに対して、RB情報/RS設定情報を通知する。
【0078】
中継局R、端末局UE(R)に通知されるRB情報は、中継用候補RBの集合であるBに含まれる各候補RBであるb(b∈B)を示す情報であってもよい。中継局R、端末局UE(R)に通知されるRS設定情報は、各bにおけるRSの送信タイミング(例えば、周期、あるタイミングからの時間オフセット)の情報を含んでもよい。
【0079】
端末局UEに通知されるRB情報は、Bに含まれるbの全てとは異なる任意のRBであるb(b≠∀b)を示す情報であってもよい。端末局UEに通知されるRS設定情報は、bにおけるRSの送信タイミングの情報を含んでもよい。なお、端末局UEには当該RS設定情報は通知されなくてもよい。
【0080】
ここで、b、bなどは、1つ以上のRBに該当する。各b/bは、同じRB数を有してもよいし、異なるRB数を有してもよい。また、あるbと別のbとは、周波数リソースの一部が重複してもよいし、全部が重複しなくてもよい。
【0081】
なお、RS設定情報に中継用候補RB情報が含まれてもよいし、その逆でもよいし、それぞれが異なる情報として通知されてもよい。
【0082】
また、端末局UE(R)及びUEに通知されるRB情報/RS設定情報は、中継局Rにも通知されてもよい。この場合、中継局Rは端末局UE(R)及びUEから送信されるRSを適切に受信できる。
【0083】
ステップS102において、端末局UEは、通知された送信タイミングで、bにおいて上りリンク参照信号(Uplink Reference Signal(UL-RS))を送信してもよい。中継局Rは、当該UL-RSに基づいて受信電力(RSRP)であるPR,RX UE→R(b)を測定してもよい。なお、中継局Rは、端末局UEが利用するbにおいて送信されるUL信号(UL-RSに限られない)を受信し、PR,RX UE→R(b)を測定してもよい。例えば一定期間測定して最も強い又は平均の受信電力をPR,RX UE→R(b)と導出してもよい。
【0084】
ステップS103において、端末局UE(R)は、通知された送信タイミングで、各bにおいてUL-RSを送信する。中継局Rは、当該UL-RSに基づいて受信電力(RSRP)であるPR,RX UE(R)→R(b)を測定する。
【0085】
ステップS104において、中継局Rは、通知された送信タイミングで、各bにおいてUL-RSを送信する。基地局BSは、当該UL-RSに基づいて受信電力(RSRP)であるPBS,RX R→BS(b)を測定する。
【0086】
ステップS105において、中継局Rは、測定されたPR,RX UE→R(b)及び各PR,RX UE(R)→R(b)に関する情報を、基地局BSに報告する。なお、この報告は、ステップS104のUL-RSの送信と同時に行われてもよい。また、基地局BSは、測定されたPR,RX UE→R(b)、各PR,RX UE(R)→R(b)及びPBS,RX R→BS(b)に関する情報を制御装置に通知する。
【0087】
ステップS106において、制御装置は、通信タイミングを同じくする他の端末局UEへの干渉が最小となる中継回線のリソースブロックbR→UE(R)及びbR→BSを選定する。具体的な選定方法の詳細については後述する。選定ができなかった(適当なbR→UE(R)及びbR→BSが見つからなかった)場合、制御装置は、中継用候補RBの集合の割り当てをやり直し(別の集合を決定し)、ステップS101に戻ってもよい。
【0088】
なお、本開示において、干渉が最小となることは、干渉が無いことを意味してもよいが、中継用候補RB集合であるBからbR→UE(R)及びbR→BSを選定する場合に最も干渉が小さい組み合わせを見つけることを意味してもよい。
【0089】
ステップS107において、制御装置は、基地局BSを介して、中継局Rに対して、bR→BSを通知する。
【0090】
ステップS108において、制御装置は、基地局BSを介して、端末局UE(R)に対して、bR→UE(R)を通知する。
【0091】
ステップS109において、中継局Rは、bR→UE(R)を用いて下りリンク回線の非再生中継を実施する。
【0092】
ステップS110において、中継局Rは、bR→BSを用いて上りリンク回線の非再生中継を実施する。
【0093】
ステップS111において、制御装置は、基地局BSを介して取得される、非再生中継の通信結果/通信品質に基づいて、再選定の要不要を判断する。例えば、制御装置は、下り回線の受信SINRが要求値以下になった場合、又は、下り回線での非再生中継時の通信結果の報告が失敗を示す場合、再選定が必要と判断し、ステップS102に戻ってもよい(又は、中継用候補RBの集合の割り当てをやり直し、ステップS101に戻ってもよい)。
【0094】
また、制御装置は、上り回線の受信SINRが要求値以下になった場合、又は、上り回線での非再生中継時の通信結果の報告が失敗を示す場合、再選定が必要と判断し、ステップS102に戻ってもよい(又は、中継用候補RBの集合の割り当てをやり直し、ステップS101に戻ってもよい)。
【0095】
なお、下り回線での非再生中継時の通信結果の報告が失敗を示すことは、例えば、下りリンクにおけるデータ送信(例えば、物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel(PDSCH)))に対する端末局UE(R)からの送達確認情報(例えば、Hybrid Automatic Repeat reQuest ACKnowledgement(HARQ-ACK))が、Negative ACK(NACK)を示すことによって示されてもよい。
【0096】
ステップS111において再選定が不要と判断される場合、ステップS109/S110の非再生中継が継続されてもよい。
【0097】
[中継回線のリソースブロックbR→UE(R)及びbR→BSの選定方法]
上述のステップS106において、制御装置は、上りリンクの(基地局BSが受信する)非再生中継信号の与干渉であるIUL(bR→BS)と、下りリンクの(端末局UE(R)が受信する)非再生中継信号の与干渉であるIDL(bR→UE(R))と、の和(Itotal)が最小となるように、中継用RB候補の集合Bから、bR→BS及びbR→UE(R)を選定してもよい。この選定は、例えば以下の式1-2で実施されてもよい。
【0098】
【数1】
【0099】
RB(b)は、bのRB数を示す。
【0100】
なお、上記式1の最適化問題においては、非再生中継回線が成立するという拘束条件(制約)がある。具体的には、当該制約は、非再生中継回線において、上りリンクの受信SINRであるγUE(R)→BS(bR→BS,bR→UE(R))が要求値γUE(R)→BS,REQを満たし、下りリンクの受信SINRであるγBS→UE(R)(bBS→R,bR→UE(R))が要求値γBS→UE(R),REQを満たすことである。言い換えると、γUE(R)→BS(bR→BS,bR→UE(R))≧γUE(R)→BS,REQかつγBS→UE(R)(bBS→R,bR→UE(R))≧γBS→UE(R),REQである。これらのパラメータの算出方法については後述する。
【0101】
なお、非再生中継に利用するRBについて、BS→R間とR→UE(R)間とで同一とすることが前提である場合には、さらにbBS→R=bR→UE(R)という制約が加わる。
【0102】
式2における、bに与える上りリンクの非再生中継信号の与干渉であるiR→BS(b|bR→BS)及びbに与える下りリンクの非再生中継信号の与干渉であるiR→UE(b|bR→UE(R))は、それぞれ以下の式3及び式4で表されてもよい。
【0103】
【数2】
【0104】
ここで、PTX (bR→BS)は中継局RにおけるbR→BSの送信電力、PBS,RX R→BS(bR→BS)は基地局BSにおけるbR→BSの受信電力、LR→BS(bR→BS)は中継局Rから基地局BSへの伝搬損失であり、PBS,RX R→BS=PTX (bR→BS)-LR→BS(bR→BS)である。
【0105】
また、PTX (bR→UE(R))は中継局RにおけるbR→UE(R)の送信電力、PUE,RX R→UE(bR→UE(R))は端末局UEにおけるbR→UE(R)の受信電力、LR→UE(bR→UE(R))は中継局Rから端末局UEへの伝搬損失であり、PUE,RX R→UE(bR→UE(R))=PTX (bR→UE(R))-LR→UE(bR→UE(R))である。
【0106】
なお、式4ではPR,RX UE→R(b)≒PR,RX UE→R(bR→UE(R))という近似が利用されている。これは、bとbR→UE(R)との電波伝搬特性について、相関が十分に高いことに対応してもよい。ここで、当該相関が十分に高いことは、当該相関が閾値より高いことを意味してもよく、当該閾値は、予め規格において定められてもよいし、他の装置(例えば、基地局、NFのノード)から通知されてもよいし、自身の能力に基づいて決定されてもよい。例えば、bの周辺サブキャリアをbR→UE(R)として使用する場合には、上記相関が十分に高いことが想定されてもよい。
【0107】
BS,RX R→BS(b)は、ステップS104で導出されているため、PBS,RX R→BS(bR→BS)も導出されている。D(Δf)は後述のとおり参照値であるため容易に導出できる。
【0108】
R,RX UE→R(b)は、ステップS102で導出されている。ΔPTX UE、Rは中継局Rと端末局UEとの送信電力差(=PTX -PTX UE)である。制御装置は、PTX 、PTX UEを予め把握していてもよいし、それぞれ中継局R、端末局UEから報告されてもよく、ΔPTX UE、Rを算出することができる。また、D(Δf)は後述のとおり参照値であるため、制御装置はD(Δf)を容易に導出できる。
【0109】
(Δf)は非再生中継信号の特定のスペクトルマスクから得られる値(干渉電力の相対値、干渉レベル)である。制御装置は、上記特定のスペクトルマスクは代表的なスペクトルマスクであると判断してもよいし、端末局UE(R)からの測定結果の報告に基づいて判断してもよい。
【0110】
図8は、D(Δf)の値の一例を示す図である。非再生中継信号の送信スペクトルマスクは、周波数に依存して値が変動する。これは、非再生中継信号は、非再生中継に用いる周波数リソースから遠ざかると電力が弱まっていくためである。D(Δf)は、周波数に依存してどれくらい非再生中継信号の電力が弱くなるかを示してもよい。
【0111】
あるリソースブロックb及び非再生中継に用いるリソースブロックbR→UE(R)の周波数差分をΔf(b、bR→UE(R))とおくと、Δf(b、bR→UE(R))=f(b)-f(bR→UE(R))で求められてもよい。ここで、f(b)はリソースブロックbの中心周波数であり、f(bR→UE(R))はリソースブロックbR→UE(R)の中心周波数である。
【0112】
図8に示されるのはD(Δf)=D(Δf(b、bR→UE(R)))であり、D(Δf(bR→UE(R)、bR→UE(R)))=D(0)=0となっている。
【0113】
(Δf(b、bR→BS))についても同様に考えてよい。なお、D(Δf(b、bR→BS))は、D(Δf(b、bR→UE(R)))と同じであってもよいし、異なってもよい。
【0114】
[制約のパラメータ]
さて、上記式1の最適化問題の制約であるγBS→UE(R)(bBS→R,bR→UE(R))及びγUE(R)→BS(bR→BS,bR→UE(R))は、それぞれ以下の式で求められてもよい。
【0115】
【数3】
【0116】
ここまでの説明で登場していない値として、PR,N、PUE(R),N及びΔPTX UE,Rがある。PR,Nは中継局Rの雑音電力である。PUE(R),Nは端末局UE(R)の雑音電力である。制御装置は、PR,N、PUE(R),Nについて、代表的な(又は特定の)雑音電力であると判断してもよいし、中継局R、端末局UE(R)からの測定結果の報告に基づいて判断してもよい。PR,N、PUE(R),Nは規格において予め定められてもよい。
【0117】
ΔPTX UE(R),Rは中継局Rと端末局UE(R)との送信電力差(=PTX -PTX UE(R))である。制御装置は、PTX 、PTX UE(R)を予め把握していてもよいし、それぞれ中継局R、端末局UE(R)から報告されてもよく、ΔPTX UE(R),Rを算出することができる。
【0118】
式6は、γUE(R)→BS(bR→BS,bR→UE(R))を、近似式であるγBS→UE(R)(bBS→R,bR→UE(R))であるとして算出することに該当する。
【0119】
また、要求値γUE(R)→BS,REQ、γBS→UE(R),REQは、それぞれ制約のための閾値であり、要求SINR(required SINR)と呼ばれてもよい。要求SINRは、端末局UE(R)の位置、端末局UE(R)の想定受信信号電力、の想定受信信号品質、基地局BSが端末局UE(R)との通信で利用し得る変調及び符号化方式(Modulation and Coding Scheme(MCS))などの少なくとも1つに基づいて判断されてもよい。
【0120】
当該利用し得るMCSは、γBS→UE(R),REQについては、物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel(PDSCH))のために下りリンク制御情報(Downlink Control Information(DCI))を用いて端末局UE(R)に指示可能な特定の(例えば、最大又は最小の)又は所望の符号化率に該当するMCSであってもよい。
【0121】
当該利用し得るMCSは、γUE(R)→BS,REQについては、物理上りリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel(PUSCH))のためにDCIを用いて端末局UE(R)に指示可能な特定の(例えば、最大又は最小の)又は所望の符号化率に該当するMCSであってもよい。
【0122】
以上説明した第1の制御シーケンスによれば、ある端末局に対する非再生中継に起因する別の端末局における干渉を考慮して、制御装置が好適に当該非再生中継の中継周波数の選定を実施できる。
【0123】
(第2の制御シーケンス)
図9は、本開示の一実施形態にかかる第2の制御シーケンスの一例を示す図である。第2の制御シーケンスは、中継局が非再生中継の中継周波数(中継周波数リソース)を選定する点が第1の制御シーケンスと異なる。以下では、第1の制御シーケンスと同様であって良いステップについては、繰り返し説明しない。例えば、ステップS201-S203、S209-S211は、それぞれステップS101-S103、S109-S111と同じであってもよい。
【0124】
なお、ステップS201において、中継局Rに通知されるRS設定情報は、各bにおける基地局BSからのRSの受信タイミングの情報を含んでもよい。また、当該RS設定情報は、基地局BSにおいても受信されてもよく、基地局は当該RS設定情報を、中継局Rへの下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal(DL-RS))の送信タイミングの情報として扱ってもよい。
【0125】
ステップS204において、基地局BSは、通知された送信タイミングで、各bにおいてDL-RSを送信する。中継局Rは、通知された受信タイミングで、各bにおいて上記DL-RSを受信する。中継局Rは、当該DL-RSに基づいて受信電力(RSRP)であるPR,RX BS→R(b)を測定する。
【0126】
ステップS205において、基地局BSは、ΔPTX UE、R、ΔPTX UE(R)、R、ΔPTX BS、Rなどに関する情報を、中継局Rに報告する。なお、この報告は、ステップS204のDL-RSの送信と同時に行われてもよい。制御装置におけるΔPTX UE、R及びΔPTX UE(R)、Rの導出については第1の制御シーケンスにおいて説明したとおりである。
【0127】
ステップS206において、中継局Rは、通信タイミングを同じくする他の端末局UEへの干渉が最小となる中継回線のリソースブロックbR→UE(R)及びbR→BSを選定する。具体的な選定方法の詳細については後述する。選定ができなかった(適当なbR→UE(R)及びbR→BSが見つからなかった)場合、中継局Rは、制御装置に対してその旨を報告してもよい。当該報告を受けた制御装置は、中継用候補RBの集合の割り当てをやり直し(別の集合を決定し)、ステップS201に戻ってもよい。
【0128】
ステップS207において、中継局Rは、基地局BS/制御装置に対して、bR→BSを通知する。
【0129】
ステップS208において、中継局Rは、基地局BS/制御装置/端末局UE(R)に対して、bR→UE(R)を通知する。
【0130】
ステップS211において、制御装置は、基地局BSを介して取得される、非再生中継の通信結果/通信品質に基づいて、再選定の要不要を判断する。なお、非再生中継の通信結果/通信品質を中継局Rが取得し、中継局Rが再選定の要不要を判断してもよい。中継局Rは、再選定が必要と判断した場合、制御装置に対して再選定の実施を指示してもよい。
【0131】
[中継回線のリソースブロックbR→UE(R)及びbR→BSの選定方法]
選定において、式3の代わりに下記式7が用いられてもよく、それ以外は第1の制御シーケンスと同様であってもよい。
【0132】
【数4】
【0133】
ここで、ΔPTX BS、Rは中継局Rと基地局BSとの送信電力差(=PTX -PTX BS)である。制御装置は、PTX 、PTX BSを予め把握していてもよいし、それぞれ中継局R、基地局BSから報告されてもよく、ΔPTX BS、Rを算出することができる。
【0134】
[制約のパラメータ]
制約において、式5のγBS→R(bBS→R)に関して以下の式8が採用されてもよく、それ以外は第1の制御シーケンスと同様であってもよい。
【0135】
【数5】
【0136】
以上説明した第2の制御シーケンスによれば、ある端末局に対する非再生中継に起因する別の端末局における干渉を考慮して、中継局が好適に当該非再生中継の中継周波数の選定を実施できる。
【0137】
<補足>
本開示において、基地局20から端末局40bに送信される信号の周波数リソースと、中継局30から端末局40aに送信される非再生中継信号の周波数リソースと、は、重複しなくてもよいし、一部又は全部が重複してもよい。
【0138】
本開示において、上述した制御シーケンスの中継周波数の選定では、干渉を受ける対象は1つの基地局及び1つの端末局UEを想定したが、本開示の適用範囲はこれに限られない。中継局からの非再生中継信号が複数の基地局/複数の端末局に干渉を与えるケースについても、上述の第1/第2の制御シーケンスを変形して適用することができる。
【0139】
本開示において、上述した制御シーケンスの中継周波数の選定では、bR→UE(R)及びbR→BSの両方が同時に選定される例を示したが、これに限られない。例えば、bR→UE(R)及びbR→BSの一方だけが選定対象であってもよい。この場合、他方は固定的なリソースであってもよいし、以前選定された結果(リソース(の利用))が維持されてもよい。
【0140】
本開示において、b≠∀bとして説明したが、これに限られない。例えば、選定される結果のbR→UE(R)/bR→BSがbと一致又は重複しなければよい(b≠bR→UE又はb≠bR→BS)。
【0141】
本開示において、上述した制御シーケンスの中継周波数の選定は、SINRに基づいて制御される例を示したが、これに限られない。上述した制御シーケンスのSINRは、任意の受信電力(例えば、Reference Signal Received Power(RSRP))、受信品質(例えば、Reference Signal Received Quality(RSRQ)、SINR、SNR)、信号強度(例えば、Received Signal Strength Indicator(RSSI))、チャネル状態情報(Channel State Information Reference Signal(CSI))、リンク品質指示子(Link Quality Indicator(LQI))、その他の受信電力/受信品質/信号強度に関するメトリックなどのいずれか又はこれらの組み合わせと互いに読み替えられてもよい。
【0142】
本開示において、測定結果(SINRなど)は、特定のレイヤ(例えば、レイヤ1(Layer 1)、レイヤ3(Layer 3))における測定結果に該当してもよい。例えば、任意の測定結果は、レイヤ1(L1-)、レイヤ3(L3-)などを付された測定結果と互いに読み替えられてもよい。
【0143】
本開示において、リソースブロック(Resource Block(RB))、サブキャリア、リソースエレメント、サブバンド、リソースブロックグループ、物理RB(Physical RB(PRB))、共通RB(Common RB(CRB))、仮想RB(Virtual RB(VRB))、リソースブロックセット、周波数帯、帯域幅、周波数帯域幅、周波数バンド、周波数レンジ、周波数リソース、周波数ドメインリソース、などと互いに読み替えられてもよい。
【0144】
本開示において示した数式は、任意の係数/変数/項に対して任意の値との所定の演算(例えば、加算、減算、乗算、除算)を適用した数式と互いに読み替えられてもよい。また、本開示において示した数式は、任意の項が削除された数式と互いに読み替えられてもよい。
【0145】
本開示において、基地局/中継局/端末局における測定は、参照信号、同期信号(Synchronization Signal(SS))、チャネルの少なくとも1つに基づいて実施されてもよい。本開示において、非再生中継が停止/終了している場合であっても、基地局/中継局/端末局における測定は実施されてもよい(測定のための参照信号/同期信号/チャネルも送信されてもよい)。
【0146】
参照信号としては、下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal(DL-RS))、上りリンク参照信号(Uplink Reference Signal(UL-RS))などが用いられてもよい。
【0147】
上りリンクチャネルは、物理上りリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel(PUSCH))、物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel(PUCCH))、物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel(PRACH))などであってもよい。
【0148】
下りリンクチャネルは、物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel(PDSCH))、物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel(PDCCH))、物理ブロードキャストチャネル(Physical Broadcast Channel(PBCH))などであってもよい。
【0149】
DL-RSは、チャネル状態情報参照信号(Channel State Information Reference Signal(CSI-RS))、復調用参照信号(DeModulation Reference Signal(DMRS))、位置決定参照信号(Positioning Reference Signal(PRS))、位相トラッキング参照信号(Phase Tracking Reference Signal(PTRS))、セル固有参照信号(Cell-specific Reference Signal(CRS))などであってもよい。
【0150】
なお、CSI-RSは、ノンゼロパワー(Non Zero Power(NZP))CSI-RS、干渉測定用のNZP CSI-RS、CSI-干渉測定(Interference Measurement(IM))、ゼロパワー(Zero Power(ZP))CSI-RSなどと互いに読み替えられてもよい。
【0151】
UL-RSは、測定用参照信号(Sounding Reference Signal(SRS))、復調用参照信号(DMRS)、PRS、PTRSなどであってもよい。
【0152】
なお、DMRSはユーザ端末固有参照信号(UE-specific Reference Signal)と呼ばれてもよく、チャネルごとに異なるDMRSが用いられてもよい(例えば、PUSCH DMRS、PUCCH DMRS、PDSCH DMRS、PDCCH DMRS、PBCH DMRSなどが用いられてもよい)。
【0153】
同期信号は、例えば、プライマリ同期信号(Primary Synchronization Signal(PSS))及びセカンダリ同期信号(Secondary Synchronization Signal(SSS))の少なくとも1つであってもよい。SS(PSS、SSS)及びPBCH(及びPBCH DMRS)を含む信号ブロックは、SS/PBCHブロック、SS Block(SSB)などと呼ばれてもよい。なお、SS、SSBなども、参照信号と呼ばれてもよい。
【0154】
(各実施形態の適用について)
上述の実施形態の少なくとも1つは、特定の条件を満たす場合に適用されてもよい。当該特定の条件は、規格において規定されてもよいし、上位レイヤシグナリング/物理レイヤシグナリングを用いて任意の装置に通知されてもよい。
【0155】
また、上述の実施形態の少なくとも1つは、任意の装置が上位レイヤシグナリング/物理レイヤシグナリングによって、上述の実施形態に関連する特定の情報(又は上述の実施形態の動作を実施すること)を設定/アクティベート/トリガされた場合に適用されてもよい。例えば、当該特定の情報は、(SINRに基づく)中継周波数の選定制御を有効化することを示す情報、特定のリリース(例えば、Rel.18/19)向けの任意のRRCパラメータなどであってもよい。
【0156】
<変形例>
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0157】
本開示において、装置、回路、デバイス、部(section)、ユニットなどの文言は、互いに読み替えることができる。
【0158】
本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスによって指示されてもよい。
【0159】
本開示においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式などは、本開示において明示的に開示したものと異なってもよい。
【0160】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0161】
入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
【0162】
本開示において説明した任意の情報(例えば、任意のパラメータ/変数に関する情報)は、本開示中の任意の装置間で通知されてもよい。また、本開示において、情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。
【0163】
例えば、本開示における情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、下りリンク制御情報(Downlink Control Information(DCI))、上りリンク制御情報(Uplink Control Information(UCI)))、上位レイヤシグナリング(例えば、Radio Resource Control(RRC)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(Master Information Block(MIB))、システム情報ブロック(System Information Block(SIB))など)、Medium Access Control(MAC)シグナリング)、特定のインターフェース(X2インターフェース、S1インターフェース、NGインターフェースなど)のシグナリング、その他の信号/チャネル(例えば、参照信号)又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
【0164】
なお、物理レイヤシグナリングは、Layer 1/Layer 2(L1/L2)制御情報(L1/L2制御信号)、L1制御情報(L1制御信号)などと呼ばれてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC Control Element(CE))を用いて通知されてもよい。
【0165】
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
【0166】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0167】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line(DSL))など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0168】
本開示においては、「基地局(Base Station(BS))」、「無線基地局」、「中継局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNB(eNodeB)」、「gNB(gNodeB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(Transmission Point(TP))」、「受信ポイント(Reception Point(RP))」、「送受信ポイント(Transmission/Reception Point(TRP))」、「パネル」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0169】
本開示においては、「移動局(Mobile Station(MS))」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ機器(User Equipment(UE))」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0170】
本開示における任意の装置は、センサなどのInternet of Things(IoT)機器であってもよい。
【0171】
本開示における任意の装置は、送信装置、受信装置、無線通信装置などと呼ばれてもよい。本開示における任意の装置は、移動可能な物体である移動体(moving object)に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、例えば、車両、輸送車両、自動車、自動二輪車、自転車、コネクテッドカー、ショベルカー、ブルドーザー、ホイールローダー、ダンプトラック、フォークリフト、列車、バス、リヤカー、人力車、船舶(ship and other watercraft)、飛行機、ロケット、人工衛星、ドローン、マルチコプター、クアッドコプター、気球及びこれらに搭載される物を含み、またこれらに限られない。また、当該移動体は、自律走行/自動運転してもよい。
【0172】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0173】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0174】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0175】
本開示において使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的であっても、論理的であっても、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。要素間の結合又は接続は、有線及び無線の少なくとも一方を介した接続であってもよい。
【0176】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0177】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びこれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0178】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳によって冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0179】
本開示において、「決定」、「判断」、「判定」、「選択」、「計算」、「算出」、「処理」、「導出」、「探索」、「確認」、「想定」、「期待」などに関する文言は、互いに読み替えられてもよい。
【0180】
本開示において、「以下」、「未満」、「以上」、「より多い」、「と等しい」などは、互いに読み替えられてもよい。また、本開示において、「良い」、「悪い」、「大きい」、「小さい」、「高い」、「低い」、「早い」、「遅い」、「広い」、「狭い」、などを意味する文言は、原級、比較級及び最上級に限らず互いに読み替えられてもよい。また、本開示において、「良い」、「悪い」、「大きい」、「小さい」、「高い」、「低い」、「早い」、「遅い」、「広い」、「狭い」などを意味する文言は、「i番目に」(iは任意の整数)を付けた表現として、原級、比較級及び最上級に限らず互いに読み替えられてもよい(例えば、「最高」は「i番目に最高」と互いに読み替えられてもよい)。
【0181】
本開示において、「の(of)」、「のための(for)」、「に関する(regarding)」、「に関係する(related to)」、「に関連付けられる(associated with)」などは、互いに読み替えられてもよい。
【0182】
以上、本開示に係る発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示に係る発明が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に係る発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。
【0183】
<付記>
本開示において、bR→BSは第1の周波数リソースと呼ばれてもよく、bR→UE(R)は第2の周波数リソースと呼ばれてもよく、bは第3の周波数リソースと呼ばれてもよい。本開示において、γUE(R)→BS(bR→BS,bR→UE(R))に関する条件(最適化問題の制約)は第1の条件と呼ばれてもよく、γBS→UE(R)(bBS→R,bR→UE(R))に関する条件(最適化問題の制約)は第2の条件と呼ばれてもよい。
【0184】
本開示の一実施形態に関して、以下の発明を付記する。
[付記1]
中継局から基地局への上りリンク非再生中継通信を第1の周波数リソースにおいて行い、前記中継局から第1の端末局への下りリンク非再生中継通信を第2の周波数リソースにおいて行う場合に、前記基地局と第2の端末局との間の第3の周波数リソースを用いる通信に対する干渉を最小化するように、周波数リソース候補から前記第1の周波数リソース及び前記第2の周波数リソースを選定する制御部と、
選定した前記第1の周波数リソースに関する情報を前記中継局に送信し、選定した前記第2の周波数リソースに関する情報を前記第1の端末局に送信する通信部と、を有する制御装置。
[付記2]
前記制御部は、前記干渉を、前記第1の周波数リソースにおける前記上りリンク非再生中継通信の前記基地局における受信電力と、前記第3の周波数リソース及び前記第1の周波数リソースの差分に基づく干渉レベルと、前記第2の周波数リソースにおける前記下りリンク非再生中継通信の前記第1の端末局における受信電力と、前前記第3の周波数リソース及び前記第2の周波数リソースの差分に基づく干渉レベルと、に基づいて算出する付記1に記載の制御装置。
[付記3]
前記制御部は、前記上りリンク非再生中継通信の受信信号対干渉雑音電力比(Signal to Interference plus Noise Ratio(SINR))に関連する第1の条件が満たされるという制約に基づいて、前記干渉を最小化する付記1又は付記2に記載の制御装置。
[付記4]
前記制御部は、前記下りリンク非再生中継通信の受信信号対干渉雑音電力比(Signal to Interference plus Noise Ratio(SINR))に関連する第2の条件が満たされるという制約に基づいて、前記干渉を最小化する付記1から付記3のいずれかに記載の制御装置。
[付記5]
中継局であって、
前記中継局から基地局への上りリンク非再生中継通信を第1の周波数リソースにおいて行い、前記中継局から第1の端末局への下りリンク非再生中継通信を第2の周波数リソースにおいて行う場合に、前記基地局と第2の端末局との間の第3の周波数リソースを用いる通信に対する干渉を最小化するように、周波数リソース候補から前記第1の周波数リソース及び前記第2の周波数リソースを選定する制御部と、
選定した前記第1の周波数リソースに関する情報を前記基地局に送信し、選定した前記第2の周波数リソースに関する情報を前記第1の端末局に送信する通信部と、を有する中継局。
[付記6]
前記制御部は、前記干渉を、前記第1の周波数リソースにおける前記上りリンク非再生中継通信の前記基地局における受信電力と、前記第3の周波数リソース及び前記第1の周波数リソースの差分に基づく干渉レベルと、前記第2の周波数リソースにおける前記下りリンク非再生中継通信の前記第1の端末局における受信電力と、前前記第3の周波数リソース及び前記第2の周波数リソースの差分に基づく干渉レベルと、に基づいて算出する付記5に記載の中継局。
[付記7]
前記制御部は、前記上りリンク非再生中継通信の受信信号対干渉雑音電力比(Signal to Interference plus Noise Ratio(SINR))に関連する第1の条件が満たされるという制約に基づいて、前記干渉を最小化する付記5又は付記6に記載の中継局。
[付記8]
前記制御部は、前記下りリンク非再生中継通信の受信信号対干渉雑音電力比(Signal to Interference plus Noise Ratio(SINR))に関連する第2の条件が満たされるという制約に基づいて、前記干渉を最小化する付記5から付記7のいずれかに記載の中継局。
[付記9]
中継局から基地局への上りリンク非再生中継通信を第1の周波数リソースにおいて行い、前記中継局から第1の端末局への下りリンク非再生中継通信を第2の周波数リソースにおいて行う場合に、前記基地局と第2の端末局との間の第3の周波数リソースを用いる通信に対する干渉を最小化するように、周波数リソース候補から前記第1の周波数リソース及び前記第2の周波数リソースを選定するステップと、
選定した前記第1の周波数リソースに関する情報を前記中継局に送信し、選定した前記第2の周波数リソースに関する情報を前記第1の端末局に送信するステップと、を有する制御装置の制御方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9