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特開2025-25888プログラム、情報処理方法及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025888
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/36 20120101AFI20250214BHJP
   G06Q 20/06 20120101ALI20250214BHJP
【FI】
G06Q20/36 300
G06Q20/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023131102
(22)【出願日】2023-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】513040384
【氏名又は名称】株式会社マネーフォワード
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】植竹 広佑
【テーマコード(参考)】
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA15
5L020AA69
5L055AA15
5L055AA69
(57)【要約】
【課題】ユーザが所望する管理の態様に柔軟に対応することが可能なプログラム等を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、プログラムが提供される。このプログラムは、取得ステップと、特定ステップと、消費ステップとをコンピュータに実行させるように構成される。取得ステップでは、電子マネーでの決済における残高の消費を制御する残高消費制御データを取得する。特定ステップでは、残高消費制御データと、参照情報とに基づいて、決済に使用される残高である使用残高を特定するように構成される。使用残高は、ウォレット及び用途設定残高を含む複数の残高のうち、用途設定残高の中から特定された残高である。ウォレットは、用途が限定されていない残高である。用途設定残高は、想定された用途に設定された残高である。参照情報は、残高消費制御データと、用途設定残高の種類との関係を示す情報である。消費ステップでは、使用残高から電子マネーを消費させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムであって、
取得ステップと、特定ステップと、消費ステップとをコンピュータに実行させるように構成され、
前記取得ステップでは、電子マネーでの決済における残高の消費を制御する残高消費制御データを取得し、
前記特定ステップでは、前記残高消費制御データと、参照情報とに基づいて、前記決済に使用される残高である使用残高を特定するように構成され、
前記使用残高は、ウォレット及び用途設定残高を含む複数の残高のうち、前記用途設定残高の中から特定された残高であり、
前記ウォレットは、用途が限定されていない残高であり、
前記用途設定残高は、想定された用途に設定された残高であり、
前記参照情報は、前記残高消費制御データと、前記用途設定残高の種類との関係を示す情報であり、
前記消費ステップでは、前記使用残高から前記電子マネーを消費させる、
プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記取得ステップでは、前記特定ステップにおいて前記使用残高が特定されなかった場合、他の前記残高消費制御データをさらに取得可能に構成され、
前記特定ステップでは、前記他の残高消費制御データと、前記参照情報とに基づいて、前記使用残高を特定するように構成される、
プログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のプログラムにおいて、
前記消費ステップでは、前記ウォレットから前記電子マネーを消費させ、
前記消費ステップでは、前記使用残高から前記ウォレットに前記電子マネーを移行させる、
プログラム。
【請求項4】
請求項2に記載のプログラムにおいて、
前記消費ステップでは、前記残高消費制御データに対応する前記用途設定残高が存在しないことにより前記使用残高が特定されなかった場合、前記ウォレットから前記電子マネーを消費させる、
プログラム。
【請求項5】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記用途設定残高は、予め設定されている、
プログラム。
【請求項6】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
さらに、選択ステップをコンピュータに実行させるように構成され、
前記選択ステップでは、前記ウォレット内における前記電子マネーの額よりも前記決済に必要な前記電子マネーの額の方が大きい場合、前記用途設定残高から前記電子マネーを消費させた後に、前記用途設定残高から前記ウォレットに前記電子マネーを移行させるか、又は前記複数の残高に紐付いていない前記電子マネーを前記ウォレットにチャージさせるかを選択させる、
プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のプログラムにおいて、
前記選択ステップでは、前記用途設定残高の種類を選択可能に構成される、
プログラム。
【請求項8】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
さらに、選択ステップをコンピュータに実行させるように構成され、
前記選択ステップでは、前記使用残高内における前記電子マネーの額よりも前記決済に必要な前記電子マネーの額の方が大きい場合、前記ウォレットから前記電子マネーを消費させるか否かを選択させる、
プログラム。
【請求項9】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記用途設定残高は、前記決済に使用可能な第1用途設定残高と、前記決済に使用不可能な第2用途設定残高とを含む、
プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムにおいて、
前記第2用途設定残高は、所定条件が満たされた場合に、前記ウォレット及び前記第1用途設定残高の少なくとも一方に前記電子マネーを移行可能とする、
プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムにおいて、
前記所定条件は、所定日時及び所定位置の少なくとも一方を含む、
プログラム。
【請求項12】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記複数の残高は、他のアカウントとの間で共有可能である、
プログラム。
【請求項13】
情報処理方法であって、
請求項1から12までの何れか1項に記載のプログラムの各ステップを備える、
情報処理方法。
【請求項14】
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、請求項1から12までの何れか1項に記載のプログラムの各ステップを実行可能に構成される、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理方法及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、情報処理装置が開示されている。
【0003】
この情報処理装置について説明する。端末装置と決済サーバとが、それぞれネットワークを介して有線又は無線で互いに通信可能に接続される決済サーバ(情報処理装置)は、端末装置を用いた決済に利用可能な残高として、用途を限定しない通常の残高とは別に、用途を限定した用途限定残高を設定する設定部と、通常の残高と、用途限定残高とを個別に管理する管理部と、を備える。設定部は、用途別に前記用途限定残高を設定する。管理部は、用途別に設定された用途限定残高を個別に管理する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-104417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された情報処理装置は、利用店舗又はブランド毎でプリペイドカードを分けるに過ぎないため、ユーザが所望する管理の態様には十分に対応できていなかった。
【0006】
本発明では上記事情を鑑み、ユーザが所望する管理の態様に柔軟に対応することが可能なプログラム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、プログラムが提供される。このプログラムは、取得ステップと、特定ステップと、消費ステップとをコンピュータに実行させるように構成される。取得ステップでは、電子マネーでの決済における残高の消費を制御する残高消費制御データを取得する。特定ステップでは、残高消費制御データと、参照情報とに基づいて、決済に使用される残高である使用残高を特定するように構成される。使用残高は、ウォレット及び用途設定残高を含む複数の残高のうち、用途設定残高の中から特定された残高である。ウォレットは、用途が限定されていない残高である。用途設定残高は、想定された用途に設定された残高である。参照情報は、残高消費制御データと、用途設定残高の種類との関係を示す情報である。消費ステップでは、使用残高から電子マネーを消費させる。
【0008】
このような態様によれば、ユーザが所望する管理の態様に柔軟に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】情報処理システム100を表す構成図である。
図2】情報処理装置200のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】端末300のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】情報処理装置200(制御部210)によって実現される機能を示すブロック図である。
図5】情報処理装置200によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
図6】情報処理装置200によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
図7】情報処理装置200によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
図8】端末300の表示部330に表示される本実施形態の画面例を示す図である。
図9】アクティビティA290に対応する画面例を示す図である。
図10】アクティビティA320に対応する画面例を示す図である。
図11】用途別口座(決済に使用不可能な第2用途設定残高)から電子マネーを移行させる場合の画面例を示す図である。
図12】異なる端末同士で複数の残高を共有する一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0012】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0013】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0014】
1.ハードウェア構成
第1節では、本実施形態のハードウェア構成について説明する。
【0015】
1-1.情報処理システム100
図1は、情報処理システム100を表す構成図である。情報処理システム100は、クラウド型又はアプリケーションとしてのプリペイドカードサービスを提供するものである。情報処理システム100は、情報処理装置200と、端末300とを備え、これらがネットワークを通じて接続されている。これらの構成要素についてさらに説明する。ここで、情報処理システム100に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。したがって、例えば、情報処理装置200単体であっても情報処理システム100に例示されるシステムになりうる。
【0016】
1-2.情報処理装置200
図2は、情報処理装置200のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置200は、各ユーザのアカウントに対応するプリペイドカードの残高を管理するサーバである。情報処理装置200は、制御部210と、記憶部220と、通信部250とを有し、これらの構成要素が情報処理装置200の内部において通信バス260を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0017】
制御部210は、情報処理装置200に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部210は、例えば、不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部210は、記憶部220に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置200に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部220に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部210によって具体的に実現されることで、制御部210に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、第2節においてさらに説明する。なお、制御部210は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部210を有するように実施してもよい。またそれらの組み合わせであってもよい。
【0018】
記憶部220は、情報処理装置200の情報処理に必要な様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部210によって実行される情報処理装置200に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組み合わせであってもよい。
【0019】
通信部250は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、5G/LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、情報処理装置200は、通信部250を介して、端末300とネットワークを介して種々の情報を通信する。
【0020】
1-3.端末300
図3は、端末300のハードウェア構成を示すブロック図である。端末300は、ユーザが利用する端末であり、スマートフォン端末、タブレット端末、デスクトップパソコン、ノートパソコン等であってもよい。端末300は、制御部310と、記憶部320と、表示部330と、入力部340と、通信部350とを有し、これらの構成要素が端末300の内部において通信バス360を介して電気的に接続されている。制御部310、記憶部320及び通信部350の説明は、情報処理装置200における制御部210、記憶部220及び通信部250の説明と略同様のため省略する。
【0021】
表示部330は、端末300の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部330は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、端末300の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。以下では、表示部330は、端末300の筐体に含まれるものとして説明する。
【0022】
入力部340は、端末300の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部340は、表示部330と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部340は、ユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力は、命令信号として、通信バス360を介して制御部310に転送される。そして、制御部310は、必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0023】
2.機能構成
第2節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部220に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部210によって具体的に実現されることで、制御部210に含まれる各機能部として実行されうる。
【0024】
図4は、情報処理装置200(制御部210)によって実現される機能を示すブロック図である。前述の通り、情報処理装置200(情報処理システム)は、制御部210を備える。具体的には、情報処理装置200(制御部210)は、本実施形態のプログラムの各ステップを実行可能に構成される。情報処理装置200(制御部210)は、本実施形態のプログラムの各ステップに対応して、取得部211と、特定部212と、消費部213と、選択部214とを備える。ここで、本実施形態のプログラムは、取得ステップと、特定ステップと、消費ステップと、選択ステップとをコンピュータに実行させるように構成される。
【0025】
取得部211は、種々の情報を取得するように構成される。取得部211は、取得ステップを実行するように構成される。例えば、取得部211は、電子マネーでの決済における残高の消費を制御する残高消費制御データを取得する。
【0026】
電子マネーは、例えば、各企業が独自に用いるポイントや通貨等であってもよく、日本円やドル等の国家により提供される貨幣を電子的に取引可能としたものであってもよい。
【0027】
残高消費制御データは、残高の消費を制御するデータであれば特に限定されることなく、例えば、オーソリゼーションの実行によりカード発行会社から送信されるデータ(以下「オーソリデータ」ともいう。)、決済時にレシートとして端末300に送信されるデータ(以下「電子レシート」ともいう。)、オンラインストア等で購入した購入履歴を管理するアカウントアグリゲーションサービスにおけるデータ(以下「アグリデータ」ともいう。)等であってもよい。残高消費制御データは、さらに、店舗での決済時における紙レシートを撮影してOCR読み取りされたデータ、オンラインストア等での決済時における、決済情報が記載されたメールから取得されたデータ等であってもよい。
【0028】
特定部212は、種々の情報を特定するように構成される。特定部212は、特定ステップを実行するように構成される。例えば、特定部212は、残高消費制御データと、参照情報とに基づいて、電子マネーでの決済に使用される残高である使用残高を特定するように構成される。
【0029】
使用残高は、ウォレット及び用途設定残高を含む複数の残高のうち、用途設定残高の中から特定された残高である。ウォレットは、用途が限定されていない残高である。用途設定残高は、想定された用途に設定された残高である。参照情報は、残高消費制御データと、用途設定残高の種類との関係を示す情報である。
【0030】
消費部213は、電子マネー等の種々の情報を消費させて決済処理を進めるように構成される。消費部213は、消費ステップを実行するように構成される。例えば、消費部213は、特定された使用残高から、決済に必要な額の電子マネーを消費させる。
【0031】
選択部214は、種々の情報を選択させるように構成される。選択部214は、選択ステップを実行するように構成される。例えば、選択部214は、特定された使用残高内における電子マネーの額よりも決済に必要な電子マネーの額の方が大きい場合、ウォレットから電子マネーを消費させるか否かを選択させる。
【0032】
3.情報処理方法
第3節では、前述した情報処理装置200の情報処理方法の流れについて説明する。この情報処理方法は、本実施形態のプログラムの各ステップを備える。この情報処理方法は、コンピュータにより実行されてもよい。この情報処理方法は、取得ステップと、特定ステップと、消費ステップとを備える。取得ステップでは、電子マネーでの決済における残高の消費を制御する残高消費制御データを取得する。特定ステップでは、取得された残高消費制御データと、参照情報とに基づいて、決済に使用される残高である使用残高を特定するように構成される。使用残高は、ウォレット及び用途設定残高を含む複数の残高のうち、用途設定残高の中から特定された残高である。ウォレットは、用途が限定されていない残高である。用途設定残高は、想定された用途に設定された残高である。参照情報は、残高消費制御データと、用途設定残高の種類との関係を示す情報である。消費ステップでは、特定された使用残高から電子マネーを消費させる。
【0033】
図5図7は、情報処理装置200によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。以下、このアクティビティ図の各アクティビティに沿って、説明するものとする。ここで、端末300は、ユーザAが所有するスマートフォン端末であるものとする。ユーザAは、店舗Cにおいて商品を購入しようとし、電子マネーでの決済処理を進めたものとする。
【0034】
まず、端末300における制御部310は、電子マネーでの決済処理を実行する(アクティビティA110)。
【0035】
アクティビティA110では、例えば、次の2段階の情報処理が実行される。(1)制御部310は、通信部350を介して、電子マネーでの決済処理の要求信号(以下「オーソリ電文」ともいう。)を店舗Cの端末に送信する。(2)店舗Cの端末は、オーソリ電文を情報処理装置200に送信する。
【0036】
続いて、情報処理装置200における制御部210は、受信したオーソリ電文に対応するオーソリデータを取得する(アクティビティA120)。このオーソリデータには、店舗Cのカテゴリ(例えばドラッグストア)、商品の金額(今回の決済に必要な額)等の情報が含まれている。換言すると、取得ステップでは、電子マネーでの決済における残高の消費を制御する残高消費制御データを取得する。
【0037】
アクティビティA120では、例えば、次の4段階の情報処理が実行される。(1)通信部250は、オーソリ電文を店舗Cの端末から受信する。(2)制御部210は、当該オーソリ電文に基づいて、オーソリゼーションを実行する。(3)制御部210は、オーソリゼーションを実行した結果(オーソリデータ)を取得する。(4)制御部210は、当該オーソリデータを記憶部220に記憶させる。
【0038】
続いて、情報処理装置200における制御部210は、カウント数Nを1に設定する(アクティビティA130)。このカウント数Nは、アクティビティA140での処理に使用される。
【0039】
アクティビティA130では、例えば、次の3段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、カウント数Nに関するデータ(以下単に「カウント数N」ともいう。)を記憶部220から読み出す。(2)制御部210は、設定処理を実行し、カウント数Nを1に設定する。(3)制御部210は、設定後のカウント数Nを記憶部220に記憶させる。
【0040】
続いて、情報処理装置200における制御部210は、カウント数Nが3であるか否かを判定する(アクティビティA140)。カウント数Nが3の場合、制御部210は、アクティビティA330の処理に移行する。カウント数Nが3ではない場合、制御部210は、アクティビティA150の処理に移行する。なお、アクティビティA140におけるカウント数Nの数は、3に限られることなく、取得を試みる残高消費制御データの数に応じて、任意に設定可能とする。
【0041】
アクティビティA140では、例えば、次の3段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、カウント数Nを記憶部220から読み出す。(2)制御部210は、判定処理を実行し、カウント数Nが3であるか否かを判定する。(3)制御部210は、判定処理の結果に基づいて、次の処理に移行する。
【0042】
続いて、情報処理装置200における制御部210は、今回の決済処理に使用される使用残高を特定する処理を実行する(アクティビティA150)。換言すると、特定ステップでは、残高消費制御データと、参照情報とに基づいて、決済に使用される残高である使用残高を特定するように構成される。
【0043】
ここで、使用残高は、ウォレット及び用途設定残高を含む複数の残高のうち、用途設定残高の中から特定された残高である。また、ウォレットは、用途が限定されていない残高である。さらに、用途設定残高は、想定された用途に設定された残高であり、設定された用途のみに限定されたものでなくてもよい。
【0044】
また、参照情報は、残高消費制御データと、用途設定残高の種類との関係を示す情報である。本実施形態では、参照情報は、残高消費制御データと、用途設定残高の種類との関係を教師データとして学習させた学習済みモデルであるものとする。
【0045】
アクティビティA150では、例えば、次の3段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、オーソリデータ及び学習済みモデルを記憶部220から読み出す。(2)制御部210は、特定処理を実行し、オーソリデータに適合する使用残高の特定を試みる。(3)制御部210は、使用残高を特定した場合、特定された使用残高に関するデータ(以下単に「使用残高」ともいう。)を記憶部220に記憶させる。
【0046】
続いて、情報処理装置200における制御部210は、アクティビティA150において使用残高が特定されたか否かを判定する(アクティビティA160)。使用残高が特定された場合、制御部210は、アクティビティA210の処理に移行する。使用残高が特定されなかった場合、制御部210は、アクティビティA170の処理に移行する。
【0047】
アクティビティA160では、例えば、次の2段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、判定処理を実行し、今回の決済処理に使用される使用残高が記憶部220に記憶されているか否かを判定する。(2)制御部210は、判定結果に基づいて、次の処理に移行する。
【0048】
続いて、情報処理装置200における制御部210は、今回の決済に必要な額(以下「決済額」ともいう。)に対応する電子マネーをウォレットから消費済みか否かを判定する(アクティビティA170)。ウォレットから電子マネーを消費済みの場合、制御部210は、アクティビティA190の処理に移行する。ウォレットから電子マネーをまだ消費していない場合、制御部210は、アクティビティA180の処理に移行する。
【0049】
アクティビティA170では、例えば、次の3段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、ウォレットの消費履歴を記憶部220から読み出す。(2)制御部210は、判定処理を実行し、決済額に対応する電子マネーをウォレットから消費済みか否かを判定する。(3)制御部210は、判定結果に基づいて、次の処理に移行する。
【0050】
続いて、情報処理装置200における制御部210は、決済額に対応する電子マネーをウォレットから消費させる(アクティビティA180)。換言すると、消費ステップでは、ウォレットから、決済額に対応する電子マネーを消費させる。このような態様によれば、使用残高が(一時的に)特定されないことによる決済処理の遅延を防止することができる。
【0051】
アクティビティA180では、例えば、次の2段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、決済額に関するデータを記憶部220から読み出す。(2)制御部210は、消費処理を実行し、決済額に基づいて、ウォレットから電子マネーを消費させる。
【0052】
続いて、情報処理装置200における制御部210は、オーソリデータとは別の残高消費制御データ(他の残高消費制御データ)の取得処理を実行する(アクティビティA190)。ここで、他の残高消費制御データは、電子レシートであるものとする。換言すると、取得ステップでは、特定ステップにおいて使用残高が特定されなかった場合、他の残高消費制御データをさらに取得可能に構成される。
【0053】
アクティビティA190では、例えば、次の3段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、通信部250を介して、端末300において取得された電子レシートの送信要求を端末300に送信する。(2)通信部250は、端末300から電子レシートを受信する。(3)制御部210は、電子レシートを記憶部220に記憶させる。
【0054】
続いて、情報処理装置200における制御部210は、カウント数Nをインクリメントする(アクティビティA200)。
【0055】
アクティビティA200では、例えば、次の3段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、カウント数Nを記憶部220から読み出す。(2)制御部210は、カウント数Nをインクリメントする。(3)制御部210は、インクリメントされたカウント数Nを記憶部220に記憶させる。
【0056】
続いて、情報処理装置200における制御部210は、アクティビティA140を経てアクティビティA150の処理を実行する。アクティビティA190を経た後のアクティビティA150を換言すると、特定ステップでは、他の残高消費制御データと、参照情報とに基づいて、使用残高を特定するように構成される。このような態様によれば、例えばオーソリデータだけでは使用残高を特定できなかった場合、その後に取得された残高消費制御データ(例えば電子レシート)を利用して、使用残高を自動的に特定することができる。
【0057】
続いて、情報処理装置200における制御部210は、決済額に対する残高不足の有無を判定する(アクティビティA210)。残高不足の判定の対象は、用途が限定されていない残高であるウォレット、及び、用途設定残高の中から特定された残高である使用残高である。ウォレット及び使用残高の双方ともに残高不足ではない場合、制御部210は、アクティビティA340の処理に移行する。ウォレット及び使用残高の少なくとも一方が残高不足である場合、制御部210は、アクティビティA220の処理に移行する。
【0058】
アクティビティA210では、例えば、次の4段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、決済額を記憶部220から読み出す。(2)制御部210は、ウォレット内における電子マネーの額(以下「ウォレット残高」ともいう。)及び使用残高内における電子マネーの額(以下単に「使用残高」ともいう。)を記憶部220から読み出す。(3)制御部210は、判定処理を実行し、決済額に対する残高不足の有無を判定する。(4)制御部210は、判定結果に基づいて、次の処理に移行する。
【0059】
続いて、情報処理装置200における制御部210は、どの残高が不足しているかを判定する(アクティビティA220)。ウォレット残高及び使用残高内における電子マネーの額の双方が不足している場合、制御部210は、決済不可として、決済処理を中断する。使用残高が不足している場合、制御部210は、アクティビティA320の処理に移行する。ウォレット残高が不足している場合、制御部210は、アクティビティA230の処理に移行する。
【0060】
続いて、情報処理装置200における制御部210は、アクティビティA280において電子マネーを消費させる用途設定残高、及びアクティビティA300においてウォレットに電子マネーを移行させる用途設定残高の双方(以下「対象となる用途設定残高」ともいう。)を選択させる(アクティビティA230)。換言すると、選択ステップでは、用途設定残高の種類を選択可能に構成される。このような態様によれば、状況に応じて電子マネーの移行元を選択することができる。
【0061】
アクティビティA230では、例えば、次の3段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、ユーザAのアカウントに紐付けられた用途設定残高の種類を記憶部220から読み出す。(2)制御部210は、選択処理を実行し、対象となる用途設定残高の種類に関するデータ、及び用途設定残高を選択させる選択処理要求に関する信号を、通信部250を介して端末300に送信する。
【0062】
続いて、端末300における制御部310は、通信部350を介して、対象となる用途設定残高の種類に関するデータ、及び選択処理要求に関する信号を情報処理装置200から受信する(アクティビティA240)。
【0063】
続いて、端末300における制御部310は、対象となる用途設定残高が選択されるまで待機する(アクティビティA250)。
【0064】
アクティビティA250では、例えば、次の2段階の情報処理が実行される。(1)入力部340は、対象となる用途設定残高を選択する入力を受け付ける。(2)制御部310は、入力された選択結果を記憶部320に記憶させる。
【0065】
続いて、端末300における制御部310は、対象となる用途設定残高の選択結果を情報処理装置200に送信する(アクティビティA260)。
【0066】
アクティビティA260では、例えば、次の2段階の情報処理が実行される。(1)制御部310は、対象となる用途設定残高の選択結果を記憶部320から読み出す。(2)制御部310は、通信部350を介して、対象となる用途設定残高の選択結果を情報処理装置200に送信する。
【0067】
続いて、情報処理装置200における制御部210は、対象となる用途設定残高の選択結果を受信する(アクティビティA270)。
【0068】
アクティビティA270では、例えば、次の2段階の情報処理が実行される。3(1)通信部250は、対象となる用途設定残高の選択結果を端末300から受信する。(2)制御部210は、受信された当該選択結果を記憶部220に記憶させる。
【0069】
続いて、情報処理装置200における制御部210は、選択された用途設定残高から、決済額に応じて電子マネーを消費させる(アクティビティA280)。「決済額に応じて電子マネーを消費させる」とは、例えば、決済額が500円である場合、500円分の電子マネーを消費させることである。換言すると、選択ステップでは、選択された用途設定残高から、決済額に応じて電子マネーを消費させる。
【0070】
アクティビティA280では、例えば、次の3段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、対象となる用途設定残高の選択結果を記憶部220から読み出す。(2)制御部210は、消費処理を実行し、選択された用途設定残高から、決済額に応じて電子マネーを消費させる。(3)制御部210は、電子マネー消費後の用途設定残高を記憶部220に記憶させる。
【0071】
続いて、情報処理装置200における制御部210は、用途が限定されていない残高であるウォレットへの電子マネーの処理の方針を判定する(アクティビティA290)。アクティビティA290では、アクティビティA230からA270の処理と略同様の処理が実行される。選択された用途設定残高から電子マネーを移行させる場合、制御部210は、アクティビティA300の処理に移行する。ユーザAのアカウントに紐付けられた銀行口座から電子マネーをチャージする場合、制御部210は、アクティビティA310の処理に移行する。
【0072】
アクティビティA290では、例えば、次の3段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、通信部250を介して、ウォレットへの電子マネーの処理の方針を選択させるための選択処理要求に関する信号を端末300に送信する。(2)通信部250は、端末300において選択された当該方針に関するデータを端末300から受信する。(3)制御部210は、当該方針に関するデータを記憶部220に記憶させる。なお、当該方針に関するデータは、移行させる電子マネーの額に関する情報やチャージさせる電子マネーの額に関する情報を含み得る。
【0073】
続いて、情報処理装置200における制御部210は、選択された用途設定残高からウォレットに電子マネーを移行させる(アクティビティA300)。ここで、移行させる電子マネーの額は、アクティビティA290において端末300で決定されたものとする。換言すると、選択ステップでは、選択された用途設定残高からウォレットに電子マネーを移行させる。
【0074】
アクティビティA300では、例えば、次の3段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、決定された電子マネーの額を記憶部220から読み出す。(2)制御部210は、移行処理を実行し、選択された用途設定残高からウォレットに電子マネーを移行させる。(3)制御部210は、移行処理後の用途設定残高及びウォレット残高を記憶部220に記憶させる。
【0075】
続いて、情報処理装置200における制御部210は、ユーザAのアカウントに紐付けられた銀行口座からウォレットに電子マネーをチャージさせる(アクティビティA310)。ここで、チャージさせる電子マネーの額は、アクティビティA290において端末300で決定されたものとする。換言すると、選択ステップでは、複数の残高に紐付いていない電子マネーをウォレットにチャージさせる。
【0076】
アクティビティA310では、例えば、次の3段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、決定された電子マネーの額を記憶部220から読み出す。(2)制御部210は、チャージ処理を実行し、銀行口座からウォレットに電子マネーをチャージさせる。(3)制御部210は、チャージ処理後のウォレット残高を記憶部220に記憶させる。
【0077】
このように、アクティビティA230からA310では、ウォレット内における電子マネーの額よりも決済に必要な電子マネーの額の方が大きい場合における情報処理が実行される。このような態様によれば、決済の処理を止めることなくスムーズな支払いを実現することができる。
【0078】
続いて、情報処理装置200における制御部210は、使用残高内における電子マネーの額よりも決済に必要な電子マネーの額の方が大きい場合、用途が限定されていない残高であるウォレットから電子マネーを消費させるか否かを選択させる(アクティビティA320)。アクティビティA320では、アクティビティA230からA270の処理と略同様の処理が実行される。換言すると、選択ステップでは、ウォレットから電子マネーを消費させるか否かを選択させる。
【0079】
そして、ウォレットから電子マネーを消費させないことが選択された場合、制御部210は、決済不可として、決済処理を中断する。ウォレットから電子マネーを消費させることが選択された場合、制御部210は、アクティビティA330の処理に移行する。このような態様によれば、決済の処理を止めることなくスムーズな支払いを実現することができる。
【0080】
続いて、情報処理装置200における制御部210は、ウォレットから、決済額に対応する電子マネーを消費させる(アクティビティA330)。アクティビティA330は、アクティビティA250においてカウント数Nが3になった場合の次のアクティビティである場合を含む。換言すると、消費ステップでは、残高消費制御データに対応する用途設定残高が存在しないことにより使用残高が特定されなかった場合、ウォレットから電子マネーを消費させる。このような態様によれば、使用残高の特定が不可能であっても、決済時におけるユーザの利便性を向上させることができる。
【0081】
アクティビティA330では、例えば、次の3段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、決済額に関するデータを記憶部220から読み出す。(2)制御部210は、消費処理を実行し、ウォレットから決済額に対応する電子マネーを消費させる。(3)制御部210は、消費処理後のウォレット残高を記憶部220に記憶させる。
【0082】
続いて、情報処理装置200における制御部210は、特定された使用残高から決済額に対応する電子マネーを消費させる(アクティビティA340)。換言すると、消費ステップでは、特定された使用残高から決済額に対応する(決済額分の)電子マネーを消費させる。
【0083】
アクティビティA340では、例えば、次の3段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、決済額に関するデータを記憶部220から読み出す。(2)制御部210は、消費処理を実行し、決済額に基づいて使用残高から電子マネーを消費させる。(3)制御部210は、消費処理後の使用残高内における電子マネーの額を記憶部220に記憶させる。
【0084】
続いて、情報処理装置200における制御部210は、今回の決済において、他の残高消費制御データ(電子レシート)により使用残高を特定したか否かを判定する(アクティビティA350)。制御部210は、電子レシートにより使用残高を特定した場合、アクティビティA360の処理に移行する。制御部210は、オーソリデータから使用残高を特定した場合や、電子レシートを用いても使用残高を特定できなかった場合、アクティビティA370の処理に移行する。
【0085】
続いて、情報処理装置200における制御部210は、特定された使用残高からウォレットに電子マネーを移行させる(アクティビティA360)。アクティビティA360は、アクティビティA180において、一旦、ウォレットから電子マネーを消費させたために実行される。換言すると、消費ステップでは、使用残高からウォレットに電子マネーを移行させる。
【0086】
アクティビティA360では、例えば、次の3段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、決済額に関するデータを記憶部220から読み出す。(2)制御部210は、移行処理を実行し、使用残高からウォレットに決済額に対応する電子マネーを移行させる。(3)制御部210は、移行後の使用残高内における電子マネーの額、及び移行後のウォレット内における電子マネーの額を記憶部220に記憶させる。
【0087】
続いて、情報処理装置200における制御部210は、決済処理後における複数の残高についての表示情報を生成する(アクティビティA370)。
【0088】
アクティビティA370では、例えば、次の3段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、複数の残高に関する情報を記憶部220から読み出す。(2)制御部210は、生成処理を実行し、複数の残高についての表示情報を生成する。(3)制御部210は、生成された表示情報を記憶部220に記憶させる。
【0089】
続いて、情報処理装置200における制御部210は、生成された表示情報を端末300に送信する(アクティビティA380)。
【0090】
アクティビティA380では、例えば、次の2段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、生成された表示情報を記憶部220から読み出す。(2)制御部210は、通信部250を介して、生成された表示情報を端末300に送信する。
【0091】
続いて、端末300における制御部310は、送信された表示情報を情報処理装置200から受信する(アクティビティA390)。
【0092】
アクティビティA390では、例えば、次の2段階の情報処理が実行される。(1)通信部350は、情報処理装置200から送信された表示情報を受信する。(2)制御部310は、受信された表示情報を記憶部320に記憶させる。
【0093】
続いて、端末300における制御部310は、受信された表示情報を表示部330に表示させる(アクティビティA400)。
【0094】
アクティビティA400では、例えば、次の2段階の情報処理が実行される。(1)制御部310は、受信された表示情報を記憶部320から読み出す。(2)制御部310は、受信された表示情報を表示部330に表示させる。
【0095】
以上の情報処理の態様によれば、決済時におけるユーザの利便性を向上させるとともに、ユーザが所望する管理の態様に柔軟に対応することができる。また、簡単な構成のため、節約されたリソースを他の中核機能に使用することができる。
【0096】
4.画面例
第4節では、本実施形態の画面例について説明する。
【0097】
図8は、端末300の表示部330に表示される本実施形態の画面例を示す図である。表示部330には、領域311、領域312及び領域313が表示されている。
【0098】
領域311には、メイン残高が表示されている。メイン残高は、用途が限定されていない残高であるウォレットに相当する。メイン残高は、12万円と表示されている。
【0099】
領域312には、ポケットが表示されている。ポケットは、想定された用途に設定された残高である用途設定残高に相当し、特に、決済に使用可能な第1用途設定残高に相当する。ポケット(食費)は、食費に使用可能な残高として設定されたポケットである。ポケット(趣味)は、趣味に使用可能な残高として設定されたポケットである。ポケット(食費)は、4万円と表示されている。ポケット(趣味)は、3万円と表示されている。
【0100】
ここで、ポケット(食費)及びポケット(趣味)は、予め設定されている(初期設定されている)ものとする。このような態様によれば、電子マネーの自動消費処理を容易化することができる。また、ポケットは、任意に追加可能とする。
【0101】
領域313には、用途別口座が表示されている。用途別口座は、想定された用途に設定された残高である用途設定残高に相当し、特に、決済に使用不可能な第2用途設定残高に相当する。ここでは、用途別口座として、旅行貯金が設定されている。旅行貯金の残高は、50万円と表示されている。
【0102】
このように、用途設定残高として、第1用途設定残高及び第2用途設定残高を含むことにより、電子マネーをより柔軟に管理することができる。
【0103】
図9は、アクティビティA290に対応する画面例を示す図である。表示部330には、「メイン残高が不足していました。どの処理を実行しますか?」の文字が表示されている。表示部330には、領域321、領域322及びOKボタン323が表示されている。
【0104】
領域321には、メイン残高が不足している場合における処理の選択肢が表示されている。ここでは、選択肢として、「趣味ポケットからメイン残高に移行」、「銀行口座からメイン残高にチャージ」、「決済をやめる」の選択肢が表示されている。ここでは、一例として、「銀行口座からメイン残高にチャージ」にチェックされている。
【0105】
領域322には、メイン残高にチャージするチャージ金額の選択肢が表示されている。チャージ金額は、1,000円、2,000円、5,000円の中から選択可能となっている。
【0106】
OKボタン323は、領域321及び領域322での設定内容で問題ない場合にタップされるボタンであり、タップされることで、上記設定内容が確定し、アクティビティA290及びA310の処理が実行される。
【0107】
図10は、アクティビティA320に対応する画面例を示す図である。表示部330には、「ポケット(食費)残高が不足しています。どの処理を実行しますか?」の文字が表示されている。表示部330には、領域331、領域332及びOKボタン333が表示されている。
【0108】
領域331には、ポケット残高が不足している場合における処理の選択肢が表示されている。ここでは、選択肢として、「メイン残高から消費して決済する」、「決済をやめる」の選択肢が表示されている。ここでは、一例として、「メイン残高から消費して決済する」にチェックされている。
【0109】
領域332には、決済金額、ポケット(食費)残高、メイン残高がそれぞれ表示されている。領域332における表示内容は、参考に資するための表示であり、領域331における選択の参考に寄与し得る。ここでは、一例として、決済金額が1,500円、ポケット(食費)残高が1,200円、メイン残高が38,000円として表示されている。
【0110】
OKボタン333は、領域331での設定内容で問題ない場合にタップされるボタンであり、タップされることで、上記設定内容が確定し、アクティビティA320及びA330の処理が実行される。
【0111】
図11は、用途別口座(決済に使用不可能な第2用途設定残高)から電子マネーを移行させる場合の画面例を示す図である。表示部330には、「用途別口座から電子マネーを移行」の文字が表示されている。図11では、ユーザAがクリスマスシーズンにおいて店舗D内で買い物をしているものとする。表示部330には、領域341、領域342及びOKボタン343が表示されている。
【0112】
領域341には、移行元の用途別口座「旅行貯金」、移行先の「メイン残高」、「ポケット(食費)」、「ポケット(趣味)」が表示され、さらに、移行元の旅行貯金の残高として30万円が表示されている。ここでは、一例として、移行元として「旅行貯金」、移行先として「メイン残高」にチェックされている。
【0113】
領域342には、移行する金額の選択肢が表示されている。ここでは、選択肢として、1,000円、2,000円、5,000円、10,000円、20,000円、50,000円の選択肢が表示されている。ここでは、50,000円が選択されたものとする。
【0114】
OKボタン343は、上記設定内容で問題ない場合にタップされるボタンであり、タップされることで、上記設定内容が確定し、用途別口座から任意の移行先への電子マネーの移行処理が実行される。
【0115】
図11に示すように、第2用途設定残高は、所定条件が満たされた場合に、用途が限定されていない残高であるウォレット、及び決済に使用可能な第1用途設定残高の少なくとも一方に電子マネーを移行可能としてもよい。このような態様によれば、第2用途設定残高をより有効に活用することができる。
【0116】
ここで、所定条件は、所定日時及び所定位置の少なくとも一方を含むものとする。図11では、所定日時として「クリスマスシーズン」、所定位置として「店舗D」の条件を満たしているものとする。このような態様によれば、電子マネーの管理の幅を広げるとともに、用途設定残高の使いやすさを向上させることができる。
【0117】
図12は、異なる端末同士で複数の残高を共有する一例を示す図である。図12では、ユーザYの端末を端末400、ユーザZの端末を端末500として説明する。
【0118】
端末400における表示部430には、領域411、領域412及び領域413が表示されている。
【0119】
領域411には、「二人用残高」、「Y用メイン残高」が表示されている。二人用残高は、ユーザYとユーザZとが共通して使用可能なメイン残高とする。Y用メイン残高は、ユーザYが使用可能なメイン残高とする。ここでは、二人用残高として、10万円と表示され、Y用メイン残高として、5万円と表示されている。
【0120】
領域412には、ポケット(決済に使用可能な第1用途設定残高)として、ポケット(食費)、ポケット(趣味)が表示されている。ポケット(食費)、ポケット(趣味)は、ユーザY及びユーザZが共通して使用可能なポケットとする。
【0121】
領域413には、用途別口座(決済に使用不可能な第2用途設定残高)として、旅行貯金が表示されている。ここでは、旅行貯金の残高はユーザZ側には表示されないものとする。その理由は、ユーザYが用途別口座として設定した残高であるため、共有者であるユーザZには見えないように設定されたためである。
【0122】
端末500における表示部530には、領域511、領域512及び領域513が表示されている。
【0123】
領域511には、「二人用残高」、「Z用メイン残高」が表示されている。二人用残高は、ユーザYとユーザZとが共通して使用可能なメイン残高とする。Z用メイン残高は、ユーザZが使用可能なメイン残高とする。ここでは、二人用残高として、10万円と表示され、Y用メイン残高として、8万円と表示されている。
【0124】
領域412には、ポケットとして、ポケット(食費)、ポケット(趣味)が表示されている。ポケット(食費)、ポケット(趣味)は、ユーザY及びユーザZが共通して使用可能なポケットとする。
【0125】
領域413には、用途別口座として、旅行貯金が表示されている。ここでは、旅行貯金の残高はユーザY側には表示されないものとする。その理由は、ユーザZが用途別口座として設定した残高であるため、共有者であるユーザYには見えないように設定されたためである。
【0126】
図12に示すように、複数の残高は、他のアカウントとの間で共有可能であってもよい。このような態様によれば、自分のアカウント及び他のアカウントにおけるお金を一元管理することができる。
【0127】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0128】
5.変形例
第5節では、本実施形態の変形例について説明する。
【0129】
制御部210は、各種データ及び各種情報について記憶部220に書き出し処理(記憶処理)及び読み出し処理をしているが、これに限られず、例えば、制御部210内のレジスタやキャッシュメモリ等を使用して、各アクティビティの情報処理を実行してもよい。
【0130】
参照情報は、残高消費制御データと、用途設定残高の種類との関係を示す情報であればよく、ルックアップテーブル等を格納するデータベース、ある変数に依存して決まる値の対応を表す関数、複数の情報を数学的に関係づけた数理モデル等であってもよい。
【0131】
アクティビティA230では、アクティビティA280において電子マネーを消費させる用途設定残高、及びアクティビティA300においてウォレットに電子マネーを移行させる用途設定残高の双方を選択させるものとしたが、これに限られることはない。電子マネーを消費させる用途設定残高、及びウォレットに電子マネーを移行させる用途設定残高のうち一方を選択させてもよいし、予め選択された設定を使用することとして、アクティビティA230からA270の処理を省略してもよい。
【0132】
アクティビティA310では、ユーザAのアカウントに紐付けられた銀行口座からウォレットに電子マネーをチャージさせることとしたが、これに限られることはない。例えば、ユーザAのアカウントに紐付けられたクレジットカードからウォレットに電子マネーをチャージさせることとしてもよい。
【0133】
図12において、領域412に表示される各ポケット、領域413に表示される各用途別残高、領域512に表示される各ポケット、領域513に表示される各用途別残高は、他のアカウントと共有してもよいし、本人のみが使用可能としてもよい。
【0134】
アクティビティA210において使用残高又はウォレット残高が不足している場合(アクティビティA210のYES)、本実施形態では、図9図11の処理を例示したが、これに限られることはない。使用残高又はウォレット残高が不足している場合にどのように制御(処理)するかの設定は、事前に設定しておくようにしてもよい。この場合において使用残高又はウォレット残高が不足しているとき、画面遷移を経ることなく事前設定された処理が実行されてもよい。
【0135】
6.その他
次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0136】
(1)プログラムであって、取得ステップと、特定ステップと、消費ステップとをコンピュータに実行させるように構成され、前記取得ステップでは、電子マネーでの決済における残高の消費を制御する残高消費制御データを取得し、前記特定ステップでは、前記残高消費制御データと、参照情報とに基づいて、前記決済に使用される残高である使用残高を特定するように構成され、前記使用残高は、ウォレット及び用途設定残高を含む複数の残高のうち、前記用途設定残高の中から特定された残高であり、前記ウォレットは、用途が限定されていない残高であり、前記用途設定残高は、想定された用途に設定された残高であり、前記参照情報は、前記残高消費制御データと、前記用途設定残高の種類との関係を示す情報であり、前記消費ステップでは、前記使用残高から前記電子マネーを消費させる、プログラム。
【0137】
このような態様によれば、決済時におけるユーザの利便性を向上させるとともに、ユーザが所望する管理の態様に柔軟に対応することができる。また、簡単な構成のため、節約されたリソースを他の中核機能に使用することができる。
【0138】
(2)上記(1)に記載のプログラムにおいて、前記取得ステップでは、前記特定ステップにおいて前記使用残高が特定されなかった場合、他の前記残高消費制御データをさらに取得可能に構成され、前記特定ステップでは、前記他の残高消費制御データと、前記参照情報とに基づいて、前記使用残高を特定するように構成される、プログラム。
【0139】
このような態様によれば、例えばオーソリデータだけでは使用残高を特定できなかった場合、その後に取得された残高消費制御データ(例えば電子レシート)を利用して、使用残高を自動的に特定することができる。
【0140】
(3)上記(2)に記載のプログラムにおいて、前記消費ステップでは、前記ウォレットから前記電子マネーを消費させ、前記消費ステップでは、前記使用残高から前記ウォレットに前記電子マネーを移行させる、プログラム。
【0141】
このような態様によれば、使用残高が(一時的に)特定されないことによる決済処理の遅延を防止することができる。
【0142】
(4)上記(2)に記載のプログラムにおいて、前記消費ステップでは、前記残高消費制御データに対応する前記用途設定残高が存在しないことにより前記使用残高が特定されなかった場合、前記ウォレットから前記電子マネーを消費させる、プログラム。
【0143】
このような態様によれば、使用残高の特定が不可能であっても、決済時におけるユーザの利便性を向上させることができる。
【0144】
(5)上記(1)から(4)までの何れか1つに記載のプログラムにおいて、前記用途設定残高は、予め設定されている、プログラム。
【0145】
このような態様によれば、電子マネーの自動消費処理を容易化することができる。
【0146】
(6)上記(1)から(5)までの何れか1つに記載のプログラムにおいて、さらに、選択ステップをコンピュータに実行させるように構成され、前記選択ステップでは、前記ウォレット内における前記電子マネーの額よりも前記決済に必要な前記電子マネーの額の方が大きい場合、前記用途設定残高から前記電子マネーを消費させた後に、前記用途設定残高から前記ウォレットに前記電子マネーを移行させるか、又は前記複数の残高に紐付いていない前記電子マネーを前記ウォレットにチャージさせるかを選択させる、プログラム。
【0147】
このような態様によれば、決済の処理を止めることなくスムーズな支払いを実現することができる。
【0148】
(7)上記(6)に記載のプログラムにおいて、前記選択ステップでは、前記用途設定残高の種類を選択可能に構成される、プログラム。
【0149】
このような態様によれば、状況に応じて電子マネーの移行元を選択することができる。
【0150】
(8)上記(1)から(5)までの何れか1つに記載のプログラムにおいて、さらに、選択ステップをコンピュータに実行させるように構成され、前記選択ステップでは、前記使用残高内における前記電子マネーの額よりも前記決済に必要な前記電子マネーの額の方が大きい場合、前記ウォレットから前記電子マネーを消費させるか否かを選択させる、プログラム。
【0151】
このような態様によれば、決済の処理を止めることなくスムーズな支払いを実現することができる。
【0152】
(9)上記(1)から(8)までの何れか1つに記載のプログラムにおいて、前記用途設定残高は、前記決済に使用可能な第1用途設定残高と、前記決済に使用不可能な第2用途設定残高とを含む、プログラム。
【0153】
このような態様によれば、電子マネーをより柔軟に管理することができる。
【0154】
(10)上記(9)に記載のプログラムにおいて、前記第2用途設定残高は、所定条件が満たされた場合に、前記ウォレット及び前記第1用途設定残高の少なくとも一方に前記電子マネーを移行可能とする、プログラム。
【0155】
このような態様によれば、第2用途設定残高をより有効に活用することができる。
【0156】
(11)上記(10)に記載のプログラムにおいて、前記所定条件は、所定日時及び所定位置の少なくとも一方を含む、プログラム。
【0157】
このような態様によれば、電子マネーの管理の幅を広げるとともに、用途設定残高の使いやすさを向上させることができる。
【0158】
(12)上記(1)から(11)までの何れか1つに記載のプログラムにおいて、前記複数の残高は、他のアカウントとの間で共有可能である、プログラム。
【0159】
このような態様によれば、自分のアカウント及び他のアカウントにおけるお金を一元管理することができる。
【0160】
(13)情報処理方法であって、上記(1)から(12)までの何れか1つに記載のプログラムの各ステップを備える、情報処理方法。
【0161】
このような態様によれば、決済時におけるユーザの利便性を向上させるとともに、ユーザが所望する管理の態様に柔軟に対応することができる。また、簡単な構成のため、節約されたリソースを他の中核機能に使用することができる。
【0162】
(14)情報処理システムであって、制御部を備え、前記制御部は、上記(1)から(12)までの何れか1つに記載のプログラムの各ステップを実行可能に構成される、情報処理システム。
【0163】
このような態様によれば、決済時におけるユーザの利便性を向上させるとともに、ユーザが所望する管理の態様に柔軟に対応することができる。また、簡単な構成のため、節約されたリソースを他の中核機能に使用することができる。
もちろん、この限りではない。
【符号の説明】
【0164】
100 :情報処理システム
200 :情報処理装置
210 :制御部
211 :取得部
212 :特定部
213 :消費部
214 :選択部
220 :記憶部
250 :通信部
260 :通信バス
300 :端末
310 :制御部
311 :領域
312 :領域
313 :領域
320 :記憶部
321 :領域
322 :領域
323 :OKボタン
330 :表示部
331 :領域
332 :領域
333 :OKボタン
340 :入力部
341 :領域
342 :領域
343 :OKボタン
350 :通信部
360 :通信バス
400 :端末
411 :領域
412 :領域
413 :領域
430 :表示部
500 :端末
511 :領域
512 :領域
513 :領域
530 :表示部
図1
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