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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025903
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20250214BHJP
   H10K 50/844 20230101ALI20250214BHJP
   H10K 59/35 20230101ALI20250214BHJP
   H10K 59/38 20230101ALI20250214BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
G09F9/30 349B
H10K50/844
H10K59/35
H10K59/38
G02B5/20 101
G09F9/30 365
G09F9/30 309
G09F9/30 349C
G09F9/30 348A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023131127
(22)【出願日】2023-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長澤 順子
(72)【発明者】
【氏名】前出 優次
【テーマコード(参考)】
2H148
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
2H148BD01
2H148BG06
2H148BH28
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC23
3K107CC45
3K107EE22
3K107EE27
3K107FF15
5C094AA43
5C094AA44
5C094BA27
5C094DA07
5C094ED02
5C094ED14
5C094ED15
(57)【要約】
【課題】製造負荷を低減すること、及び、コストを削減することが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】複数の画素と、絶縁基板と、前記絶縁基板の上に位置し、有機発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子と、前記有機エレクトロルミネッセンス素子を封止する封止層と、前記封止層の上に位置し、第1色の第1カラーフィルタと、前記第1色とは異なる色の第2色の第2カラーフィルタと、前記第1色及び前記第2色とは異なる色の第3色の第3カラーフィルタと、を有するカラーフィルタ層と、それぞれの前記画素において、第1画素開口、第2画素開口、及び、第3画素開口と、前記第1画素開口、前記第2画素開口、及び、前記第3画素開口のそれぞれを囲み、前記第1カラーフィルタ、前記第2カラーフィルタ、及び、前記第3カラーフィルタが互いに積層された遮光領域と、を備える、表示装置。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素と、
絶縁基板と、
前記絶縁基板の上に位置し、有機発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子と、
前記有機エレクトロルミネッセンス素子を封止する封止層と、
前記封止層の上に位置し、第1色の第1カラーフィルタと、前記第1色とは異なる色の第2色の第2カラーフィルタと、前記第1色及び前記第2色とは異なる色の第3色の第3カラーフィルタと、を有するカラーフィルタ層と、
それぞれの前記画素において、前記第1カラーフィルタが位置する第1画素開口、前記第2カラーフィルタが位置する第2画素開口、及び、前記第3カラーフィルタが位置する第3画素開口と、
前記第1画素開口、前記第2画素開口、及び、前記第3画素開口のそれぞれを囲み、前記第1カラーフィルタ、前記第2カラーフィルタ、及び、前記第3カラーフィルタが互いに積層された遮光領域と、を備える、表示装置。
【請求項2】
さらに、前記有機エレクトロルミネッセンス素子に対して前記絶縁基板の側とは反対側に表示面を有し、
前記第1カラーフィルタ、前記第2カラーフィルタ、及び、前記第3カラーフィルタは、前記遮光領域において、前記絶縁基板の側から前記表示面の側に向かって積層されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1カラーフィルタは、前記第3画素開口と重なる位置に第1開口を有し、前記第2画素開口と重なる位置に第2開口を有し、
前記第2カラーフィルタは、前記第3画素開口と重なる位置に第3開口を有し、前記第1画素開口と重なる位置に第4開口を有し、
前記第3カラーフィルタは、前記第1画素開口と重なる位置に第5開口を有し、前記第2画素開口と重なる位置に第6開口を有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
さらに、前記封止層と前記カラーフィルタ層との間に位置するオーバーコート層を備え、
前記オーバーコート層は、前記遮光領域と重なる溝部を有し、
前記第1カラーフィルタ、前記第2カラーフィルタ、及び、前記第3カラーフィルタは、前記溝部と重なる位置において互いに積層され、
前記第1カラーフィルタの一部は、前記溝部の内部に位置する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記溝部は、前記第1画素開口、前記第2画素開口、及び、前記第3画素開口のそれぞれを囲む、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第3画素開口は、第1方向に延出し、
前記第1画素開口は、前記第3画素開口の前記第1方向と交差する第2方向に並び、
前記第2画素開口は、前記第3画素開口の前記第2方向に並び、前記第1画素開口の前記第1方向に並ぶ、請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示素子として有機発光ダイオード(OLED)を適用した有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置が実用化されている。有機EL表示装置は、OLEDを封止する封止層を備えている。このような有機EL表示装置において、偏光板が設けられずに、封止層の上にカラーフィルタ層が形成される構成が知られている。
また、赤、緑、青の画素を形成するための各色のカラーフィルタ層を重ね合わせることで遮光層やスペーサを形成したカラーフィルタ形成基板が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2022/0102674号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2021/0234134号明細書
【特許文献3】特開2008-281919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、製造負荷を低減すること、及び、コストを削減することが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態によれば、複数の画素と、絶縁基板と、前記絶縁基板の上に位置し、有機発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子と、前記有機エレクトロルミネッセンス素子を封止する封止層と、前記封止層の上に位置し、第1色の第1カラーフィルタと、前記第1色とは異なる色の第2色の第2カラーフィルタと、前記第1色及び前記第2色とは異なる色の第3色の第3カラーフィルタと、を有するカラーフィルタ層と、それぞれの前記画素において、前記第1カラーフィルタが位置する第1画素開口、前記第2カラーフィルタが位置する第2画素開口、及び、前記第3カラーフィルタが位置する第3画素開口と、前記第1画素開口、前記第2画素開口、及び、前記第3画素開口のそれぞれを囲み、前記第1カラーフィルタ、前記第2カラーフィルタ、及び、前記第3カラーフィルタが互いに積層された遮光領域と、を備える、表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本実施形態に係る表示装置を概略的に示す平面図である。
図2図2は、図1に示した表示装置の表示領域を示す断面図である。
図3図3は、1つの画素に配置されたカラーフィルタ層のレイアウトを示す平面図である。
図4図4は、1つの画素の遮光領域のレイアウトを示す平面図である。
図5図5は、図4に示したA-B線に沿った表示パネルの断面図である。
図6図6は、図4に示したC-D線に沿った表示パネルの断面図である。
図7図7は、図4に示したE-F線に沿った表示パネルの断面図である。
図8図8は、1つの画素の遮光領域及び溝部のレイアウトを示す平面図である。
図9図9は、図8に示したA-B線に沿った表示パネルの断面図である。
図10図10は、図8に示したC-D線に沿った表示パネルの断面図である。
図11図11は、図8に示したE-F線に沿った表示パネルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
[第1実施形態]
まず、図1乃至図7を参照して、第1実施形態の構成について説明する。
【0009】
図1は、本実施形態に係る表示装置DSPを概略的に示す平面図である。本実施形態の表示装置DSPは、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置である。
【0010】
一例では、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第1方向X及び第2方向Yは、表示装置DSPを構成する基板の主面と平行な方向に相当し、第3方向Zは、表示装置DSPの厚さ方向に相当する。本明細書において、第3方向Zを示す矢印の先端に向かう方向を上とし、矢印の先端から逆に向かう方向を下とする。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置DSPを観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを平面視という。
【0011】
表示装置DSPは、表示パネルPNLと、表示パネルPNLに実装された配線基板1と、を備えている。
【0012】
表示パネルPNLは、有機EL表示パネルであり、第1基板SUB1と、第1基板SUB1と対向する第2基板SUB2と、を備えている。第1基板SUB1は、第2基板SUB2よりも外側に露出した実装部MTを有している。表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAを囲む非表示領域NDAと、を備えている。表示パネルPNLは、表示領域DAにおいて第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置された複数の画素PXを備えている。
【0013】
画素PXは、緑色(G)を表示する副画素SPX1、赤色(R)を表示する副画素SPX2、青色(B)を表示する副画素SPX3によって構成されている。画素PX内において、副画素SPX3は、第1方向Xに延出している。副画素SPX1は、副画素SPX3の第2方向Yに並んでいる。副画素SPX2は、副画素SPX3の第2方向Yに並び、副画素SPX1の第1方向Xに並んでいる。
【0014】
なお、各副画素の大きさ、配置、色は図示した例に限らない。また、図示した例では、同一の副画素のパターンを有する画素PXがマトリクス状に並んでいるが、これに限定されず、それぞれの画素PXにおいて、各副画素の大きさ、配置、色が互いに異なっていてもよい。
【0015】
配線基板1は、フレキシブル基板であり、実装部MTに実装されている。表示パネルPNL及び配線基板1は、互いに電気的に接続されている。また、配線基板1は、表示パネルPNLを駆動する駆動ICチップ2を備えている。なお、駆動ICチップ2は、実装部MTに実装されても良い。
【0016】
図2は、図1に示した表示装置DSPの表示領域DAを示す断面図である。
図2に示すように、表示パネルPNLは、絶縁基板10、スイッチング素子SW1、SW2、SW3、反射層4、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子OLED1、OLED2、OLED3、封止層41、オーバーコート層OC、カラーフィルタ層CF、接着層AD、封止基板20等を備えている。
【0017】
絶縁基板10は、ガラス基板であってもよいし、可撓性を有する樹脂フィルムであってもよい。第1絶縁膜11は、絶縁基板10を覆っている。
【0018】
スイッチング素子SW1、SW2、SW3は、第1絶縁膜11の上に形成されている。図示した例では、スイッチング素子SW1、SW2、SW3はトップゲート型の薄膜トランジスタで構成されているが、ボトムゲート型の薄膜トランジスタで構成されていても良い。スイッチング素子SW1、SW2、SW3は、同一構成であるため、以下、スイッチング素子SW1に着目してその構造をより詳細に説明する。スイッチング素子SW1は、第1絶縁膜11の上に形成された半導体層SCを備えている。半導体層SCは、第2絶縁膜12によって覆われている。また、第2絶縁膜12は、第1絶縁膜11の上にも配置されている。
【0019】
スイッチング素子SW1のゲート電極WGは、第2絶縁膜12の上に形成され、半導体層SCの直上に位置している。ゲート電極WGは、第3絶縁膜13によって覆われている。また、第3絶縁膜13は、第2絶縁膜12の上にも配置されている。
【0020】
このような第1絶縁膜11、第2絶縁膜12、及び、第3絶縁膜13は、例えば、シリコン酸化物やシリコン窒化物等の無機系材料によって形成された無機絶縁膜である。
【0021】
スイッチング素子SW1のソース電極WS及びドレイン電極WDは、第3絶縁膜13の上に形成されている。ソース電極WS及びドレイン電極WDは、それぞれ第2絶縁膜12及び第3絶縁膜13を貫通するコンタクトホールを通して半導体層SCと電気的に接続されている。スイッチング素子SW1は、第4絶縁膜14によって覆われている。第4絶縁膜14は、第3絶縁膜13の上にも配置されている。このような第4絶縁膜14は、例えば、透明な樹脂等の有機系材料によって形成されている。
【0022】
反射層4は、第4絶縁膜14の上に形成されている。反射層4は、アルミニウムや銀等の光反射率が高い金属材料で形成される。なお、反射層4の上面は、平坦面であっても良いし、光散乱性を付与するための凹凸面であっても良い。
【0023】
有機EL素子OLED1乃至OLED3は、第4絶縁膜14の上に形成されている。すなわち、有機EL素子OLED1乃至OLED3は、絶縁基板10の上に位置している。図示した例では、有機EL素子OLED1はスイッチング素子SW1と電気的に接続され、有機EL素子OLED2はスイッチング素子SW2と電気的に接続され、有機EL素子OLED3はスイッチング素子SW3と電気的に接続されている。有機EL素子OLED1乃至OLED3は、それぞれ封止基板20の側に向かって緑色光、赤色光、青色光を放射するトップエミッションタイプとして構成されている。このような有機EL素子OLED1乃至OLED3は、いずれも同一構造である。図示した例では、有機EL素子OLED1乃至OLED3は、それぞれリブ15によって区画されている。
【0024】
有機EL素子OLED1は、反射層4の上に形成された画素電極PE1を備えている。画素電極PE1は、スイッチング素子SW1のドレイン電極WDとコンタクトし、スイッチング素子SW1と電気的に接続されている。同様に、有機EL素子OLED2はスイッチング素子SW2と電気的に接続された画素電極PE2を備え、有機EL素子OLED3はスイッチング素子SW3と電気的に接続された画素電極PE3を備えている。画素電極PE1、PE2、PE3は、例えば、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)等の透明な導電材料によって形成されている。
【0025】
例えば、有機EL素子OLED1は緑色に発光する有機発光層ORGGを備え、有機EL素子OLED2は赤色に発光する有機発光層ORGRを備え、有機EL素子OLED3は青色に発光する有機発光層ORGBを備えている。有機発光層ORGGは、画素電極PE1の上に位置し、有機発光層ORGRは、画素電極PE2の上に位置し、有機発光層ORGBは、画素電極PE3の上に位置している。
【0026】
有機EL素子OLED1乃至OLED3は、共通電極CEを備えている。共通電極CEは、有機発光層ORGG、ORGR、ORGBの上に位置している。共通電極CEは、リブ15の上にも位置している。画素電極PE及び共通電極CEのうち、一方が陽極であり、他方が陰極である。共通電極CEは、例えば、MgAg合金によって形成されている。
【0027】
封止層41は、有機EL素子OLED1、OLED2、OLED3を封止している。また、封止層41は、絶縁基板10との間に配置された部材を封止している。封止層41は、有機EL素子OLED1、OLED2、OLED3への酸素や水分の侵入を抑制し、有機EL素子OLED1、OLED2、OLED3の劣化を抑制する。例えば、封止層41は、無機膜、有機膜、無機膜の積層体によって構成されている。封止層41を構成する無機膜は、例えば、シリコン窒化物を用いて形成されている。
【0028】
オーバーコート層OCは、封止層41を覆っている。オーバーコート層OCは、封止層41とカラーフィルタ層CFとの間に位置している。オーバーコート層OCは、例えば、透明な樹脂等の有機系材料によって形成されている。
【0029】
カラーフィルタ層CFは、オーバーコート層OCを覆っている。すなわち、カラーフィルタ層CFは、封止層41の上に位置している。カラーフィルタ層CFは、第1色の第1カラーフィルタCF1と、第1色とは異なる色の第2色の第2カラーフィルタCF2と、第1色及び第2色とは異なる色の第3色の第3カラーフィルタCF3と、を有している。
【0030】
第1色の第1カラーフィルタCF1は、例えば、緑色のカラーフィルタである。第2色の第2カラーフィルタCF2は、例えば、赤色のカラーフィルタである。第3色の第3カラーフィルタCF3は、例えば、青色のカラーフィルタである。
【0031】
第1カラーフィルタCF1は、緑色光を放射する有機EL素子OLED1と重なっている。第2カラーフィルタCF2は、赤色光を放射する有機EL素子OLED2と重なっている。第3カラーフィルタCF3は、青色光を放射する有機EL素子OLED3と重なっている。
なお、第1カラーフィルタCF1、第2カラーフィルタCF2、及び、第3カラーフィルタCF3の色は、上記した例に限定されず、有機EL素子OLED1乃至OLED3の発光色に応じて適宜変更可能である。
【0032】
封止基板20は、カラーフィルタ層CFの上に位置し、接着層ADを用いてカラーフィルタ層CFに接着されている。すなわち、接着層ADは、カラーフィルタ層CFと封止基板20との間に位置している。封止基板20は、ガラス基板であってもよいし、可撓性を有する樹脂フィルムであってもよい。
【0033】
封止基板20は、接着層ADに接する面とは反対側に表示面20Sを有している。つまり、表示パネルPNLは、有機EL素子OLED1、OLED2、OLED3に対して、絶縁基板10側とは反対側に表示面20Sを有している。
【0034】
このような表示装置DSPにおいては、有機EL素子OLED1乃至OLED3のそれぞれが発光した際に、有機EL素子OLED1は緑色の光を出射し、有機EL素子OLED2は赤色の光を出射し、有機EL素子OLED3は青色の光を出射する。そのため、表示装置DSPのカラー表示が実現される。
【0035】
図1に示した画素PXは、例えば、カラー画像を構成する最小単位であり、上記の有機EL素子OLED1乃至OLED3を備えている。具体的には、副画素SPX1は有機EL素子OLED1を備え、副画素SPX2は有機EL素子OLED2を備え、副画素SPX3は有機EL素子OLED3を備えている。
【0036】
なお、上記の構成例では、有機EL素子OLED1乃至OLED3はそれぞれ緑色に発光する有機発光層ORGG、赤色に発光する有機発光層ORGR、青色に発光する有機発光層ORGBを備えていたが、これに限定されるものではない。有機EL素子OLED1乃至OLED3は共通の有機発光層を備えていても良い。このとき、例えば、有機EL素子OLED1乃至OLED3は、白色光を出射する。本実施形態においては、表示パネルPNLがカラーフィルタ層CFを備えるため、有機EL素子OLED1乃至OLED3が白色光を出射する場合にも表示装置DSPのカラー表示が実現される。
【0037】
また、本実施形態の表示パネルPNLは封止基板20の上に偏光板を備えず、代わりにカラーフィルタ層CFが封止層41の上に配置されている。そのため、カラーフィルタ層CFによって共通電極CEや反射層4での外光反射を抑制することができる。偏光板を用いて外光反射を抑制する場合と比較して、有機EL素子OLED1乃至OLED3から出射された光の透過率を向上することができる。そのため、表示輝度の低下を抑制することができ消費電力を低減することができる。また、カラーフィルタ層CFは、偏光板と比較して薄いため、表示パネルPNLを薄型化することができる。さらに、偏光板を用いる場合のコストを削減することができる。
【0038】
図3は、1つの画素PXに配置されたカラーフィルタ層CFのレイアウトを示す平面図である。
図3(a)は、1つの画素PXに配置された第1カラーフィルタCF1のレイアウトを示す平面図である。図3(b)は、1つの画素PXに配置された第2カラーフィルタCF2のレイアウトを示す平面図である。図3(c)は、1つの画素PXに配置された第3カラーフィルタCF3のレイアウトを示す平面図である。
【0039】
図3(a)に示すように、第1カラーフィルタCF1は、第1開口OP1及び第2開口OP2を有している。第1開口OP1及び第2開口OP2は、第2方向Yに並んでいる。また、第1カラーフィルタCF1は、第1開口OP1に面する第1内縁EG1と、第2開口OP2に面する第2内縁EG2と、を有している。
【0040】
図3(b)に示すように、第2カラーフィルタCF2は、第3開口OP3及び第4開口OP4を有している。第3開口OP3及び第4開口OP4は、第2方向Yに並んでいる。また、第2カラーフィルタCF2は、第3開口OP3に面する第3内縁EG3と、第4開口OP4に面する第4内縁EG4と、を有している。
【0041】
図3(c)に示すように、第3カラーフィルタCF3は、第5開口OP5及び第6開口OP6を有している。第5開口OP5及び第6開口OP6は、第1方向Xに並んでいる。また、第3カラーフィルタCF3は、第5開口OP5に面する第5内縁EG5と、第6開口OP6に面する第6内縁EG6と、を有している。
【0042】
図4は、1つの画素PXの遮光領域LSAのレイアウトを示す平面図である。図4に示す構成は、図3に示した第1カラーフィルタCF1、第2カラーフィルタCF2、及び、第3カラーフィルタCF3が第3方向Zに重なった構成に相当する。
【0043】
表示パネルPNLは、それぞれの画素PXにおいて、第1カラーフィルタCF1が位置する第1画素開口POP1、第2カラーフィルタCF2が位置する第2画素開口POP2、及び、第3カラーフィルタCF3が位置する第3画素開口POP3を有している。第1画素開口POP1、第2画素開口POP2、及び、第3画素開口POP3は、有機EL素子OLED1乃至OLED3から出射された光を透過する領域に相当する。
【0044】
第3画素開口POP3は、第1方向Xに延出している。第1画素開口POP1は、第3画素開口POP3の第2方向Yに並んでいる。第2画素開口POP2は、第3画素開口POP3の第2方向Yに並び、第1画素開口POP1の第1方向Xに並んでいる。
【0045】
第1画素開口POP1は、第2カラーフィルタCF2の第4開口OP4、及び、第3カラーフィルタCF3の第5開口OP5と重なっている。第2画素開口POP2は、第1カラーフィルタCF1の第2開口OP2、及び、第3カラーフィルタCF3の第6開口OP6と重なっている。第3画素開口POP3は、第1カラーフィルタCF1の第1開口OP1、及び、第2カラーフィルタCF2の第3開口OP3と重なっている。
【0046】
表示パネルPNLは、第1画素開口POP1、第2画素開口POP2、及び、第3画素開口POP3のそれぞれを囲む遮光領域LSAを有している。遮光領域LSAは、後述するように、第1カラーフィルタCF1、第2カラーフィルタCF2、及び、第3カラーフィルタCF3が互いに積層されることで構成されている。遮光領域LSAは、有機EL素子OLED1乃至OLED3から出射された光を遮光する領域に相当する。
【0047】
図5は、図4に示したA-B線に沿った表示パネルPNLの断面図である。図5は、オーバーコート層OCより上層の構成を図示している。
第1カラーフィルタCF1、第2カラーフィルタCF2、及び、第3カラーフィルタCF3は、遮光領域LSAにおいて、第3方向Zに積層されている。つまり、第1カラーフィルタCF1、第2カラーフィルタCF2、及び、第3カラーフィルタCF3は、遮光領域LSAにおいて、絶縁基板10側から表示面20S側に向かって積層されている。より具体的には、遮光領域LSAにおいて、第1カラーフィルタCF1がオーバーコート層OCに接し、第2カラーフィルタCF2が第1カラーフィルタCF1の上に位置し、第3カラーフィルタCF3が第2カラーフィルタCF2の上に位置している。
【0048】
第1画素開口POP1において、第1カラーフィルタCF1がオーバーコート層OCに接している。第2画素開口POP2において、第2カラーフィルタCF2がオーバーコート層OCに接している。第2画素開口POP2において、第2カラーフィルタCF2は第2開口OP2の内部に位置している。
【0049】
第1カラーフィルタCF1の第2内縁EG2は、第2カラーフィルタCF2によって覆われている。第2カラーフィルタCF2の第4内縁EG4、第3カラーフィルタCF3の第5内縁EG5及び第6内縁EG6は、接着層ADに接している。
【0050】
図6は、図4に示したC-D線に沿った表示パネルPNLの断面図である。
第1カラーフィルタCF1、第2カラーフィルタCF2、及び、第3カラーフィルタCF3は、遮光領域LSAにおいて、絶縁基板10側から表示面20S側に向かって積層されている。
【0051】
第3画素開口POP3において、第3カラーフィルタCF3がオーバーコート層OCに接している。第3画素開口POP3において、第3カラーフィルタCF3は第1開口OP1の内部に位置している。
【0052】
第1カラーフィルタCF1の第1内縁EG1は、第3カラーフィルタCF3によって覆われている。第1カラーフィルタCF1の第2内縁EG2は、第2カラーフィルタCF2によって覆われている。第2カラーフィルタCF2の第3内縁EG3は、第3カラーフィルタCF3によって覆われている。第3カラーフィルタCF3の第6内縁EG6は、接着層ADに接している。
【0053】
図7は、図4に示したE-F線に沿った表示パネルPNLの断面図である。
第1カラーフィルタCF1、第2カラーフィルタCF2、及び、第3カラーフィルタCF3は、遮光領域LSAにおいて、絶縁基板10側から表示面20S側に向かって積層されている。
【0054】
第1カラーフィルタCF1の第1内縁EG1は、第3カラーフィルタCF3によって覆われている。第2カラーフィルタCF2の第3内縁EG3は、第3カラーフィルタCF3によって覆われている。第2カラーフィルタCF2の第4内縁EG4、第3カラーフィルタCF3の第5内縁EG5は、接着層ADに接している。
【0055】
本実施形態の表示パネルPNLは、表示領域DAに遮光層を備えていないが、例えば、有機エレクトロルミネッセンス表示装置が遮光層を備える場合には、遮光層は低温硬化によって形成される。そのため、遮光層を形成した後のカラーフィルタ層CFを形成する工程において、カラーフィルタ層CFの現像の際に、遮光層の未硬化の部分が反応し、遮光層の膜減りが発生する場合がある。特に、カラーフィルタ層CFを形成する工程のうち、第1色目の第1カラーフィルタCF1を形成する際に遮光層の膜減りが発生しやすい。また、遮光層の膜減りを抑制するために、遮光層に後露光の処理が施されるが、高露光量のため高い製造負荷が生じてしまう。
【0056】
本実施形態によれば、第1カラーフィルタCF1、第2カラーフィルタCF2、及び、第3カラーフィルタCF3を積層することによって遮光領域LSAが形成される。そのため、上述したような遮光層の膜減りの発生を抑制することができ、遮光層を形成する際の製造負荷を無くすことができる。また、遮光層を形成する際のコストを削減することができる。
【0057】
[第2実施形態]
次に、図8乃至図11を参照して、第2実施形態の構成について説明する。
【0058】
図8は、1つの画素PXの遮光領域LSA及び溝部GRのレイアウトを示す平面図である。図8に示す構成は、図4に示した構成と比較して、表示パネルPNLが溝部GRを有している点で相違している。
溝部GRは、遮光領域LSAと重なっている。溝部GRは、第1画素開口POP1、第2画素開口POP2、及び、第3画素開口POP3のそれぞれを囲んでいる。
【0059】
図9は、図8に示したA-B線に沿った表示パネルPNLの断面図である。図9に示す構成は、図5に示した構成と比較して、オーバーコート層OCが溝部GRを有している点で相違している。
【0060】
オーバーコート層OCは、遮光領域LSAと重なる位置に溝部GRを有している。溝部GRは、オーバーコート層OCの上面OCUに形成されている。第1カラーフィルタCF1、第2カラーフィルタCF2、及び、第3カラーフィルタCF3は、溝部GRと重なる位置において互いに積層されている。第1カラーフィルタCF1の一部は、溝部GRの内部に位置している。また、第2カラーフィルタCF2の一部は、溝部GRの内部に位置している。
【0061】
第1画素開口POP1における第1カラーフィルタCF1の上面1Uと、第2画素開口POP2における第2カラーフィルタCF2の上面2Uと、遮光領域LSAにおける第3カラーフィルタCF3の上面3Uとは、略同一平面上に位置している。
溝部GRの深さDPは、例えば、第1カラーフィルタCF1の膜厚TH1と、第2カラーフィルタCF2の膜厚TH2の和と略同等である。
【0062】
第1カラーフィルタCF1の第2内縁EG2は、溝部GRの内部でオーバーコート層OCに接している。第2カラーフィルタCF2の第4内縁EG4は、第1カラーフィルタCF1に接している。第3カラーフィルタCF3の第5内縁EG5は、第1カラーフィルタCF1に接している。第3カラーフィルタCF3の第6内縁EG6は、第2カラーフィルタCF2に接している。
【0063】
第2実施形態によれば、オーバーコート層OCは溝部GRを有している。そのため、遮光領域LSAでのカラーフィルタ層CFの段差を軽減することができる。したがって、カラーフィルタ層CFの段差による不所望な光の拡散反射を抑制することができる。
【0064】
また、溝部GRは、底面BSと、底面BSから立ち上がった側面SSと、を有している。底面BSと側面SSとが溝部GRの内部で成す角度は、約90度である。溝部GRのテーパを高テーパとすることで、遮光領域LSAにおけるカラーフィルタ層CFの段差をより軽減することができる。
【0065】
図10は、図8に示したC-D線に沿った表示パネルPNLの断面図である。図10に示す構成は、図6に示した構成と比較して、オーバーコート層OCが溝部GRを有している点で相違している。
第1カラーフィルタCF1の一部は、溝部GRの内部に位置している。また、第2カラーフィルタCF2の一部は、溝部GRの内部に位置している。
【0066】
第2画素開口POP2における第2カラーフィルタCF2の上面2Uと、第3画素開口POP3における第3カラーフィルタCF3の上面3Uと、遮光領域LSAにおける第3カラーフィルタCF3の上面3Uとは、略同一平面上に位置している。
【0067】
第1カラーフィルタCF1の第1内縁EG1は、第2カラーフィルタCF2に接している。第1カラーフィルタCF1の第2内縁EG2は、第2カラーフィルタCF2に接している。第2カラーフィルタCF2の第3内縁EG3は、溝部GRの内部でオーバーコート層OCに接している。第3カラーフィルタCF3の第6内縁EG6は、第2カラーフィルタCF2に接している。
【0068】
図11は、図8に示したE-F線に沿った表示パネルPNLの断面図である。図11に示す構成は、図7に示した構成と比較して、オーバーコート層OCが溝部GRを有している点で相違している。
第1カラーフィルタCF1の一部は、溝部GRの内部に位置している。また、第2カラーフィルタCF2の一部は、溝部GRの内部に位置している。
【0069】
第1画素開口POP1における第1カラーフィルタCF1の上面1Uと、第3画素開口POP3における第3カラーフィルタCF3の上面3Uと、遮光領域LSAにおける第3カラーフィルタCF3の上面3Uとは、略同一平面上に位置している。
【0070】
第1カラーフィルタCF1の第1内縁EG1は、溝部GRの内部でオーバーコート層OCに接している。第2カラーフィルタCF2の第3内縁EG3は、第3カラーフィルタCF3に接している。第2カラーフィルタCF2の第4内縁EG4は、第1カラーフィルタCF1に接している。第3カラーフィルタCF3の第5内縁EG5は、第1カラーフィルタCF1に接している。
【0071】
以上説明したように、本実施形態によれば、製造負荷を低減すること、及び、コストを削減することが可能な表示装置を得ることができる。
【0072】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
DSP…表示装置、PX…画素、10…絶縁基板、
ORGG、ORGR、ORGB…有機発光層、
OLED1、OLED2、OLED3…有機エレクトロルミネッセンス素子、
41…封止層、CF…カラーフィルタ層、CF1…第1カラーフィルタ、
CF2…第2カラーフィルタ、CF3…第3カラーフィルタ、
POP1…第1画素開口、POP2…第2画素開口、POP3…第3画素開口、
LSA…遮光領域、20S…表示面、OP1…第1開口、OP2…第2開口、
OP3…第3開口、OP4…第4開口、OP5…第5開口、OP6…第6開口、
OC…オーバーコート層、GR…溝部。
図1
図2
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11