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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025913
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】アレイ基板および表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20250214BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20250214BHJP
   G02F 1/133 20060101ALN20250214BHJP
   H10K 59/12 20230101ALN20250214BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G02F1/1368
G02F1/133 550
H10K59/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023131152
(22)【出願日】2023-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 宏宜
【テーマコード(参考)】
2H192
2H193
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
2H192AA24
2H192BC31
2H192CC14
2H192CC73
2H192DA12
2H192DA72
2H192EA22
2H192FB22
2H192FB34
2H192FB42
2H192JA53
2H192JB03
2H193ZA04
2H193ZC35
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC33
3K107EE04
3K107FF15
3K107HH05
5C094AA02
5C094AA37
5C094BA03
5C094BA23
5C094BA27
5C094BA48
5C094BA52
5C094CA19
5C094DA13
5C094EA04
5C094FA01
(57)【要約】
【課題】信頼性の低下を抑制することが可能なアレイ基板および表示装置を提供すること。
【解決手段】一実施形態に係るアレイ基板は、透明基板と、透明基板の上に配置される線状のソース電極と、ソース電極と同層に配置される線状のドレイン電極と、ソース電極とドレイン電極との間に並列に接続される少なくとも2つの半導体と、ソース電極、ドレイン電極および少なくとも2つの半導体と重畳するゲート電極と、を備え、ゲート電極は、少なくとも2つの半導体の間の領域に形成される切り欠き部を有する。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板と、
前記透明基板の上に配置される線状のソース電極と、
前記ソース電極と同層に配置される線状のドレイン電極と、
前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に並列に接続される少なくとも2つの半導体と、
前記ソース電極、前記ドレイン電極および前記少なくとも2つの半導体と重畳するゲート電極と、を備え、
前記ゲート電極は、前記少なくとも2つの半導体の間の領域に形成される切り欠き部を有する、
アレイ基板。
【請求項2】
前記ゲート電極は、前記ソース電極および前記ドレイン電極の下に配置される第1ゲート電極と、前記ソース電極および前記ドレイン電極の上に配置される第2ゲート電極とを含み、
前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極は、前記少なくとも2つの半導体の間の領域に形成される切り欠き部を有する、
請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
前記ゲート電極は、前記ソース電極および前記ドレイン電極の下に配置される第1ゲート電極と、前記ソース電極および前記ドレイン電極の上に配置される第2ゲート電極とを含み、
前記ゲート電極のうち、前記第2ゲート電極のみが、前記少なくとも2つの半導体の間の領域に形成される切り欠き部を有する、
請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項4】
前記ゲート電極は、前記ソース電極および前記ドレイン電極の下に配置される第1ゲート電極と、前記ソース電極および前記ドレイン電極の上に配置される第2ゲート電極とを含み、
前記ゲート電極のうち、前記第1ゲート電極のみが、前記少なくとも2つの半導体の間の領域に形成される切り欠き部を有する、
請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項5】
前記切り欠き部は、前記ソース電極側を切り欠くように形成される、
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項6】
前記ソース電極および前記ドレイン電極は、間隔をおいて第1方向に沿って並び、かつ、前記第1方向と交差する第2方向に沿ってそれぞれ延出し、
前記少なくとも2つの半導体は、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間において、間隔をおいて前記第2方向に沿って並んでいる、
請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項7】
透明基板と、
前記透明基板の上に配置される線状のソース電極と、
前記ソース電極と同層に配置される線状のドレイン電極と、
前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に並列に接続される少なくとも2つの半導体と、
前記ソース電極、前記ドレイン電極および前記少なくとも2つの半導体と重畳するゲート電極と、を備え、
前記ゲート電極は、前記少なくとも2つの半導体の間の領域に形成される切り欠き部を有する、
表示装置。
【請求項8】
前記ゲート電極は、前記ソース電極および前記ドレイン電極の下に配置される第1ゲート電極と、前記ソース電極および前記ドレイン電極の上に配置される第2ゲート電極とを含み、
前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極は、前記少なくとも2つの半導体の間の領域に形成される切り欠き部を有する、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記ゲート電極は、前記ソース電極および前記ドレイン電極の下に配置される第1ゲート電極と、前記ソース電極および前記ドレイン電極の上に配置される第2ゲート電極とを含み、
前記ゲート電極のうち、前記第2ゲート電極のみが、前記少なくとも2つの半導体の間の領域に形成される切り欠き部を有する、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項10】
前記ゲート電極は、前記ソース電極および前記ドレイン電極の下に配置される第1ゲート電極と、前記ソース電極および前記ドレイン電極の上に配置される第2ゲート電極とを含み、
前記ゲート電極のうち、前記第1ゲート電極のみが、前記少なくとも2つの半導体の間の領域に形成される切り欠き部を有する、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項11】
前記切り欠き部は、前記ソース電極側を切り欠くように形成される、
請求項7~請求項10のうちのいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記ソース電極および前記ドレイン電極は、間隔をおいて第1方向に沿って並び、かつ、前記第1方向と交差する第2方向に沿ってそれぞれ延出し、
前記少なくとも2つの半導体は、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間において、間隔をおいて前記第2方向に沿って並んでいる、
請求項7に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、アレイ基板および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、入射光を散乱する散乱状態と、入射光を透過する透明状態とを切り替え可能な高分子分散型液晶を用いた表示装置が種々提案されている。このような表示装置は、薄膜トランジスタが形成されたアレイ基板を備えている。アレイ基板において、複数の小さな薄膜トランジスタが近接して配置されることがある。これによれば、同じ領域に1つの大きな薄膜トランジスタが配置される場合に比べて、薄膜トランジスタに電流が流れた際の発熱を抑制することができる。
【0003】
一方、複数の薄膜トランジスタが近接して配置される場合、これら薄膜トランジスタの間に隙間ができてしまうため、この隙間部分において負荷容量が増えてしまう。このような負荷容量の増大は、表示装置の表示品位や寿命(耐用年数)に影響し、表示装置の信頼性を低下させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-168650号公報
【特許文献2】特開2020-126218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、信頼性の低下を抑制することが可能なアレイ基板および表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係るアレイ基板は、透明基板と、前記透明基板の上に配置される線状のソース電極と、前記ソース電極と同層に配置される線状のドレイン電極と、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に並列に接続される少なくとも2つの半導体と、前記ソース電極、前記ドレイン電極および前記少なくとも2つの半導体と重畳するゲート電極と、を備え、前記ゲート電極は、前記少なくとも2つの半導体の間の領域に形成される切り欠き部を有する。
【0007】
一実施形態に係る表示装置は、透明基板と、前記透明基板の上に配置される線状のソース電極と、前記ソース電極と同層に配置される線状のドレイン電極と、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に並列に接続される少なくとも2つの半導体と、前記ソース電極、前記ドレイン電極および前記少なくとも2つの半導体と重畳するゲート電極と、を備え、前記ゲート電極は、前記少なくとも2つの半導体の間の領域に形成される切り欠き部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る表示装置の一例を示す平面図である。
図2図2は、実施形態に係る表示パネルが有する画素の構成を説明するための図である。
図3図3は、走査線および信号線が交差する領域の近傍に配置されるスイッチング素子を含む各種要素を示す平面図である。
図4図4は、走査線および信号線が交差する領域の近傍に配置されるスイッチング素子を含む各種要素を示す平面図である。
図5図5は、第1実施形態に係るスイッチング素子を構成する要素を詳細に示す平面図である。
図6図6は、図5中のA-B線に沿う表示パネルの概略的な断面図である。
図7図7は、図5中のC-D線に沿う表示パネルの概略的な断面図である。
図8図8は、第2実施形態に係るスイッチング素子を構成する要素を詳細に示す平面図である。
図9図9は、図8中のE-F線に沿う表示パネルの概略的な断面図である。
図10図10は、第3実施形態に係るスイッチング素子を構成する要素を詳細に示す平面図である。
図11図11は、図10中のG-H線に沿う表示パネルの概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
【0010】
以下の実施形態においては、表示装置の一例として、液晶表示装置について説明する。なお、本実施形態にて開示する主要な構成は、電気泳動表示装置や、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、マイクロLED、ミニLEDなどの自発光型の発光素子を備えた表示装置に限らず、静電容量式センサーや光学式センサーなどの各種電子機器にも適用可能である。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、実施形態の表示装置DSPの一例を示す平面図である。一例では、第1方向X、第2方向Y、および、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第1方向Xおよび第2方向Yは、表示装置DSPを構成する基板の主面と平行な方向に相当し、第3方向Zは、表示装置DSPの厚さ方向に相当する。本実施形態においては、第1方向Xおよび第2方向Yで規定されるX-Y平面を見ることを平面視という。
【0012】
表示装置DSPは、表示パネルPNLと、配線基板1と、ICチップ2と、発光モジュール100と、を備えている。
【0013】
表示パネルPNLは、いわゆる透明ディスプレイであり、第1基板SUB1(アレイ基板)と、第2基板SUB2(対向基板)と、高分子分散型液晶を含む液晶層LCと、シールSEと、を備えている。第1基板SUB1および第2基板SUB2は、X-Y平面に沿った平板状に形成されている。第1基板SUB1および第2基板SUB2は、平面視において重畳している。第1基板SUB1および第2基板SUB2が重畳する領域は、画像を表示する表示領域DAを含んでいる。
【0014】
表示領域DAは、第1方向Xおよび第2方向Yにマトリクス状に配列された複数の画素PXを備えている。これら画素PXは、図中において点線で示している。また、画素PXの各々は、図中において実線の四角で示す画素電極PEを備えている。
【0015】
第1基板SUB1は第1透明基板10を備え、第2基板SUB2は第2透明基板20を備えている。第1透明基板10は、第1方向Xに沿った側面101および102と、第2方向Yに沿った側面103および104と、を有している。第2透明基板20は、第1方向Xに沿った側面201および202と、第2方向Yに沿った側面203および204と、を有している。
【0016】
図1に示す例では、平面視において、側面102および202、側面103および203、および、側面104および204は、それぞれ重畳しているが、必ずしも重畳していなくてもよい。側面201は、側面101に重畳せず、側面101と表示領域DAとの間に位置している。第1基板SUB1は、側面101と側面201との間に延出部Exを有している。つまり、延出部Exは、第1基板SUB1のうち、第2基板SUB2と重畳する部分から第2方向Yに延出した部分に相当し、第2基板SUB2には重畳していない。
【0017】
また、図1に示す例では、表示パネルPNLは、第1方向Xに延びた長方形状に形成されている。つまり、側面101および102、および、側面201および202は、表示パネルPNLの長辺に沿った側面であり、側面103および104、および、側面203および204は、表示パネルPNLの短辺に沿った側面である。なお、表示パネルPNLは、第2方向Yに延びた長方形状に形成されてもよいし、正方形状に形成されてもよいし、他の多角形状、あるいは、円形状、楕円形状などの他の形状に形成されてもよい。
【0018】
配線基板1およびICチップ2は、延出部Exに実装されている。配線基板1は、例えば折り曲げ可能なフレキシブルプリント回路基板である。ICチップ2は、例えば、画像表示に必要な信号を出力するディスプレイドライバなどを内蔵している。なお、ICチップ2は、配線基板1に実装されてもよい。図1に示す例では、表示パネルPNLに対して、第1方向Xに並んだ複数の配線基板1が実装されているが、第1方向Xに延びた単一の配線基板1が実装されてもよい。また、表示パネルPNLに対して、第1方向Xに並んだ複数のICチップ2が実装されているが、第1方向Xに延びた単一のICチップ2が実装されてもよい。
【0019】
発光モジュール100は、平面視において、延出部Exに重畳し、第2透明基板20の側面201に沿って配置されている。
【0020】
シールSEは、第1基板SUB1および第2基板SUB2を接着している。また、シールSEは、矩形枠状に形成され、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間において液晶層LCを囲んでいる。
【0021】
液晶層LCは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に保持されている。このような液晶層LCは、平面視において、シールSEで囲まれた領域(表示領域DAを含む)に亘って配置されている。
【0022】
図1において拡大して模式的に示すように、液晶層LCは、ポリマー31と、液晶分子32と、を含んでいる。一例では、ポリマー31は、液晶性ポリマーである。ポリマー31は、第1方向Xに沿って延出した筋状に形成され、第2方向Yに並んでいる。液晶分子32は、ポリマー31の隙間に分散され、その長軸が第1方向Xに沿うように配向される。ポリマー31および液晶分子32の各々は、光学異方性あるいは屈折率異方性を有している。ポリマー31の電界に対する応答性は、液晶分子32の電界に対する応答性より低い。
【0023】
一例では、ポリマー31の配向方向は、電界の有無にかかわらずほとんど変化しない。一方、液晶分子32の配向方向は、液晶層LCにしきい値以上の高い電圧が印加された状態では、電界に応じて変化する。液晶層LCに電圧が印加されていない状態(初期配向状態)では、ポリマー31および液晶分子32のそれぞれの光軸は互いにほぼ平行であり、液晶層LCに入射した光は、液晶層LCをほとんど透過する(透明状態)。液晶層LCに電圧が印加された状態では、液晶分子32の配向方向が変化し、ポリマー31および液晶分子32のそれぞれの光軸は互いに交差する。このため、液晶層LCに入射した光は、液晶層LC内で散乱される(散乱状態)。
【0024】
図2は、実施形態に係る表示パネルPNLが有する画素PXの構成を説明するための図である。本実施形態においては、図2に示すように、4本の走査線GL1~GL4に対して同時に走査信号を供給し、第2方向Yに沿って並ぶ4つの画素PX1~PX4に対して4本の信号線SL1~SL4を用いて同時に映像信号を書き込むことが可能な構成について説明する。
【0025】
この構成によれば、1ライン毎に走査信号を順次供給する構成に比べて、1水平期間を長くすることができる。つまり、全画素の走査に要する時間を、1ライン毎に走査信号を順次供給する構成の1/4に短縮することができる。したがって、この構成によれば、透明ディスプレイのような高速駆動パネルや、大型高精細パネルにおいて、映像信号の書き込み時間を十分に確保することができる。
【0026】
なお、ここでは、4本の走査線GL1~GL4に対して同時に走査信号を供給し、第2方向Yに沿って並ぶ4つの画素PX1~PX4に対して4本の信号線SL1~SL4を用いて同時に映像信号を書き込む構成(つまり、4ライン毎に走査信号を供給し、4ライン毎に映像信号を書き込む構成)を説明するが、表示パネルPNLの構成はこれに限定されず、例えば、1ライン毎に走査信号を供給し、1ライン毎に映像信号を書き込む構成であってもよい。
【0027】
上述したように、図2においては、4つの画素PX1~PX4が第2方向Yに沿って並んでいる。4つの画素PX1~PX4の各々は、4本の走査線GL1~GL4の各々と電気的に接続されている。また、4つの画素PX1~PX4の各々は、4本の信号線SL1~SL4の各々と電気的に接続されている。さらに、4つの画素PX1~PX4の各々は、容量配線CWと電気的に接続されている。以下では、4つの画素PX1~PX4を特に区別しない場合には、単に画素PXと表記して説明する。同様に、4本の走査線GL1~GL4を特に区別しない場合には、単に走査線GLと表記して説明し、4本の信号線SL1~SL4を特に区別しない場合には、単に信号線SLと表記して説明する。
【0028】
画素PXは、スイッチング素子SWを備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線GLおよび信号線SLと電気的に接続されている。より詳しくは、スイッチング素子SWのゲート電極は走査線GLに接続され、スイッチング素子SWのソース電極は信号線SLに接続され、スイッチング素子SWのドレイン電極は画素電極PEに接続されている。
【0029】
共通電極CEおよび容量配線CWは、表示領域DAおよびその周辺領域に亘って配置されている。共通電極CEには、所定の電圧が印加される。容量配線CWには、例えば共通電極CEと同電位の電圧が印加される。
【0030】
画素電極PEは、第3方向Zにおいて共通電極CEと対向している。表示領域DAにおいては、液晶層LC(特に、液晶分子32)は、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって駆動される。容量CSは、例えば、容量配線CWと画素電極PEとの間に形成される。
【0031】
スイッチング素子SWは、オン状態とオフ状態とを切り替えることにより、信号線SLから供給される映像信号の画素PXへの書き込み時間を制御する機能を有している。スイッチング素子SWをオン状態にすることにより、信号線SLから供給された映像信号に対応する電位を、容量CSに書き込むことができる。また、スイッチング素子SWをオフ状態にすることにより、容量CSに保持された電位を保持することができる。
【0032】
図3および図4は、走査線GLおよび信号線SLが交差する領域の近傍に配置されるスイッチング素子SWを含む各種要素を示す平面図である。なお、図3および図4では、スイッチング素子SWを構成する要素の形状(特に、第1ゲート電極GE1および第2ゲート電極GE2の形状)を簡易的に図示している。これら要素の詳細な形状は、図5と共に後述する。
【0033】
スイッチング素子SWは、半導体OSと、走査線GL1と一体の第1ゲート電極GE1と、信号線SL1と一体のソース電極SOと、ドレイン電極DEと、第2ゲート電極GE2と、を備えている。
【0034】
半導体OSは、酸化物半導体である。なお、半導体OSは、多結晶シリコンや非晶質シリコンなどのシリコン系半導体であってもよい。図3に示す例では、5個の半導体OSが、第1ゲート電極GE1に重畳し、間隔をおいて第2方向Yに沿って並んでいる。5個の半導体OSはそれぞれトランジスタTrを構成する。第2ゲート電極GE2は、第1ゲート電極GE1および半導体OSに重畳している。第2ゲート電極GE2は、さらに、走査線GL1に重畳し、走査線GL1および第2ゲート電極GE2の間には、中継電極R1が介在している。
【0035】
走査線GL1と中継電極R1との間に介在する絶縁膜にはコンタクトホールCH1が形成されている。中継電極R1は、コンタクトホールCH1において、走査線GL1に接している。中継電極R1と第2ゲート電極GE2の間に介在する絶縁膜にはコンタクトホールCH2が形成されている。第2ゲート電極GE2は、コンタクトホールCH2において、中継電極R1に接している。これにより、第2ゲート電極GE2は、第1ゲート電極GE1と同様に、走査線GL1と電気的に接続される。つまり、第1ゲート電極GE1および第2ゲート電極GE2は、走査線GL1と同電位である。
【0036】
なお、走査線GL1と中継電極R1との間に介在する絶縁膜であって、コンタクトホールCH1の近傍の絶縁膜には、コンタクトホールCH1と同様な役割を持つコンタクトホールCH1´が形成されている。同様に、中継電極R1と第2ゲート電極GE2の間に介在する絶縁膜であって、コンタクトホールCH2の近傍の絶縁膜には、コンタクトホールCH2と同様な役割を持つコンタクトホールCH2´が形成されている。これらコンタクトホールCH1´,CH2´は、表示パネルPNLの歩留まりを担保するために形成されるコンタクトホールである。なお、詳細な説明は省略するが、後述するコンタクトホールCH3~CH9の近傍に各々形成されるコンタクトホールCH3´~CH9´もまた、表示パネルPNLの歩留まりを担保するために形成されるコンタクトホールである。
【0037】
ソース電極SOおよびドレイン電極DEは共に線状に形成される。ソース電極SOおよびドレイン電極DEは、それぞれ第2方向Yに沿って延出し、間隔をおいて第1方向Xに沿って並んでいる。ソース電極SOは、半導体OSの各々の一端側に接している。ドレイン電極DEは、半導体OSの各々の他端側に接している。
【0038】
ドレイン電極DEの一端部は、画素PX1に対応する画素電極PE(図2参照)に重畳している。ドレイン電極DEと画素電極PEとの間に介在する絶縁膜にはコンタクトホールCH3が形成されている。ドレイン電極DEは、コンタクトホールCH3において、画素電極PEに接している。これにより、スイッチング素子SWは、画素電極PEと電気的に接続される。
【0039】
信号線SL1,SL3は、互いに左右の位置を入れ替えながら、第2方向Yに沿って延出している(図2参照)。信号線SL2,SL4は、互いに左右の位置を入れ替えながら、第2方向Yに沿って延出している(図2図4参照)。
【0040】
信号線SL1は、第2方向Yに沿って延出し、走査線GL1と交差している。信号線SL1は、第1ゲート電極GE1(走査線GL1)、半導体OSおよび第2ゲート電極GE2と重畳している。
【0041】
信号線SL3は、走査線GL1と交差せずに、走査線GL1を境にして第1部分SL31と第2部分SL32の2つに分断されている。信号線SL3の第1部分SL31と第2部分SL32とは、それぞれ第2方向Yに沿って延出し、間隔をおいて第2方向Yに沿って並んでいる。信号線SL3の第1部分SL31は、信号線SL1と、信号線SL2の第1部分SL21とのそれぞれと間隔をおいて、第1方向Xに沿って並んでいる。信号線SL3の第2部分SL32は、信号線SL1と、信号線SL4の第2部分SL42とのそれぞれと間隔をおいて、第1方向Xに沿って並んでいる。
【0042】
信号線SL3の第1部分SL31と第2部分SL32とは、信号線SL3の上に配置された中継電極R2によって電気的に接続される。信号線SL3と中継電極R2との間に介在する絶縁膜には、コンタクトホールCH4,CH5が形成されている。信号線SL3の第1部分SL31は、コンタクトホールCH4において中継電極R2に接し、信号線SL3の第2部分SL32は、コンタクトホールCH5において中継電極R2に接している。
【0043】
信号線SL2は、走査線GL1と交差せずに、走査線GL1を境にして第1部分SL21と第2部分SL22の2つに分断されている。信号線SL2の第1部分SL21は第2方向Yに沿って延出している。信号線SL2の第2部分SL22は、信号線SL4と左右の位置を入れ替えるように屈曲しながら、概ね第2方向Yに沿って延出している。信号線SL2の第1部分SL21は、信号線SL3の第1部分SL31と、信号線SL4の第1部分SL41とのそれぞれと間隔をおいて、第1方向Xに沿って並んでいる。信号線SL2の第2部分SL22は、信号線SL4の第2部分SL42と間隔をおいて第1方向Xに沿って並んでいる。
【0044】
信号線SL2の第1部分SL21と第2部分SL22とは、信号線SL2の上に配置された中継電極R3によって電気的に接続される。信号線SL2と中継電極R3との間に介在する絶縁膜には、コンタクトホールCH6,CH7が形成されている。信号線SL2の第1部分SL21は、コンタクトホールCH6において中継電極R3に接し、信号線SL2の第2部分SL22は、コンタクトホールCH7において中継電極R3に接している。
【0045】
信号線SL4は、走査線GL1と交差しつつも、第1部分SL41と第2部分SL42との2つに分断されている。信号線SL4の第1部分SL41と第2部分SL42とは、それぞれ第2方向Yに沿って延出している。信号線SL4の第1部分SL41は、信号線SL2の第1部分SL21と間隔をおいて第1方向Xに沿って並んでいる。信号線SL4の第2部分SL42は、信号線SL3の第2部分SL32と、信号線SL2の第2部分SL22とのそれぞれと間隔をおいて、第1方向Xに沿って並んでいる。
【0046】
信号線SL4の第1部分SL41と第2部分SL42とは、信号線SL4の下に配置された中継電極R4によって電気的に接続される。信号線SL4と中継電極R4との間に介在する絶縁膜には、コンタクトホールCH8,CH9が形成されている。信号線SL4の第1部分SL41は、コンタクトホールCH8において中継電極R4に接し、信号線SL4の第2部分SL42は、コンタクトホールCH9において中継電極R4に接している。
【0047】
図5は、第1実施形態に係るスイッチング素子SWを構成する要素(主に、第1ゲート電極GE1および第2ゲート電極GE2)を詳細に示す平面図である。図5に示すように、第1ゲート電極GE1および第2ゲート電極GE2はそれぞれ、切り欠き部NT1,NT2を有している。
【0048】
より詳しくは、第1ゲート電極GE1は、第2方向Yに沿って並ぶ半導体OSの間の領域であって、信号線SL1と一体のソース電極SOと重畳する領域に形成された切り欠き部NT1を有している。これによれば、ソース電極SOと第1ゲート電極GE1とが対向する領域を減らすことができるため、ソース電極SOと第1ゲート電極GE1との間で形成される寄生容量を低減することができる(つまり、ソース電極SOを含む信号線SL1にかかる負荷容量を低減することができる)。
【0049】
同様に、第2ゲート電極GE2は、第2方向Yに沿って並ぶ半導体OSの間の領域であって、信号線SL1と一体のソース電極SOと重畳する領域に形成された切り欠き部NT2を有している。これによれば、ソース電極SOと第2ゲート電極GE2とが対向する領域を減らすことができるため、ソース電極SOと第2ゲート電極GE2との間で形成される寄生容量を低減することができる(つまり、ソース電極SOを含む信号線SL1にかかる負荷容量を低減することができる)。
【0050】
なお、図5に示すように、切り欠き部NT1,NT2は共に、ドレイン電極DE側ではなく、ソース電極SO側を切り欠くように形成されることが望ましい。
【0051】
また、図5では、信号線SL1と一体のソース電極SOを含むスイッチング素子SWに含まれる、第1ゲート電極GE1および第2ゲート電極GE2の形状を示したが、他の信号線SL2~SL4のうちのいずれか1つと一体のソース電極SOを含むスイッチング素子SWに含まれる、第1ゲート電極GE1および第2ゲート電極GE2の形状も同様である。つまり、第1ゲート電極GE1および第2ゲート電極GE2は、第2方向Yに沿って並ぶ半導体OSの間の領域であって、信号線SL1~SL4のうちのいずれか1つと一体のソース電極SOと重畳する領域にそれぞれ形成された切り欠き部NT1,NT2を有している。
【0052】
なお、上述した切り欠き部NT1,NT2が形成されることにより、第2方向Yに沿って並ぶ半導体OSの間の領域には、図5に示すように、複数の開口APが形成される。
【0053】
図6は、図5中のA-B線に沿う表示パネルPNLの概略的な断面図である。上述したように、表示パネルPNLは、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、第1基板SUB1および第2基板SUB2の間に配置された液晶層LCと、を備えている。
【0054】
第1基板SUB1は、第1透明基板10と、絶縁膜11~14と、スイッチング素子SWと、容量配線CWと、金属線MLと、画素電極PEと、配向膜AL1と、を備えている。
【0055】
走査線GL1と一体の第1ゲート電極GE1は、第1透明基板10の上に配置されている。第1ゲート電極GE1は、例えば金属材料によって形成されている。絶縁膜11は、第1透明基板10および第1ゲート電極GE1を覆っている。絶縁膜11は、ゲート絶縁膜と称されてもよい。半導体OSは、絶縁膜11の上に配置され、第1ゲート電極GE1の直上に位置している。信号線SL1と一体のソース電極SO、および、ドレイン電極DEは、絶縁膜11の上に配置され、それぞれ半導体OSに接している。ソース電極SOおよびドレイン電極DEは、同一の金属材料によって形成されている。絶縁膜12は、絶縁膜11、ソース電極SO、および、ドレイン電極DEを覆っている。また、絶縁膜12は、ソース電極SOとドレイン電極DEとの間において、半導体OSに接している。
【0056】
第2ゲート電極GE2は、絶縁膜12の上に配置され、第1ゲート電極GE1および半導体OSの直上に位置している。第2ゲート電極GE2は、例えば金属材料によって形成されている。絶縁膜13は、絶縁膜12および第2ゲート電極GE2を覆っている。
【0057】
容量配線CWは、絶縁膜13の上に配置されている。金属線MLは、容量配線CWの上に配置され、容量配線CWに接している。絶縁膜14は、容量配線CWおよび金属線MLを覆っている。画素電極PEは、絶縁膜14の上に配置されている。配向膜AL1は、画素電極PEおよび絶縁膜14を覆っている。
【0058】
絶縁膜11,12,14は、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの透明な無機絶縁膜である。絶縁膜13は、例えば、アクリル樹脂などの透明な有機絶縁膜である、容量配線CWおよび画素電極PEは、インジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料によって形成された透明電極である。
【0059】
第2基板SUB2は、第2透明基板20と、遮光層BMと、共通電極CEと、配向膜AL2と、を備えている。
【0060】
遮光層BMは、液晶層LCを介してスイッチング素子SWと対向している。共通電極CEは、液晶層LCを介して画素電極PEと対向している。配向膜AL2は、共通電極CEを覆っている。
【0061】
図7は、図5中のC-D線に沿う表示パネルPNLの概略的な断面図である。つまり、図7は、第2方向Yに沿って並ぶ半導体OSの間の領域における表示パネルPNLの概略的な断面図である。図7に示すように、第2方向Yに沿って並ぶ半導体OSの間の領域において、第1ゲート電極GE1と、信号線SL1と一体のソース電極SOとは対向していない。同様に、図7に示すように、第2方向Yに沿って並ぶ半導体OSの間の領域において、第2ゲート電極GE2と、信号線SL1と一体のソース電極SOとは対向していない。なお、図7に示すように、信号線SL1と一体のソース電極SOの一端から第2ゲート電極GE2の一端までの領域が、図5に示した開口APに相当する領域である。
【0062】
以上説明したように、第1実施形態に係る表示パネルPNLは、画素PXに接続されるスイッチング素子SWとして、ソース電極SOと重畳する領域に形成された切り欠き部NT1を有する第1ゲート電極GE1と、ソース電極SOと重畳する領域に形成された切り欠き部NT2を有する第2ゲート電極GE2とを含むスイッチング素子SWを備えている。この構成によれば、ソース電極SOと第1ゲート電極GE1との間で形成される寄生容量と、ソース電極SOと第2ゲート電極GE2との間で形成される寄生容量とを共に低減することができる。このため、例えば、第1ゲート電極GE1および第2ゲート電極GE2が共に切り欠き部を有していない構成に比べて、ソース電極SOと一体の信号線SLにかかる負荷容量を大幅に低減することができる。
【0063】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る構成は、スイッチング素子SWを構成する第1ゲート電極GE1が切り欠き部NT1を有していない点で、上述した第1実施形態に係る構成と相違している。なお、以下では、主に、第1実施形態と相違する点について説明し、第1実施形態と同様な点についての説明を省略する。
【0064】
図8は、第2実施形態に係るスイッチング素子SWを構成する要素を詳細に示す平面図である。図8に示すように、第1ゲート電極GE1は、第2方向Yに沿って延びる長方形状に形成され、切り欠き部を有していない。このため、第1ゲート電極GE1は、第2方向Yに沿って並ぶ半導体OSの間の領域において、ソース電極SO(信号線SL1)と重畳している。また、第1ゲート電極GE1が切り欠き部を有していないので、第2方向Yに沿って並ぶ半導体OSの間の領域には、図5に示した開口APが形成されていない。
【0065】
図9は、図8中のE-F線に沿う表示パネルPNLの概略的な断面図である。図9に示すように、第2方向Yに沿って並ぶ半導体OSの間の領域において、第1ゲート電極GE1は、信号線SL1と一体のソース電極SOと対向している。一方、図9に示すように、第2方向Yに沿って並ぶ半導体OSの間の領域において、第2ゲート電極GE2は、信号線SL1と一体のソース電極SOと対向していない。
【0066】
この構成によれば、ソース電極SOと第1ゲート電極GE1との間で形成される寄生容量を低減することはできないものの、ソース電極SOと第2ゲート電極GE2との間で形成される寄生容量を低減することはできる。このため、例えば、第1ゲート電極GE1および第2ゲート電極GE2が共に切り欠き部を有していない構成に比べて、ソース電極SOと一体の信号線SLにかかる負荷容量を低減することができる。
【0067】
また、第2実施形態に係る構成においては、上述したように、図5に示した開口APが形成されないため、次のような効果を得ることができる。
【0068】
スイッチング素子SWは、例えばソース電極SOやドレイン電極DEなど、金属材料によって形成される要素を含んでいるため、スイッチング素子SWに光があたると、光の反射が生じ、その結果、表示品位を低下させてしまう可能性がある。このため、平面視においてスイッチング素子SWと重畳する領域は、遮光されていることが望ましい。
【0069】
ところで、表示パネルPNLは、いわゆる透明ディスプレイであり、第1基板SUB1側および第2基板SUB2側のどちらからも表示領域DAに表示される画像を視認することができる。このため、表示パネルPNLにおいては、第1基板SUB1側および第2基板SUB2側の双方において、平面視においてスイッチング素子SWと重畳する領域が遮光されることが望ましい。
【0070】
上述した第1実施形態に係る構成においては、平面視においてスイッチング素子SWと重畳する第2基板SUB2側の領域には、遮光層BMが配置されている(図6および図7参照)。これによれば、第2基板SUB2側(第2透明基板20)からスイッチング素子SWに向かう光を遮光層BMによって遮光することができ、上述した表示品位の低下を抑制することができる。一方、上述した第1実施形態に係る構成においては、平面視においてスイッチング素子SWと重畳する第1基板SUB1側の領域には、開口APが形成されており、第1基板SUB1側(第1透明基板10)からスイッチング素子SWに向かう光を遮光することができない(図7参照)。これによれば、第1基板SUB1側から入射し、開口APを透過した光が、スイッチング素子SWにあたって反射し、表示品位を低下させてしまう可能性がある。
【0071】
これに対し、第2実施形態に係る構成においては、第1ゲート電極GE1が切り欠き部を有していないため、図9に示すように、平面視においてスイッチング素子SWと重畳する第1基板SUB1側の領域に、第1ゲート電極GE1が配置される。これによれば、第1ゲート電極GE1が、第1基板SUB1側からスイッチング素子SWに向かう光を遮光する遮光層として機能するため、第1基板SUB1側および第2基板SUB2側の双方において、平面視においてスイッチング素子SWと重畳する領域を遮光することができ、第1実施形態に係る構成に比べて、表示品位の低下を抑制することができる。
【0072】
(第3実施形態)
さらに、第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る構成は、スイッチング素子SWを構成する第2ゲート電極GE2が切り欠き部NT2を有していない点で、上述した第1実施形態に係る構成と相違している。なお、以下では、主に、第1実施形態と相違する点について説明し、第1実施形態と同様な点についての説明を省略する。
【0073】
図10は、第3実施形態に係るスイッチング素子SWを構成する要素を詳細に示す平面図である。図10に示すように、第2ゲート電極GE2は、切り欠き部を有しておらず、第2方向Yに沿って並ぶ半導体OSの間の領域において、ソース電極SO(信号線SL1)と重畳している。
【0074】
図11は、図10中のG-H線に沿う表示パネルPNLの概略的な断面図である。図11に示すように、第2方向Yに沿って並ぶ半導体OSの間の領域において、第2ゲート電極GE2は、信号線SL1と一体のソース電極SOと対向している。一方、図11に示すように、第2方向Yに沿って並ぶ半導体OSの間の領域において、第1ゲート電極GE1は、信号線SL1と一体のソース電極SOと対向していない。
【0075】
この構成によれば、ソース電極SOと第2ゲート電極GE2との間で形成される寄生容量を低減することはできないものの、ソース電極SOと第1ゲート電極GE1との間で形成される寄生容量を低減することはできる。このため、例えば、第1ゲート電極GE1および第2ゲート電極GE2が共に切り欠き部を有していない構成に比べて、ソース電極SOと一体の信号線SLにかかる負荷容量を低減することができる。
【0076】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、ソース電極SOと一体の信号線SLにかかる負荷容量を低減し、信頼性の低下を抑制することが可能なアレイ基板および表示装置を提供することが可能である。
【0077】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
DSP…表示装置、PNL…表示パネル、SUB1…第1基板、SUB2…第2基板、LC…液晶層、10…第1透明基板、11~14…絶縁膜、SW…スイッチング素子、GL1~GL4…走査線、GE1…第1ゲート電極、OS…半導体、SL1~SL4…信号線、SO…ソース電極、DE…ドレイン電極、GE2…第2ゲート電極、CW…容量配線、ML…金属線、PE…画素電極、AL1,AL2…配向膜、20…第2透明基板、BM…遮光層、CE…共通電極、NT1,NT2…切り欠き部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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