(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025919
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20250214BHJP
【FI】
A63F5/04 651
A63F5/04 605B
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023131164
(22)【出願日】2023-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】森下 恭好
【テーマコード(参考)】
2C182
2C518
【Fターム(参考)】
2C182CA02
2C182CB10
2C182DA22
2C182DA27
2C518EA05
2C518EB07
(57)【要約】
【課題】遊技を適切に進行する。
【解決手段】遊技機は、遊技価値を用いて行う遊技を制御する遊技制御手段と、遊技価値を管理する管理制御手段と、管理制御手段が管理する遊技価値の少なくとも一部を外部に送信する送信処理を行わせるための遊技者の操作を受け付ける操作手段と、管理制御手段が実行した送信処理に関する演出を制御する演出制御手段と、を備え、管理制御手段は、操作手段への操作に応じ、所定数の遊技価値を送信する単位送信処理を所定周期で繰り返し、操作手段への操作がOFFされても単位送信処理の実行が維持される全送信処理を実行し、演出制御手段は、当該遊技機の状態が所定の状態である場合に、全送信処理の開始タイミング、全送信処理の終了タイミング、または、全送信処理の実行中の任意のタイミングにおいて所定の報知演出を行う。
【選択図】
図32
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技価値を用いて行う遊技を制御する遊技制御手段と、
前記遊技価値を管理する管理制御手段と、
前記管理制御手段が管理する前記遊技価値の少なくとも一部を外部に送信する送信処理を行わせるための遊技者の操作を受け付ける操作手段と、
前記管理制御手段が実行した前記送信処理に関する演出を制御する演出制御手段と、
を備え、
前記管理制御手段は、
前記操作手段への操作に応じ、所定数の前記遊技価値を送信する単位送信処理を所定周期で繰り返し、前記操作手段への操作がOFFされても前記単位送信処理の実行が維持される全送信処理を実行し、
前記演出制御手段は、
当該遊技機の状態が所定の状態である場合に、前記全送信処理の開始タイミング、前記全送信処理の終了タイミング、または、前記全送信処理の実行中の任意のタイミングにおいて所定の報知演出を行う、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンの遊技性を維持しつつ、実物のメダルの介在なしに遊技を進行することができるスマートパチスロが検討されている(例えば、特許文献1)。また、パチンコ機を封入循環式にして遊技者が遊技球に触れることなく遊技を進行することができるスマートパチンコが検討されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-134014号公報
【特許文献2】特開2020-156551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなスマートパチスロやスマートパチンコでは、遊技機の外部に、メダルや遊技球等の遊技媒体を流通させるための経路を設ける必要がなくなり、スマートパチスロにおいては、物理的な遊技媒体自体が不要となる。このように、スマートパチスロでは、遊技媒体自体が使用されず、スマートパチンコにおいては非磁性の遊技球を用いることで、金属製の遊技媒体を使用することを前提とするゴト行為を防止することが可能となる。また、遊技機内に遊技媒体の投入や払い出しを行う機構を設ける必要がなくなるので、設計コストや製造コストを削減することができる。さらに、遊技者への遊技媒体の貸し出しや、獲得した遊技媒体の計数等を一元管理することで、不正防止や射幸性の抑制が可能となる。
【0005】
このような電子的な遊技媒体の管理等、新たな試みを取り入れつつ、遊技を適切に進行する新たな仕組みにより、遊技性の向上を図る必要がある。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑み、遊技を適切に進行することが可能な遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、遊技価値を用いて行う遊技を制御する遊技制御手段と、前記遊技価値を管理する管理制御手段と、前記管理制御手段が管理する前記遊技価値の少なくとも一部を外部に送信する送信処理を行わせるための遊技者の操作を受け付ける操作手段と、前記管理制御手段が実行した前記送信処理に関する演出を制御する演出制御手段と、を備え、前記管理制御手段は、前記操作手段への操作に応じ、所定数の前記遊技価値を送信する単位送信処理を所定周期で繰り返し、前記操作手段への操作がOFFされても前記単位送信処理の実行が維持される全送信処理を実行し、前記演出制御手段は、当該遊技機の状態が所定の状態である場合に、前記全送信処理の開始タイミング、前記全送信処理の終了タイミング、または、前記全送信処理の実行中の任意のタイミングにおいて所定の報知演出を行う。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技を適切に進行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】スロットマシンの概略的な機械的構成を説明するための外観図である。
【
図2】スロットマシンの概略的な機械的構成を説明するための前面扉を開いた状態での外観図である。
【
図3】リールの図柄配列および有効ラインを説明する図である。
【
図4】スロットマシンおよび専用ユニットの概略的な電気的構成を示したブロック図である。
【
図5】主制御基板のメイン処理を示したフローチャートである。
【
図6】副制御基板のサブ処理を示したフローチャートである。
【
図7】メダル数制御基板のメダル処理を示したフローチャートである。
【
図10】遊技状態の遷移を説明するための説明図である。
【
図11】演出状態の遷移を説明するための説明図である。
【
図12】計数スイッチを短押し操作した場合の計数処理の流れを説明するためのタイミングチャートである。
【
図13】計数スイッチを長押し操作した場合の計数処理の流れを説明するためのタイミングチャートである。
【
図14】計数スイッチを長押し操作した場合の計数処理の他の流れを説明するためのタイミングチャートである。
【
図15】計数スイッチを全計数操作した場合の計数処理の流れを説明するためのタイミングチャートである。
【
図16】計数スイッチを全計数操作した場合の計数処理の他の流れを説明するためのタイミングチャートである。
【
図17】メダル数制御基板における計数対応処理の流れの一例を示したフローチャートである。
【
図18】複数計数処理の流れの一例を示したフローチャートである。
【
図19】単数計数処理の流れの一例を示したフローチャートである。
【
図20】主制御基板における計数対応処理の流れの一例を示したフローチャートである。
【
図21】副制御基板における計数対応処理の流れの一例を示したフローチャートである。
【
図22】計数スイッチを全計数操作した場合の計数処理の流れを説明するためのタイミングチャートである。
【
図23】計数スイッチを全計数操作した場合の計数処理の他の流れを説明するためのタイミングチャートである。
【
図24】メダル数制御基板における計数対応処理の流れの一例を示したフローチャートである。
【
図25】複数計数処理の流れの一例を示したフローチャートである。
【
図26】副制御基板における計数対応処理の流れの一例を示したフローチャートである。
【
図27】遊技メダル数表示装置の機械的構成を説明するための外観図である。
【
図28】全計数スイッチを操作した場合の計数処理の流れを説明するためのタイミングチャートである。
【
図29】全計数スイッチを操作した場合の計数処理の他の流れを説明するためのタイミングチャートである。
【
図30】メダル数制御基板における計数対応処理の流れの一例を示したフローチャートである。
【
図31】全計数処理時の液晶表示部の表示例を示す図である。
【
図32】全計数処理の終了タイミングにおける報知演出の一例を説明するフローチャートである。
【
図33】全計数処理の開始タイミングにおける報知演出の一例を説明するフローチャートである。
【
図34】全計数処理の実行中の任意のタイミングにおける報知演出の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0011】
(スロットマシン100の機械的構成)
遊技機としてのスロットマシン100には、実物のメダルを介在させて遊技を進行するものと、実物のメダルの介在なしに遊技を進行するものがある。後者をスマートパチスロと呼ぶ場合がある。ここでは、スロットマシン100として、スマートパチスロを例に挙げて説明する。スマートパチスロでは、実物のメダルの代わりに、遊技に供する電子的な遊技価値として電子化メダルが用いられる。
【0012】
図1は、スロットマシン100の概略的な機械的構成を説明するための外観図である。
図2は、スロットマシン100の概略的な機械的構成を説明するための前面扉を開いた状態での外観図であり、
図2(a)は前面扉を背面側から観ており、
図2(b)は筐体を遊技者側から観ている。
【0013】
図1および
図2の外観図に示すように、スロットマシン100は、前面が開口した筐体102と、筐体102の前面一端に回動可能に上下に並んで配置される前面上扉104および前面下扉106とが設けられている。前面上扉104の下部略中央には、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓108が設けられており、筐体102内の図柄表示窓108に対応する位置には、左リール110a、中リール110b、右リール110cが、それぞれ独立して回動可能に設けられている。左リール110a、中リール110b、右リール110cの外周面には、
図3(a)の図柄配列に示すように、20に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列されており、遊技者は、図柄表示窓108を通じて、上段、中段、下段に位置する、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの3つの連続する合計9個の図柄を視認することができる。なお、左リール110a、中リール110b、右リール110cを纏めて単にリール110と言う場合もある。
【0014】
前面下扉106の上部には操作部設置台112が形成され、操作部設置台112には、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120a、120b、120c、精算スイッチ122、演出スイッチ124、計数スイッチ126、遊技メダル数表示装置128、メインセグメント表示部130等が設けられている。
【0015】
ベットスイッチ116は、押圧スイッチで構成され、スロットマシン100で電子的に保持された、遊技の用に供することが可能な電子化メダルを投入(ベット)する(遊技メダル数から減算する)操作を検出する。なお、ベットスイッチ116には、1遊技で必要とされる規定数の電子化メダルを投入(ベット)するマックスベットスイッチ、規定数の範囲内で1枚分の電子化メダルを追加的に投入する1ベットスイッチが含まれる。ここで、スロットマシン100で電子的に保持された、遊技の用に供することが可能な電子化メダルの総数である遊技価値数を「遊技メダル数」と称し、遊技メダル数を保持する記憶領域を「メダル保持部」と称する場合がある。なお、ベットには、ベットスイッチ116の操作を通じてメダル保持部に保持されている遊技メダル数から所定数の電子化メダルを投入する場合と、詳しくは後述するリプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づいて電子化メダルを自動投入する場合のいずれも含む。また、このようにベットを行う主体を投入手段と言う場合がある。
【0016】
スタートスイッチ118は、例えば傾倒操作を検出可能なレバーで構成され、遊技者による遊技の開始操作を検出する。
【0017】
ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120cは、押圧スイッチで構成され、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに対応した位置に設けられており、遊技者の停止操作を検出する。なお、ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120cを纏めて単にストップスイッチ120と言う場合もある。ここで、ストップスイッチ120の停止操作が可能な状態で、遊技者が、ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120cのいずれかを最初に停止操作することを第1停止操作と言い、第1停止操作の後、停止操作されていない2つのストップスイッチ120のいずれかを停止操作することを第2停止操作と言い、第2停止操作の後、最後に残ったストップスイッチ120を停止操作することを第3停止操作と言う。
【0018】
精算スイッチ122は、ベットスイッチ116の操作によりベットされた電子化メダルの全てをメダル保持部に返却する(遊技メダル数に加算する)操作を検出する。
【0019】
演出スイッチ124は、例えば、押圧スイッチや十字スイッチで構成され、遊技者の押圧操作や回転操作を検出する。
【0020】
計数スイッチ126は、押圧スイッチで構成され、スロットマシン100で電子的に保持された遊技メダル数の一部または全部を後述する専用ユニット300に転送する(遊技メダル数から減算する)操作を検出する。ここで、計数スイッチ126の操作として、ONされている時間が500msec未満の操作を「短押し操作」と言い、500msec以上連続してONする操作を「長押し操作」と言う。計数スイッチ126の短押し操作では、操作毎に遊技メダル数から電子化メダルが1枚だけ計数(転送)され、長押し操作では、ONされている時間が500msec以降における、300msec毎の計数通知を行うタイミングで遊技メダル数から電子化メダルが50枚ずつ計数される。なお、長押し操作が行われている状態で遊技メダル数が50に満たない場合、残りの遊技メダル数が全て計数されることとなる。また、遊技が可能な間に計数スイッチ126が操作された場合、その時点の遊技状態に拘わらず、必ず計数処理が実行される。ここで「遊技が可能な間」とは、スロットマシン100と専用ユニット300とが接続され、かつ、両者共に電源がONされている状態(遊技者が電子化メダルを借り、スロットマシン100で遊技を行い、当該遊技の結果を計数する一連の動作が可能な状態)を示す。なお、スロットマシン100の電源はONされているが専用ユニット300の電源がONされていない場合、または、スロットマシン100と専用ユニット300とが未接続であった場合、すなわち、VL接続信号がOFFしている場合は、スロットマシン100が計数スイッチ126の操作を受け付けても当該計数メダル数が消失してしまうおそれがあるので、計数スイッチ126の操作を無効とし、その期間は「遊技が可能な間」に含めない。また、スロットマシン100が単体として遊技を進行しない(できない)状態となる、電源投入後の初期化処理中、設定変更中および設定確認中、ならびに、リセット等による復帰処理が必要なエラー状態中も、「遊技が可能な間」には含めない。
【0021】
遊技メダル数表示装置128は、5桁または6桁の7セグメントLEDを含み、メダル保持部に保持された電子化メダルの総数、すなわち遊技メダル数を表示する。ただし、遊技メダル数にはベットした電子化メダルは含まれない。したがって、遊技メダル数表示装置128には、遊技者が獲得した電子化メダルから、ベットした電子化メダルの数を減算した数が表示される。なお、遊技メダル数の数値範囲は、1営業日における最大差枚数を勘案して、0~16382(16368枚+1遊技での最大払出枚数(15枚)-最小投入枚数(1枚))で表され、有意な数値の上位の桁が0となる場合、その数値を空白(消灯)で示す。なお、その数値が、所定の警告値、例えば、15000以上となると、遊技者に計数を促す所持数警告報知を実行し、後述する電子化メダルの貸出処理を制限するとともに、試験用計数信号を約3500msecの間出力する。なお、警告値は15000に限らず、様々な値を設定することができる。ただし、所持数警告報知が実行されても、遊技者は遊技を引き続き継続可能である。したがって、遊技メダル数は増加する場合がある。そして、その数値が、所定の保持上限値、例えば、16369以上となった場合、エラー報知(メダルオーバーエラー報知)を実行するとともに、所謂、コンプリート機能を作動させ、遊技の進行を制限する。具体的には、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、精算スイッチ122の受付を禁止する。このようなコンプリート機能が作動した(打ち止めエラー(エラーコード「Ey」)が生じた)場合、コンプリート機能が作動していることを報知するコンプリート作動情報が、後述する液晶表示部132に表示されるとともに、コンプリート機能が作動していることを報知するコンプリート作動音が、後述するスピーカ134から出力される。遊技メダル数表示装置128は、スロットマシン100で保持される遊技メダル数が更新されてから概ね300msec以内に、更新された遊技メダル数を反映して表示する。
【0022】
メインセグメント表示部130は、並置された2つの7セグメントで構成され、主制御基板200で管理するエラーの種別を示すエラーコードが表示される。例えば、前面上扉104または前面下扉106の少なくとも一方が開放されていることを検知することで生じ、前面上扉104および前面下扉106のいずれも閉塞することで自動復帰するドア開放エラー(エラーコード「E8」)などの各種のエラーが発生した場合には、メインセグメント表示部130にエラーコードが表示されるとともに、後述する液晶表示部132にエラー情報が表示され、後述するスピーカ134からエラー音が出力される。
【0023】
前面上扉104の上部略中央には、演出に伴う様々な画像を表示する液晶表示部132が設けられている。また、前面下扉106の裏面における左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ134が設けられている。また、前面上扉104の上部や左右には、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出用ランプ136や、モータによって演出役物を駆動する演出役物装置138が設けられる。
【0024】
また、筐体102内には、後述する主制御基板200に、図示しない設定キーおよび設定変更スイッチ(これらを合わせて設定値設定手段と言う)が設けられている。スロットマシン100では、設定キーに所定の鍵(操作キー)が挿入されてオフの位置からオンの位置へ回転された状態で電源144の電源スイッチ144aを介して電源が投入されると設定変更モードに移行し、設定値の変更(単に設定変更とも言う)が可能な状態となる。設定値は、遊技者の有利度合(機械割)を段階的に示したものであり、例えば、1~6の6段階で表され、一般に、設定値の数値が大きいほど遊技全体として有利度合が高い(期待獲得枚数が高い)ように設定されている。そして、設定変更が可能な状態において設定変更スイッチが押下される度に設定値が1ずつ加算され、例えば、6段階の設定値のうちのいずれかの設定値に変更され、スタートスイッチ118が操作されると、設定値が確定し、設定キーを元の位置(OFFの位置)に戻すことで設定変更モードが終了して遊技が可能となる。なお、設定変更は、電源スイッチ144aが操作されて電源の投入状態となってから一定期間のみ可能となっている。
【0025】
このようなスロットマシン100では、実物のメダルが不要となるので、疑似的にメダルを投入したり、不正に持ち込んだメダルを使用するゴト行為を防止することが可能となる。また、遊技機内に遊技媒体の投入や払い出しを行う機構を設ける必要がなくなるので、設計コストや製造コストを削減することができる。さらに、遊技者への遊技媒体の貸し出しや、獲得した遊技媒体の計数等を一元管理することで、不正防止が可能となる。また、データを一元管理することで、射幸性を抑制し、ひいては、依存症対策を強化することが可能となる。
【0026】
図4は、スロットマシン100および専用ユニット300の概略的な電気的構成を示したブロック図である。
図4に示すように、スロットマシン100と専用ユニット300とは遊技球等貸出装置接続端子板280を介して電気的に接続されている。スロットマシン100には、遊技の進行を制御する主制御基板200と、遊技の進行に応じた演出を制御する副制御基板240と、メダル保持部に保持される電子化メダルの数(遊技メダル数)を制御するメダル数制御基板260とを含む複数の制御基板が設けられている。なお、主制御基板200と副制御基板240との間の電気的な信号の伝達は、不正防止等の観点から、主制御基板200から副制御基板240への一方向のみに制限される。一方、主制御基板200とメダル数制御基板260との間の電気的な信号の伝達は、双方向可能である。
【0027】
(主制御基板200)
主制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU200a、プログラム等が格納されたメインROM200b、ワークエリアとして機能するメインRAM200c等を含む半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。なお、メインRAM200cは、電源が切断された場合においても、設定変更が行われてRAMクリアが実行されない限り、データを消去することなく保持する。
【0028】
また、主制御基板200は、メインCPU200aが、メインROM200bに格納されたプログラムに基づきメインRAM200cと協働することで機能する、初期化手段210、ベット手段212、当選種別抽選手段214、リール制御手段216、判定手段218、払出制御手段220、遊技状態制御手段222、演出状態制御手段224、コマンド送受信手段226等の機能部を有する。
【0029】
主制御基板200では、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120、および、精算スイッチ122から各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、メインCPU200aが種々の処理を実行する。
【0030】
初期化手段210は、主制御基板200における初期化処理を実行する。ベット手段212は、遊技に使用するための電子化メダルをベットする。当選種別抽選手段214は、スタートスイッチ118の操作に基づき、詳しくは後述するように、当選役の当否、より詳しくは、当選役が含まれる当選種別の当否を決定する当選種別抽選を行う。
【0031】
リール制御手段216は、スタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転制御し、回転している左リール110a、中リール110b、右リール110cにそれぞれ対応したストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cを停止制御する。
【0032】
また、リール制御手段216は、スタートスイッチ118の操作に応じて、前回の遊技においてストップスイッチ120の操作を有効化してから、当選種別抽選の抽選結果を表示するために遊技者によるストップスイッチ120の操作を有効化するまで(前回の遊技におけるストップスイッチ120の操作完了により無効化されている)の時間を規定の時間より延長し、その間、リール110a、110b、110cを多彩な態様で回転制御するリール演出(フリーズ演出)を行う場合がある。リール演出は、本来有効となるべき任意のスイッチを所定時間有効にしなかったり、本来実行されるべき処理を所定時間保留したり、本来送受信されるべき任意のスイッチの信号を所定時間送信または受信させなかったりすることで実現できる。
【0033】
また、本実施形態においては、リール演出として、基本遊技におけるスタートスイッチ118の操作に応じ、基本遊技を中断して、基本遊技の進行を遅延させ、その間に、リール110a、110b、110cを回転制御し、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、ストップスイッチ120a、120b、120cそれぞれに対応するリール110a、110b、110cを仮停止制御する、基本遊技に似せた疑似遊技(擬似遊技)を行う場合がある。ここで、基本遊技は、当選種別抽選が実行され、当選役の入賞に伴い一度の払い出しを受け得る遊技を言う。なお、疑似遊技は、再度のスタートスイッチ118の操作、または、仮停止制御から所定時間が経過したことを条件に終了し、その後、基本遊技におけるリール110a、110b、110cの回転制御が再開する。また、疑似遊技の一例として、リール制御手段216は、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、各リール110a、110b、110cにおける所定の図柄(例えば、ボーナス役を構成する図柄)を、自動的に仮停止制御することもできる。かかる疑似遊技では、基本遊技と類似の回転制御および停止態様あるいは異なる回転制御および停止態様で演出を実行することができるので、遊技の興趣を高めることができる。なお、仮停止は、一見停止しているように見えるが、リール110a、110b、110cのステッピングモータ152の位相信号を500msec以内で変化させ続けることで、完全停止していない状態を示し、仮停止制御は、リール110a、110b、110cを仮停止させる制御を示す。ただし、特に区別する場合を除き、一方向に回転することなく、その位置を維持しているという意味で停止も仮停止も単に停止として扱い、また、スタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転制御し、回転している左リール110a、中リール110b、右リール110cにそれぞれ対応したストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cを停止させる意味で、停止制御も仮停止制御も単に停止制御として扱う。
【0034】
また、主制御基板200には、リール駆動制御部150が接続されている。このリール駆動制御部150は、スタートスイッチ118の操作信号に応じ、リール制御手段216から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ152を駆動する。また、リール駆動制御部150は、ストップスイッチ120の操作信号に応じ、リール制御手段216から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路154の検出信号に基づいて、ステッピングモータ152の駆動を停止する。
【0035】
判定手段218は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたか否か判定する。ここで、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることを単に入賞と言う場合がある。ここで、有効ラインAは、当選役の入賞を判定するためのラインであり、本実施形態では1本である。
図3(b)に示すように、図柄表示窓108に臨む9つの図柄(3リール×上中下の3段)のうち、有効ラインAは、左リール110aの下段、中リール110bの中段、右リール110cの上段に停止する図柄に対応する位置を結んだライン(右上がり1ライン)に設定されている。無効ラインは、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせのみでは当選役を把握しにくい場合に、当選役の把握を容易にする他の図柄組み合わせを表示する、当選役の入賞判定には用いられない有効ラインA以外のラインであり、本実施形態では、
図3(b)に示す4つの無効ラインB1、B2、B3、Cを想定している。払出制御手段220は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたこと(入賞したこと)に基づいて、当該当選役に対応する数(価値量)だけ電子化メダルをメダル保持部に払い出す(遊技メダル数に加算する)。
【0036】
遊技状態制御手段222は、当選種別抽選の結果や判定手段218の判定結果を参照し、複数種類の遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させる。遊技状態には、後述するように、非内部遊技状態、非内部遊技状態においてボーナス役に当選することで移行される内部中遊技状態、内部中遊技状態においてボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることで移行されるボーナス遊技状態が含まれる。
【0037】
演出状態制御手段224は、当選種別抽選の結果、判定手段218の判定結果、遊技状態の遷移情報を参照し、複数種類の演出状態のいずれかに演出状態を移行させる。演出状態には、特定役(正解役)と他の当選役(不正解役)とが重複した当選種別(選択当選種別)に当選した際に、特定役の入賞条件となる操作態様(正解操作態様)を報知する(特定役の入賞を補助する)補助演出を実行するAT(アシストタイム)演出状態と、補助演出を実行しない非AT演出状態とが含まれる。また、AT演出状態とリプレイ役の当選確率が高いRT(リプレイタイム)遊技状態が並行して進行される、所謂、ART遊技状態が実行される場合もある。なお、補助演出の対象となる特定役は、その当選役が入賞したことによる電子化メダルの払い出しのみならず、その当選役が入賞することで得られる全ての遊技利益を含めて他の当選役より有利な当選役を言う。また、補助演出は、特定役の入賞を補助する場合に限らず、遊技者に有利となる操作態様を報知すれば足りる。
【0038】
コマンド送受信手段226は、ベット手段212、当選種別抽選手段214、リール制御手段216、判定手段218、払出制御手段220、遊技状態制御手段222、演出状態制御手段224等の動作に伴って決定されたコマンドを副制御基板240およびメダル数制御基板260に順次送信する。
【0039】
また、主制御基板200には、乱数発生器200dが設けられる。乱数発生器200dは、計数値を順次インクリメントし、所定回数分計数すると計数値をリセットする(数列を変更して初期値を定める)ことで、所定の数値範囲内で計数値をループさせる。主制御基板200では、所定の時点において乱数発生器200dから計数値を抽出することで乱数値を得る。主制御基板200の乱数発生器200dによって生成される乱数値(以下、当選種別抽選乱数と言う)は、遊技者に付与する遊技利益、例えば、当選種別抽選手段214が当選種別を決定するために用いられる。以下、主制御基板200における具体的処理をフローチャートに基づいて説明する。
【0040】
(主制御基板200のメイン処理)
図5は、主制御基板200のメイン処理(メインループ処理)を示したフローチャートである。ここでは、まず、主制御基板200のメイン処理に従って、初期化後の1遊技の概略を説明する。また、ここでは、本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。また、詳細な説明は省略するが、各処理が遂行される際、各処理において用いられるスイッチ(ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120)は、処理の開始時に有効化され、各処理の終了時に無効化される。
【0041】
(ステップS100)
電源スイッチ144aを介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化手段210は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。また、初期化手段210は、設定変更を行うこともできる。なお、設定変更は、有利度合を段階的(例えば6段階)に示した設定値を変更することである。なお、設定変更には、同一の設定値への打ち直し(現在の設定値を、現在の設定値と同一の設定値に変更(上書き、維持)する処理)も含まれる。初期化手段210は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをメインRAM200cに保持させている。したがって、不意の電断(電源切断)が生じたとしても、この初期化処理において、電断前に保持されたバックアップデータを用い、電断前の状態に復帰させることができる。例えば、リール110の回転中に不意の電断が起きたとしても、復帰動作後に再度各リール110が回転している状態から開始される。したがって、初期化処理では、基本的に、メインRAM200cの初期化(RAMクリア)は行われない。また、初期化手段210は、電源投入時に初期化コマンドを生成し、コマンド送受信手段226は、生成された初期化コマンドを副制御基板240に送信する。また、初期化手段210は、起動時に必要な伝達情報を含む起動時コマンドを生成し、コマンド送受信手段226は、生成された起動時コマンドをメダル数制御基板260に送信する。
【0042】
(ステップS110)
続いて、遊技者によるベットスイッチ116の操作に応じて、ベット手段212が電子化メダルをベットする。また、ベット手段212は、その操作がなされたことを示す投入コマンドを生成し、コマンド送受信手段226は、生成された投入コマンドを副制御基板240に送信する。また、ベット手段212は、投入要求枚数を示す伝達情報を含む遊技メダル投入コマンドを生成し、コマンド送受信手段226は、生成された遊技メダル投入コマンドをメダル数制御基板260に送信する。
【0043】
(ステップS120)
次に、当選種別抽選手段214は、規定数の電子化メダルがベットされると、スタートスイッチ118に対する遊技開始操作を有効化し、スタートスイッチ118の操作待ち状態に移行する。ここで、当選種別抽選手段214は、遊技者によるスタートスイッチ118の操作に応じて、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された当選種別抽選乱数から、スタートスイッチ118が操作された時点における1の当選種別抽選乱数を取得する。そして、当選種別抽選手段214は、当選種別抽選テーブルから、現在設定されている遊技状態に対応する1の当選種別抽選テーブルを決定するとともに、取得した当選種別抽選乱数が、決定した当選種別抽選テーブルにおけるいずれの当選領域に対応するか判定し、判定された当選領域の当選種別または不当選を抽選結果として決定する。また、遊技状態制御手段222は、当選種別抽選において当選役「RBB」が含まれる当選種別が決定されると、遊技状態を非内部遊技状態からRBB内部中遊技状態に移行させる。また、当選種別抽選手段214は、スタートスイッチ118の操作に応じて抽選結果が決定された後、当選種別抽選の抽選結果(当選種別または不当選)や遊技状態に関する情報等を含む当選種別コマンドを生成し、コマンド送受信手段226は、生成された当選種別コマンドを副制御基板240に送信する。
【0044】
(ステップS130)
スタートスイッチ118が操作されると、リール制御手段216は、ステッピングモータ152を駆動して左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転させる。このリール回転処理においては、前回の1遊技における左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転開始時点から所定の時間(例えば4.1秒)が経過すると(ウェイト)、当該遊技における左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転を開始し、左リール110a、中リール110b、右リール110cの全てが定常回転となったところで、ステップS140に処理を移行する。
【0045】
(ステップS140)
続いて、リール制御手段216は、ストップスイッチ120a、120b、120cを有効化し、遊技者によるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を受け付けると、その操作に対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cのいずれかを停止制御する。また、リール制御手段216は、ストップスイッチ120a、120b、120cのいずれかの操作がなされると、操作がなされたストップスイッチ120a、120b、120cの情報を示す停止コマンド(第1停止操作コマンド、第2停止操作コマンド、第3停止操作コマンド)を操作の度に生成し、コマンド送受信手段226は、生成された停止コマンドを順次、副制御基板240に送信する。リール制御手段216は、このようなリール停止処理をストップスイッチ120a、120b、120cが全て操作されるまで継続する。
【0046】
(ステップS150)
次に、判定手段218は、
図3(b)に示した有効ラインA上に表示された図柄組み合わせが予め定められたどの組み合わせに相当するかを判定し、その図柄組み合わせに応じて遊技状態の変更やリプレイに際して要求される種々の処理を実行する。例えば、判定手段218は、有利区間中であり、小役が入賞していれば純増枚数カウンタを更新する。ここで、有利区間は、指示機能に係る性能を有する遊技区間、すなわち、補助演出(指示機能)を実行する遊技区間等を含む、遊技者にとって有利な遊技区間である。また、有利区間と排他的な区間であり、補助演出を実行できない遊技区間を非有利区間と言う。なお、有利区間は、主制御基板200で補助演出の作動に係る抽選等を行った結果、補助演出が作動した場合には、主制御基板200において指示の内容が識別できるよう報知手段に表示したときに限り、指示の内容を示す情報を、副制御基板240等の周辺基板に送信してもよい遊技区間である。また、遊技状態制御手段222は、RBB内部中遊技状態において、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせが当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせであれば、遊技状態をRBB内部中遊技状態からRBB作動中遊技状態に移行させる。また、判定手段218は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせや、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示された場合における電子化メダルの払出枚数等を含む入賞コマンドを生成し、コマンド送受信手段226は、生成された入賞コマンドを副制御基板240に送信する。
【0047】
(ステップS160)
また、払出制御手段220は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせ(リール110の停止態様)に基づき、例えば、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示されると、当該小役に対応する電子化メダルの払出処理を実行し、有効ラインA上にリプレイ役に対応する図柄組み合わせが表示されると、自動的に次遊技のベットを行うための処理を実行する。また、払出制御手段220は、電子化メダルの払出処理がなされた場合、払出処理がなされたことを示す払出コマンドを生成し、コマンド送受信手段226は、生成された払出コマンドを副制御基板240に送信する。また、払出制御手段220は、払出枚数を示す伝達情報を含む払出終了コマンドを生成し、コマンド送受信手段226は、生成された払出終了コマンドをメダル数制御基板260に送信する。
【0048】
(ステップS170)
遊技状態制御手段222は、RBB作動中遊技状態において電子化メダルの所定数の払い出しが実行されると、遊技状態をRBB作動中遊技状態から非内部遊技状態に移行させる。また、演出状態制御手段224は、演出状態の移行や、有利区間と非有利区間との切り換えを行う。また、遊技状態または演出状態が変更された場合、変更された遊技状態または演出状態等を含む遊技移行コマンドが生成され、コマンド送受信手段226は、生成された遊技移行コマンドを副制御基板240に送信する。このように、遊技移行処理S170が終了することで、当該1遊技が終了する。
【0049】
上記ステップS110からステップS170までの一連の処理を通じて1遊技が実行される。以後は、ステップS110からステップS170までを繰り返すこととなる。このように、1遊技は、ベットスイッチ116の操作を通じたメダル保持部に保持された遊技メダル数の一部の電子化メダルの投入、または、リプレイ役が有効ラインA上に表示されたことに基づく電子化メダルの自動投入のいずれかが行われてから、遊技者によるスタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cが回転制御されるとともに当選種別抽選が実行され、当選種別抽選の抽選結果および遊技者による複数のストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、操作されたストップスイッチ120a、120b、120cに対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cがそれぞれ停止制御され、電子化メダルの払い出しを受け得る当選役が入賞した場合、その電子化メダルの払い出しが実行されるまでの遊技を言う。また、電子化メダルの払い出しを受け得る当選種別に不当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合、左リール110a、中リール110b、右リール110cが全て停止したことをもって1遊技が終了する。ただし、1遊技の開始を、上記の電子化メダルの投入、または、リプレイ役の当選の代わりに、遊技者によるスタートスイッチ118の操作と読み替えてもよい。また、かかる1遊技が繰り返される数を遊技数とする。ここで、当選種別抽選が実行され一度の払い出しを受け得る1遊技である基本遊技が単独で行われる場合であっても、基本遊技が疑似遊技と組み合わせて行われる場合であっても、基本遊技の消化をもって1遊技消化とする。したがって、疑似遊技の消化は、スロットマシン100内の遊技数の計数に影響しない。ただし、ホールコンピュータ(図示せず)が管理する遊技数については、仕様により、疑似遊技を遊技数として計算してもよいし、計算しないとしてもよい。
【0050】
(副制御基板240)
副制御基板240は、主制御基板200と同様に、中央処理装置であるサブCPU240a、プログラム等が格納されたサブROM240b、ワークエリアとして機能するサブRAM240c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からのコマンドに基づき、特に、遊技の進行に応じた演出を制御し、例えば、演出の一連の流れを示す演出パターンを生成する。また、サブRAM240cにもメインRAM200c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データを消去することなく保持する。なお、副制御基板240にも、主制御基板200同様、乱数発生器240dが設けられており、乱数発生器240dによって生成される乱数値(以下、演出抽選乱数と言う)は、主に演出の態様を決定するために用いられる。また、副制御基板240には、演出を実現するために、画像回路240e、音声回路240f、演出回路240gも設けられている。
【0051】
画像回路240eは、画像ICと、画像ROMと、画像RAM(VRAM)とを含む。画像ICは、VDP(Video Display Processor)とも呼ばれ、演出パターンに基づいた画像データ(演出パターンが示す演出のうち、液晶表示部132に表示する画像に相当するデータ)を特定可能な画像コマンドを受信すると、画像コマンドによって特定される画像データを画像ROMから画像RAMに読み出し、順次、液晶表示部132に出力する。なお、画像RAMは、複数の異なるレイヤを有し、各レイヤに異なる画像データを保持させることができる。そして、画像ICは、複数のレイヤに保持された画像データを重畳し、その重畳した画像データを液晶表示部132に出力する。なお、各レイヤには優先順位が設けられており、優先順位が高いレイヤの画像と優先順位が低いレイヤの画像とが重なる場合、優先順位が高いレイヤの画像が、優先順位が低いレイヤの画像より遊技者側に重畳され、遊技者に視認されることとなる。
【0052】
音声回路240fは、音声ICと、音声ROMとを含む。音声ICは、演出パターンに基づいた音声データ(演出パターンが示す演出のうち、スピーカ134に出力する音声を含む音に相当するデータ)を特定可能な音声コマンドを受信すると、音声コマンドによって特定される音声データを、音声ROMから読み出し、音声データに基づく音を、順次、スピーカ134に出力する。なお、音声ICは、複数の異なるレイヤ(トラックやチャンネルと言う場合がある)を有し、各レイヤに異なる音声データを保持させることができる。そして、音声ICは、複数のレイヤに保持された音声データを重畳し、その重畳した音声データに基づく音をスピーカ134に出力する。遊技者は、重畳された音声データそれぞれを重複して聴き取ることができる。
【0053】
演出回路240gは、演出パターンに基づいた照明パターン(演出パターンが示す演出のうち、演出用ランプ136の一連の点灯態様を示す内容)および駆動パターン(演出パターンが示す演出のうち、演出役物装置138の一連の駆動態様を示す内容)を示すコマンドを受信すると、そのコマンドに従い、発光に関する情報(発光情報)や、モータの駆動に関する情報(駆動情報)を生成し、生成した発光情報や駆動情報を、演出用ランプ136や演出役物装置138にシリアル通信を通じて送信する。ここでシリアル通信が用いられるのは、ハーネスの数の抑制や取り回しを簡易化するためである。こうして、複数の演出用ランプ136それぞれが独立して点灯制御されるとともに、複数の演出役物装置138それぞれが独立して駆動制御される。また、演出回路240gは、シリアル通信を通じて演出スイッチ124等の入力情報(操作有無、操作タイミング、操作回数、操作時間長等)を取得する。
【0054】
ここでは、サブCPU240a、サブRAM240c、乱数発生器240d、画像回路240e、音声回路240f、演出回路240g等の一連の機能部が、SoC(System-on-a-Chip)として1つの集積回路に集積されている。ただし、かかるSoCにいずれの機能部を集積するかは任意に設定することができる。
【0055】
また、副制御基板240では、サブCPU240aが、サブROM240bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM240cと協働することで機能する、初期化手段250、コマンド受信手段252、演出制御手段254等の機能部を有する。
【0056】
初期化手段250は、副制御基板240における初期化処理を実行する。コマンド受信手段252は、主制御基板200等、他の制御基板からのコマンドを受信し、コマンドに対する処理を行う。演出制御手段254は、演出スイッチ124から検出信号を受信するとともに、受信されたコマンドに基づいて液晶表示部132、スピーカ134、演出用ランプ136、演出役物装置138の各デバイスで行われる遊技の演出の演出パターンを決定する。
【0057】
具体的に、演出制御手段254は、液晶表示部132に画像を表示させる画像表示制御を行う。また、演出制御手段254は、スピーカ134を通じて音声出力制御を行ったり、演出用ランプ136を点灯制御したり、演出役物装置138を駆動制御したりする。
【0058】
なお、演出制御手段254が実行する演出には、上述した補助演出も含まれる。以下では、液晶表示部132、スピーカ134、演出用ランプ136といった補助演出を実行する報知手段を補助演出実行手段(指示モニタ)と言う場合がある。演出状態制御手段224は、AT演出状態において、補助演出を補助演出実行手段に実行させる。
【0059】
(副制御基板240のサブ処理)
図6は、副制御基板240のサブ処理を示したフローチャートである。ここでは本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
【0060】
(ステップS200)
電源スイッチ144aを介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化手段250は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化手段250は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをサブRAM240cに保持している。
【0061】
(ステップS210)
コマンド受信手段252は、投入コマンドを受信したか否か判定する。その結果、投入コマンドを受信していれば、ステップS212に処理を移し、投入コマンドを受信していなければ、ステップS220に処理を移す。
【0062】
(ステップS212)
ステップS210において、投入コマンドを受信していると判定されれば、演出制御手段254は、次の遊技のための遊技開始準備が行われたとして、当該投入コマンドに基づく演出パターンを決定する。
【0063】
(ステップS220)
続いて、コマンド受信手段252は、当選種別コマンドを受信したか否か判定する。その結果、当選種別コマンドを受信していれば、ステップS222に処理を移し、当選種別コマンドを受信していなければ、ステップS240に処理を移す。
【0064】
(ステップS222)
ステップS220において、当選種別コマンドを受信していると判定されれば、演出制御手段254は、当該当選種別コマンドに基づく演出パターンを決定する。また、演出制御手段254は、演出状態がAT演出状態であり、当選種別コマンドに示される当選種別が選択当選種別であれば、正解操作態様を報知する補助演出を決定する。
【0065】
(ステップS240)
続いて、コマンド受信手段252は、停止コマンドを受信したか否か判定する。その結果、停止コマンドを受信していれば、ステップS242に処理を移し、停止コマンドを受信していなければ、ステップS250に処理を移す。
【0066】
(ステップS242)
ステップS240において、停止コマンドを受信していると判定されれば、演出制御手段254は、当該停止コマンドが、第1停止操作、第2停止操作、第3停止操作のいずれを示すか、ストップスイッチ120a、120b、120cのいずれに対する停止操作を示すか、および、その停止操作が行われた左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転位置に基づいて演出パターンを決定する。
【0067】
(ステップS250)
続いて、コマンド受信手段252は、入賞コマンドを受信したか否か判定する。その結果、入賞コマンドを受信していれば、ステップS252に処理を移し、入賞コマンドを受信していなければ、ステップS260に処理を移す。
【0068】
(ステップS252)
ステップS250において、入賞コマンドを受信していると判定されれば、演出制御手段254は、当該入賞コマンドに基づく演出パターンを決定する。
【0069】
(ステップS260)
続いて、コマンド受信手段252は、払出コマンドを受信したか否か判定する。その結果、払出コマンドを受信していれば、ステップS262に処理を移し、払出コマンドを受信していなければ、ステップS210に処理を移し、ステップS210からの処理を繰り返す。
【0070】
(ステップS262)
ステップS260において、払出コマンドを受信していると判定されれば、演出制御手段254は、当該払出コマンドに基づく演出パターンを決定し、ステップS210からの処理を繰り返す。
【0071】
(メダル数制御基板260)
メダル数制御基板260は、主制御基板200と接続され、中央処理装置であるメダルCPU260a、プログラム等が格納されたメダルROM260b、ワークエリアとして機能するメダルRAM260c等を含む各種半導体集積回路を有し、遊技に供する電子化メダルを管理する。また、メダルRAM260cにもメインRAM200c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データを消去することなく保持する。ここで、メダルRAM260cの一部の記憶領域がメダル保持部となっている。また、メダル数制御基板260には、メダルセグメント表示部140が一体形成されている。メダルセグメント表示部140は、1つの7セグメントで構成され、例えば、メダル数制御基板260で管理するエラーの種別を示すエラーコードが表示される。また、メダル数制御基板260は、遊技球等貸出装置接続端子板280を通じて専用ユニット300と接続される。ここで、遊技球等貸出装置接続端子板280は、スロットマシン100と専用ユニット300とを接続するための接続端子板であり、電子化メダルの貸し出しに係る信号の受信、電子化メダルの貸出受領結果の送信、電子化メダルの計数に係る信号の送信、スロットマシン100の各情報の送信を行う。例えば、遊技球等貸出装置接続端子板280は、専用ユニット300から電力(VL)の供給を受け、その電力をフォトカプラ等の絶縁素子の入力とし、専用ユニット300との接続状態を示すVL接続信号を生成してメダル数制御基板260に出力する。メダル数制御基板260は、VL接続信号のON/OFFによって、専用ユニット300から電力が供給されていること、換言すれば、専用ユニット300に電源が投入され、かつ、専用ユニット300と適切に接続されていることを判定することができる。
【0072】
また、メダル数制御基板260では、メダルCPU260aが、メダルROM260bに格納されたプログラムに基づき、メダルRAM260cと協働することで機能する、初期化手段270、コマンド送受信手段272、メダル数更新手段274等の機能部を有する。
【0073】
初期化手段270は、メダル数制御基板260における初期化処理を実行する。コマンド送受信手段272は、主制御基板200からのコマンドを受信するとともに、そのコマンドに対する返信処理を行う。また、コマンド送受信手段272は、起動完了から300msec周期で、専用ユニット300と、遊技機情報通知、計数通知、貸出通知、貸出受領結果応答の送受信を繰り返す。具体的に、コマンド送受信手段272は、遊技機情報として遊技機性能情報、遊技機設置情報、ホールコン・不正監視情報を含む遊技機情報通知を専用ユニット300に送信し、遊技機情報通知を送信して100msec後に、計数処理される計数メダル数(専用ユニット300に一度に転送する電子化メダルの数)を含む計数通知を送信する。コマンド送受信手段272は、計数通知を送信して170msec後に、専用ユニット300から、貸出処理される貸出メダル数(専用ユニット300から一度に転送される電子化メダルの数)を含む貸出通知を受信すると、それに対する貸出受領結果を専用ユニット300に返信する。
【0074】
メダル数更新手段274は、主制御基板200から受信したコマンド、専用ユニット300から受信した通知、または、計数スイッチ126の操作等に応じ、主として、メダル保持部に保持された遊技メダル数の更新(加算、減算)を行う。また、メダル数更新手段274は、このようにして更新された遊技メダル数を遊技メダル数表示装置128に表示する。
【0075】
図7は、メダル数制御基板260のメダル処理(メインループ処理)を示したフローチャートである。ここでは、本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
【0076】
(ステップS300)
電源スイッチ144aを介してスロットマシン100の電源が投入され、メダル数制御基板260が通電状態になると、初期化手段270は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化手段270は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをメダルRAM260cに保持させている。したがって、不意の電断(電源切断)が生じたとしても、この初期化処理において、電断前に保持されたバックアップデータを用い、電断前の状態に復帰させることができる。例えば、メダル保持部に遊技メダル数が保持された状態で不意の電断が起きたとしても、復帰動作後に電子化メダルが保持された状態から開始される。したがって、初期化処理では、基本的に、メダルRAM260cの初期化(RAMクリア)は行われない。
【0077】
(ステップS310)
初期化処理が終了すると、メダル数更新手段274は、メダル保持部に保持された遊技メダル数の更新イベントが発生したか否か判定し、遊技メダル数の更新イベントが発生すると、その更新イベントに応じて遊技メダル数を更新する更新処理を実行する。まず、メダル数更新手段274は、メインCPU200aから遊技メダル投入コマンドを受信したか否か判定し、遊技メダル投入コマンドを受信していれば、ステップS312に処理を移行し、遊技メダル投入コマンドを受信していなければ、ステップS320に処理を移行する。
【0078】
(ステップS312)
メインCPU200aから遊技メダル投入コマンドを受信すると、メダル数更新手段274は、遊技メダル投入コマンドが電子化メダルの投入を示しているか否か判定し、電子化メダルの投入を示していれば、その枚数だけ遊技メダル数を減算する投入処理を実行する。また、メダル数更新手段274は、遊技メダル投入コマンドが電子化メダルの投入ではなく電子化メダルの精算を示していれば、投入されていた電子化メダルを、その枚数だけ遊技メダル数に加算する精算処理を実行する。なお、精算処理と投入処理は、遊技者の操作は異なるものの、操作に対応する処理自体は同じである。したがって、以下において、投入処理を用いて説明している箇所を、負の電子化メダルを投入するという解釈で精算処理に置き換えて適用することも可能である。
【0079】
(ステップS320)
次に、メダル数更新手段274は、メインCPU200aから払出終了コマンドを受信したか否か判定し、払出終了コマンドを受信していれば、ステップS322に処理を移行し、払出終了コマンドを受信していなければ、ステップS330に処理を移行する。
【0080】
(ステップS322)
メインCPU200aから払出終了コマンドを受信すると、メダル数更新手段274は、払出終了コマンドに基づいて払い出された電子化メダルを遊技メダル数に加算する払出処理を実行する。
【0081】
(ステップS330)
続いて、メダル数更新手段274は、専用ユニット300から電子化メダルの貸出通知を受信したか否か判定し、貸出通知を受信していれば、ステップS332に処理を移行し、貸出通知を受信していなければ、ステップS340に処理を移行する。
【0082】
(ステップS332)
専用ユニット300から貸出通知を受信すると、メダル数更新手段274は、貸出処理が可能であるか否か判定し、貸出処理が可能であれば、貸し出された電子化メダルを遊技メダル数に加算する貸出処理を実行し、「正常」を含む貸出受領結果応答を生成する。一方、貸出処理ができない場合、すなわち、貸出通知のうち電文長とコマンドの値は正常だが、その他の情報が異常である場合、遊技機情報通知が異常である場合、計数通知の計数メダル数が「1」以上である場合、遊技メダル数表示装置128に表示された遊技メダル数が15000枚以上である場合、受信した貸出通知のチェックサムが異常である場合、受信した貸出通知の貸出通番が連続していない場合、受信した貸出通知の貸出メダル数が「51」以上である場合、または、メダルCPU260aから専用ユニット300へ送信する遊技機情報通知において、ホールコン・不正監視情報以外を通知している場合、メダル数更新手段274は、「異常」を含む貸出受領結果応答を生成する。
【0083】
(ステップS340)
次に、コマンド送受信手段272は、遊技者によって計数スイッチ126が操作されたか否か判定し、計数スイッチ126が操作されていれば、ステップS342に処理を移行し、計数スイッチ126が操作されていなければ、ステップS310からの処理を繰り返す。
【0084】
(ステップS342)
遊技者によって計数スイッチ126が操作されると、メダル数更新手段274は、専用ユニット300に計数通知を行うとともに、計数された電子化メダルを遊技メダル数から減算する計数処理を実行し、ステップS310からの処理を繰り返す。
【0085】
なお、貸出通知を受信したり、計数スイッチ126が操作されると、メダル数更新手段274は、電子化メダルの貸出処理や計数処理を実行し、コマンド送受信手段272は、メインCPU200aにその旨のコマンドを送信し、当該コマンドを受信したメインCPU200aは、サブCPU240aにその旨のコマンドを送信する。そして、サブCPU240aは、貸出処理や計数処理において、実際に電子化メダルが貸し出されるまたは計数されるのに伴い、電子化メダルの移動を表す所定の貸出音または計数音をスピーカ134から出力させる。こうして、遊技者は、貸出処理や計数処理が適切に実行されていることを聴覚的に確認することができる。また、サブCPU240aは、スピーカ134に限らず、液晶表示部132、演出用ランプ136といった各デバイスを通じて、貸出処理や計数処理が実行されていることを報知してもよい。
【0086】
(専用ユニット300)
専用ユニット300は、スロットマシン100の近傍に設置され、遊技者に電子化メダルを貸し出したり、遊技者が獲得した電子化メダルを計数することができる。専用ユニット300には、スロットマシン100に対し電子化メダルを送受信する専用ユニット制御基板310が設けられる。専用ユニット制御基板310には、現金投入部312、カード挿入部314、貸出スイッチ316、返却スイッチ318、遊技スイッチ320、度数表示装置322、獲得メダル数表示装置324が接続される。
【0087】
現金投入部312は、現金を投入する投入口として機能する。カード挿入部314は、電子化メダルを蓄積可能なカード媒体の挿入および引出を可能とする。貸出スイッチ316は、押圧スイッチで構成され、専用ユニット300で保持する現金の度数に対応する電子化メダルをスロットマシン100に転送する操作を検出する。貸出スイッチ316の操作に応じ、メダル数制御基板260では貸出処理が実行される。返却スイッチ318は、押圧スイッチで構成され、専用ユニット300で保持する電子化メダルをカード媒体に転送し、そのカード媒体を、カード挿入部314を通じて専用ユニット300から引き出す操作を検出する。遊技スイッチ320は、押圧スイッチで構成され、専用ユニット300で保持する電子化メダルをスロットマシン100に転送する操作を検出する。度数表示装置322は、専用ユニット300で保持する度数、すなわち、現金投入部312から投入された現金に相当する度数を表示する。獲得メダル数表示装置324は、専用ユニット300で保持する電子化メダルの総数である獲得メダル数を表示する。
【0088】
(主制御基板200で用いられるテーブル)
図8は、当選役を説明するための説明図であり、
図9は、当選種別抽選テーブルを説明するための説明図である。
【0089】
スロットマシン100においては、詳しくは後述するように、複数種類の遊技状態および演出状態が設けられており、遊技の進行に応じて遊技状態および演出状態が移行される。そして、主制御基板200では、遊技状態制御手段222により管理、制御される遊技状態に対応する複数の当選種別抽選テーブル等がメインROM200bに格納されている。当選種別抽選手段214は、メインRAM200cに記憶された現在の設定値と現在の遊技状態に応じて、対応する当選種別抽選テーブルをメインROM200bから抽出し、抽出した当選種別抽選テーブルに基づき、スタートスイッチ118の操作信号に応じて取得された当選種別抽選乱数が当選種別抽選テーブル内のいずれの当選種別に対応するか判定する。
【0090】
ここで、当選種別抽選テーブルで抽出される当選種別を構成する当選役には、ボーナス役、リプレイ役、小役が含まれる。ボーナス役は、そのボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、遊技状態制御手段222により管理される遊技状態をボーナス遊技状態(後述するRBB作動中遊技状態)に移行させることができる役である。リプレイ役は、リプレイ役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技者による電子化メダルの新たなるベットを行わずして再度遊技を実行できる役である。小役は、その小役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、図柄組み合わせに応じて所定数の電子化メダルの払い出しを受けることができる役である。
【0091】
本実施形態における当選役は、
図8に示すように、ボーナス役として、当選役「RBB」が設けられている。また、リプレイ役として、当選役「リプレイ1」~「リプレイ23」が設けられている。また、小役として、当選役「小役1」~「小役20」が設けられている。
図8では、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに、各当選役を構成する1または複数の図柄が対応付けられている。なお、以下では、当選役「小役1」~「小役4」を当選役「8枚役」、当選役「小役5」、「小役6」を当選役「3枚役」、当選役「小役7」~「小役20」を当選役「1枚役」と略す場合がある。
【0092】
ここで、本実施形態においては、遊技者によってストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段216によって、当該図柄が有効ラインA上に停止するように停止制御がなされる。また、ストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、有効ラインA上にはないが、リール110の回転方向と反対の方向の図柄4コマ分に相当する範囲(引込範囲)内に存在している場合には、リール制御手段216によって、離れている図柄数が滑りコマ数となり、当該当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。また、入賞可能な当選役に対応する図柄がリール110中に複数あり、いずれもリール110の引込範囲内に存在している場合には、予め定められた優先順位に従っていずれの図柄を有効ラインA上に引き込むか決定され、当該優先された図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。なお、ストップスイッチ120が押圧操作されたときに、入賞可能な当選役以外の当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段216によって、その図柄を有効ラインA上に停止させないようにする、所謂、蹴飛ばし処理も並行して実行される。また、後述するように、当選種別に含まれる当選役に操作態様(操作順や操作タイミング)が入賞条件として設定されている場合、リール制御手段216は、遊技者の操作態様に応じて当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示可能に停止制御する。
【0093】
そして、例えば、当選役「リプレイ1」~「リプレイ3」、「リプレイ11」~「リプレイ13」、「リプレイ16」、「リプレイ18」、「リプレイ21」~「リプレイ23」、当選役「小役1」~「小役4」、「小役6」~「小役10」、「小役17」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄は、各リール110において、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている。このような当選役をPB=1と表す場合がある。一方、例えば、当選役「RBB」、当選役「リプレイ4」~「リプレイ10」、「リプレイ14」、「リプレイ15」、「リプレイ17」、「リプレイ19」、「リプレイ20」、当選役「小役5」、「小役11」~「小役16」、「小役18」~「小役20」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄は、各リール110において、上記の停止制御によって、必ずしも有効ラインA上に表示可能なように配列されていないので、所謂、取りこぼしが発生する場合がある。このような当選役をPB≠1と表す場合がある。
【0094】
図9に示すように、当選種別抽選テーブルでは、複数の当選領域が区画されており、各遊技状態によって抽選の対象となる当選種別が異なったり、不当選(ハズレ)の有無が異なったりする。
図9では、各遊技状態(非内部遊技状態(非内部)、RBB内部中遊技状態(RBB内部中)、RBB作動中遊技状態(RBB作動中))毎に割り当てられた当選領域(当選種別)を「◎」や「○」で表しているが、実際には、複数の遊技状態それぞれに対応する当選種別抽選テーブルがメインROM200bに記憶されている。なお、「◎」は有利区間に移行させる抽選を行うこと、および、補助演出(指示機能)に係る抽選(例えば、補助演出の回数の決定、補助演出の回数の追加(上乗せ)、AT演出状態の継続、有利区間の終了)が可能な有利区間抽選可当選種別であることを示し、「○」は有利区間に移行させる抽選を行うことはできないが、補助演出に係る抽選は可能な有利区間抽選不可当選種別であることを示している。
【0095】
当選種別抽選テーブルでは、区画化された各当選領域にはそれぞれ当選範囲を示す数値である所定の置数(当選範囲値)と当選種別が対応付けられており、遊技状態毎に割り当てられた全ての当選領域の置数を合計すると当選種別抽選乱数の総数(65536)となる。したがって、当選種別それぞれが決定される確率は、当選領域に対応付けられた置数を当選種別抽選乱数の総数で除算した値となる。当選種別抽選手段214は、その時点の遊技状態に基づいて、当該当選種別抽選テーブルにおける複数の当選領域のうち番号の高い方から、順次、置数を取得し、その置数を当選種別抽選乱数から減算して、減算後の値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた当選種別を当選種別抽選の抽選結果としている。また、当選領域1以上の全ての当選領域の置数を当選種別抽選乱数から減算して、減算後の値が0以上となっていれば、当選領域0の当選種別「ハズレ」が当選種別抽選の抽選結果となる。
【0096】
ここで、当選役「RBB」について補足する。所定の第1種特別役物(RB)は、規定数毎の入賞に係る図柄の組み合わせの数を増加させ、または規定数毎の入賞に係る条件装置が作動する確率を上昇させる役物で、あらかじめ定められた場合に作動し、12回を超えない回数の遊技の結果が得られるまで作動を継続することができるものを言う。ここで、条件装置は、その作動が入賞、再遊技、役物または役物連続作動装置の作動に係る図柄の組み合わせが表示されるために必要な条件とされている装置で、当選種別抽選(遊技機内で行われる電子計算機によるくじ)に当選した場合に作動するもの、すなわち、当選フラグを意味する。
【0097】
図9の当選種別抽選テーブルによれば、例えば当選領域0には、当選種別「ハズレ」が対応付けられており、かかる当選種別に当選すると、
図8に示したいずれの当選役に対応する図柄組み合わせも有効ラインA上に表示されることはなく、電子化メダルの払い出し等が行われることはない。
【0098】
図9における各当選領域には、それぞれ複数の当選役が重複して含まれる当選種別が対応付けられている。そして、複数の当選役が重複して含まれる当選種別に当選した場合には、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示させるかについての入賞条件、例えば、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作される順番、および、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作タイミング(リール110の操作位置)が設定されている。
【0099】
以下の説明において、左リール110a、中リール110b、右リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順1」とし、左リール110a、右リール110c、中リール110bの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120c、120bの操作を「打順2」とし、中リール110b、左リール110a、右リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120b、120a、120cの操作を「打順3」とし、中リール110b、右リール110c、左リール110aの順にリールを停止させるストップスイッチ120b、120c、120aの操作を「打順4」とし、右リール110c、左リール110a、中リール110bの順にリールを停止させるストップスイッチ120c、120a、120bの操作を「打順5」とし、右リール110c、中リール110b、左リール110aの順にリールを停止させるストップスイッチ120c、120b、120aの操作を「打順6」とする。
【0100】
例えば、選択当選種別である当選領域5の当選種別「打順ベルA1」に当選し、正解操作態様(打順3)での操作が行われた場合、払出枚数が8枚の正解役である当選役「小役1」(当選役「8枚役」)に対応する図柄組み合わせ(結果的に、無効ラインB1に図柄「ベル」、「ベル」、「ベル」が一直線に揃う)が、所謂、枚数優先制御により有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、打順1、2、4~6での操作が行われた場合、払出枚数1枚の不正解役である当選役「1枚役」に対応する図柄組み合わせが、所謂、個数優先制御により有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。
【0101】
なお、当選領域5~8の選択当選種別(当選種別「打順ベルA1」~「打順ベルA4」)の当選確率(置数)、当選領域9~12の選択当選種別(当選種別「打順ベルB1」~「打順ベルB4」)の当選確率は等しくなるように設定されている。遊技者は、通常、いずれの当選種別に当選しているのかを知ることができないため、上記のような当選領域を設けることにより、正解役を入賞させにくくしている。また、上記のように、不正解役が優先的に表示される操作態様でストップスイッチ120が操作されても、必ずしも不正解役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させられるとは限らないので、その操作態様によっては、取りこぼしが発生することがある(PB≠1)。なお、以下では、当選領域5~12の8個の当選種別を単に当選種別「打順ベル」と略す場合がある。
【0102】
なお、上述したいずれかの当選種別に当選すると、それぞれの当選種別に対応する内部当選フラグが成立(ON)するとともに、この内部当選フラグの成立状況に応じて、各リール110の停止制御がなされることとなる。このとき、小役が含まれる当選種別に当選したものの、これら当選役に対応する図柄組み合わせを、その遊技内で有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、当該遊技の終了後に内部当選フラグがオフされる。つまり、小役の当選の権利は小役が含まれる当選種別に当選した遊技内のみに限られ、当該権利を次遊技に持ち越すことはできない。これに対して、当選役「RBB」が含まれる当選種別に当選した場合には、RBB内部当選フラグが成立(ON)するとともに、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるまで、RBB内部当選フラグが遊技を跨いで持ち越される。なお、リプレイ役が含まれる当選種別に対応する内部当選フラグが成立した場合には、その当選種別に含まれるリプレイ役のうちのいずれかのリプレイ役に対応する図柄組み合わせが必ず有効ラインA上に表示され、電子化メダルを要することなく次遊技を行うために必要となる処理が行われた後に、当該内部当選フラグがオフされる。
【0103】
(遊技状態の遷移)
ここで、
図10を用い、遊技状態の遷移について説明する。ここでは、非内部遊技状態、RBB内部中遊技状態、RBB作動中遊技状態といった複数の遊技状態が準備されている。各遊技状態は、後述するように、ボーナス役の当選、入賞(作動)、終了に応じて遷移する。なお、各遊技状態において当選可能な当選種別は、
図9において「◎」または「○」で表される。
【0104】
非内部遊技状態は、複数の遊技状態における初期状態に相当する遊技状態である。かかる非内部遊技状態では、リプレイ役の当選確率が約1/7.3に設定されている。また、非内部遊技状態では、当選役「RBB」が所定の確率(例えば約1/30)で決定されている。遊技状態制御手段222は、当選役「RBB」の当選に応じて遊技状態を遷移させる。例えば、当選役「RBB」に当選した遊技において、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技状態制御手段222は、遊技状態をRBB作動中遊技状態に移行させる(1)。
【0105】
RBB作動中遊技状態では、リプレイ役の当選確率が0に設定されている。なお、かかるRBB作動中遊技状態では、当選可能な当選種別として、当選領域1に「小役ALL」が、当選領域2に当選種別「1枚ALL」が設定されている。当選種別「小役ALL」に当選すると、当選役「小役1」~「小役20」のいずれかに対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように停止制御される。当選種別「1枚ALL」に当選すると、当選役「小役7」~「小役20」のいずれかに対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように停止制御される。ここでは、かかる小役の構成によりRBB作動中遊技状態での単位遊技当たりの期待獲得枚数を低くしている。
【0106】
RBB作動中遊技状態の終了条件が成立すると、すなわち、獲得枚数が所定数(例えば22枚)を超えると、遊技状態制御手段222は、遊技状態を非内部遊技状態に移行させる(2)。
【0107】
一方、当選役「RBB」に当選した遊技において、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することができなかった場合、遊技状態制御手段222は、遊技状態をRBB内部中遊技状態に移行させる(3)。
【0108】
RBB内部中遊技状態では、リプレイ役の当選確率が約1/7.3に設定されている。また、RBB内部中遊技状態では当選種別「ハズレ」に当選することはない。換言すれば、当選役「RBB」の当選遊技で当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することができなかった場合、その後は、当選役「RBB」より小役やリプレイ役の方が優先して有効ラインA上に停止制御されるので、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することができない。したがって、一旦、遊技状態がRBB内部中遊技状態に移行すると、その後、遊技状態が遷移することなく、RBB内部中遊技状態が維持されることとなる。ここでは、かかるRBB内部中遊技状態を維持しつつ、そのRBB内部中遊技状態においてAT演出状態を実現する。
【0109】
ここでは、RBB内部中遊技状態において、複数種類の正解役が互いに重複せずに当選するため、正解役を入賞させることができる機会を多くすることができ、その結果、例えば、RBB内部中遊技状態におけるAT演出状態において補助演出が行われることで、電子化メダルを獲得しやすくできる。一方、RBB作動中遊技状態では、複数種類の正解役を重複して当選させ、正解役を入賞させることができる機会を少なくし、他の遊技状態におけるAT演出状態よりも正解役を入賞させることができる機会を減らして、遊技者が所有する電子化メダルを増やしにくくしている。したがって、RBB内部中遊技状態よりも入賞に係る当選役の当選確率が高いというRBB作動中遊技状態の機能を備えつつ、電子化メダルの獲得性能の面ではRBB作動中遊技状態がRBB内部中遊技状態に劣るという仕様(アクセルRBB)を実現することができる。
【0110】
(演出状態の遷移)
図11は、演出状態の遷移を説明するための説明図である。以下、主制御基板200において演出状態制御手段224により遷移される演出状態について詳述する。なお、複数の演出状態は、遊技区間である有利区間および非有利区間のいずれかに属することとなる。本実施形態では、ほぼ全ての演出状態が有利区間に属し、一部の演出状態(ここでは非有利演出状態)で非有利区間を実現している。なお、有利区間に滞在している間、図示しない区間表示器を点灯させることによって、その旨を報知するとしてもよい。
【0111】
また、非有利区間においては、当選種別の当選確率を設定値毎に異ならせることは可能であるが、同一の当選種別において補助演出を伴う演出状態(AT演出状態)への移行を決定する確率は設定値毎に異ならせてはならない。一方、有利区間においては、当選種別の当選確率、および、同一の当選種別における補助演出を伴う演出状態(AT演出状態)への移行(または追加)を決定する確率のいずれも設定値毎に異ならせることは可能である。
【0112】
したがって、演出状態制御手段224は、演出状態の移行の管理に加え、非有利区間と有利区間との移行も管理することとなる。また、有利区間は、このような管理に拘わらず、以下の終了条件が成立することで強制的に終了する。例えば、スロットマシン100では、有利区間において計数される値が所定値に達したこと(例えば、滞在遊技数が4000遊技に達したり、MYが2400枚を超えたこと)に基づいて有利区間が強制的に終了する。なお、MYは有利区間が開始されてからの差枚数を示す。したがって有利区間が開始されてから電子化メダルを1000枚投入(消費)している場合、有利区間中において電子化メダルを3400枚獲得することが可能となる。なお、本実施形態のスマートパチスロでは、滞在遊技数の制限を設けなくてよいので、滞在遊技数が4000遊技に到達しても終了する必要がなく、有利区間においてMYが2400枚を超えたことに基づいて有利区間が強制的に終了することとなる。いずれの場合においても、演出状態制御手段224は、遊技区間を有利区間から非有利区間に移行することで、有利区間で更新された情報(指示機能に係る性能に影響を及ぼす全ての変数)を全てリセットする。
【0113】
(非有利区間、有利区間)
非有利区間においては、補助演出が実行されないので、獲得できる電子化メダルの枚数が制限される。ここでは、非有利区間の演出状態として非有利演出状態が設けられている。
【0114】
有利区間においては、選択当選種別の当選時において補助演出実行手段に補助演出を実行させることで、電子化メダルの消費を抑えつつ、多くの電子化メダルを獲得することが可能となる。したがって、遊技者は、有利区間に移行することで、非有利区間と比べ、遊技を有利に進行することができる。ここでは、有利区間の演出状態として、それぞれ遊技性が異なる、通常演出状態、前兆演出状態、通常AT演出状態、振分演出状態、特別前兆演出状態、特別演出状態が設けられている。なお、以下に示すように、通常AT演出状態および特別演出状態は、補助演出が実行される点でAT演出状態と言える。また、他の演出状態である非有利演出状態、通常演出状態、前兆演出状態、振分演出状態、特別前兆演出状態は、補助演出が実行されない点で非AT演出状態と言える。以下、各演出状態について個々に説明する。
【0115】
(通常演出状態)
通常演出状態は、有利区間に属し、複数の演出状態のうち、遊技の開始時に滞在している可能性が高い演出状態である。演出状態制御手段224は、通常演出状態においてAT抽選を行う。AT抽選は、通常AT演出状態への移行を決定する抽選であり、演出状態制御手段224は、当選種別抽選により決定された当選種別に対応した確率でAT抽選を行う。演出状態制御手段224は、AT抽選に当選すると、演出状態を、通常AT演出状態の前段に相当する前兆演出状態に移行させ(1)、通常AT演出状態への移行が決定したことの期待度を高める前兆演出を演出制御手段254に実行させる。また、演出状態制御手段224は、AT抽選に不当選であっても、通常演出状態を維持したまま、演出制御手段254に前兆演出を実行させる場合があり、遊技者に、通常AT演出状態への移行が決定しているのではないかと期待させることができる。また、演出状態制御手段224は、通常演出状態において所定の遊技数を消化する度に、AT抽選の当選確率を高めた、所謂、チャンスゾーン(CZ)を複数遊技に亘って実行する。かかるチャンスゾーンにおいてAT抽選に当選した場合も、演出状態制御手段224は、演出状態を前兆演出状態に移行させる(1)。
【0116】
(前兆演出状態)
前兆演出状態は、有利区間に属し、所定遊技数(ここでは、例えば、32遊技以下の所定の遊技数)の間、前兆演出を実行する演出状態である。なお、前兆演出状態において実行される前兆演出(本前兆演出)と、通常演出状態において実行される前兆演出(ガセ前兆演出)とは、表示態様や継続遊技数を類似させている。したがって、遊技者は、前兆演出を視聴するのみでは、いずれの演出状態に滞在しているのか見分けがつかないようになっている。ただし、前兆演出状態において実行される前兆演出は、最終的に、通常AT演出状態への移行が決定された旨の結果が報知される点で、通常演出状態において実行される前兆演出と異なる。したがって、遊技者は、前兆演出において、通常AT演出状態への移行が決定された旨の結果が報知される前兆演出状態であることを望むこととなる。そして、演出状態制御手段224は、前兆演出状態が終了すると、演出状態を必ず通常AT演出状態に移行させる(2)。すなわち、前兆演出が前兆演出状態で実行されている場合、必ず、通常AT演出状態へ移行することとなる。この点で、前兆演出状態は、通常演出状態より遊技者に有利である。また、前兆演出状態への移行が決定することは、その後の通常AT演出状態への移行が決定したことと同義である。
【0117】
(通常AT演出状態)
通常AT演出状態は、有利区間に属し、補助演出が実行される演出状態である。演出状態制御手段224は、通常AT演出状態が開始されると、まず、継続期間決定演出状態に移行し、継続期間決定演出状態において、通常AT演出状態の継続期間(ここでは継続遊技数)を決定する。演出状態制御手段224は、所定の終了条件が成立するまで、例えば、通常AT演出状態に滞在した遊技数が、決定された継続遊技数(例えば、50遊技)に到達するまで、補助演出を継続する。また、演出状態制御手段224は、通常AT演出状態において、当選種別抽選により決定された当選種別に対応した確率で継続遊技数の上乗せ抽選を行う。上乗せ抽選に当選すると、演出状態制御手段224は、終了条件である継続遊技数に当選した遊技数を加算する。こうして通常AT演出状態の終了条件が変化する。そして、演出状態制御手段224は、所定の終了条件を満たすと、演出状態を通常演出状態に移行させる(3)。
【0118】
このように、本実施形態において、遊技者は、通常演出状態に滞在しつつ、通常AT演出状態へ移行することを期待し、前兆演出が開始されると、その前兆演出が本前兆、すなわち、前兆演出状態での前兆演出であることを願うこととなる。ここでは、前兆演出において通常AT演出状態への移行が報知されなかった場合、通常演出状態が継続され、前兆演出において通常AT演出状態への移行が報知されると、前兆演出状態終了後に通常AT演出状態が実行される。
【0119】
なお、通常AT演出状態が終了すると、演出状態制御手段224は、演出状態を通常演出状態に移行させるが(3)、通常AT演出状態を継続させる等の遊技性を実現させるため、演出状態を非有利演出状態に移行させ(4)、有利区間をリセットする場合がある。有利区間がリセットされると、上述したように、有利区間において更新された情報(指示機能に係る性能に影響を及ぼす全ての変数)がクリアされる。ただし、移行時の演出態様によっては、演出状態が通常演出状態に移行したか非有利演出状態に移行したか、遊技者に分からないようにすることができる。
【0120】
(非有利演出状態)
非有利演出状態は、非有利区間に属し、初期状態の演出状態である。演出状態制御手段224は、非有利演出状態において、例えば、毎遊技、約1/2の確率で有利区間への移行を決定し、有利区間への移行が決定されると、演出状態を、必ず、振分演出状態に移行させる(5)。したがって、非有利演出状態での滞在遊技数は短期(数遊技)となることが多い。
【0121】
(振分演出状態)
振分演出状態は、有利区間に属し、非有利区間から有利区間に移行する際に必ず経由し、例えば1遊技のみ滞在する演出状態である。振分演出状態では、演出状態が通常演出状態または前兆演出状態のいずれかに振分けられる。具体的に、演出状態制御手段224は、例えば、7/10の確率で前兆演出状態への移行を決定して演出状態を前兆演出状態へ移行させるか(6)、3/10の確率で通常演出状態への移行を決定して演出状態を通常演出状態に移行させる(7)。このような振分比率とすることで、以下の遊技性を実現できる。すなわち、有利区間においてMYが2400枚に到達する(強制的にリセットされる)前に、有利区間をリセットすると、引き続き7/10の確率で通常AT演出状態を継続することができる。こうして、実質的にMYの上限を撤廃することが可能となる。ただし、かかる振分けの比率は、前兆演出状態:通常演出状態=7:3に限らず、任意に決定することができる。例えば、100%の確率で前兆演出状態に移行させるとしてもよい。
【0122】
仮に、振分演出状態で前兆演出状態が決定された場合、所定遊技数継続される前兆演出状態を経由して(前兆演出を経て)、演出状態が必ず通常AT演出状態に移行されることとなる。また、振分演出状態で前兆演出状態が決定されなかった場合、演出状態は通常演出状態となる。しかし、通常演出状態では、その通常演出状態への経路によってAT抽選の当選確率を異ならせている。例えば、上述したように、演出状態が、通常AT演出状態から、直接、通常演出状態に移行した場合(3)、演出状態制御手段224は、通常AT演出状態から移行した(非有利演出状態から移行していない)通常演出状態において、低確率(例えば、1/4000)でAT抽選を行う。
【0123】
一方、非有利区間から有利区間に移行したことに伴い、演出状態が、非有利演出状態および振分演出状態から通常演出状態に移行した場合(7)、演出状態制御手段224は、非有利区間から移行した通常演出状態において、高確率(例えば、1/8)でAT抽選を行う。したがって、非有利演出状態から移行した(非有利区間を経由した)通常演出状態では、いずれAT抽選に当選することとなる。なお、ここでは、AT抽選の当選確率として低確率(例えば、1/4000)と高確率(例えば、1/8)の2パターンを挙げて説明したが、当選確率に3以上のパターンを設け、非有利演出状態から移行した通常演出状態では、比較的高い当選確率でAT抽選を行うとしてもよい。また、かかる当選確率は1/8や1/4000等に限らず、非有利演出状態から移行した通常演出状態の方が、非有利演出状態から移行していない通常演出状態より通常AT演出状態への移行が決定し易ければ足り、例えば、非有利演出状態から移行した通常演出状態におけるAT抽選の当選確率が、非有利演出状態から移行していない通常演出状態におけるAT抽選の当選確率より高く設定されれば、その当選確率を任意に設定することができる。
【0124】
ただし、演出状態制御手段224は、非有利演出状態から移行した通常演出状態において、AT抽選に当選したとしても、直ちに前兆演出状態に移行させず、振分演出状態が終了してから、例えば、96遊技のブロック期間、通常演出状態に滞在させ、通常AT演出状態への移行を禁止する。具体的に、演出状態制御手段224は、非有利演出状態から移行した通常演出状態においてAT抽選に当選すると本前兆許可フラグをONする。本前兆許可フラグは前兆演出状態への移行可否を示すフラグであり、ONとなることで前兆演出状態への移行が許可される。本前兆許可フラグが一旦ONされると、前兆演出状態に移行するまでON状態が維持されるため、その後にAT抽選に当選しても、本前兆許可フラグはON状態のままである。なお、演出状態制御手段224は、振分演出状態から通常演出状態への移行時に、96遊技以内の遊技数を抽選により決定し、ブロック期間とする。ただし、ブロック期間としては96遊技が選択されることが多くなるように設定されている。
【0125】
演出状態制御手段224は、振分演出状態が終了してからの遊技数をカウントし、ブロック期間の間、本前兆許可フラグがONされたか否かに拘わらず、演出状態を前兆演出状態に移行させない。そして、演出状態制御手段224は、ブロック期間が経過し(ブロック期間に相当する所定遊技数に到達し)、かつ、本前兆許可フラグがONであれば、演出状態を前兆演出状態に移行させ(8)、本前兆許可フラグをリセットする。したがって、非有利演出状態から移行した通常演出状態では、AT抽選に早期に当選したとしても、少なくともブロック期間に相当する96遊技を消化しなければ、前兆演出状態には移行しない。
【0126】
このように、非有利演出状態(非有利区間)を経由すると、遊技者は、以下の特典を得られる。すなわち、7/10の確率で、即座に前兆演出状態に移行し、前兆演出状態を経て、通常AT演出状態に移行し、あるいは、3/10の確率で、通常演出状態に移行し、ブロック期間経過後に前兆演出が実行され、前兆演出状態を経て、通常AT演出状態に移行する。そうすると、非有利演出状態および振分演出状態が終了してから、例えば、0~96遊技経過後に前兆演出が始まり、前兆演出終了後、すなわち、非有利演出状態および振分演出状態が終了してから、例えば、32~128遊技経過後にはほぼ通常AT演出状態へ移行することとなる。このように所定の遊技数の間、高確率でAT抽選に当選することを「天国」や「天国モード」と言う場合がある。したがって、遊技者は、非有利演出状態(非有利区間)への移行、すなわち、有利区間のリセットを望むこととなる。
【0127】
ここでは、非有利演出状態を経由した場合、すなわち、非有利区間から有利区間に移行した場合に、高確率で通常AT演出状態に移行し易い通常演出状態を採用しつつ、ブロック期間を設けることで、その開始契機を、非有利演出状態および振分演出状態が終了してから128遊技経過後に偏らせている。換言すれば、通常AT演出状態が終了して通常演出状態に降格したとしても、128遊技経過するまでは、通常AT演出状態を再度実行する(引き戻す)可能性が高いことになる。したがって、遊技者は、通常AT演出状態の終了後に通常AT演出状態の引き戻しを期待して、遊技を継続することとなるので、スロットマシン100の稼働率の向上を図ることができる。
【0128】
また、演出状態制御手段224は、非有利演出状態から移行した通常演出状態においても、通常AT演出状態から移行した通常演出状態同様、所定の遊技数を消化する度に、AT抽選の当選確率を高めたチャンスゾーンを複数遊技に亘って実行する。かかるチャンスゾーンにおいてAT抽選に当選した場合、上記のブロック期間であるか否かに拘わらず、演出状態制御手段224は、演出状態を前兆演出状態に移行させる。なお、非有利演出状態から移行した通常演出状態では、本来、ブロック期間経過後に前兆演出状態に移行できるはずである。そうすると、自力で通常AT演出状態への移行を決定したことで、代わりに、本来、獲得できたはずの通常AT演出状態が消失することとなり、遊技者の遊技意欲が減退するおそれがある。そこで、非有利演出状態から移行した通常演出状態におけるチャンスゾーンでAT抽選に自力で当選すると、演出状態制御手段224は、その後の通常AT演出状態の終了後に、再度、演出状態を非有利演出状態に移行させる(4)。こうして、遊技者は、非有利演出状態を経由したことの遊技利益を漏れなく受けることが可能となる。また、遊技者は、ブロック期間として選ばれやすい96遊技より前に、チャンスゾーンが開始されることで、チャンスゾーンにおけるAT抽選の当選、すなわち、通常AT演出状態が少なくとも2回実行されることを期待することができる。
【0129】
本実施形態では、上述したように、通常AT演出状態が終了すると、演出状態制御手段224は、演出状態を通常演出状態に直接移行させる場合(3)と、演出状態を非有利演出状態に移行させる場合(4)とがある。ここで、演出状態を非有利演出状態に移行させる条件として、AT抽選において、所定の遊技利益を有する通常AT演出状態への移行に当選したことが挙げられる。例えば、通常AT演出状態には、継続遊技数や、差枚数の上乗せ確率が異なる複数種類の通常AT演出状態がある。そのうちの特定の通常AT演出状態に当選すると、演出状態制御手段224は、通常AT演出状態の終了後、必ず、演出状態を非有利演出状態に移行させる(4)。また、特定の通常AT演出状態に当選しなくとも、演出状態制御手段224は、通常AT演出状態の終了後、所定の確率で、演出状態を非有利演出状態に移行させるとしてもよい(4)。
【0130】
また、本実施形態では、上述したように、通常AT演出状態終了後、通常演出状態においてAT抽選に当選すると、演出状態制御手段224は、演出状態を前兆演出状態に移行させる(1)。ただし、前兆演出状態を経由して通常AT演出状態に移行することなく、通常演出状態での滞在遊技数が所定遊技数(例えば、1000遊技)に到達した後、通常演出状態においてAT抽選に当選すると、演出状態制御手段224は、最終的に非有利演出状態へ移行させることを決定し、演出状態を前兆演出状態に移行させることなく、前兆演出(ガセ前兆演出)を行って通常AT演出状態へ直接移行していない旨を報知した後に、まず、特別前兆演出状態に移行させる(9)。なお、ここでは、非有利演出状態(非有利区間)への移行を決定する所定の移行条件として、通常演出状態での滞在遊技数が所定遊技数(例えば、1000遊技)に到達した後、通常演出状態においてAT抽選に当選することを挙げて説明したが、かかる場合に限らず、所定の移行条件として、有利区間での滞在遊技数が所定遊技数に到達した後、通常演出状態においてAT抽選に当選することとしてもよい。また、所定の移行条件として、上記に代えて、または、加えて、通常演出状態での滞在遊技数が所定遊技数(例えば、1500遊技)に到達すること(所謂、天井機能)や、チャンスゾーン(CZ)においてAT抽選に当選しなかったことに基づく再度のAT抽選に当選することとしてもよい。
【0131】
(特別前兆演出状態)
特別前兆演出状態は、有利区間に属し、予め定められた所定遊技数(例えば、10遊技)滞在する演出状態であり、特別演出状態抽選を行うとともに、特別演出状態への移行期待度を示す前兆演出を実行する。ここで、特別演出状態抽選は、継続遊技数の上乗せ抽選であり、遊技数が1回以上上乗せされることにより、特別演出状態への移行が決定する。演出状態制御手段224は、当選種別抽選により決定された当選種別に対応した確率で特別演出状態抽選を行う。ここで、特別演出状態抽選は、設定値に応じて、遊技利益が安定して段階的に異なるように設計される。例えば、任意に抽出した2つの設定値において、設定値が高い方が、設定値が低い方より、特別演出状態抽選により遊技数が上乗せされる確率が高く設計される。したがって、例えば、上乗せされる遊技数は、設定1で30遊技、設定6で60遊技となり、設定値が高い方が比較的遊技利益を得やすい遊技性を構成することができる。演出状態制御手段224は、特別演出状態抽選に当選すると、その上乗せされた遊技数の累計(継続遊技数)を特別演出状態の終了条件として設定し、演出状態を特別演出状態に移行させる(10)。また、演出状態制御手段224は、特別演出状態抽選に当選していなければ、演出状態を非有利演出状態に直接移行させる(11)。なお、ここでは、特別演出状態において、継続遊技数を特別演出状態抽選により上乗せする例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、予め定められた継続遊技数を上乗せしてもよいし、当選種別「リーチ目」や当選種別「チェリー」等の、所謂、レア役が当選した場合の抽選により継続遊技数を上乗せしてもよい。また、ここでは、特別演出状態において、継続遊技数を上乗せする例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、獲得枚数(払出枚数)や電子化メダルの投入枚数(ベット枚数)と払出枚数との差である差枚数を上乗せするとしてもよい。
【0132】
(特別演出状態)
特別演出状態は、有利区間に属し、所定の終了条件が成立するまで、補助演出が実行される。かかる終了条件は、例えば、特別演出状態に滞在した遊技数が継続遊技数に到達したことといったように、特別演出状態が開始されるまでに決定された遊技利益の付与が、特別演出状態中に完了することである。例えば、特別前兆演出状態の終了時(特別演出状態の開始時)には、特別前兆演出状態において特別演出状態抽選により継続遊技数が決定されている。そして、特別演出状態において、特別演出状態に滞在した遊技数が継続遊技数に到達すると、終了条件が満たされたとして、特別演出状態は終了する。ここでは、特別演出状態において終了条件が変更されることはなく上乗せ抽選は実行されない。そして、演出状態制御手段224は、所定の終了条件を満たすと、演出状態を非有利演出状態に移行させる(12)。
【0133】
遊技者は、通常演出状態での滞在遊技数が所定遊技数(例えば、1000遊技)を超えた後にAT抽選に当選した場合、特別前兆演出状態を経由して必ず非有利演出状態に移行し(11)、(12)、その結果、通常AT演出状態に移行することができる。
【0134】
なお、特別演出状態、非有利演出状態、振分演出状態を経由した通常演出状態では、通常AT演出状態から直接移行した通常演出状態より、AT抽選の当選確率が高いので、その旨を遊技者が把握できるように、通常AT演出状態へ移行する可能性が高いことを、液晶表示部132に所定の表示を行って示唆する。
【0135】
ただし、通常演出状態において滞在遊技数が所定遊技数(例えば、1000遊技)を超えた後、AT抽選に当選した場合と、所定遊技数より前にAT抽選に当選した場合とで、有利区間がリセットされているものの、通常AT演出状態を1回実行できるという観点では、遊技利益はあまり変わらない。また、後者では、前兆演出状態の終了後、すなわち32遊技以内に通常AT演出状態が開始されるが、前者では、さらにブロック期間の経過を待って通常AT演出状態が開始されることがある。そうすると、通常AT演出状態に移行するまで、通常演出状態において電子化メダルを消費してしまう点で、前者の方が遊技利益が小さいとも言える。そこで、通常演出状態での滞在遊技数が所定遊技数を超えた後にAT抽選に当選した場合には、特別前兆演出状態に移行し、特別演出状態抽選を実行させるとともに、それに当選すると、特別演出状態によって追加的に遊技利益を与える。こうして、通常演出状態での滞在遊技数が所定遊技数を超えた後にAT抽選に当選した場合の方が、滞在遊技数が所定遊技数に至っていない間にAT抽選に当選した場合より遊技利益が大きくなり、遊技者は納得感を得られる。したがって、遊技者は、通常演出状態での滞在遊技数が多くなると、遊技利益が大きくなることを期待でき、遊技を継続することとなる。こうして、スロットマシン100の稼働率の向上を図ることができる。
【0136】
ここで実行される特別演出状態では、上述したように、設定値が高い方が安定的に遊技利益を得やすいようになっている。また、特別演出状態が開始されるまでに決定された遊技利益のみが特別演出状態で付与され、特別演出状態中において遊技利益は追加(上乗せ)されない。したがって、特別演出状態では、設定値に応じて期待獲得枚数の変動幅を抑えることができる。そうすると、通常AT演出状態の期待獲得枚数の設計値を上げることが可能となる。
【0137】
また、特別演出状態は、通常演出状態での滞在遊技数が所定遊技数を超えた後に移行するので、通常AT演出状態に比べ、その回数が変動しにくく、安定した頻度で実行されることになる。そうすると、仮に、通常AT演出状態における期待獲得枚数の変動幅が大きくなったとしても、かかる特別演出状態で、その変動を吸収し、設定値に応じて期待獲得枚数の変動幅をさらに抑えつつ、通常AT演出状態の期待獲得枚数の設計値を上げることが可能となる。
【0138】
また、通常AT演出状態の終了後に通常演出状態に直接移行し(3)、前兆演出状態を経由して通常AT演出状態に移行することなく、通常演出状態での滞在遊技数が所定遊技数(例えば、1500遊技)に到達すると、演出状態制御手段224は、有利区間をリセットして、演出状態を非有利演出状態に移行させる(13)。そうすると、上記のように、非有利演出状態および振分演出状態の終了後、例えば、0~96遊技経過後に前兆演出が始まり、前兆演出終了後、すなわち、非有利演出状態および振分演出状態が終了してから、例えば、32~128遊技経過後にはほぼ通常AT演出状態へ移行することができる。したがって、通常演出状態において通常AT演出状態に移行することなく遊技を継続すると、所定遊技数(例えば、1628遊技)以内には、通常AT演出状態に移行することとなる。かかる天井機能により、遊技者は、運悪く電子化メダルの消費が多くなったとしても救済措置を受けることができる安心感を得ることができる。また、通常演出状態をある程度消化すると、遊技を継続した場合の期待獲得枚数が高まり、天井(例えば1628遊技)まで遊技を継続することとなるので、スロットマシン100の稼働率の向上を図ることができる。
【0139】
なお、このような天井機能における所定遊技数(例えば、96~1628遊技)は、以下のタイミングで決定される。例えば、通常AT演出状態から、直接、通常演出状態に移行する場合(3)、演出状態制御手段224は、通常AT演出状態から通常演出状態への移行時に、通常演出状態における天井機能の所定遊技数(例えば、96~1628遊技)を決定する。また、非有利演出状態および振分演出状態を経由して通常演出状態に移行する場合(7)、演出状態制御手段224は、振分演出状態から通常演出状態への移行時に、通常演出状態における天井機能の所定遊技数(例えば、96~1628遊技)を決定する。ただし、通常AT演出状態から通常演出状態へ移行する場合と異なり、非有利演出状態および振分演出状態を経由して通常演出状態へ移行する場合では、高確率でAT抽選に当選するので、ブロック期間の経過を待って前兆演出状態に移行することが多く、天井機能が実行されることはほとんどない。
【0140】
また、上述した実施形態では、通常演出状態におけるAT抽選の当選確率として、非有利演出状態から通常演出状態に移行した場合、高確率(例えば、1/8)となり、通常AT演出状態から通常演出状態に直接移行した場合、低確率(例えば、1/4000)となる例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、例えば、通常AT演出状態から通常演出状態に直接移行した場合、通常演出状態開始時のAT抽選の当選確率は低確率だが、昇格抽選により高確率に移行する場合があるとしてもよく、さらに、降格抽選により低確率に移行する場合があるとしてもよい。また、通常AT演出状態から通常演出状態に直接移行した場合に、抽選に当選する等、所定の条件を満たすことで、通常演出状態開始時からAT抽選の当選確率が高確率となることもあるとしてもよい。
【0141】
(計数スイッチ126の操作例)
上述したように、遊技者は、計数スイッチ126を操作することで、スロットマシン100で保持された電子化メダル(遊技メダル数)の一部または全部を専用ユニット300に転送(送信)することができる。計数スイッチ126の操作には、ONされる時間が500msec未満の短押し操作と、500msec以上連続してONされる長押し操作がある。計数スイッチ126の短押し操作では、操作毎に遊技メダル数から電子化メダルが1枚だけ計数(転送)され、長押し操作では、ONされている時間が500msec以降における、300msec毎の計数通知を行うタイミング(以下、単に「計数タイミング」と言う)で遊技メダル数から電子化メダルが50枚ずつ計数される。したがって、遊技者は、長押し操作を行うことで、多くの電子化メダルを専用ユニット300に転送することができる。
【0142】
このような長押し操作では、単位時間あたりに転送可能な電子化メダルの枚数が決まっている。これは、一度に多くの電子化メダルを転送できてしまうと、何らかの不具合が生じたときの影響が大きくなり、また、不正行為(ゴト行為)が行われた場合の被害が大きくなるからである。長押し操作に基づく計数処理では、遊技メダル数が50枚ずつに分けられ、300msecの間隔を空けて繰り返し計数されるので、ホールの店員は、計数処理が実行されていることを容易に把握することができ、不正行為を防止することが可能となる。
【0143】
しかし、このように単位時間あたりに転送可能な電子化メダル数が決まっていると、転送しようと試みる遊技メダル数が多ければ多い程、計数処理に長時間が費やされることとなる。例えば、遊技メダル数が5000枚であった場合、300msec毎の計数通知を100回(5000枚/50枚)繰り返すことになるので、計数処理が完了するまでに30secかかってしまう。遊技者は、長押し操作を維持するため、この間、継続的に計数スイッチ126をONし続けなければならない。仮に、長押し操作に基づく計数処理の途中で計数スイッチ126がOFFされると、計数処理自体が停止してしまう。
【0144】
そこで、ここでは、操作態様として、短押し操作、長押し操作に加え、「全計数操作」を設ける。全計数操作は、所定の周期で継続的に計数処理が行われる点で長押し操作と機能が等しいが、計数スイッチ126を操作し続けなくとも計数処理を継続させることが可能な点で長押し操作より利便性が高い。以下、短押し操作、長押し操作、全計数操作それぞれに基づく計数処理の流れを説明する。なお、短押し操作に基づく計数処理を「単数計数処理」と言い、長押し操作に基づく計数処理を「連続計数処理」と言い、全計数操作に基づく計数処理を「全計数処理」と言う。また、連続計数処理および全計数処理は、300msec毎に複数枚の計数処理が可能な点で、纏めて「複数計数処理」と言う場合もある。
【0145】
図12は、計数スイッチ126を短押し操作した場合の計数処理の流れを説明するためのタイミングチャートである。メダル数制御基板260におけるメダル数更新手段274は、所定の周期(例えば、1msec間隔)で計数スイッチ126の操作状態を判定(監視)し、計数スイッチ126がONされているかOFFしているか、および、ONが継続している時間に基づいて計数処理を実行する。なお、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のチャタリング防止のため、計数スイッチ126がOFF状態であれば、物理的なONエッジの検出後、ON状態が継続している時間を計時し、ON状態が16msec以上継続して初めてONになった(制御上のONエッジ)と判定する。また、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126がON状態であれば、ON状態が継続している時間を計時し、物理的なOFFエッジの検出時にON状態が16msec以上継続していたことをもって初めてOFFになった(制御上のOFFエッジ)と判定している。したがって、メダル数更新手段274は、物理的なOFFエッジを検出したとしても、それ以前のON状態が16msec以上継続していなければ、計数スイッチ126への操作は行われなかったものと判定する。ここで、ONエッジはOFFからONへの立ち上がりのことを言い、OFFエッジはONからOFFへの立ち下がりのことを言う。
【0146】
図12のように、遊技者が、計数スイッチ126をONすると、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONエッジに応じて操作状態フラグを1(短押し)に設定する。ここで、操作状態フラグは、遊技者による計数スイッチ126の操作状態を示すフラグであり、0は操作状態が「非操作」であることを示し、1は操作状態が「短押し」に相当することを示し、2は操作状態が「長押し」に相当することを示し、3は操作状態が「全計数」に相当することを示し、4は、全計数操作が解除され、計数スイッチ126がOFFとなるのを待機する操作状態である「全計数解除」に相当することを示す。また、メダル数更新手段274は、操作状態の変化によって、操作の対象となる計数処理を更新する。ここでは、例えば、計数処理状態管理バッファを設け、計数処理状態管理バッファのビット0に「単数計数処理」を割り当て、ビット1に「連続計数処理」を割り当て、ビット2に「全計数処理」を割り当てる。メダル数更新手段274は、対象となる計数処理に相当するビットに1を設定する。したがって、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONに応じて、計数処理状態管理バッファのビット0(単数計数処理)に1を設定し、ビット2~0の値を001bとする。以下では説明の便宜上、計数処理状態管理バッファのビット2~0についてのみ言及する。また、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONエッジからの時間を計数タイマによって計時する。
【0147】
そして、遊技者が、計数スイッチ126をOFFすると、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のOFFエッジに応じて計数タイマを参照し、計数スイッチ126のONエッジからの時間が500msecに達していなければ、遊技者の操作を短押し操作と判定して単数計数処理を実行する。具体的に、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のOFFエッジに応じて計数予約フラグを1(単数)に設定する。ここで、計数予約フラグは、初回1回目の計数処理を予約するフラグであり、0は計数処理が予約されていないことを示し、1は初回1回目の単数計数処理の予約を示し、2は初回1回目の連続計数処理の予約を示し、3は初回1回目の全計数処理の予約を示す。このように、計数予約フラグを設定することで、計数タイミングの到来に応じて初回1回目の計数処理が実行される。続いて、メダル数更新手段274は、操作状態フラグを0(非操作)に設定して短押し操作を解除する。
【0148】
なお、後述するように、本実施形態では、メダル数更新手段274が、計数スイッチ126のONエッジからの時間が500msecに達したタイミングで操作状態フラグを1(短押し)から2(長押し)に切り換えている。したがって、メダル数更新手段274は、計数タイマの参照に代え、操作状態フラグが1(短押し)であることを確認することでも、計数スイッチ126のONエッジからの時間が500msecに達していないと判定することができる。
【0149】
このような遊技者の短押し操作における計数スイッチ126のOFFエッジ後、計数タイミングが到来すると、メダル数更新手段274は、計数予約フラグに1(単数計数処理)が設定されていることに基づいて、計数通知の計数メダル数に「1」を設定し、計数予約フラグを0にリセットし、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を000bにリセットする。また、メダル数更新手段274は、例えば、現在の遊技メダル数「171」から1を減算し、遊技メダル数を「170」に更新する。これに伴い遊技メダル数表示装置128に遊技メダル数「170」が表示される。コマンド送受信手段272は、計数メダル数が設定された計数通知を専用ユニット300に送信する。こうして単数計数処理が実行される。
【0150】
ここでは、短押し操作と判定される計数スイッチ126のOFFエッジのタイミングと計数タイミングとが異なる。したがって、短押し操作では、計数スイッチ126のOFFエッジに応じて計数予約フラグを1に設定し、1枚の電子化メダルの転送を予約している。そして、計数タイミングが到来すると、計数予約フラグが1であることに基づいて1枚の計数処理を行う。かかる構成により、短押し操作と判定される計数スイッチ126のOFFエッジのタイミングと計数タイミングとが異なっていたとしても、計数タイミングにおいて確実に単数計数処理を実行することが可能となる。また、例えば、計数スイッチ126のチャタリングにより、計数タイミング間で複数回の短押し操作を検出したとしても、計数予約フラグは一度設定された1から変化しないので、確実に1枚だけの計数処理を実行することができる。
【0151】
また、ここでは、短押し操作における計数スイッチ126のOFFエッジ後の計数タイミングに単数計数処理が実行される。したがって、
図12に例示した計数タイミング間の300msec中に短押し操作が完了する場合に限らず、例えば、短押し操作中に計数タイミングが到来したとしても、その計数タイミングでは単数計数処理は実行されず、短押し操作における計数スイッチ126のOFFエッジ後に初めて到来する計数タイミングにおいて単数計数処理が実行される。
【0152】
このように、単数計数処理が実行されると、コマンド送受信手段272は、単数計数処理が実行されたことと、計数後の遊技メダル数とを示すコマンドをメインCPU200aに送信する。ここで、コマンド送受信手段272は、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値(001b)を、そのまま計数処理状態管理バッファのデータ(以下、単に「計数処理状態管理データ」と言う。)としてコマンドに含めることで単数計数処理が実行されたことをメインCPU200aに伝達するとしてもよい。当該コマンドを受信したメインCPU200aは、サブCPU240aに、メダル数制御基板260から送信されたコマンドであることが把握できる情報を付し、単数計数処理が実行されたことと、計数後の遊技メダル数とを示すコマンドを送信する。そして、サブCPU240aは、コマンドの受信に応じ、単数計数処理によって電子化メダルが専用ユニット300に転送されていることを、液晶表示部132、スピーカ134、演出用ランプ136を通じて遊技者に報知する。
【0153】
具体的に、サブCPU240aの演出制御手段254は、コマンドの受信に応じ、例えば、メッセージ「単数計数完了」と、単数計数処理完了後の遊技メダル数「170」とを液晶表示部132に表示し、コマンド受信から所定時間後、または、遊技者によるスイッチの操作に応じて、当該表示を削除する。また、演出制御手段254は、コマンドの受信に応じ、例えば、所定の時間だけ、所定の計数音(例えば、短音「ピロッ」)をスピーカ134から出力させる。また、演出制御手段254は、コマンドの受信に応じ、例えば、所定の時間だけ、所定の発光色で演出用ランプ136を発光させる。
【0154】
なお、ここで、メダル数更新手段274は、短押し操作であることを、計数スイッチ126のONエッジではなく、計数スイッチ126のOFFエッジで判定している。したがって、計数スイッチ126のONエッジからの時間が500msec以上となるまで計数スイッチ126のOFFエッジを検出しなかった場合、単数計数処理は実行されない。しかし、かかる場合に限らず、メダル数更新手段274は、短押し操作であることを計数スイッチ126のONエッジで判定してもよい。この場合、計数スイッチ126のONエッジに応じ、まず、短押し操作に基づいて単数計数処理が実行され、その後、計数スイッチ126のONエッジからの時間が500msec以上となると、長押し操作に基づいて連続計数処理が実行されることとなる。
【0155】
図13は、計数スイッチ126を長押し操作した場合の計数処理の流れを説明するためのタイミングチャートである。
【0156】
図13のように、遊技者が、計数スイッチ126をONすると、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONエッジに応じて操作状態フラグを、一旦、1(短押し)に設定し、計数処理状態管理バッファのビット0(単数計数処理)を1に設定し、ビット2~0の値を001bとする。また、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONエッジからの時間を計数タイマによって計時する。
【0157】
そして、計数スイッチ126のONエッジからの時間が500msec以上となると、メダル数更新手段274は、遊技者の操作を長押し操作と判定して連続計数処理を実行する。具体的に、メダル数更新手段274は、操作状態フラグを1(短押し)から2(長押し)に切り換え、計数処理状態管理バッファのビット0(単数計数処理)を0にリセットし、ビット1(連続計数処理)に1を設定し、ビット2~0の値を010bとする。また、メダル数更新手段274は、計数予約フラグに2(連続計数処理)を設定して連続計数処理を予約する。
【0158】
そして、メダル数更新手段274は、計数タイミングにおいて操作状態フラグを参照し、操作状態フラグが2に設定されていると、計数通知の計数メダル数に「50」を設定する。また、メダル数更新手段274は、例えば、現在の遊技メダル数「170」から50を減算し、遊技メダル数を「120」に更新する。これに伴い遊技メダル数表示装置128に遊技メダル数「120」が表示される。コマンド送受信手段272は、計数メダル数が設定された計数通知を専用ユニット300に送信する。なお、初回の連続計数処理が実行されると、計数予約フラグを残す必要がなくなるので、メダル数更新手段274は、計数予約フラグを0にリセットする。その後、メダル数更新手段274は、計数タイミングの度に連続計数処理を実行する。したがって、遊技メダル数は50ずつ減算され、「70」→「20」のように変化する。そして、遊技メダル数が50に満たない、例えば、「20」となると、メダル数更新手段274は、計数タイミングにおいて計数通知の計数メダル数に残りの全ての遊技メダル数「20」を設定する。したがって、遊技メダル数は0となり、長押し操作による連続計数処理が終了する。
【0159】
そして、遊技者が、計数スイッチ126のONエッジからの時間が4000msecに到達する前に計数スイッチ126をOFFすると、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のOFFエッジに応じて、操作状態フラグを0(非操作)に設定するとともに、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を000bにリセットして長押し操作を解除する。
【0160】
ここでは、長押し操作であると判定されるタイミング(ONエッジからの時間が500msec)と計数タイミングとが異なる。したがって、メダル数更新手段274は、長押し操作と判定したタイミングで操作状態フラグを2に設定し、計数タイミングの度に、操作状態フラグが2であることに基づいて50枚の連続計数処理を行う。かかる構成により、長押し操作であると判定されるタイミングと計数タイミングとが異なっていたとしても、メダル数更新手段274は、計数タイミングにおいて確実に計数処理を実行することが可能となる。
【0161】
また、ここで、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONエッジからの時間が500msec経過したときに計数予約フラグを2に設定し、50枚の連続計数処理を予約している。そして、計数タイミングが到来すると、計数予約フラグが2であることに基づいて50枚の連続計数処理が行われる。かかる構成により、ONエッジからの時間が500msec経過した後、次の計数タイミングが到来する前に計数スイッチ126がOFFされたとしても、その後の計数タイミングにおいて少なくとも1回は連続計数処理がなされるので、計数スイッチ126を長押し操作したのに、計数処理が行われないといった事象が生じるのを回避することができる。
【0162】
このように、連続計数処理が実行されると、コマンド送受信手段272は、連続計数処理が実行されたことと、計数後の遊技メダル数とを示すコマンドをメインCPU200aに送信する。当該コマンドを受信したメインCPU200aは、サブCPU240aにその旨のコマンドを送信する。そして、サブCPU240aは、計数処理によって電子化メダルが専用ユニット300に転送されていることを、液晶表示部132、スピーカ134、演出用ランプ136を通じて遊技者に報知する。
【0163】
具体的に、サブCPU240aの演出制御手段254は、コマンドの受信に応じ、例えば、メッセージ「計数中」と、1回目の連続計数処理完了後の遊技メダル数「120」とを液晶表示部132に表示し、コマンドを受信する毎に「70」→「20」と遊技メダル数の表示を更新する。また、演出制御手段254は、連続計数処理によって遊技メダル数が0となると、メッセージ「計数終了」と、遊技メダル数「0」とを液晶表示部132に表示し、コマンド受信から所定時間後、または、遊技者によるスイッチの操作に応じて、当該表示を削除する。また、演出制御手段254は、コマンドの受信に応じ、例えば、連続計数処理によって遊技メダル数が0となるまで、所定の計数音をスピーカ134から出力させる。また、演出制御手段254は、連続計数処理によって遊技メダル数が0となると、遊技が終了したと判定し、音声「お疲れさまでした」等の終了音声をスピーカ134から出力させる。また、演出制御手段254は、コマンドの受信に応じ、例えば、連続計数処理によって遊技メダル数が0となるまで、所定の発光色で演出用ランプ136を発光させる。
【0164】
なお、演出制御手段254は、前回のコマンドに含まれる計数後の遊技メダル数から今回のコマンドに含まれる計数後の遊技メダル数を減算することで計数処理された遊技メダル数を特定することができる。したがって、演出制御手段254は、減算された値に基づき、例えば、単数計数処理であれば減算された値が1枚であることを確認し、連続計数処理または全計数処理であれば減算された値は50枚(ただし、計数後の遊技メダル数が0枚の場合を除く)であることを確認して、計数処理が正しく実行されていることを把握することができる。
【0165】
上述した実施形態では、メダル数更新手段274は、連続計数処理において遊技メダル数が0枚になったことによって計数処理を終了している。また、例えば、上述したようにVL接続信号がOFF(貸出装置接続エラー)となった場合等、「遊技が可能な間」ではなくなった場合には、メダル数更新手段274は計数処理を停止する。この場合、メインセグメント表示部130にエラーコード「EL」が表示され、液晶表示部132には、専用ユニット300との接続エラーが生じた旨のメッセージが表示される。また、長押し操作の途中で遊技者が計数スイッチ126をOFFした場合も、遊技者が計数処理を意図的に中断したとして、メダル数更新手段274は連続計数処理を停止する。以下、長押し操作によって連続計数処理が実行されている状態で、遊技者が、計数スイッチ126をOFFした場合の計数処理の流れを説明する。
【0166】
図14は、計数スイッチ126を長押し操作した場合の計数処理の他の流れを説明するためのタイミングチャートである。
【0167】
図14のように、遊技者が、計数スイッチ126をONすると、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONエッジに応じて操作状態フラグを、一旦、1(短押し)に設定し、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を001bとする。また、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONエッジからの時間を計数タイマによって計時する。
【0168】
そして、計数スイッチ126のONエッジからの時間が500msec以上となると、メダル数更新手段274は、遊技者の操作を長押し操作と判定して連続計数処理を実行する。具体的に、メダル数更新手段274は、操作状態フラグを1(短押し)から2(長押し)に切り換え、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を010bとする。また、メダル数更新手段274は、計数予約フラグに2(連続計数処理)を設定して連続計数処理を予約する。
【0169】
そして、メダル数更新手段274は、計数タイミングにおいて操作状態フラグを参照し、操作状態フラグが2に設定されていると、計数通知の計数メダル数に「50」を設定する。また、メダル数更新手段274は、例えば、現在の遊技メダル数「170」から50を減算し、遊技メダル数を「120」に更新する。これに伴い遊技メダル数表示装置128に遊技メダル数「120」が表示される。コマンド送受信手段272は、計数メダル数が設定された計数通知を専用ユニット300に送信する。なお、初回の連続計数処理が実行されると、計数予約フラグを残す必要がなくなるので、メダル数更新手段274は、計数予約フラグを0にリセットする。その後、メダル数更新手段274は、計数タイミングの度にかかる連続計数処理を実行する。したがって、遊技メダル数は50だけ減算され「70」に更新される。これに伴い遊技メダル数表示装置128に遊技メダル数「70」が表示される。
【0170】
ここで、遊技者が、計数スイッチ126のONエッジからの時間が4000msecに到達する前に計数スイッチ126をOFFすると、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のOFFエッジに応じて、操作状態フラグを0(非操作)に設定するとともに、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を000bにリセットして長押し操作を解除する。こうして、連続計数処理が停止する。
【0171】
このように、連続計数処理が実行されると、コマンド送受信手段272は、連続計数処理が実行されたことと、計数後の遊技メダル数とを示すコマンドをメインCPU200aに送信する。当該コマンドを受信したメインCPU200aは、サブCPU240aにその旨のコマンドを送信する。そして、サブCPU240aは、計数処理によって電子化メダルが専用ユニット300に転送されていることを、液晶表示部132、スピーカ134、演出用ランプ136を通じて遊技者に報知する。
【0172】
具体的に、サブCPU240aの演出制御手段254は、コマンドの受信に応じ、例えば、メッセージ「計数中」と、1回目の連続計数処理完了後の遊技メダル数「120」とを液晶表示部132に表示し、次のコマンドの受信に応じ、遊技メダル数の表示を「70」に更新し、コマンド受信から所定時間後、または、遊技者によるスイッチの操作に応じて、当該表示を削除する。また、演出制御手段254は、コマンドの受信に応じ、例えば、連続計数処理が停止するまで、所定の計数音をスピーカ134から出力させる。また、演出制御手段254は、コマンドの受信に応じ、例えば、連続計数処理が停止するまで、所定の発光色で演出用ランプ136を発光させる。
【0173】
ここで、演出制御手段254は、メインCPU200aから、本来、連続計数処理が実行されたことを示すコマンドを受信するタイミングでコマンドを受信しなかった(例えば、400msecの間、コマンドを受信しなかった)ことに基づいて連続計数処理が中断(終了)したと判定することができる。なお、ここでは、コマンドを受信しなかったと判定するタイミングとして前回のコマンド受信から400msec経過した時点を挙げているが、かかる場合に限らず、メダルCPU260aがメインCPU200aにコマンドを送信する間隔である300msecに送信遅延分を加えた、例えば、310msec以上の任意の値を経過した時点とすることができる。また、計数スイッチ126が連続してON/OFFされると、600msecの間隔をおいて連続計数処理が実行されたことを示すコマンドを受信する可能性があるので、コマンドを受信しなかったと判定するタイミングとして、前回のコマンド受信から600msec未満、例えば、590msecとするとよい。なお、計数スイッチ126が連続してON/OFFされたとしても、2回目の操作が短押し操作と判定されれば、連続計数処理が実行されたことを示すコマンドが連続して受信されたことにならないので、問題は生じない。
【0174】
図15は、計数スイッチ126を全計数操作した場合の計数処理の流れを説明するためのタイミングチャートである。
【0175】
図15のように、遊技者が、計数スイッチ126をONすると、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONエッジに応じて操作状態フラグを、一旦、1(短押し)に設定し、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を001bとする。また、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONエッジからの時間を計数タイマによって計時する。
【0176】
そして、計数スイッチ126のONエッジからの時間が500msec以上となると、メダル数更新手段274は、遊技者の操作を長押し操作と判定して連続計数処理を実行する。具体的に、メダル数更新手段274は、操作状態フラグを1(短押し)から2(長押し)に切り換え、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を010bとする。また、メダル数更新手段274は、計数予約フラグに2(連続計数処理)を設定して連続計数処理を予約する。
【0177】
そして、メダル数更新手段274は、計数タイミングにおいて操作状態フラグを参照し、操作状態フラグが2に設定されていると、計数通知の計数メダル数に「50」を設定する。また、メダル数更新手段274は、例えば、現在の遊技メダル数「1020」から50を減算し、遊技メダル数を「970」に更新する。これに伴い遊技メダル数表示装置128に遊技メダル数「970」が表示される。コマンド送受信手段272は、計数メダル数が設定された計数通知を専用ユニット300に送信する。なお、初回の連続計数処理が実行されると、計数予約フラグを残す必要がなくなるので、メダル数更新手段274は、計数予約フラグを0にリセットする。その後、メダル数更新手段274は、計数タイミングの度にかかる連続計数処理を実行する。したがって、遊技メダル数は50ずつ減算され、「920」→「870」→「820」→「770」→「720」→「670」→「620」→「570」→「520」→「470」のように変化する。
【0178】
そして、遊技者が、計数スイッチ126をONし続け、計数スイッチ126のONエッジからの時間が4000msec以上となると、メダル数更新手段274は、遊技者の操作を全計数操作と判定して全計数処理を実行する。具体的に、メダル数更新手段274は、操作状態フラグを2(長押し)から3(全計数)に切り換え、計数処理状態管理バッファのビット1(連続計数処理)を0にリセットし、ビット2(全計数処理)に1を設定し、ビット2~0の値を100bとする。コマンド送受信手段272は、全計数処理が実行されたことと、計数後の遊技メダル数とを示すコマンドをメインCPU200aに送信する。
【0179】
なお、ここでは、全計数操作への切り換え条件として、計数スイッチ126のONエッジからの時間が4000msec以上となることを挙げて説明しているが、その時間は4000msecに限らず、計数スイッチ126をある程度ONし続けていると判定できる時間であれば任意に決定できる。また、メダル数更新手段274は、全計数操作への切り換え条件を満たしているか否かを、4000msecに相当する他の契機(例えば、後述する計数タイミングの到来回数等)に基づいて判定してもよい。
【0180】
そして、メダル数更新手段274は、計数タイミングにおいて操作状態フラグを参照し、操作状態フラグが3に設定されていると、操作状態フラグが2に設定されているときと同様に、計数通知の計数メダル数に「50」を設定する。また、メダル数更新手段274は、例えば、現在の遊技メダル数「470」から50を減算し、遊技メダル数を「420」に更新する。これに伴い遊技メダル数表示装置128に遊技メダル数「420」が表示される。コマンド送受信手段272は、計数メダル数が設定された計数通知を専用ユニット300に送信する。メダル数更新手段274は、計数タイミングの度にかかる計数処理を実行する。したがって、遊技メダル数は50ずつ減算され、「370」→「320」→「270」→「220」→「170」→「120」→「70」→「20」のように変化する。そして、遊技メダル数が50に満たない、例えば、「20」となると、メダル数更新手段274は、計数タイミングにおいて計数メダル数に残りの全ての遊技メダル数「20」を設定する。したがって、遊技メダル数は0となり、全計数操作による計数処理が終了する。メダル数更新手段274は、全計数操作による計数処理が終了すると、操作状態フラグを0(非操作)に設定し、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を000bにリセットして全計数操作を解除する。
【0181】
このように、操作状態が全計数操作と判定されると、遊技者は、計数スイッチ126を操作し続けなくとも、長押し操作と同様の計数処理が可能である。例えば、
図15のように、遊技者が、操作状態フラグが3に切り換った後に計数スイッチ126をOFFしたとしても、計数処理は中断することなく継続し、遊技メダル数が0になるまで計数し続ける。
【0182】
ここでは、全計数操作と判定されるタイミング(ONエッジからの時間が4000msec)と計数タイミングとが異なる。したがって、メダル数更新手段274は、全計数操作と判定したタイミングで操作状態フラグを3に設定し、計数タイミングの度に、操作状態フラグが3であることに基づいて50枚の計数処理を行う。かかる構成により、全計数操作と判定されるタイミングと計数タイミングとが異なっていたとしても、メダル数更新手段274は、計数タイミングにおいて確実に計数処理を実行することが可能となる。
【0183】
このように、全計数処理が実行されると、コマンド送受信手段272は、全計数処理が実行されたことと、計数後の遊技メダル数とを示すコマンドをメインCPU200aに送信する。当該コマンドを受信したメインCPU200aは、サブCPU240aにその旨のコマンドを送信する。そして、サブCPU240aは、計数処理によって電子化メダルが専用ユニット300に転送されていることを、液晶表示部132、スピーカ134、演出用ランプ136を通じて遊技者に報知する。
【0184】
具体的に、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONエッジからの時間が4000msec以上となったタイミングで、操作状態フラグを3に切り換えるとともに、計数処理状態管理バッファのビット2(全計数処理)を1に設定する。そして、コマンド送受信手段272は、計数処理状態管理バッファを参照し、全計数処理が実行されたことを示すコマンドをメインCPU200aに送信する。このとき、コマンド送受信手段272は、計数処理状態管理データをそのままコマンドの一部としてメインCPU200aに送信することで、全計数処理が実行されたことを伝達するとしてもよい。当該コマンドを受信したメインCPU200aは、コマンドを参照し、全計数処理が実行されたことを示すコマンドをサブCPU240aに送信する。このとき、メインCPU200aは、メダル数制御基板260から送信されたコマンドの少なくとも計数処理状態管理データをそのままコマンドの一部としてサブCPU240aに送信することで、全計数処理が実行されたことを伝達するとしてもよい。なお、メインCPU200aは、メダル数制御基板260から送信されたコマンドが変化した場合にのみ、例えば、計数処理状態管理データのビット2(全計数処理)がOFFからONになった場合にのみコマンドをサブCPU240aに送信するとしてもよい。
【0185】
サブCPU240aの演出制御手段254は、コマンドの受信に応じ、例えば、メッセージ「計数中」と、1回目の連続計数処理完了後の遊技メダル数「970」とを液晶表示部132に表示し、コマンドを受信する毎に「920」→「870」→「820」→「770」→「720」→「670」→「620」→「570」→「520」→「470」と遊技メダル数の表示を更新する。また、演出制御手段254は、計数処理状態管理データのビット2(全計数処理)が1となったコマンドの受信に応じて、メッセージ「計数中」の表示をメッセージ「全計数中」(「計数スイッチをOFFできます」等を加えて表示することも可能)に更新する。演出制御手段254は、引き続き、コマンドを受信する毎に「420」→「370」→「320」→「270」→「220」→「170」→「120」→「70」→「20」と遊技メダル数の表示を更新する。また、演出制御手段254は、全計数処理によって遊技メダル数が0となると、メッセージ「全計数終了」と、遊技メダル数「0」とを液晶表示部132に表示し、コマンド受信から所定時間後、または、遊技者によるスイッチの操作に応じて、当該表示を削除する。また、演出制御手段254は、コマンドの受信に応じ、例えば、連続計数処理によって遊技メダル数が0となるまで、所定の計数音をスピーカ134から出力させる。また、演出制御手段254は、連続計数処理によって遊技メダル数が0となると、遊技が終了したと判定し、音声「お疲れさまでした」等の終了音声をスピーカ134から出力させる。ここで、演出制御手段254は、コマンドにおける計数処理状態管理データのビット2(全計数処理)が1になったことに応じて、スピーカ134から出力されている音声を変化させたり、全計数処理に移行したことを報知する特定の音声を出力させる特定演出を実行してもよい。また、演出制御手段254は、コマンドの受信に応じ、例えば、連続計数処理によって遊技メダル数が0となるまで、所定の発光色で演出用ランプ136を発光させる。ここで、演出制御手段254は、コマンドにおける計数処理状態管理データのビット2(全計数処理)が1になったことに応じて、演出用ランプ136で発光している発光色を変化させたり、全計数処理に移行したことを報知する特定の発光色を出力させたり、全計数処理に移行したことを点灯態様の変化によって報知する特定演出を実行してもよい。
【0186】
なお、演出制御手段254は、複数計数処理の進行度合いを遊技者に報知するため、例えば、コマンドを受信する度に、または、コマンドを所定の複数回数(例えば2回)受信する度に、スピーカ134から出力させる計数音を変化させるとしてもよい。例えば、演出制御手段254は、「ド」、「レ」、「ミ」、「ファ」、「ソ」、「ラ」、「シ」、「ド」といった段階的な計数音を繰り返すことで、遊技者に多くの電子化メダルを計数処理していることをアピールすることができる。
【0187】
遊技者は、このような液晶表示部132の表示の変化、スピーカ134から出力されている音声の変化、演出用ランプ136の発光態様の変化によって、全計数処理に移行したこと、および、計数スイッチ126をOFFにしても計数処理を継続できることを把握することが可能となる。
【0188】
上述した実施形態では、全計数処理において遊技メダル数が0枚になったことによって計数処理を終了している。また、上述したようにVL接続信号がOFFとなった場合等、「遊技が可能な間」ではなくなった場合には、メダル数更新手段274は計数処理を停止する。
【0189】
なお、上記のように、全計数操作は、計数スイッチ126をOFFにしても全計数処理が継続する操作なので、長押し操作と異なり、計数スイッチ126のOFFによっては計数処理が停止されない。しかし、長押し操作においては連続計数処理を停止できるのに、全計数処理においては全計数処理を停止できないとすると利便性が劣ることとなる。そこで、全計数処理においては、遊技者が、一旦、計数スイッチ126をOFFした後に、さらに計数スイッチ126をONすることで、そのONエッジによって全計数処理を停止する機能を追加している。以下、全計数操作によって全計数処理が実行されている状態で、遊技者が、さらに計数スイッチ126をONした場合の計数処理の流れを説明する。
【0190】
図16は、計数スイッチ126を全計数操作した場合の計数処理の他の流れを説明するためのタイミングチャートである。
【0191】
図16のように、遊技者が、計数スイッチ126をONすると、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONエッジに応じて操作状態フラグを、一旦、1(短押し)に設定し、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を001bとする。また、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONエッジからの時間を計数タイマによって計時する。
【0192】
そして、計数スイッチ126のONエッジからの時間が500msec以上となると、メダル数更新手段274は、遊技者の操作を長押し操作と判定して連続計数処理を実行する。具体的に、メダル数更新手段274は、操作状態フラグを1(短押し)から2(長押し)に切り換え、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を010bとする。また、メダル数更新手段274は、計数予約フラグに2を設定して連続計数処理を予約する。
【0193】
そして、メダル数更新手段274は、計数タイミングにおいて操作状態フラグを参照し、操作状態フラグが2に設定されていると、計数通知の計数メダル数に「50」を設定する。また、メダル数更新手段274は、例えば、現在の遊技メダル数「1020」から50を減算し、遊技メダル数を「970」に更新する。これに伴い遊技メダル数表示装置128に遊技メダル数「970」が表示される。コマンド送受信手段272は、計数メダル数が設定された計数通知を専用ユニット300に送信する。なお、初回の連続計数処理が実行されると、計数予約フラグを残す必要がなくなるので、メダル数更新手段274は、計数予約フラグを0にリセットする。その後、メダル数更新手段274は、計数タイミングの度にかかる連続計数処理を実行する。したがって、遊技メダル数は50ずつ減算され、「920」→「870」→「820」→「770」→「720」→「670」→「620」→「570」→「520」→「470」のように変化する。
【0194】
そして、遊技者が、計数スイッチ126をONし続け、計数スイッチ126のONエッジからの時間が4000msec以上となると、メダル数更新手段274は、遊技者の操作を全計数操作と判定して全計数処理を実行する。具体的に、メダル数更新手段274は、操作状態フラグを2(長押し)から3(全計数)に切り換え計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を100bとする。コマンド送受信手段272は、全計数処理が実行されたことと、計数後の遊技メダル数とを示すコマンドをメインCPU200aに送信する。
【0195】
そして、メダル数更新手段274は、計数タイミングにおいて操作状態フラグを参照し、操作状態フラグが3に設定されていると、計数通知の計数メダル数に「50」を設定する。また、メダル数更新手段274は、例えば、現在の遊技メダル数「470」から50を減算し、遊技メダル数を「420」に更新する。これに伴い遊技メダル数表示装置128に遊技メダル数「420」が表示される。コマンド送受信手段272は、計数メダル数が設定された計数通知を専用ユニット300に送信する。メダル数更新手段274は、計数タイミングの度にかかる計数処理を実行する。したがって、遊技メダル数は50ずつ減算され、「370」→「320」→「270」→「220」のように変化する。
【0196】
このように、操作状態が全計数操作と判定されると、遊技者は、計数スイッチ126を操作し続けなくとも、長押し操作同様の計数処理が可能である。例えば、
図16のように、遊技者が、操作状態フラグが3に切り換った後に計数スイッチ126をOFFしたとしても、計数処理は中断することなく継続し、遊技メダル数が0になるまで計数し続ける。
【0197】
ここで、遊技者が、計数スイッチ126をOFFした後、再度、計数スイッチ126をONしたとする。メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONエッジに応じて、操作状態フラグを4(全計数解除)に設定し、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を000bにリセットして全計数操作を解除する。したがって、計数処理は、計数スイッチ126のONエッジで停止し、遊技メダル数は、計数スイッチ126のONエッジの前の計数タイミングにおける「220」で停止する。コマンド送受信手段272は、全計数処理が停止したことと、計数後の遊技メダル数とを示すコマンドをメインCPU200aに送信する。
【0198】
このような全計数処理においては、計数スイッチ126が再度ONされた場合、その計数スイッチ126の操作に応じて全計数処理が停止しさえすればよい。したがって、その計数スイッチ126の再度のONを短押し操作や長押し操作や新たな全計数操作と判定する必要はない。ここでは、全計数処理において、計数処理を停止するために計数スイッチ126がONされた場合、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のON状態が継続したとしても、短押し操作や長押し操作や新たな全計数操作と判定しない。したがって、仮に、計数スイッチ126のONエッジからの時間が500msec以上となったとしても連続計数処理は開始されず、その後、計数スイッチ126がOFFされたとしても、そのOFFエッジに応じて単数計数処理が実行されることはない。
【0199】
このように、全計数処理が実行されると、コマンド送受信手段272は、全計数処理が実行されたことと、計数後の遊技メダル数とを示すコマンドをメインCPU200aに送信する。当該コマンドを受信したメインCPU200aは、サブCPU240aにその旨のコマンドを送信する。そして、サブCPU240aは、計数処理によって電子化メダルが専用ユニット300に転送されていることを、液晶表示部132、スピーカ134、演出用ランプ136を通じて遊技者に報知する。
【0200】
具体的に、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONエッジからの時間が4000msec以上となったタイミングで、操作状態フラグを3に切り換えるとともに、計数処理状態管理バッファのビット2(全計数処理)を1に設定する。そして、コマンド送受信手段272は、計数処理状態管理バッファを参照し、全計数処理が実行されたことを示すコマンドをメインCPU200aに送信する。当該コマンドを受信したメインCPU200aは、コマンドを参照し、全計数処理が実行されたことを示すコマンドをサブCPU240aに送信する。また、ここでは、全計数処理が停止すると、その旨、メインCPU200aおよびサブCPU240aに伝達される。メダル数更新手段274は、全計数処理が停止すると、操作状態フラグを4に切り換えるとともに、計数処理状態管理バッファのビット2(全計数処理)を0にリセットする。そして、コマンド送受信手段272は、計数処理状態管理バッファを参照し、全計数処理が停止したことを示すコマンドをメインCPU200aに送信する。当該コマンドを受信したメインCPU200aは、コマンドを参照し、全計数処理が停止したことを示すコマンドをサブCPU240aに送信する。
【0201】
サブCPU240aの演出制御手段254は、コマンドの受信に応じ、例えば、メッセージ「計数中」と、1回目の連続計数処理完了後の遊技メダル数「970」とを液晶表示部132に表示し、コマンドを受信する毎に「920」→「870」→「820」→「770」→「720」→「670」→「620」→「570」→「520」→「470」と遊技メダル数の表示を更新する。また、演出制御手段254は、計数処理状態管理データのビット2(全計数処理)が1となったコマンドの受信に応じて、メッセージ「計数中」の表示をメッセージ「全計数中」に更新する。演出制御手段254は、引き続き、コマンドを受信する毎に「420」→「370」→「320」→「270」→「220」と遊技メダル数の表示を更新する。また、演出制御手段254は、計数処理状態管理データのビット2(全計数処理)が0となったコマンドの受信に応じて、メッセージ「全計数中」の表示をメッセージ「全計数終了」に更新し、コマンド受信から所定時間後、または、遊技者によるスイッチの操作に応じて、当該表示を削除する。また、演出制御手段254は、コマンドの受信に応じ、例えば、全計数処理が停止するまで、所定の計数音をスピーカ134から出力させる。ここで、演出制御手段254は、コマンドにおける計数処理状態管理データのビット2(全計数処理)が1になったことに応じて、スピーカ134から出力されている音声を変化させたり、全計数処理に移行したことを報知する特定の音声を出力させる特定演出を実行してもよい。また、演出制御手段254は、コマンドにおける計数処理状態管理データのビット2(全計数処理)が0になったことに応じて、スピーカ134から出力されている音声を変化させたり、全計数処理が停止したことを報知する特定の音声を出力させる終了演出を実行してもよい。演出制御手段254は、コマンドの受信に応じ、例えば、全計数処理が停止するまで、所定の発光色で演出用ランプ136を発光させる。ここで、演出制御手段254は、コマンドにおける計数処理状態管理データのビット2(全計数処理)が1になったことに応じて、演出用ランプ136で発光している発光色を変化させたり、全計数処理に移行したことを報知する特定の発光色を出力させたり、全計数処理に移行したことを点滅によって報知する特定演出を実行してもよい。また、演出制御手段254は、コマンドにおける計数処理状態管理データのビット2(全計数処理)が0になったことに応じて、演出用ランプ136で発光している発光色を変化させたり、全計数処理が停止したことを報知する特定の発光色を出力させたり、全計数処理が停止したことを点滅によって報知する終了演出を実行してもよい。
【0202】
遊技者は、このような液晶表示部132の表示の変化、スピーカ134から出力されている音声の変化、演出用ランプ136の発光態様の変化によって、全計数処理に移行したこと、および、計数スイッチ126をOFFにしても計数処理を継続できることを把握することが可能となる。また、遊技者は、全計数処理に移行したことに伴い、計数スイッチ126をOFFにした後、再度、計数スイッチ126をONすることで全計数処理が停止することを把握できる。
【0203】
なお、全計数操作と判定されるタイミング(ONエッジからの時間が4000msec)と計数タイミングとは独立しているので、計数処理状態管理データのビット2(全計数処理)が1となったコマンドを受信するタイミングと、計数タイミングに応じてコマンドを受信するタイミングとが重複する可能性は低い。しかし、両コマンドを受信するタイミングが近い場合、全計数処理が開始したことの報知と、計数処理が実行されたことの報知とが重複し、遊技者が、一方の報知を認識しにくくなるおそれがある。そこで、ここでは、全計数処理が開始したことの報知を、計数処理が実行されたことの報知より優先して実行する。例えば、液晶表示部132において、メッセージ「全計数中」を、遊技メダル数の表示より上位レイヤに配置したり、全計数処理が開始したことを示す音声を、計数処理が実行されたこと示す音声より音量を高めてスピーカ134から出力させたり、全計数処理が開始したことを示す発光態様で演出用ランプ136を発光させたりする。かかる構成により、遊技者は、全計数処理が開始したことを確実に把握することができ、計数スイッチ126をOFFしても、計数処理を継続することが可能となる。
【0204】
図17は、メダル数制御基板260における計数対応処理の流れの一例を示したフローチャートである。当該計数対応処理は、所定のタイマ割込み周期(例えば、1msec間隔)で実行される。
【0205】
(ステップS400)
メダル数更新手段274は、操作状態フラグを参照し、操作状態フラグが3(全計数)であるか否か判定する。その結果、操作状態フラグが3でなければ、ステップS401に処理を移し、操作状態フラグが3であれば、ステップS425に処理を移す。
【0206】
(ステップS401)
メダル数更新手段274は、計数スイッチ126がONされているか否か判定する。その結果、計数スイッチ126がONされていれば、ステップS402に処理を移し、計数スイッチ126がONされていなければ、ステップS415に処理を移す。
【0207】
(ステップS402)
メダル数更新手段274は、計数スイッチ126がONエッジであったか否か判定する。その結果、計数スイッチ126がONエッジであれば、ステップS403に処理を移し、計数スイッチ126がONエッジでなければ、ステップS404に処理を移す。
【0208】
(ステップS403)
計数スイッチ126がONエッジであれば、メダル数更新手段274は、一旦、遊技者の操作が短押し操作であるとして操作状態フラグに1を設定し、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を001bに設定し、当該計数対応処理を終了する。
【0209】
(ステップS404)
計数スイッチ126がONされているが、ステップS402においてONエッジではないと判定されると、メダル数更新手段274は、操作状態フラグが4(全計数解除)であるか否か判定する。その結果、操作状態フラグが4でなければ、ステップS405に処理を移し、操作状態フラグが4であれば、全計数操作が解除されたとして何ら計数処理を実行しないように、当該計数対応処理を終了する。
【0210】
(ステップS405)
続いて、メダル数更新手段274は、操作状態フラグが2(長押し)であるか否か判定する。その結果、操作状態フラグが2でなければ、ステップS406に処理を移し、操作状態フラグが2であれば、ステップS410に処理を移す。
【0211】
(ステップS406)
メダル数更新手段274は、計数タイマを参照し、計数スイッチ126のONエッジからの時間が500msec経過しているか否か判定する。その結果、500msec経過していれば、ステップS407に処理を移し、500msec経過していなければ、その操作はまだ短押し操作に相当すると判定し、操作状態フラグを変更することなくステップS409に処理を移す。
【0212】
(ステップS407)
計数スイッチ126のONエッジからの時間が500msec経過していれば、メダル数更新手段274は、その操作は長押し操作であるとして操作状態フラグに2(長押し)を設定し、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を010bに設定する。
【0213】
(ステップS408)
続いて、メダル数更新手段274は、少なくとも1回の連続計数処理を実行するために、計数予約フラグに2(連続計数処理)を設定する。
【0214】
(ステップS409)
メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONエッジからの時間を計時するため、計数タイマを1だけインクリメントする。ここでは、タイマ割込み周期を1msecとしているので、1だけインクリメントすることで、1msecずつ計時することとなる。
【0215】
(ステップS410)
計数スイッチ126のONエッジからの時間が500msec経過し、ステップS405において操作状態フラグが2(長押し)であると判定されると、メダル数更新手段274は、計数タイマを参照し、計数スイッチ126のONエッジからの時間が4000msec経過しているか否か判定する。その結果、4000msec経過していれば、ステップS411に処理を移し、4000msec経過していなければ、その操作はまだ長押し操作に相当すると判定し、操作状態フラグを変更することなくステップS412に処理を移す。
【0216】
(ステップS411)
計数スイッチ126のONエッジからの時間が4000msec経過していれば、メダル数更新手段274は、その操作は全計数操作であるとして操作状態フラグに3(全計数)を設定し、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を100bに設定する。コマンド送受信手段272は、全計数処理が開始されたことを伝達するため、全計数処理が実行されたことを示すコマンド(計数処理状態管理データのビット2=1)をメインCPU200aに送信する。
【0217】
(ステップS412)
続いて、メダル数更新手段274は、計数タイミングとなったか否か判定する。その結果、計数タイミングであれば、ステップS413に処理を移し、計数タイミングでなければ、計数処理を行うことなく、ステップS409に処理を移す。
【0218】
(ステップS413)
計数タイミングであれば、メダル数更新手段274は、長押し操作に基づく複数計数処理(連続計数処理)を行う。かかる複数計数処理については、後程詳述する。
【0219】
(ステップS414)
メダル数更新手段274は、長押し操作に基づく連続計数処理が少なくとも1回は実行されたとして、計数予約フラグを0(予約なし)にリセットする。
【0220】
(ステップS415)
ステップS401において計数スイッチ126がOFFされていると判定すると、メダル数更新手段274は、計数予約フラグが1であり(単数計数処理の予約)、かつ、計数タイミングとなったか否か判定する。その結果、計数予約フラグが1であり、かつ、計数タイミングであれば、ステップS416に処理を移し、計数予約フラグが1ではない、または、計数タイミングでなければ、単数計数処理を行うことなく、ステップS418に処理を移す。
【0221】
(ステップS416)
計数予約フラグが1であり、かつ、計数タイミングであれば、メダル数更新手段274は、短押し操作に基づく単数計数処理を行う。かかる単数計数処理については、後程詳述する。
【0222】
(ステップS417)
メダル数更新手段274は、短押し操作に基づく単数計数処理が実行されたとして、計数予約フラグを0(予約なし)にリセットし、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を000bにリセットする。
【0223】
(ステップS418)
続いて、メダル数更新手段274は、計数予約フラグが2であり(長押し操作が行われたが、計数タイミングが到来する前に計数スイッチ126がOFFになった)、かつ、計数タイミングとなったか否か判定する。その結果、計数予約フラグが2であり、かつ、計数タイミングであれば、ステップS413の複数計数処理を実行し、計数予約フラグが2ではない、または、計数タイミングでなければ、複数計数処理を行うことなく、ステップS420に処理を移す。ステップS413の複数計数処理については、後程詳述する。
【0224】
(ステップS419)
メダル数更新手段274は、長押し操作に基づく複数計数処理が実行されたとして、計数予約フラグを0(予約なし)にリセットし、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を000bにリセットする。
【0225】
(ステップS420)
メダル数更新手段274は、計数スイッチ126がOFFエッジであったか否か判定する。その結果、計数スイッチ126がOFFエッジであれば、ステップS421に処理を移し、計数スイッチ126がOFFエッジでなければ、当該計数対応処理を終了する。
【0226】
(ステップS421)
計数スイッチ126がOFFされており、かつ、OFFエッジであれば、メダル数更新手段274は、操作状態フラグが1(短押し)であるか否か判定する。その結果、操作状態フラグが1であれば、ステップS422に処理を移し、操作状態フラグが1でなければ、ステップS423に処理を移す。
【0227】
(ステップS422)
続いて、メダル数更新手段274は、単数計数処理を実行するために、計数予約フラグに1(単数計数処理)を設定する。こうして、ステップS415において、計数予約フラグが1であり、かつ、計数タイミングとなると、ステップS416の単数計数処理が実行される。
【0228】
(ステップS423)
メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のOFFエッジに応じて短押し操作や長押し操作をリセットするために操作状態フラグに0(非操作)を設定し、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を000bにリセットする。ただし、メダル数更新手段274は、計数予約フラグが1または2であれば、操作状態フラグに0(非操作)を設定するが、計数処理状態管理バッファの値を維持するため、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を000bにリセットしない。
【0229】
(ステップS424)
メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のOFFエッジに応じて計数タイマを0にリセットする。また、メダル数更新手段274は、複数計数回数カウンタも0にリセットする。かかる複数計数回数カウンタは、複数計数処理を実行した回数を計数するカウンタである。
【0230】
(ステップS425)
ステップS400において操作状態フラグが3であると判定されると、すなわち、全計数操作が実行されていると判定されると、ステップS401による計数スイッチ126のON/OFFを判定することなく、メダル数更新手段274は、計数タイミングとなったか否か判定する。その結果、計数タイミングであれば、ステップS413の複数計数処理を実行し、計数タイミングでなければ、計数処理を行うことなく、ステップS426に処理を移す。
【0231】
(ステップS426)
メダル数更新手段274は、計数スイッチ126がONエッジであったか否か判定する。その結果、計数スイッチ126がONエッジであれば、ステップS427に処理を移し、計数スイッチ126がONエッジでなければ、当該計数対応処理を終了する。
【0232】
(ステップS427)
計数スイッチ126がONエッジであれば、メダル数更新手段274は、全計数操作が解除されたとして操作状態フラグに4(全計数解除)を設定し、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を000bにリセットする。コマンド送受信手段272は、全計数処理が停止されたことを伝達するため、全計数処理が停止したことを示すコマンド(計数処理状態管理データのビット2=0)をメインCPU200aに送信する。ここで、操作状態フラグを4とすることで、全計数処理の解除のため計数スイッチ126がONになったとしても、ステップS404において当該計数対応処理を終了するので、新たに計数スイッチ126の操作を例えば短押し操作と判定することはない。
【0233】
(ステップS428)
メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のOFFエッジに応じて計数タイマを0にリセットする。また、メダル数更新手段274は、複数計数回数カウンタも0にリセットし、当該計数対応処理を終了する。
【0234】
図18は、複数計数処理(S413)の流れの一例を示したフローチャートである。
【0235】
(ステップS413-1)
メダル数更新手段274は、その時点の遊技メダル数が50枚以上であるか否か判定する。その結果、遊技メダル数が50枚以上であれば、ステップS413-2に処理を移し、遊技メダル数が50枚未満であれば、ステップS413-4に処理を移す。
【0236】
(ステップS413-2)
遊技メダル数が50枚以上であれば、メダル数更新手段274は、計数通知に50枚を設定する。
【0237】
(ステップS413-3)
メダル数更新手段274は、複数計数回数カウンタを1だけインクリメントする。かかる複数計数回数カウンタの値は、例えば、計数処理の回数によって、液晶表示部132の表示、スピーカ134から出力されている音声、演出用ランプ136の発光色を変化させるために用いることができる。
【0238】
(ステップS413-4)
遊技メダル数が50枚未満であれば、メダル数更新手段274は、その時点の遊技メダル数全てを計数通知に設定する。
【0239】
(ステップS413-5)
メダル数更新手段274は、操作状態フラグが3(全計数)であり、かつ、計数スイッチ126がOFFであるか否か判定する。その結果、操作状態フラグが3であり、かつ、計数スイッチ126がOFFであれば、ステップS413-6に処理を移し、操作状態フラグが3ではない、または、計数スイッチ126がONであれば、ステップS413-7に処理を移す。
【0240】
(ステップS413-6)
操作状態フラグが3であり、かつ、計数スイッチ126がOFFであれば、メダル数更新手段274は、全計数処理が終了したとして、操作状態フラグを0(非操作)にリセットし、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を000bにリセットする。
【0241】
(ステップS413-7)
コマンド送受信手段272は、計数メダル数が設定された計数通知を専用ユニット300に送信する。
【0242】
(ステップS413-8)
続いて、コマンド送受信手段272は、複数計数処理(連続計数処理または全計数処理)が実行されたことと、計数後の遊技メダル数とを示すコマンドをメインCPU200aに送信し、当該複数計数処理を終了する。
【0243】
図19は、単数計数処理(S415)の流れの一例を示したフローチャートである。
【0244】
(ステップS415-1)
メダル数更新手段274は、その時点の遊技メダル数が1枚以上であるか否か判定する。その結果、遊技メダル数が1枚以上であれば、ステップS415-2に処理を移し、遊技メダル数が1枚未満、すなわち0枚であれば、当該単数計数処理を終了する。
【0245】
(ステップS415-2)
遊技メダル数が1枚以上であれば、メダル数更新手段274は、計数通知に1枚を設定する。
【0246】
(ステップS415-3)
コマンド送受信手段272は、計数メダル数が設定された計数通知を専用ユニット300に送信する。
【0247】
(ステップS415-4)
続いて、コマンド送受信手段272は、単数計数処理が実行されたことと、計数後の遊技メダル数とを示すコマンドをメインCPU200aに送信し、当該単数計数処理を終了する。
【0248】
図20は、主制御基板200における計数対応処理の流れの一例を示したフローチャートである。
【0249】
(ステップS450)
メインCPU200aにおけるコマンド送受信手段226は、メダルCPU260aにおけるコマンド送受信手段272から、計数処理が実行されたことと、計数後の遊技メダル数とを示すコマンドを受信したか否か判定する。その結果、コマンドを受信していれば、ステップS451に処理を移し、コマンドを受信していなければ、当該計数対応処理を終了する。
【0250】
(ステップS451)
コマンド送受信手段226は、今回受信したコマンドと、保持しているコマンドとが異なるか否か判定する。その結果、コマンドが異なっていれば、ステップS452に処理を移し、コマンドが異なっていなければ、当該計数対応処理を終了する。
【0251】
(ステップS452)
コマンドが異なっていれば、コマンド送受信手段226は、受信したコマンドの少なくとも計数処理状態管理データをそのままサブCPU240aに送信する。こうして、サブCPU240aは、計数処理によって電子化メダルが専用ユニット300に転送されていることを、液晶表示部132、スピーカ134、演出用ランプ136を通じて遊技者に報知することができる。
【0252】
(ステップS453)
コマンド送受信手段226は、受信したコマンドを次回の比較に用いるためメインRAM200cに保持し、当該計数対応処理を終了する。
【0253】
図21は、副制御基板240における計数対応処理の流れの一例を示したフローチャートである。
【0254】
(ステップS470)
サブCPU240aにおけるコマンド受信手段252は、メインCPU200aにおけるコマンド送受信手段226から、計数処理が実行されたことと、計数後の遊技メダル数とを示すコマンドを受信したか否か判定する。その結果、コマンドを受信していれば、ステップS471に処理を移し、コマンドを受信していなければ、ステップS478に処理を移す。
【0255】
(ステップS471)
サブCPU240aの演出制御手段254は、受信したコマンドに示される計数後の遊技メダル数が0であるか否か判定する。その結果、計数後の遊技メダル数が0でなければ、ステップS472に処理を移し、計数後の遊技メダル数が0であれば、ステップS477に処理を移す。
【0256】
(ステップS472)
演出制御手段254は、受信したコマンドにおける計数処理状態管理データのビット2が1であるか否か判定する。その結果、計数処理状態管理データのビット2が1であれば、ステップS473に処理を移し、計数処理状態管理データのビット2が1でなければ、ステップS474に処理を移す。
【0257】
(ステップS473)
計数処理状態管理データのビット2が1であれば、演出制御手段254は、全計数処理が開始されているとして、全計数処理の演出、例えば、液晶表示部132にメッセージ「全計数中」を表示したり、スピーカ134から出力されている音声を変化させたり、演出用ランプ136で発光している発光色を変化させたりする。
【0258】
(ステップS474)
演出制御手段254は、受信したコマンドにおける計数処理状態管理データのビット2が0であるか否か判定する。その結果、計数処理状態管理データのビット2が0であれば、ステップS475に処理を移し、計数処理状態管理データのビット2が0でなければ、ステップS476に処理を移す。
【0259】
(ステップS475)
計数処理状態管理データのビット2が0であれば、演出制御手段254は、全計数処理が終了(停止)したとして、全計数処理の終了演出、例えば、液晶表示部132にメッセージ「全計数終了」を表示したり、スピーカ134から出力されている音声を変化させたり、演出用ランプ136で発光している発光色を変化させたりする。
【0260】
(ステップS476)
演出制御手段254は、液晶表示部132に、計数後の遊技メダル数を表示し、当該計数対応処理を終了する。
【0261】
(ステップS477)
ステップS471において、計数後の遊技メダル数が0であると判定すると、演出制御手段254は、計数処理に関する演出を終了し、当該計数対応処理を終了する。
【0262】
(ステップS478)
ステップS470において、コマンドを受信していないと判定すると、演出制御手段254は、前回コマンドを受信してからの時間が400msec以上経過しているか否か判定する。その結果、400msec以上経過していれば、ステップS479に処理を移し、400msecに到達していなければ、当該計数対応処理を終了する。
【0263】
(ステップS479)
ステップS478において、前回コマンドを受信してからの時間が400msec以上経過していると判定すると、演出制御手段254は、計数処理に関する演出を終了し、当該計数対応処理を終了する。なお、計数処理に関する演出として設定されている演出データが400msec以上の演出データ、例えば、ループデータではない画像データ、音声データ、発光データ、例えば全計数終了時の「お疲れさまでした」の音声や、それに伴う画像表示、ランプ発光等である場合は、その演出データを途中で終了することなく、400msecを超えて演出を継続させてもよい。
【0264】
このように、スロットマシン100は、遊技価値(例えば、電子化メダル)を用いて行う遊技を制御する遊技制御手段(例えば、メインCPU200a)と、遊技価値を、例えば、遊技メダル数として管理する管理制御手段(例えば、メダルCPU260a、メダル数更新手段274)と、管理制御手段が管理する遊技価値の少なくとも一部を外部装置(例えば、専用ユニット300)に転送する計数処理を行わせるための遊技者の操作を受け付ける計数操作手段(例えば、計数スイッチ126)と、を備え、管理制御手段は、計数操作手段が連続的にONされている時間が第1時間(例えば、500msec)以上となると、所定周期(例えば、300msec周期)で所定数(例えば、50)の遊技価値を転送する計数処理である複数計数処理を実行し、計数操作手段が連続的にONされている時間が第1時間より長い第2時間(例えば、4000msec)以上となると、計数操作手段がOFFされたとしても複数計数処理を実行可能となる。
【0265】
かかる構成により、遊技者が計数スイッチ126を所定時間継続してONし続けると、その後、計数スイッチ126をOFFしたとしても、計数処理が継続される。したがって、電子化メダルの計数処理にかかる操作負担を軽減し、遊技者の利便性を向上することが可能となる。
【0266】
(計数スイッチ126の他の操作例)
上述した実施形態では、遊技者が、計数スイッチ126をONし続け、計数スイッチ126のONエッジからの時間が4000msec以上となると、メダル数更新手段274が全計数処理を実行する例を挙げて説明した。しかし、かかる構成では、計数タイマを参照し、その値が4000msec以上であるか否かの判定が必要となる。ところで、
図18の複数計数処理のステップS413-3では、複数計数回数カウンタを計数している。したがって、ここでは、計数されている複数計数回数カウンタの値を用いて全計数処理への移行を実現する。例えば、メダル数更新手段274は、計数タイマの値が4000msec以上となっているか否か判定する代わりに、複数計数回数カウンタが所定値以上となっているか否かを判定し、その結果に応じて全計数処理を実行する。
【0267】
ここで、複数計数回数カウンタの値と比較する所定値を定める。遊技者が計数スイッチ126をONするタイミングと計数タイミングは異なる。また、全計数操作と判定されるタイミング(ONエッジからの時間が4000msec)と計数タイミングも異なる。したがって、複数計数回数カウンタの値が更新されるタイミング、すなわち、計数タイミングが、ONエッジから4000msec経過のタイミングと等しくなることはほぼない。したがって、計数スイッチ126のONエッジからの時間を4000msec以上確保できる値を所定値として定める。
【0268】
計数タイミングの回数(複数計数回数カウンタの値)を任意の値とし、計数スイッチ126のONエッジから計数タイミングの回数が任意の値となるまでの時間が最小となるのは、計数スイッチ126のONエッジから500msecとなるタイミングが計数タイミングの直前(もしくは同時)となる場合である。このように、計数スイッチ126のONエッジから500msecのタイミングが計数タイミングの直前となる場合、計数スイッチ126のONエッジからの時間が4000msecに近くなるのは、計数タイミングの回数が12回の3800msec(500+300×11)と、13回の4100msec(500+300×12)である。ここでは、複数計数回数カウンタの更新時を、計数スイッチ126のONエッジから4000msecが確実に経過したタイミングとしたいので、メダル数更新手段274は、計数タイミングの回数が13回、すなわち、複数計数回数カウンタの値が13のタイミングで全計数操作と判定することとする。そうすると、計数スイッチ126のONエッジから計数タイミングの回数が所定値となるまでの時間が最大となる、計数スイッチ126のONエッジから500msecのタイミングが計数タイミングの直後の場合でも、計数タイミングの回数が13回の時点では、計数スイッチ126のONエッジから4400msecとなる。このように、計数タイミングの回数が13回となるタイミングは、計数スイッチ126のONエッジから4100msec~4400msecの範囲内となり、計数スイッチ126のONエッジから4000msec以上の条件を十分に満たす。
【0269】
なお、ここでは、所定値を、計数スイッチ126のONエッジから4000msec以上の条件を満たす値のうち最小となる13回としているが、かかる場合に限らず、計数スイッチ126のONエッジから4000msec以上の条件さえ満たせば、所定値を14回以上の値とすることもできる。
【0270】
以下、メダル数更新手段274は、計数タイマの値が4000msec以上となっているか否か判定する代わりに、複数計数回数カウンタが13以上となっているか否かを判定する例を挙げて説明する。
【0271】
図22は、計数スイッチ126を全計数操作した場合の計数処理の流れを説明するためのタイミングチャートである。
【0272】
図22のように、遊技者が、計数スイッチ126をONすると、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONエッジに応じて操作状態フラグを、一旦、1(短押し)に設定し、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を001bとする。また、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONエッジからの時間を計数タイマによって計時する。
【0273】
そして、計数スイッチ126のONエッジからの時間が500msec以上となると、メダル数更新手段274は、遊技者の操作を長押し操作と判定して連続計数処理を実行する。具体的に、メダル数更新手段274は、操作状態フラグを1(短押し)から2(長押し)に切り換え、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を010bとする。また、メダル数更新手段274は、計数予約フラグに2(連続計数処理)を設定して連続計数処理を予約する。
【0274】
そして、メダル数更新手段274は、計数タイミングにおいて操作状態フラグを参照し、操作状態フラグが2に設定されていると、計数通知の計数メダル数に「50」を設定する。このとき、メダル数更新手段274は、複数計数回数カウンタを1だけインクリメントし、「1」に更新する。また、メダル数更新手段274は、例えば、現在の遊技メダル数「1020」から50を減算し、遊技メダル数を「970」に更新する。これに伴い遊技メダル数表示装置128に遊技メダル数「970」が表示される。コマンド送受信手段272は、計数メダル数が設定された計数通知を専用ユニット300に送信する。なお、初回の連続計数処理が実行されると、計数予約フラグを残す必要がなくなるので、メダル数更新手段274は、計数予約フラグを0にリセットする。その後、メダル数更新手段274は、計数タイミングの度にかかる連続計数処理を実行する。したがって、複数計数回数カウンタは、1ずつインクリメントされ、「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→「7」→「8」→「9」→「10」→「11」→「12」のように変化し、遊技メダル数は50ずつ減算され、「920」→「870」→「820」→「770」→「720」→「670」→「620」→「570」→「520」→「470」→「420」のように変化する。
【0275】
そして、遊技者が、計数スイッチ126をONし続け、複数計数回数カウンタの値が「13」となると、メダル数更新手段274は、遊技者の操作を全計数操作と判定して全計数処理を実行する。具体的に、メダル数更新手段274は、操作状態フラグを2(長押し)から3(全計数)に切り換える。なお、本実施形態においては、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を100bとせず、010bを維持する。ここでは、ビット2を用いないので、計数処理状態管理データにおいて情報を追加する領域を確保することができる。
【0276】
そして、メダル数更新手段274は、計数タイミングにおいて操作状態フラグを参照し、操作状態フラグが3に設定されていると、操作状態フラグが2に設定されているときと同様に、計数通知の計数メダル数に「50」を設定する。また、メダル数更新手段274は、例えば、現在の遊技メダル数「420」から50を減算し、遊技メダル数を「370」に更新する。これに伴い遊技メダル数表示装置128に遊技メダル数「370」が表示される。コマンド送受信手段272は、計数メダル数が設定された計数通知を専用ユニット300に送信する。メダル数更新手段274は、計数タイミングの度にかかる計数処理を実行する。したがって、複数計数回数カウンタは、1ずつインクリメントされ、「14」→「15」→「16」→「17」→「18」→「19」→「20」のように変化し、遊技メダル数は50ずつ減算され、「320」→「270」→「220」→「170」→「120」→「70」→「20」のように変化する。そして、遊技メダル数が50に満たない、例えば、「20」となると、メダル数更新手段274は、計数タイミングにおいて計数メダル数に残りの全ての遊技メダル数「20」を設定する。したがって、遊技メダル数は0となり、全計数操作による計数処理が終了する。メダル数更新手段274は、全計数操作による計数処理が終了すると、操作状態フラグを0(非操作)に設定するとともに、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を000bにリセットして全計数操作を解除する。また、メダル数更新手段274は、複数計数回数カウンタを0にリセットする。
【0277】
このように、操作状態が全計数操作と判定されると、遊技者は、計数スイッチ126を操作し続けなくとも、長押し操作と同様の計数処理が可能である。例えば、
図22のように、遊技者が、操作状態フラグが3に切り換った後に計数スイッチ126をOFFしたとしても、計数処理は中断することなく継続し、遊技メダル数が0になるまで計数し続ける。
【0278】
このように、全計数処理が実行されると、コマンド送受信手段272は、計数処理が実行されたことと、計数後の遊技メダル数とを示すコマンドをメインCPU200aに送信する。当該コマンドを受信したメインCPU200aは、サブCPU240aにその旨のコマンドを送信する。そして、サブCPU240aは、計数処理によって電子化メダルが専用ユニット300に転送されていることを、液晶表示部132、スピーカ134、演出用ランプ136を通じて遊技者に報知する。
【0279】
具体的に、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONエッジからの時間が500msec以上となったタイミングで、操作状態フラグを2に切り換えるとともに、計数処理状態管理バッファのビット1(連続計数処理)を1に設定する。そして、コマンド送受信手段272は、計数処理状態管理バッファを参照し、全計数処理が実行されたことを示すコマンドをメインCPU200aに送信する。このとき、コマンド送受信手段272は、計数処理状態管理データをそのままコマンドの一部としてメインCPU200aに送信することで、連続計数処理が実行されたことを伝達するとしてもよい。当該コマンドを受信したメインCPU200aは、コマンドを参照し、連続計数処理が実行されたことを示すコマンドをサブCPU240aに送信する。このとき、メインCPU200aは、メダル数制御基板260から送信されたコマンドの少なくとも計数処理状態管理データをそのままコマンドの一部としてサブCPU240aに送信することで、連続計数処理が実行されたことを伝達するとしてもよい。なお、メインCPU200aは、メダル数制御基板260から送信されたコマンドが変化した場合にのみ、例えば、計数処理状態管理データのビット1(連続計数処理)がOFFからONになった場合にのみコマンドをサブCPU240aに送信するとしてもよい。
【0280】
サブCPU240aの演出制御手段254は、計数処理状態管理データのビット1が1となっているコマンドの受信に応じ、例えば、サブ計数回数カウンタを1だけインクリメントして「1」に更新するとともに、メッセージ「計数中」と、1回目の連続計数処理完了後の遊技メダル数「970」とを液晶表示部132に表示する。ここで、サブ計数回数カウンタは、複数計数処理の実行を示すコマンドを受信した回数を計数するカウンタである。続いて、演出制御手段254は、コマンドを受信する毎に、サブ計数回数カウンタを「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→「7」→「8」→「9」→「10」→「11」→「12」と更新し、遊技メダル数の表示を「920」→「870」→「820」→「770」→「720」→「670」→「620」→「570」→「520」→「470」→「420」と更新する。また、演出制御手段254は、コマンドの受信に応じ、サブ計数回数カウンタが「13」となったことに応じて、全計数処理が開始したと判定し、メッセージ「計数中」の表示をメッセージ「全計数中」(「計数スイッチをOFFできます」等を加えて表示することも可能)に更新する。演出制御手段254は、引き続き、コマンドを受信する毎に、遊技メダル数の表示を「370」→「320」→「270」→「220」→「170」→「120」→「70」→「20」と更新する。また、演出制御手段254は、全計数処理によって遊技メダル数が0となると、メッセージ「全計数終了」と、遊技メダル数「0」とを液晶表示部132に表示し、コマンド受信から所定時間後、または、遊技者によるスイッチの操作に応じて、当該表示を削除する。また、演出制御手段254は、コマンドの受信に応じ、例えば、連続計数処理によって遊技メダル数が0となるまで、所定の計数音をスピーカ134から出力させる。また、演出制御手段254は、連続計数処理によって遊技メダル数が0となると、遊技が終了したと判定し、音声「お疲れさまでした」等の終了音声をスピーカ134から出力させる。ここで、演出制御手段254は、サブ計数回数カウンタが「13」になったことに応じて、スピーカ134から出力されている音声を変化させたり、全計数処理に移行したことを報知する特定の音声を出力させる特定演出を実行してもよい。また、演出制御手段254は、コマンドの受信に応じ、例えば、連続計数処理によって遊技メダル数が0となるまで、所定の発光色で演出用ランプ136を発光させる。ここで、演出制御手段254は、サブ計数回数カウンタが「13」になったことに応じて、演出用ランプ136で発光している発光色を変化させたり、全計数処理に移行したことを報知する特定の発光色を出力させたり、全計数処理に移行したことを点滅によって報知する特定演出を実行してもよい。
【0281】
ここでは、演出制御手段254がサブ計数回数カウンタを用いて全計数処理となるタイミングを自己完結的に特定している。したがって、複数計数処理が実行されていること(計数処理状態管理データのビット1=1)を把握しさえすれば、
図15~
図21を用いて説明したように、全計数処理が実行されていること(計数処理状態管理データのビット2=1)を把握する必要がない。したがって、コマンドやプログラムの変更等に伴う設計負荷を軽減することが可能となる。
【0282】
なお、メダルCPU260aにおいて複数計数回数カウンタが13となるのと、演出制御手段254においてサブ計数回数カウンタが13となるのは、通信の伝達遅れはあるものの、ほぼ同時となる。したがって、メダル数制御基板260において全計数処理となるのと、遊技者が全計数処理の開始を認識するタイミングは等しくなる。したがって、遊技者は、このような液晶表示部132の表示の変化、スピーカ134から出力されている音声の変化、演出用ランプ136の発光態様の変化によって、全計数処理に移行したこと、および、計数スイッチ126をOFFにしても計数処理を継続できることを把握することが可能となる。
【0283】
なお、確実性の観点から、コマンド送受信手段272は、コマンドにおいて計数処理状態管理データのビット2を変化させるとしてもよい。かかる構成により、演出制御手段254は、サブ計数回数カウンタが13以上となることのみならず、計数処理状態管理データのビット2が1であることも確認して全計数処理が開始されたと判定できるので、全計数処理の移行を確実に把握することが可能となる。また、確実性の観点から、コマンド送受信手段272は、コマンドに複数計数処理(連続計数処理および全計数処理)が実行される回数を含めるとしてもよい。かかる構成により、演出制御手段254は、サブ計数回数カウンタの値とコマンドに示される複数計数処理が実行される回数とを比較し、その整合性をとることが可能となる。
【0284】
なお、ここでは、演出制御手段254が、複数計数処理が実行されている(計数処理状態管理データのビット1またはビット2=1)ことを把握することを前提に、コマンドを連続して13回受信することで、全計数処理が開始していることを特定する例を挙げて説明した。しかし、遊技者が計数タイミング間に短押し操作を13回連続で行うことは実質的に不可能である。したがって、演出制御手段254は、複数計数処理が実行されている(計数処理状態管理データのビット1またはビット2=1)ことを把握しなくても、コマンドを連続して13回受信することで、全計数処理が開始していることを特定することができる。かかる構成により、演出制御手段254は、簡易な処理で全計数処理への移行を把握できるので、設計負荷をさらに軽減することが可能となる。
【0285】
図23は、計数スイッチ126を全計数操作した場合の計数処理の他の流れを説明するためのタイミングチャートである。
【0286】
図23のように、遊技者が、計数スイッチ126をONすると、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONエッジに応じて操作状態フラグを、一旦、1(短押し)に設定し、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を001bとする。また、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONエッジからの時間を計数タイマによって計時する。
【0287】
そして、計数スイッチ126のONエッジからの時間が500msec以上となると、メダル数更新手段274は、遊技者の操作を長押し操作と判定して連続計数処理を実行する。具体的に、メダル数更新手段274は、操作状態フラグを1(短押し)から2(長押し)に切り換え、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を010bとする。また、メダル数更新手段274は、計数予約フラグに2を設定して連続計数処理を予約する。
【0288】
そして、メダル数更新手段274は、計数タイミングにおいて操作状態フラグを参照し、操作状態フラグが2に設定されていると、計数通知の計数メダル数に「50」を設定する。このとき、メダル数更新手段274は、複数計数回数カウンタを1だけインクリメントし、「1」に更新する。また、メダル数更新手段274は、例えば、現在の遊技メダル数「1020」から50を減算し、遊技メダル数を「970」に更新する。これに伴い遊技メダル数表示装置128に遊技メダル数「970」が表示される。コマンド送受信手段272は、計数メダル数が設定された計数通知を専用ユニット300に送信する。なお、初回の連続計数処理が実行されると、計数予約フラグを残す必要がなくなるので、メダル数更新手段274は、計数予約フラグを0にリセットする。その後、メダル数更新手段274は、計数タイミングの度にかかる連続計数処理を実行する。したがって、複数計数回数カウンタは、1ずつインクリメントされ、「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→「7」→「8」→「9」→「10」→「11」→「12」のように変化し、遊技メダル数は50ずつ減算され、「920」→「870」→「820」→「770」→「720」→「670」→「620」→「570」→「520」→「470」→「420」のように変化する。
【0289】
そして、遊技者が、計数スイッチ126をONし続け、複数計数回数カウンタの値が「13」となると、メダル数更新手段274は、遊技者の操作を全計数操作と判定して全計数処理を実行する。具体的に、メダル数更新手段274は、操作状態フラグを2(長押し)から3(全計数)に切り換える。なお、本実施形態においては、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を100bとせず、010bを維持する。ここでは、ビット2を用いないので、情報を追加する領域を確保することができる。
【0290】
そして、メダル数更新手段274は、計数タイミングにおいて操作状態フラグを参照し、操作状態フラグが3に設定されていると、計数通知の計数メダル数に「50」を設定する。また、メダル数更新手段274は、例えば、現在の遊技メダル数「420」から50を減算し、遊技メダル数を「370」に更新する。これに伴い遊技メダル数表示装置128に遊技メダル数「370」が表示される。コマンド送受信手段272は、計数メダル数が設定された計数通知を専用ユニット300に送信する。メダル数更新手段274は、計数タイミングの度にかかる計数処理を実行する。したがって、複数計数回数カウンタは、1ずつインクリメントされ、「14」→「15」→「16」のように変化し、遊技メダル数は50ずつ減算され、「320」→「270」→「220」のように変化する。
【0291】
このように、操作状態が全計数操作と判定されると、遊技者は、計数スイッチ126を操作し続けなくとも、長押し操作同様の計数処理が可能である。例えば、
図23のように、遊技者が、操作状態フラグが3に切り換った後に計数スイッチ126をOFFしたとしても、計数処理は中断することなく継続し、遊技メダル数が0になるまで計数し続ける。
【0292】
ここで、遊技者が、計数スイッチ126をOFFした後、再度、計数スイッチ126をONしたとする。メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONエッジに応じて、操作状態フラグを4(全計数解除)に設定するとともに、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を000bにリセットして全計数操作を解除する。また、メダル数更新手段274は、複数計数回数カウンタを0にリセットする。したがって、計数処理は、計数スイッチ126のONエッジで停止し、遊技メダル数は、計数スイッチ126のONエッジの前の計数タイミングにおける「220」で停止する。
【0293】
このような全計数処理においては、計数スイッチ126が再度ONされた場合、その計数スイッチ126の操作に応じて全計数処理が停止しさえすればよい。したがって、その計数スイッチ126の再度のONを短押し操作や長押し操作や新たな全計数操作と判定する必要はない。ここでは、全計数処理において、計数処理を停止するために計数スイッチ126がONされた場合、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のON状態が継続したとしても、短押し操作や長押し操作や新たな全計数操作と判定しない。したがって、仮に、計数スイッチ126のONエッジからの時間が500msec以上となったとしても連続計数処理は開始されず、その後、計数スイッチ126がOFFされたとしても、そのOFFエッジに応じて単数計数処理が実行されることはない。
【0294】
このように、全計数処理が実行されると、コマンド送受信手段272は、計数処理が実行されたことと、計数後の遊技メダル数とを示すコマンドをメインCPU200aに送信する。当該コマンドを受信したメインCPU200aは、サブCPU240aにその旨のコマンドを送信する。そして、サブCPU240aは、計数処理によって電子化メダルが専用ユニット300に転送されていることを、液晶表示部132、スピーカ134、演出用ランプ136を通じて遊技者に報知する。
【0295】
具体的に、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONエッジからの時間が500msec以上となったタイミングで、操作状態フラグを2に切り換えるとともに、計数処理状態管理バッファのビット1(連続計数処理)を1に設定する。そして、コマンド送受信手段272は、計数処理状態管理バッファを参照し、全計数処理が実行されたことを示すコマンドをメインCPU200aに送信する。当該コマンドを受信したメインCPU200aは、コマンドを参照し、連続計数処理が実行されたことを示すコマンドをサブCPU240aに送信する。なお、メインCPU200aは、メダル数制御基板260から送信されたコマンドが変化した場合にのみ、例えば、計数処理状態管理データのビット1(連続計数処理)がOFFからONになった場合にのみコマンドをサブCPU240aに送信するとしてもよい。
【0296】
また、ここでは、連続計数処理が停止すると、その旨、メインCPU200aおよびサブCPU240aに伝達される。メダル数更新手段274は、連続計数処理が停止すると、操作状態フラグを4に切り換えるとともに、計数処理状態管理バッファのビット1(連続計数処理)を0にリセットする。そして、コマンド送受信手段272は、計数処理状態管理バッファを参照し、全計数処理が停止したことを示すコマンドをメインCPU200aに送信する。当該コマンドを受信したメインCPU200aは、コマンドを参照し、全計数処理が停止したことを示すコマンドをサブCPU240aに送信する。
【0297】
サブCPU240aの演出制御手段254は、計数処理状態管理データのビット1が1となっているコマンドの受信に応じ、例えば、サブ計数回数カウンタを1だけインクリメントして「1」に更新するとともに、メッセージ「計数中」と、1回目の連続計数処理完了後の遊技メダル数「970」とを液晶表示部132に表示する。ここで、サブ計数回数カウンタは、複数計数処理の実行を示すコマンドを受信した回数を計数するカウンタである。続いて、演出制御手段254は、コマンドを受信する毎に、サブ計数回数カウンタを「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→「7」→「8」→「9」→「10」→「11」→「12」と更新し、遊技メダル数の表示を「920」→「870」→「820」→「770」→「720」→「670」→「620」→「570」→「520」→「470」→「420」と更新する。また、演出制御手段254は、コマンドの受信に応じ、サブ計数回数カウンタが「13」となったことに応じて、全計数処理が開始したと判定し、メッセージ「計数中」の表示をメッセージ「全計数中」(「計数スイッチをOFFできます」等を加えて表示することも可能)に更新する。演出制御手段254は、引き続き、コマンドを受信する毎に、遊技メダル数の表示を「370」→「320」→「270」→「220」と更新し、コマンド受信から所定時間後、または、遊技者によるスイッチの操作に応じて、当該表示を削除する。また、演出制御手段254は、コマンドの受信に応じ、例えば、連続計数処理によって遊技メダル数が0となるまで、所定の計数音をスピーカ134から出力させる。また、演出制御手段254は、連続計数処理によって遊技メダル数が0となると、遊技が終了したと判定し、音声「お疲れさまでした」等の終了音声をスピーカ134から出力させる。ここで、演出制御手段254は、サブ計数回数カウンタが「13」になったことに応じて、スピーカ134から出力されている音声を変化させたり、全計数処理に移行したことを報知する特定の音声を出力させる特定演出を実行してもよい。また、演出制御手段254は、コマンドの受信に応じ、例えば、連続計数処理によって遊技メダル数が0となるまで、所定の発光色で演出用ランプ136を発光させる。ここで、演出制御手段254は、サブ計数回数カウンタが「13」になったことに応じて、演出用ランプ136で発光している発光色を変化させたり、全計数処理に移行したことを報知する特定の発光色を出力させたり、全計数処理に移行したことを点滅によって報知する特定演出を実行してもよい。また、演出制御手段254は、連続計数処理の実行によってメインCPU200aから本来コマンドを受信するタイミングでコマンドを受信しなかった(例えば、400msecの間、コマンドを受信しなかった)ことに基づいて、全計数処理が中断(終了)したと判定することができる。ここで、コマンドを受信しなかったと判定するタイミングは、400msecに限らず、310msec~590msecとしてもよい。
【0298】
遊技者は、このような液晶表示部132の表示の変化、スピーカ134から出力されている音声の変化、演出用ランプ136の発光態様の変化によって、全計数処理に移行したこと、および、計数スイッチ126をOFFにしても計数処理を継続できることを把握することが可能となる。また、遊技者は、全計数処理に移行したことに伴い、計数スイッチ126をOFFにした後、再度、計数スイッチ126をONすることで全計数処理が停止することを把握できる。
【0299】
ここでは、計数タイマの値が4000msec以上となっているか否か判定する代わりに、複数計数回数カウンタが13回以上となっているか否かを判定することで、全計数処理への移行を特定している。したがって、
図17、
図18、
図21に示したフローチャートも部分的に異なることとなる。以下、
図17に相当する
図24、
図18に相当する
図25、
図21に相当する
図26を用いて、
図17、
図18、
図21と異なる処理を詳述し、実質的に機能が等しい他の処理に関しては説明を省略する。
【0300】
図24は、メダル数制御基板260における計数対応処理の流れの一例を示したフローチャートである。
図24の計数対応処理では、
図17と異なり、計数タイマの値が4000msec以上となっているか否か判定していない。したがって、
図17におけるステップS410の計数スイッチ126のONエッジからの時間が4000msec経過しているか否かの判定および、ステップS411の計数スイッチ126のONエッジからの時間が4000msec経過していれば計数処理状態管理バッファのビット2を1に設定にする処理は、
図24においては実行されない。
【0301】
図25は、複数計数処理(S413)の流れの一例を示したフローチャートである。
図25の複数計数処理(S413)は、計数タイミングにおいて実行され、複数計数回数カウンタが更新される。したがって、ここでは、上記のように、
図17におけるステップS410、ステップS411の代わりに、当該複数計数処理(S413)に複数計数回数カウンタの値に応じて全計数処理を開始する処理(S413-11、S413-12)を追加する。
【0302】
(ステップS413-11)
メダル数更新手段274は、複数計数回数カウンタが13以上となっているか否か判定する。その結果、複数計数回数カウンタが13以上であれば、ステップS413-12に処理を移し、複数計数回数カウンタが13未満であれば、その操作はまだ長押し操作に相当すると判定し、操作状態フラグを変更することなくステップS413-7に処理を移す。
【0303】
(ステップS413-12)
複数計数回数カウンタが13以上であれば、メダル数更新手段274は、その操作は全計数操作であるとして操作状態フラグに3(全計数)を設定する。ただし、本実施形態においては、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を100bとせず、010bを維持する。
【0304】
図26は、副制御基板240における計数対応処理の流れの一例を示したフローチャートである。
図26の計数対応処理では、
図21と異なり、コマンドの計数処理状態管理データのビット2を用いず、サブCPU240a内でサブ計数回数カウンタを用いて自己完結的に全計数処理への移行タイミングを特定している。
【0305】
(ステップS480)
サブCPU240aにおけるコマンド受信手段252は、メインCPU200aにおけるコマンド送受信手段226から、計数処理が実行されたことと、計数後の遊技メダル数とを示し、かつ、計数処理状態管理データのビット1(連続計数処理)が1であるコマンドを受信したか否か判定する。その結果、コマンドを受信していれば、ステップS481に処理を移し、コマンドを受信していなければ、ステップS488に処理を移す。ここでは、計数処理状態管理データのビット1を確認することで、連続計数処理の途中で単数計数処理をカウントしてしまう事態を回避している。
【0306】
(ステップS481)
サブCPU240aの演出制御手段254は、受信したコマンドに示される計数後の遊技メダル数が0であるか否か判定する。その結果、計数後の遊技メダル数が0でなければ、ステップS482に処理を移し、計数後の遊技メダル数が0であれば、ステップS486に処理を移す。
【0307】
(ステップS482)
演出制御手段254は、サブ計数回数カウンタが13以上となっているか否か判定する。その結果、サブ計数回数カウンタが13以上であれば、ステップS483に処理を移し、サブ計数回数カウンタが13未満であれば、その操作はまだ長押し操作に相当すると判定し、ステップS484に処理を移す。
(ステップS483)
サブ計数回数カウンタが13以上であれば、演出制御手段254は、全計数処理が開始されているとして、全計数処理の演出、例えば、液晶表示部132にメッセージ「全計数中」を表示したり、スピーカ134から出力されている音声を変化させたり、演出用ランプ136で発光している発光色を変化させたりする。
【0308】
(ステップS484)
演出制御手段254は、サブ計数回数カウンタを1だけインクリメントする。
【0309】
(ステップS485)
演出制御手段254は、液晶表示部132に、計数後の遊技メダル数を表示し、当該計数対応処理を終了する。
【0310】
(ステップS486)
ステップS481において、計数後の遊技メダル数が0であると判定すると、演出制御手段254は、計数処理に関する演出を終了する。
【0311】
(ステップS487)
演出制御手段254は、サブ計数回数カウンタを0にリセットし、当該計数対応処理を終了する。
【0312】
(ステップS488)
ステップS480において、コマンドを受信していないと判定すると、演出制御手段254は、前回コマンドを受信してからの時間が400msec以上経過しているか否か判定する。その結果、400msec以上経過していれば、ステップS489に処理を移し、400msecに到達していなければ、当該計数対応処理を終了する。
【0313】
(ステップS489)
ステップS488において、前回コマンドを受信してからの時間が400msec以上経過していると判定すると、演出制御手段254は、計数処理に関する演出を終了する。
【0314】
(ステップS490)
演出制御手段254は、サブ計数回数カウンタを0にリセットし、当該計数対応処理を終了する。
【0315】
このように、スロットマシン100は、遊技価値を、例えば、遊技メダル数として管理する管理制御手段(例えば、メダルCPU260a、メダル数更新手段274)と、管理制御手段が管理する遊技価値に関する情報の少なくとも一部を外部装置(例えば、専用ユニット300)に送信する計数処理を行わせるための遊技者の操作を受け付ける計数操作手段(例えば、計数スイッチ126)と、を備え、管理制御手段は、計数操作手段がONされている時間が所定時間(例えば、500msec)以上となると、複数(例えば、50)の遊技価値に関する情報を送信する単位計数処理(例えば、50枚単位の計数処理)を所定周期(例えば、300msec周期)で繰り返す複数計数処理を実行し、計数操作手段がONされている条件下において単位計数処理が実行された回数を数え(例えば、複数計数回数カウンタ)、単位計数処理が実行された回数が所定値(例えば、13)以上となると、計数操作手段がOFFされたとしても複数計数処理を実行可能となる。
【0316】
また、スロットマシン100は、遊技価値数制御手段(例えば、メダルCPU260a、メダル数更新手段274)と、計数スイッチ126と、を備え、計数スイッチ126がON状態である時間が、第1時間(例えば、500msec)以上第2時間(例えば、4000msec)未満である状態を、第1ON状態とし、計数スイッチ126がON状態である時間が、第2時間以上である状態を、第2ON状態とすると、計数スイッチ126が第1ON状態である場合は、遊技価値数制御手段が、複数の遊技価値に関する計数の情報を、遊技機の外部へ周期的に送信する計数処理を、所定回数(例えば、13回)未満行う第1計数処理を行い、計数スイッチが第2ON状態であった場合は、計数処理を、所定回数以上行う第2計数処理を行い、遊技価値数制御手段は、第2計数処理が行われた場合には、計数スイッチ126が第2ON状態からOFF状態になったとしても計数処理を継続する。
【0317】
また、管理制御手段が実行した計数処理に関する演出を制御する演出制御手段(例えば、演出制御手段254)を備え、演出制御手段は、単位計数処理が所定周期(例えば、300msec周期)で繰り返されている条件下において単位計数処理が実行された回数を数え(例えば、サブ計数回数カウンタ)、単位計数処理が実行された回数が所定値(例えば、13)以上となると特定演出(例えば、全計数処理に移行したことを報知する特定の音声出力)を実行する。
【0318】
また、スロットマシン100は、遊技価値を、例えば、遊技メダル数として管理する管理制御手段(例えば、メダルCPU260a、メダル数更新手段274)と、管理制御手段が管理する遊技価値に関する情報の少なくとも一部を外部装置(例えば、専用ユニット300)に送信する計数処理を行わせるための遊技者の操作を受け付ける計数操作手段(例えば、計数スイッチ126)と、管理制御手段が実行した計数処理に関する演出を制御する演出制御手段(例えば、演出制御手段254)と、を備え、管理制御手段は、計数操作手段がONされている時間が第1時間(例えば、500msec)以上となると、複数(例えば、50)の遊技価値に関する情報を送信する単位計数処理(例えば、50枚単位の計数処理)を所定周期(例えば、300msec周期)で繰り返す複数計数処理を実行し、計数操作手段がONされている時間が第1時間より長い第2時間(例えば、4000msec)以上となると、計数操作手段がOFFされたとしても複数計数処理を実行可能となり、演出制御手段は、単位計数処理が所定周期で繰り返されている条件下において単位計数処理が実行された回数を数え(例えば、サブ計数回数カウンタ)、単位計数処理が実行された回数が所定値(例えば、13)以上となると特定演出(例えば、全計数処理に移行したことを報知する特定の音声出力)を実行する。
【0319】
かかる構成により、遊技者が計数スイッチ126を所定時間継続してONし続けると、その後、計数スイッチ126をOFFしたとしても、計数処理が継続される。したがって、電子化メダルの計数処理にかかる操作負担を軽減し、遊技者の利便性を向上することが可能となる。
【0320】
なお、ここでは、全計数処理によって遊技メダル数が0となると、演出制御手段254が音声「お疲れさまでした」等の終了音声を出力させる例を挙げて説明したが、全計数操作に対し、必ずしも終了音声を出力しなくてもよい。例えば、遊技者が、遊技メダル数が0となる前に全計数処理を解除する操作を実行し、遊技メダル数が1枚以上残っている場合、演出制御手段254は、そのような終了音声をスピーカ134から出力させることを制限(不実行)するとしてもよい。なお、全計数処理に限らず、連続計数処理においても、遊技者が、遊技メダル数が0となる前に計数スイッチ126がOFFされ、遊技メダル数が1枚以上残っている場合、演出制御手段254は、終了音声をスピーカ134から出力させることを制限(不実行)するとしてもよい。なお、単数計数処理においては、スピーカ134から終了音声を出力させることはなく、通常の計数処理の音声のみを出力させる。また、遊技者が、遊技メダル数が0となる前に全計数処理や連続計数処理を停止し、遊技メダル数が1枚以上残っている場合、演出制御手段254は、液晶表示部132、スピーカ134、演出用ランプ136の一部でのみ演出を実行し、他の演出を制限するとしてもよい。例えば、遊技者が、遊技メダル数が0となる前に全計数処理を解除する操作を実行し、遊技メダル数が1枚以上残っている場合、演出制御手段254は、液晶表示部132に全計数処理が行われたことを表示するが、スピーカ134からの終了音声の出力は制限する。
【0321】
このように、遊技者が、遊技メダル数が0となる前に全計数処理を解除する操作を実行し、遊技メダル数が1枚以上残っている場合、遊技者は、まだ、遊技を継続する可能性が高い。ここでは、上記のように、スピーカ134から終了音声を出力しないことで、遊技者が違和感を覚えるのを回避することができる。
【0322】
なお、上述した連続計数処理と全計数処理とでは、後者の方が計数処理される電子化メダルの数が多くなる。したがって、連続計数処理と全計数処理とで、終了音声を異ならせるとしてもよい。例えば、連続計数処理によって遊技メダル数が0となったときの音声より、全計数処理によって遊技メダル数が0となったときの音声の方が、祝福を示す音声であり、遊技者がより歓喜する音声としてもよく、また、音量を大きくしてもよい。また、全計数処理によって遊技メダル数が0となったときの音声を複数段階設けてもよい。例えば、計数処理された遊技メダル数が2500枚以上、5000枚以上、7500枚以上、10000枚以上のいずれであるかによって音声を異ならせ、後者になるほど、遊技者がより歓喜する音声としてもよく、また、音量を大きくしてもよい。
【0323】
また、ここでは、全計数処理への移行に応じ、その旨、液晶表示部132、スピーカ134、演出用ランプ136を通じて遊技者に報知することを説明した。しかし、かかる場合に限らず、例えば、全計数処理への移行に応じ、遊技メダル数表示装置128における5桁または6桁の7セグメントLEDの発光態様を変化させてもよい。7セグメントLEDの発光部位は、セグメント「a」、「b」、「c」、「d」、「e」、「f」、「g」からなるセグメント部とデシマルポイント部「D.P」(ドット「.」)とで構成される。例えば、メダルCPU260aは、短押し操作および連続計数処理が実行されている間、セグメント部において、遊技メダル数を点灯表示し、連続計数処理から全計数処理へ移行すると、セグメント部において、遊技メダル数を点滅表示し、計数処理が終了(停止)すると、点灯表示に戻るとしてもよい。また、メダルCPU260aは、短押し操作および連続計数処理が実行されている間、デシマルポイント部を消灯から点灯に切り換え、連続計数処理から全計数処理へ移行すると、計数処理が終了(停止)するまでデシマルポイント部を点滅させるとしてもよい。発光させるデシマルポイント部は、5桁または6桁の7セグメントLEDのうち最下位桁とするのが好ましいが、いずれの桁を発光させてもよい。
【0324】
かかる構成により、メダル数制御基板260に接続された遊技メダル数表示装置128に全計数処理が実行されていることが直接表示されるので、仮に、液晶表示部132、スピーカ134、演出用ランプ136において報知演出が行われなかったとしても、遊技者は、計数処理が実行されていることを視認することが可能となる。
【0325】
(計数スイッチ126の他の操作例)
上述した実施形態では、1の計数スイッチ126の操作態様に応じて、短押し操作、長押し操作、全計数操作を実現していた。しかし、このような操作態様によると、例えば、計数スイッチ126をONすることなく計数処理を継続させる(全計数処理)ために4000msecといった時間を費やすこととなる。そこで、計数スイッチ126とは別に全計数スイッチ142を設け、簡易な操作で全計数処理を実現する。
【0326】
図27は、遊技メダル数表示装置128の機械的構成を説明するための外観図である。
図27では、矢印F方向がスロットマシン100の前面方向を示し、矢印B方向がスロットマシン100の背面方向を示す。
【0327】
図27に示すように、遊技メダル数表示装置128は、集合発光体L1~L5、計数スイッチ126、全計数スイッチ142とともにハウジング128aに収容される。ハウジング128aは、
図1に示すスロットマシン100の操作部設置台112のうち右上部に配置される。すなわち、遊技メダル数表示装置128は、実物のメダルを用いて遊技が進行するスロットマシンにおいてメダル投入口が配置されている位置と対応する位置に設けられる。これにより、スロットマシン100を導入することにより不要となるメダル投入口のスペースを有効利用できる。また、遊技メダル数表示装置128は、7つの発光素子を有する7セグメントLEDである集合発光体L1~L5を通じて遊技メダル数を表示しているので、メダルの追加に用いられるメダル投入口と、メダル(電子化メダル)を扱う点で利用用途が共通し、遊技者は遊技メダル数表示装置128の存在に違和感を覚えることがない。
【0328】
計数スイッチ126および全計数スイッチ142は、計数処理を行う遊技者の操作を検出する。遊技者は、計数スイッチ126を通じ上述した短押し操作、長押し操作、全計数処理を実行できる。また、遊技者は、全計数スイッチ142を通じて全計数操作を実行できる。ここでは、計数スイッチ126および全計数スイッチ142のいずれにおいても全計数操作を実現できるとする。ただし、全計数スイッチ142を設け、全計数スイッチ142によって全計数操作を実現する場合に、計数スイッチ126によっては全計数操作を制限し、短押し操作および長押し操作のみ実現できるとしてもよい。
【0329】
上述したように、全計数処理を行う場合、計数スイッチ126は4000msec以上、ONし続けなければならないが、全計数スイッチ142は短時間ONするだけでよい。なお、遊技者は、遊技の終了時等、多くの遊技メダルを計数する場合に、全計数スイッチ142を操作する可能が高い。したがって、
図27の例のように、全計数スイッチ142を計数スイッチ126より押下し易いように、押下部分の面積が大きく形成されるとしてもよい。また、
図27の例のように、ハウジング128aにおいて、全計数スイッチ142を計数スイッチ126より右側に位置させることで、遊技者が全計数スイッチ142を操作しようと試みたときに、全計数スイッチ142が計数スイッチ126より遊技者の右手で操作し易いようになる。また、
図27の例のように、ハウジング128aにおいて、全計数スイッチ142の中心を計数スイッチ126の中心より手前側(遊技者側)に位置させることで、遊技者が全計数スイッチ142を操作しようと試みたときに、全計数スイッチ142が計数スイッチ126より遊技者が操作し易いようになる。また、全計数スイッチ142は比較的浅い押し込みで容易にONとなり、計数スイッチ126は全計数スイッチ142より深く押し込まないとONとならないとしてもよい。ただし、全計数スイッチ142が非常に浅い押し込みで容易にONになるとすると、遊技者が全計数スイッチ142に接触しただけで全計数処理が意図せず開始されてしまうおそれがある。したがって、全計数スイッチ142は、ベットスイッチ116(特にマックスベットスイッチ)や演出スイッチ124(特に、音量変更を行う十字キー、メニュー画面へ移行するメニュー画面移行スイッチ、演出の際に使用される演出スイッチ)より深く押し込まないとONとならないとしてもよい。また、
図27の例では、全計数スイッチ142および計数スイッチ126のいずれも、そのスイッチの指標(「全計数」、「計数」)を表記しているが、かかる場合に限らず、全計数スイッチ142のみ指標(「全計数」)を表記し、計数スイッチ126は指標を表記しないとしてもよい。また、
図27の例では、全計数スイッチ142の指標「全計数」と計数スイッチ126の指標「計数」とを同一の大きさ(ポイント)で表記しているが、かかる場合に限らず、遊技者が全計数スイッチ142の位置を把握し易くなるように、指標「全計数」を指標「計数」よりも大きく表記してもよい。また、
図27の例では、遊技メダル数の表示位置を示す指標「所持数」を、全計数スイッチ142の指標「全計数」および計数スイッチ126の指標「計数」と同一の大きさで表記しているが、かかる場合に限らず、遊技者が遊技メダル数の表示位置を把握し易くなるように、指標「所持数」を指標「全計数」よりも大きく表記してもよいし、指標「所持数」を指標「計数」よりも大きく表記してもよい。また、
図27の例では、全計数スイッチ142および計数スイッチ126のいずれも、そのスイッチの操作法を表記していないが、かかる場合に限らず、全計数スイッチ142のみ操作法を表記し、計数スイッチ126の操作法は、デモ画面やメニュー画面を通じてのみ把握できるとしてもよい。また、全計数スイッチ142をONしたときの音声(SE)と、計数スイッチ126をONしたときの音声(SE)とを異ならせ、全計数スイッチ142をONしたときの音声の方が、計数スイッチ126をONしたときの音声より、音量が大きい等、強調されるとしてもよい。
【0330】
計数スイッチ126についてはその操作について既に詳述したので、ここでは、全計数スイッチ142を用いた全計数操作による計数処理の流れを説明する。
【0331】
図28は、全計数スイッチ142を操作した場合の計数処理の流れを説明するためのタイミングチャートである。
【0332】
図28のように、遊技者が、全計数スイッチ142をONすると、メダル数更新手段274は、遊技者の操作を全計数操作と判定して全計数処理を実行する。具体的に、メダル数更新手段274は、全計数スイッチ142のONエッジに応じて操作状態フラグを3(全計数)に設定し、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を100bに設定する。コマンド送受信手段272は、全計数処理が実行されたことと、計数後の遊技メダル数とを示すコマンドをメインCPU200aに送信する。また、メダル数更新手段274は、計数予約フラグに3(全計数処理)を設定して全計数処理を予約する。
【0333】
そして、メダル数更新手段274は、計数タイミングにおいて操作状態フラグを参照し、操作状態フラグが3に設定されていると、計数通知の計数メダル数に「50」を設定する。また、メダル数更新手段274は、例えば、現在の遊技メダル数「1020」から50を減算し、遊技メダル数を「970」に更新する。これに伴い遊技メダル数表示装置128に遊技メダル数「970」が表示される。コマンド送受信手段272は、計数メダル数が設定された計数通知を専用ユニット300に送信する。なお、初回の全計数処理が実行されると、計数予約フラグを残す必要がなくなるので、メダル数更新手段274は、計数予約フラグを0にリセットする。その後、メダル数更新手段274は、計数タイミングの度にかかる全計数処理を実行する。したがって、遊技メダル数は50ずつ減算され、「920」→「870」→「820」→「770」→「720」→「670」→「620」→「570」→「520」→「470」→「420」→「370」→「320」→「270」→「220」→「170」→「120」→「70」→「20」のように変化する。そして、遊技メダル数が50に満たない、例えば、「20」となると、メダル数更新手段274は、計数タイミングにおいて計数メダル数に残りの全ての遊技メダル数「20」を設定する。したがって、遊技メダル数は0となり、全計数操作による計数処理が終了する。メダル数更新手段274は、全計数操作による計数処理が終了すると、操作状態フラグを0(非操作)に設定し、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を000bにリセットして全計数操作を解除する。
【0334】
このように、操作状態が全計数操作と判定されると、遊技者は、全計数スイッチ142を操作し続けなくとも、長押し操作と同様の計数処理が可能である。例えば、
図28のように、遊技者が、操作状態フラグが3に切り換った後に全計数スイッチ142をOFFしたとしても、計数処理は中断することなく継続し、遊技メダル数が0になるまで計数し続ける。
【0335】
ここでは、全計数操作と判定されるタイミング(全計数スイッチ142のONエッジ)と計数タイミングとが異なる。したがって、メダル数更新手段274は、全計数操作と判定したタイミングで操作状態フラグを3に設定し、計数タイミングの度に、操作状態フラグが3であることに基づいて50枚の計数処理を行う。かかる構成により、全計数操作と判定されるタイミングと計数タイミングとが異なっていたとしても、メダル数更新手段274は、計数タイミングにおいて確実に計数処理を実行することが可能となる。
【0336】
また、ここで、メダル数更新手段274は、全計数スイッチ142のONエッジで計数予約フラグを3(全計数処理)に設定し、50枚の全計数処理を予約している。そして、計数タイミングが到来すると、計数予約フラグが3であることに基づいて50枚の全計数処理が行われる。かかる構成により、ONエッジ後、次の計数タイミングが到来する前に全計数スイッチ142がOFFおよびONされたとしても、その後の計数タイミングにおいて少なくとも1回は全計数処理がなされるので、全計数スイッチ142を操作したのに、全計数処理が行われないといった事象が生じるのを回避することができる。また、例えば、全計数スイッチ142のチャタリングにより、計数タイミング間で複数回のON/OFFを検出したとしても、計数予約フラグは一度設定された3から変化しないので、確実に1回は全計数処理を実行することができる。
【0337】
このように、全計数処理が実行されると、コマンド送受信手段272は、全計数処理が実行されたことと、計数後の遊技メダル数とを示すコマンドをメインCPU200aに送信する。当該コマンドを受信したメインCPU200aは、サブCPU240aにその旨のコマンドを送信する。そして、サブCPU240aは、計数処理によって電子化メダルが専用ユニット300に転送されていることを、液晶表示部132、スピーカ134、演出用ランプ136を通じて遊技者に報知する。
【0338】
具体的に、メダル数更新手段274は、全計数スイッチ142のONエッジのタイミングで、操作状態フラグを3に切り換えるとともに、計数処理状態管理バッファのビット2(全計数処理)を1に設定する。そして、コマンド送受信手段272は、計数処理状態管理バッファを参照し、全計数処理が実行されたことを示すコマンドをメインCPU200aに送信する。このとき、コマンド送受信手段272は、計数処理状態管理データをそのままコマンドの一部としてメインCPU200aに送信することで、全計数処理が実行されたことを伝達するとしてもよい。当該コマンドを受信したメインCPU200aは、コマンドを参照し、全計数処理が実行されたことを示すコマンドをサブCPU240aに送信する。このとき、メインCPU200aは、メダル数制御基板260から送信されたコマンドの少なくとも計数処理状態管理データをそのままコマンドの一部としてサブCPU240aに送信することで、全計数処理が実行されたことを伝達するとしてもよい。なお、メインCPU200aは、メダル数制御基板260から送信されたコマンドが変化した場合にのみ、例えば、計数処理状態管理データのビット2(全計数処理)がOFFからONになった場合にのみコマンドをサブCPU240aに送信するとしてもよい。
【0339】
サブCPU240aの演出制御手段254は、計数処理状態管理データのビット2(全計数処理)が1となったコマンドの受信に応じ、例えば、メッセージ「全計数中」と、現在の遊技メダル数「1020」とを液晶表示部132に表示する。そして、演出制御手段254は、コマンドを受信する毎に「970」→「920」→「870」→「820」→「770」→「720」→「670」→「620」→「570」→「520」→「470」→「420」→「370」→「320」→「270」→「220」→「170」→「120」→「70」→「20」と遊技メダル数の表示を更新する。また、演出制御手段254は、全計数処理によって遊技メダル数が0となると、メッセージ「全計数終了」と、遊技メダル数「0」とを液晶表示部132に表示し、コマンド受信から所定時間後、または、遊技者によるスイッチの操作に応じて、当該表示を削除する。また、演出制御手段254は、コマンドの受信に応じ、例えば、全計数処理によって遊技メダル数が0となるまで、所定の計数音をスピーカ134から出力させる。また、演出制御手段254は、全計数処理によって遊技メダル数が0となると、遊技が終了したと判定し、音声「お疲れさまでした」等の終了音声をスピーカ134から出力させる。また、演出制御手段254は、コマンドの受信に応じ、例えば、全計数処理によって遊技メダル数が0となるまで、所定の発光色で演出用ランプ136を発光させる。
【0340】
遊技者は、このような液晶表示部132の表示、スピーカ134から出力されている音声、演出用ランプ136の発光態様によって、全計数処理が実行されていること、および、全計数スイッチ142をOFFにしても計数処理を継続できることを把握することが可能となる。
【0341】
上述した実施形態では、全計数処理において遊技メダル数が0枚になったことによって計数処理を終了している。また、例えば、上述したようにVL接続信号がOFFとなった場合等、「遊技が可能な間」ではなくなった場合には、メダル数更新手段274は計数処理を停止する。
【0342】
なお、全計数処理においては、遊技者が、一旦、全計数スイッチ142をOFFした後に、さらに全計数スイッチ142をONすることで、そのONエッジによって全計数処理を停止する機能を追加している。以下、全計数操作によって全計数処理が実行されている状態で、遊技者が、さらに全計数スイッチ142をONした場合の計数処理の流れを説明する。
【0343】
図29は、全計数スイッチ142を操作した場合の計数処理の他の流れを説明するためのタイミングチャートである。
【0344】
図29のように、遊技者が、全計数スイッチ142をONすると、メダル数更新手段274は、遊技者の操作を全計数操作と判定して全計数処理を実行する。具体的に、メダル数更新手段274は、全計数スイッチ142のONエッジに応じて操作状態フラグを3(全計数)に設定し、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を100bとする。コマンド送受信手段272は、全計数処理が実行されたことと、計数後の遊技メダル数とを示すコマンドをメインCPU200aに送信する。また、メダル数更新手段274は、計数予約フラグに3(全計数処理)を設定して全計数処理を予約する。
【0345】
そして、メダル数更新手段274は、計数タイミングにおいて操作状態フラグを参照し、操作状態フラグが3に設定されていると、計数通知の計数メダル数に「50」を設定する。また、メダル数更新手段274は、例えば、現在の遊技メダル数「1020」から50を減算し、遊技メダル数を「970」に更新する。これに伴い遊技メダル数表示装置128に遊技メダル数「970」が表示される。コマンド送受信手段272は、計数メダル数が設定された計数通知を専用ユニット300に送信する。なお、初回の全計数処理が実行されると、計数予約フラグを残す必要がなくなるので、メダル数更新手段274は、計数予約フラグを0にリセットする。その後、メダル数更新手段274は、計数タイミングの度にかかる全計数処理を実行する。したがって、遊技メダル数は50ずつ減算され、「920」→「870」→「820」→「770」→「720」→「670」→「620」→「570」→「520」→「470」→「420」→「370」→「320」→「270」→「220」のように変化する。
【0346】
このように、操作状態が全計数操作と判定されると、遊技者は、全計数スイッチ142を操作し続けなくとも、長押し操作同様の計数処理が可能である。例えば、
図29のように、遊技者が、操作状態フラグが3に切り換った後に全計数スイッチ142をOFFしたとしても、計数処理は中断することなく継続し、遊技メダル数が0になるまで計数し続ける。
【0347】
ここで、遊技者が、全計数スイッチ142をOFFした後、再度、全計数スイッチ142をONしたとする。メダル数更新手段274は、全計数スイッチ142のONエッジに応じて、操作状態フラグを4(全計数解除)に設定し、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を000bにリセットして全計数操作を解除する。したがって、計数処理は、全計数スイッチ142のONエッジで停止し、遊技メダル数は、全計数スイッチ142のONエッジの前の計数タイミングにおける「220」で停止する。コマンド送受信手段272は、全計数処理が停止したことと、計数後の遊技メダル数とを示すコマンドをメインCPU200aに送信する。なお、全計数処理中に全計数スイッチ142の代わりに計数スイッチ126をONしたとしても、全計数スイッチ142がONされた場合同様、そのONエッジで全計数処理が停止する。
【0348】
このような全計数処理においては、全計数スイッチ142が再度ONされた場合、その全計数スイッチ142の操作に応じて全計数処理が停止しさえすればよい。したがって、その全計数スイッチ142の再度のONを新たな全計数操作と判定する必要はない。ここでは、全計数処理において、計数処理を停止するために全計数スイッチ142がONされた場合、メダル数更新手段274は、全計数スイッチ142のON状態が継続したとしても、新たな全計数操作と判定しない。
【0349】
このように、全計数処理が実行されると、コマンド送受信手段272は、全計数処理が実行されたことと、計数後の遊技メダル数とを示すコマンドをメインCPU200aに送信する。当該コマンドを受信したメインCPU200aは、サブCPU240aにその旨のコマンドを送信する。そして、サブCPU240aは、計数処理によって電子化メダルが専用ユニット300に転送されていることを、液晶表示部132、スピーカ134、演出用ランプ136を通じて遊技者に報知する。
【0350】
具体的に、メダル数更新手段274は、全計数スイッチ142のONエッジのタイミングで、操作状態フラグを3に切り換えるとともに、計数処理状態管理バッファのビット2(全計数処理)を1に設定する。そして、コマンド送受信手段272は、計数処理状態管理バッファを参照し、全計数処理が実行されたことを示すコマンドをメインCPU200aに送信する。当該コマンドを受信したメインCPU200aは、コマンドを参照し、全計数処理が実行されたことを示すコマンドをサブCPU240aに送信する。なお、メインCPU200aは、メダル数制御基板260から送信されたコマンドが変化した場合にのみ、例えば、計数処理状態管理データのビット2(全計数処理)がOFFからONになった場合にのみコマンドをサブCPU240aに送信するとしてもよい。
【0351】
また、ここでは、全計数処理が停止すると、その旨、メインCPU200aおよびサブCPU240aに伝達される。メダル数更新手段274は、全計数処理が停止すると、操作状態フラグを4に切り換えるとともに、計数処理状態管理バッファのビット2(全計数処理)を0にリセットする。そして、コマンド送受信手段272は、計数処理状態管理バッファを参照し、全計数処理が停止したことを示すコマンドをメインCPU200aに送信する。当該コマンドを受信したメインCPU200aは、コマンドを参照し、全計数処理が停止したことを示すコマンドをサブCPU240aに送信する。
【0352】
サブCPU240aの演出制御手段254は、計数処理状態管理データのビット2(全計数処理)が1となったコマンドの受信に応じ、例えば、メッセージ「全計数中」と、現在の遊技メダル数「1020」とを液晶表示部132に表示する。そして、演出制御手段254は、コマンドを受信する毎に「970」→「920」→「870」→「820」→「770」→「720」→「670」→「620」→「570」→「520」→「470」→「420」→「370」→「320」→「270」→「220」と遊技メダル数の表示を更新する。また、演出制御手段254は、計数処理状態管理データのビット2(全計数処理)が0となったコマンドの受信に応じて、メッセージ「全計数中」の表示をメッセージ「全計数終了」に更新し、コマンド受信から所定時間後、または、遊技者によるスイッチの操作に応じて、当該表示を削除する。また、演出制御手段254は、コマンドの受信に応じ、例えば、全計数処理が停止するまで、所定の計数音をスピーカ134から出力させる。ここで、演出制御手段254は、コマンドにおける計数処理状態管理データのビット2(全計数処理)が1になったことに応じて、スピーカ134から出力されている音声を変化させたり、全計数処理が開始したことを報知する特定の音声を出力させる特定演出を実行してもよい。また、演出制御手段254は、コマンドにおける計数処理状態管理データのビット2(全計数処理)が0になったことに応じて、スピーカ134から出力されている音声を変化させたり、全計数処理が停止したことを報知する特定の音声を出力させる終了演出を実行してもよい。演出制御手段254は、コマンドの受信に応じ、例えば、全計数処理が停止するまで、所定の発光色で演出用ランプ136を発光させる。ここで、演出制御手段254は、コマンドにおける計数処理状態管理データのビット2(全計数処理)が1になったことに応じて、演出用ランプ136で発光している発光色を変化させたり、全計数処理が開始したことを報知する特定の発光色を出力させたり、全計数処理が開始したことを点滅によって報知する特定演出を実行してもよい。また、演出制御手段254は、コマンドにおける計数処理状態管理データのビット2(全計数処理)が0になったことに応じて、演出用ランプ136で発光している発光色を変化させたり、全計数処理が停止したことを報知する特定の発光色を出力させたり、全計数処理が停止したことを点滅によって報知する終了演出を実行してもよい。
【0353】
遊技者は、このような液晶表示部132の表示、スピーカ134から出力されている音声、演出用ランプ136の発光態様によって、全計数処理が実行されていること、および、全計数スイッチ142をOFFにしても計数処理を継続できることを把握することが可能となる。また、遊技者は、全計数処理が開始したことに伴い、全計数スイッチ142をOFFにした後、再度、全計数スイッチ142をONすることで全計数処理が停止することを把握できる。
【0354】
図30は、メダル数制御基板260における計数対応処理の流れの一例を示したフローチャートである。
【0355】
(ステップS500)
メダル数更新手段274は、全計数スイッチ142がONエッジであったか否か判定する。その結果、全計数スイッチ142がONエッジであれば、ステップS501に処理を移し、全計数スイッチ142がONエッジでなければ、操作状態フラグを変更することなく、ステップS504に処理を移す。
【0356】
(ステップS501)
メダル数更新手段274は、操作状態フラグを参照し、操作状態フラグが3(全計数)であるか否か判定する。その結果、操作状態フラグが3でなければ、ステップS502に処理を移し、操作状態フラグが3であれば、ステップS508に処理を移す。
【0357】
(ステップS502)
操作状態フラグが3でなければ、メダル数更新手段274は、その操作は全計数操作であるとして操作状態フラグに3(全計数)を設定し、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を100bに設定する。コマンド送受信手段272は、計数処理状態管理バッファを参照し、コマンドの計数処理状態管理データのビット2を1に設定してメインCPU200aに送信する。
【0358】
(ステップS503)
続いて、メダル数更新手段274は、少なくとも1回の全計数処理を実行するために、計数予約フラグに3(全計数処理)を設定する。
【0359】
(ステップS504)
メダル数更新手段274は、全計数スイッチ142がOFFエッジであり、かつ、操作状態フラグが4(全計数解除)であるか否か判定する。その結果、全計数スイッチ142がOFFエッジではない、または、操作状態フラグが4でなければ、ステップS505に処理を移し、全計数スイッチ142がOFFエッジであり、かつ、操作状態フラグが4であれば、ステップS509に処理を移す。
【0360】
(ステップS505)
メダル数更新手段274は、操作状態フラグが3(全計数)であるか、または、計数予約フラグが3であるか否か判定する。その結果、操作状態フラグが3である、または、計数予約フラグが3であれば、ステップS506に処理を移し、操作状態フラグが3ではなく、かつ、計数予約フラグが3でなければ、当該計数対応処理を終了する。
【0361】
(ステップS506)
続いて、メダル数更新手段274は、計数タイミングとなったか否か判定する。その結果、計数タイミングであれば、
図18で示した複数計数処理S413を実行し、計数タイミングでなければ、計数処理を行うことなく、当該計数対応処理を終了する。
【0362】
(ステップS507)
メダル数更新手段274は、全計数操作に基づく全計数処理が少なくとも1回は実行されたとして、計数予約フラグを0(予約なし)にリセットする。
【0363】
(ステップS508)
ステップS501で操作状態フラグが3であると判定すると、メダル数更新手段274は、全計数操作が解除されたとして操作状態フラグに4(全計数解除)を設定し、計数処理状態管理バッファのビット2~0の値を000bにリセットする。コマンド送受信手段272は、計数処理状態管理バッファを参照し、コマンドの計数処理状態管理データのビット2を0にリセットしてメインCPU200aに送信する。
【0364】
(ステップS509)
ステップS504において、全計数スイッチ142がOFFエッジであり、かつ、操作状態フラグが4であると判定すると、メダル数更新手段274は、全計数操作をリセットするために操作状態フラグに0(非操作)を設定する。
【0365】
このように、スロットマシン100は、遊技価値(例えば、電子化メダル)を用いて行う遊技を制御する遊技制御手段(例えば、メインCPU200a)と、遊技価値を、例えば、遊技メダル数として管理する管理制御手段(例えば、メダルCPU260a、メダル数更新手段274)と、管理制御手段が管理する遊技価値の少なくとも一部を外部装置(例えば、専用ユニット300)に転送する計数処理を行わせるための遊技者の操作を受け付ける第1計数操作手段(例えば、計数スイッチ126)と、所定周期で所定数の遊技価値を転送する計数処理である複数計数処理を行わせるための遊技者の操作を受け付ける第2計数操作手段(例えば、全計数スイッチ142)と、を備え、管理制御手段は、第2計数操作手段がONされたことに応じて複数計数処理を実行し、複数計数処理の実行中に、第1計数操作手段または第2計数操作手段がONされたことに応じて複数計数処理を停止する。
【0366】
かかる構成により、遊技者が全計数スイッチ142を一旦ONすると、その後、全計数スイッチ142をOFFしたとしても、計数処理が継続される。したがって、電子化メダルの計数処理にかかる操作負担を軽減し、遊技者の利便性を向上することが可能となる。
【0367】
なお、計数スイッチ126と全計数スイッチ142とを並行して操作した場合も、短押し操作、長押し操作、全計数操作の各操作は有効に処理され、単数計数処理、連続計数処理、全計数処理それぞれも有効に機能する。例えば、遊技者が、計数スイッチ126を短押し操作または長押し操作しており、計数スイッチ126のONエッジから4000msec経過していないタイミングで全計数スイッチ142を操作した場合、メダル数更新手段274は、全計数操作が行われたとして全計数処理を行うとしてもよいし、全計数スイッチ142より先に操作された計数スイッチ126を優先して、短押し操作または長押し操作が行われたとして単数計数処理または連続計数処理を行うとしてもよい。この場合、計数スイッチ126を4000msec以上ONし続けることで、メダル数更新手段274は、全計数操作が行われたとして全計数処理を行うこととなる。なお、遊技者が、計数スイッチ126を短押し操作または長押し操作しており、計数スイッチ126のONエッジから4000msec経過していないタイミングで全計数スイッチ142を操作した場合、メダル数更新手段274は、計数タイマの値や複数計数回数カウンタの値を引き継ぐとしてもよい。こうして、演出制御手段254は、遊技者がいずれのスイッチを操作したかに拘わらず、液晶表示部132、スピーカ134、演出用ランプ136を通じて、計数処理の進行状況をシームレスに報知することが可能となる。
【0368】
また、全計数スイッチ142を通じて全計数処理が実行されている間に、計数スイッチ126がONされた場合、そのONエッジで全計数操作が解除となって全計数処理が停止するとしてもよい。この場合、計数スイッチ126のON状態が継続したとしても、メダル数更新手段274は、短押し操作や長押し操作や新たな全計数操作と判定しない。一方、このように全計数操作が解除となっても計数スイッチ126のON状態が継続している状態で、新たに、全計数スイッチ142がONされると、全計数操作による全計数処理が再開されるとしてもよい。同様に、計数スイッチ126を通じて全計数処理が実行されている間に、全計数スイッチ142がONされた場合、そのONエッジで全計数操作が解除となって全計数処理が停止するとしてもよい。この場合、全計数スイッチ142のON状態が継続したとしても、メダル数更新手段274は、新たな全計数操作と判定しない。一方、このように全計数操作が解除となっても全計数スイッチ142のON状態が継続している状態で、新たに、計数スイッチ126がONされると、短押し操作や長押し操作や新たな全計数操作と判定され、その操作に応じた計数処理が再開されるとしてもよい。
【0369】
(全計数処理時の表示例)
図31(A)~
図31(C)は、全計数処理時の液晶表示部132の表示例を示す図である。上述のように、全計数スイッチ142がONされると、メダル数更新手段274は、全計数処理を実行し、コマンド送受信手段272は、全計数処理が実行されたことと、計数後の遊技メダル数とを示すコマンドをメインCPU200aに送信する。メインCPU200aは、サブCPU240aにその旨のコマンドを送信する。サブCPU240aの演出制御手段254は、全計数処理が実行されたことを示すコマンドの受信に応じて、全計数処理に係る所定の演出を行ってもよい。
【0370】
例えば、
図31(A)で示すように、演出制御手段254は、全計数処理の実行に応じて、液晶表示部132の所定の位置、例えば、他の演出を遮らない右上の領域に、メッセージ「全計数中」やメッセージ「一括計数中」などのような全計数処理の実行中であることを示す表示を行ってもよい。
図31(A)の例では、液晶表示部132の右上の位置にメッセージ「全計数中」を表示する例を示しているが、例示する位置に限らず、液晶表示部132の任意の位置に表示してもよい。
【0371】
また、演出制御手段254は、全計数処理の開始時に、その時点の遊技メダル数を保持しておき、全計数処理の開始時の遊技メダル数と、現時点の計数後の遊技メダル数とに基づいて、計数処理(全計数処理)の進捗の程度を示す表示を、液晶表示部132に行ってもよい。
【0372】
例えば、演出制御手段254は、全計数処理の開始時の遊技メダル数に対する現時点の計数後の遊技メダル数の割合(例えば、百分率)を導出してもよい。
図31(A)で示すように、演出制御手段254は、導出した割合を、例えば、メッセージ「残り○○%」やメッセージ「後○○%」のような表現で、液晶表示部132の所定の位置に表示してもよい。例えば、全計数処理の開始時の遊技メダル数が5000枚であり、現時点で3000枚の計数処理が完了していると、その後、残りの2000枚の計数処理が実行される予定であるため、演出制御手段254は、現時点でメッセージ「残り40%」と表示する。
【0373】
また、演出制御手段254は、現時点の計数後の遊技メダル数に基づいて、現時点の計数後の遊技メダル数が0になるまでにかかる時間(例えば、秒数)を導出してもよい。
図31(B)で示すように、演出制御手段254は、導出した時間を、例えば、メッセージ「残り○○秒」やメッセージ「後○○秒」のような表現で、液晶表示部132の所定の位置に表示してもよい。例えば、全計数処理の開始時の遊技メダル数が5000枚であるとすると計数処理に約30秒(5000枚/50枚×300msec)を要するところ、現時点で3000枚の計数処理が完了していると(約18秒経過していると)、その後、残りの2000枚(12秒間)の計数処理が実行される予定であるため、演出制御手段254は、現時点でメッセージ「残り12秒」と表示する。
【0374】
なお、演出制御手段254は、メッセージ「残り○○%」やメッセージ「残り○○秒」のような、全計数処理が後どの程度行われるかを示す表現に限らず、例えば、メッセージ「今○○%完了」やメッセージ「現在○○%完了」、もしくは、メッセージ「今○○秒経過」やメッセージ「現在○○秒経過」のような、全計数処理が今までにどの程度行われたかを示す表現で、液晶表示部132に表示してもよい。
【0375】
また、演出制御手段254は、全計数処理の開始時の遊技メダル数から現時点の計数後の遊技メダル数を減算して、全計数処理の開始時から現時点までの間に計数された遊技メダル数を導出してもよい。
図31(C)で示すように、演出制御手段254は、例えば、「現時点までの間に計数された遊技メダル数/全計数処理の開始時の遊技メダル数」(
図31(C)では、メッセージ「○○○/□□□」と例示している)のような分数表現で、液晶表示部132の所定の位置に表示してもよい。例えば、全計数処理の開始時の遊技メダル数が5000枚であり、現時点で3000枚の計数処理が完了していると、演出制御手段254は、現時点でメッセージ「3000/5000」と表示する。この例では、全計数処理が進むに従って、分子の数値がカウントアップされることになる。
【0376】
なお、演出制御手段254は、例えば、「現時点の計数後の遊技メダル数/全計数処理の開始時の遊技メダル数」のような分数表現で、液晶表示部132の所定の位置に表示してもよい。この例では、全計数処理が進むに従って、分子の数値がカウントダウンされることになる。
【0377】
また、
図31(A)~
図31(C)の例では、メッセージ「全計数中」の表示の下側に、計数処理の進捗の程度を示すメッセージ「残り○○%」、メッセージ「残り○○秒」あるいはメッセージ「○○○/□□□」を表示する例を示しているが、これらを表示する位置は、例示する位置に限らず、液晶表示部132の任意の位置に表示してもよい。
【0378】
また、上述のように、全計数処理は、全計数スイッチ142がONされた場合に実行される態様に限らず、計数スイッチ126が押下されて、計数スイッチ126のONエッジからの時間が4000msec以上となった場合にも実行される。この場合、演出制御手段254は、複数計数処理の開始時、すなわち、連続計数処理の開始時に、その時点の遊技メダル数を保持しておき、複数計数処理の開始時の遊技メダル数と、現時点の計数後の遊技メダル数とに基づいて、計数処理(複数計数処理)の進捗の程度を示す表示を、液晶表示部132に行うこととなる。
【0379】
演出制御手段254は、計数スイッチ126が押下されたとしても、連続計数処理(長押し)の実行中では、
図31(A)~
図31(C)においてメッセージ「全計数中」の表現で例示する、全計数処理の実行中であることを示す表示については行わない。そして、演出制御手段254は、計数スイッチ126が押下され、連続計数処理(長押し)から全計数処理に切り替わった時点で、
図31(A)~
図31(C)においてメッセージ「全計数中」の表現で例示する、全計数処理の実行中であることを示す表示を行うようにしてもよい。
【0380】
なお、演出制御手段254は、連続計数処理の実行中では、例えば、メッセージ「計数中」などのような、全計数処理の実行中に表示する表現とは異なる表現で、連続計数処理の実行中であることを示す表示を液晶表示部132に行ってもよい。この場合、演出制御手段254は、連続計数処理に応じて一旦、メッセージ「計数中」と表示し、その後、全計数処理への移行に応じてメッセージ「計数中」をメッセージ「全計数中」に切り替えるとしてもよい。
【0381】
また、演出制御手段254は、計数スイッチ126が押下され、連続計数処理(長押し)が開始されると、
図31(A)~
図31(C)においてメッセージ「残り○○%」、メッセージ「残り○○秒」あるいはメッセージ「○○○/□□□」の表現で例示する、計数処理の進捗の程度を示す表示を行うようにしてもよい。そして、演出制御手段254は、連続計数処理(長押し)から全計数処理に切り替わった時点で、「残り○○%」、「残り○○秒」あるいは「○○○/□□□」の表示を、例えば、点灯表示から点滅表示に切り替えたり、表示色を切り替えるなどのように、計数処理の進捗の程度を示す表示の表示態様を、連続計数処理のときの表示態様とは異なる表示態様で表示するようにしてもよい。このように、計数処理の進捗の程度を示す表示を切り替えることは、全計数処理の開始を把握できる点で、全計数処理の実行中であることを示す表示を行うことに相当する。
【0382】
また、演出制御手段254は、全計数処理の実行中であることを示す表示、および、計数処理の進捗の程度を示す表示の両方を表示する態様に限らない。演出制御手段254は、全計数処理の実行中であることを示す表示、および、計数処理の進捗の程度を示す表示のいずれか一方を液晶表示部132に表示するようにしてもよい。
【0383】
全計数処理が終了した場合、演出制御手段254は、メッセージ「全計数中」からメッセージ「全計数終了」に切り替えて液晶表示部132に表示する。その後、演出制御手段254は、コマンド受信から所定時間後、または、遊技者によるスイッチの操作に応じて、当該表示を削除する。
【0384】
また、全計数処理が終了した場合、演出制御手段254は、計数処理の進捗の程度を示す表示を、例えば、メッセージ「残り0%」、メッセージ「残り0秒」あるいは「□□□/□□□」などのように複数計数処理が終了したことを示す表現で、液晶表示部132に表示する。その後、演出制御手段254は、コマンド受信から所定時間後、または、遊技者によるスイッチの操作に応じて、当該表示を削除する。
【0385】
また、演出制御手段254は、全計数処理の実行中、液晶表示部132の表示による演出を行う態様に限らない。例えば、演出制御手段254は、全計数処理の実行に応じて、全計数処理の実行中であることを示す音をスピーカ134から出力してもよいし、全計数処理の実行中であることを示す態様で演出用ランプ136を光らせてもよい。
【0386】
また、演出制御手段254は、連続計数処理の実行中では、全計数処理に係る音の出力を行わないようにしてもよいし、演出用ランプ136を全計数処理に係る態様で光らせることを行わないようにしてもよい。また、演出制御手段254は、連続計数処理の実行中において、全計数処理の実行中の音とは異なる音をスピーカ134から出力してもよいし、全計数処理の実行中とは異なる態様で演出用ランプ136を光らせてもよい。演出制御手段254は、連続計数処理から全計数処理に切り替わる際、スピーカ134から出力する音の音高や音量などを変化させてもよいし、演出用ランプ136の光の色や強度を変化させてもよい。
【0387】
このように、スロットマシン100は、遊技価値(例えば、電子化メダル)を用いて行う遊技を制御する遊技制御手段(例えば、メインCPU200a)と、遊技価値を管理する管理制御手段(例えば、メダルCPU260a、メダル数更新手段274)と、管理制御手段が管理する遊技価値の少なくとも一部を外部(例えば、専用ユニット300)に送信する送信処理(例えば、計数処理)を行わせるための遊技者の操作を受け付ける操作手段(例えば、全計数スイッチ142、計数スイッチ126)と、管理制御手段が実行した送信処理に関する演出を制御する演出制御手段254と、を備え、管理制御手段は、操作手段への操作に応じ、第1の値(例えば、1)の遊技価値を送信するための第1の処理(例えば、単数計数処理)と、第1の値よりも多い第2の値(例えば、50単位)の遊技価値を送信するための第2の処理(例えば、連続計数処理)と、管理制御手段で管理されている遊技価値全てを送信するための第3の処理(例えば、全計数処理)のいずれかを実行し、演出制御手段は、第3の処理を実行する場合に第3の処理に係る所定の演出(例えば、全計数処理の実行中であることを示す表示)を行い、第1の処理および第2の処理を実行する場合に所定の演出を行わない。
【0388】
かかる構成により、全計数処理に係る所定の演出によって、全計数処理に移行したこと、および、計数スイッチ126をOFFしても計数処理を継続できることを把握することが可能となる。その結果、遊技者の利便性を向上させることができる。
【0389】
(全計数処理時の他の表示例)
図10では、RBB作動中遊技状態での単位遊技当たりの期待獲得枚数を低くし、一旦、遊技状態がRBB内部中遊技状態に移行すると、その後、遊技状態が遷移することなく、RBB内部中遊技状態が維持される例を挙げて説明した。しかし、かかる場合に限らず、当選役「RBB」の当選によってRBB内部中遊技状態になり、RBB内部中遊技状態において当選役「RBB」を有効ラインA上に表示することができ、遊技者が当選役「RBB」を有効ラインA上に表示するとRBB作動中遊技状態になり、RBB作動中遊技状態では単位遊技当たりの期待獲得枚数が高くなる遊技機がある。このような構成では、遊技者は、当選役「RBB」の当選によってRBB内部中遊技状態になっているにも拘わらず、それに気付かない場合がある。
【0390】
ところで、上述のように、計数処理は、遊技が可能な間に計数スイッチ126または全計数スイッチ142が操作された場合、その時点の遊技状態に拘わらず必ず実行することができるようになっている。一方、全計数操作は、遊技者が遊技を終了するときに行われると想定される。これを踏まえると、例えば、遊技者は、RBB内部中遊技状態となっていることに気付かずに、全計数操作を行って遊技を終了してしまうことがある。そうすると、RBB作動中遊技状態に移行することで本来得られるはずの遊技者の利益が損なわれるおそれがある。
【0391】
そこで、演出制御手段254は、全計数処理の開始タイミング、全計数処理の終了タイミング、または、全計数処理の実行中の任意のタイミングにおいて、遊技状態がRBB内部中遊技状態である場合に、RBB内部中遊技状態である旨を報知する報知演出を行う。
【0392】
図32は、全計数処理の終了タイミングにおける報知演出の一例を説明するフローチャートである。
【0393】
(ステップS600)
演出制御手段254は、現時点が全計数処理の終了タイミングであるかを判定する。例えば、演出制御手段254は、計数処理状態管理データのビット2(全計数処理)が1から0に切り替わったことに応じて、全計数処理の終了タイミングであると判定してもよい。その結果、演出制御手段254は、現時点が全計数処理の終了タイミングであると判定した場合、ステップS601に処理を移し、現時点が全計数処理の終了タイミングではないと判定した場合、報知演出処理を終了する。
【0394】
(ステップS601)
演出制御手段254は、主制御基板200から送信される、現在の遊技状態の情報を含むコマンドの受信に応じて、現時点において遊技状態がRBB内部中遊技状態であるかを判定する。その結果、演出制御手段254は、RBB内部中遊技状態であると判定した場合、ステップS602に処理を移し、RBB内部中遊技状態ではないと判定した場合、報知演出処理を終了する。
【0395】
(ステップS602)
演出制御手段254は、RBB内部中遊技状態であることを示す報知を行う。例えば、演出制御手段254は、メッセージ「ボーナスに当選している可能性あり」などの表示を液晶表示部132に行ってもよい。また、演出制御手段254は、RBB内部中遊技状態であることを示唆させる音をスピーカ134から出力してもよい。また、演出制御手段254は、演出用ランプ136をRBB内部中遊技状態であることを示唆させる態様で光らせてもよい。なお、演出制御手段254は、報知演出を行った後に遊技が行われるまで、当該報知演出を維持するようにしてもよい。
【0396】
このようにして、全計数処理の終了タイミングにおいて、RBB内部中遊技状態であれば、そのタイミングでRBB内部中遊技状態であることを示す報知がなされる。これにより、全計数処理の終了タイミングにおいて、遊技者は、当選役「RBB」に当選していることを認識することができる。したがって、遊技者は、例えば、再度貸出操作を行うことで当選役「RBB」を入賞させることが可能となる。その結果、遊技者の利益が損なわれることを抑制することができる。
【0397】
また、演出制御手段254は、筐体の内部に設けられたランプを光らせるようにしてもよい。筐体内の当該ランプは、例えば、主制御基板200に設けられてもよいし、副制御基板240に設けられてもよいし、他の任意の基板に設けられてもよい。例えば、ホールの営業終了時に店員がスロットマシン100の電源を切る場合や、ホールの営業開始時に店員がスロットマシン100の電源を入れる場合などにおいて、店員は、筐体の扉を開いたときに、RBB内部中遊技状態であることを示すランプが光っていることを認識することができる。したがって、ホールの店員は、営業開始前にRBB内部中遊技状態を解除することができる。
【0398】
図33は、全計数処理の開始タイミングにおける報知演出の一例を説明するフローチャートである。
図33は、ステップS600に代えて、ステップS610を行う点において
図32と異なり、その他の処理については
図32と同じとなっているため、異なる処理について説明し、同じ処理については説明を省略する。
【0399】
(ステップS610)
演出制御手段254は、現時点が全計数処理の開始タイミングであるかを判定する。例えば、演出制御手段254は、計数処理状態管理データのビット2(全計数処理)が0から1に切り替わったことに応じて、全計数処理の開始タイミングであると判定してもよい。その結果、演出制御手段254は、現時点が全計数処理の開始タイミングであると判定した場合、ステップS601に処理を移し、現時点が全計数処理の開始タイミングではないと判定した場合、報知演出処理を終了する。
【0400】
このようにして、全計数処理の開始タイミングにおいて、RBB内部中遊技状態であれば、そのタイミングでRBB内部中遊技状態であることを示す報知がなされる。これにより、全計数処理の開始タイミングにおいて、遊技者は、当選役「RBB」に当選していることを認識することができる。それにより、遊技者は、開始された全計数処理を解除する操作を行ってもよい。したがって、遊技者は、全計数処理を解除する操作を行った後に残っている遊技メダル数をベットしたり、再度貸出操作を行うことで増加した遊技メダル数をベットして遊技を行えば当選役「RBB」を入賞させることが可能となる。その結果、遊技者の利益が損なわれることを抑制することができる。
【0401】
図34は、全計数処理の実行中の任意のタイミングにおける報知演出の一例を説明するフローチャートである。
図34は、ステップS600に代えて、ステップS620を行う点において
図32と異なり、その他の処理については
図32と同じとなっているため、異なる処理について説明し、同じ処理については説明を省略する。
【0402】
(ステップS620)
演出制御手段254は、現時点が全計数処理の実行中であり、かつ、全計数処理の進捗が所定条件を満たすかを判定する。例えば、演出制御手段254は、計数処理状態管理データのビット2(全計数処理)が1であることに応じて、全計数処理の実行中であると判定してもよい。また、例えば、演出制御手段254は、現時点の計数後の遊技メダル数が所定値(例えば、500)以下になった場合、全計数処理の進捗が所定条件を満たしたと判定してもよい。また、例えば、演出制御手段254は、全計数処理の開始時の遊技メダル数に対する現時点の計数後の遊技メダル数の割合(残りの遊技メダル数の割合)が所定割合以下になった場合、全計数処理の進捗が所定条件を満たしたと判定してもよい。また、例えば、演出制御手段254は、現時点の計数後の遊技メダル数が0になるまでにかかる時間(全計数処理の残りの時間)が所定時間(例えば、2秒)以下になった場合、全計数処理の進捗が所定条件を満たしたと判定してもよい。なお、演出制御手段254は、複数計数処理が開始されてからの計数した遊技メダル数が所定値以上となった場合や、複数計数処理の開始タイミングからの経過時間が所定時間以上となった場合に、全計数処理の進捗が所定条件を満たしたと判定してもよい。その結果、演出制御手段254は、現時点が全計数処理の実行中であり、かつ、全計数処理の進捗が所定条件を満たすと判定した場合、ステップS601に処理を移し、現時点が全計数処理の実行中ではないと判定した場合、または、現時点が全計数処理の実行中であると判定したとしても、全計数処理の進捗が所定条件を満たしていないと判定した場合、報知演出処理を終了する。
【0403】
このようにして、全計数処理の実行中の所定タイミングにおいて、RBB内部中遊技状態であれば、そのタイミングでRBB内部中遊技状態であることを示す報知がなされる。これにより、全計数処理の実行中の所定タイミングにおいて、遊技者は、当選役「RBB」に当選していることを認識することができる。それにより、遊技者は、実行中の全計数処理を解除する操作を行ってもよい。したがって、遊技者は、全計数処理を解除する操作を行った後に残っている遊技メダル数をベットしたり、再度貸出操作を行うことで増加した遊技メダル数をベットして遊技を行えば当選役「RBB」を入賞させることが可能となる。その結果、遊技者の利益が損なわれることを抑制することができる。このような現時点の遊技状態がRBB内部中遊技状態であることを報知することは、さらなる遊技利益を得られるという点において遊技者に有利な状態とも言える。
【0404】
また、演出制御手段254は、RBB内部中遊技状態であるかの判定に代えて、または、加えて、主制御基板200から送信されるコマンドの受信に応じて、現時点の演出状態が、通常AT演出状態への移行が確定している前兆演出状態であるかの判定を行ってもよい。そして、演出制御手段254は、全計数処理の開始タイミング、全計数処理の終了タイミング、または、全計数処理の実行中の任意のタイミングにおいて、現時点の演出状態が前兆演出状態である場合に、前兆演出状態である旨を報知演出によって報知してもよい。この態様では、遊技者は、前兆演出状態であることを認識することがでる。その結果、遊技者は、遊技を終了せずに続行することが可能であり、遊技者の利益が損なわれることを抑制することができる。このような現時点の演出状態が前兆演出状態であることを報知することは、さらなる遊技利益を得られるという点において遊技者に有利な状態とも言える。
【0405】
なお、RBB内部中遊技状態であることや前兆演出状態であることを示す報知する構成を単純に採用すると、例えば、遊技者が貸出操作を行った後に、遊技を行うことなく、すぐに全計数操作を行うようにして、当選役「RBB」や通常AT演出状態に当選しているかを確認するような使われ方をするおそれがある。この場合、遊技者は、電子化メダルを何ら消費することなく、当選役「RBB」や通常AT演出状態の当否を把握することができ、例えば、当選役「RBB」に当選していたら、不当に遊技利益を得ることが可能となる。このようなことが行われると、ゲーム性が損なわれるおそれがある。
【0406】
そこで、演出制御手段254は、全計数処理の開始タイミング、全計数処理の終了タイミング、または、全計数処理の実行中の任意のタイミングにおいて、現時点の遊技状態がRBB内部中遊技状態であったとしても、または、現時点の演出状態が前兆演出状態であったとしても、所定の制限条件を満たした場合、報知演出を制限して行わないようにしてもよい。所定の制限条件は、例えば、全計数操作が所定時間以内に所定回数以上(例えば、1時間以内に2回以上)行われた場合や、全計数操作が所定遊技数以内に所定回数以上(例えば、300遊技以内に2回以上)行われた場合としてもよい。この態様では、当選役「RBB」や通常AT演出状態に当選しているかを全計数操作によって確認するような使われ方によってゲーム性が損なわれることを防止することができる。
【0407】
また、演出制御手段254は、全計数処理の開始タイミング、全計数処理の終了タイミング、または、全計数処理の実行中の任意のタイミングにおいて、計数に係る不適切な操作がなされていると判定した場合、不適切な操作がなされている旨を示す報知演出を行ってもよい。
【0408】
計数に係る不適切な操作は、例えば、全計数処理の実行中にも拘わらず、計数スイッチ126あるいは全計数スイッチ142を押下し続けていることが挙げられる。なお、計数に係る不適切な操作は、例示した態様に限らない。
【0409】
演出制御手段254は、例えば、メッセージ「全計数中です。手を離しても計数は継続します。」などの注意喚起の表示を液晶表示部132に行うような報知演出を行ってもよい。これにより、遊技者は、全計数処理の実行中に、計数に係る不適切な操作が行われたことを認識することができ、全計数スイッチ142から手を離すことが可能となる。その結果、遊技者の利便性を向上させることができる。このような計数に係る不適切な操作が行われていることを報知することは、手を離しても計数が継続されるという点において遊技者に有利な状態とも言える。
【0410】
このように、スロットマシン100は、遊技価値(例えば、電子化メダル)を用いて行う遊技を制御する遊技制御手段(例えば、メインCPU200a)と、遊技価値を管理する管理制御手段(例えば、メダルCPU260a、メダル数更新手段274)と、管理制御手段が管理する遊技価値の少なくとも一部を外部(例えば、専用ユニット300)に送信する送信処理(例えば、計数処理)を行わせるための遊技者の操作を受け付ける操作手段(例えば、全計数スイッチ142、計数スイッチ126)と、管理制御手段が実行した送信処理に関する演出を制御する演出制御手段254と、を備え、管理制御手段は、操作手段への操作に応じ、所定数(例えば、50)の遊技価値を送信する単位送信処理を所定周期で繰り返し、操作手段への操作がOFFされても単位送信処理の実行が維持される全送信処理(例えば、全計数処理)を実行し、演出制御手段254は、当該遊技機の状態が所定の状態(例えば、RBB内部中遊技状態、前兆演出状態、計数に係る不適切な操作がなされている状態、総じて、遊技者に有利な状態)である場合に、全送信処理の開始タイミング、全送信処理の終了タイミング、または、全送信処理の実行中の任意のタイミングにおいて所定の報知演出を行う。
【0411】
かかる構成により、遊技者は、全計数操作を行って遊技を終了しようとしたときに、当選役「RBB」に当選しているなどの遊技者に有利な状態であることを認識することができる。そのため、遊技者は、遊技を終了せずに続行することが可能であり、遊技者の利益が損なわれることを抑制することができる。また、遊技者は、全計数処理の実行中に不適切な操作を行ったとしても、当該操作を行ったことを認識することができる。そのため、遊技者は、不適切な操作に対する修正を行うことができ、遊技者の利便性を向上させることができる。
【0412】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0413】
なお、上述した実施形態では、計数処理が50枚単位で行われるのに伴い、遊技メダル数表示装置128および液晶表示部132において、遊技メダル数を50枚ずつデクリメントする例を挙げて説明した。しかし、かかる場合に限らず、遊技メダル数表示装置128および液晶表示部132のうちいずれか一方または双方において、1~50枚のうちの所定枚数単位でデクリメントするように表示してもよい。例えば、複数計数処理の実行に応じて、遊技メダル数が300msec毎に50枚ずつデクリメントされている。ここで、メダル数更新手段274や演出制御手段254は、遊技メダル数を6msec(=300msec/50枚)毎に1枚ずつデクリメントしているかのように表示することで、恰も1枚ずつ連続して計数処理が実行されているように見せることができる。これは、メダル数更新手段274や演出制御手段254が、専用ユニット300との通信による計数処理の結果として50枚ずつ減算された遊技メダル数を内部に保持しておき、これとは独立して、表示用に設けられたカウンタにおいて、内部の値に追いつくまで(当該遊技メダル数と等しくなるまで)約6msecに1枚の減算速度で1~50枚のうちの所定枚数単位でデクリメントすることで実現することができる(すなわち、メダル数制御基板260のメダルCPU260aの割込み周期により、例えば、割込み周期が10msecであれば、その割込みタイミングに応じて表示用のカウンタを「1」または「2」減算することで、約6msecに1枚の減算速度で所持メダルが減っているように表示させることができる)。
【0414】
かかる構成により、遊技者は、小数単位ではあるものの、電子化メダル数が高頻度で計数処理されるのを視認できるため、多くの遊技メダル数を計数処理している感覚となり、優越感を得られる。また、従来、ホールに設置されたジェットカウンタにおけるメダルの計数も1枚単位で高頻度で行われていたため、遊技者は、従来のメダルの計数と同一の感覚を得ることができる。
【0415】
ただし、計数処理はあくまで50枚単位で実行されているので、メダル数更新手段274や演出制御手段254は、50枚の計数処理が完了した後に、所定枚数単位のデクリメントを表示することとなる。したがって、複数計数処理において、計数スイッチ126をOFFしたタイミングでは、遊技メダル数表示装置128や液晶表示部132の遊技メダル数のデクリメントは停止せず、計数スイッチ126をOFFする直前の計数タイミングで計数処理された遊技メダル数までデクリメントが継続する。
【0416】
また、上述した実施形態では、計数スイッチ126のONエッジからの時間が4000msec以上となると、操作状態フラグを3(全計数)に切り換え、計数スイッチ126を操作し続けなくとも、すなわち、計数スイッチ126をOFFにしても、長押し操作同様の計数処理が継続される例を挙げて説明した。しかし、かかる場合に限らず、計数スイッチ126のONエッジからの時間が4000msec以上となったタイミングでは、まだ、操作状態フラグを2(長押し)に維持し、計数スイッチ126のONエッジからの時間が4000msec以上となり、かつ、計数スイッチ126がOFFとなったOFFエッジで操作状態フラグを3(全計数)に切り換える(全計数操作と判定する)としてもよい。このように構成しても、遊技者の操作に対する計数処理の動作は変わらない。ただし、全計数処理の開始タイミングが変わるので、液晶表示部132の表示、スピーカ134から出力されている音声、演出用ランプ136の発光色を変化させるタイミングが異なることとなる。
【0417】
また、上述した実施形態では、
図15~
図21を用いて、遊技者が、計数スイッチ126をONし続け、計数スイッチ126のONエッジからの時間が4000msec以上となると、メダル数更新手段274が全計数処理を実行し、演出制御手段254が、計数処理状態管理データのビット2が1であると、全計数処理の開始を報知する例を挙げて説明した。また、
図22~
図26を用いて、遊技者が、計数スイッチ126をONし続け、複数計数回数カウンタが13以上となると、メダル数更新手段274が全計数処理を実行し、演出制御手段254が、サブ計数回数カウンタが13以上となると全計数処理の開始を報知する例を挙げて説明した。しかし、かかる場合に限らず、4000msecの計数とサブ計数回数カウンタの13回の計数とを組み合わせてもよい。例えば、計数スイッチ126のONエッジからの時間が4000msec以上となると、メダル数更新手段274が全計数処理を実行するが、計数処理状態管理データのビット2を設定せず、演出制御手段254が、サブ計数回数カウンタが13以上となると全計数処理の開始を報知するとしてもよい。かかる構成により、計数処理状態管理データのビット2を全計数処理に割り当てる必要がなくなるので、コマンドやプログラムの変更等に伴う設計負荷を軽減することが可能となる。
【0418】
なお、4000msecの計数とサブ計数回数カウンタの13回の計数とを組み合わせ、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONエッジからの時間が4000msec以上となると全計数処理を開始し、演出制御手段254は、サブ計数回数カウンタが13以上となると全計数処理の開始を報知するとなると、計数スイッチ126のONエッジからの時間が4000msecに到達するタイミングより、複数計数回数カウンタやサブ計数回数カウンタが13となるタイミングの方が、例えば、100msec~400msec遅くなる。しかし、遊技者は、タイミングが遅れた全計数処理への移行報知を視認して計数スイッチ126をOFFする。したがって、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のOFFエッジの時点では既に全計数処理に移行しており、まだ連続計数処理中で計数処理が停止してしまうといった事態が生じることはない。
【0419】
また、上述した実施形態では、スロットマシン100が単体として遊技を進行しない(できない)状態となる、設定変更中および設定確認中を「遊技が可能な間」に含まないとし、計数処理が制限される例を挙げて説明した。しかし、かかる場合に限らず、設定変更中および設定確認中であっても、VL接続信号がOFFしていなければ、計数スイッチ126や全計数スイッチ142の操作に応じて計数処理を実行してもよい。したがって、例えば、設定変更中および設定確認中に計数スイッチ126や全計数スイッチ142をONすると、それに応じて計数処理が実行され、また、計数処理が実行されている間に、設定キーや設定変更スイッチが操作された場合も、有効に設定変更や設定確認が行われる。
【0420】
また、上述した実施形態では、遊技メダル数が0枚になった場合、VL接続信号がOFFとなった場合、計数スイッチ126または全計数スイッチ142が再度ONされた場合に全計数処理が停止する例を挙げて説明した。しかし、かかる場合に限らず、電源スイッチ144aの再投入によっても全計数処理が停止する(有効ではなくなる)としてもよい。例えば、電源スイッチ144aのOFFによっては遊技メダル数および全計数処理を示すフラグ(例えば、計数処理状態管理バッファのビット2)の情報はクリアされない。しかし、電源スイッチ144aのONによって遊技メダル数は維持されるが、全計数処理を示すフラグはクリアされる。したがって、電源スイッチ144aの再投入後に全計数処理が継続することはなく、遊技メダル数は、電源スイッチ144aが切断された直前の計数タイミングにおける計数後の遊技メダル数となる。
【0421】
また、上述した実施形態では、VL接続信号がOFF(貸出装置接続エラー)となった場合、メダル数更新手段274が計数処理(単数計数処理、連続計数処理、および、全計数処理)を停止する例を挙げて説明した。このような、メダル数制御基板260で管理されるエラーとしては、専用ユニット300の治具が接続されていない場合に生じ、治具を接続することで自動復帰する、エラーコード「L」で表される「貸出装置接続エラー2」がある。また、その他のエラーとして、主制御基板200との通信に異常が発生している場合に生じ、電源を再投入することで復帰させることができる、エラーコード「P」で表される「主制御通信エラー」がある。ここで、メダル数更新手段274は、第1のエラー(例えば、「貸出装置接続エラー2」)が生じた場合、計数処理、例えば、全計数処理を停止(中断)するが、その一方で、第2のエラー(例えば、「主制御通信エラー」)が生じた場合、全計数処理を停止(中断)しないとしてもよい。
【0422】
なお、電源スイッチ144aが切断された状態で計数スイッチ126や全計数スイッチ142をONし、計数スイッチ126や全計数スイッチ142をONした状態で電源スイッチ144aを投入すると、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126や全計数スイッチ142のONを有効に認識したタイミング、例えば、メダル数更新手段274の初期化処理を含む所定時間(例えば、10秒)が経過したタイミングを、計数スイッチ126や全計数スイッチ142のONエッジとして操作状態を判定する。例えば、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONを認識したタイミングから500msec以上経過すると、長押し操作と判定して連続計数処理を実行し、4000msec以上経過すると、全計数操作と判定して全計数処理を実行する。また、メダル数更新手段274は、全計数スイッチ142のONを認識したタイミングにおいて全計数処理を実行する。
【0423】
また、VL接続信号がOFFとなった状態で計数スイッチ126や全計数スイッチ142をONし、計数スイッチ126や全計数スイッチ142をONした状態で、貸出装置接続エラーが解除されてVL接続信号がONとなると、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126や全計数スイッチ142のONを有効に認識したタイミング、例えば、エラー復帰に費やす所定時間(例えば、2秒)が経過したタイミングを、計数スイッチ126や全計数スイッチ142のONエッジとして操作状態を判定する。例えば、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126のONを認識したタイミングから500msec以上経過すると、長押し操作と判定して連続計数処理を実行し、4000msec以上経過すると、全計数操作と判定して全計数処理を実行する。また、メダル数更新手段274は、全計数スイッチ142のONを認識したタイミングにおいて全計数処理を実行する。
【0424】
なお、ここでは、計数スイッチ126や全計数スイッチ142をONした状態で、電源スイッチ144aを投入したり、VL接続信号がONとなると、メダル数更新手段274は、計数スイッチ126や全計数スイッチ142のONを有効に認識し、計数スイッチ126や全計数スイッチ142のONエッジとして操作状態を判定する例を挙げて説明した。一方で、ベットスイッチ116や精算スイッチ122は、ONエッジの検出時にしか処理が実行されない。換言すれば、ベットスイッチ116や精算スイッチ122は、ONした状態を維持していても、ONエッジ以外のタイミングではベットスイッチ116や精算スイッチ122としての機能を果たさない。したがって、ONエッジ後、ONした状態が維持されていても、また、OFF状態に変化したとしても、電子化メダルは転送されない。そうすると、ベットスイッチ116や精算スイッチ122をONした状態で、電源スイッチ144aを投入したり、VL接続信号がONとなったとしても、メダル数更新手段274は、ベットスイッチ116や精算スイッチ122のONを有効に認識することはなく、電子化メダルの投入や返却が行われることはない。
【0425】
また、上述した実施形態においては、ストップスイッチ120が3つ、リール110の数が3つ(左リール110a、中リール110b、右リール110c)の例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、ストップスイッチ120が4つ、リール110の数が4つ(第1リール、第2リール、第3リール、第4リール)や5つ以上の場合にも適用できる。この場合、最後の停止操作は第4停止操作となり、上述した実施形態の第3停止操作の開始および解除に対応する処理が、第4停止操作の開始および解除に対応して行われることとなる。
【0426】
また、上述した実施形態では、スロットマシン100に適用する例を挙げて説明したが、遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な大入賞口と、大入賞口を開閉する開閉部材と、所定条件が成立すると、開閉部材を開閉制御し、大入賞口が開放される複数回のラウンド遊技を含んで構成される大役遊技を実行する大入賞口制御手段と、を備えるパチンコ機を封入循環式にして遊技者が遊技球に触れることなく遊技を進行することができる、所謂、スマートパチンコに適用することもできる。
【0427】
スマートパチンコでは、スロットマシン100としてのスマートパチスロにおける、メダル数制御基板260、計数スイッチ126、遊技メダル数表示装置128それぞれと同機能を有する枠制御基板、計数スイッチ、遊技球数表示装置を適用することで、スマートパチスロ同様、スマートパチンコと専用ユニットとで遊技球を流通させることなく、遊技を進行することが可能となる。遊技球数表示装置は、遊技に供することが可能な電子化遊技球の総数である遊技球数を表示する表示装置である。なお、遊技球数は、遊技に供することが可能な遊技価値の総数である遊技価値数の一例に相当する。なお、スロットマシン100においては、計数スイッチ126、遊技メダル数表示装置128をそれぞれ操作部設置台112に設ける例を挙げて説明したが、スマートパチンコでは、計数スイッチ、遊技球数表示装置を、上皿(図示せず)の、例えば、十字キー(演出スイッチ)近傍に設けるとしてもよい。
【0428】
また、上述した実施形態では、主制御基板200と副制御基板240とメダル数制御基板260とが、遊技を進行するための機能部を分担するように配したが、主制御基板200の機能部を副制御基板240やメダル数制御基板260に配しても、副制御基板240の機能部を主制御基板200やメダル数制御基板260に配しても、メダル数制御基板260の機能を主制御基板200や副制御基板240に配してもよく、また、全ての機能部を1の制御基板に纏めて配することもできる。
【0429】
また、上述した主制御基板200、副制御基板240、メダル数制御基板260で行われる各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【符号の説明】
【0430】
100 スロットマシン(遊技機)
200 主制御基板
200a メインCPU
216 リール制御手段
222 遊技状態制御手段
224 演出状態制御手段
240 副制御基板
240a サブCPU
254 演出制御手段
260 メダル数制御基板
260a メダルCPU
274 メダル数更新手段
300 専用ユニット