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特開2025-25981情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025981
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20250214BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023131287
(22)【出願日】2023-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】521425652
【氏名又は名称】株式会社ゼロボード
(72)【発明者】
【氏名】仲又 暁洋
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA01
5L049AA01
(57)【要約】
【課題】適切に排出原単位を利用することができるようにする。
【解決手段】情報処理システムであって、温室効果ガスを排出する活動に係る活動量を記憶する活動量記憶部と、温室効果ガスの排出量を計算するための排出原単位を記憶する排出原単位記憶部と、排出原単位を使用可能なユーザを特定するための情報を記憶する使用ユーザ記憶部と、活動量に排出原単位を乗じて排出量を計算する排出量計算部と、使用ユーザ記憶部を参照して、出力先のユーザが排出原単位を使用可能か否かを判定する判定部と、出力先のユーザが排出原単位を使用可能である場合には、活動量及び排出原単位の少なくともいずれかと排出量とを出力し、出力先のユーザが排出原単位を使用可能でない場合には、活動量及び排出原単位のいずれも出力せずに排出量を出力する出力部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温室効果ガスを排出する活動に係る活動量を記憶する活動量記憶部と、
前記温室効果ガスの排出量を計算するための排出原単位を記憶する排出原単位記憶部と、
前記排出原単位を使用可能なユーザを特定するための情報を記憶する使用ユーザ記憶部と、
前記活動量に前記排出原単位を乗じて前記排出量を計算する排出量計算部と、
前記使用ユーザ記憶部を参照して、出力先のユーザが前記排出原単位を使用可能か否かを判定する判定部と、
前記出力先のユーザが前記排出原単位を使用可能である場合には、前記活動量及び前記排出原単位の少なくともいずれかと前記排出量とを出力し、前記出力先のユーザが前記排出原単位を使用可能でない場合には、前記活動量及び前記排出原単位のいずれも出力せずに前記排出量を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記出力部は、前記出力先のユーザが前記排出原単位を使用可能でない場合には、前記活動量及び前記排出原単位をマスクして出力すること、
を特徴とする、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記使用ユーザ記憶部は、前記ユーザが所属する組織を特定する組織特定情報及び同時可能な利用可能数を記憶し、
前記ユーザごとに所属する前記組織を特定する前記組織特定情報を記憶する組織情報記憶部と、
前記情報処理システムにアクセス中の前記組織に所属するユーザの数であるオンライン数を特定するオンライン数特定部と、
を備え、
前記出力部は、前記組織情報記憶部を参照して前記出力先のユーザが所属する前記組織を特定し、前記組織に対応する前記利用可能数が、前記オンライン数以上である場合に、前記排出原単位を使用可能と判断すること、
を特徴とする、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記排出原単位記憶部は、前記排出原単位のセットを特定するセット特定情報に対応付けて前記活動ごとの前記排出原単位を記憶し、
前記使用ユーザ記憶部は、前記セット特定情報と、前記セット特定情報により特定される前記セットに含まれる前記排出原単位を使用可能な前記ユーザを特定するための情報とを対応付けて記憶し、
前記排出量計算部は、前記出力先のユーザとは異なる入力ユーザから前記セット特定情報の指定を受け付け、前記使用ユーザ記憶部を参照して、前記入力ユーザが、指定された前記セット特定情報に対応する前記排出原単位を使用可能であるか否かを判定し、使用可能である場合に、指定された前記セット特定情報により特定される前記セット及び前記活動量に係る前記活動に対応する前記排出原単位を前記排出原単位記憶部から読み出し、読み出した前記排出原単位に前記活動量を乗じて前記排出量を算出すること、
を特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
温室効果ガスを排出する活動に係る活動量を記憶するステップと、
前記温室効果ガスの排出量を計算するための排出原単位を記憶するステップと、
前記排出原単位を使用可能なユーザを特定するための情報を使用ユーザ記憶部に記憶するステップと、
前記活動量に前記排出原単位を乗じて前記排出量を計算するステップと、
前記使用ユーザ記憶部を参照して、出力先のユーザが前記排出原単位を使用可能か否かを判定するステップと、
前記出力先のユーザが前記排出原単位を使用可能である場合には、前記活動量及び前記排出原単位の少なくともいずれかと前記排出量とを出力し、前記出力先のユーザが前記排出原単位を使用可能でない場合には、前記活動量及び前記排出原単位のいずれも出力せずに前記排出量を出力するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
温室効果ガスを排出する活動に係る活動量を記憶するステップと、
前記温室効果ガスの排出量を計算するための排出原単位を記憶するステップと、
前記排出原単位を使用可能なユーザを特定するための情報を使用ユーザ記憶部に記憶するステップと、
前記活動量に前記排出原単位を乗じて前記排出量を計算するステップと、
前記使用ユーザ記憶部を参照して、出力先のユーザが前記排出原単位を使用可能か否かを判定するステップと、
前記出力先のユーザが前記排出原単位を使用可能である場合には、前記活動量及び前記排出原単位の少なくともいずれかと前記排出量とを出力し、前記出力先のユーザが前記排出原単位を使用可能でない場合には、前記活動量及び前記排出原単位のいずれも出力せずに前記排出量を出力するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素の排出量を推定することが行われている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-091900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
排出原単位に利用制限が設けられることがある。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、適切に排出原単位を利用することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、情報処理システムであって、温室効果ガスを排出する活動に係る活動量を記憶する活動量記憶部と、前記温室効果ガスの排出量を計算するための排出原単位を記憶する排出原単位記憶部と、前記排出原単位を使用可能なユーザを特定するための情報を記憶する使用ユーザ記憶部と、前記活動量に前記排出原単位を乗じて前記排出量を計算する排出量計算部と、前記使用ユーザ記憶部を参照して、出力先のユーザが前記排出原単位を使用可能か否かを判定する判定部と、前記出力先のユーザが前記排出原単位を使用可能である場合には、前記活動量及び前記排出原単位の少なくともいずれかと前記排出量とを出力し、前記出力先のユーザが前記排出原単位を使用可能でない場合には、前記活動量及び前記排出原単位のいずれも出力せずに前記排出量を出力する出力部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、適切に排出原単位を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の排出量管理システムの全体構成例を示す図である。
図2】管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。
図3】管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。
図4】排出量の計算処理の流れを説明する図である。
図5】排出量の出力処理の流れを説明する図である。
図6】排出量の出力例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<システムの概要>
以下、本発明の一実施形態に係る排出量管理システムについて説明する。本実施形態の排出量管理システムは、企業等の排出主体による温室効果ガスの排出量を管理しようとするものである。本実施形態の排出量管理システムでは、排出主体又は排出主体のサプライチェーンにおける上流又は下流に位置する他の排出主体の活動量の入力を受け付け、これに排出原単位(排出係数)を乗じて排出量を計算する。
【0011】
本実施形態では、排出原単位は業者(以下、プロバイダという。)が販売しており、排出原単位の利用許諾を与えていることを想定する。本実施形態の排出量管理システムは、利用許諾を得ているユーザを管理し、全てのユーザに対して、計算結果である排出量は表示しつつも、利用許諾を得ていないユーザに対しては排出原単位を表示しないようにする。さらに、本実施形態の排出量管理システムは、利用許諾を得ていないユーザに対しては活動量も表示しないようにすることで、排出原単位を推定できないようにする。
【0012】
図1は、本実施形態の排出量管理システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の排出量管理システムは、管理サーバ2を含んで構成される。管理サーバ2は、ユーザ端末1と通信ネットワーク3を介して通信可能に接続される。通信ネットワーク3は、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0013】
ユーザ端末1は、排出主体の企業等のユーザが操作するコンピュータである。ユーザ端末1は、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどとすることができる。ユーザは、ユーザ端末1を用いて管理サーバ2にアクセスし、排出量の計算を行うことができる。
【0014】
管理サーバ2は、排出量の計算及び管理を行うコンピュータである。管理サーバ2は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0015】
<管理サーバ>
図2は、管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ2の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ2の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0016】
図3は、管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ2は、活動量記憶部231と、排出原単位記憶部232と、使用ユーザ記憶部233と、排出量記憶部234と、活動量取得部211と、排出原単位登録部212と、排出量計算部213と、出力部214と、を備える。
【0017】
<記憶部>
活動量記憶部231は、温室効果ガスを排出する活動に係る活動量を記憶する。活動量は、例えば、商品の生産個数(個)、購入個数(個)、物流により運んだ重量×距離(トンキロ)、消費した燃料の量(リットル)や金額(円)などである。活動量記憶部231は、活動量を識別する情報(活動量ID)と、排出主体を特定する情報(企業ID)と、温室効果ガスを排出する活動を特定する情報(活動特定情報)と、時間情報とに対応付けて、活動量を記憶することができる。活動特定情報は、活動を特定するための情報であれば形式を問わない。例えば、管理サーバ2に入力されるデータに活動の種類を一意に特定するID(活動ID)が設定される場合には、活動IDを活動特定情報とすることができる。また、データの種類と、データに含まれる項目の値に対する条件とを含む情報を活動特定情報とすることもできる。例えば、データが財務会計データである場合に、「財務会計データ」を指定する情報と、「勘定科目」が「旅費交通費」であり、摘要に「タクシー」が含まれるという条件を活動特定情報とすることができる。また、活動特定情報として、データを入力して活動を出力する関数や学習モデルなどを設定することもできる。時間情報は、活動が行われた期間を特定する情報である。時間情報は、例えば、日付や年、年度などとすることができる。
【0018】
排出原単位記憶部232は、温室効果ガスの排出量を計算するための排出原単位を含む情報(以下、排出原単位情報という。)を記憶する。排出原単位は、一次データ(排出主体自らが収集した、直接的な測定から得た、又は最初の情報源における直接的な測定に基づいた計算から得たデータ)と、二次データ(一次データ以外のデータ、例えば、同種の商品を提供する複数の企業の排出量から標準化(統計処理)されたもの)とが存在するが、本実施形態では、排出原単位は、プロバイダから販売されている二次データであることを想定している。排出原単位情報には、排出原単位を識別する情報(原単位ID)と、排出原単位を提供するプロバイダを特定する情報(プロバイダID)と、排出原単位のセットを特定する情報(原単位名)と、排出原単位のセットのバージョンとに対応付けて、活動特定情報及び排出原単位が含まれうる。プロバイダIDは、例えば、プロバイダが販売している排出原単位の名称としてもよい。バージョンは、例えば、年度などとすることもできる。1つのプロバイダID、原単位名及びバージョンの組に対応する活動特定情報及び排出原単位の組は複数存在してよい。
【0019】
使用ユーザ記憶部233は、排出原単位を使用可能なユーザを特定するための情報を記憶する。使用ユーザ記憶部233は、例えば、ユーザを識別する情報(ユーザID)に対応付けて、当該ユーザが所属する排出主体を特定する企業ID、プロバイダを示すプロバイダID、当該プロバイダが提供する排出原単位のバージョン、及び、当該ユーザに対して、当該排出原単位の使用が許諾されているか否かを示す使用可否フラグを記憶する。
【0020】
排出量記憶部234は、計算した温室効果ガスの排出量に関する情報(以下、排出量情報という。)を記憶する。排出量情報には、企業IDと、活動が行われた時期を特定する情報(時間情報)と、スコープと、カテゴリと、当該排出量の計算に用いられた活動量及び排出原単位を示す活動量ID及び原単位IDと、排出量とを含めることができる。時間情報は、例えば、年度や年、年月、年月日、日時範囲など任意の期間を設定することができる。スコープ及びカテゴリは、上述した分類記憶部232に登録されているスコープ及びカテゴリとすることができる。
【0021】
<機能部>
活動量取得部211は、活動量を取得する。活動量取得部211は、例えば、ユーザ端末1から活動量を受信することができる。活動量は、例えば、ERPシステムなどからエクスポートされたデータ(エクスポートデータ)やエクスポートデータを変換したデータなどに含まれる項目を用いることができる。これらのデータは、例えば、CSVデータやJSONデータ、XMLデータとすることができる。例えば、CSVデータでは、何番目の項目がどの活動のデータであるかを既知として、活動特定情報においてCSVデータの何番目の項目にどのような値が入っているかにより活動を特定することができる。また、JSONデータやXMLデータなどでは、設定されているデータがどのような項目であるかをタグ付けし、あるいは属性に設定するようにしてもよい。
【0022】
排出原単位登録部212は、活動に関する排出原単位を排出原単位記憶部232に登録する。排出原単位登録部212は、例えば、ユーザ端末1から排出原単位を受信することができる。排出原単位登録部212は、例えば、プロバイダのコンピュータ(不図示)にアクセスしてバージョン及び排出原単位を取得して排出原単位記憶部232に登録するようにしてもよい。
【0023】
排出量計算部213は、活動量に排出原単位を乗じて排出量を計算する。排出量計算部213は、スコープ及びカテゴリごとに排出量を集計することができる。なお、スコープ及びカテゴリごとに排出量を集計する処理については、例えば、活動ごとに該当するスコープ及びカテゴリを設定しておくなどして、活動量に対応するスコープ及びカテゴリを特定して集計することができる。排出量計算部213は、計算した排出量と、当該排出量の計算に用いた活動量を示す活動量IDと、当該排出量の計算に用いた排出原単位を示す原単位IDとを含む排出量情報を作成して排出量記憶部234に登録することができる。
【0024】
出力部214は、計算した排出量を出力する。出力部214は、使用ユーザ記憶部233を参照して、出力先のユーザ(例えば、ユーザ端末1からアクセスして現在管理サーバ2にログインしているユーザ)が、当該排出量の計算に用いた排出原単位を使用可能か否かを判定することができる。出力部214は、ユーザが排出原単位を使用可能である場合には、排出量に対応付けて、当該排出量の計算に用いた活動量及び排出原単位の少なくともいずれかを出力することができる。
【0025】
出力部214は、ユーザが排出原単位を使用可能でない場合には、排出量の計算に用いた活動量及び排出原単位のいずれも出力しない。出力部214は、出力先のユーザが排出原単位を使用可能でない場合に、活動量及び排出原単位をマスクして出力するようにしてもよい。
【0026】
<動作>
図4は、排出量の計算処理の流れを説明する図である。
【0027】
管理サーバ2は、ユーザが使用可能な排出原単位のバージョンを表示する(S301)。管理サーバ2は、例えば、ユーザ端末1から管理サーバ2にログインしているユーザを示すユーザIDに対応する原単位名及びバージョンを使用ユーザ記憶部233から読み出し、読み出した原単位名及びバージョンを表示する画面データをユーザ端末1に送信することができる。このとき管理サーバ2は、活動量の一覧をユーザ端末1に送信することもできる。
【0028】
管理サーバ2は、ユーザから、活動量及び使用する排出原単位の指定を受け付ける(S302)。排出原単位は、ステップS301で送信した原単位名及びバージョンの指定を受け付けるようにしてもよいし、ステップS301で送信した原単位名及びバージョンに対応する活動特定情報及び排出原単位の指定(例えば、原単位IDにより指定することができる。)を受け付けるようにしてもよい。なお、管理サーバ2は、ステップS301で送信した原単位名及びバージョンとは異なる排出原単位については受け付けないようにすることができる。
【0029】
管理サーバ2は、指定された活動量と排出原単位とを乗じて排出量を計算し(S303)、活動量、排出原単位、及び排出量を含む排出量情報を作成して排出量記憶部234に登録する(S304)。
【0030】
図5は、排出量の出力処理の流れを説明する図である。
【0031】
管理サーバ2は、排出量記憶部234に記憶されている排出量情報を読み出し、読み出した排出量情報に含まれる排出量を出力する(S321)。管理サーバ2は、例えば、ユーザ端末1から管理サーバ2にログインしているユーザを示すユーザIDに対応する企業IDを取得し、取得した企業IDに対応する排出量情報を排出量記憶部234から読み出すようにすることができる。管理サーバ2は、ユーザから時間情報の指定を受け付けて、指定された時間情報に対応する排出量情報に絞込を行うなどしてもよい。
【0032】
管理サーバ2は、出力した排出量が含まれる排出量情報に含まれる原単位IDに対応する原単位名及びバージョンを排出原単位記憶部232から特定する(S322)。管理サーバ2は、ユーザを示すユーザIDと、特定した原単位名及びバージョンとに対応する使用可否フラグを使用ユーザ記憶部233から読み出し、読み出した使用可否フラグに基づいてユーザが当該排出原単位を使用可能か否かを判定する(S323)。
【0033】
ユーザが排出原単位を使用可能である場合(S323:YES)、管理サーバ2は、排出量とともに、対応する排出原単位及び活動量を出力する(S324)。
【0034】
ユーザが排出原単位を使用可能でない場合には(S323:NO)、管理サーバ2は、対応する排出原単位及び活動量についてマスク出力する(S324)。図6は、排出量の出力例を示す図である。図6の例では、石炭消費に関する排出原単位について販売に係る使用制限が設けられていることを想定する。排出原単位を使用可能である場合には、図6上図に示すように、活動量及び排出原単位が排出量とともに表示されている。しかしながら、石炭消費に関する排出原単位についてユーザに使用許諾がされていない場合には、図6下図に示すように、活動量及び排出原単位の両方についてマスク出力される。これにより、使用許諾がされていないユーザは、排出原単位を画面上で確認することができず、また排出量から排出原単位を逆算することもできない。
【0035】
以上のようにして、本実施形態の排出量管理システムによれば、使用許諾が設定されている排出原単位を適切に利用することができる。
【0036】
<第2の実施形態>
上述した実施形態では、ユーザ単位で排出原単位の使用可否が設定されるものとしたが、企業ごとに同時使用可能数を設定することもできる。
【0037】
第2の実施形態では、管理サーバ2は、オンライン数特定部215と、組織情報記憶部235と、をさらに備えることができる。
【0038】
使用ユーザ記憶部233は、ユーザが所属する組織を特定する組織特定情報及び同時可能な利用可能数を記憶する。
【0039】
組織情報記憶部235は、ユーザごとに所属する組織を特定する企業IDを記憶する。
【0040】
オンライン数特定部215は、排出量管理システムにアクセス中の、同一組織に所属するユーザの数であるオンライン数を特定する。オンライン数特定部215は、管理サーバ2にログインしているユーザのうち、特定の企業IDに対応する人数をカウントすることができる。
【0041】
出力部214は、組織情報記憶部235を参照して、出力先のユーザが所属する組織(企業ID)を特定し、企業IDに対応する利用可能数が、オンライン数以上である場合に、排出原単位を使用可能と判断することができる。
【0042】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0043】
<開示事項>
なお、本開示には、以下のような構成も含まれる。
[項目1]
温室効果ガスを排出する活動に係る活動量を記憶する活動量記憶部と、
前記温室効果ガスの排出量を計算するための排出原単位を記憶する排出原単位記憶部と、
前記排出原単位を使用可能なユーザを特定するための情報を記憶する使用ユーザ記憶部と、
前記活動量に前記排出原単位を乗じて前記排出量を計算する排出量計算部と、
前記使用ユーザ記憶部を参照して、出力先のユーザが前記排出原単位を使用可能か否かを判定する判定部と、
前記出力先のユーザが前記排出原単位を使用可能である場合には、前記活動量及び前記排出原単位の少なくともいずれかと前記排出量とを出力し、前記出力先のユーザが前記排出原単位を使用可能でない場合には、前記活動量及び前記排出原単位のいずれも出力せずに前記排出量を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目2]
前記出力部は、前記出力先のユーザが前記排出原単位を使用可能でない場合には、前記活動量及び前記排出原単位をマスクして出力すること、
を特徴とする、項目1に記載の情報処理システム。
[項目3]
前記使用ユーザ記憶部は、前記ユーザが所属する組織を特定する組織特定情報及び同時可能な利用可能数を記憶し、
前記ユーザごとに所属する前記組織を特定する前記組織特定情報を記憶する組織情報記憶部と、
前記情報処理システムにアクセス中の前記組織に所属するユーザの数であるオンライン数を特定するオンライン数特定部と、
を備え、
前記出力部は、前記組織情報記憶部を参照して前記出力先のユーザが所属する前記組織を特定し、前記組織に対応する前記利用可能数が、前記オンライン数以上である場合に、前記排出原単位を使用可能と判断すること、
を特徴とする、項目1に記載の情報処理システム。
[項目4]
前記排出原単位記憶部は、前記排出原単位のセットを特定するセット特定情報に対応付けて前記活動ごとの前記排出原単位を記憶し、
前記使用ユーザ記憶部は、前記セット特定情報と、前記セット特定情報により特定される前記セットに含まれる前記排出原単位を使用可能な前記ユーザを特定するための情報とを対応付けて記憶し、
前記排出量計算部は、前記出力先のユーザとは異なる入力ユーザから前記セット特定情報の指定を受け付け、前記使用ユーザ記憶部を参照して、前記入力ユーザが、指定された前記セット特定情報に対応する前記排出原単位を使用可能であるか否かを判定し、使用可能である場合に、指定された前記セット特定情報により特定される前記セット及び前記活動量に係る前記活動に対応する前記排出原単位を前記排出原単位記憶部から読み出し、読み出した前記排出原単位に前記活動量を乗じて前記排出量を算出すること、
を特徴とする項目1に記載の情報処理システム。
[項目5]
温室効果ガスを排出する活動に係る活動量を記憶するステップと、
前記温室効果ガスの排出量を計算するための排出原単位を記憶するステップと、
前記排出原単位を使用可能なユーザを特定するための情報を使用ユーザ記憶部に記憶するステップと、
前記活動量に前記排出原単位を乗じて前記排出量を計算するステップと、
前記使用ユーザ記憶部を参照して、出力先のユーザが前記排出原単位を使用可能か否かを判定するステップと、
前記出力先のユーザが前記排出原単位を使用可能である場合には、前記活動量及び前記排出原単位の少なくともいずれかと前記排出量とを出力し、前記出力先のユーザが前記排出原単位を使用可能でない場合には、前記活動量及び前記排出原単位のいずれも出力せずに前記排出量を出力するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
[項目6]
温室効果ガスを排出する活動に係る活動量を記憶するステップと、
前記温室効果ガスの排出量を計算するための排出原単位を記憶するステップと、
前記排出原単位を使用可能なユーザを特定するための情報を使用ユーザ記憶部に記憶するステップと、
前記活動量に前記排出原単位を乗じて前記排出量を計算するステップと、
前記使用ユーザ記憶部を参照して、出力先のユーザが前記排出原単位を使用可能か否かを判定するステップと、
前記出力先のユーザが前記排出原単位を使用可能である場合には、前記活動量及び前記排出原単位の少なくともいずれかと前記排出量とを出力し、前記出力先のユーザが前記排出原単位を使用可能でない場合には、前記活動量及び前記排出原単位のいずれも出力せずに前記排出量を出力するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0044】
1 ユーザ端末
2 管理サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6