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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002602
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】記号特定装置および記号特定方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/023 20060101AFI20241226BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20241226BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20241226BHJP
   G06F 3/0346 20130101ALN20241226BHJP
【FI】
G06F3/023 420
G06F3/0484
G06F3/01 570
G06F3/0346 422
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102896
(22)【出願日】2023-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 駿介
【テーマコード(参考)】
5B020
5B087
5E555
【Fターム(参考)】
5B020AA01
5B020AA02
5B020AA04
5B020AA12
5B020DD02
5B020GG04
5B020GG41
5B087AA07
5B087AA09
5B087AB02
5B087AB12
5B087BC02
5B087BC13
5B087BC32
5E555AA04
5E555AA13
5E555BA38
5E555BA82
5E555BB38
5E555BC19
5E555BE17
5E555CA06
5E555CA10
5E555CA17
5E555CA42
5E555CB19
5E555CB20
5E555CB21
5E555CB66
5E555CC01
5E555CC19
5E555DA08
5E555DA09
5E555DA23
5E555DA24
5E555DB41
5E555DC05
5E555DC13
5E555DC63
5E555DD08
5E555EA14
5E555EA22
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】物理的な操作器がない場合でも、従来に対して細かな操作なしに、記号を特定可能とする。
【解決手段】動作の種別と、記号を決定するための要素とが紐づけられた動作要素変換情報を取得する動作要素変換情報取得部2011と、一連の要素と、記号とが紐づけられた要素記号変換情報を取得する要素記号変換情報取得部2012と、操作器または操作者における特定部位の動作の種別を示す動作情報を取得する動作情報取得部203と、動作要素変換情報取得部2011により取得された動作要素変換情報および動作情報取得部203により取得された動作情報に基づいて、要素を特定する要素特定部204と、要素記号変換情報取得部2012により取得された要素記号変換情報および要素特定部204により特定された一連の要素に基づいて、記号を特定する記号特定部205とを備えた。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作の種別と、記号を決定するための要素とが紐づけられた動作要素変換情報を取得する動作要素変換情報取得部と、
一連の要素と、記号とが紐づけられた要素記号変換情報を取得する要素記号変換情報取得部と、
操作器または操作者における特定部位の動作の種別を示す動作情報を取得する動作情報取得部と、
前記動作要素変換情報取得部により取得された動作要素変換情報および前記動作情報取得部により取得された動作情報に基づいて、要素を特定する要素特定部と、
前記要素記号変換情報取得部により取得された要素記号変換情報および前記要素特定部により特定された一連の要素に基づいて、記号を特定する記号特定部と
を備えた記号特定装置。
【請求項2】
動作の種別と、記号とが紐づけられた動作記号変換情報を取得する動作記号変換情報取得部を備え、
前記記号特定部は、前記動作記号変換情報取得部により取得された動作記号変換情報および前記動作情報取得部により取得された動作情報に基づいて、記号を特定する
ことを特徴とする請求項1記載の記号特定装置。
【請求項3】
動作の種別を検出するための検出範囲を設定する検出範囲設定部を備え、
前記動作情報取得部は、前記検出範囲設定部により設定された検出範囲に基づいて、コントローラまたは操作者における特定部位の位置あるいは位置および姿勢から、動作の種別を検出することで、動作情報を取得する
ことを特徴とする請求項1記載の記号特定装置。
【請求項4】
前記記号特定部により特定された記号が切り替わった場合に、当該切り替わりを示す通知を行う通知部を備えた
ことを特徴とする請求項1記載の記号特定装置。
【請求項5】
動作要素変換情報取得部が、動作の種別と、記号を決定するための要素とが紐づけられた動作要素変換情報を取得するステップと、
要素記号変換情報取得部が、一連の要素と、記号とが紐づけられた要素記号変換情報を取得するステップと、
動作情報取得部が、操作器または操作者における特定部位の動作の種別を示す動作情報を取得するステップと、
要素特定部が、前記動作要素変換情報取得部により取得された動作要素変換情報および前記動作情報取得部により取得された動作情報に基づいて、要素を特定するステップと、
記号特定部が、前記要素記号変換情報取得部により取得された要素記号変換情報および前記要素特定部により特定された一連の要素に基づいて、記号を特定するステップと
を有する記号特定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、仮想空間において記号を特定する記号特定装置および記号特定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、VR(Virtual Reality)またはMR(Mixed Reality)などの仮想空間上に表示された仮想キーボードに対し、コントローラなどの操作器を用いて特定のキーを指し示すことで、文字入力を行うシステムが知られている。
【0003】
しかしながら、このシステムでは、仮想キーボードに配列された非常に多くのキーの中から、特定のキーを指し示す必要がある。よって、ユーザに対して細かな操作が要求され、ユーザは特定のキーを指し示せているか注視する必要がある。また、仮想空間上の特定の箇所を指し示す必要があることから、ユーザとしては、どのような体勢の際にどのキーを指し示せているのかが体感的にわかりづらい。
【0004】
これに対し、まず、コントローラに設けられたタッチパッドにおいて母音を選択し、その後に、コントローラで特定の動作を行って子音を選択することで、文字入力を行うシステムも知られている(例えば非特許文献1参照)。これにより、ユーザは、細かな操作を回避することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】https://qiita.com/yutoVR/items/a80bd382f9b52b786a8a
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のシステムでは、コントローラに設けられたタッチパッドを用いる必要がある。しかしながら、VRまたはMRでは、多種多様のコントローラが用いられており、タッチパッドがない場合もある。また、コントローラなどの操作器を用いずに、ハンドトラッキングによって操作を行う場合もある。そのため、従来のシステムでは、機種によっては対応できない場合がある。
【0007】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、物理的な操作器がない場合でも、従来に対して細かな操作なしに、記号を特定可能となる記号特定装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る記号特定装置は、動作の種別と、記号を決定するための要素とが紐づけられた動作要素変換情報を取得する動作要素変換情報取得部と、一連の要素と、記号とが紐づけられた要素記号変換情報を取得する要素記号変換情報取得部と、操作器または操作者における特定部位の動作の種別を示す動作情報を取得する動作情報取得部と、動作要素変換情報取得部により取得された動作要素変換情報および動作情報取得部により取得された動作情報に基づいて、要素を特定する要素特定部と、要素記号変換情報取得部により取得された要素記号変換情報および要素特定部により特定された一連の要素に基づいて、記号を特定する記号特定部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、上記のように構成したので、物理的な操作器がない場合でも、従来に対して細かな操作なしに、記号を特定可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る記号入力システムの構成例を示す図である。
図2】実施の形態1に係る記号特定装置の構成例を示す図である。
図3】実施の形態1に係る記号特定装置の動作例を示すフローチャートである。
図4】実施の形態1に係る記号特定装置の動作例を示す図である。
図5】実施の形態2に係る記号特定装置の構成例を示す図である。
図6】実施の形態2に係る記号特定装置の動作例を示すフローチャートである。
図7図7A図7Bは、実施の形態1,2に係る記号特定装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る記号入力システムの構成例を示す図である。
記号入力システムは、VRまたはMRなどの仮想空間において記号を入力するためのシステムである。なお、記号としては、例えば、仮名およびアルファベットなどの文字、数字、ならびに、その他の記号などが挙げられる。
この記号入力システムは、図1に示すように、コントローラ1、記号特定装置2、および、表示装置3を備えている。
【0012】
なお、図1では、記号特定装置2が、表示装置3の外部に設けられた場合を示している。しかしながら、これに限らず、記号特定装置2は、表示装置3の内部に設けられていてもよい。
【0013】
コントローラ1は、ユーザが手に持って操作を行う操作器である。このコントローラ1は、位置検出部を有している。位置検出部は、コントローラ1の位置、あるいは、コントローラ1の位置および姿勢を検出する。
このコントローラ1としては、既存のコントローラを用いることが可能である。
【0014】
記号特定装置2は、位置検出部による検出結果に基づいて、記号を特定する。
この記号特定装置2の構成例については後述する。
【0015】
表示装置3は、記号特定装置2により特定された記号を仮想空間上に表示する。
この表示装置3は、例えばヘッドマウントディスプレイ型のデバイスである。この表示装置3としては、既存の表示装置を用いることが可能である。
【0016】
なお、上記では、記号入力システムがコントローラ1などの操作器を有する場合を示した。しかしながら、これに限らず、記号入力システムは、コントローラ1などの操作器を有していなくてもよい。
この場合、位置検出部は、操作者における特定部位の位置、あるいは、操作者における特定部位の位置および姿勢を検出する。なお、位置検出部は、例えば、操作者における特定部位を撮影する撮影装置により得られた画像から、上記検出が可能である。また、操作者における特定部位としては、例えば操作者の手先が挙げられる。
【0017】
すなわち、実施の形態1に係る記号入力システムは、コントローラ1などの操作器または操作者における特定部位の位置あるいは位置および姿勢を検出可能であればよく、コントローラ1などの操作器の種別または有無にかかわらず、幅広い機種に適用可能である。
【0018】
次に、記号特定装置2の構成例について、図2を参照しながら説明する。
記号特定装置2は、図2に示すように、変換情報取得部201、検出範囲設定部202、動作情報取得部203、要素特定部204、記号特定部205、および、通知部206を有している。また、変換情報取得部201は、動作要素変換情報取得部2011および要素記号変換情報取得部2012を有している。
【0019】
動作要素変換情報取得部2011は、動作要素変換情報を取得する。動作要素変換情報は、動作の種別と、記号を決定するための要素とが紐づけられた情報である。また、1つの動作の種別に対して複数の要素が紐づけられる場合、動作要素変換情報には、動作から要素に変換する際の要素の切り替え順序を示す情報が含まれる。
なお、記号を決定するための要素としては、例えば、子音および母音、ならびに、濁点、半濁点および拗音などが挙げられる。
【0020】
実施の形態1に係る記号特定装置2では、例えば、第1の動作に対して、母音(あ、い、う、え、お)を対応付け、第1の動作とは異なる第2の動作に対して、子音(あ、か、さ、た、な、・・・)を対応付け、第1の動作および第2の動作とは異なる第3の動作に対して、濁点、半濁点および拗音などを対応付けることが可能である。
また、この際、実施の形態1に係る記号特定装置2では、第1の動作が行われるごとに切り替える母音の順序(あ、い、う、え、おの切り替え順序)を設定し、第2の動作が行われるごとに切り替える子音の順序(あ、か、さ、た、な、・・・の切り替え順序)を設定し、第3の動作が行われるごとに切り替える濁点、半濁点および拗音などの切り替え順序を設定することが可能である。
【0021】
また、動作要素変換情報取得部2011は、ユーザによる操作に応じ、動作要素変換情報を任意に設定および変更可能に構成されていてもよい。
【0022】
要素記号変換情報取得部2012は、要素記号変換情報を取得する。要素記号変換情報は、一連の要素と、記号とが紐づけられた情報である。
【0023】
また、要素記号変換情報取得部2012は、ユーザによる操作に応じ、要素記号変換情報を設定および変更可能に構成されていてもよい。
例えば、要素記号変換情報では、子音および母音、ならびに、濁点、半濁点および拗音などの要素の組み合わせと、それらの要素から構成される1つのひらがなとが対応付けられている。
【0024】
検出範囲設定部202は、動作の種別を検出するための検出範囲を設定する。検出範囲としては、例えば、動作の基準位置、動作の移動量、または、動作の回転量などが挙げられる。
なお、この検出範囲設定部202は、ユーザによる操作に応じ、検出範囲を任意に設定および変更可能に構成されていてもよい。
【0025】
動作情報取得部203は、コントローラ1による動作の種別を示す動作情報を取得する。
この際、動作情報取得部203は、検出範囲設定部202により設定された検出範囲に基づいて、位置検出部により検出されたコントローラ1の位置あるいは位置および姿勢から、動作の種別を検出することで、動作情報を取得してもよい。
また、動作情報取得部203は、外部から入力された動作情報そのものを取得してもよい。
【0026】
要素特定部204は、動作要素変換情報取得部2011により取得された動作要素変換情報および動作情報取得部203により取得された動作情報に基づいて、要素を特定する。この際、要素特定部204は、上記動作情報が示す動作の種別と同一の動作の種別を動作要素変換情報から抽出し、当該動作の種別に紐づけられた要素を動作要素変換情報から抽出することで、要素を特定する。
【0027】
なお、要素特定部204は、動作情報取得部203により複数の動作情報が同じタイミングで取得された場合には、当該動作情報ごとに並行して要素の特定を行うことが可能である。
例えば、要素特定部204は、動作情報取得部203により第1の動作を示す動作情報と第2の動作を示す動作情報とが同じタイミングで取得された場合、当該第1の動作に紐づく要素の特定と当該第2の動作に紐づく要素の特定とを並行して行うことが可能である。
【0028】
記号特定部205は、要素記号変換情報取得部2012により取得された要素記号変換情報および要素特定部204により特定された一連の要素に基づいて、記号を特定する。この際、記号特定部205は、上記一連の要素と同一の一連の要素を要素記号変換情報から抽出し、当該一連の要素に紐づけられた記号を要素記号変換情報から抽出することで、記号を特定する。
【0029】
なお、記号特定部205は、例えば、記号を特定後、記号の切り替えが一定時間生じない場合に、当該特定した記号を最終的な記号として確定してもよい。
また、記号特定部205は、例えば、記号を特定後、ユーザによる操作に応じて、当該特定した記号を最終的な記号として確定してもよい。上記操作としては、例えばコントローラ1が有する特定のボタンの押下などが挙げられる。
【0030】
通知部206は、記号特定部205により特定された記号が切り替わった場合に、当該切り替わりを示す通知を行う。この際、例えば、通知部206は、コントローラ1に振動を発生させるまたは音を発生させるなどによって上記通知を行う。
また、通知部206は、記号特定部205により特定された記号が切り替わった場合、切り替わりの要因となった要素(動作の種別)に応じ、異なる通知を行ってもよい。例えば、通知部206は、切り替わりの要因となった要素(動作の種別)に応じ、振動の強弱、長さまたは回数などを変更してもよいし、音の高低、長さまたは回数などを変更してもよい。
【0031】
なお、記号入力システムがコントローラ1などの操作器を有していない場合、動作情報取得部203は、操作者における特定部位の動作の種別を示す動作情報を取得する。
この際、動作情報取得部203は、検出範囲設定部202により設定された検出範囲に基づいて、位置検出部により検出された操作者の位置あるいは位置および姿勢から、動作の種別を検出することで、動作情報を取得してもよい。
また、動作情報取得部203は、外部から入力された動作情報そのものを取得してもよい。
【0032】
また、上記では、記号特定装置2に検出範囲設定部202が設けられた場合を示した。しかしながら、検出範囲設定部202は記号特定装置2に必須の構成ではなく、検出範囲設定部202が記号特定装置2に設けられていなくてもよい。
【0033】
次に、図1,2に示す実施の形態1に係る記号特定装置2の動作例について、図3を参照しながら説明する。
ここで、以下では、記号入力システムがコントローラ1を有する場合を示す。また、記号はひらがなであり、要素は、子音および母音、ならびに、濁点、半濁点および拗音であるとする。また、ここでは、例えば図4に示すように、コントローラ1の前後移動動作(符号41に示す動作)に子音(あ、か、さ、た、な、・・・)を対応付け、コントローラ1の回転動作(符号42に示す動作)に母音(あ、い、う、え、お)を対応付け、コントローラ1の左右移動動作(符号43に示す動作)に濁点、半濁点および拗音を対応付けた場合を例に説明を行う。
【0034】
なお、動作要素変換情報取得部2011は、動作要素変換情報を取得している。また、要素記号変換情報取得部2012は、要素記号変換情報を取得している。また、検出範囲設定部202は、動作の種別を判定するための検出範囲を設定している。
【0035】
この図1,2に示す実施の形態1に係る記号特定装置2の動作例では、図3に示すように、まず、動作情報取得部203は、コントローラ1による動作の種別を示す動作情報を取得する(ステップST101)。ここでは、動作情報取得部203は、検出範囲設定部202により設定された検出範囲に基づいて、位置検出部により検出されたコントローラ1の位置あるいは位置および姿勢から、動作の種別を検出することで、動作情報を取得する。
【0036】
次いで、要素特定部204は、動作要素変換情報取得部2011により取得された動作要素変換情報および動作情報取得部203により取得された動作情報に基づいて、要素を特定する(ステップST102)。この際、要素特定部204は、上記動作情報が示す動作の種別と同一の動作の種別を動作要素変換情報から抽出し、当該動作の種別に紐づけられた要素を動作要素変換情報から抽出することで、要素を特定する。
【0037】
ここで、要素特定部204は、動作情報が示す動作の種別がコントローラ1の前後移動動作(符号41に示す動作)である場合、子音を特定する。なお、要素特定部204は、コントローラ1の前後移動動作が行われる度に特定する子音を切り替える。
また、要素特定部204は、動作情報が示す動作の種別がコントローラ1の回転動作(符号42に示す動作)である場合、母音を特定する。なお、要素特定部204は、コントローラ1の回転動作が行われる度に特定する母音を切り替える。
また、要素特定部204は、動作情報が示す動作の種別がコントローラ1の左右移動動作(符号43に示す動作)である場合、濁点、半濁点および拗音を特定する。なお、要素特定部204は、コントローラ1の左右移動動作が行われる度に特定する濁点、半濁点および拗音を切り替える。
【0038】
なお、要素特定部204は、動作情報取得部203により複数の動作情報が同じタイミングで取得された場合には、当該動作情報ごとに並行して要素の特定を行うことが可能である。
例えば、要素特定部204は、動作情報取得部203により前後移動動作を示す動作情報と回転動作を示す動作情報とが同じタイミングで取得された場合、当該前後移動動作に紐づく子音の特定と当該回転動作に紐づく母音の特定とを並行して行うことが可能である。
【0039】
次いで、記号特定部205は、要素記号変換情報取得部2012により取得された要素記号変換情報および要素特定部204により特定された一連の要素に基づいて、記号を特定する(ステップST103)。この際、記号特定部205は、上記一連の要素と同一の一連の要素を要素記号変換情報から抽出し、当該一連の要素に紐づけられた記号を要素記号変換情報から抽出することで、記号を特定する。
【0040】
ここで、記号特定部205は、要素特定部204により特定された子音および母音、ならびに、濁点、半濁点および拗音の組み合わせに基づいて、1つのひらがなを特定する。
【0041】
なお、記号特定部205は、例えば、記号を特定後、記号の切り替えが一定時間生じない場合に、当該特定した記号を最終的な記号として確定してもよい。
また、記号特定部205は、例えば、記号を特定後、ユーザによる操作に応じて、当該特定した記号を最終的な記号として確定してもよい。上記操作としては、例えばコントローラ1が有する特定のボタンの押下などが挙げられる。
【0042】
また、通知部206は、記号特定部205により特定された記号が切り替わった場合に、当該切り替わりを示す通知を行う。この際、例えば、通知部206は、コントローラ1に振動を発生させるまたは音を発生させるなどによって上記通知を行う。
また、通知部206は、記号特定部205により特定された記号が切り替わった場合、切り替わりの要因となった要素(動作の種別)に応じ、異なる通知を行ってもよい。
【0043】
例えば、通知部206は、子音が切り替わる度に(コントローラ1の前後移動動作が行われる度に)、強い振動または高い音を発生させ、母音が切り替わる度に(コントローラ1の回転動作が行われる度に)、中程度の振動または中程度の音を発生させ、濁点、半濁点および拗音が切り替わる度に(コントローラ1の左右移動動作が行われる度に)、弱い振動または低い音を発生させてもよい。
このように、通知部206において、記号(要素)の切り替わりのタイミングでフィードバックを返すことで、ユーザは、それぞれの動きに対し、どの程度動かすことで入力が切り替わるかを体感的に学習し易くする。
【0044】
このように、実施の形態1に係る記号特定装置2では、例えば、コントローラ1の前後移動動作により子音(列)を選択し、回転動作により母音(行)を選択、左右移動動作により濁点、半濁点、拗音を選択することで、ひらがなを特定可能である。
このように、実施の形態1に係る記号特定装置2では、例えば、前後移動動作、回転動作および左右移動動作それぞれに独立した機能を持たせることとで、タッチパッドなどの物理的な操作器がない場合でも、従来に対して細かな操作なしに、記号を特定可能となる。
よって、実施の形態1に係る記号特定装置2では、仮想空間での記号入力をよりスムーズに行えるようになり、仮想空間上にコメントを残したい場面または音声認識に頼らずに文字を残したい場面、その他現状キーボード形式で記号入力を行っている場面での効率の向上およびストレスの低減が期待できる。
【0045】
また、実施の形態1に係る記号特定装置2では、検出範囲設定部202が、動作の種別を検出するための検出範囲を設定し、動作情報取得部203が、当該検出範囲に基づいて、コントローラ1または操作者における特定部位の位置あるいは位置および姿勢から、動作の種別を検出することで、動作情報を取得することを可能としている。これにより、実施の形態1に係る記号特定装置2では、ユーザの体格または好みなどにあわせて検出範囲を調整可能となる。また、ユーザが、どのようにコントローラ1または自身の特定部位を動かすことで、目的の記号を選択できるのかを体感的に学習し易くなる。
【0046】
また、実施の形態1に係る記号特定装置2では、要素特定部204が、動作情報取得部203により複数の動作情報が同じタイミングで取得された場合に、当該動作情報ごとに並行して要素の特定を行うことを可能としている。これにより、実施の形態1に係る記号特定装置2では、ユーザの学習が進めば、ユーザが複数の動作(例えば移動動作と回転動作)を同時に行い、より少ないアクションで記号を選択することも可能となる。
【0047】
以上のように、この実施の形態1によれば、記号特定装置2は、動作の種別と、記号を決定するための要素とが紐づけられた動作要素変換情報を取得する動作要素変換情報取得部2011と、一連の要素と、記号とが紐づけられた要素記号変換情報を取得する要素記号変換情報取得部2012と、操作器または操作者における特定部位の動作の種別を示す動作情報を取得する動作情報取得部203と、動作要素変換情報取得部2011により取得された動作要素変換情報および動作情報取得部203により取得された動作情報に基づいて、要素を特定する要素特定部204と、要素記号変換情報取得部2012により取得された要素記号変換情報および要素特定部204により特定された一連の要素に基づいて、記号を特定する記号特定部205とを備えた。これにより、実施の形態1に係る記号特定装置2は、物理的な操作器がない場合でも、従来に対して細かな操作なしに、記号を特定可能となる。
【0048】
実施の形態2.
実施の形態1に係る記号特定装置2では、まず、要素特定部204が動作の種別から要素を特定し、その後に、記号特定部205が一連の要素から記号を特定する場合を示した。これに対し、実施の形態2に係る記号特定装置2では、上記機能に加え、記号特定部205が動作の種別から記号を直接特定する機能を有する場合について説明する。
【0049】
図5は実施の形態2に係る記号特定装置2の構成例を示す図である。この図5に示す実施の形態2に係る記号特定装置2は、図2に示す実施の形態1に係る記号特定装置2に対し、変換情報取得部201に動作記号変換情報取得部2013が追加されている。図5に示す実施の形態2に係る記号特定装置2におけるその他の構成例は、図2に示す実施の形態1に係る記号特定装置2の構成例と同様であり、同一の符号を付して異なる部分についてのみ説明を行う。
【0050】
動作記号変換情報取得部2013は、動作記号変換情報を取得する。動作記号変換情報は、動作の種別と、記号とが紐づけられた情報である。また、1つの動作の種別に対して複数の記号が紐づけられる場合、動作要素変換情報には、動作から記号に変換する際の記号の切り替え順序を示す情報が含まれる。
【0051】
実施の形態2に係る記号特定装置2では、例えば、仮名、アルファベット、または数字などをそれぞれ複数に分割して、動作の種別ごとに登録可能である。
例えば、実施の形態2に係る記号特定装置2では、第1の動作に対して、A,B,C,D,Eを対応付け、第1の動作とは異なる第2の動作に対して、F,G,H,I,Jを対応付け、第1の動作および第2の動作とは異なる第3の動作に対して、K,L,M,N,Oを対応付ける、といったことが可能である。
また、この際、実施の形態2に係る記号特定装置2では、第1の動作が行われるごとに切り替えるアルファベットの順序(A,B,C,D,Eの切り替え順序)を設定し、第2の動作が行われるごとに切り替えるアルファベットの順序(F,G,H,I,Jの切り替え順序)を設定し、第3の動作が行われるごとに切り替えるアルファベットの順序(K,L,M,N,Oの切り替え順序)を設定することが可能である。
【0052】
また、記号特定部205は、実施の形態1における記号特定部205の機能に加え、動作記号変換情報取得部2013により取得された動作記号変換情報および動作情報取得部203により取得された動作情報に基づいて、記号を特定する機能も有している。この際、記号特定部205は、上記動作の種別と同一の動作の種別を動作記号変換情報から抽出し、当該動作の種別に紐づけられた記号を動作記号変換情報から抽出することで、記号を特定する。
【0053】
次に、図5に示す実施の形態2に係る記号特定装置2の動作例について、図6を参照しながら説明する。以下では、記号特定装置2が、動作の種別から記号を直接特定する場合の動作例について説明する。
ここで、以下では、記号入力システムがコントローラ1を有する場合を示す。また、記号はアルファベットであるとする。また、ここでは、例えば図4に示すように、コントローラ1の前後移動動作(符号41に示す動作)にA,B,C,D,Eを対応付け、コントローラ1の回転動作(符号42に示す動作)にF,G,H,I,Jを対応付け、コントローラ1の左右移動動作(符号43に示す動作)にK,L,M,N,Oを対応付けた場合を例に説明を行う。
【0054】
なお、動作記号変換情報取得部2013は、動作記号変換情報を取得している。また、検出範囲設定部202は、動作の種別を判定するための検出範囲を設定している。
【0055】
この図5に示す実施の形態2に係る記号特定装置2の動作例では、図6に示すように、まず、動作情報取得部203は、コントローラ1による動作の種別を示す動作情報を取得する(ステップST201)。ここでは、動作情報取得部203は、検出範囲設定部202により設定された検出範囲に基づいて、位置検出部により検出されたコントローラ1の位置あるいは位置および姿勢から、動作の種別を検出することで、動作情報を取得する。
【0056】
次いで、記号特定部205は、動作記号変換情報取得部2013により取得された動作記号変換情報および動作情報取得部203により取得された動作情報に基づいて、記号を特定する(ステップST202)。この際、記号特定部205は、上記動作の種別と同一の動作の種別を動作記号変換情報から抽出し、当該動作の種別に紐づけられた記号を動作記号変換情報から抽出することで、記号を特定する。
【0057】
ここで、記号特定部205は、動作情報が示す動作の種別がコントローラ1の前後移動動作(符号41に示す動作)である場合、コントローラ1の前後移動動作が行われる度に切り替えながら、A,B,C,D,Eのうちの何れかを記号として特定する。
また、記号特定部205は、動作情報が示す動作の種別がコントローラ1の回転動作(符号42に示す動作)である場合、コントローラ1の回転動作が行われる度に切り替えながら、F,G,H,I,Jのうちの何れかを記号として特定する。
また、記号特定部205は、動作情報が示す動作の種別がコントローラ1の左右移動動作(符号43に示す動作)である場合、コントローラ1の左右移動動作が行われる度に切り替えながら、K,L,M,N,Oのうちの何れかを記号として特定する。
【0058】
なお、記号特定部205は、例えば、記号を特定後、記号の切り替えが一定時間生じない場合に、当該特定した記号を最終的な記号として確定してもよい。
また、記号特定部205は、例えば、記号を特定後、ユーザによる操作に応じて、当該特定した記号を最終的な記号として確定してもよい。上記操作としては、例えばコントローラ1が有する特定のボタンの押下などが挙げられる。
【0059】
また、通知部206は、記号特定部205により特定された記号が切り替わった場合に、当該切り替わりを示す通知を行う。この際、例えば、通知部206は、コントローラ1に振動を発生させるまたは音を発生させるなどによって上記通知を行う。
【0060】
以上のように、この実施の形態2によれば、記号特定装置2は、動作の種別と、記号とが紐づけられた動作記号変換情報を取得する動作記号変換情報取得部2013を備え、記号特定部205は、動作記号変換情報取得部2013により取得された動作記号変換情報および動作情報取得部203により取得された動作情報に基づいて、記号を特定する。これにより、実施の形態2に係る記号特定装置2は、物理的な操作器がない場合でも、従来に対して細かな操作なしに、記号を特定可能となる。
【0061】
最後に、図7を参照して、実施の形態1,2に係る記号特定装置2のハードウェア構成例を説明する。以下では、実施の形態1に係る記号特定装置2のハードウェア構成例について説明するが、実施の形態2に係る記号特定装置2のハードウェア構成例についても同様である。
記号特定装置2における変換情報取得部201、検出範囲設定部202、動作情報取得部203、要素特定部204、記号特定部205、および、通知部206の各機能は、処理回路51により実現される。処理回路51は、図7Aに示すように、専用のハードウェアであってもよいし、図7Bに示すように、メモリ53に格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、またはDSP(Digital Signal Processor)ともいう)52であってもよい。
【0062】
処理回路51が専用のハードウェアである場合、処理回路51は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。変換情報取得部201、検出範囲設定部202、動作情報取得部203、要素特定部204、記号特定部205、および、通知部206の各部の機能それぞれを処理回路51で実現してもよいし、各部の機能をまとめて処理回路51で実現してもよい。
【0063】
処理回路51がCPU52の場合、変換情報取得部201、検出範囲設定部202、動作情報取得部203、要素特定部204、記号特定部205、および、通知部206の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ53に格納される。処理回路51は、メモリ53に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、記号特定装置2は、処理回路51により実行されるときに、例えば図3に示した各ステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ53を備える。また、これらのプログラムは、変換情報取得部201、検出範囲設定部202、動作情報取得部203、要素特定部204、記号特定部205、および、通知部206の手順および方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ53としては、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、またはDVD(Digital Versatile Disc)などが該当する。
【0064】
なお、変換情報取得部201、検出範囲設定部202、動作情報取得部203、要素特定部204、記号特定部205、および、通知部206の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。例えば、変換情報取得部201については専用のハードウェアとしての処理回路51でその機能を実現し、検出範囲設定部202、動作情報取得部203、要素特定部204、記号特定部205、および、通知部206については処理回路51がメモリ53に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
【0065】
このように、処理回路51は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0066】
なお、各実施の形態の自由な組合わせ、或いは各実施の形態の任意の構成要素の変形、若しくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【0067】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0068】
(付記1)
動作の種別と、記号を決定するための要素とが紐づけられた動作要素変換情報を取得する動作要素変換情報取得部と、
一連の要素と、記号とが紐づけられた要素記号変換情報を取得する要素記号変換情報取得部と、
操作器または操作者における特定部位の動作の種別を示す動作情報を取得する動作情報取得部と、
前記動作要素変換情報取得部により取得された動作要素変換情報および前記動作情報取得部により取得された動作情報に基づいて、要素を特定する要素特定部と、
前記要素記号変換情報取得部により取得された要素記号変換情報および前記要素特定部により特定された一連の要素に基づいて、記号を特定する記号特定部と
を備えた記号特定装置。
(付記2)
動作の種別と、記号とが紐づけられた動作記号変換情報を取得する動作記号変換情報取得部を備え、
前記記号特定部は、前記動作記号変換情報取得部により取得された動作記号変換情報および前記動作情報取得部により取得された動作情報に基づいて、記号を特定する
ことを特徴とする付記1記載の記号特定装置。
(付記3)
動作の種別を検出するための検出範囲を設定する検出範囲設定部を備え、
前記動作情報取得部は、前記検出範囲設定部により設定された検出範囲に基づいて、コントローラまたは操作者における特定部位の位置あるいは位置および姿勢から、動作の種別を検出することで、動作情報を取得する
ことを特徴とする付記1または付記2記載の記号特定装置。
(付記4)
前記記号特定部により特定された記号が切り替わった場合に、当該切り替わりを示す通知を行う通知部を備えた
ことを特徴とする付記1から付記3のうちの何れか1項記載の記号特定装置。
(付記5)
動作要素変換情報取得部が、動作の種別と、記号を決定するための要素とが紐づけられた動作要素変換情報を取得するステップと、
要素記号変換情報取得部が、一連の要素と、記号とが紐づけられた要素記号変換情報を取得するステップと、
動作情報取得部が、操作器または操作者における特定部位の動作の種別を示す動作情報を取得するステップと、
要素特定部が、前記動作要素変換情報取得部により取得された動作要素変換情報および前記動作情報取得部により取得された動作情報に基づいて、要素を特定するステップと、
記号特定部が、前記要素記号変換情報取得部により取得された要素記号変換情報および前記要素特定部により特定された一連の要素に基づいて、記号を特定するステップと
を有する記号特定方法。
【符号の説明】
【0069】
1 コントローラ、2 記号特定装置、3 表示装置、51 処理回路、52 CPU、53 メモリ、201 変換情報取得部、202 検出範囲設定部、203 動作情報取得部、204 要素特定部、205 記号特定部、206 通知部、2011 動作要素変換情報取得部、2012 要素記号変換情報取得部、2013 動作記号変換情報取得部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7