(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025026109
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】端末装置、情報処理システム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20250214BHJP
【FI】
G06Q10/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023131479
(22)【出願日】2023-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 祐二
(72)【発明者】
【氏名】菊田 紗耶香
(72)【発明者】
【氏名】杉田 瑞樹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】機器から発信される電波の受信強度の検査を効率的に実施すること。
【解決手段】本願の一例に係る端末装置は、無線通信機能を有する複数の機器を制御する端末装置であって、表示部と、受付部と、特定部と、表示制御部とを備える。表示部は、機器の情報を表示する。受付部は、無線通信範囲内に検出された検出機器の中から、検出機器から発信される電波の受信強度の検査対象となる対象機器の絞り込みを行うための絞り込み条件の設定を端末装置の利用者から受け付ける。特定部は、検出機器から取得されるデータに基づいて、対象機器を特定する。表示制御部は、特定部により特定される対象機器の情報を検査結果として表示部に表示させる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信機能を有する複数の機器を制御する端末装置であって、
前記機器の情報を表示する表示部と;
無線通信範囲内に検出された検出機器の中から、前記検出機器から発信される電波の受信強度の検査対象となる対象機器の絞り込みを行うための絞り込み条件の設定を前記端末装置の利用者から受け付ける受付部と;
前記検出機器から取得されるデータに基づいて、前記対象機器を特定する特定部と;
前記特定部により特定される前記対象機器の情報を検査結果として前記表示部に表示させる表示制御部と;
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記受付部は、
前記絞り込み条件として、前記機器に予め付与される名称情報、又は前記機器から発信される電波の受信強度を示す情報の設定を受け付ける
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記受信強度の検査結果を記憶する記憶部と;
前記対象機器の中から選定される選定機器に対応する前記受信強度の検査を実行する検査部と;
前記利用者により設定される記録条件に従って、前記検査部による前記受信強度の検査結果を前記記憶部に保存する保存部と;
をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記保存部は、
前記選定機器に対するコメントの設定を前記利用者から受け付けた場合、前記検査結果に関連付けて、前記利用者により設定された前記コメントに関する情報を保存する
ことを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、
前記利用者から指定される抽出条件に従って、前記記憶部から前記検査結果の情報を取得し、取得した前記検査結果の情報を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
【請求項6】
無線通信機能を有する複数の機器と、前記機器を制御する端末装置とを含む情報処理システムであって、
前記端末装置は、
前記機器の情報を表示する表示部と;
無線通信範囲内に検出された検出機器の中から、前記検出機器から発信される電波の受信強度の検査対象となる対象機器の絞り込みを行うための絞り込み条件の設定を前記端末装置の利用者から受け付ける受付部と;
前記検出機器から取得されるデータに基づいて、前記対象機器を特定する特定部と;
前記特定部により特定される前記対象機器の情報を検査結果として前記表示部に表示させる表示制御部と;
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
無線通信機能を有する複数の機器と、前記機器を制御する端末装置とを含む情報処理システムにおいて、前記端末装置が行う情報処理方法であって、
無線通信範囲内に検出された検出機器の中から、前記検出機器から発信される電波の受信強度の検査対象となる対象機器の絞り込みを行うための絞り込み条件の設定を前記端末装置の利用者から受け付ける受付工程と;
前記検出機器から取得されるデータに基づいて、前記対象機器を特定する特定工程と;
前記特定工程により特定される前記対象機器の情報を、検査結果として、前記機器の情報を表示する表示部に表示させる表示制御工程と;
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末装置、情報処理システム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線通信を行う複数の無線照明器具を備えた照明システムが知られている。この種の照明システムの一例として、端末装置を用いて無線照明器具の位置情報と固有アドレスとを関連付けるマッピング設定に関する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術には、複数の機器を含むシステムにおいて、機器から発信される電波の受信強度の検査を効率的に実施する上で改善の余地がある。
【0005】
そこで、本開示では、複数の機器を含むシステムにおいて、機器から発信される電波の受信強度の検査を効率的に実施できる端末装置、情報処理システム、及び情報処理方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一例に係る端末装置は、無線通信機能を有する複数の機器を制御する端末装置であって、表示部と、受付部と、特定部と、表示制御部とを備える。表示部は、機器の情報を表示する。受付部は、無線通信範囲内に検出された検出機器の中から、検出機器から発信される電波の受信強度の検査対象となる対象機器の絞り込みを行うための絞り込み条件の設定を端末装置の利用者から受け付ける。特定部は、検出機器から取得されるデータに基づいて、対象機器を特定する。表示制御部は、特定部により特定される対象機器の情報を検査結果として表示部に表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムにおいて実行される情報処理の概要を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理システムにおいて実行される情報処理の概要を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報処理システムにおいて実行される情報処理の概要を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る端末装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る端末装置が備える検査結果記憶部に記憶される情報の概要を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報処理システムにおける処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る端末装置による処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に説明する実施形態に係る端末装置100は、機器の情報を表示する表示部120と、無線通信範囲内に検出された検出機器の中から、検出機器から発信される電波の受信強度の検査対象となる対象機器の絞り込みを行うための絞り込み条件の設定を端末装置100の利用者から受け付ける受付部161と、検出機器から取得されるデータに基づいて、絞り込み条件に合致する対象機器を特定する特定部162と、特定部162により特定される対象機器の情報を検査結果として表示部120に表示させる表示制御部163とを備える。
【0009】
また、実施形態に係る端末装置100において、受付部161は、絞り込み条件として、機器に予め付与される名称情報、又は機器から発信される電波の受信強度を示す情報の設定を受け付ける。
【0010】
また、実施形態に係る端末装置100は、受信強度の検査結果を記憶する記憶部150と、受信強度の検査対象として、利用者により対象機器の中から選定される選定機器に対応する受信強度の検査を実行する検査部164と、利用者により設定される記録条件に従って、検査部164による受信強度の検査結果を記憶部150に保存する保存部165とをさらに備える。
【0011】
また、実施形態に係る端末装置100において、保存部165は、選定機器に対するコメントの設定を利用者から受け付けた場合、検査結果に関連付けて、利用者により設定されたコメントに関する情報を保存する。
【0012】
また、実施形態に係る端末装置100において、表示制御部163は、利用者から指定される抽出条件に従って、記憶部150から検査結果を取得し、取得した検査結果の情報を表示部120に表示させる。
【0013】
以下に説明する実施形態に係る情報処理システム1は、無線通信機能を有する複数の機器と、機器を制御する端末装置100とを含み、端末装置100は、機器の情報を表示する表示部120と、無線通信範囲内に検出された検出機器の中から、検出機器から発信される電波の受信強度の検査対象となる対象機器の絞り込みを行うための絞り込み条件の設定を端末装置100の利用者から受け付ける受付部161と、検出機器から取得されるデータに基づいて、絞り込み条件に合致する対象機器を特定する特定部162と、特定部162により特定される対象機器の情報を検査結果として表示部120に表示させる表示制御部163とを備える。
【0014】
以下に説明する実施形態に係る情報処理方法は、無線通信機能を有する複数の機器と、機器を制御する端末装置100とを含む情報処理システム1において、端末装置100が行う情報処理方法であって、無線通信範囲内に検出された検出機器の中から、検出機器から発信される電波の受信強度の検査対象となる対象機器の絞り込みを行うための絞り込み条件の設定を端末装置100の利用者から受け付ける受付工程と、検出機器から取得されるデータに基づいて、絞り込み条件に合致する対象機器を特定する特定工程と、特定工程により特定される対象機器の情報を、検査結果として、端末装置100が備える表示部120に表示させる表示制御工程とを含む。
【0015】
従来、照明機器などの機器から発信される電波の受信強度の検査を行う際は、検査対象となる機器の選定に時間を要する。このため、機器から発信される電波の受信強度の検査を効率的に実施する上で改善の余地がある。
【0016】
このようなことから、本開示は、機器から発信される電波の受信強度の検査を効率的に実施できる端末装置、情報処理システム、及び情報処理方法を提案する。以下、
図1~
図8を参照して、実施形態に係る端末装置、情報処理システム、及び情報処理方法について説明する。以下では、実施形態に係る情報処理システムの一例として、無線通信機能を有する複数の照明機器10を含む情報処理システム1における情報処理について説明するが、照明機器10は無線通信機能を有する他の装置であってもよい。
【0017】
[実施形態]
(情報処理システムの構成例)
以下、実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例について説明する。
図1に、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す。
図1に示す情報処理システム1は、複数の照明機器10と、通信機20と、端末装置100とを有している。なお、情報処理システム1は、
図1に示す例には限られず、
図1に示す以外の他の装置を有していてもよい。
【0018】
照明機器10(たとえば、照明機器10X、10Y、及び10Zなど)は、ベースライト、シーリングライト、ダウンライト、又はスポットライトなどの所定の照明機器であり、ビーコンなどの発信機を有している。照明機器10は、たとえば、所定のネットワーク(たとえば、
図5に示すネットワークN)を通じて、通信範囲内に位置する通信機20などの他の装置と通信する。また、照明機器10は、たとえば、Bluetooth(登録商標)や、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Enery)の通信規格に準じた無線通信を行うことができる。
【0019】
また、照明機器10が有する発信機は、たとえば、所定の間隔で所定の情報を発信する第1のモード、及び第1のモードよりも多量の情報を発信及び受信可能であって、外部からの要求に応じて所定の情報を発信する第2のモードなどを有していてもよい。また、照明機器10が有する発信機は、外部からの要求に応じて、第1のモードと、第2のモードとを相互に切り替え可能であってもよい。
【0020】
また、照明機器10は、通信機20を通じて、端末装置100との間で各種データを送受信してもよい。
【0021】
通信機20は、所定のネットワーク(たとえば、
図5に示すネットワークN)を通じて、照明機器10などの他の装置との間で通信する。たとえば、通信機20は、シリアルポートを備え、シリアルポートを介して端末装置100と有線接続(たとえば、COM接続)し、端末装置100との間で相互に通信する。
【0022】
所定のネットワークは、インターネット、電話回線網、衛星通信網などの公衆回線網や、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などを含んでもよい。また、ネットワークは、IP-VPN(Internet Protocol-Virtual Private Network)などの専用回線網を含んでもよい。また、ネットワークは、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)など無線通信網を含んでもよい。
【0023】
端末装置100は、通信機能や、表示機能や、ウェブブラウンジング機能などの各種機能を有し、実施形態に係る情報処理を実行する情報処理端末である。また、端末装置100には、実施形態に係る情報処理を実現するための各種機能を提供する専用のアプリケーションプログラム(以下、「専用アプリ」と称する。)が搭載されている。たとえば、端末装置100は、照明機器10が設置される工場の管理者などの利用者により利用され得る。端末装置100は、スマートデバイス(スマートフォン、又はタブレット)、PDA、デスクトップ型やラップトップ型のパーソナルコンピュータなどにより実現され得る。
【0024】
たとえば、端末装置100は、シリアルポートを備え、シリアルポートを介して通信機20と有線接続(たとえば、COM接続)し、通信機20との間で相互に通信する。端末装置100は、通信機20を通じて、照明機器10との間で各種データを送受信できる。
【0025】
(情報処理システムによる処理の概要)
以下、
図2~
図4を用いて、実施形態に係る情報処理システム1において実行される情報処理の概要について説明する。
図2~4に、実施形態に係る情報処理システム1において実行される情報処理の概要を示す。
【0026】
図2に示すように、端末装置100は、検査対象となる複数の照明機器10の中から、無線通信範囲で検出される検出機器の絞り込み条件を受け付ける(ステップS11)。
図2に示す表示例EX-1は、検査対象となる照明機器10に関する各種操作を受け付けるためのユーザインターフェイスとして、利用者に提供される操作画面Gの一例である。操作画面Gは、端末装置100にインストールされている専用アプリにより、端末装置100に表示される。
【0027】
たとえば、
図2に示す操作画面Gに設けられる受信強度設定領域A-1は、照明機器10を絞り込むための絞り込み条件として、照明機器10から発信される電波の受信強度を設定するための領域である。受信強度設定領域A-1は、受信強度の最小値および最大値の設定を受付可能に構成されている。端末装置100により、受信強度設定領域A-1に対する設定値に従って、電波の受信強度が最小値と最大値との間にある照明機器10の検索が実行される。
【0028】
また、
図2に示す操作画面Gに設けられるローカルネーム設定領域A-2は、照明機器10を絞り込むための絞り込み条件として、照明機器10に予め付与される名称を示す名称情報であるローカルネームを設定するための領域である。ローカルネーム設定領域A-2は、ローカルネームの完全一致のみならず、部分一致を検索可能に構成される。
【0029】
図2に示す操作画面Gにおいて、受信強度設定領域A-1に隣接して設けられるスキャンボタンが操作されると、端末装置100から通信機20に対してスキャン実行コマンドが送信され、照明機器10のスキャンが実行される。なお、操作画面Gにおいて、受信強度設定領域A-1に隣接して設けられている停止ボタンが操作されると、端末装置100から通信機20に対してスキャン停止コマンドが送信され、照明機器10のスキャンが停止される。
【0030】
また、
図3に示すように、端末装置100は、通信機20から検出機器の情報を受信すると、検出機器の中から、絞り込み条件に合致する対象機器を特定する(ステップS12)。
【0031】
また、
図3に示すように、端末装置100は、特定した対象機器の情報を表示する(ステップS13)。
図3に示す表示例EX-2は、絞り込み条件に合致する照明機器10として特定された対象機器の情報を検査結果として表示する操作画面Gの一例である。
【0032】
たとえば、
図3に示す操作画面Gに設けられる対象機器表示領域A-3には、対象機器の一覧が表示される。対象機器表示領域A-3には、「表示」、「Local Name」、「アドレス」、及び「RSSI」の各項目が設けられている。
【0033】
「表示」の項目には、対象機器のうち、対象機器表示領域A-3に表示される一覧から消去する機器の選択を受け付けるためのチェックボックスが表示される。「Local Name」は、対象機器の名称情報が表示される。「アドレス」の項目には、対象機器(が備える通信モジュールなど)に割り当てられているアドレス情報(たとえば、MAC(Media Access Control)アドレス)が表示される。「RSSI(Received Signal Strength Indicator)」の項目には、電波の受信強度を示す情報が表示される。
【0034】
このように、実施形態に係る情報処理システム1において、端末装置100は、絞り込み条件に合致する照明機器10として特定された対象機器の一覧を操作画面Gに表示して、利用者に提供する。このようにして、端末装置100は、照明機器10から発信される電波の受信強度の検査を実施する際、操作画面Gを通じて、照明機器10の絞り込みを行うフィルタリング機能を利用者に提供することができ、利用者による検査対象の選定が容易となるように支援できる。
【0035】
また、
図4に示すように、端末装置100は、受信強度の検査対象として、対象機器の中から選定された選定機器の電波の受信強度の検査を実施する(ステップS14)。たとえば、端末装置100は、通信機20に対して計測開始コマンドを送信し、検査終了までの間、通信機20から受信する対象機器の情報の中から、選定機器に対応する受信強度の情報を継続的に取得する。このとき、端末装置100は、利用者から計測時間の設定を受け付けている場合、計測開始コマンドとともに計測時間の情報を通信機20に送信する。
【0036】
また、たとえば、端末装置100は、後述する記録条件設定領域A-5に設けられる記録開始ボタン(たとえば、
図3参照)に対する利用者の操作を検出した場合、通信機20に対して計測開始コマンドを送信して、選定機器の電波の受信強度の検査を開始し、記録条件設定領域A-5に設けられる記録停止ボタン(たとえば、
図4参照)に対する利用者の操作を検出した場合、通信機20に対して計測停止コマンドを送信して、選定機器の電波の受信強度の検査を終了してもよい。
【0037】
また、たとえば、端末装置100は、操作画面Gを通じて、選定機器の定期的な検査を自動的に実施するためのタイムスケジュールの設定を利用者から受け付けてもよい。この場合、端末装置100は、専用アプリが実行中の状態であることを条件として、タイムスケジュールに設定された計測開始時刻になると、計測開始コマンドおよび計測時間の情報を通信機20に送信する。
【0038】
また、
図4に示すように、端末装置100は、検査の実施に先駆けて設定される記録条件に従って、選定機器の受信強度の検査結果を記憶部(たとえば、
図5に示す検査結果記憶部151)に保存する(ステップS15)。たとえば、端末装置100は、記録条件として平均値が設定されている場合、検査開始から検査終了までの間に取得した選定機器の電波の受信強度の平均値を算出し、算出した平均値のデータを検査結果として記憶部(たとえば、
図5に示す検査結果記憶部151)に保存する。
図4に示す表示例EX-3は、受信強度の検査実施時の操作画面Gの一例である。
【0039】
たとえば、
図4に示す操作画面Gに設けられる検査アドレス表示領域A-4には、対象機器表示領域A-3において利用者により選択された選定機器のアドレス情報が表示される。
図4では、検査アドレス表示領域A-4において、選定機器のアドレス情報として、「11:22:33:AA:BB:CC」が表示される場合が示されている。
【0040】
また、
図4に示す操作画面Gに設けられる記録条件設定領域A-5は、検査結果の記録条件の設定を受け付けるための領域である。たとえば、記録条件設定領域A-5は、計測中の電波の受信強度の現在値、平均値、最小値、最大値、又は中央値のいずれかを記録対象として選択可能に構成される。合否判定閾値は、検査終了時に電波の受信強度の合否判定に用いられる。たとえば、電波の受信強度が合否判定閾値より大きい値ならば合格とし、合否判定閾値より小さい値(もしくは、合否判定閾値以下の値)ならば不合格の判定を行う。たとえば、合否判定閾値が「-60」である場合、検査終了時の電波の受信強度の値が「-59」であれば合格となり、電波の受信強度の値が「-61」であれば不合格となる。また、記録条件設定領域A-5は、操作画面Gに向かって右側に表示されるグラフ領域のX軸間隔を設定可能に構成される。また、記録条件設定領域A-5は、検査開始からの経過時間を表示可能に構成される。また、記録条件設定領域A-5は、電波の受信強度の計測時間を設定可能に構成される。
【0041】
また、
図4に示す操作画面Gに設けられるコメント設定領域A-6は、受信強度の検査実施時(たとえば、検査開始時)に利用者からのコメントの設定を受け付けるための領域である。たとえば、コメント設定領域A-6は、距離、温度、湿度、及び備考などの設定を受付可能に構成される。端末装置100は、コメント設定領域A-6に設定されたコメント情報を、検査結果に関連付けて記憶部(たとえば、
図5に示す検査結果記憶部151)に保存する。
【0042】
このように、実施形態に係る情報処理システム1において、端末装置100は、選定機器の受信強度の検査結果を保存する。このようにして、端末装置100は、利用者の要求に応じた検査結果(ログ)を提供できる。たとえば、端末装置100の利用者は、検査終了後、必要に応じて、検査対象として選定された照明機器10の電波の受信強度が合否判定閾値未満となる異常データを抽出することにより、照明機器10から発信される電波の受信強度が一定の水準を継続的に上回っているか否かを精査するために参照して利用できる。
【0043】
(機能構成例)
(端末装置の構成例)
以下、
図5を用いて、実施形態に係る端末装置100の機能構成の一例について説明する。
図5に、実施形態に係る端末装置100の機能構成の一例を示す。実施形態に係る端末装置100は、通信部110と、表示部120と、操作部130と、接続部140と、記憶部150と、制御部160とを有する。
【0044】
通信部110は、通信機20などの他の装置との間で情報の送受信を行う。通信部110は、たとえば、所定の通信回路またはNIC(Network Interface Card)などによって実現され得る。通信部110は任意の通信方式をサポートできる。通信部110がサポートする通信方式には、接続部140を通じた有線通信や、4G、LTE(Long Term Evolution)、及び5Gなどのモバイルデータ通信規格、又は無線LAN(Local Area Network)などの無線通信や、赤外線通信などが含まれていてもよい。
【0045】
表示部120は、専用アプリにより利用者に提供される操作画面G(たとえば、
図2~
図4など参照)などの画像を表示する。表示部120は、照明機器10の情報を表示する表示部として機能する。表示部120は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)などのディスプレイ装置を備えて実現され得る。表示部120は、タッチスクリーンディスプレイにより実現されてもよい。
【0046】
操作部130は、各種の情報を操作入力する。たとえば、操作部130は、表示部120上に設けられた透過型のタッチパネルなどの入力デバイスにより実現され得る。操作部130がタッチパネルにより実現される場合、表示部120に対するタッチ操作を検出し、検出された操作内容を示す操作情報を制御部160へ出力する。なお、操作部130は、物理的なボタンなどを有してもよい。
【0047】
接続部140は、通信機20などの外部機器と接続する。たとえば、接続部140は、シリアルポートを備え、シリアルポートを通じて、通信機20と有線接続(COM接続)する。
【0048】
記憶部150は、各種情報を記憶する。たとえば、記憶部150は、制御部160により実行される各種制御を実現するためのプログラムおよびデータを記憶できる。記憶部150は、たとえば、RAMやフラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスクや光ディスクなどの記憶装置によって実現され得る。また、記憶部150がフラッシュメモリにより実現される場合、SDカードなどの着脱可能な可搬型の記録メディアにより実装されてもよい。
【0049】
記憶部150は、実施形態に係る情報処理を実行する機能を有する専用アプリを記憶してもよい。また、記憶部150は、目的に応じた種々のプログラムおよびデータを記憶してもよい。
図5に示すように、記憶部150は、検査結果記憶部151を有する。
図6に、実施形態に係る端末装置100が備える検査結果記憶部151に記憶される情報の概要を示す。
【0050】
図6に示すように、検査結果記憶部151は、「検査日時」の項目や、「選定機器」の項目や、「検査結果」の項目や、「コメント情報」の項目などといった複数の項目を有しており、これらの項目は相互に対応付けられている。
【0051】
「検査日時」の項目には、照明機器10から発信される電波の受信強度の検査が行われた日時を示す情報が記憶される。「選定機器」の項目には、操作画面G(たとえば、
図2~
図4参照)において検査対象として利用者により選定された照明機器10を特定するための情報が記憶される。「検査結果」の項目には、検査結果を示す情報が記憶される。「コメント情報」の項目には、操作画面G(たとえば、
図2~
図4参照)において利用者により設定されたコメントに関するコメント情報が記憶される。
【0052】
制御部160は、たとえば、端末装置100の各部を制御する制御回路であり、各種の処理手順などを規定したプログラム及び所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部160は、マイクロコンピュータなどにより実現され得る。マイクロコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などのプロセッサ、及びROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶デバイスを搭載する。ROMには、端末装置100の各部を制御するためのプログラムや各種処理を実行するためのアプリ(たとえば、専用アプリ)が格納される。CPUなどのプロセッサが、ROMに格納されたプログラムやアプリを実行することで、マイクロコンピュータによる端末装置100の制御や各種機能が実現される。RAMには、CPUなどのプロセッサによる演算の実行などに必要なメモリ領域として使用される。なお、制御部160は、記憶部150に格納されているプログラムなどを読み込んで、読み込んだプログラムを実行することにより、端末装置100の制御や各種機能を実現してもよい。また、制御部160は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)、SoC(System-on-a-chip)などの集積回路により実現されてもよい。
【0053】
図5に示すように、制御部160は、受付部161と、特定部162と、表示制御部163と、検査部164と、保存部165とを有する。制御部160は、これらの各部により、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部160の内部構成は、
図5に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよく、機能の拡張や変更に伴って異なる構成を有していてもよい。
【0054】
受付部161は、情報処理システム1に含まれる複数の照明機器10のうち、無線通信範囲内で検出される検出機器の絞り込みを行うための絞り込み条件の設定を端末装置100の利用者から受け付ける。たとえば、受付部161は、操作画面G(たとえば、
図2~
図4参照)を通じて、照明機器10に予め付与される名称情報(たとえば、ローカルネーム)、又は照明機器10から発信される電波の受信強度を示す情報(たとえば、RSSIの最小値および最大値)の設定を受け付ける。
【0055】
特定部162は、検出機器から取得されるデータに基づいて、絞り込み条件に合致する対象機器を特定する。たとえば、特定部162は、通信機20から取得される検出機器の名称情報や受信強度の情報に基づいて、絞り込み条件に合致する対象機器を特定する。
【0056】
表示制御部163は、特定部162により特定される対象機器の情報を検査結果として表示部120に表示させる。たとえば、表示制御部163は、対象機器の一覧を操作画面Gに表示する。
【0057】
検査部164は、受信強度の検査対象として、利用者により対象機器の中から選定される選定機器に対応する受信強度の検査を実行する。たとえば、検査部164は、検査開始から検査終了までの間、通信機20から受信する対象機器の情報の中から、選定機器に対応する受信強度の情報を継続的に取得する。
【0058】
保存部165は、利用者により設定される記録条件に従って、検査部164による受信強度の検査結果を記憶部150(たとえば、検査結果記憶部151)に保存する。たとえば、保存部165は、記録条件として平均値が設定されている場合、検査開始から検査終了まで間に取得した選定機器の電波の受信強度の平均値を算出し、算出した平均値のデータを記憶部150(たとえば、検査結果記憶部151)に保存する。
【0059】
(処理の流れ)
(システム全体の処理)
以下、実施形態に係る情報処理システム1による処理の流れについて説明する。
図7に、実施形態に係る情報処理システム1における処理の流れの一例を示す。
【0060】
図7に示すように、端末装置100は、COM接続要求を通信機20に送信する(ステップS101)。通信機20は、端末装置100からCOM接続要求を受信すると、COM接続要求許可応答を端末装置100に送信する(ステップS102)。
【0061】
端末装置100は、検査対象となる照明機器10を絞り込むための絞り込み条件を利用者から受け付ける(ステップS103)。また、端末装置100は、利用者の要求に応じて、スキャン開始コマンドを通信機20に送信する(ステップS104)。
【0062】
通信機20は、端末装置100からスキャン開始コマンドを受信すると、照明機器10のスキャンを開始する(ステップS105)。また、通信機20は、無線通信範囲内に検検出された照明機器10の情報を示すスキャンデータを端末装置100に送信する(ステップS106)。
【0063】
端末装置100は、通信機20から、無線通信範囲に検出された検出機器である照明機器10の中から、絞り込み条件に合致する対象機器を特定する(ステップS107)。また、端末装置100は、特定した対象機器の一覧を表示する(ステップS108)。
【0064】
また、端末装置100は、対象機器の中から、検査対象として選定される選定機器の選択を利用者から受け付ける(ステップS109)。また、端末装置100は、選定機器の電波の受信強度の検査結果を記録する際の記録条件の設定を利用者から受け付ける(ステップS110)。また、端末装置100は、計測開始コマンドを通信機20に送信する(ステップS111)。
【0065】
通信機20は、端末装置100から計測開始コマンドを受信すると、計測開始コマンドに従って計測の終了時刻となるまで電波の受信強度の計測を繰り返し実行し(ステップS112)、計測データを端末装置100に送信する(ステップS113)。
【0066】
端末装置100は、通信機20から計測データを受信すると、検査の実施に先駆けて設定される記録条件に従って、選定機器の受信強度の検査結果を記憶部(たとえば、
図5に示す検査結果記憶部151)に保存する(ステップS114)。
【0067】
(端末装置の処理)
以下、実施形態に係る端末装置100による処理の流れについて説明する。
図8に、実施形態に係る端末装置100による処理手順の一例を示す。
【0068】
図8に示すように、表示制御部163は、利用者からログ表示要求を受け付けると(ステップS201)、ログ表示要求において利用者により指定される抽出条件に従って、検査結果記憶部151から検査結果の情報を取得する(ステップS202)。また、表示制御部163は、取得した検査結果の情報を表示部120に表示させて(ステップS203)、
図8に示す処理手順を終了する。
【0069】
<<その他>>
上記実施形態において、情報処理システム1は、通信機20を備えていなくてもよい。この場合、端末装置100は、実施形態に係る情報処理を実行するために通信機20が備える機能を有していてもよい。たとえば、端末装置100は、無線通信範囲内にある照明機器10を検出する機能(電波の受信が確認される照明機器10を検出する機能)や、照明機器10から発信される電波の受信強度を取得する機能や、照明機器10から発信されるデータを取得する機能などを有することができる。
【0070】
また、上記実施形態に係る端末装置100が実行する情報処理を実現するための専用アプリを、光ディスク、半導体メモリ、磁気テープ、フレキシブルディスクなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよい。このとき、たとえば、端末装置100は、専用アプリをインストールして、上述の情報処理を実行する。
【0071】
また、上記専用アプリをインターネットなどのネットワーク上のサーバ装置やクラウドシステムが備えるディスク装置に格納しておき、端末装置100にダウンロードなどできるようにしてもよい。また、上述の専用アプリにより実現される機能を、OS(Operating System)とアプリケーションソフトとの協働により実現してもよい。この場合には、OS以外の部分を媒体に格納して配布してもよいし、OS以外の部分をサーバ装置やクラウドシステムに格納しておき、端末装置100にダウンロードなどできるようにしてもよい。
【0072】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。たとえば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0073】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。また、この実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0074】
また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【符号の説明】
【0075】
1 情報処理システム
10 照明機器
20 通信機
100 端末装置
110 通信部
120 表示部
130 操作部
140 接続部
150 記憶部
151 検査結果記憶部
160 制御部
161 受付部
162 特定部
163 表示制御部
164 検査部
165 保存部