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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025026179
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】ヘッドライト
(51)【国際特許分類】
   F21V 29/15 20150101AFI20250214BHJP
   H10H 20/00 20250101ALI20250214BHJP
   F21S 41/141 20180101ALI20250214BHJP
   F21S 41/24 20180101ALI20250214BHJP
   F21S 45/48 20180101ALI20250214BHJP
   F21V 29/76 20150101ALI20250214BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20250214BHJP
   F21V 29/508 20150101ALI20250214BHJP
   F21W 102/00 20180101ALN20250214BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20250214BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20250214BHJP
【FI】
F21V29/15 100
H01L33/00 L
F21S41/141
F21S41/24
F21S45/48
F21V29/76
F21V29/503
F21V29/508
F21W102:00
F21Y115:10 100
F21Y101:00 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023131602
(22)【出願日】2023-08-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1. 2023年4月4日付で株式会社TJMデザインが出願に係る発明を使用した製品についてプレスリリースを行うことにより公開。 2.https://jpn.tajimatool.co.jp/page/notice https://jpn.tajimatool.co.jp/page/keepjust_product https://jpn.tajimatool.co.jp/product/4975364267948 https://jpn.tajimatool.co.jp/product/4975364267955 https://jpn.tajimatool.co.jp/product/4975364267962 https://jpn-assets.tajimatool.co.jp/pdf/1/76/manual_KJS50A-H30.pdf https://jpn-assets.tajimatool.co.jp/pdf/1/76/manual_KJS100A-50A-B47.pdf 2023年4月14日付で株式会社TJMデザインが上記URLにおいて公開。 3.https://www.youtube.com/watch?v=CzExFP0ksA8 2023年4月14日付で株式会社TJMデザインがYoutubeにて、出願に係る発明を公開した。 4. 2023年4月13日付で株式会社TJMデザインが出願に係る発明を使用した製品を販売することにより公開。 5. 2023年4月14日付で株式会社TJMデザインが出願に係る発明を使用した製品のチラシを配布することにより公開。 6. 2023年1月5日付で株式会社TJMデザインが2023ホットニュース4-6月号〈LEDライト〉で公開。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 7. https://tjm-web-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/catalog/2023_toolcatalog1/html5.html https://tjm-web-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/catalog/2023_ledcatalog/index.html 2023年1月10日付及び2023年3月24日付で株式会社TJMデザインが上記URLのオンラインカタログにて公開。 8.https://www.instagram.com/reel/Cq2VTogNZjb/?utm_source=ig_web_copy_link&igshid=MzRlODBiNWFlZA== https://www.instagram.com/p/CrAqUjdNv2j/?utm_source=ig_web_copy_link&igshid=MzRlODBiNWFlZA== 2023年4月10日付及び2023年4月14日付で株式会社TJMデザインがインスタグラムにて公開。 9.https://www.facebook.com/photo/?fbid=901024720939246&set=pcb.901024860939232 2023年4月14日付で株式会社TJMデザインがフェイスブックにて公開。
(71)【出願人】
【識別番号】000156307
【氏名又は名称】株式会社TJMデザイン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100179947
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 晃太郎
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 強
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142BA14
5F142BA24
5F142BA32
5F142CA02
5F142CB22
5F142CC26
5F142CG03
5F142CG23
5F142DA12
5F142DB32
5F142DB44
5F142DB54
5F142EA02
5F142GA21
5F142GA22
(57)【要約】
【課題】発光素子の熱に対する保護性能に優れたヘッドライトを提供する。
【解決手段】ヘッドライト10Aは、発光素子3と、制御基盤5と、発光素子3を収容する発光素子収容スペースS1と、制御基盤5を収容する制御基盤収容スペースS2と、を備えており、発光素子収容スペースS1と、制御基盤収容スペースS2とは、異なるスペースである。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、
制御基盤と、
前記発光素子を収容する発光素子収容スペースと、
前記制御基盤を収容する制御基盤収容スペースと、を備えており、
前記発光素子収容スペースと、前記制御基盤収容スペースとは、異なるスペースである、ヘッドライト。
【請求項2】
ヘッドボディと、ヘッドフレームとを備えており、
前記発光素子収容スペースは、前記ヘッドボディに形成されており、前記制御基盤収容スペースは、前記ヘッドフレームに形成されている、請求項1に記載されたヘッドライト。
【請求項3】
放熱手段をさらに備えており、
前記放熱手段は、前記発光素子収容スペースに収容されており、かつ、前記発光素子と隣接する位置に配置されている、請求項1又は2に記載されたヘッドライト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドライトに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドライトは、例えば、夜間作業、地下等の工事現場等において使用されている。このため、ヘッドライトには、一定の高い出力で長時間にわたって使用することが求められる。
【0003】
しかしながら、長時間にわたって高い出力の光を照射させる場合、発光素子の発熱量も大きく、発熱時間もまた長時間にわたることになる。
【0004】
そこで、従来のヘッドライトには、基盤及びチップを含む制御基板を保護することを目的に、LED(発光ダイオード)素子を含むLEDパッケージが実装されるLED保持部を収容するための収容部に放熱柱を設け、或いは、当該放熱柱に加えて付加的にファン装置を設けるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、従来の他のヘッドライトには、PCB(プリント配線基板)に設けた開口部を通して延在させた熱伝導板の凸部にLED光源をはんだ付けし、当該熱伝導板に積層したヒートシンクによってLED光源を冷却するものも知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6460469号公報
【特許文献2】特許第5627795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来のヘッドライトはいずれも、発光素子(LED)が制御基盤に含まれるため、当該制御基盤の熱保護の点で改善の余地がある。
【0008】
本発明の目的は、発光素子の熱に対する保護性能に優れたヘッドライトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明であるヘッドライトは、発光素子と、制御基盤と、前記発光素子を収容する発光素子収容スペースと、前記制御基盤を収容する制御基盤収容スペースと、を備えており、前記発光素子収容スペースと、前記制御基盤収容スペースとは、異なるスペースである。
【0010】
(2)上記(1)のヘッドライトは、ヘッドボディと、ヘッドフレームとを備えており、前記発光素子収容スペースは、前記ヘッドボディに形成されており、前記制御基盤収容スペースは、前記ヘッドフレームに形成されているものとすることができる。
【0011】
(3)上記(2)のヘッドライトにおいて、前記ヘッドフレームは、ベースフレームと、2つのサイドフレームとを備えており、前記制御基盤収容スペースは、前記2つのサイドフレームのいずれか一方に形成されているものとすることができる。
【0012】
(4)上記(3)のヘッドライトにおいて、前記2つのサイドフレームのいずれか一方には、スイッチが配置されており、当該サイドフレームに、前記制御基盤収容スペースが形成されているものとすることができる。
【0013】
(5)上記(3)又は(4)のヘッドライトにおいて、前記2つのサイドフレームのいずれか一方には、電源ボックスにつながる電源ケーブルが配置されており、当該サイドフレーム又は前記電源ボックスに、前記制御基盤収容スペースが形成されているものとすることができる。
【0014】
(6)上記(2)~(5)のいずれか1つのヘッドライトにおいて、前記ヘッドボディは、前記ヘッドフレームに回転可能に支持されているものとすることができる。
【0015】
(7)上記(1)~(6)のいずれか1つのヘッドライトは、放熱手段をさらに備えており、前記放熱手段は、前記発光収容スペースに収容されており、かつ、前記発光素子と隣接する位置に配置されているものとすることができる。
【0016】
(8)上記(7)のヘッドライトにおいて、前記放熱手段は、ヒートシンクとすることができる。
【0017】
(9)上記(7)又は(8)のヘッドライトにおいて、前記放熱手段は、前記発光素子を収容する前側筒部を備えており、当該前側筒部の内側には、窪みが形成されているものとすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、発光素子の熱に対する保護性能に優れたヘッドライトを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の、第一実施形態である、ヘッドライトを示す正面図である。
図2図1のヘッドライトの平面図である。
図3図1のヘッドライトの底面図である。
図4図1のヘッドライトの背面図である。
図5図1のヘッドライトの左側面図である。
図6図1のヘッドライトの右側面図である。
図7図1のヘッドライトの斜視図である。
図8図7のヘッドライトからスイッチ、スイッチノブ及びサイドカバーを取り外した状態を示す斜視図である。
図9図8のヘッドライトから、ヘッドボディの一部を取り外した状態を示す斜視図である。
図10図9のヘッドライトから、ヘッドボディの一部をさらに取り外した状態を示す斜視図である。
図11図10のヘッドライトから、ヘッドボディの一部をさらに取り外した状態を示す斜視図である。
図12図11に示す、第1放熱手段と、第2放熱手段とが組み合わせた状態を概略的に示す斜視図である。
図13図12の、第1放熱手段に形成された貫通孔にヒートシンクパッキンが取り付けられた状態を概略的に示す斜視図である。
図14図3のヘッドライトを当該ヘッドライトの回転軸線を含む断面で概略的に示す断面図である。
図15図1のヘッドライトからヘッドボディ及びヘッドフレームの一部を取り外した状態を示す斜視図である。
図16図1のヘッドライトからヘッドボディ及びヘッドフレームの一部とともに、ヒートシンクの一部を取り外した状態を示す斜視図である。
図17図1のヘッドライトの出力を100%としたまま、当該ヘッドライトを使用し続けたときの、当該ヘッドライトから発せられる光の明るさを時系列に示す解析データである。
図18】本発明の、第二実施形態である、ヘッドライトを概略的に示す斜視図である。
図19】本発明の、第三実施形態である、ヘッドライトを概略的に示す斜視図である。
図20】本発明の、第四実施形態である、ヘッドライトに係る、当該電源ボックスを概略的に示す図である。
図21】本発明の、第五実施形態である、ヘッドライトを概略的に示す正面図である。
図22】ヘッドライトの発光素子である、砲弾型LED素子を概略的に示す図である。
図23】ヘッドライトの発光素子として使用可能な、チップオンボードLED素子を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の、例示的な実施形態に係る、ヘッドライトについて説明をする。ここで、前後左右とは、ヘッドライトを装着した使用者を基準とするものとする。
【0021】
図1には、本発明の第一実施形態に係る、ヘッドライト10Aが正面から示されている。ヘッドライト10Aは、発光素子等の光源を有し、例えば、ベルト(バンド)を介して、使用者が身に着けるヘルメット(図示省略。)に装着することができる。ヘッドライト10Aは、例えば、夜間作業、地下等の工事現場等において使用される。
【0022】
本実施形態に係る、ヘッドライト10Aは、レンズ2及び発光素子3を備えるヘッドボディ1Aと、ヘッドボディ1Aに取り付けられたヘッドフレーム1Bとを備えている。ヘッドライト10Aは、ヘッドフレーム1Bに通したベルト(図示省略。)を介して、ヘルメットに装着することができる。
【0023】
本実施形態において、ヘッドボディ1Aの内部には、図14にて後述するように、発光素子3を収容する発光素子収容スペースS1が形成されている。本実施形態において、発光素子収容スペースS1には、レンズ2と、発光素子3と、放熱手段23と、が収容されている。レンズ2は、当該レンズ2を通して発光素子3から放出された光の焦点を調整する。本実施形態において、発光素子3は、砲弾型のLED素子である。
【0024】
本実施形態に係る、ヘッドライト10Aによれば、発光素子3からレンズ2を通して照射された光の焦点をヘッドライト1の近くに配置すれば、身近な目標位置を重点的にスポット照射することができる。また、本実施形態に係る、ヘッドライト10Aによれば、発光素子3からレンズ2を通して照射された光の焦点をヘッドライト10Aから遠くに配置すれば、遠く離れた目標位置のより広い範囲を重点的に長距離照射することができる。
【0025】
本実施形態において、発光素子3は、レンズ2よりも後側の位置に配置されている。本実施形態において、レンズ2は、光の焦点を決定するレンズ本体2aと、レンズ本体2aの外縁から前後方向に延在する円筒部2b(図13参照。)と、を備えている。本実施形態において、レンズ2は、フロントリング13によって閉じられている。本実施形態において、フロントリング13は、環状部材である。本実施形態において、フロントリング13は、後述するフロントボディ11の内側に螺合している。さらに、本実施形態において、フロントリング13の外側には、フロントリングカバー14が螺合している。加えて、本実施形態において、フロントリングカバー14と、フロントボディ11との間には、筒状のカラーCが介在している。
【0026】
図2には、ヘッドライト10Aが上側から平面的に示されている。また、図3には、ヘッドライト10Aが下側から平面的に示されている。
【0027】
本実施形態において、ヘッドボディ1Aは、フロントボディ11と、リアボディ12とを備えている。本実施形態において、フロントボディ11の後端には、リアボディ12の前端が取り付けられている。また、本実施形態において、フロントリングカバー14及びカラーCは、フロントボディ11に取り付けられている。さらに、本実施形態において、リアボディ12には、複数の通気孔h1が形成されている。加えて、図2に示すように、本実施形態において、リアボディ12の上面には、傾斜面12fが形成されている。
【0028】
その一方で、ヘッドフレーム1Bは、ベースフレーム15と、2つのサイドフレーム16とを備えている。本実施形態において、ベースフレーム15は、左右方向(幅方向)に延在している。本実施形態において、2つのサイドフレーム16は、それぞれ、ベースフレーム15の幅方向の端部から前側に向かって延在している。本実施形態において、ヘッドボディ1Aは、2つのサイドフレーム16の間に配置されている。
【0029】
図4には、ヘッドライト10Aが背面から示されている。
【0030】
図4に示すように、本実施形態において、ベースフレーム15の背面には、クッション部材19が配置されている。クッション部材19は、ベースフレーム15とヘルメットとの間に介在する緩衝部材である。本実施形態において、ベースフレーム15は、4つのクッション部材19を備えている。本実施形態において、4つのクッション部材19は、図4に示すように、ベースフレーム15の上下左右の4隅にそれぞれ配置されている。本実施形態において、クッション部材19は、発泡ウレタン樹脂によって形成されている。ただし、クッション部材19の材料は、発泡ウレタン樹脂に限定されるものではない。また、ベースフレーム15の上部には、第2ベルト(図示省略。)を通すためのスリット開口部15sが形成されている。
【0031】
図5は、図1のヘッドライト10Aの左側面図である。ただし、以下の説明において、「右」とは、ヘッドライト10Aを装着した使用者を基準とするものとする。
【0032】
図5に示すように、本実施形態において、2つのサイドフレーム16のうちの一方(以下、「右サイドフレーム16R」ともいう。)には、制御基盤5に含まれる回路素子(5a1)をオン/オフ可能なスイッチ17が配置されている。本実施形態において、スイッチ17は、ヘッドライト10Aからレンズ2を通して照射される光の強度を調整するための切り替えスイッチである。本実施形態において、スイッチ17は、右サイドフレーム16Rに取り付けられたスイッチノブ18に取り付けられている。また、右サイドフレーム16Rには、第1ベルト(図示省略。)を通すためのスリット開口部16sが形成されている。本実施形態において、第1ベルトは、スリット開口部16sを通してヘッドライト10Aに固定されることによって、頭部の周りに取り付けられるベルトである。第2ベルトは、その一端が第1ベルトに取り付けられ、その他端がベースフレーム15のスリット開口部15sを通してヘッドライト10Aに取り付けられる。
【0033】
図6は、図1のヘッドライト10Aの右側面図である。ただし、以下の説明において、「左」とは、ヘッドライト10Aを装着した使用者を基準とするものとする。
【0034】
図6に示すように、本実施形態において、2つのサイドフレーム16の他方(以下、「左サイドフレーム16L」ともいう。)には、電源ボックス40(例えば、図18参照。)につながる電源ケーブル20が配置されている。また、図6に示すように、左サイドフレーム16Lにもまた、第1ベルトを通すためのスリット開口部16sが形成されている。
【0035】
図7には、ヘッドライト10Aが右上側から斜視的に示されている。図7に示すように、本実施形態において、サイドフレーム16は、ベースフレーム15に連なるサイドベース21と、サイドベース21に取り付けられるサイドカバー22と、を備えている。本実施形態において、サイドベース21とサイドカバー22との間には、サイドベース21とサイドカバー22とによって閉じられた内部空間が形成されている。
【0036】
本実施形態において、符号16Rは、右側に配置された右サイドフレームである。右サイドフレーム16Rは、右サイドベース21Rと、右サイドカバー22Rとによって構成されている。また、本実施形態において、符号16Lは、左側に配置された左サイドフレームである。本実施形態において、左サイドフレーム16Lは、左サイドベース21Lと、左サイドカバー22Lとによって構成されている。
【0037】
図8は、図7のヘッドライト10Aからスイッチ17、スイッチノブ18及び右サイドカバー22Rを取り外した状態が概略的に示されている。
【0038】
本実施形態において、制御基盤5は、発光素子3を制御するための複数の回路素子(チップ)5aが基盤5b上に実装された制御回路基盤である。符号5a1は、複数の回路素子5aのうちの、1つである、電源スイッチ素子である。
【0039】
制御基盤5が収容される制御基盤収容スペースS2は、2つのサイドフレーム16のいずれか一方に形成することができる。
【0040】
本実施形態において、制御基盤収容スペースS2は、右サイドフレーム16Rに形成されている。制御基盤収容スペースS2は、右サイドベース21Rと右サイドカバー22Rとの間に形成された内部空間である。
【0041】
図9は、図8のヘッドライト10Aから、ヘッドボディ1Aの一部をさらに取り外した状態を示す斜視図である。図9では、ヘッドボディ1Aのフロントボディ11と、レンズ2と、フロントリング13と、フロントリングカバー14と、カラーCと、が取り外されている。
【0042】
本実施形態において、発光素子3とレンズ2との間には、レンズスペーサ26が配置されている。レンズスペーサ26は、発光素子3が貫通する開口A26を有し、前側に向かうに従って拡径する、すり鉢状の部材である。レンズスペーサ26は、レンズ2(レンズ本体2a)と発光素子3との間の距離を調整する。本実施形態において、レンズスペーサ26は、取付基盤24に取り付けられている。本実施形態において、レンズスペーサ26は、レンズ2を後側から保持している。
【0043】
図10は、図9のヘッドライト10Aから、ヘッドボディ1Aの一部をさらに取り外した状態を示す斜視図である。図10では、さらにレンズスペーサ26が取り外されている。図10に示すように、本実施形態において、発光素子3は、取付基盤24に取り付けられている。
【0044】
本実施形態において、取付基盤24は、発光素子3と放熱手段23との間に配置されている。本実施形態において、取付基盤24は、発光素子3を放熱手段23に取り付けるための基盤である。本実施形態において、発光素子3は、取付基盤24上に実装されている。取付基盤24は、放熱手段23に取り付けられている。
【0045】
放熱手段23は、発光素子3から発せられる熱を逃がすための手段である。本実施形態において、放熱手段23は、ヘッドボディ1Aの内部に形成された発光素子収容スペースS1に収容されている。さらに、本実施形態において、放熱手段23は、発光素子3と隣接する位置に配置されている。
【0046】
本実施形態において、放熱手段23は、ヒートシンクである。ヒートシンクは、複数の放熱板を備えており、熱伝導性が高い材料、例えば、アルミニウム合金等の金属で形成されている。
【0047】
本実施形態に係るヘッドライト10Aは、第1放熱手段23Aと、第2放熱手段23Bとの、2つの放熱手段23を備えている。図10に示すように、本実施形態において、第1放熱手段23Aと、第2放熱手段23Bとの、2つの放熱手段23は、発光素子3とともに、ヘッドライト10A(レンズ本体2a)の光軸O11に沿って直列に配置されている。本実施形態において、第1放熱手段23Aは、複数の放熱板を備えた本体231と、本体231から前側に向かって突出する前側筒部232と、を備えている。本実施形態において、前側筒部232の外周面には、ヒートシンクパッキン(放熱手段用シール部材)29が取り付けられている。ヒートシンクパッキン(密閉栓)29は、環状のシール部材である。図10に示すように、本実施形態において、取付基盤24は、第1放熱手段23Aの前側筒部232の内側に配置されている。
【0048】
図11は、図10のヘッドライト10Aから、ヘッドボディ1Aの一部をさらに取り外した状態を示す斜視図である。図11では、さらに取付基盤24が取り外されている。図11に示すように、第1放熱手段23Aは、前側筒部232の内側に窪み23nが形成されている。本実施形態において、窪み23nは、本体231の前端231eのうちの、前側筒部232の内側の、当該前端231eの一部を後側に窪ませることによって形成されている。
【0049】
図12には、第1放熱手段23Aと、第2放熱手段23Bとを組み合わせた状態が示されている。図12に示すように、本実施形態において、第1放熱手段23Aの本体231には、窪み23nに開口する貫通孔A1が形成されている。図13に示すように、本実施形態において、第1放熱手段23Aの本体231には、ケーブルパッキン51が取り付けられている。ケーブルパッキン51は、本体231に形成された貫通孔A1に圧入されることによって、当該貫通孔A1を密封する。また、ケーブルパッキン51には、発光素子3と回路素子5aと接続する配線27(図16参照。)を密閉状態に貫通させる配線孔51aが形成されている。ケーブルパッキン51は、シリコン等の弾性材料によって形成されている。
【0050】
例えば、図14を参照すれば、本実施形態において、ヘッドボディ1Aは、ヘッドフレーム1Bに回転可能に支持されている。
【0051】
図14は、ヘッドライト10Aの回転軸線O1を含む断面で概略的に示す断面図である。
【0052】
図14に示すように、本実施形態において、ヘッドフレーム1Bの2つのサイドフレーム16にはそれぞれ、ヘッドボディ1Aに回転可能に支持される回転軸25が形成されている。本実施形態において、サイドフレーム16のサイドベース21には、内側に突出する回転軸25が形成されている。本実施形態において、回転軸25は、フロントボディ11とリアボディ12とによって形成された貫通孔1hによって回転可能に支持されている。本実施形態において、回転軸25と、貫通孔1hとは、同一の回転軸線О1上に配置されている。これによって、ヘッドボディ1Aと、ヘッドフレーム1Bとは、回転軸線О1の周りで周方向に回転させることができる。
【0053】
図14に示すように、本実施形態において、発光素子3は、第1放熱手段23Aの前側筒部232の内側の位置に、取付基盤24を介して第1放熱手段23Aに取り付けられている。本実施形態において、発光素子3の先端部は、レンズスペーサ26に形成された開口A26(図9参照。)を通して露出している。
【0054】
加えて、図14に示すように、本実施形態において、発光素子3は、発光素子収容スペースS1のうちの、レンズ2とフロントリング13と第1放熱手段23Aとに区画された密閉空間S1sに配置されている。本実施形態において、発光素子収容スペースS1は、フロントボディ11とリアボディ12の内側に形成されている。本実施形態において、発光素子収容スペースS1の前端は、レンズ2によって閉じられている。本実施形態において、レンズ2は、第1放熱手段23Aに装着され、レンズ2と第1放熱手段23Aとの間の隙間は、第1放熱手段23Aの前側筒部232とフロントリング13との間に介在するヒートシンクパッキン29によって密閉されている。また、本実施形態において、発光素子収容スペースS1の後端は、リアボディ12によって閉じられている。
【0055】
本実施形態において、第1放熱手段23Aの前側筒部232の外周面に、ヒートシンクパッキン29が取り付けられている。したがって、本実施形態において、発光素子収容スペースS1のうちの、レンズ2とフロントリング13と第1放熱手段23Aとに区画された空間は、密閉空間S1sを形成する。これによって、本実施形態において、発光素子3が配置される空間の防水性能を確保している。
【0056】
加えて、本実施形態において、放熱手段23のうち、第1放熱手段23Aは、発光素子3を収容する前側筒部232を備えており、当該前側筒部232の内側には、窪み23nが形成されている。例えば、図13に示すように、本実施形態において、第1放熱手段23Aの前側筒部232の内側には、本体231の前端231eの一部を後側に窪ませてなる、窪み23nが形成されている。この窪み23nには、空気を蓄えることができる。窪み23nに蓄えられた空気は、断熱空気として機能させることができる。
【0057】
また、図14を参照すれば、本実施形態において、スイッチノブ18は、軸線O2の周りで周方向に回転させることによって、発光素子3から放出させる光の強さ(光量)を段階的に変化させることができる。本実施形態において、スイッチノブ18は、スプリング等の弾性部材18bによって、サイドカバー22に対して外側に付勢されている。また、本実施形態において、スイッチ17は、弾性部材によって構成されている。スイッチ17には、押圧片17aが設けられている。基盤5b上のスイッチ素子5a1は、スイッチ17の押し込みに同期して、当該スイッチ17の押圧片17aが押し込まれることによって、オン又はオフされる。本実施形態において、スイッチ素子5a1は、スイッチ17の押圧片17aによる押圧によって、オンされる。本実施形態において、スイッチ素子5a1がオンされると、所定時間の間だけ、発光素子3から放出させる光の強さ(光量)を最大にすることができる。
【0058】
図15は、ヘッドライト10Aからヘッドボディ1A及びヘッドフレーム1Bの一部を取り外した状態を示す斜視図である。図15に示すように、本実施形態において、第1放熱手段23Aと第2放熱手段23Bとは、ねじ28を用いて一体的に連結されている。
【0059】
図16には、ヘッドライト10Aからヘッドボディ1A及びヘッドフレーム1Bの一部とともに、放熱手段23の一部(第2放熱手段23B)を取り外した状態を示す斜視図である。
【0060】
図16に示すように、本実施形態において、第1放熱手段23Aには、貫通孔A1が形成されている。発光素子3と制御基盤5の回路素子5aとを接続する配線27は、貫通孔A1を通して配線されている。本実施形態において、貫通孔A1には、ケーブルパッキン51が圧入されている。ケーブルパッキン51は、発光素子収容スペースS1のうちの、発光素子3が配置される密閉空間S1sを密閉する。ケーブルパッキン51は、シリコン等の弾性材料によって形成されている。本実施形態において、配線27は、ケーブルパッキン51の密閉性を維持した状態で当該ケーブルパッキン51に形成された配線孔51aを貫通する。
【0061】
また、図16に示すように、本実施形態において、回転軸25の内側には、貫通孔A2が形成されている。発光素子3と制御基盤5の回路素子5aとを接続する配線27は、貫通孔A2を通して配線されている。本実施形態において、貫通孔A2には、プラグ(制御基盤用シール部材)52が圧入されている。プラグ(密閉栓)52は、制御基盤収容スペースS2を密閉する。プラグ52は、シリコン等の弾性材料によって形成されている。本実施形態において、配線27は、プラグ52の密閉性を維持した当該プラグ52を貫通する。
【0062】
図16に示すように、発光素子3と制御基盤5との配線27は、シリコンチューブで被覆することによって、防水性能を確保している。
【0063】
図14に示すように、ヘッドライト10Aは、発光素子3と、制御基盤5と、発光素子3を収容する発光素子収容スペースS1と、制御基盤5を収容する制御基盤収容スペースS2と、を備えており、発光素子収容スペースS1と、制御基盤収容スペースS2とは、異なるスペースである。
【0064】
本実施形態において、制御基盤収容スペースS2は、ヘッドフレーム1Bの内部に形成されている。これに対し、本実施形態において、発光素子3を収容する発光素子収容スペースS1は、ヘッドボディ1Aの内部に形成されている。
【0065】
ヘッドライト10Aによれば、発光素子収容スペースS1と、制御基盤収容スペースS2とを別部屋としたことによって、発光素子3から発せられる熱を制御基盤5に伝達し難くすることができる。具体例としては、発光素子3から発せられる熱に起因して生じ得る、制御基盤5の劣化又は故障を最小限に抑えることができる。
【0066】
その一方で、例えば、特許文献1及び2に記載された、従来のヘッドライトは、発光素子と、制御基盤と、ヒートシンク等の放熱手段と、を直列的に配置し、当該制御基盤の周辺で放熱を行っていた。
【0067】
しかしながら、こうした放熱手段を備える、従来のヘッドライトにおいても、一定の高出力で長時間にわたって使用するときには、制御基盤への影響が避けられない。このため、発光素子の出力(光量)が徐々に減少するように制御していた。
【0068】
しかしながら、この対策の場合、ヘッドライトの光量が使用時間の経過にしたがって低下するため、使用者に不快感を与えることから、改善の余地があった。
【0069】
そこで、発光素子の出力を当該発光素子の最大光量に対する一定の割合に抑える対策も検討したが、高出力の照射を継続して行うことは難しく、ましてや、段階的に減少させることは困難であった。
【0070】
これに対し、ヘッドライト10Aによれば、発光素子収容スペースS1と、制御基盤収容スペースS2とを別部屋とし、発光素子3から発せられる熱の影響を制御基盤5が受け難くなる。このため、ヘッドライト10Aによれば、発光素子3の出力を減少させることなく、当該発光素子3の出力を最大としたままでも、長時間にわたって使用することが可能となった。
【0071】
また、ヘッドライト10Aによれば、制御基盤5を発光素子3から分離したことで、発光素子3に隣接する位置に放熱手段23を配置することによって、発光素子3から発せられる熱を直接、例えば、放熱手段23を通して逃がすことができる。
【0072】
したがって、ヘッドライト10Aによれば、発光素子3の熱に対する保護性能に優れたヘッドライトを提供することができる。
【0073】
また、ヘッドライト10Aによれば、上述のとおり、制御基盤5を発光素子3から分離したことで、発光素子3から発せられる熱を効率的に逃がすことができる。このため、ヘッドライト10Aによれば、ヘルメット以外の被り物、例えば、帽子に装着することが可能となる。また、ヘッドライト10Aによれば、使用者の頭部に直接装着することもできる。
【0074】
また、ヘッドライト10Aによれば、発光素子3から制御基盤5を分離した結果、発光素子収容スペースS1と制御基盤収容スペースS2をそれぞれ、例えば、本実施形態のように、ヒートシンクパッキン29、ケーブルパッキン51,プラグ52等の密封部材を用いることによって、密封することができる。これによって、ヘッドライト10Aによれば、防水機能を備えることができる。その結果、例えば、雨天時の作業を中止することなく行うことができる。
【0075】
さらに、ヘッドライト10Aによれば、ヘッドライト10Aの出力が減少することなく一定に保持されるため、ヘッドライト10Aの出力低下が電源消耗に直結する。したがって、ヘッドライト10Aによれば、電源消耗の時間(使用時間)を明確に把握することが可能となる。
【0076】
図17は、ヘッドライト10Aの出力を100%としたまま、当該ヘッドライト10Aを使用し続けたときの、当該ヘッドライト10Aから発せられる光の明るさを時系列に示す解析データである。図17の解析データにおいて、縦軸は、ルーメン(lm)であり、横軸は、点灯時間(h)である。図16に示すように、ヘッドライト10Aによれば、ヘッドライト10Aの出力が減少することなく一定に保持される。したがって、ヘッドライト10Aによれば、電源消耗の時間(点灯可能な時間)を明確に把握することが可能となる。
【0077】
また、例えば、図14を参照すれば、ヘッドライト10Aは、ヘッドボディ1Aと、ヘッドフレーム1Bとを備えており、発光素子収容スペースS1は、ヘッドボディ1Aに形成されており、制御基盤収容スペースS2は、ヘッドフレーム1Bに形成されている。このため、ヘッドライト10Aによれば、図17に示すように、当該ヘッドライト10Aの大きさを従来の大きさに維持した状態で、或いは、ヘッドライト10Aの大きさを従来の大きさよりも小型化させた状態で、発光素子3の出力を最大としたままでも、長時間にわたって使用することが可能となる。
【0078】
また、ヘッドライト10Aは、上述のとおり、ヘッドライト10Aの大きさを従来の大きさに維持することができる。ヘッドライト10Aによれば、制御基盤5がヘッドボディ1Aとは異なる別個の位置に配置される。このため、ヘッドライト10Aの大きさを従来の大きさに維持すれば、制御基盤5が別個の位置に配置されたことによって生じた空きスペースの分だけ、放熱手段23を大型化させることができる。この場合、放熱効率が向上する分だけ、ヘッドライト10Aの光の出力をより高出力にすることができる。
【0079】
あるいは、ヘッドライト10Aによれば、制御基盤5がヘッドボディ1Aとは異なる別個の位置に配置されることによって、当該制御基盤5の空きスペースの分だけ、ヘッドボディ1Aを小型化することも可能となる。また、後述のように、制御基盤5がヘッドボディ1A及びヘッドフレーム1Bとは異なる別個の位置に配置すれば、当該制御基盤5の空きスペースの分だけ、ヘッドボディ1A又はヘッドフレーム1Bの少なくともいずれか一方を小型化することも可能となる。
【0080】
また、ヘッドライト10Aにおいて、ヘッドフレーム1Bは、ベースフレーム15と、2つのサイドフレーム16とを備えており、制御基盤収容スペースS2は、2つのサイドフレーム16のいずれか一方に形成することができる。この場合、発光素子3からの制御基盤5の分離を簡易に行うことができる。
【0081】
また、ヘッドライト10Aにおいて、2つのサイドフレーム16の一方(右サイドフレーム16R)には、スイッチ17が配置されており、当該右サイドフレーム16Rに、制御基盤収容スペースS2が形成されている。この場合、簡易な構成で制御基盤5をスイッチ操作することができる。なお、本実施形態において、スイッチ17及び制御基盤収容スペースS2は、右サイドフレーム16Rに配置されているが、左サイドフレーム16Lに配置することもできる。
【0082】
また、ヘッドライト10Aにおいて、2つのサイドフレーム16の一方(左サイドフレーム16L)には、電源ボックス40につながる電源ケーブル20が配置されており、当該左サイドフレーム16L又は前記電源ボックスに、制御基盤収容スペースS2が形成されているものとすることができる。この場合もまた、簡易な構成で制御基盤5をスイッチ操作することができる。
【0083】
図18は、本発明の、第二実施形態である、ヘッドライト10Bを概略的に示す斜視図である。図18に示すように、本実施形態において、制御基盤5は、別個の制御ユニット50として、ヘッドフレーム1Bから分離されている。本実施形態において、電源ケーブル20は、電源ボックス40に接続されている。本実施形態において、制御ユニット50(制御基盤5)は、電源ケーブル20の間に介在している。このように、制御基盤5は、ヘッドボディ1A及びヘッドフレーム1Bから分離された別個のユニットとすることができる。
【0084】
図19は、本発明の、第三実施形態である、ヘッドライト10Cを概略的に示す斜視図である。図19に示すように、本実施形態においても、制御基盤5はまた、別個の制御ユニット50として、ヘッドフレーム1Bから分離されている。本実施形態では、左サイドフレーム16Lから配線27を延長し、当該配線27に制御ユニット50を接続している。この場合、制御ユニット50に収容される制御基盤5は、例えば、電源ボックス40から発光素子3に供給される電流を制御する電源基盤(パワーユニット)のみとすることができる。
【0085】
図20は、本発明の、第四実施形態である、ヘッドライト10Dに係る電源ボックス40を概略的に示す図である。本実施形態において、制御基盤5は、電源ボックス40に配置されている。本実施形態では、電源ボックス40のケースを大きくすることによって、その大きくなった分の、空きスペースに、制御基盤5を収容している。図20に示すように、本実施形態において、電源ボックス40は、電源ケース41と、電源ケース41に着脱可能な蓋体42とを備えている。本実施形態において、電源ケーブル20は、蓋体42に接続されている。本実施形態において、制御基盤5は、電源ケース41を大きくすることによって、当該電源ケース41に制御基盤5を収容するためのケース43を設けている。これによって、本実施形態において、電源ボックス40は、電源ケース41を大きくした分の、空きスペースに、制御基盤5を収容することができる。
【0086】
図21は、本発明の、第五実施形態である、ヘッドライト10Eを概略的に示す正面図である。本実施形態において、制御基盤5は、ヘッドボディ1Aに配置されている。本実施形態では、ヘッドボディ1Aのフロントボディ11及びリアボディ12の少なくともいずれか一方を大きくすることによって、その大きくなった分の、空きスペースに、制御基盤5を収容している。図21に示すように、本実施形態において、制御基盤5は、フロントボディ11及びリアボディ12を大きくすることによって、当該フロントボディ11の拡大部分11a及びリアボディ12の拡大部分12aによって形成された内部空間に制御基盤5を収容する。これによって、本実施形態において、ヘッドボディ1Aは、当該ヘッドボディ1Aを大きくした分の、空きスペースに、制御基盤5を収容することができる。
【0087】
なお、本実施形態において、電源ケーブル20及び電源ボックス40は左サイドフレーム16Lに配置されているが、右サイドフレーム16Rに配置することもできる。
【0088】
また、ヘッドライト10Aにおいて、ヘッドボディ1Aは、ヘッドフレーム1Bに回転可能に支持されている。この場合、光の照射方向を上下に調整できることから、使い勝手が良いヘッドライトとなる。
【0089】
ところで、ヘッドライト10Aは、放熱手段23をさらに備えており、放熱手段23は、発光素子収容スペースS1に収容されており、かつ、発光素子3と隣接する位置に配置されている。この場合、発光素子3の熱に対する保護性能が向上する。特に、ヘッドライト10Aによれば、発光素子3に隣接して配置されていた制御基盤5が発光素子3から分離されたことから、制御基盤5が配置された空間の分だけ、より多くの放熱手段23を配置することができる。本実施形態において、放熱手段23は、2つの放熱手段23としたが、3つ以上の放熱手段23を配置することができる。
【0090】
また、ヘッドライト10Aにおいて、放熱手段23は、ヒートシンクである。この場合、放熱板の数を増やす等の簡易な構成で、発光素子3から発せられる熱を効率的に逃がすことができる。ヒートシンクは、銀、銅等の熱伝導率が高い材質のものを採用することができる。ただし、ヒートシンクにアルミニウム合金を使用した場合、軽量化及び製造コストを抑制することができる。
【0091】
上述のように、本実施形態に係る、ヘッドライト10A~10Eによれば、発光素子の熱に対する保護性能に優れたヘッドライトを提供することができる。
【0092】
図22は、ヘッドライト10A~10Eの発光素子3である、砲弾型LED素子を概略的に示す図である。図22に示すように、砲弾型LED素子は、LEDチップ30をリードフレーム31に配置し、封入樹脂(蛍光体)32で覆い、さらに、例えば、エポキシ樹脂を用いたレンズ33で被覆したものである。
【0093】
図23は、ヘッドライト10A~10Eの発光素子3として使用可能な、チップオンボードLED素子を概略的に示す図である。図23に示すように、チップオンボードLED素子は、LEDチップ30及び金属ワイヤ(配線)34を基盤35に配置し、基盤35に封入樹脂(蛍光体)32で覆ったものである。符号36は、基盤35に形成されたバンク(土手)である。
【0094】
上述したところは、本発明の例示的な実施形態にすぎず、特許請求の範囲に従えば、様々な変更が可能となる。例えば、発光素子3は、LED以外の電球(例えば、フィラメント電球)とすることができる。また、ヘッドライト10A~10Eによれば、発光素子3の出力(光量)を低く抑えることによって、放熱手段23を省略することができる。
【符号の説明】
【0095】
10A:ヘッドライト(第一実施形態), 10B:ヘッドライト(第二実施形態), 10C:ヘッドライト(第三実施形態), 10D:ヘッドライト(第四実施形態), 10E:ヘッドライト(第五実施形態), 1A:ヘッドボディ, 1B:ヘッドフレーム, 1h:貫通孔, 2:レンズ, 3:発光素子, 5:制御基盤, 5a:回路素子, 5a1:スイッチ素子, 5b:基盤, 11:フロントボディ, 11a:フロントボディの拡大部分, 12:リアボディ, 12a:リアボディの拡大部分, 12f:リアボディに形成された傾斜面, 13:フロントリング, 14:フロントリングカバー, 15:ベースフレーム, 15s;スリット開口部, 16:サイドフレーム, 16R:右サイドフレーム, 16L:左サイドフレーム, 17:スイッチ, 18:スイッチノブ, 19:クッション部材, 20:電源ケーブル, 21:サイドフレームのサイドベース, 22:サイドフレームのサイドカバー, 21R:右サイドフレームの右サイドベース, 22R:右サイドフレームの右サイドカバー, 21L:左サイドフレームの左サイドベース, 22L:左サイドフレームの左サイドカバー, 23:放熱手段, 23A:第1放熱手段, 231:第1放熱手段の本体, 232:第1放熱手段の前側筒部, 23B:第2放熱手段, 23n:窪み, 24:取付基盤, 25:回転軸, 26:レンズスペーサ, 27:配線, 28:ねじ, 29:ヒートシンクパッキン(放熱手段用シール部材:密閉栓), 40:電源ボックス, 41:電源ケース, 42:蓋体, 50:制御ユニット, 51:ケーブルパッキン(密閉栓), 52:プラグ, C:カラー, h1:リアボディに形成された通気孔, O1:回転軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図17
図18
図19
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図23