(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025026186
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】水処理装置
(51)【国際特許分類】
C02F 1/00 20230101AFI20250214BHJP
C02F 1/44 20230101ALI20250214BHJP
【FI】
C02F1/00 J
C02F1/00 S
C02F1/00 V
C02F1/44 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023131613
(22)【出願日】2023-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】517039483
【氏名又は名称】WOTA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川島 一徳
(72)【発明者】
【氏名】川越 大輔
(72)【発明者】
【氏名】堀江 史郎
(72)【発明者】
【氏名】新妻 拓
(72)【発明者】
【氏名】谷田部 博之
【テーマコード(参考)】
4D006
【Fターム(参考)】
4D006GA03
4D006KA01
4D006KB21
4D006KC02
4D006KC12
4D006KE18P
4D006KE18R
4D006KE21P
4D006KE22Q
4D006KE23Q
4D006PA01
4D006PB07
4D006PC54
(57)【要約】
【課題】水位を検出する検出手段と水質を検出する検出手段とが別個に設けられる場合と比して、水位と水質とを検出するために必要とする部品点数を少なくすることである。
【解決手段】水処理装置は、不純物を含有する処理水又は被処理水が貯留される貯留槽と、貯留槽の内部に配置され、鉛直方向で間隔をあけて配置された複数の電極と、一の電極と他の電極とが貯留槽された水を介して通電することで貯留槽の水位を検出し、通電した電流値により水質を検出する制御部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不純物を含有する処理水又は被処理水が貯留される貯留槽と、
前記貯留槽の内部に配置され、鉛直方向に離隔して配置された複数の電極と、
一の前記電極と他の前記電極とが前記貯留槽の処理水を介して通電することで前記貯留槽の水位を検出し、一の前記電極と他の前記電極との間を流れる電流値により水質を検出する検出部と、
を備える水処理装置。
【請求項2】
一の前記電極と他の前記電極との間を流れる電流値が一の閾値以上となると、前記貯留槽の処理水を系外に排出する排出部を備える、
請求項1に記載の水処理装置。
【請求項3】
前記排出部は、前記貯留槽の処理水を系外に排出している状態で、一の前記電極と他の前記電極との間を流れる電流値が前記一の閾値に対して低い他の閾値未満となると、処理水の排出を停止する、
請求項2に記載の水処理装置。
【請求項4】
処理水の流れ方向において前記貯留槽の上流側に設けられた生物処理槽と、
前記流れ方向において前記貯留槽の下流側に設けられ、処理水を通水して透過水と濃縮水とに分ける逆浸透膜と、を備える、
請求項1に記載の水処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のボイラ給水方法では、復水と軟水とをボイラ給水槽で混合してボイラ給水とし、ボイラに供給するボイラ給水方法において、ボイラ給水の電気伝導度又は比抵抗を測定し、電気伝導度が第一設定値以下になった場合又は比抵抗が第一所定値以上になった場合に、ボイラ給水槽内の水の一部を排出し、その後、軟水をボイラ給水槽に供給するようになっている。
【特許文献1】特開2021-143812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、水が貯留された貯留槽の内部に鉛直方向に離隔した複数の電極を配置し、一の電極と他の電極と間の電気伝導度によって、貯留槽の水位を検出している。また、貯留槽に貯留された水の水質を検出する検出手段は、水位を検出するための電極とは別個に設けられている。
【0004】
本開示の課題は、水質を検出する検出手段が水位を検出する電極とは別個に設けられる場合と比して、水位と水質とを検出するために必要とする部品点数を少なくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1態様の水処理装置は、不純物を含有する処理水又は被処理水が貯留される貯留槽と、前記貯留槽の内部に配置され、鉛直方向に離隔して配置された複数の電極と、一の前記電極と他の前記電極とが前記貯留槽の処理水を介して通電することで前記貯留槽の水位を検出し、一の前記電極と他の前記電極との間を流れる電流値により水質を検出する検出部と、を備えることを特徴とする。
【0006】
以上の態様によると、水位を検出する検出手段と水質を検出する検出手段とが別個に設けられる場合と比して、水位と水質とを検出するために必要とする部品点数を少なくすることができる。
【0007】
本開示の第2態様の水処理装置は、第1態様の水処理装置において、一の前記電極と他の前記電極との間を流れる電流値が一の閾値以上となると、前記貯留槽の処理水を系外に排出する排出部を備えることを特徴とする。閾値の数値範囲は、500μS/cm~10000μS/cm、好ましくは、1000μS/cm~5000μS/cmである。
【0008】
本開示の第3態様の水処理装置は、第3態様の水処理装置において、前記排出部は、前記貯留槽の処理水を系外に排出している状態で、一の前記電極と他の前記電極との間を流れる電流値が前記一の閾値に対して低い他の閾値未満となると、処理水の排出を停止することを特徴とする。
【0009】
以上の態様によると、電流値が他の閾値未満の処理水を系外に排出する場合と比して、一定の水質基準を満たした処理水が系外に排出されるのを抑制することができる。
【0010】
本開示の第4態様の水処理装置は、第1~第3態様の何れか1態様に記載の水処理装置において、処理水の流れ方向において前記貯留槽の上流側に設けられた生物処理槽と、前記流れ方向において前記貯留槽の下流側に設けられ、処理水を通水して透過水と濃縮水とに分ける逆浸透膜と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本開示の第五態様の水処理装置は、第一態様の水処理装置において、処理水の流れ方向において前記貯留槽の下流側に設けられ、処理水を通水して透過水と濃縮水とに分ける逆浸透膜と、一の前記電極と他の前記電極との間を流れる電流値が汚水閾値以上になると、前記逆浸透膜を透過した透過水を前記逆浸透膜に通水させて前記逆浸透膜を洗浄する洗浄部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
以上の態様によると、決められた時間毎に逆浸透膜を洗浄する場合と比して、逆浸透膜を効果的に洗浄することができる。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、水質を検出する検出手段が水位を検出する電極とは別個に設けられる場合と比して、水位と水質とを検出するために必要とする部品点数を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の第1実施形態における水処理装置を示した概略構成図である。
【
図2】本開示の第1実施形態における水処理装置において、第二筐体に設けられた中間タンク及び逆浸透膜等を示した構成図である。
【
図3】(A)(B)本開示の第1実施形態における水処理装置において制御部のハードウェア構成、及び機能構成を示したブロック図である。
【
図4】本開示の第1実施形態における水処理装置において、制御部による水処理フローを示したフロー図である。
【
図5】(A)(B)本開示の第2実施形態における水処理装置において制御部のハードウェア構成、及び機能構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1実施形態>
本開示の第1実施形態に係る水処理装置の一例について
図1~
図4に従って説明する。なお、図中に示す矢印Hは装置上下方向(鉛直方向)を示し、矢印Wは装置幅方向(水平方向)を示し、矢印Dは装置奥行き方向(水平方向)を示す。
【0016】
水処理装置1012は、例えば、家庭内で使用された被処理水を循環しつつ浄化し、家庭内において再利用可能とする装置である。先ず、水処理装置1012の概略構成について説明する。
【0017】
(水処理装置1012の概略構成)
水処理装置1012には、
図1に示されるように、排水槽1100、生物処理槽1300、第一処理水槽1400、中間タンク1500、逆浸透膜1600、及び第二処理水槽1700が設けられている。
【0018】
家庭内で使用された被処理水は、排水槽1100、生物処理槽1300、第一処理水槽1400、中間タンク1500、逆浸透膜1600、及び第二処理水槽1700を順に経て、水使用箇所1014(洗面所、風呂、洗浄機能付き便座等)へと循環される。
【0019】
〔排水槽1100〕
排水槽1100は、水使用箇所1014と第一排水配管1102によって接続されている。そして、第一排水配管1102を通じて水使用箇所1014の被処理水が排水槽1100に送られる。
【0020】
また、水処理装置1012は、排水槽1100と生物処理槽1300とを接続する第二排水配管1302を備えており、駆動する図示せぬポンプによって、第二排水配管1302を通じて排水槽1100の被処理水が生物処理槽1300に送られる。
【0021】
〔生物処理槽1300〕
生物処理槽1300には、被処理水に対して生物処理を行う処理槽であって、
図1に示されるように、第一処理水槽1400とは、第一処理水配管1402で接続されている。また、第一処理水配管1402には処理水ポンプ1406が設けられている。さらに、生物処理槽1300の内部には図示せぬ濾過膜が設けられている。
【0022】
これにより、駆動する処理水ポンプ1406が、被処理水を濾過膜に通す。このときに被処理水から異物が除去される。さらに、異物が除去された水は、処理水として、第一処理水配管1402を通じて、第一処理水槽1400に送られる。
【0023】
〔第一処理水槽1400〕
第一処理水槽1400は、中間タンク1500と中間配管1502によって接続されている。中間配管1502には中間ポンプ1504が設けられている。これにより、駆動する中間ポンプ1504によって、中間配管1502を通じて第一処理水槽1400の処理水が中間タンク1500に送られる。
【0024】
〔中間タンク1500、逆浸透膜1600〕
中間タンク1500は、第二処理水配管1702によって第二処理水槽1700と逆浸透膜1600を介して接続されている。具体的には、第二処理水配管1702には、中間タンク1500側から、処理水ポンプ1710、及び逆浸透膜1600が設けられている。
【0025】
これにより、駆動する処理水ポンプ1710が、中間タンク1500の処理水を逆浸透膜1600に送り、処理水から異物が除去される。異物が除去された処理水(透過水)は、第二処理水配管1702を通じて第二処理水槽1700に送られる。また、逆浸透膜1600では、異物の濃度が高くなっている濃縮水が生じる。逆浸透膜1600と中間タンク1500とを接続する濃縮水配管1602が設けられており、濃縮水は、濃縮水配管1602を通じて中間タンク1500に戻される。
【0026】
〔第二処理水槽1700〕
第二処理水槽1700は、還流配管1706によって中間タンク1500と接続されている。また、還流配管1706には、還流ポンプ1708が設けられている。これにより、駆動する還流ポンプ1708によって、還流配管1706を通じて、第二処理水槽1700の処理水が中間タンク1500に送られる。
【0027】
また、第二処理水槽1700は、供給配管1716によって水使用箇所1014と接続されている。また、供給配管1716には、供給ポンプ1724が設けられている。これにより、駆動する供給ポンプ1724によって、供給配管1716を通じて、第二処理水槽1700の処理水が各水使用箇所1014に送られる。なお、実際には水使用箇所1014のそれぞれに向けて、供給配管1716は分岐されている。
【0028】
(水処理装置1012の要部構成)
次に、中間タンク1500、及び制御部1060等について説明する。
【0029】
〔中間タンク1500〕
中間タンク1500の内部には、
図2に示されるように、中間タンク1500の天井部1500aから吊り下げられた第一電極1512、第二電極1514、及び第三電極1516が設けられている。中間タンク1500は、貯留槽の一例である。
【0030】
装置上下方向において、第一電極1512は、中間タンク1500の下方部分に配置され、第二電極1514は、中間タンク1500の中央部分に配置され、第三電極1516は、中間タンク1500の上方部分に配置されている。
【0031】
さらに、中間タンク1500から外部へ処理水を排出するための排出配管1522が設けられており、排出配管1522の一端が、中間タンク1500の底部と対向している。また、排出配管1522には排出ポンプ1524が設けられている。これにより、駆動する排出ポンプ1524が、排出配管1522を通じて中間タンク1500の処理水を外部に排出するようになっている。
【0032】
また、水処理装置1012は、第一電極1512と第二電極1514との間を流れる電流値、及び第一電極1512と第三電極1516との間を流れる電流値を計測する計測部1520(
図3(A)参照)を有している。
【0033】
〔制御部1060〕
-制御部1060のハードウェア構成-
制御部1060は、
図3(A)に示されるように、CPU(Central Processing Unit)1061、ROM(Read Only Memory)1062、RAM(Random Access Memory)1063、ストレージ1064、及び通信インタフェース(I/F)1065を有する。そして、各構成は、バス1069を介して相互に通信可能に接続されている。
【0034】
CPU1061は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU1061は、ROM1062またはストレージ1064からプログラムを読み出し、RAM1063を作業領域としてプログラムを実行する。CPU1061は、ROM1062またはストレージ1064に記憶されているプログラムにしたがって、各構成の制御および各種の演算処理を行う。
【0035】
本実施形態では、例えば、ROM1062またはストレージ1064には、第一電極1512、第二電極1514、第三電極1516、及び計測部1520の検出結果を受けて、各部を駆動させる駆動プログラムが記憶されている。
【0036】
RAM1063は、作業領域として一時的にプログラムまたはデータを記憶する。ストレージ1064は、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。
【0037】
通信インタフェース1065は、制御部1060が第一電極1512、第二電極1514、第三電極1516、排出ポンプ1524、還流ポンプ1708、処理水ポンプ1710、及び計測部1520等と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0038】
上記の駆動プログラムを実行する際に、制御部1060は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。制御部1060が各種の機能を実現する制御部1060の機能構成について説明する。
【0039】
-制御部1060の機能構成-
制御部1060は、
図3(B)に示されるように、受取部1072、検出部1074、及び駆動部1076を有する。各機能構成は、CPU1061がROM1062またはストレージ1064に記憶された駆動プログラムを読み出し、実行することにより実現される。駆動部1076は、排出部の一例である。
【0040】
(作用)
次に、制御部1060の受取部1072が、第一電極1512、第二電極1514、第三電極1516、及び計測部1520の検出結果を受けて、各部を駆動させる動作について、
図4のフロー図を用いて説明する。具体的には、各電極には電圧が印加されており、中間タンク1500に貯留された処理水を介して、第一電極1512と第二電極1514との間を流れる電流値、及び第一電極1512と第三電極1516との間を流れる電流値を計測部1520が計測し、各部を駆動させる動作について、
図4のフロー図を用いて説明する。
【0041】
水処理装置1012が駆動して、
図2に示す中間ポンプ1504が駆動し、処理水が中間配管1502を通って中間タンク1500へ送られる。中間タンク1500へ送られた処理水が中間タンク1500に貯留されて処理水の液面が第二電極1514に到達すると、ステップS100では、受取部1072が、第一電極1512と第二電極1514との間を流れる電流値を計測部1520から受け取る。なお、中間ポンプ1504の駆動、停止については、第一処理水槽1400の水位等に基づいて適宜行われる。
【0042】
さらに、ステップS200では、検出部1074は、第一電極1512と第二電極1514との通電によって中間タンク1500の水位を検出し、受取部1072が受け取った電流値によって処理水の水質を検出する。換言すれば、検出部1074は、処理水の電気伝導度によって、処理水の水質を検出する。処理水に含まれる不純物が多い場合は、電流が流れやすくなり電流値が大きくなる。一方、処理水に含まれる不純物が少ない場合は、電流が流れにくくなり電流値が小さくなる。そこで、検出部1074は、受取部1072が受け取った電流値が第一閾値以上か否かを判定する。電流値が第一閾値以上の場合は、検出部1074は、処理水の水質が低いと検出する。
【0043】
電流値が第一閾値以上の場合は、ステップS300へ移行し、電流値が第一閾値未満の場合は、ステップS310へ移行する。第一閾値は、一の閾値の一例である。
【0044】
ステップS300では、駆動部1076が、排出ポンプ1524を駆動させて排出配管1522を通じて中間タンク1500の処理水を系外に排出する。具体的には、この排出された処理水は、一次的に図示せぬ貯留槽に貯留されてトイレの水として用いられる。そして、駆動部1076は、中間タンク1500の処理水を系外に排出した後、排出ポンプ1524を停止させる。排出ポンプ1524が停止すると、再度ステップS100に戻って、受取部1072が第一電極1512と第二電極1514との間を流れる電流値を計測部1520から受け取る。
【0045】
一方、ステップS200で、電流値が第一閾値未満でステップS310へ移行して、中間タンク1500へ送られた処理水の液面が第三電極1516に到達すると、受取部1072が第一電極1512と第三電極1516との間を流れる電流値を計測部1520から受け取る。
【0046】
さらに、ステップS410では、検出部1074が、第一電極1512と第三電極1516との通電によって中間タンク1500の水位を検出し、受取部1072が受け取った電流値から処理水の水質を検出する。具体的には、検出部1074は、受取部1072が受け取った電流値が第一閾値以上か否かを判定する。電流値が第一閾値以上の場合は、検出部1074は、処理水の水質が低いと検出する。
【0047】
電流値が第一閾値以上の場合は、ステップS510へ移行し、電流値が第一閾値未満の場合は、ステップS520へ移行する。
【0048】
ステップS510では、駆動部1076が、排出ポンプ1524を駆動させて排出配管1522を通じて中間タンク1500の処理水を系外に排出する。中間タンク1500の処理水を被処理水することで、中間タンク1500の液面が第三電極1516から離れるとステップS610へ移行する。
【0049】
ステップS610では、受取部1072が、第一電極1512と第二電極1514との間を流れる電流値を計測部1520から受け取り、検出部1074は、受取部1072が受け取った電流値が第二閾値以上か否かを判定する。電流値が第二閾値以上の場合は、ステップS710へ移行し、電流値が第二閾値未満の場合は、ステップS720へ移行する。なお、電流値が下がる可能性があるのは、不純物は中間タンク1500の下方部分に存在することが多く、排出配管1522によって中間タンク1500の下方部分の処理水から順に系外に排出されるからである。第二閾値は、他の閾値の一例あって、第一閾値に対して低い値である。
【0050】
ステップS710では、駆動部1076が、処理水の排出動作を継続させ、排出配管1522を通じて中間タンク1500の処理水を系外に排出する。具体的には、この排出された処理水は、一次的に図示せぬ貯留槽に貯留されてトイレの水として用いられる。そして、駆動部1076は、中間タンク1500の処理水を系外に排出した後、排出ポンプ1524を停止させる。排出ポンプ1524が停止すると、再度ステップS100に戻って、受取部1072が第一電極1512と第二電極1514との間を流れる電流値を計測部1520から受け取る。
【0051】
一方、ステップS610で、電流値が第二閾値未満でステップS720へ移行すると、駆動部1076が、処理水の排出動作を停止させる。そして、ステップS310へ戻って再度前述した動作が繰り返される。
【0052】
また、ステップS410で、電流値が第一閾値未満でステップS520へ移行すると、駆動部1076が処理水ポンプ1710を駆動させて、駆動する処理水ポンプ1710が、中間タンク1500の処理水を逆浸透膜1600に送り、処理水から異物が除去される。処理水ポンプ1710を駆動させて所定時間が経過するとステップS620へ移行する。
【0053】
S620では、駆動部1076が処理水ポンプ1710を停止させる。そして、ステップS100へ戻って再度前述した動作が繰り返される。
【0054】
(まとめ)
以上説明したように、水処理装置1012においては、受取部1072は、第一電極1512と第二電極1514との間の電流値、又は、第一電極1512と第三電極1516との間の電流値を計測部1520から受け取る。さらに、検出部1074は、中間タンク1500の水位を検出し、電流値から水質を検出する。これにより、水位を検出する検出手段と水質を検出する検出手段とが別個に設けられる場合と比して、水位と水質とを検出するために必要とする部品点数を少なくすることができる。
【0055】
また、水処理装置1012においては、検出した水質が第一閾値に達すると、駆動部1076は、排出ポンプ1524を駆動させて排出配管1522を通じて中間タンク1500内の処理水を系外に排出する。これにより、中間タンクとは別の部位に貯留された処理水の水質を中間タンクの処理水の水質と仮定して中間タンクの処理水を排出する場合と比して、水質が低下した処理水を効果的に系外に排出することができる。
【0056】
また、水処理装置1012においては、駆動部1076は、中間タンク1500の処理水を系外に排出しているときに、電流値が第二閾値未満になると、排出ポンプ1524の駆動を停止させ、処理水の排出を停止する。これにより、一定の水質基準を満たした処理水が系外に排出されるのを抑制することができる。
【0057】
<第2実施形態>
本開示の第2実施形態に係る水処理装置の一例について
図5に従って説明する。なお、第2実施形態については、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。第2実施形態に係る水処理装置2012は、制御部2060を備えている。
【0058】
〔制御部2060〕
-制御部2060のハードウェア構成-
制御部2060は、
図5(A)に示されるように、CPU(Central Processing Unit)2061、ROM(Read Only Memory)2062、RAM(Random Access Memory)2063、ストレージ2064、及び通信インタフェース(I/F)2065を有する。そして、各構成は、バス2069を介して相互に通信可能に接続されている。
【0059】
通信インタフェース2065は、制御部2060が第一電極1512、第二電極1514、第三電極1516、還流ポンプ1708、処理水ポンプ1710、及び計測部1520等と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0060】
上記の駆動プログラムを実行する際に、制御部2060は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。制御部2060が各種の機能を実現する制御部2060の機能構成について説明する。
【0061】
-制御部2060の機能構成-
制御部2060は、
図5(B)に示されるように、受取部2072、検出部2074、及び駆動部2076を有する。各機能構成は、CPU2061がROM2062またはストレージ2064に記憶された駆動プログラムを読み出し、実行することにより実現される。駆動部2076は、洗浄部の一例である。
【0062】
(作用)
受取部2072が計測部1520から電流値を受け取る。そして、検出部2074が、
図2に示す第一電極1512と第二電極1514との間を流れる電流値又は、第一電極1512と第三電極1516との間を流れる電流値が、予め決められた系外排出の閾値以上と検出すると、還流ポンプ1708を駆動させて逆浸透膜1600を透過した処理水(透過水)を中間タンク1500に供給する。
【0063】
さらに、駆動部2076が、
図2に示す処理水ポンプ1710を駆動させ、かつ、濃縮水配管1602に設けられた図示せぬニードル弁を開放する。これにより、逆浸透膜1600と中間タンク1500との間で処理水を循環させることで、逆浸透膜1600の逆浸透膜を透過水によって洗浄(フラッシング)する。このようにして、水質の低い処理水を逆浸透膜に通水させることで生じる逆浸透膜の閉塞が抑制される。逆浸透膜1600の洗浄が終了すると、駆動部2076は、各部の駆動を停止させ、濃縮水配管1602に設けられた図示せぬニードル弁を絞る。
【0064】
(まとめ)
以上説明したように、水処理装置2012は、中間タンク1500の処理水の水質が予め決められた系外排出の閾値以上となると、逆浸透膜1600の逆浸透膜を洗浄(フラッシング)する。このため、例えば、決められた時間毎に逆浸透膜を洗浄する場合と比して、逆浸透膜1600を効果的に洗浄することができる。
【0065】
なお、本開示を特定の実施形態について詳細に説明したが、本開示は係る実施形態に限定されるものではなく、本開示の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、水処理装置1012は、家庭内で使用された被処理水を循環しつつ浄化し、家庭内において再利用可能とする装置である装置であったが、排水槽及び処理槽を減らし、浄化処理を減らすことで、家庭内で使用された被処理水ではなく、トイレで使用された被処理水に水処理装置を用いてもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、電極は、3個であったが、複数個であればよく、2個であっても、4個以上であってもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、第二電極1514と第三電極1516とを通電させていながったが、第二電極1514と第三電極1516とを通電させてもよい。そして、第二電極1514と第三電極1516との間の部分の水質について判定してもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、処理水の流れ方向において、生物処理槽1300と逆浸透膜1600との間に中間タンク1500が設けられたが、中間タンク1500を他の位置に配置してもよい。しかし、この場合には、中間タンク1500が生物処理槽1300と逆浸透膜1600との間に設けられることで奏する作用は奏しない。
【0069】
また、上記第1実施形態では、電流値が第二閾値未満の場合には、ステップS720で、処理水の排出動作を停止させたが、処理水の排出動作を停止させることなく、中間タンク1500の処理水を全て排出させてもよい。しかし、この場合には、処理水の排出動作を停止させることで奏する作用は奏しない。
【0070】
また、上記実施形態では、排水槽1100及び生物処理槽1300に収容される水を被処理水とし、第一処理水槽1400及び中間タンク1500に収容される水を処理水とし、第二処理水槽1700に収容される水を再生水とする。
【符号の説明】
【0071】
1012 水処理装置
1074 検出部
1076 駆動部(排出部の一例)
1300 生物処理槽
1500 中間タンク(貯留槽の一例)
1512 第一電極(電極の一例)
1514 第二電極(電極の一例)
1516 第三電極(電極の一例)
1600 逆浸透膜
2012 水処理装置
2074 検出部
2076 駆動部(洗浄部の一例)