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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025026246
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】爪矯正装置及びこれを用いた矯正方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/11 20060101AFI20250214BHJP
【FI】
A61F5/11
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023209630
(22)【出願日】2023-12-12
(31)【優先権主張番号】10-2023-0104907
(32)【優先日】2023-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523284893
【氏名又は名称】バンギジョン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】BARNG KEE JUNG Corp.
【住所又は居所原語表記】2F, 2-dong, 665, Pyeongnam-ro, Pyeongtaek-si, Gyeonggi-do, 17899, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】バン、ギジョン
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA02
4C098BB20
4C098BC46
(57)【要約】      (修正有)
【課題】変形爪が両側に広げられるように1次的に矯正し、一対の矯正クリップが矯正紐によって連結固定されて、互いに牽引し合いながら変形爪が広げられるように2次的に矯正することで、変形爪の形状を再建することができ、日常生活が可能であり、クリップの落下や遺失の恐れがない爪矯正装置及びこれを用いた矯正方法を提供する。
【解決手段】屈曲した平板状をなし、爪の中で矯正対象の両側面に挿入される復元板と、復元板の上部に離隔されて下方に押圧される押圧板が形成され、復元板と押圧板とを連結する折り曲げ箇所に連結孔が備えられる一対の矯正クリップと、両端が一対の矯正クリップの連結孔にそれぞれ挿通され、押圧板が押圧されながら固定される矯正紐と、を含み、一対の矯正クリップが矯正対象に装着されて両側に広げられるようにした後、矯正紐によって互いに牽引し合いながら矯正対象を正常形態に復元させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈曲した平板状をなし、爪の中で矯正対象の両側面に挿入される復元板と、前記復元板の上部に離隔されて下方に押圧される押圧板が形成され、前記復元板と押圧板とを連結する折り曲げ箇所に連結孔が備えられる一対の矯正クリップと、
両端が前記一対の矯正クリップの連結孔にそれぞれ挿通され、前記押圧板が押圧されながら固定される矯正紐と、を含み、
前記一対の矯正クリップが矯正対象に装着されて両側に広げられるようにした後、前記矯正紐によって互いに牽引し合いながら前記矯正対象を正常形態に復元させる
ことを特徴とする爪矯正装置。
【請求項2】
前記一対の矯正クリップは、
「己」字状であり、
前記復元板の上部に形成されて前記矯正対象が挿入されて矯正されるように誘導する復元空間と、
前記押圧板の下部に形成されて前記矯正紐が挿入されるように誘導し、前記押圧板が押圧されて矯正紐が固定されるように提供する引き込み空間と、をさらに含む
請求項1に記載の爪矯正装置。
【請求項3】
前記一対の矯正クリップは、
1つ以上の前記連結孔が矯正対象の変形形態に合わせて選択的に具備され、対称となるように配設され、
前記矯正紐は、
前記連結孔の個数に応じて対応されるように連結設置される
請求項1に記載の爪矯正装置。
【請求項4】
前記復元板は、
他端が前記固定板の長さよりも短く丸みをつけて水平に配設され、他側上方に行くほど次第に厚さが薄くなるように形成される
請求項1に記載の爪矯正装置。
【請求項5】
請求項1に記載の爪矯正装置を準備する準備段階と、
前記一対の矯正クリップの復元板が爪の中で矯正対象の両側にそれぞれ挿入されて前記矯正対象を両側に広げる1次矯正段階と、
前記一対の矯正クリップに矯正紐を連結した後、前記押圧板を押圧して固定し、互いに牽引し合いながら広げられるようにする2次矯正段階と、
前記爪矯正装置にゲルを塗布して紫外線で硬化させて固定するゲル固定段階と、からなる
ことを特徴とする爪矯正装置を用いた矯正方法。
【請求項6】
前記準備段階は、
前記矯正対象の立体情報及び損傷程度によって、設置位置と前記一対の矯正クリップの連結孔の個数、前記一対の矯正クリップの個数、前記矯正紐の設置形状を選択する選択段階をさらに含む
請求項5に記載の爪矯正装置を用いた矯正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変形爪に設置して扁平に矯正する爪矯正装置及びこれを用いた矯正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
変形爪は、年間20万名以上の患者が発生する、ありふれた爪の病気の一つであって、爪の変形によって爪先が肉を刺さって痛みが出る病気を言う。爪の病気は、様々な環境的な要因によって爪が肉の外側を引き続き押し付けるようになる状況によって誘発されることができる。このような爪の変形は、年寄りにおける有病率が高いが、最近老令化人口が多くなっているため、治療策が求められている。
【0003】
最も代表的な症状としては、発生部位の熱感と痛症、そして腫れ上がることが特徴であり、5つの足指の中で母趾に最も多く発生し、特に右足の母趾によく生じる。最初は、母趾の外側や内側がやや赤く腫れて軽い痛みが訪れるが、摩擦が続けられることにより 症状がひどくなるにつれ、酷いむくみと膿が出て、炎症と血管、纎維組職が増殖された塊ができて足の爪の周りが化膿し始めて甚だしい痛症が現われるようになる。
【0004】
また、変形爪を深爪にしたり、爪水虫を長い間放置したりして足の爪の形状が変形された場合、きつい靴を長時間履く場合、若しくは肥満や老化が進行されながら自然に爪の屈曲がひどくなる場合のように、多様な原因で爪の病気が発生する。これらの患者は足に圧力が加えられるすべての行動を控えなければならなく、きれいな生理食塩水に足指を浸して消毒して、常時爪の管理に気を付けなければならない。
【0005】
このような爪の変形に因って従前より爪が歪むか厚くなり、足が蒸れて多くの汗が出ることにより、臭い、かゆみ、痛症が伴われる。特に、角質が多くめくれて汚染した爪が他の身体部位や周辺人に触れれば伝染する恐れがあるので、必ず変形爪の管理及び治療が必要である。爪の病気を早く治療する方法としては、手術と矯正がある。変形爪の矯正は、重要な治療方法であって、換気がよくできて通風性が良く、他の部位に伝染されないように空間分離をする。
【0006】
特許文献1:従来の韓国公開特許公報第10-2022-0166152号「ネール矯正装置」は、手足の爪を矯正するための技術であって、第1クランプ部及び第2クランプ部を矯正対象の爪に着脱して便利に使用することができ、ユーザに負担または痛みを与えないネール矯正装置を提供する。しかし、該ネール矯正装置は、爪の先端に設置されてユーザが歩いたり活動したりする場合、ネール矯正装置が容易に離脱してしまい、分離されるか、活動範囲が制限されるという不具合があった。
【0007】
また、一貫した且つ無理な物理的な引っ張りや力によって痛みを与えることができ、ユーザに合わせてオーダーメイド設計しにくく、日常生活をするには困難があった。そして、ネール矯正装置を用いると、美観上爪の美容を害するようになり、ユーザの満足度が劣るから、選好度が低くなって使用を拒否するという問題点が生じた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国公開特許公報第10-2022-0166152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前述した問題点を解決するために案出されたもので、一対の矯正クリップが爪の両側面に装着され、変形爪が両側に広げられるように1次的に矯正し、一対の矯正クリップが矯正紐によって連結固定されて、互いに牽引し合いながら変形爪が広げられるように2次的に矯正することで、変形爪の形状を再建することができ、日常生活が可能であり、クリップの落下や遺失の恐れがないように提供することを目的とする。前記したような技術的課題に限定されなく、以下の説明からまた他の技術的課題が導出されることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するための本発明は、屈曲した平板状をなし、爪の中で矯正対象の両側面に挿入される復元板と、前記復元板の上部に離隔されて下方に押圧される押圧板が形成され、前記復元板と押圧板とを連結する折り曲げ箇所に連結孔が備えられる一対の矯正クリップと、両端が前記一対の矯正クリップの連結孔にそれぞれ挿通され、前記押圧板が押圧されながら固定される矯正紐と、を含み、前記一対の矯正クリップが矯正対象に装着されて両側に広げられるようにした後、前記矯正紐によって互いに牽引し合いながら前記矯正対象を正常形態に復元させる。
【0011】
また、前記一対の矯正クリップは、「己」字状であり、前記復元板の上部に形成されて前記矯正対象が挿入されて矯正されるように誘導する復元空間と、前記押圧板の下部に形成されて前記矯正紐が挿入されるように誘導し、前記押圧板が押圧されて矯正紐が固定されるように提供する引き込み空間と、をさらに含むことを特徴とする。
【0012】
また、前記一対の矯正クリップは、1つ以上の前記連結孔が矯正対象の変形形態に合わせて選択的に具備され、対称となるように配設され、前記矯正紐は、前記連結孔の個数に応じて対応されるように連結設置されることを特徴とする。
【0013】
また、前記復元板は、他端が前記固定板の長さよりも短く丸みをつけて水平に配設され、他側上方に行くほど次第に厚さが薄くなるように形成されることを特徴とする。
【0014】
前記目的を達成するための本発明は、請求項1に記載の爪矯正装置を準備する準備段階と、前記一対の矯正クリップの復元板が爪の中で矯正対象の両側にそれぞれ挿入されて前記矯正対象を両側に広げる1次矯正段階と、前記一対の矯正クリップに矯正紐を連結した後、前記押圧板を押圧して固定し、互いに牽引し合いながら広げられるようにする2次矯正段階と、前記爪矯正装置にゲルを塗布して紫外線で硬化させて固定するゲル固定段階と、からなることを特徴とする。
【0015】
また、前記準備段階は、前記矯正対象の立体情報及び損傷程度によって、設置位置と前記一対の矯正クリップの連結孔の個数、前記一対の矯正クリップの個数、前記矯正紐の設置形状を選択する選択段階をさらに含む。
【発明の効果】
【0016】
前記のような構成を成す本発明の実施形態による爪矯正装置及びこれを用いた矯正方法によれば次のような長所がある。
【0017】
一対の矯正クリップが爪の両側面に装着されて変形爪が両側に広げられるように1次的に矯正し、一対の矯正クリップが矯正紐によって連結固定されて、互いに牽引し合いながら変形爪が広げられるように2次的に矯正することで、変形爪の形状を再建することができ、日常生活が可能であり、かつクリップの落下や遺失の恐れがなくて使い勝手がよい。
【0018】
また、一対の矯正クリップの復元空間に矯正対象が挿入されて広げられながら伸びるように矯正を誘導し、引き込み空間へ矯正紐を挿入させて押圧板の押圧で矯正紐が固定されるように提供することで矯正効果を向上させることができる。そして、湾曲爪を平面に誘導して効率的に管理するとともに爪の形態の保持率を高めることができる。
【0019】
また、一対の矯正クリップの復元板は、押圧板の長さよりも短くて他端が薄板状に形成されてユーザの手や足に感じられる違和感を最小化して痛みを減らして使い心地を向上させる。さらに、爪矯正装置は、形状的特徴によって着用し易くて誰でも容易に使用可能である。
【0020】
また、形状記憶合金からなる矯正紐によって、変形爪の形状に応じて撓んだ状態で装着された後、元の一直線状態に復元されて爪矯正装置の矯正力を向上させることができる。そして、矯正紐の内部に形状記憶合金からなる鋼線を2列で配設することで復元力を2倍にして矯正期間を短縮させることができる。
【0021】
また、ユーザ向けオーダーメイド型で爪の変形形態に合わせて多様な形態のオーダーメイド管理ができるように爪矯正装置を選択することができるので、短期間で最適な効果が得られる。そして、多様な形態の方法で変形爪を再び健康な爪に復元させてその形状を保持できることに役立つことができる。
【0022】
なお、爪矯正装置が矯正対象の両方に配設されることで、爪に安定的に装着されて矯正効果を増加させることができ、ゲル塗布を通じて矯正装置が外部へ露出しなくて管理しやすいという利点がある。そして、変形爪が爪矯正装置およびゲルによって、固定された状態で管理されることにより、爪の美容を害することなく、しかも、便利で且つ速やかに管理し得るだけではなく、施術者及び受術者(ユーザ)の満足度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態による爪矯正装置の斜視図である。
図2】本発明の実施形態による爪矯正装置の正面図である。
図3】本発明の実施形態による爪矯正装置の矯正クリップに対する斜視図である。
図4】本発明の実施形態による爪矯正装置の設置例示図である。
図5】本発明の実施形態による爪矯正装置の設置された状態を示す図である。
図6】本発明の実施形態による爪矯正装置の矯正された状態を示す図である。
図7】本発明の実施形態による爪矯正装置を用いた矯正方法の手順を示す図である。
図8】本発明の実施形態による爪矯正装置を用いた矯正方法の準備段階に対する詳細手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を持つ者が容易に実施できるように詳しく説明する。本発明は種々の相異なる形態で具現されることができ、ここで説明する構造や方法に限定されない。
【0025】
また、本実施形態の爪矯正装置及びこれを用いた矯正方法の上下左右方向に対して、図3に示された矯正クリップを基準に、左側方向を「一側」、右側方向を「他側」と規定し、地面方向を「下方」、反対方向を「上方」と指称して本発明の実施形態を説明することにする。これはあくまでも本発明を明確に理解できるように説明するためのものであって、基準をどこに置くのかによって各方向を異なるように定義することもできるのは勿論である。
【0026】
図1(a)は、本発明の実施形態による爪矯正装置に、連結孔及び矯正紐がそれぞれ1つずつ具備された斜視図であり、図1(b)は、本発明の実施形態による爪矯正装置に、連結孔及び矯正紐がそれぞれ2つずつ具備された斜視図である。また、図2は、本発明の実施形態による爪矯正装置の正面図である。図1及び図2を参照すれば、本発明の爪矯正装置は、一対の矯正クリップが矯正対象に装着されて両側に広げられるようにした後、矯正紐によって互いに牽引し合いながら矯正対象を正常形態に復元させる装置である。このような爪矯正装置は、変形爪の形状を再建することができ、日常生活が可能であり、かつ、クリップの落下や遺失の恐れがなくて使い勝手がよい。
【0027】
より具体的に、爪矯正装置は、一対の矯正クリップによって矯正対象が両側に広げられるように1次的に矯正した後、前記矯正紐によって一対の矯正クリップが互いに牽引し合いながら矯正対象が広げられるように2次的に矯正することができる。爪矯正装置1000は、爪の中で矯正対象10の両側面に装着されて両側に広げられるようにする一対の矯正クリップ100と、一対の矯正クリップとを連結して引っ張ることで矯正対象10が広げられるようにする矯正紐200と、を含むことができる。
【0028】
このような構成を持つ爪矯正装置1000は、ユーザの手の爪または足の爪に装着されることができ、爪の中で矯正対象10にあたる変形形態の部位に両側に挿入設置されて正常形態に矯正させる。そして、爪矯正装置1000は、ユーザの爪の変形形態に応じて、一対の矯正クリップが互いに引っ張られる強度をオーダーメイド型で選択できるように多様な構造を持つ。このように、爪矯正装置1000は、ユーザに応じて好適な構造を選択可能にすることで矯正期間を短縮するとともに矯正効果を向上させることができる。
【0029】
図3(a)は、本発明の実施形態による連結孔が1つ形成されている爪矯正装置の矯正クリップに対する斜視図であり、図3(b)は、本発明の実施形態による連結孔が2つ形成されている爪矯正装置の矯正クリップに対する斜視図である。そして、図4(a)は、本発明の実施形態による爪矯正装置が1つ設置された状態を示す設置例示図であり、図4(b)は、本発明の実施形態による爪矯正装置が2つ設置された状態を示す設置例示図である。
【0030】
図5(a)は、本発明の実施形態による爪矯正装置の固定前の設置状態を示す図で、図5(b)は、本発明の実施形態による爪矯正装置の固定後の設置状態を示す図である。そして、図6は、本発明の実施形態による爪矯正装置によって矯正対象が矯正された状態を示す図である。
【0031】
図3図6を参照すれば、一対の矯正クリップ100は、ユーザの爪の中で変形形態の矯正対象10に装着されて両側に広げられるように1次的に矯正する役割を果たす構成である。一対の矯正クリップ100は、同一の構造を持つ二つの矯正クリップが互いに対称となるように具備され、矯正対象10の両側面に挿入設置されるように具備される。この時、一対の矯正クリップ100は、矯正対象10の変形形態によって、1つ以上設置されることができ、非熟練者も容易に装着できる構造であるから、誰でも使用しやすい。
【0032】
矯正クリップ100aは、矯正対象10に挿入されて矯正を誘導する復元板110と、ユーザによって押圧されて固定させる押圧板120と、一対の矯正クリップ100を互いに連結させる連結孔130と、矯正紐200を挿入支持させる支持板140と、復元板110と押圧板120とを連結支持する支持台150と、を含むことができる。このような構成を持つ矯正クリップ100aは、平板を屈曲させた「己」字状に形成されるため、簡便なクリップ形態で操作が簡単であり、装着後に外部に離脱することを防止することができるばかりでなく、別途の操作なしに矯正対象10の両側面に嵌合するだけで矯正し得る効果を奏するので、矯正治療期間を短縮させることができる。
【0033】
復元板110は、矯正クリップの下面に該当し、爪の中で矯正対象10の両側面に挿入されて両側に広げられるように誘導する構成部材である。特に、復元板110は、他端が押圧板120の長さよりも短くて丸みをつけて水平に配設され、他側上方に行くほど次第に厚さが薄くなるように形成されることができる。このように、復元板110は、他端がラウンド形状であり中央に行くほど長手方向aに長くなり、全長が短く形成されることで、ユーザが着用時に感じる違和感や痛みが最小化されて着心地を改善して治療過程が円滑に行われるようにしてユーザの満足感を向上させることができる。
【0034】
復元板110は、一端から他端に行くほど厚さが薄くなるように形成されており、矯正対象10の両側面に挿入時、痛みを最小化することができる。そして、復元板110は、上面が水平に形成されて下面が他側上向きに傾斜するように形成されることで、変形形態である矯正対象10の両側が上方に持ち上げられるとともに外側に広げられるように力を加えるように構成される。このように、復元板110は、形状的特徴によって矯正対象10に装着されながら矯正対象10の両端に力を加えて正常形態に広げられるようにする。
【0035】
押圧板120は、矯正クリップの上面に該当し、一対の矯正クリップ100が矯正紐200に連結された状態で固定され得るようにユーザの手によって押圧可能な面積を提供する構成部材である。このような押圧板120は、復元板110の上部に離隔されて水平に配設され、ユーザによって下方に押圧されながら矯正紐200を固定する役割を果たす。そして、押圧板120は、復元板110と異なり、一定した厚さの平板からなり、ユーザによる押圧時、均一な力が加えられることができるように具備されることができる。
【0036】
押圧板120は、上面にユーザの爪先がかけられながら押圧されることができるように複数の押圧溝(図示せず)が形成されることができる。このように、押圧板120は、押圧溝が設けられることで小型サイズの矯正クリップが、ユーザによる押圧時、手が滑ることなく押圧固定可能に具備されることができる。また、押圧板120は、上部に突出しないように押圧されることで、活動時の不便さがないようにするとともに、ネールケアを可能にして美観を害しないようにすることができる。そして、押圧板120は押圧によって圧搾されて外部にかかって倒れたり、けがをしたりしないように防止でき、ズボンまたは靴下やストッキング着用時に引っかかることなく着用可能であるという利点がある。
【0037】
連結孔130は、一対の矯正クリップ100を互いに連結させ、連結孔130の個数に応じて矯正強度を調節可能にする構成部材である。この時、連結孔130は、復元板110と押圧板120とを連結する折り曲げ箇所に設けられて、矯正紐200が挿通されて一対の矯正クリップ100が連結されるように提供する。そして、連結孔130は、矯正紐200の形状と対応される形状に貫通されて設けられることができ、矯正対象10の変形形態によって、1つまたは2つ以上が幅方向bに設定間隔だけ離隔されて形成されることができる。
【0038】
連結孔130は、矯正対象10と密接した位置の折り曲げ箇所に形成され、矯正紐200が設置されて矯正対象10に最大限の引張力を加えることができるように設けられる。また、連結孔130の位置は、矯正クリップ100aがコンパクトなサイズになるように形成され、使用が簡便で且つ矯正効率を極大化させる。このような連結孔130は、矯正対象10の変形形態に合わせて選択的に1つ以上が具備されて、矯正対象10の両側面に対称となるように配設され、連結孔130の個数に応じて矯正紐200が対応されるように連結設置される。
【0039】
支持板140は、矯正紐200が挿入された状態で安定した姿勢で矯正紐200を保持させる構成部材である。このような支持板140は、復元板110と押圧板120との間に水平に配設され、矯正紐200を連結孔130に貫通させて安着させる。そして、支持板140は、復元板110と押圧板120との間に空間が設けられるように隔てて配設され、矯正対象10が挿入されて押圧固定されるように具備されることができる。そして、支持板140は、上面に押圧板120が密着されることができるように扁平に位置されて固定動作を容易にする。
【0040】
支持台150は、矯正クリップの形状が保持されるように支持し、復元板110に支持力を加えて矯正対象10が外側に広げられるように助ける構成部材である。この時、支持台150は、復元板110及び支持板140の一端に垂直に配設され、支持板140及び押圧板120の他端に垂直に配設されて連結する。すなわち、支持台150は、矯正クリップの両側壁の役割をすることで、矯正クリップの変形又は撓みを防止することができ、長期間使用し続けるようにして装置の使用寿命を延ばすことができる。
【0041】
このような一対の矯正クリップ100は、「己」字状になっており、復元板110と支持板140及び押圧板120との間に、矯正対象10の復元を誘導する復元空間101と、矯正紐200を挿入して固定させる引き込み空間102とが形成されることができる。まず、復元空間101は、復元板110の上部に形成され、矯正対象10が挿入されて外側に広げられながら矯正されるように誘導する。そして、引き込み空間102は、押圧板120の下部に形成され、矯正紐200が挿入されるように誘導し、押圧板120が押圧されて矯正紐200が固定されるように空間を提供する。
【0042】
このように、一対の矯正クリップ100は、構造が簡単であり、矯正対象10の両側面に容易に固定設置されて離脱の心配がなくて使い勝手がよくなり、活動性に優れているという利点がある。また、一対の矯正クリップ100の復元空間101に矯正対象10が挿入されて広げられながら伸びるように矯正を誘導し、引き込み空間102へ矯正紐200を挿入させて押圧板120の押圧で矯正紐200が固定されるように提供することで矯正効果を向上させることができる。そして、湾曲爪を平面に誘導して効率的に管理して爪形態の保持率を高めることができる。
【0043】
矯正紐200は、一対の矯正クリップ100が互いに牽引し合いながら矯正対象10が広げられるように2次的に矯正する役割をする構成部材である。矯正紐200は、両端が一対の矯正クリップ100の連結孔130にそれぞれ挿通されて、押圧板120が押圧されながら固定させる。このように、矯正紐200は、矯正対象10の両側に装着された一対の矯正クリップ100が互いに牽引し合いながら矯正対象10が正常形態に復元させる。そして、矯正紐200は、形状記憶合金からなり、2列で配設される鋼線と、該鋼線の外面を包むシリコーンからなることができる。
【0044】
この時、矯正紐200は、形状記憶合金の材質であることから、他の形状に変形されても加熱によって再び変形前の直線形状に戻るようになり、一対の矯正クリップ100が互いに引っ張られるように作用することができる。すなわち、矯正紐200は、本来の直線状に戻ろうとする性質を有し、強い復元力によって矯正対象10が両側に広げられるように誘導して矯正対象10を正常形態に復元させることができる。
【0045】
矯正紐200は、ユーザによって適正の長さに切り取られて用いられることができ、一対の矯正クリップ100よりも外側にはみ出されない長さに設けられることが好ましい。また、形状記憶合金からなる矯正紐200は、変形爪の形状によって撓んだ状態で装着された後、本来の一直線状に復元されて爪矯正装置の矯正力を向上させることができる。そして、矯正紐200の内部に形状記憶合金からなる鋼線が2列で配設されて復元力を2倍に向上させて矯正期間を短縮できる。
【0046】
特に、矯正紐200は、連結孔130が1つである場合、両端が連結孔130にそれぞれ挿入されて一直線を保持する1列矯正201の状態で設けられることができる。また、矯正紐200は、連結孔130が2つである場合、両端が連結孔130における対称位置にそれぞれ挿入されて一列で配設される2列矯正202の状態で設けられるか、連結孔130に交差してそれぞれ挿入されて配設されるクロス矯正203の状態で設けられるようにする。
【0047】
このように、矯正紐200は、矯正対象10の変形形態の程度によって、一対の矯正クリップ100が互いに引っ張られる強度を調節するために、1列矯正201、2列矯正202、クロス矯正203を、オーダーメイド型に選択して提供することができる。矯正紐200は、設置状態によって、1列矯正201、2列矯正202、クロス矯正203の順に強度が強くなるようにして、矯正対象10の形状に対する立体情報及び損傷程度に適する最適の構造を選択して矯正を行うことができるようにする。
【0048】
すなわち、ユーザオーダーメイド型で爪の変形形態に合わせて多様な形態のオーダーメイド管理ができるように、爪矯正装置を選択することができ、短期間で最適の効果が得られる。そして、多様な形態の方法により、変形爪を再び健康な爪に復元させてその形状を保持させることに役立つことができる。従来多様な足管理方法及び種類に応じた多様な治療法が存在するが、本発明の爪矯正装置は、手術や無理な器具を使わないで爪が正しい形状に育つように容易に誘導して管理することができる。
【0049】
図7は、本発明の実施形態による爪矯正装置を用いた矯正方法の手順を示す図であり、図8は、本発明の実施形態による爪矯正装置を用いた矯正方法の準備段階に対する詳細手順を示す図である。図7及び図8を参照すれば、爪矯正装置を用いた矯正方法は、準備段階S100、1次矯正段階S200、2次矯正段階S300、ゲル固定段階S400の順に行われることができる。このように、爪矯正装置は、ユーザの爪の中で矯正対象10に装着された後、ゲルで塗布されて乾燥後に完全に固定可能にする。
【0050】
準備段階S100は、ユーザの爪の中で矯正対象10に装着される爪矯正装置1000を準備する段階である。このような準備段階S100は、装置を装着する前に矯正対象10を手入れして当該矯正対象10の変形形態に好適な矯正クリップ及び矯正紐200を用意する。より具体的に、準備段階S100は、細かくは、キューティクル除去段階S110、前処理段階S120、選択段階S130の順に進められることができる。
【0051】
キューティクル除去段階S110は、爪矯正装置1000が装着される爪のキューティクルや異物を取り除いて爪を整える段階である。まず、手の爪及び足の爪の厚さを測定して正常の厚さを超える場合、正常の厚さに調整する。この時、爪の手入れ道具を利用して厚さを調整することができ、爪のキューティクルラインに沿って造形線を形成することができる。次いで、キューティクルラインに沿って表面から分離された細胞膜(キューティクル)及び異物を拭き上げて取り除くことができる。そして、爪の周辺のたこや汚い部分を切り捨てるか研いで整理することができる。
【0052】
前処理段階S120は、矯正対象10の区画別に表面研磨道具を利用して研いた後に表面にアクリルを塗布して一定時間硬化させる段階である。詳しくは、手の爪及び足の爪の表面を包む肌と当接して、一定した幅を持つラウンド部分と、手の爪または足の爪が育って肌から突出したフリーエッジ部分と、手の爪及び足の爪の中央部分である爪甲部分とに、区画別にファイル(file)やバッファー(buffer)を利用して整えることができる。次に、手の爪及び足の爪の全ての表面にアクリルを塗布して一定時間の間硬化させて前処理を仕上げることができる。
【0053】
選択段階S130は、矯正対象10の立体情報及び損傷程度によって、設置位置と一対の矯正クリップ100の連結孔130の個数、一対の矯正クリップ100の個数、矯正紐200の設置形状を選択する段階である。矯正対象10の立体情報は、断面形状に関するものであって、巻き爪の変形形態の程度によって矯正クリップ100aの強度を選定して連結孔130の個数、一対の矯正クリップ100の個数、矯正紐200の設置形状を選択することができる。そして、矯正対象10の損傷程度は、手の爪及び足の爪の爪甲の形状に関するものであって、手の爪及び足の爪の全体面積における部分的な遺失があったかどうかによって設置位置を選定することができる。
【0054】
すなわち、矯正対象10の巻き爪の変形形態がひどいほど連結孔130の個数と一対の矯正クリップ100の個数を増やし、矯正紐200が2列矯正202またはクロス矯正203の状態となるようにする。逆に、矯正対象10の巻き爪の変形形態が正常に近ければ、連結孔130の個数を1つに選択し、一対の矯正クリップ100を具備し、矯正紐200が1列矯正201の状態となるようにする。また、手足の爪の爪甲の形状によって、矯正対象10の爪甲の形状の位置別及び角度別に矯正クリップの設置位置を選定することができる。
【0055】
1次矯正段階S200は、一対の矯正クリップ100の復元板110が爪の中で矯正対象10の両側にそれぞれ挿入されて矯正対象10を両側に広げる段階である。1次矯正段階S200は、準備段階S100で選択された矯正クリップを矯正対象10の位置別及び角度別に選定された設置位置の両側面に係止して正しい姿勢で挿入されるように装着する。この時、1次矯正段階S200は、一対の矯正クリップ100が両側面と対称となるように装着されながら矯正対象10が両側に広げられるようにして1次的に矯正を行うことができる。
【0056】
2次矯正段階S300は、一対の矯正クリップ100に矯正紐200を連結した後、押圧板120を押圧して固定して互いに牽引し合いながら広げられるようにする段階である。一対の矯正クリップ100の連結孔130の個数に応じて矯正紐200が具備され、準備段階S100で選定された矯正紐200の設置形状によって装着されるように連結する。この時、一対の矯正クリップ100は、矯正紐200によって連結された状態で撓んだ矯正紐200が一直線に復元されながら互いに引っ張られて矯正対象10が広げられるように2次的に矯正を行うことができる。
【0057】
ゲル固定段階S400は、爪矯正装置1000にゲルを塗布して紫外線で硬化させて固定する段階である。ユーザの矯正対象10に合わせてオーダーメイド型に選択された爪矯正装置1000が矯正対象10に装着された状態でゲルを塗布して固定することができる。この時、ゲルは矯正対象に装着された爪矯正装置1000にのみ部分的に塗布されてもよく、矯正対象10に全体的に塗布することに比して、保持期間が2倍以上より長くて、装置の使用寿命を延ばすことができる。次に、ゲルを紫外線で一定時間硬化させて爪矯正装置と共にしっかりと固定して審美的に優秀になるように仕上げることができる。
【0058】
このような爪矯正装置を用いた矯正方法は、爪矯正装置1000にゲルを塗布して人造ネールの形態で固定することで、多様な足の爪の変形と疾患を容易に管理することができる。消費者の活動性と専門家の迅速性及びコスパに優れるオーダーメイド型爪矯正装置を用いて効果を極大化し、向上した爪矯正装置への消費者のニーズを満たして生の質を大きく改善することができる。
【0059】
また、爪矯正装置1000が矯正対象10の両側に配設されることにより、爪に安定的に装着されて矯正効果を増加させることができ、ゲル塗布を通じて矯正装置が外部に露出しなくて管理し易いという利点がある。そして、変形爪が爪矯正装置1000及びゲルによって固定された状態で管理されることで、爪の美容を害することなく、便利で且つ速かに管理できることのみならず、施術者及び受術者(ユーザ)の満足度を高めることができる。
【0060】
なお、本発明の属する技術分野における通常の知識を持つ者は、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で変形された形態で具現できる。したがって、開示の実施形態は限定的な観点ではなく説明的な観点で考慮される。本発明の範囲は、前述した内容ではなく、特許請求の範囲に現われており、それと均等な範囲内に属するすべての相違点は、本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0061】
1000 爪矯正装置
10 矯正対象
100 一対の矯正クリップ
100a 矯正クリップ
101 復元空間
102 引き込み空間
110 復元板
120 押圧板
130 連結孔
140 支持板
150 支持台
200 矯正紐
201 1列矯正
202 2列矯正
203 クロス矯正
S100 準備段階
S110 キューティクル除去段階
S120 前処理段階
S130 選択段階
S200 1次矯正段階
S300 2次矯正段階
S400 ゲル固定段階
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-11-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈曲した平板状をなし、爪の中で矯正対象の両側面に挿入される復元板と、前記復元板の上部に離隔されて下方に押圧される押圧板が形成され、前記復元板と押圧板とを連結する折り曲げ箇所に連結孔が備えられる一対の矯正クリップと、
両端が前記一対の矯正クリップの連結孔にそれぞれ挿通され、前記押圧板が押圧されながら固定される矯正紐と、を含み、
前記一対の矯正クリップが矯正対象に装着されて両側に広げられるようにした後、前記矯正紐によって互いに牽引し合いながら前記矯正対象を正常形態に復元させる
ことを特徴とする爪矯正装置。
【請求項2】
前記一対の矯正クリップは、
「己」字状であり、
前記復元板の上部に形成されて前記矯正対象が挿入されて矯正されるように誘導する復元空間と、
前記押圧板の下部に形成されて前記矯正紐が挿入されるように誘導し、前記押圧板が押圧されて矯正紐が固定されるように提供する引き込み空間と、をさらに含む
請求項1に記載の爪矯正装置。
【請求項3】
前記一対の矯正クリップは、
1つ以上の前記連結孔が矯正対象の変形形態に合わせて選択的に具備され、対称となるように配設され、
前記矯正紐は、
前記連結孔の個数に応じて対応されるように連結設置される
請求項1に記載の爪矯正装置。
【請求項4】
前記復元板は、
他端が前記押圧板の長さよりも短く丸みをつけて水平に配設され、他側上方に行くほど次第に厚さが薄くなるように形成される
請求項1に記載の爪矯正装置。