(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025026255
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】ソイルセメントの製造方法および二酸化炭素排出量削減方法
(51)【国際特許分類】
E02D 3/12 20060101AFI20250214BHJP
【FI】
E02D3/12 102
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023221004
(22)【出願日】2023-12-27
(31)【優先権主張番号】P 2023131354
(32)【優先日】2023-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗本 悠平
(72)【発明者】
【氏名】浅香 美治
【テーマコード(参考)】
2D040
【Fターム(参考)】
2D040AA01
2D040AB03
2D040CA10
(57)【要約】
【課題】ソイルセメントの軽量化と高強度化または不透水化と高強度化を図ることができるソイルセメントの製造方法および二酸化炭素排出量削減方法を提供する。
【解決手段】土質材料とセメント系固化材と水とを含有するソイルセメントを製造する方法であって、土質材料とセメント系固化材と水と粉末状のバイオ炭とを混合して、ソイルセメントを製造するようにする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土質材料とセメント系固化材と水とを含有するソイルセメントを製造する方法であって、
土質材料とセメント系固化材と水と粉末状のバイオ炭とを混合して、ソイルセメントを製造することを特徴とするソイルセメントの製造方法。
【請求項2】
土質材料とセメント系固化材と水と粉末状のバイオ炭とを混合して、バイオ炭を混合しないものに比べてソイルセメントを高強度化することを特徴とする請求項1に記載のソイルセメントの製造方法。
【請求項3】
予め取得されたソイルセメントの強度と湿潤密度の関係に、目標とするソイルセメントの強度を当てはめることで、ソイルセメントの強度に応じた湿潤密度を求めるステップと、予め取得されたソイルセメントの湿潤密度とバイオ炭の添加量の関係に、求めたソイルセメントの湿潤密度を当てはめることで、ソイルセメントの湿潤密度に応じたバイオ炭の添加量を求めるステップと、求めた添加量のバイオ炭を用いて、目標とする強度のソイルセメントを製造するステップとを有することを特徴とする請求項1に記載のソイルセメントの製造方法。
【請求項4】
予め取得されたソイルセメントの湿潤密度とバイオ炭の添加量の関係に、目標とするソイルセメントの湿潤密度を当てはめることで、ソイルセメントの湿潤密度に応じたバイオ炭の添加量を求めるステップと、求めた添加量のバイオ炭を用いて、目標とする湿潤密度のソイルセメントを製造するステップとを有することを特徴とする請求項1に記載のソイルセメントの製造方法。
【請求項5】
予め取得されたソイルセメントの強度と透水係数の関係に、目標とするソイルセメントの強度を当てはめることで、ソイルセメントの強度に応じた透水係数を求めるステップと、予め取得されたソイルセメントの透水係数とバイオ炭の添加量の関係に、求めたソイルセメントの透水係数を当てはめることで、ソイルセメントの透水係数に応じたバイオ炭の添加量を求めるステップと、求めた添加量のバイオ炭を用いて、目標とする強度のソイルセメントを製造するステップとを有することを特徴とする請求項1に記載のソイルセメントの製造方法。
【請求項6】
予め取得されたソイルセメントの透水係数とバイオ炭の添加量の関係に、目標とするソイルセメントの透水係数を当てはめることで、ソイルセメントの透水係数に応じたバイオ炭の添加量を求めるステップと、求めた添加量のバイオ炭を用いて、目標とする透水係数のソイルセメントを製造するステップとを有することを特徴とする請求項1に記載のソイルセメントの製造方法。
【請求項7】
ソイルセメントからの二酸化炭素の排出量を削減する方法であって、
請求項1~6のいずれか一つに記載のソイルセメントの製造方法によりソイルセメントを製造することを特徴とする二酸化炭素排出量削減方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソイルセメントの軽量化、不透水化、高強度化に好適なソイルセメントの製造方法および二酸化炭素排出量削減方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物の再開発・建替案件では、既存建物の地下が深く、新設建物の地下が浅い場合がある。その際は、既存建物の地下空間(地下階)をコンクリートや流動化処理土で埋め戻したうえで(例えば、特許文献1を参照)、既存建物の地下躯体・基礎上に、新設建物を直接基礎形式で支持させる計画とすることが多い。
図9は、その一例を示した地下空間の鉛直断面図である。この図に示すように、地盤Gの支持層1に打ち込まれた既存杭2の上に既存建物3の底盤4(既存基礎)が設けられている。底盤4の上側部分は埋戻し材5(流動化処理土)で埋戻され、その上に新設建物6のマットスラブ7が施工される。
【0003】
このような計画の場合、地下空間の埋戻しに用いられた材料の重量は、既存基礎の支持力から差し引いて設計する必要がある。すなわち、埋戻しに用いる材料の重量は、新設建物の重量としてカウントする必要がある。したがって、既存基礎の支持力を有効に利用するためには、埋戻しに用いる材料は、圧縮強度が大きく、かつ、密度が小さい(軽い)ほどよい。
【0004】
軽量の埋戻し材としては、例えばソイルセメント系の気泡混合土が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0005】
一方、根切り山留め工事では、
図10に示すように、構造物の地下部分を構築するために山留め壁8を築造し、山留め壁8に囲まれた地盤G(根切り底9)を掘削することが多い。透水性の高い地盤内の浸透流を止水するために、不透水性材料を用いて止水壁や遮水壁と呼ばれる山留め壁を地盤に築造することもある。不透水性材料には鋼矢板や鋼管矢板、場所打ち鉄筋コンクリート、ソイルセメントが利用される。ソイルセメントは、土およびセメント、水で構成され、地盤材料とコンクリート材料の中間的な材料であり、地盤改良工事や埋戻し工事にも利用される。ソイルセメントの止水性を高める方法としては、ソイルセメントの材料と配合の工夫の他に、根切り山留め工事使用時には鋼矢板や鋼管矢板、高密度ポリエチレンシートをソイルセメントに挿入することがある。ソイルセメントの止水性は、構成する土の砂分含有率が少ないほど高くなることが知られている(例えば、非特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】一般財団法人土木研究センターホームページ、「気泡混合土工法」、[online]、[令和5年8月1日検索]、インターネット<URL:https://www.pwrc.or.jp/fukyuu/higradesoil/kihou.html>
【非特許文献2】「ソイルセメント地中連続壁の材料特性に関する基礎実験」、鈴木健夫、國藤祚光、「土と基礎,42-3(434)」、pp.19~22、地盤工学会、1994.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、気泡混合土には、強度の上限(一軸圧縮強さ1000kPa程度)が設けられている(例えば、非特許文献1を参照)。一般的なソイルセメントであれば、固化材の添加量を調整し、一軸圧縮強さ1000kPa以上の強度発現も可能となるが、固化材の添加量が増加すると、セメント製造・運搬時に排出されるCO2量の増加に繋がり、環境負荷も大きくなるという問題があった。このため、固化材の添加量を増加することなく、ソイルセメントの軽量化と高強度化を図ることができる技術が求められていた。
【0009】
また、上述したように、ソイルセメントの止水性は構成する土の砂分含有率が少ないほど高くなるが、現位置の土構成は様々であり、必要強度を満足するために固化材の添加量を調整する場合もある。固化材の添加量が増加すると、セメント製造・運搬時に排出されるCO2量の増加に繋がり、環境負荷も大きくなるという問題があった。このため、固化材の添加量を増加することなく、ソイルセメントの不透水化と高強度化を図ることができる技術が求められていた。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ソイルセメントの軽量化と高強度化または不透水化と高強度化を図ることができるソイルセメントの製造方法および二酸化炭素排出量削減方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るソイルセメントの製造方法は、土質材料とセメント系固化材と水とを含有するソイルセメントを製造する方法であって、土質材料とセメント系固化材と水と粉末状のバイオ炭とを混合して、ソイルセメントを製造することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る他のソイルセメントの製造方法は、上述した発明において、土質材料とセメント系固化材と水と粉末状のバイオ炭とを混合して、バイオ炭を混合しないものに比べてソイルセメントを高強度化することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る他のソイルセメントの製造方法は、上述した発明において、予め取得されたソイルセメントの強度と湿潤密度の関係に、目標とするソイルセメントの強度を当てはめることで、ソイルセメントの強度に応じた湿潤密度を求めるステップと、予め取得されたソイルセメントの湿潤密度とバイオ炭の添加量の関係に、求めたソイルセメントの湿潤密度を当てはめることで、ソイルセメントの湿潤密度に応じたバイオ炭の添加量を求めるステップと、求めた添加量のバイオ炭を用いて、目標とする強度のソイルセメントを製造するステップとを有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る他のソイルセメントの製造方法は、上述した発明において、予め取得されたソイルセメントの湿潤密度とバイオ炭の添加量の関係に、目標とするソイルセメントの湿潤密度を当てはめることで、ソイルセメントの湿潤密度に応じたバイオ炭の添加量を求めるステップと、求めた添加量のバイオ炭を用いて、目標とする湿潤密度のソイルセメントを製造するステップとを有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る他のソイルセメントの製造方法は、上述した発明において、予め取得されたソイルセメントの強度と透水係数の関係に、目標とするソイルセメントの強度を当てはめることで、ソイルセメントの強度に応じた透水係数を求めるステップと、予め取得されたソイルセメントの透水係数とバイオ炭の添加量の関係に、求めたソイルセメントの透水係数を当てはめることで、ソイルセメントの透水係数に応じたバイオ炭の添加量を求めるステップと、求めた添加量のバイオ炭を用いて、目標とする強度のソイルセメントを製造するステップとを有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る他のソイルセメントの製造方法は、上述した発明において、予め取得されたソイルセメントの透水係数とバイオ炭の添加量の関係に、目標とするソイルセメントの透水係数を当てはめることで、ソイルセメントの透水係数に応じたバイオ炭の添加量を求めるステップと、求めた添加量のバイオ炭を用いて、目標とする透水係数のソイルセメントを製造するステップとを有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る二酸化炭素排出量削減方法は、上述した発明において、ソイルセメントからの二酸化炭素の排出量を削減する方法であって、上述したソイルセメントの製造方法によりソイルセメントを製造することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るソイルセメントの製造方法によれば、土質材料とセメント系固化材と水とを含有するソイルセメントを製造する方法であって、土質材料とセメント系固化材と水と粉末状のバイオ炭とを混合して、ソイルセメントを製造するので、ソイルセメントの軽量化と高強度化を同時に達成することができるという効果を奏する。また、ソイルセメントの不透水化と高強度化を同時に達成することができるという効果を奏する。
【0019】
また、本発明に係る他のソイルセメントの製造方法によれば、土質材料とセメント系固化材と水と粉末状のバイオ炭とを混合して、バイオ炭を混合しないものに比べてソイルセメントを高強度化するので、バイオ炭を混合しないものに比べてソイルセメントの高強度化を実現することができるという効果を奏する。
【0020】
また、本発明に係る他のソイルセメントの製造方法によれば、予め取得されたソイルセメントの強度と湿潤密度の関係に、目標とするソイルセメントの強度を当てはめることで、ソイルセメントの強度に応じた湿潤密度を求めるステップと、予め取得されたソイルセメントの湿潤密度とバイオ炭の添加量の関係に、求めたソイルセメントの湿潤密度を当てはめることで、ソイルセメントの湿潤密度に応じたバイオ炭の添加量を求めるステップと、求めた添加量のバイオ炭を用いて、目標とする強度のソイルセメントを製造するステップとを有するので、目標とする強度と湿潤密度のソイルセメントを容易に製造することができるという効果を奏する。
【0021】
また、本発明に係る他のソイルセメントの製造方法によれば、予め取得されたソイルセメントの湿潤密度とバイオ炭の添加量の関係に、目標とするソイルセメントの湿潤密度を当てはめることで、ソイルセメントの湿潤密度に応じたバイオ炭の添加量を求めるステップと、求めた添加量のバイオ炭を用いて、目標とする湿潤密度のソイルセメントを製造するステップとを有するので、目標とする湿潤密度のソイルセメントを容易に製造することができるという効果を奏する。
【0022】
また、本発明に係る他のソイルセメントの製造方法によれば、予め取得されたソイルセメントの強度と透水係数の関係に、目標とするソイルセメントの強度を当てはめることで、ソイルセメントの強度に応じた透水係数を求めるステップと、予め取得されたソイルセメントの透水係数とバイオ炭の添加量の関係に、求めたソイルセメントの透水係数を当てはめることで、ソイルセメントの透水係数に応じたバイオ炭の添加量を求めるステップと、求めた添加量のバイオ炭を用いて、目標とする強度のソイルセメントを製造するステップとを有するので、目標とする強度と透水係数のソイルセメントを容易に製造することができるという効果を奏する。
【0023】
また、本発明に係る他のソイルセメントの製造方法によれば、予め取得されたソイルセメントの透水係数とバイオ炭の添加量の関係に、目標とするソイルセメントの透水係数を当てはめることで、ソイルセメントの透水係数に応じたバイオ炭の添加量を求めるステップと、求めた添加量のバイオ炭を用いて、目標とする透水係数のソイルセメントを製造するステップとを有するので、目標とする透水係数のソイルセメントを容易に製造することができるという効果を奏する。
【0024】
また、本発明に係る二酸化炭素排出量削減方法によれば、ソイルセメントからの二酸化炭素の排出量を削減する方法であって、上述したソイルセメントの製造方法によりソイルセメントを製造するので、バイオ炭を利用することでソイルセメント内に二酸化炭素を固定でき、ソイルセメントの二酸化炭素排出量を削減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、本発明に係るソイルセメントの製造方法の実施の形態を示す図である。
【
図2】
図2は、ソイルセメントの配合、湿潤密度、一軸圧縮強さの一例を示すテーブル図である。
【
図3】
図3は、バイオ炭ソイルセメント(固化材添加量150kg/m
3)の湿潤密度と一軸圧縮強さの関係の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、バイオ炭ソイルセメント(固化材添加量150kg/m
3)の湿潤密度とバイオ炭の添加量の関係の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、ソイルセメントの配合、透水係数、一軸圧縮強さの一例を示すテーブル図である。
【
図6】
図6は、バイオ炭ソイルセメント(固化材添加量80kg/m
3)の一軸圧縮強さとバイオ炭の添加量の関係の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、バイオ炭ソイルセメント(固化材添加量80kg/m
3)の透水係数と一軸圧縮強さの関係の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、バイオ炭ソイルセメント(固化材添加量80kg/m
3)の透水係数とバイオ炭の添加量の関係の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、従来の既存地下空間を流動化処理土で埋め戻した例を示す図である。
【
図10】
図10は、従来の山留め壁を利用した根切り山留め工事の地盤掘削の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明に係るソイルセメントの製造方法および二酸化炭素排出量削減方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0027】
<実施の形態1>
まず、本発明の実施の形態1について説明する。
本発明の実施の形態1に係るソイルセメントの製造方法は、土質材料と、セメント系固化材と、水と、天然状態で炭素を固定した粉末状のバイオ炭とを混合して、軽量化かつ高強度化したソイルセメントを製造するものである。ソイルセメントは、例えば流動化処理土、貧配合セメントミルク、セメント系地盤改良材、セメント系山留め材などである。
【0028】
図1に示すように、本実施の形態1に係るソイルセメントの製造方法は、まず、目標とするソイルセメントの強度(一軸圧縮強さ)または密度(湿潤密度)を設定する(ステップS1)。次に、設定した強度または密度に対応するバイオ炭の添加量を決定する(ステップS2)。次に、決定した添加量のバイオ炭をソイルセメントに添加し、混合する(ステップS3)。これにより、目標とする強度または密度を有するソイルセメントを製造する。
【0029】
上記のステップS2においては、後述するような配合試験によって、ソイルセメントの強度と湿潤密度の関係、ソイルセメントの湿潤密度とバイオ炭の添加量の関係を予め取得しておくことが望ましい。このようにすれば、予め取得されたソイルセメントの強度と湿潤密度の関係に、目標とするソイルセメントの強度を当てはめることで、ソイルセメントの強度に応じた湿潤密度を求めることができる。また、予め取得されたソイルセメントの湿潤密度とバイオ炭の添加量の関係に、求めたソイルセメントの湿潤密度を当てはめることで、ソイルセメントの湿潤密度に応じたバイオ炭の添加量を求めることができる。これにより、目標とする強度または湿潤密度のソイルセメントを容易に設計し、製造することができる。また、添加材に炭素を固定したバイオ炭を利用することで、ソイルセメントのCO2排出量を削減できる。すなわち、ソイルセメント内にCO2を固定できる。
【0030】
(配合試験によるバイオ炭の添加効果の検証~湿潤密度と一軸圧縮強さ~)
次に、ソイルセメントを用いた配合試験によるバイオ炭の添加効果の検証について説明する。
ソイルセメントは、気中乾燥状態の珪砂7号と、粘土(木節粘土とカオリン粘土を質量比1:1で作製)と、水を質量比4:1:2.15で混合した調整泥水に、外割換算の固化材(固化材添加量150kg/m3)と水を混合したセメントミルクを注入し、作製した。固化材には、高炉セメントB種(セメント系固化材)を使用した。また、調整泥水の含水比とセメントミルクの水セメント比はともに43%とした。
【0031】
バイオ炭には、粉粒径が5mm以下の粉末状のバイオ炭を使用した。バイオ炭は、針葉樹と広葉樹の製材時に排出されたおがくずを原料とし、炭素を固定した材料である。配合試験では、固化材のCO
2(二酸化炭素)排出量を100、200、400、1000%削減可能なバイオ炭を計量し、ソイルセメントを作製した後に外割で添加した。固化材のCO
2排出量は、下記の参考文献1に基づいて、0.5g-CO
2/gを採用した。また、バイオ炭のCO
2固定量は、下記の参考文献2の計算方法を参考に、CO
2固定量=炭素含有率(0.77)×100年後の炭素残存率(0.89)×44/12=2.51g-CO
2/gと仮定した。
図2中には、バイオ炭の添加量とともに、固化材のCO
2排出量の削減率(CN:カーボンニュートラル)を記載した。固化材とバイオ炭の添加量は、調整泥水1m
3に対する添加量である。
【0032】
[参考文献1] 「建設施工分野における地球温暖化対策について(平成19年2月)」、国土交通省、[online]、[2022年11月7日検索]、インターネット<URL:https://www.mlit.go.jp/singikai/infra/kankyou/6/images/04.pdf>
[参考文献2] 「バイオ炭の農地施用を対象とした方法論について(令和2年11月9日)」、農林水産省環境政策室、[online]、[2022年11月7日検索]、インターネット<URL:https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/climate/biochar/attach/pdf/top-4.pdf>
【0033】
図2に、ソイルセメントの配合、湿潤密度および一軸圧縮強さの結果を示す。
図2中の試料名称は、固化材添加量(BB)の数値と、固化材のCO
2排出量の削減率(カーボンニュートラル率:CN率)の数値の組み合わせで示している。例えば、試料番号2の試料名称「BB150-CN100」は、固化材添加量(BB)が150kg/m
3で、固化材のCO
2排出量の削減率(CN率)が100%であることを意味する。
【0034】
図2の表によれば、ソイルセメントの湿潤密度は、バイオ炭の添加に伴い、低下している。一方、ソイルセメントの一軸圧縮強さは、バイオ炭の添加に伴い、上昇している。したがって、ソイルセメントの軽量化と高強度化は、ソイルセメントにバイオ炭を添加することで同時に達成できる。なお、バイオ炭の添加に伴ってソイルセメントの湿潤密度が低下し、一軸圧縮強さが上昇する傾向は、固化材添加量、ソイルセメントにおける土と水と固化材の質量比を変えても、同様の傾向になると考えられる。
【0035】
バイオ炭を添加することの副次的な効果として、ソイルセメントのCO2排出量が削減され、環境負荷低減に繋がる。このため、本発明により製造されるソイルセメントは、任意量のCO2を固定した環境配慮型の軽量材料ということができる。軽量材料であることから、既存建物等の埋戻し工事に利用されるソイルセメントとして好適である。
【0036】
(ソイルセメントの軽量化と高強度化の実施例)
次に、ソイルセメントの軽量化と高強度化の実施例について説明する。
図3は、バイオ炭を添加したソイルセメント(以下、バイオ炭ソイルセメントという。)の一軸圧縮強さ(強度)と湿潤密度の関係である。
図4は、バイオ炭ソイルセメントの湿潤密度とバイオ炭の添加量の関係である。いずれも上記の配合試験の結果をプロットして作成している。図中の破線は、回帰分析により得られた各関係の回帰線である。回帰線を表す回帰式は、回帰直線の式や回帰曲線の式でもよい。
図3の例では回帰曲線、
図4の例では回帰直線を採用している。回帰線または回帰線を表す回帰式を用いて、バイオ炭の添加量を決定することができる。以下に、
図3と
図4の利用例(実施例1-1,1-2)について説明する。
【0037】
(実施例1-1)
例えば、新設建物を直接基礎形式で支持する場合、要求される地耐力に基づいて、それを支持するためのソイルセメントの必要強度(目標とするソイルセメントの強度)を設定する。ソイルセメントの必要強度が一軸圧縮強さで1300kPaの場合、
図3の回帰線を利用すれば、ソイルセメントの湿潤密度が1.74g/cm
3以下となる。次に、
図4に基づいて、所定の湿潤密度を満足するために必要なバイオ炭の添加量を読み取る。
図4の回帰線を利用すれば、湿潤密度1.74g/cm
3以下を満足するためのバイオ炭の添加量は、約258kgであることが分かる。すなわち、ソイルセメント1m
3に対して、258kg以上のバイオ炭を添加すれば、湿潤密度1.74g/cm
3と一軸圧縮強さ1300kPaを同時に満足したソイルセメントとなる。この時のソイルセメントへのCO
2固定量は、647kg以上(CN率863%以上)である。なお、新設建物の重量と設計したバイオ炭ソイルセメントの湿潤密度の合計から、既存基礎の支持力で負担可能であるかについても確認してもよい。
【0038】
(実施例1-2)
あるいは、既存基礎の支持力に対して、新設建物の重量を考慮したソイルセメントの湿潤密度(目標とするソイルセメントの湿潤密度)を設定し、それに対応したバイオ炭の添加量を読み取ってもよい。例えば、既存基礎を有効利用するために、ソイルセメントの湿潤密度を1.70g/cm
3以下とした場合、
図4の回帰線を利用すれば、ソイルセメント1m
3に対して、422kg以上のバイオ炭を添加すればよい。この時のソイルセメントへのCO
2固定量は、1058kg以上(CN率1411%以上)である。
【0039】
本実施例1-1、1-2によれば、ソイルセメントの一軸圧縮強さと湿潤密度の関係、ソイルセメントの湿潤密度とバイオ炭の添加量の関係に基づいて設定した添加量のバイオ炭を、ソイルセメント製造時に外割で添加することで、ソイルセメントの軽量化が可能である。また、ソイルセメントの強度は、バイオ炭を添加することで高強度化するため、別途、固化材量の調整を必要としない。すなわち、ソイルセメントにバイオ炭を添加することで、ソイルセメントの軽量化と高強度化を同時に達成できる。バイオ炭を添加することの副次的な効果として、ソイルセメントのCO2排出量が削減され、環境負荷低減にも繋がる。
【0040】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
本発明の実施の形態2に係るソイルセメントの製造方法は、土質材料と、セメント系固化材と、水と、天然状態で炭素を固定した粉末状のバイオ炭とを混合して、止水性を向上して不透水化かつ高強度化したソイルセメントを製造するものである。ソイルセメントは、例えば流動化処理土、貧配合セメントミルク、セメント系地盤改良材、セメント系山留め材などである。
【0041】
本実施の形態2を、根切り山留め工事等において止水効果を目的として地盤に築造されるソイルセメント壁のソイルセメントに適用する場合を例にとり説明する。まず、目標とするソイルセメントの強度(一軸圧縮強さ)または透水係数を設定する。次に、設定した強度または透水係数に対応するバイオ炭の添加量を決定する。次に、決定した添加量のバイオ炭をソイルセメントに添加し、混合することで、目標とする強度または透水係数を有するソイルセメントを製造する。これにより、ソイルセメントの不透水化と高強度化を同時に達成可能である。
【0042】
バイオ炭の添加量を決定する際には、後述するような配合試験によって、ソイルセメントの強度と透水係数の関係、ソイルセメントの透水係数とバイオ炭の添加量の関係を予め取得しておくことが望ましい。このようにすれば、予め取得されたソイルセメントの強度と透水係数の関係に、目標とするソイルセメントの強度を当てはめることで、ソイルセメントの強度に応じた透水係数を求めることができる。また、予め取得されたソイルセメントの透水係数とバイオ炭の添加量の関係に、求めたソイルセメントの透水係数を当てはめることで、ソイルセメントの透水係数に応じたバイオ炭の添加量を求めることができる。これにより、目標とする強度または透水係数のソイルセメントを容易に設計し、製造することができる。また、添加材に炭素を固定したバイオ炭を利用することで、ソイルセメントのCO2排出量を削減できる。すなわち、ソイルセメント内にCO2を固定できる。
【0043】
(配合試験によるバイオ炭の添加効果の検証~透水係数と一軸圧縮強さ~)
次に、ソイルセメントを用いた配合試験によるバイオ炭の添加効果の検証について説明する。
ソイルセメントは、気中乾燥状態の珪砂7号と、粘土(木節粘土とカオリン粘土を質量比1:1で作製)と、水を質量比4:1:2.15で混合した調整泥水に、外割換算の固化材(固化材添加量80kg/m3)と水を混合したセメントミルクを注入し、作製した。固化材には、高炉セメントB種(セメント系固化材)を使用した。また、調整泥水の含水比とセメントミルクの水セメント比はともに43%とした。
【0044】
バイオ炭には、粉粒径が5mm以下の粉末状のバイオ炭を使用した。バイオ炭は、針葉樹と広葉樹の製材時に排出されたおがくずを原料とし、炭素を固定した材料である。配合試験では、固化材のCO
2(二酸化炭素)排出量を100、400、1000%削減可能なバイオ炭を計量し、ソイルセメントを作製した後に外割で添加した。固化材のCO
2排出量は、上記の参考文献1に基づいて、0.5g-CO
2/gを採用した。また、バイオ炭のCO
2固定量は、上記の参考文献2の計算方法を参考に、CO
2固定量=炭素含有率(0.77)×100年後の炭素残存率(0.89)×44/12=2.51g-CO
2/gと仮定した。
図5中には、バイオ炭の添加量とともに、固化材のCO
2排出量の削減率(CN:カーボンニュートラル)を記載した。固化材とバイオ炭の添加量は、調整泥水1m
3に対する添加量である。
【0045】
図5に、ソイルセメントの配合、透水係数および一軸圧縮強さの結果を示す。
図5中の試料名称は、固化材添加量(BB)の数値と、固化材のCO
2排出量の削減率(カーボンニュートラル率:CN率)の数値の組み合わせで示している。例えば、試料番号7の試料名称「BB80-CN100」は、固化材添加量(BB)が80kg/m
3で、固化材のCO
2排出量の削減率(CN率)が100%であることを意味する。
【0046】
図5の表によれば、ソイルセメントの透水係数は、バイオ炭の添加に伴い、通常のソイルセメントと同等または10
-9オーダーを示し、低下傾向にある。一方、ソイルセメントの一軸圧縮強さは、
図6に示すように、バイオ炭の添加に伴い、通常のソイルセメント(試料番号6:BB80-CN0)を基準に最大で2倍(試料番号9:BB80-CN1000)まで増加している。なお、
図6中の破線は回帰分析により得られた回帰式である。したがって、バイオ炭を添加したソイルセメントを山留め壁に利用する場合、下記の参考文献3に示されている「ソイルセメントの設計基準強度は、3,000kN/m
2を上限に、原地盤が砂質土・砂礫土・粘性土(粘土を除く)の場合で500kN/m
2、粘土の場合で300kN/m
2とする。」という基準を十分に満足している。
【0047】
[参考文献3] 「山留め設計指針」、一般社団法人日本建築学会、2017年11月
【0048】
以上の結果より、ソイルセメントの不透水化と高強度化は、ソイルセメントにバイオ炭を添加することで同時に達成できる。バイオ炭を添加することの副次的な効果として、ソイルセメントのCO2排出量が削減され、環境負荷低減に繋がる。このため、本発明により製造されるソイルセメントは、任意量のCO2を固定した環境配慮型の不透水性材料ということができる。不透水性材料であることから、山留め壁工事に利用されるソイルセメントとして好適である。
【0049】
(ソイルセメントの不透水化と高強度化の実施例)
次に、ソイルセメントの不透水化と高強度化の実施例について説明する。
図7は、バイオ炭を添加したソイルセメント(以下、バイオ炭ソイルセメントという。)の一軸圧縮強さと透水係数の関係である。
図8は、バイオ炭ソイルセメントの透水係数とバイオ炭の添加量の関係である。いずれも上記の配合試験の結果をプロットして作成している。図中の破線は、回帰分析により得られた各関係の回帰線である。回帰線を表す回帰式は、回帰直線の式や回帰曲線の式でもよい。
図7の例では回帰曲線、
図8の例では回帰直線を採用している。回帰線または回帰線を表す回帰式を用いて、バイオ炭の添加量を決定することができる。以下に、
図7と
図8の利用例(実施例2-1,2-2)について説明する。
【0050】
(実施例2-1)
例えば、根切り山留め工事でソイルセメント壁を築造する場合、要求される負担力に基づいて、それを満足するためのソイルセメントの必要強度(目標とするソイルセメントの強度)を設定する。ソイルセメントの必要強度が一軸圧縮強さで600kPa以上の場合、
図7を利用すれば、ソイルセメントの透水係数が4.32×10
-9m/s以下となる。次に、
図8に基づいて、所定の透水係数を満足するために必要なバイオ炭の添加量を読み取る。透水係数4.32×10
-9m/s以下を満足するためのバイオ炭の添加量は、約149kgであることが分かる。すなわち、ソイルセメント1m
3に対して、149kg以上のバイオ炭を添加すれば、透水係数4.32×10
-9m/sと一軸圧縮強さ600kPaを同時に満足したソイルセメントとなる。この時のソイルセメントへのCO
2固定量は、374kg以上(CN率935%以上)である。
【0051】
(実施例2-2)
あるいは、ソイルセメントの透水係数(目標とするソイルセメントの透水係数)を設定し、それに対応したバイオ炭の添加量を読み取ってもよい。例えば、ソイルセメントに止水効果を期待し、透水係数を1×10
-8m/s以下とした場合、
図8の回帰式を利用すれば、ソイルセメント1m
3に対して、84kg以上のバイオ炭を添加すればよい。この時のソイルセメントへのCO
2固定量は、212kg以上(CN率530%以上)である。
【0052】
本実施例2-1、2-2によれば、ソイルセメントの一軸圧縮強さと透水係数の関係、ソイルセメントの透水係数とバイオ炭の添加量の関係に基づいて設定した添加量のバイオ炭を、ソイルセメント製造時に外割で添加することで、ソイルセメントの不透水化が可能である。また、ソイルセメントの強度は、バイオ炭を添加することで高強度化するため、別途、固化材量の調整を必要としない。すなわち、ソイルセメントにバイオ炭を添加することで、ソイルセメントの不透水化と高強度化を同時に達成できる。バイオ炭を添加することの副次的な効果として、ソイルセメントのCO2排出量が削減され、環境負荷低減にも繋がる。
【0053】
以上説明したように、本発明に係るソイルセメントの製造方法によれば、土質材料とセメント系固化材と水とを含有するソイルセメントを製造する方法であって、土質材料とセメント系固化材と水と粉末状のバイオ炭とを混合して、ソイルセメントを製造するので、ソイルセメントの軽量化と高強度化を同時に達成することができる。また、ソイルセメントの不透水化と高強度化を同時に達成することができる。
【0054】
また、本発明に係る他のソイルセメントの製造方法によれば、土質材料とセメント系固化材と水と粉末状のバイオ炭とを混合して、バイオ炭を混合しないものに比べてソイルセメントを高強度化するので、バイオ炭を混合しないものに比べてソイルセメントの高強度化を実現することができる。
【0055】
また、本発明に係る他のソイルセメントの製造方法によれば、予め取得されたソイルセメントの強度と湿潤密度の関係に、目標とするソイルセメントの強度を当てはめることで、ソイルセメントの強度に応じた湿潤密度を求めるステップと、予め取得されたソイルセメントの湿潤密度とバイオ炭の添加量の関係に、求めたソイルセメントの湿潤密度を当てはめることで、ソイルセメントの湿潤密度に応じたバイオ炭の添加量を求めるステップと、求めた添加量のバイオ炭を用いて、目標とする強度のソイルセメントを製造するステップとを有するので、目標とする強度と湿潤密度のソイルセメントを容易に製造することができる。
【0056】
また、本発明に係る他のソイルセメントの製造方法によれば、予め取得されたソイルセメントの湿潤密度とバイオ炭の添加量の関係に、目標とするソイルセメントの湿潤密度を当てはめることで、ソイルセメントの湿潤密度に応じたバイオ炭の添加量を求めるステップと、求めた添加量のバイオ炭を用いて、目標とする湿潤密度のソイルセメントを製造するステップとを有するので、目標とする湿潤密度のソイルセメントを容易に製造することができる。
【0057】
また、本発明に係る他のソイルセメントの製造方法によれば、予め取得されたソイルセメントの強度と透水係数の関係に、目標とするソイルセメントの強度を当てはめることで、ソイルセメントの強度に応じた透水係数を求めるステップと、予め取得されたソイルセメントの透水係数とバイオ炭の添加量の関係に、求めたソイルセメントの透水係数を当てはめることで、ソイルセメントの透水係数に応じたバイオ炭の添加量を求めるステップと、求めた添加量のバイオ炭を用いて、目標とする強度のソイルセメントを製造するステップとを有するので、目標とする強度と透水係数のソイルセメントを容易に製造することができる。
【0058】
また、本発明に係る他のソイルセメントの製造方法によれば、予め取得されたソイルセメントの透水係数とバイオ炭の添加量の関係に、目標とするソイルセメントの透水係数を当てはめることで、ソイルセメントの透水係数に応じたバイオ炭の添加量を求めるステップと、求めた添加量のバイオ炭を用いて、目標とする透水係数のソイルセメントを製造するステップとを有するので、目標とする透水係数のソイルセメントを容易に製造することができる。
【0059】
また、本発明に係る二酸化炭素排出量削減方法によれば、ソイルセメントからの二酸化炭素の排出量を削減する方法であって、上述したソイルセメントの製造方法によりソイルセメントを製造するので、バイオ炭を利用することでソイルセメント内に二酸化炭素を固定でき、ソイルセメントの二酸化炭素排出量を削減することができる。
【0060】
なお、2015年9月の国連サミットにおいて採択された17の国際目標として「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」がある。本実施の形態に係るソイルセメントの製造方法および二酸化炭素排出量削減方法は、このSDGsの17の目標のうち、例えば「11.住み続けられるまちづくりを」の目標などの達成に貢献し得る。
【産業上の利用可能性】
【0061】
以上のように、本発明に係るソイルセメントの製造方法および二酸化炭素排出量削減方法は、建築物の再開発・建替案件などで使用される埋戻し材に有用であり、特に、ソイルセメントの軽量化、不透水化、高強度化を図るのに適している。
【符号の説明】
【0062】
1 支持層
2 既存杭
3 既存建物
4 底盤
5 埋戻し材
6 新設建物
7 マットスラブ
8 山留め壁
9 根切り底