(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025026267
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】粉末拡散のためのセラミックスローラー
(51)【国際特許分類】
B22F 12/63 20210101AFI20250214BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20250214BHJP
B29C 64/153 20170101ALI20250214BHJP
B29C 64/165 20170101ALI20250214BHJP
B22F 10/14 20210101ALI20250214BHJP
B22F 10/37 20210101ALI20250214BHJP
B28B 1/30 20060101ALI20250214BHJP
B29C 64/218 20170101ALI20250214BHJP
【FI】
B22F12/63
B33Y30/00
B29C64/153
B29C64/165
B22F10/14
B22F10/37
B28B1/30
B29C64/218
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024015027
(22)【出願日】2024-02-02
(31)【優先権主張番号】18/446,518
(32)【優先日】2023-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519146787
【氏名又は名称】ツー-シックス デラウェア インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】II-VI Delaware,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】弁理士法人エスエス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プラシャント カランディカー
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー アーウィン
【テーマコード(参考)】
4F213
4G052
4K018
【Fターム(参考)】
4F213AC04
4F213AJ06
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL74
4G052DA02
4G052DB12
4G052DC06
4K018AA07
4K018AA10
4K018AA19
4K018AA33
4K018AA40
4K018BA03
4K018BA04
4K018BA09
4K018BA20
4K018BB04
(57)【要約】
【課題】粉末拡散のためのセラミックスローラーを提供すること。
【解決手段】三次元物体の積層造形のためのシステムは、粉末床にわたって粉末材料を拡散させるように、および圧縮成型するように構成された少なくとも1つの圧縮成型ローラーを含む粉末圧縮成型装置と、粉末材料を選択的に結合させるように、または融合させるように構成された印刷装置とを含む。少なくとも1つの圧縮成型ローラーの少なくとも一部が、炭化ケイ素から作られている。少なくとも1つの圧縮成型ローラーが、第1の端部と第2の端部とをもつ動作領域と、動作領域の第1の端部から延びた第1の軸受領域と、動作領域の第2の端部から延びた第2の軸受領域とを含む。動作領域が50マイクロインチRa未満の表面仕上げにされている。第1の軸受領域と第2の軸受領域とのうちの少なくとも1つが、動作領域と一体的に形成されており、または、連結部を介して動作領域に接続されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元物体の積層造形のためのシステムであって、
前記システムが、
粉末床にわたって粉末材料を拡散させるように、および圧縮成型するように構成された少なくとも1つの圧縮成型ローラーを備える粉末圧縮成型装置と、
前記粉末材料を選択的に結合させるように、または融合させるように構成された印刷装置と、
を備え、
前記少なくとも1つの圧縮成型ローラーの少なくとも一部が、炭化ケイ素から作られた、システム。
【請求項2】
前記炭化ケイ素が、
反応結合した炭化ケイ素である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの圧縮成型ローラーの少なくとも一部が、
50マイクロインチRa未満の表面仕上げにされた、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの圧縮成型ローラーが、
第1の端部と第2の端部とをもつ動作領域と、
前記動作領域の前記第1の端部から延びた第1の軸受領域と、
前記動作領域の前記第2の端部から延びた第2の軸受領域と、
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記動作領域が、
50マイクロインチRa未満の表面仕上げにされた、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記動作領域が、
円形の断面をもつ円柱状である、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の軸受領域と前記第2の軸受領域とのうちの少なくとも1つが、
前記動作領域と一体的に形成された、請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の軸受領域と前記第2の軸受領域とのうちの少なくとも1つが、
前記動作領域とは異なる材料から作られた、請求項4に記載のシステム。
【請求項9】
前記動作領域が、炭化ケイ素から作られ、
前記第1の軸受領域および前記第2の軸受領域が、金属から作られた、請求項4に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の軸受領域が、
第1の連結部を介して前記動作領域の前記第1の端部に接続されており、
前記第2の軸受領域が、
第2の連結部を介して前記動作領域の前記第2の端部に接続されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の連結部と前記第2の連結部とのうちの少なくとも1つが、
突き合わせ連結部、さねはぎ継ぎ式連結部、ねじ式連結部、およびピン式連結部のうちの1つである、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記圧縮成型ローラーが、
長軸の周りで回転するように、および前記長軸に直交する方向に横移動するように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記粉末床の上面に所定量の前記粉末材料を供給するように構成された粉末供給装置をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
三次元物体の積層造形のためのシステムであって、
前記システムが、
粉末床にわたって粉末材料を拡散させるように、および圧縮成型するように構成された少なくとも1つの圧縮成型ローラーを備える粉末圧縮成型装置と、
前記粉末材料を選択的に結合させるように、または融合させるように構成された印刷装置と、
を備え、
前記少なくとも1つの圧縮成型ローラーが、
第1の端部と第2の端部とをもつ円柱状の動作領域と、
前記動作領域の前記第1の端部から延びた第1の軸受領域と、
前記円柱状の動作領域の前記第2の端部から延びた第2の軸受領域と、
を備え、
前記円柱状の動作領域が、炭化ケイ素から作られており、および50マイクロインチRa未満の表面仕上げにされた、システム。
【請求項15】
前記第1の軸受領域が、
第1の連結部を介して前記動作領域の前記第1の端部に接続されており、
前記第2の軸受領域が、
第2の連結部を介して前記動作領域の前記第2の端部に接続されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1の連結部と前記第2の連結部とのうちの少なくとも1つが、
突き合わせ連結部、さねはぎ継ぎ式連結部、ねじ式連結部、およびピン式連結部のうちの1つである、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
三次元物体の積層造形のためのシステムにおける使用のために構成された圧縮成型ローラーであって、
前記圧縮成型ローラーが、
第1の端部と第2の端部とをもつ円柱状の動作領域と、
前記動作領域の前記第1の端部から延びた第1の軸受領域と、
前記円柱状の動作領域の前記第2の端部から延びた第2の軸受領域と、
を備え、
少なくとも前記円柱状の動作領域が、炭化ケイ素から作られており、
前記円柱状の動作領域が、50マイクロインチRa未満の表面仕上げにされた、圧縮成型ローラー。
【請求項18】
前記第1の軸受領域と前記第2の軸受領域とのうちの少なくとも1つが、
前記動作領域と一体的に形成された、請求項17に記載の圧縮成型ローラー。
【請求項19】
前記第1の軸受領域が、
第1の連結部を介して前記動作領域の前記第1の端部に接続されており、
前記第2の軸受領域が、
第2の連結部を介して前記動作領域の前記第2の端部に接続されている、請求項17に記載の圧縮成型ローラー。
【請求項20】
前記第1の連結部と前記第2の連結部とのうちの少なくとも1つが、
突き合わせ連結部、さねはぎ継ぎ式連結部、ねじ式連結部、およびピン式連結部のうちの1つである、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、積層造形工程における使用のために構成されたローラーに関し、特に、積層造形工程における粉末拡散および圧縮成型のためのセラミックスローラーに関する。さらにローラーを製造する方法が開示される。
【背景技術】
【0002】
三次元(3D)印刷とも呼ばれる積層造形は、3D物体を規定するための連続した層による制御下での材料の堆積に基づく製造技術である。いくつかの積層造形工程では、構築床に粉末材料の連続した薄層を広げるためにローラーが使用される。次に、圧縮成型された粉末材料が、3D物体の層を規定するために、例えば結合剤またはレーザーまたは他の形態のエネルギーを使用して選択的に融合させられる。次に、構築床が下げられ、粉末材料の別の層を生成するために拡散/圧縮成型工程が繰り返される。所望の3D物体が形成されるまで、複数の層を連続的に構築する工程が継続される。
【0003】
3D印刷機械に使用されるローラーは、それらの回転軸の周りで回転するように、および回転軸に直交する方向に横移動するように構成される。このようなローラーの動きは、一様な厚さ(50μm~200μm)、および(典型的にはg/ccの単位で表された、および粉末材料の幾何学的密度を表す)所望の充填密度をもつ粉末材料層を構築するように構成される。ローラーにより実現される充填密度は、限定されないが、密度、弾性モジュラス、強度、熱伝導率、熱膨張係数、および他の材料特性を包含する印刷された3D物体の材料特性を特定することにおいて重要である。印刷された3D物体のより良い構造特性を実現するために、より高い充填が望まれる。
【0004】
3D印刷機械に使用される従来のローラーは、金属またはプラスチックから作られる。このような金属またはプラスチックローラーは経時的に摩耗し、より固い金属またはセラミックス粉末を拡散させるために使用されるときには特に急速に摩耗する。これらのローラーは、例えば炭化ケイ素といったセラミックス粉末を拡散させるために使用されるとき、頻繁に(例えば数週間内に)交換される必要があり、機器休止時間および高い保守コストをもたらす。金属またはプラスチックローラーは、粉末の接着または埋まりを避けるために、例えば低摩擦ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)コーティングといったコーティングをさらに必要とする。
【0005】
従来のローラーの例は、アルミニウム(むき出しの金属、またはPTFEコーティングによりコーティングされたもの)、またはアルミナによりコーティングされた鋼から作られたローラーを包含する。PTFEによりコーティングされたアルミニウムローラーは高価であり、頻繁な(約1~2ヶ月での)交換を必要とし、その結果、非常に長い機器休止時間と非常に高いコストをもたらす。アルミナによりコーティングされた鋼ローラーは、低充填密度をもたらす望ましくない表面粗さをもつ。したがって、改善された粉末密度および長いローラー耐用期間をもつ、3D印刷機械において粉末材料を拡散させるための改善されたローラーが当技術分野において必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
三次元物体の積層造形のためのシステムの非限定的な実施形態または態様が本明細書において開示されている。システムは、粉末床にわたって粉末材料を拡散させるように、および圧縮成型するように構成された少なくとも1つの圧縮成型ローラーを含む粉末圧縮成型装置と、粉末材料を選択的に結合させるように、または融合させるように構成された印刷装置とを含み得る。少なくとも1つの圧縮成型ローラーの少なくとも一部は、炭化ケイ素から作られ得る。
【0007】
いくつかの非限定的な実施形態または態様では、炭化ケイ素は、反応結合した炭化ケイ素であり得る。少なくとも1つの圧縮成型ローラーの少なくとも一部は、50マイクロインチRa未満の表面仕上げにされ得る。
【0008】
いくつかの非限定的な実施形態または態様では、少なくとも1つの圧縮成型ローラーは、第1の端部と第2の端部とをもつ動作領域と、動作領域の第1の端部から延びた第1の軸受領域と、動作領域の第2の端部から延びた第2の軸受領域とを含み得る。動作領域は、50マイクロインチRa未満の表面仕上げにされ得る。動作領域は、円形の断面をもつ円柱状であり得る。第1の軸受領域と第2の軸受領域とのうちの少なくとも1つは、動作領域と一体的に形成され得る。
【0009】
いくつかの非限定的な実施形態または態様では、第1の軸受領域と第2の軸受領域とのうちの少なくとも1つは、動作領域とは異なる材料から作られ得る。動作領域は炭化ケイ素から作られ得、第1の軸受領域と第2の軸受領域とは金属から作られ得る。第1の軸受領域は、第1の連結部を介して動作領域の第1の端部に接続され得、第2の軸受領域は、第2の連結部を介して動作領域の第2の端部に接続され得る。第1の連結部と第2の連結部とのうちの少なくとも1つは、突き合わせ連結部、さねはぎ継ぎ式連結部、ねじ式連結部、およびピン式連結部のうちの1つであり得る。
【0010】
いくつかの非限定的な実施形態または態様では、圧縮成型ローラーは、長軸の周りで回転するように、および長軸に直交する方向に横移動するように構成され得る。システムは、粉末床の上面に所定量の粉末材料を供給するように構成された粉末供給装置をさらに含み得る。
【0011】
いくつかの非限定的な実施形態または態様では、三次元物体の積層造形のためのシステムは、粉末床にわたって粉末材料を拡散させるように、および圧縮成型するように構成された少なくとも1つの圧縮成型ローラーを含む粉末圧縮成型装置と、粉末材料を選択的に結合させるように、または融合させるように構成された印刷装置とを含み得る。少なくとも1つの圧縮成型ローラーは、第1の端部と第2の端部とをもつ円柱状の動作領域と、動作領域の第1の端部から延びた第1の軸受領域と、円柱状の動作領域の第2の端部から延びた第2の軸受領域とを含み得る。円柱状の動作領域は炭化ケイ素から作られ得、50マイクロインチRa未満の表面仕上げにされ得る。
【0012】
いくつかの非限定的な実施形態または態様では、第1の軸受領域は、第1の連結部を介して動作領域の第1の端部に接続され得、第2の軸受領域は、第2の連結部を介して動作領域の第2の端部に接続され得る。第1の連結部と第2の連結部とのうちの少なくとも1つは、突き合わせ連結部、さねはぎ継ぎ式連結部、ねじ式連結部、およびピン式連結部のうちの1つであり得る。
【0013】
いくつかの非限定的な実施形態または態様では、三次元物体の積層造形のためのシステムにおける使用のために構成された圧縮成型ローラーは、第1の端部と第2の端部とをもつ円柱状の動作領域と、動作領域の第1の端部から延びた第1の軸受領域と、円柱状の動作領域の第2の端部から延びた第2の軸受領域とを含み得る。少なくとも円柱状の動作領域は炭化ケイ素から作られ得、円柱状の動作領域は50マイクロインチRa未満の表面仕上げにされ得る。
【0014】
いくつかの非限定的な実施形態または態様では、第1の軸受領域と第2の軸受領域とのうちの少なくとも1つは動作領域と一体的に形成され得る。
【0015】
いくつかの非限定的な実施形態または態様では、第1の軸受領域は、第1の連結部を介して動作領域の第1の端部に接続され得、第2の軸受領域は、第2の連結部を介して動作領域の第2の端部に接続され得る。第1の連結部と第2の連結部とのうちの少なくとも1つは、突き合わせ連結部、さねはぎ継ぎ式連結部、ねじ式連結部、およびピン式連結部のうちの1つであり得る。
【0016】
本開示のさらなる実施形態または態様が以下の付記項のうちの1つまたは複数において詳細に説明される。
【0017】
付記項1:
三次元物体の積層造形のためのシステムであって、
システムが、
粉末床にわたって粉末材料を拡散させるように、および圧縮成型するように構成された少なくとも1つの圧縮成型ローラーを備える粉末圧縮成型装置と、
粉末材料を選択的に結合させるように、または融合させるように構成された印刷装置と、
を備え、
少なくとも1つの圧縮成型ローラーの少なくとも一部が、炭化ケイ素から作られている、システム。
【0018】
付記項2:
炭化ケイ素が、
反応結合した炭化ケイ素である、付記項1に記載のシステム。
【0019】
付記項3:
少なくとも1つの圧縮成型ローラーの少なくとも一部が、
50マイクロインチRa未満の表面仕上げにされた、付記項1または付記項2に記載のシステム。
【0020】
付記項4:
少なくとも1つの圧縮成型ローラーが、
第1の端部と第2の端部とをもつ動作領域と、
動作領域の第1の端部から延びた第1の軸受領域と、
動作領域の第2の端部から延びた第2の軸受領域と、
を備える、付記項1~付記項3のいずれか1つに記載のシステム。
【0021】
付記項5:
動作領域が、
50マイクロインチRa未満の表面仕上げにされた、付記項4に記載のシステム。
【0022】
付記項6:
動作領域が、
円形の断面をもつ円柱状である、付記項4または付記項5に記載のシステム。
【0023】
付記項7:
第1の軸受領域と第2の軸受領域とのうちの少なくとも1つが、
動作領域と一体的に形成された、付記項4~付記項6のいずれか1つに記載のシステム。
【0024】
付記項8:
第1の軸受領域と第2の軸受領域とのうちの少なくとも1つが、
動作領域とは異なる材料から作られた、付記項4~付記項7のいずれか1つに記載のシステム。
【0025】
付記項9:
動作領域が、炭化ケイ素から作られており、
第1の軸受領域と第2の軸受領域が、金属から作られている、付記項4~付記項8のいずれか1つに記載のシステム。
【0026】
付記項10:
第1の軸受領域が、
第1の連結部を介して動作領域の第1の端部に接続されており、
第2の軸受領域が、
第2の連結部を介して動作領域の第2の端部に接続されている、付記項4~付記項9のいずれか1つに記載のシステム。
【0027】
付記項11:
第1の連結部と第2の連結部とのうちの少なくとも1つが、
突き合わせ連結部、さねはぎ継ぎ式連結部、ねじ式連結部、およびピン式連結部のうちの1つである、付記項10に記載のシステム。
【0028】
付記項12:
圧縮成型ローラーが、
長軸の周りで回転するように、および長軸に直交する方向に横移動するように構成された、付記項1~付記項11のいずれか1つに記載のシステム。
【0029】
付記項13:
粉末床の上面に所定量の粉末材料を供給するように構成された粉末供給装置をさらに備える、付記項1~付記項12のいずれか1つに記載のシステム。
【0030】
付記項14:
三次元物体の積層造形のためのシステムであって、
システムが、
粉末床にわたって粉末材料を拡散させるように、および圧縮成型するように構成された少なくとも1つの圧縮成型ローラーを備える粉末圧縮成型装置と、
粉末材料を選択的に結合させるように、または融合させるように構成された印刷装置と、
を備え、
少なくとも1つの圧縮成型ローラーが、
第1の端部と第2の端部とをもつ円柱状の動作領域と、
動作領域の第1の端部から延びた第1の軸受領域と、
円柱状の動作領域の第2の端部から延びた第2の軸受領域と、
を備え、
円柱状の動作領域が、炭化ケイ素から作られており、および50マイクロインチRa未満の表面仕上げにされた、システム。
【0031】
付記項15:
第1の軸受領域が、
第1の連結部を介して動作領域の第1の端部に接続されており、
第2の軸受領域が、
第2の連結部を介して動作領域の第2の端部に接続されている、付記項14に記載のシステム。
【0032】
付記項16:
第1の連結部と第2の連結部とのうちの少なくとも1つが、
突き合わせ連結部、さねはぎ継ぎ式連結部、ねじ式連結部、およびピン式連結部のうちの1つである、付記項15に記載のシステム。
【0033】
付記項17:
三次元物体の積層造形のためのシステムにおける使用のために構成された圧縮成型ローラーであって、
圧縮成型ローラーが、
第1の端部と第2の端部とをもつ円柱状の動作領域と、
動作領域の第1の端部から延びた第1の軸受領域と、
円柱状の動作領域の第2の端部から延びた第2の軸受領域と、
を備え、
少なくとも円柱状の動作領域が、炭化ケイ素から作られており、
円柱状の動作領域が、50マイクロインチRa未満の表面仕上げにされた、圧縮成型ローラー。
【0034】
付記項18:
第1の軸受領域と第2の軸受領域とのうちの少なくとも1つが、
動作領域と一体的に形成された、付記項17に記載の圧縮成型ローラー。
【0035】
付記項19:
第1の軸受領域が、
第1の連結部を介して動作領域の第1の端部に接続されており、
第2の軸受領域が、
第2の連結部を介して動作領域の第2の端部に接続されている、付記項17または付記項18に記載の圧縮成型ローラー。
【0036】
付記項20:
第1の連結部と第2の連結部とのうちの少なくとも1つが、
突き合わせ連結部、さねはぎ継ぎ式連結部、ねじ式連結部、およびピン式連結部のうちの1つである、付記項19に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本開示の実施形態または態様による積層造形デバイスの側面断面図である。
【0038】
【
図2】積層造形デバイスにおいて使用される種々のローラーに対する、時間の関数としての充填密度を示すグラフである。
【0039】
【
図3】本開示の実施形態または態様による、積層造形デバイスとともに使用するために構成されたローラーの平面図である。
【0040】
【
図4】本開示の別の実施形態または態様による、積層造形デバイスとともに使用するために構成されたローラーの平面図である。
【0041】
【
図5】本開示の別の実施形態または態様による、積層造形デバイスとともに使用するために構成されたローラーの平面図である。
【0042】
【
図6】本開示の別の実施形態または態様による、積層造形デバイスとともに使用するために構成されたローラーの平面図である。
【0043】
【
図7A】様々な材料から作られたローラーに対する表面粗さを示すグラフである。
【
図7B】様々な材料から作られたローラーに対する表面粗さを示すグラフである。
【
図7C】様々な材料から作られたローラーに対する表面粗さを示すグラフである。
【
図7D】様々な材料から作られたローラーに対する表面粗さを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1~
図7Dにおいて類似の参照符号は、別段の記載がない限り、場合に応じて同じコンポーネントおよび要素を表す。
【0045】
本明細書において使用されるとき、「a(不定冠詞)」、「an(不定冠詞)」、および「the(定冠詞)」という単数形に対応した表現は、文脈上、他の意味に明示的に規定される場合を除いて複数の指示対象を包含する。
【0046】
例えば「左」、「右」、「内部」、「外側」、「上方」、「下方」などの空間または方向に関する用語は、図面に示される実施形態または態様に関連したものであり、実施形態または態様は様々な代替的な配向をとり得るので、限定と考えられるわけではない。
【0047】
明細書および特許請求の範囲において使用される全ての数字は、全ての例において「約」という用語により修飾されていると理解される。「約」により、記載されている値のプラスまたはマイナス25パーセント、例えば記載されている値のプラスまたはマイナス10パーセントを意味する。しかし、これは、均等論のもとで値の何らかの分析への限定と考えられてはならない。
【0048】
別段の記載のない限り、本明細書において開示されている全ての範囲または比は、最初の値および最後の値、ならびに、その中に包含される任意のおよび全ての部分的範囲または部分的な比を包含すると理解される。例えば、「1から10」および「1対10」と記載された範囲または比は、(両端を含む)最小値1と最大値10との間の任意のおよび全ての部分的範囲または部分的な比、すなわち、最小値1以上から始まり最大値10以下で終わる全ての部分的範囲または部分的な比を含むと考えられなければならない。本明細書において開示されている範囲および/または比は、指定された範囲および/または比にわたる平均値を表す。
【0049】
「第1の」、「第2の」などの用語は、何らかの特定の順序または時系列を表すことを意図したものではなく、異なる条件、特性、または要素を表すことを意図したものである。
【0050】
本明細書において言及される全ての文献が全体として「参照により組み込まれる」。
【0051】
「少なくとも」という用語は「以上」と同義語である。
【0052】
「より大きくない」という用語は「以下」と同義語である。
【0053】
いくつかの非限定的な実施形態または態様は、閾値に関連して本明細書において説明され得る。本明細書において使用されるとき、閾値を満たすことは、値が閾値より大きいこと、閾値より多いこと、閾値より高いこと、閾値以上であること、閾値未満であること、閾値より少ないこと、閾値より低いこと、閾値以下であること、閾値に等しいことなどを表し得る。
【0054】
本明細書において使用されるとき、「のうちの少なくとも1つ」は「のうちの1つまたは複数」と同義語である。例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」という表現は、A、B、またはCのうちの任意の1つ、または、A、B、またはCのうちの任意の2つ以上の任意の組み合わせを意味する。例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」は、Aのみ、またはBのみ、またはCのみ、またはAおよびB、またはAおよびC、またはBおよびC、またはAとBとCとの全てを包含する。
【0055】
「含む」という用語は、「備える(有する、もつ)」と同義語である。
【0056】
図1を参照すると、三次元(3D)物体の積層造形のためのシステム100が、本開示の1つの非限定的な実施形態または態様に従って示される。いくつかの実施形態または態様では、システム100は結合剤噴射システムとして構成され得、本明細書において「粉末」または「粉末材料」とも呼ばれる結合されていない粉末材料PMが、非常に薄い層(50μm~200μm)として粉末床102上に拡散され、結合剤が粒子を一緒に結合させるために粉末材料PMに選択的に付加され、これによって固体の物体の層Lを形成する。複数の層Lが構築された後、結果として得られる3D物体は、所望の強度および特性を実現するために例えば焼結といったさらなる後処理ステップを受け得る。このようなさらなる後処理ステップは、粉末材料PMの粒子間の隙間を減らす、または無くすように、および、仕上がった3D物体の密度を高めるように構成され得る。
【0057】
図1および以下の開示は、例えば金属結合剤噴射システム、セラミックス結合剤噴射システム、またはプラスチック結合剤噴射システムといった結合剤噴射システムについて説明しているが、システムの他の実施形態は本明細書において開示されている結合剤噴射システムに限定されないことが理解されなければならない。例えば、いくつかの実施形態または態様では、システム100は、選択的レーザー焼結または選択的レーザー融解システムとして構成され得る。このようなシステムにおいて、粉末材料PMがレーザーにより加熱されることにより、粒子が一緒に融合して層単位で所望の物体を構築することをもたらす。さらなる実施形態では、システム100は、層単位で拡散された粉末材料から3D物体を製造するために構成された任意の積層造形システムに関する。
【0058】
続けて
図1を参照すると、システム100は、粉末床102の上面に所定量の粉末材料PMを供給するように構成された粉末供給装置104を含む。粉末床102は、粉末材料PMの各層Lが拡散された後に矢印Aの方向に移動可能であり、結合剤が、結合されていない粉末材料PMを選択的に結合するために供給される。粉末供給装置104は、大量の粉末材料PMを収容するために構成された粉末源106と、粉末床102上に所定量の粉末材料PMを選択的に供給するために構成された供給機構108とを含み得る。供給機構108は、平らにされて圧縮成型されるように構成された山積みの粉末材料PMを供給するように構成され得る。いくつかの実施形態では、粉末源106がホッパーであり得るとともに、供給機構108は、粉末源106から所定量の粉末状材料を供給するように構成された測定デバイスであり得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、粉末材料PMは、例えば限定されないが、ステンレス鋼、タングステン、コバルト、ニッケル、クロム、またはレニウムといった金属粉末材料であり得る。他の実施形態では、粉末材料PMは、例えば限定されないが、炭化ケイ素(SiC)、酸化アルミニウム、炭化タングステン、窒化アルミニウム、または窒化ケイ素といったセラミックス粉末材料であり得る。さらなる実施形態では、粉末材料PMは、例えば限定されないが、ナイロン、PBT(ポリブチレンテレフタラート)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、またはPP(ポリプロピレン)といったプラスチック粉末材料であり得る。様々な例において、粉末材料PMは、0.1μm~2000μmの平均粒子サイズをもち得る。
【0060】
続けて
図1を参照すると、システム100は、粉末材料PMの層L上に結合剤を選択的に供給するように構成された印刷装置110を含み得る。結合剤は、3D物体の層を表す二次元パターンで粉末材料PMの層L上に堆積させられた液体結合剤であり得る。いくつかの実施形態では、結合剤は、組み合わされたときに、結合されていない粉末材料PMを結合させるように反応する2つの成分を含む2パーツ結合剤であり得る。さらなる実施形態では、結合剤は、UV光への曝露時に結合されていない粉末材料PMを結合させるように構成された紫外線(UV)硬化性結合剤であり得る。
【0061】
続けて
図1を参照すると、システム100は、結合材が堆積させられる前に、粉末材料PMを粉末材料PMの層Lへと圧縮成型するために構成された粉末圧縮成型装置112をさらに含む。粉末圧縮成型装置112は、粉末床102にわたって粉末材料PMを拡散する、および圧縮成型するように構成された少なくとも1つの圧縮成型ローラー114を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの圧縮成型ローラー112は、矢印Bの方向に長軸115の周りで回転するように、および、矢印Cの方向に長軸115に直交する、および粉末床102により規定された平面に平行な方向に横移動するように構成され得る。粉末圧縮成型装置112は、少なくとも1つの圧縮成型ローラー112の回転および並進移動を駆動するために構成された駆動機構116を含み得る。いくつかの実施形態では、駆動機構116は、電動モーターであり得る。
【0062】
続けて
図1を参照すると、システム100は、粉末供給装置104、印刷装置110、および粉末圧縮成型装置112のうちの少なくとも1つに動作可能に接続された制御装置118を含む。制御装置118は、プロセッサ120により実行されたときに、粉末供給装置104、印刷装置110、および粉末圧縮成型/拡散装置112のうちの少なくとも1つの動作を制御する命令を含むメモリ122を含むプロセッサ120を含み得る。制御装置118は、1つまたは複数の入力デバイス124および/または出力デバイス126に接続され得る。1つまたは複数の入力デバイス124は、例えば、制御装置118に命令を入力するための、キーボード、マウス、1つまたは複数のボタン、1つまたは複数の入力端子、または他の入力デバイスを含み得る。1つまたは複数の出力デバイス126は、例えば限定されないが、3D印刷動作の進行、および/または、システム100の1つまたは複数のコンポーネントのステータスといった、システム100の1つまたは複数のパラメータに関する情報を出力するように構成された、例えば1つまたは複数のディスプレイ、光または他の出力デバイスを含み得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、制御装置118は、粉末源106から所定量の粉末材料PMを供給する供給機構108の動作を制御するように構成され得る。さらなる実施形態では、制御装置118は、粉末材料PMの層Lにおける選択位置に所定量の結合剤を供給するように印刷装置110の動作を制御するように構成され得る。さらなる実施形態では、制御装置118は、少なくとも1つの圧縮成型/拡散ローラー114の動作、例えば、駆動機構116の動作を介した少なくとも1つの圧縮成型/拡散ローラー114の回転および/または並進移動を制御するように構成され得る。
【0064】
粉末圧縮成型装置112が圧縮成型ローラー114を介して粉末材料PMを拡散させるとき、充填密度を高めることが望ましく、充填密度は、粉末材料の粒子がどれくらい密に充填されているかを表す。結合されていない粉末材料PMの充填密度は、例えば物体の密度、弾性モジュラス、強度、熱伝導率、熱膨張係数、および他の機械的性質といった、最終的な3D物体の特徴を特定することにおいて重要である。さらに、例えば焼結する工程中の非一様な縮小に起因した3D物体のたわみを防ぐために、粉末床102にわたって一様な充填密度をもつことが望ましい。したがって、最終的な3D物体のより良い機械的性質を実現するために、粉末材料のより密な充填が望まれる。しかし、充填密度の増加は、少なくとも1つの圧縮成型ローラー114における摩耗を増やす。本明細書において説明されているように、少なくとも1つの圧縮成型ローラー114は、少なくとも1つの圧縮成型ローラー114の材料の注意深い選択を通して長い耐用年数をもたらしながら、一様な厚さと高い幾何学的密度とをもつ層Lへと粉末材料PMを拡散させるように構成され得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、圧縮成型ローラー114の少なくとも一部は、セラミック材料から作られ得る。特に、圧縮成型ローラー114の少なくとも一部は、粉末材料PMとの接触に起因したすり減りおよび摩耗に対するその硬度および耐性のために選択された炭化ケイ素(SiC)材料から作られ得る。いくつかの実施形態では、SiC材料は、反応結合したSiC材料であり得る。反応結合したSiC材料は、溶融SiをSiC粉末母材に浸透させることにより作られる。他の形態のSiCの例は、焼結されたSiC、高温プレスされたSiC、および化学蒸着されたSiCを含む。
図2を参照すると、SiC材料から作られた圧縮成型ローラー114は、数ヶ月の継続使用にわたって粉末充填密度を維持するのに対し、PTFEによりコーティングされたアルミニウムローラーによりもたらされる粉末充填密度は、わずか1~2ヶ月の使用により急速に低下するので、ローラーを交換するために機器を停止させることを必要とする。実験データは、SiC材料から作られた圧縮成型ローラー114が、使用時に認識できるほどの劣化を伴わずに6ヶ月より長い継続使用に対して一様な充填密度をもたらすことを示している。
【0066】
図3を参照すると、圧縮成型ローラー114は、長軸115に沿って第2の端部132から離隔した第1の端部130を含む動作領域128を含む。動作領域128は、円形の断面をもつ円柱状である。いくつかの実施形態では、動作領域128は、圧縮成型ローラー114の動作中に粉末材料PMに接触するように、および粉末材料PMを圧縮成型するように構成されている。圧縮成型ローラー114は、第1の端部130から軸方向に延びた第1の軸受領域134と、動作領域128の第2の端部132から軸方向に延びた第2の軸受領域136とをさらに含む。第1の軸受領域134および第2の軸受領域136は、動作領域128の円柱度を維持するように、動作領域128と軸方向にアライメントされている。圧縮成型ローラー114が長軸115の周りで回転し、および
図1の矢印Cの方向に並進移動し得るように、第1の軸受領域134と第2の軸受領域136との各々が、粉末圧縮成型装置112に圧縮成型ローラー114を回転可能に支持するように構成されている。
図3に示されているように、第1の軸受領域134と第2の軸受領域136との各々が、粉末圧縮成型装置112に圧縮成型ローラー114を回転可能に支持するための1つまたは複数のベアリング面139を含み得る。第1の軸受領域132と第2の軸受領域134とのうちの少なくとも1つが、動作領域128と一体的に形成され得る。例えば、動作領域128と第1の軸受領域132と第2の軸受領域134とを含む圧縮成型ローラー114の全体が、SiC材料から作られた1つの一体的な部品として形成され得る。
【0067】
図4~
図5を参照すると、第1の軸受領域134は、第1の連結部138を介して動作領域128の第1の端部130に接続され得る。同様に、第2の軸受領域136は、第2の連結部140を介して動作領域128の第2の端部132に接続され得る。この手法により、第1の軸受領域134および第2の軸受領域136は、動作領域128から独立したコンポーネントとして形成され得る。いくつかの実施形態では、第1の軸受領域134および第2の軸受領域136のうちの少なくとも1つは、それぞれ、第1の連結部138および第2の連結部140を介して動作領域128に取り外し可能に接続され得る。例えば、第1の連結部138と第2の連結部140とのうちの少なくとも1つは、突き合わせ連結部、さねはぎ継ぎ式連結部、ねじ式連結部、およびピン式連結部のうちの1つである。
図5~
図6に示されるように、動作領域128および第1の軸受領域134/第2の軸受領域136のうちの1つは、動作領域128および第1の軸受領域134/第2の軸受領域136のうちの他方における対応する溝152に受容されるように構成された突出部150を含み得る。
【0068】
さらなる実施形態では、第1の軸受領域134と第2の軸受領域136とのうちの少なくとも1つは、それぞれ、第1の連結部138および第2の連結部140を介して動作領域128に取り外し不可能に接続され得る。例えば、第1の軸受領域134および第2の軸受領域136は、動作領域128に対する第1の軸受領域134および第2の軸受領域136の取り外し不可能な接続をもたらす、接着剤による接合、はんだ付け、ろう付け、拡散接合、および他の接合技術により動作領域128に取り外し不可能に接続され得る。第1の連結部138および第2の連結部140は、長軸115に対する動作領域128と第1の軸受領域134および第2の軸受領域136とのアライメントおよび同心度を維持するように構成されている。
【0069】
いくつかの実施形態では、圧縮成型ローラー114は複合的な構造を含み得る。例えば、第1の軸受領域134と第2の軸受領域136とのうちの少なくとも1つは、動作領域128の材料とは異なる材料から作られ得る。例えば、動作領域128がSiC材料から作られ得るのに対し、第1の軸受領域134および第2の軸受領域136は金属から作られる。この手法により、動作領域128の性能特性を低下させずに、圧縮成型ローラー114の全体的なコストが下げられ得る。動作領域128は、第1の連結部138および第2の連結部140の第1の部分を含む単純な円柱形または他の形状に作られ得るとともに、第1の軸受領域134および第2の軸受領域136は、所望の形状をもつように、および第1の連結部138および第2の連結部140の第2の部分をもつように機械加工され得る。
【0070】
圧縮成型ローラー114は、まず所望の形状および形態で動作領域128を形成することと、第1の軸受領域134および第2の軸受領域136を、それぞれ、第1の連結部138および第2の連結部140を介して動作領域128に接続することと、基準データムとして動作領域128を使用して、第1の軸受領域134および第2の軸受領域136を所望の形状および形態に機械加工することにより製造され得る。このような製造方法は、動作領域128と第1の軸受領域134および第2の軸受領域136との間の適切な同心度を確実なものとする。
【0071】
いくつかの実施形態では、圧縮成型ローラー114の少なくとも一部は、50マイクロインチRa未満の表面仕上げにされる。例えば、動作領域128は、50マイクロインチRa未満の表面仕上げにされ得る。いくつかの実施形態では、圧縮成型ローラー114の全体が、50マイクロインチRa未満の表面仕上げにされ得る。いずれかの理論に拘束されることを意図するわけではないが、圧縮成型ローラー114のより細かい表面仕上げ(すなわち50マイクロインチRa未満の表面仕上げ)が、粉末材料PMの改善された充填密度をもたらすことが見出された。
図7A~
図7Cは、英国レスターのTaylor Hobson,Ltd.により作られたTalysurf接触プロフィロメーターにおいて測定された、PTFEによりコーティングされたアルミニウム、アルミナによりコーティングされた鋼、および反応結合したSiCから作られた新しいローラーに対する表面粗さを示す。
図7Dは、使用されるPTFEによりコーティングされたアルミニウムローラーの表面粗さを示す。
【0072】
様々な実施形態または態様が例示および説明を目的として詳細に説明されてきたが、このような詳細はそれだけを目的としていること、および、実施形態または態様は開示されている実施形態または態様に限定されず、むしろ、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲に入る変形例および均等な構成を包含することを意図したものであることが理解される。例えば、本開示は、可能な範囲で、任意の実施形態または態様の1つまたは複数の特徴が任意の他の実施形態または態様の1つまたは複数の特徴と組み合わされ得ることを想定していることが理解される。実際、これらの特徴の多くが、特許請求の範囲に特に記載されていない、および/または明細書に開示されていない手法により組み合わされ得る。下記のように列記された各従属請求項は1つの請求項のみに直接従属し得るが、可能な実施態様の開示は、特許請求の範囲における他の請求項のそれぞれと組み合わされた各従属請求項を含む。
【符号の説明】
【0073】
100 システム
102 粉末床
104 粉末供給装置
106 粉末源
108 供給機構
110 印刷装置
112 粉末圧縮成型装置
112 圧縮成型ローラー
112 粉末圧縮成型/拡散装置
114 圧縮成型ローラー
114 圧縮成型/拡散ローラー
115 長軸
116 駆動機構
118 制御装置
120 プロセッサ
122 メモリ
124 入力デバイス
126 出力デバイス
128 動作領域
130 第1の端部
132 第2の端部
132 第1の軸受領域
134 第1の軸受領域
134 第2の軸受領域
136 第2の軸受領域
138 第1の連結部
139 ベアリング面
140 第2の連結部
152 溝
【外国語明細書】