(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002627
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】インゴット
(51)【国際特許分類】
B22D 7/00 20060101AFI20241226BHJP
B22D 27/00 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
B22D7/00 Z
B22D27/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102941
(22)【出願日】2023-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】521568203
【氏名又は名称】株式会社エスアールシー
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】新崎 哲雄
(57)【要約】
【課題】面白味のある製造番号が刻印されたインゴットを提供することである。
【解決手段】インゴット10は、所定の厚みを有する地金部12と、地金部12を別の地金部と識別するために地金部12に刻印されるホールマーク部14と、を備え、ホールマーク部14は、製造番号をマーク16a~16lで表現していることを特徴とする。また、ホールマーク部14のマーク16a~16lは、星座をモチーフとしたものであることが好ましい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の厚みを有する地金部と、
前記地金部を別の地金部と識別するために前記地金部に刻印されるホールマーク部と、
を備え、
前記ホールマーク部は、製造番号をマークで表現していることを特徴とするインゴット。
【請求項2】
請求項1に記載のインゴットにおいて、
前記マークは、星座をモチーフとしたものであることを特徴とするインゴット。
【請求項3】
請求項1に記載のインゴットにおいて、
前記ホールマーク部は、
前記製造番号に加えて前記地金部の製造年を前記マークで表現していることを特徴とするインゴット。
【請求項4】
請求項1に記載のインゴットにおいて、
前記ホールマーク部は、
前記製造番号に加えて前記地金部の所有者に関する日付を前記マークで表現していることを特徴とするインゴット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インゴットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金や銀などのインゴットが資産の1つとして販売されている。本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、金、銀、白金族元素からなる群から選択される、いずれかの金属を構成する貴金属インゴットの鋳造に用いる鋳型であって、略水平に前記貴金属インゴットを支える床部と、前記床部の表面に描いた閉曲線から上へ突き出すように設けられる外枠部とを含み、前記床部の表面粗さRmaxが1.0mm~2.0mmであり、 前記床部の表面上に、炭素系離型薄膜またはシリコン系離型薄膜が形成されていることを特徴とする鋳型が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、圧電性単結晶のインゴットの側面に、インゴットの軸方向に延び、ノッチとなる溝を形成する溝形成工程と、インゴットの側面に、第1のマークを形成する第1のマーキング工程と、溝と第1のマークとが形成されたインゴットをスライス加工するスライス工程と、薄板における少なくとも一方の面に、第2のマークを形成する第2のマーキング工程と、薄板の外周端部を面取りし、第1のマークを除去するベベル工程と、薄板の側面にエッジポリッシュを行い第3のマークを形成するエッチポリッシュ工程と、エッジポリッシュが施された薄板を研磨し、表面形状及び厚さを調整するラッピング工程と、薄板の主面側を鏡面研磨し、圧電性単結晶基板を得るポリッシュ工程と、を備える圧電性単結晶基板の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インゴットは、製造番号が裏面などに刻印されていて、この番号を用いて管理等がなされている。しかしながら、製造番号は英数字の羅列であり、面白味に欠けるという課題がある。
【0006】
本発明の目的は、面白味のある製造番号が刻印されたインゴットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るインゴットは、所定の厚みを有する地金部と、前記地金部を別の地金部と識別するために前記地金部に刻印されるホールマーク部と、を備え、前記ホールマーク部は、製造番号をマークで表現していることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るインゴットにおいて、前記マークは、星座をモチーフとしたものであることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係るインゴットにおいて、前記ホールマーク部は、前記製造番号に加えて前記地金部の製造年を前記マークで表現していることが好ましい。
【0010】
また、本発明にインゴットにおいて、前記ホールマーク部は、前記製造番号に加えて前記地金部の所有者に関する日付を前記マークで表現していることを特徴とするインゴット。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、面白味のある製造番号が刻印されたインゴットを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る実施形態のインゴットの平面図である。
【
図2】本発明に係る実施形態のインゴットの裏面図である。
【
図3】本発明に係る実施形態のインゴットのホールマーク部を構成するマークを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0014】
図1は、本発明に係る実施形態のインゴット10の平面図である。
図2は、本発明に係る実施形態のインゴット10の裏面図である。
【0015】
図3は、本発明に係る実施形態のインゴット10のホールマーク部14を構成するマークを示す図である。
図3(a)は、本発明に係る実施形態のインゴット10のホールマーク部14において12星座をモチーフとしたマークを用いている様子を示す図であり、
図3(b)は、本発明に係る実施形態のインゴット10のホールマーク部14において10惑星をモチーフとしたマークを用いている様子を示す図である。
【0016】
インゴット10は、地金部12と、ホールマーク部14とを備える。インゴット10は、資産用としてだけでなく鑑賞用としても所有する価値のある地金である。
【0017】
ここで、地金部12は、金や銀などの金属を貯蔵しやすいように形成したものであり、ここでは、板チョコのような形状を有しているが、もちろん、その他の形状であってもよい。
【0018】
地金部12は、
図1に示されるように、5行×4列の粒(凸部11)が整列配置されたものとして説明するが、この行列に限定されることはない。
【0019】
5行×4列の各凸部11は、略四角錘台形状を有しており、隣り合う各部との間には、溝部が形成されており、板チョコを模した形状となっている。四角錘台形状は、側面が傾斜しているため、地金部12に当たる光が反射して地金部12の輝きが増すような構成となっている。
【0020】
図1に示される5行×4列の凸部11の板チョコのサイズは、長手方向の長さが111.6mmで、短手方向の長さが54.3mmである。
【0021】
そして、
図1に示される各凸部の大きさは、上面の長手方向の長さが15.4mmであり、上面の短手方向の長さが8.3mmであり、下面の長手方向の長さが22.4mmであり、下面の短手方向の長さが13.0mmである。
【0022】
また、各凸部の略四角錘台の傾斜面の角度は、約57°~約63°に設定することができるが、もちろん、これらの数値も適宜変更可能であり、例えば、光の反射などを考慮して設定することが出来る。
【0023】
地金部12は、所定の厚みを有する板チョコ形状であるものとして説明したが、この形に限定されず、例えば、チロルチョコ型などの形状を有するものであってもよい。
【0024】
地金部12の表面12aは、上記のように板チョコ形状を有しているが、地金部12の裏面12bは、地金部12に関する情報が刻印され、ホールマーク部14を形成するための略平坦面を有する。地金部12に関する情報として、商品の標章や図形などの図形部13の他、地金部12の重量・純度などに関するものが含まれている。
【0025】
ホールマーク部14は、地金部12を別の地金部と識別するために地金部12に刻印されるマークである。ホールマーク部14は、地金部12の製造番号、製造年及び地金部12の所有者に関する日付をマークで表現している。ここで、所有者に関する日付とは、例えば、誕生日や結婚記念日などが一例として挙げられるが、もちろん、その他の日付も含まれる。
【0026】
ここで製造番号は、地金部12の偽物が作られる可能性があり、また、盗難される可能性があるため、非常に重要な刻印の一つとなっている。地金部12は、従来、一つ一つに番号が振り分けられているため、一つとして同じ数字のものは存在しないように管理されているが英数字の羅列であるため、面白味に欠けていた。
【0027】
そこで、製造番号をマークで表現することが好ましく、例えば、星座をモチーフとしたものとすることが出来る。
図3(a)に示されるように、おひつじ座、おうし座、ふたご座、かに座、しし座、おとめ座、てんびん座、さそり座、いて座、やぎ座、みずがめ座、うお座の12星座のマーク16a~16lを用いる。
【0028】
マークは、もちろん、12星座以外であってもよく、
図3(b)に示されるように、太陽、水星、金星、月、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星の10惑星のマーク18a~18iを用いてもよい。さらに、星座や惑星以外のものをモチーフとしてもよく、碇、兜、剣、楯などの図形を用いることも出来る。
【0029】
続いて、上記構成のインゴット10の作用について説明する。従来、金や銀などのインゴットが資産の1つなどとして販売されており、このインゴットの裏面には、インゴットを販売する会社のブランドロゴ(商標などの標章)などが刻印されている他、純度、重量、製造番号が刻印されている。
【0030】
製造番号は、インゴットを管理するために非常に重要なものであるが、従来、英数字の羅列が並んでいるだけであった。インゴットを資産用の商品として捉える場合だけでなく、鑑賞用の商品として購入する人もいるため、英数字の羅列では面白味に欠けるという課題がある。このような課題に対して、本発明は顕著な効果を発揮する。
【0031】
インゴット10は、表面12a側には、5行×4列の凸部11の板チョコのような形状を有しているため、従来のような平坦な延べ棒などに比べて、例えば、部屋に飾ることで鑑賞用としても楽しむことが出来る。
【0032】
インゴット10の裏面12b側は表面12a側と異なり、凸部11は存在せずに略平坦であるが、標章などの図形部13や重量、純度等が刻印されているのみならず、製造番号も刻印されている。従来、この製造番号は英数字の羅列であるため、面白味に欠けていたが、インゴット10によればホールマーク部14は、12星座や10惑星のマーク16a~16l、18a~18iを組み合わせることで識別可能としているため、興味深いデザインに仕上げることができるという顕著な効果を奏する。
【符号の説明】
【0033】
10 インゴット、11 凸部、12 地金部、12a 表面、12b 裏面、13 図形部、14 ホールマーク部、16a~16l マーク、18a~18i マーク。