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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025026307
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】LED照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 19/00 20060101AFI20250214BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20250214BHJP
   F21V 29/76 20150101ALI20250214BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20250214BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20250214BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20250214BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20250214BHJP
【FI】
F21V19/00 150
F21S2/00 110
F21S2/00 230
F21V29/76
F21V29/503
F21V19/00 170
H05K1/02 F
H05K1/02 Q
F21Y103:10
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024088702
(22)【出願日】2024-05-31
(31)【優先権主張番号】10-2023-0105117
(32)【優先日】2023-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】524207909
【氏名又は名称】パク ウンホン
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク ウンホン
【テーマコード(参考)】
3K013
5E338
【Fターム(参考)】
3K013AA07
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA16
3K013EA13
5E338AA02
5E338AA16
5E338AA18
5E338BB05
5E338BB13
5E338BB25
5E338BB75
5E338CC08
5E338EE02
(57)【要約】
【課題】LED単品から発せられる熱を有効に放熱するLED照明装置を提供すること。
【解決手段】光を放出するLED単品と、相対向する第1の面及び第2の面を有するベース板を備え、前記第1の面の上に前記LED単品が実装されるプリント回路基板と、前記第2の面の上に設けられて前記LED単品から発せられる熱を放出する放熱板と、を備え、前記プリント回路基板及び放熱板は、溶接されて互いに接合される、LED照明装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を放出するLED単品と、
相対向する第1の面及び第2の面を有するベース板を備え、前記第1の面の上に前記LED単品が実装されるプリント回路基板と、
前記第2の面の上に設けられて前記LED単品から発せられる熱を放出する放熱板と、
を備え、
前記プリント回路基板及び放熱板は、溶接されて互いに接合される、LED照明装置。
【請求項2】
光を放出するLED単品と、
相対向する第1の面及び第2の面を有するベース板を備え、前記第1の面の上に前記LED単品が実装されるプリント回路基板と、
前記第2の面の上に設けられて前記LED単品から発せられる熱を放出し、前記プリント回路基板の下部面よりもさらに小さな上部面を有する放熱板と、
前記プリント回路基板と前記放熱板との間に設けられ、前記放熱板の上部面よりもさらに大きな下部面を有する中間板と、
を備え、
前記中間板と前記回路基板、及び前記中間板と前記放熱板は、それぞれ溶接されて互いに接合される、LED照明装置。
【請求項3】
前記LED単品は、
前記プリント回路基板の第1の面と対向する下部面に設けられた伝熱パッドを備える、請求項1又は請求項2に記載のLED照明装置。
【請求項4】
前記LED単品は、
LED素子と、
前記下部面に設けられて前記LED素子に電源を供給する第1の電極パッド及び第2の電極パッドと、
を備え、
前記伝熱パッドは、前記第1の電極パッド及び第2の電極パッドから離れて設けられ、金属製のものである、請求項3に記載のLED照明装置。
【請求項5】
前記LED単品は、
前記LED素子が搭載されるセラミック基板と、
前記第1の電極パッド及び第2の電極パッドと前記LED素子とを電気的に接続するように前記セラミック基板を貫通する第1のビア孔及び第2のビア孔と、
をさらに備える、請求項4に記載のLED照明装置。
【請求項6】
前記プリント回路基板は、
前記第1の面の上に設けられ、前記伝熱パッドと接続される第1の中間パッドと、
前記第2の面の上に前記第1の中間パッドに対応するように設けられる第2の中間パッドと、
前記第1の中間パッド及び前記第2の中間パッドを熱的に接続するように前記ベース板を貫通する伝熱ビア孔と、
をさらに備える、請求項3に記載のLED照明装置。
【請求項7】
前記第1の中間パッドは、
前記伝熱パッドと接合される中央部と、
前記中央部の両端に接続されて両側に延びる拡張部と、
を備える、請求項6に記載のLED照明装置。
【請求項8】
前記伝熱パッドと前記第1の中間パッドとは、前記伝熱パッドと前記第1の中間パッドとの間に設けられる第1のはんだパターン層によって互いに溶接される、請求項6に記載のLED照明装置。
【請求項9】
前記第2の中間パッドと前記放熱板とは、前記第2の中間パッドと前記放熱板との間に設けられ、前記第1のはんだパターン層よりもさらに大きな平面面積を有する第2のはんだパターン層によって互いに溶接される、請求項8に記載のLED照明装置。
【請求項10】
前記第1の中間パッドの上に少なくとも部分的に設けられて温度を測定する温度センサー部をさらに備える、請求項6に記載のLED照明装置。
【請求項11】
前記温度センサー部において測定される温度に基づいて制御され、前記放熱板に向かって空気の流れを生じさせる空気流れ発生部をさらに備える、請求項10に記載のLED照明装置。
【請求項12】
前記プリント回路基板及び放熱板の少なくともどちらか一方は、前記プリント回路基板と前記放熱板との接合位置を決める位置決め部を備える、請求項1に記載のLED照明装置。
【請求項13】
前記中間板は、金属製のものである、請求項2に記載のLED照明装置。
【請求項14】
前記中間板の上部面と下部面の少なくともどちらか一方は、前記中間板と前記プリント回路基板との接合位置を決める、あるいは、前記中間板と放熱板との接合位置を決める補助位置決め部を備える、請求項2に記載のLED照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED照明装置に関し、より詳細には、LED単品から発せられる熱を有効に放熱するLED照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED:light emitting diode)は、蛍光灯、白熱灯などの他の照明装置及び他の表示装置の光源に比べて省エネ効果が抜群であり、しかも、半永久的に使用することができて、近頃には、発光ダイオード(LED)を用いた照明灯が大きな脚光を浴びている。このような照明灯に用いられるLED照明装置は、既存のランプに比べて電力の消耗が少なく、しかも、寿命が伸びて既存のランプに取って代わる新規な照明として取り上げられている。
【0003】
特に、工場自動化のビジョン検査システム及び大型プラントの設備を照らす街灯及び長距離フェリーに光を伝える灯台は、非常に明るい光を使用することを余儀なくされるため、複数の高輝度(ワット級)のLEDを必要とする。
【0004】
小さな面積に多重の高輝度LEDを実装する高輝度LED照明装置の場合に、点灯の際に発せられる熱エネルギーに起因してランプの寿命が短縮されてしまう虞がある。一般に、発光ダイオード(LED)は、消費電力の20%は光に、80%は熱に変換されるため、LEDの寿命を長くするためには、LED照明装置の内部から発せられる熱を外部に発散させてLEDの温度を低く保持することが求められる。
【0005】
一般に、LED単品が実装されるプリント回路基板と放熱板との間に熱を伝えるためのサーマルパッド、サーマルグリース、サーマルテープなどを挟み込み、熱接触面積を高めるためにボルトなどの締結部材をもって押し付けて放熱効率を高めようとする試みが行われている。しかしながら、サーマルパッドなどは、製造社ごとに伝熱係数が異なり、しかも、挟み込みの状態又は組み立ての状態に応じて伝熱特性が異なってくるが故に、有効にLED照明装置の温度を下げて冷却させるのに問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2010-0120992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、LED単品から発せられる熱を有効に放熱することのできるLED照明装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態に係るLED照明装置は、光を放出するLED単品と、相対向する第1の面及び第2の面を有するベース板を備え、前記第1の面の上に前記LED単品が実装されるプリント回路基板と、前記第2の面の上に設けられて前記LED単品から発せられる熱を放出する放熱板と、を備え、前記プリント回路基板及び放熱板は、溶接されて互いに接合されてもよい。
【0009】
ここで、前記LED単品は、前記プリント回路基板の第1の面と対向する下部面に設けられた伝熱パッドを備えていてもよい。
【0010】
また、前記LED単品は、LED素子と、前記下部面に設けられて前記LED素子に電源を供給する第1の電極パッド及び第2の電極パッドと、を備え、前記伝熱パッドは、前記第1の電極パッド及び第2の電極パッドから離れて設けられ、金属製のものであってもよい。
【0011】
さらに、前記LED単品は、前記LED素子が搭載されるセラミック基板と、前記第1の電極パッド及び第2の電極パッドと前記LED素子とを電気的に接続するように前記セラミック基板を貫通する第1のビア孔及び第2のビア孔と、をさらに備えていてもよい。
【0012】
また、前記プリント回路基板は、前記第1の面の上に設けられ、前記伝熱パッドと接続される第1の中間パッドと、前記第2の面の上に前記第1の中間パッドに対応するように設けられる第2の中間パッドと、前記第1の中間パッド及び前記第2の中間パッドを熱的に接続するように前記ベース板を貫通する伝熱ビア孔と、をさらに備えていてもよい。
【0013】
ここで、前記第1の中間パッドは、前記伝熱パッドと接合される中央部と、前記中央部の両端に接続されて両側に延びる拡張部と、を備えていてもよい。
【0014】
また、前記伝熱パッドと前記第1の中間パッドとは、前記伝熱パッドと前記第1の中間パッドとの間に設けられる第1のはんだパターン層によって互いに溶接されてもよい。
【0015】
さらに、前記第2の中間パッドと前記放熱板とは、前記第2の中間パッドと前記放熱板との間に設けられ、前記第1のはんだパターン層よりもさらに大きな平面面積を有する第2のはんだパターン層によって互いに溶接されてもよい。
【0016】
さらに、前記LED照明装置は、前記第1の中間パッドの上に少なくとも部分的に設けられて温度を測定する温度センサー部をさらに備えていてもよい。
【0017】
さらにまた、前記LED照明装置は、前記温度センサー部において測定される温度に基づいて制御され、前記放熱板に向かって空気の流れを生じさせる空気流れ発生部をさらに備えていてもよい。
【0018】
そして、前記プリント回路基板及び放熱板の少なくともどちらか一方は、前記プリント回路基板と前記放熱板との接合位置を決める位置決め部を備えていてもよい。
【0019】
また、本発明の他の実施形態に係るLED照明装置は、光を放出するLED単品と、相対向する第1の面及び第2の面を有するベース板を備え、前記第1の面の上に前記LED単品が実装されるプリント回路基板と、前記第2の面の上に設けられて前記LED単品から発せられる熱を放出し、前記プリント回路基板の下部面よりもさらに小さな上部面を有する放熱板と、前記プリント回路基板と前記放熱板との間に設けられ、前記放熱板の上部面よりもさらに大きな下部面を有する中間板と、を備え、前記中間板と前記回路基板、及び前記中間板と前記放熱板は、それぞれ溶接されて互いに接合されてもよい。
【0020】
ここで、前記中間板は、金属製のものであってもよい。
【0021】
そして、前記中間板の上部面と下部面の少なくともどちらか一方は、前記中間板と前記プリント回路基板との接合位置を決める、あるいは、前記中間板と放熱板との接合位置を決める補助位置決め部を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るLED照明装置によれば、LED単品が実装されるプリント回路基板と放熱板とを溶接により接合して消費電力の相当の部分が熱に変換されるLED単品から発せられる熱を速やかに放熱板に伝えることができて、LED単品の温度を低く保持することができ、しかも、LED照明装置の長寿命化を図ることができる。
【0023】
また、LED単品が実装されるプリント回路基板を溶接により放熱板と接合することから、プリント回路基板と放熱板との間に別途のサーマルパッドなどの熱伝導性物質を挟み込んだり、プリント回路基板と放熱板とを締結部材をもって押し付けて組み立てたりするなどのさらなる工程を必要とせず、その結果、LED照明装置の組み立てのしやすさ、組み立ての安定性が向上できるのみならず、安定的な伝熱特性を確保することができる。
【0024】
さらに、プリント回路基板に実装されるLED単品の下部面に伝熱パッドを形成し、伝熱パッドと接合されるプリント回路基板の中間パッドと伝熱ビア孔を介してLED単品から発せられる熱を速やかに放熱板に伝えることができる。
【0025】
さらにまた、LED単品から発せられた熱が放熱板に伝えられる熱経路である中間パッドの上に少なくとも部分的に温度センサー部を設けてLED単品もしくはLED照明装置の温度を精度よく測定することができて、LED照明装置の温度の制御を有効に行うことができる。
【0026】
これらに加えて、プリント回路基板と放熱板の平面面積が互いに異なる場合には、プリント回路基板と前記放熱板との間に熱伝導性材料からなる中間板を挟み込んでプリント回路基板と放熱板とを接合することにより、プリント回路基板よりもさらに小さな平面面積を有する放熱板の場合であっても、複数枚の放熱板をプリント回路基板と接合することが可能であり、これにより、LED単品から発せられる熱を有効に外部に放出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施形態に係るLED照明装置の斜視図。
図2】本発明の実施形態に係るLED単品とプリント回路基板の断面図。
図3】本発明の実施形態に係るLED単品とプリント回路基板との接合状態を示す図。
図4】本発明の他の実施形態に係るLED照明装置の斜視図。
図5】本発明の他の実施形態に係る中間板の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下では、添付図面に基づいて、本発明の実施形態についてより詳しく説明する。しかしながら、本発明は以下に開示される実施形態に何ら限定されるものではなく、異なる様々な形態に具体化されることが可能なものであって、以下の実施形態は、単に本発明の開示を完全たるものにし、通常の知識を有する者に発明の範ちゅうを完全に知らせるために提供されるものである。なお、説明のしやすさのために、図中にはその構成要素が誇張されていてもよいし、縮小されていてもよい。本発明について説明するに当たって、同じ構成要素に対しては同じ参照符号を付し、図面は、本発明の実施形態を正確に説明するために大きさが部分的に誇張されてもよく、図中、同じ符号は、同じ構成要素を指し示す。
【0029】
図1は、本発明の実施形態に係るLED照明装置の斜視図であり、図2は、本発明の実施形態に係るLED単品とプリント回路基板の断面図であり、図3は、本発明の実施形態に係るLED単品とプリント回路基板との接合状態を示す図である。
【0030】
図1から図3を参照すると、本発明の実施形態に係るLED照明装置は、光を放出するLED単品100と、相対向する第1の面及び第2の面を有するベース板210を備え、前記第1の面の上に前記LED単品100が実装されるプリント回路基板200と、前記第2の面の上に設けられて前記LED単品100から発せられる熱を放出する放熱板300と、を備えていてもよい。そして、前記プリント回路基板200及び放熱板300は、溶接されて互いに接合されてもよい。
【0031】
LED単品100は、供給される電気エネルギーを光エネルギーに変換して光を放出するLED素子110を備えていてもよい。このとき、LED素子110は、LED単品100のそれぞれに単独にて設けられてもよいし、あるいは、複数がアレイ状に設けられてもよい。LED素子110は、電源の供給の際に光を発するとともに、印加される電流の強さに比例して熱を発することができる。
【0032】
プリント回路基板200(Printed Circuit Board)は、LED単品100を載置して実装すべき位置を提供する構成要素であって、相対向する第1の面及び第2の面を有するベース板210と、LED単品100に電源を供給するための回路配線と、を備えていてもよい。ベース板210は、軽量性と接着平坦性が良好になるように多機能エポキシ樹脂を含侵させたガラス織布(ガラス繊維を布状に編んだもの)を多重に積み重ねたFR-4(Flame Retardant Type 4)製のものであってもよいし、あるいは、熱伝導特性に優れたメタルプレート製のものであってもよい。回路配線は、ベース板210の内部又は表面に設けられて外部の電源部から電源の供給を受けてLED単品100に与える。
【0033】
放熱板300は、LED単品100が実装される第1の面と対向するベース板210の第2の面の上に設けられて前記LED単品100から発せられる熱を放出することができる。放熱板300は、熱伝導性に優れた金属素材製のものであってもよいが、具体的には、銅、銀、アルミニウム、鉄、ニッケル及びタングステンのうちのいずれか1種の金属材又はこれらを少なくとも1種以上含む合金材からなるものであってもよい。その外部面は、ニッケル、銀、金のうちのいずれか1種の金属材又はこれらを少なくとも1種以上含む合金材によりめっき処理されてもよい。放熱板300は、外部空気との接触が頻繁に起こって熱が放熱できるように多種多様な形状の放熱フィンを備えていてもよい。
【0034】
従来のLED照明装置においては、LED単品が実装されるプリント回路基板と放熱板との間に伝熱性を高めるためにサーマルパッド、サーマルグリース、サーマルテープなどを挟み込み、熱接触面積を高めるためにボルトなどの締結部材をもって押し付けるなどする方式を採択していたが、サーマルパッドなどは伝熱特性に限界があり、プリント回路基板と放熱板との間に挟み込まれる状態や締結部材などによる組み立ての状態に応じて伝熱特性が異なってくるという問題がある。
【0035】
本発明においては、LED単品100から発せられた熱が外部に速やかに放出できるように、LED単品100が実装されたプリント回路基板200及び放熱板300は溶接されて互いに接合されるようにしている。溶接とは、同種又は異種の金属材料に熱と圧力を加えて固体の間に直結されるように接合する方法であって、溶接されたプリント回路基板200と放熱板300とが熱的に機械的に完全に一体に接合されるので、LED単品100から発せられた熱が速やかに放熱板300を介して外部に放熱されることができ、溶接されたプリント回路基板200と放熱板300は、別途の締結部材なしでも熱接触の問題もしくは組み立て状態の問題を引き起こさないことができる。
【0036】
LED単品100は、プリント回路基板200の上に実装されるLED単品の下部面に設けられて前記LED素子110に発光のための電源を供給する第1の電極パッド121及び第2の電極パッド122を備えていてもよい。第1の電極パッド121及び第2の電極パッド122は、プリント回路基板200のベース板210に設けられた第1の配線部211及び第2の配線部212に電気的に接続されて電源部から電源の供給を受けることができる。
【0037】
LED単品100は、プリント回路基板200の上に実装されるように第1の面と対向する下部面に設けられた伝熱パッド130をさらに備えていてもよい。伝熱パッド130は、第1の電極パッド121及び第2の電極パッド122と電気的に絶縁可能なように第1の電極パッド121及び第2の電極パッド122から離れて設けられ、速やかに伝熱可能なように熱伝導性金属から形成されたものであってもよい。熱伝導性金属は、銅、銀、アルミニウム、鉄、ニッケル及びタングステンのうちのいずれか1種の金属材又はこれらを少なくとも1種以上含む合金材であってもよい。伝熱パッド130と第1の電極パッド121及び第2の電極パッド122の間の離隔空間には、第1の絶縁保護層がさらに形成されてもよい。
【0038】
LED単品100から発せられた熱が放熱板300を介して速やかに放熱されるためには、熱が主として発せられるLED単品100からプリント回路基板200及び放熱板300への十分な熱経路が必要である。したがって、LED単品100がプリント回路基板200に実装される面であるLED単品の下部面に伝熱パッド130を設けてLED素子110から発せられた熱がLED単品100の外部に逃げ出る熱経路を提供できるようにしている。伝熱パッド130から下部のプリント回路基板200及び/又は放熱板300へと熱が逃げると、LED単品100の内部の熱が伝熱パッド130に伝えられながら、速やかな放熱が行われることが可能になる。
【0039】
LED単品100は、前記LED素子110が搭載されるセラミック基板140と、前記第1の電極パッド121及び第2の電極パッド122と前記LED素子110とを電気的に接続するように前記セラミック基板140を貫通する第1のビア孔141及び第2のビア孔142と、をさらに備えていてもよい。
【0040】
ワット級の高輝度LED素子は、工場自動化のビジョン検査システムの照明や大型プラントの設備を照らす街灯及び長距離フェリーに光を伝える灯台といったように、高い輝度を必要とするLED照明装置には欠かせない必須品となっている。高輝度LED素子の場合には、非常に高い熱が発せられるため、高温下でも安定的な機械的強度を保持できるセラミック基板140の上にLED素子110を搭載して支持してもよい。セラミック基板140は、強度が高く、しかも、熱伝導率に優れた素材であるアルミナ、アルミニウムニトリド、シリコンカーバイドなどのセラミックス素材のうちから選択された材質から形成されてもよい。セラミック基板140は、電気絶縁性を有するため、セラミック基板140を貫通する貫通孔に電気伝導性の物質(例えば、Cu金属)を充填して形成した第1のビア孔141及び第2のビア孔142を用いて電源の供給先である第1の電極パッド121及び第2の電極パッド122とLED素子110とを電気的に接続することができる。
【0041】
一方、本発明において、セラミック基板140は、セラミック基板140が厚くなれば厚くなるほど機械的な強度がさらに良好になるといえるが、伝熱路の最短化を図るために、かつ、第1のビア孔141及び第2のビア孔142などの貫通孔を形成する加工性のためには、むやみに厚くするわけにはいかず、数十~数百μmの厚さを有していてもよい。
【0042】
LED素子110から発せられた熱が放熱されるために熱が伝えられる方向は、セラミック基板140の厚さ方向であるため、数十~数百μmの厚さを有するセラミック基板140を介した伝熱距離が短くなり、その結果、速やかな伝熱を図ることが可能である。したがって、セラミック基板140を貫通して伝熱パッド130と接続される別途の構造なしでも、LED単品100の下部面に設けられた伝熱パッド130を介してLED単品100の内部の熱が速やかに放熱されることが可能になる。
【0043】
LED単品100は、LED素子110を保護するように封止するモールド部材、又はLED素子110から放出される光の経路を集光させるなどの光路の制御をするレンズ部150をさらに備えていてもよい。LED素子110に配備されたn電極及びp電極は、それぞれ第1の接続電極111及び第2の接続電極112によって第1のビア孔141及び第2のビア孔142に接続されることができる。高輝度のLED素子110の場合には、高い輝度を示すために高い電流を流さなければならないため、第1の接続電極111及び第2の接続電極112とn電極及びp電極をそれぞれボールゲートアレイ(BGA:Ball Gate Array)方式により接続することができる。
【0044】
プリント回路基板200は、前記第1の面の上に設けられ、前記伝熱パッド130と接合される第1の中間パッド221と、前記第2の面の上に前記第1の中間パッド221に対応するように設けられる第2の中間パッド222と、前記第1の中間パッド221及び前記第2の中間パッド222を熱的に接続するように前記ベース板210を貫通する伝熱ビア孔230と、をさらに備えていてもよい。
【0045】
たとえLED単品100の内部の熱を速やかに伝えるための経路を提供する伝熱パッド130が設けられるとしても、伝熱パッド130に伝えられる熱が外部に逃げ出てはじめて、LED照明装置の放熱が円滑に行われるため、LED単品100が実装されるプリント回路基板200を介して熱が速やかに放熱板300に伝達可能な伝熱路が確保されなければならない。ベース板210の第1の面の上に設けられる第1の中間パッド221が伝熱パッド130と接合されれば、伝熱パッド130を介して伝えられる熱が速やかに第1の中間パッド221に伝えられ、第1の中間パッド221に接続された伝熱ビア孔230と第2の中間パッド222を介して熱が非常に速やかにプリント回路基板200の下部まで逃げることが可能になる。このとき、第1の中間パッド221、伝熱ビア孔230、及び第2の中間パッド222は、熱伝導特性に優れた銅などの金属製のものであってもよい。
【0046】
プリント回路基板200において電気的な信号を受け渡す第1の配線部211及び第2の配線部212は、独立した電気信号を干渉なしで受け渡すために互いに電気的に絶縁される必要があるため、多層構造からなり、伝熱の方向である厚さ(垂直)方向のみならず、水平方向にも延びる構造を有することになる。第1の配線部211及び第2の配線部212の場合でも、電気伝導性物質である銅金属製のものであるため、熱伝導度には優れているものの、電気信号を受け渡すための3次元的な構造によって放熱板300に向かっての伝熱には向いていない可能性がある。これに対し、伝熱ビア孔230は、ベース板210の厚さ(垂直)方向に貫通する孔に熱伝導性物質を充填してベース板210の第1の面及び第2の面の上に形成された第1の中間パッド221と第2の中間パッド222とを接続して最短距離の伝熱路を構築することができて速やかな伝熱を行うことが可能である。
【0047】
伝熱パッド130から伝えられる熱は、第1の中間パッド221、伝熱ビア孔230、及び第2の中間パッド222を介して垂直方向に速やかに伝えられることができる。しかしながら、ベース板210の第1の面の上に設けられた第1の中間パッド221を介して水平方向にも熱が速やかに伝えられれば、伝熱パッド130から伝えられる熱がより一層有効に放熱されることが可能になる。このために、第1の中間パッド221は、伝熱パッド130と接合される中央部221aと、前記中央部221aの両端に接続されて両側に延びる拡張部221bと、を備えていてもよい。
【0048】
第1の中間パッド221の中央部221aは、伝熱パッド130と直接的に接触して接合されてもよく、中央部221aに伝えられた熱は、第1の方向に延びる中央部221aに沿って第1の方向に行き広がり、中央部221aの両端から第1の方向と交差する第2の方向に両側に延びる拡張部221bへと行き広がって速やかに伝熱可能である。コンパクトなサイズのLED単品100の下部面に設けられた伝熱パッド130と接合される中央部221aは、狭い幅を有するが、LED単品100の外側に設けられる拡張部221bは、両側に広がって広い伝熱面積を提供することができる。
【0049】
第2の中間パッド222は、第1の中間パッド221から熱の伝達を受けて放熱板300に伝えるため、第2の中間パッド222は、第1の中間パッド221と同一の形状を有するように中央部222aと中央部の両端から両側に広がる拡張部222bを有していてもよい。第1の配線部211及び第2の配線部212などのLED単品100を実装するための構造を含むベース板210の第1の面よりは、第2の面の方にさらに広い余裕空間があるため、第1の中間パッド221の形態を含むさらに大きな平面面積を有することができる。
【0050】
第1の中間パッド221と第2の中間パッド222とを接続する伝熱ビア孔230は、より一層有効な伝熱のために複数本で設けられてもよい。前記伝熱ビア孔230は、第1の中間パッド221の中央部221aと拡張部221bにわたって均一な密度をもって形成されてもよいし、あるいは、第1の中間パッド221の中央部221aと拡張部221bにおいて異なる密度をもって形成されてもよい。LED単品100の熱が直接的に伝えられる中央部221aにおいては、さらに多くの熱が速やかに下部に行き広がることができるように相対的に高い密度又は単位面積当たりに相対的に広い平均有効面積の伝熱ビア孔230を有し、水平方向に伝えられる熱を受けて相対的に低い温度を有し得る拡張部221bにおいては、中央部221aよりもさらに低い密度又は単位面積当たりに狭い平均有効面積の伝熱ビア孔230を有していてもよい。単位面積当たりの平均有効面積とは、単位面積当たりの伝熱ビア孔230の水平方向の断面積の和のことをいう。例えば、伝熱ビア孔230の形状が同一である場合には、前記伝熱ビア孔230は、拡張部221bよりも中央部221aの方においてさらに高い密度をもって設けられてもよい。
【0051】
伝熱パッド130と第1の中間パッド221とは、伝熱パッド130と第1の中間パッド221との間に設けられる第1のはんだパターン層261によって互いに溶接されることができる。伝熱パッド130と第1の中間パッド221とを溶接して接合することにより、機械的及び熱的な接続を実現し、伝熱パッド130に伝えられる熱が速やかに第1の中間パッド221に伝えられることが可能になる。
【0052】
伝熱パッド130と第1の中間パッド221とは、プリント回路基板200の第1の中間パッド221の上に有鉛はんだペースト又は無鉛はんだペーストを用いて第1のはんだペーストパターン層を形成した後、リフロー(Reflow)工程によって第1のはんだパターン層261を形成して互いにはんだ付け溶接されて接合することができる。プリント回路基板200の上にLED単品100を実装するために、LED単品100の第1の電極パッド121及び第2の電極パッド122を第1の電極はんだパターン層251及び第2の電極はんだパターン層252をもってプリント回路基板100の第1の配線部211及び第2の配線部212にそれぞれ接合しながら、これと同時に、第1のはんだパターン層261をもって伝熱パッド130と第1の中間パッド221とを接合することができる。プリント回路基板200の実装面には、第1の中間パッド221のみならず、第1の配線部211及び第2の配線部212が位置するため、パターンマスクを用いて第1のはんだペーストパターン層を第1の配線部211及び第2の配線部212の上には形成せずに第1の中間パッド221の上にプリントしてこれらの相互間の絶縁状態を保持することができる。
【0053】
第2の中間パッド222と放熱板300とは、第2の中間パッド222と放熱板300との間に設けられ、第1のはんだパターン層261よりもさらに大きな平面面積を有する第2のはんだパターン層262によって互いに溶接されることができる。プリント回路基板200の第2の中間パッド222の上に有鉛はんだペースト又は無鉛はんだペーストを用いて第2のはんだペーストパターン層を形成した後、リフロー(Reflow)工程により第2のはんだパターン層262を形成してプリント回路基板200と放熱板300とが互いにはんだ付け溶接されて接合されることができる。ベース板210の第2の面においては、LED単品100の実装のための構造はないことから、余裕空間が相対的に広いため、第2の中間パッド222から伝えられる熱が速やかに放熱板300に伝達可能なように熱接触面積を増やすために、第2のはんだパターン層262の平面面積が第1のはんだパターン層261よりもさらに大きくなるように形成してもよい。プリント回路基板200と放熱板300との機械的及び熱的な接合を安定的に保持するために、第2のはんだパターン層262は、プリント回路基板200の下部面の全面に形成されてもよいし、あるいは、複数の第2の中間パッド222を共通して塗布可能な大きさのパターンに形成されてもよい。
【0054】
一方、一般に、メタルPCB(プリント回路基板)を構成するベース板210及び/又は放熱板300は、機械的な強度と熱伝導性に優れたアルミニウム又はアルミニウム合金製のものであるが、アルミニウム又はアルミニウム合金の場合には、有鉛又は無鉛のはんだ(はんだ付け)によって接合が上手く行われなくなる可能性もある。メタルPCB(プリント回路基板)の場合には、ベース板210の第2の面は、アルミニウム又はアルミニウム合金から形成されてもよいが、このような場合には、第2の中間パッド222は省略されてもよく、より一層有効な放熱のために第2の中間パッド222をさらに備えていてもよい。第2のはんだパターン層262は、第2の中間パッド222の有無を問わずにベース板210の第2の面の上にも設けられるため、ベース板210がアルミニウム又はアルミニウム合金から形成される場合には、プリント回路基板200と放熱板300とが安定的に接合できるようにベース板210の第2の面の上にニッケルコーティング層を形成してニッケルがリフロー工程の最中に固形物を形成しながらはんだ(はんだ付け)接合が強固に行われるようにしてもよい。いうまでもなく、強固なはんだ接合のために、アルミニウム製やアルミニウム合金製の放熱板300の場合には、放熱板300の接合面(又は、上部面)にもニッケルコーティング層を形成してもよい。
【0055】
プリント回路基板200及び放熱板300のうちの少なくともどちらか一方は、前記プリント回路基板200と前記放熱板300との接合位置を決める位置決め部240を備えていてもよい。
【0056】
プリント回路基板200と放熱板300との安定的な接合のために、第2のはんだパターン層262を第1のはんだパターン層261よりもさらに広い平面面積を有するように形成すると、リフロー工程の最中に第2のはんだペーストパターン層が少なくとも部分的に溶融されながら、プリント回路基板200と放熱板300とが互いにスリップ(slip)しながら定位置からずれてしまう虞がある。これに対し、伝熱パッド130と第1の中間パッド221との間に形成される第1のはんだペーストパターン層は、相対的に小さな平面面積を有しているのみならず、LED単品100のサイズも小さなものであるため、たとえリフロー工程の最中に部分的に溶融されるとしても、LED単品100とプリント回路基板がスリップしなくなる可能性がある。プリント回路基板200と放熱板300が定位置からずれると、LED単品100からの伝熱面積が相対的に減ってしまう虞があり、これにより、熱が速やかに逃げられなくなる可能性もある。プリント回路基板200及び放熱板300のうちの少なくともどちらか一方に位置決め部240を形成してプリント回路基板200と前記放熱板300とがリフロー工程の最中にも定位置からずれることなく正確な接合位置において接合できるようにしてもよい。
【0057】
位置決め部240は、プリント回路基板200と放熱板300との接合位置に互いに嵌まり合う凹部と凸部の形状に設けられてもよい。例えば、プリント回路基板200の4つの隅角部の近くに凹部(又は、凸部)が形成され、放熱板300の接合面における凹部に対応する位置に凸部(又は、凹部)を形成してもよい。プリント回路基板200には、凹部の代わりに貫通孔を形成してもよいし、あるいは、前記貫通孔の上部側の一部を充填材により充填してもよい。あるいは、プリント回路基板200の周縁部に対応するように放熱板300の接合面に段付き状の位置決め部240を形成してもよいし、あるいは、プリント回路の基板200と放熱板300の対応する位置にそれぞれ孔又は凹部を形成し、前記孔又は凹部に挿し込まれる固定ピンの形状の位置決め部240を設けてもよい。
【0058】
そして、プリント回路基板200の4つの隅角部の近くに形成される位置決め部240を平面上において上下を異ならせて構成して(例えば、上側には凹部を形成し、下側には凸部を形成して)、プリント回路基板200が放熱板300と接合される平面上の上下左右の方向もまた簡単な方法により決めることができる。
【0059】
本発明に係るLED照明装置は、プリント回路基板200の第1の中間パッド221の上に少なくとも部分的に設けられて温度を測定する温度センサー部400をさらに備えていてもよい。LED照明装置の寿命と発光特性は、LED素子110の温度に応じて変わる可能性があるため、LED照明装置の性能の管理のためにLED素子110の温度をモニタリングする必要がある。LED素子110に近づいて温度を測定することが最も有効であるものの、LED素子110はLED単品100の内部に設けられており、LED単品100もまたプリント回路基板200の上に実装されているため、LED単品100から放出される光の進行を妨げずに温度を測定する温度センサー部を装着することが決して容易ではない。本発明においては、LED単品100から発せられた熱を外部に放熱する熱の経路の上におけるLED単品100に最も近い位置が第1の中間パッド221であるため、温度センサー部400を第1の中間パッド221の上に設けて正確なLED単品100又はLED素子110の温度を測定できるようにしている。
【0060】
第1の中間パッド221の中央部221aには伝熱パッド130が接続されるので、中央部221aの両端に接続されて拡張部221bの上に温度センサー部400を設けてもよいし、あるいは、隣り合う第1の中間パッド221の拡張部221bの上に重なり合うように温度センサー部400を設けて複数のLED単品100の平均温度を測定してもよい。
【0061】
本発明に係るLED照明装置は、温度センサー部400において測定される温度に基づいて制御され、放熱板300に向かって空気の流れを生じさせる空気流れ発生部(図示せず)をさらに備えていてもよい。
【0062】
LED照明装置の性能の管理のために、温度センサー部400は、LED単品100又はLED素子110の温度をモニタリングすることになるが、温度センサー部400において測定される温度に基づいて空気流れ発生部によって生じて放熱板300へと向かう空気の量を調節することができる。LED単品100の温度が高くない場合には、LED単品100から発せられた熱が放熱板300を介して大気との熱交換が起こって自然に放熱されることが可能である。しかしながら、LED単品100の温度が所定の温度以上に高くなると、自然対流による放熱には限界があるため、空気流れ発生部を用いて強制対流を生じさせて空気の流れが放熱板300へと向かうようにして速やかな熱交換が起こるようにしなければならない。空気流れ発生部は、ファン(Fan)、ブロワー(Blower)などといったように、空気を強制的に流動させる装置であって、温度センサー部400において測定される温度に基づいてファンの回転速度などを変化させて放熱板300へと向かう空気の量を調節することができる。温度センサー部400及び空気流れ発生部と接続されて温度センサー部400において測定される温度を用いて空気流れ発生部を制御するコントローラー(図示せず)は、プリント回路基板200の上に実装されてもよいし、あるいは、別設されてもよい。
【0063】
図4は、本発明の他の実施形態に係るLED照明装置の斜視図であり、図5は、本発明の他の実施形態に係る中間板の斜視図である。
【0064】
本発明の他の実施形態に係るLED照明装置は、光を放出するLED単品100と、相対向する第1の面及び第2の面を有するベース板210を備え、前記第1の面の上に前記LED単品100が実装されるプリント回路基板200と、前記第2の面の上に設けられて前記LED単品100から発せられる熱を放出し、前記プリント回路基板200の下部面よりもさらに小さな上部面を有する放熱板300と、前記プリント回路基板200と前記放熱板300との間に設けられ、前記放熱板300の上部面よりもさらに大きな下部面を有する中間板500と、を備え、前記中間板500と前記回路基板200、及び前記中間板500と前記放熱板300は、それぞれ溶接されて互いに接合されてもよい。
【0065】
本発明の他の実施形態に係るLED照明装置を説明するに当たって、本発明の実施形態に係るLED照明装置と関して先に説明された部分と重複する事項は省略する。
【0066】
LED単品100を実装したプリント回路基板200は、LED照明装置に求められる光量に応じて複数枚で設けられてもよく、放熱板300もまた、放熱すべき熱の量に応じて複数枚で設けられてもよい。プリント回路基板200の下部面の面積が放熱板300の上部面の面積よりもさらに小さな場合(例えば、図1参照)には、熱がさらに速やかに放熱できるので熱的には問題がないものの、プリント回路基板200の下部面の面積が放熱板300の上部面の面積よりもさらに大きな場合には、プリント回路基板200と放熱板300とが互いに当接しない領域の上に位置するLED単品100の熱は十分に放熱されなくなる可能性がある。さらに大きな下部面を有するプリント回路基板200と複数枚の放熱板300とを接合する場合であっても、複数枚の放熱板300の間には空間が生じることを余儀なくされるため、当該空間の上に位置するLED単品100の熱は十分に放熱されなくなる可能性がある。このような状況は、プリント回路基板の形状と大きさに合わせて放熱板を別途に作製せずに、商用の放熱板を用いる場合に頻繁に起こる可能性がある。
【0067】
このような問題を解決するためには、本発明においては、プリント回路基板200と放熱板300との間に放熱板300の上部面よりもさらに大きな下部面を有する中間板500を挟み込んでプリント回路基板200と放熱板300との間の接合面の面積の差に応じて生じ得るLED単品100の放熱特性の低下を抑制できるようにしている。中間板500が複数枚の放熱板300の間の空間の上部を覆うことになるので、プリント回路基板200の上に実装されたLED単品100はいずれも均一な放熱特性を示すことができる。
【0068】
LED単品100が実装されたプリント回路基板200から伝えられる熱が放熱板300に速やかに伝達できるように、中間板500と前記回路基板200とを溶接し、中間板500と放熱板300とを溶接して、溶接されたプリント回路基板200、中間板500、及び放熱板300は、熱的にかつ機械的に完全に一体になる。このことから、LED単品100から発せられた熱が速やかに放熱板300を介して外部に放熱されることができ、溶接されたプリント回路基板200、中間板500及び放熱板300は、別途のサーマルパッドや締結部材なしでも熱接触の問題もしくは組み立て状態の問題を抑えることが可能になる。
【0069】
このとき、中間板500は、上部のプリント回路基板200から伝えられる熱を速やかに下部の放熱板300に伝えるのみならず、放熱板300と放熱板300との間においても一定の伝熱が行われるように水平方向にも熱が速やかに行き広がるように、熱伝導性金属から作製されてもよい。中間板500は、熱伝導性に優れた金属素材から作製されてもよいが、具体的には、銅、銀、アルミニウム、鉄、ニッケル及びタングステンのうちのいずれか1種の金属材又はこれらを少なくとも1種以上含む合金材から作製されてもよい。強固なはんだ接合のために、中間板の外部面にニッケル層又はニッケル合金層を形成することもできる。
【0070】
中間板500の上部面と下部面のうちの少なくともどちらか一方は、中間板500とプリント回路基板200との接合位置を決める、あるいは、中間板500と放熱板300との接合位置を決める補助位置決め部511~514、521~524を備えていてもよい。
【0071】
プリント回路基板200と中間板500との間、及び中間板500と放熱板300との間に中間はんだペーストパターン層を形成した後に熱処理するリフロー工程を用いて中間はんだパターン層を形成して、プリント回路基板200と中間板500、及び中間板500と放熱板300をそれぞれはんだ接合してもよいが、安定的な接合のために、中間板500の上部面と下部面の上に形成される中間はんだパターン層は、第1のはんだパターン層261よりもさらに広い平面面積を有していてもよい。例えば、中間はんだパターン層は、中間板500の上部面と下部面の全面の上に形成されてもよい。
【0072】
中間はんだペーストパターン層は、リフロー工程の最中に少なくとも部分的に溶融されながら、プリント回路基板200と中間板500、及び/又は中間板500と放熱板300は互いにスリップ(slip)しながら定位置からずれてしまう可能性がある。プリント回路基板200、中間板500及び放熱板300が定位置からずれると、LED単品100からの熱の伝達面積が相対的に減ってしまう虞があり、これにより、熱が速やかに逃げられなくなる可能性もある。このような問題を解決するために、中間板500の上部面と下部面の少なくともどちらか一方には補助位置決め部511~514、521~524を形成して、プリント回路基板200、中間板500及び放熱板300がリフロー工程の最中にも定位置からずれることなく正確な接合位置において接合できるようにしている。
【0073】
補助位置決め部511~514、521~524は、プリント回路基板200又は放熱板300と中間板500との間の接合位置に互いに嵌まり合う凹部又は凸部の形状に設けられてもよい。例えば、中間板500の上部面に複数枚のプリント回路基板200を接合する場合に、プリント回路基板200のそれぞれの4つの隅角部の近くに凹部(又は、凸部)が形成され、中間板500の上部面におけるこれに対応する位置に凸部(又は、凹部)を形成してもよい。同様に、中間板500の下部面と複数枚の放熱板300の上部面のそれぞれの互いに対応する位置に凹部と凸部の形状の補助位置決め部を形成してもよい。
【0074】
プリント回路基板200又は中間板500には、凹部の代わりに貫通孔を形成してもよく、前記貫通孔の上部側の一部を充填材により充填してもよい。あるいは、プリント回路基板200と放熱板300の周縁部に対応するように中間板500の接合面に段付き状の補助位置決め部511~514、521~524を形成してもよいし、あるいは、プリント回路基板200、中間板500及び放熱板300の対応する位置にそれぞれ孔又は凹部を形成し、前記孔又は凹部に挿し込まれる固定ピンの形状の補助位置決め部を設けてもよい。
【0075】
そして、プリント回路基板200の4つの隅角部の近くに形成される位置決め部240を平面上において上下を異ならせて構成して(例えば、上側には凹部を形成し、下側には凸部を形成して)、プリント回路基板200の位置決め部240に対応するように中間板500の上部面に補助位置決め部を平面の上において上下を異ならせて構成して設けてもよい。このような構成を通じて、中間板500と接合されるプリント回路基板200の平面上の上下左右の方向を簡単に決めて接合することができる。
【0076】
本発明に係るLED照明装置によれば、LED単品が実装されるプリント回路基板と放熱板とを溶接により接合して消費電力の相当の部分が熱に変換されるLED単品から発せられる熱を速やかに放熱板に伝えることができて、LED単品の温度を低く保持することができ、しかも、LED照明装置の長寿命化を図ることができる。
【0077】
また、LED単品が実装されるプリント回路基板を溶接により放熱板と接合することから、プリント回路基板と放熱板との間に別途のサーマルパッドなどの熱伝導性物質を挟み込んだり、プリント回路基板と放熱板とを締結部材をもって押し付けて組み立てたりするなどのさらなる工程を必要とせず、その結果、LED照明装置の組み立てのしやすさ、組み立ての安定性が向上できるのみならず、安定的な伝熱特性を確保することができる。
【0078】
さらに、プリント回路基板に実装されるLED単品の下部面に伝熱パッドを形成し、伝熱パッドと接合されるプリント回路基板の中間パッドと伝熱ビア孔を介してLED単品から発せられる熱を速やかに放熱板に伝えることができる。
【0079】
さらにまた、LED単品から発せられた熱が放熱板に伝えられる熱経路である中間パッドの上に少なくとも部分的に温度センサー部を設けてLED単品もしくはLED照明装置の温度を精度よく測定することができて、LED照明装置の温度の制御を有効に行うことができる。
【0080】
これらに加えて、プリント回路基板と放熱板の平面面積が互いに異なる場合には、プリント回路基板と前記放熱板との間に熱伝導性材料からなる中間板を挟み込んでプリント回路基板と放熱板とを接合することにより、プリント回路基板よりもさらに小さな平面面積を有する放熱板の場合であっても、複数枚の放熱板をプリント回路基板と接合することが可能であり、これにより、LED単品から発せられる熱を有効に外部に放出することができる。
【0081】
上記の説明に際して用いられた用語「~の上に」の意味は、直接的に接触する場合と直接的に接触はしないものの、上部又は下部に対向して位置する場合を含み、上部面又は下部面の全体に対向して位置することのみならず、部分的に対向して位置することも可能であり、位置上に離れて対向したり、上部面又は下部面に直接的に接触するという意味として用いられている。また、上記の説明に際して用いられた「上」、「下」、「先端」、「後端」、「上部」、「下部」、「上端」、「下端」などの言い回しは、説明のしやすさのために図面を基準として定めるものであり、これらの言い回しによって各構成要素の形状及び位置が制限されることはない。
【0082】
以上、本発明の好適な実施形態について図示及び説明したが、本発明は、上記の実施形態に何等限定されるものではなく、特許請求の範囲において請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、これより様々な変形の実施形態及び均等な他の実施の形態が採用可能であるという点が理解できる筈である。よって、本発明の真の技術的な保護範囲は、添付の特許請求の範囲により定められるべきである。
【符号の説明】
【0083】
100:LED単品
200:プリント回路基板
300:放熱板
400:温度センサー部
500:中間板
図1
図2
図3
図4
図5