(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025026310
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】液化ガス貯蔵部を低温に保つためのデバイス、施設、及び方法
(51)【国際特許分類】
F25J 1/00 20060101AFI20250214BHJP
B01F 23/23 20220101ALI20250214BHJP
B01F 25/40 20220101ALI20250214BHJP
【FI】
F25J1/00 B
B01F23/23
B01F25/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024092741
(22)【出願日】2024-06-07
(31)【優先権主張番号】2308554
(32)【優先日】2023-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】レミ・ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン・デュラン
(72)【発明者】
【氏名】セシル・ゴンドラン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-マルク・ベルンハルト
【テーマコード(参考)】
4D047
4G035
【Fターム(参考)】
4D047AA10
4D047AB08
4D047BA07
4D047BA09
4D047CA04
4D047CA16
4D047EA00
4G035AB04
4G035AC47
4G035AE02
4G035AE13
4G035AE15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】液化ガス貯蔵部を低温に保つためのデバイス及び方法の提供。
【解決手段】本デバイス1は、極低温冷凍機3と、液化ガス貯蔵部2内に据えられる吸引ポンプ17を備えるサブクール回路4、5と、吸引されたサブクール回路と冷凍機3との間で熱を交換する熱交換器6と、を備え、サブクール回路は、熱交換器内で冷却された流体を貯蔵部内に注入する少なくとも1つの注入端部7を備え、本デバイスは、ボイルオフガスを回収するために貯蔵部2に接続される、上流端部を有するボイルオフガス回収管8を更に備え、回収管は、消費部に接続される下流端部18を備え、本デバイスは、ボイルオフガスを回収管からサブクール回路に移送することを可能にするバイパス管9と弁10を備え、バイパス管は、回収管に接続された第1の端部と、サブクール回路に接続された第2の端部とを有し、バイパス管の第2の端部は、熱交換器の上流でサブクール回路に接続される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えば液化天然ガスのための液化ガス貯蔵部(2)を低温に保つためのデバイスであって、極低温冷凍機(3)と、管のセットを備えるサブクール回路(4、5)とを備え、前記サブクール回路(4、5)は、液化ガス貯蔵部(2)の下部に据えられることが意図され、かつ前記液化天然ガスを吸引するように構成された吸引端部(4)と、前記サブクール回路(4、5)によって吸引された流体と前記極低温冷凍機(3)との間で熱を交換する熱交換器(6)とを備え、前記サブクール回路(4、5)は、前記熱交換器(6)内で冷却された流体を前記液化ガス貯蔵部(2)内に注入するように構成された少なくとも1つの注入端部(5、7)を備え、前記デバイス(1)は、ボイルオフガスを回収するために前記液化ガス貯蔵部(2)の上部に接続されることが意図された上流端部を有するボイルオフガス回収管(8)を更に備え、前記ボイルオフガス回収管(8)は、ボイルオフガスの消費部、例えばバーナ及び/又はモータに接続されることが意図された下流端部(18)を備え、前記デバイス(1)は、ボイルオフガスを前記ボイルオフガス回収管(8)から前記サブクール回路(4、5)に移送することを可能にするように構成されたバイパス管(9)と弁(10)のセットとを備え、前記バイパス管(9)は、前記ボイルオフガス回収管(8)に接続された第1の端部と、前記サブクール回路(4、5)に接続された第2の端部とを有する、デバイスにおいて、
前記バイパス管(9)の前記第2の端部が、前記熱交換器(6)の上流で前記サブクール回路(4、5)に接続されることを特徴とする、デバイス。
【請求項2】
前記弁(10)のセットが、前記バイパス管(9)上の流れ制御弁を備えることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記流れ制御弁(10)が、前記熱交換器(6)に入る流体の温度を所与の値だけ、例えば5℃~25℃だけ増加させるために、ボイルオフガス流を前記サブクール回路(4、5)に移送するように構成された制御弁であることを特徴とする、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記流れ制御弁(10)が、前記熱交換器(6)に入る流体の温度を前記液化天然ガスの飽和温度未満に保つために、ボイルオフガス流を前記サブクール回路(4、5)に移送するように構成された制御弁であることを特徴とする、請求項2又は3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記流れ制御弁(10)が、前記熱交換器(6)から出てくる流体の温度を、所与の値を上回る、例えば-160℃を上回るように、及び/又は前記液化ガス貯蔵部内の前記液化天然ガスの温度に等しい値に、及び/又は前記吸引端部(4)で吸引された前記液化天然ガスの温度に等しい値に保つために、ボイルオフガス流を前記サブクール回路(4、5)に移送するように構成された制御弁であることを特徴とする、請求項2~4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記ボイルオフガス回収管(8)が少なくとも1つの圧縮機(11)を備えることと、前記バイパス管(9)の前記第1の端部が、前記圧縮機(11)の下流で前記ボイルオフガス回収管(8)に接続されていることと、を特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記ボイルオフガス回収管(8)が直列の複数の圧縮機(11)を備えることと、前記バイパス管(9)の前記第1の端部が、中間圧縮機(11)の下流、すなわち直列の最後の圧縮機の上流で前記ボイルオフガス回収管(8)に接続されていることと、を特徴とする、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記圧縮機(11)が、前記吸引端部(4)で吸引されて前記サブクール回路(4、5)に送出される液体の圧力よりも大きい圧力でガス流を前記バイパス管(9)に供給するように構成されていることを特徴とする、請求項6又は7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記デバイスが前記ボイルオフガスを前記サブクール回路(4、5)中に混合させるための混合ユニット(12)を含み、前記混合ユニット(12)が、例えば、前記バイパス管(9)の前記第2の端部と前記サブクール回路(4、5)との間の接合部に位置し、前記混合ユニット(12)が、注入を伴う間接熱交換器、液体へのガス注入器、静的混合器、上流注入器、濾過システム、不規則充填物又は規則充填物を有する凝縮液ポットのうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記バイパス管(9)が、前記サブクール回路(4、5)に移送される前記ボイルオフガスと熱交換する予冷ユニット(13)を備え、前記予冷ユニット(13)が、例えば、移送された前記ボイルオフガスの流れを、前記ボイルオフガス回収管(8)内の前記ボイルオフガスの温度と前記液化天然ガスの温度との間の中間温度に冷却するように構成されていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記ボイルオフガス回収管(8)が、前記ボイルオフガス回収管(8)内のボイルオフガスと前記バイパス管(9)内のボイルオフガスとの間の熱交換を可能にする熱交換器(16)を備えることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記バイパス管(9)が、前記ボイルオフガス回収管(8)上の前記熱交換器(16)を通して流れることが許容される前記バイパス管(9)内のボイルオフガスの流れを制御する迂回管(14)と、弁(15)のセットと、を備えることを特徴とする、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記吸引端部(4)が吸引ポンプ(17)を備えることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
例えば液化天然ガスのための液化ガス貯蔵施設、例えば液化ガスを運搬する船であって、少なくとも1つの液化ガス貯蔵部(2)と、前記液化ガス貯蔵部に収容された流体を低温に保つためのデバイスとを備え、低温に保つための前記デバイス(1)は、請求項1~13のいずれか一項に記載のデバイスである、液化ガス貯蔵施設。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載のデバイスを使用して液化ガス貯蔵部(2)を低温に保つための方法であって、極低温貯蔵部から液化ガスを汲み上げることと、汲み上げられた前記液化ガスを冷却することと、冷却された前記液化ガスを前記液化ガス貯蔵部に再注入することとを備え、前記方法は、前記液化ガス貯蔵部からボイルオフガスを回収することと、汲み上げられた前記液化ガスが冷却される前にボイルオフガスを前記液化ガスに注入し混合するステップを備える、方法。
【請求項16】
前記注入し混合するステップが、汲み上げられた前記液化ガスを所与の値だけ冷却する前に、汲み上げられた前記液化ガスの温度を上昇させるように構成され、並びに/又は冷却された前記液化ガスの温度を所与の閾値未満に保つように、及び/若しくは貯蔵された或いは汲み上げられた前記液化ガスの温度に保つように構成されていることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液化ガス貯蔵部を低温に保つためのデバイス、施設、及び方法に関する。
【0002】
本発明は、具体的には、例えば液化天然ガスのための液化ガス貯蔵部を低温に及び/又は加圧状態に保つための施設及び方法に関する。
【0003】
本発明は、より具体的には、例えば液化天然ガスのための液化ガス貯蔵部を低温に保つためのデバイスに関し、本デバイスは、極低温冷凍機と、管のセットを備えるサブクール回路とを備え、サブクール回路は、液化ガス貯蔵部の下部に据えられることが意図され、かつ液化ガスを吸引するように構成された吸引端部と、吸引されたサブクール回路と冷凍機との間で熱を交換する熱交換器とを備え、サブクール回路は、熱交換器内で冷却された流体を貯蔵部内に注入するように構成された少なくとも1つの注入端部を備え、本デバイスは、ボイルオフガスを回収するために貯蔵部の上部に接続されることが意図された上流端部を有するボイルオフガス回収管を更に備え、回収管は、ボイルオフガスの消費部、例えばバーナ及び/又はモータに接続されることが意図された下流端部を備え、本デバイスは、ボイルオフガスを回収管からサブクール回路に移送することを可能にするように構成されたバイパス管と弁のセットとを備え、バイパス管は、回収管に接続された第1の端部と、サブクール回路に接続された第2の端部とを有する。
【0004】
貯蔵部内の極低温流体からのボイルオフガスは、直接再液化によって回収することができる。この解決手段は、これらのボイルオフガスを周囲温度にし、次いで液化装置に送る、極低温圧縮を伴う。
【0005】
別の機能は、冷凍機からの冷却力を極低温液体をサブクールすることによって極低温液体に伝えることによってボイルオフガスを再液化し、それを貯蔵部に戻すことを伴う。
【背景技術】
【0006】
文献WO2019020742A1には、ボイルオフガスを処理するため、又は液化ガスを冷却するための施設が記載されている。
【0007】
冷却熱交換器は、最も重質の成分(より低い温度では溶解しにくい)の析出によって詰まる場合がある。これは、極低温流体が必ずしも純粋成分であるわけではなく、混合物である場合があるからである。これは、混合物のうちの一部の成分がサブクール中に凝固する場合があることを意味する。これらの固体粒子により、冷凍機の交換器が詰まり、それによってシステムの性能が劣化する恐れがある。
【0008】
そのような詰まりを低減又は制限するための異なる既知の解決手段がある。しかしながら、それら解決手段は、ボイルオフガスの処理及び/又は貯蔵された液化ガスのサブクールの両方について満足できるものではない。
【発明の概要】
【0009】
本発明の1つの目的は、先行技術の上記欠点の全部又は一部を克服することである。
【0010】
このために、本発明に係るデバイスは、上記プリアンブルに与えられたその包括的規定にしたがう他の点において、バイパス管の第2の端部が、熱交換器の上流でサブクール回路に接続されることを本質的に特徴とする。
【0011】
更に、本発明の実施形態は、
- 弁のセットが、バイパス管上の流れ制御弁を備え、
- 流れ制御弁が、熱交換器に入る流体の温度を所与の値だけ、例えば5℃~25℃だけ増加させるために、ボイルオフガス流をサブクール回路に移送するように構成された制御弁であり、
- 流れ制御弁が、熱交換器に入る流体の温度を液化ガスの飽和温度未満に保つために、ボイルオフガス流をサブクール回路に移送するように構成された制御弁であり、
- 流れ制御弁が、熱交換器から出てくる流体の温度を、所与の値を上回る、例えば-160℃を上回るように、及び/又は貯蔵部内の液化ガスの温度に等しい値に、及び/又は吸引端部で吸引された液化ガスの温度に等しい値に保つために、ボイルオフガス流をサブクール回路に移送するように構成された制御弁であり、
- 回収管が少なくとも1つの圧縮機を備え、バイパス管の第1の端部が、圧縮機の下流で回収管に接続されており、
- 回収管が直列の複数の圧縮機を備え、バイパス管の第1の端部が、中間圧縮機の下流、すなわち直列の最後の圧縮機の上流で回収管に接続されており、
- 圧縮機が、吸引端部で吸引されてサブクール回路に供給される液体の圧力よりも大きい圧力でガス流をバイパス管に供給するように構成され、
- 本デバイスが、ボイルオフガスをサブクール回路中に混合させるための混合ユニットを含み、混合ユニットが、例えば、バイパス管の第2の端部とサブクール回路との間の接合部に位置し、混合ユニットが、注入を伴う間接熱交換器、液体へのガス注入器、静的混合器、上流注入器、濾過システム、不規則充填物又は規則充填物を有する凝縮液ポットのうちの少なくとも1つを備え、
- バイパス管が、サブクール回路に移送されるボイルオフガスと熱交換する予冷ユニットを備え、予冷ユニットが、例えば、移送されたボイルオフガス流を、回収管内のボイルオフガスの温度と液化ガスの温度との間の中間温度に冷却するように構成され、
- 回収管が、回収管内のボイルオフガスとバイパス管内のボイルオフガスとの間の熱交換を可能にする熱交換器を備え、
- バイパス管が、回収ライン上の熱交換器を通して流れることが許容されるバイパス管内のボイルオフガスの流れを制御する迂回管と、弁のセットと、を備え、
- 吸引端部が吸引ポンプを備える、という特徴のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0012】
また本発明は、例えば液化天然ガスのための液化ガス貯蔵施設、例えば液化ガスを運搬する船に関し、本液化ガス貯蔵施設は、少なくとも1つの液化ガス貯蔵部と、貯蔵部に収容された流体を低温に保つためのデバイスとを備え、低温維持デバイスは、上記又は下記に述べる特徴のいずれか1つを有する。
【0013】
また本発明は、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイスを使用して液化ガス貯蔵部を低温に保つための方法に関し、本方法は、極低温貯蔵部から液化ガスを汲み上げることと、汲み上げられた液化ガスを冷却することと、冷却された液化ガスを貯蔵部に再注入することとを備え、本方法は、貯蔵部からボイルオフガスを回収することと、汲み上げられた液化ガスが冷却される前にボイルオフガスを液化ガスに注入し混合するステップを備える。
【0014】
これにより、サブクーラ(冷凍機)が、好ましくは、冷却される流体の温度を決してサブクールされた液体の初期温度未満にしないように構成されているので、ボイルオフガスを注入することによってサブクール回路の入力部における流体の温度を増加させて熱交換器6内の重質炭化水素の結晶化を防止することが可能になる。
【0015】
他の可能な特徴によれば、注入し混合するステップは、汲み上げられた液化ガスを所与の値だけ冷却する前に、汲み上げられた液化ガスの温度を上昇させるように構成され、並びに/又は冷却された液化ガスの温度を所与の閾値未満に保つように、及び/若しくは貯蔵された或いは汲み上げられた液化ガスの温度に保つように構成される。
【0016】
本発明はまた、特許請求の範囲内の上記又は下記の特徴の任意の組合せを備える任意の代替のデバイス又は方法に関し得る。
【0017】
他の特定の特徴及び利点が、以下の図を参照して提供される下記説明を読むと明らかとなる。
【0018】
本発明は、添付図面を参照して単に例として与えられる以下の説明を読むことで、より理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る施設の構造及び動作の一例を例示する概略図である。
【
図2】本発明の第2の実施形態に係る施設の構造及び動作の一例を例示する概略図である。
【
図3】本発明の第3の実施形態に係る施設の構造及び動作の一例を例示する概略図である。
【
図4】本発明の第4の実施形態に係る施設の構造及び動作の一例を例示する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図全体を通して、同じ参照符号は同じ要素に関する。
【0021】
この詳細な説明において、以下の実施形態は例である。説明では1つ又は複数の実施形態について言及するが、これは、特徴が単一の実施形態にのみ適用されることを意味するわけではない。異なる実施形態の個々の特徴を、他の実施形態を提供するために組み合わせ及び/又は置き換えることもできる。
【0022】
例示されている、液化ガス貯蔵部2を低温に保つためのデバイス1は、例えば船上の、例えば液化天然ガスタンクを、低温に及び/又は加圧状態に保つために使用され得る。
【0023】
このデバイス1は、極低温冷凍機3と、管のセットを備えるサブクール回路4、5とを備える。
【0024】
サブクール回路4、5は、液化ガス貯蔵部2の下部に据えられることが意図され、かつ液化ガスを吸引するように構成された少なくとも1つの吸引端部4を備える。例示されるように、吸引端部4は、好ましくは吸引ポンプ17を備える。
【0025】
サブクール回路4、5は更に、吸引されたサブクール回路4、5と冷凍機3との間で熱を交換する熱交換器6を備える。この熱交換器6は、好ましくは、貯蔵部2の外側に位置する。
【0026】
冷凍機は、特に、サイクルガス(ヘリウム、窒素、又は任意の他の純粋ガス若しくは混合物)が熱力学サイクル(圧縮、冷却、膨張、加熱)を受け、熱交換によって伝えられ得る冷却力が少なくとも一端で生成される、極低温液化装置又は冷凍機を備えてもよいし、又はそれからなっていてもよい。例えば、冷凍機は、逆ブレイトンサイクル冷凍機であり、より具体的には、ターボ機械(少なくとも1つの圧縮機と、軸受上の1つのタービンと、磁気モータとを単一のシャフト上で結合する)を使用するターボブレイトン冷凍機である。サブクール回路4、5は、熱交換器6内で冷却された流体を貯蔵部2内に注入するように構成された少なくとも1つの注入端部5、7を備える。
【0027】
例示された例では、サブクール回路4、5は、2つの注入端部5、7を備える。第1の端部は、1つ又は複数のノズルの形態で貯蔵部の上部分へと開口しており、蒸気を再凝縮して貯蔵部2内の圧力を制御するために、冷却された流体を貯蔵部2の気相に注入することを可能にする。
【0028】
第2の端部は、例えば、液相を冷却するために貯蔵部2の下部分へと開口している。
【0029】
本発明によれば、貯蔵部2の底部の排出器(注入器)が、好ましくは、液化ガスを戻し、それを液相に混合する。注入された液体はそれ以上サブクールされず、貯蔵部2内の液体と同じ温度である。
【0030】
デバイス1は更に、貯蔵部2の上部に接続された上流端部を有し、かつボイルオフガスを回収するように構成されたボイルオフガス回収管8を備える。回収管8は、好ましくは、回収されたボイルオフガスのための少なくとも1つの圧縮ユニット11(典型的には少なくとも1つの圧縮機)を備える。回収管8は、下流に、ボイルオフガスの消費部、例えばバーナ及び/又はモータに接続されることが意図された少なくとも1つの下流端部18を備える。この圧縮ユニット11は、貯蔵部2内の一定圧力を保ち、モータにガスを供給することを可能にする。余分な可燃性ボイルオフガスは、例えば、燃焼フレアに搬送され得る。
【0031】
デバイス1は、ボイルオフガスを回収管8からサブクール回路4、5に移送することを可能にするように構成されたバイパス管9と弁10のセットとを備える。このバイパス管9は、好ましくは圧縮ユニット11の下流で回収管8に接続された第1の端部と、熱交換器6の上流でサブクール回路4、5に接続された第2の下流端部とを有する。例えば、弁のセットは、バイパス管9上の流れ制御弁10を備える。
【0032】
これにより、例えば圧縮後の、例えば周囲温度における、引き出されたボイルオフガスを注入することによって詰まりを未然に防ぐことが可能になる。
【0033】
これにより、冷凍機/液化装置による冷却の上流で比較的高温のガスを注入することが可能になる。バイパス管9によって運ばれるこのガスは、サブクール回路の吸引管4を介して貯蔵部から引き出された極低温液体流の中に混合され得る。
【0034】
液流と混合された引き出されたガスは、好ましくは、少なくとも、極低温流体貯蔵部2の底部に位置する液体吸引ポンプ17の送出圧力よりも高い圧力である。
【0035】
例示されるように、デバイス1は、サブクール回路4、5内のボイルオフガスのための混合ユニット12を含み得る。この混合ユニット12は、液体中にガスを部分的又は完全に混合するように構成され、例えば、バイパス管9の下流端部とサブクール回路4、5との間の接合部に位置する。この混合ユニット12は、例えば、注入を伴う間接熱交換器、液体へのガス注入器、静的混合器、上流注入器、濾過システム、不規則充填物若しくは規則充填物を有する凝縮液ポット、又は他の任意の好適なユニット若しくはこれらの技術のうちのいくつかの組合せのうちの少なくとも1つを備える。
【0036】
流れ制御弁10は、例えば、熱交換器6に入る流体の温度を所与の値だけ、例えば5℃~25℃だけ増加させるために、ボイルオフガス流をサブクール回路4、5に移送するように構成され得る制御弁である。
【0037】
例えば、流れ制御弁10は、熱交換器6に入る流体の温度を液化ガスの飽和温度未満に保つために、ボイルオフガス流をサブクール回路4、5に移送するように構成され得る。これにより、混合物を液相のままとすることが可能になる。気泡が熱交換器6に入らないことを保証するために、例えば飽和状態を2℃下回る、温度マージンが設けられ得る。
【0038】
熱交換器6の上流で混合されるガス流は、例えば、流体の飽和温度(最初の蒸気泡が発生する温度である気泡点温度)を計算することによって制御され得る。
【0039】
この飽和温度は、貯蔵された流体の典型的な組成に基づき得る。
【0040】
この飽和温度は、例えば圧力パラメータによる相関関係にしたがって調整され得る。これにより、混合器12からの出力温度が飽和温度に対する安全マージンを有する温度になる(混合器12からの出力温度が安全マージンに満たない流体の飽和温度に等しくなる)まで、流れ制御弁10によるボイルオフガスの注入を制御することが可能になる。
【0041】
代替的に又は組合せにおいて、流れ制御弁10は、熱交換器6から出てくる流体の温度を、所与の値を上回る、例えば-160℃を上回るように、及び/又は貯蔵部内の液化ガスの温度に等しい値に、及び/又は吸引端部4で吸引された液化ガスの温度に等しい値に保つように制御され得る。
【0042】
例えば、流体の温度は、ポンプ17の出力部で、及び/又は貯蔵部2内で測定され得る。冷却熱交換器6の出力部における流体の温度が貯蔵部2内の液体の温度と等しくなることを確実にするために、流量が流れ制御弁10によって調整され得る。
【0043】
汲み上げられた液体の圧力増加により、その飽和点を上昇させることが可能になる。これにより、液化装置の上流で極低温液体中にガスが完全に又は部分的に溶解することが可能になる。
【0044】
このボイルオフガスの液体への溶解は、極低温液体の温度の増加によって引き起こされる。
【0045】
バイパス管9を介して注入されるガスの量により、冷凍機の入力部及び/又は出力部(熱交換器6の入力部及び/又は出力部)における温度を制御するように選択することが可能になる。この制御は、単一の流れ制御弁10によって行われ得る。したがって、冷却される流体の温度は、1つ又は複数の適切な温度センサ19によって熱交換器6の入力部及び/又は出力部で測定され得る。
【0046】
冷凍機3は、得られた液体の又はガス/液体混合物の温度を低減してから、それを貯蔵部2に(貯蔵部の底部において、及び/又は1つ又は複数のブーム若しくはノズルを介して上部分において)戻す。
【0047】
したがって、冷却熱交換器6の出力部における流体の温度は、熱交換器6の内部で凝固が全く又はほとんど発生しないように制御される。したがって、この温度は、少なくとも、貯蔵部2から汲み上げられた極低温液体の初期温度に等しい。バイパス管9を介して注入されるガスの量により、熱交換器6内部の圧力低下を調節することも可能になり得る。
【0048】
デバイス1は、「混合」モード、すなわち、一方では、回収、圧縮、そして再注入されたボイルオフガスの液化と、他方では、貯蔵部2に戻る前の極低温液体の部分的なサブクールとを組み合わせたモードで使用することもできる。
【0049】
デバイス1は、代替的に、バイパス管9を介した比較的高温のボイルオフガスの注入が停止される(弁10が閉じている)サブクールモード、又はバイパス管9を介してボイルオフガスを注入することによる液化モード(弁10が開いている)で動作することができる。
【0050】
これにより、2つの動作モードを提供する柔軟なシステムが提供される。一方のモードから他方のモードへの切り替えは、例えば、熱交換器6の閉塞のリスクに依存してオペレータが任意に決めることができ、及び/又は閉塞(熱交換器6の末端部における圧力差の増加、温度低下など)を検出することによる検出又は予測(インテリジェンス)を介して自動的に決めることができる。
【0051】
図2の実施形態は、バイパス管9が、サブクール回路4、5に移送されるボイルオフガスと熱交換する予冷ユニット13を備えるという点で、
図1の実施形態とは異なる。この予冷ユニット13は、例えば、移送されたボイルオフガス流を、回収管8内のボイルオフガスの温度と貯蔵部2から汲み上げられる液化ガスの温度との間の中間温度に冷却するように構成され得る。
【0052】
これにより、極低温液体の温度と周囲温度との間の中間温度で外部予冷ユニット13を介して注入され得る圧縮ガスの量を最適化又は増加させることが可能になる。例えば、この予冷ユニット13は、冷媒流体を使用する冷凍サイクル、圧縮システム、及び弁ベース、オリフィスベース、若しくはタービンベースの膨張システムの少なくとも1つを備えてもよいし、又はそれからなっていてもよい。
【0053】
図3の実施形態は、回収管8が、回収管8内のボイルオフガスとバイパス管9内のボイルオフガスとの間の熱交換を可能にする熱交換器16を備えるという点で、
図1の実施形態とは異なる。例えば、バイパス管9は、回収管8上の熱交換器16を通して流れることが許容されるバイパス管9内のボイルオフガスの流れを制御するための迂回管14と弁15のセットとを備える。
【0054】
これにより、圧縮の上流で貯蔵部2から引き出されたボイルオフガスから冷却力を回収することによってボイルオフガスを予冷することが可能になる。
【0055】
圧縮ユニットの入力部におけるガスの温度、(熱交換器6に入る)冷凍機の入力部における流体の温度、又は熱交換器6の出力部における流体の温度を選択的に制御するために、1つ又は複数の制御弁が使用され得る。この制御は、圧縮ユニット11の適切な動作を保証し、冷凍機3の熱交換器6内での固体の形成を防止しながら、回収された冷却力を最大限に活用するために使用され得る。これにより、バイパス管9を介して注入され得る圧縮されたボイルオフガスの量を最適化/増加させることが可能になる。
【0056】
図4の実施形態は、回収管8が直列の複数の圧縮機11を備え、バイパス管9の第1の上流端部が中間圧縮機11の下流、すなわち直列の最後の圧縮機の上流で回収管8に接続される点で、
図1の実施形態とは異なる。
【0057】
これは、ボイルオフガスが、最後の圧縮機の出力部ではなく、最初の又は後続の圧縮段階の出力部で回収されることを意味する。しかしながら、回収されたガスの圧力は、好ましくは、それが混合される貯蔵部から汲み上げられた液体の圧力よりも大きい。中間圧縮段階におけるこのボイルオフガスの温度は、最終圧縮機の出力部における温度よりも比較的低温である。この場合、液体と混合され得るボイルオフガスの量は、
図1の実施形態におけるものよりも多くなり得る。この実施形態は、
図2の実施形態の予冷ユニット13に代わることもできる。
【0058】
したがって、本デバイスは、ボイルオフガスの最適な管理と、冷却熱交換器6内に固体堆積物を生成することのない、例えばメタンのための液化ガス貯蔵部の低温維持(特にサブクール)とを可能にする。本発明は、デバイスの性能の劣化を未然に防ぐ又は制限することを可能にする。
【0059】
冷凍機3の熱交換器6の上流で注入されたボイルオフガスは、液体が冷却される前に液体を加熱する。次いで、冷凍機3は、この混合物を、例えば、貯蔵部2内の流体の温度にする。
【0060】
引き出され混合されたボイルオフガス9は、貯蔵部2に戻されるときに完全に又は部分的に液化される。熱交換器6内の流体が達する最も低温の温度は、凝固条件に達することを可能にしない。
【0061】
説明した解決手段は、重質炭化水素不純物があるときに従来のサブクールシステムを直接再液化装置に適応することによる変換を可能にする。本解決手段により、冷却中の重質炭化水素の結晶化が防止される。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えば液化天然ガスのための液化ガス貯蔵部(2)を低温に保つためのデバイスであって、極低温冷凍機(3)と、管のセットを備えるサブクール回路(4、5)とを備え、前記サブクール回路(4、5)は、液化ガス貯蔵部(2)の下部に据えられることが意図され、かつ前記液化天然ガスを吸引するように構成された吸引端部(4)と、前記サブクール回路(4、5)によって吸引された流体と前記極低温冷凍機(3)との間で熱を交換する熱交換器(6)とを備え、前記サブクール回路(4、5)は、前記熱交換器(6)内で冷却された流体を前記液化ガス貯蔵部(2)内に注入するように構成された少なくとも1つの注入端部(5、7)を備え、前記デバイス(1)は、ボイルオフガスを回収するために前記液化ガス貯蔵部(2)の上部に接続されることが意図された上流端部を有するボイルオフガス回収管(8)を更に備え、前記ボイルオフガス回収管(8)は、ボイルオフガスの消費部、例えばバーナ及び/又はモータに接続されることが意図された下流端部(18)を備え、前記デバイス(1)は、ボイルオフガスを前記ボイルオフガス回収管(8)から前記サブクール回路(4、5)に移送することを可能にするように構成されたバイパス管(9)と弁(10)のセットとを備え、前記バイパス管(9)は、前記ボイルオフガス回収管(8)に接続された第1の端部と、前記サブクール回路(4、5)に接続された第2の端部とを有する、デバイスにおいて、
前記バイパス管(9)の前記第2の端部が、前記熱交換器(6)の上流で前記サブクール回路(4、5)に接続されることを特徴とする、デバイス。
【請求項2】
前記弁(10)のセットが、前記バイパス管(9)上の流れ制御弁を備えることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記流れ制御弁(10)が、前記熱交換器(6)に入る流体の温度を所与の値だけ、例えば5℃~25℃だけ増加させるために、ボイルオフガス流を前記サブクール回路(4、5)に移送するように構成された制御弁であることを特徴とする、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記流れ制御弁(10)が、前記熱交換器(6)に入る流体の温度を前記液化天然ガスの飽和温度未満に保つために、ボイルオフガス流を前記サブクール回路(4、5)に移送するように構成された制御弁であることを特徴とする、請求項2又は3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記流れ制御弁(10)が、前記熱交換器(6)から出てくる流体の温度を、所与の値を上回る、例えば-160℃を上回るように、及び/又は前記液化ガス貯蔵部内の前記液化天然ガスの温度に等しい値に、及び/又は前記吸引端部(4)で吸引された前記液化天然ガスの温度に等しい値に保つために、ボイルオフガス流を前記サブクール回路(4、5)に移送するように構成された制御弁であることを特徴とする、請求項2又は3に記載のデバイス。
【請求項6】
前記ボイルオフガス回収管(8)が少なくとも1つの圧縮機(11)を備えることと、前記バイパス管(9)の前記第1の端部が、前記圧縮機(11)の下流で前記ボイルオフガス回収管(8)に接続されていることと、を特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記ボイルオフガス回収管(8)が直列の複数の圧縮機(11)を備えることと、前記バイパス管(9)の前記第1の端部が、中間圧縮機(11)の下流、すなわち直列の最後の圧縮機の上流で前記ボイルオフガス回収管(8)に接続されていることと、を特徴とする、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記圧縮機(11)が、前記吸引端部(4)で吸引されて前記サブクール回路(4、5)に送出される液体の圧力よりも大きい圧力でガス流を前記バイパス管(9)に供給するように構成されていることを特徴とする、請求項6に記載のデバイス。
【請求項9】
前記デバイスが前記ボイルオフガスを前記サブクール回路(4、5)中に混合させるための混合ユニット(12)を含み、前記混合ユニット(12)が、例えば、前記バイパス管(9)の前記第2の端部と前記サブクール回路(4、5)との間の接合部に位置し、前記混合ユニット(12)が、注入を伴う間接熱交換器、液体へのガス注入器、静的混合器、上流注入器、濾過システム、不規則充填物又は規則充填物を有する凝縮液ポットのうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記バイパス管(9)が、前記サブクール回路(4、5)に移送される前記ボイルオフガスと熱交換する予冷ユニット(13)を備え、前記予冷ユニット(13)が、例えば、移送された前記ボイルオフガスの流れを、前記ボイルオフガス回収管(8)内の前記ボイルオフガスの温度と前記液化天然ガスの温度との間の中間温度に冷却するように構成されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記ボイルオフガス回収管(8)が、前記ボイルオフガス回収管(8)内のボイルオフガスと前記バイパス管(9)内のボイルオフガスとの間の熱交換を可能にする熱交換器(16)を備えることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記バイパス管(9)が、前記ボイルオフガス回収管(8)上の前記熱交換器(16)を通して流れることが許容される前記バイパス管(9)内のボイルオフガスの流れを制御する迂回管(14)と、弁(15)のセットと、を備えることを特徴とする、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記吸引端部(4)が吸引ポンプ(17)を備えることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
例えば液化天然ガスのための液化ガス貯蔵施設、例えば液化ガスを運搬する船であって、少なくとも1つの液化ガス貯蔵部(2)と、前記液化ガス貯蔵部に収容された流体を低温に保つためのデバイスとを備え、低温に保つための前記デバイス(1)は、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイスである、液化ガス貯蔵施設。
【請求項15】
請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイスを使用して液化ガス貯蔵部(2)を低温に保つための方法であって、極低温貯蔵部から液化ガスを汲み上げることと、汲み上げられた前記液化ガスを冷却することと、冷却された前記液化ガスを前記液化ガス貯蔵部に再注入することとを備え、前記方法は、前記液化ガス貯蔵部からボイルオフガスを回収することと、汲み上げられた前記液化ガスが冷却される前にボイルオフガスを前記液化ガスに注入し混合するステップを備える、方法。
【請求項16】
前記注入し混合するステップが、汲み上げられた前記液化ガスを所与の値だけ冷却する前に、汲み上げられた前記液化ガスの温度を上昇させるように構成され、並びに/又は冷却された前記液化ガスの温度を所与の閾値未満に保つように、及び/若しくは貯蔵された或いは汲み上げられた前記液化ガスの温度に保つように構成されていることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
説明した解決手段は、重質炭化水素不純物があるときに従来のサブクールシステムを直接再液化装置に適応することによる変換を可能にする。本解決手段により、冷却中の重質炭化水素の結晶化が防止される。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 例えば液化天然ガスのための液化ガス貯蔵部(2)を低温に保つためのデバイスであって、極低温冷凍機(3)と、管のセットを備えるサブクール回路(4、5)とを備え、前記サブクール回路(4、5)は、液化ガス貯蔵部(2)の下部に据えられることが意図され、かつ前記液化天然ガスを吸引するように構成された吸引端部(4)と、前記サブクール回路(4、5)によって吸引された流体と前記極低温冷凍機(3)との間で熱を交換する熱交換器(6)とを備え、前記サブクール回路(4、5)は、前記熱交換器(6)内で冷却された流体を前記液化ガス貯蔵部(2)内に注入するように構成された少なくとも1つの注入端部(5、7)を備え、前記デバイス(1)は、ボイルオフガスを回収するために前記液化ガス貯蔵部(2)の上部に接続されることが意図された上流端部を有するボイルオフガス回収管(8)を更に備え、前記ボイルオフガス回収管(8)は、ボイルオフガスの消費部、例えばバーナ及び/又はモータに接続されることが意図された下流端部(18)を備え、前記デバイス(1)は、ボイルオフガスを前記ボイルオフガス回収管(8)から前記サブクール回路(4、5)に移送することを可能にするように構成されたバイパス管(9)と弁(10)のセットとを備え、前記バイパス管(9)は、前記ボイルオフガス回収管(8)に接続された第1の端部と、前記サブクール回路(4、5)に接続された第2の端部とを有する、デバイスにおいて、
前記バイパス管(9)の前記第2の端部が、前記熱交換器(6)の上流で前記サブクール回路(4、5)に接続されることを特徴とする、デバイス。
[2] 前記弁(10)のセットが、前記バイパス管(9)上の流れ制御弁を備えることを特徴とする、[1]に記載のデバイス。
[3] 前記流れ制御弁(10)が、前記熱交換器(6)に入る流体の温度を所与の値だけ、例えば5℃~25℃だけ増加させるために、ボイルオフガス流を前記サブクール回路(4、5)に移送するように構成された制御弁であることを特徴とする、[2]に記載のデバイス。
[4] 前記流れ制御弁(10)が、前記熱交換器(6)に入る流体の温度を前記液化天然ガスの飽和温度未満に保つために、ボイルオフガス流を前記サブクール回路(4、5)に移送するように構成された制御弁であることを特徴とする、[2]又は[3]に記載のデバイス。
[5] 前記流れ制御弁(10)が、前記熱交換器(6)から出てくる流体の温度を、所与の値を上回る、例えば-160℃を上回るように、及び/又は前記液化ガス貯蔵部内の前記液化天然ガスの温度に等しい値に、及び/又は前記吸引端部(4)で吸引された前記液化天然ガスの温度に等しい値に保つために、ボイルオフガス流を前記サブクール回路(4、5)に移送するように構成された制御弁であることを特徴とする、[2]~[4]のいずれか一項に記載のデバイス。
[6] 前記ボイルオフガス回収管(8)が少なくとも1つの圧縮機(11)を備えることと、前記バイパス管(9)の前記第1の端部が、前記圧縮機(11)の下流で前記ボイルオフガス回収管(8)に接続されていることと、を特徴とする、[1]~[5]のいずれか一項に記載のデバイス。
[7] 前記ボイルオフガス回収管(8)が直列の複数の圧縮機(11)を備えることと、前記バイパス管(9)の前記第1の端部が、中間圧縮機(11)の下流、すなわち直列の最後の圧縮機の上流で前記ボイルオフガス回収管(8)に接続されていることと、を特徴とする、[6]に記載のデバイス。
[8] 前記圧縮機(11)が、前記吸引端部(4)で吸引されて前記サブクール回路(4、5)に送出される液体の圧力よりも大きい圧力でガス流を前記バイパス管(9)に供給するように構成されていることを特徴とする、[6]又は[7]に記載のデバイス。
[9] 前記デバイスが前記ボイルオフガスを前記サブクール回路(4、5)中に混合させるための混合ユニット(12)を含み、前記混合ユニット(12)が、例えば、前記バイパス管(9)の前記第2の端部と前記サブクール回路(4、5)との間の接合部に位置し、前記混合ユニット(12)が、注入を伴う間接熱交換器、液体へのガス注入器、静的混合器、上流注入器、濾過システム、不規則充填物又は規則充填物を有する凝縮液ポットのうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする、[1]~[8]のいずれか一項に記載のデバイス。
[10] 前記バイパス管(9)が、前記サブクール回路(4、5)に移送される前記ボイルオフガスと熱交換する予冷ユニット(13)を備え、前記予冷ユニット(13)が、例えば、移送された前記ボイルオフガスの流れを、前記ボイルオフガス回収管(8)内の前記ボイルオフガスの温度と前記液化天然ガスの温度との間の中間温度に冷却するように構成されていることを特徴とする、[1]~[9]のいずれか一項に記載のデバイス。
[11] 前記ボイルオフガス回収管(8)が、前記ボイルオフガス回収管(8)内のボイルオフガスと前記バイパス管(9)内のボイルオフガスとの間の熱交換を可能にする熱交換器(16)を備えることを特徴とする、[1]~[10]のいずれか一項に記載のデバイス。
[12] 前記バイパス管(9)が、前記ボイルオフガス回収管(8)上の前記熱交換器(16)を通して流れることが許容される前記バイパス管(9)内のボイルオフガスの流れを制御する迂回管(14)と、弁(15)のセットと、を備えることを特徴とする、[11]に記載のデバイス。
[13] 前記吸引端部(4)が吸引ポンプ(17)を備えることを特徴とする、[1]~[12]のいずれか一項に記載のデバイス。
[14] 例えば液化天然ガスのための液化ガス貯蔵施設、例えば液化ガスを運搬する船であって、少なくとも1つの液化ガス貯蔵部(2)と、前記液化ガス貯蔵部に収容された流体を低温に保つためのデバイスとを備え、低温に保つための前記デバイス(1)は、[1]~[13]のいずれか一項に記載のデバイスである、液化ガス貯蔵施設。
[15] [1]~[13]のいずれか一項に記載のデバイスを使用して液化ガス貯蔵部(2)を低温に保つための方法であって、極低温貯蔵部から液化ガスを汲み上げることと、汲み上げられた前記液化ガスを冷却することと、冷却された前記液化ガスを前記液化ガス貯蔵部に再注入することとを備え、前記方法は、前記液化ガス貯蔵部からボイルオフガスを回収することと、汲み上げられた前記液化ガスが冷却される前にボイルオフガスを前記液化ガスに注入し混合するステップを備える、方法。
[16] 前記注入し混合するステップが、汲み上げられた前記液化ガスを所与の値だけ冷却する前に、汲み上げられた前記液化ガスの温度を上昇させるように構成され、並びに/又は冷却された前記液化ガスの温度を所与の閾値未満に保つように、及び/若しくは貯蔵された或いは汲み上げられた前記液化ガスの温度に保つように構成されていることを特徴とする、[15]に記載の方法。
【外国語明細書】