(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025026315
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】顔とジェスチャーの複合認識を用いた認証強化及び状況伝達システム
(51)【国際特許分類】
E05B 49/00 20060101AFI20250214BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20250214BHJP
G06V 40/10 20220101ALI20250214BHJP
【FI】
E05B49/00 R
G06T7/00 510A
G06V40/10
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024096415
(22)【出願日】2024-06-14
(31)【優先権主張番号】10-2023-0104702
(32)【優先日】2023-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】521327954
【氏名又は名称】株式会社セキュアコリア
【氏名又は名称原語表記】SECURE KOREA,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】チャン ウォン ソク
【テーマコード(参考)】
2E250
5B043
【Fターム(参考)】
2E250AA03
2E250AA06
2E250DD08
2E250FF11
2E250FF18
5B043AA05
5B043BA04
(57)【要約】
【課題】本発明は、一般的にホテルやオフィスなどの空間を便利且つ安全に利用できるように技術的にサポートする技術に関する。
【解決手段】特に、本発明は、顔認識とジェスチャー認識を組み合わせて、セキュリティドアの顔認識装置を用いて出入要求者を認証する際に、特定のジェスチャーを取ることにより、正常出入者であることを複合認証するか、あるいは現状(正常、異常、脅威など)を外部に伝達する機能を実現した、顔とジェスチャーの複合認識を用いた認証強化及び状況伝達技術に関する。本発明によれば、顔認識とジェスチャー認識とを組み合わせることにより、出入認証を強化することができるという利点がある。また、本発明によれば、ジェスチャー登録により、ユーザ自身が現在危険な状況であることをセキュリティ管理システムに秘密に伝えることができるという利点がある。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の空間の内外を区画するように設置され、起立状態の人の顔に対応する高さで屋外に向けて顔認識装置(200)が固定設置され、前記顔認識装置(200)に連動した顔認識結果及びジェスチャー検証結果に応じてドアを開閉するためのセキュリティドア(100)と、
出入管理コンピュータ(400)を介して正常出入者(B)から顔写真を受信し、顔データベース(310A)に格納し、前記セキュリティドア(100)の前記顔認識装置(200)で取得した出入要求者(A)の顔画像を分析して顔属性を抽出し、その顔属性を前記顔データベース(310A)に照会した結果に応じて、前記出入要求者(A)が該当空間への出入りを許可された正常出入者であるか否かを判断し、前記セキュリティドア(100)に提供する顔分析サーバ(310)と、
出入管理コンピュータ(400)を介して正常出入者(B)から特定のジェスチャー動作及びそれに対応する正常出入者の検証または状況情報のマッチング関係が提供され、ジェスチャーデータベース(320A)に格納し、前記セキュリティドア(100)の前記顔認識装置(200)によって取得された出入要求者(A)の撮影画像を分析することにより、前記出入要求者(A)のジェスチャーであるユーザジェスチャーを識別し、そのユーザジェスチャーを前記ジェスチャーデータベース(320A)に照会した結果に応じて、前記ジェスチャーデータベース(320A)に予め格納されているマッチング関係の情報に対応して、前記出入要求者(A)が該当空間への出入りを許可された正常出入者であるか否かを検証し、前記セキュリティドア(100)に提供するか、あるいは前記ユーザジェスチャーとマッチング設定された状況情報を管理者端末(500)に送信する、ジェスチャー分析サーバ(320)と、
を含んでなる、顔とジェスチャーの複合認識を用いた認証強化及び状況伝達システム。
【請求項2】
前記ジェスチャー分析サーバ(320)が、前記ユーザジェスチャーによる正常出入者の検証に成功した場合には、検証成功結果をセキュリティドア(100)に提供し、前記ユーザジェスチャーによる正常出入者の検証に失敗した場合には、検証失敗結果を前記セキュリティドア(100)に提供し、かつ、前記ユーザジェスチャーとマッチング設定された状況情報を管理者端末(500)に送信するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の顔とジェスチャーの複合認識を用いた認証強化及び状況伝達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にホテルやオフィスなどの空間を便利且つ安全に利用できるように技術的にサポートする技術に関する。
特に、本発明は、顔認識とジェスチャー認識を組み合わせて、セキュリティドアの顔認識装置を用いて出入要求者を認証する際に、特定のジェスチャーを取ることにより、正常出入者であることを複合認証するか、あるいは現状(正常、異常、脅威など)を外部に伝達する機能を実現した、顔とジェスチャーの複合認識を用いた認証強化及び状況伝達技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホテルやオフィスなどの空間を安全に利用するための取り組みがなされてきた。出入りを管理する管理者(マネージャ)を配置する方式が一般的であるが、これは、利用者の利便性、管理コスト、ウイルス感染管理の観点から好ましくない。そこで、電子機器を用いて出入りを管理する方式が導入された。
【0003】
まず、正常出入者に出入カードを支給したり、QRコード(登録商標)を発行してスマートゲートに出入カードやQRコードをタグ付けすることで、ドアを開ける方式が用いられた。
【0004】
また、正常出入者の指紋情報や顔情報を予め登録しておき、指紋認識装置や顔認識装置によって出入要求者の指紋または顔を確認し、登録ユーザの場合にのみドアを開ける方式も用いられた。
【0005】
このように、空間を安全に利用するための様々な技術が提示されており、これは一般的に、出入要求者が正常出入者であるか否かを確認することを意図している。
しかしながら、現実には様々な脅威が存在する。特に、正常出入者が、例えば誰かの脅威などにより、不本意な状況で出入を要求することがあるが、従来の技術的手段ではこれを区別したり、適切に対応したりすることができないという欠点があった。
【0006】
また、生体認識ベースの出入管理方式にも欠点がある。指紋認識の場合には、指で触れることに人々が不快感を訴える問題もあり、指が濡れていたり乾いていたりすると認識しにくいという欠点がある。また、顔認識の場合には、親戚や双子のように、顔が非常に似ている人を区別できず、間違った人に出入りを許可してしまうという欠点がある。
【0007】
このような課題を解決するための技術開発が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、一般的にホテルやオフィスなどの空間を便利且つ安全に利用できるように技術的にサポートする技術を提供することを目的とする。
特に、本発明は、顔認識とジェスチャー認識を組み合わせて、セキュリティドアの顔認識装置を用いて出入要求者を認証する際に、特定のジェスチャーを取ることにより、正常出入者であることを複合認証するか、あるいは現状(正常、異常、脅威など)を外部に伝達する機能を実現した、顔とジェスチャーの複合認識を用いた認証強化及び状況伝達技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明に係る顔とジェスチャーの複合認識を用いた認証強化及び状況伝達システムは、特定の空間の内外を区画するように設置され、起立状態の人の顔に対応する高さで屋外に向けて顔認識装置200が固定設置され、顔認識装置200に連動した顔認識結果及びジェスチャー検証結果に応じてドアを開閉するためのセキュリティドア100と、出入管理コンピュータ400を介して正常出入者Bから顔写真を受信し、顔データベース310Aに格納し、セキュリティドア100の顔認識装置200で取得した出入要求者Aの顔画像を分析して顔属性を抽出し、その顔属性を顔データベース310Aに照会した結果に応じて、出入要求者Aが該当空間への出入りを許可された正常出入者であるか否かを判断し、セキュリティドア100に提供する顔分析サーバ310と、出入管理コンピュータ400を介して正常出入者Bから特定のジェスチャー動作及びそれに対応する正常出入者の検証または状況情報のマッチング関係が提供され、ジェスチャーデータベース320Aに格納し、セキュリティドア100の顔認識装置200によって取得された出入要求者Aの撮影画像を分析することにより、出入要求者Aのジェスチャー(以下、「ユーザジェスチャー」という)を識別し、そのユーザジェスチャーをジェスチャーデータベース320Aに照会した結果に応じて、ジェスチャーデータベース320Aに予め格納されているマッチング関係の情報に対応して、出入要求者Aが該当空間への出入りを許可された正常出入者であるか否かを検証し、セキュリティドア100に提供するか、あるいはユーザジェスチャーとマッチング設定された状況情報を管理者端末500に送信するジェスチャー分析サーバ320と、を含んでなる。
【0010】
そのとき、ジェスチャー分析サーバ320は、ユーザジェスチャーによる正常出入者の検証に成功した場合には、検証成功結果をセキュリティドア100に提供し、ユーザジェスチャーによる正常出入者の検証に失敗した場合には、検証失敗結果をセキュリティドア100に提供し、ユーザジェスチャーとマッチング設定された状況情報を管理者端末500に送信するように構成されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、顔認識とジェスチャー認識とを組み合わせることにより、出入認証を強化することができるという利点がある。
また、本発明によれば、ジェスチャー登録により、ユーザ自身が現在危険な状況であることをセキュリティ管理システムに秘密に伝えることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一般的な顔認識に基づく出入管理システムの全体構成図である。
【
図2】一般的な顔認識に基づく出入管理システムの動作フローチャートである。
【
図3】本発明に係る顔とジェスチャーの複合認識を用いた認証強化及び状況伝達システムの全体構成図である。
【
図4】本発明における顔認識に基づく正常出入者の認証の概念図である。
【
図5】本発明におけるジェスチャー認識に基づく認証強化及び状況伝達の概念図である。
【
図6】本発明におけるジェスチャーに基づく状況伝達の例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照し、本発明について詳細に説明する。
本発明の説明において、従来技術と重複する部分については詳細な説明を省略する。
図1は、一般的な顔認識に基づく出入管理システムの全体構成図であり、
図2は、一般的な顔認識に基づく出入管理システムの動作フローチャートである。
【0014】
図1を参照すると、一般的な出入管理システムは、顔認識装置20が設置されたセキュリティドア10と、顔分析サーバ30と、出入管理コンピュータ40とから構成される。出入管理コンピュータ40は、当該空間への出入が許可された人の顔を登録または削除するための装置であり、セキュリティドア10は、顔認識装置20による出入要求者Aの登録有無確認結果に応じて開閉制御する。
【0015】
顔分析サーバ30は、正常出入者の顔属性を予め抽出して顔データベース30Aに格納しておく。顔認識装置20から出入要求者Aの顔画像(映像)が送信されると、顔分析サーバ30は、顔画像(映像)を分析して顔データベース30Aを照会することにより、出入要求者Aが正常出入者であるか否かを判断する。
【0016】
セキュリティドア10は、顔分析サーバ30から正常出入者であるという判断結果を受け取ると、ドアを開く。
顔認識は、一般に以下のステップを経て行われる。まず、顔認識装置20によってセキュリティドア10の外部正面の画像を取得し、その画像内に顔があると、その顔部分(顔画像)を検出する。その後、顔画像から顔属性を抽出する。通常、ランドマーク(特定の位置の点)を検出した後に顔属性を取得する。次に、顔データベース30Aを照会し、顔マッチングによって出入要求者Aが当該空間への出入りが許可された人物(正常出入者、登録ユーザ)であるか否かを判断する。
【0017】
顔分析サーバ30と顔データベース30Aとが顔認識装置20に一体的に実装される方法も可能である。そのときには、ネットワークが切れた場合でも顔認識によるセキュリティドア10の開閉が可能である。顔分析サーバ30と顔データベース30Aとをクラウドベースで実装することもできる。
【0018】
図2を参照すると、セキュリティドア10の顔認識装置20が出入要求者Aの顔を検出し(S100)、顔分析サーバ30が出入要求者Aの顔属性を抽出してから(S110)、顔データベース30Aと比較する顔マッチングを行う(S120)。顔マッチングの結果(S130)、出入要求者Aが正常出入者(登録ユーザ)に該当すると、認証ログを格納し、顔マッチング結果(顔認識結果)をセキュリティドア10に送信する(S140,S150)。顔認識結果に応じて、セキュリティドア10が開かれる(S160)。逆に、顔マッチングの結果(S130)、出入要求者Aが正常出入者でないと、セキュリティドア10は開かない。
【0019】
図3は、本発明に係る顔とジェスチャーの複合認識を用いた認証強化及び状況伝達システムの全体構成図である。
本発明の説明において、従来技術と重複する部分については詳細な説明を省略する。
【0020】
本発明による認証強化及び状況伝達システムは、顔認識装置200が設置されたセキュリティドア100と、出入要求者Aに対して顔認識を行う顔分析サーバ310と、出入要求者Aに対してジェスチャー分析を行うジェスチャー分析サーバ320とを含んでなる。顔分析サーバ310は、顔データベース310Aを運用し、ジェスチャー分析サーバ320は、ジェスチャーデータベース320Aを運用する。
【0021】
一方、出入管理コンピュータ400は、当該空間への出入りが許可された人物の顔を登録または削除するための装置であり、管理者端末500は、当該空間に対する管理者(例えば、警備員)や警察署に備えられた装置である。
【0022】
このような構成により、本発明によれば、顔認識とジェスチャー認識を組み合わせることにより、出入認証を強化し、ユーザ自身が現在危険な状況であることをセキュリティ管理システムに秘密に伝えることができる。
【0023】
まず、セキュリティドア100は、特定の空間の内外を区画するように設けられたドア構造物である。セキュリティドア100には、起立状態の人の顔に対応する高さで屋外に向けて顔認識装置200が固定設置され、顔認識装置200に連動した顔分析サーバ310とジェスチャー分析サーバ320の顔認識結果及びジェスチャー検証結果に応じて、セキュリティドア100がドアを開閉する。
【0024】
顔分析サーバ310は、出入要求者Aに対して顔認識に基づいて出入り許可の可否を判断し、その判定結果をセキュリティドア100に提供する構成要素である。
図4は、本発明において、顔分析サーバ310が行う顔認識に基づく正常出入者の認証の概念図である。
【0025】
まず、出入管理コンピュータ400は、セキュリティドア100が設置された該当空間の正常出入者Bから顔写真を受信する。例えば、スマートフォンの自撮り写真を受信してもよい。その顔写真は、顔分析サーバ310に送信され、顔分析サーバ310は、正常出入者Bの顔写真を顔データベース310Aに格納する。
【0026】
その後、出入要求者Aがセキュリティドア100に到着すると、セキュリティドア100は、ドアの開閉可否を判断しなければならない。そのとき、セキュリティドア100の顔認識装置200は、出入要求者Aの顔を撮影し、それから顔認識のためのトライアルデータ(trial data)を取得する。一実施形態として、トライアルデータは、出入要求者Aの顔画像である。
【0027】
顔分析サーバ310は、出入要求者Aの顔画像(トライアルデータ)を分析して顔属性を抽出し、その顔属性を顔データベース310Aに照会する。その照会の結果、該当顔属性が顔データベース310Aに登録されている場合、顔分析サーバ310は、出入要求者Aが当該空間への出入りを許可された正常出入者Bであると判断する。一方、顔データベース310Aに登録されていない場合、顔分析サーバ310は、出入要求者Aが正常出入者Bではないと判断する。
【0028】
ジェスチャー分析サーバ320は、出入要求者Aに対してジェスチャー認識に基づいて出入認証を強化するか、あるいは状況伝達を行う構成要素である。
図5は、本発明におけるジェスチャー認識に基づく認証強化及び状況伝達の概念図である。
【0029】
まず、出入管理コンピュータ400は、好ましくは、正常出入者Bから顔写真を受信し、それと同時に特定のジェスチャー動作を受信する。そして、例えば、メニュー操作によって、そのジェスチャー動作に対応して正常出入者であるか否かに関する追加検証を行うように設定するか、あるいはそのジェスチャー動作が特定の状況(例えば、正常、異常、脅威など)に対応するように設定するためのユーザ操作を受信する。
【0030】
そのような情報は、ジェスチャー分析サーバ320に送信され、ジェスチャー分析サーバ320は、ジェスチャー動作とそれに対応する正常出入者の検証または状況情報とのマッチング関係をジェスチャーデータベース320Aに格納する。
【0031】
そのとき、正常出入者の検証に用いるためのジェスチャー動作が設定されている場合、顔分析サーバ310による顔認識に基づく正常出入者の認証と、ジェスチャー分析サーバ320によるジェスチャー認識に基づく正常出入者の検証との両方に成功した場合のみ、セキュリティドア100が開かれる。正常出入者の検証に用いるジェスチャーは、本人のみが知っているものであるため、他人が偽の顔(例えば、写真、蝋マスクなど)によって出入りしようとする場合、セキュリティドア100は開かれない。
【0032】
また、状況を伝えるためのジェスチャー動作が設定されている場合、出入要求者Aがそのジェスチャーを取ると、そのマッチング設定された状況情報が管理者端末500に送信される。
【0033】
前述のように、出入要求者Aがセキュリティドア100に到着してドアの開錠を要求すると、セキュリティドア100の顔認識装置200は、出入要求者Aの顔を撮影し、顔分析サーバ310による顔認識に基づく正常出入者の認証を行う。好ましくは、顔認識装置200は、それと同時に出入要求者Aを撮影し、その撮影画像をジェスチャー分析サーバ320に送信する。
【0034】
ジェスチャー分析サーバ320は、その出入要求者Aの撮影画像を分析して、出入要求者Aのジェスチャー(以下、「ユーザジェスチャー」という)を識別し、そのユーザジェスチャーをジェスチャーデータベース320Aに照会する。
【0035】
ジェスチャーデータベース320Aに予め格納されているマッチング関係の情報に対応して、ジェスチャー分析サーバ320は、ユーザジェスチャーを、出入要求者Aが該当空間への出入りを許可された正常出入者であるか否かを検証する目的で使用できる。その場合、正常出入者か否かの検証結果をセキュリティドア100に提供する。
【0036】
また、ジェスチャーデータベース320Aに予め格納されているマッチング関係の情報に対応して、ジェスチャー分析サーバ320は、ユーザジェスチャーとマッチング設定された状況情報をジェスチャーデータベース320Aから取得して管理者端末500に送信することもできる。
【0037】
図6は、本発明におけるジェスチャーに基づく状況伝達の例示図である。
図6において、青色で示される(f1)及び(f2)は、顔分析サーバ310が顔認識に用いる領域であり、赤色で示される(g1)及び(g2)は、ジェスチャー分析サーバ320がジェスチャーに基づく状況伝達に用いる領域である。
【0038】
一例として、
図6の(a)のようなV字型のジェスチャーを取る場合には、出入要求者Aが現在正常状態であることを示すものであり、
図6の(b)のような手のひら全体を広げて振るジェスチャーを取る場合には、出入要求者Aが現在脅迫状態であることを示す、とマッチング設定することができる。そのようなマッチング設定は、
図5に示すように、正常出入者Bが出入管理コンピュータ400を介して提供することができる。実施形態によっては、出入管理コンピュータ400の代わりに顔認識装置200が用いられてもよい。
【0039】
図5において、出入要求者Aがセキュリティドア100の前で
図6の(b)のジェスチャーを取る場合、ジェスチャー分析サーバ320は、そのジェスチャーに対するジェスチャーデータベース320Aの照会結果から出入要求者Aが現在脅迫状態であるという情報を取得し、その状態情報を管理者端末500に送信して、セキュリティ管理システムによって適切な措置を講じることができる。
【0040】
以上では、ジェスチャーに基づいて正常出入者の検証を行う構成と、状況情報を送信する構成とがオプションであるように説明した。しかしながら、本発明は、正常出入者の検証と状況情報伝達とを組み合わせて構成することもできる。
【0041】
一例として、
図5において、正常出入者Bが
図6の(a)の正常通知ジェスチャーと
図6の(b)の危険通知ジェスチャーを登録したと仮定する。
ジェスチャー分析サーバ320は、出入要求者Aが
図6の(a)のような正常通知ジェスチャーを取る場合には、正常出入者の検証に成功したとみなし、検証成功結果をセキュリティドア100に提供する。すなわち、正常通知ジェスチャーが正常出入者の検証用ジェスチャーとして活用される。
【0042】
逆に、出入要求者Aが正常通知ジェスチャー以外のジェスチャーを取らずに正常出入者の検証に失敗した場合には、まずその検証失敗結果をセキュリティドア100に提供すると共に、出入要求者Aが取っているユーザジェスチャーとマッチング設定された状況情報をジェスチャーデータベース320Aから取得し、管理者端末500に送信するように構成してもよい。
【0043】
なお、顔分析サーバ310、顔データベース310A、ジェスチャー分析サーバ320、ジェスチャーデータベース320Aは、顔認識装置200またはセキュリティドア100に一体的に実装されてもよいし、クラウド上に実装されてもよい。本明細書では、
図3に示すように、これらの構成310,310A,320,320Aがネットワークを介して接続されている形態に基づいて述べている。これは便宜のためのものであり、他の方法を排除するものではない。また、出入管理コンピュータ400と管理者端末500とは一体的に実装されてもよく、別々に実装されてもよい。