(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025026326
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】航空機翼構造
(51)【国際特許分類】
B64C 3/18 20060101AFI20250214BHJP
【FI】
B64C3/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024102452
(22)【出願日】2024-06-26
(31)【優先権主張番号】18/232,808
(32)【優先日】2023-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】オルブライト, ジャスティン グレイ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】航空機用の翼構造を提供する。
【解決手段】航空機の翼104は、航空機の胴体の第1の側を越えて、及び航空機の胴体の第2の側を越えて延在する一体的構造を有する中央翼区域106を含む。航空機の翼はまた、第1の閉じパネル302Aを介してアクセス可能な第1のトラスシステムによって中央翼区域の第1の端部に装着された第1の翼端側翼区域108Aを含む。中央翼区域の第1の端部は、航空機の胴体の第1の側にある。航空機の翼はまた、第2の閉じパネル302Bを介してアクセス可能な第2のトラスシステムによって、中央翼区域の第2の端部に装着された第2の翼端側翼区域108Bを含む。中央翼区域の第2の端部は、航空機の胴体の第2の側にある。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機の翼(104)を備える航空機構造であって、前記航空機の翼(104)が、
航空機の胴体(102)の第1の側(120A)を越えて及び前記航空機の胴体(102)の第2の側(120B)を越えて延在する一体的構造を有する中央翼区域(106)と、
第1の閉じパネル(302A)を介してアクセス可能な第1のトラスシステム(500A)によって前記中央翼区域(108)の第1の端部(122A)に装着された、第1の翼端側翼区域(108A)であって、前記中央翼区域(108)の前記第1の端部(122A)が、前記航空機の胴体(102)の前記第1の側(120A)上にある、第1の翼端側翼区域(108A)と、
第2の閉じパネル(302B)を介してアクセス可能な第2のトラスシステム(500B)によって前記中央翼区域(108)の第2の端部(122B)に装着された、第2の翼端側翼区域(108B)であって、前記中央翼区域(108)の前記第2の端部(122B)が、前記航空機の胴体(102)の前記第2の側(120B)上にある、第2の翼端側翼区域(108B)と
を備える、航空機構造。
【請求項2】
前記中央翼区域(106)に取り付けられた第1のエンジン(110A)であって、前記第1の翼端側翼区域(108A)が、前記第1のエンジン(110A)よりも翼端側にある、第1のエンジン(110A)と、
前記中央翼区域(106)に取り付けられた第2のエンジン(110B)であって、前記第2の翼端側翼区域(108B)が、前記第2のエンジン(110B)よりも翼端側にある、第2のエンジン(110B)と
を更に備える、請求項1に記載の航空機構造。
【請求項3】
前記第1のトラスシステム(500A)が、少なくとも、一又は複数のストリンガ(502)、一又は複数の前桁(504)、及び一又は複数の後桁(506)を備え、第1の荷重が、前記一又は複数のストリンガ(502)、前記一又は複数の前桁(504)、及び前記一又は複数の後桁(506)に沿って伝達される、請求項1に記載の航空機構造。
【請求項4】
前記第2のトラスシステム(500B)が、少なくとも、一又は複数のストリンガ(502)、一又は複数の前桁(504)、及び一又は複数の後桁(506)を備え、第2の荷重が、前記一又は複数のストリンガ(502)、前記一又は複数の前桁(504)、及び前記一又は複数の後桁(506)に沿って伝達される、請求項1に記載の航空機構造。
【請求項5】
前記第1のトラスシステム(500A)が、前記第1の閉じパネル(302A)に関連した第1のアクセスパネル開口部(590)を通してアクセス可能であり、前記第2のトラスシステム(500B)が、前記第2の閉じパネル(302B)に関連した第2のアクセスパネル開口部(590)を通してアクセス可能である、請求項1に記載の航空機構造。
【請求項6】
前記航空機の胴体(102)の前記第1の側(120A)に連結された、第1の開放形状ブラケット(902)と、
前記航空機の胴体(102)の前記第1の側(120A)に近接した第1の場所で、前記中央翼区域(106)に連結された、第1の閉鎖形状ブラケット(904)であって、前記第1の閉鎖形状ブラケット(904)の第1の先端が、前記第1の開放形状ブラケット(902)の開口部内に挿入される、第1の閉鎖形状ブラケット(904)と、
前記第1の開放形状ブラケット(902)を、前記第1の閉鎖形状ブラケット(904)に連結する、第1の複数のファスナ(1020)と
を更に備える、請求項1に記載の航空機構造。
【請求項7】
前記航空機の胴体(102)の前記第2の側(120B)に連結された、第2の開放形状ブラケット(902)と、
前記航空機の胴体(102)の前記第2の側(120B)に近接した第2の場所で、前記中央翼区域(106)に連結された、第2の閉鎖形状ブラケット(904)であって、前記第2の閉鎖形状ブラケット(904)の第2の先端が、前記第2の開放形状ブラケット(902)の開口部内に挿入される、第2の閉鎖形状ブラケット(904)と、
前記第2の開放形状ブラケット(902)を、前記第2の閉鎖形状ブラケット(904)に連結する、第2の複数のファスナ(1020)と
を更に備える、請求項6に記載の航空機構造。
【請求項8】
前記中央翼区域(106)が、中央翼閉じパネル(750)を介してアクセス可能である、少なくとも1つの中央翼アクセスパネル開口部(802)を備え、前記少なくとも1つの中央翼アクセスパネル開口部(802)が、前記第1の閉じパネル(302A)に関連した第1のアクセスパネル開口部と、前記第2の閉じパネル(302B)に関連した第2のアクセスパネル開口部との間にある、請求項1に記載の航空機構造。
【請求項9】
少なくとも1つの航空機システムが、前記少なくとも1つの中央翼アクセスパネル開口部(802)を介してアクセス可能である、請求項8に記載の航空機構造。
【請求項10】
燃料システムが、前記少なくとも1つの中央翼アクセスパネル開口部(802)を介してアクセス可能である、請求項8に記載の航空機構造。
【請求項11】
航空機構造を製造する方法(1200)であって、
第1の閉じパネル(302A)を介してアクセス可能な第1のトラスシステム(500A)によって、航空機の翼(104)の第1の翼端側翼区域(108A)を、前記航空機の翼(104)の中央翼区域(106)の第1の端部(122A)に装着すること(1202)であって、前記中央翼区域(106)が、航空機の胴体(102)の第1の側(120A)を越えて、及び前記航空機の胴体(102)の第2の側(120B)を越えて延在する一体的構造を有し、前記中央翼区域(106)の前記第1の端部(122A)が、前記航空機の胴体(102)の前記第1の側(120A)上にある、第1の翼端側翼区域(108A)を装着すること(1202)と、
第2の閉じパネル(302B)を介してアクセス可能な第2のトラスシステム(500B)によって、前記航空機の翼(104)の第2の翼端側翼区域(108B)を、前記中央翼区域(106)の第2の端部(122B)に装着すること(1204)であって、前記中央翼区域(106)の前記第2の端部(122B)が、前記航空機の胴体(102)の前記第2の側(120B)上にある、第2の翼端側翼区域(108B)を装着すること(1204)と、
前記中央翼区域(106)に第1のエンジン(110A)を取り付けること(1206)であって、前記第1の翼端側翼区域(108A)が前記第1のエンジン(110A)よりも翼端側にある、第1のエンジン(110A)を取り付けること(1206)と、
前記中央翼区域(106)に第2のエンジン(110B)を取り付けること(1208)であって、前記第2の翼端側翼区域(108B)が前記第2のエンジン(110B)よりも翼端側にある、第2のエンジン(110B)を取り付けること(1208)と
を含む、方法(1200)。
【請求項12】
前記第1のトラスシステム(500A)が、少なくとも、一又は複数のストリンガ(502)、一又は複数の前桁(504)、及び一又は複数の後桁(506)を備え、第1の荷重が、前記一又は複数のストリンガ(502)、前記一又は複数の前桁(504)、及び前記一又は複数の後桁(506)に沿って伝達される、請求項11に記載の方法(1200)。
【請求項13】
前記第2のトラスシステム(500B)が、少なくとも、一又は複数のストリンガ(502)、一又は複数の前桁(504)、及び一又は複数の後桁(506)を備え、第2の荷重が、前記一又は複数のストリンガ(502)、前記一又は複数の前桁(504)、及び前記一又は複数の後桁(506)に沿って伝達される、請求項12に記載の方法(1200)。
【請求項14】
前記第1のトラスシステム(500A)が、前記第1の閉じパネル(302A)に関連した第1のアクセスパネル開口部(590)を通してアクセス可能であり、前記第2のトラスシステム(500B)が、前記第2の閉じパネル(302B)に関連した第2のアクセスパネル開口部(590)を通してアクセス可能である、請求項11に記載の方法(1200)。
【請求項15】
前記航空機の胴体(102)の前記第1の側(120A)に第1の開放形状ブラケット(902)を連結することと、
前記航空機の胴体(102)の前記第1の側(120A)に近接した第1の場所で、前記中央翼区域(106)に第1の閉鎖形状ブラケット(904)を連結することであって、前記第1の閉鎖形状ブラケット(904)の第1の先端が、前記第1の開放形状ブラケット(902)の開口部内に挿入される、第1の閉鎖形状ブラケット(904)を連結することと、
前記第1の開放形状ブラケット(902)を、前記第1の閉鎖形状ブラケット(904)に連結することと
を更に含む、請求項11に記載の方法(1200)。
【請求項16】
前記航空機の胴体(102)の前記第2の側(120B)に第2の開放形状ブラケット(902)を連結することと、
前記航空機の胴体(102)の前記第2の側(120B)に近接した第2の場所で、前記中央翼区域(106)に第2の閉鎖形状ブラケット(904)を連結することであって、前記第2の閉鎖形状ブラケット(904)の第2の先端が、前記第2の開放形状ブラケット(902)の開口部内に挿入される、第2の閉鎖形状ブラケット(904)を連結することと、
前記第2の開放形状ブラケット(902)を、前記第2の閉鎖形状ブラケット(904)に連結することと
を更に含む、請求項15に記載の方法(1200)。
【請求項17】
航空機(100)であって、
胴体(102)と、
航空機の翼(104)であって、
前記胴体(102)の第1の側(120A)を越えて及び前記胴体(102)の第2の側(120B)を越えて延在する一体的構造を有する、中央翼区域(106)、
第1の閉じパネル(302A)を介してアクセス可能な第1のトラスシステム(500A)によって前記中央翼区域(106)の第1の端部(122A)に装着された、第1の翼端側翼区域(108A)であって、前記中央翼区域(106)の前記第1の端部(122A)が、前記胴体(102)の前記第1の側(120A)上にある、第1の翼端側翼区域(108A)、及び
第2の閉じパネル(302B)を介してアクセス可能な第2のトラスシステム(500B)によって前記中央翼区域(106)の第2の端部(122B)に装着された、第2の翼端側翼区域(108B)であって、前記中央翼区域(106)の前記第2の端部(122B)が、前記胴体(102)の前記第2の側(120A)上にある、第2の翼端側翼区域(108B)
を備える、航空機の翼(104)と、
前記中央翼区域(106)に取り付けられた第1のエンジン(110A)であって、前記第1の翼端側翼区域(108A)が、前記第1のエンジン(110A)よりも翼端側にある、第1のエンジン(110A)と、
前記中央翼区域(106)に取り付けられた第2のエンジン(110B)であって、前記第2の翼端側翼区域(108B)が、前記第2のエンジン(110B)よりも翼端側にある、第2のエンジン(110B)と
を備える、航空機(100)。
【請求項18】
前記胴体(102)の前記第1の側(120A)に連結された、第1の開放形状ブラケット(902)と、
前記胴体(102)の前記第1の側(120A)に近接した第1の場所で、前記中央翼区域(106)に連結された、第1の閉鎖形状ブラケット(904)であって、前記第1の閉鎖形状ブラケット(904)の第1の先端が、前記第1の開放形状ブラケット(902)の開口部内に挿入される、第1の閉鎖形状ブラケット(904)と、
前記第1の開放形状ブラケット(902)を、前記第1の閉鎖形状ブラケット(904)に連結する、第1の複数のファスナ(1020)と
を更に備える、請求項17に記載の航空機(100)。
【請求項19】
前記胴体(102)の前記第2の側(120B)に連結された、第2の開放形状ブラケット(902)と、
前記胴体(102)の前記第2の側(120B)に近接した第2の場所で、前記中央翼区域(106)に連結された、第2の閉鎖形状ブラケット(904)であって、前記第2の閉鎖形状ブラケット(904)の第2の先端が、前記第2の開放形状ブラケット(902)の開口部内に挿入される、第2の閉鎖形状ブラケット(904)と、
前記第2の開放形状ブラケット(902)を、前記第2の閉鎖形状ブラケット(904)に連結する、第2の複数のファスナ(1020)と
を更に備える、請求項18に記載の航空機(100)。
【請求項20】
前記中央翼区域(106)が、中央翼閉じパネル(750)を介してアクセス可能である、少なくとも1つの中央翼アクセスパネル開口部(802)を備え、前記少なくとも1つの中央翼アクセスパネル開口部(802)が、前記第1の閉じパネル(302A)に関連した第1のアクセスパネル開口部と、前記第2の閉じパネル(302B)に関連した第2のアクセスパネル開口部との間にある、請求項17に記載の航空機(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、広くは、航空機に関し、より具体的には、航空機用の翼構造に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]この背景の記載は、概して、本開示の文脈を提示する目的で提供される。本明細書に別段の指示がなければ、この節に記載された材料は、本開示又は添付の請求項の従来技術であると、明示的にも黙示的にも認められていない。
【0003】
[0003]低翼航空機は、通常、航空機の翼の中央区域が航空機主翼ボックスに接続される胴体の側面に近接して、構造的ジョイント(例えば、翼ジョイント)を含む。航空機主翼ボックスは、通常、前縁フラップ、後縁フラップ、及び翼端装置などの他の翼構成要素のための装着点として役立つ航空機の翼の荷重運搬構造である。航空機主翼ボックスは胴体に近接しているので、航空機の翼の中央区域は比較的小さい場合がある。その結果、エンジン及び燃料管理に関連した多くの内部構造及びシステムが、航空機の翼の中央区域の翼端側にあり、ここでスペースは比較的限られてしまう。
【発明の概要】
【0004】
[0005]本出願は、改善された航空機翼構造を対象とする。特に、本明細書に記載の技法によって、航空機の翼の中央区域は、一体的構造を有し、航空機の翼の翼ジョイントは、エンジンよりも翼端側にある。翼ジョイントがエンジンよりも翼端側にあるように、航空機の翼を構築することによって、内部構造並びにエンジン及び燃料管理に関するシステムは、航空機の翼の中央区域に含まれ得る。更に、翼ジョイントがエンジンよりも翼端側にあるように、航空機の翼を構築することによって、翼端側翼区域を通して荷重を運ぶ必要のある相互接続部(例えば、ストリンガ)がより少なくなり、このことが、より少ないファスナへとつながり得る。幾つかの実施形態では、航空機の翼の中央区域は、航空機係員が、中央区域の非常に大きな部分にアクセスすることを可能にする大型の開口部及び閉じパネルを有し得る。
【0005】
[0006]本航空機翼は、自己調整式相互接続部を使用して、航空機の胴体に装着され得る。航空機の翼の胴体に対する主な荷重は垂直(例えば、「上」方向)であり、操縦荷重及び降着荷重が主な推進力として作用する。航空機の胴体に関連した逆操縦荷重は、航空機の翼のための主要な荷重よりも小さい。その結果、自己調整式相互接続部は、単独でファスナに依存するのとは反対に、相互接続部の特徴(例えば、構造的設計特徴)を通して大きな荷重を伝達することができる。
【0006】
[0007]一態様では、本出願は、航空機構造を開示する。航空機構造は、航空機の翼を含む。航空機の翼は、航空機の胴体の第1の側を越えて、及び航空機の胴体の第2の側を越えて延在する一体的構造を有する中央翼区域を含む。航空機の翼はまた、第1の閉じパネルを介してアクセス可能な第1のトラスシステムによって中央翼区域の第1の端部に装着された、第1の翼端側翼区域を含む。中央翼区域の第1の端部は、航空機の胴体の第1の側にある。航空機の翼はまた、第2の閉じパネルを介してアクセス可能な第2のトラスシステムによって中央翼区域の第2の端部に装着された、第2の翼端側翼区域を含む。中央翼区域の第2の端部は、航空機の胴体の第2の側にある。
【0007】
[0008]一態様では、本出願は、航空機構造を製造する方法を開示する。本方法は、第1の閉じパネルを介してアクセス可能な第1のトラスシステムによって航空機の翼の第1の翼端側翼区域を、航空機の翼の中央翼区域の第1の端部に装着することを含む。中央翼区域は、航空機の胴体の第1の側を越えて、及び航空機の胴体の第2の側を越えて延在する一体的構造を有する。中央翼区域の第1の端部は、航空機の胴体の第1の側にある。本方法はまた、第2の閉じパネルを介してアクセス可能な第2のトラスシステムによって、航空機の翼の第2の翼端側翼区域を、中央翼区域の第2の端部に装着することを含む。中央翼区域の第2の端部は、航空機の胴体の第2の側にある。本方法はまた、中央翼区域に第1のエンジンを取り付けることと、中央翼区域に第2のエンジンを取り付けることとを含む。第1の翼端側翼区域は、第1のエンジンよりも翼端側にあり、第2の翼端側翼区域は、第2のエンジンよりも翼端側にある。
【0008】
[0009]別の態様では、本出願は、航空機を開示する。航空機は、胴体及び航空機の翼を含む。航空機の翼は、胴体の第1の側を越えて、及び胴体の第2の側を越えて延在する一体的構造を有する中央翼区域を含む。航空機の翼はまた、第1の閉じパネルを介してアクセス可能な第1のトラスシステムによって中央翼区域の第1の端部に装着された第1の翼端側翼区域を含む。中央翼区域の第1の端部は、航空機の胴体の第1の側にある。航空機の翼はまた、第2の閉じパネルを介してアクセス可能な第2のトラスシステムによって中央翼区域の第2の端部に装着された第2の翼端側翼区域を含む。中央翼区域の第2の端部は、航空機の胴体の第2の側にある。航空機はまた、中央翼区域に取り付けられた第1のエンジン、及び中央翼区域に取り付けられた第2のエンジンを含む。第1の翼端側翼区域は、第1のエンジンよりも翼端側にあり、第2の翼端側翼区域は、第2のエンジンよりも翼端側にある。
【0009】
[0010]上記の概要は、例示目的にすぎず、いかなる意味でも限定を意図したものではない。上述された例示の態様、実施形態、及び特徴に加えて、更なる態様、実施形態、及び特徴が、図面及び後続の発明を実施するための形態を参照することによって明らかになるであろう。
【0010】
[0011]本出願の実施形態のより完全な理解は、下記の図面と併せて、「発明を実施するための形態」及び「特許請求の範囲」を参照することによってもたらされ得る。下記の図面では、全図面を通じて同様の参照番号は類似の要素を指し示し得る。数字は、本開示の理解を容易にするために提供されており、本開示の幅、範囲、規模、又は適用可能性を限定するものではない。図面は、必ずしも縮尺どおりに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】[0012]例示的な実施形態に係る、胴体、及び胴体を越えて延在する連続的中央区域を有する航空機の翼を含む、航空機である。
【
図2】[0013]例示的な実施形態に係る、航空機の翼の部分である。
【
図3】[0014]例示的な実施形態に係る、胴体の第1の側の航空機の翼の底部である。
【
図4】[0015]例示的な実施形態に係る、胴体の第2の側の航空機の翼の底部である。
【
図5】[0016]例示的な実施形態に係る、航空機の翼の中央翼区域を、航空機の翼の翼端側翼区域に装着するトラスシステムである。
【
図6】[0017]例示的な実施形態に係る、航空機の翼の中央翼区域を、航空機の翼の翼端側翼区域に装着する別のトラスシステムである。
【
図7】[0018]例示的な実施形態に係る、航空機の翼を構築し、航空機の翼を胴体に装着するためのプロセスである。
【
図8】[0019]例示的な実施形態に係る、航空機の翼の中央翼区域の底面図である。
【
図9】[0020]例示的な実施形態に係る、航空機の翼を胴体に装着するためのプロセスである。
【
図10】[0021]例示的な実施形態に係る、航空機の翼を胴体に装着するための別のプロセスである。
【
図11】[0022]例示的な実施形態に係る、航空機の翼を胴体に装着するための別のプロセスである。
【
図12】[0023]例示的な実施形態に係る、方法の実装の例のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0024]図面及び下記の記載により、特定の例示的な実施形態が示される。本明細書に明示的に記載又は図示されていなくとも、当業者は、本明細書に記載の原則を具現化し明細書の記載の後の特許請求の範囲に含まれる様々な構成を考案できることが認識されよう。更に、本明細書に記載のいかなる実施例も、本開示の原則を理解することを支援するためのものであり、限定を含まないものであると解されるべきである。その結果、本開示は、後述する具体的な実施形態又は実施例に限定されないが、特許請求の範囲及びその均等物によって限定される。
【0013】
[0025]本明細書では、特定の実装形態について図面を参照して記載する。記載の中で、共通の特徴には、図面全体を通して共通の参照番号により指し示され得る。一部の図面では、特定の種類の特徴の複数の例が使用される。これらの特徴は、物理的及び/又は論理的に異なるが、それぞれに同じ参照番号が使用され、異なる例が、参照番号に文字を追加することで区別される。グループ又は種類としての特徴が本明細書で言及される場合(例えば、特徴の特定の1つが参照されていない場合)、参照番号は区別する文字なしで使用される。しかし、同じ種類の複数の特徴のうちの1つの特定の特徴が本明細書で言及される場合、参照番号は識別文字とともに使用される。例えば、
図1を参照すると、エンジンが示され、参照番号110と関連している。エンジン110Aなどの、エンジンの特定の1つを参照するとき、識別文字「A」が使用される。ただし、エンジンの任意の1つ又はエンジンをグループとして参照する場合、参照番号110は識別文字なしで使用され得る。
【0014】
[0026]本明細書では、様々な用語が、特定の実現を記載するためだけに使用され、限定することは意図されていない。例えば、単数形の「1つの(a/an)」及び「その/前記(the)」は、複数形も含むことを(そうではないことが文脈によって明示されない限りは、)意図するものである。更に、「含む(comprise、comprises、 comprising)」という用語は、「含む(include、includes、including)」と交換可能に使用される。更に、「wherein」という用語は「where」という用語と交換可能に使用される。本明細書で使用されるように、「例示的な(exemplary)」は、実施例、実施態様、及び/又は態様を示し、優先度若しくは好ましい実施態様を限定するもの又は示すものと解釈されるべきではない。本明細書で使用される、構造体、構成要素、動作等の要素を修飾する序数用語(例えば、「第1の」、「第2の」、「第3の」等)は、これ自体がある要素の別の要素に対する優先度又は順序を示すものではなく、(序数用語としての使用を別にして)同じ名前を有する別の要素と区別しているにすぎない。本明細書で使用される「組(set)」という用語は、一又は複数の要素のグループ化を指し、「複数の(plurality)」という用語は、複数の要素を指す。
【0015】
[0027]
図1を参照すると、例示的な実施形態による、胴体、及び胴体を越えて延在する連続的中央区域を有する航空機の翼を含む、航空機100が示される。
図1の例では、航空機100は低翼航空機である。例えば、航空機100は、胴体の下方に翼を有する。
【0016】
[0028]図示のために、航空機100は、航空機の胴体102を含む。航空機の胴体102は、航空機100の本体区域に相当し得る。航空機の胴体102は、乗務員、乗客、貨物等を保持し得る。航空機100は、航空機の翼104も含み得る。
図1に示すように、航空機の翼104は、航空機の翼104が航空機の胴体102の下方にある様態で、航空機の胴体102に装着される。
【0017】
[0029]航空機の翼104は、中央翼区域106を含む。中央翼区域106は、航空機の胴体102の第1の側120Aを越えて及び航空機の胴体102の第2の側120Bを越えて延在する、一体的構造を有する。航空機の翼104はまた、中央翼区域106の第1の端部122Aに装着された第1の翼端側翼区域108A、及び中央翼区域106の第2の端部122Bに装着された第2の翼端側翼区域108Bを含む。中央翼区域106の第1の端部122Aは、航空機の胴体102の第1の側120A上にあり、中央翼区域106の第2の端部122Bは、航空機の胴体102の第2の側120B上にある。後述のように、第1の翼端側翼区域108Aは、第1の閉じパネル(例えば、
図3の閉じパネル302A)を介してアクセス可能な第1のトラスシステム(例えば、
図7の第1のトラスシステム500A)によって中央翼区域106の第1の端部122Aに装着され得、第2の翼端側翼区域108Bは、第2の閉じパネル(例えば、
図4の閉じパネル302B)を介してアクセス可能な第2のトラスシステム(例えば、
図7の第2のトラスシステム500B)によって中央翼区域106の第2の端部122Bに装着され得る。
【0018】
[0030]航空機100はまた、航空機の翼104の中央翼区域106に取り付けられた第1のエンジン110A、及び航空機の翼104の中央翼区域106に取り付けられた第2のエンジン110Bを含む。したがって、第1の翼端側翼区域108Aは、第1のエンジン110Aよりも翼端側にあり、第2の翼端側翼区域108Bは、第2のエンジン110Bよりも翼端側にある。
【0019】
[0031]翼端側翼区域108がエンジン110よりも翼端側にあるように、航空機の翼104を構築することによって、内部構造並びにエンジン110及び燃料管理に関するシステムは、航空機の翼104の連続的中央翼区域106内に含まれ得る。後述のように、中央翼区域106は、異なる航空機システム上で整備動作を実行するために、航空機係員が、中央翼区域106の非常に大きな部分にアクセスすることを可能にする大型の開口部及び閉じパネルを有し得る。更に、航空機の胴体102を越えて延在する連続的中央翼区域106を使用することによって、翼端側翼区域108を通して荷重を運ぶ必要のある相互接続部(例えば、ストリンガ)がより少なくなり、このことが、より少ないファスナへとつながり得る。例えば、中央翼区域106の連続的性質のため、中央翼区域106は、航空機の胴体102を越えて延在しないより小さな中央翼区域と比較して、より低減された量のファスナを用いて、比較的大きな荷重を運び得る。
【0020】
[0032]
図2を参照すると、航空機の翼104の部分が、例示的な実施形態によって示される。
図2の航空機の翼104の部分は、航空機の胴体102の第1の側120A上の航空機の翼104の部分、又は航空機の胴体102の第2の側120B上の航空機の翼104の部分に相当し得る。
【0021】
[0033]
図2では、航空機の翼104の中央翼区域106は、航空機の胴体102を越えて延在する一体的構造を有する。翼端側翼区域108は、中央翼区域106の端部122に装着される。
図5に関して後述するように、翼端側翼区域108は、閉じパネル(例えば、
図3の閉じパネル302A、又は
図4の閉じパネル302B)を介してアクセス可能なトラスシステム500によって中央翼区域106の端部122に装着され得る。
【0022】
[0034]翼端側翼区域108がエンジン110よりも翼端側にあるように、航空機の翼104を構築することによって、内部構造並びにエンジン110及び燃料管理に関するシステムは、航空機の翼104の連続的中央翼区域106内に含まれ得る。後述のように、中央翼区域106は、異なる航空機システム上で整備動作を実行するために、航空機係員が、中央翼区域106の非常に大きな部分にアクセスすることを可能にする大型の開口部及び閉じパネルを有し得る。更に、航空機の胴体102を越えて延在する連続的中央翼区域106を使用することによって、翼端側翼区域108を通して荷重を運ぶ必要のある相互接続部(例えば、ストリンガ)がより少なくなり、このことが、より少ないファスナへとつながり得る。例えば、中央翼区域106の連続的性質のため、中央翼区域106は、航空機の胴体102を越えて延在しないより小さな中央翼区域と比較して、より低減された量のファスナを用いて、比較的大きな荷重を運び得る。
【0023】
[0035]
図3を参照すると、航空機の胴体102の第1の側120A上の航空機の翼104の底部が、例示的な実施形態によって示される。
【0024】
[0036]
図3では、航空機の翼104の中央翼区域106の第1の端部122Aは、航空機の翼104の第1の翼端側翼区域108Aに装着される。
図3は、閉じパネル302Aも示す。閉じパネル302Aは、
図5のトラスシステム500の第1の出現など、第1のトラスシステムへのアクセスを提供し得る。第1のトラスシステムは、航空機の翼104の中央翼区域106を、航空機の翼104の第1の翼端側翼区域108Aに装着する。
【0025】
[0037]
図4を参照すると、航空機の胴体102の第2の側120B上の航空機の翼104の底部が、例示的な実施形態によって示される。
【0026】
[0038]
図4では、航空機の翼104の中央翼区域106の第2の端部122Bは、航空機の翼104の第2の翼端側翼区域108Bに装着される。
図3は、閉じパネル302Bも示す。閉じパネル302Bは、
図5のトラスシステム500の第2の出現など、第2のトラスシステムへのアクセスを提供し得る。第2のトラスシステムは、航空機の翼104の中央翼区域106を、航空機の翼104の第2の翼端側翼区域108Bに装着する。
【0027】
[0039]
図5を参照すると、航空機の翼104の中央翼区域106を航空機の翼104の翼端側翼区域108に装着するトラスシステム500が、例示的な実施形態によって示される。トラスシステム500は、三角形に構成された支柱の構成である。特に、トラスシステム500は、ノードで接続されたまっすぐな相互接続された構造的要素(例えば、部材又は支柱)の三角形のシステムである。トラスシステム500に印加される外部の力、及び支持体での反力は、概してノードに適用される。トラスシステム500は、翼端側翼区域108が、航空機の胴体102の第1の側120A上の翼端側翼区域108Aに相当する場合、閉じパネル302Aによってアクセス可能であり得る。例えば、トラスシステム500は、閉じパネル302Aに関連したアクセスパネル開口部590によってアクセス可能であり得る。あるいは、トラスシステム500は、翼端側翼区域108が、航空機の胴体102の第2の側120B上の翼端側翼区域108Bに相当する場合、閉じパネル302Bによってアクセス可能であり得る。例えば、トラスシステム500は、閉じパネル302Bに関連したアクセスパネル開口部590によってアクセス可能であり得る。
【0028】
[0040]トラスシステム500は、航空機の翼104に沿って伸びる一又は複数のストリンガ502(例えば、複数のストリンガ502)を含む。ストリンガ502又は補強材は、航空機の翼104に沿って翼幅方向に伸びる薄い材料のストリップ又はビームに相当し、航空機の翼104のリブに装着され得る。中央翼区域106は、翼端側翼区域108に連結されるので、中央翼区域106及び翼端側翼区域108は、後述のように、翼桁504、506によってひとまとめに連結されたストリンガ502を含み得る。
【0029】
[0041]トラスシステム500は、一又は複数の前桁504も含む。前桁504は、航空機の翼104の上部に沿って、及び航空機の翼104の底部に沿って伸びるストリンガ502に連結される。中央翼区域106を翼端側翼区域108に連結するために、トラスシステム500の一又は複数の前桁504は、航空機の翼104の中央翼区域106に沿って伸びるストリンガ502、及び航空機の翼104の翼端側翼区域108に沿って伸びるストリンガ502に連結される。
図5に示されるように、前桁504は、ファスナを介してひとまとめに連結された部材から構成され得る。翼桁504の部材は、金属、木材、又は複合材料から構成され得る。
【0030】
[0042]トラスシステム500は、一又は複数の後桁506も含む。後桁506は、航空機の翼104の上部に沿って、及び航空機の翼104の底部に沿って伸びるストリンガ502に連結される。中央翼区域106を翼端側翼区域108に連結するために、トラスシステム500の一又は複数の後桁506は、航空機の翼104の中央翼区域106に沿って伸びるストリンガ502、及び航空機の翼104の翼端側翼区域108に沿って伸びるストリンガ502に連結される。
図5に示されるように、後桁506は、ファスナを介してひとまとめに連結された部材から構成され得る。翼桁506の部材は、金属、木材、又は複合材料から構成され得る。
【0031】
[0043]荷重は、トラスシステム500の、一又は複数のストリンガ502、一又は複数の前桁504、及び一又は複数の後桁506に沿って伝達され得る。
【0032】
[0044]
図6を参照すると、航空機の翼104の中央翼区域106を航空機の翼104の翼端側翼区域108に装着する別のトラスシステム600が、例示的な実施形態によって示される。一実施形態では、トラスシステム600は、
図5のトラスシステム500に相当し得る。トラスシステム600は、翼端側翼区域108が、航空機の胴体102の第1の側120A上の翼端側翼区域108Aに相当する場合、閉じパネル302Aによってアクセス可能であり得る。あるいは、トラスシステム600は、翼端側翼区域108が、航空機の胴体102の第2の側120B上の翼端側翼区域108Bに相当する場合、閉じパネル302Bによってアクセス可能であり得る。
【0033】
[0045]トラスシステム600は、航空機の翼104に沿って伸びる一又は複数のストリンガ502(例えば、複数のストリンガ502)を含む。トラスシステム500は、一又は複数の翼桁610も含む。トラスシステム600の翼桁610は、
図5のトラスシステム500の前桁504、
図5のトラスシステム500の後桁506、又は両方に相当し得る。翼桁610は、航空機の翼104の上部に沿って、及び航空機の翼104の底部に沿って伸びるストリンガ502に連結される。中央翼区域106を翼端側翼区域108に連結するために、トラスシステム600の一又は複数の翼桁610は、航空機の翼104の中央翼区域106に沿って伸びるストリンガ502、及び航空機の翼104の翼端側翼区域108に沿って伸びるストリンガ502に連結される。
【0034】
[0046]荷重は、トラスシステム600の、一又は複数のストリンガ502、及び一又は複数の翼桁610に沿って伝達され得る。
【0035】
[0047]
図7を参照すると、例示的な実施形態による、航空機の翼を構築し、航空機の翼を胴体に装着するためのプロセス700が示される。
【0036】
[0048]プロセス700の第1の段階702によると、航空機の翼104が構築される(例えば、組み立てられる)。例えば、第1の段階702の間、航空機の翼104の中央翼区域106は、第1のトラスシステム500Aによって翼端側翼区域108Aに装着される。第1のトラスシステム500Aは、第1の閉じパネル302Aを介してアクセス可能である。更に、第1の段階702の間、航空機の翼104の中央翼区域106は、第2のトラスシステム500Bによって翼端側翼区域108Bに装着される。第2のトラスシステム500Bは、第2の閉じパネル302Bを介してアクセス可能である。
【0037】
[0049]プロセス700の第2の段階704によると、航空機の翼104が航空機の胴体102に装着される。第2の段階704は、
図9~13に関してより詳細に後述する。
図7に示されるように、中央翼閉じパネル750は、
図8に関してより詳細に記載されるように、中央翼アクセスパネル開口部802にアクセスするために使用され得る。中央翼閉じパネル750は、航空機の翼104の中央翼区域106の内側のトラス部材に位置合わせされた外部ファスナを有し得る。その結果、中央翼閉じパネル750は、外部ファスナに対して、中央翼区域106と滑らかなフィッティングを有し得る。
【0038】
[0050]
図8を参照すると、航空機の翼104の中央翼区域106の底面図が、例示的な実施形態によって示される。
【0039】
[0051]航空機の翼104の中央翼区域106は、少なくとも1つの中央翼アクセスパネル開口部802を含む。中央翼アクセスパネル開口部802は、中央翼閉じパネル750を介してアクセス可能であり得る。航空機の翼104のレイアウト及び構成に関しては、中央翼アクセスパネル開口部802は、第1の閉じパネル302Aに関連した第1のアクセスパネル開口部(例えば、トラスシステム500Aにアクセスするアクセスパネル開口部)と、第2の閉じパネル302Bに関連した第2のアクセスパネル開口部(例えば、トラスシステム500Bにアクセスするアクセスパネル開口部)との間にある。
【0040】
[0052]上述のように、エンジン110及び燃料管理に関する内部構造及びシステムは、航空機の翼104の連続的中央翼区域106内に含まれ得る。中央翼アクセスパネル開口部802は、係員が、連続的中央翼区域106内に含まれる内部構造及びシステムにアクセスするのに、比較的大きなエリアを提供し得る。特に、少なくとも1つの航空機システムは、少なくとも1つの中央翼アクセスパネル開口部802を介してアクセス可能であり得る。非限定的な例として、燃料システムは、少なくとも1つの中央翼アクセスパネル開口部802を介してアクセス可能であり得る。したがって、中央翼アクセスパネル開口部802のレイアウトは、内部構造及びシステムのための整備動作の実現可能性を改善し得る。
【0041】
[0053]
図9を参照すると、例示的な実施形態による、航空機の翼を胴体に装着するためのプロセス900が示される。
【0042】
[0054]プロセス900によると、閉鎖形状ブラケット904が、航空機の翼104の中央翼区域106に連結される。例えば、複数のファスナが、閉鎖形状ブラケット904を、航空機の翼104の中央翼区域106のリブ910に連結するために使用され得る。
図9に示されるように、閉鎖形状ブラケット904の中央部分は、「V」の逆さまの文字の形状を有し得る。例えば、閉鎖形状ブラケット904の中央部分は、閉鎖形状ブラケット904合致点の傾斜した部材から構成された先端を有し得る。
【0043】
[0055]プロセス900によると、開放形状ブラケット902が、航空機の胴体102の側面に連結される(
図9には示されていない)。例えば、複数のファスナが、開放形状ブラケット902を、航空機の胴体102に連結するために使用され得る。
図9に示されるように、開放形状ブラケット902の中央部分は、閉鎖形状ブラケット904の中央部分にフィットするように形作られた開口部を有し得る。例えば、開放形状ブラケット902の中央部分は、「Y」の逆さまの文字の形状を有し得る。
【0044】
[0056]航空機の翼104(例えば、航空機の翼104の中央翼区域106)を航空機の胴体102に装着するために、プロセス900は、開放形状ブラケット902の閉鎖形状ブラケット904への取り付けを容易にする。例えば、閉鎖形状ブラケット904の先端は、開放形状ブラケット902の開口部内に挿入される。その後、複数のファスナが、開放形状ブラケット902を、閉鎖形状ブラケット904に連結する。例えば、
図10及び11に示されるように、ファスナは、開放形状ブラケット902の開口部、閉鎖形状ブラケット904の先端を形成する部材、航空機の胴体102を通り得る。
【0045】
[0057]閉鎖形状ブラケット904の先端を開放形状ブラケット902の開口部内に挿入することによって、航空機の翼104を航空機の胴体102に装着するために、より少ない数のファスナが使用され得る。例えば、閉鎖形状ブラケット904の先端を開放形状ブラケット902の開口部内に挿入することは、追加のサポートを提供することができ、航空機の翼104が航空機の胴体102に適切に装着されるのを確実にするために、比較的大量のファスナを有する必要性を低減する。
【0046】
[0058]
図10を参照すると、例示的な実施形態による、航空機の翼を胴体に装着するための別のプロセス1000が示される。
【0047】
[0059]プロセス1000によると、閉鎖形状ブラケット904が、航空機の翼104の中央翼区域106に連結される。例えば、複数のファスナ1010が、閉鎖形状ブラケット904を、航空機の翼104の中央翼区域106のリブ910に連結するために使用され得る。プロセス1000によると、開放形状ブラケット902が、航空機の胴体102の側面に連結される(
図10には示されていない)。例えば、複数のファスナ(
図10には示されていない)が、開放形状ブラケット902を、航空機の胴体102に連結するために使用され得る。
【0048】
[0060]航空機の翼104(例えば、航空機の翼104の中央翼区域106)を航空機の胴体102に装着するために、プロセス1000は、開放形状ブラケット902の閉鎖形状ブラケット904への取り付けを容易にする。例えば、閉鎖形状ブラケット904の先端は、開放形状ブラケット902の開口部内に挿入される。その後、複数のファスナ1020が、開放形状ブラケット902を、閉鎖形状ブラケット904に連結する。例えば、ファスナ1020は、開放形状ブラケット902の開口部、閉鎖形状ブラケット904の先端を形成する部材、航空機の胴体102を通り得る。
【0049】
[0061]閉鎖形状ブラケット904の先端を開放形状ブラケット902の開口部内に挿入することによって、航空機の翼104を航空機の胴体102に装着するために、より少ない数のファスナ1020が使用され得る。例えば、閉鎖形状ブラケット904の先端を開放形状ブラケット902の開口部内に挿入することは、航空機の翼104が航空機の胴体102に適切に装着されるのを確実にするために、比較的大量のファスナを有する必要性を低減する支持を提供し得る。
【0050】
[0062]
図11を参照すると、例示的な実施形態による、航空機の翼を胴体に装着するための別のプロセス1100が示される。
【0051】
[0063]プロセス1100によると、閉鎖形状ブラケット904が、航空機の翼104の中央翼区域106に連結され、開放形状ブラケット902が、航空機の胴体102の側面に連結される。航空機の翼104(例えば、航空機の翼104の中央翼区域106)を航空機の胴体102に装着するために、プロセス1100は、開放形状ブラケット902の閉鎖形状ブラケット904への取り付けを容易にする。例えば、閉鎖形状ブラケット904の先端は、開放形状ブラケット902の開口部内に挿入される。その後、複数のファスナ1020が、開放形状ブラケット902を、閉鎖形状ブラケット904に連結する。例えば、ファスナ1020は、開放形状ブラケット902の開口部、閉鎖形状ブラケット904の先端を形成する部材、航空機の胴体102を通り得る。
図11には単一のファスナ1020が示されているが、他の実施形態では、複数のファスナ1020が、ブラケット902、904を航空機の胴体102に連結するために使用され得る。非制限的な例として、一実施形態では、28(28)のファスナ1020(例えば、通しボルト)が、ブラケット902、904を航空機の胴体102に連結するために使用され得る。
【0052】
[0064]閉鎖形状ブラケット904の先端を開放形状ブラケット902の開口部内に挿入することによって、航空機の翼104を航空機の胴体102に装着するために、より少ない数のファスナ1020が使用され得る。例えば、閉鎖形状ブラケット904の先端を開放形状ブラケット902の開口部内に挿入することは、航空機の翼104が航空機の胴体102に適切に装着されるのを確実にするために、比較的大量のファスナを有する必要性を低減する支持を提供し得る。
【0053】
[0065]
図12は、例示的な実施形態による、方法1200のフロー図を示す。
【0054】
[0066]方法1200は、ブロック1202において、第1の閉じパネルを介してアクセス可能な第1のトラスシステムによって、航空機の翼の第1の翼端側翼区域を、航空機の翼の中央翼区域の第1の端部に装着することを含む。中央翼区域は、航空機の胴体の第1の側を越えて、及び航空機の胴体の第2の側を越えて延在する一体的構造を有し、中央翼区域の第1の端部は、航空機の胴体の第1の側にある。例えば、
図1及び7を参照すると、航空機の翼104の第1の翼端側翼区域108Aは、第1の閉じパネル302Aを介してアクセス可能な第1のトラスシステム500Aによって航空機の翼104の中央翼区域106の第1の端部122Aに装着される。中央翼区域106は、航空機の胴体102の第1の側120Aを越えて、及び航空機の胴体102の第2の側120Bを越えて延在する一体的構造を有し、中央翼区域106の第1の端部122Aは、航空機の胴体102の第1の側120A上にある。
【0055】
[0067]方法1200はまた、ブロック1204において、第2の閉じパネルを介してアクセス可能な第2のトラスシステムによって、航空機の翼の第2の翼端側翼区域を、中央翼区域の第2の端部に装着することを含む。中央翼区域の第2の端部は、航空機の胴体の第2の側にある。例えば、
図1及び7を参照すると、航空機の翼104の第2の翼端側翼区域108Bは、第2の閉じパネル302Bを介してアクセス可能な第2のトラスシステム500Bによって中央翼区域106の第2の端部122Bに装着される。中央翼区域106の第2の端部122Bは、航空機の胴体102の第2の側120B上にある。
【0056】
[0068]方法1200はまた、ブロック1206において、第1のエンジンを中央翼区域に取り付けることを含む。第1の翼端側翼区域は、第1のエンジンよりも翼端側にある。例えば、
図1を参照すると、第1のエンジン110Aは、中央翼区域106に取り付けられる。第1の翼端側翼区域108Aは、第1のエンジン110Aよりも翼端側にある。
【0057】
[0069]方法1200はまた、ブロック1208において、第2のエンジンを中央翼区域に取り付けることを含む。第2の翼端側翼区域は、第2のエンジンよりも翼端側にある。例えば、
図1を参照すると、第2のエンジン110Bは、中央翼区域106に取り付けられる。第2の翼端側翼区域108Bは、第2のエンジン110Bよりも翼端側にある。
【0058】
[0070]方法1200の一実装形態によると、第1のトラスシステム500Aは、少なくとも、一又は複数のストリンガ502、一又は複数の前桁504、及び一又は複数の後桁506を含む。第1の荷重は、一又は複数のストリンガ502、一又は複数の前桁504、及び一又は複数の後桁506に沿って伝達され得る。第1のトラスシステム500Aは、第1の閉じパネル302Aに関連した第1のアクセスパネル開口部(例えば、アクセスパネル開口部590)を通じてアクセス可能であり得る。
【0059】
[0071]方法1200の一実装形態によると、第2のトラスシステム500Bは、少なくとも、一又は複数のストリンガ502、一又は複数の前桁504、及び一又は複数の後桁506を含む。第2の荷重は、一又は複数のストリンガ502、一又は複数の前桁504、及び一又は複数の後桁506に沿って伝達され得る。第2のトラスシステム500Bは、第2の閉じパネル302Bに関連した第2のアクセスパネル開口部(例えば、アクセスパネル開口部590)を通じてアクセス可能であり得る。
【0060】
[0072]一実装形態によると、方法1200は、第1の開放形状ブラケットを航空機の胴体の第1の側に連結することと、第1の閉鎖形状ブラケットを航空機の胴体の第1の側に近接した第1の場所で、中央翼区域に連結することとを含む。例えば、開放形状ブラケット902は、航空機の胴体102の第1の側120Aに連結され得、閉鎖形状ブラケット904は、航空機の胴体102の第1の側120Aに近接した第1の場所で、中央翼区域106に連結され得る。方法1200はまた、第1の開放形状ブラケットを第1の閉鎖形状ブラケットに連結することを含み得る。例えば、ファスナ1020が、開放形状ブラケット902を、閉鎖形状ブラケット904に連結し得る。
【0061】
[0073]一実装形態によると、方法1200は、第2の開放形状ブラケットを航空機の胴体の第2の側に連結することと、第2の閉鎖形状ブラケットを航空機の胴体の第2の側に近接した第2の場所で、中央翼区域に連結することとを含む。例えば、開放形状ブラケット902は、航空機の胴体102の第2の側120Bに連結され得、閉鎖形状ブラケット904は、航空機の胴体102の第2の側120Bに近接した第2の場所で、中央翼区域106に連結され得る。方法1200はまた、第2の開放形状ブラケットを第2の閉鎖形状ブラケットに連結することを含み得る。例えば、ファスナ1020が、開放形状ブラケット902を、閉鎖形状ブラケット904に連結し得る。
【0062】
[0074]方法1200の一実装形態によると、中央翼区域106は、中央翼閉じパネル750を介してアクセス可能な少なくとも1つの中央翼アクセスパネル開口部802を含む。少なくとも1つの中央翼アクセスパネル開口部802は、第1の閉じパネル302Aに関連した第1のアクセスパネル開口部と、第2の閉じパネル302Bに関連した第2のアクセスパネル開口部との間にある。方法1200の一実装形態によると、少なくとも1つの航空機システムが、少なくとも1つの中央翼アクセスパネル開口部802を介してアクセス可能である。方法1200の一実装形態によると、燃料システムが、少なくとも1つの中央翼アクセスパネル開口部802を介してアクセス可能である。
【0063】
[0075]翼端側翼区域108がエンジン110よりも翼端側にあるように、航空機の翼104を構築することによって、内部構造並びにエンジン110及び燃料管理に関するシステムは、航空機の翼104の連続的中央翼区域106内に含まれ得る。更に、航空機の胴体102を越えて延在する連続的中央翼区域106を使用することによって、翼端側翼区域108を通して荷重を運ぶ必要のある相互接続部(例えば、ストリンガ)がより少なくなり、このことが、より少ないファスナへとつながり得る。例えば、中央翼区域106の連続的性質のため、中央翼区域106は、航空機の胴体102を越えて延在しないより小さな中央翼区域と比較して、より低減された量のファスナを用いて、比較的大きな荷重を運び得る。
【0064】
[0076]システムが、特に航空機システム、又は航空宇宙飛行体を参照して本明細書に記載されるが、他の実施形態では、システムは、本開示の本質から逸脱しない、航空機以外の輸送体であり得る。
【0065】
[0077]加えて、この明細書における、1つの要素が別の要素に「連結される(coupled)」事例は、直接的及び間接的な連結を含み得る。直接連結は、1つの要素が別の要素に連結されること、及び別の要素と何らかの接触を有することであると定義され得る。間接連結は、2つの要素間の連結であって、互いに直接的に接触してはいないが、連結された要素同士の間に一又は複数の追加要素を有する連結のことであると定義され得る。更に、本明細書において、1つの要素を別の要素に固定することは、直接的に固定することと、間接的に固定することとを含み得る。加えて、本明細書において、「隣接(adjacent)」とは、必ずしも接触を意味するものではない。例えば、ある要素は、別の要素と接触せずに、その要素に隣接することができる。
【0066】
[0078]本明細書において、特定の機能を実行する「よう構成/設定された」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、実際には、任意の変更も伴わずにその特定の機能を実行することが可能であり、更なる修正の後にその特定の機能を実行する可能性があるにすぎないというものではない。換言すると、特定の機能を実行する「よう構成/設定された」システム、装置、構造物、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、その特定の機能を実行するという目的のために、特に選択され、作り出され、実装され、利用され、プログラムされ、かつ/又は設計される。本明細書において、「よう構成/設定された」という表現は、システム、装置、構造物、物品、要素、構成要素、又はハードウェアがさらなる改変を伴わずに特定の機能を実行することを可能にする、システム、装置、構造物、物品、要素、構成要素、又はハードウェアの特性が、存在することを意味する。この開示において、特定の機能を実行する「よう構成/設定され」ていると説明されているシステム、装置、構造物、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、追加的又は代替的には、その機能を実行するよう「適合している(adapted to)」、及び/又は、実行するよう「動作可能である(operative to)」と記載され得る。
【0067】
[0079]本明細書に含まれるフロー図は概して、論理フロー図として記載されている。したがって、記載の順序及び符号が付されたステップは、提供される方法の一実施形態を示す。機能、論理、又は効果の点で、図示されている方法の一又は複数のステップ又はステップの部分と均等な、他のステップ及び方法も想起され得る。更に、用いられている形式及びシンボルは、本方法の論理的ステップを説明するために提供されており、本方法の範囲を限定するものではないと理解される。フロー図において様々な種類の矢印及び線が用いられ得るが、これらは、対応する方法の範囲を限定するものではないことが理解される。実際、幾つかの矢印又はその他のコネクタは、方法の論理的流れを示すためにのみ使用され得る。例えば、矢印は、図示されている方法の列挙されたステップ間の、不特定の長さの待機時間又はモニタリング時間を示し得る。更に、具体的な方法が発生する順序は、図示されている対応するステップの順序に厳密に従うこともあるが、従わないこともある。
【0068】
[0080]別途指示していない限り、「第1(first)」、「第2(second)」等の用語は、本明細書では単に符号として使用されており、これらの用語が表すアイテムに、順序的、位置的、又は序列的な要件を課すことを意図するものではない。更に、例えば「第2」のアイテムへの言及は、例えば「第1」の若しくはより小さい数がふられたアイテム、及び/又は、例えば「第3」の若しくはより大きな数がふられたアイテムの存在を、必要とすることも、排除することもない。
【0069】
[0081]システム及び動作の方法を特定の実施例を参照しながら記載してきたが、当業者であれば、特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な変形例が可能であること、及びその要素を同等物に置換することが可能であることを理解するだろう。したがって、本方法及びシステムは、開示された特定の実施例に限定されるものではなく、開示された方法及びシステムは、添付の請求の範囲に含まれる全ての実施形態を含むことが意図される。
【外国語明細書】