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特開2025-26340バンドルチューブ燃料噴射装置のチューブの修理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025026340
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】バンドルチューブ燃料噴射装置のチューブの修理方法
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/00 20060101AFI20250214BHJP
   F02C 7/232 20060101ALI20250214BHJP
   F23R 3/10 20060101ALI20250214BHJP
   F23R 3/28 20060101ALI20250214BHJP
   F23R 3/30 20060101ALI20250214BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20250214BHJP
   F23D 14/48 20060101ALI20250214BHJP
   B23K 31/00 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
F02C7/00 D
F02C7/232 B
F23R3/10
F23R3/28 D
F23R3/30
F01D25/00 X
F23D14/48 D
B23K31/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024111049
(22)【出願日】2024-07-10
(31)【優先権主張番号】18/446,631
(32)【優先日】2023-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クレイグ、ティファニー エム.
(72)【発明者】
【氏名】シェーファー、イーサン コンラッド
【テーマコード(参考)】
3K017
【Fターム(参考)】
3K017CA10
3K017CB01
3K017CB11
(57)【要約】
【課題】バンドルチューブ燃料噴射装置のチューブの修理方法を提供する。
【解決方法】それぞれが燃料プレナム(120)から出口部分(144)まで延びる複数の予混合チューブ(118)を含む燃料噴射装置(100)を修理する方法は、少なくとも1つの予混合チューブから出口部分を除去して露出した端部(204)を規定することを含む、露出した端部において少なくとも1つの予混合チューブの内側面(158)を機械加工して、露出した端部から上流側の予混合チューブの内径(D)に対して増大した内径(D)を形成するステップと、チューブ先端(156)を露出した端部に結合するステップとを含む。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が燃料プレナム(120)から出口部分(144)まで延びる複数の予混合チューブ(118)を含む燃料噴射装置(100)を修理する方法であって、
少なくとも1つの予混合チューブ(118)から出口部分(144)を取り除き、露出した端部(204)を画定するステップと、
露出した端部(204)において少なくとも1つの予混合チューブ(118)の内側面(158)を機械加工して、露出した端部から上流側の予混合チューブの内径(D)に対して増大した内径(D)を形成するステップと、
チューブ先端(156)を露出した端部(204)に結合するステップと、を含む方法。
【請求項2】
チューブ先端(156)を露出した端部(204)に結合することにより、チューブ先端と露出した端部との間に接合部(232)が形成され、チューブ先端は、接合部において、接合部から下流側よりも大きな内径(D)を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
露出した端部(204)における増加した内径(D)が、接合部(232)におけるチューブ先端(156)の内径(D)とほぼ等しい、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
チューブ先端(156)を露出した端部(204)に結合するステップが、チューブ先端を露出した端部に確実に結合するために充填材を溶融するステップを含み、溶融した充填材が、増加した内径(D)において接合部(232)の内側面(210、226)に沿って蓄積し、好適には、チューブ先端を露出した端部に結合するステップが、充填材を使用してチューブ先端を露出した端部にろう付けまたは溶接するステップを含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
内側面(158)を増加した内径(D)に機械加工することが、放電加工およびフライス加工の少なくとも一方を行うこと含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
チューブ先端(156)を露出した端部(204)に結合するステップは、露出した端部をチューブ先端のソケット(218)に挿入し、露出した端部の外側面(160)をソケットの内側面(230)に結合するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
チューブ先端(156)を露出した端部(204)に結合することにより、チューブ先端と露出した端部との間に接合部(232)が形成され、前記方法は、接合部を結合スリーブ(506)で囲み、結合スリーブをチューブ先端および露出した端部の少なくとも一方に固定することにより、チューブ先端を露出した端部に確実に結合するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
加工中の少なくとも1つの予混合チューブの動きを制限することを容易にするために、少なくとも1つの予混合チューブ(118)および少なくとも1つの他の予混合チューブ(118)上に支持プレートを一時的に取り付けるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
予混合チューブ(118)の内側面(158)を露出した端部(204)で機械加工することにより、増加した内径(D)を有する内側に先細りの機械加工面(210)を生成するステップと、
チューブ先端(156)を露出した端部(204)に結合することにより、チューブ先端と露出した端部との間に接合部(232)を形成するステップと、を含み、
チューブ先端は、接合部とチューブ先端の内側面(222)との間に延びる内側に先細りする表面(226)を有し、チューブ先端の内側に先細りする表面は、接合部において増加した内径(D)を画定するために、内側に先細りする機械加工された表面を補完する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
内向きに先細り加工された表面が、予混合チューブ(118)の内側面(158)に対して第1の斜めの角度(α)で配向された第1の角度の付いた表面(210)を含み、チューブ先端(156)の内向きに先細り加工された表面(226)が、チューブ先端の内側面(222)に対して第2の斜めの角度(α)で配向された第2の角度の付いた表面(222)を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
内向きに先細り加工された表面は、第1の凹面(310)を含み、チューブ先端の内向きに先細り加工された表面は、第2の凹面(326)を含み、第1および第2の凹面は、互いに補完し合い、接合部(332)において実質的に半円形の形状を形成する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
チューブ先端(156)に形成された対応するセンタリング特徴(442、440)を補完し、接合部において露出した端部とチューブ先端との位置合わせを容易にするセンタリング特徴(438、440)を生成するために、露出した端部(204)を機械加工するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
チューブ先端(156)を露出した端部(204)に結合するステップが、露出した端部をチューブ先端のソケット(218)に挿入するステップを含み、露出した端部に機械加工されたセンタリング特徴が、接合部(232)においてチューブ先端のソケットに形成された第2の面取り(444)に略接する第1の面取り(440)を含み、露出した端部をソケット内に位置合わせすることを容易にする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
複数の予混合チューブ(118)の各々から出口部分(144)を切断線(166)に沿って除去して、複数の予混合チューブの露出した端部(204)を画定するステップと、
増加した内径(D)を形成するために、露出した端部において各予混合チューブの内側面(158)を機械加工するステップと、
チューブ先端(156)を各露出した端部に結合するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
複数の予混合チューブから出口部分(144)を取り外すことが燃料噴射装置から支持プレートを取り外すことなく行われるように、複数の予混合チューブ(118)が、燃料プレナム(120)から自由に延びており、好適には、複数の予混合チューブから出口部分(144)を取り外すことが1回の切断操作を用いて行われる、請求項14に記載の方法。


【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示の分野は、一般に、回転機械で使用するためのバンドルチューブ燃料噴射装置(bundled tube fuel injectors:束状管フューエルインジェクタ)に関し、より詳細には、バンドルチューブ燃料噴射装置の1つ以上の予混合チューブ(pre-mix tubes:プリミックス管)を修理する方法に関する。
【0002】
ガスタービンエンジンは、産業用や発電用として広く使用されている。従来のガスタービンエンジンは、圧縮機セクション、圧縮機セクションの下流の燃焼器セクション、および燃焼器セクション(combustor section)の下流のタービンセクションを含む。周囲空気などの作動流体は圧縮機セクションに流入し、圧縮されてから燃焼器セクションに流入する。圧縮された作動流体は燃料と混合され、燃焼器セクションで燃焼して燃焼ガスを発生させ、タービンセクションを通って膨張し、発電シャフトを回転させる。
【0003】
少なくともいくつかの既知のガスタービンエンジンでは、燃焼セクション(combustion section)は、圧縮機セクションとタービンセクションとの間に環状に間隔を置いて配置された1つ以上の燃焼器を含む。少なくともいくつかの既知の燃焼器の設計は、燃焼室の上流に、軸方向に延びる1つ以上のバンドルチューブ燃料噴射器を含む。燃料噴射装置は、混合気が燃焼室(燃焼チャンバ)に向かって流される前に、燃料と圧縮作動流体の混合を促進する。バンドルチューブ燃料噴射装置は,通常,燃料噴射装置を横断して半径方向および周方向に配置された複数の予混合チューブを含む。予混合チューブは,バンドルチューブ燃料噴射装置の燃料分配モジュールと燃焼室との間で互いに概ね平行に延びている。
【0004】
運転中,圧縮された作動流体は,圧縮機セクションから,燃料分配モジュール(fuel distribution module)の上流側にある各予混合チューブの入口を通って送られる。燃料は燃料分配モジュールに供給され,1つ以上の燃料ポートから予混合チューブ内に噴射される。燃料と圧縮された作動流体は,燃焼室に流される前に,予混合チューブ内で混合される。予混合チューブの下流側端部は、燃焼室および/または燃焼炎に近接しているため、極端な温度にさらされるため、時間の経過とともに予混合チューブの下流側端部が損傷することがある。多くの場合、この損傷は熱応力と酸化の結果であり、定期的な点検と、場合によってはバンドルチューブ燃料噴射装置の修理が必要となる。
【0005】
しかしながら、バンドルチューブ燃料噴射装置を修理するための既存の方法は限られている。例えば、いくつかの場合において、損傷した下流側端部部は、典型的には除去され、ろう付け、溶接、接着剤クラッディング(brazing, welding, adhesive cladding)などを含む公知の技術によって予混合チューブの残りの部分に結合されるチューブ先端によって置換される。しかしながら、チューブ先端を予混合チューブの残りの部分に連結するために使用される材料(例えば、ろう付け充填材又は溶接充填材)は、予混合チューブ内に蓄積する可能性がある。加えて、及び/又は代替的に、製造公差のため、予混合先端(pre-mix tip:プレミックスチップ)と対応するチューブ先端との間に軸方向のオフセットが存在する場合がある。予混合チューブと対応するチューブ先端との間の軸方向オフセット内に蓄積された材料は,そこを通る燃料/作動流体混合物の流れを妨げたり制限したりする可能性がある。その結果、燃焼火炎が中断される機会が生じ、燃焼器の性能、効率、および/または寿命が低下する可能性がある。
【0006】
従って、バンドルチューブ燃料噴射装置の損傷したチューブを修理する改良された方法に対する必要性が存在する。特に、既存の予混合チューブを大幅に再構成または再設計することなく、バンドルチューブ燃料噴射装置を修理することが望ましく、また、チューブ先端接続部が燃焼器内の燃焼火炎保持を中断する機会を低減または排除することを容易にする方法で修理することが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
一態様では、それぞれが燃料プレナムから出口部分まで延びる複数の予混合チューブを含む燃料噴射装置を修理する方法が提供される。この方法は、少なくとも1つの予混合チューブから出口部分を除去して露出した端部(exposed end portion)を画定することと、露出した端部において少なくとも1つの予混合チューブの内側面を機械加工して、露出した端部から上流側の予混合チューブの内径に対して増大した内径を形成することと、露出した端部にチューブ先端を結合することとを含む。
【0008】
別の態様では、それぞれが燃料プレナムから出口部分まで下流に延びる複数の予混合チューブを有する燃料噴射装置を修理する方法が提供される。この方法は、予混合チューブから出口部分を除去して露出した端部を画定するステップと、露出した端部において予混合チューブの内側面を機械加工して、露出した端部において露出した端部から上流側の内径よりも大きな内径を有する内側に先細りの機械加工面を生成するステップと、チューブ先端を露出した端部に結合して、チューブ先端と露出した端部との間に接合部を形成するステップとを含み、チューブ先端が、接合部とチューブ先端の内側面との間に延びる内側に先細りの加工面を有し、チューブ先端の内側に先細りの加工面が、接合部においてより大きな内径を規定するために、内側に先細りの加工面を補完する。
【0009】
別の態様では、それぞれが燃料プレナムから出口部分まで延びる複数の予混合チューブを含む燃料噴射装置を修理する方法が提供される。この方法は、切断線に沿って複数の予混合チューブから出口部分を除去して、複数の予混合チューブの露出した端部を画定するステップと、露出した端部において各予混合チューブの内側面を機械加工して、露出した端部から上流側の予混合チューブの内径に対して増大した内径を形成するステップと、チューブ先端を各露出した端部に結合するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の詳細な説明を添付の図面を参照しながら読むと、よりよく理解されるであろう。
図1】例示的なガスタービンシステムの概略図である。
図2図1のガスタービンエンジンに含まれる例示的な燃焼器の簡略断面側面図である。
図3図2の燃焼器に含まれる例示的なバンドルチューブ燃料噴射器の透視図である。
図4図2に示す燃料噴射装置の背面透視図である。
図5図2に示す燃料噴射装置の側面図である。
図6図2に示す燃料噴射装置の概略断面側面図である。
図7】取り外しおよび機械加工作業後の、燃料噴射装置の予混合チューブの残りの部分に固定的に結合された例示的なチューブ先端の拡大断面側面図である。
図8】除去および機械加工作業後の予混合チューブの残りの部分に固定的に結合された、さらに別の例示的なチューブ先端の拡大断面側面図である。
図9】除去および機械加工作業後の予混合チューブの残りの部分に固定的に結合されたさらなる例示的なチューブ先端の拡大断面側面図である。
図10図9に点線で示した部分C(1)の拡大図である。
図11】除去および機械加工作業後の予混合チューブの残りの部分に固定的に結合された、さらに別の例示的なチューブ先端の拡大断面側面図である。
図12】複数の予混合チューブを含む燃料噴射装置を修理する例示的な方法600である。
【0011】
図面全体を通して使用される対応する参照文字は、対応する部品を示す。
【0012】
別段の指示がない限り、本明細書で提供される図面は、本開示の実施形態の特徴を説明するためのものである。これらの特徴は、本開示の1つ以上の実施形態を含む多種多様なシステムにおいて適用可能であると考えられる。そのため、図面は、本明細書に開示される実施形態の実施に必要であることが当業者によって知られているすべての従来の特徴を含むことを意味するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書に記載の実施形態は、回転機械(例えば、ガスタービンエンジン)の燃焼器で使用されるバンドルチューブ燃料噴射器の修理方法に関する。例示的な燃料噴射装置は、燃料プレナムと出口部分との間に延びる複数の予混合チューブを含む。燃料は、燃料プレナム内の各予混合チューブ内に噴射され、燃料は、予混合チューブ内で圧縮された作動流体と混合して可燃混合気を形成する。予混合チューブの出口部分は、可燃性混合気が燃焼室に向かって流される出口を規定する。予混合チューブの出口部分は、燃焼中に極端な温度と高い機械的負荷に曝され、その結果、例えば熱応力や酸化によって出口部分が損傷する可能性がある。本明細書に記載の方法は、予混合チューブの1つ以上の損傷した出口部分を除去すること、および除去された各出口部分をチューブ先端と交換して1以上の予混合チューブを修理または改修することを含む。
【0014】
チューブ先端と予混合チューブとの間に形成される接続部は、燃焼室内の燃焼火炎を中断させ、および/または燃焼器内の火炎保持性を低下させる可能性のある可燃性混合気の流れの阻害または制限を促進する可能性がある。例えば、チューブ先端は、ろう付け、溶接、接着剤クラッディング(brazing, welding, adhesive cladding)などを介して予混合チューブに結合される場合があり、構成部品を結合するために使用される充填材は、予混合チューブおよび/またはチューブ先端内に望ましくない形で蓄積する場合がある。蓄積された材料は、流動を妨げたり制限したり、あるいは可燃性混合物の流動擾乱を生じさせる可能性がある。さらに、製造公差のため、予混合チューブとチューブ先端は、その間の軸方向のアライメントに若干のオフセットがある状態で作動することがあり、このオフセットは、流れを妨げたり、制限したり、あるいは、可燃性混合物の流れの乱れを生じさせることがある。
【0015】
本明細書に記載される例示的な方法は、損傷した出口部分(damaged outlet portion)を除去した後に、予混合チューブの露出した端部(exposed end portion)を機械加工して、予混合チューブとチューブ先端との間の接続がそこを通る可燃性混合物の流れを妨げたり制限したりする機会を減少させたり除去したりすることを容易にする予混合チューブの好適な構成を作り出すことを含む。例えば、チューブ先端が取り付けられている露出した端(exposed end)において、予混合チューブは、チューブ先端と予混合チューブとの結合に使用される充填材が蓄積するための追加の内部空間を提供する直径が大きくなるように加工されることがあり、その蓄積は、予混合チューブおよびチューブ先端を通って流れる可燃性混合物の障害となることはない。また、直径を大きくすることで、予混合チューブとチューブ先端との間の軸方向の配置のオフセットが、その中を通る可燃性混合物の流れに与える悪影響を低減または排除することが容易になる。このように、予混合チューブは、燃焼器の性能、効率、および/または寿命を維持する方法で、対応するチューブ先端と共に修理または改修することができる。
【0016】
本明細書で開示される様々な実施形態の要素を紹介する場合、冠詞「a」、「an」、「the」、および「said」は、文脈上明らかにそうでない場合を除き、要素が1つ以上あることを意味し、複数の参照を含むことを意図している。“任意の:optional”または“任意に:optionalally”は、その後に説明される事象または状況が発生する場合も発生しない場合もあり、説明には事象が発生する場合と発生しない場合が含まれることを意味する。さらに、「一実施形態」への言及は、言及された特徴も組み込んだ追加の実施形態の存在を排除するものとして解釈されることを意図するものではない。さらに、反対のことが明示的に記載されていない限り、「含む(comprising)」、「包含する(including)」、および「有する(having)」という用語は、包括的であることが意図されており、列挙された要素以外の追加の要素が存在する可能性があることを意味する。
【0017】
別段の指示がない限り、本明細書で使用される「概して:generally」、「実質的に:substantially」、「およそ:approximately」、および「約:about」のような近似語は、そのように修正された用語が、絶対的または完全な程度ではなく、当業者に認識されるような近似的な程度にのみ適用され得ることを示す。したがって、「約:about」、「およそ:approximately」、「実質的に:substantially」などの用語によって修正された値は、指定された正確な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例では、近似的な表現は、値を測定する機器の精度に対応することがある。
【0018】
別段の指示がない限り、「第1」、「第2」などの用語は、本明細書では単にラベルとして使用されており、これらの用語が指す項目に序列、位置、または階層的な要件を課すことを意図していない。さらに、例えば「第2」の項目への言及は、例えば「第1」またはそれ以下の番号の項目、あるいは「第3」またはそれ以上の番号の項目の存在を必要とするものでも排除するものでもない。
【0019】
「上流」および「下流」という用語は、流体経路における流体の流れに関する相対的な方向を指す。例えば、「上流」は流体が流れる方向を指し、「下流」は流体が流れる方向を指す。「半径方向」、「軸方向」、「円周方向/周方向」、「前方」、「後方」などの方向性用語は、説明を容易にするためにのみ使用され、文脈が明確にそうでないことを示さない限り、特定の方向を限定するものではない。
【0020】
ここで図面を参照すると、図1は、例示的なガスタービンエンジン10の概略断面図である。ガスタービンエンジン10は、ガスタービンエンジン10の上流側端部(upstream end)15に画定された入口14を含む圧縮機セクション12と、圧縮機セクション12を少なくとも部分的に取り囲むケーシング16とを含む。ガスタービンエンジン10はまた、圧縮機セクション12の下流にある燃焼器20を含む燃焼セクション18と、燃焼セクション18の下流にあるタービンセクション22とを含む。外側ケーシング17がタービンセクション22を少なくとも部分的に取り囲んでいる。ロータシャフト24は、ガスタービンエンジン10内を軸方向に延びている。燃焼セクション18は、複数の燃焼器20を含むことができる。
【0021】
ガスタービンエンジン10の運転では、作動流体(例えば空気)26が圧縮機セクション12の入口14に吸い込まれ、漸次圧縮されて圧縮作動流体28を燃焼セクション18に供給する。圧縮された作動流体28は燃焼セクション18に流入し、燃焼器20で燃料29と混合されて可燃混合気を形成する。可燃混合気は燃焼器20で燃焼され、それにより高温ガス30が生成され、燃焼器20からタービンノズル34およびタービンブレード36の第1段(first stage:ファーストステージ)32を横切ってタービンセクション22に流入する。高温ガス30は、シャフト24の軸中心線Cに沿ってタービンセクション22内に結合されたタービンブレード36およびタービンノズル34の交互の段(例えば、第1段32および第1段32の下流の第2段33)を流れて急速に膨張する。熱エネルギーおよび/または運動エネルギーが高温ガスからタービンブレード36の各段に伝達され、それによってシャフト24が回転して機械的な仕事を生じる。シャフト24は、発電機(図示せず)などの負荷に連結して電気を生成することができる。また、シャフト24は、ガスタービンエンジン10の圧縮機セクション12を駆動するために使用することもできる。
【0022】
図2は、ガスタービンエンジン10(図1)に含まれる燃焼器20の簡略化された断面側面図である。燃焼器20は、例示的なバンドルチューブ燃料噴射器100を含む。燃焼器20は、外側ケーシング38によって少なくとも部分的に包囲されている。外側ケーシング38は、少なくとも部分的に、燃焼器20の周囲に高圧プレナム40を形成する。高圧プレナム40は、圧縮された作動流体28を燃焼セクション18に供給するための圧縮機セクション12(図1)または他の供給源と流体連通していてもよい。端部カバー42が外側ケーシング38に結合されている。端部カバー42は、燃料29を燃焼セクション18に向けて流す燃料供給部44と流体連通していてもよい。
【0023】
バンドルチューブ燃料噴射装置100は、端部カバー42から下流側に延びており、端部カバー42に流体連通していてもよい。燃料噴射装置100は、燃料供給装置44から燃料29を受け取り、流体導管(fluid conduit)46は、端部カバー42および/または燃料供給装置44と、バンドルチューブ燃料噴射装置100とを流体的に結合することができる。燃焼ライナおよび/または移行ダクトなどの環状ライナ48の一端は、バンドルチューブ燃料噴射装置100の下流側端部102を取り囲み、燃焼器20内の燃焼室50を少なくとも部分的に画定する。ライナ48は、燃焼室50から燃焼器20を通して高温ガス30を導く高温ガス経路52を少なくとも部分的に画定する。高温ガス経路52は、高温ガス30をタービンセクション22に向けて流すことができる。
【0024】
燃焼器20の運転では、圧縮された作動流体28は端部カバー42に向かって流され、そこで方向を反転して1つ以上のバンドルチューブ燃料噴射装置100を通って流れる。燃料29はバンドルチューブ燃料噴射装置100に供給され、燃料29と圧縮作動流体28はバンドルチューブ燃料噴射装置100内で予混合または混合されて可燃混合物となり、その混合物は燃焼のために燃焼室50に噴射される。
【0025】
図3~6を参照すると、例示的なバンドルチューブ燃料噴射装置100の様々な図が示されている。燃料噴射装置100は、図示および説明を容易にするために、図3~6では簡略化して示されている。図3は、流体導管46に結合された燃料噴射装置100の透視図である。図4は、燃料噴射装置100の背面透視図である。図5は、燃料噴射装置100の側面図であり、図6は、燃料噴射装置100の概略断面側面図である。
【0026】
例示的な実施形態では、燃料噴射装置100は、上流側端部104と下流側端部102との間で軸方向に延び、軸方向中心線106を画定している。燃料噴射装置100は、流体導管46を介して燃料供給部44(図2)と燃料分配モジュール110との間の流体連通を提供する燃料入口108を上流側端部104に含む。燃料分配モジュール110は、その中に燃料プレナム120(図6に示す)を画定するシュラウド112を含む。流体導管46および燃料入口108は、燃料供給部44(図2)と燃料プレナム120との間の流体連通を提供する。燃料噴射装置100はまた、シュラウド112の上流にある支持プレート114を含む。簡単のため、支持プレート114は図4および図5から省略されている。支持プレート114は、シュラウド112とは反対側に、支持プレート114から軸方向外向きに延びる複数の入口チューブ116を提供する。各入口チューブ116は、支持プレート114とは反対側で、シュラウド112を貫通して外側に軸方向に延びる予混合チューブ118の束の1つと実質的に軸方向に整列している。
【0027】
図6に示すように、シュラウド112は、燃料噴射装置100の軸方向中心線106に対して概ね半径方向外側に周方向に延びる、軸方向に間隔をあけて配置された一対の第1および第2のプレート122および124を含む。第1および第2のプレート122および124は、その間に燃料プレナム120を画定する。外側バンド126は、第1および第2のプレート122および124の間を軸方向に延び、燃料プレナム120を円周方向に取り囲んでいる。第1および第2のプレート122および124のそれぞれは、その中に画定されたチューブ通路(tube passages)128および130をそれぞれ含む。第1のプレート122に画定された各チューブ通路128は、第2のプレート124に画定されたチューブ通路130と軸方向に整列しており、予混合チューブ118の束のうちの1つの一部がそこを通って延びることを可能にしている。燃料注入口108は、第1のプレート122から軸方向外向きに延びている。第2のプレート124は、そこを軸方向に延びる中央ノズル通路132を含む。燃料入口108と中央ノズル通路132は、燃料噴射装置100の軸方向中心線106に沿って軸方向に整列している。燃料入口108は、第1のプレート122を介して燃料プレナム120へのアクセスを提供し、中央ノズル通路132は、第2のプレート124を介して燃料プレナム120へのアクセスを提供する。
【0028】
支持プレート114は、燃料噴射装置100の軸方向中心線106に対して半径方向外方かつ周方向に延び、燃料噴射装置100の上流側端部104においてシュラウド112の第1の支持プレート122に隣接している。支持プレート114は、図示を容易にするために、図6においてシュラウド112の第1のプレート122から軸方向に間隔をあけて示されている。燃料噴射装置100が(図3に示されるように)組み立てられるとき、支持プレート114は、第1のプレート122に隣接し、第1のプレート122に接してよく、および/または、第1のプレート122に結合されてよい。支持プレート114は、任意の適切な手段(例えば、溶接、ろう付け、機械的締結具など)を介してシュラウド第1のプレート122に結合されてもよい。特定の実施形態において、支持プレート114は、第1のプレート122に取り外し可能に結合される(例えば、ファスナーを使用して)。
【0029】
支持プレート114は、支持プレート114に画定された対応するチューブ通路134から延びる入口チューブ116を含む。入口チューブ116はそれぞれ、対応するチューブ通路134と連通する開放入口端117を含む。支持プレート114に画定された各チューブ通路134は、入口チューブ116と対応する予混合チューブ118との間の流体連通を提供するために、第1のプレート122に画定されたチューブ通路128と実質的に軸方向に整列している。支持プレート114はまた、そこを軸方向に延びる中央燃料入口通路136を含む。中央燃料入口通路136は、燃料入口108と実質的に軸方向に整列しており、燃料入口108を受け入れている。流体導管46(図3)は、燃料入口108および/または中央ノズル通路132に結合されて、端部カバー42および/または燃料供給部44(図2)と燃料プレナム120との間の流体連通を提供することができる。燃料入口108、第2のプレート124の中央ノズル通路132、および支持プレート114の中央ノズル通路136はそれぞれ、燃料噴射装置100の軸方向中心線106に沿って実質的に軸方向に整列している。流体カートリッジまたは燃料ノズル138は、中心ノズル通路132に結合され、シュラウド112から燃焼室50(図2)に向かって軸方向外向きに延びることができる。
【0030】
予混合チューブ118は、燃料噴射装置100の軸方向中心線106に沿って、または軸方向中心線106に実質的に平行に、互いに概ね平行に延びている。予混合チューブ118は、シュラウド112の第1のプレート122から第2のプレート124を通り、燃焼室50(図2)に向かって軸方向に延びている。特に、各予混合チューブ118の第1または入口部分140は、第1のプレート122と第2のプレート124との間の燃料プレナム120を通って延びている。同様に、各予混合チューブ118の第2または中間部分142は、第2のプレート124から軸方向外向きに延び、各予混合チューブ118の第3または出口部分144は、中間部分142から燃焼室50に向かって軸方向外向きに延びる。各予混合チューブ118は、シュラウド112の軸方向に整列したチューブ通路128および130内に配置または着座される。予混合チューブ118の中間および出口部分142、144は、「浮いて:float」いてもよく、すなわち、チューブ118は、シュラウド112から下流に追加の支持具なしでシュラウド112から延びていてもよい。他の実施形態では、下流支持プレート(図示せず)が、各々が対応する予混合チューブ118の中間部分142及び/又は出口部分144を受容するチューブ通路を支持し、燃焼器20の動作中の振動及び/又は機械的負荷に応答してその移動を制限することができる。
【0031】
予混合チューブ118は、単一の連続チューブから形成されてもよく、または(例えば、ろう付け、溶接、または他の適切な手段によって)しっかりと結合された2つ以上の同軸に整列されたチューブから形成されてもよい。一般に、円筒形として図示されているが、予混合チューブ118は、他の幾何学的形状であってもよく、予混合チューブ118は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、特定の断面形状を有することに限定されない。さらに、予混合チューブ118は、円形、三角形、正方形、または他の幾何学的形状にグループ化または配列されてもよく、様々な数および幾何学的形状で配列されてもよい。
【0032】
燃料噴射装置100には、任意の数の予混合チューブ118を含めることができ、予混合チューブ118は、任意の適切な配置で配置することができる。図4に示すように、予混合チューブ118は複数の列146に配置されている。各列146は、1つ以上の予混合チューブ118を含むことができる。一実施形態では、各列146は、隣接する列146から軸方向中心線106に対して半径方向に間隔をあけて配置されている。列146の少なくとも一部の予混合チューブ118は、軸方向中心線106に対して環状または円弧状に配置されてもよい。追加的および/または代替的に、列146の少なくとも一部の予混合チューブ118は、燃料噴射装置100の軸方向中心線106に対して直線的かつ概ね垂直に配置されてもよい。
【0033】
各予混合チューブ118は、入口部分140に画定され、燃料プレナム120から上流にある入口148を含む。入口は、シュラウド第1のプレート122のチューブ通路128と実質的に軸方向に整列しており、それによって、支持プレート114の対応するチューブ通路134および入口チューブ116と整列している。入口チューブ116の入口117は、対応する予混合チューブ118の入口148と高圧プレナム40(図2)および/または圧縮機セクション12(図1)との間の流体連通を提供する。各予混合チューブ118はまた、出口部分144に画定され、燃料プレナム120から下流にある出口150を含む。各予混合チューブ118の出口150は、燃焼室50(図2)と流体連通している。チューブチャネル(管路)152は、各予混合チューブ118の入口148と出口150との間の距離を延びている。各予混合チューブ118は、チューブチャネル152の内径(例えば、図7~9および図11に示す内径D)を規定する内側面158と、予混合チューブ118の外径(例えば、図7~9および図11に示す外径D)を規定する外側面160とを含む。予混合チューブ118の対向する端面(end surfaces)162、164は、それぞれ入口148と出口150に隣接する内側面158と外側面160の間を半径方向に延び、接合している。
【0034】
例示的な燃料噴射装置100では、予混合チューブ118は、端面164が燃料噴射装置100の下流側端部102において互いに実質的に面一に整列(平らに整列)されるように、互いに実質的に軸方向に同軸である(the pre-mix tubes 118 are substantially axially coextensive with one another such that the end surfaces 164 are aligned substantially flush with each other at the downstream end 102 of the fuel injector 100)。他の実施形態では、予混合チューブ118は、異なる軸方向長さを有していてもよく、端面164の一部は、下流側端部102において他の端面164を越えて延びていてもよい。内径D、外径Dは、端面162、164がそれぞれ内外側面158、160間でほぼ同じ半径方向距離を有するように、予混合チューブ118の軸方向全長に沿って実質的に一定であってもよい。あるいは,内径D,および/または外径D,それぞれの端面162,164が,それぞれ内外側面158,160間の異なる半径方向距離を規定するように,予混合チューブ118の軸方向長さに沿って変化してもよい。各予混合チューブ118の入口部分140には、入口148の下流側に1つ以上の燃料ポート154が画定されている。燃料ポート154は,予混合チューブ118の内側面158と外側面(inner and outer surfaces)160を通って半径方向に延びている。燃料ポート154は燃料プレナム120と予混合チューブ118内の対応する予混合チューブチャネル152との間に流体連通を提供する。
【0035】
運転中、圧縮された作動流体28は高圧プレナム40を通って流れ、燃料噴射装置100の上流側端部104に向かって流され、入口チューブ116の入口117に流入する。圧縮された作動流体28は、入口チューブ116を通って予混合チューブ118の入口148に向かって流される。燃料29は,燃料入口108を介して燃料プレナム120に流される。燃料プレナム120内の燃料29は、対応する燃料ポート154を介して予混合チューブ118内に噴射される。圧縮された作動流体28と燃料29はチューブチャネル152内で混合され、得られた可燃性混合物は排出口150を介して各予混合チューブ118から排出される。可燃混合気はその後、燃焼室50に注入され燃焼される。燃料プレナム120に入る燃料29の一部は、中央ノズル通路132から延びる燃料ノズル138を通って燃焼室50に向かって送られることがある。すなわち、設計上、燃料噴射装置100に供給される燃料29の一部は、予混合チューブ118をバイパスし、燃焼室50内で燃料噴射装置100から出る可燃混合気と直接混合される可能性がある。
【0036】
予混合チューブ118の出口部分144は、予混合チューブ118の他の部分と比較して、燃焼室50および/または燃焼火炎に近接しているため、一般に、より高い温度およびより高い機械的負荷に曝される。このことは、例えば、熱応力及び酸化に長時間曝されることにより、出口部分144が経時的に損傷する可能性を増大させる可能性がある。予混合チューブ118の損傷した出口部分144を修理または改修するために、損傷した出口部分144は、チューブを切断または他の方法で除去することを可能にする任意の適切な手段を使用して、少なくとも部分的に除去され得る。例えば、予混合チューブ118の損傷した出口部分144は、スコアリング、放電加工(EDM)、トーチ切断、切断刃(scoring, electrical discharge machining (EDM), torch cutting, a cutting blade)などを用いて(少なくとも部分的に)除去することができる。いくつかの実施形態では、予混合チューブ118の各々の出口部分144は、予混合チューブ118の出口部分144が、予混合チューブ118の軸方向長さおよび燃料噴射装置100の軸方向中心線106に対して概ね垂直である切断線166(図5に示す)に沿って少なくとも部分的に除去される単一の切断作業で少なくとも部分的に除去されてもよい。他の実施形態では、予混合チューブ118の1つまたはいくつかの出口部分144を少なくとも部分的に個々に除去する一方、他の予混合チューブ118の出口部分144は除去しないことができる。
【0037】
損傷した出口部分144を除去すること、及び/又は損傷した出口部分144を除去する間及び/又は除去した後に予混合チューブ118をさらに機械加工すること(以下でさらに説明する)は、切断及び/又は機械加工作業によって誘発される振動及び機械的負荷の結果として、予混合チューブ118にさらなる損傷を与える危険性を増大させる可能性がある。上述したように、いくつかの実施形態では、予混合チューブ118の中間および出口部分142、144は、それぞれ、浮いていてもよく、シュラウド112から下流に設けられた追加の支持具によって支持されなくてもよい。予混合チューブ118の中間部分および/または出口部分142、144にそれぞれ一時的な支持を提供し、予混合チューブ118を修理または改修する際の切断作業および/または機械加工作業中の振動および/または機械的負荷に応答してチューブ118が移動しないように拘束することを容易にするために、予混合チューブ118の一部または全部を受け入れる大きさのチューブ通路を有する一時的な支持プレート(図示せず)が提供されてもよい。予混合チューブ118の各々の出口部分144が、切断線166(図5)に沿った単一の切断作業において少なくとも部分的に除去される実施形態では、一時的支持プレートは、好適には、全ての予混合チューブ118を受容し支持するためのチューブ通路を含み得る。予混合チューブ118の1つまたは一部、および全部未満の出口部分144が少なくとも部分的に個別に除去される一方で、他の予混合チューブ118の出口部分144が除去されない実施形態では、仮支持プレート(一時的支持プレート)は、好適には、個別に切断および/または加工される予混合チューブ118の予め定義されたまたは予め選択された近傍内で予混合チューブ118を受容および支持する限定された数の管通路を含んでよい(In embodiments where the outlet portions 144 of one or some, and less than all, the pre-mix tubes 118 are at least partially removed individually while the outlet portions 144 of other pre-mix tubes 118 are not removed, the temporary support plate may suitably include a limited number of tube passages that receive and support the pre-mix tubes 118 within a pre-defined or preselected vicinity of the pre-mix tube 118 individually being cut and/or machined)。
【0038】
次いで、予混合チューブ118の1つ以上の除去された出口部分144をチューブ先端156(図4および図5に示す)に置き換えて、予混合チューブ118の修理または改修を完了することができる。チューブ先端156は、チューブを接合するための任意の適切な手段を用いて、予混合チューブ118の残りの部分に固定的に固定または結合され得る。例えば、1以上のチューブ先端156は、炉ろう付け、誘導ろう付け、軌道溶接、レーザー溶接、摩擦溶接、電子ビーム溶接、拡散接合、プラズマ溶射、耐熱接着剤、接着剤クラッディング、高速オキシ燃料コーティング溶射(furnace brazing, induction brazing, orbital welding, laser welding, friction welding, electron beam welding, diffusion bonding, plasma spraying, thermally resistant adhesive, adhesive cladding, high velocity oxy-fuel coating spraying)、および/またはそれらの任意の組み合わせ、および/または本明細書に記載されるようにチューブ118を修理することを可能にする任意の他の結合技術を用いて、予混合チューブ118の残りの部分に固定的に結合され得る。1以上のチューブ先端156を含む予混合チューブ118は、好適には、損傷した出口部分144の除去前と同じ軸方向長さを、修理後に延びる。上述したように、予混合チューブ118が互いに実質的に同軸上に整列される実施形態では、チューブ先端156は、好適には、端面を画定するチューブ先端156が他の(すなわち、修理されていない)予混合チューブ118の端面164と実質的に面一になるように、同軸上の広がりを保持する。出口部分144が切断線166(図5)に沿って集合的に除去される実施形態では、除去された出口部分144を置換するチューブ先端156は、実質的に同一平面上に整列され、互いに実質的に同一平面上にある端面を規定し得る。
【0039】
1以上のチューブ先端156は、修理又は改修された1以上の予混合チューブ118の残りの部分と同様に、異種材料(例えば、異種金属又は金属合金:dissimilar metal or metal alloy)から作製されてもよい。いくつかの例では、1以上のチューブ先端156は、ニッケル、コバルト、クロム、モリブデン、ステンレス鋼、アルミニウムおよび/またはチタンをベースとする合金(nickel, cobalt, chromium, molybdenum, stainless steel, aluminum and/or titanium based alloys)のうちの少なくとも1つを含み得る。1以上のチューブ先端156は、好適には、高温耐性の金属または金属合金で作られてもよい。1以上のチューブ先端156は、補修又は改修された予混合チューブ118の一部のみを形成するので、1以上のチューブ先端156は、高温又は極端な温度に適した比較的高価な材料で作られてもよく、予混合チューブ118の全体を形成するのに使用するには実用的及び/又は費用対効果が高くない場合がある。いくつかの実施形態では、1以上のチューブ先端156は、修理または改修された予混合チューブ118の残りの部分を製造する際に使用されるのと同様の金属または金属合金を含むことができる。例えば、チューブ先端156および予混合チューブ118の各々は、ニッケル、コバルト、クロム、またはタングステンをベースとする合金の少なくとも1つから作製され得る。いくつかの実施形態では、チューブ先端156および予混合チューブ118の各々は、Haynes(登録商標)188合金のようなコバルト-ニッケル-クロム-タングステン合金(cobalt-nickel-chromium-tungsten alloy)を含む。
【0040】
チューブ先端156は、チューブ先端156の酸化および腐食性能を提供または強化し得る摩耗コーティング(図示せず)を含み得る。摩耗コーティング(wear coating)は、メッキ、コーティングなどを介してチューブ先端156に施されてもよい。いくつかの実施形態において、摩耗コーティングは、クロム、ニッケル、ゲルアルミナイドコーティング、アルミナイドコーティング、TBC、L605および/またはステライトNo6(chrome, nickel, gel aluminide coating, aluminide coating, TBC, L605 and/or Stellite 6)のうちの1つであってもよいが、それだけに限定されない。摩耗コーティングは、電子ビーム物理蒸着(EBPVD)、エアプラズマスプレー(APS)、高速酸素燃料(HVOF)、静電スプレー支援蒸着(ESAVD)および/または直接蒸着(DVD)(Electron Beam Physical Vapor Deposition (EBPVD), Air Plasma Spray (APS), High Velocity Oxygen Fuel (HVOF), Electrostatic Spray Assisted Vapor Deposition (ESAVD) and/or Direct Vapor Deposition (DVD))を含むがこれらに限定されない、当業者に公知の任意のプロセスおよび/または任意の方法を使用して適用することができる。
【0041】
チューブ先端156は、任意の適切な製造技術を用いて形成することができる。例えば、1以上のチューブ先端156は、鋳造、成形、冷間成形(例えば、冷間圧延)、押出加工、粉末金属製造、付加製造または3D印刷、および/またはコンピュータ機械加工(例えば、コンピュータ数値制御機械加工)(casting, molding, cold-forming (e.g., cold-rolling), extrusion processing, powder metal manufacturing, additive manufacturing or 3D printing, and/or computer machining (e.g., computer numerical control machining))を用いて形成されてもよい。特定の実施形態において、1以上のチューブ先端156は、個々の構成要素として付加製造され得る。本明細書で使用される場合、「付加製造:additively manufactured」または「付加製造プロセス:additive manufacturing process」という用語は、押出蒸着、ワイヤ、粒状材料結合、粉末ベッドおよびインクジェットヘッド3D印刷、ラミネーションおよび光重合などの様々な公知の3D印刷製造方法に対応するが、これらに限定されない。各種3D印刷方法に関連する各種技術には、特許請求の範囲に記載がない限り、熱溶解積層法 (FDM)、電子ビーム自由造形法 (EBF)、直接金属レーザー焼結法 (DMLS)、電子ビーム溶融法 (EBM)、選択的レーザー溶融法 (SLM)、選択的熱焼結法 (SHS)、選択的レーザー焼結法 (SLS)、石膏ベース 3D 印刷 (PP)、積層オブジェクト製造法 (LOM)、ステレオリソグラフィー (SLA)、デジタル光処理 (DLP) などが含まれるが、これらに限定されるものではない(The various technologies related to the various 3D printing methods include but are not limited to unless recited in the claims, fused deposition modeling (FDM), electron beam free-from fabrication (EBF), direct metal laser sintering (DMLS), Electron Beam Melting (EBM), Selective Laser Melting (SLM), Selective Heat Sintering (SHS), Selective Laser Sintering (SLS), Plaster-based 3D Printing (PP), Laminated Object Manufacturing (LOM), Stereolithography (SLA) and Digital Light Processing (DLP).)。
【0042】
図7は、予混合チューブ118の残りの部分202に固定的に結合された例示的なチューブ先端200の拡大断面側面図である。チューブ先端は、図4及び図5に示すチューブ先端156の1つ又は複数として組み込むことができる。残部202は、予混合チューブ118の修理または改修を開始するために、損傷した出口部分144が少なくとも部分的に除去された後に燃焼器20内に残る予混合チューブ118の部分である。説明を容易にするために、予混合チューブ118の残りの部分202は、予混合チューブ202とも呼ばれることがある。予混合チューブ202は、チューブ先端200が固定的に固定または結合される露出した端部(exposed end portion)204を含む。端部分204は、中間部分142から予混合チューブ202の開放端206まで実質的に軸方向に延びている。予混合チューブ202のチューブチャネル152は、入口148と露出した端部204の開放端206との間に延びている。別の言い方をすれば、予混合チューブ202は、入口部分140、中間部分142、および露出した端部204の間を実質的に軸方向に延びている。
【0043】
図7に示すように、予混合チューブ202は、チューブチャネル152の内径Dを画定する内側面158と、反対側の外側面160とを含む。内径Dは、出口部分144が損傷および/または除去される前に、予混合チューブ118の軸方向長さに沿って、すなわち、入口148と出口150との間で、実質的に一定であってもよい。予混合チューブ202において、露出した端部204は、開放端206に隣接し、入口148に隣接する半径方向に延びる端面162の反対側にある半径方向に延びる補修端面(radially-extending repair end surface)208を画定する。端面208は、外側面160から半径方向内側に延び、内側面158に向かって内側に先細になる角度のついた面210で内側面158から延びている。角度の付いた表面(angled surface)210は、チューブチャネル152の内径Dが開放端206の内径Dまで増加するように、内表面158に対して斜めの角度αで配向される。角度αは、内側面158における内径Dを開放端206における内径Dまで増大させることを可能にする任意の適切な斜角であってよい。例えば、一実施形態において、角度αは、約5°~約60°の間、約5°~約30°の間、約5°~約20°の間、約5°~約10°の間、約10°~約30°の間、約10°~約20°の間、約20°~約60°の間、約20°~約45°の間、約20°~約30°の間、約30°~約60°の間、約30°~約45°の間、または約45°~約60°の間であってよい。外側面160は、開放端206において外径Dを画定する。直径Dは、予混合チューブ202の軸方向長さにわたって実質的に一定であってもよく、または直径Dは、予混合チューブ202の軸方向長さに沿って変化してもよい。
【0044】
角度の付いた表面(angled surface)210は、開放端206において予混合チューブ202の内側面158を機械加工することによって形成することができる。内側面158を機械加工して角度の付いた表面210を形成するのに適した技術には、例えば、放電加工(EDM)、フライス加工、手作業による研削(electrical discharge machining (EDM), milling, hand grinding)、および/または任意の他の適切な機械加工技術が含まれる。内側面158は、損傷した出口部分144を除去して露出した端部204を形成する間、および/またはその後に、角度の付いた表面210を形成するように機械加工され得る。
【0045】
チューブ先端200は、嵌合端部(mating end)212と反対側の出口端部(opposite outlet end)214とを含む。チューブ先端200は、両端部212及び214において開口しており、その間に延びるチューブ先端チャネル(tube tip channel:管先端流路)216を画定する。予混合チューブ118の取り外された出口部分144と同様に、チューブ先端200は、チューブ先端200が予混合チューブ202に固定的に結合または固定された状態で燃料噴射装置100が組み立てられると、中間部分142から燃焼室50(図2)に向かって延びることがある。例示的な実施形態では、チューブ先端200の嵌合端部212は、対応する予混合チューブ202の露出した端部204を受容するサイズおよび形状を有するソケット218を画定する。例えば、ソケット218は、予混合チューブ202の端部204をソケット218で受け止めることができるように、外径Dとほぼ等しいか、または外径Dよりわずかに広い内径Dを規定する。ソケット218は、予混合チューブ202および/またはチューブ先端200の軸中心線220に対して、端部204を横切って軸方向に延びている。予混合チューブ202の端部204がソケット218に受け入れられると、チューブチャネル152は、軸方向中心線220に沿ってチューブ先端チャネル216と軸方向に整列する。予混合チューブ202の入口140は、チューブ先端200の開放された出口端214と流体連通している。
【0046】
チューブ先端チャネル216は、実質的に出口端214とチューブ先端200のカラー224との間を軸方向に延びる内側面222によって画定される。チューブ先端チャンネル216の内径Dは、内側面222を横切って延びている。チューブ先端チャンネル216の内径Dは、チューブチャンネル152の直径Dにほぼ等しくてもよい。カラー224は、内表面222とカラー表面228との間に延び、カラー表面228から内表面222に向かって内側に先細になる角度の付いた表面(angled surface:角度付き面)226を提供する。カラー表面228は、角度の付いた表面226と内側ソケット表面(inner socket surface)230との間で半径方向に延びる。半径方向に延びる端面208は、予混合チューブ202の端部204がソケット218に受容されるとき、カラー面228に隣接して位置し、カラー面228に突き当たる可能性がある。ソケット218の内径Dは、端部204の外径Dとほぼ等しいか、それよりわずかに広く、ソケット218が端部204を受けるとき、端部204の外周面160が内側ソケット表面230に隣接し、かつ/または接触するようになっている。
【0047】
カラー224の角度の付いた表面226は、内側面222に対して斜めの角度αをなしており、これにより、チューブ先端200の内径Dが、カラー面228の半径方向内側の端部における内径Dまで増大する。角度αは、チューブ先端チャネル216の内側面222における内径Dから内径Dまで増大させる任意の適切な斜めの角度とすることができる。例えば、角度αは、約5°~約60°の間、約5°~約30°の間、約5°~約20°の間、約5°~約10°の間、約10°~約30°の間、約10°~約20°の間、約20°~約60°の間、約20°~約45°の間、約20°~約30°の間、約30°~約60°の間、約30°~約45°の間、または約45°~約60°の間であってよい。いくつかの例では、内径D、チューブチャネル152の内径Dとほぼ等しい場合、角度の付いた表面210および226の角度αおよびαは、それぞれの内側面158および222に対して、ほぼ同じである。
【0048】
図7に示すように、予混合チューブ202の端部(end portion)204がソケット218に受容されると、角度の付いた表面210及び226は互いに補完し合い、端面208とカラー表面228との接合部232において実質的に鏡像のテーパー。特に、接合部232において、固定的に結合または固定された予混合チューブ202およびチューブ先端200の内径Dは、チューブチャネル152内の内径Dから増加し、その後、先端チューブチャネル216内の内径Dまで減少する。別の言い方をすれば、テーパー面210および226は、端面208とカラー面228との接合部232において、固定結合された予混合チューブ202およびチューブ先端200の増大した内径Dを提供する(Stated differently, the tapered surfaces 210 and 226 provide the increased inner diameter D2 of the fixedly coupled pre-mix tube 202 and tube tip 200 at the junction 232 of the end surface 208 and the collar surface 228)。
【0049】
接合部232において固定的に結合または固定された予混合チューブ202およびチューブ先端200の内径Dまで増加させることは、予混合チューブ202とチューブ先端200との間の接続が、燃焼室50(図2)内の燃焼火炎を中断させ、および/または燃焼器20内の火炎保持を低下させる可能性がある、そこを通る可燃性混合気の流れを妨げまたは制限する可能性を低減または排除することを容易にする。例えば、チューブ先端200を予混合チューブ202に固定的に固定するために使用される技術(例えば、炉ろう付け、誘導ろう付け、軌道溶接、レーザ溶接、摩擦溶接、電子ビーム溶接、拡散接合、プラズマ溶射、耐熱性接着剤、接着剤クラッディング、高速酸素燃料コーティング溶射、および/または予混合チューブ202が本明細書に記載されるように機能することを可能にする任意の他の既知の技術)は、構成要素を接合するために使用される充填材をチューブチャネル152および/またはチューブ先端チャネル216内に導入し、望ましくないことに蓄積させる可能性がある。蓄積された材料は、そうでなければ、流れを妨げたり、制限したり、そうでなければ、可燃性混合物の流れの擾乱を生じさせる可能性がある。しかしながら、接合部232における増大した直径Dは、チューブチャネル152および/またはチューブ先端チャネル216内に、そのような材料が蓄積するための追加の空間を提供し、チューブ218を通る可燃性混合物の流れに対する蓄積された材料の悪影響を低減または除去することを容易にする。
【0050】
さらに、製造公差(manufacturing tolerances)に起因して、予混合チューブ202の端部204と、ソケット218に受容されたときに端部204に隣接するチューブ先端200のカラー224の形状は、予混合チューブ202とチューブ先端200との間の軸方向の整列にオフセットを生じさせる可能性のある完全に整列しない場合がある。予混合チューブ202とチューブ先端200との間の軸方向の位置合わせのオフセットは、そうでなければ、流れを妨げたり、制限したり、そうでなければ、可燃性混合物の流れの擾乱を生じさせる可能性がある(An offset in axial alignment between the pre-mix tube 202 and the tube tip 200 may otherwise impede or restrict flow or otherwise create flow perturbations of the combustible mixture.)。しかしながら、接合部232における増大した直径Dは、予混合チューブ202とチューブ先端200との間の軸方向の整列におけるオフセットが、そこを通る可燃性混合物の流れに及ぼす可能性のある悪影響を低減または除去することを容易にする。このようにして、燃焼器20の性能、効率、および/または寿命を維持しながら、1つ以上の予混合チューブ202を、対応するチューブ先端200で修理または改修することができる。
【0051】
図8は、予混合チューブ118の残りの部分(remaining portion:残存部分)302に固定的に結合又は固定された別の例示的なチューブ先端300の拡大断面側面図である。予混合チューブ118の残りの部分302は、予混合チューブ302とも呼ばれる。チューブ先端300は、チューブ先端200と同様の特徴および構成要素を含み、予混合チューブ302は、図7を参照して上述した予混合チューブ202と同様の特徴および構成要素を含む。図7および図8では、対応する参照文字が、対応する部品を示すために使用されている。この実施形態において、予混合チューブ302の内表面158は、端面208と内表面158との間に延在し、内表面158と接合する凹面(concave surface)310を含むように機械加工される。予混合チューブ202の角度の付いた表面210と同様に、凹面310は、チューブチャネル152の内径Dを開放端206の内径Dまで増大させる。凹面310は、開放端206で予混合チューブ302の内側面158を機械加工することによって形成することができる。凹面310を形成するために内側面158を機械加工するのに適した技術には、例えば、放電加工(EDM)、フライス加工、手研削、および/または他の任意の適切な機械加工技術が含まれる。内側面158は、損傷した出口部分144を除去して露出した端部204を形成する間および/またはその後に、凹面310を形成するように機械加工されてもよい。
【0052】
チューブ先端300のカラー224は、内側面222とカラー面228とを接合する凹面326を提供する。チューブ先端200の角度の付いた表面226と同様に、凹面326は、チューブ先端300の内径Dを、カラー面228の半径方向内側の端部における内径Dまで増大させる。予混合チューブ302の端部204がチューブ先端300のソケット218に受け入れられると、凹面310及び326は互いに補完し合い、端面208とカラー面228との接合部332において半径R を有する実質的に半円形の形状を形成する。特に、接合部332において、固定的に結合または固定された予混合チューブ302およびチューブ先端300の内径Dは、チューブチャネル152内の内径Dから増加し、その後、先端チューブチャネル216 内の内径Dまで減少する。別の言い方をすれば、凹面310および316は、接合部332において、固定結合された予混合チューブ302およびチューブ先端300の増加した内径Dを提供する。上述したように、接合部332における増大した直径Dは、予混合チューブ302とチューブ先端300との間の接続部が、そこを通る可燃性混合物の流れを妨げたり制限したりする機会を低減または排除することを容易にし、燃焼器20(図2)の性能、効率、および/または寿命を維持しながら、対応するチューブ先端300を有する1つ以上の予混合チューブ302を修理または改修することを可能にする。
【0053】
図9は、予混合チューブ118の残りの部分402に固定又は結合された別の例示的なチューブ先端400の拡大断面側面図である。予混合チューブ118の残りの部分402は、予混合チューブ402とも呼ばれる。チューブ先端400は、チューブ先端200と同様の特徴および構成要素を含み、予混合チューブ402は、図7を参照して上述した予混合チューブ202と同様の特徴および構成要素を含む。図7および図9では、対応する参照文字が、対応する部品を示すために使用されている。この実施形態において、予混合チューブ402の内表面158は、内表面158と、開放端206において半径方向に延びる端面408に隣接する第2の内表面434との間に延びて接合する角度の付いた表面410を含むように機械加工される。第2の内側面434は実質的に平坦である。予混合チューブ202の角度の付いた表面210と同様に、角度の付いた表面410は、開放端206において増大した内径Dを提供する。角度の付いた表面410および第2の内側面434は、開放端206において予混合チューブ402の内側面158を機械加工することによって形成することができる。内側面158を機械加工して角度の付いた表面410および第2の内側面434を形成するのに適した技術には、例えば、放電加工(EDM)、フライス加工、手研削、および/または他の任意の適切な機械加工技術が含まれる。内表面158は、損傷した出口部分144を除去して露出した端部204を形成する間及び/又はその後に、角度の付いた表面410及び第2の内表面434を形成するように機械加工されてもよい。
【0054】
チューブ先端400のカラー224は、半径方向に延びるカラー表面428に隣接して、内表面222と第2の内表面436とを接合する角度の付いた表面426を提供する。第2の内側面436は実質的に平坦である。チューブ先端200の角度の付いた表面226と同様に、角度の付いた表面426は、カラー表面428の半径方向内側の端部において増大した内径Dを提供する。
【0055】
予混合チューブ402の端部204がチューブ先端400のソケット218に受容されると、角度の付いた表面410及び426並びに対応する第2の内側面434及び436は互いに補完し合い、端面408とカラー面428との接合部432において実質的に鏡像のテーパーを形成する。特に、接合部432において、固定結合された予混合チューブ402およびチューブ先端400の内径Dは、内径Dから増加し、その後、内径Dまで減少する。あるいは、角度の付いた表面410および426は、接合部432において、固定結合された予混合チューブ402およびチューブ先端400の増加した内径Dを提供する。上述したように、接合部432における増大した直径は、予混合チューブ402とチューブ先端400との間の接続部が、そこを通る可燃性混合気の流れを妨げたり制限したりする機会を低減または排除することを容易にし、燃焼器20(図2)の性能、効率、および/または寿命を維持しながら、対応するチューブ先端400を有する1つ以上の予混合チューブ402を修理または改修することを可能にする。
【0056】
図10は、点線で示された図9の断面Cの拡大図である。図10は、接合部432と、予混合チューブ402の端面408およびチューブ先端400のカラー面428の対応する特徴をより詳細に描いている。予混合チューブ402の角度の付いた表面410は、内側面158に対して斜めの角度αを向いており、チューブ先端400の角度の付いた表面426は、内側面222に対して斜めの角度αを向いている。角度αおよびαは、それぞれ、内側面158における内径Dから、および内側面222における内径Dから、接合部432における内径Dまで増加するための任意の適切な斜角であってよい。例えば、角度αおよびαはそれぞれ、約5°~約60°の間、約5°~約30°の間、約5°~約20°の間、約5°~約10°の間、約10°~約30°の間、約10°~約20°の間、約20°~約60°の間、約20°~約45°の間、約20°~約30°の間、約30°~約60°の間、約30°~約45°の間、または約45°~約60°の間とすることができる。いくつかの例では、内径Dがチューブチャネル152の内径Dとほぼ等しい場合、角度の付いた表面410および426の角度αおよびαは、それぞれの内表面158および222に対して、ほぼ同じである。
【0057】
図10に示すように、端面408およびカラー面428は、ソケット218内で予混合チューブ402の端部分204のセンタリングを容易にするための対応するセンタリング特徴(centering features:センタリングフィーチャ/センタリング特徴部)を含む。図9及び図10の実施形態について説明したセンタリング特徴は、例えば、図7及び図8を参照して説明した実施形態のような任意の実施形態に含まれてもよい。予混合チューブ402のセンタリング特徴は、端面408に形成され、表面434から半径方向に延びる実質的に平坦な段差面(substantially flat step surface:実質的にフラットなステップ面)438と、外側面160と段差面438とを結合する面取り(chamfer)440とを含む。段差面438は、好適には、予混合チューブ118から損傷端部分144を除去する際に形成され得る。面取り440は、予混合チューブ402の外側面160を開放端206で機械加工することにより形成することができる。面取り440を形成するために外側面160を機械加工するための適切な技術には、例えば、放電加工(EDM)、フライス加工、手研磨、および/または任意の他の適切な機械加工技術が含まれる。外側面160は、損傷した出口部分144を除去して露出した端部204を形成する間及び/又はその後に、面取り440を形成するように機械加工されてもよい。
【0058】
チューブ先端400の対応するセンタリング特徴は、カラー表面(collar surface)428に形成され、表面436から半径方向に延びる実質的に平坦な段差表面442と、内側ソケット表面230と段差表面442とを結合する面取り444とを含む。面取り部440及び444は、好適には、外側面160及び内側ソケット表面230に対してほぼ同じ角度でそれぞれの表面間に延在する。例えば、面取り440はそれぞれ、約20°から約75°の間、約20°から約45°の間、約20°から約30°の間、約30°から約75°の間、約30°から約60°の間、約30°から約45°の間、約45°から約75°の間、約45°から約60°の間、または約60°から約75°の間の範囲内でほぼ同じ角度で延びることができる。
【0059】
上述したように、ソケット218が端部204を受容するとき、ソケット218の内径Dと端部204の外径Dは、端部204の外側面160が内側ソケット表面230に隣接及び/又は当接するようになっていてもよい。端面408及びカラー面428に形成されたセンタリング機能は、接合部432においてソケット218内の端部204の位置合わせを容易にする。特に、ソケット218が端部204を受けるとき、段差面438及び442は互いに隣接及び/又は略接し、面取り部440及び444は互いに隣接及び/又は略接し、ソケット218内で端部204を半径方向及び軸方向に整列させることを容易にする。このようにして、予混合チューブ402の端部分204は、ソケット218内で中央に配置され、チューブチャネル152および先端チューブチャネル216は、軸方向中心線220に沿って実質的に軸方向に整列され得る。
【0060】
図11は、予混合チューブ118の残りの部分502に固定又は結合された別の例示的なチューブ先端500の拡大断面側面図である。予混合チューブ118の残りの部分502は、予混合チューブ502とも呼ばれる。チューブ先端500は、チューブ先端200と同様の特徴および構成要素を含み、予混合チューブ502は、図7を参照して上述した予混合チューブ202と同様の特徴および構成要素を含む。図7および図11において、対応する参照文字は、対応する部品を示すために使用されている。この実施形態では、チューブ先端500の開放嵌合端部(open mating end)512は、ソケット218を含まない。その代わりに、嵌合端部512は、予混合チューブ502の端面208を補完し、かつ、これに隣接する半径方向に延びる端面528を画定する。カップリングスリーブ506が、端面208と528の接合部532を円周方向に取り囲んでいる。カップリングスリーブ506は、ろう付け、溶接、接着剤クラッディング、または2つの構成要素を接合するのに適した任意の手段および/またはプロセスによって、接合部532で予混合チューブ502および/またはチューブ先端500に固定的に結合または固定することができる。
【0061】
図11に示すように、相手側端部512の端面528は、上述したように、内側面222に対して角度αで方向付けられる角度の付いた表面226によって、チューブ先端500の内側面222に接合される。角度の付いた表面226は、相手側端部212の端面528において、増大した内径Dを提供する。角度の付いた表面210と226は互いに補完し合い、端面208と528の接合部532で実質的に鏡像のテーパーを形成する。特に、接合部532において、固定結合された予混合チューブ502およびチューブ先端500の内径Dは、内径Dから増加し、その後、内径Dまで減少する。あるいは、角度の付いた表面210および226は、接合部532において、固定結合された予混合チューブ502およびチューブ先端500の内径を増加させることを提供する。上述したように、接合部532における直径の増大は、予混合チューブ502とチューブ先端500との間の接続が、そこを通る可燃性混合気の流れを妨げたり制限したりする機会を低減または排除することを容易にし、燃焼器20(図2)の性能、効率、および/または寿命を維持しながら、対応するチューブ先端500を有する1つ以上の予混合チューブ502を修理または改修することを可能にする。
【0062】
予混合チューブ118を修理および/または改修するために燃料噴射装置100に組み込むことができるチューブ先端156は、チューブ先端200、300、400、および500として本明細書に図示および説明した例示的な実施形態の特徴のいずれかまたはそれぞれを含むことができる。加えて、チューブ先端156は、様々な他のチューブ先端の形状または構成を含んでもよく、チューブ先端156は、本明細書で説明される例示的な実施形態に限定されるべきではない。さらに、チューブ先端156および予混合チューブ118の対応する端部204(例えば、チューブ先端200、300、400、および500ならびに対応する予混合チューブ202、302、402、および502)について本明細書で説明した例示的な特徴は、図示されていないチューブ先端156および予混合チューブ118の対応する端部204の他の様々な形状または構成と同様に、本明細書で説明した任意の実施形態に適用可能である。例示的な実施形態は、予混合チューブ118の損傷した出口部分144をチューブ先端156に置き換えて、本明細書で説明する利点を容易にするために、チューブ先端156及び対応する端部204に好適に組み込むことができる形状、幾何学形状又は他の構成に関して限定するものではない。
【0063】
図12は、複数の予混合チューブ(例えば、予混合チューブ118)を含む燃料噴射装置(例えば、燃料噴射装置100)を修理する例示的な方法600である。方法600は、図3図11に図示された構成要素をさらに参照して説明される。予混合チューブ118は、燃料噴射装置100の軸方向中心線106に沿って、または軸方向中心線106と平行に互いに実質的に平行に延びている。各予混合チューブ118は、燃料プレナム120を通って延びる入口部分140と、燃料プレナムから軸方向外向きに延びる中間部分142と、中間部分142から燃焼室50(図2)に向かって軸方向外向きに延びる出口部分144とを含む。燃料噴射装置100の運転において、予混合チューブ118の出口部分144は、燃焼室50および/または燃焼火炎に近接しているために極端な温度および高い機械的負荷に曝され、例えば熱応力および酸化によって経時的に損傷する可能性がある。
【0064】
方法600は、少なくとも1つの予混合チューブ118から出口部分144を除去して、露出した端部204を画定すること602を含む。出口部分144の除去602は、チューブの切断またはその他の除去のための任意の適切な手段を用いて行うことができる。例えば、出口部分144の除去602は、スコアリング、放電加工(EDM)、トーチ切断、切断ブレードなどを用いて行うことができる。さらに、出口部分144を除去602することは、予混合チューブ118の出口部分144全体を除去602すること、または出口部分144の一部のみを除去することを含むことができる。例えば、出口部分144の損傷領域のみを除去602してもよい。方法600のいくつかの実施態様では、燃料噴射装置100の予混合チューブ118の各々の出口部分144は、予混合チューブ118の軸方向長さおよび燃料噴射装置100の軸方向中心線106に対して概ね垂直に延びる切断線166(図5)に沿って予混合チューブ118の出口部分144が除去される単一の切断作業で除去602されてもよい。そのような実施態様では、除去602の後、予混合チューブ118に画定された露出した端部204は、実質的に同軸であり、実質的に互いに面一(substantially flush:実質的に平坦)である端面208を有する。他の実施態様では、予混合チューブ118のうちの1つまたはいくつかの出口部分144が個々に除去される一方で、他の予混合チューブ118の出口部分144は除去されない。方法600のいくつかの実施態様では、出口部分144の取り外し602は、燃料噴射装置100から支持プレートまたは他の固定具を取り外す(除去する)ことなく行うことができる。例えば、予混合チューブ118の中間および出口部分142、144は、シュラウド112から下流に設けられた追加の支持プレートまたは固定具なしで、燃料プレナム120から外側に浮動していてもよく、または自由に延びていてもよく、したがって、出口部分144を602除去する前にそのような固定具を除去する必要性を省略することができる(For example, the intermediate and outlet portions 142, 144 of the pre-mix tubes 118 may float or may extend freely outwardly from the fuel plenum 120 without any additional support plate or fixture provided downstream from the shroud 112, thus omitting a need to remove such a fixture prior to removing 602 the outlet portion 144)。
【0065】
方法600はまた、露出した端部204における少なくとも1つの予混合チューブ118の内側面158を、露出した端部204から上流側の予混合チューブ118の内径Dに対して増加した内径Dに機械加工すること604を含む。機械加工604は、例えば、放電加工(EDM)、フライス加工、手作業による研削など、任意の適切な機械加工技術を用いて行うことができる。機械加工604は、露出した端部204において増大した内径Dを規定する端部204の任意の適切な形状を生成してもよい。方法600のいくつかの実施態様において、機械加工604は、露出した端部204において増加した内径Dを規定する、内側に先細りの機械加工表面(例えば、図7および図11に示される角度の付いた表面210、図8に示される凹面310、または図9および図10に示される角度の付いた表面410)を生成してもよい。例えば、露出した端部204は、端面208と内側面158との間を斜めに延び、内側面158に向かって内側に先細(テーパー)になる角度の付いた表面210(図7および図11)を含んでもよい。露出した端部204は、代替的に、端面208と内側面158との間に延びて接合する凹面310(図8)を含んでもよい。露出した端部204は、代替的に、内側面158と端面408に隣接する第2の内側面434との間に斜めに延びる角度の付いた表面410(図9および図10)を含んでもよい。支持プレートは、機械加工604の間、少なくとも1つの予混合チューブ118および少なくとも1つの他の予混合チューブ118上に一時的に取り付けられてもよい。例えば、予混合チューブ118の中間部および出口部142、144が、シュラウド112から下流に設けられた追加の支持プレートまたは固定具なしに、燃料プレナム120から外側に自由に浮くかまたは延びる方法600の実施態様では、支持プレートが、少なくとも1つの他の予混合チューブ118(例えば、少なくとも1つの隣接する予混合チューブ118)とともに、加工604される予混合チューブ118上に一時的に取り付けられて、加工604中の少なくとも1つの予混合チューブ118の動きを制限することを容易にすることができる。
【0066】
方法600は、チューブ先端156を露出した端部204に確実に結合することも含む。チューブ先端156と露出した端部204との結合606は、露出した端部204をチューブ先端156のソケット218に挿入し、露出した端部204の外側面160をソケット218の内側面230に結合することによって行うことができる。チューブ先端156と露出した端部204との結合は、代替的に、チューブ先端156と露出した端部204との間の接合部を結合スリーブ506で囲み、結合スリーブ506をチューブ先端156および/または露出した端部204に固定的に結合または固定することによって行うことができる。チューブ先端156は、チューブを結合するための任意の適切な手段を用いて、露出した端部204に確実に606結合することができる。例えば、チューブ先端156は、炉ろう付け、誘導ろう付け、軌道溶接、レーザー溶接、摩擦溶接、電子ビーム溶接、拡散接合、プラズマ溶射、耐熱性接着剤、接着剤クラッディング、高速オキシ燃料コーティング溶射等によって、露出した端部204に606結合することができる。いくつかの実施態様において、結合606は、チューブ先端156を露出した端部204に確実に結合するために、充填材(例えば、ろう付け充填材または溶接充填材)を溶融することを含み得る。溶融した充填材は、増大した内径Dを規定する露出した端部204の機械加工表面に沿って蓄積する可能性があり、それにより、燃焼器20(図2)の性能、効率、および/または寿命を維持しながら、蓄積した材料がそこを通る可燃性混合物の流れを妨げたり制限したりするリスクを低減または排除することが容易になる。
【0067】
チューブ先端156を露出した端部204に結合606した後、チューブ先端156を含む予混合チューブ118は、好適には、損傷した出口部分144を除去602する前と同じ軸方向長さに延びる。予混合チューブ118が互いに同軸であり、その出口部分144が切断線166に沿った単一の切断操作で602除去される方法600の実施態様では、露出した端部204に結合されたチューブ先端156は、好適には、チューブ先端156が互いに実質的に面一である出口端部214における1以上の端面を画定するように、同軸の広がりを保持する。予混合チューブ118のうちの1つまたはいくつかの出口部分144が個々に除去される方法600の実施態様602では、除去された出口部分144を置換するチューブ先端156は、残りの出口部分144と同一平面上にあり、残りの端面164と実質的に同一平面上にある出口端部214における端面を画定することができる。
【0068】
チューブ先端156の露出した端部204への結合606は、チューブ先端156と露出した端部204との間に接合部(例えば、図7の接合部232、図8の接合部332、図9および図10の接合部432、または図11の接合部532)を形成する。チューブ先端156は、接合部において、接合部から下流側よりも大きな内径Dを有する。すなわち、チューブ先端156は、内径Dを有するチューブ先端チャネル216を画定する内側面222を含み、接合部におけるチューブ先端156の内径Dは、内径Dよりも大きい。例示的な方法では、チューブ先端156および露出した端部204は、接合部においてほぼ等しい内径Dを有する。方法600のいくつかの実施態様において、チューブ先端156は、露出した端部204の内側面構成を補完する接合部における内側面構成を有する。チューブ先端は、接合部とチューブ先端156の内側面222との間に延びて、接合部におけるチューブ先端156のより大きな内径を規定し、かつ機械加工604によって生成された露出した端部204の内側に先細りの機械加工された表面を補完する、内側に先細りの表面(例えば、図7および図11に示される角度のついた表面226、図8に示される凹面326、または図9および図10に示される角度のついた表面426)を有してもよい。例えば、チューブ先端156は、内表面222と半径方向に延びる表面(例えば、図7のカラー表面228または図11の端面528)との間を斜めに延び、内表面222に向かって内側に先細りになっている角度の付いた表面226(図7および図11)を含んでもよい。チューブ先端156は、代替的に、内表面222と半径方向に延びる表面(例えば、図8のカラー表面228または図11の端面528)との間に延びる凹面326(図8)を含んでもよい。チューブ先端156は、代替的に、内表面222と半径方向に延びる表面442に隣接する第2の内表面436との間に斜めに延びる角度の付いた表面426(図9および図10)を含み得る。いくつかの実施態様では、チューブ先端156および露出した端部204の内側面構成は、鏡像を形成し、それぞれ、ほぼ同じであってもよいチューブチャネル152内の内径Dおよびチューブ先端チャネル216内の内径Dから、接合部におけるほぼ同じ内径Dまで内径を増大させる。
【0069】
方法600のいくつかの実施態様において、露出した端部204およびチューブ先端156は、露出した端部204およびチューブ先端156を半径方向および/または軸方向に整列させることを容易にするために、対応するセンタリング特徴を備えてもよい。センタリング特徴は、機械加工604の間に露出した端部204に形成されてもよい。例えば、結合606の間に露出した端部204がチューブ先端156のソケット218に挿入される方法600の実施態様において、機械加工604は、外側面160と露出した端部204の半径方向に延びる段差面438との間に延び、結合する面取り440(図10)を機械加工604することを含んでもよい。チューブ先端156の対応するセンタリング機能は、内側ソケット表面230と段差面442との間に延在し結合する面取り444を含むことができる。結合606の際にソケット218が端部204を受けると、段差面438および442が互いに隣接および/または隣接し、面取り部440および444が互いに隣接および/または隣接して、ソケット218内での端部204の半径方向および軸方向の位置合わせが容易になる。
【0070】
本明細書に記載される例示的な方法は、損傷した出口部分を除去した後に予混合チューブの露出した端部を機械加工して、予混合チューブとチューブ先端との間の接続がそこを通る可燃性混合物の流れを妨げたり制限したりする可能性や危険性を低減または排除することを容易にする予混合チューブの好適な構成を生成することを含む。例えば、予混合チューブは、チューブ先端が取り付けられる露出した端部において、予混合チューブとチューブ先端を通って流れる可燃性混合物の障害となることなく、材料が蓄積するための追加的な内部空間を提供する直径が大きくなるように加工されてもよい。直径の増大はまた、予混合チューブとチューブ先端との間の軸方向の整列のオフセットが、その中を通る可燃性混合物の流れに及ぼす可能性のある悪影響を低減または除去することを容易にする。このようにして、燃焼器の性能、効率、および/または寿命を維持しながら、1つ以上の予混合チューブを、対応するチューブ先端で修理または改修することができる。
【0071】
本開示のさらなる態様は、以下の条項の主題によって提供される。
[実施態様1]
各々が燃料プレナムから出口部分まで延びる複数の予混合チューブを含む燃料噴射装置を修理する方法(A method of repairing a fuel injector including a plurality of pre-mix tubes that each extend from a fuel plenum to an outlet portion)であって、
少なくとも1つの予混合チューブから前記出口部分を除去して露出した端部を画定する(removing the outlet portion from at least one pre-mix tube to define an exposed end portion)ステップと、
前記露出した端部において前記少なくとも1つの予混合チューブの内側面を機械加工して、前記露出した端部から上流側の予混合チューブの内径に対して増大した内径を形成する(machining an inner surface of the at least one pre-mix tube at the exposed end portion to form an increased inner diameter relative to an inner diameter of the pre-mix tube upstream from the exposed end portion)ステップと、
前記露出した端部にチューブ先端を結合する(coupling a tube tip to the exposed end portion)ステップと、を含む方法。
[実施態様2]
前記チューブ先端を前記露出した端部に結合することにより、前記チューブ先端と前記露出した端部との間に接合部が形成され(coupling the tube tip to the exposed end portion creates a junction between the tube tip and the exposed end portion)、前記チューブ先端は、前記接合部において、前記接合部から下流側よりも大きな内径を有する(the tube tip has a greater inner diameter at the junction than downstream from the junction)、実施態様1に記載の方法。
[実施態様3]
前記露出した端部における前記増加した内径が、前記接合部における前記チューブ先端の内径とほぼ等しい(the increased inner diameter at the exposed end portion is approximately equal to the inner diameter of the tube tip at the junction)、実施態様2に記載の方法。
[実施態様4]
前記チューブ先端を露出した端部に結合するステップが、前記チューブ先端を前記露出した端部に確実に結合するために充填材を溶融するステップを含み(coupling the tube tip to the exposed end portion comprises melting a filler material to securely couple the tube tip to the exposed end portion)、溶融された前記充填材が、前記増大した内径において前記接合部の前記内側面に沿って蓄積する(the melted filler material accumulates along the inner surface of the junction at the increased inner diameter)、先行するいずれかの実施態様に記載の方法。
[実施態様5]
前記チューブ先端を前記露出した端部に結合するステップは、前記充填材を用いて前記チューブ先端を前記露出した端部にろう付けまたは溶接することを含む(coupling the tube tip to the exposed end portion comprises one of brazing and welding the tube tip to the exposed end portion using the filler material)、実施態様4に記載の方法。
[実施態様6]
前記内側面を前記増加した内径に機械加工するステップが、放電加工するステップおよびフライス加工するステップの少なくとも一方を含む(machining the inner surface to the increased inner diameter comprises at least one of electrical discharge machining and milling)、先行するいずれかの実施態様に記載の方法。
[実施態様7]
前記チューブ先端を前記露出した端部に結合するステップが、前記露出した端部を前記チューブ先端のソケットに挿入するステップと、前記露出した端部の外側面を前記ソケットの内側面に結合するステップとを含む(coupling the tube tip to the exposed end portion comprises inserting the exposed end portion into a socket of the tube tip and coupling an outer surface of the exposed end portion to an inner surface of the socket)、先行するいずれかの実施態様に記載の方法。
[実施態様8]
前記チューブ先端を前記露出した端部に結合することにより、前記チューブ先端と前記露出した端部との間に接合部が形成され(coupling the tube tip to the exposed end portion creates a junction between the tube tip and the exposed end portion)、前記方法は、前記接合部を結合スリーブで取り囲み、前記結合スリーブを前記チューブ先端および前記露出した端部の少なくとも一方にしっかりと固定することにより、前記チューブ先端を前記露出した端部に確実に結合する(surrounding the junction with a coupling sleeve and fixedly securing the coupling sleeve to at least one of the tube tip and the exposed end portion to thereby securely couple the tube tip to the exposed end portion)ステップをさらに含む、先行するいずれかの実施態様に記載の方法。
[実施態様9]
前記機械加工中、前記少なくとも1つの予混合チューブの移動を制限することを容易にするために、前記少なくとも1つの予混合チューブおよび少なくとも1つの他の予混合チューブ上に支持プレートを一時的に取り付ける(temporarily installing a support plate onto the at least one pre-mix tube and at least one other pre-mix tube to facilitate limiting movement of the at least one pre-mix tube during the machining)ステップをさらに含む、先行するいずれかの実施態様に記載の方法。
[実施態様10]
各々が燃料プレナムから出口部分まで下流に延びる複数の予混合チューブを有する燃料噴射装置を修理する方法(A method of repairing a fuel injector having a plurality of pre-mix tubes that each extend downstream from a fuel plenum to an outlet portion)であって、
予混合チューブから前記出口部分を除去して露出した端部を画定する(removing the outlet portion from a pre-mix tube to define an exposed end portion)ステップと、
前記露出した端部において前記予混合チューブの内側面を機械加工して、前記露出した端部において前記露出した端部から上流側の内径よりも大きな内径を有する内側に先細りの機械加工表面を生成する(machining an inner surface of the pre-mix tube at the exposed end portion to produce an inwardly-tapering machined surface that has a greater inner diameter at the exposed end portion than an inner diameter upstream from the exposed end portion)ステップと、
チューブ先端を前記露出した端部に結合して、前記チューブ先端と前記露出した端部との間に接合部を形成する(coupling a tube tip to the exposed end portion to create a junction between the tube tip and the exposed end portion)ステップと、を含み、前記チューブ先端が、前記接合部と前記チューブ先端の内側面との間に延びる内側に先細りの加工面を有し(the tube tip has an inwardly-tapering surface that extends between the junction and an inner surface of the tube tip)、前記チューブ先端の前記内側に先細りの加工面が、前記接合部においてより大きな内径を規定するために、前記内側に先細りの加工面を補完する(the inwardly-tapering surface of the tube tip complements the inwardly-tapering machined surface to define a larger inner diameter at the junction)、方法。
[実施態様11]
前記内側に先細りに加工された表面が、前記予混合チューブの内側面に対して第1の斜めの角度で配向された第1の角度の付いた表面を備え(the inwardly-tapering machined surface includes a first angled surface that is oriented at first oblique angle relative to the inner surface of the pre-mix tube)、前記チューブ先端の前記内側に先細りに加工された表面が、前記チューブ先端の前記内側面に対して第2の斜めの角度で配向された第2の角度の付いた表面を含む(the inwardly-tapering surface of the tube tip includes a second angled surface that is oriented at second oblique angle relative to the inner surface of the tube tip)、実施態様10に記載の方法。
[実施態様12]
前記予混合チューブの前記内側面と前記チューブ先端の前記内側面とがほぼ同じ直径を画定し(the inner surface of the pre-mix tube and the inner surface of the tube tip define approximately the same diameter)、前記内側に先細り加工された表面によって画定される前記露出した端部における内径が、前記内側に先細り加工された表面によって画定される前記接合部における前記チューブ先端の内径とほぼ同じである(the inner diameter at the exposed end portion defined by inwardly-tapering machined surface is approximately the same as the inner diameter of the tube tip at the junction defined by the inwardly-tapering surface)、実施態様11に記載の方法。
[実施態様13]
前記内側に先細りに加工された表面は、第1の凹面を含み(the inwardly-tapering machined surface includes a first concave surface)、前記チューブ先端の内側に先細りに加工された表面は、第2の凹面を含み(the inwardly-tapering surface of the tube tip includes a second concave surface)、前記第1および第2の凹面は、互いに補い合い、前記接合部において実質的に半円形の形状を形成する(the first and second concave surfaces complement each other and create a substantially semi-circular shape at the junction)、実施態様10に記載の方法。
[実施態様14]
前記チューブ先端に形成された対応するセンタリング特徴部を補完し、前記接合部において前記露出した端部と前記チューブ先端との位置合わせを容易にするセンタリング特徴を生成するために、前記露出した端部を機械加工する(machining the exposed end portion to produce a centering feature that complements a corresponding centering feature formed in the tube tip and facilitates aligning the exposed end portion and the tube tip at the junction)ステップをさらに含む、実施態様10乃至14のいずれか一項に記載の方法。
[実施態様15]
前記チューブ先端を前記露出した端部に結合するステップが、前記露出した端部を前記チューブ先端のソケット内に挿入するステップを含み(coupling the tube tip to the exposed end portion comprising inserting the exposed end portion into a socket of the tube tip)、前記露出した端部に機械加工された前記センタリング特徴が、前記接合部において前記チューブ先端の前記ソケット内に形成された第2の面取りと略接する第1の面取りを含み、前記露出した端部を前記ソケット内に位置合わせすることを容易にする(the centering feature machined into the exposed end portion includes a first chamfer that abuts a second chamfer formed in the socket of the tube tip at the junction and facilitates aligning the exposed end portion within the socket)、実施態様14に記載の方法。
[実施態様16]
各々が燃料プレナムから出口部分まで延びる複数の予混合チューブを備える燃料噴射装置を修理する方法(A method of repairing a fuel injector including a plurality of pre-mix tubes that each extend from a fuel plenum to an outlet portion)であって、
前記複数の予混合チューブの露出した端部を画定するために、切断線に沿って前記複数の予混合チューブから前記出口部分を除去する(removing the outlet portions from the plurality of pre-mix tubes along a cut line to define exposed end portions of the plurality of pre-mix tubes)ステップと、
前記露出した端部において各予混合チューブの内側面を機械加工して、前記露出した端部から上流側の前記予混合チューブの内径に対して増大した内径を形成する(machining an inner surface of each pre-mix tube at the exposed end portion to form an increased inner diameter relative to an inner diameter of the pre-mix tube upstream from the exposed end portion)ステップと、
各露出した端部にチューブ先端を結合する(coupling a tube tip to each exposed end portion)ステップと、を含む方法。
[実施態様17]
前記複数の予混合チューブから前記出口部分を除去することにより、前記露出した端部が画定され、前記露出した端部は、同一平面上にあり、互いに実質的に面一である端面を有する(removing the outlet portions from the plurality of pre-mix tubes defines the exposed end portions that are coextensive and have end surfaces that are substantially flush with one another)、実施態様16に記載の方法。
[実施態様18]
前記露出した端部に結合されたチューブ先端が、同軸上にあり、実質的に互いに面一である端面を有する(the tube tips coupled to the exposed end portions are coextensive and have end surfaces that are substantially flush with one another)、実施態様17に記載の方法。
[実施態様19]
前記複数の予混合チューブから前記出口部分を取り外すことが、前記燃料噴射装置から支持プレートを取り外すことなく実行されるように、前記複数の予混合チューブが、前記燃料プレナムから自由に延びる(the plurality of pre-mix tubes freely extend from the fuel plenum such that removing the outlet portions from the plurality of pre-mix tubes is performed without removing a support plate from the fuel injector)、実施態様16から18のいずれか一項に記載の方法。
[実施態様20]
前記複数の予混合チューブからの前記出口部分の除去が、単一の切断操作を用いて行われる(removing the outlet portions from the plurality of pre-mix tubes is performed using a single cutting operation)、実施態様16から19のいずれか一項に記載の方法。
【0072】
本明細書に記載の方法およびシステムは、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されない。例えば、各システムの構成要素及び/又は各方法のステップは、本明細書に記載される他の構成要素及び/又はステップとは独立して、且つ別個に利用することができる。例えば、本方法及びシステムは、他のタービンシステムと組み合わせて使用することもでき、本明細書に記載のガスタービンエンジンによる実施のみに限定されない。むしろ、例示的な実施形態は、他の多くのタービン用途に関連して実施および利用することができる。
【0073】
本開示の様々な実施形態の特定の特徴は、いくつかの図面に示され、他の図面には示されないことがあるが、これは便宜上のみである。本開示の原理に従い、図面の任意の特徴は、他の図面の任意の特徴と組み合わせて参照および/または請求することができる。
【0074】
本明細書では、実施例を用いて、最良の態様を含む本発明を開示するとともに、任意の装置またはシステムの製造および使用、ならびに組み込まれた方法の実行を含め、当業者であれば誰でも本発明を実施できるようにする。本発明の特許可能な範囲は特許請求の範囲によって定義され、当業者に思いつく他の実施例を含むことができる。そのような他の実施例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0075】
10:ガスタービンエンジン 12:圧縮機セクション 14:入口 15:上流端 16:ケーシング 17:外側ケーシング 18:燃焼セクション 20:燃焼器 22:タービンセクション 24:ロータシャフト 26:作動流体 28:圧縮作動流体 29:燃料 30:高温ガス 32:第1段 33:第2段 34:タービンノズル 36:タービンブレード 38:外側ケーシング 40:高圧プレナム 42:端部カバー 44:燃料供給部 46:流体導管 48:環状ライナ 50:燃焼室 52:高温ガス経路 100:バンドルチューブ燃料噴射器 102:下流側端部 104:上流側端部 106:軸方向中心線 108:燃料入口 110:燃料分配モジュール 112:シュラウド 114:支持プレート 116:入口管 117:開放入口端 118、202:予混合チューブ 120:燃料プレナム 122:第1のプレート 124:第2のプレート 126:外側バンド 128、130、134:チューブ通路 132:中央ノズル通路 136:中央燃料入口通路 138:流体カートリッジ/燃料ノズル 140:第1の部分/入口部分 142:第2の部分/中間部分 144:第3の部分/出口部分/損傷端部分 146:列 148:入口 150:出口 152:チューブチャネル 154:燃料ポート 156、200、300、400、500:チューブ先端 158:内表面 160:外表面 162、164:端面 166:切断線 204:露出した端部 206:開放端 208:半径方向に延びる補修端面/端面 210、226、410、426:角度の付いた表面/テーパー面 212:嵌合端部 214:反対側の出口端部 216:チューブ先端チャネル 218:ソケット 220:軸中心線 222:内表面 224:カラー 228、428:カラー表面 230:内側ソケット表面 232:接合部 302、402、502:残りの部分 310、326:凹面 332、432、532:接合部 408、528:端面 434、436:第2の内表面 438、442:段差面 440、444:面取り 506:カップリングスリーブ 512:開放嵌合端部 α1-α4:角度 C1;断面 CL:軸中心線 D1、D2、D4、D5:内径 D3:直径
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【外国語明細書】