(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025026344
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】透明超音波プローブモジュールおよびこれを備える光学装置
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20250214BHJP
A61B 8/13 20060101ALI20250214BHJP
G01N 29/24 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
A61B8/00
A61B8/13
G01N29/24
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024113428
(22)【出願日】2024-07-16
(31)【優先権主張番号】10-2023-0103805
(32)【優先日】2023-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520337569
【氏名又は名称】ポステック リサーチ アンド ビジネス デベロップメント ファウンデーション
【氏名又は名称原語表記】POSTECH RESEARCH AND BUSINESS DEVELOPMENT FOUNDATION
【住所又は居所原語表記】(Jigok-dong) 77, Cheongam-ro, Nam-gu, Pohang-si, Gyeongsangbuk-do 37673 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、チョン ウー
(72)【発明者】
【氏名】キム、チョル ホン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒョン ハム
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ジン ヒ
【テーマコード(参考)】
2G047
4C601
【Fターム(参考)】
2G047AA12
2G047AC13
2G047BA03
2G047BB01
2G047BC13
2G047CA01
2G047GA21
2G047GB33
4C601DE16
4C601EE02
4C601EE04
4C601EE06
4C601EE09
4C601EE12
4C601EE13
4C601GA01
4C601GA04
4C601GB02
4C601GB04
4C601GB06
4C601GB13
4C601GB18
4C601GB20
4C601GB25
4C601GB33
4C601GB34
4C601GB35
(57)【要約】 (修正有)
【課題】超音波経路と光経路との同軸化を可能にする透明超音波センサを用いてSNRを改善し、機器を小型化できる光学装置を提供すること。
【解決手段】光学装置のハウジングの内部に備えられる透明超音波プローブモジュールは、ハウジングの内部の一側に備えられ、透明な素材で形成され、一面がハウジングの外部に露出されるように配置されるレンズと、レンズの他面上に備えられ、透明な素材で形成される第1整合層と、第1整合層上に備えられ、電気信号と機械信号とを相互変換する複数の透明な圧電素子を含む圧電素子層と、透明な素材で形成され、それぞれ圧電素子層の一面と他面上に備えられ、電気信号を伝達する第1電極層および第2電極層と、第1電極層および第2電極層に連結され曲げられる素材で形成され、圧電素子と電気信号を送受信する回路基板と、第二電極層上に備えられ、透明な素材で形成され、超音波ノイズを除去するブロック層と、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学装置のハウジングの内部に備えられる透明超音波プローブモジュールであって、
前記ハウジングの内部の一側に備えられ、透明な素材で形成され、一面がハウジングの外部に露出されるように配置されるレンズと、
前記レンズの他面上に備えられ、透明な素材で形成される第1整合層と、
前記第1整合層上に備えられ、電気信号と機械信号とを相互変換することができる複数の透明な圧電素子を含む圧電素子層と、
透明な素材で形成され、それぞれ前記圧電素子層の一面と他面上に備えられ、電気信号を伝達する第1電極層および第2電極層と、
前記第1電極層および第2電極層に連結され曲げられる素材で形成され、前記圧電素子と電気信号を送受信することができる回路基板と、
前記第二電極層上に備えられ、透明な素材で形成され、超音波ノイズを除去するためのブロック層と、を含む透明超音波プローブモジュール。
【請求項2】
前記第1整合層と前記レンズとの間に透明な素材で形成された第2整合層をさらに備える、請求項1に記載の透明超音波プローブモジュール。
【請求項3】
前記回路基板は、透明な素材で形成される、請求項1に記載の透明超音波プローブモジュール。
【請求項4】
前記回路基板は、接地基板(ground fpcb)と信号基板(signal fpcb)で構成される、請求項1に記載の透明超音波プローブモジュール。
【請求項5】
前記接地基板は、前記第1電極層と前記第1整合層との間で前記第1電極層と連結され、
前記信号基板は、前記第2電極層と前記ブロック層との間で前記第2電極層と連結される、請求項4に記載の透明超音波プローブモジュール。
【請求項6】
前記回路基板は、接地機能を担う金箔板と信号基板(signal fpcb)で構成される、請求項1に記載の透明超音波プローブモジュール。
【請求項7】
前記金箔板は、前記第1電極層と前記第1整合との間で前記第1電極層と連結され、
前記信号基板は、前記第2電極層と前記ブロック層との間で前記第2電極層と連結される、請求項6に記載の透明超音波プローブモジュール。
【請求項8】
前記ブロック層は、前記圧電素子層および前記第2電極層よりも広い表面を有するように形成され、
前記信号基板は、前記ブロック層の上面のうち前記圧電素子層および前記第2電極層から突出している一部の上に配置されて、前記第2電極層と導電性物質を介して連結される、請求項7に記載の透明超音波プローブモジュール。
【請求項9】
前記圧電素子層を構成する複数の圧電素子は、一列に配置される、請求項1に記載の透明超音波プローブモジュール。
【請求項10】
前記複数の圧電素子は、一列に配置されるが、上に向かって凸状にそびえるアーチ形状に配列される、請求項9に記載の透明超音波プローブモジュール。
【請求項11】
前記複数の圧電素子は、一列に配置されるが、上に向かって凹状に凹んだU字型状に配列される、請求項9に記載の透明超音波プローブモジュール。
【請求項12】
前記圧電素子層を構成する複数の圧電素子は、横と縦の格子形状に配置される、請求項1に記載の透明超音波プローブモジュール。
【請求項13】
前記圧電素子層を構成する複数の圧電素子は、円形状に配置される、請求項1に記載の透明超音波プローブモジュール。
【請求項14】
前記複数の圧電素子は、それぞれ直径の異なるリング形状に形成されて、同心円形状を描いて配置される、請求項13に記載の透明超音波プローブモジュール。
【請求項15】
前記複数の圧電素子は、一定の曲率を有する半球形状に配置される、請求項13に記載の透明超音波プローブモジュール。
【請求項16】
前記整合層および前記ブロック層は、プラスチック、シリコン、ガラス、エポキシのうち一つ以上の素材で形成されるか、前記素材に数ナノメートルないし数百マイクロメートルの直径を有する粉末を混ぜた複合体で形成される、請求項1に記載の透明超音波プローブモジュール。
【請求項17】
前記レンズは、凹レンズ、凸レンズ、平面レンズのうちいずれか一つの形状を有する、請求項1に記載の透明超音波プローブモジュール。
【請求項18】
ハウジングと、
前記ハウジングの内部の一側に備えられる請求項1ないし請求項17のうちいずれか一項の透明超音波プローブモジュールと、
前記ハウジングの内部の他側に備えられ、前記ハウジングの長手方向に沿って前記透明超音波プローブモジュールと同軸に配置される光学機器と、を含む、光超音波光学装置。
【請求項19】
前記ハウジングの内部に備えられ、
前記光学機器と前記透明超音波プローブモジュールとの間に配置される光学レンズをさらに含む、請求項18に記載の光超音波光学装置。
【請求項20】
前記光学機器は、カメラである、請求項18に記載の光超音波光学装置。
【請求項21】
前記光学機器は、光を照射する光源である、請求項18に記載の光超音波光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明超音波プローブモジュールおよびこれを備える光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波センサ(Ultrasonic SensorまたはUltrasonic Transducer)は、圧電物質の特徴を用いて電気エネルギーを音響エネルギーに変換した後、このエネルギーを対象物である物体に伝達し、反射された音響エネルギーを再び電気信号に変換する原理で物体との物理的距離測定および物体の映像獲得を可能にするセンサである。
【0003】
光学および超音波に基づいた映像撮影技法は、MRIやX-ray、CTに比べて安全で接近が容易であり、リアルタイムで映像を確認できるという長所によって医療診断で着実に使用されている。
【0004】
そこで、従来は超音波映像システムと光学映像システムとを結合したり、超音波映像システムと光干渉断層撮影映像システムとを結合したり、超音波映像システムと蛍光イメージングシステムとを結合したりするなどの研究が進められた。
【0005】
図1は、従来の不透明超音波センサと光学機器を通じて対象をスキャンする状態を示す図である。従来の超音波センサ20は、不透明な状態で使用されたが、これにより、超音波センサ20と光学機器30とが併用される場合、
図1に示すように、光学装置30が不透明な超音波センサ20を透過できないので、超音波センサの軸外に配置(un-axis insertion)される。
【0006】
このような軸外配置は、様々な理由で映像を撮影するにあたって不利な点がある。例えば、システムの整列が不良になったり、複雑度が増加したり、システムのサイズが大きくなったり、信号対雑音比SNR(Signal Noise Ratio)が低くなったり、視野角が制限されたりするなどの問題があった。
【0007】
また、光スキャンデータと超音波スキャンデータとが一致せず、正確な診断にも困難があった。
【0008】
例えば、
図1を参照すると、検体500の内部に存在する第1物質501、第2物質502、第3物質503、第4物質504のうち超音波ビーム21によって第1物質501と第4の物質504の一部が検出される。しかし、光学ビーム31によっては、超音波センサ20の鉛直下方に位置する第1物質501が検出されないという問題がある。
【0009】
従来の不透明超音波センサと光学機器を用いて対象をスキャンする光学装置の場合、超音波センサを光源が透過できない。したがって、光路と超音波信号経路とを分離するために、プリズム、シリコンオイルなどの付随的な要素を不可避に配置しなければならなかった。これにより、システムのサイズが非常に大きくなるという問題も発生した。
【0010】
一方、不透明超音波センサの問題を解決するために特許文献1では不透明超音波センサの断面の一部を穿孔して光路を形成することによって、光路と超音波経路とが同じ軸に位置するようにもした。しかし、この場合でも、超音波センサの断面の一部のみで光が透過できるため、超音波センサの光不透過性による問題点を十分に解決することはできなかった。
【0011】
一方、不透明な超音波センサによる映像撮影上の問題を解決するための透明超音波センサの開発が近年数年間進められている。しかし、いくつかの透明超音波センサの場合、低い透明度、低い感度、あるいは広い集束によって依然として高いSNRおよび高解像度の光音響映像を得るのに限界があった。
【0012】
本発明者は、特許文献2(「透明超音波センサおよびその製造方法」)などで、ニオブ酸リチウムLNO(Lithium niobate)基盤の単結晶透明超音波センサ構造およびその製造方法を提示したことがあり、これを踏まえ、特許文献3(「透明超音波センサ基盤の超音波光学複合イメージングシステム」)などで単一素子形態の透明超音波センサに関する光学複合イメージングシステムを提示したことがある。
【0013】
ところが、前記超音波センサ構造は、単一素子で構成されているので、素子一つで時間当たり処理できるデータ量に限界があった。これにより、多重素子構造の透明超音波センサを採用して、リアルタイムで処理できる透明超音波センサの長所をそのまま維持しながらもデータ量を高めて画質を向上させ、より広い視野角を提供できる光学装置の必要性が増大している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第8784321号明細書
【特許文献2】韓国公開特許第10-2021-0034466号公報
【特許文献3】韓国公開特許第10-2022-0029003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、超音波経路と光経路との同軸化を可能にする透明超音波センサを用いてSNRを改善し、機器を小型化できる光学装置を提供することを目的とする。
【0016】
本発明の他の目的は、高い透明度と感度を有する超音波センサを備える光学装置を提供することである。
【0017】
本発明のまた他の目的は、多重圧電素子を採用して画質を向上させ、広い視野角を提供できる光学装置を提供することである。
【0018】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及していないまた他の課題は、以下の記載から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の一態様によれば、光学装置のハウジングの内部に備えられる透明超音波プローブモジュールであって、前記ハウジングの内部の一側に備えられ、透明な素材で形成され、一面がハウジングの外部に露出されるように配置されるレンズと、前記レンズの他面上に備えられ、透明な素材で形成される第1整合層と、前記第1整合層上に備えられ、電気信号と機械信号とを相互変換することができる複数の透明な圧電素子を含む圧電素子層と、透明な素材で形成され、それぞれ前記圧電素子層の一面と他面上に備えられ、電気信号を伝達する第1電極層および第2電極層と、前記第1電極層および第2電極層に連結され曲げられる素材で形成され、前記圧電素子と電気信号を送受信することができる回路基板と、前記第二電極層上に備えられ、透明な素材で形成され、超音波ノイズを除去するためのブロック層と、を含む透明超音波プローブモジュールが提供される。
【0020】
このとき、前記第1整合層と前記レンズとの間に透明な素材で形成された第2整合層がさらに備えられ得る。
【0021】
このとき、前記回路基板は、透明な素材で形成され得る。
【0022】
このとき、前記回路基板は、接地基板(ground fpcb)と信号基板(signal fpcb)で構成され得る。
【0023】
このとき、前記接地基板は、前記第1電極層と前記第1整合層との間で前記第1電極層と連結され、前記信号基板は、前記第2電極層と前記ブロック層との間で前記第2電極層と連結され得る。
【0024】
このとき、前記回路基板は、接地機能を担う金箔板と信号基板(signal fpcb)で構成され得る。
【0025】
このとき、前記金箔板は、前記第1電極層と前記第1整合との間で前記第1電極層と連結され、前記信号基板は、前記第2電極層と前記ブロック層との間で前記第2電極層と連結され得る。
【0026】
このとき、前記ブロック層は、前記圧電素子層および前記第2電極層よりも広い表面を有するように形成され、前記信号基板は、前記ブロック層の上面のうち前記圧電素子層および前記第2電極層から突出している一部の上に配置されて、前記第2電極層と導電性物質を介して連結され得る。
【0027】
このとき、前記圧電素子層を構成する複数の圧電素子は、一列に配置され得る。
【0028】
このとき、前記複数の圧電素子は、一列に配置されるが、上に向かって凸状にそびえるアーチ形状に配列され得る。
【0029】
このとき、前記複数の圧電素子は、一列に配置されるが、上に向かって凹状に凹んだU字型状に配列され得る。
【0030】
このとき、前記圧電素子層を構成する複数の圧電素子は、横と縦の格子形状に配置され得る。
【0031】
このとき、前記圧電素子層を構成する複数の圧電素子は、円形状に配置され得る。
【0032】
このとき、前記複数の圧電素子は、それぞれ直径の異なるリング形状に形成されて、同心円形状を描いて配置され得る。
【0033】
このとき、前記複数の圧電素子は、一定の曲率を有する半球形状に配置され得る。
【0034】
このとき、前記整合層および前記ブロック層は、プラスチック、シリコン、ガラス、エポキシのうち一つ以上の素材で形成されるか、前記素材に数ナノメートルないし数百マイクロメートルの直径を有する粉末を混ぜた複合体で形成され得る。
【0035】
このとき、前記レンズは、凹レンズ、凸レンズ、平面レンズのうちいずれか一つの形状を有することができる。
【0036】
本発明の他の態様によれば、ハウジングと、前記ハウジングの内部の一側に備えられる前述の透明超音波プローブモジュールと、前記ハウジングの内部の他側に備えられ、前記透明超音波プローブモジュールの他端に配置され、前記ハウジングの長手方向に沿って前記透明超音波プローブモジュールと同軸に配置される光学機器と、を含む、光超音波光学装置が提供される。
【0037】
このとき、前記光超音波光学装置は、前記ハウジングの内部に備えられ、前記光学機器と前記透明超音波プローブモジュールとの間に配置される光学レンズをさらに含むことができる。
【0038】
このとき、前記光学機器は、カメラであり得る。
【0039】
このとき、前記光学機器は、光源であり得る。
【発明の効果】
【0040】
上記の構成により、本発明の一態様に係る光学装置は、透明超音波プローブモジュールを光学機器と同軸に配置する構成を採用することにより、信号対雑音比(SNR)を改善し、機器を小型化することができる。
【0041】
また、本発明の他の態様に係る光学装置は、ニオブ酸リチウムなどの透明な素材を使用して、高い透明度を有する超音波プローブモジュールを提供することができる。
【0042】
また、本発明のまた他の態様に係る光学装置は、多重圧電素子を適用することにより、画質を向上させ、広い視野角を提供することができる。
【0043】
また、本発明のさらに他の態様による光学装置は、多重圧電素子の配列を多様化することにより、目的に応じた光学装置を提供することができる。
【0044】
本発明の効果は、上述の効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明または特許請求の範囲に記載された発明の構成から推論可能な全ての効果を含むと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】従来の不透明な超音波プローブと光学機器を用いて検体をスキャンする状態を模式化した図である。
【
図2】超音波プローブと光学機器を同軸に配置した場合と非同軸に配置した場合に獲得できる光音響断層映像および超音波断層映像を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る光学装置を示す斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る光学装置の断面を示す断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る光学装置が対象をスキャンする状態を模式化した図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る光学装置に備えられる超音波プローブモジュールを示す図である。
【
図7】
図6に示す超音波プローブモジュールをI-I’方向から見た断面と当該断面の一部を拡大して示す図である。
【
図8】
図6に示す超音波プローブモジュールをII-II’方向から見た断面と当該断面の一部を拡大して示す図である。
【
図9】本発明の第2実施形態に係る光学装置の超音波プローブモジュールを示す図である。
【
図10】
図9に示す超音波プローブモジュールの第2実施形態をIII-III’方向から見た断面と当該断面の一部を拡大して示す図である。
【
図11】
図9に示す超音波プローブモジュールの第2実施形態をIV-IV’方向から見た断面と当該断面の一部を拡大して示す図である。
【
図12】本発明の第3実施形態に係る光学装置の超音波プローブモジュールを
図10と同じ方向から見た断面と当該断面の一部を拡大して示す図である。
【
図13】本発明に係る光学装置の圧電素子の配置の第1変形例に係る光学装置の超音波プローブモジュールを示す図である。
【
図14】本発明に係る光学装置の圧電素子の配置の第2変形例に係る光学装置の超音波プローブモジュールを示す図である。
【
図15】本発明に係る光学装置の圧電素子の配置の第3変形例に係る光学装置の超音波プローブモジュールを示す図である。
【
図16】本発明に係る光学装置の圧電素子の配置の第4変形例に係る光学装置の超音波プローブモジュールを示す図である。
【
図17】本発明に係る光学装置の圧電素子の配置の第5変形例に係る光学装置の超音波プローブモジュールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施例について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は、様々な異なる形態で実施することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されない。図面において本発明を明確に説明するために、説明に関係のない部分は省略し、明細書全体を通して同一または同様の構成要素については同じ参照符号を付した。
【0047】
本明細書および特許請求の範囲で使用される単語および用語は、通常的または辞書的な意味に限定されず、自分の発明を最良の方法で説明するために発明者が用語および概念を定義できる原則に従って本発明の技術的思想に合致する意味と概念として解釈されなければならない。
【0048】
本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらの組み合わせたものが存在することを説明しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないものとして理解されなければならない。
【0049】
ある構成要素が他の構成要素の「前方」、「後方」、「上部」または「下部」にあることは、特別な事情がない限り、他の構成要素と直接接して「前方」、「後方」、「上部」または「下部」に配置されるだけでなく、その中間にまた他の構成要素が配置される場合も含む。また、ある構成要素が他の構成要素と「連結」されていることは、特別な事情がない限り、互いに直接連結されるだけでなく、間接的に互いに連結される場合も含む。
【0050】
本発明の一実施形態に係る光学装置は、透明に形成される超音波プローブモジュールと光学機器とが同軸に配置された状態で診断対象をスキャンするための光学装置である。
【0051】
図1は、従来の不透明な超音波プローブと光学機器を用いて検体をスキャンする状態を模式化した図である。
図2は、超音波プローブと光学機器を同軸に配置した場合と非同軸に配置した場合に獲得できる光音響スキャンデータおよび超音波スキャンデータを示す図である。
図3は、本発明の一実施形態に係る光学装置を示す斜視図である。
図4は、本発明の一実施形態に係る光学装置の断面を示す断面図である。
図5は、本発明の一実施形態に係る光学装置が検体をスキャンする状態を模式化した図である。ここでの検体500は、光超音波プローブで検査できる対象であればいずれでもよい。例えば、検体500は、人間の身体組織であり得、他の生命体の生体組織であり得る。
【0052】
以下、本発明の一実施形態に係る光学装置100について先に説明した後、光学装置100を構成する超音波プローブモジュール200および光学機器300の構造について説明する。
【0053】
図5には、本発明の一実施形態に係る透明超音波プローブモジュールと光学機器および検体500が示されている。
図5に示す検体500は、検体500の深部が
図5から見たときz軸の負方向に、検体の外面が
図5から見たときz軸の正方向に向かうように示された。
【0054】
図3~
図5を参照すると、本発明の一実施形態に係る光学装置100は、ハウジング400の内部に超音波プローブモジュール200と光学装置300とが同軸に結合され得る。
【0055】
ハウジング400は、使用時にユーザが容易に把持できるように高さ方向に沿って側面に屈曲がある曲面の形状に形成され得る。
【0056】
また、内部に配置される超音波プローブモジュール200と光学装置300から放出されるビームが外部に抜け出すために、ハウジング400の一側には、開口部が形成され得る。
【0057】
本発明の一実施形態に係る光学装置100は、
図3に示すように無線装置として提供されることもできるが、これに限定されず、有線装置として提供されることもできる。
【0058】
光学装置100が無線装置として提供される場合、ハウジング400の他側は、密閉されるように形成され得、これとは異なり、光学装置100が有線装置として提供される場合、ケーブルを連結するための開口部およびケーブルを安定して支持できるように別の支持部が形成され得る。
【0059】
また、
図4を参照すると、ハウジング400の内部には、光学機器300が超音波プロフモジュール200と結合された状態で、ハウジングの内部で安定して固定できるようにする結合ホルダ420が備えられ得る。
【0060】
結合ホルダ420は、ハウジング本体410の一部として構成されて、光学装置300を包むように形成され得、一側に光学機器300よりも突出して超音波プローブモジュール200の他側を支持することができる。
【0061】
超音波プローブモジュール200は、ハウジング400の内部の一側に位置され、超音波プローブモジュール200の一側がハウジング400の一側に備えられる開口部を通じて外部に露出され得る。
【0062】
外部に露出できる超音波プローブモジュール200の一側部には、レンズ210が位置され得る。
【0063】
図3に示すように、超音波プローブモジュール200のレンズ210の一面がハウジング400の開口部を通って外部に露出され、レンズ210と超音波プローブモジュール200の残りの部分は、ハウジング400の内部に位置されるように形成され得る。
【0064】
図4を参照すると、超音波プローブモジュール200の他側には、光学機器300が配置され得る。このとき、超音波プローブモジュール200と光学機器300とを同軸に結合するために、超音波プローブモジュール200は、光路を妨げない透明な材質で形成され得る。
【0065】
このとき、光学機器300は、外部からハウジング400の内部に入る光を撮影するためのカメラとして提供されるか、ハウジング400の内部から外部に光を放出するための光源として提供され得る。
【0066】
ただし、光学機器300は、これに限定されず、カメラ機能と光源機能の両方を備えた機器として備えられてもよく、複数の機器が結合された形態で形成され得る。
【0067】
また、図には示さなかったが、超音波プローブモジュール200と光学機器300との間には、光路を目的に合うように設定するための光学系が配置されることも可能である。
【0068】
このとき、光学系は、光の進行経路を変化させることができる凸レンズ、凹レンズだけでなく円筒形レンズ、ボール型レンズ、ビームシェーパー、ビームディフューザなどを含むことができる。
【0069】
上記のような構成により、本発明の一実施形態によれば、ハウジング400内に超音波プローブモジュール200および光学機器300が同軸に配置されることにより、超音波プローブモジュール200でスキャンのために検体500に照射される超音波ビーム201と光学装置300でスキャンのために検体500に照射される光学ビーム301とが、
図1とは異なり、並んだ方向に直進するようになる。
【0070】
これにより、
図1で従来の超音波センサ20と光学機器30から照射された超音波ビーム21と光学ビーム31で形成された像が、それぞれ検体500の外面の異なる位置に到達したのとは異なり、本発明の一実施形態に係る光学装置100を使用する場合、検体500の外面には、同じ位置に超音波ビーム201で形成された像と光学ビーム301で形成された像が到達することができる。
【0071】
これにより、従来の光学装置100を使用する場合、検体500の外面から一定の深さL1以内には、超音波ビーム21が到達する領域に光学ビーム31が到達できなかったのとは異なり、
図5に示すように、本発明の一実施形態に係る光学装置を使用する場合、検体500の深さ方向の全領域L3に沿って超音波映像情報と光学映像情報の両方を得ることができる。
【0072】
また、従来機器において、超音波ビーム21と光学ビーム31の経路が異なって進むにつれて発生した低い信号対雑音比を有するという問題も解決できる。
【0073】
このような効果は、本発明の一実施形態に係る光学装置のように、同軸に超音波プローブと光学機器とを配置する場合に得られた光音響スキャンデータ(
図2の(a))と超音波スキャンデータ(
図2の(b))でも確認することができる。
【0074】
図2の(a)は、超音波プローブと光学機器とが同軸に配置された状態で獲得された光音響スキャンデータであり、
図2の(b)は、超音波プローブと光学機器とが同軸に配置された状態で獲得された超音波スキャンデータである。
図2の(c)は、超音波プローブと光学機器とが非同軸に配置された状態で獲得された光音響スキャンデータであり、
図2の(d)は、超音波プローブと光学機器とが非同軸に配置された状態で獲得された超音波スキャンデータである。
【0075】
図2の(a)と(c)とを比較すると、超音波プローブと光学機器とが非同軸に配置された状態で獲得されたスキャンデータである
図2の(c)では、深さが浅い部分のデータが欠落していることを確認することができる。
【0076】
また、
図2の(c)に示すスキャンデータでは、深さが深い部分で多くのノイズが発生したことを確認することができる。
【0077】
上記のように、超音波プローブと光学機器とが同軸に結合される場合、光音響スキャンデータ(
図2の(a))と超音波スキャンデータ(
図2の(b))とが一致するのに対し、超音波プローブと光学機器とが非同軸に結合される場合、光音響スキャンデータ(
図2の(c))と超音波スキャンデータ(
図2の(d))とが一致しないという問題が発生する。
【0078】
以下、図面を異にして、本発明に係る光学装置100に備えられる超音波プローブモジュール200の構造について説明する。
【0079】
図6は、本発明の第1実施形態に係る光学装置に備えられる超音波プローブモジュールを示す図である。
図7は、
図6に示す超音波プローブモジュールをI-I'方向から見た断面と当該断面の一部を拡大して示す図である。
図8は、
図6に示す超音波プローブモジュールをII-II’方向から見た断面と当該断面の一部を拡大して示す図である。
【0080】
図3および
図6を参照すると、本発明の一実施形態に係る光学装置に設置できる超音波プローブモジュール200は、ハウジング400の開口部が形成された一側部に位置し、超音波プローブモジュール200の一側にレンズ210が備えられて、レンズ210の一面がハウジング400の開口部を通じて外部に露出される。
【0081】
このとき、レンズ210は、目的に応じて凹レンズ、凸レンズ、平面レンズのうちいずれか一つの形状を有するように形成され得る。
【0082】
本発明の一実施形態に係る超音波プローブモジュール200のレンズ210は、シリコン素材で形成され得、水を主成分とするジェルやプラスチック、エポキシ樹脂で形成されることも可能である。
【0083】
本発明の一実施形態に係る超音波プローブモジュール200のレンズの他面上には、整合層220が配置されることができ、整合層220の他面上には、一つ以上の圧電素子で形成された圧電素子層230が配置され得る。
【0084】
整合層220は、圧電素子層230を構成する圧電素子から発生する超音波信号を照射しようとする媒質、すなわち検体500との音響インピーダンス(acoustic impedance)の差を減らすためのものである。
【0085】
すなわち、圧電素子の動作のために超音波信号が生成されるとき、空気ではない水、生体組織または他の媒体内で効率的な超音波信号を伝達するためには、当該媒体の音響インピーダンスを最大限に調整してこそ、超音波エネルギーの損失を最小限に抑えることができる。
【0086】
本例の整合層220は、光と超音波信号の焦点調節が可能な音響レンズを備えるフォーカシングタイプ(focused type)であり得る。
【0087】
このような場合、整合層220の焦点調節機能により、検体500に反射されて透明超音波プローブモジュール200に入射する超音波信号は、圧電素子の所望の位置に正確に結ばれ得る。
【0088】
したがって、このような整合層220の焦点調節機能により、圧電素子層230から出力される超音波信号によって獲得される超音波映像の焦点調節が行われ、鮮明な超音波映像が獲得され得る。
【0089】
これにより、透明超音波プローブモジュール200の動作により獲得される映像の鮮明度が向上されて、超音波信号が照射された検体500の所望の部位に対する鮮明な映像が獲得され得る。
【0090】
また、整合層220が音響レンズを用いる場合、表面の屈曲が一定で表面の透明度が向上されて、検体500に照射されるか、検体500から反射される超音波信号の送受信時の超音波信号の損失量を減少させることができる。
【0091】
また、必要に応じて、整合層220に追加の透過膜や遮断膜を形成して、所望の波長帯の信号のみを透過または遮断することができる。
【0092】
本発明の一実施形態に係る整合層220の場合、上記のような目的を達成するために、第1整合層222および第2整合層224の2つの層で形成され得る。
【0093】
整合層220に備えられた音響レンズは、超音波が高効率で伝達されるように、すなわち、層間に反射が起こらないように音響インピーダンスを考慮した素材で形成され得る。
【0094】
例えば、整合層220は、透明なプラスチック、シリコン、ガラス、エポキシ樹脂で形成され得、前記素材に数ナノメートルないし数百マイクロメートルの直径を有する粉末を一部混ぜた複合体で形成されることも可能である。
【0095】
整合層220の他側に備えられる圧電素子層230は、一つ以上の圧電素子で形成され得る。
【0096】
圧電素子は、機械的な力が素子に加えられる場合、分極を起こして電気を発生させる圧電効果(Piezoelectric effect)と、電圧が素子に加えられる場合、収縮および弛緩の機械的な動きを起こす逆圧電効果を起こすことがある。
【0097】
本発明の一実施形態に係る超音波プローブモジュール200は、圧電効果と逆圧電効果を用いて、超音波を検体500側に送信し、検体500から反射される超音波を受信して当該電気信号を生成することができる。
【0098】
圧電素子層230を構成する圧電素子の個数は、超音波プローブモジュール200のサイズに応じて変わり得る。例えば、圧電素子層230は、64個の圧電素子で構成されるか、または1024個の圧電素子で構成されることもある。
【0099】
このとき、複数の圧電素子は、比較的大きいサイズの圧電素子をダイシングソーやレーザー切断などの機械的に切断する工程を経て製作されたものであり得る。
【0100】
このとき、圧電素子は、ニオブ酸リチウムLNO(Lithium niobate)で形成され得、LNOだけでなく、PMN-PT、PVDF、およびPVDF-TrFEなどの圧電特性を現す透明な圧電材料を含有することができる。
【0101】
図7および
図8を参照すると、圧電素子層230の一面と他面上には、電気信号を伝達するための電極層260が形成され得る。
【0102】
電極層260は、圧電素子層230の一面と第1整合層222の他面との間に配置される第1電極層261および圧電素子層230の他面とブロック層240との間に配置される第2電極層262で構成され得る。
【0103】
第1電極層261および第2電極層262は、圧電素子層230を構成するそれぞれの圧電素子の上面と下面に蒸着して形成され得る。また、第1電極層261および第2電極層262は、相互間の電気的ショートを防止するために絶縁され得る。
【0104】
第1電極層261および第2電極層262は、本発明の一実施形態に係る超音波プローブモジュール200の他の構成要素と同様に透明な材料で形成され得る。
【0105】
より具体的には、第1電極層261および第2電極層262は、銀ナノワイヤーAgNW(Silver nanowire)、銅ナノワイヤーCuNW(Copper nanowire)、金ナノワイヤーAuNW(Gold nanowire)、Indium-tin-oxide(ITO)、カーボンナノチューブ、グラフェンなどの透明で導電性のある素材で形成され得る。
【0106】
また、第1電極層261および第2電極層262は、例えば、100nm未満の厚さに形成され得る。
【0107】
一方、
図6~
図8を参照すると、本発明の一実施形態に係る超音波プローブモジュール200の第2電極層262の他面上には、ブロック層240が配置され得る。
【0108】
ブロック層240は、本発明の一実施形態に係る超音波プローブモジュール200で発生する超音波ノイズを除去するためのダンピングの役割を果たすことができる。
【0109】
圧電素子層230で生成された超音波ビーム201は、検体500が位置する光学装置100の前方にも進むが、それとは反対方向の後方にも進む。
【0110】
このとき、前方に進む超音波ビーム201とは異なり、後方に進む超音波ビームは、超音波プローブモジュール200が検体500をスキャンするのにノイズとして作用することがある。
【0111】
また、光学装置100の前方に進んだ超音波ビーム201が検体500によって反射されて再び超音波プローブモジュール200に戻る場合、整合層220および圧電素子層230を通過して再反射され得る。これにより、不要な信号干渉が発生することがある。
【0112】
ブロック層240は、このような不要な信号干渉を防止し、圧電素子層230の他側、つまり光学装置100の後方に向かう超音波信号を減衰する役割を果たすことができる。
【0113】
このとき、ブロック層240の他側に光学ビームが通過できなければならないので、ブロック層240も透明な素材で形成され得る。
【0114】
より具体的には、ブロック層240は、プラスチック、シリコン、ガラス、エポキシ樹脂で形成され得、減衰性能を高めるために、前記素材に数ナノメートルないし数百マイクロメートルの直径を有する粉末を一部混ぜた複合体で形成されることも可能である。
【0115】
図6~
図8を参照すると、本発明の一実施形態に係る超音波プローブモジュール200の第1電極層261と第2電極層262には、それぞれ回路基板251、252が連結され得る。
【0116】
回路基板は、光学装置100のハウジング400内の狭い空間に入らなければならないので、概して薄くて柔軟性のある軟性回路基板(Flexible printed circuit boord)で形成され得る。
【0117】
本発明の一実施形態に係る超音波プローブモジュール200の場合、回路基板は、接地を担う接地基板(Ground fpcb)251と信号伝達の役割を担う信号基板(signal fpcb)252で構成され得る。
【0118】
信号基板252は、それぞれの圧電素子との信号交換のために、各圧電素子に対応するラインとパッドを備えることができ、それぞれのラインとパッドは、各圧電素子と一対一で対応するように構成され得る。
【0119】
このとき、接地基板251は、第1電極層261の一側に連結されて、連結部が第1電極層261と第1整合層222との間に位置することができ、信号基板252は、第2電極層262の他側に連結されて、連結部が第2電極層262とブロック層240との間に位置することができる。
【0120】
接地基板251および信号基板252は、不透明な素材で形成されることも可能である。
【0121】
接地基板251および信号基板252が不透明な素材で構成される場合、超音波ビーム201または光学ビーム301が通る圧電素子層230の中央部に対応する部分は、接地基板251および信号基板252が開けられたまま形成され、圧電素子層230の端部に接地基板251および信号基板252が付着されるように形成され得る。
【0122】
接地基板251および信号基板252が透明な素材で構成される場合には、圧電素子層230の中心部に対応する部分を開けないまま形成され得る。
【0123】
このとき、
図7および
図8を参照すると、接地基板251と第1電極層261とが連結される部分および信号基板252と第2電極層262とが連結される部分は、回路基板の金箔255が露出されたまま形成され得る。
【0124】
接地基板251と第1電極層261とが連結される部分および信号基板252と第2電極層262とが連結される部分を除いた接地基板251および信号基板252の残りの部分は、それぞれの回路基板と連結される光学装置100のコネクタ部分との連結部を除けば、全て絶縁されて形成され得る。
【0125】
このとき、接地基板251と信号基板252は、50μm未満の厚さに形成され得、金箔255の厚さは、100nm未満に形成され得る。
【0126】
上記のような積層構造は、それぞれの圧電素子層230を構成するそれぞれの圧電素子ごとに全て適用され得、
図6および
図8を参照すると、複数の圧電素子が一列に配列される場合、図に示すようにそれぞれの圧電素子との積層構造が所定の間隔を隔て配置され得る。
【0127】
図9は、本発明の第2実施形態に係る光学装置の超音波プローブモジュールを示す図である。
図10は、
図9に示す超音波プローブモジュールの第2実施形態をIII-III’方向から見た断面と当該断面の一部を拡大して示す図である。
図11は、
図9に示す超音波プローブモジュールの第2実施例をIV-IV’方向から見た断面と当該断面の一部を拡大して示す図である。以下、本発明の他の実施形態を説明するにあだって、前述の実施形態と同一の構成については詳細な説明を省略し、前述の実施形態と区別される構成を中心に本発明の様々な実施形態について説明する。
【0128】
図9~
図11に示す本発明の第2実施形態に係る超音波プローブモジュール200を参照すると、レンズ210から他側へ整合層220、圧電素子層230、およびブロック層240が順次配置されることは、
図6~
図8に示す第1実施形態に係る超音波プローブモジュール200と同一である。
【0129】
ただし、
図6~
図8に示す超音波プローブモジュール200とは異なり、
図9~
図11に示す超音波プローブモジュール200の変形例の場合、接地基板なしに信号基板252のみで回路基板が構成され得る。
【0130】
このとき、
図10を参照すると、本発明の一実施形態に係る超音波プローブモジュール200の変形例では、金箔で接地基板に代わる接地金箔253が備えられ得る。
【0131】
接地金箔253は、一端部が第1電極層261と連結され得、他端部が信号基板252に連結され得る。
【0132】
このとき、
図10を参照すると、接地金箔253と他の構成要素との間のショートを防止するために、圧電素子層230、第2電極層262、および信号基板252の金箔255と接地金箔253との間の空間に絶縁部材254が備えられ得る。
【0133】
本発明の一実施形態に係る超音波プローブモジュール200は、回路基板や金箔にエポキシなどの接着部材を塗布した後、圧力を加えて回路基板や金箔を圧電素子層230に接着することができる。
【0134】
このとき、接着のために使用される接着部材が形成する接着層は、接着の対象となる回路基板や金箔の厚さと同じ厚さに形成される。
【0135】
このとき、接着部材が超音波プローブモジュール200から検出される超音波スキャンデータに影響を与えることがあるので、接着層が薄く形成されるほどノイズや歪みのない超音波スキャンデータを得ることができる。
【0136】
回路基板は、50μmの厚さに形成できるものとは異なり、金箔の厚さは、100nm未満に形成できるので、
図9~
図11に示す超音波プローブモジュール200のような変形された構成を採用する場合、
図6~
図8に示す超音波プローブモジュール200の構成に比べて接着層をより薄く形成することが可能である。
【0137】
したがって、当該変形例に係る構造を採用する場合、より正確な超音波スキャンデータを獲得できるという長所がある。
【0138】
図12は、本発明の第3実施形態に係る光学装置の超音波プローブモジュールを
図10と同じ方向から見た断面と当該断面の一部を拡大して示す図である。
【0139】
図12を参照すると、第3実施形態の場合、圧電素子層230の他側に配置されるブロック層240が圧電素子層230、整合層220、およびレンズ210に比べてより広い幅を有するように形成され得る。
【0140】
これにより、
図6~
図11に示す超音波プローブモジュール200の場合とは異なり、信号基板252が圧電素子層230とブロック層240との間を干渉せず、圧電素子層230側面で圧電素子層230と信号基板252とが連結され得る。
【0141】
この場合、圧電素子層230と信号基板252との電気的連結のために、信号基板252から突出した金箔255が圧電素子層230とブロック層240との間に配置され得る。
【0142】
この場合、信号基板は、50μmの厚さに形成できるものとは異なり、金箔の厚さは、100nm未満に形成できるので、当該変形例は、信号基板252が圧電素子層230とブロック層240との間を干渉して超音波の送受信に与える影響を最小限に抑えることができる。
【0143】
また、当該変形例の場合、
図9~
図11に示す超音波プローブモジュール200の場合と同様に、接地基板を接地金箔253に置き換える構成を採用しているので、
図6~
図8に示す超音波プローブモジュール200の構成に比べて接着層をさらに薄く形成することが可能である。
【0144】
以上のような超音波プローブモジュール200の積層構造は、圧電素子層230を構成する圧電素子の配置が変わる追加の変形例にも同一に適用され得る。
【0145】
図13は、本発明に係る光学装置の圧電素子の配置の第1変形例に係る光学装置の超音波プローブモジュールを示す図である。
図14は、本発明に係る光学装置の圧電素子の配置の第2変形例に係る光学装置の超音波プローブモジュールを示す図である。
図15は、本発明に係る光学装置の圧電素子の配置の第3変形例に係る光学装置の超音波プローブモジュールを示す図である。
図16は、本発明に係る光学装置の圧電素子の配置の第4変形例に係る光学装置の超音波プローブモジュールを示す図である。
図17は、本発明に係る光学装置の圧電素子の配置の第5変形例に係る光学装置の超音波プローブモジュールを示す図である。
【0146】
図13を参照すると、圧電素子層230を構成する圧電素子は、凸状(Convex)に配列され得る。
【0147】
圧電素子層230が凸状に形成される場合、これにより、レンズ210、整合層220、およびブロック層240も凸状に形成され得る。
【0148】
この場合、超音波プローブモジュール200がより広い領域を照射できるという長所がある。
【0149】
このように、超音波プローブモジュール200の圧電素子層230、レンズ210、整合層220、およびブロック層240の形状が凸状に形成される場合にも、超音波プローブモジュール200の積層順序と透明度およびハウジング400内における光学機器300との位置関係は、前述した圧電素子層230の配置が変形されていない場合と同一に形成され得る。
【0150】
したがって、
図13に示すように、本発明の一実施形態に係る超音波プローブモジュール200の圧電素子層230の第1変形例の場合にも、光がハウジング内で光学機器300から超音波プローブモジュール200を透過してハウジングの外部に進むことができる。
【0151】
図14を参照すると、圧電素子層230を構成する圧電素子は、凹状(Concave)に配列され得る。
【0152】
圧電素子層230が凹状に形成される場合、これによりレンズ210、整合層220、およびブロック層240も凹状に形成され得る。
【0153】
この場合、超音波プローブモジュール200が比較的狭い領域を集中して照射できるという長所がある。
【0154】
このように、超音波プローブモジュール200の圧電素子層230、レンズ210、整合層220、およびブロック層240の形状が凸状に形成される場合にも、
図13の場合と同様に、超音波プローブモジュール200の積層順序と透明度およびハウジング400内における光学装置300との位置関係は、前述した圧電素子層230の配置が変形されていない場合と同一に形成され得る。
【0155】
したがって、
図14に示すように、本発明の一実施形態に係る超音波プローブモジュール200の圧電素子層230の第2変形例の場合にも、光がハウジング内で光学装置300から超音波プローブモジュール200を透過してハウジングの外部に進むことができる。
【0156】
このように、
図15~
図17に示す圧電素子層230の配列が変形される第3変形例~第5変形例も、光がハウジング内で光学装置300から超音波プローブモジュール200を透過してハウジングの外部に進むことができるのは同じである。
【0157】
図15を参照すると、圧電素子層230を構成する圧電素子は、縦横の2次元平面(2D Matrix)をなす形状に配列され得る。
【0158】
この場合、前述した一方向に配列された超音波プローブモジュール200の積層構造は、縦横の2次元方向に配列され得る。
【0159】
この場合、超音波プローブモジュール200がより容易に3次元映像を獲得できるという長所がある。
【0160】
図16を参照すると、圧電素子層230を構成する圧電素子は、半径の異なるリング形状に形成され、同心円(Annular)形状に配列され得る。
【0161】
この場合、リング形状に形成されるそれぞれの圧電素子に応じてレンズ210、整合層220、およびブロック層240もリング形状に形成され得る。
【0162】
図17を参照すると、圧電素子層230を構成する圧電素子は、半球(Hemisphere)をなす形状に配列され得る。
【0163】
この場合、前述した一方向に配列された超音波プローブモジュール200の積層構造は、それぞれの圧電素子を配列に沿って配置され得る。
【0164】
この場合、超音波プローブモジュール200は、
図14に示す変形例に比べてより狭い地点をより強く集中して照射できるという長所がある。
【0165】
上記のような構造を採用することにより、本発明の一実施形態に係る光学装置100は、超音波プローブと光学装置とが非同軸に結合される従来の光学装置とは異なり、信号対雑音比を改善し、機器を小型化することができる。
【0166】
さらに、本発明の一実施形態に係る光学装置100は、検体500の深さ方向の全領域L3に沿って互いに一致する超音波映像情報と光学映像情報を得ることができる。
【0167】
これにより、多様な情報を有する映像を同時に得ることができるので、病変診断の精度を高めることができる。
【0168】
同時に、本発明の一実施形態に係る光学装置100は、光吸収、光散乱などの特性を活用して、蛍光標識を通じて特定の組織をターゲットにして映像情報を生成するか、光吸収程度を用いた酸素飽和度測定などより広い領域の作業を行うことができる。
【0169】
また、本発明の一態様に係る光学装置100は、多重圧電素子を適用することによって画質を向上させ、広い視野角を提供することができる。
【0170】
また、本発明のまた他の態様に係る光学装置100は、多重圧電素子の配列を多様化して目的に応じた光学装置を提供することができる。
【0171】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の思想は、本明細書に提示される実施形態に限定されず、本発明の思想を理解する当業者は、同一の思想の範囲内で、構成要素の付加、変更、削除、追加などによって他の実施形態を容易に提案することができるが、これも本発明の思想の範囲内にある。
【符号の説明】
【0172】
20 従来の超音波センサ
21 超音波ビーム
30 従来の光学機器
31 光学ビーム
100 光学装置
200 透明超音波プローブモジュール
201 超音波ビーム
210 レンズ
220 整合層
222 第1整合層
224 第2整合層
230 圧電素子層
240 ブロック層
251 接地基板
252 信号基板
261 第1電極層
262 第2電極層
300 光学機器
301 光学ビーム
400 ハウジング
500 検体