(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025026346
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】レジスト下層膜用組成物およびこれを用いたパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/11 20060101AFI20250214BHJP
G03F 7/26 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
G03F7/11 503
G03F7/26 511
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024113888
(22)【出願日】2024-07-17
(31)【優先権主張番号】10-2023-0105175
(32)【優先日】2023-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジン,ファヨン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ユジョン
(72)【発明者】
【氏名】ペク,ジェイル
(72)【発明者】
【氏名】クウォン,スンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソンジン
(72)【発明者】
【氏名】チョ,アラ
【テーマコード(参考)】
2H196
2H225
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196KA02
2H196KA19
2H225AE12N
2H225AE40N
2H225AF18N
2H225AF56N
2H225AF64N
2H225AM11N
2H225AM57N
2H225AM94N
2H225AM99N
2H225AN05N
2H225AN38N
2H225AN80N
2H225AN85N
2H225CA12
2H225CB18
(57)【要約】 (修正有)
【課題】微細パターニング工程においてもレジストのパターン崩壊が起こらず、露光光源に対する感度が向上し、パターニング性能およびエネルギー効率改善が可能なレジスト下層膜の提供。
【解決手段】化学式1等で表される特定の構造単位を含むポリマー、化学式3で表される化合物、および溶媒を含むレジスト下層膜用組成物、ならびに前記レジスト下層膜用組成物を利用するパターン形成方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される構造単位、下記化学式2で表される構造単位、またはこれらの組み合わせを含むポリマー、下記化学式3で表される化合物、および溶媒を含み、
【化1】
前記化学式1および前記化学式2中、
Aは、環内窒素原子を含むヘテロ環基であり、
L
1~L
6は、それぞれ独立して、単結合、置換若しくは非置換のC1~C10アルキレン基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキレン基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキレン基、置換若しくは非置換のC2~C20ヘテロシクロアルキレン基、置換若しくは非置換のC6~C20アリーレン基、置換若しくは非置換のC1~C20ヘテロアリーレン基、またはこれらの組み合わせであり、
X
1~X
5は、それぞれ独立して、単結合、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)
2-、-C(=O)-、-(CO)O-、-O(CO)O-、-NR
a-(ここで、R
aは、水素、重水素、またはC1~C10アルキル基である)、またはこれらの組み合わせであり、
Y
1~Y
3は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10ヘテロアルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C10ヘテロアルキニル基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC2~C20ヘテロシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC6~C20アリール基、置換若しくは非置換のC3~C20ヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
*は、連結位置であり、
【化2】
前記化学式3中、
R
1、R
2、およびR
4は、それぞれ独立して、水素、重水素、シアノ基、ヨウ素、アジド基(-N
3)、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1~C20アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換若しくは非置換のC1~C20ヘテロアルキル基、置換若しくは非置換のC2~C20ヘテロアルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C20ヘテロアルキニル基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC2~C20ヘテロシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC6~C30アリール基、置換若しくは非置換のC3~C30ヘテロアリール基、-OR
b、-C(=O)R
c、-C(=O)OR
d、-OC(=O)OR
e、-NR
fR
g、-NR
h(C=O)R
i(ここで、R
b乃至R
iは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、または置換若しくは非置換のC6~C30アリール基である)、またはこれらの組み合わせであり、
R
3は、-OR
j、-C(=O)R
k、-C(=O)OR
l、-OC(=O)OR
m、または-L
a-O-R
n(ここで、L
aは、置換若しくは非置換のC1~C5アルキレン基、若しくは置換若しくは非置換のC6~C16アリーレン基であり、R
j乃至R
nは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、または置換若しくは非置換のC6~C20アリール基である。)であり、
xおよびyは、それぞれ独立して、0~2の整数中一つであり、0≦x+y≦2である、レジスト下層膜用組成物。
【請求項2】
Aは、下記化学式A-1~下記化学式A-4中一つ以上で表され、
【化3】
前記化学式A-1~前記化学式A-4中、*は、他の原子またはグループに連結する部分を示す、請求項1に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項3】
L1~L6は、それぞれ独立して、単結合、置換若しくは非置換のC1~C10アルキレン基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキレン基、またはこれらの組み合わせであり、
X1~X5は、それぞれ独立して、単結合、-O-、-S-、-C(=O)-、-(CO)O-、-O(CO)O-、またはこれらの組み合わせであり、
Y1~Y3は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルケニル基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10ヘテロアルケニル基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC2~C20ヘテロシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC6~C20アリール基、またはこれらの組み合わせである、請求項1に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項4】
R1、R2、およびR4のうち少なくとも一つが、シアノ基、ヨウ素、アジド基(-N3)、-ORb、-C(=O)Rc、-C(=O)ORd、-OC(=O)ORe、-NRfRg、または-NRh(C=O)Ri(ここで、Rb乃至Riは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、または置換若しくは非置換のC6~C30アリール基である)である、請求項1に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項5】
R1、R2、およびR4は、ヨウ素、アジド基(-N3)、置換若しくは非置換のC1~C20アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換若しくは非置換のC6~C30アリール基、-ORb、NRfRg、-NRh(C=O)Ri(ここで、Rb、およびRfからRiは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、または置換若しくは非置換のC6~C30アリール基である。)、またはこれらの組み合わせであり、
R3は、-ORj(ここで、Rjは、水素、重水素、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、置換若しくは非置換のC6~C20アリール基、またはこれらの組み合わせである)である、請求項1に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項6】
R1、R2、およびR4は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヨウ素、置換若しくは非置換のC1~C20アルキル基、置換若しくは非置換のC1~C20ヘテロアルキル基、置換若しくは非置換のC6~C30アリール基、-ORb、-C(=O)Rc、-C(=O)ORd、-OC(=O)ORe(ここで、Rb乃至Reは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、または置換若しくは非置換のC6~C30アリール基である)、またはこれらの組み合わせであり、
R3は、-ORj、-C(=O)ORl、または-La-O-Rn(ここで、Laは、置換若しくは非置換のC1~C5アルキレン基であり、Rj、Rl、およびRnは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、置換若しくは非置換のC6~C20アリール基、またはこれらの組み合わせである。)である、請求項1に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項7】
前記化学式1は、下記化学式1-1または化学式1-2で表され、前記化学式2は、下記化学式2-1~化学式2-3のいずれか一つで表される、請求項1に記載のレジスト下層膜用組成物。
【化4】
【化5】
【請求項8】
前記化学式3は、下記化学式3-1~化学式3-4のいずれか一つ以上で表される、請求項1に記載のレジスト下層膜用組成物。
【化6】
【請求項9】
前記ポリマーの重量平均分子量は、1,000g/mol~300,000g/molである、請求項1に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項10】
前記ポリマー100重量部を基準に、前記化合物を10重量部~800重量部を含む、請求項1に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項11】
前記ポリマー100重量部を基準に、前記化合物を30重量部~500重量部を含む、請求項1に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項12】
前記ポリマーは、前記レジスト下層膜用組成物の総重量を基準に、0.1重量%~50重量%含まれる、請求項1に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項13】
前記化合物は、前記レジスト下層膜用組成物の総重量を基準に、0.01重量%~30重量%含まれる、請求項1に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項14】
アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ノボラック系樹脂、グリコウリル系樹脂およびメラミン系樹脂から選択される一つ以上のポリマーをさらに含む、請求項1に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項15】
界面活性剤、熱酸発生剤、光酸発生剤、可塑剤、またはこれらの組み合わせである添加剤をさらに含む、請求項1に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項16】
基板上にエッチング対象膜を形成する段階、
前記エッチング対象膜上に請求項1から15のいずれか一項に記載のレジスト下層膜用組成物を塗布してレジスト下層膜を形成する段階、
前記レジスト下層膜上にフォトレジストパターンを形成する段階、および
前記フォトレジストパターンをエッチングマスクとして利用して前記レジスト下層膜と前記エッチング対象膜を順次エッチングする段階を含む、パターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本記載は、レジスト下層膜用組成物、およびこれを用いたパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、半導体産業では、数百ナノメートル大きさのパターンから数~数十ナノメートル大きさのパターンを有する超微細技術が発展している。このような超微細技術を実現するためには、効果的なリソグラフィ技術が必須である。
【0003】
リソグラフィ技術は、シリコンウェハーなどの半導体基板上にフォトレジスト膜をコーティングして薄膜を形成し、その上にデバイスのパターンが描かれたマスクパターンを介在して紫外線などの活性化照射線を照射した後現像し、得られたフォトレジストパターンを保護膜として基板をエッチング処理することで、基板表面にデバイスのパターンに対応する微細パターンを形成する加工法である。
【0004】
半導体パターンが次第に微細化されることにより、フォトレジスト層の厚さの低減が要求され、そのためにレジスト下層膜の厚さの低減が要求される。レジスト下層膜は、小さい厚さであってもフォトレジストのパターンが崩れず、フォトレジストとの接着力が良く、かつ均一な膜厚さで形成されなければならない。その他にもレジスト下層膜は、フォトリソグラフィに使用される光線に対して高い屈折率と低い吸光係数を有しながら、フォトレジスト層よりエッチング速度が高いことが要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一実施形態によるレジスト下層膜用組成物は、微細パターニング工程においてもレジストのパターン崩壊が起こらず、露光光源に対する感度が向上し、パターニング性能およびエネルギー効率改善が可能なレジスト下層膜を提供する。
【0006】
一実施形態によるレジスト下層膜用組成物は、レジストとレジスト下層膜間の接着力が向上したレジスト下層膜を提供する。
【0007】
他の実施形態は、レジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を提供する。
【0008】
一実施形態によるレジスト下層膜用組成物は、下記化学式1で表される構造単位、下記化学式2で表される構造単位、またはこれらの組み合わせを含むポリマー、下記化学式3で表される化合物、および溶媒を含む:
【0009】
【0010】
【0011】
化学式1および化学式2中、
Aは、環内窒素原子を含むヘテロ環基であり、
L1~L6は、それぞれ独立して、単結合、置換若しくは非置換のC1~C10アルキレン基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキレン基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキレン基、置換若しくは非置換のC2~C20ヘテロシクロアルキレン基、置換若しくは非置換のC6~C20アリーレン基、置換若しくは非置換のC1~C20ヘテロアリーレン基、またはこれらの組み合わせであり、
X1~X5は、それぞれ独立して、単結合、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-C(=O)-、-(CO)O-、-O(CO)O-、-NRa-(ここで、Raは水素、重水素、またはC1~C10アルキル基である)、またはこれらの組み合わせであり、
Y1~Y3は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10ヘテロアルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C10ヘテロアルキニル基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC2~C20ヘテロシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC6~C20アリール基、置換若しくは非置換のC3~C20ヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせであり、*は、連結位置である。
【0012】
【0013】
化学式3中、
R1、R2、およびR4は、それぞれ独立して、水素、重水素、シアノ基、ヨウ素、アジド基(-N3)、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1~C20アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換若しくは非置換のC1~C20ヘテロアルキル基、置換若しくは非置換のC2~C20ヘテロアルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C20ヘテロアルキニル基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC2~C20ヘテロシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC6~C30アリール基、置換若しくは非置換のC3~C30ヘテロアリール基、-ORb、-C(=O)Rc、-C(=O)ORd、-OC(=O)ORe、-NRfRg、-NRh(C=O)Ri(ここで、Rb乃至Riは、それぞれ水素、重水素、置換または非置換のC1~C10アルキル基、置換または非置換のC2~C10アルケニル基、置換または非置換のC2~C10アルキニル基、置換または非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換または非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、または置換または非置換のC6~C30アリール基である。)、またはこれらの組み合わせであり、
R3は、-ORj、-C(=O)Rk、-C(=O)ORl、-OC(=O)ORm、または-La-O-Rn(ここで、Laは置換若しくは非置換のC1~C5アルキレン基、または置換若しくは非置換のC6~C16アリーレン基であり、Rj乃至Rnは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、または置換若しくは非置換のC6~C20アリール基である。)であり、
xおよびyは、それぞれ独立して、0~2の整数のいずれかであり、0≦x+y≦2である。
【0014】
Aは、下記化学式A-1~下記化学式A-4のいずれか一つ以上で表される。
【化4】
【0015】
化学式A-1~化学式A-4中、*は、他の原子またはグループに連結する部分を示す。
【0016】
L1~L6は、それぞれ独立して、単結合、置換若しくは非置換のC1~C10アルキレン基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキレン基、またはこれらの組み合わせであり、X1~X5は、それぞれ独立して、単結合、-O-、-S-、-C(=O)-、-(CO)O-、-O(CO)O-、またはこれらの組み合わせであり、Y1~Y3は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルケニル基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10ヘテロアルケニル基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC2~C20ヘテロシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC6~C20アリール基、またはこれらの組み合わせである。
【0017】
R1、R2、およびR4のうち少なくとも一つがシアノ基、ヨウ素、アジド基(-N3)、-ORb、-C(=O)Rc、-C(=O)ORd、-OC(=O)ORe、-NRfRg、または-NRh(C=O)Ri(ここで、Rb乃至Riは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、または置換若しくは非置換のC6~C30アリール基である。)でもよい。
【0018】
R1、R2、およびR4は、ヨウ素、アジド基(-N3)、置換若しくは非置換のC1~C20アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換若しくは非置換のC6~C30アリール基、-ORb、NRfRg、-NRh(C=O)Ri(ここで、Rb、およびRf乃至Riは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、または置換若しくは非置換のC6~C30アリール基である。)、またはこれらの組み合わせであり、R3は、-ORj(ここで、Rjは、水素、重水素、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、置換若しくは非置換のC6~C20アリール基、またはこれらの組み合わせである。)でもよい。
【0019】
R1、R2、およびR4は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヨウ素、置換若しくは非置換のC1~C20アルキル基、置換若しくは非置換のC1~C20ヘテロアルキル基、置換若しくは非置換のC6~C30アリール基、-ORb、-C(=O)Rc、-C(=O)ORd、-OC(=O)ORe(ここで、Rb乃至Reは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、または置換若しくは非置換のC6~C30アリール基である。)、またはこれらの組み合わせであり、R3は、-ORj、または-C(=O)ORl(ここで、RjおよびRlは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、置換若しくは非置換のC6~C20アリール基、またはこれらの組み合わせである。)でもよい。
【0020】
化学式1は、下記化学式1-1または化学式1-2で表され、化学式2は、下記化学式2-1~化学式2-3のいずれか一つで表される。
【0021】
【0022】
化学式3は、下記化学式3-1~化学式3-4のいずれか一つ以上で表される。
【化6】
【0023】
上記ポリマーの重量平均分子量は、1,000g/mol~300,000g/molでもよい。
【0024】
レジスト下層膜用組成物は、上記ポリマー100重量部を基準に、上記化合物を10重量部~800重量部を含むことができる。レジスト下層膜用組成物は、上記ポリマー100重量部を基準に、上記化合物を30重量部~500重量部を含むことができる。レジスト下層膜用組成物は、レジスト下層膜用組成物の総重量を基準として、上記ポリマーを0.1重量%~50重量%含むことができる。レジスト下層膜用組成物は、レジスト下層膜用組成物の総重量を基準として、上記化合物を0.01重量%~30重量%含むことができる。
【0025】
レジスト下層膜用組成物は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ノボラック系樹脂、グリコウリル系樹脂およびメラミン系樹脂から選択される一つ以上のポリマーをさらに含むことができる。
【0026】
レジスト下層膜用組成物は、界面活性剤、熱酸発生剤、光酸発生剤、可塑剤、またはこれらの組み合わせの添加剤をさらに含むことができる。
【0027】
他の実施形態によれば、基板上にエッチング対象膜を形成する段階、エッチング対象膜の上に一実施形態によるレジスト下層膜用組成物を塗布してレジスト下層膜を形成する段階、レジスト下層膜上にフォトレジストパターンを形成する段階、およびフォトレジストパターンをエッチングマスクとして利用してレジスト下層膜とエッチング対象膜を順次エッチングする段階を含むパターン形成方法が提供される。
【0028】
一実施形態によるレジスト下層膜用組成物は、微細パターニング工程でもレジストのパターン崩壊が起こらず、露光光源に対する感度が向上し、パターニング性能およびエネルギー効率の改善が可能なレジスト下層膜を提供することができる。また、一実施形態によるレジスト下層膜用組成物は、パターン形成性、感度が優れたレジスト下層膜を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】一実施形態によるレジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
【
図2】一実施形態によるレジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
【
図3】一実施形態によるレジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
【
図4】一実施形態によるレジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
【
図5】一実施形態によるレジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
【
図6】一実施形態によるレジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は様々な相異する形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限られない。
【0031】
図面においては、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示すことがあり、明細書全体にわたって類似の部分については同一図面符号を付けることがある。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の上にある場合、これらは他の部分の直上にある場合だけでなく、その中間にさらに他の部分が存在する場合も含む。逆に、ある部分がいずれの部分の直上にあるという時には、中間に他の部分がないことを意味する。
【0032】
以下、本明細書で特別な定義がない限り、「置換された」とは、化合物中の水素原子が、重水素、ハロゲン原子(F、Br、Cl、またはI)、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アジド基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボニル基、カルバモイル基、チオール基、エステル基、カルボキシル基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸またはその塩、C1~C30アルキル基、C2~C30アルケニル基、C2~C30アルキニル基、C6~C30アリール基、C7~C30アリールアルキル基、C1~C30アルコキシ基、C1~C20ヘテロアルキル基、C3~C20ヘテロアリールアルキル基、C3~C30シクロアルキル基、C3~C15のシクロアルケニル基、C6~C15シクロアルキニル基、C2~C30ヘテロ環基、およびこれらの組み合わせから選択された置換基に置換されたことを意味する。
【0033】
また、置換されたハロゲン原子(F、Br、Cl、またはI)、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アジド基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボニル基、カルバモイル基、チオール基、エステル基、カルボキシル基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸またはその塩、C1~C30アルキル基、C2~C30アルケニル基、C2~C30アルキニル基、C6~C30アリール基、C7~C30アリールアルキル基、C1~C30アルコキシ基、C1~C20ヘテロアルキル基、C3~C20ヘテロアリールアルキル基、C3~C30シクロアルキル基、C3~C15のシクロアルケニル基、C6~C15シクロアルキニル基、またはC2~C30ヘテロ環基のうち隣り合う二つの置換基が融合して環を形成することもできる。
【0034】
本明細書において、別途の定義がない限り、「ヘテロ」とは、N、O、S、SeおよびPから選択されたヘテロ原子を一つ~3つ含むことを意味する。
【0035】
本明細書において、「アリール基(aryl group)」は、炭化水素芳香族モイエティを一つ以上有するグループを意味し、広くは炭化水素芳香族モイエティが単結合で連結された形態および炭化水素芳香族モイエティが直接または間接的に融合された非芳香族融合環も含む。アリール基は、モノサイクリック、ポリサイクリックまたは融合されたポリサイクリック(即ち、炭素原子の隣接する一対を共有する環)官能基を含む。
【0036】
本明細書において、「ヘテロ環基(heterocyclic group)」は、ヘテロアリール基を含む概念であり、これに加えて、アリール基、シクロアルキル基、これらの融合環、またはこれらの組み合わせなどの環化合物内で、炭素(C)の代わりにN、O、S、PおよびSiから選択されるヘテロ原子を少なくとも一つ含む基を意味する。ヘテロ環基が融合環の場合、ヘテロ環基全体またはそれぞれの環ごとにヘテロ原子を1つ以上含むことができる。
【0037】
より具体的には、置換若しくは非置換のアリール基および/または置換若しくは非置換のヘテロ環基は、置換若しくは非置換のフェニル基、置換若しくは非置換のナフチル基、置換若しくは非置換のアントラセニル基、置換若しくは非置換のフェナントリル基、置換若しくは非置換のナフタセニル基、置換若しくは非置換のピレニル基、置換若しくは非置換のビフェニル基、置換若しくは非置換のターフェニル基、置換若しくは非置換のクォーターフェニル基、置換若しくは非置換のクリセニル基、置換若しくは非置換のトリフェニレニル基、置換若しくは非置換のペリレニル基、置換若しくは非置換のインデニル基、置換若しくは非置換のフラニル基、置換若しくは非置換のチオフェニル基、置換若しくは非置換のピロリル基、置換若しくは非置換のピラゾリル基、置換若しくは非置換のイミダゾリル基、置換若しくは非置換のトリアゾリル基、置換若しくは非置換のオキサゾリル基、置換若しくは非置換のチアゾリル基、置換若しくは非置換のオキサジアゾリル基、置換若しくは非置換のチアジアゾリル基、置換若しくは非置換のピリジニル基、置換若しくは非置換のピリミジニル基、置換若しくは非置換のピラジニル基、置換若しくは非置換のトリアジニル基、置換若しくは非置換のベンゾフラニル基、置換若しくは非置換のベンゾチオフェニル基、置換若しくは非置換のベンゾイミダゾリル基、置換若しくは非置換のインドリル基、置換若しくは非置換のキノリニル基、置換若しくは非置換のイソキノリニル基、置換若しくは非置換のキナゾリニル基、置換若しくは非置換のキノキサリニル基、置換若しくは非置換のナフチリジニル基、置換若しくは非置換のベンゾオキサジニル基、置換若しくは非置換のベンゾピリティアジニル基、置換若しくは非置換のアクリジニル基、置換若しくは非置換のフェナジニル基、置換若しくは非置換のフェノチアジニル基、置換若しくは非置換のフェノキサジニル基、置換若しくは非置換のフルオレニル基、置換若しくは非置換のジベンゾフラニル基、置換若しくは非置換のジベンゾチオフェニル基、置換若しくは非置換のカルバゾリル基、ピリドインドリル基、ベンゾピリドオキサジニル基、ベンゾピリドチアジニル基、9,9-ジメチル-9,10-ジヒドロアクリジニル基、これらの組み合わせ、またはこれらの組み合わせが融合された形態でもよいが、これらに限定されない。
【0038】
本明細書において、特に言及がない限り、「組み合わせ」とは、混合または共重合を意味する。
【0039】
また、本明細書において、「ポリマー」は、オリゴマー(oligomer)とポリマー(polymer)を全て含むことができる。
【0040】
本明細書において、特に言及しない限り、「重量平均分子量」は、粉体試料をテトラヒドロフラン(THF)で溶解した後、Agilent、Technologies社の1200seriesゲル透過クロマトグラフィー(Gel、Permeation、Chromatography;GPC)を利用して測定(カラムは、Shodex社 LF-804、標準時料は、Shodex社 ポリスチレンを使用する)したものである。
【0041】
また、本明細書において、別の定義がない限り、「*」は、化合物の構造単位または化合物の部分(moiety)の連結位置を示す。
【0042】
半導体産業では、チップの大きさを低減しようとする要求が続いている。このような傾向に応じるため、リソグラフィ技術でパターニングされるレジストの線幅を数十ナノサイズ水準まで低減しなければならず、このように形成されたパターンを利用し、下部基質にエッチング工程によって下層材料にパターンを転写することになる。しかし、レジストのパターンサイズが小さくなると、その線幅に耐えられるレジストの高さ(aspect-ratio)が限定され、これによりレジストがエッチング段階で十分な耐性を持たない場合がある。したがって、レジストを薄く形成する場合、エッチングしようとする基質が厚い場合、あるいは深さが大きいパターンが必要な場合など、レジストのエッチング耐性を補償するためにレジスト下層膜が使用されてきた。
【0043】
レジスト下層膜は、レジストの厚さが小さくなるにつれて同時に薄くなることが要求され、レジスト下層膜の厚さが小さい場合でもフォトレジストのパターンが崩れてはならない。このため、レジスト下層膜はフォトレジストとの接着性が優れている必要がある。また、レジスト下層膜を薄く形成するにあたり、レジスト下層膜用組成物のコーティング均一性およびそこから製造されたレジスト下層膜の平坦性を改善し、露光光源に対する感度を改善し、パターン形成性とエネルギー効率を改善することが要求される。
【0044】
一実施形態によるレジスト下層膜用組成物は、下記化学式1で表される構造単位、下記化学式2で表される構造単位、またはこれらの組み合わせを含むポリマー、下記化学式3で表される化合物、および溶媒を含む。
【0045】
【0046】
化学式1および化学式2中、
Aは、環内窒素原子を含むヘテロ環基であり、
L1~L6は、それぞれ独立して、単結合、置換若しくは非置換のC1~C10アルキレン基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキレン基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキレン基、置換若しくは非置換のC2~C20ヘテロシクロアルキレン基、置換若しくは非置換のC6~C20アリーレン基、置換若しくは非置換のC1~C20ヘテロアリーレン基、またはこれらの組み合わせであり、
X1~X5は、それぞれ独立して、単結合、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-C(=O)-、-(CO)O-、-O(CO)O-、-NRa-(ここで、Raは、水素、重水素、またはC1~C10アルキル基である)、またはこれらの組み合わせであり、
Y1~Y3は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10ヘテロアルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C10ヘテロアルキニル基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC2~C20ヘテロシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC6~C20アリール基、置換若しくは非置換のC3~C20ヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
*は、連結位置である。
【0047】
【0048】
化学式3中、
R1、R2、およびR4は、それぞれ独立して、水素、重水素、シアノ基、ヨウ素、アジド基(-N3)、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1~C20アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換若しくは非置換のC1~C20ヘテロアルキル基、置換若しくは非置換のC2~C20ヘテロアルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C20ヘテロアルキニル基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC2~C20ヘテロシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC6~C30アリール基、置換若しくは非置換のC3~C30ヘテロアリール基、-ORb、-C(=O)Rc、-C(=O)ORd、-OC(=O)ORe、-NRfRg、-NRh(C=O)Ri(ここで、Rb乃至Riは、それぞれ水素、重水素、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、または置換または非置換のC6~C30アリール基である。)、またはこれらの組み合わせであり、
R3は、-ORj、-C(=O)Rk、-C(=O)ORl、-OC(=O)ORm、または-La-O-Rn(ここで、Laは、置換若しくは非置換のC1~C5アルキレン基、または置換若しくは非置換のC6~C16アリーレン基であり、Rj乃至Rnは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、または置換若しくは非置換のC6~C20アリール基である。)であり、
xおよびyは、それぞれ独立して、0~2の整数のいずれかであり、0≦x+y≦2である。
【0049】
一実施形態によるレジスト下層膜用組成物は、化学式1で表される構造単位および化学式2で表される構造単位が環内に窒素原子を含むヘテロ環を含むことにより、これらの構造単位を含むポリマーは、ポリマー間でsp2-sp2結合が可能である。これにより、上記ポリマーは、高い電子密度を有することができる。電子密度が高いポリマーを含むことにより、一実施形態によるレジスト下層膜用組成物は、緻密な構造の膜を超薄膜形態で実現することができる。また、上記ポリマーの高い電子密度は、レジスト下層膜組成物の露光時に吸光効率を向上させる効果を有することができる。また、ヘテロ環骨格を含むことにより、上記ポリマーはエッチング選択比が優れており、EUV(Extreme ultraviolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー線を利用した露光によるパターン形成時のエネルギー効率を向上させることができる。
【0050】
レジスト下層膜用組成物は、化学式3で表される化合物を含むことにより、一実施形態によるレジスト下層膜用組成物から形成されるレジスト下層膜がフォトレジスト膜と類似する構造を有することができる。これにより、フォトレジスト膜とレジスト下層膜の界面が安定される。化学式3で表される化合物は、スズ(Sn)を含むことにより、EUV光源吸収率を高めて感度を改善することができる。これにより、レジスト下層膜とフォトレジスト膜の反応性が高まり、これらの間の密着性を高めることができる。具体的に、レジスト下層膜用組成物にEUV光源を照射する時、レジスト下層膜用組成物に含まれる化合物のSnは、レジスト下層膜用組成物内の添加剤またはポリマーと結合可能であり、一実施形態によるレジスト下層膜用組成物内の他の化合物の酸素またはポリマーとも結合することが可能である。そのため、一実施形態によるレジスト下層膜用組成物から製造されるレジスト下層膜とフォトレジスト膜の密着性を高めることができる。
【0051】
また、レジスト下層膜用組成物に含まれる化合物がスズを含むことにより、レジスト下層膜の現像時に現像液によって効果的に選択的に除去することが可能である。これにより、レジスト下層膜のパターン形成性を改善することができる。
【0052】
Aは、下記化学式A-1~下記化学式A-4のいずれか一つ以上で表される。
【0053】
【0054】
化学式A-1~化学式A-4中、*は、他の原子またはグループに連結する部分を示す。
【0055】
一実施形態において、L1~L6は、それぞれ独立して、単結合、置換若しくは非置換のC1~C10アルキレン基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキレン基、またはこれらの組み合わせであり、例えば、単結合、置換若しくは非置換のC1~C5アルキレン基、置換若しくは非置換のC1~C5ヘテロアルキレン基、またはこれらの組み合わせであるが、これらに限定されない。
【0056】
X1~X5は、それぞれ独立して、単結合、-O-、-S-、-C(=O)-、-(CO)O-、-O(CO)O-、またはこれらの組み合わせであり、例えば、-O-、-S-、-(CO)O-、またはこれらの組み合わせであるが、これらに限定されない。
【0057】
Y1~Y3は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルケニル基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10ヘテロアルケニル基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC2~C20ヘテロシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC6~C20アリール基、若しくはこれらの組み合わせであり、例えば、置換若しくは非置換のC1~C5アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C5アルケニル基、置換若しくは非置換のC3~C10シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC6~C10アリール基、またはこれらの組み合わせであるが、これらに限定されない。
【0058】
化学式1は、下記化学式1-1または下記化学式1-2で表され、化学式2は、下記化学式2-1~下記化学式2-3のいずれか一つで表される。
【0059】
【0060】
化学式3のR1、R2、およびR4のうち少なくとも一つが、シアノ基、ヨウ素、アジド基(-N3)、-ORb、-C(=O)Rc、-C(=O)ORd、-OC(=O)ORe、-NRfRg、または-NRh(C=O)Ri(ここで、Rb乃至Riは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、または置換若しくは非置換のC6~C30アリール基である。)でもよい。上述したように、R3を除いた残りの置換基のいずれか一つ以上が他の化合物またはポリマーと反応できる官能基を持つことによって、フォトレジスト膜との反応性が増大し、一実施形態によるレジスト下層膜とフォトレジスト膜との密着性をより高めることができる。
【0061】
例えば、R1、R2、およびR4は、ヨウ素、アジド基(-N3)、置換若しくは非置換のC1~C20アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換若しくは非置換のC6~C30アリール基、-ORb、NRfRg、-NRh(C=O)Ri(ここで、Rb、およびRf乃至Riは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、または置換若しくは非置換のC6~C30アリール基である。)、またはこれらの組み合わせであり、R3は、-ORj(ここで、Rjは、水素、重水素、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、置換若しくは非置換のC6~C20アリール基、またはこれらの組み合わせである。)であることができる。
【0062】
例えば、R1、R2、およびR4は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヨウ素、置換若しくは非置換のC1~C20アルキル基、置換若しくは非置換のC1~C20ヘテロアルキル基、置換若しくは非置換のC6~C30アリール基、-ORb、-C(=O)Rc、-C(=O)ORd、-OC(=O)ORe(ここで、Rb乃至Reは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、または置換若しくは非置換のC6~C30アリール基である。)、またはこれらの組み合わせであり、R3は、-ORj、-C(=O)ORl、または-La-O-Rn(ここで、Laは、置換若しくは非置換のC1~C5アルキレン基であり、Rj、Rl、およびRnは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換若しくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、置換若しくは非置換のC6~C20アリール基、またはこれらの組み合わせである。)でもよい。
【0063】
一実施形態では、R1、R2、およびR4が-ORb、または-OC(=O)OReから選択される場合、RbおよびReは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは非置換のC1~C8アルキル基、置換若しくは非置換のC2~C8アルケニル基、置換若しくは非置換のC2~C8アルキニル基、置換若しくは非置換のC3~C8シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC6~C20のアリール基、若しくはこれらの組み合わせであり、例えば、水素、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、2、2-ジメチルプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、エテニルギ、プロフェニル基、ブテニルギ、エチニル基、プロピニル基、プティニルギ、フェニル基、トリル(Tolyl)基、キシレン基、ベンジル基またはこれらの組み合わせでもよい。
【0064】
他の一実施形態では、化学式3は、下記化学式3-1~下記化学式3-4のいずれか一つ以上で表される:
【0065】
【0066】
上記ポリマーは、1,000g/mol~300,000g/molの重量平均分子量を有することができ、例えば約3,000g/mol~200,000g/mol、3,000g/mol~100,000g/mol、3,000g/mol~90,000g/mol、3,000g/mol~70,000g/mol、3,000g/mol~70,000g/mol、3,000g/mol~50,000g/mol、5,000g/mol~50,000g/mol、または5,000g/mol~30,000g/molの重量平均分子量を有することができるが、これらに限定されない。上記範囲の重量平均分子量を有することにより、上記ポリマーを含むレジスト下層膜用組成物の炭素含有量および溶媒に対する溶解度を調節して最適化することができる。
【0067】
レジスト下層膜用組成物は、ポリマー100重量部を基準に、上記化合物を10重量部~800重量部を含むことができ、例えば0重量部~800重量部、30重量部~800重量部、30重量部~700重量部、30重量部~600重量部、または30重量部~500重量部を含むことができるが、これらに限定されない。上記化合物がポリマーに対して上記範囲で含まれることにより、これらを含むレジスト下層膜用組成物から形成されるレジスト下層膜とレジスト膜間の接着力を最適化することができ、露光光源に対する感度が向上し、パターニング性能およびエネルギー効率が改善される。
【0068】
上記ポリマーは、レジスト下層膜用組成物の総重量を基準として、0.1重量%~50重量%含まれる。より具体的には、上記ポリマーは、レジスト下層膜用組成物総重量を基準として、10重量%~50重量%、例えば20重量%~50重量%、または20重量%~30重量%含まれることができるが、これらに限定されない。上記範囲でポリマーがレジスト下層膜用組成物に含まれることにより、レジスト下層膜の厚さ、表面粗さ、および平坦化程度を調節することができる。
【0069】
上記化合物は、レジスト下層膜用組成物の総重量を基準として、0.01重量%~30重量%含まれる。より具体的には、上記化合物は、レジスト下層膜用組成物総重量を基準として、0.1重量%~30.0重量%、例えば1.0重量%~30.0重量%、5.0重量%~30.0重量%、5.0重量%~25.0重量%、8.0重量%~25.0重量%、または10.0重量%~25.0重量%含まれることができるが、これらに限定されない。この範囲で上記化合物がレジスト下層膜用組成物に含まれることにより、レジスト下層膜の厚さ、表面粗さ、耐薬品性、および平坦化程度を調節することができる。
【0070】
一実施形態によるレジスト下層膜用組成物は、溶媒を含むことができる。溶媒は、一実施形態によるによるレジスト下層膜用組成物に含まれるポリマーと化合物に対する十分な溶解性および/または分散性を有するものであれば、特に限定されない。例えば、プロピレングリコール、プロピレングリコールジアセテート、メトキシプロパンダイオール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールブチルエーテル、トリ(エチレングリコール)モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、メチルピロリドン、メチルピロリジノン、メチル2-ヒドロキシイソブチレート、アセチルアセトン、エチル3-エトキシプロピオン酸塩、またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0071】
一実施形態によるレジスト下層膜用組成物は、上述したポリマー、化合物、および溶媒以外にも、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ノボラック系樹脂、グリコールウリール系樹脂、およびメラミン系樹脂から選択される一つ以上の他のポリマーをさらに含むことができるが、他のポリマーはこれらに限定されるものではない。
【0072】
また他の実施形態によるレジスト下層膜用組成物は、界面活性剤、熱酸発生剤、可塑剤、またはこれらの組み合わせを含む添加剤をさらに含むことができる。
【0073】
界面活性剤は、レジスト下層膜形成時、固形分含有量の増加により発生するコーティング不良を改善するために用いることができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルピリジニウム塩、ポリエチレングリコール、第4アンモニウム塩などを使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0074】
熱酸発生剤は、例えば、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ピリジニウムp-トルエンスルホン酸塩、サリチル酸、スルホサリチル酸、クエン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ナフタレンカルボン酸などの酸性化合物または/およびベンゾイントシレート若しくは2-ニトロベンジルトシレート、その他、有機スルホン酸アルキルエステルなどを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0075】
可塑剤は特に限定されず、公知の様々な系統の可塑剤を利用することができる。可塑剤の例としては、フタル酸エステル類、アジピン酸エステル類、リン酸エステル類、トリメリット酸エステル類、クエン酸エステル類などの低分子化合物、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアセタール系などの化合物などを挙げることができる。
【0076】
添加剤は、レジスト下層膜用組成物100重量部に対して0.001~40重量部で含まれる。上記範囲で添加剤を含むことにより、レジスト下層膜用組成物の光学的特性を変更させることなく、溶解度を向上させることができる。
【0077】
また他の実施形態によると、上述したレジスト下層膜用組成物を使用して製造されたレジスト下層膜が提供される。レジスト下層膜は、上述したレジスト下層膜用組成物を、例えば、基板上にコーティングした後に熱処理過程を通して硬化した形態でもよい。
【0078】
以下、上述したレジスト下層膜用組成物を使用してパターンを形成する方法について、
図1から
図6を参照して説明する。
図1から
図6は、本発明によるレジスト下層膜用組成物を利用したパターン形成方法を説明するための断面図である。
【0079】
図1を参照すると、エッチング対象物を用意する。エッチング対象物の例としては、半導体基板100上に形成される薄膜102が挙げられる。以下、エッチング対象物が薄膜102の場合についてのみ説明する。薄膜102上に残留する汚染物などを除去するために、薄膜表面を洗浄する。薄膜102は、例えばシリコン窒化膜、ポリシリコン膜またはシリコン酸化膜でもよい。
【0080】
続いて、洗浄された薄膜102の表面上に前述したレジスト下層膜用組成物をスピンコーティング法を適用してコーティングする。
【0081】
その後、乾燥およびベーキング工程を行い、薄膜102上にレジスト下層膜104を形成する。ベーキング工程は100℃~500℃、例えば100℃~300℃で行うことができる。具体的なレジスト下層膜用組成物に関する説明は、既に詳しく説明したので、重複を避けるために省略する。
【0082】
図2を参照すると、レジスト下層膜104の上にフォトレジストをコーティングしてフォトレジスト膜106を形成する。一実施形態において、フォトレジスト膜106を形成するフォトレジスト組成物は、Snを含む有機金属化合物、溶媒などを含むことができるが、これに限定されない。
【0083】
続いて、フォトレジスト膜106が形成されている基板100を加熱する第1ベーキング工程を行う。第1ベーキング工程は、90℃~120℃の温度で行うことができる。
【0084】
一例として、
図2のフォトレジスト膜106では、下記式1で表されるように、スズオキシドのネットワークが形成されてもよい。
【化13】
【0085】
また、レジスト下層膜104では、下記式2で表されるように、一実施形態によるレジスト下層膜用組成物に含まれている化学式3で表される化合物が、化学式1または化学式2で表される構造単位を含むポリマーと結合して、緻密なネットワークを形成することができる。下記式2において、M1~M10は、化学式1または化学式2で表される構造単位であり、Rは、化学式3のR
1~R
4に該当する置換基である。式2で表されるように、一実施形態によるレジスト下層膜用組成物から形成されるレジスト下層膜において、化学式3で表される化合物は、化学式1または化学式2で表される構造単位を含むポリマーの各構造単位に無作為に結合することができる。
【化14】
【0086】
一実施形態によるレジスト下層膜104とフォトレジスト膜106の境界面では、下記式3で表されるように、スズと酸素間のスズオキシド結合を通して、レジスト下層膜104に含まれている化合物またはそれに結合されたポリマーの構造単位がフォトレジスト膜106を形成するスズに結合することができる。これを概略的に示したものが下記式3であり、式3で中央の点線は、レジスト下層膜104とフォトレジスト膜106との間の境界を示したものである。
【0087】
【0088】
式1から式3は、本発明を説明するために例として示したものであり、レジスト下層膜またはフォトレジスト膜を構成する構造がこれらに限定されることを意味するものではない。
【0089】
図3を参照すると、フォトレジスト膜106を選択的に露光する。フォトレジスト膜106を露光するための露光工程を一例として説明すると、露光装置のマスクステージ上に所定のパターンが形成された露光マスクを置き、フォトレジスト膜106上に露光マスク110を配置する。続いて、露光マスク110に光を照射することにより、基板100に形成されたフォトレジスト膜106の所定部位が露光マスクを透過した光と選択的に反応する。
【0090】
露光工程で用いることができる光の例としては、365nmの波長を有する活性化照射導線i-line、248nmの波長を有するKrFエキシマレーザ、193nmの波長を有するArFエキシマレーザのような短波長光があり、この他にも極子外光に該当する13.5nmの波長を有するEUV(Extreme ultraviolet)などが挙げられる。
【0091】
フォトレジスト膜106のうち露光された領域106bは、有機金属化合物間の縮合などの架橋反応によってポリマーを形成することにより、フォトレジスト膜106の非露光の領域106aと互いに異なる溶解度を有するようになる。
【0092】
続いて、基板100に第2ベーキング工程を行う。第2ベーキング工程は、約90℃~約200℃の温度で行うことができる。第2ベーキング工程を行うことにより、フォトレジスト膜106の露光された領域106bは、現像液に溶解し難い状態となる。
【0093】
図4を参照すると、2-ヘプタノン(2-heptanone)等の有機溶媒現像液を利用して、非露光の領域に該当するフォトレジスト膜106aを溶解して除去することにより、残されたフォトレジスト膜106bがフォトレジストパターン108を形成する。
【0094】
前述したように、一実施形態によるパターン形成方法に使用される現像液は、有機溶媒でもよい。一実施形態によるパターン形成方法で使用される有機溶媒の一例として、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノンなどのケトン類、4-メチル-2-プロパノール、1-ブタノール、イソプロパノール、1-プロパノール、メタノールなどのアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、エチル乳酸、n-ブチル酢酸、ブチロラクトンなどのエステル類、ベンゼン、キシレン、トルエンなどの芳香族化合物、またはこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0095】
但し、一実施形態によるフォトレジストパターンは、必ずしもネガティブトーンイメージに形成されることに限定されるものではなく、ポジティブトーンイメージを有するように形成されることもできる。この場合、ポジティブトーンイメージ形成のために使用できる現像剤としては、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドまたはこれらの組み合わせなどの第4アンモニウムヒドロキシド組成物などを挙げることができる。
【0096】
前述したように、i-line(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)等の波長を有する光だけでなく、EUV(Extreme UltraViolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギーを有する光などによって露光されて形成されたフォトレジストパターン108は、5nm~100nmの幅を有することができる。一例として、フォトレジストパターン108は、5nm~90nm、5nm~80nm、5nm~70nm、5nm~60nm、5nm~50nm、5nm~40nm、5nm~30nm、5nm~20nm、または5nm~10nmの幅で形成することができる。
【0097】
一方、フォトレジストパターン108は、約50nm以下、例えば40nm以下、30nm以下、20nm以下、10nm以下の半ピッチ(half-pitch)および、約5nm以下、約3nm以下、約2nm以下、約1nm以下の線幅粗さを有するピッチを有することができる。
【0098】
続いて、フォトレジストパターン108をエッチングマスクとしてレジスト下層膜104をエッチングする。このようなエッチング工程により、
図5に示したような有機膜パターン112が形成される。
【0099】
形成された有機膜パターン112も、フォトレジストパターン108に対応する幅を有することができる。エッチングは、例えばエッチングガスを用いた乾式エッチングでもよく、エッチングガスとしては、例えばCHF3、CF4、Cl2、O2、およびこれらの混合ガスを使用することができる。前述したように、一実施形態によるレジスト下層膜組成物によって形成されたレジスト下層膜は、大きなエッチング速度を有するため、短時間で円滑なエッチング工程を行うことができる。
【0100】
図6を参照すると、フォトレジストパターン108をエッチングマスクとして適用して露出した薄膜102をエッチングする。その結果、薄膜102は薄膜パターン114へ成形される。
【0101】
先に行われる露光工程において、活性化照射導線i-line(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)等の短波長光源を使用して行われる露光工程によって形成された薄膜パターン114は、数十nm~数百nmの幅を有することができ、EUV光源を使用して行われる露光工程によって形成される薄膜パターン114は、20nm以下の幅を有することができる。
【実施例0102】
以下、上述したポリマーの合成およびこれを含むレジスト下層膜用組成物の製造に関する実施例を通して、本発明をより詳細に説明する。しかし、下記の実施例によって本発明が技術的に限定されるものではない。
【0103】
ポリマーの合成
合成例1
500ml3口丸フラスコに1,3-ジアリル-5-(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(1,3-diallyl-5-(2-hydroxyethyl)isocyanurate)24.9g、メルカプトエタノール(mercaptoethanol)7.4g、AIBN(azobisisobutyronitrile)0.7g、およびN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)48gを投入し、コンデンサを連結した。80℃で16時間反応を進行させた後、反応液を常温まで冷却した。反応液を水800gが入った1L広口瓶に攪拌しながら適下してガム(gum)状のポリマーを析出させた後、ポリマーをテトラヒドロフラン(THF)80gに溶解させた。得られたポリマー溶液をトルエンに加えて沈殿物を形成し、単分子および低分子を除去することにより、下記化学式1-1で表されるポリマーAを10g得た。(重量平均分子量(Mw)=10,500g/mol)
【0104】
【0105】
合成例2
500ml3口丸フラスコに1,3,5-トリアリル-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオン(1,3,5-triallyl-1,3,5-triazinane-2,4,6-trione)24.9g、メルカプトエタノール(mercaptoethanol)7.4g、AIBN(azobisisobutyronitrile)0.7g、およびN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)48gを投入し、コンデンサを連結した。80℃で16時間反応を進行させた後、反応液を常温まで冷却した。反応液を水800gが入った1L広口瓶に攪拌しながら適下してガム(gum)状のポリマーを析出させた後、ポリマーをテトラヒドロフラン(THF)80gに溶解させた。得られたポリマー溶液をトルエンに加えて沈殿物を形成し、単分子および低分子を除去することにより、下記化学式1-2で表される構造単位で構成されるポリマーBを10g得た。(重量平均分子量(Mw)=8,000g/mol)
【0106】
【0107】
合成例3
250mLの4口フラスコに1,3-ジアリル-5,5-ジメチル-1,3-ジアジナン-2,4,6-トリオン(1,3-diallyl-5,5-dimethyl-1,3-diazinane-2,4,6(1H、3H、5H)-trione)20g、2,3-ジメルカプト-1-プロパノール(2,3-Dimercapto-1-propanol)8.4g、AIBN(azobisisobutyronitrile)0.5g、およびN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)50gを投入して反応溶液を準備し、コンデンサを連結した。反応溶液を60℃で5時間加熱して反応を進行させた後、反応溶液を常温まで冷却した。その後、反応溶液を蒸溜水300gが入ったビーカーに攪拌しながら適下し、ガム(gum)状のポリマーを生成させた後、ポリマーをテトラヒドロフラン(THF)30gに溶解させた。溶解したポリマー溶液をトルエンに加えて沈殿物を析出させ、単分子および低分子を除去することで、下記化学式2-1で表される構造単位で構成されるポリマーCを得た。(重量平均分子量(Mw)=3,700g/mol)
【0108】
【0109】
合成例4
1L2口丸フラスコに1,3,5-triglycidylisocyanurate148.6g(0.5mol)、2,2'-Thiodiaceticacid60.0g(0.4mol)、benzyltriethylammoniumchloride9.1g、およびN,N-dimethylformamide350gを投入し、コンデンサを連結した。温度を100℃に上げ、8時間反応させた後、反応液を常温(23℃)まで冷却させた。その後、反応液を1L広口瓶に移した後、ヘキサンで3回、続いて精製水で洗浄した。得られたガム(gum)状のポリマーをTHF80gを利用して完全に溶解した後、攪拌中である700gのトルエンにゆっくり適下して析出物を得た。その後、析出物から溶媒を除去することにより、下記化学式2-2で表される構造単位で構成されるポリマーDを得た。(重量平均分子量(Mw)=9,100g/mol)
【0110】
【0111】
合成例5
250mLの4口フラスコに1,3-ジアリル-5-(1-ヒドロキシエチル)-イソシアヌレート(1,3-diallyl-5-(2、2-dimethyl)-isocyanurate)20g、1,2-ジチオール(ethane-1、2-dithiol)6.0g、AIBN(azobisisobutyronitrile)1g、およびN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)50gを投入して反応溶液を準備し、コンデンサを連結した。反応溶液を50℃で5時間加熱して反応を進行させた後、3,4-ジフルオロベンジルメルカタン(3,4-DifluorobenzylMercaptan)10gおよびAIBN(azobisisobutyronitrile)1gを投入し、2時間追加反応を進行させた後、溶液を常温まで冷却させた。その後、反応溶液を蒸溜水300gが入ったビーカーに攪拌しながら適下し、ガム(gum)状のポリマーを生成させた後、ポリマーをテトラヒドロフラン(THF)30gに溶解させた。溶解したポリマー溶液をトルエンに加えて沈殿物を形成させ、単分子および低分子を除去することで、下記化学式2-3で表されるポリマーEを得た。(重量平均分子量(Mw)=5,500g/mol)
【0112】
【0113】
化合物の合成
合成例6
100ml2口丸フラスコにTriphenyltinchloride11.56g、Sodiumethoxide10.21gおよびメタノール21.77gを投入し、コンデンサを連結した。40℃で12時間反応を進行させた。この後、反応溶液を常温まで冷却し、乾燥して得られたパウダーをdichloromethaneに溶解させ、蒸溜水で洗浄した。有機溶媒を留去し、残渣を乾燥することで、化学式3-1で表される化合物を得た。
【化21】
【0114】
合成例7
100ml2口丸フラスコにDiphenyltindichloride10.3g、Sodiumhydroxide6.0gおよびメタノール16.3gを投入し、コンデンサを連結した。70℃で12時間反応を進行させた後、反応溶液を常温まで冷却した。乾燥して得られたパウダーをdichloromethaneに溶解し、蒸溜水で洗浄した後、有機溶媒を留去し、残渣を乾燥することにより、下記化学式3-2で表される化合物を得た。
【0115】
【0116】
合成例8
100ml2口丸フラスコにButyltintrichloride8.47g、Sodiumhydroxide6.0g、および水14.47gを投入し、コンデンサを連結した。55℃で6時間反応を進行させた後、さらに95℃に昇温して12時間反応させた。反応溶液を常温まで冷却した後、乾燥して得られたパウダーをdichloromethaneに溶解させ、蒸溜水で洗浄した後、有機溶媒を留去し、残渣を乾燥して下記化学式3-3で表される化合物を得た。
【0117】
【0118】
レジスト下層膜用組成物の調製
実施例1
合成例1で得られたポリマーAと合成例6で得られた化学式3-1の化合物を100:50の比率で合計1.2g、PD1174(架橋剤)0.4g、およびピリジニウムパラ-トルエンスルホン酸塩(PPTS)0.02gをプロピレングリコールモノメチルエーテルに3%固形分になるように混合して完全に溶解した後、追加溶媒で希釈し、実施例1のレジスト下層膜用組成物を調製した。
【0119】
実施例2
化学式3-1の化合物の代わりに合成例7で得られた化学式3-2の化合物を使用したことを除いて、実施例1と同じ方法でレジスト下層膜用組成物を調製した。
【0120】
実施例3
化学式3-1の化合物の代わりに合成例8で得られた化学式3-3の化合物を使用したことを除いて、実施例1と同じ方法でレジスト下層膜用組成物を調製した。
【0121】
実施例4
化学式3-1の化合物の代わりに下記化学式3-4の化合物(PR-79356、Atomaxchem社)を使用したことを除いて、実施例1と同じ方法でレジスト下層膜用組成物を調製した。
【0122】
【0123】
実施例5
ポリマーA代わりにポリマーBを使用したことを除いて、実施例1と同じ方法でレジスト下層膜用組成物を調製した。
【0124】
比較例1
合成例1で得られたポリマーA1.2g、PD1174(架橋剤)0.4g、およびピリジニウムパラ-トルエンスルホン酸塩(PPTS)0.02gをプロピレングリコールモノメチルエーテルに3%固形分になるように混合して完全に溶解した後、追加溶媒で希釈して比較例1のレジスト下層膜用組成物を調製した。
【0125】
比較例2
ポリマーA代わりにポリマーBを使用したことを除いて、比較例1と同じ方法でレジスト下層膜用組成物を調製した。
【0126】
評価1:露光特性評価
実施例1~5、比較例1、および比較例2で調製されたレジスト下層膜用組成物をそれぞれスピンコーティング法で塗布した後、ホットプレート上で205℃、60秒間熱処理して厚さ5nmのレジスト下層膜を形成した。その後、レジスト下層膜上にフォトレジスト溶液をスピンコーティング法で塗布した後、ホットプレート上で110℃で1分間熱処理してフォトレジスト層を形成した。フォトレジスト層をe-beam露光器(Elionix社製造)を使用して200μC/cm2~2000μC/cm2の範囲で露光した後、150℃で60秒間熱処理した。続いて、フォトレジスト層をTMAH2.38質量%水溶液で現像した後、純水で15秒間リンスして50nmのラインアンドスペース(line and space、L/S)のフォトレジストパターンを形成した。フォトレジストパターンの最適露光量を評価し、その結果を表4に示す。ここで、50nmのラインアンドスペースパターンサイズを1:1に現像する露光量を最適露光量(Optimumenergy)(Eop、μC/cm2)といい、その値が小さいほど感度が良いことを意味する。また、パターンのライン同士がつながったり、崩れたりすることなくパターンが形成される最小の大きさが最小CDであり、その値が小さいほど解像度が優れていることを意味する。
【0127】
【0128】
表1を参照すると、実施例1~5のレジスト下層膜は、比較例1および比較例2に対し、微細パターン(50nmL/S)の形成性および感度が優れていることが確認できる。
【0129】
評価2:線幅粗さ(LWR)評価
実施例1~5、比較例1、および比較例2で調製されたレジスト下層膜用組成物をそれぞれスピンコーティング法で塗布した後、ホットプレート上で205℃、60秒間熱処理して厚さ5nmのレジスト下層膜を形成した。その後、の下層膜上にフォトレジスト溶液をスピンコーティング方法で塗布した後、ホットプレート上で110℃で1分間熱処理してフォトレジスト層を形成した。レジスト層をe-beam露光器(Elionix製造、加速電圧100keV)を使用してライン(line)幅が30nm、ライン間のスペース(space)の幅が30nmの条件で露光を行った。その後、95℃で60秒間熱処理した後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)2.38wt%水溶液で60秒間現像し、純水で15秒間リンスしてレジストパターンを形成した。
【0130】
線幅粗さ(Line Width Roughness、LWR)は、30nmの幅で形成されたパターンを電子走査顕微鏡(SEM)S-9260(Hitachi製造)で観察し、パターンの長さ方向のエッジ(edge)2μm範囲においてエッジがあるべき基準線から離れた距離を測定することで行った。結果は表1の通りであり、線幅粗さ(LWR)はその値が小さいほど良好である。
【0131】
表1を参照すると、実施例1~5のレジスト下層膜の場合、比較例1および比較例2と比較してLWRが小さい値を有するため、パターンがより均一であることが確認できる。
【0132】
以上、本発明の特定の実施例を説明し、図示したが、本発明は記載された実施例に限定されるものではなく、本発明の思想および範囲を逸脱することなく、様々な変更および変形ができることは、この技術分野で通常の知識を有する者にとって自明なことである。従って、このような変更例または変形例は、本発明の技術的な思想または観点から個別に理解されるべきではなく、変更または変形された実施例は、本発明の特許請求の範囲に属するというべきである。