(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025026374
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】交渉を実施するためのシステム、交渉を実施するための方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250214BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024127934
(22)【出願日】2024-08-02
(31)【優先権主張番号】18/447,264
(32)【優先日】2023-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】モハメド ヤセル ファルコオスマン
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】交渉を実施するためのシステム、交渉を実施するための方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】交渉を実施するためのシステム指示を記憶するように構成されたコンピュータ可読媒体と、コンピュータ可読媒体に接続されたプロセッサとを備える。プロセッサは、所定の条件が満たされない限り、当事者が交渉中に提案を繰り返すことを防止し、所定の条件が満たされたことに応答して、交渉が終了するまで提案を繰り返し続けることを当事者に要求するための指示を実行するように構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指示を記憶するように構成されたコンピュータ可読媒体と、
前記コンピュータ可読媒体に接続されたプロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、
所定の条件が満たされない限り、当事者が交渉中に提案を繰り返すことを防止し、
前記所定の条件が満たされたことに応答して、前記交渉が終了するまで前記提案を繰り返し続けることを前記当事者に要求する
ための前記指示を実行するように構成される、
交渉を実施するためのシステム。
【請求項2】
前記所定の条件は、前記当事者に対するすべての受諾可能な提案が発行されていることを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記提案を受信し、
前記提案が有効であるかどうかを決定し、
前記提案が有効であるという決定に応答して、前記提案に対する応答を生成する
ための前記指示を実行するようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記提案が前記交渉中の前記当事者からの以前の提案と一致するかどうかに基づいて、前記提案が有効であるかどうかを決定するための前記指示を実行するようにさらに構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記提案が妥当な提案であることに応答して、受諾を含む前記提案に対する前記応答を生成し、
前記提案が不適切な提案であることに応答して、対案を含む前記提案に対する前記応答を生成する
ための前記指示を実行するように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
交渉におけるすべての当事者が前記提案を受諾するかどうかを決定し、
前記交渉におけるすべての当事者よりも少ない当事者が前記提案を受諾するという決定に応答して、前記提案とは異なる第2の提案を生成する
ための前記指示を実行するようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記交渉におけるすべての当事者が繰り返しの提案を発行したかどうかを決定し、
前記交渉におけるすべての当事者が繰り返しの提案を発行したという決定に応答して、受諾なしに前記交渉を終了する
ための前記指示を実行するようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
所定の条件が満たされない限り、当事者が交渉中に提案を繰り返すことを防止することと、
前記所定の条件が満たされたことに応答して、前記交渉が終了するまで前記提案を繰り返し続けることを前記当事者に要求することと
を含む、交渉を実施するための方法。
【請求項9】
前記所定の条件は、前記当事者に対するすべての受諾可能な提案が発行されていることを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
所定の条件が満たされない限り、当事者が前記交渉中に提案を繰り返すことを防止し、
前記所定の条件が満たされたことに応答して、前記交渉が終了するまで前記提案を繰り返し続けることを前記当事者に要求する
ことをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、交渉プロトコル、交渉方法、および実施するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを使用した商取引の増加に伴い、自律交渉も増加している。自律交渉は、当事者間の合意に達することを試みるために、人間の交渉者の代わりに人工知能(AI)を利用する。AIは、相手からの提案を評価し、次いで提案に対する応答を決定するために使用される。場合によっては、応答は、対案(反対提案)である。場合によっては、応答は、提案の受諾である。場合によっては、応答は、交渉を終了することである。
【0003】
いくつかのアプローチでは、AI交渉器(交渉者、ナゴシエータ)は、交渉の開始前にユーザの嗜好および優先順位で完全に訓練される。いくつかのアプローチでは、AI交渉器は、交渉の開始時にユーザの嗜好および優先順位に関するいくつかの小さな不確実性を含む。いくつかのアプローチでは、AI交渉器は、ユーザの嗜好および優先順位の不確実性を低減するために、クエリをユーザに提出することができる。しかし、クエリは、選択肢の間のユーザの嗜好を尋ねることなく、特定のパラメータがユーザにとってどれだけ価値があるかを問い合わせるだけである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
交渉の有用性の改善が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様は、指示を記憶するように構成されたコンピュータ可読媒体と、前記コンピュータ可読媒体に接続されたプロセッサとを備え、前記プロセッサは、所定の条件が満たされない限り、当事者が交渉中に提案を繰り返すことを防止し、前記所定の条件が満たされたことに応答して、前記交渉が終了するまで前記提案を繰り返し続けることを前記当事者に要求するための前記指示を実行するように構成される、交渉を実施するためのシステムである。
【0006】
本開示の第2の態様は、所定の条件が満たされない限り、当事者が交渉中に提案を繰り返すことを防止することと、前記所定の条件が満たされたことに応答して、前記交渉が終了するまで前記提案を繰り返し続けることを前記当事者に要求することとを含む、交渉を実施するための方法である。
【0007】
本開示の第3の態様は、所定の条件が満たされない限り、当事者が前記交渉中に提案を繰り返すことを防止し、前記所定の条件が満たされたことに応答して、前記交渉が終了するまで前記提案を繰り返し続けることを前記当事者に要求することをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の態様は、添付の図と併せて読むと、以下の詳細な説明から最もよく理解される。業界の標準的な慣行に従って、様々な特徴は縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。実際、様々な特徴の寸法は、説明を明確にするために任意に拡大または縮小されることがある。
【
図1】いくつかの実施形態による、交渉の概略図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、交渉プロトコルのフローチャートである。
【
図3】いくつかの実施形態による、提案有効性を決定する方法のフローチャートである。
【
図4】いくつかの実施形態による、提案選択の方法のフローチャートである。
【
図5】いくつかの実施形態による、自動化交渉に付随するためのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の図である。
【
図6】いくつかの実施形態による、他の交渉プロトコルと比較した交渉プロトコルの性能のグラフである。
【
図7】いくつかの実施形態による、交渉を実施するためのシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の開示は、提供される主題の異なる特徴を実施するための多くの異なる実施形態または例を提供する。以下、本開示を簡略化するために、構成要素、値、動作、材料、配置などの具体的な例を説明する。もちろん、これらは単なる例であり、限定することを意図するものではない。他の構成要素、値、動作、材料、配置なども考えられる。例えば、以下の説明における第2の特徴の上側または上の第1の特徴の形成は、第1および第2の特徴が直接接触して形成される実施形態を含むことができ、第1および第2の特徴が直接接触しないように、追加の特徴が第1および第2の特徴の間に形成され得る実施形態も含むことができる。加えて、本開示は、様々な例において参照番号および/または文字を繰り返すことができる。この繰り返しは、単純化および明確化のためのものであり、それ自体は、説明した様々な実施形態および/または構成の間の関係を規定するものではない。
【0010】
自動化システムを利用する交渉は、複数の利害関係者間の解決策に達する速度を高めるために使用される。利害関係者の各々は、交渉の結果の値または効用関数を最大化しようとする。しかし、いくつかの交渉プロトコルのインセンティブ参加者は、交渉アプローチのために、交渉の期間または交換される提案(オファー(offer))の最大数などの期限まで提案を継続的に繰り返す。一部の交渉は、既に拒否された最適な提案を繰り返す交渉期間の70%~80%を浪費する。交渉における他方当事者はこの共通方針を知っているので、交渉における当事者の各々は、交渉の終わり近くまでより低い有用性の提案を行うインセンティブを欠いている。交渉が失敗するリスクが近づくまで、すなわち、交渉が期限に近づくまで、提案の繰り返しを許容する交渉プロトコルは、交渉の各当事者がその当事者にとって最も有利な提案を繰り返すインセンティブを生成する。このインセンティブ付きの提案の繰り返しは、場合によっては双方当事者に対する交渉の全体的な有用性を低下させる。すなわち、必ず拒否される提案を継続的に行うことは、交渉を進めるにはほとんど役に立たず、その後、交渉の終わり近くで合意に達するために急ぐことは、交渉における当事者の各々についてより高い有用性の結果を見つけようとより完全に試みるために、交渉の結果空間(outcome space)を探索する能力を妨げる。
【0011】
加えて、いくつかの交渉プロトコルは、提案が受諾されたときに交渉を終了する。なお、本出願はバイラテラル交渉に限定されるものではないが、以下の説明は、簡略化のためにバイラテラル交渉に焦点を当てる。バイラテラル交渉では、第1の当事者が第2の当事者によって受諾される提案を行う場合、合意に達すると交渉は終了する。しかし、提案の受諾時に交渉を終了することは、双方当事者にとって潜在的に受諾可能な他の提案を探索する可能性を制限する。場合によっては、これらの探索されていない提案は、双方当事者に対する交渉の有用性に対する全体的な改善をもたらす。例えば、他方当事者に悪影響を及ぼすことなく一方の当事者にとって有用性が改善されるか、または双方当事者にとって有用性が改善される。これらの代替の提案を探索しないことは、受諾時に直ちに終了する交渉プロトコルの有効性を制限する。
【0012】
他の交渉プロトコルとは対照的に、本出願は、以前の提案の繰り返しを防止する交渉プロトコルを含む。提案の繰り返しを防止することによって、交渉プロトコルは、交渉結果の全体的な有用性を高めるのを助けるために、交渉における当事者の各々について結果空間のより多くの探索を強制する。提案が繰り返されると、交渉が終了するまで同じ提案が維持される。同じ提案を維持することは、繰り返されると、交渉における他方当事者に、もはや代替の提案が来ないことを知らせる。これは、提案側ではない当事者(non-offering party)による不確実性を減少させ、交渉の継続時間を潜在的に短縮するのを助ける。また、他の交渉プロトコルとは対照的に、本出願はすべての妥当な提案(受け入れ可能な提案)を受諾する交渉方針を含むが、妥当な提案を受諾しただけでは交渉は終了しない。妥当な提案には、たとえその提案が最も好ましい結果でなくても、当事者にとって受諾可能な結果である提案が含まれる。すべての妥当な提案を受諾し、受諾後に交渉を継続することによって、結果空間がより完全に探索され、交渉の全体的な有用性が他の交渉プロトコルと比較して改善される。
【0013】
図1は、いくつかの実施形態による、自律交渉方法を使用する交渉100の概略図である。交渉100は、第1の方針112を含む第1の交渉器(交渉者、ナゴシエータ)110を含む。交渉100は、第2の方針122を含む第2の交渉器(交渉者、ナゴシエータ)120を含む。プロトコル130は、第1の交渉器110と第2の交渉器120との間の交渉のスタイルを決定するために使用される。ドメイン140は、交渉100において解決すべき問題を含む。交渉100は、バイラテラル交渉である。しかし、本開示は、バイラテラルシナリオのみに限定されない。
【0014】
第1の交渉器110は、解決すべき問題についての優先順位を決定するためのAIアルゴリズムを含む。これらの優先順位は、解決すべき問題の各々に関連付けられた効用値に取り込まれる。その第1の交渉器110は、交渉100からの可能な結果を優先するためにこれらの効用値を使用する。第1の交渉器110は、プロトコル130を使用して第2の交渉器120と通信することができる。いくつかの実施形態では、第1の交渉器110は、無線で通信することができる。いくつかの実施形態では、第1の交渉器110は、有線接続を使用して通信することができる。いくつかの実施形態では、第1の交渉器110は、インターネットを介して通信することができる。第1の交渉器110は、提案、対案、受諾、または拒否を第2の交渉器120に送信することができる。第1の交渉器110は自律的であり、すなわち、ユーザ入力または制御なしで動作する。
【0015】
第1の方針112は、第1の交渉器110によって使用された効用値およびアルゴリズムに基づいて第1の交渉器110によって決定されたアクションである。いくつかの実施形態では、第1の方針112は、提案、対案、受諾、または拒否を含む。いくつかの実施形態では、第1の方針112は、第2の交渉器120から受信された新しい情報に基づいて交渉100中に変更する。
【0016】
第2の交渉器120は、解決すべき問題について、効用値を使用して取り込まれた優先順位を決定するためのAIアルゴリズムを含む。第2の交渉器120は、プロトコル130を使用して第1の交渉器110と通信することができる。いくつかの実施形態では、第2の交渉器120は、無線で通信することができる。いくつかの実施形態では、第2の交渉器120は、有線接続を使用して通信することができる。いくつかの実施形態では、第2の交渉器120は、インターネットを介して通信することができる。第2の交渉器120は、提案、対案、受諾、または拒否を第1の交渉器110に送信することができる。いくつかの実施形態では、第1の交渉器110についてのハードウェアは、第2の交渉器120についてのハードウェアと同じである。いくつかの実施形態では、第1の交渉器110についてのハードウェアは、第2の交渉器120についてのハードウェアとは異なる。いくつかの実施形態では、第1の交渉器110に実装されたアルゴリズムは、第2の交渉器120に実装されたアルゴリズムと同じである。いくつかの実施形態では、第1の交渉器110に実装されたアルゴリズムは、第2の交渉器120に実装されたアルゴリズムとは異なる。いくつかの実施形態では、第2の交渉器120は、自律的である。いくつかの実施形態では、第2の交渉器120は、ユーザ入力に基づいて制御される。
【0017】
第2の方針122は、第2の交渉器120によって使用された効用値およびアルゴリズムに基づいて第2の交渉器120によって決定されたアクションである。いくつかの実施形態では、第2の方針122は、提案、対案、受諾、または拒否を含む。いくつかの実施形態では、第2の方針122は、第1の交渉器110から受信された新しい情報に基づいて交渉100中に変更する。
【0018】
プロトコル130は、交渉100のための規則である。例えば、交互提案プロトコル(alternating offers protocol)では、交渉器(交渉者、ナゴシエータ)、例えば、第1の交渉器110および第2の交渉器120は、交互に提案を交換する。プロトコル130は、交渉100を開始する前に確立され、それにより第1の交渉器110および第2の交渉器120は、提案または返信がいつ送信されるべきか、および送信されるべきかどうかを知る。いくつかの実施形態では、交渉プロトコル130は、有効な提案、対案、受諾、および拒否を決定するための交渉プロトコル200(
図2)を含む。いくつかの実施形態では、プロトコル130は、ステップ、例えば、提案の最大数を含む。いくつかの実施形態では、プロトコル130は、交渉100のための制限時間を含む。
【0019】
ドメイン140は、解決すべき問題を含む。例えば、解決すべき問題は、いくつかの実施形態では、価格、数量、ブランド名などを含む。いくつかの実施形態では、ドメイン140は、単一の問題を含む。いくつかの実施形態では、ドメイン140は、複数の問題を含む。第1の交渉器110および第2の交渉器120の各々は、ドメイン140を知り、効用値を解決すべき問題の組み合わせに帰属させる。例えば、ドメイン140が価格およびブランド名を含み、価格およびブランド名の各々に対して2つの選択肢がある場合、第1の交渉器110は、4つの異なる効用値、すなわち、可能な組み合わせごとに1つの効用値を有する。いくつかの実施形態では、第1の交渉器110および第2の交渉器120は、すべての可能な組み合わせよりも少ない数の効用値を有する。いくつかの実施形態では、第1の交渉器110によって割り当てられた効用値は、第1および第2の交渉器が異なる優先順位を有するため、第2の交渉器120によって割り当てられた効用値とは異なる。
【0020】
図2は、いくつかの実施形態による、交渉プロトコル200のフローチャートである。いくつかの実施形態では、交渉プロトコル200は、交渉100(
図1)において使用可能である。いくつかの実施形態では、交渉プロトコル200は、交渉100(
図1)以外の交渉において使用可能である。交渉プロトコル200は、自動化交渉、生の人間の交渉、人間によって監視される自動化交渉、または他の適切な交渉を使用して完全に実施することが可能である。交渉プロトコル200は、交渉のためのより多くの結果空間を探索するのを助け、これは、交渉のすべての当事者にとっての交渉結果の有用性を改善するのを助ける。いくつかの実施形態によれば、他の交渉プロトコルに対する交渉プロトコル200についてのいくつかの性能情報がグラフ600(
図6)に提供される。いくつかの実施形態では、交渉プロトコル200は、システム700(
図7)を使用して実装される。いくつかの実施形態では、交渉プロトコル200は、システム700(
図7)以外のシステムを使用して実装される。いくつかの実施形態では、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)500(
図5)などのGUIは、交渉プロトコル200を使用して実施される交渉中に生成される。上記のように、交渉プロトコル200は、任意の数の当事者間の交渉に使用可能であるが、以下の説明は、簡略化のためにバイラテラル交渉に焦点を当てる。
【0021】
動作205において、提案が受信される。いくつかの実施形態では、提案は、無線で受信される。いくつかの実施形態では、提案は、有線接続を介して受信される。いくつかの実施形態では、提案は、交渉における相手(他方当事者)からのものである。いくつかの実施形態では、提案の受信に応答して、GUI500(
図5)などのGUIが更新される。いくつかの実施形態では、ユーザへの通知は、提案の受信に応答して自動的に生成される。いくつかの実施形態では、通知は、音声通知または視覚通知を含む。いくつかの実施形態では、通知は、ユーザによってアクセス可能な無線デバイスに送信され、無線デバイスに通知を自動的にアナウンスさせるための指示を含む。交渉における3人以上の当事者を含むいくつかの実施形態では、複数の提案が同時に受信される。これらの提案は、提案側の当事者の予め定義された順序に基づいて順次処理されるか、または別々の機械もしくはシステムで同時に処理される。
【0022】
動作210において、受信した提案が有効な提案であるかどうかに関する決定が行われる。有効な提案は、以前の提案の繰り返しではない提案である。繰り返しの提案は、現在の提案の直前の提案と一致する提案、ならびに交渉全体の間における同じ当事者からのいずれかの提案と一致する提案の両方を含む。ドメインが複数のファクタ、例えば、価格および数量を含むいくつかの実施形態では、任意のファクタにおける差が提案における差を構成する。すなわち、提案のファクタの組み合わせがすべての以前の提案のファクタの組み合わせとは異なる場合、提案は有効になる。例えば、第1の提案が価格10ドル、数量100、および納期2週間を含む状況では、第2の提案は価格10ドル、数量100、および納期1週間を含み、第2の提案は有効な提案となる。同様に、価格10ドル、数量110、および納期2週間を含む第3の提案も有効な提案を構成する。いくつかの実施形態では、提案が有効であるかどうかの決定は、以下に説明する方法300(
図3)に基づく。
【0023】
提案が有効である、すなわち、「はい」という決定に応答して、交渉プロトコル200は、動作215に進む。提案が無効である、すなわち、「いいえ」という決定に応答して、交渉プロトコル200は、動作255に進む。
【0024】
動作215において、次の交渉器(交渉者、ナゴシエータ)が選択される。次の交渉器選択は、動作205から受信した提案に応答して対案を決定するために利用されるアルゴリズムを決定することと、対案の決定とを含む。場合によっては、動作215は、少なくとも1つの以前の対案を作成するために使用されたものと同じ交渉器を維持することを含む。場合によっては、交渉の過程で、動作215は、交渉プロトコル200を使用した交渉の後続の反復において、第1の交渉器から第2の交渉器への変更をもたらし、後に第1の交渉器に戻る。いくつかの実施形態では、当事者は、対案を決定するための単一のアルゴリズムのみを含み、動作215は、対案を決定することのみを含む。いくつかの実施形態では、交渉器の変更は、以前に受信した提案の有用性の傾向に基づいて決定される。いくつかの実施形態では、交渉器の変更は、ユーザから受信した入力に基づいて決定される。いくつかの実施形態では、交渉器の変更は、交渉の残りの継続時間、例えば、期間または提案の数に基づいて決定される。
【0025】
交渉器を変更するかどうかに関して決定が行われると、2以上の交渉器が利用可能である場合、選択された交渉器はアルゴリズムを使用して、受信した有効な提案に基づいて対案を決定する。いくつかの実施形態では、対案は、受信した有効な提案の受諾を含む。いくつかの実施形態では、対案は、受信した有効な提案との少なくとも1つの差を含む。いくつかの実施形態では、交渉器はすべての妥当な提案を受諾し、すなわち、受信した有効な提案が妥当な提案である場合、対案は受信した有効な提案の受諾である。いくつかの実施形態では、交渉器は、行われていない他の妥当な提案が利用可能である場合、以前の提案を繰り返すことを防止される。妥当な提案は、交渉の当事者にとって受諾可能な結果空間内に入る提案である。受諾可能な結果空間は、交渉に先立ってユーザによって予め決定される。いくつかの実施形態では、受諾可能な結果空間は、0.0~1.0の範囲の提案の効用値に基づいて決定される。いくつかの実施形態では、受諾可能な効用値は、ユーザによって予め決定される。いくつかの実施形態では、受諾可能な効用値は、0.2以上である。効用値が受諾可能な効用値よりも低い場合、当事者との交渉の失敗の値は、受信した提案の値よりも大きい。他の妥当な提案が利用できない場合、対案は、動作205において提案を受信した当事者からの最新の提案など、以前の提案の繰り返しである。対案が同じ当事者からの以前の提案の繰り返しである場合、対案は、交渉が終了するまで同じ提案を繰り返し続ける。いくつかの実施形態では、対案を決定するためのアルゴリズムは、方法400(
図4)に基づく。いくつかの実施形態では、方法400(
図4)とは異なるアルゴリズムを利用して、対案を決定する。
【0026】
動作220において、対案は、交渉の他方当事者または双方当事者によって受信される。いくつかの実施形態では、対案は、無線で受信される。いくつかの実施形態では、対案は、有線接続を介して受信される。いくつかの実施形態では、対案の受信に応答して、GUI500(
図5)などのGUIが更新される。いくつかの実施形態では、対案の受信に応答して、ユーザへの通知が自動的に生成される。いくつかの実施形態では、通知は、音声通知または視覚通知を含む。いくつかの実施形態では、通知は、ユーザによってアクセス可能な無線デバイスに送信され、無線デバイスに通知を自動的にアナウンスさせるための指示を含む。
【0027】
動作225において、対案が受諾であるかどうかに関する決定が行われる。いくつかの実施形態では、決定は、対案が受諾であるかどうかを決定するために、対案のファクタの各々についての値と提案のファクタの各々についての値の比較に基づいて行われる。いくつかの実施形態では、決定は、受諾を示す対案内の他の情報に基づいて行われる。
【0028】
対案が受諾である、すなわち、「はい」という決定に応答して、交渉プロトコル200は、動作230に進む。対案が受諾ではない、すなわち、「いいえ」という決定に応答して、交渉プロトコル200は、動作235に進む。
【0029】
動作230において、すべての当事者が提案を受諾したかどうかに関する決定が行われる。バイラテラル交渉では、動作225および動作230の結果は同じになる。3人以上の当事者を含む交渉では、動作230および動作225の結果は異なる可能性がある。いくつかの実施形態では、決定は、対案が受諾であるかどうかを決定するために、対案のファクタの各々についての値と各当事者からの最新の提案のファクタの各々についての値の比較に基づいて行われる。いくつかの実施形態では、決定は、受諾を示す対案内の他の情報に基づいて行われる。
【0030】
すべての当事者が受諾した、すなわち、「はい」という決定に応答して、交渉プロトコル200は、動作250に進む。バイラテラル交渉を含むいくつかの実施形態では、動作230は省略される。いくつかの実施形態によれば、すべての当事者よりも少ない当事者が受諾した、すなわち、「いいえ」という決定に応答して、交渉プロトコル200は、動作205に進む。いくつかの実施形態によれば、すべての当事者よりも少ない当事者が受諾した、すなわち、「いいえ」という決定に応答して、交渉プロトコル200は、動作215に進む。
【0031】
動作235において、対案が有効な対案であるかどうかに関する決定が行われる。いくつかの実施形態では、動作235における分析は、動作210におけるものと同じ分析である。いくつかの実施形態では、動作235における分析は、動作210における分析とは異なる。有効な対案は、対案側の当事者からの以前の提案の繰り返しではない対案である。繰り返しの対案は、現在の対案の直前の提案と一致する対案、ならびに交渉全体の間における同じ当事者からのいずれかの提案と一致する対案の両方を含む。ドメインが複数のファクタ、例えば、価格および数量を含むいくつかの実施形態では、任意のファクタにおける差が対案における差を構成する。いくつかの実施形態では、対案が有効であるかどうかの決定は、以下に説明する方法300(
図3)に基づく。
【0032】
対案が有効である、すなわち、「はい」という決定に応答して、交渉プロトコル200は、動作240に進む。対案が無効である、すなわち、「いいえ」という決定に応答して、交渉プロトコル200は、動作255に進む。
【0033】
動作240において、すべての当事者が提案を繰り返したかどうかに関する決定が行われる。言い換えれば、すべての当事者が無効な提案を行ったかどうかに関する決定が行われる。いくつかの実施形態では、動作240における分析は、すべての当事者に適用される動作210または動作235と同じ分析である。いくつかの実施形態では、動作240における分析は、動作210または動作235における分析とは異なり、すべての当事者に適用される。いくつかの実施形態では、すべての当事者が繰り返しているかどうかの決定は、以下に説明する方法300(
図3)に基づく。
【0034】
すべての当事者が提案を繰り返した、すなわち、「はい」という決定に応答して、交渉プロトコル200は、動作255に進む。すべての当事者よりも少ない当事者が提案を繰り返した、すなわち、「いいえ」という決定に応答して、交渉プロトコル200は、動作215に進む。
【0035】
動作250において、動作205において受信された提案または動作220において受信された対案のいずれか最新のものの受諾が決定される。いくつかの実施形態では、受諾の決定に応答して、GUI500(
図5)などのGUIが更新される。いくつかの実施形態では、ユーザへの通知は、受諾の決定に応答して自動的に生成される。いくつかの実施形態では、通知は、音声通知または視覚通知を含む。いくつかの実施形態では、通知は、ユーザによってアクセス可能な無線デバイスに送信され、無線デバイスに通知を自動的にアナウンスさせるための指示を含む。
【0036】
動作255において、受諾なし、または交渉の失敗が決定される。いくつかの実施形態では、受諾なしの決定に応答して、GUI500(
図5)などのGUIが更新される。いくつかの実施形態では、ユーザへの通知は、受諾なしの決定に応答して自動的に生成される。いくつかの実施形態では、通知は、音声通知または視覚通知を含む。いくつかの実施形態では、通知は、ユーザによってアクセス可能な無線デバイスに送信され、無線デバイスに通知を自動的にアナウンスさせるための指示を含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、交渉プロトコル200は、追加の動作を含む。例えば、いくつかの実施形態では、交渉プロトコル200は、ユーザ監視交渉におけるユーザからの入力の要請を含む。いくつかの実施形態では、交渉プロトコル200の動作の少なくとも1つは省略される。例えば、いくつかの実施形態では、動作230は、バイラテラル交渉では省略される。いくつかの実施形態では、交渉プロトコル200の動作の順序が修正される。例えば、いくつかの実施形態では、動作235は動作225の前に行われ、対案が受諾であるかどうかを決定する前に、対案の有効性に関して決定が行われる。
【0038】
交渉プロトコル200は、他のアプローチと比較して、交渉のためのより多くの結果空間を探索するのを助ける。最終的な繰り返しの提案が行われるまで提案の繰り返しを減少させることによって、当事者は、交渉の終了が近づくまで拒否された最高の有用性の提案を繰り返すことで交渉中に「時間を無駄にする」ことができなくなる。提案の繰り返しが減少すると、交渉の終了が近づくまで他方当事者が同様に提案の調整を断ることに対する阻害要因もなくなる。結果として、交渉の全体的な有用性が他のアプローチと比較して改善される。さらに、当事者が提案の繰り返しを開始すると、交渉における他方当事者は、繰り返す当事者の優先順位の理解が改善され、これは交渉の長さを短縮し、交渉によって消費される時間およびリソースを節約するのを助ける。いくつかの実施形態によれば、他のアプローチと比較した交渉プロトコル200の全体的な有用性および継続時間の改善の証拠が、グラフ600(
図6)に提供される。
【0039】
図3は、いくつかの実施形態による、提案有効性を決定する方法300のフローチャートである。いくつかの実施形態では、方法300は、交渉100(
図1)において使用可能である。いくつかの実施形態では、方法300は、交渉100(
図1)以外の交渉において使用可能である。いくつかの実施形態では、方法300は、交渉プロトコル200(
図2)中に実施される。いくつかの実施形態では、方法300は、交渉プロトコル200(
図2)以外の交渉プロトコルで実施される。いくつかの実施形態では、方法300は、システム700(
図7)を使用して実施される。いくつかの実施形態では、方法300は、システム700(
図7)以外のシステムを使用して実施される。
【0040】
動作305において、提案が許容可能であるかどうかに関する決定が行われる。許容可能な提案は、ドメイン内のファクタの各々に対して許容される値を含む提案である。すなわち、提案は、ドメイン内の各ファクタに対する値を含み、各値は、交渉のパラメータによって許容される。例えば、価格および数量を含むドメインでは、価格に対する値を含むが数量に対する値を含まない提案は、許容できない提案である。同様に、交渉のパラメータが、最大数量は100ユニットであると規定している場合、提案は価格に対する値および150ユニットの数量値を含み、提案は許容できない提案である。いくつかの実施形態では、交渉のパラメータは、交渉の前に当事者によって予め決定される。いくつかの実施形態では、交渉のパラメータは、当事者が値を満たす能力に基づいて決定される。例えば、当事者が最大100ユニットの生産が可能であり、提案が150ユニットの場合、当事者は提案の基準を満たすことが不可能であり、提案は許容できないとみなされる。
【0041】
提案が許容可能な提案である、すなわち、「はい」という決定に応答して、方法300は、動作310に進む。提案が許容できない提案である、すなわち、「いいえ」という決定に応答して、方法300は、提案が有効な提案ではないという指示を出力する。例えば、方法300が動作210(
図2)で利用される状況では、提案の有効性の決定は「いいえ」となり、交渉プロトコル200は動作255に進む。
【0042】
動作310において、提案が繰り返しの提案であるかどうかに関する決定が行われる。上述したように、繰り返しの提案は、同じ当事者から以前に受信した提案と一致する値およびファクタの組み合わせである。繰り返しの提案は、現在の提案の直前の提案と一致する提案、ならびに交渉全体の間におけるその当事者から受信した最後の提案と一致しない同じ当事者からのいずれかの提案と一致する提案の両方を含む。ドメインが複数のファクタ、例えば、価格および数量を含むいくつかの実施形態では、任意のファクタにおける差が提案における差を構成する。すなわち、提案のファクタの組み合わせがすべての以前の提案のファクタの組み合わせとは異なる場合、提案は有効になる。
【0043】
提案が繰り返しの提案ではない、すなわち、「はい」という決定に応答して、方法300は、提案が有効であるという指示を出力する。例えば、方法300が動作210(
図2)で利用される状況では、提案の有効性の決定は「はい」となり、交渉プロトコル200は動作215に進む。提案が繰り返しの提案である、すなわち、「いいえ」という決定に応答して、方法300は、提案が有効な提案ではないという指示を出力する。例えば、方法300が動作210(
図2)で利用される状況では、提案の有効性の決定は「いいえ」となり、交渉プロトコル200は動作255に進む。
【0044】
いくつかの実施形態では、方法300の決定、すなわち、有効な提案または無効な提案は、通知の生成を促す。いくつかの実施形態では、通知は、音声通知または視覚通知を含む。いくつかの実施形態では、通知は、ユーザによってアクセス可能な無線デバイスに送信され、無線デバイスに通知を自動的にアナウンスさせるための指示を含む。いくつかの実施形態では、GUI500(
図5)などのGUIは、方法300の決定に基づいて更新される。
【0045】
いくつかの実施形態では、方法300は、追加の動作を含む。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、通知の生成および送信を含む。いくつかの実施形態では、方法300の動作の少なくとも1つは省略される。例えば、いくつかの実施形態では、動作305は省略され、方法300を利用する交渉プロトコル200(
図2)などの交渉プロトコルは、許容できない提案を受諾することを断る。いくつかの実施形態では、方法300の動作の順序が修正される。例えば、いくつかの実施形態では、動作310は、動作305の前に行われる。
【0046】
方法300は、他のアプローチと比較して、交渉のためのより多くの結果空間を探索するのを助ける。最終的な繰り返しの提案が行われるまで提案の繰り返しを減少させることによって、当事者は、交渉の終了が近づくまで拒否された最高の有用性の提案を繰り返すことで交渉中に「時間を無駄にする」ことができなくなる。提案の繰り返しが減少すると、交渉の終了が近づくまで他方当事者が同様に提案の調整を断ることに対する阻害要因もなくなる。結果として、交渉の全体的な有用性が他のアプローチと比較して改善される。さらに、当事者が提案の繰り返しを開始すると、交渉における他方当事者は、繰り返す当事者の優先順位の理解が改善され、これは交渉の長さを短縮し、交渉によって消費される時間およびリソースを節約するのを助ける。いくつかの実施形態によれば、他のアプローチと比較した方法300を利用する交渉プロトコルの全体的な有用性および継続時間の改善の証拠が、グラフ600(
図6)に提供される。
【0047】
図4は、いくつかの実施形態による、提案選択の方法400のフローチャートである。いくつかの実施形態では、方法400は、交渉100(
図1)において使用可能である。いくつかの実施形態では、方法400は、交渉100(
図1)以外の交渉において使用可能である。いくつかの実施形態では、方法400は、交渉プロトコル200(
図2)中に実施される。いくつかの実施形態では、方法400は、交渉プロトコル200(
図2)以外の交渉プロトコルで実施される。いくつかの実施形態では、方法400は、システム700(
図7)を使用して実施される。いくつかの実施形態では、方法400は、システム700(
図7)以外のシステムを使用して実施される。いくつかの実施形態では、方法400は、交渉におけるすべての当事者によって利用される。いくつかの実施形態では、方法400は、交渉におけるすべての当事者よりも少ない当事者において利用される。
【0048】
動作405において、提案方針が生成される。提案方針は、ユーザによって選択されたアルゴリズムを使用して、または訓練されたニューラルネットワークもしくは他の機械学習方法を使用して生成される。いくつかの実施形態では、アルゴリズムは、交渉を通して一定のままである。いくつかの実施形態では、アルゴリズムは、交渉の過程で変化する。提案方針は、交渉の結果の値を最大化しようと試みるために、当事者への提案の有用性に基づいて生成される。いくつかの実施形態では、提案方針は、動作215(
図2)と同様の方式で生成される。
【0049】
動作410において、提案が以前に行われたかどうかに関する決定が行われる。提案が以前に行われたかどうかの決定は、ドメイン内のファクタの各々の値が以前の提案からのドメイン内のファクタに対する対応する値と一致するかどうかに基づく。いくつかの実施形態では、提案が以前に行われたかどうかに関する決定は、動作210(
図2)における決定と同様である。
【0050】
提案が以前に行われていない、すなわち、「いいえ」という決定に応答して、方法400は、動作435に進む。提案が以前に行われた、すなわち、「はい」という決定に応答して、方法400は、動作415に進む。
【0051】
動作415において、すべての可能な提案が行われたかどうかに関する決定が行われる。すなわち、交渉中に以前の提案によってドメイン内の値およびファクタのあらゆる組み合わせが探索されている。いくつかの実施形態では、すべての可能な提案は、妥当な提案と不適切な提案(受け入れ難い提案)の両方を含む。すなわち、すべての可能な提案は、所定の受諾可能な効用値を上回る効用値と下回る効用値の両方を有する提案を含む。
【0052】
すべての提案が行われた、すなわち、「はい」という決定に応答して、方法400は、動作435に進む。すなわち、動作435において発行された提案は、以前の提案の繰り返しとなる。方法400が交渉プロトコル200(
図2)において利用されるいくつかの実施形態では、動作435において発行された繰り返しの提案は、交渉が終了するまで継続的に繰り返される。すべての可能な提案よりも少ない提案が行われた、すなわち、「いいえ」という決定に応答して、方法400は、動作420に進む。
【0053】
動作420において、提案が合理的であるかどうかに関する決定が行われる。妥当な提案とは、提案を行う当事者にとって受諾可能な効用値以上の効用値を有する提案である。例えば、当事者が0.2で最小の受諾可能な効用値を設定する場合、0.2以上の効用値を有する提案はいずれも妥当な提案となり、0.2未満の効用値を有する提案はいずれも不適切な提案となる。
【0054】
提案が不合理であった、すなわち、「いいえ」という決定に応答して、方法400は、動作425に進む。提案が合理的であった、すなわち、「はい」という決定に応答して、方法400は、動作430に進む。
【0055】
動作425において、不適切な提案に最も近い効用値を有する提案が選択される。提案選択のためのアルゴリズムを実行する交渉器は、動作405において提案方針と可能な限り同様になるように提案を調整する。交渉器は、効用値の最小差が決定されるまで、ドメイン内のファクタごとに値を調整する。動作425中、すべての以前の提案は考慮から除外される。動作425において、選択された提案は、潜在的に不合理であると共に、潜在的に合理的である。
【0056】
動作430において、妥当な提案に最も近い効用値を有する妥当な提案が選択される。提案選択のためのアルゴリズムを実行する交渉器は、動作405において提案方針と可能な限り同様になるように提案を調整する。交渉器は、効用値の最小差が決定されるまで、ドメイン内のファクタごとに値を調整する。動作425中、すべての以前の提案は考慮から除外される。動作430において、選択された提案は合理的である。
【0057】
動作435において、提案が交渉における他方当事者に発行される。いくつかの実施形態では、提案は、無線で送信される。いくつかの実施形態では、提案は、有線接続を介して送信される。いくつかの実施形態では、GUI500(
図5)などのGUIは、提案の発行に応答して更新される。いくつかの実施形態では、提案の発行は、通知の自動生成をさらに含む。いくつかの実施形態では、通知は、音声通知または視覚通知を含む。いくつかの実施形態では、通知は、ユーザによってアクセス可能なデバイスに送信され、通知は、無線デバイスに通知を自動的に示させるための指示を含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、方法400は、追加の動作を含む。例えば、いくつかの実施形態では、方法400は、発行前に提案の承認をユーザに促すことを含む。いくつかの実施形態では、方法400の動作の少なくとも1つは省略される。例えば、いくつかの実施形態では、動作420は省略され、動作425および430は、最も近い効用値を有する提案を選択するための単一の動作に組み合わされる。いくつかの実施形態では、方法400の動作の順序が修正される。例えば、いくつかの実施形態では、動作420は、動作415の前に行われる。
【0059】
方法400は、他のアプローチと比較して、交渉のためのより多くの結果空間を探索するのを助ける。最終的な繰り返しの提案が行われるまで提案の繰り返しを減少させることによって、当事者は、交渉の終了が近づくまで拒否された最高の有用性の提案を繰り返すことで交渉中に「時間を無駄にする」ことができなくなる。提案の繰り返しが減少すると、交渉の終了が近づくまで他方当事者が同様に提案の調整を断ることに対する阻害要因もなくなる。結果として、交渉の全体的な有用性が他のアプローチと比較して改善される。さらに、当事者が提案の繰り返しを開始すると、交渉における他方当事者は、繰り返す当事者の優先順位の理解が改善され、これは交渉の長さを短縮し、交渉によって消費される時間およびリソースを節約するのを助ける。いくつかの実施形態によれば、他のアプローチと比較した方法400を利用する交渉プロトコルの全体的な有用性および継続時間の改善の証拠が、グラフ600(
図6)に提供される。
【0060】
図5は、いくつかの実施形態による、自動化交渉に付随するためのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)500の図である。GUI500は、人間が進行中の交渉を追跡することを可能にするために使用可能である。GUI500は、進行中の交渉中に人間が対話することを可能にするために使用可能である。いくつかの実施形態では、GUI500は、交渉100(
図1)において使用可能である。いくつかの実施形態では、GUI500は、交渉100(
図1)以外の交渉において使用可能である。いくつかの実施形態では、GUI500は、交渉プロトコル200(
図2)中に使用可能である。いくつかの実施形態では、GUI500は、交渉プロトコル200(
図2)以外の交渉プロトコルにおいて使用可能である。いくつかの実施形態では、GUI500は、方法400(
図4)の間に使用可能である。いくつかの実施形態では、GUI500は、方法400(
図4)以外の方法において使用可能である。いくつかの実施形態では、GUI500は、システム700(
図7)を使用して実装される。いくつかの実施形態では、GUI500は、システム700(
図7)以外のシステムを使用して実装される。いくつかの実施形態では、GUI500は、交渉におけるすべての当事者によって利用される。いくつかの実施形態では、GUI500は、交渉におけるすべての当事者よりも少ない当事者で利用される。
【0061】
GUI500は、チャットボックス510を含む。チャットボックス510は、交渉中に行われた各提案および対案を、提案または対案のいずれかが受諾または拒否されたことと共に含む。チャットボックス内の各提案512は、各対案516とは区別される。いくつかの実施形態では、提案512はチャットボックス510の第1の側にあり、対案516はチャットボックス510の反対側にある。いくつかの実施形態では、提案512は、対案516とは異なる色で強調表示される。いくつかの実施形態では、提案512は、対案516とは異なるフォントスタイルまたはフォント色である。当業者は、上記の区別が網羅的ではなく、他の区別が本明細書の範囲内であることを認識するであろう。チャットボックス510は、対応する提案512または対案516の受諾514および拒否518の指示をさらに含む。いくつかの実施形態では、受諾514および拒否518は、提案512および対案516とは別々のアイコン、テキスト、または他の適切な指示によって示される。いくつかの実施形態では、受諾514および拒否518は、強調表示、太字、下線、または他の適切な指示など、提案512または対案516に対して直接変更することによって示される。いくつかの実施形態では、チャットボックス510は、提案512または対案516に関連するメモなどの追加の情報をさらに含む。いくつかの実施形態では、メモは、「受諾された場合は合意」、ユーザへの提案の効用値、または他の適切な情報などの情報を含む。
【0062】
GUI500は、ユーザから次の提案を受信するための提案入力フィールド520をさらに含む。いくつかの実施形態では、提案入力フィールド520は、GUI500が自動化交渉中に制御されているときに自動的に入力される。いくつかの実施形態では、提案入力フィールド520は、交渉中に人間の対話が許容されたときにユーザから入力を受信するように構成される。いくつかの実施形態では、ユーザは、完全に自動化された交渉と人間の対話を可能にする交渉とを切り替えるためのコマンドを入力するか、またはアクションを行う。いくつかの実施形態では、提案入力フィールド520は、人間の対話を許容する交渉中にのみユーザによって編集可能である。いくつかの実施形態では、提案入力フィールド520は、提案入力フィールド520内の提案が繰り返しの提案であることに応答して、音声通知または視覚通知などの通知を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、GUI500は、ユーザからの確認の受信に応答して繰り返しの提案を発行する前に、繰り返しの提案の発行の確認をユーザに促すように構成される。
【0063】
GUI500は、傾向フィールド530をさらに含む。傾向フィールド530は、交渉が経時的にどのように進行したかをユーザが決定することを可能にする情報を含む。いくつかの実施形態では、傾向フィールド530は、1つまたは複数のグラフを含む。いくつかの実施形態では、傾向フィールド530に表示されるグラフは、ユーザによって選択可能である。
【0064】
図5の傾向フィールド530は、各提案および対案についてのユーザに対する効用値、ならびに各提案および対案についての別の当事者に対する予測効用値を示す第1のグラフ532を含む。いくつかの実施形態では、予測効用値は、以前の交渉からの経験的データ、交渉中に他方当事者から受信した提案の分析、または他の適切な情報に基づく。いくつかの実施形態では、予測効用値は、訓練されたニューラルネットワークを使用して決定される。いくつかの実施形態では、第1のグラフ532は、推定された効率的な解の境界線(最適解の境界線グラフ、フロンティアプロット(frontier plot))をさらに含む。推定された効率的な解の境界線は、交渉における双方当事者に対する予測される受諾可能な結果空間を示す。すなわち、受諾可能な結果空間は、推定された効率的な解の境界線の下の領域である。いくつかの実施形態では、推定された効率的な解の境界線は、以前の交渉からの経験的データ、交渉中に他方当事者から受信した提案の分析、または他の適切な情報に基づく。いくつかの実施形態では、推定された効率的な解の境界線は、訓練されたニューラルネットワークを使用して決定される。
【0065】
図5の傾向フィールド530は、交渉中にユーザによって行われた各提案の効用値を示す第2のグラフ534を含む。第2のグラフ534は、効用値対時間のプロットを含むが、いくつかの実施形態では、プロットは、効用値対交渉ラウンドを含む。いくつかの実施形態では、第2のグラフ534は、ユーザにとって受諾可能な効用値をさらに含む。すなわち、受諾可能な効用値を上回るあらゆる効用値は、交渉中に合意に達することができないことよりもユーザにとってより大きな値を有する。いくつかの実施形態では、第2のグラフ534は、他方当事者に対する推定された受諾可能な効用値をさらに含む。すなわち、他方当事者にとっての推定された受諾可能な効用値を上回るあらゆる効用値は、交渉の失敗よりも他方当事者にとってより高い値を有すると予測される。いくつかの実施形態では、他方当事者に対する推定された受諾可能な効用値は、以前の交渉からの経験的データ、交渉中に他方当事者から受信した提案の分析、または他の適切な情報に基づく。いくつかの実施形態では、他方当事者に対する推定された受諾可能な効用値は、訓練されたニューラルネットワークを使用して決定される。
【0066】
図5の傾向フィールド530は、交渉中に他方当事者によって行われた各対案の効用値を示す第3のグラフ536を含む。第3のグラフ536は、効用値対時間のプロットを含むが、いくつかの実施形態では、プロットは、効用値対交渉ラウンドを含む。いくつかの実施形態では、第3のグラフ536は、ユーザにとって受諾可能な効用値をさらに含む。すなわち、受諾可能な効用値を上回るあらゆる効用値は、交渉中に合意に達することができないことよりもユーザにとってより大きな値を有する。いくつかの実施形態では、第3のグラフ536は、他方当事者に対する推定された受諾可能な効用値をさらに含む。すなわち、他方当事者にとっての推定された受諾可能な効用値を上回るあらゆる効用値は、交渉の失敗よりも他方当事者にとってより高い値を有すると予測される。いくつかの実施形態では、他方当事者に対する推定された受諾可能な効用値は、以前の交渉からの経験的データ、交渉中に他方当事者から受信した提案の分析、または他の適切な情報に基づく。いくつかの実施形態では、他方当事者に対する推定された受諾可能な効用値は、訓練されたニューラルネットワークを使用して決定される。
【0067】
当業者は、傾向フィールド530について言及された特定のグラフが単なる例示であり、他のグラフが本明細書の範囲内であることを理解するであろう。
【0068】
GUI500は、第1のリスト540をさらに含む。第1のリスト540は、ユーザによって提案された場合に他方当事者によって受諾されると予測される潜在的な提案のリストを含む。第1のリスト540は、ユーザが提案入力フィールド520に入力するための潜在的な提案を検討するためのツールを提供する。第1のリスト540は、複数のエントリ542を含む。各エントリ542は、提案と、対応する提案の効用値とを含む。いくつかの実施形態では、エントリ542は、エントリ542が交渉において他方当事者に提案されたことに応答して、第1のリスト540から削除される。いくつかの実施形態では、第1のリスト540は、ユーザにとって受諾可能な効用値、ならびに他方当事者との現在および/または以前の交渉の分析に基づいて、訓練されたニューラルネットワークを使用して入力される。いくつかの実施形態では、ユーザは、第1のリスト540内のエントリ542を選択することによって、提案入力フィールド520を自動的に入力することができる。
【0069】
GUI500は、第2のリスト550をさらに含む。第2のリスト550は、ユーザによって受諾可能な潜在的な対案のリストを含む。第2のリスト550は、ユーザが潜在的な対案をプレビューするため、かつ/または提案入力フィールド520に入力するためのツールを提供する。第2のリスト550は、複数のエントリ552を含む。各エントリ552は、提案と、対応する提案の効用値とを含む。いくつかの実施形態では、エントリ552は、エントリ552が交渉において他方当事者によって提案されたことに応答して、第2のリスト550から削除される。いくつかの実施形態では、第2のリスト550は、ユーザにとって受諾可能な効用値、ならびに他方当事者との現在および/または以前の交渉の分析に基づいて、訓練されたニューラルネットワークを使用して入力される。いくつかの実施形態では、ユーザは、第2のリスト550内のエントリ552を選択することによって、提案入力フィールド520を自動的に入力することができる。
【0070】
GUI500は、ユーザが自動化交渉を監視するための有用なツール、ならびに人間の対話を許容する交渉と対話するためのガイドを提供する。他方当事者に対する提案、対案、および効用値の予測を追跡することによって、GUI500は、そのユーザが、結果空間のどの部分が探索されていないかを決定し、交渉を短縮するための潜在的な提案を識別することを可能にする。
【0071】
図6は、いくつかの実施形態による、他の交渉プロトコルと比較した交渉プロトコルの性能のグラフ600である。グラフ600は、交渉プロトコル200(
図2)などの本出願に記載されている交渉プロトコルを他の交渉プロトコルと比較する棒グラフを含む。グラフ600は、交渉プロトコルの性能を評価するための様々なメトリックを含む。メトリックは当業者に知られており、簡潔にするために本出願ではメトリックのうちのほんのいくつかが説明されているにすぎない。
【0072】
グラフ600は、本出願についての交渉プロトコル(TAU)を、3分間(3分)の交渉継続時間を有する交互提案プロトコル(AOP)と、事前設定された交渉のラウンド数(n.)を有するAOPと比較する。TAU性能は、各メトリックについて右端のバーであり、AOP(3分)は、各メトリックについて中央のバーであり、AOP(n.)は、各メトリックについて左端のバーである。グラフ600は、2010年~2016年および2019年の各々の年の自動化交渉エージェント競争(ANAC)からのドメインについての3つのプロトコルの各々を利用して自動化交渉を実施することによって生成された。
【0073】
グラフ600は、すべてのメトリックにおいてより高い値を示す。より高い値がほとんどのメトリックでは望まれるが、情報顕示(IRUB)メトリックはより小さいことが望まれることが多い。IRUBは、交渉における他方当事者がユーザに対する効用値についてどれだけの情報を得ることができるかの尺度である。多くの場合、ユーザは、他方当事者による内部評価の知識を減らそうとする。しかし、最適性、ウェルフェア、および速度などのメトリックによって明確に示されるように、TAUプロトコルは、実際の結果において他のプロトコルよりも著しく優れている。最適性は、交渉の結果がパレート最適解の集合(パレート効率的な解の集合、パレートフロンティア(Parento-frontier))とどの程度異なるかの尺度である。ウェルフェアは、交渉における当事者ごとの効用値の合計の尺度である。速度は、交渉がどの程度迅速に解決されるかの尺度である。グラフ600は、交渉プロトコル200(
図2)などのTAUプロトコルが、他のアプローチと比較して自動化交渉の技術分野における改善を提供するという明確な証拠を提供する。
【0074】
図7は、いくつかの実施形態による、交渉を実施するためのシステム700のブロック図である。システム700は、ハードウェアプロセッサ702と、コンピュータプログラムコード706、すなわち、実行可能指示のセットで符号化された、すなわち、それらを記憶している非一時的コンピュータ可読記憶媒体704とを含む。コンピュータ可読記憶媒体704はまた、ユーザによってアクセス可能なデバイスなどの外部デバイスとインターフェースするための指示707で符号化される。プロセッサ702は、バス708を介してコンピュータ可読記憶媒体704に電気的に結合される。プロセッサ702はまた、バス708によって入力/出力(I/O)インターフェース710に電気的に結合される。ネットワークインターフェース712はまた、バス708を介してプロセッサ702に電気的に接続される。ネットワークインターフェース712は、プロセッサ702およびコンピュータ可読記憶媒体704がネットワーク714を介して外部要素に接続することが可能であるように、ネットワーク714に接続される。プロセッサ702は、交渉プロトコル200(
図2)、方法300(
図3)、方法400(
図4)、またはGUI500(
図5)で説明した動作の一部またはすべてを実施するためにシステム700を使用可能にするために、コンピュータ可読記憶媒体704に符号化されたコンピュータプログラムコード706を実行するように構成される。
【0075】
いくつかの実施形態では、プロセッサ702は、中央処理装置(CPU)、マルチプロセッサ、分散処理システム、特定用途向け集積回路(ASIC)、および/または適切な処理ユニットである。
【0076】
いくつかの実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体704は、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、および/または半導体システム(または装置もしくはデバイス)である。例えば、コンピュータ可読記憶媒体704は、半導体もしくはソリッドステートメモリ、磁気テープ、リムーバブルコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、剛性磁気ディスク、および/または光ディスクを含む。光ディスクを使用するいくつかの実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体704は、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、コンパクトディスク読み取り/書き込み(CD-R/W)、および/またはデジタルビデオディスク(DVD)を含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、記憶媒体704は、システム700に、交渉プロトコル200(
図2)、方法300(
図3)、方法400(
図4)、またはGUI500(
図5)で説明した動作の一部またはすべてを実施させるように構成されたコンピュータプログラムコード706を記憶する。いくつかの実施形態では、記憶媒体704はまた、交渉プロトコル200(
図2)、方法300(
図3)、方法400(
図4)、またはGUI500(
図5)で説明した動作の一部またはすべてを実施するための情報、ならびに交渉プロトコル200(
図2)、方法300(
図3)、方法400(
図4)、またはGUI500(
図5)で説明した動作の一部またはすべてを実施する間に生成された情報、例えば提案パラメータ716、以前の提案パラメータ718、効用値パラメータ720、合理的な空間パラメータ722、ドメインパラメータ724、および/または交渉プロトコル200(
図2)、方法300(
図3)、方法400(
図4)、またはGUI500(
図5)で説明した動作の一部またはすべての動作を実施するための実行可能指示のセットを記憶する。
【0078】
いくつかの実施形態では、記憶媒体704は、外部構成要素とインターフェースするための指示707を記憶する。指示707は、交渉プロトコル200(
図2)、方法300(
図3)、方法400(
図4)、またはGUI500(
図5)で説明した動作の一部またはすべてを効果的に実施するために、プロセッサ702が外部構成要素によって読み取り可能な指示を生成することを可能にする。
【0079】
システム700は、I/Oインターフェース710を含む。I/Oインターフェース710は、外部回路に結合される。いくつかの実施形態では、I/Oインターフェース710は、情報およびコマンドをプロセッサ702に通信するためのキーボード、キーパッド、マウス、トラックボール、トラックパッド、および/またはカーソル方向キーを含む。
【0080】
システム700はまた、プロセッサ702に結合されたネットワークインターフェース712を含む。ネットワークインターフェース712は、システム700が、1つまたは複数の他のコンピュータシステムが接続されるネットワーク714と通信することを可能にする。ネットワークインターフェース712は、BLUETOOTH(登録商標)、WIFI、WIMAX、GPRS、もしくはWCDMA(登録商標)などの無線ネットワークインターフェース、またはETHERNET、USB、もしくはIEEE-1394などの有線ネットワークインターフェースを含む。いくつかの実施形態では、交渉プロトコル200(
図2)、方法300(
図3)、方法400(
図4)、またはGUI500(
図5)で説明した動作の一部またはすべては、2つ以上のシステム700に実装され、情報がネットワーク714を介して異なるシステム700間で交換される。
【0081】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記述され得るが、以下に限定されるものではない。
【0082】
(付記1)
指示を記憶するように構成されたコンピュータ可読媒体と、
前記コンピュータ可読媒体に接続されたプロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、
所定の条件が満たされない限り、当事者が交渉中に提案を繰り返すことを防止し、
前記所定の条件が満たされたことに応答して、前記交渉が終了するまで前記提案を繰り返し続けることを前記当事者に要求する
ための前記指示を実行するように構成される、
交渉を実施するためのシステム。
【0083】
(付記2)
前記所定の条件は、前記当事者に対するすべての受諾可能な提案が発行されていることを含む、付記1に記載のシステム。
【0084】
(付記3)
前記プロセッサは、
前記提案を受信し、
前記提案が有効であるかどうかを決定し、
前記提案が有効であるという決定に応答して、前記提案に対する応答を生成する
ための前記指示を実行するようにさらに構成される、付記1に記載のシステム。
【0085】
(付記4)
前記プロセッサは、前記提案が前記交渉中の前記当事者からの以前の提案と一致するかどうかに基づいて、前記提案が有効であるかどうかを決定するための前記指示を実行するようにさらに構成される、付記3に記載のシステム。
【0086】
(付記5)
前記プロセッサは、
前記提案が妥当な提案であることに応答して、受諾を含む前記提案に対する前記応答を生成し、
前記提案が不適切な提案であることに応答して、対案を含む前記提案に対する前記応答を生成する
ための前記指示を実行するように構成される、付記3に記載のシステム。
【0087】
(付記6)
前記プロセッサは、
前記交渉におけるすべての当事者が前記提案を受諾するかどうかを決定し、
前記交渉におけるすべての当事者よりも少ない当事者が前記提案を受諾するという決定に応答して、前記提案とは異なる第2の提案を生成する
ための前記指示を実行するようにさらに構成される、付記1に記載のシステム。
【0088】
(付記7)
前記プロセッサは、
前記交渉におけるすべての当事者が繰り返しの提案を発行したかどうかを決定し、
前記交渉におけるすべての当事者が繰り返しの提案を発行したという決定に応答して、受諾なしに前記交渉を終了する
ための前記指示を実行するようにさらに構成される、付記1に記載のシステム。
【0089】
(付記8)
所定の条件が満たされない限り、当事者が交渉中に提案を繰り返すことを防止することと、
前記所定の条件が満たされたことに応答して、前記交渉が終了するまで前記提案を繰り返し続けることを前記当事者に要求することと
を含む、交渉を実施するための方法。
【0090】
(付記9)
前記所定の条件は、前記当事者に対するすべての受諾可能な提案が発行されていることを含む、付記8に記載の方法。
【0091】
(付記10)
前記提案を受信することと、
前記提案が有効であるかどうかを決定することと、
前記提案が有効であるという決定に応答して、前記提案に対する応答を生成することと
をさらに含む、付記8に記載の方法。
【0092】
(付記11)
前記提案が前記交渉中の前記当事者からの以前の提案と一致するかどうかに基づいて、前記提案が有効であるかどうかを決定することをさらに含む、付記10に記載の方法。
【0093】
(付記12)
前記提案が妥当な提案であることに応答して、受諾を含む前記提案に対する前記応答を生成することと、
前記提案が不適切な提案であることに応答して、対案を含む前記提案に対する前記応答を生成することと
をさらに含む、付記10に記載の方法。
【0094】
(付記13)
前記交渉におけるすべての当事者が前記提案を受諾するかどうかを決定することと、
前記交渉におけるすべての当事者よりも少ない当事者が前記提案を受諾するという決定に応答して、前記提案とは異なる第2の提案を生成することと
をさらに含む、付記8に記載の方法。
【0095】
(付記14)
前記交渉におけるすべての当事者が繰り返しの提案を発行したかどうかを決定することと、
前記交渉におけるすべての当事者が繰り返しの提案を発行したという決定に応答して、受諾なしに前記交渉を終了することと
をさらに含む、付記8に記載の方法。
【0096】
(付記15)
所定の条件が満たされない限り、当事者が前記交渉中に提案を繰り返すことを防止し、
前記所定の条件が満たされたことに応答して、前記交渉が終了するまで前記提案を繰り返し続けることを前記当事者に要求する
ことをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0097】
(付記16)
前記所定の条件は、前記当事者に対するすべての受諾可能な提案が発行されていることを含む、付記15に記載のプログラム。
【0098】
(付記17)
前記提案を受信し、
前記提案が有効であるかどうかを決定し、
前記提案が有効であるという決定に応答して、前記提案に対する応答を生成する
ことを前記コンピュータにさらに実行させる、付記15に記載のプログラム。
【0099】
(付記18)
前記提案が前記交渉中の前記当事者からの以前の提案と一致するかどうかに基づいて、前記提案が有効であるかどうかを決定することを前記コンピュータにさらに実行させる、付記17に記載のプログラム。
【0100】
(付記19)
前記提案が妥当な提案であることに応答して、受諾を含む前記提案に対する前記応答を生成し、
前記提案が不適切な提案であることに応答して、対案を含む前記提案に対する前記応答を生成する
ことを前記コンピュータにさらに実行させる、付記17に記載のプログラム。
【0101】
(付記20)
前記交渉におけるすべての当事者が前記提案を受諾するかどうかを決定し、
前記交渉におけるすべての当事者よりも少ない当事者が前記提案を受諾するという決定に応答して、前記提案とは異なる第2の提案を生成する
ことを前記コンピュータにさらに実行させる、付記15にプログラム。
【0102】
(付記21)
交渉を実施するためのシステムは、指示を記憶するように構成された(非一時的)コンピュータ可読媒体を含む。システムは、(非一時的)コンピュータ可読媒体に接続されたプロセッサをさらに含む。プロセッサは、アルゴリズムを使用して提案方針を生成するための指示を実行するように構成される。プロセッサは、生成された提案方針が交渉中に以前に提案されたかどうかを決定するための指示を実行するようにさらに構成される。プロセッサは、提案が交渉中に以前に提案されていないという決定に応答して、生成された提案方針を発行するための指示を実行するようにさらに構成される。プロセッサは、提案が交渉中に以前に提案されたという決定に応答して、第2の提案方針の効用値に基づいて生成された提案方針を第2の提案方針に変更するための指示を実行するようにさらに構成される。プロセッサは、生成された提案方針の変更に続いて第2の提案方針を発行するための指示を実行するようにさらに構成される。
【0103】
(付記22)
交渉を実施するためのシステムは、指示を記憶するように構成された(非一時的)コンピュータ可読媒体を含む。システムは、(非一時的)コンピュータ可読媒体に接続されたプロセッサをさらに含む。プロセッサは、提案を受信するための指示を実行するように構成される。プロセッサは、提案を受諾するかどうかを決定するための指示を実行するようにさらに構成される。プロセッサは、対案を生成するための指示を実行するようにさらに構成される。プロセッサは、対案に対する応答を受信するための指示を実行するようにさらに構成される。プロセッサは、応答の受信後に提案、提案を受諾するかどうかの決定、対案、対案に対する応答、および交渉において相手当事者が受諾可能であると予測される提案のリストを含むグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を更新するための指示を実行するようにさらに構成される。
【0104】
上記は、当業者が本開示の態様をよりよく理解することができるように、いくつかの実施形態の特徴を概説している。当業者は、本明細書に導入された実施形態と同じ目的を実行し、かつ/または同じ利点を達成するための他のプロセスおよび構造を設計または修正するための基礎として本開示を容易に使用することができることを理解するべきである。当業者はまた、そのような同等の構成が本開示の精神および範囲から逸脱するものではなく、本開示の精神および範囲から逸脱することなく本明細書において様々な変更、置換、および改変を行うことができることを認識するべきである。
【0105】
この出願は、2023年8月9日に出願された米国特願18/447,264号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0106】
100 交渉
110 第1の交渉器
112 第1の方針
120 第2の交渉器
122 第2の方針
130 プロトコル
140 ドメイン
200 交渉プロトコル
205 動作
210 動作
215 動作
220 動作
225 動作
230 動作
235 動作
240 動作
250 動作
255 動作
300 方法
305 動作
310 動作
400 方法
405 動作
410 動作
415 動作
420 動作
425 動作
430 動作
435 動作
500 グラフィカルユーザインターフェース(GUI)
510 チャットボックス
512 提案
514 受諾
516 対案
518 拒否
520 提案入力フィールド
530 傾向フィールド
532 第1のグラフ
534 第2のグラフ
536 第3のグラフ
540 第1のリスト
542 エントリ
550 第2のリスト
552 エントリ
600 グラフ
700 システム
702 プロセッサ
704 コンピュータ可読記憶媒体
706 コンピュータプログラムコード
707 指示
708 バス
710 入力/出力(I/O)インターフェース
712 ネットワークインターフェース
714 ネットワーク
716 提案パラメータ
718 以前の提案パラメータ
720 効用値パラメータ
722 合理的な空間パラメータ
724 ドメインパラメータ