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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025026392
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】フレームおよびフレーム用金具
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/18 20060101AFI20250214BHJP
   F16B 12/50 20060101ALI20250214BHJP
   F16B 7/20 20060101ALI20250214BHJP
   H02B 1/01 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
H05K7/18 C
F16B12/50 B
F16B7/20 A
H02B1/01 A
H05K7/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024130186
(22)【出願日】2024-08-06
(31)【優先権主張番号】P 2023130439
(32)【優先日】2023-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】516025047
【氏名又は名称】安田技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134979
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 博
(74)【代理人】
【識別番号】100186451
【弁理士】
【氏名又は名称】梅森 嘉匡
(74)【代理人】
【識別番号】100167427
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】安田 寛造
【テーマコード(参考)】
3J024
3J039
【Fターム(参考)】
3J024AA14
3J024BB04
3J024CA03
3J039AA06
3J039BB02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】フレームの組み立てが容易でありかつフレームを構成する部材の製造が容易であるフレームおよびフレーム用金具を提供する。
【解決手段】第一固定部12と、第一固定部12と直交する第二固定部13と、第一固定部12と第二固定部13との間に設けられた連結部15と、を有する本体部材11と、本体部材11における連結部15に連結され、軸方向が第一固定部12の軸方向および第二固定部13の軸方向と直交する第三固定部を形成する連結部材16と、を備え、本体部材11の連結部15は、第一固定部12に連結された、第一固定部12の軸方向と平行な第一連結壁Rf1と、第二固定部13に連結された、第二固定部13の軸方向と平行な第二連結壁Rf2と、を有しており、連結部材16は、第一固定部12の軸方向と第二固定部13の軸方向とが直交した状態を維持するように本体部材11の連結部15の第一連結壁Rf1と第二連結壁Rf2とを接続する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一固定部と、軸方向が前記第一固定部の軸方向と直交するまたは平行となるように設けられた第二固定部と、を有するフレーム用金具であって、
一枚の板材を曲げて形成された部材であって、板材を折り曲げて筒状に形成されることにより隣接する壁面同士が連続する第一固定部と、板材を折り曲げて形成されることにより隣接する壁面同士が連続する第二固定部と、を有する本体部材を備えており、
少なくとも、該第一固定部を構成する一つの壁面と該第二固定部を構成する一つの壁面とが同一平面上にあり連続している
ことを特徴とするフレーム用金具。
【請求項2】
前記第一固定部と、前記第二固定部とに加え、軸方向が前記第一固定部の軸方向および前記第二固定部の軸方向と直交するように設けられた第三固定部と、を有するフレーム用金具であって、
前記本体部材は、前記第一固定部と、板材を曲げて筒状に形成された前記第二固定部とに加え、前記第一固定部と前記第二固定部との間に位置し該第一固定部と該第二固定部とを連結する連結部と、を有しており、
該本体部材の連結部は、
前記第一固定部の軸方向および前記第二固定部の軸方向の両方または一方と平行な連結壁を有する
ことを特徴とする請求項1記載のフレーム用金具。
【請求項3】
前記本体部材は、
前記第一固定部の軸方向と前記第二固定部の軸方向とが直交しており、
前記本体部材の連結部の連結壁は、
前記第一固定部に連結された、前記第一固定部の軸方向と平行な連結壁と、
前記第二固定部に連結された、該第二固定部の軸方向と平行な連結壁と、を有しており、
前記本体部材の連結部に連結される連結部材を有しており、
該連結部材は、
前記第一固定部の軸方向と前記第二固定部の軸方向とが直交する状態を維持するように前記本体部材の連結部の2つの連結壁を接続するものであり、
前記連結部に連結されて前記第三固定部を形成する
ことを特徴とする請求項2記載のフレーム用金具。
【請求項4】
前記連結部材が、
前記本体部材の連結部の2つの連結壁にそれぞれ接続される一対の接続突起を備えており、
前記本体部材の連結部の2つの連結壁には、前記一対の接続突起が挿入される係合凹みまたは係合孔が設けられている
ことを特徴とする請求項3記載のフレーム用金具。
【請求項5】
前記第一固定部が、
前記本体部材の連結部の連結壁と連結された第一壁と、該第一壁と直交し該第一壁における前記第一固定部の軸方向と平行な一対の側端縁と連続する一対の第二壁と、該一対の第二壁のうち一方の第二壁と直交し該一方の第二壁における前記第一固定部の軸方向と平行な側端縁と連続する第三壁と、を備えており、
前記第二固定部が、
前記本体部材の連結部の連結壁と連結された第一壁と、該第一壁と直交し該第一壁における前記第一固定部の軸方向と平行な一対の側端縁と連続する一対の第二壁と、該一対の第二壁のうち一方の第二壁と直交し該一方の第二壁における前記第一固定部の軸方向と平行な側端縁と連続する第三壁と、を備えている
ことを特徴とする請求項2記載のフレーム用金具。
【請求項6】
互いに直交する3つの固定部を有するコーナー部材と、
該コーナー部材の固定部に連結される軸状部材と、によって形成されており、
前記コーナー部材が、
請求項2~5のいずれかに記載の前記第一固定部の軸方向と前記第二固定部の軸方向とが直交するフレーム用金具である
ことを特徴とするフレーム。
【請求項7】
前記軸状部材は、
先端に開口を有し、該開口からつながる前記コーナー部材の固定部を収容する収容空間を有する本体部と、
該本体部の先端から突出するカバー部と、を有しており、
前記カバー部は、
前記コーナー部材の固定部全体を前記収容空間内に収容すると、前記コーナー部材の前記本体部材の連結部の外面を覆うように設けられている
ことを特徴とする請求項6記載のフレーム。
【請求項8】
隣り合あうコーナー部材のうち、一方のコーナー部材の固定部に一端部が連結された軸状部材と、他方のコーナー部材の固定部に一端部が連結された軸状部材と、を連結する中継金具を有しており、
該中継金具は、
本体部の第一固定部の軸方向と第二固定部とが平行である請求項2記載のフレーム用金具である
ことを特徴とする請求項6記載のフレーム。
【請求項9】
前記軸状部材が、
板状部材を折り曲げて筒状に形成したものである
ことを特徴とする請求項6記載のフレーム。
【請求項10】
前記第二固定部の軸方向が、前記第一固定部の軸方向と直交するように前記第二固定部が設けられており、
前記第一固定部を構成する一つの壁面と前記第二固定部を構成する一つの壁面とが同一平面上にあり連続していて、L字状又はI字状の連続面を形成しており、
前記連続面をベースにして、前記板材を順次直角に折り曲げることにより前記本体部材を形成する
ことを特徴とする請求項1記載のフレーム用金具。
【請求項11】
前記第二固定部の軸方向が、前記第一固定部の軸方向と直交するように前記第二固定部が設けられており、
前記本体部材が、前記第一固定部と、前記第二固定部に加え、前記第一固定部の軸方向と直交し、かつ、前記第二固定部の軸方向と同軸上に設けられた第三固定部と、を有し、
前記第三固定部が、板材を直角に折り曲げて筒状に形成されることにより隣接する壁面同士が連続しており、
前記第一固定部を構成する一つの壁面と前記第二固定部を構成する一つの壁面と前記第三固定部を構成する一つの壁面とが同一平面上にあり連続していて、T字状の連続面を形成しており、
前記連続面をベースにして、前記板材を順次直角に折り曲げることにより前記本体部材を形成する
ことを特徴とする請求項1記載のフレーム用金具。
【請求項12】
請求項1~5、請求項10又は請求項11記載のフレーム用金具のうち少なくともいずれか1つを用いて構成されるフレームであって、
前記第一固定部又は前記第二固定部の少なくともいずれか一方には、一枚の板材を曲げて形成され、隣接する壁面同士が連続するように設けられている筒状の軸状部材が連結されることを特徴とするフレーム。
【請求項13】
請求項10記載のフレーム用金具および請求項11記載のフレーム用金具を用いて構成されるフレームであって、
前記第一固定部および前記第二固定部はいずれも同一平面上に配置され、
前記第一固定部又は前記第二固定部の少なくともいずれか一方には、一枚の板材を曲げて形成され、隣接する壁面同士が連続するように設けられている筒状の中継部材又は軸状部材が連結され、
前記フレーム用金具が有する前記第一固定部又は前記第二固定部のいずれか一方は、その軸方向が垂直方向を向くように配置され、いずれか他方は、その軸方向が水平方向を向くように配置される
ことを特徴とするフレーム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレームおよびフレーム用金具に関する。さらに詳しくは、配電盤を収容するための筐体を形成するために使用されるフレームおよびかかるフレームを形成するために使用されるフレーム用金具や、鉄道駅のプラットホームに設置されるホームドアを形成するために使用されるフレーム用金具に関する。
【背景技術】
【0002】
電気設備等の配電盤は筐体の内部に収容されて外部から隔離した状態で設置される。配電盤の筐体は、高い防塵性や耐候性そして強度が必要であり、かつ、高い寸法精度が求められることから、金属製のフレームに金属板を固定することによって形成されている。一般的な配電盤の筐体では、金属製のフレームはL型のアングル材などを溶接して形成しており、かかる方法で高い寸法精度を出すためには、熟練した作業者が製造する必要があり、また、作業工数が多く非常に手間がかかるという問題がある。
【0003】
そこで、配電盤に使用する筐体を比較的容易かつ精度よく製造する方法として、予め所定の寸法や形状に形成されている部材を組み立てて配電盤を形成する方法が開発されている。例えば、特許文献1、2には、直交する3つの連結部を有するコーナー部材と、このコーナー部材の3つの連結部に挿入して固定する中空な管状部材と、によってフレームを形成する技術が開示されている。しかし、特許文献1、2で使用されるコーナー部材は非常に複雑な形状をしているため、フレーム形成の手間などは若干削減できるものの、コーナー金具自体の製造に手間がかかるという問題がある。
【0004】
特許文献3には、複数の部材を組み合わせることによってコーナー部材を形成する技術が開示されている。特許文献3の技術では、板材を曲げ加工して形成された4つの部材を組み合わせてコーナー部材を形成する構成となっているため、特許文献1、2の技術と比較すればコーナー金具自体の製造は容易になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11-251762号公報
【特許文献2】特許第2866619号公報
【特許文献3】特許第5647173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献3に開示されているコーナー部材は、各部材に形成された切り欠きや貫通孔に各部材に形成されている突起を連結してコーナー部材を形成しているが、一つの部材を他の複数の部材と連結する構成となっている。このため、4つの部材に形成されている切り欠きや貫通孔、突起の全ての加工精度を高くしなければコーナー部材を適切に連結して組み立てることができない可能性がある。つまり、4つの部材のうち、一つの部材でも加工精度が悪いものがあると、4つの部材を適切に連結することができずコーナー部材を組み立てることができない可能性がある。
【0007】
鉄道駅のプラットホームには、乗客や荷物が線路内に転落することを防止するため、鉄道車両の入線に応じて自動で開閉するホームドア(可動ホーム柵)が設置されることがある。このホームドアのフレームは、前述の配電盤の筐体と同様、金属製のフレームに金属板を固定することによって形成されているが、かかる方法で高い寸法精度を出すためには、熟練した作業者が製造する必要があり、また、作業工数が多く非常に手間がかかるという、同様の問題がある。しかしながら、これまでに、ホームドアのフレームの組み立てを容易にし、それ自体の製造も容易であるフレーム用金具として、実用的なものは提案されていない。
【0008】
本発明は上記事情に鑑み、フレームの組み立てが容易でありかつフレームを構成する部材の製造が容易であるフレームおよびフレーム用金具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、本発明に係るフレームと、本発明に係るフレーム用金具を説明するが、本明細書においては、便宜上、実施形態および実施例の文言を次のとおり整理して使用する。
【0010】
先ず、本発明に係るフレームの第一実施形態として、配電盤を収容するための筐体を形成するために使用されるフレームの基本形態を図1図7に基づいて説明する。このフレームのことを、以下「本実施形態のフレーム」又は「第一実施形態のフレーム」という場合がある。後述するフレーム1がこれに相当する。
次に、本発明に係るフレームの第一実施形態の変形として、配電盤を収容するための筐体を形成するために使用されるフレームの他の形態を図8図16に基づいて説明する。このフレームのことを、以下「他の実施形態のフレーム」又は「第二実施形態のフレーム」という場合がある。後述するフレーム1Bがこれに相当する。
その次に、本発明に係るフレームの更に他の実施形態として、鉄道駅のプラットホームに設置されるホームドアのフレームを図17図25に基づいて説明する。このフレームのことを、以下「第三実施形態のフレーム」という場合がある。後述するフレーム1Cがこれに相当する。
【0011】
上記各実施形態の説明に合わせて、適宜、各フレーム用金具の構成等を説明する。
先ず、本発明に係るフレーム用金具の第1実施例として、配電盤を収容するための筐体を形成するために使用されるフレームに使用可能なフレーム用金具を説明する。このフレーム用金具のことを「第1実施例のフレーム用金具」という場合がある。後述するコーナー部材10がこれに相当する。この第1実施例のフレーム用金具として説明するコーナー部材10は、第一実施形態のフレームにも、第二実施形態のフレームにも使用される。
次に、本発明に係るフレーム用金具の第2実施例として、第二実施形態のフレームに使用され、第1実施例のフレーム用金具とは異なる形状のフレーム用金具を説明する。このフレーム用金具のことを「第2実施例のフレーム用金具」という場合がある。後述する中継金具30がこれに相当する。この第2実施例のフレーム用金具として説明する中継金具30は、第二実施形態のフレームに使用される。
その次に、本発明に係るフレーム用金具の第3~第6実施例として、鉄道駅のプラットホームに設置されるホームドアのフレームに使用可能なフレーム用金具を説明する。これらのフレーム用金具のことを、それぞれ「第3実施例のフレーム用金具」「第4実施例のフレーム用金具」「第5実施例のフレーム用金具」「第6実施例のフレーム用金具」という。後述するジョイント部材50,60,70,80がこれに相当する。この第3~第6実施例のフレーム用金具として説明するジョイント部材50,60,70,80は、第三実施形態のフレームに使用される。
【0012】
そして、単に「本発明のフレーム用金具」という場合には、第1~第6実施例のフレーム用金具の全てを含むが、これに限られないものとする。また、単に「本発明のフレーム」という場合には、第一~第三実施形態のフレームの全てを含むが、これに限られないものとする。
【0013】
次に、本発明の課題を解決する手段について述べる。
【0014】
<フレーム用金具>
本発明のフレーム用金具は、第一固定部と、軸方向が前記第一固定部の軸方向と直交するまたは平行となるように設けられた第二固定部と、を有するフレーム用金具であって、
一枚の板材を曲げて形成された部材であって、板材を折り曲げて筒状に形成されることにより隣接する壁面同士が連続する第一固定部と、板材を折り曲げて形成されることにより隣接する壁面同士が連続しかつ直交する第二固定部と、を有する本体部材を備えており、
少なくとも、該第一固定部を構成する一つの壁面と該第二固定部を構成する一つの壁面とが同一平面上にあり連続している
ことを特徴とする。
【0015】
<フレーム用金具(第1~第2実施例)>
本発明の第1~第2実施例に係るフレーム用金具は、前記第一固定部と、前記第二固定部とに加え、軸方向が前記第一固定部の軸方向および前記第二固定部の軸方向と直交するように設けられた第三固定部と、を有するフレーム用金具であって、前記本体部材は、前記第一固定部と、板材を曲げて筒状に形成された前記第二固定部とに加え、前記第一固定部と前記第二固定部との間に位置し該第一固定部と該第二固定部とを連結する連結部と、を有しており、該本体部材の連結部は、前記第一固定部の軸方向および前記第二固定部の軸方向の両方または一方と平行な連結壁を有することを特徴とする。
<フレーム用金具(第3、第5実施例)>
本発明の第3、第5実施例に係るフレーム用金具は、前記第二固定部の軸方向が、前記第一固定部の軸方向と直交するように前記第二固定部が設けられており、前記第一固定部を構成する一つの壁面と前記第二固定部を構成する一つの壁面とが同一平面上にあり連続していて、L字状又はI字状の連続面を形成しており、前記連続面をベースにして、前記板材を順次直角に折り曲げることにより前記本体部材を形成することを特徴とする。なお、第3実施例に係るフレーム用金具が、I字状(直線状)の連続面を備える実施例であり、第5実施例に係るフレーム用金具が、L字状の連続面を備える実施例である。
<フレーム用金具(第4、第6実施例)>
本発明の第4、第6実施例に係るフレーム用金具は、前記第二固定部の軸方向が、前記第一固定部の軸方向と直交するように前記第二固定部が設けられており、前記本体部材が、前記第一固定部と、前記第二固定部に加え、前記第一固定部の軸方向と直交し、かつ、前記第二固定部の軸方向と同軸上に設けられた第三固定部と、を有し、前記第三固定部が、板材を直角に折り曲げて筒状に形成されることにより隣接する壁面同士が連続しかつ直交しており、前記第一固定部を構成する一つの壁面と前記第二固定部を構成する一つの壁面と前記第三固定部を構成する一つの壁面とが同一平面上にあり連続していて、T字状の連続面を形成しており、前記連続面をベースにして、前記板材を順次直角に折り曲げることにより前記本体部材を形成することを特徴とする。
【0016】
<フレーム>
本発明のフレームは、本発明に係るフレーム用金具のうち少なくともいずれか1つを用いて構成されるフレームであって、
当該フレーム用金具が有する前記第一固定部又は前記第二固定部の少なくともいずれか一方には、一枚の板材を曲げて形成され、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている筒状の軸状部材が連結されることを特徴とする。
【0017】
<フレーム(第一~第二実施形態)>
本発明の第一~第二実施形態に係るフレームは、互いに直交する3つの固定部を有するコーナー部材と、該コーナー部材の固定部に連結される軸状部材と、によって形成されており、前記コーナー部材が、第一固定部の軸方向と第二固定部の軸方向とが直交する本発明の前記第1実施例に係るフレーム金具であることを特徴とする。
<フレーム(第三実施形態)>
本発明の第三実施形態に係るフレームは、第3又は第5実施例に係るフレーム用金具および第4又は第6実施例に係るフレーム用金具を用いて構成されるフレームであって、前記第一固定部および前記第二固定部はいずれも同一平面上に配置され、前記第一固定部又は前記第二固定部の少なくともいずれか一方には、一枚の板材を曲げて形成され、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている筒状の中継部材又は軸状部材が連結され、前記フレーム用金具が有する前記第一固定部又は前記第二固定部のいずれか一方は、その軸方向が垂直方向を向くように配置され、いずれか他方は、その軸方向が水平方向を向くように配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
<フレーム用金具>
本発明のフレーム用金具によれば、フレームの組み立てが容易でありかつフレームを構成する部材の製造が容易であるフレーム用金具を提供することができる。すなわち、本発明のフレーム用金具は、一枚の板材を曲げて形成された部材である本体部材を備えており、少なくとも、第一固定部を構成する一つの壁面と第二固定部を構成する一つの壁面とが同一平面上にあり連続していることを特徴とし、板材を所定の形状に加工した後、複数回折り曲げることにより製造することができ、高い寸法精度で容易に製造することができる。そして、このフレーム用金具に対して、軸状部材等を連結するだけで、容易にフレームを組み立てることができる。
なお、第1~第2実施例に係るフレーム用金具によれば、本体部材と連結部材だけで構成されているので、フレームの組み立てが容易でありかつフレームを構成する部材の製造が容易である。
<フレーム>
本発明のフレームによれば、本発明のフレーム用金具に軸状部材等の各種部材を連結するだけでフレームを組立てることができるので、フレームの製造が容易になる。特に、第1実施例に係るフレーム用金具によれば、軸状部材と連結する3つの固定部が直交するように設けられているので、形成されたフレームの組立て精度も高くできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態(第一実施形態)のフレーム1の概略説明図である。
図2】本実施形態のフレーム1の部分分解図(斜視図)である。
図3】本実施形態のフレーム1の部分分解図(平面図)であり、(A)は一つのコーナー部材10と2つの軸状部材21,22とを分離した状態の概略説明図であり、(B)は一つのコーナー部材10と2つの軸状部材21,22とを連結した状態の概略説明図である。
図4】一つのコーナー部材10と3つの軸状部材21~23との関係を説明した図であり、(A)は一つのコーナー部材10と3つの軸状部材21~23とを分離した状態の概略説明図であり、(B)は一つのコーナー部材10と3つの軸状部材21~23とを連結した状態の概略説明図である。
図5】コーナー部材10の単体説明図であり、(A)および(B)はそれぞれ異なる方向からコーナー部材10を示している。
図6】(A)はコーナー部材10の連結部材16の単体説明図であり、(B)はコーナー部材10の本体部材11の単体説明図である。
図7】(A)はコーナー部材10の連結部材16の単体平面図であり、(B)はコーナー部材10の本体部材11の単体平面図であり、(C)はコーナー部材10の平 面図である。
図8】第1及び第2実施例に係るフレーム用金具を使用した他の実施形態(第二実施形態)のフレーム1Bの概略説明図である。
図9】他の実施形態のフレーム1Bの分解図である。
図10】他の実施形態のフレーム1Bの部分分解図であり、(A)は4つのコーナー部材10と2つの第一連結軸状部材CP1及び第二連結軸状部材CP2とを連結して1つの連結構造体CBを形成した状態の概略説明図であり、(B)は4つのコーナー部材10と2つの第一連結軸状部材CP1及び第二連結軸状部材CP2とを分離した状態の概略説明図である。
図11】コーナー部材10間を連結する、第2実施例に係るフレーム用金具である中継金具30と軸状部材24,25とを連結して形成した第一連結軸状部材CP1の説明図であり、(A)は概略正面図であり、(B)は概略側面図である。
図12】(A)はコーナー部材10間を連結する中継金具30と軸状部材24,25とを分解した状態の概略説明図であり、(B)はコーナー部材10間を連結する中継金具30と軸状部材24,25とを連結した状態の概略斜視図である。
図13】(A)は中継金具30を分解した状態の概略正面図であり、(B)は中継金具30を分解した状態の概略側面図であり、(C)は軸状部材24,25の概略正面図であり、(D)は軸状部材25の概略側面図である。
図14】コーナー部材10間を連結する中継金具40と軸状部材24,25とを連結して形成した第二連結軸状部材CP2の説明図であり、(A)、(B)は概略正面図であり、(C)は概略側面図である。
図15】(A)はコーナー部材10間を連結する中継金具40と軸状部材24,25とを分解した状態の概略斜視図であり、(B)はコーナー部材10間を連結する中継金具30と軸状部材24,25とを分解した状態の概略斜視図である。
図16】(A)は軸状部材24の概略説明図であり、(B)は中継金具40の概略説明図であり、(C)は軸状部材25の概略説明図である。
図17】第3ないし第6実施例に係るフレーム用金具を使用した、第三実施形態のフレーム1Cを正面側から示す概略斜視図である。
図18】第三実施形態のフレーム1Cを裏面側から示す概略斜視図である。
図19】第三実施形態のフレーム1Cをユニットごとに分解した状態を正面側から示す概略斜視図である。
図20】第三実施形態のフレーム1Cをユニットごとに分解した状態を裏面側から示す概略斜視図である。
図21】ユニットAの拡大分解図であり、(A)はユニットAの分解状態を正面側から示す図であり、(B)はユニットAの分解状態を背面側から示す図であり、特に、実施例3に係るフレーム用金具の説明図である。
図22】ユニットBの拡大分解図であり、(A)はユニットBの分解状態を正面側から示す図であり、(B)はユニットBの分解状態を背面側から示す図であり、特に、実施例4及び実施例5に係るフレーム用金具の説明図である。
図23】ユニットCを正面側から示した拡大分解図であり、特に、実施例6に係るフレーム用金具の説明図である。
図24】ユニットCを背面側から示した拡大分解図であり、特に、実施例6に係るフレーム用金具の説明図である。
図25】ユニットD1およびD2の拡大分解図であり、(A)はユニットD1の分解状態を示す斜視図であり、(B)はユニットD2の分解状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明のフレーム用金具は、配電盤などを収容する筐体等のフレームを製造する際に使用されるものであり、フレームの組立てを容易にできしかも組立て精度も高くできるようにしたものである。
【0021】
本発明のフレーム用金具を使用して組み立てられるフレームは、配電盤などを収容する筐体のフレームに限られず、プラットホームに設置されるホームドア用のフレームや、収納ラックやテーブル等のフレームとして使用することができる。
【0022】
<<第一実施形態>>
以下、本発明に係るフレーム用金具の第一実施形態として、配電盤を収容するための筐体を形成するために使用されるフレーム1の構成、及び、フレーム1に使用して好適なコーナー部材10の構成及び製造方法、並びに、コーナー部材10を使用したフレーム1の組立方法等を説明する。
【0023】
<フレーム1>
図1および図2に示すように、本実施形態のフレーム用金具を使用して組み立てられるフレーム1(以下、単に本実施形態のフレーム1という場合がある)は、4つのコーナー部材10と、12本の軸状部材(4本の軸状部材21、4本の軸状部材22、4本の軸状部材23)と、を連結して形成されたものである。
【0024】
<コーナー部材10>
コーナー部材10は、本実施形態のフレーム1を形成した際に、本実施形態のフレーム1の角部に配置される部材である。図2および図3に示すように、コーナー部材10は、互いに直交する3つの固定部(第一固定部12、第二固定部13、第三固定部14)を有している。より詳しくは、コーナー部材10の3つの固定部12,13,14はいずれも略筒状に形成されている。3つの固定部12,13,14は、その軸方向が互いに直交するように設けられており、第一、第二固定部12,13が第三固定部14によって連結されている。3つの固定部12,13,14は、外方に位置し互いに直交する一対の外壁(固定部12,13では第一壁f1と第二壁f2が相当し、固定部14では第三連結壁Rf3と第四連結壁Rf4が相当する)を有しており(図4図6参照)、この3つの固定部12,13,14の一対の外壁(つまり6つの壁面)によってコーナー部材10の外面が形成されている。
【0025】
このコーナー部材10が特許請求の範囲の請求項2における、第一固定部の軸方向と第二固定部の軸方向とが直交するように設けられたフレーム用金具に相当する部材である。
コーナー部材10は、第一固定部12と、軸方向が第一固定部12の軸方向と直交するように設けられた第二固定部13と、を有するフレーム用金具である。また、一枚の板材を曲げて形成された部材であって、板材を折り曲げて筒状に形成されることにより隣接する壁面(第一壁f1と第二壁f2)同士が連続する第一固定部12と、板材を折り曲げて形成されることにより隣接する壁面(第一壁f1と第二壁f2)同士が連続しかつ直交する第二固定部13と、を有する本体部材11を備えている。そして、第一固定部12を構成する一つの壁面(第一壁f1)と、第二固定部13を構成する一つの壁面(第1壁f1)とは、同一平面上にあり連続している(図6(B)参照)。
なお、第1形態であるフレーム金具(コーナー部材10)の本体部材11は、前述のとおり、第一固定部12、第二固定部13に加え、第三固定部14を有している。
コーナー部材10の詳細は後述する。
【0026】
<軸状部材21~23>
軸状部材21~23は、本実施形態のフレーム1を形成した際に、本実施形態のフレーム1の各辺を構成する部材である。図1および図2に示すように、軸状部材21~23は、隣接するコーナー部材10同士をつなぐように設けられている。
【0027】
軸状部材21~23は、軸方向に長い、両端に開口を有する中空な軸状の部材である本体部21a~23aと、本体部21a~23aの両端部に設けられたカバー部21b~23bとを有している。軸状部材21~23は、軸方向の長さは異なるが実質的に同じ形状を有する部材であるので、以下では、軸状部材21を代表として説明する。
【0028】
<本体部21a>
図3および図4に示すように、本体部21aは、第一壁W1と、一対の第二壁W2,W2と、第三壁W3と、をそれぞれ備えている。この本体部21aの第一壁W1、一対の第二壁W2,W2および第三壁W3は、いずれも、本体部21aの軸方向と平行に設けられた本体部21aの軸方向に沿って延びる壁面であり、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている。
【0029】
より詳しく言えば、本体部21aの一対の第二壁W2,W2は、本体部21aの軸方向と平行な側端縁(以下単に一対の第二壁W2,W2の側端縁という場合がある)が、第一壁W1における本体部21aの軸方向と平行な一対の側端縁(以下単に第一壁W1の側端縁という場合がある)とそれぞれ連続し、かつ、その表面が第一壁W1の表面と直交するように設けられている。また、第三壁W3は、その本体部21aの軸方向と平行な一方の側端縁(以下単に第三壁W3の側端縁という場合がある)が、一対の第二壁W2,W2の一方の第二壁W2における第一壁W1と連続していない側端縁と連続し、かつ、その表面が一方の第二壁W2の表面と直交する(言い換えれば第一壁W1平行となる)ように設けられている。
【0030】
<カバー部21b>
図2図4に示すように、本体部21aの両端には、それぞれカバー部21bが設けられている。このカバー部21bは、第一壁W1および他方の第二壁W2(第三壁W3が接続されていない第二壁W2)から連続する一対のカバー壁W4,W4を備えている。つまり、カバー部21bの一対のカバー壁W4,W4は、本体部21aの第一壁W1および他方の第二壁W2を延長して形成されており、本体部21aの両端に設けられている(つまり本体部21aの両端から突出するように設けられている)。この一対のカバー壁W4,W4は、その表面が互いに直交するように形成されており、しかも、第一壁W1および他方の第二壁W2と連続する側端縁を延長した線(以下単に延長線という場合がある)に対して対称な形状に形成されている。具体的には、一対のカバー壁W4,W4は、その先端縁が延長線上に頂点を有する傾斜した端縁となるように形成されている。しかも、一対のカバー壁W4,W4の先端縁は、延長線に対してなす角度が45°となるように形成されている。
【0031】
<本実施形態のフレーム1の形成>
コーナー部材10および軸状部材21~23が上記のような構造を有しているので、8つのコーナー部材10と、12本の軸状部材21~23(4本の軸状部材21、4本の軸状部材22、4本の軸状部材23)を使用すれば、本実施形態のフレーム1を形成することができる。
【0032】
具体的には、4本の軸状部材21同士、4本の軸状部材22同士および4本の軸状部材23同士がそれぞれ平行になるように、8つのコーナー部材10の3つの固定部12,13,14に12本の軸状部材21~23を取り付ける。より詳しく言えば、8つのコーナー部材10の3つの固定部12,13,14が、12本の軸状部材21~23の先端開口にそれぞれ挿入された状態となるように、8つのコーナー部材10の3つの固定部12,13,14に12本の軸状部材21~23を取り付ける。このとき、各コーナー部材10は、3つの固定部12,13,14に取り付けられた軸状部材21~23のカバー部21bの一対のカバー壁W4,W4の先端縁同士が接触するまで(または本体部21aに挿入した固定部12,13,14と直交する固定部12,13,14に本体部21aが接触するまで)、3つの固定部12,13,14を軸状部材21~23に挿入する。すると、各コーナー部材10は、軸状部材21~23によってその外面全面またはその外面の大部分が覆われた状態となる(以下この状態を挿入状態という場合がある)。そして、全てのコーナー部材10が挿入状態になると、各コーナー部材10の3つの固定部12,13,14と軸状部材21~23とを固定する。すると、本実施形態のフレーム1を形成することができる。
【0033】
以上のように、本実施形態のフレーム1では、8つのコーナー部材10の3つの固定部12,13,14に12本の軸状部材21~23を挿入して固定するだけでフレーム1を形成することができるので、フレーム1の形成が容易になる。
【0034】
しかも、軸状部材21~23は、上述したような第一壁W1と一対の第二壁W2、W2と第三壁W3とを有する本体部21a~23aと、本体部21a~23aの第一壁W1および第二壁W2と連続する一対のカバー壁W4,W4を有するカバー部21bと、で形成されているので、一枚の板材から形成することができる。つまり、一枚の板材を軸状部材21~23を展開した形状に加工し、その後、第一壁W1と一対の第二壁W2,W2との間の側端縁となる部分、および、他方の第二壁W2と第三壁W3との間の側端縁となる部分で折り曲げるだけで、軸状部材21~23を形成できるので、軸状部材21~23を容易かつ精度よく製造することができる。
【0035】
なお、軸状部材21~23には、コーナー部材10と軸状部材21~23とを連結するための孔等以外に、孔や切り欠きを設けてもよい。かかる孔や切り欠きを設ければ、本実施形態のフレーム1に棚などを設置する際に孔や切り欠きを利用することができるし、配電盤などに設けられる機器を設置する板(例えばラックプレート)等を孔や切り欠きを利用して本実施形態のフレーム1に固定することができる。
【0036】
<コーナー部材10と軸状部材21~23との固定方法>
各コーナー部材10の3つの固定部12,13,14と軸状部材21~23とを固定する方法はとくに限定されない。軸状部材21~23からコーナー部材10の3つの固定部12,13,14が抜けたり、両者の位置がズレたりしないように固定できればよい。
【0037】
例えば、挿入状態では、各固定部12,13,14の外壁(固定部12,13の第一壁f1および第二壁f2、固定部14の第三連結壁Rf3および第四連結壁Rf4)と、軸状部材21~23の本体部21a~23aの壁(第一壁W1、一対の第二壁W2,W2、第三壁W3)とが重なった状態となる。したがって、各固定部12,13,14の外壁に貫通孔を設け、軸状部材21~23の本体部21a~23aの壁にも貫通孔を設ける。そして、各固定部12,13,14の貫通孔および軸状部材21~23の貫通孔を、挿入状態では両者が重なる位置に形成しておく。すると、挿入状態において重なっている各固定部12,13,14の貫通孔と軸状部材21~23の貫通孔を貫通するリベットなどによって、コーナー部材10の3つの固定部12,13,14と軸状部材21~23の本体部21a~23a、つまり、コーナー部材10と軸状部材21~23とを連結することができる。
【0038】
<コーナー部材10>
以下、コーナー部材10について詳細に説明する。
図5に示すように、コーナー部材10は、3つの固定部12,13,14、つまり、第一固定部12、第二固定部13および第三固定部14を有する部材である。より詳しくは、コーナー部材10は、2つの固定部12,13とこの2つの固定部12,13を連結する連結部15を有する本体部材11と、この本体部材11の連結部15に連結されて第三固定部14を形成する連結部材16と、によって形成された部材である。
【0039】
<第一固定部12>
図5図7に示すように、本体部材11の第一固定部12は略筒状に形成された部分であり、第一壁f1と、一対の第二壁f2,f2と、第三壁f3と、を備えている。この第一固定部12の第一壁f1、一対の第二壁f2,f2および第三壁f3は、いずれも、第一固定部12の軸方向と平行に設けられた第一固定部12の軸方向に沿って延びる壁面であり、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている。
【0040】
より詳しく言えば、第一固定部12の一対の第二壁f2,f2は、第一固定部12の軸方向と平行な一方の側端縁(以下単に一対の第二壁f2,f2の側端縁という場合がある)が、第一壁f1における第一固定部12の軸方向と平行な一対の側端縁(以下単に第一壁f1の側端縁という場合がある)とそれぞれ連続し、かつ、その表面が第一壁f1の表面と直交するように設けられている。また、第三壁f3は、その第一固定部12の軸方向と平行な一方の側端縁(以下単に第三壁f3の側端縁という場合がある)が、一対の第二壁f2,f2の一方の第二壁f2における第一壁f1と連続していない側端縁と連続し、かつ、その表面が一方の第二壁f2の表面と直交するように設けられている。なお、第一固定部12の第一壁f1および一対の第二壁f2,f2のうち一方の第二壁f2が第一固定部12の外壁を構成している。
【0041】
<第二固定部13>
本体部材11の第二固定部13は略筒状に形成された部分である。この第二固定部13は、第一固定部12と実質的に同等の構造を有しており、その軸方向が第一固定部12の軸方向と直交するように設けられた部分である。この第二固定部13は、第一壁f1と、一対の第二壁f2,f2と、第三壁f3と、を備えている。この第二固定部13の第一壁f1、一対の第二壁f2,f2および第三壁f3は、いずれも、第二固定部13の軸方向と平行に設けられた第二固定部13の軸方向に沿って延びる壁面であり、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている。
【0042】
より詳しく言えば、第二固定部13の一対の第二壁f2,f2は、第二固定部13の軸方向と平行な一方の側端縁(以下単に一対の第二壁f2,f2の側端縁という場合がある)が、第一壁f1における第一固定部12の軸方向と平行な一対の側端縁(以下単に第一壁f1の側端縁という場合がある)とそれぞれ連続し、かつ、その表面が第一壁f1の表面と直交するように設けられている。また、第三壁f3は、その第二固定部13の軸方向と平行な一方の側端縁(以下単に第三壁f3の側端縁という場合がある)が、一対の第二壁f2,f2の一方の第二壁f2における第一壁f1と連続していない側端縁と連続し、かつ、その表面が一方の第二壁f2の表面と直交するように設けられている。なお、第一固定部13の第一壁f1および一対の第二壁f2,f2のうち一方の第二壁f2が第一固定部13の外壁を構成している。
【0043】
<第三固定部14>
第三固定部14は、上述した第一固定部12と第二固定部13とを連結する本体部材11の連結部15と、この連結部15に連結される連結部材16とによって形成されている。
【0044】
<連結部15>
連結部15は、第三連結壁Rf3と第四連結壁Rf4とを備えている。この連結部15の第三連結壁Rf3と第四連結壁Rf4は、第三固定部14の軸方向と平行に設けられた第三固定部14の軸方向に沿って延びる壁面であり、その側端縁で連続しかつ互いに直交するように設けられている。言い換えれば、連結部15の第三連結壁Rf3と第四連結壁Rf4は、第一固定部12の軸方向と第二固定部13の軸方向の両方に直交する軸の軸方向に沿って延びる壁面であり、互いに直交するように設けられている。この第三連結壁Rf3および第四連結壁Rf4はそれぞれ第一固定部12および第二固定部13と連結されている。より詳しく言えば、第三連結壁Rf3は第二固定部13の一方の第二壁W2と連続した壁面として形成されており、第四連結壁Rf4は、それぞれ第一固定部12の一方の第二壁W2と連続した壁面として形成されている。
【0045】
また、連結部15は、第三連結壁Rf3の下端縁および第四連結壁Rf4の下端縁と連続する第一連結壁Rf1および第二連結壁Rf2を有している。具体的には、第一連結壁Rf1は、第一固定部12の軸方向と平行(言い換えれば第三連結壁Rf3と直交)であって、第一固定部12の第一壁W1と連続した壁面として形成されている。同様に、第二連結壁Rf2は、第二固定部13の軸方向と平行(言い換えれば第四連結壁Rf4と直交)であって、第二固定部13の第一壁W1と連続した壁面として形成されている。この第一連結壁Rf1および第二連結壁Rf2には、その内面と外面との間を貫通する係合孔chが形成されている(図6(A)、図7(B)参照)。
なお、第一連結壁Rf1および第二連結壁Rf2は、それぞれ第二固定部13の第一壁W1の一部および第一固定部12の第一壁W1の一部として形成されていてもよい。
【0046】
<連結部材16>
連結部材16は、連結部15に連結されて第三固定部14を形成する部材である。この連結部材16は、互いに直交する第一接続壁16aと第二接続壁16bとを有している。第一接続壁16aと第二接続壁16bは互いに直交する板状の壁である。そして、第一接続壁16aおよび第二接続壁16bには、その一端(図6(A)では下端)には接続突起16pがそれぞれ設けられている。この接続突起16pは、上述した第一連結壁Rf1および第二連結壁Rf2の係合孔chに係合される突起であり、係合孔chに挿入できる大きさに形成されている。
【0047】
また、連結部材16は、第一接続壁16aおよび第二接続壁16bとそれぞれ連続する第三接続壁16cと第四接続壁16dとを有している。具体的には、第三接続壁16cは板状の壁であり、第一接続壁16aにおいて第二接続壁16bと連続する側端縁とは逆側の側端縁と連続し第一接続壁16aと直交するように設けられている。また、第四接続壁16dは板状の壁であり、第二接続壁16bにおいて第一接続壁16aと連続する側端縁とは逆側の側端縁と連続し第二接続壁16bと直交するように設けられている。
【0048】
連結部15と連結部材16が上記の形状を有しているので、以下のようにすれば、連結部15と連結部材16とを連結して第三固定部14を形成することができる。
図5および図7(C)に示すように、連結部材16を、その第三接続壁16cの外面が第三連結壁Rf3の内面と面接触するように配置し、その第四接続壁16dの外面が第四連結壁Rf4の内面と面接触するように配置する。その状態で、連結部材16を第一連結壁Rf1および第二連結壁Rf2に向けて移動し、第一接続壁16aの接続突起16pおよび第二接続壁16bの接続突起16pを第一連結壁Rf1の係合孔chおよび第二連結壁Rf2の係合孔chに挿入する。そして、本体部材11の連結部15の第三連結壁Rf3および第四連結壁Rf4と、連結部材16の第三接続壁16cおよび第四接続壁16dとを連結すると、連結部材16を連結部15に固定する。すると、連結部15の第三連結壁Rf3および第四連結壁Rf4と、連結部材16の第一接続壁16aおよび第二接続壁16bと、によって断面略矩形、つまり、第一、第二固定部12,13と実質同等の形状を有する第三固定部14を形成することができる。
【0049】
以上のように、コーナー部材10は、本体部材11と連結部材16の2つの部材で形成さており、2つの部材を連結するだけ形成できるので、コーナー部材10を簡単に形成することができる。
【0050】
しかも、本体部材11と連結部材16は、いずれも一枚の板状部材を所定の形状に加工し、プレスなどによって折り曲げて穴を形成するだけで形成できる。すると、本体部材11および連結部材16は、加工精度を高く維持しつつ簡単に形成することができる。なお、本体部材11と連結部材16は、前述したように板材を折り曲げてから穴を空けても良いが、板材に穴を形成した後、折り曲げて形成しても良い。
【0051】
詳しく説明すると、本体部材11は、第一、第二固定部12,13がいずれも上述したような第一壁f1、一対の第二壁f2,f2および第三壁f3で形成されており、連結部15の第三連結壁Rf3および第四連結壁Rf4はそれぞれ第一固定部12の一方の第二壁W2および第二固定部13の一方の第二壁W2と連続した壁面として形成されている。また、連結部15の第一連結壁Rf1および第二連結壁Rf2も、第三連結壁Rf3の下端縁および第四連結壁Rf4の下端縁と連続した壁面として形成されている。したがって、一枚の板材を、第一、第二固定部12,13および連結部15を展開した形状に加工し、第一、第二固定部12,13の第一壁f1と一対の第二壁f2,f2との間の側端縁となる部分、第三連結壁Rf3および第四連結壁Rf4の側端縁となる部分、および、第三連結壁Rf3の下端縁および第四連結壁Rf4の下端縁となる部分で折り曲げるだけで本体部材11を形成できる。したがって、本体部材11の加工精度を高く維持しつつ本体部材11を簡単に形成することができる。
【0052】
また、一枚の板材を、連結部材16の第一接続壁16a、第二接続壁16b、第三接続壁16c、第四接続壁16dを展開した形状に加工し、第一接続壁16aと第二接続壁16bとを連結する側端縁となる部分、第一接続壁16aと第三接続壁16cとを連結する側端縁となる部分、および、第二接続壁16bと第四接続壁16dを連結する側端縁となる部分で折り曲げるだけで連結部材16を形成できる。したがって、連結部材16の加工精度を高く維持しつつ連結部材16を簡単に形成することができる。
【0053】
さらに、コーナー部材10は、本体部材11の連結部15の第三連結壁Rf3および第四連結壁Rf4と、連結部材16の第三接続壁16cおよび第四接続壁16dとを連結すると、連結部材16によって連結部15の第一連結壁Rf1および第二連結壁Rf2とが直交した状態を維持できる。したがって、本体部材11を一枚の板材を曲げて形成しても、連結部材16によって第一固定部12の軸方向と第二固定部13の軸方向とが直交した状態を精度よく維持できる。
【0054】
とくに、連結部15の第三連結壁Rf3の係合孔chおよび第四連結壁Rf4の係合孔chに連結部材16の第一接続壁16aの接続突起16pおよび第二接続壁16bの接続突起16pを係合させることができるので、本体部材11の連結部15の第三連結壁Rf3と第四連結壁Rf4の相対的な移動も固定することができる。すると、本体部材11の連結部15の第三連結壁Rf3および第四連結壁Rf4と連結部材16の第三接続壁16cおよび第四接続壁16dとを連結しただけの場合よりも、連結部材16によって第一固定部12の軸方向と第二固定部13の軸方向とが直交した状態をよりしっかりと維持できる。
【0055】
なお、連結部15の第三連結壁Rf3および第四連結壁Rf4の係合孔chや、連結部材16の第一接続壁16aおよび第二接続壁16bの接続突起16pは、必ずしも設けなくてもよい。しかし、連結部15の第三連結壁Rf3および第四連結壁Rf4の係合孔chおよび連結部材16の第一接続壁16aおよび第二接続壁16bの接続突起16pを設けておけば、連結部材16によって第一固定部12の軸方向と第二固定部13の軸方向とが直交した状態をよりしっかりと維持できるという効果が得られる。
【0056】
<本体部材11について>
上記例では、本体部材11の3つの固定部12,13,14は断面矩形の筒状に形成されているが、3つの固定部12,13,14の形状は必ずしも断面矩形でなくもよい。本体部材11の外方に位置し直交する一対の外壁を有する形状であって、一枚の板状部材を折り曲げて形成できる形状であればよい。例えば、第一固定部12および第二固定部13は、互いに直交する第一壁f1および第二壁f2と、この第一壁f1および第二壁f2を連結する傾斜壁を有する断面三角形状に形成してもよい。同様に、第三固定部14も、連結部材16として連結部15の第三連結壁Rf3と第四連結壁Rf4との間をつなぐ平板を採用し、第三固定部14が第三連結壁Rf3と第四連結壁Rf4とを連結する傾斜壁を有する断面三角形状としてもよい。
【0057】
<連結方法について>
連結部材16を連結部15に連結する方法はとくに限定されない。連結部材16によって第一固定部12の軸方向と第二固定部13の軸方向とが直交した状態を維持するように本体部材11の連結部15の第一連結壁Rf1と第二連結壁Rf2とを接続したり、第三連結壁Rf3と第四連結壁Rf4とを接続したりできるように構成されていればよい。
【0058】
第三固定部14の形状を断面矩形にしない場合には、連結部材16は、第一固定部12の軸方向と第二固定部13の軸方向とが直交した状態で、つまり、連結部15の第一連結壁Rf1と第二連結壁Rf2とが直交した状態で、連結部15の第一連結壁Rf1と第二連結壁Rf2とが移動しないように連結できるようになっていればよい。例えば、軸材の両端を曲げて形成した部材であって、一端が第三連結壁Rf3と連結でき、他端が第四連結壁Rf4と連結できる形状を有しているものを連結部材として使用することも可能である。また、軸材の両端を曲げて形成した部材であって、一端が第一連結壁Rf1の係合孔chに挿入できる形状を有し、他端が第四連結壁Rf2の係合孔chに挿入できる形状を有しているものを連結部材として使用することも可能である。
【0059】
また、本明細書において、「連結部材16によって第一固定部12の軸方向と第二固定部13の軸方向とが直交した状態を維持するように本体部材11の連結部15の第一連結壁Rf1と第二連結壁Rf2とを接続」とは、上記例のように、第一連結壁Rf1と連続する第三連結壁Rf3と第二連結壁Rf2と連続する第四連結壁Rf4とを接続する状態も含んでいる。
【0060】
また、上記例では、連結部15の第三連結壁Rf3および第四連結壁Rf4が第三固定部14を構成する場合、つまり、第三連結壁Rf3および第四連結壁Rf4が軸状部材21~23の先端開口に挿入される部分を構成する場合を説明した。連結部15の第三連結壁Rf3および第四連結壁Rf4は必ずしも軸状部材21~23の先端開口に挿入される部分を構成しなくてもよい。この場合には、連結部15と連結部材16とを連結した際に、連結部材16の第三接続壁16cおよび第四接続壁16dが上述した連結部15の第三連結壁Rf3および第四連結壁Rf4と同等の機能を有するように設ければよい。つまり、連結部材16の第三接続壁16cおよび第四接続壁16dが軸状部材21~23の先端開口に挿入される部分を構成するようにしてもよい。
【0061】
また、連結部15は、第一連結壁Rf1および第二連結壁Rf2を有する場合を説明したが、第一連結壁Rf1および第二連結壁Rf2は必ずしも設けなくてもよい。
【0062】
<軸状部材21~23について>
上記例では、軸状部材21~23が断面矩形の筒状に形成されている場合を説明したが、軸状部材21~23はその開口からコーナー部材10の3つの固定部12,13,14を挿入できる形状に形成されていればよい。とくに、コーナー部材10の3つの固定部12,13,14の外壁の外面と、軸状部材21~23の本体部21a~23aを構成する第一壁W1、一対の第二壁W2,W2、第三壁W3のうちいずれか2つの壁の内面とを面接触した状態で、軸状部材21~23の本体部21a~23a内にコーナー部材10の3つの固定部12,13,14を収容できるように軸状部材21~23は形成されていればよい。
【0063】
軸状部材の本体部は、必ずしも筒状に形成されていなくてもよい。本実施形態のフレーム1を形成した際に、その形状を維持できる十分な強度を有する部材で形成されていればよい。例えば、断面L字状のアングル材を軸状部材として使用することも可能である。しかし、軸状部材を筒状に形成された部材とすれば軸状部材とコーナー部材10の固定部12,13,14とを容易かつ安定して連結することができるし、断面L字状のアングル材よりも本実施形態のフレーム1の剛性を高くできる可能性がある。
【0064】
軸状部材21~23は、必ずしもカバー部21b~23bを有していなくてもよい。しかし、カバー部21b~23bを有していれば、コーナー部材10において軸状部材21~23の本体部21a~23aに挿入できない部分をカバー部21b~23bで覆うことが可能になる。すると、コーナー部材10の外面全体(またはほぼ全体)を軸状部材21~23で覆うことができるので、コーナー部材10と軸状部材21~23とを連結した際における両者の連結状態を強くできる。また、軸状部材21~23にカバー部21b~23bを設ければ、本実施形態のフレーム1の外面全体(またはほぼ全体)を軸状部材21~23の外面で形成できる。すると、フレーム1の外面に段差などができない(または段差などがわずかである)状態とすることができるので、フレーム1の外観を向上できる。また、本実施形態のフレーム1を使用して筐体を形成する場合に、本実施形態のフレーム1の外面に板状部材を取り付けやすくなる。
【0065】
<<第二実施形態>>
以下、フレーム1の他の実施形態として、コーナー部材10を使用したフレーム1Bの構成及び組立方法等を説明する。
【0066】
<他の実施形態のフレーム1B>
本実施形態のフレーム1では、隣り合うコーナー部材10を一本の軸状部材21~23で連結する場合を説明したが、隣り合うコーナー部材10を複数本の軸状部材によって連結してもよい。この場合には、軸状部材に挿入される部分を有する金具(中継金具)を使用して複数本の軸状部材をつなぐ構成を採用することができる。以下、かかる中継金具を使用して複数本の軸状部材をつないだフレーム1B(第二実施形態のフレーム1B)の一例を説明する。
なお、複数本の軸状部材同士を連結する金具はとくに限定されず、一般的な連結プレート等を用いて軸状部材同士を連結してもよいが、後述するような中継金具を使用すれば、軸状部材同士の連結を強固にできる。
【0067】
<フレーム1B>
図8に示すように、第二実施形態のフレーム1Bは、4つのコーナー部材10を軸状部材22,24,25,26によって連結して形成されたものである。この第二実施形態のフレーム1Bは、以下の点で上述したフレーム1と異なる構造を有している。つまり、本実施形態のフレーム1における4本の軸状部材21および4本の軸状部材23に代えて、中継金具30,40で連結された軸状部材24,25によって隣接するコーナー部材10間を連結したこと、および、中継金具30によって連結された軸状部材24,25間を軸状部材26によって連結したこと、が本実施形態のフレーム1と異なるものである。
以下では、第二実施形態のフレーム1Bにおいて、上述した本実施形態のフレーム1に対して異なる構成を有する点を説明し、他の構成は適宜説明を割愛する。
【0068】
<コーナー部材10>
コーナー部材10は、本実施形態のフレーム1を形成したコーナー部材10と同じ構造を有するものである。つまり、第二実施形態のフレーム1Bの角部に配置される部材であり、互いに直交する3つの固定部(第一固定部12、第二固定部13、第三固定部14)を有している。
【0069】
<軸状部材22>
図8に示すように、軸状部材22は、隣り合うコーナー部材10を連結する部材である。この軸状部材22は、本実施形態のフレーム1を形成した軸状部材22と同じ構造を有するものである。
【0070】
<軸状部材24、25>
軸状部材24,25は、中継金具30,40によって連結された状態で、隣接するコーナー部材10同士をつなぐように設けられている。軸状部材24,25は、軸方向に長い、両端に開口を有する中空な軸状の部材である本体部24a,25aと、本体部24a,25aの一端部に設けられたカバー部24b,25bと、を有している。軸状部材24と軸状部材25は、図13(B)に示す対称面SPに対して面対称の構造を有している以外は実質的に同じ形状を有する部材であるので、以下では、軸状部材24を代表として説明する。
【0071】
<本体部24a>
図11図15に示すように、軸状部材24の本体部24aは、軸状部材21~23の本体部21a~23aと同様に、第一壁W1と、一対の第二壁W2,W2と、第三壁W3と、をそれぞれ備えている。この本体部24aの第一壁W1、一対の第二壁W2,W2および第三壁W3は、いずれも、本体部24aの軸方向と平行に設けられた本体部24aの軸方向に沿って延びる壁面であり、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている。
【0072】
より詳しく言えば、本体部24aの一対の第二壁W2,W2は、本体部24aの軸方向と平行な側端縁(以下単に一対の第二壁W2,W2の側端縁という場合がある)が、第一壁W1における本体部24aの軸方向と平行な一対の側端縁(以下単に第一壁W1の側端縁という場合がある)とそれぞれ連続し、かつ、その表面が第一壁W1の表面と直交するように設けられている。また、第三壁W3は、その本体部24aの軸方向と平行な一方の側端縁(以下単に第三壁W3の側端縁という場合がある)が、一対の第二壁W2,W2の一方の第二壁W2における第一壁W1と連続していない側端縁と連続し、かつ、その表面が一方の第二壁W2の表面と直交するように設けられている。
【0073】
<カバー部24b>
図11図15に示すように、本体部24aは、その一方の端部(図11(A)では左側の端部)にカバー部24bが設けられており、その他方の端部は本体部24aの軸方向と直交する端面となるように形成されている。カバー部24bは、第一壁W1および他方の第二壁W2(第三壁W3が接続されていない第二壁W2)から連続する一対のカバー壁W4,W4を備えている。つまり、カバー部21bの一対のカバー壁W4,W4は、本体部24aの第一壁W1および他方の第二壁W2を延長して形成されており、本体部21aの一方の端部に設けられている(つまり本体部24aの一方の端部の先端から突出するように設けられている)。この一対のカバー壁W4,W4は、その表面が互いに直交するように形成されており、しかも、第一壁W1および他方の第二壁W2と連続する側端縁を延長した線(以下単に延長線という場合がある)に対して対称な形状に形成されている。具体的には、一対のカバー壁W4,W4は、その先端縁が延長線に頂点を有する傾斜した端縁となるように形成されている。しかも、一対のカバー壁W4,W4の先端縁は、延長線に対してなす角度が45°となるように形成されている。
【0074】
なお、中継金具30で連結される軸状部材24の本体部24aの他方の端部(図11(A)では右側の端部)には、本体部24aの第一壁W1と第三壁W3の間に切り欠き24gが設けられている。この切り欠き24gは、軸状部材24を中継金具30の第一固定部32に連結した際に(軸状部材25であれば中継金具30の第二固定部33に連結した際に)、中継金具30の第三固定部34(つまり中継金具30の本体部材31の連結部35)が収容される部分である。この切り欠き24gは、中継金具30で連結される軸状部材24には設けられるが、中継金具40で連結される軸状部材24には設けなくてもよい。
【0075】
<中継金具30、中継金具40>
図8および図10に示すように、軸状部材24と軸状部材25とは、中継金具30または中継金具40によって連結されている。
【0076】
中継金具30は、上述したコーナー部材10と同様に、3つの固定部(第一固定部32、第二固定部33、第三固定部34)を有している。中継金具30は、第三固定部34はその軸方向が第一固定部32の軸方向および第二固定部33の軸方向と直交するように設けられているが、コーナー部材10とは異なり、第一固定部32の軸方向と第二固定部33の軸方向は同軸になるように設けられている。この中継金具30の詳細は後述する。
中継金具40は、上述した中継金具30の第一固定部32(または第二固定部33)と実質的に同じ構造を有する筒状の部材である。この中継金具40の詳細は後述する。
【0077】
<軸状部材26>
図8および図9に示すように、軸状部材26は、中継金具30によって連結された軸状部材24,25間をつなぐように設けられる部材である。具体的には、軸状部材26は、その両端がそれぞれ軸状部材24,25間に設けられた中継金具30の第三固定部34に連結される部材である。この軸状部材26は、カバー部21bを有しない点を除けば、本実施形態のフレーム1を形成する軸状部材21~23と実質的に同じ構造を有するものである。つまり、軸状部材26は、軸状部材21~23の本体部21a~23aと同様に、第一壁W1と、一対の第二壁W2,W2と、第三壁W3と、を備えたものであり(図9参照)、その端部から中継金具30の第三固定部34を挿入できる構造を有するものである。
【0078】
なお、軸状部材26は、中継金具30の第三固定部34に連結できる構造を有する筒状部材であればよく、その構造はとくに限定されない。例えば、軸状部材26は、その端部から中継金具30の第三固定部34を挿入できる構造を有する単なる鋼管によって形成することができる。
また、軸状部材26は、軸状部材24,25間に設けられた中継金具30の第三固定部34に連結できるのであれば、必ずしも上記のような筒状構造を有していなくてもよい。例えば、板材やL字状の軸材を使用してもよい。しかし、上記のような筒状の部材を軸状部材26とすれば、軸状部材24,25間に設けられた中継金具30の第三固定部34同士の連結が容易になるし、フレーム1Bの剛性も高くできる。
【0079】
<第二実施形態のフレーム1Bの形成>
コーナー部材10および軸状部材22,24,25,26が上記のような構造を有しているので、8つのコーナー部材10と、14本の軸状部材22,24,25,26(4本の軸状部材22、4本の軸状部材24、4本の軸状部材25、2本の軸状部材26)、4つの中継金具30、および、4つの中継金具40を使用すれば、フレーム1Bを形成することができる。
【0080】
具体的には、軸状部材24,25を4つの中継金具30の第一固定部32および第二固定部33にそれぞれ連結して4つの第一連結軸状部材CP1を形成し(図11(A)、図12(B)参照)、軸状部材24,25を中継金具40で連結して4つの第二連結軸状部材CP2を形成する(図14(A)、(B)、図15(B)参照)。そして、4つの第一連結軸状部材CP1同士および4つの第二連結軸状部材CP2同士がそれぞれ平行になるように、8つのコーナー部材10の第一固定部12および第二固定部13に4つの第一連結軸状部材CP1および4つの第二連結軸状を取り付ける。より詳しく言えば、8つのコーナー部材10の第一固定部12および第二固定部13が4つの第二連結軸状部材CP2を構成する軸状部材24,25の先端開口にそれぞれ挿入された状態となるように、8つのコーナー部材10の第一固定部12および第二固定部13に4つの第一連結軸状部材CP1および4つの第二連結軸状部材CP2をそれぞれ取り付ける。すると、2つの連結構造体CBが形成される(図9および図10(A)参照)。
【0081】
ついで、4本の軸状部材22および2本の軸状部材26が互いに平行になるように、8つのコーナー部材10の第三固定部14および4つの中継金具30の第三固定部34に4本の軸状部材22および2本の軸状部材26を取り付ける。より詳しく言えば、8つのコーナー部材10の第三固定部14が4本の軸状部材22の両端の先端開口にそれぞれ挿入された状態となり、4つの中継金具30の第三固定部34が2本の軸状部材26の両端の先端開口にそれぞれ挿入された状態となるように、8つのコーナー部材10の第三固定部14および4つの中継金具30の第三固定部34に4本の軸状部材22および2本の軸状部材26を取り付ける。そして、全てのコーナー部材10の3つの固定部12,13,14と第一連結軸状部材CP1、第二連結軸状部材CP2、軸状部材22,26とを固定すれば、フレーム1Bを形成することができる。
【0082】
以上のように、フレーム1Bでも、第一連結軸状部材CP1は軸状部材24,25を中継金具30の第一固定部32および第二固定部33にそれぞれ挿入して固定するだけで形成することができ、第二連結軸状部材CP2は軸状部材24,25を中継金具40によって連結するだけ形成することができる。しかも、4つの第一連結軸状部材CP1や4つの第二連結軸状部材CP2、4本の軸状部材22および2本の軸状部材26に、8つのコーナー部材10の3つの固定部12,13,14や、4つの中継金具30の第三固定部34に挿入して固定するだけでフレーム1Bを形成することができるので、フレーム1Bの形成が容易になる。
【0083】
なお、フレーム1Bにおいて、軸状部材22に代えて第二連結軸状部材CP2を採用することも可能であるし、軸状部材26と同じ構造を有する軸状部材を連結金具40によって連結した連結軸状部材を軸状部材26に代えて使用することも可能である。
【0084】
また、軸状部材24~26には、コーナー部材10や中継金具30,40と軸状部材24~26と連結するための孔等以外に、孔や切り欠きを設けてもよい。かかる孔や切り欠きを設ければ、第二実施形態のフレーム1Bに棚などを設置する際に孔や切り欠きを利用することができるし、配電盤などに設けられる機器を設置する板材(例えばラックプレート)等を孔や切り欠きを利用して第二実施形態のフレーム1Bに固定することができる。
【0085】
<コーナー部材10や中継金具30,40と軸状部材22,24,25,26との固定方法>
各コーナー部材10の3つの固定部12,13,14や中継金具30の3つの固定部31,32,33、中継金具40と、軸状部材22,24,25,26と、を固定する方法はとくに限定されない。軸状部材22,24,25,26からコーナー部材10の3つの固定部12,13,14や中継金具30の3つの固定部31,32,33、中継金具40が抜け落ちたり位置がズレたりしないように固定できればよい。例えば、リベットやねじ等を使用して、各コーナー部材10の3つの固定部12,13,14や中継金具30の3つの固定部31,32,33、中継金具40と、軸状部材22,24,25,26とを固定することができる。
【0086】
<中継金具30,40>
以下、中継金具30,40について詳細に説明する。
【0087】
<中継金具30>
まず、中継金具30について説明する。
中継金具30は、第一固定部32と、軸方向が第一固定部32の軸方向と平行となるように設けられた第二固定部33と、を有するフレーム用金具である。また、一枚の板材を曲げて形成された部材であって、板材を折り曲げて筒状に形成されることにより隣接する壁面同士が連続する第一固定部32と、板材を折り曲げて形成されることにより隣接する壁面同士が連続しかつ直交する第二固定部33と、を有する本体部材31を備えている。そして、少なくとも、第一固定部32を構成する一つの壁面と、第二固定部33を構成する一つの壁面とは、同一平面上にあり連続している。具体的には、中継金具30については、第一固定部32の第一壁f1と第二固定部33の第一壁f1とが同一平面上にあり連続しており、第一固定部32の一対の第一壁f2,f2と第二固定部33の第二壁f2、f2とがそれぞれ同一平面上にあり連続しており、第一固定部32の第三壁f3と第二固定部33の第三壁f3とが同一平面上にあり連続している(図12(A)、図13(A)参照)。
なお、第2実施例であるフレーム金具(中継金具30)の本体部材31は、第一固定部32、第二固定部33に加え、第三固定部34を有している。
すなわち、図11図13に示すように、中継金具30は、3つの固定部32,33,34、つまり、第一固定部32、第二固定部33および第三固定部34を有する部材である。より詳しくは、中継金具30は、2つの固定部32,33とこの2つの固定部32,33を連結する連結部35を有する本体部材31と、この本体部材31の連結部35に連結されて第三固定部34を形成する連結部材36と、によって形成された部材である。
【0088】
<第一固定部32>
図11図13に示すように、本体部材31の第一固定部32は、略筒状に形成された部分であり実質的にコーナー部材10の第一固定部11と同等の形状を有している、この第一固定部32は、第一壁f1と、一対の第二壁f2,f2と、第三壁f3と、を備えている。この第一固定部32の第一壁f1、一対の第二壁f2,f2および第三壁f3は、いずれも、第一固定部32の軸方向と平行に設けられた第一固定部32の軸方向に沿って延びる壁面であり、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている。
【0089】
より詳しく言えば、第一固定部32の一対の第二壁f2,f2は、第一固定部32の軸方向と平行な一方の側端縁(以下単に一対の第二壁f2,f2の側端縁という場合がある)が、第一壁f1における第一固定部32の軸方向と平行な一対の側端縁(以下単に第一壁f1の側端縁という場合がある)とそれぞれ連続し、かつ、その表面が第一壁f1の表面と直交するように設けられている。また、第三壁f3は、その第一固定部32の軸方向と平行な一方の側端縁(以下単に第三壁f3の側端縁という場合がある)が、一対の第二壁f2,f2の一方の第二壁f2における第一壁f1と連続していない側端縁と連続し、かつ、その表面が一方の第二壁f2の表面と直交するように設けられている。
【0090】
<第二固定部33>
本体部材31の第二固定部33は、略筒状に形成された部分であり、実質的にコーナー部材10の第二固定部11と同等の形状を有している。この第二固定部33は、第一固定部32と実質的に同等の構造を有しており、その軸方向が第一固定部32の軸方向と平行となるように設けられた部分である。この第二固定部33は、第一壁f1と、一対の第二壁f2,f2と、第三壁f3と、を備えている。この第二固定部33の第一壁f1、一対の第二壁f2,f2および第三壁f3は、いずれも、第二固定部33の軸方向と平行に設けられた第二固定部33の軸方向に沿って延びる壁面であり、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている。
【0091】
より詳しく言えば、第二固定部33の一対の第二壁f2,f2は、第二固定部33の軸方向と平行な一方の側端縁(以下単に一対の第二壁f2,f2の側端縁という場合がある)が、第一壁f1における第一固定部12の軸方向と平行な一対の側端縁(以下単に第一壁f1の側端縁という場合がある)とそれぞれ連続し、かつ、その表面が第一壁f1の表面と直交するように設けられている。また、第三壁f3は、その第二固定部33の軸方向と平行な一方の側端縁(以下単に第三壁f3の側端縁という場合がある)が、一対の第二壁f2,f2の一方の第二壁f2における第一壁f1と連続していない側端縁と連続し、かつ、その表面が一方の第二壁f2の表面と直交するように設けられている。
【0092】
<第三固定部34>
第三固定部34は、上述した第一固定部32と第二固定部33とを連結する本体部材31の連結部35と、この連結部35に連結されると連結部材36とによって形成されている。
【0093】
<連結部35>
連結部35は、第三連結壁Rf3と、第四連結壁Rf4と、第三連結壁Rf3と第四連結壁Rf4と間に設けられた第五連結壁Rf5とを備えている。この連結部35の第三連結壁Rf3、第四連結壁Rf4および第五連結壁Rf5は、第三固定部34の軸方向と平行に延びる壁面(言い換えれば、第一固定部32の軸方向(第二固定部33の軸方向)と直交する軸の軸方向と平行に延びる壁面)であり、互いに直交するように設けられている。第三連結壁Rf3は、一方の側端縁が第五連結壁Rf5の一方の側端縁と連続しかつ第三連結壁Rf3の表面と第五連結壁Rf5の表面とが直交するように設けられている。また、第四連結壁Rf4は、一方の側端縁が第五連結壁Rf5の他方の側端縁と連続しかつ第四連結壁Rf4の表面と第五連結壁Rf5の表面とが直交するように設けられている。そして、第三連結壁Rf3の表面と第四連結壁Rf4の表面は互いに平行となっており、第三連結壁Rf3の他方の側端縁と第四連結壁Rf4の他方の側端縁との間には開口が形成されている。そして、第五連結壁Rf5は、その下部が第一固定部32および第二固定部33と連結されている。より詳しく言えば、第五連結壁Rf5は、第一固定部12の一方の第二壁W2および第二固定部13の一方の第二壁W2と連続した壁面として形成されている。
【0094】
また、連結部35は、第五連結壁Rf5の下端縁と連続する第一連結壁Rf1を有している。具体的には、第一連結壁Rf1は、第一固定部32の軸方向(第二固定部33の軸方向)と平行(言い換えれば第五連結壁Rf5と直交)し、第一固定部32の第一壁W1および第二固定部32の第一壁W1連続した壁面として形成されている。この第一連結壁Rf1には、その内面と外面との間を貫通する係合孔chが形成されている(図12(A)参照)。
【0095】
第一固定部32を構成する一つの壁面(一方の第二壁f2)と、第二固定部33を構成する一つの壁面(一方の第二壁f2)と、連結部35の第五連結壁RF5とは、同一平面上にあり連続している、T字状の連続面である(図13(A)参照)。
【0096】
<連結部材36>
連結部材36は、連結部35に連結される部材である。具体的には、連結部材36は、板状の壁である第一接続壁36aと、この第一接続壁36aと連続する一対の第二接続壁36b,36bとを有する筒状の構造を有する部材である。この一対の第二接続壁36b,36bは、第一接続壁36aと互いに直交する板状の壁であり、その外面間の距離L1が第三連結壁Rf3と第四連結壁Rf4の内面間の距離L2(つまり対向する面間の距離L2)がほぼ同じになる(または若干小さくなる)ように形成されている。また、連結部材36は、一対の第二接続壁36b,36bのうち、一方の第二接続壁36bと連続する第三接続壁36cを有している。この第三接続壁36cは、一方の第二接続壁36bと互いに直交する板状の壁である。そして、一対の第二接続壁36b,36bには、その一端(図13(A)では下端)には接続突起36pがそれぞれ設けられている。この接続突起36pは、上述した第一連結壁Rf1の係合孔chに係合される突起であり、係合孔chに挿入できる大きさに形成されている。
【0097】
連結部35と連結部材36が上記の形状を有しているので、図11図12(B)に示すように、連結部材36を、その第三接続壁16cの外面が第五連結壁Rf5と面接触するように配置し、一対の第二接続壁36b,36bの外面と第三連結壁Rf3と第四連結壁Rf4の内面とがほぼ面接触した状態となるように配置する。その状態から、一対の第二接続壁36b,36bの一対の接続突起36p,36pを第一連結壁Rf1の一対の係合孔ch,chに挿入する。そして、本体部材31の連結部35の第三連結壁Rf3および第四連結壁Rf4と、連結部材36の一対の第二接続壁36b,36bとを連結すると、連結部材36を連結部35に固定することができる。すると、連結部35の第三連結壁Rf3、第四連結壁Rf4および第五連結壁Rf5と、連結部材16の第一接続壁16aと、によって略断面矩形、つまり、第一、第二固定部32,33と実質同等の形状を有する第三固定部34を形成することができる。
【0098】
以上のように、中継金具30は、本体部材31と連結部材36の2つの部材で形成されており、2つの部材を連結するだけで形成できるので、中継金具30を簡単に形成することができる。
【0099】
しかも、本体部材31と連結部材36は、いずれも一枚の板状部材を所定の形状に加工し、プレスなどによって折り曲げて穴を形成するだけで形成できる。すると、本体部材31および連結部材36は、加工精度を高く維持しつつ簡単に形成することができる。なお、本体部材31と連結部材36は、前述したように板材を折り曲げてから穴を空けても良いが、板材に穴を形成した後、折り曲げて形成するようにしても良い。
【0100】
詳しく説明すると、本体部材31は、第一、第二固定部32,33がいずれも上述したような第一壁f1、一対の第二壁f2,f2および第三壁f3で形成されており、連結部35の第五連結壁Rf5は、第一固定部32の一方の第二壁W2および第二固定部13の一方の第二壁W2と連続した壁面として形成されており、また、連結部35の第一連結壁Rf1も、第一固定部32の第一壁W1および第二固定部32の第一壁W1連続した壁面として形成されている。そして、第三連結壁Rf3、第四連結壁Rf4は第五連結壁Rf5と連続した壁面として形成されている。したがって、一枚の板材を、第一、第二固定部32,33および連結部35を展開した形状に加工し、第一、第二固定部32,33の第一壁f1と一対の第二壁f2,f2との間の側端縁となる部分、第二壁f2と第三壁f3との間の側端縁となる部分、第三連結壁Rf3および第四連結壁Rf4と第五連結壁Rf5との間の側端縁となる部分で折り曲げるだけで本体部材31を形成できる。したがって、本体部材31の加工精度を高く維持しつつ本体部材31を簡単に形成することができる。
【0101】
また、一枚の板材を、連結部材36の第一接続壁36a、一対の第二接続壁36b,36b、第三接続壁36cを展開した形状に加工し、第一接続壁36aと一対の第二接続壁36b,36bとの間の側端縁となる部分、一方の第二接続壁36bと第三接続壁36cとの間の側端縁となる部分で折り曲げるだけで連結部材36を形成できる。したがって、連結部材36の加工精度を高く維持しつつ連結部材36を簡単に形成することができる。
【0102】
<本体部材31について>
上記例では、本体部材31の3つの固定部32,33,34は断面矩形の筒状に形成されているが、3つの固定部32,33,34の形状は必ずしも断面矩形でなくもよく、一枚の板状部材を折り曲げて形成できる形状であればよい。例えば、第一固定部32および第二固定部33は、互いに直交する第一壁f1および第二壁f2と、この第一壁f1および第二壁f2を連結する傾斜壁を有する断面三角形状に形成してもよい。
【0103】
<第三固定部34について>
上記例では、連結部材36を設けて、連結部材36を連結部35に固定して第三固定部34とした場合を説明したが、連結部材36は必ずしも設けなくてもよい。
また、上記例では、連結部15は、第三連結壁Rf3および第四連結壁Rf4を有する場合を説明したが、第三連結壁Rf3および第四連結壁Rf4は必ずしも設けなくてもよい。この場合には、連結部35と連結部材36とを連結した際に、連結部材36の一対の第二接続壁36b,36bが上述した連結部15の第三連結壁Rf3および第四連結壁Rf4と同等の機能を有するように設ければよい。
【0104】
<軸状部材24、25について>
上記例では、軸状部材24,25が断面矩形の筒状に形成されている場合を説明したが、軸状部材22~23と同様に、軸状部材24,25はその開口から連結部35の第一固定部32の他端部および第二固定部33の他端部を挿入できる形状に形成されていればよく、必ずしも筒状に形成されていなくてもよい。
【0105】
<中継金具40>
つぎに、中継金具40について説明する。
図14図16に示すように、中継金具40は、中継金具30の第一固定部32、第二固定部33,34と実質的に同様の構成を有する略筒状に形成された部材である。この中継金具40は、平板状の第一壁40aと、第一壁40aにおける一対の側端縁とそれぞれ連続し、かつ、その表面が第一壁40aの表面と直交するように設けられた一対の第二壁40b,40bを有している。また、一対の第二壁40b,40bの一方の第二壁40bにおける第一壁40aと連続していない側端縁と連続し、かつ、その表面が一方の第二壁40bの表面と直交するように設けられた第三壁40cを有している。
【0106】
中継金具40は以上のような形状を有しているので、中継金具40を簡単に形成することができる。つまり、中継金具40は、一枚の板状部材を所定の形状に加工し、プレスなどによって折り曲げて穴を形成するだけで形成できるので、中継金具40は、加工精度を高く維持しつつ簡単に形成することができる。なお、中継金具40は、前述したように板材を折り曲げてから穴を空けても良いが、板材に穴を形成した後折り曲げて形成しても良い。
【0107】
<<第三実施形態>>
以下、プラットホームに設置されるホームドアを形成するために使用されるフレーム1Cの構成、及び、フレーム1Cに使用して好適なジョイント部材50,60,70,80の構成及び製造方法、並びに、各ジョイント部材50,60,70,80を使用したフレーム1Cの組立方法等を説明する。このフレーム1Cは、ホームドアを形成するための鋼製の枠体である。
【0108】
<第三実施形態のフレーム1C>
第一実施形態のフレーム1や第二実施形態のフレーム1Bでは、互いに直交する3つの固定部(第一固定部12、第二固定部13、第三固定部14)を有しているコーナー部材10を使用して軸状部材をつなぐ構成を説明したが、二方向に延びるフレーム用金具を使用して複数本の軸状部材をつなぐ構成を採用することもできる。以下、第一、第二実施形態とは異なる形状のフレーム用金具(ジョイント部材50,60,70,80)を使用して複数本の軸状部材をつないだフレーム1C(第三実施形態のフレーム1C)の一例を説明する。
【0109】
図19および図20に示すように、第三実施形態のフレーム1Cは、4つのジョイント部材50,60,70,80を用いて形成されたものである。この第三実施形態のフレーム1Cは、以下の点で上述したフレーム1,1Bと異なる構造を有している。つまり、第三実施形態のフレーム1Cは、互いに直交する3つの固定部を有するコーナー部材10を使用して、三軸方向に延びる軸状部材等をつなぐ構成ではなく、いわば二軸方向に延びる平面的なジョイント部材50,60,70,80を使用している点で、第一、第二実施形態のフレーム1,1Bとは異なる。つまり、以下の2点で、第三実施形態のフレーム1Cは、第一、第二実施形態のフレーム1,1Bと異なる。まず、平面的に軸状部材等をつないで平面的にフレームを形成することがフレーム1,1Bと異なる。また、ジョイント部材50,60,70,80のそれぞれは、連結部材16,36を連結部に連結して第三固定部を形成することによりコーナー部材10や中継金具30を完成させるものではなく、それ自体でフレーム用金具として利用可能であることが、フレーム1,1Bと異なる。
【0110】
ジョイント部材50,60,70,80は、固定部が隣接する軸状部材等の内側に差し込まれることにより、軸状部材等を連結する部材であり、図17および図18に示すように、差し込まれた部分(固定部)が外部から見え難いように、軸状部材や中継部材等に覆われるように構成されている。
【0111】
<ユニット>
フレーム1Cは、図17および図18に示すように、複数のユニットA,B,C,D1,D2,E,F,G(以下「ユニットA~ユニットG」という。)を相互に連結することにより構成される。ユニットA~ユニットGは、いずれも板状部材(鋼板)を所定の形状に加工し、プレスなどによって折り曲げて所定の位置に複数の穴を形成するだけで形成できる。これらの穴は、隣り合うユニット同士をビスやボルトを用いて連結するための穴である、なお、これらの穴は、前述したように板材を折り曲げてから穴を空けても良いが、板材を折り曲げる前に形成しておいてもよい。
【0112】
<ジョイント部材50,60,70,80>
ジョイント部材50がフレーム用金具の第3実施例であり、ジョイント部材60がフレーム用金具の第4実施例であり、ジョイント部材70がフレーム用金具の第5実施例であり、ジョイント部材80がフレーム用金具の第6実施例である。これらのジョイント部材50,60,70,80は、いずれも、第一固定部52,62,72,82と、軸方向が第一固定部52,62,72,82の軸方向と直交するまたは平行となるように設けられた第二固定部53,63,73,83と、を有するフレーム用金具である。いずれのジョイント部材50,60,70,80も、一枚の板材を曲げて形成された部材であって、板材を折り曲げて筒状に形成されることにより隣接する壁面同士が連続する第一固定部52,62,72,82と、板材を折り曲げて形成されることにより隣接する壁面同士が連続しかつ直交する第二固定部53,63,73,83と、を有する本体部材51,61,71,81を備えている。そして、ジョイント部材50,60,70,80は、少なくとも、第一固定部52,62,72,82を構成する一つの壁面と第二固定部53,63,73,83を構成する一つの壁面とが同一平面上にあり連続している。
【0113】
<ユニットA>
図21に示すように、ユニットAは、ジョイント部材50、軸状部材58、及び、中継部材59により構成される。これらの部材は、それぞれが1枚の板状部材を折り曲げることにより形成される。軸状部材58は上下に開口しており、上側開口部にジョイント部材50の第二固定部53を差し込んで連結する一方、下側開口部に中継部材59の上側59aを差し込んで連結することにより、ユニットAが構成される。ジョイント部材50、軸状部材58、及び、中継部材59を連結する連結方法は任意であり、例えば、ビスやボルトにより連結することができる。
ジョイント部材50の第一固定部52は隣接するユニットGに連結される連結部であり、中継部材59の下側59bは隣接するユニットBと連結される連結部である。
次に、ユニットAを構成する、ジョイント部材50、軸状部材58、及び、中継部材59の各構成を説明する。
【0114】
<ジョイント部材50>
図21に示すように、ジョイント部材50は、2つの固定部52,53、つまり、第一固定部52と、軸方向が第一固定部52の軸方向と直交する第二固定部53と、を有する本体部材51を備える部材である。
【0115】
<第一固定部52>
第一固定部52は、略筒状に形成された部分であり、第一壁f1と、一対の第二壁f2,f2と、一対の第三壁f3,f3と、を備えている。この第一壁f1、一対の第二壁f2,f2および一対の第三壁f3,f3は、いずれも、第一固定部52の軸方向と平行に設けられた第一固定部52の軸方向に沿って延びる壁面であり、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている。
より詳しく言えば、第一固定部52の一対の第二壁f2,f2は、第一固定部52の軸方向と平行な一方の側端縁が、第一壁f1における第一固定部52の軸方向と平行な一対の側端縁とそれぞれ連続し、かつ、その表面が第一壁f1の表面と直交するように設けられている。また、一対の第三壁f3,f3は、その第一固定部52の軸方向と平行な一方の側端縁が、一対の第二壁f2,f2のうち第一壁f1と連続していない側端縁と連続し、かつ、その表面が第二壁f2,f2の表面と直交するように設けられている。
【0116】
<第二固定部53>
第二固定部53は、その軸方向が第一固定部52の軸方向と直交するように設けられた部分であり、第1固定部52に連接する横断面コ字状の上側部分53aと、この上側部分53aから下方に延びる横断面L字状の下側部分53bとにより構成される。この第二固定部53の上側部分53aは、第一壁f1と、一対の第二壁f2,f2と、を備えている。この第二固定部53の第一壁f1および一対の第二壁f2,f2は、いずれも、第二固定部53の軸方向と平行に設けられた第二固定部53の軸方向に沿って延びる壁面であり、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている。
より詳しく言えば、第二固定部53の一対の第二壁f2,f2は、第二固定部53の軸方向と平行な一方の側端縁が、第一壁f1における第二固定部53の軸方向と平行な一対の側端縁とそれぞれ連続し、かつ、その表面が第一壁f1の表面と直交するように設けられている。
第二固定部53の一対の第二壁f2,f2のうち、第一固定部52の第1壁f1に連続する方の壁f2は、その高さ寸法が第一固定部52の第1壁f1と同じ長さに設定され、2つの連結用の穴が設けてある。他方、もう一方の壁f2は、その高さ寸法が第一固定部52の第1壁f1よりも長くなるように設定され、計5つの連結用の穴が設けてある。つまり、一方の壁f2と第一壁f1によって第二固定部53の下側部分53bが形成されている。
【0117】
第一固定部52を構成する一つの壁面f1と第二固定部53を構成する一つの壁面f2とは、同一平面上にあり連続している、I字状の連続面である(図21(A)に示すとおり、第一固定部52の壁面f1と、第二固定部53の上側部分53aを構成する壁面f2とが、同一平面上にあり連続していて、横方向に延びるI字状の連続面を形成している。)。
ジョイント部材50は、フレーム1Cの角部に配置される、いわばコーナー部材であり、その形状は側面視L字形であり、第二固定部53の上端が第一固定部52の上面(第一固定部52の一対の第二壁f2,f2のうち上側に配置される壁面)よりも突出しないように設けられる一方、第二固定部53の下端が第一固定部52の下面(第一固定部52の一対の第二壁f2,f2のうち下側に配置される壁面)よりも突出するように設けられる。
なお、ジョイント部材50には、コーナー部材10の連結部や第三固定部に相当する箇所はない。
【0118】
ジョイント部材50は、一枚の板状部材を所定の形状に加工し、プレスなどによって折り曲げて穴を形成するだけで形成でき、加工精度を高く維持しつつ簡単に形成することができる。なお、ジョイント部材50は、前述したように板材を折り曲げてから穴を空けても良いが、板材に穴を形成した後、折り曲げて形成するようにしても良い。
【0119】
詳しく説明すると、本体部材51は、第一、第二固定部52,53の各壁面が連続しており、一枚の板材を、第一固定部52および第二固定部53を展開した形状に加工する。
次いで、同一平面上にありI字状の連続面である第一固定部52の壁面f1と第二固定部53の一つの壁面f2とをベースにして、第一固定部52については、第一固定部52の第一壁f1と第一固定部52の一対の第二壁f2,f2との間の側端縁となる部分、第一固定部52の一対の第二壁f2,f2と第一固定部52の一対の第三壁f3,f3との間の側端縁となる部分で、それぞれ前記板材を順次直角に折り曲げるだけで第一固定部52を形成できる。また、第二固定部52については、前記I字状の連続面をベースにして、第二固定部53の第一壁f1と連続面を形成する第二壁f2との間の側端縁となる部分、第二固定部53の第一壁f1ともう一方の第二壁f2との間の側端縁となる部分で、前記板材を順次直角に折り曲げるだけで第二固定部53を形成できる。したがって、本体部材51の加工精度を高く維持しつつ本体部材51を簡単に形成することができる。
【0120】
<軸状部材58>
軸状部材58は、角筒状(横断面ロ字状)に折り曲げられた本体部58aと、横断面コ字状に形成された上端部58bとにより構成され、第一壁W1と、一対の第二壁W2,W2と、第三壁W3と、を備えている。この第一壁W1、一対の第二壁W2,W2および第三壁W3は、いずれも、軸状部材58の軸方向に沿って延びる壁面であり、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている。
より詳しく言えば、軸状部材58の上端部58bは、ジョイント部材50の第一固定部52の高さ寸法に対応して、第三壁W3が切り欠かれた形状であり、第一壁W1と一対の第二壁W2,W2のみからなる。この切り欠き部58cに第一固定部52を差し込むようにして、ジョイント部材50を軸状部材58の上端開口部から嵌め込んで連結する。
【0121】
<中継部材59>
中継部材59は、横断面コ字状に折り曲げられた中継用の部材であり、第一壁W1と、一対の第二壁W2,W2と、を備えている。この第一壁W1および一対の第二壁W2,W2は、いずれも、中継部材59の軸方向に沿って延びる壁面であり、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている。
中継部材59は、軸状部材58の内側に差し込まれて、軸状部材58の壁面W1,W2に内接する程度の寸法に形成される。
【0122】
軸状部材58や中継部材59は、いずれも、それぞれ一枚の板状部材を所定の形状に加工し、プレスなどによって折り曲げて穴を形成するだけで形成でき、加工精度を高く維持しつつ簡単に形成することができる。なお、軸状部材58や中継部材59は、前述したように板材を折り曲げてから穴を空けても良いが、板材に穴を形成した後折り曲げて形成してもよい。
【0123】
<ユニットB>
図22に示すように、ユニットBは、ジョイント部材60,70、および軸状部材68,69により構成される。これらの部材は、それぞれが1枚の板状部材を折り曲げることにより形成される。軸状部材68の下側開口部にジョイント部材60の上側に延びる第二固定部63を差し込んで連結し、軸状部材69の上側開口部に下側に延びる第三固定部64を差し込んで連結するとともに、軸状部材69の下側開口部にジョイント部材70の上側に延びる第二固定部73を連結することにより、ユニットBが構成される。ジョイント部材60,70、および軸状部材68,69を連結する連結方法は任意であり、例えば、ビスやボルトにより連結する。
ジョイント部材60の第一固定部62はユニットD1に連結される連結部であり、ジョイント部材70の第一固定部72はユニットD2に連結される連結部であり、軸状部材68の上端開口部は、ユニットAの中継部材59に連結される連結部である。
次に、ユニットBを構成する、ジョイント部材60,70、および軸状部材68,69の各構成を説明する。
【0124】
<ジョイント部材60>
図22に示すように、ジョイント部材60は、3つの固定部62,63,64、つまり、第一固定部62と、軸方向が第一固定部62の軸方向と直交するように設けられた第二および第三固定部63,64、を備える部材である。第二固定部63および第三固定部64はいずれも軸方向が同軸上に配置され、平行であり、いわば直線状に延びる部分を形成する。
【0125】
<第一固定部62>
第一固定部62は、断面コ字状に形成された部分であり、第一壁f1と、一対の第二壁f2,f2と、を備えている。この第一壁f1および一対の第二壁f2,f2は、いずれも、第一固定部62の軸方向と平行に設けられた第一固定部62の軸方向に沿って延びる壁面であり、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている。
より詳しく言えば、第一固定部62の一対の第二壁f2,f2は、第一固定部62の軸方向と平行な一方の側端縁が、第一壁f1における第一固定部62の軸方向と平行な一対の側端縁とそれぞれ連続し、かつ、その表面が第一壁f1の表面と直交するように設けられている。
【0126】
<第二固定部63>
第二固定部63は、筒状に形成された部分であり、その軸方向が第一固定部62の軸方向と直交するように設けられた部分である。この第二固定部63は、第一壁f1と、一対の第二壁f2,f2と、第三壁f3を備えている。この第二固定部63の第一壁f1、一対の第二壁f2,f2および第三壁f3は、いずれも、第二固定部63の軸方向と平行に設けられた第二固定部63の軸方向に沿って延びる壁面であり、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている。
より詳しく言えば、第二固定部63の一対の第二壁f2,f2は、第二固定部63の軸方向と平行な一方の側端縁が、第一壁f1における第二固定部63の軸方向と平行な一対の側端縁とそれぞれ連続し、かつ、その表面が第一壁f1の表面と直交するように設けられている。また、第三壁f3は、その第二固定部63の軸方向と平行な一方の側端縁が、一方の第二壁f2のうち第一壁f1と連続していない側端縁と連続し、かつ、その表面が一方の第二壁f2の表面と直交するように設けられている。
【0127】
<第三固定部64>
第三固定部64は、筒状に形成された部分であり、その軸方向が第一固定部62の軸方向と直交するように設けられるとともに、第二固定部63の軸方向と平行(同軸上)に配置されるように設けられた部分である。この第三固定部64は、第二固定部63と同等の壁面および構成を有しているので、共通する符号を付して説明を省略する。
【0128】
第一固定部62を構成する一つの壁面f1と、第二固定部63を構成する一つの壁面f2と、第三固定部64を構成する一つの壁面f2とは、同一平面上にあり連続している、T字状の連続面である。また、第一固定部62を構成する一対の壁面(f2,f2)と、第二固定部63を構成する一対の壁面(f2,f2)も、それぞれ同一平面上にあり連続している。
ジョイント部材60は、軸状部材68,69とユニットD1とをつなぐ、いわば中継部材であり、その形状は側面視T字形であり、3つの固定部12,13,14が互いに直交する3軸方向に延びるコーナー部材10とは異なり、第二固定部63の軸方向と第三固定部64の軸方向とは平行かつ同一軸線上にある。
【0129】
ジョイント部材60は、第一固定部61がユニットD1の軸状部材911の内側に差し込まれたとき、軸状部材911の各壁面に内接する程度の寸法に形成される。また、ジョイント部材60は、第二固定部63が軸状部材68の内側に差し込まれたとき、軸状部材68の壁面W1,W2,W2,W3に内接する程度の寸法に形成される。同様に、第三固定部64が軸状部材69の内側に差し込まれたとき、軸状部材69の壁面W1,W2,W2,W3に内接する程度の寸法に形成される。
【0130】
ジョイント部材60は、一枚の板状部材を所定の形状に加工し、プレスなどによって折り曲げて穴を形成するだけで形成でき、加工精度を高く維持しつつ簡単に形成することができる。なお、ジョイント部材60は、前述したように板材を折り曲げてから穴を空けても良いが、穴を形成した後、折り曲げて形成するようにしても良い。
【0131】
詳しく説明すると、本体部材61は、各固定部62,63,64の各壁面が連続しており、一枚の板材を、第一固定部62、第二固定部63および第三固定部64を展開した形状に加工する。
次いで、同一平面上にありT字状の連続面を構成する第一固定部62の壁面f1と、第二固定部63の一方の壁面f2と、第三固定部64の一方の壁面f2をベースとして、第一固定部62については、第一固定部62の第一壁f1と一対の第二壁f2,f2との間の側端縁となる部分で、前記板材を折り曲げるだけで第一固定部62を形成できる。第二固定部63および第三固定部64については、前記T字状の連続面をベースにして、前記T字状の連続面を構成する第二固定部53の第二壁f2と第三壁f3との間の側端縁となる部分、前記連続面を構成する第二固定部53の第二壁f2と第一壁f1との間の側端縁となる部分、前記連続面を構成しない方の第二固定部53の第二壁f2と第一壁f1との間の側端縁となる部分、で折り曲げるだけで第二固定部63および第三固定部64を形成できる。このように、前記板材を順次直角に折り曲げることにより、本体部材61の加工精度を高く維持しつつ本体部材61を簡単に形成することができる。
【0132】
<ジョイント部材70>
図22に示すように、ジョイント部材70は、2つの固定部72,73、つまり、第一固定部72と、軸方向が第一固定部72の軸方向と直交するように設けられた第二固定部73、を備える部材である。
【0133】
<第一固定部72>
第一固定部72は、略筒状に形成された部分であり、第一壁f1と、一対の第二壁f2,f2と、第三壁f3と、を備えている。この第一壁f1、一対の第二壁f2,f2および第三壁f3は、いずれも、第一固定部72の軸方向と平行に設けられた第一固定部72の軸方向に沿って延びる壁面であり、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている。
より詳しく言えば、第一固定部72の一対の第二壁f2,f2は、第一固定部72の軸方向と平行な一方の側端縁が、第一壁f1における第一固定部72の軸方向と平行な一対の側端縁とそれぞれ連続し、かつ、その表面が第一壁f1の表面と直交するように設けられている。また、第三壁f3は、その第一固定部72の軸方向と平行な一方の側端縁が、一方の第二壁f2のうち第一壁f1と連続していない側端縁と連続し、かつ、その表面が一方の第二壁f2の表面と直交するように設けられている。
【0134】
<第二固定部73>
第二固定部73は、略筒状に形成された部分であり、第一壁f1と、一対の第二壁f2,f2と、第三壁f3と、を備えている。この第一壁f1、一対の第二壁f2,f2および第三壁f3は、いずれも、第二固定部73の軸方向と平行に設けられた第二固定部73の軸方向に沿って延びる壁面であり、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている。
より詳しく言えば、第二固定部73の一対の第二壁f2,f2は、第二固定部73の軸方向と平行な一方の側端縁が、第一壁f1における第二固定部73の軸方向と平行な一対の側端縁とそれぞれ連続し、かつ、その表面が第一壁f1の表面と直交するように設けられている。また、第三壁f3は、その第二固定部73の軸方向と平行な一方の側端縁が、一方の第二壁f2のうち第一壁f1と連続していない側端縁と連続し、かつ、その表面が一方の第二壁f2の表面と直交するように設けられている。
【0135】
第一固定部72を構成する一つの壁面(壁面f3と連続する方の壁面f2)と第二固定部73を構成する一つの壁面(壁面f3と連続する方の壁面f2)とは、同一平面上にあり連続している、L字状の連続面である。
ジョイント部材70は、フレーム1Cの角部に配置される、いわばコーナー部材であり、その形状は側面視L字形であり、第二固定部73の下端が第一固定部72の下面(f1)よりも突出しないように設けられる一方、第二固定部73の上端が第一固定部72の上面(f3)よりも突出するように設けられる。
なお、ジョイント部材70には、連結部や第三固定部に相当する箇所はない。
【0136】
ジョイント部材70は、一枚の板状部材を所定の形状に加工し、プレスなどによって折り曲げて穴を形成するだけで形成でき、加工精度を高く維持しつつ簡単に形成することができる。なお、ジョイント部材70は、前述したように板材を折り曲げてから穴を空けても良いが、板材に穴を形成した後、折り曲げて形成するようにしても良い。
【0137】
詳しく説明すると、本体部材71は、第一、第二固定部72、73の各壁面が連続しており、一枚の板材を、第一固定部72および第二固定部73を展開した形状に加工する。
次いで、第一固定部72については、同一平面上にありL字状の連続面を構成する第一固定部72の一つの壁面f2と第二固定部73の一つの壁面f2とをベースにして、第一固定部72の第一壁f1とベースにした第二壁f2との間の側端縁となる部分、第一固定部72の第三壁f3とベースにした第二壁f2との間の側端縁となる部分、第一固定部72の第一壁f1とベースにしていない第二壁f2との間の側端縁となる部分で、前記板材を順次直角に折り曲げる。
同様に、第二固定部73については、同一平面上にありL字状の連続面である第一固定部72の一つの壁面f2と第二固定部73の一つの壁面f2とをベースにして、第二固定部73の第一壁f1とベースにした第二壁f2との間の側端縁となる部分、第二固定部73の第三壁f3とベースにした第二壁f2との間の側端縁となる部分、第二固定部73の第一壁f1とベースにしていない第二壁f2との間の側端縁となる部分で、前記板材を順次直角に折り曲げる。
これにより、本体部材71の加工精度を高く維持しつつ本体部材71を簡単に形成することができる。
【0138】
<軸状部材68>
軸状部材68は、角筒状に折り曲げられた本体部68aと、横断面コ字状に形成された下端部68bと、により構成され、第一壁W1と、一対の第二壁W2,W2と、第三壁W3と、を備えている。この第一壁W1、一対の第二壁W2,W2および第三壁W3は、いずれも、軸状部材68の軸方向に沿って延びる壁面であり、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている。
より詳しく言えば、軸状部材68の下端部68bは、ジョイント部材60の第一固定部62の高さ寸法に対応して、第三壁W3が切り欠かれた形状であり、第一壁W1と一対の第二壁W2,W2のみからなる。この切り欠き部68cに第二固定部63を差し込むようにして、ジョイント部材60を軸状部材68の下端開口部から嵌め込んで連結する。
【0139】
<軸状部材69>
軸状部材69は、軸状部材68よりは短尺である以外、同様の構造であり、角筒状に折り曲げられた本体部69aと、横断面コ字状に形成された下端部69bと、により構成され、第一壁W1と、一対の第二壁W2,W2と、第三壁W3と、を備えている。この第一壁W1、一対の第二壁W2、W2および第三壁W3は、いずれも、軸状部材69の軸方向に沿って延びる壁面であり、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている。
より詳しく言えば、軸状部材69の下端部69bは、ジョイント部材70の第一固定部72の高さ寸法に対応して、第三壁W3が切り欠かれた形状であり、第一壁W1と一対の第二壁W2、W2のみからなる。この切り欠き部69cに第二固定部73を差し込むようにして、ジョイント部材70を軸状部材69の下端開口部から嵌め込んで連結する。
【0140】
軸状部材69の上端開口部には、ジョイント部材60の第三固定部64が差し込まれる。ジョイント部材60の第一固定部62およびジョイント部材70の第一固定部72は、ユニットD1,D2のそれぞれに連結される部分である。従って、これらの固定部62,72がユニットD1,D2のそれぞれに向けて配置されるように、軸状部材68,69に対してジョイント部材60,70を差し込んで連結する。
【0141】
軸状部材68,69は、いずれも、それぞれ一枚の板状部材を所定の形状に加工し、プレスなどによって折り曲げて穴を形成するだけで形成でき、加工精度を高く維持しつつ簡単に形成することができる。なお、ジョイント部材80は、前述したように板材を折り曲げてから穴を空けても良いが、板材に穴を形成した後折り曲げて形成するようにしても良い。
【0142】
<ユニットC>
図23に示すように、ユニットCは、ジョイント部材60,80、軸状部材85,86,87,88,89、および突設金具79により構成される。軸状部材85は水平方向に配置され、軸状部材86~89は垂直方向に配置される。これらの部材は、いずれも、それぞれが1枚の板状部材を折り曲げることにより形成される。
ユニットCは、以下のようにして形成することができる。ます、軸状部材85の一方の側端開口部85aにジョイント部材60の側方に延びる第一固定部62を差し込んで連結する。ついで、軸状部材86の下側開口部にジョイント部材60の上側に延びる第二固定部63を差し込んで連結し、軸状部材87の上側開口部にジョイント部材60の下側に延びる第三固定部64を差し込んで連結する。また、軸状部材85の他方の側端開口部85bにジョイント部材80の側方に延びる第一固定部82を差し込んで連結し、軸状部材88の下側開口部にジョイント部材80の上側に延びる第二固定部83を差し込んで連結する。そして、軸状部材89の上側開口部にジョイント部材80の下側に延びる第三固定部84を差し込んで連結し、更に、第二固定部83および第三固定部84の連続する壁面f3に対して突設金具79を連結固定することにより、ユニットCが構成される。ジョイント部材60,80、軸状部材85,86,87,88,89、および突設金具79を連結する連結方法は任意であり、例えば、ビスやボルトにより連結する。また、ユニットCを構成する際に、各部材を連結する順番は前述した順番に限られない。
軸状部材86,88の上端開口部は、ユニットFに連結される連結部である。軸状部材87,89の下側開口部は、ユニットEに連結される連結部である。
次に、ジョイント部材80、および軸状部材86~89、突設金具79の各構成を説明する。なお、ユニットCで用いられるジョイント部材60と、ユニットBで用いられるジョイント部材60(図22)とは同一構成であるので説明を省略する。
【0143】
<ジョイント部材80>
図23および図24に示すように、ジョイント部材80は、3つの固定部82,83,84、つまり、第一固定部82と、軸方向が第一固定部82の軸方向と直交するように設けられた第二および第三固定部83,84と、を備える部材である。第二固定部83および第三固定部84はいずれも軸方向が同軸上に配置され、平行であり、いわば直線状に延びる部分を形成する。
【0144】
<第一固定部82>
第一固定部82は、断面コ字状に形成された部分であり、第一壁f1と、一対の第二壁f2,f2と、を備えている。この第一壁f1および一対の第二壁f2,f2は、いずれも、第一固定部82の軸方向と平行に設けられた第一固定部82の軸方向に沿って延びる壁面であり、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている。
より詳しく言えば、第一固定部82の一対の第二壁f2,f2は、第一固定部82の軸方向と平行な一方の側端縁が、第一壁f1における第一固定部82の軸方向と平行な一対の側端縁とそれぞれ連続し、かつ、その表面が第一壁f1の表面と直交するように設けられている。
【0145】
<第二固定部83>
第二固定部83は、筒状に形成された部分であり、その軸方向が第一固定部82の軸方向と直交するように設けられた部分である。この第二固定部83は、第一壁f1、第二壁f2、第三壁f3、第四壁f4および第五壁f5を備えている。この第二固定部63の第一壁f1~第五壁f5は、いずれも、第二固定部83の軸方向と平行に設けられた第二固定部83の軸方向に沿って延びる壁面であり、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている。
より詳しく言えば、第二固定部83の第二壁f2および第三壁f3は、第二固定部83の軸方向と平行な一方の側端縁が、第一壁f1における第二固定部83の軸方向と平行な一対の側端縁とそれぞれ連続し、かつ、その表面が第一壁f1の表面と直交するように設けられている。また、第四壁f4は、その第二固定部83の軸方向と平行な一方の側端縁が、第二壁f2のうち第一壁f1と連続していない側端縁と連続し、かつ、その表面が第二壁f2の表面と直交するように設けられている。また、第五壁f5は、その第二固定部83の軸方向と平行な一方の側端縁が、第三壁f3のうち第一壁f1と連続していない側端縁と連続し、かつ、その表面が第三壁f3の表面と直交するように設けられている。
【0146】
<第三固定部84>
第三固定部84は、筒状に形成された部分であり、その軸方向が第一固定部82の軸方向と直交するように設けられるとともに、第二固定部83の軸方向と平行(同軸上)に配置されるように設けられた部分である。この第三固定部84は、第二固定部83と同等の壁面および構成を有しているので、共通する符号を付して説明を省略する。
【0147】
第一固定部82を構成する一つの壁面f1と、第二固定部83を構成する一つの壁面f1と、第三固定部84を構成する一つの壁面f1とは、同一平面上にあり連続しており、T字状の連続面を形成する。また、第二固定部83を構成する壁面f3と、第三固定部84を構成する壁面f3も、それぞれ同一平面上にあり連続している。また、第二固定部83を構成する壁面f5と、第三固定部84を構成する壁面f5も、それぞれ同一平面上にあり連続している。
ジョイント部材80は、軸状部材85,88,89をつなぐ、いわば中継部材であり、その形状は側面視T字形であり、3つの固定部12,13,14が互いに直交する3軸方向に延びるコーナー部材10とは異なり、第二固定部83の軸方向と第三固定部84の軸方向とは平行かつ同一軸線上にある。
【0148】
ジョイント部材80は、第一固定部81が軸状部材85の内側に差し込まれて、軸状部材85の壁面に内接する程度の寸法に形成される。また、第二固定部83が軸状部材88の内側に差し込まれて、軸状部材88の壁面W1~W5に内接する程度の寸法に形成される。同様に、第三固定部84が軸状部材89の内側に差し込まれて、軸状部材89の壁面W1~W5に内接する程度の寸法に形成される。
【0149】
ジョイント部材80は、一枚の板状部材を所定の形状に加工し、プレスなどによって折り曲げて穴を形成するだけで形成でき、加工精度を高く維持しつつ簡単に形成することができる。なお、ジョイント部材80は、前述したように板材を折り曲げてから穴を空けても良いが、板材に穴を形成した後折り曲げて形成するようにしても良い。
【0150】
詳しく説明すると、本体部材81は、各固定部82,83,84の各壁面が連続しており、一枚の板材を、第一固定部82、第二固定部83および第三固定部84を展開した形状に加工する。
次いで、同一平面上にありT字状の連続面を構成する第一固定部82の壁面f1と、第二固定部83の壁面f1と、第三固定部84の壁面f1をベースとして、第一固定部82については、第一固定部82の第一壁f1と一対の第二壁f2,f2との間の側端縁となる部分で折り曲げることにより形成する。
また、第二固定部83および第三固定部84については、第二固定部83及び第三固定部84間で連続する第一壁f1と第二固定部83及び第三固定部84間で連続する第三壁f3の間の側端縁となる部分で折り曲げた後、第二固定部83及び第三固定部84間で連続する第三壁f3と第二固定部83及び第三固定部84間で連続する第五壁f5との間の側端縁となる部分で折り曲げる。また、第二固定部83の第二壁f2と第四壁f4との間の側端縁となる部分で折り曲げた後、第三固定部84の第二壁f2と第四壁f4との間の側端縁となる部分で折り曲げる。このように、前記板材を順次直角に折り曲げることにより、本体部材81を形成できる。したがって、本体部材81の加工精度を高く維持しつつ本体部材81を簡単に形成することができる。
【0151】
<軸状部材85>
軸状部材85は、角筒状に折り曲げられた部材であり、各壁面は軸方向に沿って延び、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている。
【0152】
<軸状部材86>
軸状部材86は、角筒状に折り曲げられた本体部86aと、横断面コ字状に形成された下端部86bと、により構成され、第一壁W1と、一対の第二壁W2,W2と、第三壁W3と、を備えている。この第一壁W1、一対の第二壁W2,W2および第三壁W3は、いずれも、軸状部材86の軸方向に沿って延びる壁面であり、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている。
より詳しく言えば、軸状部材86の下端部86bは、ジョイント部材60の第二固定部63の高さ寸法に対応して、第三壁W3が切り欠かれた形状であり、第一壁W1と一対の第二壁W2,W2のみからなる。この切り欠き部86cに第二固定部63を差し込むようにして、ジョイント部材60を軸状部材86の下端開口部から嵌め込んで連結する。
【0153】
<軸状部材87>
軸状部材87は、角筒状に折り曲げられた部材であり、各壁面は軸方向に沿って延び、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている。
【0154】
<軸状部材88>
軸状部材88は、角筒状に折り曲げられた本体部88aと、横断面コ字状に形成された下端部88bと、により構成され、第一壁W1、第二壁W2、第三壁W3、第四壁W4および第五壁W5を備えている。これらの壁面W1~W5は、いずれも、軸状部材88の軸方向に沿って延びる壁面であり、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている。
より詳しく言えば、軸状部材88の下端部88bは、ジョイント部材80の第二固定部83の高さ寸法に対応して、第三壁W3が切り欠かれた形状であり、第一壁W1と第二壁W2と第四壁W4と第五壁W5のみからなる。この切り欠き部88cに第一固定部82を差し込むようにして、ジョイント部材80を軸状部材88の下端開口部から嵌め込んで連結する。
【0155】
<軸状部材89>
軸状部材89は、略筒状に形成された部分であり、第一壁W1と、一対の第二壁W2,W2と、一対の第三壁W3,W3と、を備えている。この第一壁W1、一対の第二壁W2,W2および一対の第三壁W3,W3は、いずれも、軸状部材89の軸方向に沿って延びる壁面であり、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている。
より詳しく言えば、一対の第二壁W2,W2は、軸状部材89の軸方向と平行な一方の側端縁が、第一壁W1における軸方向と平行な一対の側端縁とそれぞれ連続し、かつ、その表面が第一壁W1の表面と直交するように設けられている。また、一対の第三壁W3,W3は、軸状部材89の軸方向と平行な側端縁が、一対の第二壁W2,W2のそれぞれの側端縁と連続し、かつ、その表面が第二壁W2,W2のそれぞれの表面と直交するように設けられている。
【0156】
<突設金具79>
突設金具79は、ホームドアのクランプが取付けられる箇所であり、水平方向に延びるクランプ収容部79aと、ジョイント部材取付け部79bとを備える。
【0157】
クランプ収容部79aは、第一壁W1および一対の第二壁W2,W2により構成されており、第一壁と一対の第二壁W2,W2との間の側端縁となる部分でそれぞれ直角に折り曲げることにより形成する。
【0158】
ジョイント部材取付け部79bは、軸状部材88,89の第二壁W2に取付けられる箇所であり、第三壁W3、第四壁W4および第五壁W5により構成される。
第三壁W3は、一方の第二壁W2と連続する面であり、上方に向けて直角に折り曲げることにより形成される。同様に、第四壁W4は、他方の第二壁W2と連続する面であり、下方に向けて直角に折り曲げることにより形成される。第5壁W5は、第一壁W1と連続し、かつ、第三壁W3および第四壁W4とともにジョイント部材80の壁面f3に接する取付け面を形成するように直角に折り曲げることにより形成される。
突設金具79は、軸状部材88,89をジョイント部材80に差し込んで連結した後、軸状部材88,89の第2壁W2の所定の位置(ジョイント部材80の壁面f3に対向する位置)に取り付けられる。
【0159】
<ユニットD1、D2>
図17図21に示すように、ユニットBとユニットEは、それぞれが棒状であるユニットD1とユニットD2とにより連結される。ユニットD1とユニットD2とは、連結用の穴の数や位置が若干異なるほかは、実質的に同一の構成である。
【0160】
<ユニットD1>
図25(A)に示すように、ユニットD1は、2本の軸状部材911,921、および中継部材931により構成される。軸状部材911,921は水平方向に配置される。これらの部材は、いずれも、それぞれが1枚の板状部材を折り曲げることにより形成される。
ユニットD1は、軸状部材911の一方の側端開口部に中継部材931の一端を差し込んで連結し、軸状部材921の一方の側端開口部に中継部材931の他端を差し込んで連結することにより構成される。連結方法は任意であり、例えば、ビスやボルトにより連結する。
【0161】
<ユニットD2>
図25(B)に示すように、ユニットD2は、2本の軸状部材912,922、および中継部材932により構成される。軸状部材912,922は水平方向に配置される。これらの部材は、いずれも、それぞれが1枚の板状部材を折り曲げることにより形成される。
ユニットD2は、軸状部材912の一方の側端開口部に中継部材932の一端を差し込んで連結し、軸状部材922の一方の側端開口部に中継部材932の他端を差し込んで連結することにより構成される。連結方法は任意であり、例えば、ビスやボルトにより連結する。
【0162】
中継部材931,932と、ユニットAで用いられる中継部材59(図21)とは同一構成であり、説明を省略する。
【0163】
ユニットD1を構成する軸状部材911の他方の側端開口部に、ユニットBのジョイント部材60の第一固定部62を差し込んで連結する。ユニットD2を構成する軸状部材912の他方の側端開口部に、ユニットBのジョイント部材70の第一固定部72を差し込んで連結する。また、ユニットD1を構成する軸状部材921の他方の側端開口部に、ユニットEの突設部94dを差し込んで連結する。ユニットD2を構成する軸状部材922の他方の側端開口部に、ユニットEの突設部94eを差し込んで連結する。
【0164】
<ユニットE>
ユニットEは、図19および図20に示すとおり、箱状の本体部94aと、本体部94a上面から突出する突設部94b,94cと、側面から突出する突設部94d,94eとにより構成される。突設部94bはユニットCの軸状部材87の下側開口部に差し込まれる連結部であり、差し込まれた状態で軸状部材87の壁面に内接する寸法に形成される。突設部94cはユニットCの軸状部材89の下側開口部に差し込まれる連結部であり、差し込まれた状態で軸状部材89の壁面W1~W3に内接する寸法に形成される。突設部94dはユニットC1の軸状部材921の側端開口部に差し込まれる連結部であり、差し込まれた状態でユニットC1を構成する軸状部材921の壁面に内接する寸法に形成される。突設部94eはユニットC2の軸状部材922の側端開口部に差し込まれる連結部であり、差し込まれた状態でユニットC2を構成する軸状部材922の壁面に内接する寸法に形成される。
【0165】
<ユニットF>
ユニットEは、図19および図20に示すとおり、水平方向に配置される角筒状の本体部95aと、本体部95a下面から突出する突設部95b,95cと、側面から突出する突設部95dとにより構成される。突設部95bはユニットCの軸状部材88の上側開口部に差し込まれる連結部であり、差し込まれた状態で軸状部材88の壁面W1~W5に内接する寸法に形成される。突設部95cはユニットCの軸状部材86の上側開口部に差し込まれる連結部であり、差し込まれた状態で軸状部材86の壁面W1~W3に内接する寸法に形成される。また、突設部95dがユニットGを構成する軸状部材96の側端開口部96bに差し込まれる連結部であり、差し込まれた状態で軸状部材96の各壁面に内接する寸法に形成される。
【0166】
<ユニットG>
ユニットGは、図19および図20に示すとおり、水平方向に配置される角筒状の軸状部材96からなる。軸状部材96の一方の側端開口部96aは、ユニットAのジョイント部材50の第一固定部52が差し込まれる連結部である。また、軸状部材96の一方の側端開口部96bは、ユニットFの突設部95dが差し込まれる連結部である。軸状部材96は、1枚の板状部材を折り曲げることにより形成される。
【0167】
<フレーム1Cの構成>
フレーム1Cは、以上説明したユニットA~ユニットGを相互に連結することにより構成され、第3~第6実施例に係るフレーム用金具(ジョイント部材50,60,70,80)を用いて構成される平面状のフレームである。
ジョイント部材50の第一固定部52および第二固定部53、ジョイント部材60の第一固定部62および第二固定部63、ジョイント部材70の第一固定部72および第二固定部73、並びに、ジョイント部材80の第一固定部82および第二固定部83はいずれも同一平面上に配置される。そして、各ジョイント部材50,60,70,80の第一固定部又は第二固定部の少なくともいずれか一方(第三実施形態においては、ジョイント部材50の第一固定部52と第二固定部53、ジョイント部材60の第一固定部62と第二固定部63と第三固定部64、ジョイント部材70の第一固定部72と第二固定部73、ジョイント部材80の第一固定部82と第二固定部83と第三固定部84)には、一枚の板材を曲げて形成され、隣接する壁面同士が連続しかつ直交するように設けられている筒状の軸状部材58,68,69,85~89,911,912,921,96が前述のとおり連結される。なお、筒状の中継部材を各固定部に連結するようにしても良い。
フレーム1Cによれば、フレーム用金具(ジョイント部材50,60,70,80)にこれらの軸状部材等を連結するだけでフレームを組立てることができるので、フレームの製造が容易になる。
また、フレーム用金具(ジョイント部材50,60,70,80)が有する第一固定部又は第二固定部のいずれか一方は、その軸方向が垂直方向を向くように配置され、いずれか他方はその軸方向が水平方向を向くように配置される。フレーム1Cは、鉄道駅のプラットホーム用のフレームとして利用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0168】
本発明のフレームは、配電盤や、プラットホーム、収納ラック、テーブルのフレームとして適している。本発明のフレーム用金具は、これらのフレームを組み立てる際の金具として適している。
【符号の説明】
【0169】
1 フレーム(第一実施形態)
1B フレーム(第二実施形態)
1C フレーム(第三実施形態)
10 コーナー部材(第1実施例)
11 本体部材
12 第一固定部
13 第二固定部
14 第三固定部
f1 第一壁
f2 第二壁
f3 第三壁
15 連結部
Rf1 第一連結壁
Rf2 第二連結壁
Rf3 第三連結壁
Rf4 第四連結壁
ch 係合孔
16 連結部材
16a 第一接続壁
16b 第二接続壁
16c 第三接続壁
16d 第四接続壁
16p 接続突起
21 軸状部材
21a 本体部
21b カバー部
22 軸状部材
22a 本体部
22b カバー部
23 軸状部材
23a 本体部
23b カバー部
24 軸状部材
24a 本体部
24b カバー部
25 軸状部材
25a 本体部
25b カバー部
W1 第一壁
W2 第二壁
W3 第三壁
W4 カバー壁
30 中継金具(第2実施例)
31 本体部材
32 第一固定部
33 第二固定部
34 第三固定部
35 連結部
ch 係合孔
36 連結部材
36a 第一接続壁
36b 第二接続壁
36c 第三接続壁
36p 接続突起
40 中継金具
40a 第一壁
40b 第二壁
40c 第三壁
50 ジョイント部材(第3実施例)
58 軸状部材
59 中継部材
60 ジョイント部材(第4実施例)
68 軸状部材
69 軸状部材
70 ジョイント部材(第5実施例)
80 ジョイント部材(第6実施例)
85 軸状部材
86 軸状部材
87 軸状部材
88 軸状部材
89 軸状部材
911 軸状部材
912 軸状部材
921 軸状部材
922 軸状部材
931 中継部材
932 中継部材
96 軸状部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25