(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025026395
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】ジャイロスコープシステム、慣性測定ユニット、および角速度センサの動作方法
(51)【国際特許分類】
G01C 19/5776 20120101AFI20250214BHJP
【FI】
G01C19/5776
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024130623
(22)【出願日】2024-08-07
(31)【優先権主張番号】23190635
(32)【優先日】2023-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】508296554
【氏名又は名称】アトランティック・イナーシャル・システムズ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Atlantic Inertial Systems Limited
【住所又は居所原語表記】Clittaford Road,Southway,Plymouth,Devon PL6 6DE,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(74)【代理人】
【識別番号】100140361
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 幸二
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー トーマス ヘンダーソン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ポール フェル
(72)【発明者】
【氏名】トーマス リード オグル
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン タウンゼンド
【テーマコード(参考)】
2F105
【Fターム(参考)】
2F105BB07
2F105CC04
2F105CD01
2F105CD02
2F105CD03
2F105CD05
2F105CD06
2F105CD07
2F105CD11
(57)【要約】
【課題】 改良されたジャイロスコープシステムを提供する。
【解決手段】 構造と、構造を駆動するように構成された1つまたは複数の駆動トランスデューサと、構造の振動を検出するように構成された1つまたは複数のピックオフトランスデューサとを有する少なくとも1つの振動型ジャイロスコープであって、振動型ジャイロスコープは、検知モードまたは診断モードで動作するように構成され、振動型ジャイロスコープは、検知モード中、振動型ジャイロスコープの回転角速度を測定するように構成される、振動型ジャイロスコープと、1つまたは複数の駆動トランスデューサが構造の共振周波数以外の周波数で構造を駆動するように、診断モードで振動型ジャイロスコープを動作させるように構成されたコントローラと、を含むジャイロスコープシステム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造と、前記構造を駆動するように構成された1つまたは複数の駆動トランスデューサと、前記構造の振動を検出するように構成された1つまたは複数のピックオフトランスデューサとを有する少なくとも1つの振動型ジャイロスコープであって、前記振動型ジャイロスコープは、検知モードまたは診断モードで動作するように構成され、前記振動型ジャイロスコープは、前記検知モード中、前記振動型ジャイロスコープの回転角速度を測定するように構成される、前記振動型ジャイロスコープと、
前記1つまたは複数の駆動トランスデューサが前記構造の共振周波数以外の周波数で前記構造を駆動するように、前記診断モードで前記振動型ジャイロスコープを動作させるように構成されたコントローラと
を備える、ジャイロスコープシステム。
【請求項2】
前記コントローラが、前記振動型ジャイロスコープの1つまたは複数のピックオフバイアス誤差を特定するために、前記診断モードで前記振動型ジャイロスコープを動作させるように構成される、請求項1に記載のジャイロスコープシステム。
【請求項3】
前記コントローラが、前記診断モードで前記振動型ジャイロスコープを動作させるとき、前記振動型ジャイロスコープから1つまたは複数の診断ピックオフトランスデューサ信号を受信するように構成され、前記コントローラは、前記1つまたは複数の診断ピックオフトランスデューサ信号に基づいて、前記振動型ジャイロスコープの前記1つまたは複数のピックオフバイアス誤差を特定するように構成される、請求項2に記載のジャイロスコープシステム。
【請求項4】
前記コントローラが、前記検知モードで前記振動型ジャイロスコープを動作させるとき、前記振動型ジャイロスコープの前記1つまたは複数のピックオフバイアス誤差に基づいて、前記振動型ジャイロスコープの出力を補正するように構成される、請求項2または3に記載のジャイロスコープシステム。
【請求項5】
前記コントロールが、前記振動型ジャイロスコープを前記検知モードで動作させるとき、前記振動型ジャイロスコープから1つまたは複数の検知ピックオフトランスデューサ信号を受信するように構成され、前記コントローラは、前記検知モードで前記振動型ジャイロスコープを動作させるとき、前記振動型ジャイロスコープの前記1つまたは複数のピックオフバイアス誤差を前記1つまたは複数の検知ピックオフトランスデューサ信号から減算することによって、前記振動型ジャイロスコープの前記出力を補正するように構成される、請求項4に記載のジャイロスコープシステム。
【請求項6】
前記1つまたは複数の駆動トランスデューサが、前記診断モードで前記振動型ジャイロスコープを動作させるとき、前記構造の振動が実質的に発生しないように、前記構造を駆動するように構成される、いずれかの先行請求項に記載のジャイロスコープシステム。
【請求項7】
前記コントローラが、前記診断モードでの動作から前記検知モードでの動作に、または前記検知モードでの動作から前記診断モードでの動作に前記振動型ジャイロスコープを切り替えるように構成され、前記コントローラは、前記振動型ジャイロスコープが前記検知モードでの動作から前記診断モードでの動作に切り替えられるとき、前記構造の振動を抑制するように構成される、いずれかの先行請求項に記載のジャイロスコープシステム。
【請求項8】
前記1つまたは複数の駆動トランスデューサが、1つまたは複数の一次及び/または二次駆動トランスデューサを含み、前記1つまたは複数のピックオフトランスデューサが、1つまたは複数の一次及び/または二次ピックオフトランスデューサを含む、いずれかの先行請求項に記載のジャイロスコープシステム。
【請求項9】
構造と、前記構造を駆動するように構成された1つまたは複数の駆動トランスデューサと、前記構造の振動を検出するように構成された1つまたは複数のピックオフトランスデューサとを有する追加の振動型ジャイロスコープを備え、前記追加の振動型ジャイロスコープは、検知モードまたは診断モードで動作するように構成され、前記追加の振動型ジャイロスコープは、前記検知モード中、前記振動型ジャイロスコープの回転角速度を測定するように構成される、いずれかの先行請求項に記載のジャイロスコープシステム。
【請求項10】
前記コントローラが、前記振動型ジャイロスコープの一方を、他方の振動型ジャイロスコープが前記検知モードで動作している間、前記診断モードで動作させるように構成される、請求項9に記載のジャイロスコープシステム。
【請求項11】
前記コントローラが、各振動型ジャイロスコープが、他方の振動型ジャイロスコープが前記検知モードで動作している間、少なくとも一度、前記診断モードで動作されるように、前記振動型ジャイロスコープを循環するように構成される、請求項10に記載のジャイロスコープシステム。
【請求項12】
全部で4つの振動型ジャイロスコープを含み、各振動型ジャイロスコープは、構造と、前記構造を駆動するように構成された1つまたは複数の駆動トランスデューサと、前記構造の振動を検出するように構成された1つまたは複数のピックオフトランスデューサとを有し、各振動型ジャイロスコープは、検知モードまたは診断モードで動作するように構成され、各振動型ジャイロスコープは、前記検知モード中、前記振動型ジャイロスコープの回転角速度を測定するように構成される、いずれかの先行請求項に記載のジャイロスコープシステム。
【請求項13】
前記振動型ジャイロスコープが、四面体形状に配置される、請求項12に記載のジャイロスコープシステム。
【請求項14】
先行請求項のいずれかに記載のジャイロスコープシステムを備える慣性測定ユニット。
【請求項15】
構造と、前記構造を駆動するように構成された1つまたは複数の駆動トランスデューサと、前記構造の振動を検出するように構成された1つまたは複数のピックオフトランスデューサとを有する少なくとも1つの振動型ジャイロスコープを含む角速度センサの動作方法であって、前記振動型ジャイロスコープは、検知モードまたは診断モードで動作するように構成され、前記振動型ジャイロスコープは、前記検知モード中、前記振動型ジャイロスコープの回転角速度を測定するように構成され、前記方法は、
前記1つまたは複数の駆動トランスデューサが前記構造の共振周波数以外の周波数で前記構造を駆動するように、前記診断モードで前記振動型ジャイロスコープを動作させることを含む、
角速度センサの動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ジャイロスコープシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ジャイロスコープシステムは、角速度を測定する振動型ジャイロスコープ(VSG)を含む。ただし、速度出力誤差が、デバイスコンポーネントのバイアス誤差により発生する。したがって、ジャイロスコープシステムを改善すること、特に、測定された角速度の誤差を減らすことが望ましい。
【0003】
これらのデバイスの特に問題のあるバイアス誤差の1つはクロストークバイアス(ピックアップバイアスとも呼ばれる)であり、これは主に、二次ピックオフ信号に一次駆動信号を直接結合するために生じる。この結合は、加えられた回転速度と区別できないため、デバイスの精度を低下させる偽のバイアス出力として現れる。したがって、この誤差を測定し、実質的に排除する手段が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、上記の不利な点が低減されるように、ジャイロスコープシステムを改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ある態様によると、構造と、その構造を駆動するように構成された1つまたは複数の駆動トランスデューサと、その構造の振動を検出するように構成された1つまたは複数のピックオフトランスデューサとを備える少なくとも1つの振動型ジャイロスコープであって、検知モードまたは診断モードで動作するように構成され、検知モード中、振動型ジャイロスコープの回転角速度を測定するように構成された振動型ジャイロスコープと、1つまたは複数の駆動トランスデューサが構造の共振周波数以外の周波数で構造を駆動するように、診断モードで振動型ジャイロスコープを動作させるように構成されたコントローラと、を備えるジャイロスコープシステムが提供される。診断モードで振動型ジャイロスコープを非共振周波数で駆動することにより、振動型ジャイロスコープの出力の誤差を特定し、除去することができる。
【0006】
コントローラは、振動型ジャイロスコープの1つまたは複数のピックオフバイアス誤差を特定するために、診断モードで振動型ジャイロスコープを動作させるように構成されてよい。
【0007】
コントローラは、振動型ジャイロスコープを診断モードで動作させるとき、振動型ジャイロスコープから1つまたは複数の診断ピックオフトランスデューサ信号を受信するように構成されてよい。コントローラは、1つまたは複数の診断ピックオフトランスデューサ信号に基づいて、振動型ジャイロスコープの1つまたは複数のピックオフバイアス誤差を特定するように構成されてよい。
【0008】
コントローラは、検知モードで振動型ジャイロスコープを動作させるとき、振動型ジャイロスコープの1つまたは複数のピックオフバイアス誤差に基づいて、振動型ジャイロスコープの出力を補正するように構成されてよい。
【0009】
コントローラは、振動型ジャイロスコープを、診断モードでの動作から検知モードでの動作に、または検知モードでの動作から診断モードでの動作に切り替えるように構成されてよい。コントローラは、振動型ジャイロスコープが検知モードでの動作から診断モードでの動作に切り替えられるとき、構造の振動を抑制するように構成されてよい。
【0010】
コントローラは、振動型ジャイロスコープを検知モードで動作させるとき、振動型ジャイロスコープから1つまたは複数の検知ピックオフトランスデューサ信号を受信するように構成されてよい。コントローラは、検知モードで振動型ジャイロスコープを動作させるとき、1つまたは複数の検知ピックオフトランスデューサ信号から振動型ジャイロスコープの1つまたは複数のピックオフバイアス誤差を減算することによって、振動型ジャイロスコープの出力を補正するように構成されてよい。
【0011】
1つまたは複数の駆動トランスデューサは、診断モードで振動型ジャイロスコープを動作させるとき、構造の振動が発生しないように構造を駆動するように構成されてよい。
【0012】
コントローラは、検知モードで振動型ジャイロスコープを動作させるときの1つまたは複数の駆動トランスデューサの駆動信号と、診断モードで振動型ジャイロスコープを動作させるときの1つまたは複数の駆動トランスデューサの駆動信号との比率を特定するように構成されてよい。
【0013】
コントローラは、その比率を1つまたは複数の診断ピックオフトランスデューサ信号に乗算することにより、1つまたは複数のピックオフバイアス誤差を特定するように構成されてよい。
【0014】
1つまたは複数の診断ピックオフトランスデューサ信号は、1つまたは複数の駆動トランスデューサと1つまたは複数のピックオフトランスデューサとの間の結合の大きさであってよい。
【0015】
1つまたは複数の駆動トランスデューサは、1つまたは複数の一次及び/または二次駆動トランスデューサを含み得る。1つまたは複数のピックオフトランスデューサは、1つまたは複数の一次及び/または二次ピックオフトランスデューサを含み得る。
【0016】
ジャイロスコープシステムは、構造と、その構造を駆動するように構成された1つまたは複数の駆動トランスデューサと、その構造の振動を検出するように構成された1つまたは複数のピックオフトランスデューサとを有する追加の振動型ジャイロスコープを備えてよく、追加の振動型ジャイロスコープは、検知モードまたは診断モードで動作するように構成され、追加の振動型ジャイロスコープは、検知モード中、振動型ジャイロスコープの回転角速度を測定するように構成される。
【0017】
コントローラは、振動型ジャイロスコープの一方を、他方の振動型ジャイロスコープが検知モードで動作している間、診断モードで動作させるように構成されてよい。このようにして、ジャイロスコープシステムが動作している間、振動型ジャイロスコープの一方の誤差を補正することができる。
【0018】
コントローラは、各振動型ジャイロスコープが、他方の振動型ジャイロスコープが検知モードで動作している間、少なくとも一度、診断モードで動作されるように、振動型ジャイロスコープを循環するように構成されてよい。
【0019】
ジャイロスコープシステムは、全部で4つの振動型ジャイロスコープを備えてよく、各振動型ジャイロスコープは、構造と、その構造を駆動するように構成された1つまたは複数の駆動トランスデューサと、その構造の振動を検出するように構成され1つまたは複数のピックオフトランスデューサとを有し、各振動型ジャイロスコープは、検知モードまたは診断モードで動作するように構成され、各振動型ジャイロスコープは、検知モード中、振動型ジャイロスコープの回転角速度を測定するように構成される。
【0020】
振動型ジャイロスコープは、四面体形状に配置されてよい。
【0021】
コントローラは、振動型ジャイロスコープの少なくとも1つを、他の3つの振動型ジャイロスコープのうちの1つまたは複数が検知モードで動作している間、診断モードで動作させるように構成されてよい。このようにして、ジャイロスコープシステムが動作している間、振動型ジャイロスコープのうちの1つの誤差を補正することができる。
【0022】
コントローラは、各振動型ジャイロスコープが、他の3つの振動型ジャイロスコープのうちの1つまたは複数が検知モードで動作している間、少なくとも一度、診断モードで動作されるように、振動型ジャイロスコープを循環するように構成されてよい。
【0023】
第2の態様によれば、上記のようなジャイロスコープシステムを含む慣性測定ユニットが提供される。
【0024】
第3の態様によると、構造と、その構造を駆動するように構成された1つまたは複数の駆動トランスデューサと、その構造の振動を検出するように構成された1つまたは複数のピックオフトランスデューサとを有する少なくとも1つの振動型ジャイロスコープを含む角速度センサを動作させる方法が提供される。この振動型ジャイロスコープは、検知モードまたは診断モードで動作するように構成され、振動型ジャイロスコープは、検知モード中、振動型ジャイロスコープの回転角速度を測定するように構成され、方法は、1つまたは複数の駆動トランスデューサが構造の共振周波数以外の周波数で構造を駆動するように、診断モードで振動型ジャイロスコープを動作させることを含む。
【0025】
添付の図面を参照しながら、例を挙げて、実施形態をさらに記載し、説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図3】ジャイロスコープシステムを動作させる方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1を参照すると、ジャイロスコープシステム100は、振動型ジャイロスコープ110、及びコントローラ160を含む。コントローラ160は、検知モードまたは診断モードで振動型ジャイロスコープ110を動作させるように構成される。
【0028】
振動型ジャイロスコープ110は、一次駆動トランスデューサ112、一次ピックオフトランスデューサ113、及び二次ピックオフトランスデューサ114に結合された構造111を含む。一次駆動トランスデューサ112は、構造111を第1の位置で駆動し、一次及び二次ピックオフトランスデューサ113、114は、一次駆動トランスデューサ112が構造111を駆動するのに応答して信号を出力する。一次駆動トランスデューサ112、一次ピックオフトランスデューサ113、及び/または二次ピックオフトランスデューサ114は、誘導トランスデューサ、容量性トランスデューサ、または圧電トランスデューサのうちの1つであってよい。
【0029】
図1に示すように、構造111は平面リングである。しかしながら、代替実施形態では、構造111は、リング、ビーム、音叉、円筒、半球シェル、及びディスクのうちの1つまたは複数を含み得る。
【0030】
振動型ジャイロスコープ110が検知モードで動作しているとき、一次駆動トランスデューサ112は、構造111の共振周波数で一次検知駆動信号を受信する。これにより、一次駆動トランスデューサ112が構造111を駆動して振動させ、一次駆動トランスデューサ112の位置に半径方向のアンチノード(すなわち、構造111の振動が最大となる場所)が形成される。
【0031】
一次ピックオフトランスデューサ113は、第2の半径方向のアンチノードが形成される一次駆動トランスデューサ112から90°の位置で、構造111の半径方向振動を検出し、一次検知ピックオフトランスデューサ信号を振幅制御ループ118に出力する。この信号は、一次ピックオフ増幅器117によって受信され、一次ピックオフ増幅器117は、信号を増幅した後、増幅した信号を周波数制御ループ119に提供する。
【0032】
構造111の共振振動を維持するために、位相ロックループ120は増幅信号の位相を調整し、電圧制御発振器121は増幅信号の周波数を調整する。調整された信号は次に、一次駆動増幅器116に送信され、信号は一次駆動増幅器116で増幅された後、一次検知駆動信号として一次駆動トランスデューサ112に提供される。
【0033】
一次ピックオフ増幅器117は、増幅信号を自動ゲイン制御回路122にも提供し、自動ゲイン制御回路122は、一次駆動増幅器116のゲインを調整して、一次検知ピックオフトランスデューサ信号の振幅が一定であることを保証する。
【0034】
図1に示すように、振幅制御ループ118は、一次ピックオフ増幅器117、自動ゲイン制御回路122、及び一次駆動増幅器116を含む。周波数制御ループ119は、位相ロックループ120及び電圧制御発振器121を含む。振幅制御ループ118及び周波数制御ループ119は、共に、一次ループ123を形成する。
【0035】
二次ピックオフトランスデューサ114は、構造111の半径方向のノードに(すなわち、構造111が静止しており、一次駆動トランスデューサ112が構造111をその共振周波数で振動させるときに半径方向に振動しないと予想される点に)配置される。振動型ジャイロスコープ110が軸を中心に回転すると、コリオリの力により、半径方向のアンチノード及びノードが構造111上の位置を移動させる。これが、振動型ジャイロスコープ110が検知モードで動作しているときに発生すると、二次ピックオフトランスデューサ114が、ノード(以前はなかった)で半径方向の振動を検出し、二次検知ピックオフトランスデューサ信号を二次ループ124に出力する。この信号は、信号を増幅する二次ピックオフ増幅器125によって受信される。
【0036】
増幅信号は、「実」成分(すなわち、サイン成分)と「直交」成分(すなわち、コサイン成分)との両方を含む。「実」成分は、振動型ジャイロスコープ110の回転角速度を提供し、「直交」成分は、システムの欠陥により生成される誤差である。「直交」成分は、「実」成分と位相が直交しているため、回転角速度に寄与しない。したがって、開ループ構成では、増幅信号は、第1の復調器126を通過して、「実」成分、ひいては、振動型ジャイロスコープ110から出力される振動型ジャイロスコープ110の回転角速度を抽出することができる。
【0037】
構造111も接線方向に振動することに留意されたい。しかしながら、この接線方向の振動は、通常、一次ピックオフトランスデューサ112または二次ピックオフトランスデューサ114によって検出されず、したがって、振動型ジャイロスコープ110の出力に影響を及ぼさない。
【0038】
図1に示されるように、閉ループ構成では、振動型ジャイロスコープ110は、二次駆動トランスデューサ115をさらに備える。二次ピックオフトランスデューサ114と同様に、二次駆動トランスデューサ115は、構造111の半径方向のノードに(すなわち、構造111が静止しており、一次駆動トランスデューサ112が構造111をその共振周波数で振動させるときに半径方向に振動しないと予想される点に)配置される。
【0039】
二次ピックオフ増幅器125からの増幅信号は、第2の復調器127を通過して、「直交」成分が抽出される。次に、「実」成分及び「直交」成分は、再結合された後、二次駆動増幅器128によって増幅されて、二次検知駆動信号を生成する。この二次検知駆動信号は、二次駆動トランスデューサ115によって受信され、これにより、二次駆動トランスデューサ115は、半径方向ノードでの振動を無効にする。
【0040】
本実施形態では、二次検知駆動信号の振幅は、振動型ジャイロスコープ110から出力される、振動型ジャイロスコープ110の回転角速度に比例する。
【0041】
図1に示されるように、二次ループ124は、二次ピックオフ増幅器125、第1の復調器126、ならびにオプションで、第2の復調器127及び二次駆動増幅器128を含む。
【0042】
構造111の「品質因子」(「Q因子」または単に「Q」と称されることが多い)は、構造111によって達成される共振の品質の尺度である。高いQは、相対的に減衰が低く、構造111が、共振周波数で、比較的長い時間、比較的高い振幅で振動することを意味する。他方で、Qが低いことは、振動がより迅速に減衰するような比較的高い減衰があることを意味する。一般に、振動型ジャイロスコープには高いQが望ましい。
【0043】
振動型ジャイロスコープ110が検知モードで動作するとき、一次駆動トランスデューサ112の一次検知駆動信号の振幅は、大きい振幅を有する半径方向の振動を実現するように設定される。これにより、一次検知駆動信号は、容量機構または誘導機構により、一次検知ピックオフトランスデューサ信号及び二次検知ピックオフトランスデューサ信号に結合させることができる。このような結合は、一次駆動トランスデューサ112が一次ピックオフトランスデューサ113及び二次ピックオフトランスデューサ114に近接していることに起因して、構造111自体で、またはジャイロスコープシステム100の電子機器内で発生することがある。しかしながら、構造111のQは温度によって影響を受ける。このことは、一次検知駆動信号の振幅が、構造111のQが変化すると温度に対して著しく変化し得ることを意味する。
【0044】
一次検知駆動信号は、振動型ジャイロスコープ110の角度回転によって生じる信号と区別不能な場合があるので、二次検知ピックオフトランスデューサ信号での一次検知駆動信号の結合は特に問題になる。これにより、振動型ジャイロスコープ110の出力に、温度に対して変化するピックオフバイアス誤差がもたらされる(温度変化により、構造111のQが変化し、したがって、一次検知駆動信号の振幅が変化するため)。
【0045】
一次検知ピックオフトランスデューサ信号に一次検知駆動信号が結合されることも問題であるが、比較的程度は少ないが、これにより構造111の共振の検出の精度が低下する。しかしながら、構造111の共振から生じる一次検知ピックオフトランスデューサ信号の振幅は大きいため、その影響は比較的小さい。
【0046】
ジャイロスコープシステム100は、所与の一次検知駆動信号に対して上記の結合の大きさを測定し、ひいては1つまたは複数のピックオフバイアス誤差を特定する手段を提供する。これは、後述されるように、診断モードで振動型ジャイロスコープ111を動作させることによって達成される。
【0047】
振動型ジャイロスコープ110が診断モードで動作しているとき、一次駆動トランスデューサ112は、構造111の共振周波数以外の周波数で(すなわち、非共振周波数で)振幅の大きい一次診断駆動信号を受信する。これにより、一次駆動トランスデューサ112は、非共振周波数で構造111を駆動する。
【0048】
非共振周波数は、構造111に大きい共振運動が存在しないように、構造111の共振周波数から除去されるべきである。特に、非共振周波数は、構造111の振動を誘発しないように選択される。すなわち、構造111は、診断モードでは振動しない。これは、例えば、構造111の非共振周波数と共振周波数との間の差を100Hzより大きく設定することによって達成することができる。
【0049】
構造111は非共振周波数で駆動されるので、一次ピックオフトランスデューサ113は構造111の振動を検出しない。しかしながら、上述の結合効果により、一次ピックオフトランスデューサ113は、依然として、一次ループ123内の結合の大きさの尺度である一次診断ピックオフトランスデューサ信号を出力する。この信号は、一次ループ123によって受信され、コントローラ160に提供される。同様に、二次ピックオフトランスデューサ114は、構造111のいずれの振動も検出しないが、それでも、二次ループ124内の結合の大きさの尺度である二次診断ピックオフトランスデューサ信号を出力する。この信号は、二次ループ124によって受信され、コントローラ160に提供される。
【0050】
次に、コントローラ160は、振動型ジャイロスコープ110を検知モードで動作させるとき、一次及び二次検知駆動信号を補正する。
【0051】
具体的には、コントローラ160は、検知モード中の任意の時に取得される一次検知駆動信号の一次診断駆動信号に対する比率を特定し、この比率を二次診断ピックオフトランスデューサ信号に乗算して、二次ピックオフバイアス誤差を特定する。次に、二次ピックオフバイアス誤差が二次駆動トランスデューサ115によって無効にされないように、二次ピックオフバイアス誤差が、二次駆動トランスデューサ115の二次検知駆動信号から減算される。これにより、二次駆動トランスデューサ115がバイアスオフセットを発生するのを防ぎ、このようにして、二次ピックオフバイアス誤差は、振動型ジャイロスコープ110の出力から除去され、振動型ジャイロスコープ110の回転角速度のより正確な値を提供する。
【0052】
コントローラ160は、振動型ジャイロスコープ110を検知モードで動作するとき、診断モードで取得した一次診断ピックオフトランスデューサ信号に一次検知駆動信号と一次診断駆動信号との比率を乗算して一次ピックオフバイアス誤差を特定することによって、一次駆動トランスデューサ112の一次検知駆動信号を同様に補正することができる。次に、一次ピックオフバイアス誤差が一次駆動トランスデューサ112によって無効にされないように、一次ピックオフバイアス誤差は、一次駆動トランスデューサ112の一次検知駆動信号から減算される。これにより、一次検知駆動信号の振幅または位相の精度の低下が防止される。
【0053】
一次診断駆動信号の振幅は、ジャイロスコープシステム100の感度を向上させるために、一次及び二次診断ピックオフトランスデューサ信号の振幅を最大化する値に固定される。
【0054】
一次駆動トランスデューサ112は、構造111の共振周波数を上回る非共振周波数で、及び/または構造111の共振周波数を下回る非共振周波数で、構造111を駆動することができる。一次駆動トランスデューサ112が構造111の共振周波数の上下の両方の非共振周波数で構造111を駆動する場合、一次ループ123及び二次ループ124のそれぞれについて、検知モードで複数のピックオフバイアス誤差が特定され得る。次に、一次検知ピックオフトランスデューサ信号及び二次検知ピックオフトランスデューサ信号における一次検知駆動信号の結合に対する周波数依存は、一次ループ123及び二次ループ124の複数のピックオフバイアス誤差を平均化することによって除去することができる。
【0055】
コントローラ160は、振動型ジャイロスコープ110を、検知モードと診断モードとの間で、または診断モードと検知モードとの間で切り替えるように構成されてよい。しかし、これにより、構造111が共振周波数で振動するのを止めることを可能にするために、ジャイロスコープシステム100にいくらかのデッドタイムが発生することが理解されよう。このデッドタイムは、振動型ジャイロスコープ110の半径方向の振動を能動的に抑制することによって短縮することができ、2つの動作モード間で切り替えるときの遅延が最小限に抑えられる。
【0056】
この場合、一次ピックオフトランスデューサ113は、構造111の半径方向の振動を検出し、一次減衰ピックオフトランスデューサ信号を振幅制御ループ118に出力する。この信号は、一次ピックオフ増幅器117によって増幅され、周波数制御ループ119に提供される。検出された半径方向の振動を抑制するために、位相ロックループ120は増幅信号の位相を調整し、電圧制御発振器121は増幅信号の周波数を調整する。調整された信号は、次に一次駆動回路116に送信され、一次駆動回路116において、信号は増幅された後、一次減衰駆動信号として一次駆動トランスデューサ112に提供される。次に、一次駆動トランスデューサ112は、検出された半径方向の振動を無効にするように構造111を駆動する。
【0057】
さらに、または代替として、閉ループ構成では、二次ピックオフトランスデューサ114は、構造111の半径方向の振動を検出し、二次減衰ピックオフトランスデューサ信号を二次ループ124に出力する。この信号は、二次ピックオフ増幅器125によって増幅され、「実」成分が抽出される第1の復調器126に提供され、そして「直交」成分が抽出される第2の復調器127に提供される。「実」成分及び「直交」成分は再結合され、二次駆動増幅器128に送信され、二次駆動増幅器128は、信号を増幅した後、増幅された信号を二次減衰駆動信号115として二次駆動トランスデューサ115に提供する。次に、二次駆動トランスデューサ115は、検出された半径方向の振動を無効にするように構造111を駆動する。
【0058】
構造111が振動しなくなると、振動型ジャイロスコープ110は、所望のモードで動作されてよい。
【0059】
図2に示されるように、ジャイロスコープシステム100は、追加の振動型ジャイロスコープ140を含み得る。振動型ジャイロスコープ110と同様に、追加の振動型ジャイロスコープ140は、構造141、一次ループ153を形成する振幅制御ループ148及び周波数制御ループ149、位相ロックループ150、一次駆動増幅器146、自動ゲイン制御回路152、一次駆動トランスデューサ142、一次ピックオフトランスデューサ143、一次ピックオフ増幅器147、電圧制御発振器151、二次ループ154、二次ピックオフトランスデューサ144、二次ピックオフ増幅器155、及び第1の復調器156を含む。追加の振動型ジャイロスコープ140は、二次駆動トランスデューサ145、第2の復調器157、及び二次駆動増幅器158も含み得る。
【0060】
追加の振動型ジャイロスコープ140が検知モードで動作するときの追加の振動型ジャイロスコープ140の動作は、振動型ジャイロスコープ110が検知モードで動作するときの振動型ジャイロスコープ110の動作と同じである。さらに、追加の振動型ジャイロスコープ140が診断モードで動作するときの追加の振動型ジャイロスコープ140の動作は、振動型ジャイロスコープ110が診断モードで動作するときの振動型ジャイロスコープ110の動作と同じである。さらに、検知モードと診断モード、または診断モードと検知モードとの間で切り替えるときの追加の振動型ジャイロスコープ140の動作は、検知モードと診断モード、または診断モードと検知モードとの間で切り替えるときの振動型ジャイロスコープ110の動作と同じである。したがって、繰り返しの説明は省略する。
【0061】
振動型ジャイロスコープ110及び追加の振動型ジャイロスコープ140は、同時に、検知モードまたは診断モードで動作してよい。しかしながら、代替実施形態では、振動型ジャイロスコープ110及び追加の振動型ジャイロスコープ140は、異なるモードで動作する。
【0062】
図3を参照すると、第1のステップ201で、コントローラ160は、振動型ジャイロスコープ110を検知モードで動作させ、追加の振動型ジャイロスコープ140を診断モードで動作させる。コントローラ160が、追加の振動型ジャイロスコープ140の一次及び二次ピックオフバイアス誤差を特定すると、第2のステップ202において、コントローラ160は、追加の振動型ジャイロスコープを検知モードで動作するように切り替え、追加の振動型ジャイロスコープ140の一次及び二次検知駆動信号を補正する。次に、第3のステップ203において、コントローラ160は、振動型ジャイロスコープ110を診断モードで動作するように切り替える。
【0063】
コントローラ160が、振動型ジャイロスコープ110の一次及び二次ピックオフバイアス誤差を特定すると、第4のステップ204において、コントローラ160は、振動型ジャイロスコープ110を検知モードで動作するように切り替え、振動型ジャイロスコープ110の一次及び二次検知駆動信号を補正する。次に、第5のステップ205において、コントローラ160は、追加の振動型ジャイロスコープ140を診断モードで動作するように切り替える。
【0064】
したがって、コントローラ160は、振動型ジャイロスコープ110、140を連続的に循環するように構成されてよく、各振動型ジャイロスコープ110、140は、他方の振動型ジャイロスコープ110、140が検知モードで動作している間、少なくとも一度、診断モードで動作される。これにより、ジャイロスコープシステム100は、ジャイロスコープシステム100が動作している間、振動型ジャイロスコープ110、140の出力を補正することが可能になる。
【0065】
振動型ジャイロスコープ110は、検知モードで動作しているとき、追加の振動型ジャイロスコープ140が検知モードで動作しているときの追加の振動型ジャイロスコープ140と同じ構成で、すなわち、閉ループ構成または開ループ構成で動作し得る。あるいは、振動型ジャイロスコープ110は、検知モードで動作しているとき、閉ループ構成で動作してよく、追加の振動型ジャイロスコープ140は、検知モードで動作しているとき、開ループ構成で動作してよい、または、その逆も同様である。
【0066】
図4に示されるように、一部の実施形態では、振動型ジャイロスコープ110は、一対の一次駆動トランスデューサ112、一対の一次ピックオフトランスデューサ113、及び一対の二次ピックトランスデューサ114を含み得る。振動型ジャイロスコープ110は、一対の二次駆動トランスデューサ115も含み得る。各対は、振動型ジャイロスコープ110の周囲で互いに対向して配置されてよい。しかしながら、これは必須ではない、すなわち、各対は、互いに対して任意の位置に配置されてもよい。追加の振動型ジャイロスコープ140は、振動型ジャイロスコープ110と同一であってよい。
【0067】
図5を参照すると、一部の実施形態では、ジャイロスコープシステム100は、四面体形状に配置された少なくとも4つの振動型ジャイロスコープ110、140、150、170を含む。この場合、コントローラ160は、振動型ジャイロスコープ110、140、150、170のうちの少なくとも1つを、他の振動型ジャイロスコープ110、140、150、170のうちの1つまたは複数が検知モードで動作している間、診断モードで動作させる。
【0068】
当業者によって周知であるように、検知モードでこれらの振動型ジャイロスコープを動作させるとき、四面体配置により、4つの振動型ジャイロスコープ110、140、150、170のうちのいずれか3つの出力を数学的に変換することにより、3つの主軸(x、y、及びz)すべてを中心に、ジャイロスコープシステム100の回転角速度を特定することが可能になる。ジャイロスコープシステム100の回転角速度は、第4の振動型ジャイロスコープが診断モードで動作している間、特定することができる。いくつかの他の診断テストとは異なり、構造111が共振していない状態で、構造111を振動させることなく、診断モードが実行されるので、すなわち、ピックオフバイアス誤差はジャイロスコープシステム100の角回転の影響を受けないので、第4の振動型ジャイロスコープの軸を中心としたジャイロスコープシステム100の角回転の影響によるピックオフバイアス誤差を補正する必要が無い。
【0069】
様々な実施形態で開示されるジャイロスコープシステムの様々な態様は、単独で、組み合わせて、または前述の実施形態で具体的に説明されていない様々な配置で使用することができ、したがって、本開示は、その適用において、前述の説明または図面に記載された詳細及び構成要素の配置に限定されない。例えば、一実施形態で説明された態様は、他の実施形態で説明された態様と任意の方法で組み合わされてよい。特定の実施形態が示され及び説明されているが、本発明のより広い態様において本発明から逸脱することなく、変更及び修正がされ得ることは当業者には明らかである。以下の特許請求の範囲は、例で示された実施形態によって限定されるべきではなく、全体として説明と一致する最も広い合理的な解釈が与えられるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造と、前記構造を駆動するように構成された1つまたは複数の駆動トランスデューサと、前記構造の振動を検出するように構成された1つまたは複数のピックオフトランスデューサとを有する少なくとも1つの振動型ジャイロスコープであって、前記振動型ジャイロスコープは、検知モードまたは診断モードで動作するように構成され、前記振動型ジャイロスコープは、前記検知モード中、前記振動型ジャイロスコープの回転角速度を測定するように構成される、前記振動型ジャイロスコープと、
前記1つまたは複数の駆動トランスデューサが前記構造の共振周波数以外の周波数で前記構造を駆動するように、前記診断モードで前記振動型ジャイロスコープを動作させるように構成されたコントローラと
を備える、ジャイロスコープシステム。
【請求項2】
前記コントローラが、前記振動型ジャイロスコープの1つまたは複数のピックオフバイアス誤差を特定するために、前記診断モードで前記振動型ジャイロスコープを動作させるように構成される、請求項1に記載のジャイロスコープシステム。
【請求項3】
前記コントローラが、前記診断モードで前記振動型ジャイロスコープを動作させるとき、前記振動型ジャイロスコープから1つまたは複数の診断ピックオフトランスデューサ信号を受信するように構成され、前記コントローラは、前記1つまたは複数の診断ピックオフトランスデューサ信号に基づいて、前記振動型ジャイロスコープの前記1つまたは複数のピックオフバイアス誤差を特定するように構成される、請求項2に記載のジャイロスコープシステム。
【請求項4】
前記コントローラが、前記検知モードで前記振動型ジャイロスコープを動作させるとき、前記振動型ジャイロスコープの前記1つまたは複数のピックオフバイアス誤差に基づいて、前記振動型ジャイロスコープの出力を補正するように構成される、請求項2に記載のジャイロスコープシステム。
【請求項5】
前記コントロールが、前記振動型ジャイロスコープを前記検知モードで動作させるとき、前記振動型ジャイロスコープから1つまたは複数の検知ピックオフトランスデューサ信号を受信するように構成され、前記コントローラは、前記検知モードで前記振動型ジャイロスコープを動作させるとき、前記振動型ジャイロスコープの前記1つまたは複数のピックオフバイアス誤差を前記1つまたは複数の検知ピックオフトランスデューサ信号から減算することによって、前記振動型ジャイロスコープの前記出力を補正するように構成される、請求項4に記載のジャイロスコープシステム。
【請求項6】
前記1つまたは複数の駆動トランスデューサが、前記診断モードで前記振動型ジャイロスコープを動作させるとき、前記構造の振動が実質的に発生しないように、前記構造を駆動するように構成される、請求項1に記載のジャイロスコープシステム。
【請求項7】
前記コントローラが、前記診断モードでの動作から前記検知モードでの動作に、または前記検知モードでの動作から前記診断モードでの動作に前記振動型ジャイロスコープを切り替えるように構成され、前記コントローラは、前記振動型ジャイロスコープが前記検知モードでの動作から前記診断モードでの動作に切り替えられるとき、前記構造の振動を抑制するように構成される、請求項1に記載のジャイロスコープシステム。
【請求項8】
前記1つまたは複数の駆動トランスデューサが、1つまたは複数の一次及び/または二次駆動トランスデューサを含み、前記1つまたは複数のピックオフトランスデューサが、1つまたは複数の一次及び/または二次ピックオフトランスデューサを含む、請求項1に記載のジャイロスコープシステム。
【請求項9】
構造と、前記構造を駆動するように構成された1つまたは複数の駆動トランスデューサと、前記構造の振動を検出するように構成された1つまたは複数のピックオフトランスデューサとを有する追加の振動型ジャイロスコープを備え、前記追加の振動型ジャイロスコープは、検知モードまたは診断モードで動作するように構成され、前記追加の振動型ジャイロスコープは、前記検知モード中、前記振動型ジャイロスコープの回転角速度を測定するように構成される、請求項1に記載のジャイロスコープシステム。
【請求項10】
前記コントローラが、前記振動型ジャイロスコープの一方を、他方の振動型ジャイロスコープが前記検知モードで動作している間、前記診断モードで動作させるように構成される、請求項9に記載のジャイロスコープシステム。
【請求項11】
前記コントローラが、各振動型ジャイロスコープが、他方の振動型ジャイロスコープが前記検知モードで動作している間、少なくとも一度、前記診断モードで動作されるように、前記振動型ジャイロスコープを循環するように構成される、請求項10に記載のジャイロスコープシステム。
【請求項12】
全部で4つの振動型ジャイロスコープを含み、各振動型ジャイロスコープは、構造と、前記構造を駆動するように構成された1つまたは複数の駆動トランスデューサと、前記構造の振動を検出するように構成された1つまたは複数のピックオフトランスデューサとを有し、各振動型ジャイロスコープは、検知モードまたは診断モードで動作するように構成され、各振動型ジャイロスコープは、前記検知モード中、前記振動型ジャイロスコープの回転角速度を測定するように構成される、請求項1に記載のジャイロスコープシステム。
【請求項13】
前記振動型ジャイロスコープが、四面体形状に配置される、請求項12に記載のジャイロスコープシステム。
【請求項14】
請求項1に記載のジャイロスコープシステムを備える慣性測定ユニット。
【請求項15】
構造と、前記構造を駆動するように構成された1つまたは複数の駆動トランスデューサと、前記構造の振動を検出するように構成された1つまたは複数のピックオフトランスデューサとを有する少なくとも1つの振動型ジャイロスコープを含む角速度センサの動作方法であって、前記振動型ジャイロスコープは、検知モードまたは診断モードで動作するように構成され、前記振動型ジャイロスコープは、前記検知モード中、前記振動型ジャイロスコープの回転角速度を測定するように構成され、前記方法は、
前記1つまたは複数の駆動トランスデューサが前記構造の共振周波数以外の周波数で前記構造を駆動するように、前記診断モードで前記振動型ジャイロスコープを動作させることを含む、
角速度センサの動作方法。