(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025026547
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/33 20060101AFI20250214BHJP
H10H 20/00 20250101ALI20250214BHJP
H10H 20/857 20250101ALI20250214BHJP
【FI】
G09F9/33
H10H20/00 L
H10H20/857
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024212233
(22)【出願日】2024-12-05
(62)【分割の表示】P 2024021725の分割
【原出願日】2019-04-26
(31)【優先権主張番号】P 2018095872
(32)【優先日】2018-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】楠 紘慈
(72)【発明者】
【氏名】江口 晋吾
(72)【発明者】
【氏名】塚本 洋介
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 一徳
(72)【発明者】
【氏名】豊高 耕平
(57)【要約】
【課題】精細度が高い表示装置を提供する。マイクロLEDを表示素子に用いた表示装置
の製造コストを削減する。
【解決手段】基板、複数のトランジスタ、及び、複数の発光ダイオードを有する表示装置
である。複数の発光ダイオードは、基板にマトリクス状に設けられている。複数のトラン
ジスタは、それぞれ、複数の発光ダイオードの少なくとも一つと電気的に接続される。複
数の発光ダイオードは、複数のトランジスタよりも基板側に位置する。複数の発光ダイオ
ードは、基板とは反対側に光を発する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板、複数のトランジスタ、及び、複数の発光ダイオードを有し、
前記複数の発光ダイオードは、前記基板にマトリクス状に設けられており、
前記複数のトランジスタは、それぞれ、前記複数の発光ダイオードの少なくとも一つと電気的に接続され、
前記複数の発光ダイオードは、前記複数のトランジスタよりも前記基板側に位置し、
前記複数の発光ダイオードは、前記基板とは反対側に光を発する、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、表示装置、表示モジュール、電子機器、及びこれらの作製方法に関す
る。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本発明の一態様の技術分野と
しては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、電子機器、照明装置、
入力装置(例えば、タッチセンサなど)、入出力装置(例えば、タッチパネルなど)、そ
れらの駆動方法、又はそれらの製造方法を一例として挙げることができる。
【背景技術】
【0003】
近年、マイクロ発光ダイオード(マイクロLED(Light Emitting Di
ode))を表示素子に用いた表示装置が提案されている(例えば特許文献1)。マイク
ロLEDを表示素子に用いた表示装置は、高輝度、高コントラスト、長寿命などの利点が
あり、次世代の表示装置として研究開発が活発である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2014/0367705号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
マイクロLEDを表示素子に用いた表示装置は、LEDチップの実装にかかる時間が極め
て長く、製造コストの削減が課題となっている。例えば、ピック・アンド・プレイス方式
では、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のLEDをそれぞれ異なるウエハ上に作製し
、LEDを1つずつ切り出して回路基板に実装する。したがって、表示装置の画素数が多
いほど、実装するLEDの個数が増え、実装に係る時間が長くなる。また、表示装置の精
細度が高いほど、LEDの実装の難易度が高くなる。
【0006】
本発明の一態様は、精細度が高い表示装置を提供することを課題の一とする。本発明の一
態様は、表示品位の高い表示装置を提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、
表示装置の薄型化及び軽量化を課題の一とする。
【0007】
本発明の一態様は、マイクロLEDを表示素子に用いた表示装置の製造コストを削減する
ことを課題の一とする。本発明の一態様は、高い歩留まりで、マイクロLEDを表示素子
に用いた表示装置を製造することを課題の一とする。
【0008】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。本発明の一態様は
、必ずしも、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。明細書、図面、請求
項の記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様の表示装置は、基板、複数のトランジスタ、及び、複数の発光ダイオード
を有する。複数の発光ダイオードは、基板にマトリクス状に設けられている。複数のトラ
ンジスタは、それぞれ、複数の発光ダイオードの少なくとも一つと電気的に接続される。
複数の発光ダイオードは、複数のトランジスタよりも基板側に位置する。複数の発光ダイ
オードは、基板とは反対側に光を発する。
【0010】
複数の発光ダイオードの少なくとも一つは、マイクロ発光ダイオードであることが好まし
い。
【0011】
複数のトランジスタの少なくとも一つは、チャネル形成領域に金属酸化物を有することが
好ましい。
【0012】
複数の発光ダイオードは、互いに異なる色の光を呈する第1の発光ダイオード及び第2の
発光ダイオードを有することが好ましい。または、複数の発光ダイオードは、白色の光を
呈することが好ましい。
【0013】
複数のトランジスタの少なくとも一つは、可視光を透過する半導体層を有することが好ま
しい。半導体層は、チャネル形成領域と、一対の低抵抗領域を有する。一対の低抵抗領域
は、チャネル形成領域よりも抵抗が低い。発光ダイオードが発する光は、一対の低抵抗領
域の少なくとも一方を透過して、基板側に射出される。
【0014】
本発明の一態様は、上記の構成の表示装置を有し、フレキシブルプリント回路基板(Fl
exible printed circuit、以下、FPCと記す)もしくはTCP
(Tape Carrier Package)等のコネクタが取り付けられたモジュー
ル、またはCOG(Chip On Glass)方式もしくはCOF(Chip On
Film)方式等により集積回路(IC)が実装されたモジュール等のモジュールであ
る。
【0015】
本発明の一態様は、上記のモジュールと、アンテナ、バッテリ、筐体、カメラ、スピーカ
、マイク、及び操作ボタンのうち、少なくとも一つと、を有する電子機器である。
【0016】
本発明の一態様は、第1の基板上に、複数のトランジスタをマトリクス状に形成し、第2
の基板上に、複数の発光ダイオードをマトリクス状に形成し、第1の基板上または第2の
基板上に、複数のトランジスタの少なくとも一つまたは複数の発光ダイオードの少なくと
も一つと電気的に接続する第1の導電体を形成し、第1の導電体を介して、複数のトラン
ジスタの少なくとも一つと複数の発光ダイオードの少なくとも一つとが電気的に接続され
るように、第1の基板と第2の基板とを貼り合わせる、表示装置の作製方法である。
【0017】
第1の導電体を第1の基板上に形成することで、第1の導電体と複数のトランジスタの少
なくとも一つとを電気的に接続させ、第2の基板上に、複数の発光ダイオードの少なくと
も一つと電気的に接続する第2の導電体を形成し、第1の導電体と第2の導電体とが接す
るように、第1の基板と第2の基板とを貼り合わせることが好ましい。
【0018】
第1の基板と第2の基板とを貼り合わせた後、第1の基板を剥離してもよい。
【0019】
本発明の一態様は、第1の基板上に、剥離層を形成し、剥離層上に、絶縁層を形成し、絶
縁層の一部を開口し、絶縁層上に、複数のトランジスタをマトリクス状に形成し、剥離層
上に、絶縁層の開口と重なるように、導電層を形成し、複数のトランジスタを封止し、剥
離層を用いて第1の基板を剥離し、剥離層側から導電層を露出させ、第2の基板上に、複
数の発光ダイオードをマトリクス状に形成し、導電層を介して、複数のトランジスタの少
なくとも一つと複数の発光ダイオードの少なくとも一つとが電気的に接続されるように、
第2の基板上に複数のトランジスタを転載し、導電層は、複数のトランジスタの少なくと
も一つと電気的に接続する、または、複数のトランジスタの少なくとも一つのソースもし
くはドレインとして機能する、表示装置の作製方法である。
【0020】
本発明の一態様は、第1の基板上に、剥離層を形成し、剥離層上に、絶縁層を形成し、絶
縁層の一部を開口し、絶縁層上に、複数のトランジスタをマトリクス状に形成し、複数の
トランジスタを封止し、複数のトランジスタの半導体層は、それぞれ、チャネル形成領域
と、一対の低抵抗領域と、を有し、チャネル形成領域は、絶縁層上に形成され、一対の低
抵抗領域の一方は、剥離層上に絶縁層の開口と重なるように形成され、剥離層を用いて第
1の基板を剥離し、剥離層側から一対の低抵抗領域の一方を露出させ、第2の基板上に、
複数の発光ダイオードをマトリクス状に形成し、一対の低抵抗領域の一方を介して、複数
のトランジスタの少なくとも一つと複数の発光ダイオードの少なくとも一つとが電気的に
接続されるように、第2の基板上に複数のトランジスタを転載する、表示装置の作製方法
である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様により、精細度が高い表示装置を提供できる。本発明の一態様により、表
示品位の高い表示装置を提供できる。本発明の一態様により、表示装置の薄型化及び軽量
化が可能となる。
【0022】
本発明の一態様により、マイクロLEDを表示素子に用いた表示装置の製造コストを削減
できる。本発明の一態様により、高い歩留まりで、マイクロLEDを表示素子に用いた表
示装置を製造できる。
【0023】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。本発明の一態様は
、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。明細書、図面、請求項の記載から
、これら以外の効果を抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1(A)表示装置の構成例を説明する断面図。
図1(B)LED基板の構成例を説明する断面図。
図1(C)回路基板の構成例を説明する断面図。
【
図2】
図2(A)表示装置の構成例を説明する断面図。
図2(B)、
図2(C)、
図2(D)表示装置の作製方法の一例を説明する断面図。
【
図3】
図3(A)表示装置の構成例を説明する断面図。
図3(B)LED基板の構成例を説明する断面図。
図3(C)回路基板の構成例を説明する断面図。
【
図4】
図4(A)表示装置の構成例を説明する断面図。
図4(B)LED基板の構成例を説明する断面図。
【
図5】
図5(A)、
図5(B)回路アレイの作製方法の一例を説明する断面図。
【
図8】
図8(A)、
図8(B)トランジスタの一例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定さ
れず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し
得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の
記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0026】
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同
一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の
機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
【0027】
また、図面において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際
の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ず
しも、図面に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
【0028】
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、又は、状況に応じ
て、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」
という用語に変更することが可能である。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「
絶縁層」という用語に変更することが可能である。
【0029】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について
図1~
図8を用いて説明する。
【0030】
[表示装置の概要]
本実施の形態の表示装置は、表示素子である発光ダイオードと、表示素子を駆動するトラ
ンジスタと、をそれぞれ複数有する。複数の発光ダイオードは、基板にマトリクス状に設
けられている。複数のトランジスタは、それぞれ、複数の発光ダイオードの少なくとも一
つと電気的に接続される。複数の発光ダイオードは、複数のトランジスタよりも基板側に
位置する。複数の発光ダイオードは、基板とは反対側に光を発する。
【0031】
本実施の形態の表示装置は、互いに異なる基板上に形成された複数のトランジスタと複数
の発光ダイオードと、を貼り合わせることで形成される。
【0032】
本実施の形態の表示装置の作製方法では、複数の発光ダイオードと複数のトランジスタと
を一度に貼り合わせるため、画素数の多い表示装置や高精細な表示装置を作製する場合で
あっても、発光ダイオードを1つずつ回路基板に実装する方法に比べて、表示装置の製造
時間が短縮でき、また、製造の難易度を低くすることができる。
【0033】
本実施の形態の表示装置は、発光ダイオードを用いて映像を表示する機能を有する。本実
施の形態では、特に、発光ダイオードとして、マイクロLEDを用いる場合の例について
説明する。なお、本実施の形態では、ダブルヘテロ接合を有するマイクロLEDについて
説明する。ただし、発光ダイオードに特に限定はなく、例えば、量子井戸接合を有するマ
イクロLED、ナノコラムを用いたLEDなどを用いてもよい。
【0034】
表示素子としてマイクロLEDを用いることで、表示装置の消費電力を低減することがで
きる。また、表示装置の薄型・軽量化が可能である。また、表示素子としてマイクロLE
Dを用いた表示装置は、コントラストが高く視野角が広いため、表示品位を高めることが
できる。
【0035】
発光ダイオードの光を射出する領域の面積は、1mm2以下が好ましく、10000μm
2以下がより好ましく、3000μm2以下がより好ましく、700μm2以下がさらに
好ましい。なお、本明細書等において、光を射出する領域の面積が10000μm2以下
の発光ダイオードをマイクロLEDと記す場合がある。
【0036】
表示装置が有するトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有することが好まし
い。金属酸化物を用いたトランジスタは、消費電力を低くすることができる。そのため、
マイクロLEDと組み合わせることで、極めて消費電力の低減された表示装置を実現する
ことができる。
【0037】
[表示装置の構成例A]
図1(A)に、表示装置380Aの断面図を示す。
【0038】
表示装置380Aは、回路基板360Aと、LED基板370Aと、が貼り合わされて構
成されている。
【0039】
【0040】
LED基板370Aは、基板371、発光ダイオード302a、発光ダイオード302b
、導電体117a、導電体117b、導電体117c、導電体117d、及び、保護層3
73を有する。
【0041】
発光ダイオード302aは、電極112a、半導体層113a、発光層114a、半導体
層115a、及び電極116aを有する。発光ダイオード302bは、電極112b、半
導体層113b、発光層114b、半導体層115b、及び電極116bを有する。
【0042】
電極112aは、半導体層113aと導電体117bと電気的に接続されている。電極1
16aは、半導体層115aと導電体117aと電気的に接続されている。電極112b
は、半導体層113bと導電体117dと電気的に接続されている。電極116bは、半
導体層115bと導電体117cと電気的に接続されている。保護層373は、基板37
1、電極112a、112b、半導体層113a、113b、発光層114a、114b
、半導体層115a、115b、及び、電極116a、116bを覆うように設けられる
。保護層373は、導電体117a~117dの側面を覆っており、導電体117a~1
17dの上面と重なる開口を有する。当該開口において、導電体117a~117dの上
面は露出している。
【0043】
発光層114aは、半導体層113aと半導体層115aとに挟持されている。発光層1
14bは、半導体層113bと半導体層115bとに挟持されている。発光層114a、
114bでは、電子と正孔が結合して光を発する。半導体層113a、113bと半導体
層115a、115bとのうち、一方はn型の半導体層であり、他方はp型の半導体層で
ある。半導体層113a、発光層114a、及び半導体層115aを含む積層構造、及び
、半導体層113b、発光層114b、及び半導体層115bを含む積層構造は、それぞ
れ、赤色、黄色、緑色、または青色などの光を呈するように形成される。2つの積層構造
は異なる色の光を呈することが好ましい。これらの積層構造には、例えば、ガリウム・リ
ン化合物、ガリウム・ヒ素化合物、ガリウム・アルミニウム・ヒ素化合物、アルミニウム
・ガリウム・インジウム・リン化合物、ガリウム窒化物、インジウム・窒化ガリウム化合
物、セレン・亜鉛化合物等を用いることができる。上記のように、半導体層113a、発
光層114a、及び半導体層115aを含む積層構造が赤色、黄色、緑色、または青色な
どの光を呈するように形成することにより、カラーフィルタなどの着色膜を形成する工程
が不要となる。したがって、表示装置の製造コストを抑制することができる。また、2つ
の積層構造が同じ色の光を呈してもよい。このとき、発光層114a、114bから発せ
られた光は、着色膜を介して、表示装置の外部に取り出されてもよい。
【0044】
基板371としては、例えば、サファイヤ(Al2O3)基板、炭化ケイ素(SiC)基
板、シリコン(Si)基板、窒化ガリウム(GaN)基板などの単結晶基板を用いること
ができる。
【0045】
【0046】
回路基板360Aは、基板361、絶縁層367、トランジスタ303a、トランジスタ
303b、絶縁層314、導電層111a、導電層111b、導電層111c、及び、導
電層111dを有する。
【0047】
トランジスタ303a、303bは、それぞれ、ゲート、ゲート絶縁層311、半導体層
、バックゲート、ソース、及びドレインを有する。ゲート(下側のゲート)と半導体層は
、ゲート絶縁層311を介して重なる。バックゲート(上側のゲート)と半導体層は、絶
縁層312及び絶縁層313を介して重なる。半導体層は、酸化物半導体を有することが
好ましい。
【0048】
絶縁層312、絶縁層313、及び絶縁層314のうち、少なくとも一層には、水または
水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。外部から不純物がトラン
ジスタに拡散することを効果的に抑制することが可能となり、表示装置の信頼性を高める
ことができる。絶縁層314は、平坦化層としての機能を有する。
【0049】
絶縁層367は、下地膜としての機能を有する。絶縁層367には、水または水素などの
不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。
【0050】
図1(A)に示すように、LED基板370Aに設けられた導電体117aは、回路基板
360Aに設けられた導電層111aと接続されている。これにより、トランジスタ30
3aと発光ダイオード302aとを電気的に接続することができる。電極116aは、発
光ダイオード302aの画素電極として機能する。また、LED基板370Aに設けられ
た導電体117bと、回路基板360Aに設けられた導電層111bと、が接続されてい
る。電極112aは、発光ダイオード302aの共通電極として機能する。
【0051】
同様に、LED基板370Aに設けられた導電体117cは、回路基板360Aに設けら
れた導電層111cと接続されている。これにより、トランジスタ303bと発光ダイオ
ード302bとを電気的に接続することができる。電極116bは、発光ダイオード30
2bの画素電極として機能する。また、LED基板370Aに設けられた導電体117d
と、回路基板360Aに設けられた導電層111dと、が接続されている。電極112b
は、発光ダイオード302bの共通電極として機能する。
【0052】
発光ダイオード302a、302bが発する光は、基板361側に取り出される。基板3
61、絶縁層367、ゲート絶縁層311、絶縁層312、313、314、及び保護層
373は、それぞれ、当該光を透過する。
【0053】
なお、本実施の形態では、発光ダイオードの光を基板371側とは逆側に取り出す例を示
すが、基板371が可視光を透過する場合は、基板371側に光を取り出してもよい。ま
た、発光ダイオードの光を取り出さない側には、発光ダイオードの光を反射する反射層、
または、当該光を遮る遮光層を設けてもよい。
【0054】
導電体117a~117dには、例えば、銀、カーボン、銅などの導電性ペーストや、金
、はんだなどのバンプを好適に用いることができる。また、導電体117a~117dと
接続される電極112a、112b、116a、116b、及び導電層111a~111
dには、それぞれ、導電体117a~117dとのコンタクト抵抗の低い導電材料を用い
ることが好ましい。例えば、導電体117a~117dに銀ペーストを用いる場合、これ
らと接続される導電材料が、アルミニウム、チタン、銅、銀(Ag)とパラジウム(Pd
)と銅(Cu)の合金(Ag-Pd-Cu(APC))などであると、コンタクト抵抗が
低く好ましい。
【0055】
なお、導電体117a~117dは、LED基板370Aでなく、回路基板360Aに設
けられていてもよい。
【0056】
[表示装置の構成例B]
図2(A)に示す表示装置380Bは、基板361を有さず、可撓性を有する基板362
及び接着層363を有する点で、表示装置380Aと異なる。
【0057】
ガラス基板など、耐熱性の高い基板上で、トランジスタを形成することで、電気特性及び
信頼性の高いトランジスタを形成することができる。そして、当該基板からトランジスタ
を剥離し、フィルムなど、可撓性を有する基板に転置することで、表示装置の薄型化及び
軽量化が実現できる。
【0058】
図2(B)~
図2(D)を用いて、表示装置380Bの作製方法について説明する。
【0059】
図2(B)に示すように、基板351上に剥離層353を形成し、剥離層353上に絶縁
層367を形成する。そして、絶縁層367上に、トランジスタ303a、絶縁層314
、導電層111a、111bを形成する。これにより、回路基板360Bを形成すること
ができる。
【0060】
次に、
図2(C)に示すように、回路基板360Bと、LED基板370Aと、を貼り合
わせる。
【0061】
そして、
図2(D)に示すように、剥離層353を用いて、基板351を剥離する。その
後、露出した絶縁層367に、接着層363を用いて、可撓性を有する基板362を貼り
合わせることで、
図2(A)に示す表示装置380Bを作製することができる。
【0062】
基板351は、搬送が容易となる程度に剛性を有し、かつ作製工程にかかる温度に対して
耐熱性を有する。基板351に用いることができる材料としては、例えば、ガラス、石英
、セラミック、サファイヤ、樹脂、半導体、金属または合金などが挙げられる。ガラスと
しては、例えば、無アルカリガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガ
ラス等が挙げられる。
【0063】
剥離層353は、有機材料または無機材料を用いて形成することができる。
【0064】
剥離層353に用いることができる有機材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、アクリ
ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シロキサン樹脂、ベン
ゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
【0065】
剥離層353に用いることができる無機材料としては、タングステン、モリブデン、チタ
ン、タンタル、ニオブ、ニッケル、コバルト、ジルコニウム、亜鉛、ルテニウム、ロジウ
ム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、シリコンから選択された元素を含む金属、該
元素を含む合金、または該元素を含む化合物等が挙げられる。シリコンを含む層の結晶構
造は、非晶質、微結晶、多結晶のいずれでもよい。
【0066】
剥離界面にレーザを照射することで、基板351を剥離してもよい。レーザとしては、エ
キシマレーザ、固体レーザなどを用いることができる。例えば、ダイオード励起固体レー
ザ(DPSS)を用いてもよい。または、垂直方向に引っ張る力をかけることにより基板
351を剥離してもよい。
【0067】
なお、基板351、剥離層353、絶縁層367の材料の組み合わせによって、剥離界面
は変わることがある。例えば、基板351と剥離層353との界面、剥離層353中、剥
離層353と絶縁層367との界面などが、剥離界面となる。
【0068】
[表示装置の構成例C]
図3(A)に、表示装置380Cの断面図を示す。
【0069】
表示装置380Cは、回路基板360Cと、LED基板370Bと、が貼り合わされて構
成されている。表示装置380Cでは、1つのトランジスタに、2つの発光ダイオードが
電気的に接続されている。このように、1つのトランジスタに、複数の発光ダイオードが
電気的に接続されていてもよい。
【0070】
【0071】
LED基板370Bは、基板371、発光ダイオード302c、発光ダイオード302d
、導電体117a、導電体117b、導電体117c、及び、保護層373を有する。
【0072】
発光ダイオード302c、302dは、同一の構成であり、それぞれ、電極112、半導
体層113、発光層114、半導体層115、及び電極116を有する。
【0073】
電極112は、半導体層113と導電体117cと電気的に接続されている。電極116
は、半導体層115と導電体117aまたは117bと電気的に接続されている。保護層
373は、基板371、電極112、半導体層113、発光層114、半導体層115、
及び、電極116を覆うように設けられる。保護層373は、導電体117a~117c
の側面を覆っており、導電体117a~117cの上面と重なる開口を有する。当該開口
において、導電体117a~117cの上面は露出している。
【0074】
発光層114は発光層であり、半導体層113と半導体層115とのうち、一方はn型の
半導体層であり、他方はp型の半導体層である。発光ダイオード302c、302dは、
同一の色の光を呈するように形成される。
【0075】
【0076】
回路基板360Cは、基板361、絶縁層367、トランジスタ303a、絶縁層314
、導電層111a、及び導電層111bを有する。
【0077】
図3(A)に示すように、LED基板370Bに設けられた導電体117a、117bは
、回路基板360Cに設けられた導電層111aと接続されている。これにより、トラン
ジスタ303aと発光ダイオード302c、302dとを電気的に接続することができる
。電極116は、発光ダイオード302a、302bの画素電極として機能する。また、
LED基板370Bに設けられた導電体117cと、回路基板360Cに設けられた導電
層111bと、が接続されている。電極112は、発光ダイオード302c、302dの
共通電極として機能する。LED基板370A(
図1(B))では、共通電極が発光ダイ
オードごとに設けられているが、LED基板370Bに示すように、複数の発光ダイオー
ドにわたって共通電極(電極112)が設けられていてもよい。
【0078】
[表示装置の構成例D、E、F]
図4(A)に、表示装置380Dの断面図を示す。
【0079】
表示装置380Dは、回路アレイ360Dと、LED基板370Cと、が貼り合わされて
構成されている。後述するように、回路アレイ360Dは、基板上に剥離層を介して形成
される。そして、当該基板を剥離することで露出した回路アレイ360Dの面が、LED
基板370Cと貼り合わされている。
【0080】
【0081】
LED基板370Cは、基板371、発光ダイオード302e、発光ダイオード302f
、導電体117a、導電体117b、導電体117c、及び、保護層373を有する。
【0082】
発光ダイオード302eは、電極112、半導体層113a、発光層114a、半導体層
115a、及び電極116aを有する。発光ダイオード302fは、電極112、半導体
層113b、発光層114b、半導体層115b、及び電極116bを有する。
【0083】
電極112は、半導体層113a、113b、及び導電体117cと電気的に接続されて
いる。電極116aは、半導体層115aと導電体117aと電気的に接続されている。
電極116bは、半導体層115bと導電体117cと電気的に接続されている。保護層
373は、基板371、電極112、半導体層113a、113b、発光層114a、1
14b、半導体層115a、115b、及び、電極116a、116bを覆うように設け
られる。保護層373は、導電体117a~117dの側面を覆っており、導電体117
a~117dの上面と重なる開口を有する。当該開口において、導電体117a~117
dの上面は露出している。
【0084】
図5(A)、
図5(B)を用いて、回路アレイ360Dの作製方法について説明する。
【0085】
図5(A)に示すように、基板351上に剥離層353を形成し、剥離層353上に絶縁
層355を形成する。そして、絶縁層355の一部を開口する。次に、絶縁層355上に
、トランジスタ303c、303d、及び導電層118cを形成する。そして、封止層3
18により、トランジスタ303c、303d、及び導電層118cなどを封止する。
【0086】
トランジスタ303c、303dは、それぞれ、バックゲート、ゲート絶縁層311、半
導体層、ゲート絶縁層、ゲート、絶縁層315、ソース、及びドレインを有する。半導体
層は、チャネル形成領域と一対の低抵抗領域とを有する。バックゲート(下側のゲート)
とチャネル形成領域は、ゲート絶縁層311を介して重なる。ゲート(上側のゲート)と
チャネル形成領域は、ゲート絶縁層を介して重なる。ソース及びドレインは、それぞれ、
絶縁層315に設けられた開口を介して、低抵抗領域と電気的に接続される。ソースまた
はドレインとして機能する導電層118a、118bは、絶縁層355に設けられた開口
を介して、剥離層353と接する。また、導電層118a、118bと同一の材料、同一
の工程で作製された導電層118cは、絶縁層355に設けられた開口を介して、剥離層
353と接する。
【0087】
封止層318としては、無機絶縁材料及び有機絶縁材料の一方または双方を用いることが
できる。封止層318の材料としては、接着層などに用いることができる樹脂、バリア性
の高い無機絶縁膜、可撓性を有する樹脂フィルムなどが挙げられる。
【0088】
次に、
図5(B)に示すように、剥離層353を用いて、基板351を剥離する。
図5(
B)では、剥離により、導電層118a、118b、118cが露出する例を示す。基板
351を剥離した後に剥離層353が残存する場合は、剥離層353を除去することで、
導電層118a、118b、118cを露出する。これにより、回路アレイ360Dを形
成することができる。
【0089】
そして、回路アレイ360Dと、LED基板370Cと、を貼り合わせることで、
図4(
A)に示す表示装置380Dを作製することができる。
【0090】
図4(A)に示すように、LED基板370Cに設けられた導電体117aは、回路アレ
イ360Dに設けられた導電層118aと接続されている。これにより、トランジスタ3
03eと発光ダイオード302eとを電気的に接続することができる。電極116aは、
発光ダイオード302eの画素電極として機能する。
【0091】
同様に、LED基板370Cに設けられた導電体117bは、回路アレイ360Dに設け
られた導電層118bと接続されている。これにより、トランジスタ303fと発光ダイ
オード302fとを電気的に接続することができる。電極116bは、発光ダイオード3
02fの画素電極として機能する。
【0092】
また、LED基板370Dに設けられた導電体117cと、回路アレイ360Dに設けら
れた導電層118cと、が接続されている。電極112は、発光ダイオード302e、3
02fの共通電極として機能する。
【0093】
発光ダイオード302e、302fが発する光は、封止層318側に取り出される。封止
層318、絶縁層355、ゲート絶縁層311、絶縁層315は、それぞれ、当該光を透
過する。また、導電層118a、118bに、可視光を透過する導電材料を用いると、図
4(A)に示す発光領域L1よりも、発光領域を広くすることができるため、好ましい。
【0094】
また、
図6に示す表示装置380Eのように、半導体層の低抵抗領域119a、119b
が、絶縁層355に設けられた開口を介して、導電体117a、117bと接続されてい
てもよい。半導体層に酸化物半導体を用いる場合、半導体層の低抵抗領域119a、11
9bは発光ダイオードの発光を透過することができるため、発光領域L2を、発光領域L
1に比べて広くすることができる。
【0095】
また、
図7に示す表示装置380Fのように、同じ色(例えば白色)の光を呈する発光ダ
イオードがマトリクス状に配置されたLED基板370Dと、着色層(着色層CFA、C
FB)を有する回路アレイ360Fと、を貼り合わせることで、表示装置を作製してもよ
い。発光ダイオード302eと発光ダイオード302fは、同じ色の光を発する。発光ダ
イオード302eが発する光は、着色層CFAを介して表示装置380Fの外部に取り出
される。発光ダイオード302fが発する光は、着色層CFAとは異なる色の着色層CF
Bを介して表示装置380Fの外部に取り出される。例えば、赤色、緑色、青色の着色層
を回路アレイ360Fに設けることで、フルカラー表示が可能な表示装置を作製すること
ができる。
【0096】
なお、表示装置380E、380Fは、それぞれ、表示装置380Dの作製方法において
、基板351上に剥離層353を介して形成する回路アレイ360Dを、回路アレイ36
0Eまたは回路アレイ360Fに変更することで、作製することができる。
【0097】
[トランジスタ]
次に、表示装置に用いることができるトランジスタについて、説明する。
【0098】
表示装置が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、プレーナ型のトラン
ジスタとしてもよいし、スタガ型のトランジスタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジ
スタとしてもよい。また、トップゲート構造またはボトムゲート構造のいずれのトランジ
スタ構造としてもよい。または、チャネルの上下にゲート電極が設けられていてもよい。
【0099】
表示装置が有するトランジスタには、例えば、金属酸化物をチャネル形成領域に用いたト
ランジスタを用いることができる。これにより、極めてオフ電流の低いトランジスタを実
現することができる。
【0100】
または、表示装置が有するトランジスタにシリコンをチャネル形成領域に有するトランジ
スタを適用してもよい。当該トランジスタとしては、例えば、アモルファスシリコンを有
するトランジスタ、結晶性のシリコン(代表的には、低温ポリシリコン)を有するトラン
ジスタ、単結晶シリコンを有するトランジスタなどが挙げられる。
【0101】
図8(A)、
図8(B)に、トランジスタの構成例を示す。各トランジスタは、絶縁層1
41と絶縁層208の間に設けられている。絶縁層141は、下地膜としての機能を有す
ることが好ましい。絶縁層208は、平坦化膜としての機能を有することが好ましい。
【0102】
図8(A)に示すトランジスタ220は、半導体層204に金属酸化物を有する、ボトム
ゲート構造のトランジスタである。金属酸化物は、酸化物半導体として機能することがで
きる。
【0103】
トランジスタの半導体には、酸化物半導体を用いることが好ましい。シリコンよりもバン
ドギャップが広く、且つキャリア密度の小さい半導体材料を用いると、トランジスタのオ
フ状態における電流を低減できるため好ましい。
【0104】
トランジスタ220は、導電層201、絶縁層202、導電層203a、導電層203b
、及び半導体層204を有する。導電層201は、ゲートとして機能する。絶縁層202
は、ゲート絶縁層として機能する。半導体層204は、絶縁層202を介して、導電層2
01と重なる。導電層203a及び導電層203bは、それぞれ、半導体層204と電気
的に接続される。トランジスタ220は、絶縁層211と絶縁層212によって覆われて
いることが好ましい。絶縁層211及び絶縁層212には各種無機絶縁膜を用いることが
できる。特に、絶縁層211には、酸化物絶縁膜が好適であり、絶縁層212には、窒化
物絶縁膜が好適である。
【0105】
図8(B)に示すトランジスタ230は、半導体層にポリシリコンを有する、トップゲー
ト構造のトランジスタである。
【0106】
トランジスタ230は、導電層201、絶縁層202、導電層203a、導電層203b
、半導体層、及び絶縁層213を有する。導電層201は、ゲートとして機能する。絶縁
層202は、ゲート絶縁層として機能する。半導体層は、チャネル形成領域214a及び
一対の低抵抗領域214bを有する。半導体層はさらにLDD(Lightly Dop
ed Drain)領域を有していてもよい。
図8(B)では、チャネル形成領域214
aと低抵抗領域214bの間にLDD領域214cを有する例を示す。チャネル形成領域
214aは、絶縁層202を介して、導電層201と重なる。導電層203aは、絶縁層
202及び絶縁層213に設けられた開口を介して、一対の低抵抗領域214bの一方と
電気的に接続される。同様に、導電層203bは、一対の低抵抗領域214bの他方と電
気的に接続される。絶縁層213には、各種無機絶縁膜を用いることができる。特に、絶
縁層213には窒化物絶縁膜が好適である。
【0107】
[金属酸化物]
半導体層には、酸化物半導体として機能する金属酸化物を用いることが好ましい。以下で
は、半導体層に適用可能な金属酸化物について説明する。
【0108】
金属酸化物は、少なくともインジウムまたは亜鉛を含むことが好ましい。特に、インジウ
ム及び亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イ
ットリウムまたは錫などが含まれていることが好ましい。また、ホウ素、チタン、鉄、ニ
ッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハ
フニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または
複数種が含まれていてもよい。
【0109】
ここでは、金属酸化物が、インジウム、元素M、及び亜鉛を有するIn-M-Zn酸化物
である場合を考える。なお、元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、または
錫などとする。そのほか、元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素、チタン、鉄、ニッ
ケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフ
ニウム、タンタル、タングステン、マグネシウムなどがある。ただし、元素Mとして、前
述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。
【0110】
なお、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxi
de)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(met
al oxynitride)と呼称してもよい。例えば、亜鉛酸窒化物(ZnON)な
どの窒素を有する金属酸化物を、半導体層に用いてもよい。
【0111】
なお、本明細書等において、CAAC(c-axis aligned crystal
)、及びCAC(Cloud-Aligned Composite)と記載する場合が
ある。なお、CAACは結晶構造の一例を表し、CACは機能、または材料の構成の一例
を表す。
【0112】
例えば、半導体層にはCAC(Cloud-Aligned Composite)-O
Sを用いることができる。
【0113】
CAC-OSまたはCAC-metal oxideとは、材料の一部では導電性の機能
と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する
。なお、CAC-OSまたはCAC-metal oxideを、トランジスタの発光層
に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(またはホール)を流す機能であり
、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性
の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Of
fさせる機能)をCAC-OSまたはCAC-metal oxideに付与することが
できる。CAC-OSまたはCAC-metal oxideにおいて、それぞれの機能
を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
【0114】
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、導電性領域、及び絶縁性
領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性
の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベ
ルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に
偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察され
る場合がある。
【0115】
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideにおいて、導電性領域と、絶
縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上10nm以下、好ましくは0.5nm以上3nm
以下のサイズで材料中に分散している場合がある。
【0116】
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、異なるバンドギャップを
有する成分により構成される。例えば、CAC-OSまたはCAC-metal oxi
deは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナ
ローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に
、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップ
を有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有す
る成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記C
AC-OSまたはCAC-metal oxideをトランジスタのチャネル形成領域に
用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流、
及び高い電界効果移動度を得ることができる。
【0117】
すなわち、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、マトリックス複合材
(matrix composite)、または金属マトリックス複合材(metal
matrix composite)と呼称することもできる。
【0118】
酸化物半導体(金属酸化物)は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導
体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、CAAC-OS(c-a
xis aligned crystalline oxide semiconduc
tor)、多結晶酸化物半導体、nc-OS(nanocrystalline oxi
de semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:
amorphous-like oxide semiconductor)、及び非晶
質酸化物半導体などがある。
【0119】
CAAC-OSは、c軸配向性を有し、かつa-b面方向において複数のナノ結晶が連結
し、歪みを有した結晶構造となっている。なお、歪みとは、複数のナノ結晶が連結する領
域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の
向きが変化している箇所を指す。
【0120】
ナノ結晶は、六角形を基本とするが、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合が
ある。また、歪みにおいて、五角形及び七角形などの格子配列を有する場合がある。なお
、CAAC-OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリ
ーともいう。)を確認することは難しい。すなわち、格子配列の歪みによって、結晶粒界
の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC-OSが、a-b面方向におい
て酸素原子の配列が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距離が変
化することなどによって、歪みを許容することができるためである。
【0121】
また、CAAC-OSは、インジウム、及び酸素を有する層(以下、In層)と、元素M
、亜鉛、及び酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(
層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能
であり、(M,Zn)層の元素Mがインジウムと置換した場合、(In,M,Zn)層と
表すこともできる。また、In層のインジウムが元素Mと置換した場合、(In,M)層
と表すこともできる。
【0122】
CAAC-OSは結晶性の高い金属酸化物である。一方、CAAC-OSは、明確な結晶
粒界を確認することが難しいため、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくい
といえる。また、金属酸化物の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する
場合があるため、CAAC-OSは不純物や欠陥(酸素欠損(VO:oxygen va
cancyともいう。)など)の少ない金属酸化物ともいえる。したがって、CAAC-
OSを有する金属酸化物は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC-OSを有する
金属酸化物は熱に強く、信頼性が高い。
【0123】
nc-OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3
nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc-OSは、異なるナノ
結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。した
がって、nc-OSは、分析方法によっては、a-like OSや非晶質酸化物半導体
と区別が付かない場合がある。
【0124】
なお、インジウムと、ガリウムと、亜鉛と、を有する金属酸化物の一種である、インジウ
ム-ガリウム-亜鉛酸化物(以下、IGZO)は、上述のナノ結晶とすることで安定な構
造をとる場合がある。特に、IGZOは、大気中では結晶成長がし難い傾向があるため、
大きな結晶(ここでは、数mmの結晶、または数cmの結晶)よりも小さな結晶(例えば
、上述のナノ結晶)とする方が、構造的に安定となる場合がある。
【0125】
a-like OSは、nc-OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する金属酸化
物である。a-like OSは、鬆または低密度領域を有する。すなわち、a-lik
e OSは、nc-OS及びCAAC-OSと比べて、結晶性が低い。
【0126】
酸化物半導体(金属酸化物)は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本
発明の一態様の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a-lik
e OS、nc-OS、CAAC-OSのうち、二種以上を有していてもよい。
【0127】
半導体層として機能する金属酸化物膜は、不活性ガス及び酸素ガスのいずれか一方または
双方を用いて成膜することができる。なお、金属酸化物膜の成膜時における酸素の流量比
(酸素分圧)に、特に限定はない。ただし、電界効果移動度が高いトランジスタを得る場
合においては、金属酸化物膜の成膜時における酸素の流量比(酸素分圧)は、0%以上3
0%以下が好ましく、5%以上30%以下がより好ましく、7%以上15%以下がさらに
好ましい。
【0128】
金属酸化物は、エネルギーギャップが2eV以上であることが好ましく、2.5eV以上
であることがより好ましく、3eV以上であることがさらに好ましい。このように、エネ
ルギーギャップの広い金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減するこ
とができる。
【0129】
金属酸化物膜は、スパッタリング法により形成することができる。そのほか、PLD法、
PECVD法、熱CVD法、ALD法、真空蒸着法などを用いてもよい。
【0130】
なお、表示装置を構成する各種導電層に用いることができる材料としては、アルミニウム
、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タン
タル、またはタングステンなどの金属、またはこれを主成分とする合金などが挙げられる
。またこれらの材料を含む膜を単層で、または積層構造として用いることができる。例え
ば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、チタン膜上にアルミニウム膜を積層する
二層構造、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅-マグネシウム-
アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造
、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜または窒化チタン膜と、その上
に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜または窒化チタン
膜を形成する三層構造、モリブデン膜または窒化モリブデン膜と、その上に重ねてアルミ
ニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜または窒化モリブデン膜を形
成する三層構造等がある。なお、酸化インジウム、酸化錫または酸化亜鉛等の酸化物を用
いてもよい。また、マンガンを含む銅を用いると、エッチングによる形状の制御性が高ま
るため好ましい。
【0131】
なお、表示装置を構成する各種絶縁層に用いることができる材料としては、アクリル、ポ
リイミド、エポキシ、シリコーンなどの樹脂、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸
化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁材料が挙げられる。
【0132】
以上のように、本実施の形態の表示装置は、複数の発光ダイオードと複数のトランジスタ
とを一度に貼り合わせることができるため、表示装置の製造コストの削減及び歩留まりの
向上を図ることができる。また、マイクロLEDと、金属酸化物を用いたトランジスタを
組み合わせることで、消費電力の低減された表示装置を実現できる。
【0133】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。また、本明細書にお
いて、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、構成例を適宜組み合わ
せることが可能である。
【0134】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について、
図9~
図11を用いて説明する
。
【0135】
本実施の形態の電子機器は、表示部に本発明の一態様の表示装置を有する。本発明の一態
様の表示装置は、表示品位が高く、かつ、消費電力が低い。また、本発明の一態様の表示
装置は、高精細化及び大型化が容易である。したがって、様々な電子機器の表示部に用い
ることができる。
【0136】
本実施の形態の電子機器の表示部には、例えばフルハイビジョン、4K2K、8K4K、
16K8K、またはそれ以上の解像度を有する映像を表示させることができる。
【0137】
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパー
ソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルサイネージ、パチンコ機な
どの大型ゲーム機などの比較的大きな画面を備える電子機器の他、デジタルカメラ、デジ
タルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端
末、音響再生装置、などが挙げられる。
【0138】
本実施の形態の電子機器は、家屋もしくはビルの内壁もしくは外壁、または、自動車の内
装もしくは外装の曲面に沿って組み込むことができる。
【0139】
本実施の形態の電子機器は、アンテナを有していてもよい。アンテナで信号を受信するこ
とで、表示部で映像や情報等の表示を行うことができる。また、電子機器がアンテナ及び
二次電池を有する場合、アンテナを、非接触電力伝送に用いてもよい。
【0140】
本実施の形態の電子機器は、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、
距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放
射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定する機能を含むもの)を有し
ていてもよい。
【0141】
本実施の形態の電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静
止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダ
ー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)を実行する
機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出す機能
等を有することができる。
【0142】
図9(A)にテレビジョン装置の一例を示す。テレビジョン装置7100は、筐体710
1に表示部7000が組み込まれている。ここでは、スタンド7103により筐体710
1を支持した構成を示している。
【0143】
表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
【0144】
図9(A)に示すテレビジョン装置7100の操作は、筐体7101が備える操作スイッ
チや、別体のリモコン操作機7111により行うことができる。または、表示部7000
にタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部7000に触れることでテレビジョン
装置7100を操作してもよい。リモコン操作機7111は、当該リモコン操作機711
1から出力する情報を表示する表示部を有していてもよい。リモコン操作機7111が備
える操作キーまたはタッチパネルにより、チャンネル及び音量の操作を行うことができ、
表示部7000に表示される映像を操作することができる。
【0145】
なお、テレビジョン装置7100は、受信機及びモデムなどを備えた構成とする。受信機
により一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介して有線または無
線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双
方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能であ
る。
【0146】
図9(B)に、ノート型パーソナルコンピュータの一例を示す。ノート型パーソナルコン
ピュータ7200は、筐体7211、キーボード7212、ポインティングデバイス72
13、外部接続ポート7214等を有する。筐体7211に、表示部7000が組み込ま
れている。
【0147】
表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
【0148】
図9(C)、
図9(D)に、デジタルサイネージの一例を示す。
【0149】
図9(C)に示すデジタルサイネージ7300は、筐体7301、表示部7000、及び
スピーカ7303等を有する。さらに、LEDランプ、操作キー(電源スイッチ、または
操作スイッチを含む)、接続端子、各種センサ、マイクロフォン等を有することができる
。
【0150】
図9(D)は円柱状の柱7401に取り付けられたデジタルサイネージ7400である。
デジタルサイネージ7400は、柱7401の曲面に沿って設けられた表示部7000を
有する。
【0151】
図9(C)、
図9(D)において、表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用
することができる。
【0152】
表示部7000が広いほど、一度に提供できる情報量を増やすことができる。また、表示
部7000が広いほど、人の目につきやすく、例えば、広告の宣伝効果を高めることがで
きる。
【0153】
表示部7000にタッチパネルを適用することで、表示部7000に画像または動画を表
示するだけでなく、使用者が直感的に操作することができ、好ましい。また、路線情報も
しくは交通情報などの情報を提供するための用途に用いる場合には、直感的な操作により
ユーザビリティを高めることができる。
【0154】
また、
図9(C)、
図9(D)に示すように、デジタルサイネージ7300またはデジタ
ルサイネージ7400は、ユーザが所持するスマートフォン等の情報端末機7311また
は情報端末機7411と無線通信により連携可能であることが好ましい。例えば、表示部
7000に表示される広告の情報を、情報端末機7311または情報端末機7411の画
面に表示させることができる。また、情報端末機7311または情報端末機7411を操
作することで、表示部7000の表示を切り替えることができる。
【0155】
また、デジタルサイネージ7300またはデジタルサイネージ7400に、情報端末機7
311または情報端末機7411の画面を操作手段(コントローラ)としたゲームを実行
させることもできる。これにより、不特定多数のユーザが同時にゲームに参加し、楽しむ
ことができる。
【0156】
図10(A)は、ファインダー8100を取り付けた状態のカメラ8000の外観を示す
図である。
【0157】
カメラ8000は、筐体8001、表示部8002、操作ボタン8003、シャッターボ
タン8004等を有する。またカメラ8000には、着脱可能なレンズ8006が取り付
けられている。なお、カメラ8000は、レンズ8006と筐体とが一体となっていても
よい。
【0158】
カメラ8000は、シャッターボタン8004を押す、またはタッチパネルとして機能す
る表示部8002をタッチすることにより撮像することができる。
【0159】
筐体8001は、電極を有するマウントを有し、ファインダー8100のほか、ストロボ
装置等を接続することができる。
【0160】
ファインダー8100は、筐体8101、表示部8102、ボタン8103等を有する。
【0161】
筐体8101は、カメラ8000のマウントと係合するマウントにより、カメラ8000
に取り付けられている。ファインダー8100はカメラ8000から受信した映像等を表
示部8102に表示させることができる。
【0162】
ボタン8103は、電源ボタン等としての機能を有する。
【0163】
カメラ8000の表示部8002、及びファインダー8100の表示部8102に、本発
明の一態様の表示装置を適用することができる。なお、ファインダーが内蔵されたカメラ
8000であってもよい。
【0164】
図10(B)は、ヘッドマウントディスプレイ8200の外観を示す図である。
【0165】
ヘッドマウントディスプレイ8200は、装着部8201、レンズ8202、本体820
3、表示部8204、ケーブル8205等を有している。また装着部8201には、バッ
テリ8206が内蔵されている。
【0166】
ケーブル8205は、バッテリ8206から本体8203に電力を供給する。本体820
3は無線受信機等を備え、受信した映像情報を表示部8204に表示させることができる
。また、本体8203はカメラを備え、使用者の眼球やまぶたの動きの情報を入力手段と
して用いることができる。
【0167】
また、装着部8201には、使用者に触れる位置に、使用者の眼球の動きに伴って流れる
電流を検知可能な複数の電極が設けられ、視線を認識する機能を有していてもよい。また
、当該電極に流れる電流により、使用者の脈拍をモニタする機能を有していてもよい。ま
た、装着部8201には、温度センサ、圧力センサ、加速度センサ等の各種センサを有し
ていてもよく、使用者の生体情報を表示部8204に表示する機能や、使用者の頭部の動
きに合わせて表示部8204に表示する映像を変化させる機能を有していてもよい。
【0168】
表示部8204に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
【0169】
図10(C)、
図10(D)、
図10(E)は、ヘッドマウントディスプレイ8300の
外観を示す図である。ヘッドマウントディスプレイ8300は、筐体8301と、表示部
8302と、バンド状の固定具8304と、一対のレンズ8305と、を有する。
【0170】
使用者は、レンズ8305を通して、表示部8302の表示を視認することができる。な
お、表示部8302を湾曲して配置させると、使用者が高い臨場感を感じることができる
ため好ましい。また、表示部8302の異なる領域に表示された別の画像を、レンズ83
05を通して視認することで、視差を用いた3次元表示等を行うこともできる。なお、表
示部8302を1つ設ける構成に限られず、表示部8302を2つ設け、使用者の片方の
目につき1つの表示部を配置してもよい。
【0171】
表示部8302に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。本発明の一態様
の表示装置は極めて精細度が高いため、
図10(E)のようにレンズ8305を用いて表
示を拡大して視認される場合でも、使用者に画素が視認されにくい。つまり、表示部83
02を用いて、使用者に現実感の高い映像を視認させることができる。
【0172】
図11(A)乃至
図11(F)に示す電子機器は、筐体9000、表示部9001、スピ
ーカ9003、操作キー9005(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子
9006、センサ9007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光
、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流
量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン
9008、等を有する。
【0173】
図11(A)乃至
図11(F)に示す電子機器は、様々な機能を有する。例えば、様々な
情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、
カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)に
よって処理を制御する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラムまたは
データを読み出して処理する機能、等を有することができる。なお、電子機器の機能はこ
れらに限られず、様々な機能を有することができる。電子機器は、複数の表示部を有して
いてもよい。また、電子機器にカメラ等を設け、静止画や動画を撮影し、記録媒体(外部
またはカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有し
ていてもよい。
【0174】
図11(A)乃至
図11(F)に示す電子機器の詳細について、以下説明を行う。
【0175】
図11(A)は、携帯情報端末9101を示す斜視図である。携帯情報端末9101は、
例えばスマートフォンとして用いることができる。なお、携帯情報端末9101は、スピ
ーカ9003、接続端子9006、センサ9007等を設けてもよい。また、携帯情報端
末9101は、文字や画像情報をその複数の面に表示することができる。
図11(A)で
は3つのアイコン9050を表示した例を示している。また、破線の矩形で示す情報90
51を表示部9001の他の面に表示することもできる。情報9051の一例としては、
電子メール、SNS、電話などの着信の通知、電子メールやSNSなどの題名、送信者名
、日時、時刻、バッテリの残量、アンテナ受信の強度などがある。または、情報9051
が表示されている位置にはアイコン9050などを表示してもよい。
【0176】
図11(B)は、携帯情報端末9102を示す斜視図である。携帯情報端末9102は、
表示部9001の3面以上に情報を表示する機能を有する。ここでは、情報9052、情
報9053、情報9054がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。例えば使用者
は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末9102を収納した状態で、携帯情報端末9102
の上方から観察できる位置に表示された情報9053を確認することもできる。使用者は
、携帯情報端末9102をポケットから取り出すことなく表示を確認し、例えば電話を受
けるか否かを判断できる。
【0177】
図11(C)は、腕時計型の携帯情報端末9200を示す斜視図である。携帯情報端末9
200は、例えばスマートウォッチとして用いることができる。また、表示部9001は
その表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また
、携帯情報端末9200は、例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによ
って、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子
9006により、他の情報端末と相互にデータ伝送を行うことや、充電を行うこともでき
る。なお、充電動作は無線給電により行ってもよい。
【0178】
図11(D)、
図11(E)、
図11(F)は、折り畳み可能な携帯情報端末9201を
示す斜視図である。また、
図11(D)は携帯情報端末9201を展開した状態、
図11
(F)は折り畳んだ状態、
図11(E)は
図11(D)と
図11(F)の一方から他方に
変化する途中の状態の斜視図である。携帯情報端末9201は、折り畳んだ状態では可搬
性に優れ、展開した状態では継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携
帯情報端末9201が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つ
の筐体9000に支持されている。例えば、表示部9001は、曲率半径0.1mm以上
150mm以下で曲げることができる。
【0179】
本実施の形態は、他の実施の形態及び実施例と適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0180】
111a:導電層、111b:導電層、111c:導電層、111d:導電層、112:
電極、112a:電極、112b:電極、113:半導体層、113a:半導体層、11
3b:半導体層、114:発光層、114a:発光層、114b:発光層、115:半導
体層、115a:半導体層、115b:半導体層、116:電極、116a:電極、11
6b:電極、117a:導電体、117b:導電体、117c:導電体、117d:導電
体、118a:導電層、118b:導電層、118c:導電層、119a:低抵抗領域、
119b:低抵抗領域、141:絶縁層、201:導電層、202:絶縁層、203a:
導電層、203b:導電層、204:半導体層、208:絶縁層、211:絶縁層、21
2:絶縁層、213:絶縁層、214a:チャネル形成領域、214b:低抵抗領域、2
14c:LDD領域、220:トランジスタ、230:トランジスタ、302a:発光ダ
イオード、302b:発光ダイオード、302c:発光ダイオード、302d:発光ダイ
オード、302e:発光ダイオード、302f:発光ダイオード、303a:トランジス
タ、303b:トランジスタ、303c:トランジスタ、303d:トランジスタ、30
3e:トランジスタ、303f:トランジスタ、311:ゲート絶縁層、312:絶縁層
、313:絶縁層、314:絶縁層、315:絶縁層、318:封止層、351:基板、
353:剥離層、355:絶縁層、360A:回路基板、360B:回路基板、360C
:回路基板、360D:回路アレイ、360E:回路アレイ、360F:回路アレイ、3
61:基板、362:基板、363:接着層、367:絶縁層、370A:LED基板、
370B:LED基板、370C:LED基板、370D:LED基板、371:基板、
373:保護層、380A:表示装置、380B:表示装置、380C:表示装置、38
0D:表示装置、380E:表示装置、380F:表示装置、7000:表示部、710
0:テレビジョン装置、7101:筐体、7103:スタンド、7111:リモコン操作
機、7200:ノート型パーソナルコンピュータ、7211:筐体、7212:キーボー
ド、7213:ポインティングデバイス、7214:外部接続ポート、7300:デジタ
ルサイネージ、7301:筐体、7303:スピーカ、7311:情報端末機、7400
:デジタルサイネージ、7401:柱、7411:情報端末機、8000:カメラ、80
01:筐体、8002:表示部、8003:操作ボタン、8004:シャッターボタン、
8006:レンズ、8100:ファインダー、8101:筐体、8102:表示部、81
03:ボタン、8200:ヘッドマウントディスプレイ、8201:装着部、8202:
レンズ、8203:本体、8204:表示部、8205:ケーブル、8206:バッテリ
、8300:ヘッドマウントディスプレイ、8301:筐体、8302:表示部、830
4:固定具、8305:レンズ、9000:筐体、9001:表示部、9003:スピー
カ、9005:操作キー、9006:接続端子、9007:センサ、9008:マイクロ
フォン、9050:アイコン、9051:情報、9052:情報、9053:情報、90
54:情報、9055:ヒンジ、9101:携帯情報端末、9102:携帯情報端末、9
200:携帯情報端末、9201:携帯情報端末