(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002706
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】回路遮断器の消弧装置及び消弧装置の組立て方法
(51)【国際特許分類】
H01H 73/18 20060101AFI20241226BHJP
H01H 33/08 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
H01H73/18 Z
H01H33/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023103033
(22)【出願日】2023-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】508296738
【氏名又は名称】富士電機機器制御株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】山村 龍一郎
(72)【発明者】
【氏名】中山 祥太郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 朗史
【テーマコード(参考)】
5G027
5G030
【Fターム(参考)】
5G027AA03
5G027AA28
5G027BC03
5G027BC14
5G027BC18
5G030DB00
5G030DE02
5G030XX12
(57)【要約】
【課題】回路遮断器の組み立て性を改善し、消弧室のガス圧が上昇しても防護板が消弧室ユニットの背面壁から吹き飛ばされるおそれがない。
【解決手段】ケース2の内部に配置され、固定接触子10及び可動接触子11を囲む消弧室ユニット16と、消弧室ユニットの背面壁32の長手方向の一方32aで開口している排気口33を覆うように背面壁に配置される防護板20とを有する回路遮断器1の消弧装置7である。防護板は、排気口を覆う長尺形状の本体部21と、本体部の長手方向の一端に連続して形成された基部22(一対の第1係合片24a,24b、貫通穴25,第2係合片27)と、を備えており、消弧室ユニット16の背面壁の長手方向の他方側には、基部の背面壁からの離脱を拘束し、且つ基部の背面壁の長手方向の一方側及び他方側への移動を拘束して防護板を一体に装着する防護板保持部35a,35b,36が設けられている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースの内部に配置され、固定接点及び可動接点を囲む消弧室ユニットと、前記消弧室ユニットの背面壁に設けた排気口を覆うように前記背面壁に配置される防護板とを有する回路遮断器の消弧装置であって、
前記防護板は、前記排気口を覆う本体部と、前記本体部の一端に形成された基部と、を備えており、
前記消弧室ユニットの前記背面壁には、前記基部の前記背面壁からの離脱を拘束し、且つ前記基部の前記背面壁からの移動を拘束して前記防護板を一体に装着する防護板保持部が設けられていることを特徴とする回路遮断器の消弧装置。
【請求項2】
前記防護板の基部に係合片を設け、防護板を前記背面壁の長手方向の一方側にスライドさせて前記係合片を防護板保持部に係合させることを特徴とする請求項1に記載の回路遮断器の消弧装置。
【請求項3】
前記基部は、前記本体部から離間した自由端部から幅方向外方に突出している前記係合片としての一対の第1係合片と、前記一対の第1係合片の間に形成された貫通穴と、前記貫通穴の周縁において2本のスリットの間に形成した前記係合片としての第2係合片と、を備え、
前記防護板保持部は、前記背面壁の短尺方向に互いに離間して形成された一対の第1保持凸部と、前記一対の第1保持凸部の側壁をポケット形状に切り欠いて形成した一対のフック部と、前記貫通穴に入り込む第2保持凸部と、を備えており、
前記背面壁の長手方向の他方側に配置した前記基部を、前記背面壁の長手方向の一方側にスライド移動することで、前記一対の第1係合片を前記一対のフック部に挿入して前記基部の前記背面壁からの離脱が拘束され、且つ前記基部の前記背面壁の長手方向の一方側への移動が拘束されるとともに、前記貫通穴に前記第2保持凸部が入り込んだときに前記第2係合片が前記第2保持凸部の側壁を押し付けることで前記基部の前記背面壁の長手方向の他方側への移動が拘束されるようにしたことを特徴とする請求項2記載の回路遮断器の消弧装置。
【請求項4】
請求項3に記載されている消弧装置の組立て方法であって、
前記防護板を前記消弧室ユニットの前記背面壁に向けて移動していき、前記基部の前記一対の第1係合片が前記防護板保持部の前記一対のフック部より前記背面壁の長手方向の他方側に位置し、前記基部の貫通穴が前記防護板保持部の前記第2保持凸部より前記背面壁の長手方向の他方側に位置するように、前記防護板を前記背面壁に載せる工程と、
前記防護板を前記背面壁の長手方向の一方側にスライド移動させていくことで、前記一対の第1係合片を前記一対のフック部に挿入し、前記貫通穴に前記第2保持凸部が入り込んで前記第2係合片が前記第2保持凸部の側壁を押し付ける工程と、を備えていることを特徴とする消弧装置の組立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路遮断器の消弧装置及び消弧装置の組立て方法に関し、詳しくは、消弧室ユニットの背面壁で開口している排気口を覆う防護板を消弧室ユニットに一体に装着した消弧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回路遮断器には、大電流の遮断時に発生したアークを消弧する消弧装置が搭載されている(例えば特許文献1)。消弧装置の背面壁には、アークガスを外部に排出する排気口が開口しており、排気口を防護板で覆うことで、平常時に外方から塵埃、異物が消弧装置の内部に侵入するのを防いでいる。
【0003】
特許文献1の防護板は、基部が消弧装置の支持体とケース内に配置した固定接触子との間に挟み込んで固定されることで消弧装置の排気口を覆って装着されている。このように、特許文献1は、回路遮断器の組み立て途中で、薄く、小部品である防護板を消弧装置の排気口を覆うように取り付けなければならないので、回路遮断器の組み立て作業性の面で問題があった。
【0004】
そこで、両面テープを使用して消弧装置の背面壁に防護板を一体に貼り付けることで、防護板を消弧装置にユニット化することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、両面テープを使用した消弧装置の背面壁への防護板の装着は、両面テープから剥がしたテープカバーの後処理作業が必要となる。また、アークガスとの接触により両面テープの粘着力が低下してしまい、防護板が消弧装置の背面壁から脱落するおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は、回路遮断器の組み立て性を改善することができるとともに、消弧室のガス圧が上昇しても防護板が消弧室ユニットの背面壁から吹き飛ばされるおそれがない回路遮断器の消弧装置を提供することを目的としている。また、本発明は、自動機による組み立て自動化で行うことができる消弧装置の組立て方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る回路遮断器の消弧装置は、ケースの内部に配置され、固定接点及び可動接点を囲む消弧室ユニットと、消弧室ユニットの背面壁に設けた排気口を覆うように背面壁に配置される防護板とを有する回路遮断器の消弧装置であって、防護板は、排気口を覆う本体部と、本体部の一端に形成された基部と、を備えており、消弧室ユニットの背面壁には、基部の前記背面壁からの離脱を拘束し、且つ前記基部の背面壁からの移動を拘束して防護板を一体に装着する防護板保持部が設けられている。
【0009】
また、本発明の一態様に係る消弧装置の組立て方法は、防護板を消弧室ユニットの背面壁に向けて移動していき、基部の一対の第1係合片が防護板保持部の一対のフック部より背面壁の長手方向の他方側に位置し、基部の貫通穴が防護板保持部の第2保持凸部より背面壁の長手方向の他方側に位置するように、防護板を背面壁に載せる工程と、防護板を背面壁の長手方向の一方側にスライド移動させていくことで、一対の第1係合片を一対のフック部に挿入し、貫通穴に第2保持凸部が入り込んで第2係合片が第2保持凸部の側壁を押し付ける工程と、を備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る回路遮断器の消弧装置によると、回路遮断器の組み立て性を改善することができるとともに、消弧室のガス圧が上昇しても消弧室ユニットの背面壁からの防護板の吹き飛びを確実に防止することができる。
【0011】
また、本発明に係る消弧装置の組立て方法によると、自動機による組み立て自動化を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る回路遮断器の構成を示す断面図である。
【
図2】回路遮断器に搭載されている防護板を消弧室ユニットに一体装着した消弧装置を示す斜視図である。
【
図4】消弧室ユニットの背面壁側の形状を示す図である。
【
図5】背面壁に設けた第1保持凸部及び第2保持凸部を示す図である。
【
図6】消弧装置の組立てにおいて消弧室ユニットの背面壁に向けて防護板を装着する状態を示す図である。
【
図7】背面壁の第1保持凸部及び第2保持凸部に、防護板の基部が係合する前の状態を示す図である。
【
図8】背面壁の第1保持凸部及び第2保持凸部に、防護板の基部が係合した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0014】
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0015】
なお、以下の説明で記載されている「長尺方向」、「幅方向」等の方向を示す用語は、添付図面の方向を参照して用いられている。
【0016】
図1は、主回路の電源側及び負荷側の間に接続した3相(R,S,T相)交流用の第1実施形態の回路遮断器1の断面であり、本体ケース2に並列に組み込まれた各相のうちの1相の回路構造を示している。
【0017】
第1実施形態の回路遮断器1は、本体ケース2の内部に、主回路を開閉する開閉接点3と、開閉接点3を開閉する開閉機構4と、開閉機構4を操作する開閉ハンドル5と、主回路に短絡電流が流れたときに開閉機構4にトリップ動作をさせる過電流引外し装置6と、消弧装置7が配置されている。
【0018】
本体ケース2は、下部ケース2aに電源側中間ケース2b及び負荷側中間ケース2cが重なって組付けられており、電源側中間ケース2b及び負荷側中間ケース2cにトップカバー2dが重なって組付けられて構成されている。下部ケース2aには、電源側主回路端子8及び負荷側主回路端子9が固定されている。開閉接点3は固定接点10aを有する固定接触子10及び可動接点11aを有する可動接触子11で構成されており、可動接触子11は接触子ホルダ12で回動自在に支持されている。固定接触子10は電源側主回路端子8に接続され、可動接触子11は過電流引外し装置6を介して負荷側主回路端子9に接続されている。
【0019】
開閉機構4は、可動接触子11と開閉ハンドル5との間を連繋するトグルリンク機構(不図示)と、ラッチ(不図示)と、トリップクロスバー13とを組み合わせたラッチ機構で構成されている。トリップクロスバー13が反時計方向に回動すると、開閉機構4のトリップ動作により可動接触子11が開極動作を行う。
【0020】
過電流引外し装置6は、電源側主回路端子8及び負荷側主回路端子9の間を過電流が流れると、湾曲したバイメタル6aが開閉機構4のトリップクロスバー13に接触することで、トリップクロスバー13が反時計方向に回動する。これにより、開閉機構4のトリップ動作により可動接触子11が開極動作を行う。
【0021】
本体ケース2の下部ケース2a及び電源側中間ケース2bは、開閉接点3、接触子ホルダ12及び消弧装置7を内包する消弧室14を形成している。
【0022】
消弧装置7は、
図2に示すように、箱形状の消弧室ユニット16と、消弧室ユニット16の内部に層状に配置されている複数のグリッド17と、消弧室ユニット16に一体に装着された防護板20と、を備えている。
【0023】
防護板20は、絶縁性を有する弾性変形自在な板材で形成されており、
図3に示すように、長方形状の本体部21と、本体部21の長手方向の一端側に連続して形成された基部22と、を有している。基部22は、本体部21の短手方向の幅より小さな幅で形成された首部23と、本体部21から離間している首部23の自由端部から幅方向外方に突出している一対の第1係合片24a,24bと、を備えている。そして、首部23には、四角形状に開口した貫通穴25が形成されている。また、貫通穴25から本体部21に向けて平行に延在する2本のスリット26a,26bが形成され、これらスリット26a,26bの間に第2係合片27が形成されている。
【0024】
消弧室ユニット16は高分子材料で形成された部材であり、
図2に示すように、互いに対向配置された一対の側壁30a,30bと、一対の側壁30a,30bの上端で連結している上壁31と、一対の側壁30a,30bの背面で連結している背面壁32とを有し、上壁31と背面壁32との間に、消弧室ユニット16の内部に連通する排気口33が形成されている。
【0025】
図4は、防護板20を外した状態で消弧室ユニット16の背面壁32側を示している。消弧室ユニット16の背面壁32は、略長方形状を有し、長手方向の一方32aの端部に排気口33が形成されている。そして、背面壁32の長手方向の他方32b側には、互いに短尺方向に離間して背面壁32から突出している一対の第1保持凸部34a,34bが形成されているとともに、一対の第1保持凸部34a,34bの間で背面壁32から突出している第2保持凸部36が形成されている。
【0026】
一対の第1保持凸部34a,34bの側壁の一部にはフック部35a,35bが形成されている。フック部35a,35bは、
図5に示すように、背面壁32の長手方向の他方32bを向く第1保持凸部34a,34bの側壁の一部と、第2保持凸部36を向く第1保持凸部34a,34bの側壁の一部を切り欠くことでポケット形状に形成されている。
【0027】
また、第2保持凸部36は、背面壁32の幅方向に長尺な直方体形状を有し、
図5に示すように、背面壁32の長手方向の一方32aを向いている第1壁面36aは背面壁32から直角に立ち上がる直角面であり、背面壁32の長手方向の他方32bを向いている第2壁面36bは背面壁32から小さな角度で立ち上がる緩斜面に形成されている。なお、第1壁面36aが、本発明における第2保持凸部の側壁に対応している。
【0028】
防護板20は、基部22の一対の第1係合片24a,24bの一部が一対の第1保持凸部34a,34bのフック部35a,35bに挿入され、基部22の第2係合片27が第2保持凸部36の第1壁面36aに係合することで、消弧室ユニット16に一体に装着される。
【0029】
消弧室ユニット16に防護板20を一体に装着した消弧装置7は、
図1に示すように、消弧室14を形成する本体ケース2の下部ケース2a及び電源側中間ケース2bの内部に、開閉接点3及び接触子ホルダ12などとともに搭載される。これにより、消弧装置7の防護板20は、本体部21の上端が本体ケース2の電源側中間ケース2bに係合することで、消弧装置7の排気口33を覆った状態で配置される。これにより、平常時には、塵埃、異物が消弧室17に侵入するのを防いでいる。
【0030】
上記構成の回路遮断器1は、主回路に短絡電流が流れると、固定接触子10の固定接点10aと可動接触子11の可動接点11aとの間に電磁反発力が働き、可動接触子11が限流開極動作を行う。この可動接触子11が限流開極動作時には、固定接点10aと可動接点11aとの間にアークが発生する。アークのアーク熱によって消弧室14内のアークガスが加熱されていき、消弧室14の温度及びガス圧力が上昇していく。
【0031】
ここで、防護板20の基部22に対する背面壁32の保持力が弱いと、防護板20が吹き飛ばされるおそれがある。しかし、本実施形態は、防護板20の基部22の一対の第1係合片24a,24bが、背面壁32に設けたフック部35a,35bに挿入されることで、背面壁32からの基部22の離脱が拘束され、背面壁32の長手方向の一方32a側への移動も拘束された状態となる。また、基部22の第2係合片27の先端が第2保持凸部36の第1壁面36aに係合することで、背面壁32の長手方向の他方32b側への移動も拘束された状態となる。
【0032】
したがって、防護板20の基部22は、背面壁32に形成した一対の第1保持凸部34a,34bのフック部35a,35b及び第2保持凸部36に強固に保持されるので、消弧室14のガス圧が上昇しても防護板20が消弧室ユニット16の背面壁32から吹き飛ばされるおそれがない。
【0033】
また、防護板20を一体に装着した本実施形態の消弧装置7は、回路遮断器1の組み立て作業性を大幅に向上させることができるとともに、従来装置のような両面テープを用いていないので、後処理作業が不要であるとともに、アークガスとの接触により両面テープの粘着力が低下してしまうなどの不具合も発生しない。
【0034】
次に、消弧室ユニット16に防護板20を装着する方法について、
図6から
図8を参照して説明する。
【0035】
先ず、
図6に示すように、消弧室ユニット16を、背面壁32が上方を向くように配置する。
【0036】
次いで、防護板20を、消弧室ユニット16の背面壁32に向けて下方に降ろしていき、本体部21を背面壁32に載せる。この際、
図7に示すように、防護板20の首部23を一対の第1保持凸部34a,34bの間に配置し、一対の第1係合片24a,24bを、一対の第1保持凸部34a,34bより背面壁32の長手方向の他方32b側に配置する。このとき、防護板20の第2係合片27は、背面壁32の第3保持凸部36の上面に接触している。
【0037】
次いで、防護板20を背面壁32の長手方向の一方32a側にスライド移動させていき、基部22の一対の第1係合片24a,24bを、背面壁32に設けたフック部35a,35bに挿入していく。この際、防護板20の第2係合片27は、第2保持凸部36の第2壁面36bに接触することで上側に弾性変形しながら第2保持凸部36の上面まで移動する。そして、
図8に示すように、背面壁32の長手方向の一方32a側に移動した一対の第1係合片24a,24bが、フック部35a,35bの背面壁32の長手方向の一方32a側に設けた内壁に当接し、第2保持凸部36の上面を移動していた第2係合片27が、弾性復帰して第2保持凸部36の第1壁面36aに当接した状態となる。これにより、背面壁32からの基部22の離脱が拘束され、背面壁32の長手方向の一方32a側への基部22の移動が拘束された状態となるとともに、背面壁32の長手方向の他方32b側への基部22の移動も拘束された状態となる。したがって、防護板20の基部22は、背面壁32に形成した一対の第1保持凸部34a,34bのフック部35a,35b及び第2保持凸部36に保持され、消弧室ユニット16に防護板20が一体に装着される。
【0038】
本実施形態の消弧室ユニット16に防護板20を装着する方法によると、背面壁32を上方に向けた消弧室ユニット16に対して、防護板20を下方に降ろして背面壁32に載せる工程と、防護板20を背面壁32の長手方向の一方32a側にスライド移動させる工程は、人的作業を省いた機械的手段により防護板20を保持して2軸方向に移動させることで容易に行うことができる。これにより、消弧室ユニット16への防護板20の一体装着を、自動機による組み立て自動化で行うことができる。
【符号の説明】
【0039】
1 回路遮断器
2 本体ケース
2a 下部ケース
2b 電源側中間ケース
2c 負荷側中間ケース
2d トップカバー
3 開閉接点
4 開閉機構
5 開閉ハンドル
6 過電流引外し装置
7 消弧装置
8 電源側主回路端子
9 負荷側主回路端子
10 固定接触子
10a 固定接点
11 可動接触子
11a 可動接点
12 接触子ホルダ
13 トリップクロスバー
14 消弧室
16 消弧室ユニット
17 グリッド
20 防護板
21 本体部
22 基部
23 首部
24a,24b 第1係合片
25 貫通穴
26a,26b スリット
27 第2係合片
30a,30b 側壁
31 上壁
32 背面壁
32a 背面壁の長手方向の一方
32b 背面壁の長手方向の他方
33 排気口
34a,34b 第1保持凸部
35a,35b フック部
36 第2保持凸部
36a 第1壁面
36b 第2壁面